JP2000135538A - マグネシウム合金製鍛造薄肉筐体およびその製造方法 - Google Patents

マグネシウム合金製鍛造薄肉筐体およびその製造方法

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JP2000135538A
JP2000135538A JP11270587A JP27058799A JP2000135538A JP 2000135538 A JP2000135538 A JP 2000135538A JP 11270587 A JP11270587 A JP 11270587A JP 27058799 A JP27058799 A JP 27058799A JP 2000135538 A JP2000135538 A JP 2000135538A
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magnesium alloy
forged
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housing
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Isao Seki
伊佐夫 関
Shigehiro Taniike
茂弘 谷池
Yasuo Hama
葆夫 濱
Hiroshi Watanabe
洋 渡辺
Masahiko Kakizaki
昌彦 柿崎
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TOKYO SEITANKOSHO KK
Sony Corp
Proterial Ltd
Original Assignee
TOKYO SEITANKOSHO KK
Hitachi Metals Ltd
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鍛造により軽量且つ高品質であるマグネシウ
ム合金製薄肉筐体部品とその製造方法を提供すること。 【解決手段】 本発明のマグネシウム合金製鍛造薄肉
筐体部品は、マグネシウム合金で、主要部の肉厚がほぼ
1.0mm以下の鍛造製薄肉筐体部品であって、前記鍛
造製薄肉筐体部品の内側の隅部が小半径の曲面を有する
と共に、前記鍛造製薄肉筐体部品の外面上に一体的に突
出させた所定の記号を有することを特徴とする。本発明
のマグネシウム合金製鍛造薄肉筐体部品の製造方法は、
マグネシウム合金素材を粗鍛造及び仕上鍛造の複数工程
で高温鍛造することにより主要部の肉厚がほぼ1.0m
m以下の筐体に成形し、前記筐体にトリミング及び機械
加工を施すことを特徴とする。なお、粗鍛造工程で粗形
状に成形し、次いで仕上鍛造工程で目標寸法肉厚、所定
の記号を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はマグネシウム合金で
鍛造成形された薄肉筐体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】マグネシウムは現在実用化されている金
属材料の中で最も比重が小さく、アルミニウムの2.7
と比較してマグネシウムは1.8であり、軽量化材料と
して期待され、また普及しつつある。マグネシウム合金
のほとんどは鋳造材として使用されている。マグネシウ
ム合金の合金元素としては、主元素のマグネシウムの他
に、基本元素のアルミニウム、亜鉛が強度と鋳造性を得
るため、また強度と靭性を付与するジルコニウム、耐熱
性付与に希土類元素、銀がある。マグネシウム合金の用
途としては、航空・宇宙機器部品、原子力被覆材、陸上
