JP2022504905A - 標的化療法に対する応答を予測するためのバイオマーカーとしての単独の又は免疫マーカーと組み合わせた腫瘍突然変異負荷 - Google Patents

標的化療法に対する応答を予測するためのバイオマーカーとしての単独の又は免疫マーカーと組み合わせた腫瘍突然変異負荷 Download PDF

Info

Publication number
JP2022504905A
JP2022504905A JP2021520403A JP2021520403A JP2022504905A JP 2022504905 A JP2022504905 A JP 2022504905A JP 2021520403 A JP2021520403 A JP 2021520403A JP 2021520403 A JP2021520403 A JP 2021520403A JP 2022504905 A JP2022504905 A JP 2022504905A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
score
patient
tmb
mek
braf
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021520403A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2020079581A5 (ja
Inventor
クリストフ ブレース,ジャン
ギャレット,ジェームス
キャンベル,カタリナ
Original Assignee
ノバルティス アーゲー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ノバルティス アーゲー filed Critical ノバルティス アーゲー
Publication of JP2022504905A publication Critical patent/JP2022504905A/ja
Publication of JPWO2020079581A5 publication Critical patent/JPWO2020079581A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6876Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes
    • C12Q1/6883Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes for diseases caused by alterations of genetic material
    • C12Q1/6886Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes for diseases caused by alterations of genetic material for cancer
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q2600/00Oligonucleotides characterized by their use
    • C12Q2600/106Pharmacogenomics, i.e. genetic variability in individual responses to drugs and drug metabolism
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q2600/00Oligonucleotides characterized by their use
    • C12Q2600/156Polymorphic or mutational markers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q2600/00Oligonucleotides characterized by their use
    • C12Q2600/158Expression markers

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Hospice & Palliative Care (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

本発明は、がん(例えばメラノーマ)治療に対する応答を予測するため、(例えば、標的化療法剤を使用する、例えばBRAF及び/又はMEK阻害剤を使用する)がん患者に対する治療を選択するため、がん患者を異なる治療群に層別化するため、がん患者を治療するため、且つがんにおける臨床成績を予測するための、バイオマーカーの使用に関する。

