JP3101280B2 - Al基合金およびAl基合金製品の製造方法 - Google Patents

Al基合金およびAl基合金製品の製造方法

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JP3101280B2 JP01019364A JP1936489A JP3101280B2 JP 3101280 B2 JP3101280 B2 JP 3101280B2 JP 01019364 A JP01019364 A JP 01019364A JP 1936489 A JP1936489 A JP 1936489A JP 3101280 B2 JP3101280 B2 JP 3101280B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はAl基合金に係り、更に詳しくは、改善された
リチウム含有Al基合金、これにより製造された製品およ
びこれを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
航空機工業においては、一般的に航空機の重量を減少
させる最も有効な方法の1つが航空機の構造体で使用さ
れるアルミニウム合金の密度を減少させることであるこ
とが認められている。合金の密度を減小せるためにリチ
ウムの添加が行われて来た。しかし、アルミニウム合金
にリチウムを添加することは問題がないわけではない。
例えばアルミニウム合金にリチウムを添加すると延性お
よび耐破壊靭性の低下を屡生ずるのである。航空機の部
品に使用される場合には、リチウム含有合金が耐破壊靭
性および強度特性の両者を有することが絶対に必要であ
る。
【0003】 大なる強度および大なる耐破壊靭性は共に通常航空機
に使用されるAA(アルミニウム協会)の2024−T3Xおよ
び7050−TXのような通常の合金を考えるとき、これを得
るのが全く困難である。例えばASTM(American Societ
y for Testing and Materials)の耐破壊靭性に関
する特性、ASTM ATP 605のジェー・ティー・スタレイ
による「高強度アルミニウム合金のミクロ構造および靭
性」と題する論文、1976年、第71−103頁、は全般的にA
A2024のシート(薄板)につき、強度が増大するにつれ
て靭性が減少することを示している。また同じ論文で、
AA7050の板についてもこのことが正しいことが観察され
ている。更に望ましい合金は、靭性の減少を最小にし、
または減小しないで強度の増大を可能になすか、または
強度が増大されるにつれて靭性が制御されて強度および
靭性の更に望ましい組合せを得られるような処理工程を
可能になすようなものである。更に望ましい合金におい
ては、強度および靭性の組合せが5〜15%程度の密度の
減少を与えるアルミニウム−リチウム合金によって得ら
れるのである。このような合金は重量が小さくて強度が
大きく、靭性が大きいことが大なる燃料の節約を意味す
るような航空機工業において広範な利用面を有する。従
って、靭性の犠牲が僅かであるか、または犠牲がない状
態で大なる強度を有する品質を得ること、または強度が
増大される時に靭性が制御され得るようになすことが著
しく独特なアルミニウム−リチウム合金製品を得させる
のである。
【0004】 米国特許第4,626,409号は、重量%で2.3〜2.9Li、0.5
〜1.0Mg、1.6〜2.4Cu、0.05〜0.25Zr、0〜0.5Ti、0〜
0.5Mn、0〜0.5Ni、0〜0.5Crおよび0〜2.0Znより成る
Al基合金およびこれからシートまたは帯板を製造する方
法を開示している。更に米国特許第4,582,544は前記米
国特許第4,626,409号と同様の組成を有するアルミニウ
ム合金を超可塑性変形させる方法を開示している。ヨー
ロッパ特許願第210112号は1〜3.5重量%Li、4重量%
までのCu、5重量%までのMg、3重量%までのZnおよび
Mn、Cr及び/又はZr添加物を含有するアルミニウム合金
製品を開示している。この合金製品は再結晶されて300
μmよりも小さい粒子寸法を有する。米国特許第4,648,
913号は例えば3%もりも大なる値の展伸(stretch)を
施した時に改善された強度および耐破壊靭性の組合せを
有するAl基合金加工製品を開示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来のリチウム含有Al基合金の欠点を排除
した性能の良好なリチウム含有Al基合金および該Al基合
金製品の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的は特許請求の範囲に記載されるようなAl基合
金およびその製品および製造方法によって達成される。
【0007】 このようにして本発明により大なる耐破壊靭性を保有
して強度特性を改善するように処理でき、また靭性の値
を制御して所望の強度を与えるように処理できるリチウ
ム含有Al基合金の改善された製品が提供されるのであ
る。
【0008】 本発明合金は、0.2〜5.0重量%Li、0.05〜6.0重量%M
g、2.45〜5.0重量%Cu、0.05〜12重量%Zn、0.01〜0.16
重量%Zr、最大0.5重量%のFe、最大0.5重量%のSi、お
よび残部としてのAlと付随的不純物を含むことができ
る。不純物はそれぞれ約0.05重量%に制限されるのが望
ましく、不純物の合計は0.35重量%を超過しないのが望
ましい。これらの限界内において、全不純物の合計が0.
15重量%を超過しないのが望ましい。
【0009】 本発明による望ましい合金は1.5〜3.0重量%Li、2.5
〜2.95重量%Cu、0.2〜2.5重量%Mg、0.2〜11重量%Z
n、0.08〜0.12重量%Zr、残部がアルミニウムおよび上
述したような不純物を含むことができる。典型的な合金
組成は1.8〜2.5重量%Li、2.55〜2.9重量%Cu、0.2〜2.
