JP3771203B2 - マグネシウム合金製板材の深絞り成形方法およびその成形体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マグネシウム合金製板材の深絞り成形体の製造方法及びその成形体に関するものであり、更に詳しくは、特定のマグネシウム合金製板材に、特定の加工条件で超塑性変形を付与することにより、深絞り成形体を製造することを可能とする深絞り成形体の製造方法及びその成形製品に関するものである。本発明は、例えば、宇宙・航空材料・電子機器材料、自動車部材等の幅広い分野で利用することが可能なマグネシウム合金製成形品及びその製造方法を提供するものとして有用である。
【0002】
【従来の技術】
一般に、マグネシウムは、実用化されている構造用金属材料の中で最も低密度(=1.7g/cm3 )であり、金属材料特有の易リサイクル性を有し、資源も豊富に存在することから、次世代の構造用軽量材料として注目されている。現在、日本におけるマグネシウム製品の多くは、ダイキャストやチクソキャスト等の鋳造法により作製されている。これらの手法により薄肉成形が可能となったことがマグネシウム合金の工業化を助長した最大の要因である。例えば、自動車産業においては、ステアリングホイール、シリンダーヘッドカバー、オイルパン等の部材が、マグネシウム合金鋳造材により実用化されている。また、家電製品では、パソコン・携帯電話等の家電製品筐体にマグネシウム合金鋳造材が利用されている。しかし、現状の鋳造法によるマグネシウム合金鋳造材の生産方法には、鋳造欠陥を補うための後処理が必要であること、歩留りが低いこと、部材の強度・剛性に問題があること、等の問題が存在する。
【0003】
塑性加工プロセスは、一般的に、歩留まりが高く、成形と同時に高強度・高靭性化を図ることができることから、金属材料の需要拡大の有効な手段と言える。特に、マグネシウム合金製板材から深絞り成形により成形体を作製することができれば、薄肉、かつ高強度な成形体を安価なプロセスで作製することができ、例えば、家電製品の筐体(PC筐体等)、自動車部材(クロスメンバー、ブレーキペダルサポート等)等に代表される多くの需要が予測できる。しかしながら、これまで、塑性加工プロセスにより作製されたマグネシウム合金製部材が流通した例は殆ど無いのが実情である。これは、マグネシウムが、最密六方格子構造であるため、延性に乏しく、塑性加工性が悪いこと等に起因する。
【0004】
マグネシウム合金製板材を深絞り加工する手法としては、既にいくつかの手法が提案されている。具体的には、例えば、マグネシウム薄板の深絞り成形方法(特開平6−55230)、深絞り成形加工法(特開2001−105042)等がある。深絞り法に限定せずに、マグネシウム合金製板材を塑性加工する手法にまで範囲を広げると、(1)加工温度、加工速度、金型形状等の加工パラメータを制御する方法、(2)マグネシウム合金製板材を軟質材料で挟んだ状態で塑性加工する方法、(3)マグネシウム合金製板材の結晶粒径を細かくする方法、及び、(4)マグネシウム合金製板材の組成を変化させる方法、の4つに大別された発明が提案されている。
【0005】
これらのうち、上記加工温度、加工速度、金型形状等の加工パラメータを制御する方法に関しては、例えば、マグネシウム薄板の深絞り成形方法(特開平6−55230)、プレス成形性に優れたマグネシウム合金薄板の製造方法(特開平6−293944)、マグネシウム合金製薄肉成形体の製造方法及び薄肉成形体(特開2000−246386)、マグネシウム合金製薄肉成形体の製造方法及び薄肉成形体(特開2001−162346)、マグネシウム合金製薄肉成形体の製造方法及び薄肉成形体(特開2001−170735)、等が挙げられる。
【0006】
また、上記マグネシウム合金薄板を軟質材料に挟んだ状態で塑性加工する方法に関しては、例えば、マグネシウム薄板のプレス成形方法(特開平6−328155)、深絞り成形加工法(特開2001−105042)、マグネシウム材製品の製造方法(特開2001−300643)、等が挙げられる。
【0007】
また、上記マグネシウム合金製板材の結晶粒径を細かくする方法に関しては、例えば、結晶粒径を微細にすると延性が向上すること、超塑性現象が表れることを利用した方法として、マグネシウム合金薄板及びその製造方法並びにそれを用いた成形品(特開2001−294966)、マグネシウム合金製塑性加工薄肉成形品(特開2000−210747)、マグネシウム素材のスピニング加工方法及びその装置(特開2000−126827)、等が挙げられる。
