JP2005193371A - マグネシウム合金とこれを用いて車両用シートフレームを製造する方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】マグネシウム合金シートフレームの製造に必要な新しい押出技術とベンディング技術を開発して、マグネシウム合金押出材の製造を可能にし、このようなマグネシウム合金押出材を使用して車両用シートフレームを製造することにより、従来の鉄鋼素材、アルミニウム合金押出材及びマグネシウム合金鋳造材を使用した製品に比べ、最高の軽量化効果が達成できるようにしたマグネシウム合金と、これを用いて車両用シートフレームを製造する方法を提供する。
【解決手段】AZ31マグネシウム合金をステンレス鋼槽に装入し所定の温度で溶解させた後、水冷凝固して押出用ビレットを製造する段階と、前記押出用ビレットを以って、金型、コンテナー及びビレットの温度を調節しながら所定の形状を有する押出材を製造する段階と、前記マグネシウム押出材をベンディング工程及びストレッチング工程を通じてシートフレーム形状に成形する段階を含むことを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、車両用シートフレーム製造に必要なマグネシウム合金とこれを用いて車両用シートフレームを製造する方法に関するものである。
特に、現在まで開発された常用構造用合金に比べ、優れた比強度を有すると共に振動及び衝撃吸収能に優れたマグネシウム合金押出材を使用して車両用シートフレームを製造する新しい押出技術及びベンディング技術を提供することにより、従来の鉄鋼製品に比べ60〜70%程度、アルミニウム合金製品に比べ25〜35%程度の軽量化が達成できるようにしたものである。
一般に、車両用シートフレームは、乗車者荷重の大部分を支えるように設計するが、特にシートバックフレームは、乗車者の体形及び車両の移動による運動エネルギーの変化を考慮して、衝突時、乗車者の安全が確保できるように、使用素材の選定及び詳細設計を行う。
従来の車両用シートフレーム製品は、図5に示すように、相対的に値段の安い鉄鋼素材が使用され、これに多数の部品を組込んで製作されたものが大部分であった。
最近、限定された資源の効率的な利用と環境汚染に対する社会的関心が高まるにつれて、車両軽量化による燃費向上のために、相対的に重い鉄鋼素材の代わりに、アルミニウム合金及びマグネシウム合金などの軽量素材を使用した車両用シートフレームの開発に対する関心が高まっている。
このようなアルミニウム合金及びマグネシウム合金は、車両用部品素材として、今後、既存の鉄鋼素材の製品を代替すると予想される。
図6と図7に示すように、最近、アルミニウム合金押出材及びマグネシウム合金鋳造材を適用した車両用シートフレームが開発されている。
鉄鋼素材からなる従来の車両用シートフレームは、アルミニウム合金やマグネシウム合金などの軽量素材を適用した製品に比べ相対的に非常に重くて、自動車の燃費向上に大きい障害要因とされていた。
従って、最近車両の燃費及び排気ガスに対する規制が強化されるにつれて、世界有数の完成車製造会社では、軽量素材のアルミニウム合金を適用したシートフレームに対する研究開発が進行されており、一部は、実車適用が推進されている。
アルミニウム合金を利用したシートフレームとしては、例えば、特開2001−17263号に開示された、多数の部材を適切に配置して、車両の衝突時でも破壊しない剛性を有しながらも比較的軽量なシートフレーム構造が挙げられる。また、特開2001−294065号には、シートフレームを形成する前側、後側、左側及び右側フレームがアルミダイカストで一体成形された車両用シートが開示されている。
このようなアルミニウム合金を利用した製品は、従来の鉄鋼素材の製品に比べ、非常に軽量化されているが、最近は、アルミニウム合金製品に比べ最大35%程度の軽量化効果が期待できるマグネシウム合金鋳造材を使用した製品の開発が試みられている。
例えば、特開2003−250657号に開示された、軽合金製シートフレーム及びその製造方法が挙げられる。