Description

本発明は、がん(例えばメラノーマ)治療に対する応答を予測するため、(例えば標的化療法剤(targeted therapy)を使用する、例えばBRAF及び/又はMEK阻害剤を使用する)がん患者に対する治療を選択するため、がん患者を異なる治療群に層別化するため、がん患者を治療するため、且つがんにおける臨床成績を予測するための、バイオマーカーの使用に関する。
がんは、世界中の死亡の主因であり、1年あたり800万を超える死亡を占める。メラノーマは、色素産生細胞の制御されない増殖から生じる悪性腫瘍である。メラノーマは、最も一般的ながんの1つであり、その有病率は上昇しており、皮膚がん死の大半がメラノーマに起因する。
化学療法及び放射線のような伝統的ながん治療法を別にして、がんを治療するための新たな方法が開発されている。それらの中に、標的化療法及び免疫腫瘍学療法が含まれる。標的化療法は、腫瘍に特異的である成長のドライバーを阻害することにより作用する、小分子阻害剤及び腫瘍標的化抗体を含む。免疫腫瘍学療法は、患者の免疫系を活性化し、抗腫瘍免疫をもたらすという概念に基づく。チェックポイント阻害は、T細胞を抑制する機能を有する阻害シグナル伝達経路に対して作用する免疫腫瘍学療法である。この抑制がチェックポイント阻害により排除されるとき、これは抗腫瘍T細胞活性を解放し得る。
がんが極めて迅速に成長し、転移し得、外科的切除単独が未検出の播種性腫瘍細胞の存在に起因して治癒にとって十分でないことがあるため、メラノーマ(ステージI~IV)を有するがん患者に対する正しい治療法を見出すことは重大である。標的化療法及び免疫腫瘍学療法は双方とも、進行メラノーマ(ステージIV)において十分に確立されており、最近、早期ステージIIIメラノーマにおいても認可された(アジュバント状況)。両方の治療法が早期及び進行メラノーマにおける貴重な治療オプションであることから、免疫腫瘍学及び標的化療法に対する応答者を同定することは重要である。
腫瘍突然変異負荷(TMB)は、腫瘍ゲノムのコード領域内の体細胞突然変異の数を測定する、ゲノムバイオマーカーである。TMBのレベルは、近年、免疫腫瘍治療に対する応答に関連することが見出されたが、免疫腫瘍治療に対する応答を予測するため、使用されてもよい。TMBレベルと免疫腫瘍治療に対する応答との関連性に関する基礎は、高いTMBレベルから、免疫細胞に対するネオ抗原として交差提示され得、最終的に免疫系の活性化をもたらす、免疫原性非同義突然変異が存在するという可能性が高まる点である。チェックポイント阻害剤で抑制されたT細胞活性を解放した後、高い腫瘍突然変異負荷を有する腫瘍に対する持続可能な免疫応答についての可能性が高まり、IO療法応答に対する予測マーカーとしてのTMBについての良好な理論的根拠が得られる。TMBレベルを測定するための方法は、国際公開第2018/068028号パンフレットに開示されており、それら全体が本明細書で参照により援用される。標的化療法剤(例えば、メラノーマにおけるBRAF及び/又はMEK阻害剤)の場合、予測マーカーは確立されておらず、TMBは、アジュバント状況下のBRAF及び/又はMEK阻害剤で治療された患者において分析されていない。
本発明に従い、現在、例えば低いTMBレベルを有するメラノーマ患者などのがん患者が標的化療法剤からより大きい利益を有することが発見されている。免疫腫瘍治療薬(immuno-oncology therapy)からの利益を予測するため、典型的には高いTMBレベルを用いることができる場合、これはTMB及び免疫腫瘍治療薬について公知であったことに抗するものである。
本発明は、がん治療、例えばメラノーマ治療に対する応答を予測するため、がん患者、例えばメラノーマ患者に対する治療を選択するため、がん患者、例えばメラノーマ患者を異なる治療群に層別化するため、がん患者、例えばメラノーマ患者を治療するため、及び例えばメラノーマの臨床成績を予測するためのバイオマーカーとして、TMBを提供する。
一態様では、本発明は、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤から利益を得ることがあるメラノーマ患者を同定する方法であって、患者からのサンプル中の腫瘍突然変異負荷(TMB)をスコア化することを含み、ここで低いTMBスコアから、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤から利益を得ることがある患者として患者が同定される、方法を提供する。
別の態様では、本発明は、メラノーマ患者に対する治療を選択する方法であって、患者からのサンプル中のTMBをスコア化することを含み、ここで低いTMBスコアから、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤から利益を得ることがある患者として患者が同定される、方法を提供する。
別の態様では、本発明は、メラノーマ患者を治療する方法であって、(a)TMBスコアが低い場合、患者からのサンプル中のTMBをスコア化することと、(b)BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤を有効量で患者に投与することと、を含む方法を提供する。
別の態様では、本発明は、メラノーマ患者を治療する方法であって、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤を有効量で患者に投与することを含み、ここで投与に先立ち、低いTMBスコアが患者からのサンプルから判定されている、方法を提供する。
別の態様では、本発明は、メラノーマ患者をBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤で治療する方法であって、ここで前記患者のメラノーマが低いTMBスコアを有するものとして特徴づけられる、方法を提供する。
別の態様では、本発明は、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤による治療を意図したメラノーマ患者を選択するための予測マーカーとしてのTMBの使用であって、患者のサンプルが低いTMBスコアを有するものとして判定される場合、患者が前記治療により治療される、使用を提供する。
別の態様では、本発明は、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤から利益を得ることがあるメラノーマ患者を同定する方法であって、患者からのサンプル中のi)TMB及びii)免疫活性化をスコア化することを含み、ここで高い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコアから、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤から利益を得ることがある患者として患者が同定される、方法を提供する。
別の態様では、本発明は、メラノーマ患者に対する治療を選択する方法であって、患者からのサンプル中のi)TMB及びii)免疫活性化レベルをスコア化することを含み、ここで高い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコアから、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤から利益を得ることがある患者として患者が同定される、方法を提供する。
別の態様では、本発明は、メラノーマ患者を治療する方法であって、(a)TMB及び免疫活性化スコアの双方が高い場合、患者からのサンプル中のi)TMB及びii)免疫活性化レベルをスコア化することと、(b)BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤を有効量で患者に投与することと、を含む方法を提供する。
別の態様では、本発明は、メラノーマ患者を治療する方法であって、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤を有効量で患者に投与することを含み、ここで投与に先立ち、高い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコアが患者からのサンプルから判定されている、方法を提供する。
別の態様では、本発明は、メラノーマを有する患者をBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む治療により治療する方法であって、ここで患者のメラノーマが高い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコアを有するものとして特徴づけられる、方法を提供する。
別の態様では、本発明は、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む療法による治療を意図したメラノーマ患者を選択するための予測マーカーとしてのTMB及び免疫活性化の使用であって、患者のサンプルが高い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコアを有するものとして判定される場合、患者が前記治療により治療される、使用を提供する。
別の態様では、本発明は、メラノーマ患者を、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤から利益を得ることがある第1の群と免疫腫瘍治療薬から利益を得ることがあるもう1つの群との2群に層別化する方法であって、患者からのサンプル中のi)TMB及びii)免疫活性化レベルをスコア化することを含み、ここでBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤から利益を得ることがある患者が、高い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコア又は免疫活性化スコアと無関係に低いTMBスコアのいずれかを有する一方で、免疫腫瘍治療薬から利益を得ることがある患者が、低い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコアを有する、方法を提供する。
別の態様では、本発明は、治療を選択するため、メラノーマ患者を2群に層別化する方法であって、患者からのサンプル中のi)TMB及びii)免疫活性化レベルをスコア化することを含み、ここで高い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコア又は免疫活性化スコアと無関係に低いTMBスコアから、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤から利益を得ることがある患者が同定される一方で、低い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコアから、標的化療法剤に対してあまり持続的でない応答を有する患者として患者が同定される、方法を提供する。肺がんにおける公表されたデータセットは、これら患者が免疫腫瘍治療薬から利益を得ることがあることを示唆する。
別の態様では、本発明は、メラノーマ患者を治療する方法であって、(a)患者からのサンプル中のi)TMB及びii)免疫活性化レベルをスコア化することと、(b)治療薬(therapy)を有効量で患者に投与することと、を含み、ここで治療薬が、高い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコア又は免疫活性化スコアと無関係に低いTMBスコアを有する患者に対するBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤であり、且つ治療薬が、低い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコアを有する患者に対する免疫腫瘍治療薬である、方法を提供する。
別の態様では、本発明は、メラノーマ患者を治療する方法であって、(a)投与に先立ち、高い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコア又は免疫活性化スコアと無関係に低いTMBスコアが患者からのサンプルから判定されている場合の、有効量のBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤、又は(b)投与に先立ち、低い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコアが患者からのサンプルから判定されている場合の、有効量の免疫腫瘍治療薬、のいずれかを患者に投与することを含む、方法を提供する。
別の態様では、本発明は、メラノーマを有する患者を、(a)前記患者のメラノーマが高い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコア又は免疫活性化スコアと無関係に低いTMBスコアを有するものとして特徴づけられる場合の、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤、又は(b)前記患者のメラノーマが低い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコアを有するものとして特徴づけられる場合の、免疫腫瘍治療薬、のいずれかで治療する方法を提供する。
別の態様では、本発明は、(a)前記患者のメラノーマが高い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコア又は免疫活性化スコアと無関係に低いTMBスコアを有するものとして特徴づけられる場合の、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤、又は(b)前記患者のメラノーマが低い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコアを有するものとして特徴づけられる場合の免疫腫瘍治療薬、のいずれかによる治療を意図したメラノーマ患者を選択するための予測マーカーとしてのTMB及び免疫活性化の使用を提供する。
別の態様では、本発明は、メラノーマ患者を、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤から利益を得ることがある第1の群と、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤と免疫腫瘍治療薬との組み合わせから利益を得ることがある第2の群との2群に層別化する方法であって、患者からのサンプル中のTMBをスコア化することを含み、ここでBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤から利益を得ることがある患者が低いTMBスコアを有する一方で、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤と免疫腫瘍治療薬との組み合わせから利益を得ることがある患者が高いTMBスコアを有する、方法を提供する。
別の態様では、本発明は、治療を選択するため、メラノーマ患者を2群に層別化する方法であって、患者からのサンプル中のTMBをスコア化することを含み、ここで低いTMBスコアから、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤から利益を得ることがある患者が同定される一方で、高いTMBスコアから、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤と免疫腫瘍治療薬との組み合わせから利益を得ることがある患者として患者が同定される、方法を提供する。
別の態様では、本発明は、メラノーマ患者を治療する方法であって、(a)患者からのサンプル中のTMBをスコア化することと、(b)治療薬を有効量で患者に投与することと、を含み、ここで治療薬が、低いTMBスコアを有する患者に対するBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤であり、且つ治療薬が、高いTMBスコアを有する患者に対するBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤と免疫腫瘍治療薬との組み合わせである、方法を提供する。
別の態様では、本発明は、メラノーマ患者を治療する方法であって、(a)投与に先立ち、低いTMBスコアが患者からのサンプルから判定されている場合の、有効量のBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤、又は(b)投与に先立ち、高いTMBスコアが患者からのサンプルから判定されている場合の、有効量のBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤と免疫腫瘍治療薬との組み合わせ、のいずれかを患者に投与することを含む、方法を提供する。
別の態様では、本発明は、メラノーマを有する患者を治療する方法であって、(a)前記患者のメラノーマが低いTMBスコアを有するものとして特徴づけられる場合の、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤、又は(b)前記患者のメラノーマがTMBスコアを有するものとして特徴づけられる場合の、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤と免疫腫瘍治療薬との組み合わせ、のいずれかによる、方法を提供する。
別の態様では、本発明は、免疫腫瘍治療薬と組み合わせたBRAF及び/又はMEK阻害剤を含む標的化療法剤による治療を意図したメラノーマ患者を選択するための予測マーカーとしてのTMBの使用であって、前記患者からのサンプル中のTMBをスコア化することを含み、ここで標的化療法剤がBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含み、且つ免疫腫瘍治療薬がPD-1又はPD-L1結合アンタゴニストである、使用を提供する。
別の態様では、本発明は、メラノーマ患者を、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤から利益を得ることがある第1の群と、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤と免疫腫瘍治療薬との組み合わせから利益を得ることがある第2の群との2群に層別化する方法であって、患者からのサンプル中のi)TMB及びii)免疫活性化レベルをスコア化することを含み、ここでBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤から利益を得ることがある患者が低い免疫活性化スコアを伴う低いTMBスコアを有する一方で、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤と免疫腫瘍治療薬との組み合わせから利益を得ることがある患者が、高い免疫活性化スコアを伴う低いTMBスコア又は免疫活性化スコアと無関係に高いTMBスコアのいずれかを有する、方法を提供する。
別の態様では、本発明は、治療を選択するため、メラノーマ患者を2群に層別化する方法であって、患者からのサンプル中のi)TMB及びii)免疫活性化レベルをスコア化することを含み、ここで低い免疫活性化スコアを伴う低いTMBスコアから、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤から利益を得ることがある患者が同定される一方で、高い免疫活性化スコアを伴う低いTMBスコア又は免疫活性化スコアと無関係に高いTMBスコアのいずれかから、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤と免疫腫瘍治療薬との組み合わせから利益を得ることがある患者として患者が同定される、方法を提供する。
別の態様では、本発明は、メラノーマ患者を治療する方法であって、(a)患者からのサンプル中のi)TMB及びii)免疫活性化レベルをスコア化することと、(b)治療薬を有効量で患者に投与することと、を含み、ここで治療薬が、低い免疫活性化スコアを伴う低いTMBスコアを有する患者に対するBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤であり、且つ治療薬が、高い免疫活性化スコアを伴う低いTMBスコア又は免疫活性化スコアと無関係に高いTMBスコアのいずれかを有する患者に対するBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤と免疫腫瘍治療薬との組み合わせである、方法を提供する。
別の態様では、本発明は、メラノーマ患者を治療する方法であって、(a)投与に先立ち、低い免疫活性化スコアを伴う低いTMBスコアが患者からのサンプルから判定されている場合の、有効量のBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤、又は(b)投与に先立ち、高い免疫活性化スコアを伴う低いTMBスコア又は免疫活性化スコアと無関係に高いTMBスコアのいずれかが患者からのサンプルから判定されている場合の、有効量のBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤と免疫腫瘍治療薬との組み合わせ、のいずれかを患者に投与することを含む、方法を提供する。
別の態様では、本発明は、メラノーマを有する患者を、(a)前記患者のメラノーマが低い免疫活性化スコアを伴う低いTMBスコアを有するものとして特徴づけられる場合の、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤、又は(b)前記患者のメラノーマが高い免疫活性化スコアを伴う低いTMBスコア又は免疫活性化スコアと無関係に高いTMBスコアのいずれかを有するものとして特徴づけられる場合の、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤と免疫腫瘍治療薬との組み合わせ、のいずれかで治療する方法を提供する。
別の態様では、本発明は、免疫腫瘍治療薬と組み合わせたBRAF及び/又はMEK阻害剤を含む標的化療法剤による治療を意図したメラノーマ患者を選択するための予測マーカーとしてのTMB及び免疫活性化の使用であって、前記患者からのサンプル中のi)TMB及びii)免疫活性化レベルをスコア化することを含み、ここで標的化療法剤がBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含み、且つ免疫腫瘍治療薬がPD-1又はPD-L1結合アンタゴニストである、使用を提供する。
図1:Combi-AD試験の患者368名における標的化配列決定により検出されたTMB。患者をTMB-低及びTMB-高サブグループに分類するため、異なるTMBカットオフ:中央値(a)、10(b)、及び16(c)が使用された。TMB-低として分類された患者において、より大きい治療利益が認められた。PBO=プラセボ、trt=治療(ダブラフェニブ/トラメチニブ)、RFS=無再発生存期間。 (上記の通り。) (上記の通り。) 目的の以下サブグループ:TMB-低、ダブラフェニブ/トラメチニブ群(灰色曲線)、TMB-高、ダブラフェニブ/トラメチニブ群(灰色点線曲線)、TMB-高、プラセボ群(黒色点線曲線)、TMB-低、プラセボ群(黒色曲線)における24か月後のRFS率(y軸)に対する患者368名における利用可能なTMBデータに基づく異なるTMBカットオフ(x軸)。選択されたTMBカットオフと独立に、低いTMBレベルを有するサブグループにおいて、ダブラフェニブ及びトラメチニブに対する良好な応答が認められた(灰色曲線対黒色曲線の比較)一方で、高いTMBレベルを有する患者において、あまり明白でない応答が認められた(灰色点線曲線対黒色点線曲線の比較)。 図3:Combi-AD試験の患者301名における標的化配列決定により検出されたTMB(DNA-seq及びRNAデータが利用可能)。患者をTMB-低及びTMB-高サブグループに分類するため、異なるTMBカットオフ:中央値(a)、10(b)、及び16(c)が使用された。TMB-低として分類された患者において、より大きい治療利益が認められた。PBO=プラセボ、trt=治療(ダブラフェニブ/トラメチニブ)。RFS=無再発生存期間。 (上記の通り。) (上記の通り。) 図4:Combi-AD試験の患者301名におけるTMB及びIFN-γ遺伝子発現シグネチャー結果(カスタマイズされたナノストリングパネル)(DNA-seq及びRNAデータが利用可能)。患者は、TMB高(上から3番目、1/3分位)対TMB低及びIFN-γ低対IFN-γ高(中央値折半はIFN-γシグネチャー用に使用された)に分類された。すべてのTMB/IFN-γサブグループ中のD+T群対Pbo群におけるRFSの探索的分析により、低いTMB又は高いTMB/高いIFN-γが、高いTMB/低いIFN-γよりも大きいRFSの利益に関連することがあることが示唆された。PBO=プラセボ、trt=治療(ダブラフェニブ/トラメチニブ).RFS=無再発生存期間。 (上記の通り。) (上記の通り。) (上記の通り。) 図5:Combi-AD試験の患者301名におけるTMB及びT細胞/CD8遺伝子発現シグネチャー結果(カスタマイズされたナノストリングパネル)(DNA-seq及びRNAデータが利用可能)。患者は、TMB高(上から3番目、1/3分位)対TMB低及びT細胞/CD8低対T細胞/CD8高(中央値折半はT細胞/CD8シグネチャー用に使用された)に分類された。すべてのTMB/T細胞/CD8サブグループ中のD+T群対Pbo群におけるRFSの探索的分析により、低いTMB又は高いTMB/高いT細胞/CD8が、高いTMB/低いT細胞/CD8よりも大きいRFSの利益に関連することがあることが示唆された。PBO=プラセボ、trt=治療(ダブラフェニブ/トラメチニブ).RFS=無再発生存期間。 (上記の通り。) (上記の通り。) (上記の通り。) 図6:Combi-AD試験の患者301名におけるTMB及びPD-L1遺伝子発現レベル(カスタマイズされたナノストリングパネル)(DNA-seq及びRNAデータが利用可能)。患者は、TMB高(上から3番目、1/3分位)対TMB低及びPD-L1低対PD-L1高(中央値折半PD-L1遺伝子発現レベル用に使用された)に分類された。すべてのTMB/T細胞/CD8サブグループ中のD+T群対Pbo群におけるRFSの探索的分析により、低いTMB又は高いTMB/高いPD-L1が、高いTMB/低いPD-L1よりも大きいRFSの利益に関連することがあることが示唆された。PBO=プラセボ、trt=治療(ダブラフェニブ/トラメチニブ).RFS=無再発生存期間。 (上記の通り。) (上記の通り。) (上記の通り。)
導入
本発明は、がん、特にメラノーマを治療し、診断する方法及び組成物を提供する。本発明は、少なくとも部分的には、がん患者を診断するため、がん患者、例えばメラノーマ患者がBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤を含むがん治療による治療に応答する可能性があるか否かを判定するため、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤を含むがん治療薬、例えばメラノーマ治療薬の治療効果を最適化するため、且つBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤を含むがん治療、例えばメラノーマ治療を意図した患者を選択するため、腫瘍における体細胞突然変異のレベルを測定し、腫瘍突然変異負荷(TMB)スコアを導くことが、がん患者、例えばメラノーマ患者の治療におけるバイオマーカー(例えば予測バイオマーカー)として用いることができるという発見に基づく。
一態様では、本発明は、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤から利益を得ることがあるメラノーマ患者を同定する方法であって;患者からのサンプル中の腫瘍突然変異負荷(TMB)をスコア化すること含み、ここで低いTMBスコアから、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤から利益を得ることがある患者として患者が同定される、方法を提供する。
特に指示のない限り、用語「BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤」は、好ましくは、BRAF阻害剤及びMEK阻害剤、例えばダブラフェニブ及びトラメチニブ、又は例えばベムラフェニブ及びコビメチニブなどを指す。特定の一実施形態では、BRAF阻害剤はダブラフェニブであり、且つMEK阻害剤はトラメチニブである。
特に指示のない限り、用語「メラノーマ」は、好ましくはBRAF V600突然変異体メラノーマを指す。メラノーマは、ステージI、II、III、IVのメラノーマ、好ましくはステージII、III又はIVであり得る。
特に指示のない限り、用語「治療」は、好ましくは、高度な設定での一次治療、二次治療、三次治療、若しくは四次治療若しくはそれを超える治療、又はアジュバント若しくはネオアジュバント治療を指す。
特に指示のない限り、低いTMBスコアは、好ましくは、5以下、6以下、7以下、8以下、9以下、10以下、11以下、12以下、13以下、14以下、15以下、又は16以下の突然変異/メガベース(突然変異/Mb)、より好ましくは、9以下、10以下、又は11以下の突然変異/Mb、より好ましくは10以下の突然変異/Mb又は11以下の突然変異/Mbであり、高いTMBスコアは、好ましくは、5超、6超、7超、8超、9超、10超、11超、12超、13超、14超、15超、又は16超の突然変異/Mb、より好ましくは9超、10超、又は11超の突然変異/Mb、より好ましくは10超の突然変異/Mb又は11超の突然変異/Mbである。
別の態様では、本発明は、メラノーマ患者に対する治療を選択する方法であって;患者からのサンプル中のTMBをスコア化することを含み、ここで低いTMBスコアから、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤から利益を得ることがある患者として患者が同定される、方法を提供する。
2つの先行する態様のいずれか1つのいくつかの実施形態では、TMBスコアは低く、且つ該方法は、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤を有効量で患者に投与することをさらに含む。
別の態様では、本発明は、メラノーマ患者を治療する方法であって、(a)患者からのサンプル中のTMBをスコア化することと、TMBスコアが低い場合、(b)BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤を有効量で患者に投与することと、を含む方法を提供する。
別の態様では、本発明は、メラノーマ患者を治療する方法であって、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤を有効量で患者に投与することを含み、ここで投与に先立ち、低いTMBスコアが患者からのサンプルから判定されている、方法を提供する。
別の態様では、本発明は、メラノーマ患者をBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤で治療する方法であって、ここで前記患者のメラノーマが低いTMBスコアを有するものとして特徴づけられる、方法を提供する。
別の態様では、本発明は、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤による治療を意図したメラノーマ患者を選択するための予測マーカーとしてのTMBの使用であって、ここで患者のサンプルが低いTMBスコアを有するものとして判定される場合、患者が前記治療により治療される、使用を提供する。
別の態様では、本発明は、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤から利益を得ることがあるメラノーマ患者を同定する方法であって、患者からのサンプル中のi)TMB及びii)免疫活性化レベルのレベルをスコア化することを含み、ここで高い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコアから、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤から利益を得ることがある患者として患者が同定される、方法を提供する。
特に指示のない限り、免疫活性化レベルは、好ましくは、腫瘍浸潤リンパ球、PD-L1、CD8、IFNy、又はT細胞炎症性遺伝子発現シグネチャーを測定することにより評価される。
別の態様では、本発明は、メラノーマ患者に対する治療を選択する方法であって、患者からのサンプル中のi)TMB及びii)免疫活性化レベルをスコア化することを含み、ここで高い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコアから、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤から利益を得ることがある患者として患者が同定される、方法を提供する。
先行する2つの態様のいずれか1つのいくつかの実施形態では、TMB及び免疫活性化スコアの双方が高く、且つ該方法は、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤を有効量で患者に投与することをさらに含む。
別の態様では、本発明は、メラノーマ患者を治療する方法であって、(a)患者からのサンプル中のi)TMB及びii)免疫活性化レベルをスコア化することと、TMB及び免疫活性化スコアの双方が高い場合、(b)BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤を有効量で患者に投与することと、を含む、方法を提供する。
別の態様では、本発明は、メラノーマ患者を治療する方法であって、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤を有効量で患者に投与することを含み、ここで投与に先立ち、高い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコアが患者からのサンプルから判定されている、方法を提供する。
別の態様では、本発明は、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む治療によりメラノーマを有する患者を治療する方法であって、ここで患者のメラノーマが高い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコアを有するものとして特徴づけられる、方法を提供する。
別の態様では、本発明は、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む療法による治療を意図したメラノーマ患者を選択するための予測マーカーとしてのTMB及び免疫活性化の使用であって、患者のサンプルが高い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコアを有するものとして判定される場合、患者が前記治療により治療される、使用を提供する。
別の態様では、本発明は、メラノーマ患者を、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤から利益を得ることがある第1の群と免疫腫瘍治療薬から利益を得ることがあるもう1つの群との2群に層別化する方法であって、患者からのサンプル中のi)TMB及びii)免疫活性化レベルをスコア化することを含み、ここでBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤から利益を得ることがある患者が、高い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコア又は免疫活性化スコアと無関係に低いTMBスコアのいずれかを有する一方で、免疫腫瘍治療薬から利益を得ることがある患者が、低い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコアを有する、方法を提供する。
特に指示のない限り、用語「免疫腫瘍治療薬」は、好ましくは、単剤又は別の免疫腫瘍治療薬(例えば抗CTLA4)との組み合わせのいずれかでのPD-1又はPDL-1結合アンタゴニストを指す。
別の態様では、本発明は、治療を選択するため、メラノーマ患者を2群に層別化する方法であって、患者からのサンプル中のi)TMB及びii)免疫活性化レベルをスコア化することを含み、ここで高い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコア又は免疫活性化スコアと無関係に低いTMBスコアから、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤から利益を得ることがある患者が同定される一方で、低い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコアから、免疫腫瘍治療薬から利益を得ることがある患者として患者が同定される、方法を提供する。
先行する2つの態様のいずれか1つのいくつかの実施形態では、(a)高い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコア又は免疫活性化スコアと無関係に低いTMBスコアが判定されており、且つ該方法がBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤を有効量で患者に投与することをさらに含む、又は(b)低い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコアが判定されており、且つ該方法が免疫腫瘍治療薬を有効量で患者に投与することをさらに含む、のいずれかが言える。
別の態様では、本発明は、メラノーマ患者を治療する方法であって、(a)患者からのサンプル中のi)TMB及びii)免疫活性化レベルをスコア化することと、(b)治療薬を有効量で患者に投与することと、を含み、ここで治療薬が、高い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコア又は免疫活性化スコアと無関係に低いTMBスコアを有する患者に対するBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤であり、且つ治療薬が、低い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコアを有する患者に対する免疫腫瘍治療薬である、方法を提供する。
別の態様では、本発明は、メラノーマ患者を治療する方法であって、(a)投与に先立ち、高い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコア又は免疫活性化スコアと無関係に低いTMBスコアが患者からのサンプルから判定されている場合の、有効量のBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤、又は(b)投与に先立ち、低い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコアが患者からのサンプルから判定されている場合の、有効量の免疫腫瘍治療薬、のいずれかを患者に投与することを含む、方法を提供する。
別の態様では、本発明は、メラノーマを有する患者を治療する方法であって、(a)前記患者のメラノーマが高い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコア又は免疫活性化スコアと無関係に低いTMBスコアを有するものとして特徴づけられる場合の、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤、又は(b)前記患者のメラノーマが低い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコアを有するものとして特徴づけられる場合の、免疫腫瘍治療薬、のいずれかによる、方法を提供する。
別の態様では、本発明は、メラノーマ患者であって、(a)前記患者のメラノーマが高い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコア又は免疫活性化スコアと無関係に低いTMBスコアを有するものとして特徴づけられる場合の、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤、又は(b)前記患者のメラノーマが低い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコアを有するものとして特徴づけられる場合の、免疫腫瘍治療薬、のいずれかによる治療を意図したメラノーマ患者を選択するための予測マーカーとしてのTMB及び免疫活性化の使用を提供する。
別の態様では、本発明は、メラノーマ患者を、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤から利益を得ることがある第1の群と、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤と免疫腫瘍治療薬との組み合わせから利益を得ることがある第2の群との2群に層別化する方法であって、患者からのサンプル中のTMBをスコア化することを含み、ここでBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤から利益を得ることがある患者が低いTMBスコアを有する一方で、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤と免疫腫瘍治療薬との組み合わせから利益を得ることがある患者が高いTMBスコアを有する、方法を提供する。
別の態様では、本発明は、治療を選択するため、メラノーマ患者を2群に層別化する方法であって、患者からのサンプル中のTMBをスコア化することを含み、ここで低いTMBスコアから、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤から利益を得ることがある患者が同定される一方で、高いTMBスコアから、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤と免疫腫瘍治療薬との組み合わせから利益を得ることがある患者として患者が同定される、方法を提供する。
先行する2つの態様のいずれか1つのいくつかの実施形態では、(a)低いTMBスコアが判定されており、且つ該方法がBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤を有効量で患者に投与することをさらに含む、又は(b)高いTMBスコアが判定されており、且つ該方法がBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤と免疫腫瘍治療薬との組み合わせを有効量で患者に投与することをさらに含む、のいずれかが言える。
別の態様では、本発明は、メラノーマ患者を治療する方法であって、(a)患者からのサンプル中のTMBをスコア化することと、(b)治療薬を有効量で患者に投与することと、を含み、ここで治療薬が、低いTMBスコアを有する患者に対するBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤であり、且つ治療薬が、高いTMBスコアを有する患者に対するBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤と免疫腫瘍治療薬との組み合わせである、方法を提供する。
別の態様では、本発明は、メラノーマ患者を治療する方法であって、(a)投与に先立ち、低いTMBスコアが患者からのサンプルから判定されている場合の、有効量のBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤、又は(b)投与に先立ち、高いTMBスコアが患者からのサンプルから判定されている場合の、有効量のBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤と免疫腫瘍治療薬との組み合わせ、のいずれかを患者に投与することを含む、方法を提供する。
別の態様では、本発明は、メラノーマを有する患者を治療する方法であって、(a)前記患者のメラノーマが低いTMBスコアを有するものとして特徴づけられる場合の、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤、又は(b)前記患者のメラノーマがTMBスコアを有するものとして特徴づけられる場合の、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤と免疫腫瘍治療薬との組み合わせ、のいずれかによる、方法を提供する。
別の態様では、本発明は、免疫腫瘍治療薬と組み合わせたBRAF及び/又はMEK阻害剤を含む標的化療法剤による治療を意図したメラノーマ患者を選択するための予測マーカーとしてのTMBの使用であって、前記患者からのサンプル中のTMBをスコア化することを含み、標的化療法剤がBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含み、且つ免疫腫瘍治療薬がPD-1又はPD-L1結合アンタゴニストである、使用を提供する。
別の態様では、本発明は、メラノーマ患者を、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤から利益を得ることがある第1の群と、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤と免疫腫瘍治療薬との組み合わせから利益を得ることがある第2の群との2群に層別化する方法であって、患者からのサンプル中のi)TMB及びii)免疫活性化レベルをスコア化することを含み、ここでBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤から利益を得ることがある患者が、低い免疫活性化スコアを伴う低いTMBスコアを有する一方で、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤と免疫腫瘍治療薬との組み合わせから利益を得ることがある患者が、高い免疫活性化スコアを伴う低いTMBスコア又は免疫活性化スコアと無関係に高いTMBスコアのいずれかを有する、方法を提供する。
別の態様では、本発明は、治療を選択するため、メラノーマ患者を2群に層別化する方法であって、患者からのサンプル中のi)TMB及びii)免疫活性化レベルをスコア化することを含み、ここで低い免疫活性化スコアを伴う低いTMBスコアから、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤から利益を得ることがある患者が同定される一方で、高い免疫活性化スコアを伴う低いTMBスコア又は免疫活性化スコアと無関係に高いTMBスコアのいずれかから、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤と免疫腫瘍治療薬との組み合わせから利益を得ることがある患者として患者が同定される、方法を提供する。
先行する2つの態様のいずれか1つのいくつかの実施形態では、(a)低い免疫活性化スコアを伴う低いTMBスコアが判定されており、且つ該方法がBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤を有効量で患者に投与することをさらに含む、又は(b)高い免疫活性化スコアを伴う低いTMBスコア又は免疫活性化スコアと無関係に高いTMBスコアのいずれかが判定されており、且つ該方法がBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤と免疫腫瘍治療薬との組み合わせを有効量で患者に投与することをさらに含む、のいずれかが言える。
別の態様では、本発明は、メラノーマ患者を治療する方法であって、(a)患者からのサンプル中のi)TMB及びii)免疫活性化レベルをスコア化することと、(b)治療薬を有効量で患者に投与することと、を含み、ここで治療薬が、低い免疫活性化スコアを伴う低いTMBスコアを有する患者に対するBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤であり、且つ治療薬が、高い免疫活性化スコアを伴う低いTMBスコア又は免疫活性化スコアと無関係に高いTMBスコアのいずれかを有する患者に対するBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤と免疫腫瘍治療薬との組み合わせである、方法を提供する。
別の態様では、本発明は、メラノーマ患者を治療する方法であって、(a)投与に先立ち、低い免疫活性化スコアを伴う低いTMBスコアが患者からのサンプルから判定されている場合の、有効量のBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤、又は(b)投与に先立ち、高い免疫活性化スコアを伴う低いTMBスコア又は免疫活性化スコアと無関係に高いTMBスコアのいずれかが患者からのサンプルから判定されている場合の、有効量のBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤と免疫腫瘍治療薬との組み合わせ、のいずれかを患者に投与することを含む、方法を提供する。
別の態様では、本発明は、メラノーマを有する患者を治療する方法であって、(a)前記患者のメラノーマが低い免疫活性化スコアを伴う低いTMBスコアを有するものとして特徴づけられる場合の、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤、又は(b)前記患者のメラノーマが高い免疫活性化スコアを伴う低いTMBスコア又は免疫活性化スコアと無関係に高いTMBスコアのいずれかを有するものとして特徴づけられる場合の、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤と免疫腫瘍治療薬との組み合わせ、のいずれかによる、方法を提供する。
別の態様では、本発明は、免疫腫瘍治療薬と組み合わせたBRAF及び/又はMEK阻害剤を含む標的化療法剤による治療を意図したメラノーマ患者を選択するための予測マーカーとしてのTMB及び免疫活性化の使用であって、前記患者からのサンプル中のi)TMB及びii)免疫活性化レベルをスコア化することを含み、標的化療法剤がBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含み、且つ免疫腫瘍治療薬がPD-1又はPD-L1結合アンタゴニストである、使用を提供する。
定義
一般的定義
本明細書に記載の本発明の態様及び実施形態が、態様及び実施形態「を含む」、「からなる」、及び「から本質的になる」ことを含むことは理解されるべきである。
本明細書で用いられるとき、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、特に指示のない限り、複数の参照対象を含む。
用語「約」は、本明細書で用いられるとき、この技術分野内の当業者が容易に認識する各値における通常の誤差範囲を指す。本明細書中の「約」が付く値又はパラメータについては、本質的にその値又はパラメータが指定される実施形態が含まれる(及び記述される)。例えば、「約X」に関する記述は、「X」の記述を含む。いくつかの実施形態では、「約」は、列挙値の最大±10%の値、例えば、±1%、±2%、±3%、±4%、±5%、±6%、±7%、±8%、±9%、又は±10%を示す。
一般的なTMB
TMB及びその測定値における定義は、国際公開第2018/068028号パンフレット(その全体が本明細書で参照により援用される)に開示されている。
本明細書で用いられるとき、用語「突然変異負荷」、「腫瘍突然変異負荷」、又は「TMB」は、互換的に理解されてもよく、腫瘍(例えば、腫瘍細胞、腫瘍RNA、DNA、若しくはタンパク質を含有する、腫瘍組織サンプル、例えばホルマリン固定及びパラフィン包埋(FFPE)腫瘍サンプル、アーカイブ腫瘍サンプル、新しい凍結腫瘍サンプル、又は血液サンプル)から検出される、所定の遺伝子セット中(例えば、所定の遺伝子セットのコード領域内)の予備選択単位当たりの(例えばメガベース(Mb)当たりの)変化(例えば1つ以上の変化、例えば1つ以上の体細胞変化)のレベル(例えば数)を指す。TMBスコアは、例えば全ゲノム若しくはエクソームに基づいて、又はゲノム若しくはエクソームのサブセットに基づいて評価され得る。特定の実施形態では、ゲノム又はエクソームのサブセットに基づいて評価されたTMBスコアは、全ゲノム又はエクソームの突然変異負荷を決定するため、外挿され得る。いくつかの実施形態では、TMBスコアは、個体(例えば動物、例えばヒト)内部の蓄積された体細胞突然変異のレベルを指す。TMBスコアは、がん(例えばメラノーマ)を有する患者における蓄積された体細胞突然変異を指してもよい。いくつかの実施形態では、TMBスコアは、個体の全ゲノム中の蓄積された突然変異を指す。いくつかの実施形態では、TMBスコアは、患者から収集された特定のサンプル(例えば腫瘍サンプル、例えばメラノーマサンプル)内部の蓄積された突然変異を指す。
用語「体細胞突然変異」又は「体細胞変化」は、体細胞組織(例えば生殖系列外の細胞)において生じている遺伝子変異を指す。遺伝子変異の例として、限定はされないが、点突然変異(例えば、単一ヌクレオチドと別のものとの交換(例えば、サイレント突然変異、ミスセンス変異、及びナンセンス突然変異))、挿入及び欠失(例えば、1つ以上のヌクレオチドの付加及び/又は除去(例えばインデル))、増幅、遺伝子重複、コピー数変化(CNA)、再配列、及びスプライス部位突然変異が挙げられる。特定の突然変異の存在は、病態(例えばがん、例えばメラノーマ)に関連し得る。
特定の実施形態では、体細胞変化は、サイレント突然変異(例えば同義変化)である。他の実施形態では、体細胞変化は、非同義の単一ヌクレオチド変異体(SNV)である。他の実施形態では、体細胞変化は、パッセンジャー突然変異(例えば、クローンの適応度に対する検出可能な効果を有しない変化)である。特定の実施形態では、体細胞変化は、有意性不明の変異体(VUS)、例えばその病原性が確認も除外もできない変化である。特定の実施形態では、体細胞変化は、がん表現型に関連するものとして同定されていない。
特定の実施形態では、体細胞変化は、細胞分裂、成長、又は生存に対する効果に関連しないか、又はそれに関連することが未知である。他の実施形態では、体細胞変化は、細胞分裂、成長、又は生存に対する効果に関連する。
特定の実施形態では、体細胞変化の数は、サブゲノム間隔以内の機能的変化を除外する。
いくつかの実施形態では、機能的変化は、参照配列(例えば、野生型又は未変異配列)と比べて、細胞分裂、成長、又は生存に対する効果を有する(例えば、細胞分裂、成長、又は生存を促進する)変化である。特定の実施形態では、機能的変化は、機能的変化のデータベース、例えばCOSMICデータベース内に含めることにより、そのようなものとして同定される(Forbes et al.Nucl.Acids Res.43(D1):D805-D811,2015を参照、その全体が参照により本明細書中に援用される)。他の実施形態では、機能的変化は、(例えば、COSMICデータベース内の既知の体細胞変化として生じる)既知の機能的状態を有する変化である。特定の実施形態では、機能的変化は、潜在的な機能的状態を有する変化(例えば、腫瘍抑制遺伝子における切断)である。特定の実施形態では、機能的変化は、ドライバー突然変異(例えば細胞生存又は繁殖を増強することにより、例えばその微小環境内のクローンに選択的利点を与える変化)である。他の実施形態では、機能的変化は、クローン拡大を引き起こす能力がある変化である。特定の実施形態では、機能的変化は、以下:(a)成長シグナルにおける自給自足;(b)反成長シグナルに対する低下、例えば非感受性;(c)低下したアポトーシス;(d)増強された複製能;(e)持続的な血管新生;又は(f)組織浸潤若しくは転移の1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つ全部を引き起こす能力がある変化である。
特定の実施形態では、所定の遺伝子セット内のすべての遺伝子(例えば腫瘍遺伝子)におけるすべての機能的変化が除外される。
特定の実施形態では、体細胞変化の数には、サンプルにおける頻度閾値未満(例えば、5%未満、3%未満、1%未満)で生じる変化が除外される。
特定の実施形態では、体細胞変化の数には、サブゲノム間隔以内の生殖系列突然変異が除外される。
特定の実施形態では、生殖系列変化は、SNP、塩基置換、挿入、欠失、インデル、又はサイレント突然変異(例えば同義突然変異)である。
特定の実施形態では、生殖系列変化は、マッチした正常配列との比較を用いない方法の使用により除外される。他の実施形態では、生殖系列変化は、アルゴリズムの使用を含む方法により除外される。特定の実施形態では、生殖系列変化は、生殖系列変化のデータベース、例えばdbSNPデータベース内に含めることにより、そのようなものとして同定される(Sherry et al.Nucleic Acids Res.29(1):308-311,2001を参照、その全体が参照により本明細書中に援用される)。他の実施形態では、生殖系列変化は、ExACデータベース内に含めることにより、そのようなものとして同定される(Exome Aggregation Consortium et al.bioRxiv preprint,October 30,2015を参照、その全体が参照により本明細書中に援用される)。いくつかの実施形態では、生殖系列変化は、ESPデータベース内に含めることにより、そのようなものとして同定される(Exome Variant Server,NHLBI GO Exome Sequencing Project(ESP),Seattle,WA)。いくつかの実施形態では、生殖系列変化は、サンプルの腫瘍含量をモデル化することにより同定される(Riester et al.Source Code Biol Med.2016 Dec 15;11:13を参照)。いくつかの実施形態では、生殖系列変化は、がんを有しない個体におけるサンプルに対する配列決定から同定される。
一般的な免疫活性化
用語「免疫活性化」、「免疫活性化マーカー」、「免疫活性化レベル」、又は「免疫活性化スコア」は、複数のマーカーにより;例えば、(H/E染色又はCD8遺伝子/タンパク質発現レベルにより判定されるとき)腫瘍浸潤リンパ球、インターフェロンγ及び関連マーカー、PD-L1(タンパク質又は遺伝子発現)、他の公知のチェックポイント(例えば、LAG3、TIM3)又はシグネチャー(例えば、IFNγ、T細胞、炎症遺伝子発現シグネチャー)中のマーカーの組み合わせにおける増加により特徴づけ及び定量化が可能である、腫瘍に対する腫瘍内T細胞適応免疫応答の活性化(がん関連免疫)を指す。免疫療法に対する応答は、主にかかる既存の腫瘍内T細胞適応免疫応答を有する患者において生じる。
IFNγ(IFN-y、IFNy)は、ウイルス感染に対する宿主応答に決定的であるだけでなく、がん関連免疫において主要な役割を担うサイトカインである。IFN-γは、腫瘍微小環境内の免疫細胞によって分泌され、自然及び適応抗腫瘍応答のプロセスを協調させる(例えば、MHCクラスI発現を増強し、エフェクター細胞の動員に寄与する)。同時に、同じIFN-γシグナル伝達プロセスは、フィードバック阻害を誘導し得る。このフィードバックループの一部として、IFN-γシグナル伝達は、最終的に抗腫瘍免疫を損なう、腫瘍、免疫浸潤物、及び間質細胞におけるリガンドPD-L1及びPD-L2の直接的上方制御を通じて、PD-1シグナル伝達軸が活性化することを可能にする。
CD8及びPD-L1などの免疫遺伝子においては、様々な検出方法:例えば、IHC、フローサイトメトリー、サンプル(例えば、組織、血液及びエキソソーム)におけるmRNA発現がある。例えば、免疫組織化学(IHC)によるPD-L1タンパク質試験は、異なる抗体クローン、例えば、PD-L1 IHC 22C3 PharmDxキット(Dako North America,Carpinteria,CA,USA)、PD-L1 28-8 PharmDxキット(Dako North America)及びPD-L1 SP142 Ventana試験(Ventana Medical Systems Inc.,Tucson,AZ,USA)により実施され得る。PD-L1タンパク質レベルは、例えば腫瘍及び免疫細胞に対して試験され得る。
「免疫遺伝子発現シグネチャー」は、異なるT細胞、チェックポイント及びIFN-y関連遺伝子の発現レベルを組み合わせる。かかるシグネチャーは、免疫療法に対する応答を予測する場合、好ましくは単一のマーカー(CD8及びPD-L1など)と比べて実施してもよい。免疫遺伝子発現シグネチャーは、アジュバント標的化療法で治療されたメラノーマ患者において分析されておらず、ここで要約される結果は、免疫遺伝子発現シグネチャーが、TMBと一緒に、メラノーマにおけるアジュバント標的化療法に対する応答者を同定することに役立つことがあることを最初に示す。
複数のシグネチャー(例えば、T細胞炎症性、IFNy、T細胞/CD8遺伝子発現シグネチャー)は、文献(例えば、Cristescu et al.,“Pan-tumor genomic biomarkers for PD-1 checkpoint blockade-based immunotherapy”,Science 2018におけるT細胞炎症性)に記載された。これらの遺伝子シグネチャーは、既存の炎症性成分を有する腫瘍と非炎症性腫瘍との間を区別することにより、腫瘍に対する動的免疫応答の複雑性を把握するための新規な方法を表す。これらシグネチャーの遺伝子リストの検査は、すべてのこれらシグネチャーが高度に相関し、進行中の適応Th1及び細胞傷害性CD8+T細胞応答により腫瘍を同定することから、選択された遺伝子、特に生物学的特徴(例えば、IFN-γシグナル伝達、細胞溶解活性、抗原提示、及びT細胞輸送、並びにT細胞恒常性において明白な阻害機構を含む)において多くの重複が存在することを示唆する。
我々の例において使用されたIFN-γ及びCD8/T細胞シグネチャー:CD8 T細胞シグネチャーにおけるCCL5、CTSW、FASLG、CD8B、ZNF683、GZMA、XCL2、CD7、KLRC1、CD8A、XCL1、NKG7、KLRK1、GNLY、PRF1、GZMB、GZMH、LAG3、KLRD1、及びIFN-γシグネチャーにおけるIFNG、CXCL9、CXCL10、CXCL11、GBP1。
これらの遺伝子発現シグネチャーが他のT細胞炎症性及びIFN-yシグネチャーによって代替可能であることは当業者によって理解される(例えば、Cristescu et al.,“Pan-tumor genomic biomarkers for PD-1 checkpoint blockade-based immunotherapy”,Science 2018;Ayers et al.IFN-γ-related mRNA profile predicts clinical response to PD-1 blockade,The Journal of Clinical Investigation 2017)。
いくつかの他の報告されたIFNyシグネチャーが存在し、一例として、Ayers et al.(IFN-γ-related mRNA profile predicts clinical response to PD-1 blockade,The Journal of Clinical Investigation 2017)によって公表された6遺伝子シグネチャー:IDO1、CXCL10、CXCL9、HLA-DRA、STAT1、IFNGが挙げられる。
十分に確立されたT細胞炎症性シグネチャーは、抗原提示、ケモカイン発現、細胞溶解活性、及び適応免疫耐性に関する18の炎症性遺伝子、例えば、CCL5、CD27、CD274(PD-L1)、CD276(B7-H3)、CD8A、CMKLR1、CXCL9、CXCR6、HLA-DQA1、HLA-DRB1、HLA-E、IDO1、LAG3、NKG7、PDCD1LG2(PDL2)、PSMB10、STAT1、及びTIGITからなる。患者を低い及び高いT細胞炎症性シグネチャーレベル(-0.318のカットオフ以上=高い、-0.318のカットオフ未満=低い)に層別化するため、T細胞炎症性シグネチャーを使用することができる(例えば、Cristescu et al.,“Pan-tumor genomic biomarkers for PD-1 checkpoint blockade-based immunotherapy”,Science 2018;Ayers et al.IFN-γ-related mRNA profile predicts clinical response to PD-1 blockade,The Journal of Clinical Investigation 2017)。
この特許説明及び文献に記載されている他のIFN-y及びT細胞シグネチャーについて、類似のカットオフを確立することができることは当業者によって理解される。例えば、低い/高い免疫活性化を定義するため、≧1%、≧5%、≧10%(好ましくは1%)のPD-L1カットオフを使用することができる。
標的化療法剤
本明細書で用いられるとき、「標的化療法」は、がんの成長、進行、再発、及び拡散に関与する特定分子(「分子標的」)に干渉することにより、がんの成長及び拡散を遮断する薬剤又は他の物質を使用するがん療法を指す。標的化がん療法は、時として、「分子標的化薬」、「分子標的化療法」、「プレシジョンメディシン」、又は類似名称で称される。
本明細書で用いられるとき、「BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法」は、BRAFを標的にする1つ以上の薬剤及びMEKを標的にする1つ以上の薬剤との併用療法を指す。
本明細書で用いられるとき、「BRAFを標的にする薬剤」は、BRAFの活性及び/又は機能を直接的又は間接的に標的にする、低下させる、又は阻害する薬剤を指す。例示的なBRAFを標的にする薬剤として、限定はされないが、BRAFを標的にする化合物、タンパク質又は抗体が挙げられる。好ましくは、BRAFを標的にする前記薬剤は、「BRAF阻害剤」である。
本明細書で用いられるとき、「MEKを標的にする薬剤」は、MEKの活性及び/又は機能を直接的又は間接的に標的にする、低下させる、又は阻害する薬剤を指す。例示的なMEKを標的にする薬剤として、限定はされないが、MEKを標的にする化合物、タンパク質又は抗体が挙げられる。好ましくは、MEKを標的にする前記薬剤は、「MEK阻害剤」である。
好ましくは、BRAF阻害剤はダブラフェニブであり、且つMEK阻害剤はトラメチニブである。両分子及びそれらの組み合わせは、例えば国際公開第2011/047238A1号パンフレット(その全体が参照により本明細書で援用される)に開示されている。
本明細書で用いられるとき、BRAF阻害剤のダブラフェニブN-{3-[5-(2-アミノ-4-ピリミジニル)-2-(1,1-ジメチルエチル)-1,3-チアゾール-4-イル]-2-フルオロフェニル}-2,6-ジフルオロベンゼンスルホンアミド又はその薬学的に許容できる塩は、式(II)の化合物:
Figure 2022504905000001