輸送機器、荷役機器、工業機械・工具類、電気・通信機
器、農林鉱業機械、事務機器、光学用機器、スポーツ用
品等広く利用されている。
【0003】従来技術として、たとえば特開平6−17
2949号公報には、自動車のホイール等の部材をマグ
ネシウム合金で構成するようなマグネシウム合金製部材
およびその製造方法を開示している。すなわち、この開
示されたマグネシウム合金製部材の製造方法は、「
マグネシウム合金製鋳造素材を、鍛造成形して平均結晶
粒径100μm以下の部材とした後、T6熱処理(溶体
化処理及び人工時効処理)を施す。 鍛造成形温度を
300〜420℃の範囲内に設定する。 マグネシウ
ム合金製部材を自動車用ホイールに設定する。」とする
ものである。また、マグネシウム合金製部材は、「鋳造
鍛造後にT6熱処理(溶体化処理及び人工時効処理)を
施して形成されたマグネシウム合金製部材であって、上
記部材の少なくとも表面部は、アルミニウムを6〜12
重量パーセント含有し、かつ上記T6熱処理(溶体化処
理及び人工時効処理)時にマグネシウムとアルミニウム
との金属間化合物とα相の共晶組織を有すると共に、上
記鍛造時の塑性加工により平均結晶粒径が200μm以
下で、かつ上記共晶組成が連鎖状に分散されたマグネシ
ウム合金製部材。」とするものである。
【0004】また、マグネシウム合金については、マグ
ネシウム合金溶湯を高圧鋳造した成形品をT6熱処理
(溶体化処理及び人工時効処理)する技術、あるいは鋳
造成形品を鍛造成形する、いわゆる鋳造鍛造法も知られ
ている。また、最近では固液共存域で行う半溶融成形加
工法として、射出成形法を応用した新成形法が注目され
ている。この成形方法で得られた成形品は一般鋳造品に
見られるデンドライトがなく、微細な組織が得られ、ダ
イカスト法で得られた成形品と比較しても気孔が少なく
高密度で、成形後の熱処理が可能であるので注目され、
各方面で研究開発が進められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開平6−172949号公報に開示された技術は、自動
車のホイール等の大型部品を対象としたものであり、生
産するにはかなりの設備費用を要し、またT6熱処理
(溶体化処理及び人工時効処理)には長時間を要すると
いう課題がある。また、半溶融成形加工法によるマグネ
シウム合金成形品は、製造過程中に鋳造欠陥や酸化物を
内部および表面に介在するおそれがある。これらが介在
していると、その部品表面にメッキ処理を施しても、メ
ッキ面の耐食性は改善できず外観から見た商品価値も低
下する。そこで表面塗装により耐食性を向上させる方策
がとられるが、この場合は金属光沢を出しにくく美観性
に問題が残る。
【0006】本発明は、このような従来技術の有する課
題に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、鍛造によ
り軽量且つ高品質であるマグネシウム合金製薄肉筐体お
よびその製造方法を提供することにある。なお、本発明
における「主要部の肉厚」とは、図5に示す筐体6の底
部7及び側部8の大部分を占める均一肉厚を意味する。
ただし、所定の記号用凹部20により形成される突出高
さを含めないものとすると共に、図示していないが局部
的ボスや更なる局部的薄肉部が存在する場合には、これ
ら局部的ボスや更なる局部的薄肉部の肉厚は勘案しない
ものとする。また、「所定の記号」とは、図5におい
て、所定の記号用凹部20により外面より突出して形成
される文字、数字、マーク等の記号を意味する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記の課題
