JP3654466B2 - アルミニウム合金の押出加工法及びそれにより得られる高強度、高靭性のアルミニウム合金材料 - Google Patents
アルミニウム合金の押出加工法及びそれにより得られる高強度、高靭性のアルミニウム合金材料 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウム合金の押出加工法及びそれにより得られる高強度、高靭性のアルミニウム合金材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属又は合金からなる金属材料は、変形を加えることによって、即ち加工硬化によって材料の強度が上昇することが知られており、この技術は所謂鍛錬効果として強度改善の目的で多くの金属材料に広く実用に供されている。これは、加工(変形)によって、材料中に種々の欠陥(点欠陥、転位、積層欠陥等)が蓄積し、転位その他の欠陥の間の相互作用の結果、新しい欠陥の導入又は欠陥の移動が困難となるため、外部の力に対して抵抗を持ち、その結果、材料が強化されると説明される。
しかし、鍛錬は、一般に圧延、鍛造など素材断面積を減少させる加工方法で行われるため、実用化に対して材料の大きさに制限を受けるという欠点がある。
【0003】
この欠点を解消する方法として、ヴイ.エム.シーガル(V.M.Segal)らは、材料の断面減少を伴わない側方押出し(ECAP法)によって剪断変形を与えることにより、断面積を減少させずに大きな歪(欠陥)を材料中に蓄積する方法を提案した。
しかしながら、金属材料は、加工硬化を受けると強化はされるが、それに伴い延性(靭性)が失われるのが普通である。延性(靭性)の欠如は、材料の2次加工及び構造材料への適用に大きな障害となる。
【0004】
このような欠点を解消するため実用に供されているのが、加工熱処理(TMT:Thermo−Mechanical Treatment)である。この方法は、熱間加工と同時に進行する加工組織の回復又は再結晶現象を制御して、あるいは冷間加工後の熱処理で回復又は再結晶現象を制御して、結晶粒の微細化及び組織調整をして延性(靭性)を確保する方法として、鉄・非鉄など多くの合金に応用されている。特にAl−Zn−Mg−Cu合金に用いられる中間加工熱処理(ITMT)、最終加工熱処理(FTMT)は、強度と靭性のバランスを取れる優れた方法であるが、何れも厳密な制御と多数の複雑な工程が必要であり、強度及び延性(靭性)の改善においても不十分である。
【0005】
ところで、Al−Mg系合金は、固溶硬化及び加工硬化で適度の強度を持つようになり、かつ延性(成形加工性)にも優れているため、展伸用アルミニウムの中では最も広い用途を持っている。しかし、溶質原子であるMgの濃度が高くなると、室温で降伏点以上に変形した場合、ストレッチャー・ストレインマークと呼ばれる縞模様が形成される。一方、応力−歪曲線上では不連続な降伏が繰返し生じ、これは鋸歯状となるセレーションとして現れ、Portevin−Le Chatelier効果(PL効果)とも呼ばれている。これは、転位の溶質雰囲気による固着と、負荷応力による固着からの解放によって生じていると考えられている。このようなセレーションが発生する場合には、負の歪速度感受性、即ち歪速度が増加すると強度が低下する性質、を示しやすいために、変形の局在化が生じて板の成形性を劣化させる原因となる。また、衝撃強度や動的破壊靭性で合金自体の信頼性が低下し、軽量化の障害になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、金属材料は強い加工を受けると硬化し、高強度化することができるが、反面、著しく延性(靭性)が減少する。この延性の低下はさらなる加工の障害となる。
アルミニウム合金材料においては、この延性(靭性)を与えるために加工熱処理(TMT)を行い、若干の軟化を許容し靭性を確保するのが普通である(あるいは、強度を確保する必要がある場合には、靭性の低下を許容するのが通常である)。この処理は、適当な強度と靭性を得るためには有用な方法であるが、そのための工程が複雑になる。しかも多くの場合、加工によって材料の断面積が減少することは避けられない。
【0007】