又はその薬学的に許容できる塩によって表される。便宜上、可能な化合物及び塩の基は、ダブラフェニブと総称され、これはダブラフェニブへの参照が選択肢における化合物又はその薬学的に許容できる塩のいずれかを指すことを意味する。
ダブラフェニブは、PCT特許出願のPCT/US09/42682号明細書中で、特にがんの治療におけるBRAF活性の阻害剤として有用であるものとして、その薬学的に許容できる塩とともに開示され、主張されている。ダブラフェニブは、その出願の実施例58a~58eで例示されている。そのPCT出願は、2009年11月12日に公開の国際公開第2009/137391号パンフレットとして公開されたものであり、本明細書で参照により援用される。
より詳細には、ダブラフェニブは、本明細書で参照により援用される、国際公開第2011/047238A1号パンフレットの説明(15~21頁)からの方法に従い、調製されてもよい。
本明細書で用いられるとき、MEK阻害剤のトラメチニブN-{3-[3-シクロプロピル-5-(2-フルオロ-4-ヨードフェニルアミノ)6,8-ジメチル-2,4,7-トリオキソ-3,4,6,7-テトラヒドロ-2H-ピリド[4,3-d]ピリミジン-1-イル]フェニル}アセトアミド、又はその薬学的に許容できる塩若しくは溶媒和化合物は、式(I)の化合物:
Figure 2022504905000002

又はその薬学的に許容できる塩若しくは溶媒和化合物によって表される。便宜上、可能な化合物及び塩若しくは溶媒和化合物の基は、トラメチニブと総称され、これはトラメチニブへの参照が選択肢における化合物又はその薬学的に許容できる塩若しくは溶媒和化合物のいずれかを指すことを意味する。
命名の慣習に応じて、式(I)の化合物はまた、適切には、N-{3-[3-シクロプロピル-5-[(2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ]-6,8-ジメチル-2,4,7-トリオキソ-3,4,6,7-テトラヒドロピリド[4,3-d]ピリミジン-1(2H)-イル]フェニル}アセトアミドと称されてもよい。
トラメチニブは、国際公開第2005/121142号パンフレット中で、特にがんの治療におけるMEK活性の阻害剤として有用であるものとして、その薬学的に許容できる塩、ひいてはその溶媒和化合物とともに開示され、主張されている。トラメチニブは、実施例4-1の化合物であり、国際公開第2005/121142号パンフレットに記載のように調製可能である。
好適には、トラメチニブは、ジメチルスルホキシド溶媒和化合物の形態である。好適には、トラメチニブは、ナトリウム塩の形態である。好適には、トラメチニブは、水和物、酢酸、エタノール、ニトロメタン、クロロベンゼン、1-ペンタンコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール及び3-メチル-1-ブタノールから選択される溶媒和化合物の形態である。これらの溶媒和化合物及び塩形態は、国際公開第2005/121142号パンフレット中の説明から当業者により調製可能である。
別の実施形態では、BRAF阻害剤はベムラフェニブであり、且つMEK阻害剤はコビメチニブである。ベムラフェニブは、国際公開第05062795A2/A3号パンフレット及び国際公開第07013896A2/A3号パンフレット/国際公開第07002325A1号パンフレット/国際公開第07002433A1号パンフレットに開示され、コビメチニブは、国際公開第07044515A1号パンフレットに開示されている(それら全体が本明細書で参照により援用される)。
本明細書で用いられるとき、MEK阻害剤ベムラフェニブ、又はその薬学的に許容できる塩若しくは溶媒和化合物は、式(IV)の化合物:
Figure 2022504905000003

又はその薬学的に許容できる塩若しくは溶媒和化合物によって表される。便宜上、可能な化合物及び塩若しくは溶媒和化合物の基は、ベムラフェニブと総称され、これはベムラフェニブへの参照が選択肢における化合物又はその薬学的に許容できる塩若しくは溶媒和化合物のいずれかを指すことを意味する。
ベムラフェニブは、国際公開第2007/002325号パンフレット中で、特にがんの治療におけるBRAF活性の阻害剤として有用であるものとして、その薬学的に許容できる塩、ひいてはその溶媒和化合物とともに開示され、主張されている。ベムラフェニブは、国際公開第2007/002325号パンフレット中の説明からの方法に従い、調製されてもよい。
本明細書で用いられるとき、MEK阻害剤コビメチニブ、又はその薬学的に許容できる塩若しくは溶媒和化合物は、式(III)の化合物:
Figure 2022504905000004