【0008】
更に、上記マグネシウム合金製板材の組成を変化させる方法に関しては、例えば、マグネシウム合金中に、アルミニウム、亜鉛、マンガン、ジルコニウム、リチウム等を添加し、合金成分のみにより塑性加工性を向上させる方法として、二次電池(特開2001−210282)、携帯通信端末用筐体(特開2001−246442)、等が挙げられる。
【0009】
しかし、上記加工温度、加工速度、金型形状等の加工パラメータを制御する方法では、マグネシウム合金製板材の塑性加工法は、マグネシウム合金のすべり系が高温(573K以上)で増加し、延性が増加することに着目したものである。また、マグネシウム合金製板材を軟質材料で挟んだ状態で塑性加工する方法は、マグネシウム合金製板材と金型の摩擦抵抗を低減することに着目したものである。また、マグネシウム合金製板材の結晶粒径を細かくする方法は、マグネシウム合金の結晶粒径を微細にすることにより延性が増加すること、高温において超塑性現象が発現することに着目したものである。更に、マグネシウム合金製板材の組成を変化させる方法は、リチウム、アルミニウム等、マグネシウムの延性を向上させる添加元素を利用して塑性加工性を向上させることに着目したものである。すなわち、これらの発明群は、マグネシウム合金の板材の複雑成形及び良好な表面性状を達成することのみを念頭においたものである。
【0010】
近年、ある一定以上の塑性加工をマグネシウム合金製板材に加えると、加工と同時に結晶粒が微細化されるという知見が新たに発見された(T.Mohri、M.Mabuchi、M.Nakamura、T.Asahina、H.Iwasaki、T.Aizawa andK.Higashi:Mater.Sci.Eng.A290(2000)、139.)。
しかし、従来のマグネシウム合金製板材の塑性加工法、超塑性成形法に関する発明は、動的再結晶を積極的に利用して結晶粒を微細化させることを念頭においておらず、成形後の材料の強度等についても考慮していない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、マグネシウム合金製板材に動的再結晶、超塑性現象を容易に発現させること、及び成形体に高い強度を付与することを可能とする新しいマグネシウム合金製板材の深絞り成形加工技術を開発することを目標として鋭意研究を重ねた結果、特定のマグネシウム合金製板材に、特定の加工条件で超塑性変形を付与することにより、所期の目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、複雑形状を有し、かつ高強度を有するマグネシウム合金製成形体を作製する方法及びその成形体を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)添加合金元素の一部として、アルミニウムを1.0〜10.0mass%、亜鉛を0.5〜3.0mass%、マンガンを0.1〜0.8mass%含むマグネシウム合金製板材の深絞り成形体を製造する方法であって、平均結晶粒径40μm以下の結晶粒からなる板厚0.2mm以上10mm以下のマグネシウム合金板材に、以下の加工条件;(a)423K以上723K以下の温度域、(b)1×10−41/s以上1×1011/s以下の歪み速度領域、(c)部位の一部が真ひずみ1.0以上になるように成形する、により超塑性変形を行い、深絞り成形体を作製することを特徴とするマグネシウム合金製板材の深絞り成形体の製造方法。
(2)添加合金元素の一部として、亜鉛を0.5〜8.0mass%、ジルコニウムを1.0mass%以下、マンガンを1.0mass%以下含むマグネシウム合金製板材の深絞り成形体を製造する方法であって、平均結晶粒径40μm以下の結晶粒からなる板厚0.2mm以上10mm以下のマグネシウム合金板材に、以下の加工条件;(a)423K以上723K以下の温度域、(b)1×10 −4 1/s以上1×10 1 1/s以下の歪み速度領域、(c)部位の一部が真ひずみ1.0以上になるように成形する、により超塑性変形を行い、深絞り成形体を作製することを特徴とするマグネシウム合金製板材の深絞り成形体の製造方法。
