JP4599594B2 - マグネシウム合金大クロス圧延材によるプレス成形体 - Google Patents

マグネシウム合金大クロス圧延材によるプレス成形体 Download PDF

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本発明は、マグネシウム合金大クロス圧延材によるプレス成形体に関するものであり、更に詳しくは、大クロス圧延に供したマグネシウム合金板材を温間成形することにより、230℃以下の低温成形を可能とするマグネシウム合金プレス成形体の作製技術及びその成形製品に関するものである。本発明は、特に、複雑形状のマグネシウムプレス成形体の作製技術として有用であり、例えば、宇宙・航空材料・電子機器材料、自動車部材等、幅広い分野で利用することが可能なマグネシウム合金製部材及び筐体を作製し、提供することを可能とするマグネシウム合金プレス成形体に関する新技術・新製品を提供するものである。
マグネシウムは、実用構造金属材料の中で最も低密度(=1.7g/cm)であり、金属材料特有の易リサイクル性を有し、資源も豊富に存在することから、次世代の構造用軽量材料として注目されている。現在、日本におけるマグネシウム製品の多くは、ダイキャストやチクソキャスト等の鋳造法により作製されている。これらの手法により薄肉成形が可能となったことが、マグネシウム合金の工業化を助長した最大の要因である。特に、家電製品では、パソコン、携帯電話、デジタルカメラ等の家電製品筐体にマグネシウム合金鋳造材が利用されている。しかし、現状の鋳造法による生産法には、鋳造欠陥を補うための後処理が必要であること、歩留りが低いこと、及び部材の強度・剛性に問題があること等の問題が存在する。
プレス成形は、一般的に歩留まりが高く、成形と同時に高強度・高靭性化を図ることができることから、マグネシウム合金製品の需要拡大の有効な手段と言える。特に、マグネシウム合金製板材から深絞り成形、張り出し成形、及びブロー成形等のプレス成形により成形体を作製する場合、薄肉かつ高強度な成形体を安価なプロセスで作製することができ、家電製品の筐体等、多くの需要が予測できる。しかしながら、プレス成形により作製されたマグネシウム合金製部材が流通した例はまだ少ない。
マグネシウム合金の非底面すべりの臨界分解せん断応力は、常温において他のすべり系と比較して非常に大きく、常温成形性は低い。更に、マグネシウム合金圧延材には、{0001}面が板面に対して平行に配向する集合組織が形成されるため、塑性変形時の板厚方向の歪みが期待できず、常温成形性を妨げる一因となっている。すなわち、上記問題がマグネシウム合金プレス成形体を実用化するための大きな妨げとなっている。
冷間成形性に乏しいマグネシウム合金をプレス成形する手法としては、温間プレス成形が挙げられる。上記手法は、加工温度、加工速度、及び金型形状等の加工パラメータを制御してマグネシウム合金板材を成形するものであり、マグネシウム合金のすべり系が高温(300℃以上)で増加し、延性が増加することに注目した技術である。この温間プレス成形に関する先行技術としては、具体的には、例えば、マグネシウム薄板の深絞り成形方法(特許文献1参照)、プレス成形性に優れたマグネシウム合金薄板の製造方法(特許文献2参照)、マグネシウム合金製薄肉成形体の製造方法及び薄肉成形体(特許文献3参照)、マグネシウム合金製薄肉成形体の製造方法及び薄肉成形体(特許文献4参照)、マグネシウム合金製薄肉成形体の製造方法及び薄肉成形体(特許文献5参照)、等が挙げられる。
マグネシウム合金をプレス成形する他の手法の一つとしては、超塑性成形が挙げられる。金属材料は、結晶粒を微細化させると超塑性現象が発現する。超塑性変形とは、「多結晶材料の引張り変形において、変形応力が高いひずみ速度依存性を示し、局部収縮を生じることなく数百%以上の巨大伸びを示す現象」を指す。超塑性成形を利用したマグネシウム合金板材の成形方法に関する先行技術としては、例えば、マグネシウム合金部品とその製造方法(特許文献6参照)、マグネシウム部品とその製造方法(特許文献7参照)、マグネシウム素材のスピンドル加工方法及びその装置(特許文献8参照)、マグネシウム合金製板材の深絞り成形方法及びその成形体(特許文献9参照)、が挙げられる。