を解決するために種々のマグネシウム合金について種々
検討を重ねた結果、重量比率で、Al:1〜6%、Z
n:0〜2%、Mn:0.5%以下、微量元素0.2%
以下、残部Mg及び不可避的不純物よりなる組成のマグ
ネシウム合金、例えばASTM規格のAM20合金やA
Z31合金が鍛造性に優れることを知見し、粗鍛造及び
仕上鍛造の複数工程の鍛造を行うことによる本発明のマ
グネシウム合金製鍛造薄肉筐体およびその製造方法の発
明をなした。
【0008】即ち、本発明のマグネシウム合金製鍛造薄
肉筐体は、マグネシウム合金で、主要部の肉厚がほぼ
1.0mm以下の鍛造製薄肉筐体であって、前記鍛造製
薄肉筐体の内側の隅部が小半径の曲面を有すると共に、
前記鍛造製薄肉筐体の外面上に一体的に突出させた所定
の記号を有することを特徴とする。
【0009】そして、本発明のマグネシウム合金製鍛造
薄肉筐体は、マグネシウム合金素材の組成が、重量比率
で、Al:1〜6%、Zn:0〜2%、Mn:0.5%
以下、微量元素0.2%以下、残部Mg及び不可避的不
純物よりなることを特徴とする。
【0010】本発明のマグネシウム合金製鍛造薄肉筐体
の製造方法は、マグネシウム合金素材を粗鍛造及び仕上
鍛造の複数工程で高温鍛造することにより主要部の肉厚
がほぼ1.0mm以下の筐体に成形し、前記筐体にトリ
ミング及び機械加工を施すことを特徴とする。
【0011】また、本発明のマグネシウム合金製鍛造薄
肉筐体の製造方法は、前記マグネシウム合金素材の温度
を350〜550℃、鍛造に供する金型温度を350〜
450℃とし、3〜30ton/cm2 の成形荷重を負
荷しながら10〜500mm/秒の鍛造速度により粗鍛
造を行い、次いで粗鍛造した成形筐体を300〜500
℃、鍛造に供する金型温度を300〜400℃とし、1
〜20ton/cm2の成形荷重を負荷しながら1〜2
00mm/秒 の鍛造速度により仕上鍛造を行うことを
特徴とする。
【0012】また、本発明のマグネシウム合金製鍛造薄
肉筐体の製造方法は、粗鍛造工程で粗形状に成形し、次
いで仕上鍛造工程で筐体内側の隅部を小半径を有する曲
面に形成すると共に、前記筐体の底部および側部を目標
寸法肉厚に形成し、さらに前記筐体の外側の面上に所定
の記号を外面より突出させて一体的に形成することを特
徴とする。
【0013】また、マグネシウム合金製鍛造薄肉筐体の
製造方法におけるマグネシウム合金素材の組成が、重量
比率で、Al:1〜6%、Zn:0〜2%、Mn:0.
5%以下、微量元素0.2%以下、残部Mg及び不可避
的不純物よりなることを特徴とする。
【0014】得られたるマグネシウム合金製鍛造薄肉筐
体の表面には、特殊複合陽極酸化皮膜処理を施すことに
より、塗装では得られない優れた防食性およびマグネシ
ウム素地を生かした金属光沢を有するマグネシウム合金
製鍛造薄肉筐体とすることができる。
【0015】以下、本発明に係わる諸条件の適用及び限
定理由について説明する。 1)鍛造用マグネシウム合金素材:マグネシウム合金素
材を鍛造して、薄肉筐体を成形するに際し、鍛造性に優
れたマグネシウム合金である必要がある。そこで、重量
比率で、Al:1〜6%、Zn:0〜2%、Mn:0.
5%以下、微量元素0.2%以下、残部Mg及び不可避
的不純物よりなるマグネシウム合金素材を選定するのが
好ましい。アルミニウムが低いと鍛造性は良いが、剛性
が悪くなるので、少なくともアルミニウム1%以上必要
である。アルミニウム含有量が高くなると鍛造性、耐食
性が低下するので、アルミニウム含有量を最大6%に限
定する。亜鉛も同様な影響があり、鍛造性と、剛性のか
ねあいから0〜2%に限定する。例えば、ASTM規格
のAZ31合金、AM20合金である。なお、微量元素