しかしながら、マグネシウム合金鋳造材の場合、加圧鋳造工程により製造されるため、押出及び焼成加工工程により製造された製品に比べ、強度及び延伸率が相対的に劣り、鋳造欠陥による全体構造物の安定性確保など、複合的な問題がある。
特開2001−17263号公報 特開2003−250657号公報
本発明は、上記のような点に鑑みて案出されたものであり、マグネシウム合金シートフレームの製造に必要な新しい押出技術とベンディング技術を開発して、マグネシウム合金押出材の製造を可能にし、このようなマグネシウム合金押出材を使用して車両用シートフレームを製造することにより、従来の鉄鋼素材、アルミニウム合金押出材及びマグネシウム合金鋳造材を使用して製造した製品に比べ、最高の軽量化効果が達成できるようにしたマグネシウム合金と、これを用いて車両用シートフレームを製造する方法を提供することにその目的がある。
本発明のマグネシウム合金押出材のシートフレームは、現在まで開発された常用構造用合金に比べ、優れた比強度を有すると共に振動及び衝撃吸収能に優れたマグネシウム合金押出材を使用することにより、既存の鉄鋼素材製品に比べ60〜70%程度、アルミニウム合金製品に比べ25〜35%程度の軽量化を達成することができる。
本発明は、AZ31マグネシウム合金をステンレス鋼槽に装入し所定の温度で溶解させた後、水冷凝固して押出用ビレットを製造する段階と、前記押出用ビレットを以って、金型、コンテナー及びビレットの温度を調節しながら所定の形状を有する押出材を製造する段階と、前記マグネシウム押出材をベンディング工程及びストレッチング工程を通じてシートフレーム形状に成形する段階を含むことを特徴とする。
本発明で使用されるマグネシウム合金は、マグネシウムを素地として、これに、アルミニウム2.5〜3.5重量%、亜鉛0.6〜1.4重量%、マンガン0.2〜1.0重量%を含有したAZ31合金と、アルミニウム5.8〜7.2重量%、亜鉛0.04〜1.5重量%、マンガン0.15〜0.5重量%を含有したAZ61合金とが含まれてなることを特徴とする。
本発明は、マグネシウム合金押出材の押出成形及びベンディング成形に必要な諸般工程条件を精密に制御して車両用軽量のシートフレームを製造することにより、シートの軽量化を実現して、それと同時に、マグネシウム合金の有する優れた衝撃及び振動吸収性を利用し、より安全かつ安楽な軽量のシートフレーム、即ちシートを提供することができる。
通常、マグネシウム合金は、稠密六方格子(HCP)の結晶構造を有しているため、面心立方格子(FCC)の結晶構造を有するアルミニウム合金に比べ、焼成加工が非常に難しく成形性が劣るという短所があるが、本発明では、最適の押出比、金型温度、押出温度、押出速度など、様々な押出工程条件を精密に制御して、丈夫なマグネシウム合金押出材を製造した。
また、本発明では、マグネシウム合金に好適な押出工程条件を選定して、軽量なシートのバックフレーム(A)及び補強フレーム(B)部品に適合したマグネシウム合金押出材を製造した。
図1と図2は、本発明のバックフレーム(A)及び補強フレーム(B)部品用マグネシウム合金押出材を示す。
図1と図2に示すように、本発明では、マグネシウム合金に適合した押出工程条件を選定することにより、比較的複雑な形状を有する丈夫なマグネシウム合金押出材が製造できる。
一方、バックフレーム(A)の製造には、マグネシウム合金押出材を“コ”、“I”、“ロ”の字型に成形できるベンディング成形工程の開発が必要であるが、マグネシウム合金は、上述したように、稠密六方格子を有しているため、焼成変形に必要なスリップシステムの数が制限されており、焼成加工が非常に難しい。
従って、マグネシウム合金押出材のベンディング成形のためには、製造しようとする製品の形状に適合したベンディング成形工法の選定、ベンディング温度、ベンディング速度及びストレッチング圧力などを精密に制御する技術が必要である。
本発明では、このような工程条件を制御することにより、軽量なシート用バックフレームに適合したマグネシウム合金押出材のベンディング成形品を製造することに成功した。
図3は、このような軽量なシート用マグネシウム合金押出材のベンディング成形品を示す。
以下、図面を参照し、本発明による好ましい実施例について詳細に説明する。
押出用ビレットを製造するために、AZ31マグネシウム合金をステンレス鋼槽に装入した後、700℃まで加熱した。