又はその薬学的に許容できる塩若しくは溶媒和化合物によって表される。便宜上、可能な化合物及び塩若しくは溶媒和化合物の基は、コビメチニブと総称され、これはコビメチニブへの参照が選択肢における化合物又はその薬学的に許容できる塩若しくは溶媒和化合物のいずれかを指すことを意味する。
コビメチニブは、国際公開第2007/044515号パンフレット中で、特にがんの治療におけるMEK活性の阻害剤として有用であるものとして、その薬学的に許容できる塩、ひいてはその溶媒和化合物とともに開示され、主張されている。コビメチニブは、実施例xxの化合物である。コビメチニブは、国際公開第2007/044515号パンフレットに記載のように調製可能である。
本明細書で用いられるとき、用語「薬剤」は、組織、系、動物、哺乳動物、ヒト、又は他の対象において所望される効果をもたらす物質を意味するように理解され、さらに「薬剤」が単一化合物又は2つ以上の化合物の組み合わせ若しくは組成物であってもよいと理解されるべきである。
ダブラフェニブ及び/若しくはトラメチニブ、又は代替的にベムラフェニブ及び/若しくはコビメチニブは、1つ以上のキラル原子を含有してもよい、又はそれ以外では鏡像異性体として存在可能であってもよい。したがって、本発明の化合物は、鏡像異性体の混合物及び精製された鏡像異性体又は鏡像異性的に濃縮された混合物を含む。さらに、すべての互変異性体及び互変異性体の混合物がダブラフェニブ及びトラメチニブ、又は代替的にベムラフェニブ及びコビメチニブの範囲内に含まれることが理解される。
さらに、ダブラフェニブ及びトラメチニブ、又は代替的にベムラフェニブ及びコビメチニブが、溶媒和化合物として別々に又は両方ともに存在してもよいことが理解される。本明細書で用いられるとき、用語「溶媒和化合物」は、溶質によって形成される可変化学量論の複合体を指す(本発明では、式(I)若しくは式(II)若しくは式(III)若しくは式(IV)の化合物又はその塩及び溶媒。本発明を目的としたかかる溶媒は、溶質の生物学的活性に干渉しなくてもよい。好適な溶媒の例として、限定はされないが、水、メタノール、ジメチルスルホリド(dimethylsulforide)、エタノール及び酢酸が挙げられる。一実施形態では、使用される溶媒は、薬学的に許容できる溶媒である。好適な薬学的に許容できる溶媒の例として、限定はされないが、水、エタノール及び酢酸が挙げられる。別の実施形態では、使用される溶媒は、水である。
ダブラフェニブ及びトラメチニブ、又は代替的にベムラフェニブ及びコビメチニブは、1つの特徴、即ち多形として公知である2つ以上の形態で結晶化する能力を有してもよく、且つかかる多形形態(「多形」)が、ダブラフェニブ及びトラメチニブ、又は代替的にベムラフェニブ及びコビメチニブに含まれることは理解されている。多形は、一般に、温度又は圧力又は双方における変化に対する応答として生じ得るとともに、結晶化プロセスにおける変動から生じ得る。多形は、X線回折像、溶解度、及び融点などの当該技術分野で公知の様々な物理的特徴により識別され得る。
用語「薬学的に許容できる塩」の中に包含される塩は、本発明の化合物の非毒性塩を指す。本発明の化合物の塩は、本発明の化合物中の置換基上の窒素に由来する酸付加塩を含んでもよい。代表的な塩は、以下の塩:酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、炭酸水素塩、重硫酸塩、酒石酸水素塩、ホウ酸塩、臭化物、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストル酸塩、エシル酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、ヘキシルレゾルシネート(hexylresorcinate)、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエート、ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、臭化メチル、硝酸メチル、硫酸メチル、マレイン酸一カリウム、ムチン酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、N-メチルグルカニン(methylglucannine)、シュウ酸塩、パモ酸塩(エンボネート)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、カリウム、サリチル酸塩、ナトリウム、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル酸塩、トリエチオジド、トリメチルアンモニウム及び吉草酸塩を含む。薬学的に許容できないその他の塩は、本発明の化合物の調製において有用であってもよく、これらは本発明のさらなる態様を形成する。塩は、当業者により容易に調製されてもよい。
治療法における使用を意図して、ダブラフェニブ及びトラメチニブ、又は代替的にベムラフェニブ及びコビメチニブを未加工化学物質として投与してもよい可能性がある一方で、活性成分を医薬組成物として提示することは可能である。したがって、本発明は、ダブラフェニブ及び/若しくはトラメチニブ、又は代替的にベムラフェニブ及び/若しくはコビメチニブ、及び1つ以上の薬学的に許容できる担体、希釈剤、又は賦形剤を含む、医薬組成物をさらに提供する。ダブラフェニブ及びトラメチニブ、又は代替的にベムラフェニブ及びコビメチニブは、上記の通りである。担体、希釈剤又は賦形剤は、医薬製剤の能力がある製剤の他の成分に適合し、且つそのレシピエントに対して有害でないという意味で許容できる必要がある。本発明の別の態様に従い、ダブラフェニブ及び/若しくはトラメチニブ、又は代替的にベムラフェニブ及び/若しくはコビメチニブを1つ以上の薬学的に許容できる担体、希釈剤又は賦形剤と混合することを含む、医薬組成物を調製するためのプロセスも提供される。利用される医薬組成物のかかる要素は、別々の医薬合剤中に存在するか、又は1つの医薬組成物中で一緒に配合されてもよい。したがって、本発明は、医薬組成物の組み合わせであって、それらの1つが、ダブラフェニブ、又は代替的にベムラフェニブ、及び1つ以上の薬学的に許容できる担体、希釈剤、又は賦形剤、並びにトラメチニブ、又は代替的にコビメチニブ、及び1つ以上の薬学的に許容できる担体、希釈剤、又は賦形剤を含有する医薬組成物を含むものをさらに提供する。
ダブラフェニブ及びトラメチニブは、本発明に従い、両化合物を含む単位医薬組成物中で同時に投与することにより、組み合わせて利用されてもよい。同様に、ベムラフェニブ及びコビメチニブは、本発明に従い、両化合物を含む単位医薬組成物にて同時に投与することにより、組み合わせて利用されてもよい。或いは、組み合わせは、個別の医薬組成物であって、各々が、(i)逐次的様式での阻害剤、ダブラフェニブ及びトラメチニブの一方(例えばダブラフェニブ及びトラメチニブが一方、そして他方というように投与される場合)、又は代替的に(ii)阻害剤、ベムラフェニブ及びコビメチニブの一方(例えばベムラフェニブ及びコビメチニブが一方、そして他方というように投与される場合)のいずれかを含むものにて別々に投与されてもよい。かかる逐次投与は、時間的に密に(例えば同時に)又は時間を置いてなされてもよい。
さらに、組み合わせ化合物が同じ剤形で投与されるか否かは重要でなく、例えば、一方の化合物が局所的に投与され、且つ他方の化合物が経口的に投与されてもよい。好適には、両化合物は、経口的に投与される。
免疫腫瘍治療薬
本明細書で用いられるとき、「免疫腫瘍治療薬」は、免疫応答の調節を変更する、例えば免疫応答を下方調節又は阻害するため、少なくとも1つの免疫チェックポイントタンパク質を標的にする治療薬を指す「免疫チェックポイント阻害剤」である。免疫チェックポイントタンパク質は、当該技術分野で公知であり、限定はされないが、細胞傷害性Tリンパ球抗原4(CTLA-4)、プログラム細胞死1(PD-1)、プログラム細胞死リガンド1(PD-L1)、プログラム細胞死リガンド2(PD-L2)、T細胞活性化のVドメインIgサプレッサー(VISTA)、B7-H2、B7-H3、B7-H4、B7-H6、2B4、ICOS、HVEM、CD160、gp49B、PIR-B、KIRファミリー受容体、TIM-1、TIM-3、TIM-4、LAG-3、BTLA、SIRPα(CD47)、CD48、2B4(CD244)、B7.1、B7.2、ILT-2、ILT-4、TIGIT、LAG-3、BTLA、IDO、OX40、及びA2aRを含む。場合によっては、免疫チェックポイントタンパク質は、活性化T細胞の表面上で発現されてもよい。本発明の方法において有用な免疫チェックポイント阻害剤として作用し得る治療薬として、限定はされないが、CTLA-4、PD-1、PD-L1、PD-L2、VISTA、B7-H2、B7-H3、B7-H4、B7-H6、2B4、ICOS、HVEM、CD160、gp49B、PIR-B、KIRファミリー受容体、TIM-1、TIM-3、TIM-4、LAG-3、BTLA、SIRPα(CD47)、CD48、2B4(CD244)、B7.1、B7.2、ILT-2、ILT-4、TIGIT、LAG-3、BTLA、IDO、OX40、及びA2aRの1つ以上を標的にする治療薬が挙げられる。場合によっては、免疫チェックポイント阻害剤は、1つ以上の標的化免疫チェックポイントタンパク質の機能を増強又は抑制する。場合によっては、免疫チェックポイント阻害剤は、本明細書に記載のようなPD-L1軸結合アンタゴニストである。
特定の実施形態では、本明細書に記載の組み合わせは、PD-1阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、PD-1阻害剤は、PDR001(Novartis)、ニボルマブ(Bristol-Myers Squibb)、ペンブロリズマブ(Merck & Co)、ピディリズマブ(CureTech)、MEDI0680(Medimmune)、REGN2810(Regeneron)、TSR-042(Tesaro)、PF-06801591(Pfizer)、BGB-A317(Beigene)、BGB-108(Beigene)、INCSHR1210(Incyte)、又はAMP-224(Amplimmune)から選択される。いくつかの実施形態では、PD-1阻害剤は、PDR001である。PDR001は、スパルタリズマブとしても公知である。ニボルマブ(クローン5C4)及び他の抗PD-1抗体は、米国特許第8,008,449号明細書及び国際公開第2006/121168号パンフレット(それら全体が参照により援用される)に開示されている。ペンブロリズマブ及び他の抗PD-1抗体は、Hamid,O.et al.(2013)New England Journal of Medicine 369(2):134-44、米国特許第8,354,509号明細書、及び国際公開第2009/114335号パンフレット(それら全体が参照により援用される)に開示されている。ピディリズマブ及び他の抗PD-1抗体は、Rosenblatt,J.et al.(2011) J Immunotherapy 34(5):409-18、米国特許第7,695,715号明細書、米国特許第7,332,582号明細書、及び米国特許第8,686,119号明細書(それら全体が参照により援用される)に開示されている。MEDI0680及び他の抗PD-1抗体は、米国特許第9,205,148号明細書及び国際公開第2012/145493号パンフレット(それら全体が参照により援用される)に開示されている。さらなる公知の抗PD-1抗体は、例えば、国際公開第2015/112800号パンフレット、国際公開第2016/092419号パンフレット、国際公開第2015/085847号パンフレット、国際公開第2014/179664号パンフレット、国際公開第2014/194302号パンフレット、国際公開第2014/209804号パンフレット、国際公開第2015/200119号パンフレット、米国特許第8,735,553号明細書、米国特許第7,488,802号明細書、米国特許第8,927,697号明細書、米国特許第8,993,731号明細書、及び米国特許第9,102,727号明細書(それら全体が参照により援用される)に記載のものを含む。
特定の実施形態では、本明細書に記載の組み合わせは、PD-1L阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、PD-1L阻害剤は、FAZ053(Novartis)、MPDL3280Aとしても公知のアテゾリズマブ(Genentech/Roche)、RG7446、RO5541267、YW243.55.S70、又はTECENTRIQ(商標)、MSB0010718Cとしても公知のアベルマブ(Merck Serono及びPfizer)、MEDI4736としても公知のデュルバルマブ(MedImmune/AstraZeneca)、又はMDX-1105若しくは12A4としても公知のBMS-936559(Bristol-Myers Squibb)から選択される。アテゾリズマブ及び他の抗PD-L1抗体は、米国特許第8,217,149号明細書(その全体が参照により援用される)に開示されている。アベルマブ及び他の抗PD-L1抗体は、国際公開第2013/079174号パンフレット(その全体が参照により援用される)に開示されている。デュルバルマブ及び他の抗PD-L1抗体は、米国特許第8,779,108号明細書(その全体が参照により援用される)に開示されている。BMS-936559及び他の抗PD-L1抗体は、米国特許第7,943,743号明細書及び国際公開第2015/081158号パンフレット(それら全体が参照により援用される)に開示されている。
一実施形態では、PD-1阻害剤は、抗PD-1抗体分子である。一実施形態では、PD-1阻害剤は、米国特許出願公開第2015/0210769号明細書(その全体が参照により援用される)に記載のような抗PD-1抗体分子である。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体分子は、スパルタリズマブ(PDR001)である。
一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、表1に示されるアミノ酸配列を含む重鎖及び軽鎖可変領域からの(例えば、表1に開示されるBAP049-クローン-E又はBAP049-クローン-Bの重鎖及び軽鎖可変領域配列からの)、又は表1に示されるヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列を含む重鎖及び軽鎖可変領域からの、少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ又は6つの相補性決定領域(CDR)(又は集合的にCDRのすべて)を含む。いくつかの実施形態では、CDRは、Kabat定義に従う(例えば表1に示される通り)。いくつかの実施形態では、CDRは、Chothia定義に従う(例えば表1に示される通り)。いくつかの実施形態では、CDRは、KabatとChothiaの双方の組み合わされたCDR定義に従う(例えば表1に示される通り)。一実施形態では、VH CDR1のKabat CDRとChothia CDRとの組み合わせは、アミノ酸配列GYTFTTYWMH(配列番号541)を含む。一実施形態では、CDRの1つ以上(又は集合的にCDRのすべて)は、表1に示される、又は表1に示されるヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列と比べて、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ又はそれ以上の変化、例えばアミノ酸置換(例えば保存的アミノ酸置換)又は欠失を有する。
一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、配列番号501のVHCDR1アミノ酸配列、配列番号502のVHCDR2アミノ酸配列、及び配列番号503のVHCDR3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH);並びに配列番号510のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号511のVLCDR2アミノ酸配列、及び配列番号512のVLCDR3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)を含み、各々は表1に開示される。
一実施形態では、抗体分子は、配列番号524のヌクレオチド配列によってコードされるVHCDR1、配列番号525のヌクレオチド配列によってコードされるVHCDR2、及び配列番号526のヌクレオチド配列によってコードされるVHCDR3を含むVH;並びに配列番号529のヌクレオチド配列によってコードされるVLCDR1、配列番号530のヌクレオチド配列によってコードされるVLCDR2、及び配列番号531のヌクレオチド配列によってコードされるVLCDR3を含むVLを含み、各々は表1に開示される。
一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、配列番号506のアミノ酸配列、又は配列番号506に対して少なくとも85%、90%、95%、若しくは99%同一であるか若しくはより高いアミノ酸配列を含むVHを含む。一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、配列番号520のアミノ酸配列、又は配列番号520に対して少なくとも85%、90%、95%、若しくは99%同一であるか若しくはより高いアミノ酸配列を含むVLを含む。一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、配列番号516のアミノ酸配列、又は配列番号516に対して少なくとも85%、90%、95%、若しくは99%同一であるか若しくはより高いアミノ酸配列を含むVLを含む。一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、配列番号506のアミノ酸配列を含むVH及び配列番号520のアミノ酸配列を含むVLを含む。一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、配列番号506のアミノ酸配列を含むVH及び配列番号516のアミノ酸配列を含むVLを含む。
一実施形態では、抗体分子は、配列番号507のヌクレオチド配列、又は配列番号507に対して少なくとも85%、90%、95%、若しくは99%同一であるか若しくはより高いヌクレオチド配列によってコードされるVHを含む。一実施形態では、抗体分子は、配列番号521若しくは517のヌクレオチド配列、又は配列番号521若しくは517に対して少なくとも85%、90%、95%、若しくは99%同一であるか若しくはより高いヌクレオチド配列によってコードされるVLを含む。一実施形態では、抗体分子は、配列番号507のヌクレオチド配列によってコードされるVH及び配列番号521若しくは517のヌクレオチド配列によってコードされるVLを含む。
一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、配列番号508のアミノ酸配列、又は配列番号508に対して少なくとも85%、90%、95%、若しくは99%同一であるか若しくはより高いアミノ酸配列を含む重鎖を含む。一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、配列番号522のアミノ酸配列、又は配列番号522に対して少なくとも85%、90%、95%、若しくは99%同一であるか若しくはより高いアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、配列番号518のアミノ酸配列、又は配列番号518に対して少なくとも85%、90%、95%、若しくは99%同一であるか若しくはより高いアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、配列番号508のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号522のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、配列番号508のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号518のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
一実施形態では、抗体分子は、配列番号509のヌクレオチド配列、又は配列番号509に対して少なくとも85%、90%、95%、若しくは99%同一であるか若しくはより高いヌクレオチド配列によってコードされる重鎖を含む。一実施形態では、抗体分子は、配列番号523若しくは519のヌクレオチド配列、又は配列番号523若しくは519に対して少なくとも85%、90%、95%、若しくは99%同一であるか若しくはより高いヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖を含む。一実施形態では、抗体分子は、配列番号509のヌクレオチド配列によってコードされる重鎖及び配列番号523若しくは519のヌクレオチド配列によってコードされる軽鎖を含む。
本明細書に記載の抗体分子は、米国特許出願公開第2015/0210769号明細書(その全体が参照により援用される)に記載のベクター、宿主細胞、及び方法により作製可能である。
Figure 2022504905000005
Figure 2022504905000006
Figure 2022504905000007
Figure 2022504905000008
Figure 2022504905000009
Figure 2022504905000010
いくつかの実施形態では、PD-1阻害剤は、約200mg~約500mg(例えば、約300mg~約400mg)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、PD-1阻害剤は、3週ごとに1回投与される。いくつかの実施形態では、PD-1阻害剤は、4週ごとに1回投与される。他の実施形態では、PD-1阻害剤は、約200mg~約400mg(例えば、約300mg)の用量で3週ごとに1回投与される。さらに他の実施形態では、PD-1阻害剤は、約300mg~約500mg(例えば、約400mg)の用量で4週ごとに1回投与される。
一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、MDX-1106としても公知のニボルマブ(Bristol-Myers Squibb)、MDX-1106-04、ONO-4538、BMS-936558、又はOPDIVO(登録商標)である。ニボルマブ(クローン5C4)及び他の抗PD-1抗体は、米国特許第8,008,449号明細書及び国際公開第2006/121168号パンフレット(それら全体が参照により援用される)に開示されている。一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、例えば表2に開示の通り、CDR配列の1つ以上(又は集合的にCDR配列のすべて)、重鎖若しくは軽鎖可変領域配列、又はニボルマブの重鎖若しくは軽鎖配列を含む。
一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、ランブロリズマブとしても公知のペンブロリズマブ(Merck & Co)、MK-3475、MK03475、SCH-900475、又はKEYTRUDA(登録商標)である。ペンブロリズマブ及び他の抗PD-1抗体は、Hamid,O.et al.(2013)New England Journal of Medicine 369(2):134-44、米国特許第8,354,509号明細書、及び国際公開第2009/114335号パンフレット(それら全体が参照により援用される)に開示されている。一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、例えば表2に開示の通り、CDR配列の1つ以上(又は集合的にCDR配列のすべて)、重鎖若しくは軽鎖可変領域配列、又はペンブロリズマブの重鎖若しくは軽鎖配列を含む。
一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、CT-011としても公知のピディリズマブ(CureTech)である。ピディリズマブ及び他の抗PD-1抗体は、Rosenblatt,J.et al.(2011)J Immunotherapy 34(5):409-18、米国特許第7,695,715号明細書、米国特許第7,332,582号明細書、及び米国特許第8,686,119号明細書(それら全体が参照により援用される)に開示されている。一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、例えば表2に開示の通り、CDR配列の1つ以上(又は集合的にCDR配列のすべて)、重鎖若しくは軽鎖可変領域配列、又はピディリズマブの重鎖若しくは軽鎖配列を含む。
一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、AMP-514としても公知のMEDI0680(Medimmune)である。MEDI0680及び他の抗PD-1抗体は、米国特許第9,205,148号明細書及び国際公開第2012/145493号パンフレット(それら全体が参照により援用される)に開示されている。一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、CDR配列の1つ以上(又は集合的にCDR配列のすべて)、重鎖若しくは軽鎖可変領域配列、又はMEDI0680の重鎖若しくは軽鎖配列を含む。
一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、REGN2810(Regeneron)である。一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、CDR配列の1つ以上(又は集合的にCDR配列のすべて)、重鎖若しくは軽鎖可変領域配列、又はREGN2810の重鎖若しくは軽鎖配列を含む。
一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、PF-06801591(Pfizer)である。一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、CDR配列の1つ以上(又は集合的にCDR配列のすべて)、重鎖若しくは軽鎖可変領域配列、又はPF-06801591の重鎖若しくは軽鎖配列を含む。
一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、BGB-A317又はBGB-108(Beigene)である。一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、CDR配列の1つ以上(又は集合的にCDR配列のすべて)、重鎖若しくは軽鎖可変領域配列、又はBGB-A317若しくはBGB-108の重鎖若しくは軽鎖配列を含む。
一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、INCSHR01210としても公知のINCSHR1210(Incyte)又はSHR-1210である。一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、CDR配列の1つ以上(又は集合的にCDR配列のすべて)、重鎖若しくは軽鎖可変領域配列、又はINCSHR1210の重鎖若しくは軽鎖配列を含む。
一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、ANB011としても公知のTSR-042(Tesaro)である。一実施形態では、抗PD-1抗体分子は、CDR配列の1つ以上(又は集合的にCDR配列のすべて)、重鎖若しくは軽鎖可変領域配列、又はTSR-042の重鎖若しくは軽鎖配列を含む。
さらなる公知の抗PD-1抗体として、例えば、国際公開第2015/112800号パンフレット、国際公開第2016/092419号パンフレット、国際公開第2015/085847号パンフレット、国際公開第2014/179664号パンフレット、国際公開第2014/194302号パンフレット、国際公開第2014/209804号パンフレット、国際公開第2015/200119号パンフレット、米国特許第8,735,553号明細書、米国特許第7,488,802号明細書、米国特許第8,927,697号明細書、米国特許第8,993,731号明細書、及び米国特許第9,102,727号明細書(それら全体が参照により援用される)に記載のものが挙げられる。
