JP5050199B2 - マグネシウム合金材料製造方法及び装置並びにマグネシウム合金材料 - Google Patents

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本発明は、マグネシウム合金材料製造方法及び装置並びにマグネシウム合金材料に関し、特に高強度で、かつ加工性が良いマグネシウム合金材料を得ようとするものである。
マグネシウム合金は軽量、高強度な構造材料として期待されているが、加工性が悪いために実用化が遅れている。
その中でも、AZ31マグネシウム合金(これをAZ31Mg合金と呼ぶ)については、加工時に1パスごとに温度を下げながら多軸鍛造加工(Multi−directional forging(MDF))をすることにより、結晶粒をサブミクロン以下に制御し、これにより強度と加工性とを同時に両立させようとした降温多軸鍛造法が提案されている(特許文献1参照)。
ここで、AZ31Mg合金は、マグネシウム(Mg)に、アルミニウム(Al)及び亜鉛(Zn)を、それぞれ質量比で約3〔%〕及び約1〔%〕含み、添加元素として鉄(Fe)やマンガン(Mn)を微量に含むマグネシウム合金である。
国際公開番号WO2004/085692A1
しかしながら、AZ31Mg合金を実用の構造材料として適用しようとした場合、比強度が未だ低く、耐腐食性も低いことから、より高強度かつ高耐腐食性をもつマグネシウム合金が求められている。
AZ31Mg合金よりも、強度が大きく、しかも高い耐腐食性をもつマグネシウム合金として、AZ61マグネシウム合金(これをAZ61Mg合金と呼ぶ)があるが、AZ31Mg合金より、加工性がさらに悪いために加工性の向上に関する研究がほとんど行われていなかった。
ここで、AZ61Mg合金は、マグネシウム(Mg)に、アルミニウム(Al)及び亜鉛(Zn)をそれぞれ質量比で約6〔%〕及び約1〔%〕含み、添加元素として鉄(Fe)やマンガン(Mn)などを含むマグネシウム合金である。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、実用の構造材料として十分に適用し得るように加工性を改善したAZ61Mg合金材料を提供できるようにしようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明においては、マグネシウムに、アルミニウム及び亜鉛を含むAZ61Mg合金でなる金属材料素材を、それぞれX軸方向、Y軸方向、Z軸方向及びX軸方向に圧縮する降温多軸鍛造加工を行うことによって微細化された結晶組織を有する加工金属材料を得るようにする。
本発明によれば、AZ61Mg合金でなる金属材料素材を降温多軸鍛造加工を行うことによって微細化された結晶組織を有する加工金属材料を得るようにしたことにより、高強度で、高い耐腐食性を有し、かつ加工性が良いマグネシウム合金材料を実現できる。
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
(1)全体の構成
図1において、1は全体として金属材料製造システムを示し、結晶粒微細化加工装置2に金属材料素材3としてAZ61Mg合金バルク材を受け入れると共に、結晶粒微細化加工装置2において加工して得られた加工金属材料4を、製品化装置5の加工処理部6において製品化処理した後実用構造製品7として送り出す。
金属材料素材3は、例えば図2に示すような成分を有するサンプル番号1又は2のうちの一方、例えばサンプル番号1のAZ61Mg合金を用いる。
結晶粒微細化加工装置2は、4段の微細化加工部、すなわち第1段ないし第4段微細化加工部11A〜11Dを有し、第1段ないし第4段微細化加工部11A〜11Dにおいて、それぞれ1パス分の多軸鍛造加工を行う。