また、前記したように、Al−Mg系合金は室温変形においてセレーションが発生し、強度の負の歪速度感受性を示す。従来は、加工温度を150℃以上にすることによりMgの拡散を容易にし、全ての転位が溶質雰囲気の拘束を安定的に受けるようにしたり、結晶粒径を大きくすることによりセレーションの振幅を小さくし、変形がより均一に進行するようにしたり、高Mg濃度にして転位が溶質雰囲気の拘束を安定的に受けるようにしたりして、負の歪速度感受性の発生を防いだり、抑制したりしていた。
しかし、上記のような方法の場合、最終的な成形品の強度が低くなる、または応力腐蝕割れが生じるなどというように、材料としての優位性が低下するという問題が生じる。
【0008】
したがって、本発明の目的は、1ミクロン以下の結晶粒径に微細化された組織を持ち、強度、靭性ともに従来のアルミニウム合金の値を大幅に改善し、非常に高いレベルでバランスの取れたアルミニウム合金材料を提供することにある。
さらに本発明の目的は、セレーションの発生が殆どなく、伸びや絞りが大きく、加工性に優れ、衝撃吸収性や動的破壊靭性が大きい高強度のアルミニウム合金材料を提供することにある。
本発明の他の目的は、このような優れた機械的性質を有するアルミニウム合金材料を低コストで製造できる押出加工法を提供することにある。
本発明の別の目的は、押出し後にさらに冷間加工を加えて材料をさらに高強度化できるアルミニウム合金の押出加工法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、従来のほとんどのアルミニウム合金で一般に行われている高温・長時間の均質化熱処理又は焼鈍処理を行わずに、鋳造組織を破壊すると共に合金元素を均一に分布させることができるアルミニウム合金の加工方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明によれば、アルミニウム合金素材に、300℃以下であって、かつ使用合金の再結晶温度以下の温度で、その素材の持つ断面積を変化させずに、その押出方向を途中で内角180°未満の側方に変化させて剪断変形を与えることによって、220%以上、好ましくは10000%以上の相当伸びに相当する大きな歪を加え、ミクロ組織の平均結晶粒径を1ミクロン以下に微細化することによって高強度、高靭性材料を製造する押出加工(以下、この工程自体をいう場合、押出工程又は側方押出しという)を行い、該押出工程の後にさらに圧下率75%以上の冷間加工を行い、さらに材料を高強度化することを特徴とするアルミニウム合金材料の押出加工法が提供される。
好適な態様においては、上記押出工程は好ましくは回復温度以下の温度で行う。
【0010】
上記のような押出工程によれば、例えば、素材合金がA6063系合金の場合、Mg:0.3〜0.9重量%、Si:0.2〜0.8重量%、その他不純物合計1重量%未満、及び残部Alからなる組成を有し、結晶粒又は亜結晶粒の平均粒径が0.1〜1.0μmの範囲にあり、引張強度250MPa以上、伸び15%以上の機械的性質を有する強靭性アルミニウム合金材料が得られる。得られたアルミニウム合金材料は、結晶粒界が伸長された繊維状の組織を持ち、さらにその結晶粒の内部が0.1〜1.0μmの亜結晶で構成されている。
【0011】
また、1〜9重量%のMgを含むアルミニウム合金であって、結晶粒又は亜結晶粒の平均粒径が0.05〜1.0μmの範囲にあり、1×10-4〜2×103 s-1の歪速度領域において強度の歪速度依存性を抑制した強靭性アルミニウム合金材料が提供される。例えば、素材合金がA5056系合金の場合、Mg:4.5〜5.6重量%、Mn:0.05〜0.20重量%、Cr:0.05〜0.20重量%、その他不純物合計1重量%未満、及び残部Alからなる組成を有し、結晶粒又は亜結晶粒の平均粒径が0.05〜1.0μmの範囲にあり、引張強度350MPa以上、伸び15%以上の機械的性質を有する強靭性アルミニウム合金材料が得られる。得られたアルミニウム合金材料は、同様に結晶粒界が伸長された繊維状の組織を持ち、さらにその結晶粒の内部が0.05〜1.0μmの亜結晶で構成されている。
【0012】
本発明によれば、前記したアルミニウム合金素材の押出工程の後にさらに圧下率75%以上の冷間加工を行い、さらに材料を高強度化する。
