JP2004052008A - チタン銅合金材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】Tiを1.0乃至5.0質量%含有し残部がCuであるチタン銅合金からなる板材を、820℃以上の温度に100秒間以上保持して第1の溶体化処理を行い、50%以上の加工率で第1の冷間圧延を施す。次に、この板材を1000℃/分以上の昇温速度で室温から820℃以上の温度まで加熱し、820℃以上の温度に100秒間以上保持して第2の溶体化処理を行う。そして、この板材に対して、5乃至85%の加工率で第2の冷間圧延を施し、次いで、350乃至480℃の温度に2乃至10時間保持して時効処理を施す。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、曲げ加工性及び応力緩和特性等の機械的特性の均一性が優れたチタン銅合金材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ばね性、応力緩和特性及び曲げ加工性等の機械的特性並びに導電性が要求される部材、例えば、電子部品用ばね材等には、チタン銅合金材が使用されている。このようなチタン銅合金は、例えば、JIS H3130の合金C1990において規定されている。そして近時、より良好且つ均質な機械的特性を有するチタン銅合金材の開発が進められている。
【0003】
例えば、特公昭62−39215号公報には、Tiの含有量を2乃至6質量%とし、マトリックス(母相)であるα相中に第二相であるCu3Ti析出物を微細且つ均一に分散させ、平均結晶粒径を25μm以下としたチタン銅合金が開示されている。特公昭62−39215号公報には、これにより、機械的特性のばらつきが小さいチタン銅合金が得られると記載されている。
【0004】
また、特開平7−258803号公報には、Tiを0.01乃至4.0質量%含有する銅合金に、800℃以上の温度で240秒間以内の熱処理を行う1回目の溶体化処理を施し、80%未満の加工度で1回目の冷間圧延を施し、800℃以上の温度で240秒間以内の熱処理を行う2回目の溶体化処理を施し、50%未満の加工度で2回目の冷間圧延を施し、300乃至700℃の温度で1時間以上15時間未満の熱処理を行う時効処理を施して、チタン銅合金を製造する方法が開示されている。特開平7−258803号公報には、これにより、曲げ性及び応力緩和特性が優れたチタン銅合金が得られると記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来の技術には、以下に示すような問題点がある。特公昭62−39215号公報及び特開平7−258803号公報に記載されているチタン銅合金により板材を形成すると、この板材の幅方向における位置により、また、測定方向が圧延方向か圧延直交方向かにより、曲げ加工性及び応力緩和特性等の機械的特性がばらついてしまい、良好な機械的特性を安定して得ることができないという問題点がある。
【0006】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、曲げ加工性及び応力緩和特性等の機械的特性が均一且つ良好であるチタン銅合金及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るチタン銅合金材は、Tiを1.0乃至5.0質量%含有し残部がCu及び不可避的不純物からなる組成を有し、(結晶粒径の偏差/平均結晶粒径)比の値が0.60以下であることを特徴とする。
【0008】
本発明においては、チタン銅合金材にTiを1.0乃至5.0質量%含有させ、(結晶粒径の偏差/平均結晶粒径)比の値を0.60以下とすることにより、溶体化処理中にβ相が析出することを抑制し、結晶粒の大きさのばらつきを抑制することにより、機械的特性を均一且つ良好にすることができる。
【0009】
本発明に係るチタン銅合金材の製造方法は、チタン銅合金からなる部材に対して、820℃以上の温度に100秒間以上保持する第1の溶体化処理を施す工程と、50%以上の加工率で第1の冷間圧延を施す工程と、1000℃/分以上の昇温速度で820℃以上の温度に加熱する第2の溶体化処理を施す工程と、5乃至85%の加工率で第2の冷間圧延を施す工程と、350乃至480℃の温度に2乃至10時間保持する時効処理を施す工程と、を有することを特徴とする。
【0010】
