JP2004237351A - 帯材の圧延方法および圧延装置 - Google Patents

帯材の圧延方法および圧延装置 Download PDF

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宏 中嶋
Hideaki Takatani
英明 高谷
Hideaki Furumoto
秀昭 古元
Keiichi Yamamoto
惠一 山本
Ritsuo Hashimoto
律男 橋本
Jiro Hasai
二朗 葉佐井
Kanji Hayashi
寛治 林
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Abstract

【課題】帯材の圧延方法において、面内異方性を低下させることで深絞り加工時のイヤリングを減少して帯材の製品特性の向上を図る。
【解決手段】極低炭素鋼の鋼板SをAr点以下の温度領域で、上下のロール軸12,22が平面位置でθ,θ=1.5°(好ましくは、3°)以上の角度で交差した状態で圧延ロール11,21によりクロス圧延し、鋼板Sの面内異方性を低減(指標値Δr=0.2以下)する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、材料の面内異方性を減少することで深絞り加工に最適な帯板を製造する帯材の圧延方法および圧延装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5に鋼板を深絞り加工して製造した缶の概略を示す。図5(a)に示すように、底付の缶101を製造する場合、圧延処理された鋼板を深絞り加工することで成形することができる。ところが、この深絞り加工を実施するとき、図5(b)に示すように、加工後に缶102の上端部に耳(イヤリング)といわれる成形高さの円周方向での異方性が発生し、鋼板の歩留りを低下させてしまう。低炭素鋼あるいは極低炭素鋼においては、この異方性を制御するために、通常、圧下率を調整することで面内異方性を調整している。その他の方法として、ボロン(B:ホウ素)を添加することが知られている。即ち、このボロンを適量だけ添加した低炭素鋼を圧延した場合、圧延率が増加しても面内異方性を指標とする値Δrが変化せず、鋼板の歩留りを良くすることができる。
【0003】
なお、平均粒径が2ミクロン以下の超微細組織鋼を製造するために、鋼をAc変態点以上に加熱した後に、この鋼を上下のロール軸が平面位置で1°以上の角度で交差した状態でクロス圧延する技術として、下記特許文献1に記載された技術がある。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−140016号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述した従来の圧下率を調整して面内異方性を調整する方法にあっては、最終製品厚さが変化することとなり、Δrが小さく、且つ、所望の厚さの製品を得ることが困難であった。また、ボロンを適量だけ添加した炭素鋼を圧延することで、深絞り加工する技術にあって、このボロンは反応性(高酸化性、窒化性)が高いために適量だけ添加することが難しい。従って、ボロンを添加するための真空容器等が必要となり、大変手間のいる作業とって作業性が悪化してしまうという問題がある。
【0006】
本発明はこのような問題を解決するものであって、面内異方性を低下させることで深絞り加工時のイヤリングを減少して帯材の製品特性の向上を図った帯材の圧延方法および圧延装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するための請求項1の発明の帯材の圧延方法は、上下のロール軸が平面位置で1.5°以上の角度で交差した状態で帯材をクロス圧延し、面内異方性を低減することを特徴とするものである。
【0008】
請求項2の発明の帯材の圧延方法では、前記上下のロール軸のクロス角を3°以上として前記帯材をクロス圧延し、面内異方性の指標値を0.2以下とすることを特徴としている。
【0009】
請求項3の発明の帯材の圧延方法では、前記帯材を鋼板とし、該鋼板をAr点以下の温度領域で前記クロス圧延することを特徴としている。
【0010】
請求項4の発明の帯材の圧延方法では、前記鋼板を極低炭素鋼または低炭素鋼の薄板鋼板とし、該極低炭素鋼または低炭素鋼を前記クロス圧延した後、深絞り加工することを特徴としている。