この方法によれば、例えば素材がA6063系合金の場合、前記組成を有し、結晶粒又は亜結晶粒の平均粒径が0.1〜1.0μmの範囲の合金に圧下率75%以上の冷間加工を加えることにより、引張強度350MPa以上、伸び5%以上の機械的性質を有する強靭性アルミニウム合金材料が得られる。
一方、素材合金がA5056系合金の場合、前記組成を有し、結晶粒又は亜結晶粒の平均粒径が0.05〜1.0μmの範囲の合金に圧下率75%以上の冷間加工を加えることにより、引張強度450MPa以上、伸び4%以上の機械的性質を有する強靭性アルミニウム合金材料が得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明による押出加工法は、図1に示すように、内面で同一断面積を持つ2つの押出しコンテナー、又はコンテナー1とダイ2を180°未満の適当な角度(2ψ)で接合し、一方のコンテナー1にアルミニウム合金Sを挿入し、ラム3によって次のコンテナー又はダイ2に向けて押出しすることによって、材料に側方方向の剪断変形を加える方法であり、好ましくはこの工程を複数回行う。
本発明者らは、この方法をアルミニウム合金に適用することにより、非常に単純な工程で、しかも断面積を減少させずに、従来の加工硬化による強度を上回る強化が出来ると同時に、靭性を大きく改善出来ることを見い出し、本発明を完成するに至った。しかも、そのプロセスは、鋳造材のマクロ、ミクロ的な偏析の均質化にも効果を持っており、一般に行われている高温・長時間の均質化熱処理が省けることも見い出した。また、たとえダイ2において断面減少をともなっても、その効果は変わらなかった。
【0014】
本発明の側方押出法でアルミニウム合金に加えられる剪断変形量は、2つのコンテナー又はコンテナーとダイの接合角度によって異なる。一般に、この様な剪断変形による押出し1回当たりの歪量Δεi は、下記式(1)で与えられる。
【数1】
即ち、2つのコンテナー又はコンテナとダイの接合の内角が直角(90°)の場合、歪量は1.15(相当伸び:220%)、120°の場合、歪量は0.67(相当伸び:95%)で与えられる。断面積を同一のまま直角に側方押出しすることによって、圧延による圧下率(断面減少率)69%に相当する加工を加えることが出来る。
【0015】
上記プロセスを繰り返すことによって、材料の断面積を変えずに材料中に無限に歪を蓄積することが出来る。その繰り返しによって材料に与える積算歪量εt は、下記式(5)で与えられる。
【数2】
この繰り返し回数(N)は、理論的には多いほど良いが、実際には合金によってある回数でその効果に飽和状態が見られる。一般の展伸用アルミニウム合金では、繰り返し数4回(接合内角が直角の場合、積算歪量:4.6、相当伸び:10000%)で十分な効果を得ることが出来る。圧延によっても無限に歪を蓄積することが出来るが、その場合、断面積は無限に小さくなり、この点において本発明の方法とは対照的である。
【0016】
また、本発明者らは、従来の材料に本発明の側方押出法による強歪み加工を加えることにより、非常に単純な工程で、結晶粒径と結晶粒内のMgの固溶状態を制御することによってセレーションの抑制が出来ることを見い出した。しかも、その加工後の材料の伸びや絞りが大きく、加工性に優れ、かつ強度が高く、衝撃吸収性や動的破壊靭性も大きいことから、材料としての信頼性が高いことがわかった。
【0017】
セレーションというのは、転位の溶質雰囲気による固着と、負荷応力による固着からの解放によって生じていると考えられているので、この抑制には、粒内のMgの濃度を減少させる方法、あるいは転位が固着から解放された後すぐに障壁となる粒界などを高密度に分布させる方法が有効と考えられる。前者の方法は、転位を導入し、セル壁や回復でのポリゴン化によって形成された亜結晶粒界の近傍にMg溶質原子を集積して、結晶粒内の見かけ上のMg濃度を減少させればよい。後者の方法は結晶粒を微細にすれば達成される。
前者の方法として圧延による冷間あるいは温間加工が考えられるが、加工率の増加と共に延性の低下、異方性、応力腐蝕割れという問題が生じてくる場合がある。そこで本発明は、側方押出しプロセスによる強加工によって結晶粒の微細化と結晶粒内のMg濃度の制御を行い、セレーションを抑制し、アルミニウム合金の強靭化を図ったものである。