本発明においては、第2の溶体化処理工程において、1000℃/分以上の昇温速度で820℃以上の温度に加熱することにより、昇温中にβ相が析出せず、820℃以上の温度に達したときに、チタン銅合金材がα単相となる。これにより、β相の析出によるTiの偏析及び結晶粒径のばらつきが発生せず、チタン銅合金材の組織が均一になり、均一且つ良好な機械的特性が得られる。
【0011】
また、第1の溶体化処理工程における温度を820℃以上とし、保持時間を100秒間以上とすることにより、マトリックスにTiを十分に固溶させると共に、再結晶を促進し、平均結晶粒径が15μm以上の組織とすることができる。これにより、第1の溶体化処理後のチタン銅合金において、組織及びTiの固溶状態を均一化することができる。また、第1の冷間圧延工程における加工率を50%以上とすることにより、第2の溶体化処理工程において、核発生を促進し、十分に再結晶させることができる。これにより、第2の溶体化処理工程において、均一な組織を得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照して具体的に説明する。本発明の実施形態に係るチタン銅合金は、Tiを1.0乃至5.0質量%含有し残部がCu及び不可避的不純物からなる組成を有している。また、(結晶粒径の偏差/平均結晶粒径)比の値が0.60以下である。
【0013】
本実施形態に係るチタン銅合金材の製造方法について説明する。図1は本実施形態に係るチタン銅合金材の製造方法を示すフローチャートである。先ず、図1のステップS1に示すように、溶解により、Tiを1.0乃至5.0質量%含有し残部がCu及び不可避的不純物からなる組成を有するインゴットを作製する。そして、図1のステップS2乃至S4に示すように、このインゴットに鍛造、熱間圧延及び冷間圧延を施し、例えば板材に加工する。次に、ステップS5に示すように、この板材を820℃以上の温度に100秒間以上保持して第1の溶体化処理を行う。このとき、前記温度は例えばこの板材の固溶線よりも30℃以上高い温度とする。これにより、Tiがマトリックス中に十分固溶すると共に、再結晶が起こり、平均結晶粒径が15μm以上の組織となる。その後、この板材を室温まで冷却する。次に、ステップS6に示すように、この板材に対して、50%以上の加工率で第1の冷間圧延を施す。これにより、次の工程である第2の溶体化処理において、核発生を促進することができる。
【0014】
次に、ステップS7に示すように、この板材を1000℃/分以上の昇温速度で室温から820℃以上の温度まで加熱し、820℃以上の温度に5秒間以上、例えば100秒間以上保持して第2の溶体化処理を行う。このとき、前記温度は例えばこの板材の固溶線よりも30℃以上高い温度とする。その後、室温まで冷却する。そして、ステップS8に示すように、この板材に対して、5乃至85%の加工率で第2の冷間圧延を施す。このとき、加工率は目標とする材質及び最終板厚に応じて決定する。次に、ステップS9に示すように、板材を350乃至480℃の温度に2乃至10時間保持して時効処理を施す。これにより、前記板材が析出硬化する。このようにして、本実施形態に係るチタン銅合金材が作製される。
【0015】
以下、本発明の各構成要件における数値限定理由について説明する。
【0016】
Ti含有量:1.0乃至5.0質量%
Tiは銅合金を析出硬化させるために添加する。Tiの含有量が1.0質量%未満では、析出硬化の効果が小さく、チタン銅合金材の強度が不足する。一方、Tiの含有量が5.0質量%を超えると、チタン銅合金材の加工性が低下する。従って、Tiの含有量は1.0乃至5.0質量%とする。より好適には、2.5乃至4.0質量%である。
【0017】
(結晶粒径の偏差/平均結晶粒径)比の値:0.60以下
(結晶粒径の偏差/平均結晶粒径)比の値が0.60より大きいと、結晶のばらつきが大きく、チタン銅合金材の曲げ加工性のばらつきが大きくなる。従って、(結晶粒径の偏差/平均結晶粒径)比の値は0.60以下とする。
【0018】
第1の溶体化処理における加熱温度:820℃以上
前記加熱温度が820℃未満であると、Tiの固溶が不十分となると共に、再結晶が不十分となり、平均結晶粒径が15μm以上の再結晶粒が生成しない。このため、時効処理後のチタン銅合金の組織が不均一となる。従って、第1の溶体化処理における加熱温度は820℃以上とする。より好ましくは、チタン銅合金材の固溶線よりも30℃以上高い温度である。
