JP2021519771A - 腫瘍を処置する方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、非小細胞肺癌(NSCLC)由来の腫瘍に罹患している対象を処置するための方法であって、(a)抗PD−1抗体もしくはその抗原結合部位または抗PD−L1抗体もしくはその抗原結合部位、ならびに(b)抗CTLA−4抗体もしくはその抗原結合部位の治療上有効量を該対象に投与することを含み、ここで、該腫瘍は高い腫瘍遺伝子変異量(TMB)状態を有する、方法を提供する。TMB状態は、腫瘍内の核酸を配列決定し、配列決定された核酸中のゲノム改変、例えば、体細胞性非同義変異を同定することによって決定することができる。

Description

技術分野
本発明は、非小細胞肺癌(NSCLC)に由来する腫瘍に罹患している対象を免疫療法を用いて処置する方法を提供する。
発明の背景
ヒト癌は多数の遺伝的および後成的変化を保有し、免疫系により認識可能となる可能性のあるネオ抗原を産生する(Sjoblom et al., Science (2006) 314(5797):268-274)。TおよびBリンパ球からなる適応免疫系は、広い能力および多様な腫瘍抗原に応答するための精巧な特異性を備えた強力な抗癌能を有する。さらに、免疫系は、相当な柔軟性および記憶成分を示す。適応免疫系の全ての特質の利用の成功は、全ての癌処置モダリティの中で、免疫療法を独特のものとする。
最近まで、癌免疫療法は、活性化エフェクター細胞の養子移入、適切な抗原に対する免疫化またはサイトカインなどの非特異的免疫刺激因子の提供により、抗腫瘍免疫応答を増強する試みに相当労力が絞られていた。しかしながら、過去10年間における、特定の免疫チェックポイント経路阻害剤を開発するための集中的な努力が、癌を処置するための新たな免疫療法アプローチを提供し始めており、それには、プログラム細胞死−1(PD−1)受容体に特異的に結合し、PD−1/PD−1リガンド経路を阻害するニボルマブおよびペムブロリズマブ(以前はランブロリズマブ;USAN Council Statement, (2013))などの抗体の開発(Topalian et al., 2012a, b; Topalian et al., 2014; Hamid et al., 2013; Hamid and Carvajal, 2013; McDermott and Atkins, 2013)が含まれる。
PD−1は、活性化されたT細胞およびB細胞によって発現され、免疫抑制に介在する、重要な免疫チェックポイント受容体である。PD−1は、CD28、CTLA−4、ICOS、PD−1およびBTLAを含むCD28受容体ファミリーのメンバーである。PD−1の2つの細胞表面糖タンパク質リガンドである、プログラム細胞死リガンド−1(PD−L1)およびプログラム細胞死リガンド−2(PD−L2)が同定されており、それらは、抗原提示細胞上ならびに多くのヒト癌で発現され、PD−1への結合により、T細胞活性化およびサイトカイン分泌を下方制御することが示されている。PD−1/PD−L1相互作用の阻害は、前臨床モデルにおける強力な抗腫瘍活性を媒介し(米国特許第8,008,449号および同第7,943,743号)、癌を処置するためのPD−1/PD−L1相互作用の抗体阻害剤の使用は、臨床治験に入っている(Brahmer et al., 2010; Topalian et al., 2012a; Topalian et al., 2014; Hamid et al., 2013; Brahmer et al., 2012; Flies et al., 2011; Pardoll, 2012; Hamid and Carvajal, 2013)。