(3)添加合金元素の一部として、マンガンを1.5mass%〜2.0mass%含むマグネシウム合金製板材の深絞り成形体を製造する方法であって、平均結晶粒径40μm以下の結晶粒からなる板厚0.2mm以上10mm以下のマグネシウム合金板材に、以下の加工条件;(a)423K以上723K以下の温度域、(b)1×10 −4 1/s以上1×10 1 1/s以下の歪み速度領域、(c)部位の一部が真ひずみ1.0以上になるように成形する、により超塑性変形を行い、深絞り成形体を作製することを特徴とするマグネシウム合金製板材の深絞り成形体の製造方法。
(4)マグネシウム合金製板材の深絞り変形時に動的再結晶を発生させることにより結晶粒を成形と同時に微細化することにより成形体の強度を増加させることを特徴とする前記(1)から(3)のいずれかに記載の方法。
(5)試料の平均結晶粒径をサブミクロンオーダまで微細化する前記(4)に記載の方法。
(6)添加合金元素の一部として、(a)アルミニウムを1.0〜10.0mass%、亜鉛を0.5〜3.0mass%、マンガンを0.1〜0.8mass%、(b)亜鉛を0.5〜8.0mass%、ジルコニウムを1.0mass%以下、マンガンを1.0mass%以下、又は(c)マンガンを1.5mass%〜2.0mass%含み、平均結晶粒径40μm以下の結晶粒からなる板厚0.2mm以上10mm以下のマグネシウム合金板材の深絞り成形体であって、マグネシウム合金製成形体の一部の超塑性変形の真ひづみが1.0以上であり、一部の硬度がビッカース硬度100以上であることを特徴とするマグネシウム合金製板材の深絞り成形体。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、上記マグネシウム合金製板材が変形中に動的な連続再結晶を生じ、板材内部の組織が微細化するという知見を更に積極的に利用したものであり、具体的には、マグネシウム合金の結晶粒を深絞り成形と同時に動的再結晶により微細化し、超塑性変形を誘起させ、それにより、複雑形状を有する成形体を作製することを可能とするものであり、また、成形と同時に結晶粒を微細化させること、変形部位の強度を向上させることを可能とするものである。このような現象は、金属組織の動的再結晶を誘起した結果である。動的再結晶とは、加工中に粒界近傍の転位群が転位の回復過程において再配列を起こす現象を指し、マクロ的には、変形とともに結晶粒界の移動が起こり、結晶粒は微細化する現象を指す。例として、図1に、AZ91(Mg−9mass%Al−1mass%Zn)マグネシウム合金製板材を、初期ひずみ速度0.5×10-3s-1、加工温度573Kの条件で、真ひずみ0.6まで引張り変形した際の組織変化を示す。初期粒径39.5μmであったマグネシウム合金の結晶粒径は、加工と共に9.1μmまで微細化されていることが分かる。
【0014】
一方、金属材料は、結晶粒を微細化させると超塑性現象が発現する。超塑性変形とは、「多結晶材料の引張り変形において、変形応力が高いひずみ速度依存性を示し、局部収縮を生じることなく数百%以上の巨大伸びを示す現象」、を指す。超塑性変形では、結晶自体の形状は基本的に変化せず、結晶同士が界面間で滑ることにより変形が達成される。この現象は粒界すべりと呼ばれる。一般的に、材料の結晶粒径を10μm程度まで微細にし、液相線温度に対して約50%以上の温度に試料を加熱した際に超塑性変形が生じる。
なお、超塑性成形の一般的な定義は、上記のように曖昧なものである。そこで、本発明では、マグネシウム合金製板材の一部が真ひずみ1.0以上の変形を達成すること、及び粒界すべりの痕跡が確認できること、の2点を満たした場合に、超塑性成形が達成されるものと定義する。
【0015】
図2に、マグネシウム合金(AZ91:Mg−9mass%Al−1mass%Zn)とアルミニウム合金(5083:Al−5mass%Mg−0.5mass%Mn)の結晶粒径と0.2%耐力の関係を示す。HCP構造を有するマグネシウム合金は、FCC構造を有するアルミニウム合金等と比較して、0.2%耐力の結晶粒径依存性が強い。このことは、マグネシウム合金の結晶粒径を微細化させることにより、効果的に成形体の強度(硬度)を向上させることが可能であることを示す。すなわち、マグネシウム合金製板材を塑性加工により変形させた際の変形部位の降伏強度は増加することが予測できる。なお、一般的に、金属材料の0.2%耐力と硬度は比例関係にあるため、0.2%耐力の増加は、硬度の増加にもつながる。