マグネシウム合金地金の表面及び溶湯表面の酸化を防止するために、CO2_+SF混合ガスを溶湯表面に連続的に噴霧、塗布して、合金地金が完全に溶解された後、水冷して凝固させた。
鋳造状態における偏析などによる組織不均一性が押出材の特性に及ぼす影響を排除するために、製造された鋳造材に対し均質化処理を行って、均質化処理された鋳造材を加工し、押出用ビレットを製造した。押出時、金型とコンテナー及びビレットの温度を押出比及び押出形状に応じ250〜450℃の範囲内で変えて、ラム速度(ram speed)を0.5〜5インチ/分の範囲内で変え、図1と図2に示すような押出材を製造した。
製造されたマグネシウム合金押出材をベンディング成形工程により、図4に示す車両用シートバックフレーム(A)に適合した形状に成形した。
ベンディング成形工程には、二次元及び三次元ベンディングが可能なストレッチングベンディングマシーンを使用した。マグネシウム合金は、稠密六方格子を有することにより常温における成形に限界があるため、150〜350℃温度範囲にベンディング金型及び押出材を予熱してベンディングを行った。
ベンディング後、スプリングバック現象による形態の変化を防止して寸法安定性を確保するために、最終的に200〜350kgの圧力でストレッチングを行った。
図3は、以上のベンディング工程を通じて最終的に成形されたマグネシウム合金押出材のベンディング成形品を示している。
本発明のバックフレーム用マグネシウム合金押出材を示す写真である。 本発明の補強フレーム用マグネシウム合金押出材を示す写真である。 図1のバックフレーム用マグネシウム合金押出材を用いて製造したバックフレームを示す写真である。 本発明のマグネシウム合金押出材を用いて製造したシートフレームを示す写真である。 従来の鉄鋼素材を用いて製造したシートフレームを示す写真である。 従来のアルミニウム合金押出材を用いて製造したシートフレームを示す写真である。 従来のマグネシウム合金鋳造材を用いて製造したシートフレームを示す写真である。

Claims (6)

  1. AZ31マグネシウム合金をステンレス鋼槽に装入し所定の温度で溶解させた後、水冷凝固して押出用ビレットを製造する段階と、前記押出用ビレットを以って、金型、コンテナー及びビレットの温度を調節しながら所定の形状を有する押出材を製造する段階と、前記マグネシウム押出材をベンディング工程及びストレッチング工程を通じてシートフレーム形状に成形する段階を含むことを特徴とするマグネシウム合金を用いて車両用シートフレームを製造する方法。
  2. 前記押出用ビレットを製造する段階は、酸化防止のために溶湯表面にCO2_+SF混合ガスを連続噴霧して塗布する過程を含むことを特徴とする請求項1に記載のマグネシウム合金を用いて車両用シートフレームを製造する方法。
  3. 前記押出材を製造する段階において、金型、コンテナー及びビレットの温度は、250〜450℃の範囲内で調節して、ラムの速度は、0.5〜5インチ/分の範囲内で調節することを特徴とする請求項1に記載のマグネシウム合金を用いて車両用シートフレームを製造する方法。
  4. 前記押出材を製造する段階において、押出材の形状は、“コ”、“I”、“ロ”のいずれか一つの形態に製造することを特徴とする請求項1または3に記載のマグネシウム合金を用いて車両用シートフレームを製造する方法。
  5. 前記シートフレームの形状に成形する段階において、ベンディング工程時の温度は、250〜350℃であり、ストレッチング工程時の圧力は、200〜350kgであることを特徴とする、請求項1に記載のマグネシウム合金を用いて車両用シートフレームを製造する方法。
  6. マグネシウムを素地として、これに、アルミニウム2.5〜3.5重量%、亜鉛0.6〜1.4重量%、マンガン0.2〜1.0重量%を含有したAZ31合金と、アルミニウム5.8〜7.2重量%、亜鉛0.04〜1.5重量%、マンガン0.15〜0.5重量%を含有したAZ61合金とが含まれてなることを特徴とするマグネシウム合金。
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