ニボルマブ(以前は、5C4、BMS−936558、MDX−1106またはONO−4538と称された)は、PD−1リガンド(PD−L1およびPD−L2)との相互作用を選択的に阻止し、それにより抗腫瘍T細胞機能の下方制御を阻止する、完全ヒトIgG4(S228P)PD−1免疫チェックポイント阻害剤抗体である(米国特許第8,008,449号;Wang et al., 2014)。ニボルマブは、腎細胞癌腫(腎腺癌腫または副腎腫)、黒色腫、および非小細胞肺癌(NSCLC)を含む種々の進行固形腫瘍における活性が示されている(Topalian et al., 2012a; Topalian et al., 2014; Drake et al., 2013; WO 2013/173223)。
免疫系および免疫療法に対する応答は複雑である。さらに、抗がん剤は患者の特徴に応じて効果が異なり得る。したがって、特定の抗がん剤に応答しやすい患者を特定し、それによってがんと診断された患者の臨床結果を改善するような標的治療戦略が必要とされている。
発明の概要
本発明の特定の面は、非小細胞肺癌(NSCLC)由来の腫瘍に罹患している対象を処置するための方法であって、治療的有効量の(a)プログラム細胞死−1(PD−1)受容体に特異的に結合し、PD−1活性を阻害する抗体またはその抗原結合部分(“抗PD−1抗体”)またはプログラム細胞死−リガンド1(PD−L1)に特異的に結合し、PD−1活性を阻害する抗体もしくはその抗原結合部分(“抗PD−L1抗体”)および(b)細胞傷害性Tリンパ球抗原−4(CTLA−4)に特異的に結合する抗体もしくはその抗原結合部分(“抗CTLA−4抗体”)を対象に投与することを含み、ここで、該腫瘍が、検査された遺伝子の1メガベースあたり少なくとも約10個の変異の腫瘍遺伝子変異量(TMB)状態を有する、方法を提供する。ある態様において、該方法は、投与前に対象から得られた生物学的サンプルのTMB状態を測定することをさらに含む。
本発明のある面は、非小細胞肺癌(NSCLC)由来の腫瘍に罹患しており、(a)抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体および(b)抗CLTA−4抗体の併用療法に適している対象を同定する方法であって、該対象の生物学的サンプルのTMB状態を測定することを含み、ここで、TMB状態は、検査されたゲノムの1メガベースあたり少なくとも約10個の変異を含み、該対象は、併用療法に適していると同定される、方法を提供する。ある態様において、本方法はさらに、抗PD−1抗体および抗CTLA−4抗体の治療的有効量を対象に投与することを含む。
ある態様において、TMB状態は、腫瘍内の核酸を配列決定し、配列決定された核酸中のゲノム改変を同定することによって決定される。ある態様において、ゲノム改変は、1以上の体細胞性変異を含む。ある態様において、ゲノム改変は、1以上の非同義変異を含む。ある態様において、ゲノム改変は、1以上のミスセンス変異を含む。ある態様において、ゲノム改変は、塩基対置換、塩基対挿入、塩基対欠失、コピー数変化(CNA)、遺伝子再配列およびそれらの組み合わせからなる群より選択される1以上の改変を含む。
ある態様において、腫瘍のTMB状態は、FOUNDATIONONE(登録商標) CDX(商標)アッセイによって測定した、検査されたゲノムの1メガベースあたり少なくとも約10個の変異、少なくとも約11個の変異、少なくとも約12個の変異、少なくとも約13個の変異、少なくとも約14個の変異、少なくとも約15個の変異、少なくとも約16個の変異、少なくとも約17個の変異、少なくとも約18個の変異、少なくとも約19個の変異、少なくとも約20個の変異、少なくとも約21個の変異、少なくとも約22個の変異、少なくとも約23個の変異、少なくとも約24個の変異、少なくとも約25個の変異、少なくとも約26個の変異、少なくとも約27個の変異、少なくとも約28個の変異、少なくとも約29個の変異または少なくとも約30個の変異を含む。
ある態様において、生物学的サンプルは腫瘍組織生検である。ある態様において、腫瘍組織は、ホルマリン固定された、パラフィン包埋腫瘍組織または新鮮に凍結させた腫瘍組織である。ある態様において、生物学的サンプルは液体生検である。ある態様において、生物学的サンプルは、血液、血清、血漿、exoRNA、循環腫瘍細胞、ctDNAおよびcfDNAの1以上を含む。
