JP5540306B2 - マグネシウム合金材料を製造する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、マグネシウム合金の製造方法に関し、特に、アルミニウムおよび亜鉛を含むマグネシウム合金の製造方法に関する。
マグネシウム合金は、軽量で比強度が高く、構造用材料としての適用が期待されている。これまで、マグネシウム合金は、電子機器用の部品として広く使用されてきたが、最近では、自動車等の構造材料としての需要が急増し始めている。特に、燃費向上のため軽量化が進む自動車分野では、マグネシウム合金は、日本国内の高級車で約5%、西欧では中級車以上で12〜13%まで使用量が増えてきている。今後は、マグネシウム合金の低価格車への適用も期待されている。
しかしながら、現在使用されているマグネシウム合金は、構造用材料として十分に高い強度を有するとは言い難い。また、マグネシウム合金は、難加工性材料として知られており、加工硬化による強度向上効果は、期待し難いという問題がある。これは、マグネシウム合金は、室温での活動すべり系の数が少ない上、加工処理を行った場合、生成する集合組織により、更にすべり系の数が減少してしまうためである。従って、マグネシウム合金に対して、圧延処理等の加工を行った場合、割れ等の欠陥が生じる危険性が極めて高くなる。
最近、このようなマグネシウム合金の加工性に関する問題に対処するため、アルミニウムと亜鉛とを含むマグネシウム合金(以下、「AZ系のマグネシウム合金」と称する)を降温多軸鍛造処理することにより、結晶粒を微細化し、これによりAZ系のマグネシウム合金の加工性を向上させることが提案されている(特許文献1)。
特開2007−291488号公報
しかしながら、前述の特許文献1に記載された方法で製作されたマグネシウム合金においても、その強度(引張強度)は、最大でも320MPa程度に過ぎない。従って、より高い強度を有するマグネシウム合金が要望されている。
本発明は、このような背景に鑑みなされたものであり、従来のマグネシウム合金に比べて、高い強度を有するマグネシウム合金を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明では、マグネシウム合金材料を製造する方法であって、
少なくともアルミニウムと亜鉛とを添加元素として含む、マグネシウム合金の被加工材料を準備するステップと、
前記被加工材料を降温多軸鍛造処理するステップと、
前記降温多軸鍛造処理された被加工材料を、最大20%の圧下率で圧延処理するステップと、
を有することを特徴とする方法が提供される。
ここで、本発明による方法は、さらに、
前記圧延処理された被加工材料を、時効処理するステップを有しても良い。
また本発明による方法において、前記被加工材料を降温多軸鍛造処理するステップは、
573K〜673Kの範囲で第1回目のパスの鍛造を行い、403K〜523Kの範囲で最後のパスの鍛造を行う降温多軸鍛造処理ステップを有しても良い。
また、前記被加工材料を降温多軸鍛造処理するステップにおいて、
第N回目のパスの鍛造(Nは、1以上の整数)と、第N+1回目のパスの鍛造との温度差は、10K〜100Kの範囲にあっても良い。
また本発明による方法において、前記被加工材料を降温多軸鍛造処理するステップは、
第N回目のパスの鍛造(Nは、1以上の整数)において、3×10−3/sec〜3×10−1/secの範囲のひずみ速度で、前記被加工材料を降温多軸鍛造処理するステップを有しても良い。
また本発明による方法において、最後のパスの鍛造におけるひずみ速度は、第1回目のパスの鍛造におけるひずみ速度よりも大きくても良い。
あるいは本発明による方法において、各パスの鍛造におけるひずみ速度は、実質的に等しくても良い。
また本発明による方法において、前記被加工材料を降温多軸鍛造処理するステップにより、前記被加工材料に、1.0〜6.4の範囲の総歪み量が導入されても良い。
また本発明による方法において、前記被加工材料を降温多軸鍛造処理するステップにより、平均結晶粒径が最大2μm以下の被加工材料が得られても良い。
また本発明による方法において、前記圧延処理するステップは、室温で実施されても良い。
また本発明による方法において、前記時効処理するステップは、
前記圧延処理された被加工材料を、373K〜473Kの温度範囲で時効処理するステップを有しても良い。