一実施形態では、抗PD-1抗体は、本明細書に記載の抗PD-1抗体の1つと同じPD-1上のエピトープとの結合に対して競合し、且つ/又はそれに結合する抗体である。
一実施形態では、PD-1阻害剤は、例えば米国特許第8,907,053号明細書(その全体が参照により援用される)に記載の通り、PD-1シグナル伝達経路を阻害するペプチドである。一実施形態では、PD-1阻害剤は、イムノアドヘシン(例えば、定常領域(例えば免疫グロブリン配列のFc領域))に融合されたPD-L1又はPD-L2の細胞外又はPD-1結合部分を含むイムノアドヘシンである。一実施形態では、PD-1阻害剤は、AMP-224(例えば、国際公開第2010/027827号パンフレット及び国際公開第2011/066342号パンフレット(それら全体が参照により援用される)に開示されたB7-DCIg(Amplimmune))である。
一実施形態では、CTLA-4阻害剤は、CTLA-4を標的にする抗体である。好ましくは、この抗体は、イピリムマブである。
TMB及び免疫活性化の測定
用語「検出」は、直接及び間接検出を含む、検出する任意の手段を含む。
用語「バイオマーカー」は、本明細書で用いられるとき、サンプル中で検出され得る、例えば、予測、診断、及び/又は予後の指標、例えば、特定遺伝子(変化及び発現レベル)若しくは前記遺伝子によってコードされるタンパク質、又は前記特定遺伝子の1つ以上の体細胞突然変異を指す。バイオマーカーは、特定の分子、病理学的、組織学的、及び/又は臨床的特徴(例えば、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤を含む治療に対する応答性)によって特徴づけられる、疾患又は障害(例えばがん)の特定のサブタイプの指標として役立つことがある。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、複数の遺伝子若しくはタンパク質の集合体(例えば、単一又は複数の遺伝子及びタンパク質の発現レベル)又は遺伝子の集合体中の突然変異/変化(例えば体細胞突然変異)である。バイオマーカーとして、限定はされないが、ポリヌクレオチド、ポリヌクレオチド変化(例えば、ポリヌクレオチドコピー数変化)、ポリペプチド、ポリヌクレオチド及びポリペプチド修飾(例えば、翻訳後修飾)、炭水化物、及び/又は糖脂質に基づく分子マーカーが挙げられる。
個体に対する増加した臨床的有用性に関連するTMB及び/又は免疫活性化の「量」又は「レベル」は、生体サンプル中で検出可能なレベルである。それは、当業者によって公知であり、さらには本明細書で開示される方法により測定可能である。遺伝子又はタンパク質発現レベル(IHC、qRT-PCR、ナノストリングのような方法及び当業者によって公知の他の方法によって分析可能)又は体細胞突然変異の量は、治療に対する応答を判定するため、使用可能である。
用語「レベル」は、生体サンプル中の体細胞突然変異の量及び/又は免疫活性化の量を指す。
体細胞突然変異及び/又は免疫活性化の「増加したレベル(increased level)」、「増加したレベル(increased levels)」、「上昇したレベル(elevated level)」、「上昇したレベル(elevated levels)」、又は「高いレベル」は、個体における体細胞突然変異及び/又は免疫活性化の、対照、例えば疾患若しくは障害(例えばがん)を患っていない1つ以上の個体又は内部対照(例えば参照遺伝子)と比べて増加したレベルを指す。いくつかの実施形態では、体細胞突然変異の増加したレベルは、個体の全ゲノム全体を通じて存在し、免疫活性化マーカーの増加した遺伝子又はタンパク質発現レベルは検出可能である。他の実施形態では、体細胞突然変異及び/又は免疫活性化のレベル増加は、個体から収集されたサンプル(例えば、組織又は血液サンプル)中に存在する。いくつかの実施形態では、個体は、がん(例えばメラノーマ)を有する。
体細胞突然変異及び/又は免疫活性化の「減少したレベル(decreased level)」、「減少したレベル(decreased levels)」、「低下したレベル(reduced level)」、「低下したレベル(reduced levels)」、又は「低いレベル」は、個体における体細胞突然変異及び/又は免疫活性化の、対照、例えば疾患若しくは障害(例えばがん)を患っていない1つ以上の個体又は内部対照(例えば参照レベル)と比べて減少したレベルを指す。いくつかの実施形態では、体細胞突然変異の減少したレベルは、個体の全ゲノム全体を通じて存在する。他の実施形態では、体細胞突然変異及び/又は免疫活性化のレベル減少は、個体から収集されたサンプル(例えば、組織又は血液サンプル)中に存在する。いくつかの実施形態では、個体は、がん(例えばメラノーマ)を有する。
本明細書で用いられるとき、「低いTMBスコア」は、参照TMBスコア以下のTMBスコアを指す一方で、「高いTMBスコア」は、参照TMBスコアを超えるTMBスコアを指す。
本明細書で用いられるとき、「低い免疫活性化スコア」は、参照免疫活性化スコア以下の免疫活性化スコアを指す一方で、「高い免疫活性化スコア」は、参照免疫活性化スコアを超える免疫活性化スコアを指す。
本明細書で用いられるとき、用語「参照TMBスコア」は、例えば、診断、予測、予後、及び/又は治療の決定を下すため、もう1つのTMBスコアが比較される対象のTMBスコアを指す。例えば、参照TMBスコアは、参照サンプル、参照集団、及び/又は所定値におけるTMBスコアであってもよい。場合によっては、標的化療法による治療に対する個体の応答性は、カットオフ値以下の非標的化療法による治療に対する個体の応答性と比べて有意に改善される。場合によっては、非標的化療法による治療に対する個体の応答性は、カットオフ値を上回る、標的化療法による治療に対する個体の応答性と比べて有意に改善される。
参照TMBスコアにおける数値が、がんのタイプ(例えば、肺がん(例えば、非小細胞肺がん(NSCLC)又は小細胞肺がん)、腎がん(例えば、腎・尿路上皮がん又は腎細胞がん(RCC))、膀胱がん(bladder cancer)(例えば、膀胱尿路上皮(移行細胞)がん(例えば、局所進行性又は転移性尿路上皮がん、例えば一次選択(1L)又は二次選択又はそれを超える(2L+)局所進行性又は転移性尿路上皮がん))、乳がん(例えば、ヒト上皮成長因子受容体-2(HER2)+乳がん又はホルモン受容体陽性(HR+)乳がん)、結腸直腸がん(例えば、結腸腺がん)、卵巣がん、膵がん、胃がん(gastric carcinoma)、食道がん、中皮腫、メラノーマ(例えば、皮膚メラノーマ)、皮膚がん(例えば、皮膚の扁平上皮がん)、頭頚部がん(例えば、頭頸部扁平上皮がん(HNSCC))、甲状腺がん、肉腫(例えば、軟組織肉腫、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、骨原性肉腫、骨肉腫、軟骨肉腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、平滑筋肉腫、又は横紋筋肉腫)、前立腺がん、神経膠芽腫、子宮頸がん、胸腺がん、白血病(例えば、急性リンパ球性白血病(ALL)、急性骨髄球性白血病(AML)、慢性骨髄球性白血病(CML)、慢性好酸球性白血病、又は慢性リンパ性白血病(CLL))、リンパ腫(例えば、ホジキンリンパ腫又は非ホジキンリンパ腫(NHL))、骨髄腫(例えば、多発性骨髄腫(MM))、菌状息肉症、メルケル細胞がん、血液悪性腫瘍、血液学的組織のがん、B細胞がん、気管支がん、胃がん(stomach cancer)、脳又は中枢神経系のがん、末梢神経系のがん、子宮又は子宮内膜がん、口腔又は咽頭のがん、肝がん、睾丸がん、胆道がん、小腸又は虫垂がん、唾液腺がん、副腎がん、腺がん、炎症性筋線維芽細胞腫、消化管間質性腫瘍(GIST)、結腸がん、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性疾患(MPD)、真性多血症、脊索腫、滑膜腫、ユーイング腫瘍、扁平上皮がん、基底細胞がん、腺がん、汗腺がん、皮脂腺がん、乳頭がん、乳頭腺がん、髄様がん、気管支原性肺がん、腎細胞がん、肝腫瘍、胆管がん、絨毛がん、セミノーマ、胎児性がん、ウィルムス腫瘍、膀胱がん(bladder carcinoma)、上皮がん、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経腫瘍、乏突起神経膠腫、髄膜腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、肝細胞がん、甲状腺がん、小細胞がん、本態性血小板血症、原発性骨髄線維症、過好酸性症候群、全身性肥満細胞症、家族性過好酸球増加症、神経内分泌がん、又はカルチノイド腫瘍、TMBスコアを測定するために使用される方法、及び/又はTMBスコアを生成するために使用される統計学的方法に応じて変化することがあることは当業者によって理解されるであろう。
用語「等価なTMB値」は、体細胞変異体(例えば体細胞突然変異)の数を配列決定された塩基の数(例えば、標的化パネルによって評価されるときの約1.5Mb)で除することによって計算され得るTMBスコアに対応する数値を指す。一般に、TMBスコアが配列決定されたゲノム領域のサイズに線形的に関連することは理解されるべきである。かかる等価なTMB値は、TMBスコアと比べて等価な腫瘍突然変異負荷の程度を示し、例えば、標的化療法剤(例えば、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤、例えばダブラフェニブ及びトラメチニブ又は例えばベムラフェニブ及びコビメチニブ)に対するがん患者の応答を予測するため、本明細書に記載の方法において互換可能に使用され得る。一例として、いくつかの実施形態では、等価なTMB値は、体細胞変異体(例えば体細胞突然変異)の数を配列決定された塩基の数で除することによって計算され得る、正規化されたTMB値である。例えば、等価なTMB値は、配列決定された塩基の規定された数(例えば、標的化パネルによって評価されるときの約1.5Mb)を超えて計数された体細胞突然変異の数として表すことができる。本明細書に記載のようなTMBスコア(例えば、配列決定された塩基の規定された数(例えば、本明細書に記載の標的化パネルにおける1.5Mb)を超えて計数された体細胞突然変異の数として表されるTMBスコア)が、異なる方法(例えば、全エクソーム配列決定又は全ゲノム配列決定)を用いて得られた等価なTMB値を包含することは理解されるべきである。一例として、全エクソームパネルの場合、標的領域は、約50Mbであってもよく、約500の体細胞突然変異が検出されたサンプルは、約10の突然変異/MbのTMBスコアに等価なTMB値である。
本明細書で用いられるとき、用語「参照免疫活性化スコア」は、例えば、診断、予測、予後、及び/又は治療の決定を下すための、もう1つの免疫活性化スコアが比較される対象の免疫活性化スコアを指す。例えば、参照免疫活性化スコアは、参照サンプル、参照集団、及び/又は所定値における免疫活性化スコアであってもよい。
用語「発現のレベル」又は「発現レベル」は、一般に互換可能に用いられ、一般に生体サンプル中のバイオマーカーの量を指す。「発現」は、一般に情報(例えば、遺伝子でコードされた情報及び/又はエピジェネティックな情報)が細胞内に存在し、機能している構造に変換されるプロセスを指す。したがって、本明細書で用いられるとき、「発現」は、ポリヌクレオチドへの転写、ポリペプチドへの翻訳、又はさらにポリヌクレオチド及び/若しくはポリペプチド修飾(例えばポリペプチドの翻訳後修飾)を指してもよい。転写されたポリヌクレオチド、翻訳されたポリペプチド、又はポリヌクレオチド及び/若しくはポリペプチド修飾(例えば、ポリペプチドの翻訳後修飾)の断片はまた、それらが選択的スプライシングによって生成された転写物又は分解された転写物に由来するか、又は例えばタンパク質加水分解による、ポリペプチドの翻訳後プロセシングに由来するかで発現されるとみなされる必要がある。「発現された遺伝子」は、mRNAとしてのポリヌクレオチドに転写され、次いでポリペプチドに翻訳されるものに加え、RNAに転写されてもポリペプチドに翻訳されないもの(例えば、転移及びリボソームRNA)を含む。
「増加した発現」、「増加した発現レベル」、「増加したレベル」、「上昇した発現」、「上昇した発現レベル」、又は「上昇したレベル」は、対照、例えば疾患若しくは障害(例えばがん)を患っていない1つ以上の個体又は内部対照(例えばハウスキーピングバイオマーカー)と比べて、個体におけるバイオマーカーの増加した発現又は増加したレベルを指す。
「減少した発現」、「減少した発現レベル」、「減少したレベル」、「低下した発現」、「低下した発現レベル」、又は「低下したレベル」は、対照、例えば疾患若しくは障害(例えばがん)を患っていない1つ以上の個体又は内部対照(例えばハウスキーピングバイオマーカー)と比べて、個体におけるバイオマーカーの減少した発現又は減少したレベルを指す。
「増幅」は、本明細書で用いられるとき、一般に所望される配列の複数のコピーを生成するプロセスを指す。「複数のコピー」は、少なくとも2つのコピーを意味する。「コピー」は、鋳型配列に対する完全な配列相補性又は同一性を必ずしも意味しない。例えば、コピーは、デオキシイノシンなどのヌクレオチド類似体、意図的配列変化(鋳型に対してハイブリダイズ可能であるが相補的でない配列を含むプライマーを通じて導入された配列変化など)、及び/又は増幅中に生じる配列誤差を含み得る。
「ポリメラーゼ連鎖反応」又は「PCR」の技法は、本明細書で用いられるとき、一般に、微量の核酸、RNA及び/又はDNAの特定断片が、例えば米国特許第4,683,195号明細書に記載のように増幅される場合の手順を指す。一般に、対象の又はそれを超える領域の末端からの配列情報は、オリゴヌクレオチドプライマーが、これらプライマーが配列内で増幅対象の鋳型の逆鎖に対して同一又は類似となるように設計可能であるように利用可能である必要がある。2つのプライマーの5’末端ヌクレオチドは、増幅材料の末端と一致してもよい。PCRは、特定のRNA配列、全ゲノムDNAからの特定のDNA配列、及び全細胞RNAから転写されたcDNA、バクテリオファージ、又はプラスミド配列などを増幅するため、使用され得る。一般に、Mullis et al.,Cold Spring Harbor Symp.Quant.Biol.51:263(1987)及びErlich,ed.,PCR Technology,(Stockton Press,NY,1989)を参照されたい。本明細書で用いられるとき、PCRは、プライマーとしての公知の核酸(DNA又はRNA)の使用を含む、核酸試験サンプルを増幅するための核酸ポリメラーゼ反応法の一例であるが唯一の例でないと考えられ、核酸の特定断片を増幅若しくは生成するか、又は特定の核酸に相補的である核酸の特定断片を増幅若しくは生成するため、核酸ポリメラーゼが使用される。
用語「多重PCR」は、単一反応において2つ以上のDNA配列を増幅することを意図して2つ以上のプライマーセットを使用する、単一供給源(例えば個体)から得られた核酸に対して実施される単一のPCR反応を指す。
「定量リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応」又は「qRT-PCR」は、PCR反応における各ステップでPCR産物の量が測定される場合のPCRの形態を指す。この技法は、例えば、Cronin et al.,Am.J.Pathol.164(1):35-42(2004)及びMa et al.,Cancer Cell 5:607-616(2004)を含む様々な刊行物中に記載されている。
用語「マイクロアレイ」は、基板上での、ハイブリダイズ可能なアレイ要素、好ましくはポリヌクレオチドプローブの規則的配置を指す。
用語「診断」は、分子的又は病理学的状態、疾患又は状態(例えばがん)の同定又は分類を指すように本明細書で用いられる。例えば、「診断」は、がんの特定タイプの同定を指してもよい。「診断」はまた、例えば、病理組織学的基準による、又は分子的特徴による、がんの特定サブタイプの分類を指してもよい(例えば、バイオマーカー(例えば、特定の遺伝子又は前記遺伝子によってコードされるタンパク質)の1つ又は組み合わせの発現によって特徴づけられたサブタイプ)。
用語「サンプル」又は「生体サンプル」は、本明細書で用いられるとき、例えば、物理的、生化学的、化学的、及び/又は生理学的特徴に基づいて特徴づけ及び/又は同定される対象の細胞性及び/又は他の分子実体を含有する、目的の対象及び/又は個体から得られるか又はそれらに由来する組成物を指す。例えば、語句「疾患サンプル」及びその変化は、疾患が想定される目的の対象から得られる任意のサンプルを指すか、又は特徴づけされるべき細胞性及び/又は分子実体を含有することが知られている。サンプルとして、限定はされないが、組織サンプル、初代の又は培養された細胞又は細胞株、細胞上清、細胞可溶化物、血小板、血清、血漿、硝子体液、リンパ液、滑液、卵胞液、精液、羊水、乳汁、全血、血液由来細胞、尿、脳脊髄液、唾液、痰、涙、汗、粘液、腫瘍可溶化液、及び組織培地、組織抽出物、例えば、均質化組織、腫瘍組織、細胞抽出物、及びそれらの組み合わせが挙げられる。一実施形態では、「サンプル」は、「組織サンプル」又は「細胞サンプル」を意味する。別の実施形態では、「サンプル」は、「血液サンプル」を意味する。
「組織サンプル」又は「細胞サンプル」は、対象又は個体の組織から得られる類似細胞の集合体を意味する。組織又は細胞サンプルの供給源は、新しい、凍結した、且つ/又は保存された臓器、組織サンプル、生検、及び/又は吸引物からのような固体組織;血液又は血漿などの任意の血液成分;脳脊髄液、羊水、腹水、又は間質液などの体液;対象の妊娠期間又は発生段階で随時得られる細胞であってもよい。組織サンプルはまた、初代の又は培養された細胞又は細胞株であってもよい。任意選択的には、組織又は細胞サンプルは、疾患組織/臓器から得られる。例えば、「腫瘍サンプル」は、腫瘍又は他のがん性組織から得られる組織サンプルである。組織サンプルは、細胞型の混合集団(例えば、腫瘍細胞と非腫瘍細胞、がん性細胞と非がん性細胞)を含有してもよい。組織サンプルは、例えば、保存剤、抗凝固剤、緩衝液、固定液、栄養分、抗生物質など、天然組織と天然に混合されていない化合物を含有してもよい。場合によっては、組織サンプル又は腫瘍組織サンプルは、血液サンプル又は血液成分、例えば血漿ではない。好ましい実施形態では、組織サンプル又は細胞サンプルは、腫瘍サンプルである。
「腫瘍細胞」は、本明細書で用いられるとき、腫瘍又はそのサンプル中に存在する任意の腫瘍細胞を指す。腫瘍細胞は、当該技術分野で公知の且つ/又は本明細書に記載の方法を用いて、腫瘍サンプル中に存在してもよい他の細胞、例えば間質細胞及び腫瘍浸潤性免疫細胞と区別されてもよい。
「参照サンプル」、「参照組織」、「参照細胞」、「対照サンプル」、「対照組織」、又は「対照細胞」は、本明細書で用いられるとき、比較を目的として使用される、サンプル、組織、細胞、標準、又はレベルを指す。一実施形態では、参照サンプル、参照組織、参照細胞、対照サンプル、対照組織、又は対照細胞は、同じ対象又は個体の身体の健常及び/又は非罹患部分(例えば組織又は細胞)から得られる。例えば、参照サンプル、参照組織、参照細胞、対照サンプル、対照組織、又は対照細胞は、罹患組織又は細胞に隣接した健常及び/又は非罹患組織又は細胞(例えば、腫瘍に隣接した組織又は細胞)であってもよい。別の実施形態では、参照サンプルは、同じ対象又は個体の身体の未治療組織及び/又は細胞から得られる。さらに別の実施形態では、参照サンプル、参照組織、参照細胞、対照サンプル、対照組織、又は対照細胞は、同じ対象又は個体でない個体の身体の健常及び/又は非罹患部分(例えば組織又は細胞)から得られる。さらに別の実施形態では、参照サンプル、参照組織、参照細胞、対照サンプル、対照組織、又は対照細胞は、同じ対象又は個体でない個体の身体の未治療組織及び/又は細胞から得られる。
「相関する(correlate)」又は「相関する(correlating)」は、いかなる方法でも、第1の分析又はプロトコルの性能及び/又は結果を第2の分析又はプロトコルの性能及び/又は結果と比較することを意味する。例えば、第2のプロトコルを実施する場合に第1の分析又はプロトコルの結果を使用してもよく、且つ/又は第2の分析又はプロトコルが実施される必要があるか否かを判定するため、第1の分析又はプロトコルの結果を使用してもよい。ポリペプチド分析又はプロトコルの実施形態については、特定の治療レジメンが実施される必要があるか否かを判定するため、ポリペプチド発現分析又はプロトコルの結果を使用してもよい。ポリヌクレオチド分析又はプロトコルの実施形態については、特定の治療レジメンが実施される必要があるか否かを判定するため、ポリヌクレオチド発現分析又はプロトコルの結果を使用してもよい。
治療に対する応答
「個体の応答」又は「応答」は、限定はされないが、(1)緩徐化又は完全停止を含む、疾患進行(例えばがん進行)のある程度までの阻害;(2)腫瘍サイズの減少;(3)がん細胞の隣接する末梢臓器及び/又は組織への浸潤の阻害(即ち、減少、緩徐化、又は完全停止);(4)転移の阻害(即ち、減少、緩徐化、又は完全停止);(5)疾患又は障害(例えばがん)に関連した1つ以上の症状のある程度までの軽減;(6)全生存、進行のない生存、及び無再発生存を含む、生存の長さにおける増加又は延長;並びに/又は(7)治療後の所与の時点での死亡率低下を含む、個体に対する利益を示す任意のエンドポイントを用いて評価され得る。
薬剤による治療に対する患者の「有効な応答」又は患者の「応答性」及び類似用語は、疾患又は障害、例えばがんのリスクがあるか又はそれを患っている患者にもたらされる臨床的又は治療的利益を指す。一実施形態では、かかる利益は、(全生存及び/又は進行のない生存及び/又は退縮のない生存(regression-free survival)を含む)生存の延長;(完全寛解又は部分寛解を含む)客観的応答の発生;又はがんの徴候若しくは症状の改善の任意の1つ以上を含む。一実施形態では、腫瘍細胞内での体細胞突然変異のレベル(例えば、腫瘍突然変異負荷(TMB))は、例えば本明細書で開示される方法を用いて判定されるとき、同じレベルの体細胞突然変異を有しない患者と比べて、薬剤(例えば標的化療法剤、例えばBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤)による治療に対して、応答性があるという増加した可能性を有するか、又はより高度な応答性を有することが予測される患者を同定するために使用される。一実施形態では、腫瘍細胞内の体細胞突然変異の減少したレベルは、例えば本明細書で開示される方法を用いて判定されるとき、体細胞突然変異の減少したレベルを有しない患者と比べて、薬剤(例えば、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤)による治療に対して、応答性があるという増加した可能性を有することが予測される患者を同定するために使用される。別の実施形態では、バイオマーカー(例えば、免疫活性化の場合、例えばIHC又は遺伝子発現レベルを用いて判定されるとき)は、バイオマーカーを発現しない患者と比べて、薬剤(例えば、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤)による治療に対して、応答性があるという増加した可能性を有するか、又はより高度な応答性を有することが予測される患者を同定するために使用される。一実施形態では、バイオマーカー(例えば、免疫活性化の場合、例えばIHC又は遺伝子発現レベルを用いて判定されるとき)は、バイオマーカーを同じレベルで発現しない患者と比べて、薬剤(例えば、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤)による治療に対して、応答性があるという増加した可能性を有することが予測される患者を同定するため、使用される。一実施形態では、バイオマーカーの存在は、バイオマーカーの存在を有しない患者と比べて、薬剤による治療に対して、応答する可能性がより高いか又はより高度な応答性を有する患者を同定するために使用される。別の実施形態では、バイオマーカーの存在は、バイオマーカーの存在を有しない患者と比べて、患者が薬剤による治療からの利益という増加した可能性を有することになることを判定するために使用される。
「客観的応答」は、完全寛解(CR)又は部分寛解(PR)を含む、測定可能な応答を指す。いくつかの実施形態では、「奏効率(ORR)」は、完全寛解(CR)率と部分寛解(PR)率との合計を指す。
「完全寛解」又は「CR」は、治療に応答した、がんのすべての徴候の消失(例えば、すべての標的病変の消失)が意図される。これは、がんが治癒されていることを常に意味するわけでない。
「持続的応答」は、治療の休止後の、腫瘍成長を低減することに対する持続的効果を指す。例えば、腫瘍サイズは、薬剤投与段階の開始時のサイズと比べて、同じ又はより小さいサイズであってもよい。いくつかの実施形態では、持続的応答は、治療持続期間と少なくとも同じ持続期間、治療持続時間の少なくとも1.5倍、2.0倍、2.5倍、又は3.0倍、又はそれ以上の長さを有する。
本明細書で用いられるとき、「がん再発を低減又は阻害する」は、腫瘍若しくはがんの再発又は腫瘍若しくはがんの進行を低減又は阻害することを意味する。本明細書で開示される通り、がん再発及び/又はがん進行は、限定はされないが、がん転移を含む。
用語「生存」は、生存を維持している患者を指し、全生存とともに、進行のない生存及び無再発生存を含む。
本明細書で用いられるとき、「無再発生存」又は「RFS」は、腫瘍の完全な外科的切除後、治療の間及び後、疾患再発を全く伴わない時間の長さを指し、その間、治療された疾患(例えばがん)の徴候又は症状は出現しない。無再発生存は、患者が完全寛解又は部分寛解を経験している期間、並びに患者が安定疾患を経験している期間を含んでもよい。
本明細書で用いられるとき、「全生存」又は「OS」は、特定の持続期間後に生存している可能性が高い群中の個体の百分率を指す。
「生存延長」は、治療された患者における全生存又は進行のない生存及び無再発生存を、未治療患者と比べて(即ち、薬剤で治療されていない患者と比べて)、又は指定レベルで体細胞突然変異を有しない患者と比べて、且つ/又は抗腫瘍薬で治療された患者と比べて増加させることを意味する。
用語「実質的に同じ」は、本明細書で用いられるとき、2値間の差が、前記値(例えば、Kd値又は突然変異レベル)によって評価された生物学的特徴との関連の中で生物学的及び/又は統計学的有意性がほとんど又は全くないと当業者が考える程度の、2数値間の十分に高度な類似性を表す。前記2値間の差は、参照値/比較値の関数として、例えば、約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、及び/又は約10%未満である。
語句「実質的に異なる」は、本明細書で用いられるとき、2値間の差が、前記値(例えば、Kd値又は突然変異レベル)によって評価された生物学的特徴との関連の中で統計学的有意性があると当業者が考える程度の、2数値間の十分に高度な差異を表す。前記2値間の差は、参照/比較分子における値の関数として、例えば、約10%超、約20%超、約30%超、約40%超、及び/又は約50%超である。
「治療有効量」は、哺乳動物における疾患又は障害を治療又は予防するための治療薬の量を指す。がんの場合、治療有効量の治療薬は、がん細胞の数を低減し;原発性腫瘍のサイズを低減し;がん細胞の末梢臓器への浸潤を阻害し(即ち、ある程度まで緩徐化させ、また好ましくは停止させ);腫瘍転移を阻害し(即ち、ある程度まで緩徐化させ、また好ましくは停止させ);腫瘍成長をある程度まで阻害し;且つ/又は障害に関連した症状の1つ以上をある程度まで緩和することがある。薬剤が成長を阻止し、且つ/又は既存のがん細胞を殺滅することがある程度まで、それは細胞分裂停止性及び/又は細胞傷害性を示すことがある。がん治療においては、インビボでの有効性は、例えば、生存の持続時間、疾患進行までの期間(TTP)、再発までの期間、奏効率(例えば、CR及びPR)、応答の持続時間、及び/又は生活の質を評価することにより測定され得る。
「障害」は、限定はされないが、哺乳動物を問題の障害になりやすくする病態を含む、慢性及び急性障害又は疾患を含む、治療から利益を得ることになる任意の状態である。