0重量%Mg、0.2〜2.0重量%Zn、0.1重量%より大きく0.
16重量%より少ないZr、それぞれ最大0.1重量%のFeお
よびSiを含んでいる。
【0010】 適当な合金の組成は1.9〜2.4重量%Li、2.55〜2.9重
量%Cu、0.1〜0.6重量%Mg、0.5〜1.0重量%Zn、0.08〜
0.12重量%Zr、それぞれ最大0.1重量%のFeおよびSiを
含んでいる。
【0011】 本発明の一実施形態では、改善された強度、耐破壊靭
性および腐食抵抗の組合せを有するAl基合金加工製品が
提供される。この製品は時効(エージング)に適当なる
条件にて提供され、実質的に耐破壊靭性特性および腐食
抵抗を損なわないで時効処理に関して改善された強度を
生ずる能力を有する。この製品は0.2〜5.0重量%Li、0.
05〜6.00重量%Mg、少なくとも2.45〜5.0重量%Cu、0.0
5〜0.16重量%Zr、0.05〜12重量%Zn、最大0.5重量%F
e、最大0.5重量%Si、残部がアルミニウムおよび附随的
不純物を含んでいる。この製品は展伸と等価的な加工効
果を与えられて時効の後で製品が改善された強度および
耐破壊靭性の組合せを有するようになし得るのである。
改善された強度、耐破壊靭性および腐食抵抗の組合せを
有するAl基合金製品を製造する方法においては、リチウ
ム含有Al基合金の本体が用意されて加工アルミニウム製
品を製造するように加工されることができる。この加工
製品は先ず溶体化加熱処理されて、次いで展伸またはそ
の他の展伸と等価的な加工を施される。例えば展伸によ
るような加工の程度は残留する急冷内部応力を解除する
のに利用される量よりも通常大きくなされる。
【0012】 本発明合金は、0.2〜5.0重量%Li、0〜5.0重量%M
g、5.0重量%以下のCu、0〜1.0重量%Zr、0〜2.0重量
%Mn、0.05〜12.0重量%Zn、最大0.5重量%Fe、最大0.5
重量%Si、残部がアルミニウムおよび附随的不純物を含
むことができる。これらの不純物はそれぞれ約0.05重量
%に制限されるのが望ましく、不純物の組合せが0.15重
量%を超超しないのが望ましい。これらの限界内で総て
の不純物の合計が0.35重量%を超過しないのが望まし
い。
【0013】 本発明による望ましい合金は0.2〜5.0重量%Li、少な
くとも2.45重量%Cu、0.05〜5.00重量%Mg、0.05〜0.16
重量%Zr、0.05〜12.0重量%Zn、残部がアルミニウムお
よび前述した不純物を含むことができる。典型的な合金
の組成は1.5〜3.0重量%Li、2.55〜2.90重量%Cu、0.2
〜2.5重量%Mg、0.2〜11.0重量%Zn、0.08〜0.12重量%
Zr、0〜1.0重量%Mnおよびそれぞれ最大0.1重量%のFe
およびSiを含んでいる。望ましい典型的な合金において
は、Znは0.2〜2.0の範囲で、Mgは0.2〜2.0重量%の範囲
になし得る。
【0014】 本発明においては、リチウムは密度を著しく減少させ
得るからだけでなく、また引張りおよび降伏強度を著し
く改善し、また弾性率を改善するから甚だ重要である。
更に、リチウムが存在することは、疲労抵抗を改善す
る。しかし最も著しいことは、リチウムが存在すること
が他の制御される量の合金成分と組合されて加工され得
るアルミニウム合金製品が密度の有意義な減少を保有し
ながら独特な強度および耐破壊靭性の組合せを与え得る
ことである。
【0015】 強度および耐破壊靭性の独特な組合せおよび密度の減
少に加えて大なる値の腐食抵抗を得るには総ての合金成
分の注意深い選択を必要とすることが理解されなければ
ならない。例えば、Liが1重量%増加する毎に合金の密
度は約2.4%減少する。従って、もし密度だけが考慮さ
れる場合には、Liの量は最大になされる。しかし、もし
与えられた強度値にて靭性を増加することが望まれる場
合には、Cuが添加されなければならない。しかし、合金
にCuが1重量%添加される毎に密度は0.87%増加し、腐
食および応力腐食による亀裂に対する抵抗が減少する。
同様にMnが1重量%添加される毎に密度が約0.85%増加
する。従って、例えばCuおよびMnのような合金成分の添
加によるリチウムの利点の損失を回避することに注意し