多軸鍛造加工は、図3(A)に示すように、X軸、Y軸及びZ軸方向の寸法比が2.22:1.49:1.0の加工対象金属材料8に対して、先ずX軸方向に圧縮力を加えることにより、図3(B)に示すように、X軸、Y軸及びZ軸方向の寸法比が1.0:2.22:1.49になるように圧縮加工し、続いて図3(C)に示すように、X軸、Y軸及びZ軸方向の寸法比が1.49:1.0:2.22になるようにY軸方向に圧縮力を加え、その後図3(A)に示すように、X軸、Y軸及びZ軸方向の寸法比が2.22:1.49:1.0になるようにZ軸方向に圧縮力を加える。
かくして、加工対象金属材料8の加工軸を回転させながら、1サイクル分の多軸鍛造加工を行うことができ、X軸、Y軸及びZ軸方向に順次圧縮力を加える1回の鍛造処理を「パス」と呼ぶ。
図1の実施の形態の場合、図3(A)に示す加工を行う1パスと、図3(B)に示す加工を行う2パスと、図3(C)に示す加工を行う3パスと、図3(A)に示す加工を再度行う4パスとを第1段、第2段、第3段及び第4段微細化加工部11A、11B、11C及び11Dにおいて順次行った後、図3(B)に示す加工を再度行う5パス圧縮加工を製品化装置5の加工処理部6において行うことにより、各パスごとにひずみ量Δε=0.8の強圧縮加工をする。
第1段ないし第4段微細化加工部11A〜11Dは、それぞれ治具12内に形成された圧縮加工室13内に入れた加工対象金属材料14を圧縮加工工具15によって強圧縮加工をする。
加工対象金属材料14は、圧縮加工室13に入れられる前に、保温炉16において第1段ないし第4段微細化加工部11A〜11Dに割り当てられた降下加工温度になるように加熱保温される。
当該加熱された加工対象金属材料14は矢印a1によって示すように保温炉16から圧縮加工室13に入れられ、かくして圧縮加工された加工対象金属材料14は矢印a2によって示すように圧縮加工室13から取り出されて次段の微細化加工部の保温炉16に送り込まれる。
この実施の形態の場合、第1段ないし第4段微細化加工部11A〜11Dは、1パスから4パスの圧縮加工の際に、図4の曲線K1、K2、K3及びK4で示す真応力−累積ひずみ曲線が得られるような、圧縮加工温度、623〔K〕、573〔K〕、523〔K〕及び503〔K〕に設定される。
かくして、第1段微細化加工部11Aから第4段微細化加工部11Dまで、順次加工対象金属材料14を1パス目から4パス目まで圧縮加工をする際の圧縮加工温度を、次第に降下させながら多軸鍛造加工を行う(これを降温多軸鍛造加工(MDF)法と呼ぶ)ことにより、加工対象金属材料14に割れを起させることなく、しかも加工対象金属材料14であるAZ61Mg合金の結晶粒を1〔μm〕程度にまで微細化し、これにより高強度で、かつ加工性が良い加工金属材料4を結晶粒微細化加工装置2から送り出す。
この実施の形態の場合、結晶粒微細化加工装置2から得られた加工金属材料4は、製品化装置5の加工処理部6において5パス目の圧縮加工処理をされ、これにより結晶粒の粒径が1〔μm〕以下の超微細化組織をもち、従って実用上高強度な実用構造製品7として送り出される。
(2)微細化加工結果
以上の構成によれば、第1段、第2段、第3段及び第4段微細化加工部11A、11B、11C及び11Dにおいて加工温度を各パスごとに順次623〔K〕、573〔K〕、523〔K〕及び503〔K〕に下げながら多軸鍛造加工を行うことにより、加工対象金属材料14に全く割れを起こさずに、図4に示すように、加工対象金属材料14内にひずみを累積させ、これにより結晶粒を容易に微細化できた。
各パスにおける微細化組織の発達状態は、図5に示す通りであった。
図5の光学顕微鏡組織写真において、直線横断法によって平均結晶粒径を測定したところ、多軸鍛造加工前の金属材料素材3においては累積ひずみ量がε=0の状態において38.5〔μm〕(図5(A))であったのに対して、2パス目において累積ひずみ量がε=1.6の状態(図5(B))を経て、4パス目において累積ひずみ量ε=3.2になった状態(図5(C))において、約1〔μm〕まで微細化した結晶組織になっていることが確認できた。