用語「がん」及び「がん性」は、典型的には制御されない細胞成長によって特徴づけられる、哺乳類における生理的状態を指すか又は説明する。この定義には、良性及び悪性がんが含まれる。「早期ステージがん」又は「早期ステージ腫瘍」は、浸潤性若しくは転移性でないか、又はステージIがん若しくはステージIIがんとして分類されるがんを意味する。がんの例として、限定はされないが、がん、リンパ腫、芽細胞腫(髄芽腫及び網膜芽細胞腫を含む)、肉腫(脂肪肉腫及び滑膜細胞肉腫を含む)、神経内分泌腫瘍(カルチノイド腫瘍、ガストリノーマ、及び島細胞がんを含む)、中皮腫、シュワン腫(聴神経腫瘍を含む)、髄膜腫、腺がん、メラノーマ、及び白血病又はリンパ系腫瘍が挙げられる。さらに、がんの例として、限定はされないが、肺がん(例えば、非小細胞肺がん(NSCLC))、腎がん(例えば、腎・尿路上皮がん又はRCC)、膀胱がん(bladder cancer)(例えば、膀胱尿路上皮(移行細胞)がん(例えば、局所進行性又は転移性尿路上皮がん、例えば1L又は2L+局所進行性又は転移性尿路上皮がん))、乳がん、結腸直腸がん(例えば、結腸腺がん)、卵巣がん、膵がん、胃がん(gastric carcinoma)、食道がん、中皮腫、メラノーマ(例えば、皮膚メラノーマ)、頭頚部がん(例えば、頭頸部扁平上皮がん(HNSCC))、甲状腺がん、肉腫(例えば、軟組織肉腫、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、骨原性肉腫、骨肉腫、軟骨肉腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、平滑筋肉腫、又は横紋筋肉腫)、前立腺がん、神経膠芽腫、子宮頸がん、胸腺がん、白血病(例えば、急性リンパ球性白血病(ALL)、急性骨髄球性白血病(AML)、慢性骨髄球性白血病(CML)、慢性好酸球性白血病、又は慢性リンパ性白血病(CLL))、リンパ腫(例えば、ホジキンリンパ腫又は非ホジキンリンパ腫(NHL))、骨髄腫(例えば、多発性骨髄腫(MM))、菌状息肉症、メルケル細胞がん、血液悪性腫瘍、血液学的組織のがん、B細胞がん、気管支がん、胃がん(stomach cancer)、脳又は中枢神経系がん、末梢神経系のがん、子宮又は子宮内膜がん、口腔又は咽頭のがん、肝がん、睾丸がん、胆道がん、小腸又は虫垂がん、唾液腺がん、副腎がん、腺がん、炎症性筋線維芽細胞腫、消化管間質性腫瘍(GIST)、結腸がん、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性疾患(MPD)、真性多血症、脊索腫、滑膜腫、ユーイング腫瘍、扁平上皮がん、基底細胞がん、腺がん、汗腺がん、皮脂腺がん、乳頭がん、乳頭腺がん、髄様がん、気管支原性肺がん、腎細胞がん、肝腫瘍、胆管がん、絨毛がん、セミノーマ、胎児性がん、ウィルムス腫瘍、膀胱がん(bladder carcinoma)、上皮がん、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経腫瘍、乏突起神経膠腫、髄膜腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、肝細胞がん、甲状腺がん、小細胞がん、本態性血小板血症、原発性骨髄線維症、過好酸性症候群、全身性肥満細胞症、家族性過好酸球増加症、神経内分泌がん、又はカルチノイド腫瘍が挙げられる。かかるがんのより特定な例として、早期ステージI~IIIの切除可能及び切除不能(ステージIIIC)又は転移性(ステージIV)メラノーマ、肺がん、例えばNSCLC、扁平細胞がん(例えば、扁平上皮細胞がん)、肺がん、例えば小細胞肺がん(SCLC)、並びに肺の腺がん及び肺の扁平上皮がんが挙げられる。特定の例では、肺がんは、NSCLC、例えば局所進行性又は転移性NSCLC(例えば、ステージIIIB NSCLC、ステージIV NSCLC、又は再発性NSCLC)である。いくつかの実施形態では、肺がん(例えばNSCLC)は、切除不能な/手術不能な肺がん(例えば、切除不能なNSCLC)である。他の例として、腹膜のがん、肝細胞がん、膀胱がん(例えば、尿路上皮膀胱がん(例えば、移行細胞又は尿路上皮がん、非筋肉浸潤性膀胱がん、筋肉浸潤性膀胱がん、及び転移性膀胱がん)及び非尿路上皮膀胱がん)、胃(gastric)又は胃(stomach)がん、例えば胃腸がん、膵がん、神経膠芽腫、子宮頸がん、卵巣がん、肝がん、肝腫瘍、乳がん(転移性乳がんを含む)、結腸がん、直腸がん、結腸直腸がん、子宮内膜又は子宮がん、唾液腺がん、腎(kidney)又は腎(renal)がん、前立腺がん、外陰がん、甲状腺がん、肝がん、肛門がん、陰茎がん、メルケル細胞がん、菌状息肉症、睾丸がん、食道がん、胆道の腫瘍、並びに頭頚部がん及び血液悪性腫瘍が挙げられる。いくつかの実施形態では、がんは、トリプルネガティブ転移性乳がん、例えば、乳房の任意の組織学的に確認されたトリプルネガティブ(ER-、PR-、HER2-)腺がんである。
用語「腫瘍」は、本明細書で用いられるとき、悪性又は良性のいずれかのすべての腫瘍性細胞の成長及び増殖、並びにすべての前がん性及びがん性の細胞及び組織を指す。用語「がん」、「がん性」及び「腫瘍」は、本明細書中で参照される通り、相互に排他的でない。
用語「医薬製剤」は、その中に含有される活性成分の生物学的活性が有効であることを可能にするような形態であり、且つ製剤が投与されることになる対象にとって容認できない程に有毒である追加的成分を含有しない製剤を指す。
「薬学的に許容できる担体」は、対象にとって非毒性である、医薬製剤中の活性成分以外の成分を指す。薬学的に許容できる担体として、限定はされないが、緩衝剤、賦形剤、安定剤、又は保存剤が挙げられる。
本明細書で用いられるとき、「治療」(及び「治療する(treat)」又は「治療する(treating)」などのその文法的変形)は、治療中の個体の自然経過を変化させる試みの中での臨床的介入を指し、予防のため又は臨床病理の期間中のいずれかで実施され得る。治療の望ましい効果として、限定はされないが、疾患の発生若しくは再発(recurrence)/再発(relapse)の予防、症状の軽減、疾患の任意の直接的若しくは間接的な病理学的結果の低減、転移の予防、疾患進行の速度の低減、病態の寛解若しくは緩和、及び軽快又は予後改善が挙げられる。いくつかの実施形態では、疾患の発生を遅延させるか又は疾患の進行を遅らせるため、抗体(例えば、抗PD-L1抗体及び/又は抗PD-1抗体)が使用される。
用語「がん療法」は、がんを治療するのに有用な治療法を指す。抗がん治療薬の例として、細胞傷害性薬物、化学療法剤、成長阻害剤(growth inhibitory agent)、放射線療法で使用される薬剤、抗血管新生剤、アポトーシス剤(apoptotic agent)、抗チューブリン剤、及びがんを治療するための他の薬剤、例えば、抗CD20抗体、血小板由来成長因子阻害剤(例えば、グリベック(商標)(メシル酸イマチニブ))、COX-2阻害剤(例えば、セレコキシブ)、インターフェロン、サイトカイン、以下標的:PDGFR-β、BlyS、APRIL、BCMA受容体、TRAIL/Apo2の1つ以上に結合するアンタゴニスト(例えば中和抗体)、他の生物活性剤及び有機化学剤などが挙げられる。それらの組み合わせも本発明に含まれる。
本明細書で用いられるとき、特定の治療法から「利益を得ることがある」患者は、その治療に対してより高い可能性又はより高い規模で応答する患者である。
本明細書で用いられるとき、用語「個体」、「患者」、及び「対象」は、互換可能に用いられ、任意の単一の動物、より好ましくは、治療が所望される哺乳動物(例えば非ヒト動物、例えば、イヌ、ネコ、ウマ、ウサギ、動物園動物、雌ウシ、ブタ、ヒツジ、及び非ヒト霊長類など)を指す。特定の実施形態では、本明細書中の個体又は患者は、ヒトである。
本明細書で用いられるとき、「投与する」及び「投与」は、化合物(例えば、アンタゴニスト)又は医薬組成物(例えば、アンタゴニストを含む医薬組成物)をある用量で対象(例えば患者)に投与する方法を意味する。投与は、非経口、肺内、及び鼻腔内を含む任意の好適な手段により、また必要に応じて局所治療、病変内投与として行うことができる。非経口注入は、例えば、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内、又は皮下投与を含む。投与は、任意の好適な経路により、例えば、一部には投与が短期であるか又は慢性であるかに応じて、静脈内又は皮下注射などの注射により、行うことができる。限定はされないが、単回投与又は様々な時点にわたる多回投与、ボーラス投与、及びパルス注入を含む様々な投与スケジュールが本明細書で検討される。
用語「同時に」は、2つ以上の治療薬の、投与の少なくとも一部が時間重複する場合の投与を指すように本明細書で用いられる。したがって、同時投与は、1つ以上の薬剤の投与が、1つ以上の他の薬剤の投与の中断後に継続するときの投与レジメンを含む。
「低減又は阻害する」は、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又はそれ以上の全体的減少を引き起こす能力を意味する。低減又は阻害するは、例えば、治療中の障害の症状、転移の存在若しくはサイズ、又は原発性腫瘍のサイズを指すことができる。
語句「~に基づく」は、本明細書で用いられるとき、治療決定、添付文書上に提供される情報、又はマーケティング/プロモーションの指針などを通知するため、1つ以上のバイオマーカーについての情報が使用されることを意味する。
実施例1
切除されたBRAF V600-突然変異体のステージIIIメラノーマを有する患者(pts)におけるアジュバントのダブラフェニブ+トラメチニブ(D+T)のCOMBI-AD試験における更新された無再発生存(RFS)及びバイオマーカー分析
背景:COMBI-AD(NCT01682083)の一次分析によると、アジュバントD+T対プラセボで、RFSにおける有意な改善が示された(Pbo;HR、0.47;P<.001)。発明者は、RFS分析とともに、延長されたフォローアップ(FU)、治癒率モデル、及びバイオマーカー分析を提示する。
方法:COMBI-ADは、切除されたBRAF V600-突然変異体のステージIIIメラノーマを有するptsにおける12moのアジュバントD+T対Pboを評価する無作為化第3相試験である。再発しないptsの割合を推定するため、ワイブル混合治癒率モデルを使用した。突然変異の全体像及び遺伝子発現シグネチャー(GES)を、ベースライン組織サンプル中で、570の遺伝子の配列決定及びナノストリング(登録商標)パネルによる遺伝子発現プロファイリング(GEP)により試験した。
結果:中央値FUは44mo(D+T)及び42mo(Pbo)であり;D+T群における177/438名のpts(41%)及びPbo群における254/432名のpts(59%)が再発/死亡していた。中央値RFSは、D+Tで到達せず(NR;95%CI、46.9mo-NR)、Pboで16.6mo(95%CI、12.7~22.1mo)であった(HR、0.49[95%CI、0.40~0.59])。推定治癒率は、D+Tで54%(95%CI、49%~59%)に対し、Pboで37%(95%CI、32%~42%)であった。DNA配列決定、GEP、及びDNA+RNA対の結果は、368名、507名、及び301名のptsの各々において利用可能であった。MAPK経路遺伝子変化は、結果と相関しなかった。免疫GES(例えばインターフェロン[IFN]-γシグネチャー)は、両群において強力に予後的であった。高い腫瘍突然変異負荷(TMB)により、Pbo群において正の予後値がIFN-γシグネチャーに加えられた(高いIFN-γ及び高いTMBがより長いRFSに関連)一方で、D+T群においては、IFN-γ遺伝子シグネチャーにより、ptsがTMB状態と独立により長いRFSを有することが同定された。すべてのTMB/IFN-γサブグループ中のD+T群対Pbo群におけるRFSの探索的分析により、低いTMB又は高いTMB/高いIFN-γが、高いTMB/低いIFN-γよりも大きいRFSの利益に関連することがあることが示唆された。
結論:更新されたRFS及び治癒率モデルにより、アジュバントD+Tの利益が生じていることが確認される。以前、標的化療法抵抗性に関連したMAPK遺伝子変化は、アジュバント状況下での結果に関連しなかった。TMB及び免疫GESにより、Pbo群中でより高い再発リスクのあるptsが同定された。標的化療法剤又はチェックポイント阻害剤でのこれらマーカーの適中率は、前向き試験におけるさらなる検証を支持する。
実施例2
ステージ3メラノーマにおけるアジュバントのダブラフェニブ/トラメチニブ又はプラセボの後のゲノムランドスケープ、腫瘍突然変異負荷(TMB)、免疫遺伝子発現シグネチャー及び臨床成績:第III相COMBI-AD試験の相関性分析
方法
組織サンプル及びDNA/RNA抽出
Combi-AD試験におけるすべての患者が、原発性皮膚腫瘍及びリンパ節の外科的切除を受けた。スクリーニング時、組織サンプルを中央BRAF試験用に提出した。患者の同意が得られる場合、残存組織材料を探索的バイオマーカー試験に使用した。受け取ったすべてのブロックから、5(±1)μm厚の切片を切断した。病理学者は、目的の領域(ROI)内の腫瘍含量の大まかな百分率及び全腫瘍面積(mm2)を同定し、注釈を付けるため、アーカイブFFPEスライド及び腫瘍ブロックから新しく切断したスライドを目視検査した。腫瘍細胞含量に応じて、4~12のスライドを巨視的に切除し、DNA/RNA単離に使用した。ROIが10%未満の腫瘍含量を含有した場合、さらなる処理を取り消した。DNA/RNAは、FFPE組織キットからのQiagen AllPrep(商標)RNA/DNA Extractionを使用して入手可能な各ベースライン又は再発サンプルから共抽出した。
標的化配列決定、腫瘍突然変異負荷の報告
DNA配列決定は、BRAF試験から、DNA/RNA共抽出物又は残存DNAのいずれかを使用して実施した。DNAを剪断し(Covarisウルトラソニケーター)、末端修復を施した。A-テーリング、インデックスアダプターライゲーション、及びPCR増幅では、TruSeq Nano Library Preparation kit(Illumina)を使用した。NGSライブラリーを変性させ、570の固形腫瘍関連遺伝子を標的にする特異的なゲノム領域からの断片に結合するように設計されたRNAベイトセットにハイブリダイズさせる。ハイブリッド捕捉は、SureSelect試薬(Agilent)を使用して実施する。捕捉されたライブラリーは、配列決定ライブラリーを通じて550倍の平均目標カバレッジを達成するIllumina HiSeq上で配列決定した。
得られた配列決定データを次のように処理した:最初に、Burrows-Wheeler Aligner(BWA-MEM)を使用し、配列リードを参照ヒトゲノム(ビルドhg19)に整列させ[Li H.and Durbin R.,Bioinformatics,2009]、BAMファイルを作成した。次に、初期BAMファイルをピカールで洗浄し、PCR複製物をマークし、複製リードのパーセントを記録した[http://picard.sourceforge.net]。次に、局所的再アラインメント及び塩基品質スコアの再較正のため、ゲノム分析ツールキットを使用した[McKenna et al.,Genome Research,2010;DePristo M.et al.,Nature Genetics,2011]。MUTECTにより、単一ヌクレオチド変異体を同定した。PureCNを使用し、コピー数多形を同定した[Riester et al.Source Code for Bio Med 2016]。PINDELを使用し、インデルを同定した[Kai Ye et al.,Bioinformatics 2009]。PureCNを使用し、標的タンパク質コード配列における腫瘍突然変異負荷を推定した[Riester et al.2016 Source Code for Biology and Medicine]。つまり、配列決定コード領域内で0.03の最小対立遺伝子画分で検出された予測体細胞SNV(サイレント突然変異を含む)の総数(1.5Mb)を、配列決定されたコード塩基の総メガベースで除した。
配列決定ライブラリーは、平均カバレッジが少なくとも100倍であり、20%未満のGC及びATドロップアウトを有し、且つ配列決定されたサンプル中での腫瘍含有の証拠(推定腫瘍純度>0)が認められた場合、下流分析に含めた。潜在的な配列決定アーチファクト及び生殖系列遺伝子変異体は、下流分析から排除した。潜在的なアーチファクトSNVは、低カバレッジ(<50倍)、低いリードサポート(突然変異対立遺伝子をサポートする<5のリード)、低い対立遺伝子画分(<0.01、既知の又は潜在的な発がん性突然変異がない場合)、低い平均塩基品質(<25、既知のホットスポット突然変異がない場合)、又は整列が十分にサポートされないリードの高い割合(>10%MQ0)によって同定された。潜在的なアーチファクトインデルは、低いカバレッジ(<50倍)、低いリードサポート(<4)、低い対立遺伝子画分(<0.04)、又はゲノムの反復領域との重複によって同定された。潜在的な生殖系列のSNV及びインデルは、エクソーム配列決定プロジェクト(http://evs.gs.washington.edu/EVS/)及びエクソーム凝集コンソーシアムデータベース(http://exac.broadinstitute.org/)における、認識できる頻度(ESP MAF>0.001又はExAC数>3、既知のホットスポット突然変異がない場合)での存在によって同定された。SNV及びインデルは、がんの体細胞突然変異のカタログにおける存在、並びに「既知の」発がん性と考えられるCOSMICにおける5以上の腫瘍で報告された突然変異、5未満のCOSMICカウントを有するが「潜在的な」発がん性と考えられるタンパク質の中途切断をもたらすことが予測される突然変異、及び「未知の」発がん状態と考えられる他のすべてによる機能的効果に基づき、機能的有意性に割り当てた。CNVは、推定コピー数が少なくとも7であった場合、増幅と考えられ、且つCNVは、推定コピー数が0.5以下であった場合、ホモ接合性欠失と考えられた。
遺伝子発現プロファイリング:フィルタリング/プロセシング、正規化
カスタマイズされたナノストリング遺伝子パネル(n=800、780の目的遺伝子及び20のハウスキーピング遺伝子)を使用し、目的の単一遺伝子及び遺伝子発現シグネチャーを分析した。
フィルタリングは、生の非正規化データに対し、(平均+2標準偏差としてベースラインを計算するための)陰性対照、またそのベースラインに対する品質を判定するためのハウスキーピング遺伝子を使用して実施した。log10(ベースライン+1)+0.25未満に該当する11又はそれ以上(即ち半数を超える)変換値を有するサンプルを除外した。対数適用前に各値に1.0を加えることは、異常値として0が出現することを防ぐ。ベースラインを0.25上回ることで、ハウスキーピング遺伝子発現が信頼できる正規化係数を得るのに十分なダイナミックレンジを有することが保証される。
正規化のため、20のハウスキーピング遺伝子を使用した。すべての予め規定したハウスキーピング遺伝子が、ナノストリングパネル上のすべての他の遺伝子と比べて、中程度の/高い平均発現レベル及び低い標準偏差を有することが見出された。ハウスキーピング遺伝子はまた、皮膚及びリンパ節のサンプル間で発現レベルにおける有意差を示さなかった。正規化は、HKGの幾何平均から算出された係数を掛けることにより実行し、平均正規化係数で補正する。
・log(x+1)によって変換されたシグナル
・Yj=正規化群/サンプルの幾何平均
・正規化係数=Avg(Yj)/Yj
・ベースラインは平均(neg ctrl)+2標準偏差(neg ctrl)である。これは非変換データ(生の非正規化データ、陰性対照を使用)に対し、各サンプルに対して独立に計算される。
・評価のため、Log10(x+1)がベースライン及びHKG値に適用される。
予め選択した遺伝子発現シグネチャーを、シグネチャーに含まれる遺伝子における平均正規化遺伝子発現値として計算した。すべての遺伝子からのデータをシグネチャーの計算において同様に重み付けたが;使用したシグネチャーにおいて負の符号が付いた遺伝子は認められなかった。
遺伝子発現データの大半は、リンパ節(60%)及び初代皮膚(35%)からのサンプルを使用して作成した。予想通り、目的の一部の遺伝子及び遺伝子シグネチャーは、皮膚及びリンパ節のサンプル間で差次的に発現されることが見出された(例えば、B細胞遺伝子はリンパ節内でより高度な発現を有する)。初代皮膚サンプルがより多くはステージ3a疾患を有する患者用に提出された(逆のことがステージ3cに対するリンパ節に言える)ことから、組織供給源は、ステージや、結果的には無再発生存に関連した。したがって、収集した組織サンプルに基づかない臨床成績との潜在的関連性を確認するため、すべてのサンプル及びリンパ節サンプル単独に対してすべての統計学的解析を実行した。
統計分析
臨床応答に対するバイオマーカーの重要性を評価又は順位付けするため、単変量Cox比例ハザードモデルを適合させた。特定サブグループの生存特性を可視化するため、カプラン・マイヤーのノンパラメトリック生存関数推定値を適合させ、プロットした。
2つ以上の予測変数(臨床変数又はバイオマーカー変数)間の関係を評価するため、R「polspline」パッケージにおいて実行された通り、Kooperbergの方法(1995)を用いて、初期探索的なセミパラメトリックハザード回帰モデルを適合させた。バイオマーカー分析において保持されるべき臨床変数;非比例ハザードの存在;及び変数間の相互作用を同定するため、これらの探索モデルを試験した。その後、ハザード比を理解し、統計学的推論を構築するため、Cox比例ハザードモデルを適合させた。
Coxモデルにおける特定変数の統計学的有意性を、1つ以上の期間がモデルから欠落させる場合の尤度比検定により評価した。場合によっては、検定は、通常の近似及び係数推定値とそれらの標準誤差との比較に基づいた。
バイオマーカーの臨床応答との関係を評価することを目標に、臨床又はサンプル変数の標準セットを大部分の分析に含めた。
・ベースライン組織供給源:{リンパ節/一次/転移性/移行・転移の場合/欠損}
・ステージ:{IIIA/IIIB/IIIC/欠損}
・転移:{マクロ転移/マイクロ転移/欠損}
・BRAF突然変異:{V600E/V600K/V600E及びV600K}
・リンパ節の数:整数
・潰瘍化:{有/無/欠損}
・年齢:整数
・性別:{男性/女性}。
いくつかの臨床又はサンプルの特性変数は、いくつかの欠損値を含んだ。かかる変数をモデルに含める必要があったとき、R「missForest」パッケージを使用して欠損値を補完した。
結果
バイオマーカーコホートにおける患者特徴
DNA-seq及び遺伝子発現についての評価可能なデータは各々、患者368名及び507名から得た。バイオマーカーコホートは、Combi-AD試験集団の58%(RNA)、42%(DNA)を表した。DNA-seq及び遺伝子発現データ(RNA)対は、患者301名について利用可能であった。バイオマーカーコホート(DNA-seq、RNA)のベースライン特徴を全ITT集団と比較した。人口統計及びベースラインの臨床的特徴は、大部分の試験変数について、バイオマーカーコホートと試験集団との間で類似した。DNA-seqコホートとITT集団との間で、ステージについての軽微な不均衡が認められた。特に、ステージIIIAにおける95%CIは、ITTセットとDNA-seqセットとの間で重複せず、さらにDNA-seq集団内のD+T群においてより多くの事象が認められた。これは、RNAコホート(n=507)及びDNA-seq/RNAバイオマーカーコホート対(n=301)において認められなかった。
ベースラインでの早期ステージ3メラノーマにおけるゲノムランドスケープ;Combi-AD試験における治療法に対する臨床成績及び応答との関連性
スクリーニング時のqPCRに基づくアッセイ(FDA認可のBiomerieux BRAF ThxIDアッセイ)によって生成された結果に一致する、利用可能な配列決定データを有するほぼすべて(367/368)のベースラインサンプル中での標的化配列決定により、BRAF V600E/K突然変異が検出された。ゲノムランドスケープは、メラノーマについて予想通りであり:特に最も一般的な非BRAF V600遺伝子異常は、CDKN2Aが27%(CDKN2Bを包含するより大きい欠失を有する患者を含む)、PTENが16%、TP53が16%、且つARID2が9%であった。
ステージ3メラノーマを有する未治療及び治療患者における免疫遺伝子発現シグネチャーの予後値
ステージ3メラノーマにおける予後遺伝子を同定するため、すべての780の目的遺伝子(カスタマイズされたナノストリングパネル、材料及び方法を参照)を、プラセボ群からの256のサンプル中のRFSとのそれらの関連性について評価した。
良好な臨床成績に関連する上位遺伝子の中に、T細胞、NK、IFN-γに特異的な遺伝子を含む複数の免疫マーカーが含まれた。予め規定されたT細胞及びIFN-γに特異的な遺伝子発現シグネチャーの探索により、高いCD8/T細胞及びIFN-γレベルを有する腫瘍がプラセボ群において有意に改善された無再発生存を示すことが示された。全体として、免疫シグネチャー(例えば、CD8/T細胞、IFN-γ)は、Combi-AD試験でのプラセボ群及び治療群における上位の予後マーカーの中に含まれた。
プラセボ群及び治療群における腫瘍突然変異負荷と免疫遺伝子発現シグネチャーとの間の相互作用
各腫瘍サンプルにおいて、腫瘍突然変異負荷を算出した。腫瘍突然変異負荷(TMB)中央値は、ベースライン腫瘍において7.3SNV/Mbであった。予想通り、BRAF V600K突然変異を有する腫瘍は、有意により高いTMBレベルを有した(ウィルコクソン順位和検定のP値5e-9;)。TMB及び他の臨床変数についての強力な関連性は同定されなかった(データは示さず)。肺がんにおける前述の知見と合致して、DNA-seq及びRNAデータ対を有するサンプル301名において、腫瘍突然変異負荷とPD-L1発現レベル、IFN-γシグネチャー又はCD8/T細胞免疫遺伝子発現シグネチャーとの間に強力な相関を全く見出さなかった。IFN-γシグネチャー及びTMBレベルが強力に相関しないが、両パラメータはプラセボ群における有意な独立した予後情報を有し、結果として、高いTMB(ここで上から3番目と定義)及び高いIFN-γシグネチャーレベル(ここで中央値によって定義)を有する患者が、外科的切除単独により非常に良好な臨床成績(>60%のRFS)を有した一方で、低いTMB及び低いIFN-γ免疫シグネチャーを有するすべての患者のほぼ80%が、利用可能なフォローアップ期間において再発事象を有した。興味深いことに、予後の臨床成績との関連性は、治療群において、CD8/T細胞シグネチャーについては維持されるが、TMBについては大幅に弱まる。事実、完全に異なる転帰パターンが治療群におけるTMB-IFN-γサブグループにおいて認められ:低いTMBが早期(治療中)再発事象と初期に関連した。しかし、いくつかの再発事象が、治療中断後(>12か月治療)にTMB-高群において、特に低いCD8/T細胞シグネチャーレベルを有する腫瘍において生じた。IFN-γシグネチャー及び他の免疫遺伝子発現シグネチャーが、後期再発事象を予測するために重要であるように思われ、特にTMB-高サブグループの場合、高いIFN-γレベルが、改善された長期転帰のおかげで平衡を損なうように思われる。
この分析が目的の小さいバイオマーカーサブグループにおける治療相互作用を評価するのに有効でない一方で、データは、特に免疫遺伝子発現シグネチャーが検出可能でない場合、標的化療法剤から低いTMBを有する患者が非常に高いTMBを有する患者と比べてより明白な長期的利益を有するように思われることを示唆する。非常に高いTMBを有する患者は、初期は標的化療法剤に対して良好な応答を有するが、次いで多数のネオ抗原が(特に低いIFN-γレベルの存在下で)免疫系によって認識できない場合、標的化療法剤に対して獲得耐性/進行を示すように思われる。
治療群におけるTMBと免疫遺伝子発現シグネチャーとの間の相互作用:この相互作用における理由は、宿主-腫瘍相互作用が、次の競合する要素の複雑な複層した相互作用を表すことから、直ぐに明白であるわけでない:
○高いTMB=ゲノム不安定性は、腫瘍進行を促進する、重要な獲得耐性突然変異をもたらす
○同時に標的化療法剤は細胞死をもたらし、抗原提示及び高い突然変異レベルにより、免疫系によって認識されることがあるネオエピトープが生成される。したがって、高いTMBにより、非同義突然変異の1つが最終的には固有に免疫原性を示すという可能性が高まることもある。これは高いTMBを有する患者が比較的低い再発率を有する一方で、治療時、次いで治療中断後、高いTMB及び低いIFN-γレベルを有する患者が12か月後に多数の再発事象を示す理由かもしれない。
○収集時のCD8/T細胞及びIFNyは、腫瘍成長にわたりある程度までの制御を発揮する宿主免疫系の能力の証拠を示すものとして考えてもよい。TMB-高の腫瘍の場合、これは2方向への平衡を損なうことがある
・免疫細胞が存在しない場合、標的化療法剤に対する回避機構が支配的である。再発機構に対する多様性は多く認められるが、腫瘍成長を制御するための免疫浸潤物はほとんど認められない。ダブラフェニブ及びトラメチニブの周知の免疫調節機構は、患者が治療時に再発しないが、それが持続可能な免疫応答でないことの理由かもしれない、
・CD8/T細胞及びIFNyが存在する=免疫系による腫瘍の認識が支配的である場合、持続可能な長期的な適応免疫応答。