としては希土類元素、リチウム、ジルコニウム等であ
る。
【0016】2)鍛造用マグネシウム合金素材の加熱:
マグネシウム合金素材を加熱する際に、大気中で行うと
表面が酸化し、鍛造性、耐食性、外観に悪影響を及ぼす
ので、マグネシウム合金素材の加熱はアルゴンガス等の
不活性ガス雰囲気を有する電気式加熱炉にて行う。マグ
ネシウム合金素材の加熱温度は鍛造温度より若干高い温
度の350〜550℃(炉内雰囲気温度)で均一加熱す
る。なお、例えば素材の大きさ30mmφ×10〜30
mm長さでは、加熱時間は10〜20分程度である。ま
た、仕上鍛造前の粗形状筐体の加熱温度は300〜50
0℃とする。
【0017】3)鍛造温度(鍛造時のマグネシウム合金
素材の温度):鍛造時のマグネシウム合金素材の温度を
350〜550℃とする。350℃未満の温度では鍛造
時のマグネシウム合金の金属の流れ(以下「メタルフロ
ー」という。)が円滑に得られず、薄肉化が困難であ
る。一方、550℃を超えると結晶粒の粗大化を招くの
で、550℃を上限温度とする。仕上鍛造は粗鍛造に続
いて実施するが、マグネシウム合金素材の温度は粗鍛造
時より若干低く、300〜500℃とする。
【0018】4)金型温度:マグネシウム合金素材の鍛
造時の温度低下を防止するために、マグネシウム合金素
材温度より若干低い温度で、粗鍛造時は350〜450
℃に、仕上鍛造時は300〜400℃に保温保持する。
なお、金型材質は高温強度を有するものが好ましい。
【0019】5)鍛造速度:鍛造速度が速過ぎるとメタ
ルフローが円滑に行われず、一方遅過ぎると生産性の低
下を招く。500mm/秒を超える鍛造速度では、メタ
ルフローが鍛造速度に円滑に追随できなくなりメタルフ
ローが乱れを生じる。したがって、鍛造速度の上限を5
00mm/秒とする。1mm/秒未満の鍛造速度では、
生産性の低下を招くので、鍛造速度の下限を1mm/秒
とする。特に生産性を重視する粗鍛造においては10〜
500mm/秒、成形性を重視する仕上鍛造においては
1〜200mm/秒とする。
【0020】6)成形荷重:特に生産性を重視する粗鍛
造においては、30ton/cm2 を超える成形荷重で
は製品および金型への負荷が過大となるので、成形荷重
の上限を30ton/cm2 とする。一方、1ton/
cm2 未満の成形荷重では成形しにくくなるため、成形
荷重の下限を1ton/cm2 とする。特に成形荷重が
必要となる粗鍛造では3〜30ton/cm2 、成形荷
重が小さくても十分である仕上鍛造では1〜20ton
/cm2 とする。
【0021】7)表面処理(特殊複合陽極酸化皮膜の形
成):塗装では得られない優れた防食性およびマグネシ
ウム素地を生かした金属光沢を有するマグネシウム合金
製鍛造薄肉筐体とする場合は、その表面に酸化皮膜を形
成する。酸化皮膜の形成は、JIS H 8651が基
本の特殊複合陽極酸化処理方法により行う。液は重クロ
ム酸ナトリウム、酸性ふっ化ナトリウムか酸性ふっ化カ
リウムまたは酸性ふっ化アンモニウム、硝酸アンモニウ
ム、第1リン酸ナトリウム、アンモニア水などをマグネ
シウム素材組成、希望する色調などにより複数適量混合
し、一定の温度、時間、電流値で処理する。
【0022】
【発明の実施の形態】以下本願発明の実施の形態につい
て説明する。 (実施の形態)図1は本発明の鍛造工程を示す図であ
る。また、図2は鍛造用素材を載置して鍛造を行う上下
金型の概略縦断面図である。また図3は鍛造機の概略側
面図である。本発明は、図1に示すように、重量比率
で、Al:1〜6%、Zn:0〜2%、Mn:0.5%
以下、微量元素0.2%以下、残部Mg及び不可避的不
純物よりなるマグネシウム合金素材、例えばASTM規