【0019】
第1の溶体化処理における加熱時間:100秒間以上
前記加熱時間が100秒間未満であると、Tiの固溶が不十分となると共に、再結晶が不十分となり、平均結晶粒径が15μm以上の再結晶粒が生成しない。このため、時効処理後のチタン銅合金の組織が不均一となる。従って、第1の溶体化処理における加熱時間は100秒間以上とする。
【0020】
第1の溶体化処理を行った後の平均結晶粒径:15μm以上
平均結晶粒径が15μm未満であると、結晶組織は結晶の大きさがばらついた混粒となる。この状態の組織を顕微鏡により観察すると、粒径が1乃至10μm程度の結晶粒が混在した状態となっている。このような状態では、固溶したTiが偏析する。これに対して、平均結晶粒径を15μm以上とすると、結晶の粒径がほぼ揃った状態となり、Tiの偏析を抑制することができる。このため、第1溶体化処理後のチタン銅合金材の組織を、第2の溶体化処理の開始条件として好適なTiの偏析が抑制された状態とすることができる。
【0021】
第1の冷間圧延における加工率:50%以上
第1の冷間圧延における加工率が50%未満であると、チタン銅合金材に付与する加工歪みが不十分となり、第2の溶体化処理において、十分な核発生が起こらない。このため、再結晶が十分に進行しない。従って、第1の冷間加工における加工率は50%以上とする。
【0022】
第2の溶体化処理における昇温速度:1000℃/分以上
第2の溶体化処理における昇温速度が1000℃/分未満であると、昇温中にβ相の粒界析出反応が進行する。このため、チタンの偏析及び結晶粒のばらつきが発生し、チタン銅合金材の組織が不均一になり、(結晶粒径の偏差/平均結晶粒径)比の値が0.60より大きくなる。この結果、時効処理後のチタン銅合金材の機械的特性が不均一になる。従って、第2の溶体化処理における昇温速度は1000℃/分以上とする。
【0023】
第2の溶体化処理における加熱温度:820℃以上
前記加熱温度が820℃未満であると、Tiの固溶が不十分となると共に、再結晶が十分に進行しない。また、この溶体化処理中にβ相が生成してしまう。これにより、時効処理後のチタン銅合金の組織が不均一となる。従って、第2の溶体化処理における加熱温度は820℃以上とする。より好ましくは、チタン銅合金材の固溶線よりも30℃以上高い温度である。
【0024】
第2の冷間圧延における加工率:5乃至85%
加工率が5%未満の冷間圧延は技術的に困難である。一方、加工率を85%より大きくしても、加工率を増加させることによる効果が飽和し、特性がそれ以上向上しないため無意味である。従って、第2の冷間圧延における加工率は5乃至85%とする。
【0025】
時効処理における加熱温度:350乃至480℃
時効処理における加熱温度が350℃未満であると、Tiを析出させるために長時間の加熱が必要となり、製造コストが増大する。一方、前記加熱温度が480℃を超えると、Tiの析出が過剰となり、材料強度の低下を招く。即ち、チタン銅合金材を効率的に固溶強化及び析出強化させるために、時効処理における加熱温度を350乃至480℃とする。
【0026】
時効処理における加熱時間:2乃至10時間
時効処理における加熱時間が2時間未満であると、Tiの析出が不十分となり、チタン銅合金材が十分に析出硬化しない。一方、前記加熱時間が10時間を超えると、過時効によりチタン銅合金材の強度が却って低下する。従って、時効処理における加熱時間は2乃至10時間とする。
【0027】
次に、第2の溶体化処理における昇温速度と組織との関係について、より詳細に説明する。図2は横軸にチタン銅合金におけるTi含有量をとり、縦軸に温度をとって、チタン銅合金の相状態を示すCu−Ti状態図である。また、図3は、横軸に昇温開始時点からの時間をとり、縦軸に温度をとって、チタン銅合金の昇温に伴う組織変化を示す恒温変態線図(TTT曲線:time−temperature−transformation diagram)である。なお、図3において、線A、B、C及びDは、一定の昇温速度で室温から例えば820℃まで加熱し、その後、820℃の温度に保持する処理における温度変化を示し、線Aは昇温速度が例えば2000℃/分の場合を示し、線Bは昇温速度が例えば1000℃/分の場合を示し、線Cは昇温速度が例えば670℃/分の場合を示し、線Dは昇温速度が例えば670℃/分未満、例えば330℃/分の場合を示す。