なければならない。従って、リチウムは重量を節約する
ために最も重要な成分ではあるが、その他の成分も強
度、不純物、腐食および応力腐食亀裂抵抗の正しい値を
得るために重要なのである。
【0016】 銅に関しては、特に本発明に使用するため上述の含有
量範囲の銅が存在することは、大なる強度値を保って耐
破壊靭性の損失を低減させることにより合金製品の特性
を向上させ得るのである。すなわち例えば本発明におい
てリチウムに比較して銅は更に大きい靭性および強度の
組合せを与える能力がある。従って、本発明において
は、合金を選択する場合に所望の靭性および強度の両者
のバランスに関して選択を行うことが重要である。何故
ならばこれらの両方の要因は本発明によって独特な靭性
および強度を得るために協働作用するからである。上述
の成分含有範囲は特に銅の制限に対して固執されるもの
である。何故ならば例えば過剰の量は耐破壊靭性に悪影
響を与える望ましくない金属間化合物を形成させるから
である。典型的には、銅は3.0重量%より少なくしなけ
ればならない。しかし、それほど望ましくはない実施例
においては、銅は4.00重量%より少ない量で望ましくは
3.5重量%より少ない量まで増加できる。リチウムおよ
び銅の組合せは、リチウムが少なくとも1.5重量%、望
ましくはそれよりも多いリチウムの量にして、5.5重量
%を超えないようにしなければならない。
【0017】 従って、本発明により、上述した銅に対する含有範囲
を固執することによって、耐破壊靭性、強度、腐食およ
び応力腐食亀裂に対する抵抗が最大になされ得るのであ
る。
【0018】 マグネシウムは、密度を僅かに減少させるからこの点
では有利ではあるが、この種類のアルミニウム合金にお
いては主として強度を増大させる目的で添加される。マ
グネシウムについても前述された含有量制限に固執する
ことが重要である。何故ならば過剰のマグネシウムは、
例えば特に粒子の境界に望ましくない相を形成して耐破
壊靭性に悪影響を与え得るからである。
【0019】 ジルコニウムは結晶粒組織の制御用として望ましい材
料ではあるが、他の結晶粒組織制御材料として典型的に
は0.05〜0.2重量%の範囲でCr,V,Hf,Mn,Tiを含むことが
でき、またHfおよびMnは典型的には0.6重量%までにな
し得る。使用されるZrの値は、再結晶組織または非再結
晶組織の何れが望まれるかに関係する。亜鉛の使用は特
にマグネシウムと組合されて増大された強度値を生じさ
せる。しかし、過剰量の亜鉛は金属間化合物相を形成し
て靭性を劣下させる。
【0020】 亜鉛は重要である。何故ならばマグネシウムとの組合
せによって、亜鉛のない合金に比較して高い値の腐食抵
抗を有する強度の改善された合金を得られるからであ
る。亜鉛の特に有効な量は前述した通りマグネシウムが
0.05〜0.5重量%の範囲にある場合に0.1〜1.0重量%の
範囲である。Mgが0.1〜1重量%の範囲にある時にはMg
およびZnを約0.1から1.0より小さい値の範囲の比に保つ
ことが重要であって、望ましい比は0.2〜0.9の範囲で、
典型的な比は約0.3〜0.8の範囲である。MgのZnに対する
比はMgの重量%が1〜4.0で、Znが0.2〜2.0重量%、望
ましくは0.2〜0.9重量%に制御される場合には1〜6の
範囲になし得るのである。
【0021】 1より小さいMg/Znの比にて加工することは、このよ
うにすると加工製品の異方性が少なく、性質が等方性に
なり、すなわち特性が総ての方向に更に均一になるのを
助ける点で重要である。すなわち、0.2〜0.8の範囲のMg
/Znの比にて加工することは、例えば45゜の方向で改善
された特性を与えるように圧延により生ずる熱間加工組
織の著しく減少された最終製品を得られるようになす。
【0022】 ここで使用される靭性すなわち耐破壊靭性なる用語は
例えば押出し加工製品、鍛造品、シートまたは板材本体
の亀裂またはその他の疵の不安定な生長に対する抵抗を
意味する。
【0023】 1より小さいMg/Znの比はその他の理由でも重要であ
る。すなわちMg/Znの比を1より小さい、例えば0.5に保
持すると、著しく改善された強度および耐破壊靭性が得
られるだけでなく、著しく改善された腐食抵抗が得られ
るのである。例えば、MgおよびZnの含有量がそれぞれ0.