かくして結晶粒微細化加工装置2から、割れを起こさずに、しかも僅か4パス分の加工をするだけで、平均結晶粒径が38.5〔μm〕から1〔μm〕にまで超微細化された結晶組織を有する加工金属材料4を得ることができ、これにより高強度の実用の構造製品を製品化する目的に適したバルク材を供給できる。
このバルク材としての加工金属材料4を実用構造製品7を得ることを想定した製品化装置5において、さらに5パス目として、図4の曲線K5で示すように加工温度503〔K〕で真ひずみ0.8の強加工を行った結果得られる微細粒組織は、累積ひずみε=4.0の状態で、図5(D)に示すように、光学顕微鏡では確認できないほどの超微細粒となることが分かった。
この5パス目の微細粒組織を有する実用構造製品7は結晶粒が超微細であることにより、その強度は一段と大きいと評価できる。
(3)異なる成分の金属材料素材の場合
上述の実施の形態においては、図2のサンプル番号1のAZ61Mg合金を用いてこれを結晶粒微細化加工装置2によって降温多軸鍛造加工をした場合として述べたが、金属材料素材3としてサンプル番号1とは多少成分が異なるサンプル番号2のAZ61Mg合金を用いて同じ結晶粒微細化加工装置2によって降温多軸鍛造加工をしたところ、得られた加工金属材料4は、図6に示すように、平均結晶粒径が約1〔μm〕の均一な超微細組織となることが分かった。
これにより、金属材料素材3として添加元素が多少違っても、上述の実施の形態による降温多軸鍛造法による加工によれば、同じような微細化組織が得られることが確認できた。
(4)硬さの変化
硬さ試験によれば、結晶粒微細化加工装置2が降温多軸鍛造加工をしている間に加工対象金属材料14に生ずる硬さは、図7の直線K11に示すように、累積ひずみεの増加に比例するように増加する。
当該硬さ変化曲線K11との比較例として、AZ31Mg合金を同じ条件で降温多軸鍛造加工をした場合の硬さの変化を曲線K12によって示す。
上述の実施の形態の場合の硬さ変化曲線K11は、累積ひずみ量εが増加するとほぼ比例して硬さが増加し、4パス目では1200MPAまで上昇し、5パス目には更に上昇した。
この硬さ変化曲線K11は、比較例であるAZ31Mg合金の硬さ変化曲線K12と比較して、累積ひずみ量の増加(従って結晶粒微細化の進行)に伴う硬さの増加割合が高く、結局累積ひずみ量の増加に対して30〔%〕以上も高強度化されていることが分かる。
因に、従来、AZ31Mg、AZ61Mg合金は、ともに室温での塑性加工性が著しく低いため、加工、整形は熱間・温間で行われる。鍛造によれば強度の向上が期待できるが、例えばAZ31Mgの場合で20〔%〕以下(約500〔MPa〕から約600〔MPa〕以下への上昇)に過ぎない。
これに対して、降温多軸鍛造法によって結晶粒を超微細化すれば、比較例として図7において変化曲線K12で示すように、AZ31Mg合金の強度は、850〔MPa〕程度まで上昇し、この結果70〔%〕は増加する。
このAZ31Mg合金の場合と比較して、上述の実施の形態についてAZ61Mg合金について降温多軸鍛造法により結晶粒を超微細化した場合は、図7において変化曲線K11で示すように、結晶粒微細化によって著しい強度向上が得られ、累積ひずみ4で比較するとその強度は超微細粒AZ31Mg合金よりさらに60〔%〕高い。
図7において、AZ61Mg合金の直線の傾きがより大きく、このことはAZ61Mg合金の強度上昇がAZ31Mg合金に比べてより顕著であることを示している。従って強度差は加工ひずみの増加とともにさらに大きくなる。
このように、AZ61Mg合金を降温多軸鍛造加工することにより得られる加工金属材料の硬さは、AZ31Mg合金の場合と比較して一段と高強度化されている。
(5)熱的安定性
図1の結晶粒微細化加工装置2によって得た加工金属材料4は、図8に示すように熱的安定性をもっている。