【0016】
本発明は、これらの知見をマグネシウム合金製板材の深絞り成形に適用したものである。すなわち、本発明は、マグネシウム合金製板材の結晶粒を成形と同時に微細化し、超塑性現象を発現させるものであり、また、成形体の変形部位を成形と同時に高強度化させるものである。従来のマグネシウム合金製板材の塑性加工法、超塑性成形法に関する発明は、動的再結晶を積極的に利用して結晶粒を微細化させることを念頭においておらず、成形後の材料の強度等についても全く考慮していない。そのため、本発明は、従来の発明とは全く概念を異にするものであると云える。
【0017】
上記の知見が今まで発見されなかった理由としては、従来の技術では、加工前の板材の金属組織学的な品質を無視していたこと等が挙げられる。本発明者らは、平均結晶粒径が40μm以下の板材を被加工材として選定すると同時に、適切な加工条件(加工速度、加工温度、板形状)で深絞りを実施することにより、動的再結晶、超塑性現象が容易に発現すること、また、成形体に高い強度を付与することが可能であること、を見出した。
【0018】
本発明では、マグネシウム合金製板材として、平均結晶粒径40μm以下の結晶粒からなる板厚0.2mm以上10mm以下のマグネシウム合金製板材が使用される。平均結晶粒径が40μm以下のマグネシウム合金製板材であれば、圧延、射出成形、押出し成形、引き抜き成形等により作製された板材を用いることが可能であり、板材の作製方法は、特に制限されない。また、マグネシウム合金の深絞り成形を実施するにあたり、マグネシウム合金板材が破断しない状態で成形を完了させるためには、0.2mm以上10mm以下の板厚を有する板材を利用することが望ましい。
【0019】
後記する実施例では、マグネシウム合金として、AZ31(Mg−3.0mass%Al−1.0mass%Zn)を用いたが、これらに制限されない。マグネシウム合金は、固溶添加元素を含んでいると比較的容易に動的再結晶を起こすこと、及び市場に出回るマグネシウム合金の種類を鑑みると、本発明においては、マグネシウム合金として、添加合金元素の一部として、アルミニウムを1.0mass%〜1.0mass%、亜鉛を0.5〜3.0mass%、マンガンを0.1〜0.8mass%含むマグネシウム合金板材を利用することが望ましい。具体的には、AZ31、AZ61、AZ91、AM50、AM60等が例示される。
【0020】
一方、添加合金元素の一部として、亜鉛を0.5〜8.0mass%、ジルコニウムを1.0mass%以下、マンガンを1.0mass%以下含むマグネシウム合金製板材を利用することも可能である。具体的には、ZK60、ZK30等が例示される。また、添加合金元素の一部として、マンガンを1.5mass%〜2.0mass%含むマグネシウム合金製板材を利用することも可能である。具体的には、MlX等が例示される。
【0021】
次に、本発明では、上記マグネシウム合金製板材に、以下の加工条件;(1)423K以上723K以下の温度域、(2)1×10- 4 1/s以上1×1011/s以下の歪み速度領域、(3)部位の一部が真ひずみ1.0以上になるような超塑性変形、により、深絞りを行う。後記する実施例では、マグネシウム合金製板材は、約573Kにて深絞り成形されたが、これは、573Kより加工温度を著しく上昇させるとマグネシウム合金結晶粒の粗大化を招き、573Kよりも加工温度を著しく低下させると拡散による付随調整機能が働かなくなり、試料の破断を招くからである。そのため、本発明によりマグネシウム合金板材を深絞り成形する際には、板材の温度を423Kから723Kに設定することが望ましい。
【0022】
工業的見地に立った場合、板材の成形は、なるべく高い歪み速度域(1×10-41/s以上)で実施されるべきである。超塑性成形の場合、板材の結晶粒径が微細であれば成形可能な歪み速度は上昇する。しかしながら、1×10-41/sより速い歪み速度で破断をせずに成形を完了させるためには、試料の平均結晶粒径はサブミクロン程度まで微細化する必要がある。現状で手に入れることができる板材の結晶粒は、数ミクロン程度のものであり、そのことを加味すると、本発明で採用するひずみ速度は、1×10-41/s〜1×101 1/sが妥当である。