【0018】
本発明による側方押出しは、出来るだけ低温で行うことが好ましい。しかしながら、合金の変形抵抗は低温になるほど高く、変形能は低温ほど小さくなる傾向がある。押出し用工具の強度の関係及び健全な押出材を得るために、通常は合金によって異なる適切な温度で行われる。一般的には、300℃以下、好ましくは合金の再結晶温度以下、さらに好ましくは回復温度以下で行われる。しかし、この再結晶温度、回復温度は、材料に加えられる加工度によって変化する。押出温度は、ψ=45°(90°側方押出し)の時、展伸用アルミ合金の代表であるAl−Mg−Si系のA6063合金では室温〜150℃、Al−Mg系のA5056合金では室温〜200℃、Al−Zn−Mg−Cu系のA7075合金では50〜200℃等が代表的な温度である。この押出温度は、押出角度によっても異なり、角度が大きくなるほど低温で可能となる。これは、押出力(剪断変形に要するエネルギー)が小さくなることと、材料の変形能による制約が緩くなるからである。
【0019】
側方押出しされた材料の組織を光学顕微鏡及び透過型電子顕微鏡で観察すると、加工前は200〜500ミクロン以上の結晶粒が、3〜4回の押出しで0.1ミクロン程度まで著しく微細化(転位セル構造、亜結晶、再結晶組織を含む)されているのが分かる。金属材料を加工すると、その塑性変形のエネルギーは、大部分は熱に変化するが、その一部は点欠陥、転位、積層欠陥あるいは内部応力として材料中に蓄積される。これらの格子欠陥の蓄積が硬化(強化)の原因となる。さらに強加工を受けると、結晶粒は引き伸ばされるとともに転位密度は増大し、引き伸ばされた結晶粒の中に下部構造として3次元的な転位の網目構造(セル構造)を取るようになる。このセルは加工の増大とともに微細化する。転位密度の高いセル壁は本来厚みを持っており、微視的にはさらに小さなセル構造を持っていると解されているが、本発明の方法で処理した材料には厚みを持ったセル壁は観察され難く、本発明の方法で得られる特徴的な組織ではない。
【0020】
一般に、セル構造は、欠陥の再配列を伴う回復(蓄積エネルギー解放の初期段階;組織変化は伴わない)によって亜結晶に変るとされ、これら欠陥の再配列は融点(絶対温度)の1/3〜1/2の温度に加熱すると生じるとされている。側方押出しは、それよりさらに低い温度で行われているが、相当伸びで1000%を超える著しい強加工で転位密度の増加を許容できなくて亜結晶への遷移温度が低下して亜結晶へ遷移したか、強加工による変形熱で見かけ温度以上に材料温度が上昇して亜結晶が主体となったものと考えられる。従来、アルミニウム合金の結晶を微細化する方法として加工熱処理法が知られているが、工業的な1ミクロン以下の結晶微細化には適さない。低温で強制的に強加工を与える本発明の方法により、初めて1ミクロン以下の結晶からなる材料を工業的に得ることが出来る。しかも、各々の結晶は加工組織に特徴的な高転位密度を有さないことから、工業的な応用の温度範囲ではこれらの組織は安定である。
【0021】
上述のような1ミクロン以下(好ましくは0.5ミクロン以下)の微細な結晶粒(又は亜結晶粒)からなる組織が本発明の方法で得られるアルミニウム合金材料の特徴であるが、この組織が材料の機械的性質に特徴を与える。一般に材料の強化法には、加工強化、固溶強化、析出強化、分散強化などがあるが、何れの場合も材料の強度化とともに伸び、絞り、シャルピー衝撃値などの材料のしなやかさの指標は低下し、当然、破壊靭性値も低下する。しなやかさを失わずに材料を強化する方法として、結晶の微細化がある。材料は結晶の微細化とともに強度が増し、これはホール・ペッチの法則として知られている。このように、本発明の方法で得られる材料組織は非常に微細な結晶粒であり、しかも転位密度が高くないことから、高い強度を有するとともに、伸び、絞り、シャルピー衝撃値も高く、2次加工性にも優れている。従って、本発明の方法により、強度と靭性が高いレベルでバランスの取れたアルミニウム合金材料を提供出来る。
【0022】
また、本発明の方法は、鋳造組織、合金成分の偏析の破壊、均一化にも有効である。したがって、従来、アルミニウム合金ではほとんどの合金で実施されている均質化熱処理工程を省略することが出来る。