図8は、累積ひずみε=3.2を有する4パス目の加工金属材料4に、523〔K〕で15〔分〕間の焼鈍を行った後の超微細粒組織を示したもので、1〔μm〕にまで微細化された結晶粒は2.0〔μm〕まで粗大化したものの、焼鈍に伴う結晶粒粗大化は極めて小さい。
また、図7で符号K13で示すように、この焼鈍を行うことにより生じた硬さの低下は、小さく、10〔%〕程度の強度低下に止まっていることを確認した。
これらの結果は、AZ61Mg合金を降温多軸鍛造加工した結果得られる加工金属材料4は、極めて熱的安定性に優れていることを示している。
これに対して、AZ31Mg合金は、より低い温度での焼鈍でも容易に結晶粒の粗大化が起こってしまうことや、強ひずみ加工により得られた超微細粒材は熱的に不安定であることが知られている。
この点からみて、上述の実施の形態による降温多軸鍛造加工により得られるAZ61Mg合金の微細化加工材の特性は、一段と向上している。
(6)引張試験
図9は上述の実施の形態によって降温多軸鍛造加工されたAZ61Mg合金の微細化加工材の引張試験結果を示すもので、引張軸は最終圧縮軸に対し垂直とした。
これは、圧縮面に(0001)底面集合組織が形成されるため、最も延びが得られない方法である。
それにも関わらず、ひずみ速度8.3×10−3〔s−1〕の2パス材で50〔%〕以上、4パス材(累積ひずみ量ε=3.2)で極めて高い延性が観察された(図9(A))。
特に、図9(B)において符号K21で示すように、ひずみ速度8.3×10−4〔s−1〕で加工した場合、4パス材(累積ひずみε=3.2)の引張試験温度473〔K〕では、約300〔%〕の超塑性延びが得られた。
これは、比較材として同じ条件下で引張試験を行った超微細粒AZ31Mg材に比べて、延びが約1.5〔倍〕、強度で約20〔%〕高いことが確認できた。
これにより、図4の累積ひずみの拡大結果を含め、AZ61Mg合金を4パス圧縮加工した超微細材は、高い加工性を有し、強度も高いことが分かった。
さらには、降温多軸鍛造加工後の塑性加工性が極めて高いことから、降温多軸鍛造加工により結晶粒を超微細化加工することにより、結晶粒微細化加工装置2によって得られた加工金属材料4を製品化装置5において製品化加工する際に、図10において他の実施の形態として示すような圧延装置20を用いることができることを示している。
圧延装置20は、加工材21を案内ローラ22によって2段の圧延ローラ23A、23B及び24A、24B間を通すことにより、矢印bで示すように、圧延加工する。
この実施の形態の場合、圧延ローラ23A、23B及び24A、24Bの回転方向は、矢印cで示すように反転することにより、加工材21を矢印dで示すように圧延ローラ23A、23B及び24A、24Bを往復通過させ、これにより圧延設備を小規模にすることができる。
(7)加工温度条件
図4について上述した降温多軸鍛造加工について、加工適正温度を確認するため、加工開始温度(623〔K〕)から加工終了温度(503〔K〕)になるまでの各パスの加工温度を、±20〔K〕変化させたところ、図11に示す真応力−累積ひずみ曲線が得られることが確認できた。
ここで、各パスにおける加工温度を、±20〔K〕の範囲で変化させても、全く割れが起こらないまま強加工が実現できた。
各パスにおける多軸鍛造加工温度は、前段のパスにおける多軸鍛造加工温度と同じでも結晶粒微細化が起こることが明らかになっているので、各パスごとの加工温度の降温側の限度が前段のパスにおける多軸鍛造加工温度以下に設定される。
この実験の結果における4パス後の最終微細化組織は、図12に示すように、加工開始温度と最終加工温度がそれぞれ20〔K〕ずつ異なった場合でも、4パス後(累積ひずみ量3.2)に得られた最終結晶粒径は約1〔μm〕である。
+20〔K〕の温度が高い方の微細化組織は、−20〔K〕の温度が低い方と比較して結晶粒径が大きいが、その差は僅かである。