【0023】
また、本発明では、部位の一部が真ひずみ1.0以上になるような超塑性変形が行われている。これは、平均結晶粒径が40μm以下、かつ板厚が0.1mm〜10mmのマグネシウム合金板材を、上記(1)及び(2)に記載の加工条件にて深絞り成形を行うと超塑性変形を行うことが可能であり、この超塑性変形を利用することにより真ひずみ1.0以上の加工を容易に実施できるためである。また、真ひずみ1.0以上の加工を実施することにより、複雑形状を有するマグネシウム合金を創製することが可能であるためである。
【0024】
本発明の方法を実施する際に使用される深絞り成形機は、特に制限されるものではなく、適宜の装置が使用されるが、好適には、例えば、後記する実施例に示されるように、複動式60トン液圧プレス成形機等が例示される。上記装置は、成形体の種類、成形目的等に応じて所定の加工条件を設定できるタイプの装置を適宜使用すればよい。本発明により、適宜の形状を有する、マグネシウム合金製板材の深絞り成形体を作製し、提供することができる。本発明において、上記成形体の種類、形態等は、特に制限されるものではなく、これらは、その使用目的等に応じて適宜設計することができる。
【0025】
【実施例】
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
実施例1
本実施例では、代表的なマグネシウム合金展伸材であるAZ31(Mg−3mass%Al−1mass%Zn)マグネシウム合金製板材を深絞り成形した。本実施例で利用した深絞り成形機の概要を図3に示す。本成形機は、複動式60トン液圧プレス成形機であり、型材の材質は、すべてSKD11である。ダイスホルダー及びしわ押さえ部に発熱装置が配され、ダイス部に水冷装置が配されており、マグネシウム合金製板材の温度制御を可能とする。ダイ形状は一辺50mmの正方形とし、角に半径5mmの丸みを配した。パンチは平面ポンチを採用し、肩部のRは2.5mmとし、パンチとダイスとのクリアランスは+0.03mmとした。また、板材と金型の潤滑剤として、MoS2 パウダーを利用した。
【0026】
使用した板材は、0.5mm×120mm×750mmのAZ31マグネシウム合金製板材である。板材の成形前の組織写真を図4に示す。板材の平均結晶粒が約20μmであることを示す。板材は、圧延材であり、水平方向が圧延方向である。圧延方向に長く伸びた結晶粒があり、その中に双晶を発生し、粒内に極めて小さい粒も観察される。このことは、圧延の段階で、既に動的再結晶が生じていることを示唆している。板材の平均結晶粒径は、約20μmである。
【0027】
ダイを573K、パンチを373K、しわ押さえを573Kに設定し、成形速度1mm/s(歪み速度1.0×10-31/s)で絞り深さ15mmから50mmまでの深絞りを実施した。成形時には、加熱されたダイス上に15分間ブランクを保持し、その後、成形を行い、取り出し後、放冷した。なお、試験中のマグネシウム合金板材の温度は、約573Kであった。図5に、15mm、25mm、35mm、50mmまで種々の絞り深さの深絞りを実施した際の成形体の概観を示す。いずれの成形体も板材が破損することなく深絞りを完了していることが確認できる。
【0028】
次に、図6に、成形速度15mm/s(歪み速度1.5×10-21/s)にて、板材温度573K、絞り深さ50mmの深絞り成形を実施した結果を示す。成形速度が10倍以上に増加しても深絞り成形が可能であることが確認できる。なお、1.5×10-21/s以下の歪み速度域では、加工前板材の結晶粒径が40μm以下であれば超塑性成形は可能であった。一方、1.0×100 1/s前後の歪み速度で深絞り成形を行う際には、加工前板材の結晶粒径は10μm程度にしておく必要があった。これは、歪み速度が高速である場合、動的な再結晶により結晶粒が微細化される前に試料が破損してしまうためと推測される。
【0029】
実施例2