格のAZ31合金(Al約3%、Zn約1%、その他)
やAM20合金(Al約2%、Mn約0.5%、その
他)の30〜40mmφ×10〜30mm長さの鍛造用
素材をアルゴンガスで充満した電気式加熱炉内に装入
し、350〜550℃に均一加熱する。次いで、鍛造用
素材を電気式加熱炉内から取り出し、図2に示す下金型
2上に載置し、図3に示す鍛造機を用いて粗鍛造を行
い、次いで仕上鍛造を行う。なお、図2において、4は
ヒーター、5は熱電対を示す。
【0023】なお、鍛造機9は図3に示す如く、フライ
ホイール11の回転力を応用する機械式鍛造機で、力を
連結桿12に伝え、連結桿12の先端には連結具を介し
て上金型3が取外し自在に連結されている。上金型3は
矢印Lの方向へ移動し、下金型2上に載置された鍛造用
素材1に一定間隔で成形荷重を負荷する。粗形状成形の
粗鍛造には鍛造速度が速い機械式鍛造機を使用し、最終
製品寸法を成形する仕上鍛造には鍛造速度が比較的遅い
油圧式鍛造機を使用する。10は偏心軸、13はフレー
ムを示す。
【0024】本発明に供する金型の実施の形態の概略縦
断面図を図4(粗鍛造用金型)と図5(仕上鍛造用金
型)に示す。粗鍛造に供する図4に示す上金型3は、そ
の凸部下端隅部14を2〜7mmの半径に形成する。粗
鍛造において、上金型3の凸部下端隅部14で鍛造形成
される部位は、筐体6の内側の隅部となる。粗鍛造にお
いて、筐体6の内側の隅部はやや厚肉に成形される。両
金型3、2により押圧されて鍛造成形される筐体6の底
部7および側部8の肉厚部位も最終厚さと同等かやや厚
い0.5〜1.5mmに形成される。また、下金型2は
図4に示すように、その凹部隅部15を0.5〜1.5
mmの半径に形成する。粗鍛造において、下金型2の凹
部隅部15で鍛造形成される部位は、筐体6の外側の隅
部となるので、当初から最終形状目標寸法に成形したほ
うが好ましい。
【0025】次に、仕上鍛造に供する上金型16は、図
5に示すように、その凸部下端隅部18を0.5〜1.
5mmの半径に形成する。この凸部下端隅部18の形状
により、粗鍛造でやや厚肉の2〜7mmの半径に成形さ
れた隅部を0.5〜1.5mmの半径に成形すると共
に、図4に示す両金型3、2により押圧されて粗鍛造成
形された筐体6の肉厚部位の一部は、仕上鍛造により下
金型17の内側に所定の記号用に刻印された凹部20に
メタルフローを生じ、筐体6の底部7の内側面21は平
坦に、且つ目的の最終肉厚に鍛造成形される。なお、所
定の記号は、筐体6の外表面上に一体的に突出して形成
される。Aは筐体寸法80mm角の例示である。なお、
鍛造条件は、粗鍛造では鍛造温度350〜550℃、金
型温度350〜450℃、鍛造速度10〜500mm/
秒、及び成形荷重3〜30ton/cm2 とし、仕上鍛
造では鍛造温度300〜500℃、金型温度300〜4
00℃、鍛造速度1〜200mm/秒、及び成形荷重1
〜20ton/cm2 とする。
【0026】本発明においては、粗鍛造及び仕上鍛造で
前述の鍛造条件により目標の主要部の肉厚0.5〜1.
0mmを得ることができる。実験した中から代表的例を
以下に実施例として記述する。 (実施例1)30〜40mmφ×10〜40mm長さの
鍛造用マグネシウム合金素材(10個)を鍛造温度(鍛
造時のマグネシウム合金素材の温度)500℃、金型温
度400℃、鍛造速度200mm/砂、成形荷重20t
on/cm2 の鍛造条件で粗鍛造を行りたところ、主要
部の肉厚が0.8〜1.0mmのものが得られた。次い
で、鍛造温度400℃、金型温度350℃、鍛造速度5
0mm/砂、成形荷重10ton/cm2 の鍛造条件で
仕上鍛造を行った結果、主要部の肉厚は目標通りの0.