5重量%の場合、腐食に対する抵抗は著しく低下する。
しかし、Mgの含有量が約0.3重量%でZnの含有量が0.5重
量%である場合には、合金は腐食に対する大なる抵抗を
有するようになる。
【0024】 本発明者等は発明理論に固執するのを望まないが、Zn
が添加されると応力を与えられた状態で剥奪作用に対す
る抵抗および亀裂の伝播に対する抵抗が増大すると考え
られるのである。このような性質は、ZnがCuに富んだ析
出物の析出を増大させることによってマトリックス固溶
体からCuの不飽和を促進させることによると考えられて
いる。この作用は溶体電位(solution potential)を
更に高い電気的陰性値に変化させると考えられる。ま
た、Znが粒界にMg−Zn支持相(bearing phase)を形成
し、これが伝播される亀裂と相互作用を行って亀裂の頂
点を鈍くするか、または進行する亀裂を偏向させ、これ
によって負荷を与えられた時に亀裂の伝播に対する抵抗
を改善すると考えられるのである。
【0025】 改善された強度および靭性の組合せは、与えられた強
度値にて更に高い靭性値に向うか、または与えられた靭
性値にて更に高い強度値に向う強度および靭性の間の通
常の逆関係の移動を行う。例えば図3にて、点Aから点
Dに向うことは合金の強度を増大させることは通常附随
する靭性の減少を表わすのである。反対に、点Aから点
Bに向うことは同じ靭性値にて強度の増加を生じさせ
る。従って、点Bは改善された強度および靭性の組合せ
である。また、点Aから点Cに向うことは靭性が減少す
ると共に強度の増加を生じさせるが、強度および靭性の
組合せは点Aに比較して改善されるのである。しかし、
点Dに対して、点Cにおいては靭性が改善され、強度が
大体同じに保たれ、強度および靭性の組合せは改善され
ると考えられる。また、点Dに対して相対的に点Bを考
えると、靭性は改善され、強度は減少されるが、なお強
度および靭性の組合せは改善されると考えられるのであ
る。
【0026】 上述のように合金成分の量を制御して合金製品を提供
するのと同様に、合金が強度および耐破壊靭性の両者の
最も望ましい特性を得られるように特別の方法によって
準備するのが望ましい。従って、ここに説明される合金
は鋳造製品に対して現在利用されている、望ましくは連
続鋳造である鋳造技術によって適当な鍛造製品を製造す
るためのインゴットまたはビレットとして提供され得る
のである。更に、合金は所望の最終製品に関係して0.64
cm(0.25in)〜5.08cm(2in)または7.62cm(3in)また
はそれ以上の厚さに圧延鋳造またはスラブ鋳造されるこ
とができる。合金はまた上述の範囲の組成を有する粉末
アルミニウム合金のような微細粒子から固められたビレ
ットとして用意されることができる。粉末または粒子材
料は微粒化、機械的合金化および溶解スピニングのよう
な方法で製造されることができる。インゴットまたはビ
レットは予め加工または付形されて引続く加工作業のた
めの適当なストックに形成される。主な加工作業の前に
合金ストックは均質化を受けるのが望ましく、また少な
くとも1時間の間482.2〜565.6℃(900〜1050゜F)の範
囲の金属温度に保たれてLi,Cu,ZnおよびMgのような溶解
可能の成分を溶解させて、金属の内部組織を均質化させ
るのである。望ましい時間は均質化温度にて約20時間ま
たはそれ以上である。通常、加熱均質化処理は40時間以
上に延長されてはならないが、時間が長いことは通常有
害ではない。均質化温度における20〜40時間の時間は全
く適当であることが見出されている。加工性を向上させ
るために成分を溶解させることに加えてこの均質化処理
は、最終的な粒子組織を制御するのを助けるMgおよびZr
−支持分散系を析出させると考えられる点で重要であ
る。
【0027】 均質化処理の後で、金属は圧延加工または押出し加工
またはその他の加工作業を施されてシート、板または押
出し加工品またはその他の最終製品に付形するのに適当
なストックを製造できる。シートまたは板状製品を製造
するためには、合金本体がシートに対しては2.54〜6.35
mm(0.1〜0.25in)、板に対しては6.35〜152.4mm(0.25
〜6.0in)の範囲の厚さに熱間圧延されるのが望まし
い。熱間圧延の目的には温度は537.8℃(1000゜F)から
これより低い398.9℃(750゜F)までの範囲でなければ
ならない。金属温度は最初454.4〜523.9℃(850〜975゜
F)の範囲であるのが望ましい。
【0028】 板製品の企図される使用箇所が厚い断面が使用される
翼桁である場合には、熱間圧延以外の通常の作業は不要
である。企図される使用箇所が薄いゲージ寸法を要する
翼または本体パネルである場合には、冷間圧延によるよ
うな更に厚さ低減作業が行われる。このような厚さ低減
は例えば0.254〜6.32mm(0.010〜0.249in)、通常は7.6
2〜2.54mm(0.030〜0.10in)の範囲のシート厚さまで行
われることができる。
【0029】 所望の厚さまで合金本体を加工した後で、シートまた
は板またはその他の加工製品は溶解可能の成分を融解さ
せるために溶体化処理を受ける。この溶体化処理は482.