以上詳述したように、本発明の方法は、材料の断面積を減少させずに結晶を微細化することによって、機械的性質を大幅に改善出来るとともに、強度に限らず、材料のしなやかさ、靭性、2次加工性に優れたアルミニウム合金材料を提供することが出来る。
【0023】
本発明の押出加工法は、あらゆるアルミニウム合金に適用出来るが、特に熱処理型の合金に有利に適用することができ、その代表的なものとしては、例えば下記表1に示すようなJIS A6063合金やA5056合金が挙げられる。また、本発明の押出加工法は、室温又は加熱領域で均質化熱処理、熱間押出し等の中間加工又はその他の方法で製造されたアルミニウム合金だけでなく、鋳造後のアルミニウム合金にも適用できる。
【表1】
【0024】
【実施例】
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものでないことはもとよりである。
【0025】
実施例1
適用合金として表1に示す組成範囲内のA6063合金を選び、直径155mmのビレットを熱間押出しによって直径25mmの丸棒とし、得られた丸棒を580℃で4時間熱処理後、水中で急冷し供試材とした。一方、熱間押出しによって得られた丸棒をそのまま、190℃で3時間人工時効(T5)処理して比較材とした。供試材は直角(ψ=45°)に連結した2つのコンテナー(何れも直径25mm)の一方に挿入し、100℃で4回の側方押出しを行い、直径25mmの処理材を得た。これによって、前述の式によれば積算歪量(εt )4.6(相当伸び10000%)の加工を受けたアルミニウム合金材料が得られたことになる。
【0026】
100℃での側方押出し前後の材料組織の光学顕微鏡写真(倍率:50倍)をそれぞれ図2及び図3に示す。図2及び図3に示されるように、側方押出し前は100〜200ミクロン程度の結晶粒径であるが、押出し後はファイバー組織となって粒径測定は困難である。
この側方押出し後の材料の透過電子顕微鏡(TEM)像(倍率:2万倍)を図4(2カ所撮影した像を示している)に示す。図4に示されるように、側方押出し後には結晶粒は0.1〜0.5ミクロン程度に微細化していることが分かる。この微細結晶の配向を電子線回折によって見ると、図6乃至図11に示されるように、ほとんどが数°以内の角度で並んでおり、亜結晶又は強い配向を持った再結晶組織であることが分かる。なお、図5及び図6乃至図11は、それぞれ電子線を入射した組織のTEM像(倍率:4万倍)及び電子線回折パターンを示しており、図6乃至図11はそれぞれ図5に示すa〜fの位置に電子線を入射したときの電子線回折像である。
【0027】
側方押出し前後のアルミニウム合金材料の機械的性質の測定結果を表2に示す。
【表2】
表2に示されるように、引張強度は、試験歪速度1.7×10-3/sの時、T5処理材で250MPaであるのに対して側方押出材は310MPa以上であり、試験歪速度103 /sの時、T5処理材で275MPa、側方押出材は350MPaであり、何れも比較材のT5処理材の20%以上の改善が見られる。伸びは、強化されたにも拘らず、何れの試験歪速度でも側方押出材がT5処理材を上回っている。
【0028】
側方押出材及びT5処理材の引張試験(室温、歪速度1.7×10-3/s)後の試験片の光学顕微鏡写真(倍率:35倍)をそれぞれ図12及び図13に示す。図12及び図13から、T5処理材の絞り(断面減少率約40%)に対して側方押出材は大きく(同約70%)、加工性に富んでいることが分かる。
また、それらの破断面の光学顕微鏡写真(倍率:500倍)をそれぞれ図14及び図15に示す。図14及び図15から、T5処理材は100ミクロン程度の粒界破壊を示しているのに対して、側方押出材はサブミクロン程度の粒形に対応したディンプル模様を呈し、延性に富んでいることが分かる。
【0029】
また、上記側方押出材及びT5処理材についてのシャルピー衝撃試験の結果を表3に示す。試験片はUノッチJIS3号試験片である。
【表3】
表3に示されるように、靭性の一つの指標である破壊エネルギー(JISエネルギー)は、T5処理材で2.15kgf・m(最大応力61kgf/mm2 )であるのに対し、側方押出材は5.1kgf・m以上(同71kgf/mm2 )であった。なお、5.1kgf・m以上としたのは、側方押出材は一部亀裂が入って折れ曲がっただけで完全に破壊しなかったからである。シャルピー衝撃試験において試験片が折れない場合のJISエネルギーは、全て5.1kgf・mと表記される。