マグネシウム合金の温間成形法・超塑性成形法においては、底面すべりと非底面すべりの臨界分解せん断応力が比較し得る大きさとなる成形温度(約250℃以上)で成形を行う必要がある。一方、一般的な油性潤滑剤の引火点は約250℃であり、これ以上の温度では特殊な潤滑剤を利用する必要がある。250℃以上でも使用可能な、グラファイトグリス、2硫化モリブデン等の固体潤滑剤、プレコートタイプ潤滑剤を利用した場合、潤滑剤を除去するための機械的なバレル研磨等の作業を追加する必要があり、このことが高コスト化の一因とされている。
前述の通り、マグネシウム合金圧延材には、{0001}面が板面に対して平行に配向する集合組織が形成されるため、鋼板、アルミニウム合金板と比較して冷間成形性が著しく劣る。一方、板厚方向にせん断変形を付与しつつ圧延を行う異周速圧延法(非特許文献1参照)、クロス圧延法(特許文献10参照)を利用すると、{0001}面の集合組織形成が抑制された圧延材が創製可能であり、それらの手法により作製された圧延材の成形性は、通常の圧延材より優れることが報告されている。
特開平6−55230号公報 特開平6−293944号公報 特開2000−246386号公報 特開2001−162346号公報 特開2001−170735号公報 特開2004−149841号公報 特開2003−311360号公報 特開2000−126827号公報 特開2004−58111号公報 特開2004−10959号公報 Y.Chino et al.: Mater.Trans.,Vol.43,pp.2554−2560(2002)
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、金属材料の厚み方向にせん断変形を付与するために新たに提案された大クロス圧延法(特開2004−237351号公報)により作製されたマグネシウム合金圧延材に着目し、一般的な油性潤滑剤を使用して低温成形する新しい技術を開発することを目標として鋭意研究を重ねた結果、特定の組成のマグネシウム合金を用い、特定の熱処理条件、成形条件を選択することにより、油性潤滑剤が十分利用可能な230℃以下でも高い成形性が確保されることを見いだし、更に研究を重ねて、結果的に、230℃以下の低温成形により複雑形状を有するマグネシウム合金プレス成形体を得るための知見を得て、本発明を完成するに至った。本発明は、上記手法によりマグネシウム合金プレス成形体を作製する技術及び該技術により作製されたマグネシウム合金製プレス成形体及び成形製品を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)230℃以下の低温成形によるマグネシウム合金製プレス成形体であ、マグネシウム合金大クロス圧延材の温間成形体から構成されるマグネシウム合金プレス成形体であって、
添加合金元素の一部として、アルミニウムを1.0〜7.0mass%、亜鉛を0.5〜2.5mass%、マンガンを0.1〜0.8mass%含むマグネシウム合金を利用して、上下のロール軸が平面位置で1.5°以上の角度で交差した状態の圧延機による複数回の大クロス圧延に供したマグネシウム合金板材を、完全焼き鈍し処理に供した後、試料温度150℃以上230℃以下の低温で一般的な油性潤滑剤を使用して温間成形してなる、組織の一部の結晶が10μm又はそれより小さい微細結晶であり、限界深絞り比(LDR)が1.5又はそれより大きく、圧延方向に平行に配向する{0001}面の集積が、公知の圧延材よりも弱まっていることを特徴とするマグネシウム合金プレス成形体。
)大クロス圧延において、圧延板材のせん断歪が付与される方向を一定又は交互に変えて、複数回の大クロス圧延に供したマグネシウム合金板材を、温間成形した、前記(1)に記載のマグネシウム合金プレス成形体。
)成形前の大クロス圧延材もしくは成形後のプレス成形体の一部が150℃以上230℃以下の温度でエリクセン試験に供した際に、いずれかの試験温度にて12を上回るエリクセン値を取る、前記(1)に記載のマグネシウム合金プレス成形体。
)230℃以下の低温成形によるマグネシウム合金製プレス成形体を製造する方法であって、