Claims (49)

  1. BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤(targeted therapy)から利益を得ることがあるメラノーマ患者を同定する方法であって、前記患者からのサンプル中の腫瘍突然変異負荷(TMB)をスコア化することを含み、ここで低いTMBスコアから、前記患者がBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤から利益を得ることがある患者として同定される、方法。
  2. メラノーマ患者に対する治療を選択する方法であって、前記患者からのサンプル中のTMBをスコア化することを含み、ここで低いTMBスコアから、前記患者がBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤から利益を得ることがある患者として同定される、方法。
  3. 前記TMBスコアが低く、且つ前記方法が、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤を有効量で前記患者に投与することをさらに含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. メラノーマ患者を治療する方法であって、
    a.前記患者からのサンプル中のTMBをスコア化することであって、前記TMBスコアが低い、スコア化すること、
    b.BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤を有効量で前記患者に投与することと、
    を含む方法。
  5. メラノーマ患者を治療する方法であって、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤を有効量で前記患者に投与することを含み、ここで前記投与に先立ち、低いTMBスコアが前記患者からのサンプルから判定されている、方法。
  6. メラノーマ患者をBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤で治療する方法であって、前記患者の前記メラノーマが低いTMBスコアを有するものとして特徴づけられる、方法。
  7. BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤による治療を意図したメラノーマ患者を選択するための予測マーカーとしてのTMBの使用であって、患者が、前記患者のサンプルが低いTMBスコアを有するものとして判定される場合、前記治療により治療される、使用。
  8. BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤から利益を得ることがあるメラノーマ患者を同定する方法であって、前記患者からのサンプル中のi)TMB及びii)免疫活性化レベルをスコア化することを含み、ここで高い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコアから、前記患者がBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤から利益を得ることがある患者として同定される、方法。
  9. メラノーマ患者に対する治療を選択する方法であって、前記患者からのサンプル中のi)TMB及びii)免疫活性化レベルをスコア化することを含み、ここで高い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコアから、前記患者がBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤から利益を得ることがある患者として同定される、方法。
  10. 前記TMBスコアと前記免疫活性化スコアの双方が高く、且つ前記方法が、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤を有効量で前記患者に投与することをさらに含む、請求項8又は9に記載の方法。
  11. メラノーマ患者を治療する方法であって、
    a.前記患者からのサンプル中のi)TMB及びii)免疫活性化レベルをスコア化することであって、前記TMBスコアと前記免疫活性化スコアの双方が高い、スコア化すること、
    b.BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤を有効量で前記患者に投与することと、
    を含む方法。
  12. メラノーマ患者を治療する方法であって、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤を有効量で前記患者に投与することを含み、ここで前記投与に先立ち、高い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコアが前記患者からのサンプルから判定されている、方法。
  13. BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む治療でメラノーマを有する患者を治療する方法であって、ここで前記患者の前記メラノーマが高い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコアを有するものとして特徴づけられる、方法。
  14. BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む療法による治療を意図したメラノーマ患者を選択するための予測マーカーとしてのTMB及び免疫活性化の使用であって、ここで患者が、前記患者の前記サンプルが高い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコアを有するものとして判定される場合、前記治療により治療される、使用。
  15. メラノーマ患者を、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤から利益を得ることがある第1の群と免疫腫瘍治療薬(immuno-oncology therapy)から利益を得ることがあるもう1つの群との2群に層別化する方法であって、前記患者からのサンプル中のi)TMB及びii)免疫活性化レベルをスコア化することを含み、ここでBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤から利益を得ることがある患者が、高い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコア又は免疫活性化スコアと無関係に低いTMBスコアのいずれかを有する一方で、免疫腫瘍治療薬から利益を得ることがある患者が、低い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコアを有する、方法。
  16. 治療を選択するため、メラノーマ患者を2群に層別化する方法であって、前記患者からのサンプル中のi)TMB及びii)免疫活性化レベルをスコア化することを含み、ここで高い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコア又は免疫活性化スコアと無関係に低いTMBスコアから、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤から利益を得ることがある患者が同定される一方で、低い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコアから、前記患者が免疫腫瘍治療薬から利益を得ることがある患者として同定される、方法。
  17. a.高い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコア又は免疫活性化スコアと無関係に低いTMBスコアが判定されており、且つ前記方法がBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤を有効量で前記患者に投与することをさらに含む、又は
    b.低い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコアが判定されており、且つ前記方法が免疫腫瘍治療薬を有効量で前記患者に投与することをさらに含む、
    のいずれかである、請求項15又は16に記載の方法。
  18. メラノーマ患者を治療する方法であって、
    a.前記患者からのサンプル中のi)TMB及びii)免疫活性化レベルをスコア化することと、
    b.治療薬(therapy)を有効量で前記患者に投与することと、
    を含み、ここで前記治療薬が、高い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコア又は免疫活性化スコアと無関係に低いTMBスコアを有する患者に対するBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤であり、且つ前記治療薬が、低い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコアを有する患者に対する免疫腫瘍治療薬である、方法。
  19. メラノーマ患者を治療する方法であって、
    a.投与に先立ち、高い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコア又は免疫活性化スコアと無関係に低いTMBスコアが前記患者からのサンプルから判定されている、有効量のBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤、又は
    b.投与に先立ち、低い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコアが前記患者からのサンプルから判定されている、有効量の免疫腫瘍治療薬、のいずれかを前記患者に投与することを含む、方法。
  20. メラノーマを有する患者を治療する方法であって、
    a.前記患者の前記メラノーマが高い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコア又は免疫活性化スコアと無関係に低いTMBスコアを有するものとして特徴づけられる、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤、又は
    b.前記患者の前記メラノーマが低い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコアを有するものとして特徴づけられる、免疫腫瘍治療薬、
    のいずれかによる、方法。
  21. メラノーマ患者であって、
    a.前記患者のメラノーマが高い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコア又は免疫活性化スコアと無関係に低いTMBスコアを有するものとして特徴づけられる、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤、又は
    b.前記患者のメラノーマが低い免疫活性化スコアを伴う高いTMBスコアを有するものとして特徴づけられる、免疫腫瘍治療薬、
    のいずれかによる治療を意図したメラノーマ患者を選択するための予測マーカーとしてのTMB及び免疫活性化の使用。
  22. メラノーマ患者を、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤から利益を得ることがある第1の群と、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤と免疫腫瘍治療薬との組み合わせから利益を得ることがある第2の群との2群に層別化する方法であって、前記患者からのサンプル中のTMBをスコア化することを含み、ここでBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤から利益を得ることがある患者が低いTMBスコアを有する一方で、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤と免疫腫瘍治療薬との組み合わせから利益を得ることがある患者が高いTMBスコアを有する、方法。
  23. 治療を選択するため、メラノーマ患者を2群に層別化する方法であって、前記患者からのサンプル中のTMBをスコア化することを含み、ここで低いTMBスコアから、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤から利益を得ることがある患者が同定される一方で、高いTMBスコアから、前記患者がBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤と免疫腫瘍治療薬との組み合わせから利益を得ることがある患者として同定される、方法
  24. a.低いTMBスコアが判定されており、且つ前記方法がBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤を有効量で前記患者に投与することをさらに含む、又は
    b.高いTMBスコアが判定されており、且つ前記方法がBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤と免疫腫瘍治療薬との組み合わせを有効量で前記患者に投与することをさらに含む、のいずれかである、請求項22又は23に記載の方法。
  25. メラノーマ患者を治療する方法であって、
    a.患者からのサンプル中のTMBをスコア化することと、
    b.治療薬を有効量で患者に投与することと、
    を含み、ここで前記治療薬が、低いTMBスコアを有する患者に対するBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤であり、且つ前記治療薬が、高いTMBスコアを有する患者に対するBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤と免疫腫瘍治療薬との組み合わせである、方法。
  26. メラノーマ患者を治療する方法であって、
    a.投与に先立ち、低いTMBスコアが前記患者からのサンプルから判定されている、有効量のBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤、又は
    b.投与に先立ち、高いTMBスコアが前記患者からのサンプルから判定されている、有効量のBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤と免疫腫瘍治療薬との組み合わせ、
    のいずれかを前記患者に投与することを含む、方法。
  27. メラノーマを有する患者を治療する方法であって、
    a.前記患者の前記メラノーマが低いTMBスコアを有するものとして特徴づけられる、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤、又は
    b.前記患者のメラノーマがTMBスコアを有するものとして特徴づけられる、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤と免疫腫瘍治療薬との組み合わせ、
    のいずれかによる、方法。
  28. 免疫腫瘍治療薬と組み合わせたBRAF及び/又はMEK阻害剤を含む標的化療法剤による治療を意図したメラノーマ患者を選択するための予測マーカーとしてのTMBの使用であって、前記患者からのサンプル中のTMBをスコア化することを含み、ここで前記標的化療法剤がBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含み、且つ前記免疫腫瘍治療薬がPD-1又はPD-L1結合アンタゴニストである、使用。
  29. メラノーマ患者を、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤から利益を得ることがある第1の群と、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤と免疫腫瘍治療薬との組み合わせから利益を得ることがある第2の群との2群に層別化する方法であって、前記患者からのサンプル中のi)TMB及びii)免疫活性化レベルをスコア化することを含み、ここでBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤から利益を得ることがある患者が低い免疫活性化スコアを伴う低いTMBスコアを有する一方で、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤と免疫腫瘍治療薬との組み合わせから利益を得ることがある患者が、高い免疫活性化スコアを伴う低いTMBスコア又は免疫活性化スコアと無関係に高いTMBスコアのいずれかを有する、方法。
  30. 治療を選択するため、メラノーマ患者を2群に層別化する方法であって、前記患者からのサンプル中のi)TMB及びii)免疫活性化レベルをスコア化することを含み、ここで低い免疫活性化スコアを伴う低いTMBスコアから、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤から利益を得ることがある患者が同定される一方で、高い免疫活性化スコアを伴う低いTMBスコア又は免疫活性化スコアと無関係に高いTMBスコアのいずれかから、前記患者がBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤と免疫腫瘍治療薬との組み合わせから利益を得ることがある患者として同定される、方法。
  31. a.低い免疫活性化スコアを伴う低いTMBスコアが判定されており、且つ前記方法がBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤を有効量で前記患者に投与することをさらに含む、又は
    b.高い免疫活性化スコアを伴う低いTMBスコア又は免疫活性化スコアと無関係に高いTMBスコアのいずれかが判定されており、且つ前記方法がBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤と免疫腫瘍治療薬との組み合わせを有効量で前記患者に投与することをさらに含む、
    のいずれかである、請求項29又は30に記載の方法。
  32. メラノーマ患者を治療する方法であって、
    a.前記患者からのサンプル中のi)TMB及びii)免疫活性化レベルをスコア化することと、
    b.治療薬を有効量で前記患者に投与することと、
    を含み、ここで前記治療薬が、低い免疫活性化スコアを伴う低いTMBスコアを有する患者に対するBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤であり、且つ前記治療薬が、高い免疫活性化スコアを伴う低いTMBスコア又は免疫活性化スコアと無関係に高いTMBスコアのいずれかを有する患者に対するBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤と免疫腫瘍治療薬との組み合わせである、方法。
  33. メラノーマ患者を治療する方法であって、
    a.投与に先立ち、低い免疫活性化スコアを伴う低いTMBスコアが前記患者からのサンプルから判定されている、有効量のBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤、又は
    b.投与に先立ち、高い免疫活性化スコアを伴う低いTMBスコア又は免疫活性化スコアと無関係に高いTMBスコアのいずれかが前記患者からのサンプルから判定されている、有効量のBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤と免疫腫瘍治療薬との組み合わせ、
    のいずれかを前記患者に投与することを含む、方法。
  34. メラノーマを有する患者を治療する方法であって、
    a.前記患者のメラノーマが低い免疫活性化スコアを伴う低いTMBスコアを有するものとして特徴づけられる、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤、又は
    b.前記患者のメラノーマが高い免疫活性化スコアを伴う低いTMBスコア又は免疫活性化スコアと無関係に高いTMBスコアのいずれかを有するものとして特徴づけられる、BRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含む標的化療法剤と免疫腫瘍治療薬との組み合わせ、
    のいずれかによる、方法。
  35. 免疫腫瘍治療薬と組み合わせたBRAF及び/又はMEK阻害剤を含む標的化療法剤による治療を意図したメラノーマ患者を選択するための予測マーカーとしてのTMB及び免疫活性化の使用であって、前記患者からのサンプル中のi)TMB及びii)免疫活性化レベルをスコア化することを含み、前記標的化療法剤がBRAF及び/又はMEKを標的にする薬剤を含み、且つ前記免疫腫瘍治療薬がPD-1又はPD-L1結合アンタゴニストである、使用。
  36. 前記メラノーマがBRAF V600突然変異体メラノーマであり、前記患者がBRAF及び/又はMEKを標的にする治療により治療され、前記BRAF及び/又はMEK薬剤がダブラフェニブ及びトラメチニブ又はベムラフェニブ及びコビメチニブであり、前記患者がステージI、II、III、IV又はVメラノーマを有し、前記治療が一次治療、二次治療、三次治療、若しくは四次治療若しくはそれを超える治療、又はアジュバント若しくはネオアジュバント治療であり、且つ低いTMBスコアが、5以下、6以下、7以下、8以下、9以下、10以下、11以下、12以下、13以下、14以下、15以下、又は16以下の突然変異/メガベース(突然変異/Mb)、好ましくは9以下、10以下、又は11以下の突然変異/Mb、より好ましくは10以下の突然変異/Mbである、請求項1~6及び22~27のいずれか一項に記載の方法並びに請求項7及び28に記載の使用。
  37. 前記メラノーマがBRAF V600突然変異体メラノーマであり、前記患者がBRAF及び/又はMEKを標的にする治療により治療され、前記BRAF及び/又はMEK薬剤がダブラフェニブ及びトラメチニブ又はベムラフェニブ及びコビメチニブであり、前記患者がステージI、II、III、IV又はVメラノーマを有し、前記治療が一次治療、二次治療、三次治療、若しくは四次治療若しくはそれを超える治療、又はアジュバント若しくはネオアジュバント治療であり、高いTMBスコアが、5超、6超、7超、8超、9超、10超、11超、12超、13超、14超、15超、又は16超の突然変異/Mb、好ましくは9超、10超、又は11超の突然変異/Mb、より好ましくは10超の突然変異/Mbであり、且つ前記免疫活性化レベルが、腫瘍浸潤リンパ球、PD-L1、CD8、IFNy又はT細胞炎症性遺伝子発現シグネチャーを測定することにより評価される、請求項8~13のいずれか一項に記載の方法及び請求項14に記載の使用。
  38. 前記メラノーマがBRAF V600突然変異体メラノーマであり、前記患者がBRAF及び/又はMEKを標的にする治療により治療され、前記BRAF及び/又はMEK薬剤がダブラフェニブ及びトラメチニブ又はベムラフェニブ及びコビメチニブであり、且つ/又は単剤若しくは別の免疫腫瘍治療薬との組み合わせのいずれかとしてのPD-1若しくはPDL-1結合アンタゴニストである免疫腫瘍治療薬を伴い、前記患者がステージI、II、III、IV又はVメラノーマを有し、前記治療が一次治療、二次治療、三次治療、若しくは四次治療若しくはそれを超える治療、又はアジュバント若しくはネオアジュバント治療であり、低いTMBスコアが、5以下、6以下、7以下、8以下、9以下、10以下、11以下、12以下、13以下、14以下、15以下、又は16以下の突然変異/Mb、好ましくは9以下、10以下、又は11以下の突然変異/Mb、より好ましくは10以下の突然変異/Mbであり、高いTMBスコアが、5超、6超、7超、8超、9超、10超、11超、12超、13超、14超、15超、又は16超の突然変異/Mb、好ましくは9超、10超、又は11超の突然変異/Mb、より好ましくは10超の突然変異/Mbであり、且つ前記免疫活性化レベルが、腫瘍浸潤リンパ球、PD-L1、CD8、IFNy又はT細胞炎症性遺伝子発現シグネチャーを測定することにより評価される、請求項15~20及び29~35のいずれか一項に記載の方法並びに請求項20及び28に記載の使用。
  39. メラノーマが、BRAF V600突然変異体メラノーマである、請求項36~38のいずれか一項に記載の方法又は使用。
  40. 前記標的化療法が、BRAF阻害剤及びMEK阻害剤との併用療法である、請求項36~38のいずれか一項に記載の方法又は使用。
  41. 前記標的化療法が、ダブラフェニブ及びトラメチニブとの併用療法である、請求項36~38のいずれか一項に記載の方法又は使用。
  42. 前記標的化療法が、ベムラフェニブ及びコビメチニブとの併用療法である、請求項36~38のいずれか一項に記載の方法又は使用。
  43. 前記免疫腫瘍治療薬が、単剤又は別の免疫腫瘍治療薬との組み合わせのいずれかとしてのPD-1又はPDL-1結合アンタゴニストである、請求項38に記載の方法又は使用。
  44. 前記免疫活性化レベルが、腫瘍浸潤リンパ球、PD-L1、CD8、IFNy、又はT細胞炎症性遺伝子発現シグネチャーを測定することにより評価される、請求項37~38のいずれか一項に記載の方法又は使用。
  45. 前記メラノーマ患者が、ステージIメラノーマ、ステージIIメラノーマ、ステージIIIメラノーマ又はステージIVメラノーマを有する、請求項36~38のいずれか一項に記載の方法又は使用。
  46. 前記治療が、一次治療、二次治療、三次治療、又は四次治療又はそれを超える治療である、請求項36~38のいずれか一項に記載の方法又は使用。
  47. 前記治療が、アジュバント治療である、請求項36~38のいずれか一項に記載の方法又は使用。
  48. 前記治療が、ネオアジュバント治療である、請求項36~38のいずれか一項に記載の方法又は使用。
  49. 低いTMBスコアが、5突然変異/Mb以下、6突然変異/Mb以下、7突然変異/Mb以下、8突然変異/Mb以下、9突然変異/Mb以下、10突然変異/Mb以下、11突然変異/Mb以下、12突然変異/Mb以下、13突然変異/Mb以下、14突然変異/Mb以下、15突然変異/Mb以下、又は16突然変異/Mb以下である、請求項36~38のいずれか一項に記載の方法又は使用。
JP2021520403A 2018-10-16 2019-10-15 標的化療法に対する応答を予測するためのバイオマーカーとしての単独の又は免疫マーカーと組み合わせた腫瘍突然変異負荷 Pending JP2022504905A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201862746227P 2018-10-16 2018-10-16
US62/746,227 2018-10-16
US201862747730P 2018-10-19 2018-10-19
US62/747,730 2018-10-19
PCT/IB2019/058770 WO2020079581A1 (en) 2018-10-16 2019-10-15 Tumor mutation burden alone or in combination with immune markers as biomarkers for predicting response to targeted therapy