【0028】
図2に示すように、実用的なCu−3質量%Ti合金、例えばTi濃度が3.2質量%である合金は、790℃以上の温度に加熱すると、Cuからなるマトリックス(母相)にTiが固溶してα相となる。但し、図2は安定状態を示しており、時間の要素は無視されている。実際には、固溶状態に到る昇温過程及び790℃以上の温度に達した後の保持時間により、組織に違いが生じる。
【0029】
チタン銅合金材を室温から昇温させることにより、チタン銅合金材の温度が二相分離領域(図2に示す(α+β)領域)に入ると、マトリックスであるα相中にCu及びTiからなるβ相が析出する。但し、β相が析出するためには、マトリックス内で固溶しているTi原子が移動し凝集することが必要であり、従って、Ti原子がβ相の析出に必要な距離を移動する間、チタン銅合金材の温度が二相分離領域に留まることが必要である。そして、Ti原子の移動距離は移動速度及び時間によって決定され、Ti原子の移動速度は温度によって決定される。従って、Ti原子の移動距離は温度及び時間に依存する。
【0030】
このため、図3の線A及びBに示すように、チタン銅合金材の昇温速度が十分に速いと、チタン銅合金材の温度が二相分離領域にある時間内に、Ti原子が十分な距離を移動することができず、β相が析出しない。この結果、790℃以上に加熱されたチタン銅合金材の組織はα単相となる。
【0031】
これに対して、図3の線C及びDに示すように、チタン銅合金材の昇温速度が遅いと、チタン銅合金材の温度が二相分離領域にある時間内に、Ti原子が十分な距離を移動して凝集し、β相が析出する。この場合、チタン銅合金材の温度が二相分離領域を通過してα単相領域に達すると、生成したβ相は再固溶する。しかしながら、一旦析出した相の再固溶には、凝集時に必要とされる熱エネルギー以上の熱エネルギーが必要とされるため、再固溶は簡単には進行しない。実際には、チタン銅合金材の温度が820℃に達した時点においても、まだβ相は残っている。第2の溶体化処理時において、β相が残留していると、チタン銅合金材中の固溶Tiがこのβ相中に析出してしまい、Tiが均一に固溶しなくなる。また、β相が析出することにより、チタン銅合金材の結晶粒径のばらつきが大きくなり、組織が不均一になる。この結果、チタン銅合金材の機械的特性が不均一になる。
【0032】
なお、昇温過程において析出したβ相は、チタン銅合金材を820℃の温度に長時間保持するか、チタン銅合金材の加熱温度を高くすることにより、消滅させることができる。しかし、保持時間を長くすると、実際の製造工程においては、加工時間を長くするか、又は保持のために1工程追加することになるため、チタン銅合金材の製造コストを著しく増大させてしまい、現実的ではない。また、加熱温度を高くすると、エネルギーコストの増大を招くだけでなく、α相の結晶粒の巨大化を招き、チタン銅合金材の強度及び曲げ性に悪影響を及ぼすため、これも現実的ではない。
【0033】
以上の理由から、本発明者等は、均一性が高いチタン銅合金材を作製するためには、第2の溶体化処理においてβ相を析出させないことが必要であり、そのためには、図3の線Bに示す昇温速度以上の昇温速度が必要であることを見出した。そして、後述するように、本発明者等は実験の結果、β相を析出させない昇温速度が1000℃/分以上であることを突き止めた。
【0034】
なお、第2の溶体化処理における降温中にβ相が析出することもあり得るが、降温中に析出したβ相は結晶粒の成長には影響しないため、結晶粒径のばらつきの原因にはならない。なお、第2の溶体化処理の降温工程において、水冷等により急冷することにより、β相の析出を防止することができる。これにより、後工程である時効処理の効果を十分に引き出すことができる。
【0035】
上述の如く、本実施形態においては、第2の溶体化処理において、チタン銅合金からなる板材を、1000℃/分以上の昇温速度で820℃以上の温度まで加熱する。これにより、昇温中にβ相が析出することを抑制できる。この結果、Tiがβ相中に偏析することを防止でき、Tiを均一に固溶させることができる。また、β相の析出により、結晶粒の大きさがばらつくことを防止できる。
【0036】
また、第1の溶体化処理において、前記板材を820℃以上の温度に100秒間以上保持し、マトリックスにTiを十分に固溶させると共に再結晶させ、第1の冷間圧延において、50%以上の加工率で圧延することにより、加工歪みを付与しているため、第2の溶体化処理において、十分に再結晶させることができる。