ある態様において、TMB状態は、ゲノム配列決定により決定される。ある態様において、TMB状態は、エクソーム(exome)シークエンシングにより決定される。
ある態様において、TMB状態は、ゲノムプロファイリングにより決定される。ある態様において、ゲノムプロファイルは、少なくとも約20遺伝子、少なくとも約30遺伝子、少なくとも約40遺伝子、少なくとも約50遺伝子、少なくとも約60遺伝子、少なくとも約70遺伝子、少なくとも約80遺伝子、少なくとも約90遺伝子、少なくとも約100遺伝子、少なくとも約110遺伝子、少なくとも約120遺伝子、少なくとも約130遺伝子、少なくとも約140遺伝子、少なくとも約150遺伝子、少なくとも約160遺伝子、少なくとも約170遺伝子、少なくとも約180遺伝子、少なくとも約190遺伝子、少なくとも約200遺伝子、少なくとも約210遺伝子、少なくとも約220遺伝子、少なくとも約230遺伝子、少なくとも約240遺伝子、少なくとも約250遺伝子、少なくとも約260遺伝子、少なくとも約270遺伝子、少なくとも約280遺伝子、少なくとも約290遺伝子、少なくとも約300遺伝子、少なくとも約305遺伝子、少なくとも約310遺伝子、少なくとも約315遺伝子、少なくとも約320遺伝子、少なくとも約325遺伝子、少なくとも約330遺伝子、少なくとも約335遺伝子、少なくとも約340遺伝子、少なくとも約345遺伝子、少なくとも約350遺伝子、少なくとも約355遺伝子、少なくとも約360遺伝子、少なくとも約365遺伝子、少なくとも約370遺伝子、少なくとも約375遺伝子、少なくとも約380遺伝子、少なくとも約385遺伝子、少なくとも約390遺伝子、少なくとも約395遺伝子または少なくとも約400遺伝子を含む。ある態様において、ゲノムプロファイルは、少なくとも約265遺伝子を含む。ある態様において、ゲノムプロファイルは、少なくとも約315遺伝子を含む。ある態様において、ゲノムプロファイルは、少なくとも約354遺伝子を含む。
ある態様において、ゲノムプロファイルは、ABL1、BRAF、CHEK1、FANCC、GATA3、JAK2、MITF、PDCD1LG2(PD−L2)、RBM10、STAT4、ABL2、BRCA1、CHEK2、FANCD2、GATA4、JAK3、MLH1、PDGFRA、RET、STK11、ACVR1B、BRCA2、CIC、FANCE、GATA6、JUN、MPL、PDGFRB、RICTOR、SUFU、AKT1、BRD4、CREBBP、FANCF、GID4(C17orf39)、KAT6A(MYST3)、MRE11A、PDK1、RNF43、SYK、AKT2、BRIP1、CRKL、FANCG、GLl1、KDM5A、MSH2、PIK3C2B、ROS1、TAF1、AKT3、BTG1、CRLF2、FANCL、GNA11、KDM5C、MSH6、PIK3CA、RPTOR、TBX3、ALK、BTK、CSF1R、FAS、GNA13、KDM6A、MTOR、PIK3CB、RUNX1、TERC、AMER1(FAM123B)、C11orf30(EMSY)、CTCF、FAT1、GNAQ、KDR、MUTYH、PIK3CG、RUNX1T1、TERT(プロモーターのみ)、APC、CARD11、CTNNA1、FBXW7、GNAS、KEAP1、MYC、PIK3R1、SDHA、TET2、AR、CBFB、CTNN B1、FGF10、GPR124、KEL、MYCL(MYC