2〜565.6℃(900〜1050゜F)の範囲の温度で行われるの
が望ましく、非再結晶結晶粒組織を作るのが望ましい。
【0030】 溶体化処理は1組毎または連続的に行われることがで
き、処理時間は1組毎の作業で数時間から連続作業で数
秒間のような短時間まで変化できる。基本的には、単一
相領域への合金の溶体化(solutionizing)は、一度金
属が約482.2〜565.6℃(900〜1050゜F)の溶体化温度に
達した時にはかなり迅速に、例えば30〜60秒のような短
時間に行われることができる。しかし、このような温度
に金属を加熱することは関係する作業の型式によっては
実質的に大なる時間を要する。生産工場におけるシート
製品の1組毎の処理においては、シートは炉内装填で処
理され、全体の炉内装填量を溶体化温度になすのに時間
が必要で、従って、溶液加熱処理は1時間またはそれ以
上の時間、例えば1組毎の溶体化処理では1または2時
間を消費するものである。連続的処理においては、シー
トは単一の帯材として細長い炉を通して連続的に通過さ
れ、著しく加熱速度を増加させることができる。この連
続的な方法は特にシート製品に対して本発明を実施する
のに有利である。何故ならば比較的迅速な加熱および溶
体化温度における短い滞留時間が得られるからである。
従って、本発明者等は1.0分のような短い時間で溶体化
処理を行うことを企図したのである。短い加熱時間を得
るのを更に助けるものとして、所望の金属温度より著し
く高い炉温または炉帯温度が加熱時間を減少させるのに
有効な大なる温度ヘッドすなわち落差を与えるのであ
る。
【0031】 最終製品および製品を製造する作業に必要な所望の強
度および耐破壊靭性および腐食抵抗を更に与えるために
製品は急冷されて後述される強化相の制御されない析出
を阻止または最少にされなければならない。
【0032】 本発明の合金製品が溶体化処理されて急冷された後
で、航空機の部品に甚だ望まれる耐破壊靭性および強度
の組合せを得るように人工時効処理されることができ
る。このことはシートまたは板または付形された製品に
充分な時間の間65.6〜204.4℃(150〜400゜F)の範囲の
温度を与えて更に降伏強度を増大させることにより達成
できる。若干の組成の製品は6,758kg/cm2(95ksi)のよ
うな高い降伏強度まで人工時効処理を行うことができ
る。しかし、有用な強度は3,520〜5,984kg/cm2(50〜85
ksi)であって、板製品に対する対応する耐破壊靭性は
【外1】 の範囲である。人工時効処理は合金製品に少なくとも30
分の間135〜190.66℃(275〜375゜F)の範囲の温度を与
えることによって行われる。適当な時効処理の実施方法
は約162.8℃(約325゜F)の温度で約8〜24時間の処理
を行うものである。更に、本発明による合金製品は、自
然時効および多工程時効処理を含むようなこの技術分野
で公知の典型的な何れかの時効処理を受け得ることが注
目される。また、ここでは単一時効処理が示されている
が、2または3工程時効処理のような多工程時効処理が
行われることもでき、展伸またはこれと等価的な加工が
このような多工程時効処理の前またはそれの一部分の後
でも行われ得るのである。
【0033】 上述の溶体化処理および急冷の後で、改善されたシー
ト、板または押出し加工品およびその他の加工製品は約
1,760〜3,520kg/cm2(25〜50ksi)の降伏強度範囲およ
び約
【外2】 の範囲の耐破壊靭性の値を有することができる。しか
し、強度を改善するために人工時効処理を行うと、耐破
壊靭性が著しく低下することがある。過去において強度
を改善することに附随したこのような耐破壊靭性の損失
を最小にするために溶体化処理されて急冷された合金製
品、特にシート、板または押出し加工品が、室温で例え
ば元の長さの約2〜6%のような1%よりも大なる値の
展伸またはこのような元の長さの1%より大きい展伸と
等価的な加工効果を製品に与えるように展伸以外の加工
または変形を行われなければならないことが見出されて
いる。ここに示された加工効果は圧延および鍛造および
その他の加工作業を含むことを意味する。例えば本発明
の合金のシートまたは板の強度が人工時効処理の前に実
質的に展伸加工を受けることによって実質的に増大さ
れ、またこのような展伸が耐破壊靭性を僅かしか減小さ
せないか、または耐破壊靭性を減小させないことが見出
されている。比較的高強度の合金において、展伸が耐破
壊靭性を著しく低下させる恐れがあることが理解され
る。AA7050を展伸すると、既述のジェー・ティー・スタ
レイによる論文に示されたように靭性および強度の両方
を減小させるのである。AA2024に対しては2%の展伸は
靭性および強度の組合せを展伸されないものよりも増大
させる。しかし、更に大なる展伸を行うと靭性の実質的
な増大は与えられない。従って、靭性−強度の関係を考
慮すると、2%よりも大きくAA2024を展伸させることは
僅かしか利点を与えず、またAA7050を展伸させることは
有害である。これと反対に展伸またはこれと等価的な加
工が人工時効処理と組合されると、著しく増大された耐
破壊靭性および強度の組合せを有する本発明による合金
製品が得られるのである。
【0034】 本発明者等は必ずしも発明理論に固執することを望む
ものではないが、溶体化処理および急冷の後で与えられ
る展伸のような変形または加工が人工的時効処理の後で
リチウム含有準安定析出物の更に均一な分布を生ずると
考えられる。このような準安定析出物は高密度の欠陥
(結晶内転位、結晶内空格子、空格子集団等)の導入の
結果として生じ、これがそれぞれの粒子全体にわたって
これらの析出相(Al2CuLi相の前駆動物質であるT1′の
ような)に対する優先的な核形成場所として使用し得る
ものと考えられるのである。更に、このような方法は、