【0037】
これらの結果、第2の溶体化処理後の組織を均一化することができ、(結晶粒径の偏差/平均結晶粒径)比の値を0.60以下とすることができる。これにより、時効処理後のチタン銅合金材の組織を均一化することができる。
【0038】
β相及び不揃いな結晶粒の粒界に蓄積された加工歪みは、拘束力が弱く、低い熱エネルギーにより開放されてしまうことが多い。一方、均一で且つβ相がない組織に蓄積された加工歪みは、強力且つ均一な拘束力により拘束され、低い熱エネルギーでは開放されにくい。このため、このような組織を有する材料は、応力が緩和されにくく、応力緩和特性が良好となる。
【0039】
また、チタン銅合金材の組織を均一化することにより、チタン銅合金材の機械的特性を均一化することができる。機械的特性が不均一な材料は、特性が良好な部分と劣った部分とがミクロ的に混在し、外部から応力が印加されると、この応力は特性が劣った部分に集中するため、材料全体のマクロ的な特性は低いものになる。これに対して、本実施形態に係るチタン銅合金材は、組織及び特性が均一であるため、マクロ的な機械的特性、例えば曲げ加工性が優れている。
【0040】
このように、本実施形態によれば、曲げ加工性及び応力緩和特性が均一且つ良好なチタン銅合金材を作製することができる。この結果、機械的特性のばらつきが少なく、安定性が良好なチタン銅合金材を得ることができる。
【0041】
【実施例】
以下、本発明の実施例の効果について、その特許請求の範囲から外れる比較例と比較して具体的に説明する。先ず、Tiを3.2質量%含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなる組成を有するインゴットを溶解にて作製した。次に、このインゴットに対して、鍛造、熱間圧延及び冷間圧延を順次施し、厚さが1.0mmの板材を作製した。次に、この板材を900℃の温度まで加熱し、この温度にて120秒間保持し、第1の溶体化処理を行った。次に、室温まで冷却し、加工率が60%の条件で第1の冷間圧延を行った。そして、この圧延後の板材を、昇温速度を相互に異ならせて840℃まで加熱し、その温度に120秒間保持して、第2の溶体化処理を行った。このときの昇温速度を表1に示す。次に、この板材を水冷して室温まで冷却し、加工率が50%の条件で第2の冷間圧延を行った。そして、温度が420℃、時間が3時間の条件で、時効処理を行い、チタン銅合金材を作製した。時効処理後のチタン銅合金材の板厚は0.20mmとした。
【0042】
次に、このようにして作製したチタン銅合金材の結晶粒径及び曲げ加工性を測定した。結晶粒径は、JIS H0501−1986「伸銅品結晶粒度試験方法」により規定されている「切断法」により測定した。このとき、切断法において既知の長さの線分により切り取られた結晶粒数は約100個であった。この切断法による測定を数回繰り返して平均値を算出した。この測定結果に基づいて、結晶粒径の偏差及び平均粒径を算出し、(結晶粒径の偏差/平均結晶粒径)比の値を求めた。結晶粒径の測定結果を表1に示す。また、図4(a)及び(b)、図5(a)及び(b)、図6(a)及び(b)並びに図7(a)及び(b)は、表1に示すNo.A、B、C及びDの各サンプルの組織を示す光学顕微鏡写真であり、各図の(a)は倍率が130倍の写真であり、(b)は倍率が670倍の写真である。
【0043】
曲げ加工性は、JIS Z2248−1996「金属材料曲げ試験方法」により規定されている「Vブロック法」により90°曲げ試験を行い、「押曲げ法」により180°曲げ試験を行った。曲げ加工性の評価結果を表1に示す。なお、表1に示す「GW」及び「BW」は、伸銅品の分野で通常使用されているサンプルの圧延方向を示す用語であり、「GW」とはサンプルの長手方向、即ち曲げ方向が圧延平行方向であることを示し、「BW」とはサンプルの長手方向が圧延直交方向であることを示す。また、表1に示す「R/t」とは、{(サンプルが破断しない最小の曲げ加工半径)/(サンプルの板厚)}の値である。
【0044】
【表1】
【0045】