また、シャルピー衝撃値は、T5処理材で2.8kgf・m/cm2 (最大応力61kgf/mm2 )であるのに対し、側方押出材は6.4kgf・m/cm2 (同71kgf/mm2 )であった。
【0030】
また、90°側方押出しを行った丸棒は冷間圧延で断面減少率80%まで容易に圧延できた。ここまで強化された材料がさらに強い加工を受けて成形できることは、微細でしかも転位の少ない組織に負うところが大きい。しかも、この圧延材は引張強度410MPaを示し、さらに強化されたことが分かる。
以上のように、本発明に従って側方押出しで製造されたA6063合金材料は、主として0.2〜0.3ミクロンの結晶粒(転位セル構造、亜結晶を含む)を含み、引張強度300MPa以上、伸び25%以上、絞り70%以上、シャルピー衝撃値がT5処理材の3倍以上と、従来の加工熱処理では得られない非常に高いレベルで強度と靭性のバランスが取れ、しかも2次加工性に優れた材料である。
【0031】
実施例2
適用合金として表1に示す組成範囲内のA5056合金を用い、実施例1と同様にして試料を作製した。但し、比較材としては、上記合金の完全焼なまし材であるO材と、全硬質(H8)材を焼き戻して(安定化させて)延性を付与したH38材を用いた。
【0032】
100℃での側方押出し前後の材料組織の光学顕微鏡写真(倍率:100倍)をそれぞれ図16及び図17に示す。
この側方押出し後の材料のTEM像(倍率:2万倍)を図18(2カ所撮影した像を示している)に示す。
図16及び図18に示されるように、側方押出し前の結晶粒径は約50ミクロンであるが、押出し後の結晶粒は0.05〜0.6ミクロン程度に微細化していることが分かる。
【0033】
側方押出し前後のアルミニウム合金材料の機械的性質の測定結果を表4に示す。
【表4】
表4に示されるように、引張強度は、試験歪速度1.7×10-3/sの時に390MPa、歪速度103 /sの時に430MPaであり、何れも比較材のO材を大きく上回り、またH38材と比較しても10%以上の改善が見られる。伸びはO材に比べて低いものの、強化されたにも拘らず側方押出材がH38材を上回っている。
【0034】
側方押出材及びO材の引張試験(室温、歪速度1.7×10-3/s)後の試験片の光学顕微鏡写真(倍率:35倍)をそれぞれ図19及び図20に示す。図19及び図20から、側方押出材は絞り(断面減少率)が約50%であり、O材と同程度の加工性を有することが分かる。
また、それらの破断面の光学顕微鏡写真(倍率:500倍)をそれぞれ図21及び図22に示す。側方押出材は微細な粒形に対応したディンプル模様を呈し、延性に富んでいることが分かる。
【0035】
また、上記側方押出材及びO材についてのシャルピー衝撃試験の結果を表5に示す。試験片はUノッチJIS3号試験片である。
【表5】
表5に示されるように、靭性の一つの指標である破壊エネルギー(JISエネルギー)は、側方押出材は5.1kgf・m以上(最大応力90kgf/mm2 )であった。また、シャルピー衝撃値は、6.4kgf・m/cm2 (最大応力90kgf/mm2 )であった。
【0036】
以上のように、本発明の側方押出法により、1ミクロン未満の結晶粒を含み、引張強度は390MPa(試験歪速度1.7×10-3/s)及び430MPa(同103 /s)、伸び25%及び30%、シャルピー衝撃値6.4kgf・m/cm2 以上(何れも完全に破壊しなかった)、絞り50%のA5056合金材料が得られた。引張強度はH38材の1.1倍程度であったが、H38材は伸びが19%程度と非常に低いことから、本発明によって得られたアルミニウム合金材料は、高いレベルで強度と靭性のバランスが取れた材料であることが分かる。
【0037】
実施例3
適用合金としてA5056(Mg:4.8wt%)合金を選び、鋳造によって直径25mmの丸棒を作成し、得られた丸棒を425℃で4時間熱処理後、水中で急冷し、供試材とした。一方、得られた丸棒を熱間圧延によって直径8mmまで細くし、345℃で炉冷して焼純し、比較材とした。供試材は直角(ψ=45°)に連結した2つのコンテナー(何れも直径25mm)の一方に挿入し、100℃で4回の側方押出しを行い、直径25mmの処理材を得た。これによって、積算歪量4.6(相当伸び10000%)の加工を受けたアルミニウム合金材料が得られたことになる。