加工機及びマグネシウム合金製板材の仕様、金型の温度及び潤滑条件は、実施例1と同様とし、成形速度1mm/s(歪み速度:1.0×10-31/s)にて絞り深さ50mmの深絞りを実施した。その際に、コーナー部とストレート部における絞り軸方向と垂直方向のひずみ分布を調べるために、ブランク上に初期間隔5mmのマーカーを2列、6点づつ付けた。マーカーの移動量から、各位置における歪み分布を測定した結果を図7に示す。コーナー部の変形量が大きいことを示す。黒印は軸方向ひずみを、白印は垂直方向ひずみの分布を示す。また、丸印はストレート部のひずみを、三角印はコーナー部のひずみ分布を示す。ストレート部のひずみは、容器底から入り口まで絞り軸方向も垂直方向も±0.2以下である。それに対して、コーナー部は底から入り口へ向かって歪みが増加し、入り口近傍で±1.1に達していた。
【0030】
図8に、絞り深さ50mmまで深絞りした成形体のストレート部とコーナー部における、絞り方向に垂直な面の組織変化を示す。変形量が大きい部分(コーナー部・底から上方の位置)で結晶粒が微細化することを示す。ストレート部に注目すると、容器底から10mmの位置では、成形前後で結晶粒径に差は殆どない。40mmでは、微細粒と粗大粒の混粒になっている。これに対し、コーナー部では、底から10mmの位置において、すでにかなり微細化されており、40mmでは、4.5μmの微細等軸結晶粒になっている。
【0031】
実施例3
図8の底から20mm以上の部位の変形挙動を、高温引張り試験で再現した。具体的には、平行部長さ10mm、平行部直径2.5mmの丸棒試験片を、温度573K、歪み速度1.0×10-31/sにて真歪み1.0まで引張り変形した。その際の引張り試験片側面のSEM観察結果を図9に示す。図9からは、粒界すべりの跡が確認できる。すなわち、実施例2におけるコーナー部の底から20mm以上の部位において、超塑性変形が発現していたと言うことができる。
【0032】
実施例2及び実施例3の結果によると、深絞り成形時のマグネシウム合金板材は、超塑性変形により変形し、一部の部位において、真歪み1.0の変形を記録した。また、初期粒径が約20μmであったAZ31マグネシウム合金製板材の結晶粒径は、深絞り成形により、高い真ひずみ値を記録したコーナー部(特に、上部)では、約4μmまで微細化された。これらの結果は、動的再結晶に伴い結晶粒が微細化され、それに起因して、超塑性変形が起こっていることを示唆していると言える。実施例1、実施例2、及び実施例3を通じて利用されたマグネシウム合金の厚みは0.5mmであった。
【0033】
実施例4
加工機及びマグネシウム合金板材の仕様、金型の温度及び潤滑条件は、実施例1と同様とし、成形速度15mm/s (歪み速度:1.5×10-21/s)にて絞り深さ50mmの深絞りを実施した。その際の成形品のビッカース硬度分布を測定した結果を図10に示す。コーナー部の硬さが増加していることを示す。本図は、成形体写真に上書きされた点線領域の硬度分布を等間隔(17点)に測定した結果である。点線領域は、底から約20mmの位置に相当する。図7において、高い真ひずみ値(約1.0)を記録したコーナー部では、100Hv以上のビッカース硬度が得られた。一方、低い真ひずみ値(約0.2)を記録したストレート部では、ビッカース硬度の値は、約70Hvに留まった。すなわち、変形量の大きい成形体コーナー部では、結晶粒微細化が他の部位と比較して促進されており、硬度が増加したことが確認できる。
【0034】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明は、マグネシウム合金製板材の深絞り成形体の製造方法及びその成形体に係るものであり、本発明により、以下のような効果が奏される。
(1)本発明によるマグネシウム合金深絞り成形体は、超塑性変形を利用するため複雑形状を成形体に付与することが可能である。
(2)高強度及び高硬度を必要とする部位を設計段階で把握し、その部位の深絞り量(ひずみ量)が大きい値を取るように金型を設計すれば、必要な部位のみ高強度(硬度)を達成した軽量材料の作製も可能あり、成形体総重量の軽減も同時に達成できる。
(3)利用する材料は、低密度により特徴付けられるマグネシウム合金であることから、超軽量マグネシウム合金製成形体の作製を可能にする。
(4)マグネシウム合金製板材の深絞り成形体は、薄肉かつ高強度な軽量構造体であることから、家電製品の筐体、自動車部材等多くの需要が予測できる。
(5)本発明では、マグネシウム合金が加工中に動的再結晶を起こすことを積極的に利用して複雑形状を有する高強度成形体を作製することができる。
(6)具体的には、マグネシウム合金製板材の結晶粒を深絞り成形と同時に微細化し、超塑性現象を発現させ、また、成形体の変形部位を成形と同時に高強度化させることができる。