添加合金元素の一部として、アルミニウムを1.0〜7.0mass%、亜鉛を0.5〜2.5mass%、マンガンを0.1〜0.8mass%含むマグネシウム合金を利用して、上下のロール軸が平面位置で1.5°以上の角度で交差した状態の圧延機による複数回の大クロス圧延に供したマグネシウム合金材を、完全焼き鈍し処理に供した後、試料温度150℃以上230℃以下の低温一般的な油性潤滑剤を使用して温間成形することにより、組織の一部の結晶が10μm又はそれより小さい微細結晶であり、限界深絞り比(LDR)が1.5又はそれより大きく、圧延方向に平行に配向する{0001}面の集積が、公知の圧延材よりも弱まっているマグネシウム合金プレス成形体を製造することを特徴とするマグネシウム合金プレス成形体の製造方法。
)前記(1)から()のいずれかに記載のマグネシウム合金プレス成形体からなることを特徴とするマグネシウム合金成形製品。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、230℃以下の低温成形によるマグネシウム合金製プレス成形体であって、マグネシウム合金大クロス圧延材の温間成形体からなることを特徴とするマグネシウム合金プレス成形体の点、上下のロール軸が平面位置で1.5°以上の角度で交差した状態の圧延機による複数回の大クロス圧延に供したマグネシウム合金板材を、試料温度150℃以上230℃以下で温間成形した、前記のマグネシウム合金プレス成形体の点、230℃以下の低温成形によるマグネシウム合金製プレス成形体を製造する方法であって、マグネシウム合金大クロス圧延材を試料温度150℃以上230℃以下で温間成形することを特徴とするマグネシウム合金プレス成形体の製造方法の点、及び上記マグネシウム合金プレス成形体からなるマグネシウム合金成形製品の点、に特徴を有するものである。
本発明者らは、油性潤滑剤が利用可能な230℃以下の成形温度においてマグネシウム合金板材を成形するための手段として、大クロス圧延に注目した。大クロス圧延とは、図1に示す様に、上下の圧延ロールをクロスさせた状態で圧延を実施する手法であり、圧延毎に試料の圧延方向を回転させるクロス圧延法(特開2004−10959号公報)とは異なるものである。クロス角1.5°未満の大クロス圧延に関しては、鋼板の板圧分布の制御、いわゆるエッジドロップ制御の有効な手段として比較的古くから利用されている(例えば、森本和夫:塑性と加工、Vol.417,pp.1122−1127(1995))。
近年、大クロス圧延のクロス角を1.5度以上(好ましくは3°以上)に設定することにより、材料の集合組織形成(面内異方性)を抑制し、優れた成形性を有する圧延材が作製可能であることが見いだされている(特開2004−237351号公報)。なお、図1に示す通り、大クロス圧延には、試料の圧延毎の圧延方向を一定とする方法と、圧延毎に試料の圧延方向を180°回転させる方法がある。ここでは、前者を一方向大クロス圧延、後者を交互大クロス圧延と呼ぶ。
大クロス圧延法により金属圧延材の成形性が向上する理由としては、圧延と同時に圧延材にせん断変形が付与されることが挙げられる。金属板材をクロス圧延に供した場合、圧下と同時にスラスト力と呼ばれる圧延ロールの軸方向に沿った応力がマグネシウム板材に印加される(図1参照)。すなわち、上下ロールより異なる方向のスラスト力を受ける圧延材には、せん断変形が付与されることになる。一般的に、圧延集合組織は、試料の圧下時に形成されるものであり、せん断変形の付与は圧下に伴う集合組織形成を抑制する役割を果たす。結果として、異方性の少ない圧延材を作製することが可能である。本圧延法をマグネシウム合金の圧延に適用すると、圧延方向に平行に配向する{0001}面の集積を抑制し、マグネシウム合金板材の成形性を改善させることが可能である。
一方、ある一定以上の塑性加工をマグネシウム合金製板材に加えると、加工と同時に結晶粒が微細化されるという知見が導出されている(特開2004−058111号公報)。この現象は、金属組織の動的再結晶を誘起した結果である。動的再結晶とは、加工中に粒界近傍の転位群が転位の回復過程において再配列を起こす現象を指し、マクロ的には変形とともに結晶粒界の移動が起こり、結晶粒は微細化する現象を指す。大クロス圧延によりマグネシウム合金を圧延すると、圧延と同時に板材にせん断変形を加えることができ、通常圧延よりも多くの歪みを試料に印加することができ、効果的にマグネシウム合金圧延材の結晶粒を微細化することが可能である。
マグネシウム合金の主な変形機構の一つに粒界すべりが挙げられ、粒界拡散係数の高いマグネシウムは、常温でも粒界滑りにより材料が変形すると言われている(J.Koike et al.:Mater.Trans.,Vol.44,445−451(2003))。粒界滑りによる変形は、結晶が微細である程発現し易く、結晶粒を効果的に微細にできる大クロス圧延法をマグネシウム合金に適用することは、プレス成形体の延性を確保する上で重要な要素となる。