L1)、PIK3R2、SDHB、TGFBR2、ARAF、CBL、CUL3、FGF14、GRIN2A、KIT、MYCN、PLCG2、SDHC、TNFAIP3、ARFRP1、CCND1、CYLD、FGF19、GRM3、KLHL6、MYD88、PMS2、SDHD、TNFRSF14、ARID1A、CCND2、DAXX、FGF23、GSK3B、KMT2A(MLL)、NF1、POLD1、SETD2、TOP1、ARID1B、CCND3、DDR2、FGF3、H3F3A、KMT2C(MLL3)、NF2、POLE、SF3B1、TOP2A、ARID2、CCNE1、DICER1、FGF4、HGF、KMT2D(MLL2)、NFE2L2、PPP2R1A、SLIT2、TP53、ASXL1、CD274(PD−L1)、DNMT3A、FGF6、HNF1A、KRAS、NFKBIA、PRDM1、SMAD2、TSC1、ATM、CD79A、DOT1L、FGFR1、HRAS、LMO1、NKX2−1、PREX2、SMAD3、TSC2、ATR、CD79B、EGFR、FGFR2、HSD3B1、LRP1B、NOTCH1、PRKAR1A、SMAD4、TSHR、ATRX、CDC73、EP300、FGFR3、HSP90AA1、LYN、NOTCH2、PRKCI、SMARCA4、U2AF1、AURKA、CDH1、EPHA3、FGFR4、IDH1、LZTR1、NOTCH3、PRKDC、SMARCB1、VEGFA、AURKB、CDK12、EPHA5、FH、IDH2、MAGI2、NPM1、PRSS8、SMO、VHL、AXIN1、CDK4、EPHA7、FLCN、IGF1R、MAP2K1(MEK1)、NRAS、PTCH1、SNCAIP、WISP3、AXL、CDK6、EPHB1、FLT1、IGF2、MAP2K2(MEK2)、NSD1、PTEN、SOCS1、WT1、BAP1、CDK8、ERBB2、FLT3、IKBKE、MAP2K4、NTRK1、PTPN11、SOX10、XPO1、BARD1、CDKN1A、ERBB3、FLT4、IKZF1、MAP3K1、NTRK2、QKI、SOX2、ZBTB2、BCL2、CDKN1B、ERBB4、FOXL2、IL7R、MCL1、NTRK3、RAC1、SOX9、ZNF217、BCL2L1、CDKN2A、ERG、FOXP1、INHBA、MDM2、NUP93、RAD50、SPEN、ZNF703、BCL2L2、CDKN2B、ERRFl1、FRS2、INPP4B、MDM4、PAK3、RAD51、SPOP、BCL6、CDKN2C、ESR1、FUBP1、IRF2、MED12、PALB2、RAF1、SPTA1、BCOR、CEBPA、EZH2、GABRA6、IRF4、MEF2B、PARK2、RANBP2、SRC、BCORL1、CHD2、FAM46C、GATA1、IRS2、MEN1、PAX5、RARA、STAG2、BLM、CHD4、FANCA、GATA2、JAK1、MET、PBRM1、RB1、STAT3およびそれらの組合せからなる群より選択される1以上の遺伝子を含む。
ある態様において、TMB状態は、FOUNDATIONONE(登録商標) CDX(商標)アッセイにより測定される。
ある態様において、該方法は、ETV4、TMPRSS2、ETV5、BCR、ETV1、ETV6およびMYBの1以上におけるゲノム改変を同定することをさらに含む。
ある態様において、腫瘍は、高いネオアンチゲン負荷を有する。ある態様において、対象は、増加したT細胞レパートリーを有する。
本発明の特定の面は、非小細胞肺癌(NSCLC)に由来する腫瘍に罹患している対象を処置する方法であって、(i)FOUNDATIONONE(登録商標) CDX(商標)アッセイにより腫瘍のTMB状態を測定すること、(ii)治療的有効量の抗PD−1抗体および抗CTLA−4抗体を対象に投与すること、ここで、TMB状態が、検査されたゲノムの1メガベースあたり少なくとも約10個の変異を有する、方法に関する。
ある態様において、NSCLCは、扁平上皮組織像を有する。ある態様において、NSCLCは、非扁平上皮組織像を有する。
ある態様において、抗PD−1抗体は、ヒトPD−1への結合についてニボルマブまたはペンブロリズマブと交差競合する。ある態様において、抗PD−1抗体は、ニボルマブまたはペンブロリズマブと同じエピトープに結合する。ある態様において、抗PD−1抗体は、キメラ抗体、ヒト化抗体またはヒトモノクローナル抗体である。ある態様において、抗PD−1抗体は、ヒトIgG1アイソタイプまたはヒトIgG4アイソタイプの重鎖定常領域を含む。ある態様において、抗PD−1抗体はニボルマブである。ある態様において、抗PD−1抗体はペンブロリズマブである。