(7)そのため、本発明の工業的意義は、非常に大きなものと言える。
【図面の簡単な説明】
【図1】動的再結晶により引張り変形中にマグネシウム合金内部の結晶粒が微細化される様子を示した図である。
【図2】AZ91マグネシウム合金と5083アルミニウム合金の結晶粒径と0.2%耐力の関係を示した図である。
【図3】本発明の実施に利用した深絞り成形機の説明図である。
【図4】本発明の実施に利用したAZ31マグネシウム合金製板材の組織観察写真である。
【図5】本発明に則って作製されたマグネシウム合金製成形体を示す。
【図6】本発明に則って作製されたマグネシウム合金製成形体を示す。
【図7】本発明に則って作製されたマグネシウム合金製成形体の変形時の真ひずみ分布を示した図である。
【図8】本発明に則って作製されたマグネシウム合金製成形体の組織を示した図である。
【図9】本発明に則って作製されるマグネシウム合金製成形体を引張り変形した時の試料側面のSEM観察結果を示す。
【図10】本発明に則って作製されたマグネシウム合金製成形体のビッカース硬さ分布を示した図である。
Claims (6)
- 添加合金元素の一部として、アルミニウムを1.0〜10.0mass%、亜鉛を0.5〜3.0mass%、マンガンを0.1〜0.8mass%含むマグネシウム合金製板材の深絞り成形体を製造する方法であって、平均結晶粒径40μm以下の結晶粒からなる板厚0.2mm以上10mm以下のマグネシウム合金板材に、以下の加工条件;(1)423K以上723K以下の温度域、(2)1×10−41/s以上1×1011/s以下の歪み速度領域、(3)部位の一部が真ひずみ1.0以上になるように成形する、により超塑性変形を行い、深絞り成形体を作製することを特徴とするマグネシウム合金製板材の深絞り成形体の製造方法。
- 添加合金元素の一部として、亜鉛を0.5〜8.0mass%、ジルコニウムを1.0mass%以下、マンガンを1.0mass%以下含むマグネシウム合金製板材の深絞り成形体を製造する方法であって、平均結晶粒径40μm以下の結晶粒からなる板厚0.2mm以上10mm以下のマグネシウム合金板材に、以下の加工条件;(1)423K以上723K以下の温度域、(2)1×10 −4 1/s以上1×10 1 1/s以下の歪み速度領域、(3)部位の一部が真ひずみ1.0以上になるように成形する、により超塑性変形を行い、深絞り成形体を作製することを特徴とするマグネシウム合金製板材の深絞り成形体の製造方法。
- 添加合金元素の一部として、マンガンを1.5mass%〜2.0mass%含むマグネシウム合金製板材の深絞り成形体を製造する方法であって、平均結晶粒径40μm以下の結晶粒からなる板厚0.2mm以上10mm以下のマグネシウム合金板材に、以下の加工条件;(1)423K以上723K以下の温度域、(2)1×10 −4 1/s以上1×10 1 1/s以下の歪み速度領域、(3)部位の一部が真ひずみ1.0以上になるように成形する、により超塑性変形を行い、深絞り成形体を作製することを特徴とするマグネシウム合金製板材の深絞り成形体の製造方法。
- マグネシウム合金製板材の深絞り変形時に動的再結晶を発生させることにより結晶粒を成形と同時に微細化することにより成形体の強度を増加させることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の方法。
- 試料の平均結晶粒径をサブミクロンオーダまで微細化する請求項4に記載の方法。
- 添加合金元素の一部として、(1)アルミニウムを1.0〜10.0mass%、亜鉛を0.5〜3.0mass%、マンガンを0.1〜0.8mass%、(2)亜鉛を0.5〜8.0mass%、ジルコニウムを1.0mass%以下、マンガンを1.0mass%以下、又は(3)マンガンを1.5mass%〜2.0mass%含み、平均結晶粒径40μm以下の結晶粒からなる板厚0.2mm以上10mm以下のマグネシウム合金板材の深絞り成形体であって、マグネシウム合金製成形体の一部の超塑性変形の真ひづみが1.0以上であり、一部の硬度がビッカース硬度100以上であることを特徴とするマグネシウム合金製板材の深絞り成形体。
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