粒界および亜境界にてAl3Li,AlLi,Al2CuLiおよびAl5CuL
i3のような準安定性の平衡相の核形成を禁止すると考え
られる。また、それぞれの粒子全体にわたって向上され
た均一な析出および減少された粒界の析出の組合せが最
終的な時効処理の前の例えば展伸によるようにして加工
または変形されたアルミニウム−リチウム合金の観察さ
れた通りの更に増大された強度および耐破壊靭性の組合
せを生じさせると考えられる。
【0035】 例えばシートまたは板の場合には、展伸またはこれと
等価的な加工は1%、例えば約2%またはこれより大き
く14%よりも小さいことが望ましい。更に、展伸が約2
〜10%の範囲であるのが望ましく、例えば典型的な増加
は5〜8%であるが、元の長さよりも3.7〜9%の増加
が望ましい。
【0036】 合金のインゴットが圧延鋳造品またはスラブ鋳造品で
ある場合には、鋳造材料は中間の加工処理を有しない
か、または僅かな中間処理だけで展伸またはこれと等価
的な加工を受けて本発明による強度および耐破壊靭性を
得ることができる。
【0037】 本発明の合金製品が加工された後で、人工時効処理を
施されて航空機の部品に甚だ望まれている大なる耐破壊
靭性および強度の組合せを与えるようになし得るのであ
る。
【0038】 ここで使用される比強度とは合金の密度で引張り降伏
強度を割った値である。例えば本発明による合金で作ら
れた板製品は少なくとも1.907×109kg/cm2cm3/kg(0.75
×106ksi in3/lb)で、望ましくは少なくとも2.03×19
9kg/cm2cm3/kg(0.80×106ksi in3/lb)の比強度を有
する。これらの合金は2.543×109kg/cm2cm3/kg(1.00×
106ksi in3/lb)のような高い比強度を発揮する能力を
有する。本発明による加工製品は、使用される熱機械的
処理(thermo−mschanical processing)の形式に関係
して再結晶された粒子組織の形態または再結晶されない
粒子組織の何れでも提供されることができる。再結晶さ
れない粒子組織の板製品が望まれる場合には、合金は既
述のように熱間圧延されて溶体化処理を施されるのであ
る。再結晶された板製品を得ることが望まれる場合に
は、Zrが甚だ低い値、例えば0.05重量%よりも少ないよ
うに保たれて、熱機械的処理が約426.7〜454℃(800〜8
50゜F)の圧延温度で行われ、上述の溶体化処理が行わ
れるのである。再結晶されない粒子組織に対しては、Zr
は0.10重量%以上になされなければならず、熱機械的処
理が2.78℃/分(5゜F/分)より大きくなく、好まし
くは0.56℃/分(1゜F/分)未満の加熱速度を除いて
溶体化処理に使用される。
【0039】 もし低いZr、例えば0.1重量%よりも少ない、典型的
には0.05〜0.08重量%Zrの範囲を有する再結晶されたシ
ートが望まれる場合には、インゴットは先ず上述のよう
な約5.08〜12.7cm(約2〜5in)の範囲のスラブ寸法ま
で熱間圧延される。その後で、371.1〜454.4℃(700〜8
50゜F)の間の温度に再加熱され、その後でシート寸法
まで熱間圧延されるのである。この後で260〜454.4℃
(500〜850゜F)の間の温度で1〜12時間の焼鈍が行わ
れる。然る後に材料は冷間圧延されて少なくとも厚さを
25%減小されてシート製品を形成するようになされる。
次いでシートは前述のように溶体化処理を施され、急冷
され、展伸されて時効処理されるのである。Zr含有量が
約0.12重量%のようにかなり多い場合には、所望の場合
再結晶された粒子組織が得られる。ここでインゴットは
426.7〜537.8℃(800〜1000゜F)の温度で熱間圧延さ
れ、次に約426.7〜454.4℃(800〜850゜F)の温度で約
4〜16時間焼鈍される。その後で冷間圧延されて少なく
とも25%寸法が減小される。シートは次に約5.56℃/分
(10゜F/分)よりも遅くない加熱速度で、すなわち加
熱速度が速くなると更に微小な再結晶粒組織が得られる
ので典型的には111.1℃/分(200゜F/分)のように速
い加熱速度で510〜548.9℃(950〜1020゜F)の範囲の温
度で溶体化処理を施されるのである。シートは次に急冷
され、展伸されて時効処理を受けることができる。
【0040】 例えば本発明によるシート、板および鍛造品のような
加工製品は(100)平面群に沿って固体析出物を生ず
る。この析出物は板状で50〜100オングストロームの範
囲の直径および4〜20オングストロームの厚さを有す
る。この析出物は一般的にGP帯と称され、ここに参考と
して組込まれているようにR・J・リヨジャおよびD・
E・ローリンによって1977年8月の冶金学会報A第8A巻
第1257−61頁に記載された「自然時効処理されたA1−4W
t Pct銅合金におけるGP帯形成の初期段階」と題する論
文に示されている。このGP帯の析出物は、Alマトリック
ス内のCuの溶解度を減少させると考えられているMgおよ
びZnの添加によって生ずると考えられるのである。更に
MgおよびZnはこの準安定強化析出物の核形成を向上させ
ると考えられている。(100)平面上の析出物の1cm3
り数値密度は1×1015−1×1017の範囲で、望ましい範
囲は1×1015より大きく、典型的には5×1015のような
高い値である。これらの析出物は特に短い時効処理時
間、例えば176.7℃(350゜F)で15時間の時効処理時間
の場合、耐破壊靭性を損なうことなく大なる強度値を得
るのを助ける。 本発明の合金はまた押出し加工品および鍛造品に有効
で、例えば図2に示されるような改善された機械的特性
値を有するのである。押出し加工品および鍛造品は典型
的には若干所望の特性およびミクロ組織に関係して315.