6〜0.8mm厚さの範囲のものに成形することができ
た。
【0027】(実施例2)金型温度を300℃とした以
外は実施例1と同様な粗鍛造条件で粗鍛造を行ったとこ
ろ、主要部の肉厚は1.6mm以上となった。次いで、
実施例1と同様の仕上鍛造条件により仕上鍛造を行った
結果、主要部の肉厚は1.5mmであった。このよう
に、金型温度を300℃と低い温度で粗鍛造した場合に
は、低温の金型に熱を奪われて素材温度が低下するた
め、塑性流動(メタルフロー)しにくく、その後に行う
仕上鍛造では薄肉成形が困難であることがわかった。
【0028】(実施例3)鍛造温度(鍛造時のマグネシ
ウム合金素材の温度)を340℃、成形荷重30ton
/cm2 とした以外は実施例1と同様の粗鍛造条件で粗
鍛造を行ったところ、主要部の肉厚は1.8mm以上と
なった。次いで、実施例1と同機の仕上鍛造条件により
仕上鍛造を行った結果、主要部の肉厚は1.6mm以上
であった。このことは、鍛造時での素材温度が低温であ
るため、成形荷重を30ton/cm2 と負荷を増大さ
せても、塑性流動(メタルフロー)しにくく、その後に
行う仕上鍛造では薄肉成形が困難であることがわかっ
た。
【0029】(実施例4)鍛造温度(鍛造時のマグネシ
ワム合金素材の温度)を560℃、金型温度460℃と
した以外は実施例1と同様の粗鍛造条件で粗鍛造を行っ
たところ、主要部の肉厚は1.0mm以下に成形するこ
とができたが、素材温度が高過たために塑性流動(メタ
ルフロー)が激しく、表面にメタルフローの波状痕跡が
残存していた。次いで、仕上鍛造条件を種々変えて仕上
げ鍛造を行ったが、メタルフローの波状痕跡を均一平坦
な見栄え良くすることはできなかった。この結果から、
鍛造温度が高過ぎては良くないことが確認できた。
【0030】(実施例5)成形荷重0.8ton/cm
2 とした以外は実施例1と同様の粗鍛造条件で粗鍛造を
行ったところ、主要部の肉厚は2.0mm以上となっ
た。次いで、仕上鍛造条件を種々変えて、特に成形荷重
を30ton/cm2 あるいは40ton/cm2 と高
くして、仕上鍛造を行った結果、主要部の肉厚1.0m
mまでは薄肉成形できたが、厚さの不均一が生じ成形性
が良好でなかった。
【0031】(実施例6)鍛造速度500mm/秒とし
た以外は実施例1と同様の粗鍛造条件で粗鍛造を行った
ところ、塑性流動(メタルフロー)に乱れが生じ、金型
内への充填が悪く、正確な形状に成形することができな
かった。また、鍛造速度に関しては粗鍛造で10mm/
秒以下になると加圧時間が遅くなり素材の温度が下がる
ので薄くならず、5mm/秒では2.5mmであった。
【0032】このようにして得られたマグネシウム合金
製鍛造薄肉筐体には、その上端部の周囲に鍛造バリが発
生しているので、パンチにより鍛造バリを除去するトリ
ミングを行う。次いで、必要部位を機械加工する。マグ
ネシウム合金は鍛造後においても酸化して金属光沢を失
うおそれがあるので、特殊複合陽極酸化皮膜処理により
酸化皮膜を形成し、塗装では得られない優れた防食性お
よびマグネシウム合金素地を生かした金属光沢を有する
マグネシウム合金製鍛造薄肉筐体とする。
【0033】
【発明の効果】本発明のマグネシウム合金製鍛造薄肉筐
体は、アルミニウム合金製部品よりもさらに軽量で、剛
性もあり、その外表面に所定の記号を有するので、各種
機器の軽量化を目的とする薄肉筐体として、その適用が
期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の鍛造作業工程を示す工程図である。
【図2】本発明に係り、鍛造用素材を載置して鍛造成形
を行う上下金型の概略縦断面図である。
【図3】本発明に係る鍛造機の概略側面図である。
【図4】本発明に係り、粗鍛造に供する上下金型の概略
縦断面図である。
【図5】本発明に係り、仕上鍛造に供する上下金型の概
略縦断面図である。
【符号の説明】