また本発明による方法において、前記被加工材料は、2〜10質量%のアルミニウムと、0.1〜2質量%の亜鉛とを含むマグネシウム合金材料であっても良い。
また前記被加工材料は、さらに、
マンガン、鉄、シリコン、銅、ニッケルおよびカルシウムからなる群から選定された少なくとも一つの元素を含んでも良い。
例えば、前記被加工材料は、2.5〜3.5質量%のアルミニウムと、0.6〜1.4質量%の亜鉛とを含むマグネシウム合金材料であっても良い。
あるいは、前記被加工材料は、5.5〜7.2質量%のアルミニウムと、0.5〜1.5質量%の亜鉛とを含むマグネシウム合金材料であっても良い。
あるいは、前記被加工材料は、8.3〜9.7質量%のアルミニウムと、0.35〜1.0質量%の亜鉛とを含むマグネシウム合金材料であっても良い。
本発明では、従来のマグネシウム合金に比べて、高い強度を有するマグネシウム合金を製造する方法を提供することができる。
以下、本発明について詳しく説明する。
従来より、マグネシウム合金は、加工性の悪い難加工性材料として知られている。例えば、AZ系のマグネシウム合金に対して、圧延処理等の加工を行った場合、割れ等の欠陥が生じてしまう。これは、一般に、マグネシウム合金は、すべり面の数が少ない上、集合組織を形成しやすい傾向にあり、すべり変形の発生が極めて生じにくいためである。
これに対して、最近、AZ系のマグネシウム合金材料に対して、降温多軸鍛造処理を行い、結晶粒を微細化させ、これにより、AZ系のマグネシウム合金材料の加工性を高めることが提案されている(前述の特許文献1)。なお、「降温多軸鍛造処理」については、後述する。
しかしながら、この方法では、得られるAZ系のマグネシウム合金材料の加工性は改善されるものの、強度の向上効果は、不十分であり、さらなる強度向上が求められている(引張強度は、最大でも300〜400MPa程度)。
このような背景の下、本願発明者らは、マグネシウム合金材料の強度向上技術について鋭意研究を進め、降温多軸鍛造処理後のマグネシウム合金材料に、さらに冷間圧延処理を適用することにより、材料の強度を向上することができる可能性があるとの思いに至った。ただし、これまで、難加工性のマグネシウム合金材料に対して、冷間圧延を実施した例はほとんどなく、冷間圧延加工がどの程度まで可能であるかについては、不明であった。さらに、その後の塑性加工が困難であるため、冷間圧延による強度上昇が避けられてきた背景がある。そこで、本願発明者らは、実際に、様々な条件下でマグネシウム合金材料の降温多軸鍛造処理を実施するとともに、得られたマグネシウム合金材料に対して、様々な条件下で、冷間圧延処理を行う実験を繰り返した。その結果、降温多軸鍛造処理後のマグネシウム合金材料に対しては、最大20%までの冷間圧延処理が可能であり、このような処理を行うことより、実際に材料の強度が向上すること、および、例えば、引張伸びが損なわれないことを見出し、本願発明に至った。
すなわち、本発明では、マグネシウム合金材料を製造する方法であって、
少なくともアルミニウムと亜鉛とを添加元素として含む、マグネシウム合金の被加工材料を準備するステップと、
前記被加工材料を降温多軸鍛造処理するステップと、
前記降温多軸鍛造処理された被加工材料を、最大20%の圧下率で圧延処理するステップと、
を有することを特徴とする方法が提供される。
本発明による方法で得られるマグネシウム合金材料は、従来の降温多軸鍛造処理された同合金に比べて、有意に高い強度を示す。
図1には、本発明による方法で得られたAZ系のマグネシウム合金サンプル(AZ61)の、室温における引張試験結果の一例を示す。試験の際のひずみ速度は、8.3×10−2/secとした。なお、降温多軸鍛造処理直後の材料の平均結晶粒径は、約2μm以下であった。また合金サンプルの圧延処理時の圧下率は、15%とした。
この図から、本発明による方法で得られた合金サンプルでは、引張強度が約450MPaを超え、極めて良好な強度が得られることがわかる。
また、図において、本発明の合金サンプルは、約30%程度の伸びを示すことがわかる。一般に、降温多軸鍛造処理後のAZ系のマグネシウム合金材料の伸びは、20%程度である。従って、本発明による方法では、マグネシウム合金材料の強度の向上の他、加工性の改善にも効果があることがわかる。これは、一般的な粗粒マグネシウム合金材料とは全く異なる特徴であり、超微細粒マグネシウム合金の特徴である。