ある態様において、抗PD−1抗体は、2、3または4週間毎に1回、体重1kgあたり0.1mgから20.0mgの範囲の用量で投与される。ある態様において、抗PD−1抗体は、3週間毎に1回、体重1kgあたり2mgの用量で投与される。ある態様において、抗PD−1抗体は、2週間毎に1回、体重1kgあたり3mgの用量で投与される。
ある態様において、抗PD−1抗体の治療的有効量は一定用量である。ある態様において、抗PD−1抗体の治療的有効量は、少なくとも約200mg、少なくとも約220mg、少なくとも約240mg、少なくとも約260mg、少なくとも約280mg、少なくとも約300mg、少なくとも約320mg、少なくとも約340mg、少なくとも約360mg、少なくとも約380mg、少なくとも約400mg、少なくとも約420mg、少なくとも約440mg、少なくとも約460mg、少なくとも約480mg、少なくとも約500mgまたは少なくとも約550mgの一定用量である。ある態様において、抗PD−1抗体は、1、2、3または4週間毎におよそ1回、一定用量として投与される。ある態様において、抗PD−1抗体は、3週間毎に1回、約200mgの一定用量として投与される。ある態様において、抗PD−1抗体は、2週間毎に1回、約240mgの一定用量として投与される。ある態様において、抗PD−1抗体は、4週間毎に1回、約480mgの一定用量として投与される。
ある態様において、抗PD−L1抗体は、ヒトPD−1に対する結合についてデュルバルマブ、アベルマブまたはアテゾリズマブと交差競合する。ある態様において、抗PD−L1抗体は、デュルバルマブ、アベルマブまたはアテゾリズマブと同じエピトープに結合する。ある態様において、抗PD−L1抗体は、デュルバルマブである。ある態様において、抗PD−L1抗体はアベルマブである。ある態様において、抗PD−L1抗体はアテゾリズマブである。
ある態様において、抗PD−L1抗体は、2、3または4週間毎に1回、体重1kgあたり0.1mgから20.0mgの範囲の用量で投与される。ある態様において、抗PD−L1抗体は、3週間毎に1回、体重1kgあたり15mgの用量で投与される。ある態様において、抗PD−L1抗体は、2週間毎に1回、体重1kgあたり10mgの用量で投与される。
ある態様において、抗PD−L1抗体の治療的有効量は一定用量である。ある態様において、抗PD−L1抗体の治療的有効量は、少なくとも約240mg、少なくとも約300mg、少なくとも約320mg、少なくとも約400mg、少なくとも約480mg、少なくとも約500mg、少なくとも約560mg、少なくとも約600mg、少なくとも約640mg、少なくとも約700mg、少なくとも720mg、少なくとも約800mg、少なくとも約880mg、少なくとも約900mg、少なくとも960mg、少なくとも約1000mg、少なくとも約1040mg、少なくとも約1100mg、少なくとも約1120mg、少なくとも約1200mg、少なくとも約1280mg、少なくとも約1300mg、少なくとも約1360mgまたは少なくとも約1400mgの一定用量である。ある態様において、抗PD−L1抗体は、1、2、3または4週間毎におよそ1回、一定用量として投与される。ある態様において、抗PD−L1抗体は、3週間毎に1回、約1200mgの一定用量として投与される。ある態様において、抗PD−L1抗体は、2週間毎に1回、約800mgの一定用量として投与される。
ある態様において、抗CTLA−4抗体は、ヒトCTLA−4への結合についてイピリムマブまたはトレメリムマブと交差競合する。ある態様において、抗CTLA−4抗体は、イピリムマブまたはトレメリムマブと同じエピトープに結合する。ある態様において、抗CTLA−4抗体はイピリムマブである。ある態様において、抗CTLA−4抗体はトレメリムマブである。