1 鍛造用素材 2 下金型 3 上金型 4 ヒーター 5 熱電対 6 筐体 7 筐体の底部 8 筐体の側部 9 鍛造機 10 偏心軸 11 フライホイール 12 連結桿 13 フレーム L 成形荷重方向 14 粗鍛造用上金型の凸部下端隅部 15 粗鍛造用下金型の凹部隅部 16 仕上鍛造用上金型 17 仕上鍛造用下金型 18 仕上鍛造用上金型の凸部下端隅部 19 仕上鍛造用下金型の凹部隅部 20 所定の記号用凹部 21 筐体の底部の内側面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷池 茂弘 新潟県南魚沼郡六日町大字二日町684−1 株式会社東京精鍛工所六日町工場内 (72)発明者 濱 葆夫 栃木県真岡市鬼怒ケ丘11番地 日立金属株 式会社素材研究所内 (72)発明者 渡辺 洋 東京都港区芝浦一丁目2番1号 日立金属 株式会社内 (72)発明者 柿崎 昌彦 東京都港区港南1−7−4 ソニー株式会 社芝浦テクノロジーセンター内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マグネシウム合金で、主要部の肉厚がほ
    ぼ1.0mm以下の鍛造製薄肉筐体であって、前記鍛造
    製薄肉筐体の内側の隅部が小半径の曲面を有すると共
    に、前記鍛造製薄肉筐体の外面上に一体的に突出させた
    所定の記号を有することを特徴とするマグネシウム合金
    製鍛造薄肉筐体。
  2. 【請求項2】 マグネシウム合金素材の組成が、重量比
    率で、Al:1〜6%、Zn:0〜2%、Mn:0.5
    %以下、微量元素0.2%以下、残部Mg及び不可避的
    不純物よりなることを特徴とする請求項1に記載のマグ
    ネシウム合金製鍛造薄肉筐体。
  3. 【請求項3】 マグネシウム合金素材を粗鍛造及び仕上
    鍛造の複数工程で高温鍛造することにより主要部の肉厚
    がほぼ1.0mm以下の筐体に成形し、前記筐体にトリ
    ミング及び機械加工を施すことを特徴とするマグネシウ
    ム合金製鍛造薄肉筐体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記マグネシウム合金素材の温度を35
    0〜550℃、鍛造に供する金型温度を350〜450
    ℃とし、3〜30ton/cm2 の成形荷重を負荷しな
    がら10〜500mm/秒の鍛造速度により粗鍛造を行
    い、次いで粗鍛造した成形筐体を300〜500℃、鍛
    造に供する金型温度を300〜400℃とし、1〜20
    ton/cm2 の成形荷重を負荷しながら1〜200m
    m/秒の鍛造速度により仕上鍛造を行うことを特徴とす
    る請求項3に記載のマグネシウム合金製鍛造薄肉筐体の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 粗鍛造工程で粗形状に成形し、次いで仕
    上鍛造工程で筐体内側の隅部を小半径を有する曲面に形
    成すると共に、前記筐体の底部および側部を目標寸法肉
    厚に形成し、さらに前記筐体の外側の面上に所定の記号
    を外面より突出させて一体的に形成することを特徴とす
    る請求項3または請求項4に記載のマグネシウム合金製
    鍛造薄肉筐体の製造方法。
  6. 【請求項6】 マグネシウム合金素材の組成が、重量比
    率で、Al:1〜6%、Zn:0〜2%、Mn:0.5
    %以下、微量元素0.2%以下、残部Mg及び不可避的
    不純物よりなることを特徴とする請求項3乃至請求項5
    の何れか1項に記載のマグネシウム合金製鍛造薄肉筐体
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002086240A (ja) * 2000-09-08 2002-03-26 Tokyo Seitankosho:Kk 鍛造用金型及び鍛造品の離型方法
JP2007291488A (ja) * 2006-03-30 2007-11-08 Univ Of Electro-Communications マグネシウム合金材料製造方法及び装置並びにマグネシウム合金材料
US7914902B2 (en) * 2007-11-06 2011-03-29 Jiing Tung Tec. Metal Co., Ltd. Thermal module

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