なお、本発明による方法においては、降温多軸鍛造されたマグネシウム合金材料を、最大20%の圧下率で圧延処理した後、さらに、時効処理を行うことが好ましい。これにより、マグネシウム合金材料の強度は、より一層向上する。
図2には、そのような合金サンプルを用いて実施した、図1と同様の条件による引張試験結果の一例を示す。この合金サンプルは、図1の試験に用いた合金サンプルに対して、約423Kで1時間、時効処理を行ったものである。この図から、時効処理ステップを追加することにより、合金サンプルの強度がさらに向上することがわかる。
このように、本発明による方法では、従来の降温多軸鍛造処理された材料に比べて、有意に高い強度を有するマグネシウム合金材料を得ることができる。
(本発明によるマグネシウム合金材料の製造方法)
以下、図面により本発明について詳しく説明する。図3には、本発明によるマグネシウム合金を製造する方法のフローチャートの一例を示す。
図3に示すように、本発明による方法は、AZ系のマグネシウム合金からなる被加工材料を準備するステップS110と、被加工材料を降温多軸鍛造処理するステップS120と、降温多軸鍛造処理後の材料を冷間圧延処理するステップS130とを有する。また、前述のように、本発明による方法は、さらに任意で、冷間圧延処理された材料を時効処理するステップS140を含んでも良い。
以下、各ステップについて、詳しく説明する。
(1.被加工材料を準備するステップ)
まず最初に、AZ系のマグネシウム合金からなる被加工材料が準備される。この被加工材料は、AZ系のマグネシウム合金(すなわちアルミニウムと亜鉛とを含むマグネシウム合金)である限り、いかなるマグネシウム合金であっても良く、その組成は、特に限られない。例えば、被加工材料は、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、シリコン(Si)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、および/またはカルシウム(Ca)等の元素を含んでも良い。
被加工材料は、例えば、約3質量%のアルミニウムと約1質量%の亜鉛を含むマグネシウム合金(AZ31合金)、約6質量%のアルミニウムと約1質量%の亜鉛を含むマグネシウム合金(AZ61合金)、約8質量%のアルミニウムと約1質量%未満の亜鉛を含むマグネシウム合金(AZ80合金)、または約9質量%のアルミニウムと約1質量%の亜鉛を含むマグネシウム合金(AZ91合金)等であっても良い。
AZ31合金の例としては、例えば、さらに0.20〜1.0質量%のMnを含むAZ31B、または0.025〜0.06質量%のCaを含むAZ31Mがある。AZ61合金は、例えば、0.15〜0.40質量%のMnを含んでも良い。AZ80合金は、例えば、0.10〜0.40質量%のMnを含んでも良い。AZ91合金は、例えば、0.15質量%以上のMnを含んでも良い。
被加工材料の平均結晶粒径は、特に限られないが、平均結晶粒径が大きい被加工材料ほど、次工程の降温多軸鍛造処理ステップにおいて、より多くの歪みを被加工材料に導入する必要が生じる。そうでなければ、降温多軸鍛造処理後に、微細な結晶粒からなるマグネシウム合金組織を得ることができないからである。
なお、本願において、「平均結晶粒径」は、光学顕微鏡と透過型電子顕微鏡を用い、直線横断法により測定した値である。
(2.降温多軸鍛造処理ステップ)
次に、前述の被加工材料が降温多軸鍛造処理される。
ここで、「降温多軸鍛造処理」とは、「多軸鍛造処理」の各鍛造毎に、被加工材料の温度を、徐々にあるいはステップ状に低下させながら、「多軸鍛造処理」を行う方法の総称を意味する。また、「多軸鍛造処理」とは、1方向での鍛造処理毎に、長軸方向が圧縮方向となるようにして、被加工材料の鍛造方向を変えて圧縮を繰り返す加工処理方法を言う。
このような「降温多軸鍛造処理」方法の特徴をより良く理解するため、まず最初に、図4を参照して、「多軸鍛造処理」方法の具体例を説明する。
図4は、多軸鍛造処理方法を概略的に説明する図である。まず最初に、図4(1)に示すような矩形状の被加工材料4が準備される。次に、この被加工材料4が第1の方向(X軸方向)に沿って鍛造される(第1のパス)。