ある態様において、抗CTLA−4抗体は、2、3、4、5、6、7または8週間毎に1回、体重1kgあたり0.1mgから20.0mgの範囲の用量で投与される。ある態様において、抗CTLA−4抗体は、6週間毎に1回、体重1kgあたり1mgの用量で投与される。ある態様において、抗CTLA−4抗体は、4週間毎に1回、体重1kgあたり1mgの用量で投与される。
ある態様において、抗CTLA−4抗体の治療的有効量は一定用量である。ある態様において、抗CTLA−4抗体の治療的有効量は、少なくとも約40mg、少なくとも約50mg、少なくとも約60mg、少なくとも約70mg、少なくとも約80mg、少なくとも約90mg、少なくとも約100mg、少なくとも約110mg、少なくとも約120mg、少なくとも約130mg、少なくとも約140mg、少なくとも約150mg、少なくとも約160mg、少なくとも約170mg、少なくとも約180mg、少なくとも約190mgまたは少なくとも約200mgの一定用量である。ある態様において、抗CLTA−4抗体は、2、3、4、5、6、7または8週間毎におよそ1回、一定用量として投与される。
ある態様において、対象は、投与後、少なくとも約1ヶ月、少なくとも約2ヶ月、少なくとも約3ヶ月、少なくとも約4ヶ月、少なくとも約5ヶ月、少なくとも約6ヶ月、少なくとも約7ヶ月、少なくとも約8ヶ月、少なくとも約9ヶ月、少なくとも約10ヶ月、少なくとも約11ヶ月、少なくとも約1年、少なくとも約18ヶ月、少なくとも約2年、少なくとも約3年、少なくとも約4年または少なくとも約5年の無増悪生存期間を示す。
ある態様において、対象は、投与後、少なくとも約1ヶ月、少なくとも約2ヶ月、少なくとも約3ヶ月、少なくとも約4ヶ月、少なくとも約5ヶ月、少なくとも約6ヶ月、少なくとも約7ヶ月、少なくとも約8ヶ月、少なくとも約9ヶ月、少なくとも約10ヶ月、少なくとも約11ヶ月、少なくとも約1年、少なくとも約18ヶ月、少なくとも約2年、少なくとも約3年、少なくとも約4年または少なくとも約5年の全生存期間を示す。
ある態様において、対象は、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または少なくとも約100%の奏効率を示す。
ある態様において、腫瘍細胞の1%未満がPD−L1を発現する。
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および実施例から明らかであるが、これらの実施例は限定するものとして解釈されるべきではない。本明細書中で引用される、科学文献、新聞レポート、GenBank登録内容、特許および特許出願を含む全ての文献の内容は、引用により本明細書中に明示的に包含させる。
態様
E1.非小細胞肺癌(NSCLC)に由来する腫瘍に罹患している対象の処置のための、治療的有効量の、(a)プログラム細胞死−1(PD−1)受容体に特異的に結合し、PD−1活性を阻害する抗体もしくはその抗原結合部分(“抗PD−1抗体”)またはプログラム細胞死−リガンド1(PD−L1)に特異的に結合し、PD−1活性を阻害する抗体もしくはその抗原結合部分(“抗PD−L1抗体”)、および(b)細胞傷害性Tリンパ球抗原−4(CTLA−4)に特異的に結合する抗体もしくはその抗原結合部分(“抗CTLA−4抗体”)を対象に投与することを含む方法であって、ここで、該腫瘍が、検査された遺伝子の1メガベースあたり少なくとも約10個の変異の腫瘍遺伝子変異量(TMB)状態を有する、方法。
E2.投与前に対象から得られた生物学的サンプルのTMB状態が測定されることをさらに含む、E1記載の方法。