【0038】
100℃での側方押出し前後の材料組織の光学顕微鏡写真は、それぞれ前記図16及び図17に示すものと同様であった。側方押出し前は50ミクロン程度の結晶粒径であったが、押出し後はファイバー組織となって粒径測定は困難であった。
この側方押出し後の材料のTEM像は、前記図18に示すものと同様であった。側方押出し後の結晶粒は0.05〜0.6ミクロンに微細化していた。結晶粒内には残留した転位が見られ、かつ粒界はセル壁のように厚いものではないので、多少回復した組織であるといえる。
【0039】
これらの材料の機械的性質の歪速度感受性を3種類の試験機を用いて調べた。1×10-3〜1×10-1s-1 の低歪速度域ではインストロンタイプの試験機、1×100 〜1×101s-1の中間歪速度域では油圧式高速試験機、1×102 〜2×103 s -1の高歪速度域ではスプリット・ホプキンソン棒法を応用した試験機により行った。伸びと歪速度の関係を図23に示す。図23中には、比較のためにMg量が5wt%程度の実用Al合金の焼純材(A5056−O材)のデータも併せて示してある。側方押出し後の材料(A5056−側方押出材)の伸びは、焼純材と同様、歪速度の増加と共に大きくなっていた。数値的には側方押出し後の材料の方が焼純材の伸び(40〜50%)より小さいが、他の焼純材(例えばA5083−O材)と同等の20〜30%であった。
【0040】
上記材料の引張強度と歪速度の関係を図24に示す。ここでも、比較のためにMg量が5wt%程度の実用Al合金の焼純材(A5056−O材)のデータを併せて示してある。側方押出し後の材料(A5056−側方押出材)の強度は焼純材(A5056−O材)より高く、350MPa以上であった。焼純材(A5056−O材)の強度は6.5×102 s -1の歪速度以下では歪速度の増加と共に低下した。この負の歪速度依存性は他の焼純材でも見られた。一方、側方押出し後の材料(A5056−側方押出材)の強度は、6.5×102 s -1の歪速度以下では殆ど低下しなかった。以上のように、側方押出しで製造されたA5056材料は、0.1〜0.5ミクロンの結晶粒(転位セル構造、亜結晶を含む)を持ち、強度350MPa、伸び15%以上、1×10-3〜2×103s -1 の歪速度領域において強度と伸びの低下のない強靭な材料であった。
【0041】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の方法によれば、アルミニウム合金を比較的低温で側方押出しすることによって、1ミクロン以下の結晶粒径を持つ組織とし、強度、靭性ともに従来のアルミニウム合金材料の値を大幅に改善し、非常に高いレベルでバランスの取れたアルミニウム合金材料を提供することが出来る。また、本発明により得られるアルミニウム合金材料は、強度、靭性、加工性等に優れていると共に、高歪速度領域で強度低下が殆どない。しかも、従来の加工熱処理法のように厳密な制御と多数の複雑な工程が不要となるため、前記のような優れた機械的性質を有するアルミニウム合金材料を低コストで製造できる。さらに本発明のプロセスは、鋳造材のマクロ、ミクロ的な偏析の均質化にも効果を持っており、アルミニウム合金に一般に行われている高温・長時間の均質化熱処理を省くことができ、この点においてコスト的にも極めて有利である。また、本発明の方法によれば、側方押出し後に冷間加工を加えるためアルミニウム合金材料をさらに高強度化することができる。本発明の方法は種々のアルミニウム合金に適用出来、あらゆる部材の軽量高強度化に貢献するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるアルミニウム合金の側方押出加工法の概念を説明するための概略部分断面図である。
【図2】実施例1において側方押出しする前のアルミニウム合金A6063の組織の光学顕微鏡写真(倍率:50倍)である。
【図3】本発明に従って側方押出しした後のアルミニウム合金A6063の組織の光学顕微鏡写真(倍率:50倍)である。