次に図4(2)に示すように、被加工材料4が第2の方向(Y軸方向)に沿って鍛造される(第2のパス)。さらに、図4(3)に示すように、被加工材料4が第3の方向(Z軸方向)に沿って鍛造される(第3のパス)。3回分のパスによって、被加工材料4は、外観上、実質的に最初の形状に戻る(図4(4))。
ここで、被加工材料4のアスペクト比は、図4(1)〜(3)に示す各圧縮軸方向(X、YおよびZ方向)からの鍛造による圧縮率によって決まる。換言すれば、被加工材料4のアスペクト比は、採用するパス毎の圧縮率によって変化させることができる。例えば、図4の例では、被加工材料4のアスペクト比は、1.0(Z方向):1.49(Y方向):2.22(X方向)となっており、これは、各方向での1回のパスにおいて、被加工材料4に導入される加工ひずみεが、いずれも0.8の場合に相当する。従って、図4の例において、被加工材料4に導入される総ひずみ量Σεを3.2とするには、合計4パスの加工処理が必要ということになる。
なお、ここで示した加工ひずみεおよび総ひずみ量Σεの数値が一例に過ぎないことは、当業者には明らかである。この処理により導入される総ひずみ量Σεは、1.0〜6.4の範囲であることが好ましく、例えば、1.2〜4.0の範囲である。
一般に、このような「多軸鍛造処理」方法では、被加工材料4中に大きなひずみが導入され、微細な結晶粒からなる組織を得ることができる。
しかしながら、AZ系のマグネシウム合金材料のような、難加工性のマグネシウム合金材料の場合、一定温度下で「多軸鍛造処理」を行っても、微細な結晶粒を均一な状態で得、さらに強度を上昇させることは極めて難しいという問題がある。
従って本発明では、「降温多軸鍛造処理」方法が適用される。図5には、「降温多軸鍛造処理」方法における、処理温度とパス(時間)の関係を模式的に示す。
降温多軸鍛造処理において、第1回目のパスは、温度Tで実施される。次に、第2回目のパスは、温度T(T<T)で実施される。以下同様に、各温度Tで第N回目のパスが実施され、最後に温度Tで、最後のパスが実施される。
この方法では、鍛造処理の際の温度をパス毎に低下させて、マグネシウム合金の多軸鍛造処理を行うため、微細な結晶粒からなる均一組織を比較的容易に形成することができる。
第1回目のパスの際の温度Tは、例えば、573K〜673Kの範囲である。また、最終パスの際の温度Tは、例えば、403K〜523Kの範囲であり、各パス間の温度差ΔTは、例えば10K〜100Kの範囲である。なお、各パス間の温度差ΔTは、一定であっても、パスとともに変化しても良い。
なおこれらの温度の例は、一例であって、合金材料の結晶粒の微細化に適した、いかなる温度条件を利用しても良いことは、当業者には明らかであろう。
なお本発明では、「降温多軸鍛造処理」における各パスのひずみ速度は、通常、3×10−3/sec〜3×10−1/secの範囲である。
このひずみ速度は、各パスにおいて実質的に一定であっても良い。
あるいは、最後のパスの鍛造におけるひずみ速度は、第1回目のパスの鍛造におけるひずみ速度よりも大きくても良い。通常の場合、鍛造パスを繰り返す度に、材料の結晶粒は、微細化する。従って、最後のパスまたはこの近傍のパスでは、第1回目のパスよりも大きなひずみ速度で処理を実施しても、材料にクラックやワレが生じる危険性は少ない。また、これにより、より迅速な「降温多軸鍛造処理」処理が可能になる。
なお、前述の表現では、第1回目のパスと最後のパスにおけるひずみ速度の関係しか、示されていない。しかしながら、材料にクラックやワレが生じない限り、この間の各パスにおけるひずみ速度の関係が、いかなる関係であっても良いことは、当業者には明らかであろう。例えば、2回目以降のパスの鍛造におけるひずみ速度は、第1回目のパスの鍛造におけるひずみ速度よりも大きくても良い。また、例えば、ひずみ速度は、パス毎に徐々に(線形的にまたは非線形的に)上昇させても良い。あるいは、ひずみ速度は、最初の数回のパスは、比較的小さなひずみ速度(例えば、10−3/secのオーダー)で実施し、次の数回のパスは、中程度のひずみ速度(例えば、10−2/secのオーダー)で実施し、最後の数回のパスは、比較的大きなひずみ速度(例えば、10−1/secのオーダー)で実施するなど、「不連続」に変化させても良い。