HCP構造を有するマグネシウム合金は、FCC構造を有するアルミニウム合金等と比較して、0.2%耐力の結晶粒径依存性が強く、結晶粒を微細化させることにより効果的に成形体の強度を向上できる。それゆえに、マグネシウム合金に大クロス圧延法を適用することにより、マグネシウム合金圧延材の高強度化が可能であり、結果として高強度マグネシウム合金製プレス成形体を作製することも可能である。具体的には10μm以下の結晶粒径を有することにより、延性(成形性)を確保した上で、高強度マグネシウム合金プレス成形体を作製することが可能である。
パソコン・PDAの上蓋等を深絞り成形により作製する場合、少なくとも限界深絞り比(LDR、最大ブランク直径とポンチ直径の比)=1.5以上の特性が必要と考えられる。大クロス圧延により作製されたマグネシウム合金圧延材を利用すると、150℃以上の加工温度で成形試験を行うことにより、LDR=1.5以上の成形が可能であることが後記する実施例により明らかになっている。そのため、油性潤滑剤を利用しつつ、必要な成形を達成するためには、成形温度を150〜230℃に設定する必要がある。
大クロス圧延材のプレス成形中の延性を確保するために、また、成形中の結晶粒の成長を抑制して微細結晶を得るために、更には、成形後のマグネシウム合金板材の強度、腐食特性を保証するためには、マグネシウム合金の組成を規程する必要がある。具体的には、添加合金元素の一部として、アルミニウムを1.0〜7.0mass%、亜鉛を0.5〜2.5mass%、マンガンを0.1〜0.8mass%を添加した合金(商用合金としてはAZ31、AZ61が該当)が挙げられる。
アルミニウムを1.0mass%以上添加すると、マグネシウム合金の固溶強化が期待できる。一方、7.0mass%以上アルミニウム添加をすると、成形後のマグネシウム合金の延性を著しく劣化させてしまう。そのため、アルミニウムを添加する時は添加量を1.0mass%以上7.0mass%以内とすることが望ましい。
亜鉛の添加は、再生材の強度を保持するために必要である。マンガンは、耐食性を低下させる不純物元素である鉄の影響を緩和することができ、上記の範囲内で添加することにより、その効果を最も発揮することができる。
マンガンの添加は、マグネシウム合金板材の結晶粒径を制御する上で不可欠である。マンガンを適量添加しないと、圧延時もしくはプレス成形時に粒成長が起こり、材料延性・強度に悪影響を及ぼす。具体的には、マンガンを0.1mass%以上添加することが望まれる
大クロス圧延中に起きる圧延材の加工硬化の影響をなくすために、プレス成形前に圧延材の熱処理(完全焼き鈍し)を行うことが望ましい。具体的には300〜450℃にて10分以上の熱処理に供した後にプレス成形に供することが望ましい。450℃以上に熱処理温度を設定すると、静的再結晶により結晶粒の異常粒成長が起こる恐れがあるため留意すべきである。
従来のマグネシウム合金成形法では、底面すべりと非底面すべりの臨界分解せん断応力が比較し得る大きさとなる成形温度(約250℃以上)で成形を行う必要があるが、一方、一般的な油性潤滑剤の引火点約250℃であり、特殊な潤滑剤を利用する必要がある。250℃以上でも使用可能な固体潤滑材を利用した場合、バレル研磨等の追加作業が必要である。これに対して、本発明は、大クロス圧延に供したマグネシウム合金板材を温間成形することにより、試料温度150℃以上230℃以下での低温成形によるマグネシウム合金プレス成形体の作製を可能にするものであり、本発明は、低温(150℃以上230℃以下)での成形を達成したマグネシウム合金製プレス成形体を提供することを可能とするものである。
本発明のマグネシウム合金プレス成形体の特性は、成形温度域におけるエリクセン値が何れかの成形温度において12以上の値をとること、組織の一部の結晶が10μm以下の微細結晶であること、限界深絞り比(LDR)は1.5以上であること、圧延方向に平行に配向する{0001}面の集積が、公知の圧延材よりも弱まっていることである。
本発明により、次のような効果が奏される。
(1)本発明のマグネシウム合金大クロス圧延材によるプレス成形体は、大クロス圧延に供したマグネシウム合金を、特定の組成、熱処理条件、成形条件に供することにより作製されるものであり、油性潤滑剤が利用可能な温度域でも成形することを可能としたものである。