【0011】
請求項5の発明の帯材の圧延方法では、前記帯材をアルミニウム合金、マグネシウム合金、チタン合金、銅合金のいずれかとし、室温から熱間の温度領域で前記クロス圧延することを特徴としている。
【0012】
請求項6の発明の帯材の圧延方法では、前記アルミニウム合金、マグネシウム合金、チタン合金、銅合金のいずれかの前記帯板を前記クロス圧延した後、深絞り加工することを特徴としている。
【0013】
請求項7の発明の帯材の圧延方法では、前記帯板を前記クロス圧延した後、巻取時または巻取後に焼鈍処理することを特徴としている。
【0014】
請求項8の発明の帯材の圧延方法では、前記帯板を前記クロス圧延した後、冷間圧延を実行し、その後、焼鈍処理することを特徴としている。
【0015】
請求項9の発明の帯材の圧延方法では、前記帯板のせん断歪が付与される方向を一定または交互に変えることを特徴としている。
【0016】
請求項10の発明の帯材の圧延方法では、前記帯材に対して前記クロス圧延を複数回実行することを特徴としている。
【0017】
請求項11の発明の圧延装置は、ハウジングと、該ハウジングに上下のロール軸により回転自在に支持された上下の圧延用ロールと、前記ハウジングの上部に設けられて該圧延用ロールに所定圧力を作用させる圧下シリンダと、帯材の面内異方性の指標値を0.2以下とするために前記上下のロール軸のクロス角を3°以上に設定するクロス角設定手段とを具えたことを特徴とするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0019】
図1に本発明の一実施形態に係る帯材の圧延方法を表すクロス圧延ロールの概略平面視、図2に本実施形態のクロス圧延ロールの概略正面視、図3にイヤリング性を説明するための概略、図4にクロス角に対する面内異方性を表すグラフを示す。
【0020】
本実施形態の帯材の圧延方法および圧延装置では、帯材を極低炭素鋼(または低炭素鋼)の薄板鋼板とし、この鋼板をAr点以下の温度領域で、上下のロール軸が平面位置で1.5°以上、好ましくは3°以上の角度で交差した状態でクロス圧延し、鋼板の面内異方性を低減するものであり、このクロス圧延した鋼板を深絞り加工特性に優れた材料とするものである。
【0021】
即ち、図1及び図2に示すように、上下に対向して配設される上圧延ロール11と下圧延ロール21は、各ロール軸12,22が図示しない圧延機のハウジングに回転自在に支持されており、ハウジングの上部に上圧延ロールに圧延荷重を加える圧下装置が設けられている。
【0022】
この上圧延ロール11と下圧延ロール21は、軸方向端部に対して中央部が凹んだクラウン形状をなす共に、上下のロール軸12,22が平面位置で所定角度θ,θで交差している。また、鋼板Sの組成は、Feに、C:0.005%、Si:0.01%、Mn:0.1%、P:0.01%、S:0.005%添加されたものとなっている。なお、ここでは、Cの添加量が0.1%以下で低炭素鋼、0.01%以下で極低炭素鋼としている。
【0023】
従って、圧下装置により上圧延ロール11に所定荷重が加えられると、上圧延ロールと下圧延ロールとの間を通過する鋼板Sに対して所定の圧下力fと所定のスラスト力tが作用することで、この鋼板Sは幅方向に均一な所定厚さに圧延される。
【0024】
そして、本実施形態では、上下の圧延ロール11,21のクロス角θ,θを3°以上として圧延することで、鋼板Sの面内異方性の指標値を0.2以下として面内異方性を低下させることで、深絞り加工時のイヤリング性を向上させている。そのため、本実施形態の圧延装置では、上下のロール軸12,22のクロス角を3°(1.5°)以上に設定するクロス角設定装置が設けられており、このクロス角設定装置は、油圧シリンダを用いた油圧式やギア等を用いた機械式である。
【0025】
ここで、深絞り加工時のイヤリング性について説明する。図3(a)に示すように、薄板を絞り加工して底付の缶状部材31を製造すると、缶状部材31の上端部にイヤリングが形成され、円周方向で成形高さが異なってしまう。この場合、缶状部材31の最大高さをHmax、最小高さをHminとすると、両者の偏差の割合ΔHを下記数式(1)により求め、イヤリング性を表す指標値として規定することができる。
ΔH={(Hmax−Hmin)/Hmax}×100 ・・・(1)
【0026】