この実験の範囲では、全く割れを起こさず、適用された全温度範囲で降温多軸鍛造加工が可能で、結晶粒は容易に微細化されることが確認できた。
これと同時に、上述の実施の形態における降温多軸鍛造プロセスは、AZ61Mg合金に対して適用できる温度範囲が広いことが確認でき、このことは、当該降温多軸鍛造プロセスの向上化、実用化に大きな利点となることが分かった。
また、1パスから4パスに至るまでの加工温度は、図13に示す設定直線K31を中心として、±50〔K〕の曲線K32及びK33の間に設定すれば良い。
実際上、1パス目に加工する前の金属材料素材3の粒径(すなわち初期粒径の大きさ)に応じて、適正な加工温度を設定すれば良い。
(8)他の実施の形態
図14は、他の実施の形態である金属材料製造システム31を示すもので、図1の第1段ないし第4段微細化加工部11A〜11Dの場合と同様に、治具32の圧縮加工室33に入れた加工対象金属材料34を圧縮加工工具35によって矢印P2で示す圧縮加工力によって圧縮加工を行うように、圧縮加工装置36が形成されている。
圧縮加工装置36には、前段保温炉42及び後段保温炉43が設けられ、AZ61Mg合金でなる金属材料加工素材41が加工対象金属材料34として前段保温炉42に入れられ、所定の加工温度に保温される。
1パス目の加工時、加工対象金属材料34は、前段保温炉42において所定の加工温度623〔K〕に保温されており、これが矢印a11で示すように圧縮加工室33に入れられて1パス目の圧縮加工がされた後、矢印a12で示すように、圧縮加工室33から後段保温炉43に保持される。
後段保温炉34は、2パス目の加工温度573〔K〕に加工対象金属材料34を保温する。
かくして前段保温炉42に入れられた全ての加工対象金属材料34について、1パス目の圧縮加工が終了すると、後段保温炉43において2パス目の加工温度573〔K〕に保温された加工対象金属材料34が、矢印a13によって示すように、圧縮加工室33に入れられて圧縮加工され、その後矢印a14で示すように圧縮加工室33から前段保温炉42に取り出される。
前段保温炉42には圧縮加工室33から取り出されてきた加工対象金属材料34を3パス目の加工温度523〔K〕に保温する。
かくして後段保温炉43に入れられた全ての加工対象金属材料34についての加工が終了すると、続いて前段保温炉42において3パス目の加工温度523〔K〕に保温された加工対象金属材料34が、再度矢印a11で示すように、圧縮加工室33に入れられて圧縮加工された後、矢印a12で示すように、後段保温炉43に取り出される。
このとき後段保温炉43は加工対象金属材料34を4パス目の加工温度503〔K〕に保温し、かくして保温された加工対象金属材料34が、再度矢印a13で示すように、圧縮加工室33に入れられて圧縮加工をした後、矢印a14で示すように前段保温炉42に取り込まれる。
このようにして1台の圧縮加工装置36を用いて、1パス目、2パス目、3パス目及び4パス目の圧縮加工を保温温度623〔K〕、573〔K〕、523〔K〕及び503〔K〕で加工することにより、4パス目の加工終了時に粒径が1〔μm〕にまで微細化された超微細組織を有する加工対象金属材料34が前段保温炉42に保持された状態が得られる。
この微細化加工が終了した加工対象金属材料34は、加工金属材料44として外部に設けられている製品化装置に送り出される。
以上の構成によれば、1台の圧縮加工装置36によって4パス分の降温多軸鍛造加工を行うことができることにより、比較的小規模な設備で少量生産する目的に適した金属材料生産システムを実現できる。
かくするにつき、上述した場合と同様に、加工途中で割れることなく微細化加工ができることにより、硬さ特性、熱的安定性、延び特性が優れたAZ61Mg合成材料を実現できる。
実用の構造製品材料に適したマグネシウム金属材料を得る場合に適用できる。