6〜537.8℃(600〜1000゜F)の温度の熱間加工で製造さ
れる。 以下の例は本発明を更によく示している。
【0041】
【実施例】
例 1 この例における本発明の合金(表1)が圧延用の適当
なインゴットに鋳造された。合金AはAA2090に対応し、
合金BはAA2090プラス0.3重量%Mgに対応し、合金CはA
A2090プラス0.6重量%Mgに対応する。合金A,BおよびC
は比較の目的で提供された。これらのインゴットは次い
で8時間の間510℃(950゜F)で、その後24時間の間53
7.8℃(1000゜F)にて均質化され、2.54cm(1in)の厚
さに熱間圧延されて548.9℃(1020゜F)で1時間溶体化
処理を施された。これらの試料は急冷され、時効処理さ
れた。他の試料は室温にて元の長さの2%および6%の
展伸を受け、次いで人工時効処理された。展伸されなか
った試料は176.7℃(350゜F)で時効処理された。2%
および6%の展伸を受けた試料は162.8℃(325゜F)で
時効処理された。表2は得られた最大の比強度を示して
いる。展伸され、および展伸されない試料がまた腐食性
能を測定するために時効処理された。EXCO(ASTM G3
4)は高強度2XXX及び7XXXアルミニウム合金の剥離腐食
抵抗を決定するように設計された前浸漬試験である。表
3は、Znに対するMgの比が1よりも小さい合金E,F及び
Gが、何れもZnを含まない合金(合金A,B,C)またはZn
に対するMgの比1を有する合金(合金D)である合金A,
B,C及びDよりも、4日間の加速試験で良好な成績を呈
することを示している。合金A,B,C及びDはEC(苛酷な
剥離腐食)またはED(甚だ苛酷な剥離)の多くの評価
(rating)を受けた。合金Cは特に酷い腐食を受け、全
4つの試料は4日間のEXCOに対する露出の後でEDの評価
を受けた。逆に合金E,F及びGは更に優勢なEA(穏和な
剥離)またはEB(穏やかにされた剥離)である評価を受
けた。これらの3つの合金から唯1つの試料だけがEBよ
りも悪く評価された。このものは合金Eの2%展伸の25
時間時効処理のものであって、これはEDと評価された。
このデータは1よりも小さいMg対Zn比を有するAl−Cu−
Li合金が剥離腐食に対する改善された抵抗を有すること
を示すものである。
【0042】 表5、6及び7はそれぞれ0、2および6%の展伸を
受けたこれらの合金により発揮された強度及び靭性を列
挙している。図1は改善された腐食抵抗、強度及び靭性
の組合せを有する合金E,F及びGの特性を示している。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】 例 2 この例における本発明の合金は、548.9℃(1020゜F)
にて1時間溶体化処理を受ける前に2.54cm(1in)でな
く3.81cm(1.5in)の厚さの板に熱間圧延されたこと以
外に例1のものと同じであった。試料は急冷されて176.