(2)複雑形状を有するプレス成形体を作製し、提供することができる。
(3)組織の一部が10μm以下の微細結晶粒により構成されるマグネシウム合金プレス成形体を作製することができる。結果的に、微細結晶を有する高強度プレス成形製品を提供することができる。
(4)高い限界深絞り比(LDR)と高いエリクセン値を示し、高い成形性を有する大クロス圧延材を用いたプレス成形製品を提供することができる。
次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。
400℃(24時間)の予備熱処理を経たAZ31Bマグネシウム合金(Mg−3mass%Al−1mass%Zn−0.5mass%Mn)を供試材として利用した。機械加工により50mm×60mm×6mmに切り出した供試材を、クロス角7.5°の大クロス圧延に供し、厚み1mmの圧延材を作製した。圧延時の試料温度は400℃、ロール温度は常温である。なお、圧延毎の試料の加熱時間は20分とした。圧延毎の圧下率は20%とし、試料の圧延方向が常に一定である圧延材(一方向大クロス圧延材)と試料の圧延方向を圧延毎に180°回転する圧延材(交互大クロス圧延材)を作製した。比較材として、クロス角0°の通常圧延材(一方向通常圧延材及び交互通常圧延材)も作製し、比較例として利用した。
成形前に400℃(30min)の条件でマグネシウム合金板材の熱処理を実施した。熱処理後の圧延材(0001)面集合組織をSchulzの反射法により測定した。圧延材の結晶粒径と集合組織を図2に示す。集合組織の測定は、圧延面から0.5mm切削した面で実施した。いずれの集合組織も(0001)面が圧延面と平行に揃う集合組織を呈しているものの、一方向クロス圧延材、交互クロス圧延材の(0001)面の最大値は一方向通常圧延材、交互通常圧延材よりも低くなっており、集合組織形成が抑制されていることが確認された。また、一方向クロス圧延材、交互クロス圧延材の結晶粒径は、一方向通常圧延材、交互通常圧延材よりも低い値を取った。
大クロス圧延材のプレス成形体を作製するために、深絞り成形を実施した。ここでは、φ50mm〜66mm(厚み1mm)のブランクを対象として、φ33mmのポンチにて、試料温度140〜200℃の温間深絞りを行った。試験材は、一方向クロス圧延材と一方向通常圧延材とした。なお、ポンチ肩半径は3mm、ダイス穴径は34.9mm、ダイス肩半径は3mmとした。成形速度は6mm/minとし、しわ押さえ力は4kNとした。潤滑剤にはグラファイトグリスを利用した。
試験結果を表1に示す。表1は、各種AZ31Bマグネシウム合金圧延材の温間深絞り試験の結果を示した表であり、一方向大クロス圧延材が一方向通常圧延材よりも高い限界深絞り比(LDR)を取ることを示した表である。通常圧延材は、150℃において、いずれのブランクも成形ができずLDRが算出されなかった。150℃での大クロス圧延材のLDRは1.5であった。160℃、200℃においても、大クロス圧延材のLDRは、通常圧延材のそれよりも高い値を取り、大クロス圧延材を利用することにより、複雑形状を有するプレス成形体が作製できることが示唆された。
大クロス圧延材のプレス成形体を作製するために、エリクセン試験による張り出し成形を実施した。エリクセン試験はJIS Z2247,JIS B7729に準拠する。ここでは、温間成形性を評価するために試験片及び金型の温度を160〜220℃に保持してエリクセン試験を実施した。ブランク形状は、圧延材形状の都合上φ60mm(厚み1mm)とし、一方向大クロス圧延材、一方向通常圧延材、交互大クロス圧延材、交互通常圧延材の成形体を作製した。成形速度は5mm/minとし、しわ押さえ力は10kNとした。潤滑剤にはグラファイトグリスを利用した。
エリクセン試験の結果を表2にまとめて示す。表2は、各種AZ31Bマグネシウム合金圧延材の温間エリクセン試験の結果を示した表であり、一方向大クロス圧延材が一方向通常圧延材よりも高いエリクセン値及び小さい結晶粒径を取ることを示した表であり、交互大クロス圧延材が交互通常圧延材よりも高いエリクセン値及び小さい結晶粒径を取ることを示した表である。エリクセン値とは、張り出し成形体の破断時の高さ(mm)を示す。いずれの試験温度においても、一方向大クロス圧延材の方が、一方向通常圧延材よりも高い値を取り、交互大クロス圧延材の方が交互通常圧延材よりも高いエリクセン値を取った。なお、全体的に、交互圧延材の方が、一方向圧延材よりも高いエリクセン値を取った。特に、温度220℃での一方向大クロス圧延材及び交互大クロス圧延材のエリクセン値は、それぞれ14.4、15.6であり、高いエリクセン値を示し、一方向通常圧延材及び交互通常圧延材よりも60%以上高い成形性を示した。