この「降温多軸鍛造処理」後に得られる被加工材料の平均結晶粒径は、例えば、2μm以下、あるいは1μm以下(例えば、0.8μm)である。なお、2μmを超える平均結晶粒径を有する被加工材料では、次の冷間圧延処理ステップの際に、材料にクラックやワレが生じる危険性が高くなる可能性がある。
(3.冷間圧延処理ステップ)
次に、鍛造処理された材料が冷間圧延処理される。冷間圧延処理の方法は、特に限られず、例えば、従来のような、搬送ベルトを用いて、1組の圧延ロールの間に被加工材料を通し、被加工材料を圧延する方法(いわゆるロール圧延法)等が使用されても良い。冷間圧延処理の温度は、特に限られず、例えば、室温である。圧延速度(搬送ベルトによる材料の送り速度)は、これに限られるものではないが、例えば、約1×10−1cm/秒程度である。
図6には、降温多軸鍛造処理後のマグネシウム合金サンプルに対する各圧下率での冷間圧延処理後の硬さ変化を示す。冷間圧延処理は、室温で実施した。三角のシンボルは、降温多軸鍛造処理を2パス実施後のサンプル(AZ61マグネシウム合金)による結果を表しており、丸および四角形のシンボルは、それぞれ、降温多軸鍛造処理を合計4パスおよび5パス実施した後のサンプル(AZ61マグネシウム合金)での結果を表している。
図に示すように、いずれの降温多軸鍛造処理のパス数においても、冷間圧延処理時の圧下率の上昇により、材料の硬度が増加していることがわかる。なお図において、降温多軸鍛造処理のパス数が多いサンプルほど、冷間圧延処理前の材料の硬度が上昇しているが、これは、降温多軸鍛造処理の繰り返しにより、結晶粒が微細化されたことによるものである。例えば、圧延処理直前(すなわち降温多軸鍛造処理後)のサンプルの平均結晶粒径は、それぞれ、0.8μm(四角印:5パス)、1.20μm(丸印:4パス)、および3.7μm(三角印:2パス)であった。
このような材料の硬度上昇は、従来より加工が難しいと言われてきたマグネシウム合金においても、降温多軸鍛造処理後の適正な追加圧延処理により、加工硬化の効果、さらには強度の向上を図ることができることを示すものである。
このように、本発明では、降温多軸鍛造処理されたマグネシウム合金材料を冷間圧延処理することにより、材料の強度をより向上させることができる。
ここで、本発明では、冷間圧延処理による材料の圧下率は、約20%以下に抑制される。20%を超える圧下率では、冷間圧延処理後に、材料にクラックやワレが生じる危険性が高くなるからである。また、冷間圧延処理による材料の圧下率は、5%以上であることが好ましい。5%を下回ると、冷間圧延処理の効果が小さくなる。
(4.時効処理ステップ)
次に、必要な場合、冷間圧延処理された材料が、さらに時効処理されても良い。時効処理の温度は、これに限られるものではないが、例えば、373K〜473Kの範囲である。また、時効処理の時間は、これに限られるものではないが、例えば、数分〜数時間の範囲である。時効処理は、例えば、オイルバス中で実施されても良い。
このような工程を経て、高い強度を有するマグネシウム合金材料を得ることができる。
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
表1に示す組成のAZ系のマグネシウム合金材料(大阪冨士工業株式会社製:AZ61)を準備した。合金材料の寸法は、縦(X方向)31mm×横(Y方向)21mm×高さ(Z方向)14mmである。平均結晶粒径は、約57μmであった。
Figure 0005540306
次に、この合金材料を用いて、降温多軸鍛造処理を実施した。まず最初に、温度623Kで、合金材料の縦方向(X方向)に沿って、合金材料を鍛造した(第1パス)。第1パスにより導入された歪み量εは、0.8であった(すなわち、鍛造後のX方向の寸法は、14mm)。次に、合金材料の横方向(Y方向)に沿って、温度573Kで、合金材料を鍛造した(第2パス)。第2パスにより導入された歪み量εは、0.8であった(すなわち、鍛造後のY方向の寸法は、14mm)。次に、合金材料の高さ方向(Z方向)に沿って、温度523Kで、合金材料を鍛造した(第3パス)。第3パスにより導入された歪み量εは、0.8であった(すなわち、鍛造後のZ方向の寸法は、14mm)。次に、再度合金材料の縦方向(X方向)に沿って、温度503Kで、合金材料を鍛造した(第4パス)。第4パスにより導入された歪みεは、0.8であった。以上の降温多軸鍛造工程により、合金材料には、合計3.2の累積歪みΣεが導入された。各パスにおいて、ひずみ速度は、いずれも3×10−/secとした。