また、絞り加工を含む鋼板Sの成形性(異方性)を評価する指標としてランクフォード値rが一般に用いられ、下記数式(2)により求めることができる。
r=ln(W/W)÷ln(t/t) ・・・(2)
なお、W、W、t、tは、10%から20%程度の引張試験をしたときの初期と最終の板幅W,W及び板厚t,tである。
【0027】
一般に、このランクフォード値rは鋼板Sの幅方向歪と厚さ方向歪の比であり、図3(b)に示すように、鋼板Sの圧延方向(搬送方向)に対する0°、45°、90°の方向で測定した値で評価する。そして、このランクフォード値rから鋼板Sの面内異方性の指標値であるΔrを下記数式(3)により求めることができる。
Δr=(r−2r45+r90)/2 ・・・(3)
なお、r、r45、r90は、それぞれ鋼板Sの圧延方向に対して0°、45°、90°の方向で測定したランクフォード値である。
【0028】
そして、イヤリング性の指標値ΔHと面内異方性の指標値Δrとの関係を、図3(c)に示すグラフとして表すことができる。この図3(c)のグラフに示すように、イヤリング性の指標値ΔHは面内異方性の指標値Δrが0であるときに最小となり、指標値Δrが減少したり増加するのに伴って増加している。このようなことから、鋼板Sにおける面内異方性の指標値Δrを0に近づけることにより、イヤリング性の指標値ΔHを減少させ、深絞り加工時における缶状部材31の歩留りを上げて品質を向上できることがわかる。
【0029】
そこで、本実施形態では、深絞り加工して缶状部材31を製造する鋼板Sの品質について、クロス圧延におけるクロス角との関連性について検討した。図4に示すグラフは、クロス圧延におけるクロス角θ,θに対するランクフォード値r並びに面内異方性の指標値Δrを示すグラフである。鋼板Sの材質は極低炭素鋼で、フェライト域の温間圧延を模擬するために室温で圧延した。圧下条件は、10mmから1.2mmまで約90%圧延し、圧延後に700℃で3時間焼鈍した。クロス圧延でのせん断歪の付与される方向が同じになるように、一方向に多パス圧延した。
【0030】
この図4に示すグラフからわかるように、上圧延ロール11と下圧延ロール21とのクロス角θ,θ=0のとき、r=1.2、r45=0.75、r90=0.9であり、Δr=0.3となっている。そして、クロス角が大きくなるにしたがって、ランクフォード値r、r45、r90が減少すると共に互いに近似した値となり、面内異方性の指標値Δrも減少する。その後、面内異方性の指標値Δrは、クロス角θ,θ=5°でほぼ0となる。
【0031】
上述した図4の結果を含めた極低炭素鋼でのクロス圧延の結果を表1に示す。比較例であるクロス角を0°として圧延したNO.1の極低炭素鋼に比べて、本実施形態のクロス角を3°以上として圧延したNO.2〜7の極低炭素鋼では、面内異方性の指標値Δrが低減している。
【0032】
【表1】
Figure 2004237351
【0033】
このようなことから、上圧延ロール11と下圧延ロール21とのクロス角θ,θを所定角度以上とすることにより、面内異方性の指標値Δrを減少させ、深絞り加工によるイヤリングを減少できることがわかる。この深絞り加工の場合、加工後に缶状部材31の上端面を仕上げ加工処理することを考慮すると、面内異方性の指標値Δrが0.2以下程度であれば、缶状部材31を良好な製品と判断することができ、面内異方性の指標値Δr=0.2のときのクロス角θ,θ=3°であることから、クロス角θ,θ=3°以上でクロス圧延すると、面内異方性の指標値Δrを減少させ、深絞り加工によるイヤリングをなくして缶状部材31の歩留りを向上できることがわかる。
【0034】
一方、上圧延ロール11と下圧延ロール21とによるクロス圧延により鋼板Sを幅方向に均一な形状とすることができるが、このクロス角θ,θを所定以上大きくすると、逆に鋼板Sを幅方向に均一でない波形形状となってしまう。そこで、本実施形態では、前述したように、上下の圧延ロール11,21を中央部が凹んだクラウン形状とし、圧延ロール11,21の最大クロス角θ,θを10°程度としている。
【0035】
このように本実施形態の帯材の圧延方法にあっては、極低炭素鋼の鋼板SをAr点以下の温度領域で、上下のロール軸12,22が平面位置でθ,θ=1.5°、好ましくは3°以上の角度で交差した状態で圧延ロール11,21によりクロス圧延し、鋼板Sの面内異方性を低減し、好ましくはその指標値Δr=0.2以下程度とするものである。