本発明の一実施の形態による金属材料製造システムを示す略線的系統図である。 金属材料素材に添加されている成分を示す図表である。 (A)、(B)及び(C)はX軸、Y軸及びZ軸について圧縮加工する多軸鍛造加工の説明に供する略線的斜視図である。 1パスないし5パスの圧縮加工時に生ずる真応力−累積ひずみを示す特性曲線図である。 (A)、(B)、(C)及び(D)は、圧縮加工前、2パス目、4パス目及び5パス目の圧縮加工によって微細化加工された微細化組織の発達状態を示す光学顕微鏡写真図である。 サンプル番号2のAZ61Mg合金において、降温多軸鍛造した結果微細化された微細化組織を示す光学顕微鏡写真図である。 降温多軸鍛造加工中のひずみ増加による硬さの変化を示す特性曲線図である。 降温多軸鍛造加工後に金属材料を523〔K〕で15〔秒〕保持したときの微細化組織を示す光学顕微鏡写真図である。 (A)及び(B)は引張試験結果を示す特性曲線図である。 製品化装置の他の実施の形態を示す略線的系統図である。 降温多軸鍛造加工の温度域を変化させたときに得られた真応力−累積ひずみ曲線を示す特性曲線図である。 (A)及び(B)は降温多軸鍛造加工の温度域を変化させたとき得られた微細化組織を示す光学顕微鏡写真図である。 降温温度設定範囲を示す特性曲線図である。 他の実施の形態の金属材料製造システムを示す略線的系統図である。
符号の説明
1、31……金属材料製造システム、2……結晶粒微細化加工装置、3……金属材料素材、4……加工金属材料、5……製品化装置、6……加工処理部、7……実用構造製品、11A〜11D……第1段〜第4段微細化加工部、12、32……治具、13、33……圧縮加工室、14、34……加工対象金属材料、15、35……圧縮加工工具、16、36……保温炉、20……圧延装置、21……加工材、22……案内ローラ、23A、23B、24A、24B……圧延ローラ、41……金属材料素材、42……前段保温炉、43……後段保温炉、44……加工金属材料。

Claims (4)

  1. マグネシウムに、アルミニウム及び亜鉛を含むAZ61Mg合金でなる金属材料素材を、順次、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向及びX軸方向に圧縮する降温多軸鍛造加工を行うことによって、微細化された結晶組織を有する加工金属材料を得る
    ことを特徴とするマグネシウム合金材料製造方法。
  2. マグネシウムに、アルミニウム及び亜鉛を含むAZ61Mg合金でなる金属材料素材を、順次、第1段パス、第2段パス、第3段パス及び第4段パスにおいて、623K±20K、573K±20K、523K±20K、及び503K±20K、の加工温度で、それぞれX軸方向、Y軸方向、Z軸方向及びX軸方向に圧縮する降温多軸鍛造加工を行うことによって、微細化された結晶組織を有する加工金属材料を得る
    ことを特徴とするマグネシウム合金材料製造方法。
  3. マグネシウムに、アルミニウム及び亜鉛を含むAZ61Mg合金でなる金属材料素材を、順次、第1段パス、第2段パス、第3段パス及び第4段パスにおいて、623K±20K、573K±20K、523K±20K、及び503K±20K、の加工温度で、それぞれX軸方向、Y軸方向、Z軸方向及びX軸方向に圧縮する降温多軸鍛造加工を行うことによって微細化された結晶組織を有する加工金属材料を得る圧縮加工手段
    を具えることを特徴とするマグネシウム合金材料製造装置。
  4. マグネシウムに、アルミニウム及び亜鉛を含むAZ61Mg合金でなる金属材料素材を、順次、第1段パス、第2段パス、第3段パス及び第4段パスにおいて、623K±20K、573K±20K、523K±20K、及び503K±20K、の加工温度で、それぞれX軸方向、Y軸方向、Z軸方向及びX軸方向に圧縮する降温多軸鍛造加工を行うことによって微細化された結晶組織を有する
    ことを特徴とするマグネシウム合金材料。
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