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022504905A true JP2022504905A (ja) 2022-01-13
JPWO2020079581A5 JPWO2020079581A5 (ja) 2022-10-25

Family

ID=68296587

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021520403A Pending JP2022504905A (ja) 2018-10-16 2019-10-15 標的化療法に対する応答を予測するためのバイオマーカーとしての単独の又は免疫マーカーと組み合わせた腫瘍突然変異負荷

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20210348238A1 (ja)
EP (1) EP3867409A1 (ja)
JP (1) JP2022504905A (ja)
CN (1) CN112867803A (ja)
WO (1) WO2020079581A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112029861B (zh) * 2020-09-07 2021-09-21 臻悦生物科技江苏有限公司 基于捕获测序技术的肿瘤突变负荷检测装置及方法
ES2916259A1 (es) * 2020-12-29 2022-06-29 Servicio Andaluz De La Salud Biomarcadores y método para predecir o pronosticar la respuesta al tratamiento con inhibidores de BRAF y de MEK (BRAFi + MEKi) y para el seguimiento de los pacientes
CN114085916A (zh) * 2021-04-07 2022-02-25 中山大学肿瘤防治中心(中山大学附属肿瘤医院、中山大学肿瘤研究所) 用于预测免疫治疗疗效的肠道菌群标志物及其应用
CN114854863A (zh) * 2022-06-02 2022-08-05 中国人民解放军空军军医大学 基于生物标志物构建的模型在预测癌症免疫疗效中的应用

Family Cites Families (38)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4683195A (en) 1986-01-30 1987-07-28 Cetus Corporation Process for amplifying, detecting, and/or-cloning nucleic acid sequences
IL129299A0 (en) 1999-03-31 2000-02-17 Mor Research Applic Ltd Monoclonal antibodies antigens and diagnosis of malignant diseases
IL149820A0 (en) 2002-05-23 2002-11-10 Curetech Ltd Humanized immunomodulatory monoclonal antibodies for the treatment of neoplastic disease or immunodeficiency
EP1576014B1 (en) 2002-12-23 2011-06-29 Wyeth LLC Antibodies against pd-1 and uses thereof
ES2527118T3 (es) 2003-12-19 2015-01-20 Plexxikon Inc. Compuestos y procedimientos de desarrollo de moduladores de Ret
ES2297723T3 (es) 2004-06-11 2008-05-01 Japan Tobacco, Inc. Derivados de 5-amino-2,4,7-trioxo-3,4,7,8-tetrahidro-2h-pirido(2,3-d)pirimidina y compuestos relacioandos para el tratamiento de cancer.
KR101339628B1 (ko) 2005-05-09 2013-12-09 메다렉스, 인코포레이티드 예정 사멸 인자 1(pd-1)에 대한 인간 모노클로날 항체, 및 항-pd-1 항체를 단독 사용하거나 기타 면역 요법제와 병용한 암 치료 방법
BRPI0610066A2 (pt) 2005-05-17 2010-05-25 Plexxikon Inc compostos que modulam atividade de c-kit e c-fms e usos para estes
CN102603581B (zh) 2005-06-22 2015-06-24 普莱希科公司 作为蛋白质激酶抑制剂的吡咯并[2,3-b]吡啶衍生物
KR101888321B1 (ko) 2005-07-01 2018-08-13 이. 알. 스퀴부 앤드 선즈, 엘.엘.씨. 예정 사멸 리간드 1 (피디-엘1)에 대한 인간 모노클로날 항체
CN109053523B (zh) 2005-10-07 2022-03-25 埃克塞利希斯股份有限公司 作为用于治疗增生性疾病的mek抑制剂的吖丁啶
PL2170959T3 (pl) 2007-06-18 2014-03-31 Merck Sharp & Dohme Przeciwciała przeciwko ludzkiemu receptorowi programowanej śmierci PD-1
EP2262837A4 (en) 2008-03-12 2011-04-06 Merck Sharp & Dohme PD-1 BINDING PROTEINS
UA103319C2 (en) 2008-05-06 2013-10-10 Глаксосмитклайн Ллк Thiazole- and oxazole-benzene sulfonamide compounds
CA2735006A1 (en) 2008-08-25 2010-03-11 Amplimmune, Inc. Pd-1 antagonists and methods of use thereof
CA2736829C (en) 2008-09-12 2018-02-27 Isis Innovation Limited Pd-1 specific antibodies and uses thereof
WO2010036959A2 (en) 2008-09-26 2010-04-01 Dana-Farber Cancer Institute Human anti-pd-1, pd-l1, and pd-l2 antibodies and uses therefor
KR20210060670A (ko) 2008-12-09 2021-05-26 제넨테크, 인크. 항-pd-l1 항체 및 t 세포 기능을 향상시키기 위한 그의 용도
RS59181B1 (sr) 2009-10-16 2019-10-31 Novartis Ag Kombinacija koja sadrži inhibitor mek i inhibitor b-raf
US20130017199A1 (en) 2009-11-24 2013-01-17 AMPLIMMUNE ,Inc. a corporation Simultaneous inhibition of pd-l1/pd-l2
WO2011066389A1 (en) 2009-11-24 2011-06-03 Medimmmune, Limited Targeted binding agents against b7-h1
US8993731B2 (en) 2010-03-11 2015-03-31 Ucb Biopharma Sprl PD-1 antibody
US8907053B2 (en) 2010-06-25 2014-12-09 Aurigene Discovery Technologies Limited Immunosuppression modulating compounds
WO2012145493A1 (en) 2011-04-20 2012-10-26 Amplimmune, Inc. Antibodies and other molecules that bind b7-h1 and pd-1
EP2734551B1 (en) 2011-07-24 2018-01-10 Cure Tech Ltd. Variants of humanized immunomodulatory monoclonal antibodies
CA2856895C (en) 2011-11-28 2021-10-26 Merck Patent Gmbh Anti-pd-l1 antibodies and uses thereof
EP3770176A1 (en) 2013-05-02 2021-01-27 AnaptysBio, Inc. Antibodies directed against programmed death-1 (pd-1)
CA3175360C (en) 2013-05-31 2024-05-28 Sorrento Therapeutics, Inc. Antigen binding proteins that bind pd-1
WO2014209804A1 (en) 2013-06-24 2014-12-31 Biomed Valley Discoveries, Inc. Bispecific antibodies
PT3702373T (pt) 2013-09-13 2022-09-27 Beigene Switzerland Gmbh Anticorpos anti-pd1 e a sua utilização como agentes terapêuticos e de diagnóstico
WO2015081158A1 (en) 2013-11-26 2015-06-04 Bristol-Myers Squibb Company Method of treating hiv by disrupting pd-1/pd-l1 signaling
JP6502959B2 (ja) 2013-12-12 2019-04-17 上海恒瑞医薬有限公司 Pd−1抗体、その抗原結合性断片及びそれらの医学的使用
TWI681969B (zh) 2014-01-23 2020-01-11 美商再生元醫藥公司 針對pd-1的人類抗體
JOP20200094A1 (ar) 2014-01-24 2017-06-16 Dana Farber Cancer Inst Inc جزيئات جسم مضاد لـ pd-1 واستخداماتها
TWI693232B (zh) 2014-06-26 2020-05-11 美商宏觀基因股份有限公司 與pd-1和lag-3具有免疫反應性的共價結合的雙抗體和其使用方法
TWI595006B (zh) 2014-12-09 2017-08-11 禮納特神經系統科學公司 抗pd-1抗體類和使用彼等之方法
JP2019509282A (ja) * 2016-02-29 2019-04-04 ファウンデーション・メディシン・インコーポレイテッド 癌の治療方法
CN110418851A (zh) 2016-10-06 2019-11-05 基因泰克公司 癌症的治疗和诊断方法

Also Published As

Publication number Publication date
EP3867409A1 (en) 2021-08-25
US20210348238A1 (en) 2021-11-11
WO2020079581A1 (en) 2020-04-23
CN112867803A (zh) 2021-05-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Belli et al. ESMO recommendations on the standard methods to detect RET fusions and mutations in daily practice and clinical research
JP7458188B2 (ja) 腫瘍を処置する方法
US11725247B2 (en) Methods of treating cancer
JP2022504905A (ja) 標的化療法に対する応答を予測するためのバイオマーカーとしての単独の又は免疫マーカーと組み合わせた腫瘍突然変異負荷
JP7050702B2 (ja) Nrf2及びその遺伝子の下流標的遺伝子の発現状態及び変異状態によるがんの診断及び治療方法
EP3630840A1 (en) Methods of treating a tumor using an anti-pd-1 antibody
MX2014014802A (es) Metodo para el diagnostico, pronostico y tratamiento de metastasis de cancer de pulmon.
JP2021519771A (ja) 腫瘍を処置する方法
JP2017523776A (ja) 膠芽腫の診断方法及びその治療用組成物
Ranasinghe et al. A synopsis of modern-day colorectal cancer: Where we stand
KR20230015888A (ko) 사시투주맙 고비테칸 요법에 대한 바이오마커
JP2016535079A (ja) 核酸生体マーカー及びその使用
US20240093303A1 (en) Methods and biomarkers in cancer
JP2022505647A (ja) 腫瘍の処置方法
Verschoor et al. Neoadjuvant atezolizumab plus chemotherapy in gastric and gastroesophageal junction adenocarcinoma: the phase 2 PANDA trial
EP4308935A1 (en) Biomarkers for cancer and methods of use thereof
CN113645991A (zh) 靶向il18r1的、用于治疗炎性疾病的方法、系统和试剂盒
US20210115517A1 (en) Methods of treating prostate cancer based on molecular subtypes
WO2011046599A2 (en) Treatment and prognosis with thalidomide in multiple myeloma based on karyotyping and gene expression profiling
Turkes Utilising novel therapies in the treatment of gastrointestinal cancers
TW202342766A (zh) 用於癌症治療之精準療法
US20210251980A1 (en) Crenolanib for treating flt3 mutated proliferative disorders associated mutations
JP2024502446A (ja) 癌の治療におけるkras g12c阻害剤の使用
KR20230087445A (ko) Aml의 치료 요법 및 rara 작용제, 저메틸화제, 및 bcl-2 억제제의 용도
Lieu et al. Patient-Focused Treatment Decisions in Metastatic Colorectal Cancer (mCRC): A Closer Look at the Role of Biomarkers in Optimizing Outcomes

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221017

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221017

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230927

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231003

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20240423