【0036】
鋼板Sをこのクロス角θ,θ=3°以上で圧延ロール11,21によりクロス圧延すると、この鋼板SはAr点以下の温度領域、つまり、オーステナイト+フェライト域あるいはフェライト域での圧延となり、幅方向のせん断変形が付与されることとなる。そのため、鋼板Sの集合組織(結晶方位)を圧延面内でランダム化することができ、加工性指標のランクフォード値rの面内方向における差異を減少させることができる。
【0037】
従って、鋼板Sにおけるランクフォード値rの方向による差異が減少すると、面内異方性の指標値Δrが0.2以下程度に減少することとなり、このようにして製造した鋼板Sを深絞り加工して缶状部材等を製造した場合、イヤリングをなくして缶状部材の品質を向上できることができる。
【0038】
なお、上述した方法により鋼板Sをクロス圧延した後、鋼板Sの巻取時または巻取後に焼鈍処理すると、再結晶組織となり、加工における面内異方性が小さい集合組織となり、深絞り加工により製造した缶状部材のイヤリングを更に減少することができる。この場合、鋼板Sをクロス圧延した後、更に冷間圧延を実行してから焼鈍処理してもよい。これにより面内異方性が小さく、イヤリングを減少させた冷間圧延材を製造することができる。
【0039】
また、所定のクロス角を有する圧延ロール11,21によるクロス圧延を複数回実行することで、鋼板Sの高精度な圧延が可能となり、このとき、ロールクロス方向を一定あるいは交互とすることで、鋼板Sにせん断歪が付与される方向を一定または交互に変えるようにしてもよい。
【0040】
そして、上述した実施形態では、帯材を極低炭素鋼または低炭素鋼の薄板鋼板とし、この鋼板SをAr点以下の温度領域でクロス圧延することで、鋼板Sの面内異方性を低減するようにしたが、帯材の素材は炭素鋼に限るものではない。
【0041】
例えば、帯材をアルミニウム合金、マグネシウム合金、チタン合金、銅合金などとし、室温または熱間(300℃〜500℃)の温度領域で、クロス角を3°以上とした圧延ロール11,21によりクロス圧延し、帯材の面内異方性を低減するようにしてもよい。このような材料を適用した場合であっても、クロス圧延後に深絞り加工すると、製造した缶状部材におけるイヤリングをなくして品質を向上できることができる。
【0042】
1000系アルミ合金でのクロス圧延の結果を表2に示す。比較例であるクロス角を0°として圧延したNO.1のアルミ合金に比べて、本実施形態のクロス角を3°以上として圧延したNO.2〜7のアルミ合金では、面内異方性の指標値Δrが低減している。これにより炭素鋼だけでなく、アルミ合金等においてもクロス圧延による面内異方性の改善効果があることがわかる。
【0043】
【表2】
Figure 2004237351
【0044】
【発明の効果】
以上、実施形態において詳細に説明したように請求項1の発明の帯材の圧延方法によれば、上下のロール軸が平面位置で1.5°以上の角度で交差した状態で帯材をクロス圧延し、面内異方性を低減するようにしたので、面内異方性を低下させることで深絞り加工時のイヤリングを減少し、缶状部材等の歩留りを向上することができる。
【0045】
請求項2の発明の帯材の圧延方法によれば、前記上下のロール軸のクロス角を3°以上として前記帯材をクロス圧延し、面内異方性の指標値を0.2以下とするので、面内異方性を確実に低下させることができる。
【0046】
請求項3の発明の帯材の圧延方法によれば、帯材を鋼板とし、鋼板をAr点以下の温度領域でクロス圧延するので、オーステナイト+フェライト域あるいはフェライト域での圧延となり、帯材に幅方向のせん断変形が付与されて面内異方性を表すランクフォード値の方向による差異を減少させることができる。
【0047】
請求項4の発明の帯材の圧延方法によれば、鋼板を極低炭素鋼または低炭素鋼の薄板鋼板とし、極低炭素鋼または低炭素鋼をクロス圧延した後、深絞り加工するので、深絞り加工に最適な帯材を製造することができる。
【0048】
請求項5の発明の帯材の圧延方法によれば、帯材をアルミニウム合金、マグネシウム合金、チタン合金、銅合金のいずれかとし、室温から熱間の温度領域でクロス圧延するので、圧延後に製造する部材の用途に合わせて適正な材料を選択することができる。
【0049】
請求項6の発明の帯材の圧延方法によれば、アルミニウム合金、マグネシウム合金、チタン合金、銅合金のいずれかの帯板をクロス圧延した後、深絞り加工するので、深絞り加工に最適な材料を用いることができる。