【図4】本発明に従って側方押出しした後のアルミニウム合金A6063の組織の透過電子顕微鏡写真(倍率:2万倍)である。
【図5】本発明に従って側方押出しした後のアルミニウム合金A6063の電子線を入射した組織の透過電子顕微鏡写真(倍率:4万倍)である。
【図6】図5に示すアルミニウム合金組織のaの位置に電子線を入射したときの電子線回折像を示す透過電子顕微鏡写真である。
【図7】図5に示すアルミニウム合金組織のbの位置に電子線を入射したときの電子線回折像を示す透過電子顕微鏡写真である。
【図8】図5に示すアルミニウム合金組織のcの位置に電子線を入射したときの電子線回折像を示す透過電子顕微鏡写真である。
【図9】図5に示すアルミニウム合金組織のdの位置に電子線を入射したときの電子線回折像を示す透過電子顕微鏡写真である。
【図10】図5に示すアルミニウム合金組織のeの位置に電子線を入射したときの電子線回折像を示す透過電子顕微鏡写真である。
【図11】図5に示すアルミニウム合金組織のfの位置に電子線を入射したときの電子線回折像を示す透過電子顕微鏡写真である。
【図12】実施例1で得られたアルミニウム合金A6063側方押出材の引張試験(室温、歪速度1.7×10-3/s)後の試験片の光学顕微鏡写真(倍率:35倍)である。
【図13】アルミニウム合金T5処理材の引張試験(室温、歪速度1.7×10-3/s)後の試験片の光学顕微鏡写真(倍率:35倍)である。
【図14】実施例1で得られたアルミニウム合金A6063側方押出材の破断面の光学顕微鏡写真(倍率:500倍)である。
【図15】アルミニウム合金T5処理材の破断面の光学顕微鏡写真(倍率:500倍)である。
【図16】実施例2において側方押出しする前のアルミニウム合金A5056の組織の光学顕微鏡写真(倍率:100倍)である。
【図17】本発明に従って側方押出しした後のアルミニウム合金A5056の組織の光学顕微鏡写真(倍率:100倍)である。
【図18】本発明に従って側方押出しした後のアルミニウム合金A5056の組織の透過電子顕微鏡写真(倍率:2万倍)である。
【図19】実施例2で得られたアルミニウム合金A5056側方押出材の引張試験(室温、歪速度1.7×10-3/s)後の試験片の光学顕微鏡写真(倍率:35倍)である。
【図20】アルミニウム合金O材の引張試験(室温、歪速度1.7×10-3/s)後の試験片の光学顕微鏡写真(倍率:35倍)である。
【図21】実施例2で得られたアルミニウム合金A5056側方押出材の破断面の光学顕微鏡写真(倍率:500倍)である。
【図22】アルミニウム合金O材の破断面の光学顕微鏡写真(倍率:500倍)である。
【図23】実施例3で得られたアルミニウム合金A5056側方押出材と焼鈍材の伸びと歪速度の関係をそれぞれ示すグラフである。
【図24】実施例3で得られたアルミニウム合金A5056側方押出材と焼鈍材の引張強度と歪速度の関係をそれぞれ示すグラフである。
【符号の説明】
1 コンテナー
2 ダイ
3 ラム
S アルミニウム合金材料
Claims (5)
- アルミニウム合金素材に、300℃以下であって、かつ使用合金の再結晶温度以下の温度で、その素材の持つ断面積を変化させずに、その押出方向を途中で内角180°未満の側方に変化させて剪断変形を与えることによって、220%以上の相当伸びに相当する大きな歪を加え、ミクロ組織の平均結晶粒径を1ミクロン以下に微細化することによって高強度、高靭性材料を製造する押出加工を行い、該押出加工の後にさらに圧下率75%以上の冷間加工を行い、さらに材料を高強度化することを特徴とするアルミニウム合金材料の押出加工法。
- 押出加工において10000%以上の相当伸びに相当する大きな歪を加える請求項1に記載の押出加工法。
- 押出加工を、使用合金の回復温度以下の温度で行う請求項1又は2に記載の押出加工法。
- アルミニウム合金がAl−Mg−Si系合金であり、押出加工を室温〜150℃の温度で行う請求項1乃至3のいずれか一項に記載の押出加工法。
- アルミニウム合金がAl−Mg系合金であり、押出加工を室温〜200℃の温度で行う請求項1乃至3のいずれか一項に記載の押出加工法。
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