表1に示すNo.A及びNo.Bは本発明の実施例である。実施例No.A及びBは、第2溶体化処理における昇温速度が1000℃/分以上であり、他の製造条件も全て本発明の規定を満たしているため、(結晶粒径の偏差/平均結晶粒径)比の値が0.60以下であり、そのため、曲げ加工性のばらつきが小さく、良好であった。これに対して、表1に示すNo.C及びDは比較例である。比較例No.C及びDは、第2溶体化処理における昇温速度が1000℃/分未満であるため、(結晶粒径の偏差/平均結晶粒径)比の値が0.60より大きく、特に、長手方向が圧延直交方向であるサンプルにおいて、曲げ加工性が劣っていた。
【0046】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、第2溶体化処理における昇温速度を1000℃/分以上とすることにより、β相の析出を抑制でき、組織が均一で機械的特性が優れたチタン銅合金材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るチタン銅合金材の製造方法を示すフローチャートである。
【図2】横軸にチタン銅合金におけるTi含有量をとり、縦軸に温度をとって、チタン銅合金の相状態を示すCu−Ti状態図である。
【図3】横軸に昇温開始時点からの時間をとり、縦軸に温度をとって、チタン銅合金の昇温に伴う組織変化を示す恒温変態線図である。
【図4】(a)及び(b)は実施例No.Aのサンプルの組織を示す図面代用写真である(光学顕微鏡写真:(a)倍率130倍、(b)倍率670倍)。
【図5】(a)及び(b)は実施例No.Bのサンプルの組織を示す図面代用写真である(光学顕微鏡写真:(a)倍率130倍、(b)倍率670倍)。
【図6】(a)及び(b)は比較例No.Cのサンプルの組織を示す図面代用写真である(光学顕微鏡写真:(a)倍率130倍、(b)倍率670倍)。
【図7】(a)及び(b)は比較例No.Dのサンプルの組織を示す図面代用写真である(光学顕微鏡写真:(a)倍率130倍、(b)倍率670倍)。
【符号の説明】
A、B、C、D;温度変化を示す線
Claims (9)
- Tiを1.0乃至5.0質量%含有し残部がCu及び不可避的不純物からなる組成を有し、(結晶粒径の偏差/平均結晶粒径)比の値が0.60以下であることを特徴とするチタン銅合金材。
- Tiを1.0乃至5.0質量%含有し残部がCu及び不可避的不純物からなる組成を有する部材に、820℃以上の温度に100秒間以上保持する第1の溶体化処理を施し、50%以上の加工率で第1の冷間圧延を施し、1000℃/分以上の昇温速度で820℃以上の温度に加熱する第2の溶体化処理を施し、5乃至85%の加工率で第2の冷間圧延を施し、350乃至480℃の温度に2乃至10時間保持する時効処理を施して作製されたものであることを特徴とする請求項1に記載のチタン銅合金材。
- 前記第1の溶体化処理を行った後に、平均結晶粒径が15μm以上となっていることを特徴とする請求項1又は2に記載のチタン銅合金材。
- チタン銅合金からなる部材に対して、820℃以上の温度に100秒間以上保持する第1の溶体化処理を施す工程と、50%以上の加工率で第1の冷間圧延を施す工程と、1000℃/分以上の昇温速度で820℃以上の温度に加熱する第2の溶体化処理を施す工程と、5乃至85%の加工率で第2の冷間圧延を施す工程と、350乃至480℃の温度に2乃至10時間保持する時効処理を施す工程と、を有することを特徴とするチタン銅合金材の製造方法。
- 前記チタン銅合金は、Tiを1.0乃至5.0質量%含有し残部がCu及び不可避的不純物からなる組成を有することを特徴とする請求項4に記載のチタン銅合金材の製造方法。
- 前記第1の溶体化処理を施す工程において、前記部材をこの部材の固溶線よりも30℃以上高い温度に保持することを特徴とする請求項4又は5に記載のチタン銅合金の製造方法。
- 前記第2の溶体化処理を施す工程において、前記部材をこの部材の固溶線よりも30℃以上高い温度に保持することを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載のチタン銅合金の製造方法。
- 前記第2の溶体化処理を施す工程において、前記部材を820℃以上の温度に5秒間以上保持することを特徴とする請求項4乃至7のいずれか1項に記載のチタン銅合金材の製造方法。
- 前記第1の溶体化処理を施す工程の後に、前記部材の平均結晶粒径が15μm以上となっていることを特徴とする請求項4乃至8のいずれか1項に記載のチタン銅合金材の製造方法。
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