【0050】
請求項7の発明の帯材の圧延方法によれば、帯板をクロス圧延した後、巻取時または巻取後に焼鈍処理するので、帯板が再結晶組織となり、加工における面内異方性を小さい集合組織となり、深絞り加工により製造した缶状部材等のイヤリングを更に減少することができる。
【0051】
請求項8の発明の帯材の圧延方法によれば、帯板をクロス圧延した後、冷間圧延を実行し、その後、焼鈍処理するので、冷間圧延材においても、加工における面内異方性を更に減少することができる。
【0052】
請求項9の発明の帯材の圧延方法によれば、帯板のせん断歪が付与される方向を一定または交互に変えるので、圧延加工の高精度化を可能とすることができる。
【0053】
請求項10の発明の帯材の圧延方法によれば、帯材に対してクロス圧延を複数回実行するので、圧延加工の高精度化を可能とすることができる。
【0054】
請求項11の発明の圧延装置によれば、ハウジングに上下のロール軸により上下の圧延用ロールを回転自在に支持し、ハウジングの上部に設けられた圧下シリンダにより圧延用ロールに所定圧力を作用させるようにし、帯材の面内異方性の指標値を0.2以下とするために上下のロール軸のクロス角を3°以上に設定するクロス角設定手段を設けたので、面内異方性を低下させることで深絞り加工時のイヤリングを減少し、缶状部材等の歩留りを向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る帯材の圧延方法を表すクロス圧延ロールの概略平面図である。
【図2】本実施形態のクロス圧延ロールの概略正面図である。
【図3】イヤリング性を説明するための概略図である。
【図4】クロス角に対する面内異方性を表すグラフである。
【図5】鋼板を深絞り加工して製造した缶の概略図である。
【符号の説明】
11 上圧延ロール
12 ロール軸
21 下圧延ロール
22 ロール軸
32 缶状部材
S 鋼板(帯材)

Claims (11)

  1. 上下のロール軸が平面位置で1.5°以上の角度で交差した状態で帯材をクロス圧延し、面内異方性を低減することを特徴とする帯材の圧延方法。
  2. 請求項1記載の帯材の圧延方法において、前記上下のロール軸のクロス角を3°以上として前記帯材をクロス圧延し、面内異方性の指標値を0.2以下とすることを特徴とする帯材の圧延方法。
  3. 請求項1記載の帯材の圧延方法において、前記帯材を鋼板とし、該鋼板をAr点以下の温度領域で前記クロス圧延することを特徴とする帯材の圧延方法。
  4. 請求項3記載の帯材の圧延方法において、前記鋼板を極低炭素鋼または低炭素鋼の薄板鋼板とし、該極低炭素鋼または低炭素鋼を前記クロス圧延した後、深絞り加工することを特徴とする帯材の圧延方法。
  5. 請求項1記載の帯材の圧延方法において、前記帯材をアルミニウム合金、マグネシウム合金、チタン合金、銅合金のいずれかとし、室温から熱間の温度領域で前記クロス圧延することを特徴とする帯材の圧延方法。
  6. 請求項5記載の帯材の圧延方法において、前記アルミニウム合金、マグネシウム合金、チタン合金、銅合金のいずれかの前記帯板を前記クロス圧延した後、深絞り加工することを特徴とする帯材の圧延方法。
  7. 請求項1記載の帯材の圧延方法において、前記帯板を前記クロス圧延した後、巻取時または巻取後に焼鈍処理することを特徴とする帯材の圧延方法。
  8. 請求項1記載の帯材の圧延方法において、前記帯板を前記クロス圧延した後、冷間圧延を実行し、その後、焼鈍処理することを特徴とする帯材の圧延方法。
  9. 請求項1記載の帯材の圧延方法において、前記帯板のせん断歪が付与される方向を一定または交互に変えることを特徴とする帯材の圧延方法。
  10. 請求項1記載の帯材の圧延方法において、前記帯材に対して前記クロス圧延を複数回実行することを特徴とする帯材の圧延方法。
  11. ハウジングと、該ハウジングに上下のロール軸により回転自在に支持された上下の圧延用ロールと、前記ハウジングの上部に設けられて該圧延用ロールに所定圧力を作用させる圧下シリンダと、帯材の面内異方性の指標値を0.2以下とするために前記上下のロール軸のクロス角を3°以上に設定するクロス角設定手段とを具えたことを特徴とする圧延装置。
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