なお、降温多軸鍛造処理後の合金材料の平均結晶粒径は、1.2μm程度であった。
次に、得られた合金材料を用いて、冷間圧延処理を行った。冷間圧延処理は、室温における従来のロール圧延法により実施し、圧下率は、15%とした。
次に、圧延後の合金材料を用いて、時効処理を実施した。時効処理は、温度423Kのオイルバス中に、1時間、圧延後の合金材料を保持することにより実施した。
以上の工程を経て、実施例1に係るサンプルが得られた。
(実施例2)
実施例1と同様の方法により、実施例2に係るサンプルを作製した。ただし、この実施例2では、圧延後の合金材料に対して、時効処理は、実施しなかった。
(比較例1)
表1に示す組成のAZ系のマグネシウム合金材料(大阪冨士工業株式会社製:AZ61)を準備した。合金材料の寸法は、縦(X方向)31mm×横(Y方向)21mm×高さ(Z方向)14mmである。平均結晶粒径は、約57μmであった。
次に、この合金材料を用いて、実施例1と同様の条件により、合計4パスの降温多軸鍛造処理を実施した。累積歪みΣεは、3.2であった。各パスにおいて、ひずみ速度は、いずれも3×10−/secとした。また降温多軸鍛造処理後の合金材料の平均結晶粒径は、1.2μm程度であった。
このようにして得られた合金サンプルを比較例1に係るサンプルと称する。なお比較例1に係るサンプルでは、冷間圧延処理および時効処理は、実施していない。
(比較例2)
比較例1に係るサンプルを用いて、時効処理を実施した。時効処理は、温度423Kのオイルバス中に、1時間、圧延後の合金材料を保持することにより実施した。
このようにして得られた合金サンプルを比較例2に係るサンプルと称する。
(各サンプルの強度評価)
前述の方法により作製した各サンプルを用いて、引張試験を実施した。引張試験機には、インストロン型引張試験機(型番TENSILON UCT−10T)を使用した。サンプルに加えるひずみ速度は、8.3×10−2/secとした。なお試験は、室温で実施した。
図7には、各サンプルにおいて得られた結果(応力−歪み曲線)をまとめて示す。
まず、比較例1に係るサンプル(降温多軸鍛造処理のみ実施したサンプル)では、引張強度は、約400MPa程度であり、伸びは、20%程度であった。また比較例2に係るサンプル(降温多軸鍛造処理後に、時効処理を実施したサンプル)では、引張強度は、約400MPa程度で、比較例1に係るサンプルと同様であった。なお伸びは、比較例1に係るサンプルに比べて、約2倍となった。
一方、実施例2に係るサンプル(降温多軸鍛造の後に、冷間圧延処理のみを実施したサンプル)では、引張強度は、約450MPa程度まで上昇した。また伸びは、比較例1の値に比べて、約1.5倍となった。また、実施例1に係るサンプル(降温多軸鍛造の後に、冷間圧延処理および時効処理を実施したサンプル)では、引張強度は、約550MPaに達した。また伸びも、比較例1に係るサンプルに比べて、約1.5倍上昇した。
このように、実施例1、2に係るサンプルでは、いずれも比較例1、2に比べて、強度が有意に上昇することがわかった。
以上示したように、本発明による方法では、マグネシウム合金の加工性を損なうことなく、マグネシウム合金の強度を有意に向上させることができる。
本発明は、マグネシウム合金の製造方法に適用することができる。
本発明による方法によって得られたマグネシウム合金の引張試験結果の一例を示した図である。 本発明による別の方法によって得られたマグネシウム合金の引張試験結果の一例を示した図である。 本発明によるマグネシウム合金の製造方法のフローチャートの一例である。 多軸鍛造処理法の一例を概略的に示した図である。 降温多軸鍛造処理方法における温度と時間の関係の一例を模式的に示した図である。 降温多軸鍛造処理後のサンプルにおいて、冷間圧延処理の際の圧下率とサンプルの硬度の関係を示した図である。 各サンプルの引張試験結果を示した図である。
符号の説明
4 被加工材料

Claims (16)

  1. マグネシウム合金材料を製造する方法であって、
    少なくともアルミニウムと亜鉛とを添加元素として含む、マグネシウム合金の被加工材料を準備するステップと、
    前記被加工材料を降温多軸鍛造処理するステップと、