右欄に記載した結晶粒径は、エリクセン試験後の成形体最上部の組織を観察した結果である。大クロス圧延に供した成形体の結晶粒径は、いずれも9μm未満であった。成形前よりも結晶が微細になった原因としては、成形中に動的再結晶が起こり、結晶粒が微細化されたためと推測される。
以上説明したように、本発明は、マグネシウム合金大クロス圧延材によるプレス成形体に係るものであり、本発明は、大クロス圧延に供したマグネシウム合金を、特定の組成、熱処理条件、成形条件で温間成形することで、油性潤滑剤が利用可能な温度域での成形を達成することを可能とするものである。本発明は、デジタルカメラ、ノートパソコン、PDA等、主に家電製品のプレス成形体を中心として積極的に適用することが可能なアルミニウム合金プレス成形体を提供することを実現するものであり、高い技術的意義を有する。
一方向大クロス圧延法(上段)及び交互大クロス圧延法(下段)の模式図を示したものであり、大クロス圧延法を利用した時に圧延材に印加されるスラスト力を示したものである。 各種圧延法により作製したAZ31Bマグネシウム合金の(0001)面集合組織と結晶粒径を示したものであり、左上は一方向大クロス圧延法による圧延材を、右上は一方向通常圧延法による圧延材を、左下は交互大クロス圧延法による圧延材を、右下は交互通常圧延材による圧延材を示す。

Claims (5)

  1. 230℃以下の低温成形によるマグネシウム合金製プレス成形体であ、マグネシウム合金大クロス圧延材の温間成形体から構成されるマグネシウム合金プレス成形体であって、
    添加合金元素の一部として、アルミニウムを1.0〜7.0mass%、亜鉛を0.5〜2.5mass%、マンガンを0.1〜0.8mass%含むマグネシウム合金を利用して、上下のロール軸が平面位置で1.5°以上の角度で交差した状態の圧延機による複数回の大クロス圧延に供したマグネシウム合金板材を、完全焼き鈍し処理に供した後、試料温度150℃以上230℃以下の低温で一般的な油性潤滑剤を使用して温間成形してなる、組織の一部の結晶が10μm又はそれより小さい微細結晶であり、限界深絞り比(LDR)が1.5又はそれより大きく、圧延方向に平行に配向する{0001}面の集積が、公知の圧延材よりも弱まっていることを特徴とするマグネシウム合金プレス成形体。
  2. 大クロス圧延において、圧延板材のせん断歪が付与される方向を一定又は交互に変えて、複数回の大クロス圧延に供したマグネシウム合金板材を、温間成形した、請求項1に記載のマグネシウム合金プレス成形体。
  3. 成形前の大クロス圧延材もしくは成形後のプレス成形体の一部が150℃以上230℃以下の温度でエリクセン試験に供した際に、いずれかの試験温度にて12を上回るエリクセン値を取る、請求項1に記載のマグネシウム合金プレス成形体。
  4. 230℃以下の低温成形によるマグネシウム合金製プレス成形体を製造する方法であって、
    添加合金元素の一部として、アルミニウムを1.0〜7.0mass%、亜鉛を0.5〜2.5mass%、マンガンを0.1〜0.8mass%含むマグネシウム合金を利用して、上下のロール軸が平面位置で1.5°以上の角度で交差した状態の圧延機による複数回の大クロス圧延に供したマグネシウム合金材を、完全焼き鈍し処理に供した後、試料温度150℃以上230℃以下の低温一般的な油性潤滑剤を使用して温間成形することにより、組織の一部の結晶が10μm又はそれより小さい微細結晶であり、限界深絞り比(LDR)が1.5又はそれより大きく、圧延方向に平行に配向する{0001}面の集積が、公知の圧延材よりも弱まっているマグネシウム合金プレス成形体を製造することを特徴とするマグネシウム合金プレス成形体の製造方法。
  5. 請求項1からのいずれかに記載のマグネシウム合金プレス成形体からなることを特徴とするマグネシウム合金成形製品。
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