7℃(350゜F)にて20〜30時間人工時効処理された。1
よりも小さいMg対Zn比を有する合金E,F及びGは、何れ
もZnを含まない(合金A,B,C)または1のMgに対するZn
比を有する(合金D)の合金A,B,C及びDよりも更に良
好な応力腐食割れ抵抗(SCC)を有していた。応力腐食
割れ試験の結果はまた試験の手続きの説明を含む表4に
列挙されている。
【0046】 3.5重量%NaCl溶液(ASTM G44)の別の浸漬試験は普
通ASTM G47に対する高強度アルミニウム合金の応力腐
食割れ性能を評価するのに使用されている。この表にお
いて、合金E,F及びGが他の4つの合金に対して更に優
れたSCC抵抗を有することが判る。何故ならば合金E,F及
びGからの試料が総て30日間2,800kg/cm2(40,000psi)
における別の浸漬試験で総て残存していたからである。
これらの群の間の1つの相違点はZnに対するMgの比であ
って、これが1よりも小さく(重量で)、応力腐食に対
する大なる抵抗を与えたのである。
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】 例 3 この試料は本発明の合金から作られた鍛造品が改善さ
れた腐食抵抗、強度および耐破壊靭性の組合せを有する
ことを示している。この例の合金は例1のものと同じ
で、インゴットもまた例1と同様にして準備された。試
料は熱間押出しおよび鍛造によってこれらのインゴット
から用意された。 鍛造された試料は548.9℃(1020゜F)にて1時間溶体
化処理を施され、次に20〜40時間176.7℃(350゜F)で
人工時効処理された。1よりも小さいMg対Zn比を有する
合金E,FおよびGはZnを含まない合金(合金A,B,C)また
は1のMg対Zn比を有する合金(合金D)である合金A,B,
CおよびDよりも応力腐食割れ(SCC)に対するより良好
な抵抗を有していた。合金E,FおよびGは総て2,800kg/c
m2(40,000psi)にて交互浸漬を行い20日間良好な状態
であった。応力腐食割れの結果は表8に列挙されてい
る。強度および耐破壊靭性の結果は表9に示されてい
る。
【0050】
【表5】
【0051】
【表6】
【0052】
【表7】
【0053】
【表8】
【0054】
【表9】
【0055】 本発明は望ましい実施例について説明されたが、特許
請求の範囲が本発明の精神に入るその他の実施例を広く
包含するように企図されているものである。
【0056】
【発明の効果】
本発明は上述のように構成されているから、適当に構
成成分を選択して溶体化処理、展伸に加えて時効処理を
適当に施すことによって従来のリチウム含有Al基合金の
欠点を排除して強度および耐破壊靭性の両者を向上させ
得る特に航空機に使用するのに適したAl基合金およびそ
の加工製品および製造方法を提供できる優れた効果が得
られるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による合金の強度および耐破壊靭性をプロットし
た図面。
【図2】 本発明による合金の時効期間に対してプロットされた強
度を示す図面(図中、L,STは試験片の採取方向を示す。
JIS参照)。
【図3】 上方および右方への移動が靭性降伏強度の改善された組
合せを示すようになされた種々の靭性降伏強度の関係を
示す図面。
フロントページの続き (72)発明者 エドワード エル.コルビン アメリカ合衆国 ペンシルバニア州 ピ ッツバーグ,リビングストンアベニュー 211 (72)発明者 アスリ ケイ.バスデバン アメリカ合衆国 バージニア州 ハーン ドン,プレザントグレン コート 13241 (72)発明者 フィリップ イー.バーツ アメリカ合衆国 ペンシルバニア州 ピ ッツバーグ,グロウブ クレストドライ ブ 1713 (56)参考文献 特開 昭62−164859(JP,A) 特開 昭62−124253(JP,A) 特開 昭61−23751(JP,A) 特開 昭59−64735(JP,A) 特開 昭63−266037(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 21/00 - 21/18 C22F 1/04 - 1/057

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】改善された組合せの強度、腐食抵抗および
    破壊靭性を有する加工製品の成形に適したAl基合金にお
    いて、Li:0.2〜5.0重量%、Mg:0.05〜6.0重量%、Cu:2.
    45〜5.0重量%、Zr:0.01〜0.16重量%、Zn:0.05〜12重
    量%、Fe:最大0.5重量%、Si:最大0.5重量%、および残
    部としてのAlと付随的不純物から成り、Mg量とZn量の比
    (Mg/Zn)が1未満であるAl基合金。
  2. 【請求項2】前記Al基合金の合金成分であるLi、Mg、Z
    n、ZrおよびCuのうちの1種以上が、以下の規定条件 Li:1.5〜3.0重量%、 Mg:0.2〜2.5重量%、 Zn:0.2〜11重量%、 Zr:0.05〜0.12重量%、 Cu:2.55〜2.90重量%に従う請求項1に記載されたAl基
    合金。
  3. 【請求項3】前記Al基合金の合金成分であるLi、Mg、Z
    n、ZrおよびCuのうちの1種以上が、以下の規定条件 Li:1.8〜2.5重量%、 Mg:0.2〜2.0重量%、 Zn:0.2〜2.0重量%、 Zr:0.05〜0.12重量%、 Cu:2.55〜2.90重量%に従う請求項1に記載されたAl基
    合金。
  4. 【請求項4】前記Al基合金製品が改善された組合せの強
    度、腐食抵抗および破壊靭性を有し、 前記Al基合金が2.45重量%を超えるCuを含有し、前記Al
    基合金のMg量が0.1〜1.0重量%である場合に該Al基合金
    のMg量とZn量の比(Mg/Zn)が0.1以上、1.0未満である
    請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載された
    Al基合金。
  5. 【請求項5】改善された組合せの強度、腐食抵抗および
    破壊靭性を有するAl基合金製品の製造方法において、 Li:0.2〜5.0重量%、Mg:0.05〜6.0重量%、Cu:2.45
    〜2.95重量%、Zr:0.05〜0.12重量%、Zn:0.05〜12重量
    %、Fe:最大0.5重量%、Si:最大0.5重量%、および残部
    としてのAlと付随的不純物から成り、Mg量とZn量の比
    (Mg/Zn)が1未満である、Liを含むAl基合金製品を用
    意する段階と、 室温で塑性加工を施し、その後時効処理を行い、も
    って前記Al基合金製品に、改善された組合せの強度、耐
    腐食性および破壊靭性を与える段階とを含むAl基合金製
    品の製造方法。
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