    前記降温多軸鍛造処理された被加工材料を、さらに強化するため、室温で、5%以上、最大20%の圧下率で圧延処理するステップと、
    を有することを特徴とする方法。
  2. さらに、
    前記圧延処理された被加工材料を、時効処理するステップを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記時効処理するステップは、
    前記圧延処理された被加工材料を、373K〜473Kの温度範囲で時効処理するステップを有することを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 前記被加工材料を降温多軸鍛造処理するステップは、
    573K〜673Kの範囲で第1回目のパスの鍛造を行い、403K〜523Kの範囲で最後のパスの鍛造を行う降温多軸鍛造処理ステップを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の方法。
  5. 前記被加工材料を降温多軸鍛造処理するステップにおいて、
    第N回目のパスの鍛造(Nは、1以上の整数)と、第N+1回目のパスの鍛造との温度差は、10K〜100Kの範囲にあることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一つに記載の方法。
  6. 前記被加工材料を降温多軸鍛造処理するステップは、
    第N回目のパスの鍛造(Nは、1以上の整数)において、3×10−3/sec〜3×10−1/secの範囲のひずみ速度で、前記被加工材料を降温多軸鍛造処理するステップを有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか一つに記載の方法。
  7. 最後のパスの鍛造におけるひずみ速度は、第1回目のパスの鍛造におけるひずみ速度よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一つに記載の方法。
  8. 各パスの鍛造におけるひずみ速度は、実質的に等しいことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一つに記載の方法。
  9. 前記被加工材料を降温多軸鍛造処理するステップにより、前記被加工材料に、1.0〜6.4の範囲の総歪み量が導入されることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一つに記載の方法。
  10. 前記被加工材料を降温多軸鍛造処理するステップにより、平均結晶粒径が最大2μm以下の被加工材料が得られることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一つに記載の方法。
  11. 前記圧延処理するステップは、室温で実施されることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一つに記載の方法。
  12. 前記被加工材料は、2〜10質量%のアルミニウムと、0.1〜2質量%の亜鉛とを含むマグネシウム合金材料であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一つに記載の方法。
  13. 前記被加工材料は、さらに、
    マンガン、鉄、シリコン、銅、ニッケルおよびカルシウムからなる群から選定された少なくとも一つの元素を含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
  14. 前記被加工材料は、2.5〜3.5質量%のアルミニウムと、0.6〜1.4質量%の亜鉛とを含むマグネシウム合金材料であることを特徴とする請求項12または13に記載の方法。
  15. 前記被加工材料は、5.5〜7.2質量%のアルミニウムと、0.5〜1.5質量%の亜鉛とを含むマグネシウム合金材料であることを特徴とする請求項12または13に記載の方法。
  16. 前記被加工材料は、8.3〜9.7質量%のアルミニウムと、0.35〜1.0質量%の亜鉛とを含むマグネシウム合金材料であることを特徴とする請求項12または13に記載の方法。
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