E3.非小細胞肺癌(NSCLC)に由来する腫瘍に罹患しており、(a)抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体および(b)抗CLTA−4抗体の併用療法に適している対象を同定する方法であって、該対象の生物学的サンプルのTMB状態を測定することを含み、ここで、TMB状態は、検査されたゲノムの1メガベースあたり少なくとも約10個の変異を含み、該対象は、併用療法に適していると同定される、方法。
E4.治療的有効量の抗PD−1抗体および抗CTLA−4抗体を対象に投与することをさらに含む、E3記載の方法。
E5.TMB状態が、腫瘍中の核酸を配列決定し、配列決定された核酸中のゲノム改変を同定することによって決定される、E1からE4のいずれか記載の方法。
E6.ゲノム改変が1以上の体細胞変異を含む、E5記載の方法。
E7.ゲノム改変が1以上の非同義変異を含む、E5またはE6記載の方法。
E8.ゲノム改変が1以上のミスセンス変異を含む、E5からE7のいずれか記載の方法。
E9.ゲノム改変が、塩基対置換、塩基対挿入、塩基対欠失、コピー数変化(CNA)、遺伝子再配列およびそれらの組み合わせからなる群より選択される1以上の改変を含む、E5からE8のいずれか記載の方法。
E10.腫瘍のTMB状態が、FOUNDATIONONE(登録商標) CDX(商標)アッセイによって測定した、検査されたゲノムの1メガベースあたり少なくとも約10個の変異、少なくとも約11個の変異、少なくとも約12個の変異、少なくとも約13個の変異、少なくとも約14個の変異、少なくとも約15個の変異、少なくとも約16個の変異、少なくとも約17個の変異、少なくとも約18個の変異、少なくとも約19個の変異、少なくとも約20個の変異、少なくとも約21個の変異、少なくとも約22個の変異、少なくとも約23個の変異、少なくとも約24個の変異、少なくとも約25個の変異、少なくとも約26個の変異、少なくとも約27個の変異、少なくとも約28個の変異、少なくとも約29個の変異または少なくとも約30個の変異を含む、E1からE9のいずれか記載の方法。
E11.生物学的サンプルが腫瘍組織生検である、E2からE10のいずれか記載の方法。
E12.腫瘍組織が、ホルマリン固定された、パラフィン包埋腫瘍組織または新鮮凍結腫瘍組織である、E11記載の方法。
E13.生物学的サンプルが液体生検である、E2からE11のいずれか記載の方法。
E14.生物学的サンプルが、血液、血清、血漿、exoRNA、循環腫瘍細胞、ctDNAおよびcfDNAの1以上を含む、E2からE11のいずれか記載の方法。
E15.TMB状態がゲノム配列決定により決定される、E1からE14のいずれか記載の方法。
E16.TMB状態がエクソームシークエンシングにより決定される、E1からE14のいずれか記載の方法。
E17.TMB状態がゲノムプロファイリングにより決定される、E1からE14のいずれか記載の方法。
E18.該ゲノムプロファイルが、少なくとも約20遺伝子、少なくとも約30遺伝子、少なくとも約40遺伝子、少なくとも約50遺伝子、少なくとも約60遺伝子、少なくとも約70遺伝子、少なくとも約80遺伝子、少なくとも約90遺伝子、少なくとも約100遺伝子、少なくとも約110遺伝子、少なくとも約120遺伝子、少なくとも約130遺伝子、少なくとも約140遺伝子、少なくとも約150遺伝子、少なくとも約160遺伝子、少なくとも約170遺伝子、少なくとも約180遺伝子、少なくとも約190遺伝子、少なくとも約200遺伝子、少なくとも約210遺伝子、少なくとも約220遺伝子、少なくとも約230遺伝子、少なくとも約240遺伝子、少なくとも約250遺伝子、少なくとも約260遺伝子、少なくとも約270遺伝子、少なくとも約280遺伝子、少なくとも約290遺伝子、少なくとも約300遺伝子、少なくとも約305遺伝子、少なくとも約310遺伝子、少なくとも約315遺伝子、少なくとも約320遺伝子、少なくとも約325遺伝子、少なくとも約330遺伝子、少なくとも約335遺伝子、少なくとも約340遺伝子、少なくとも約345遺伝子、少なくとも約350遺伝子、少なくとも約355遺伝子、少なくとも約360遺伝子、少なくとも約365遺伝子、少なくとも約370遺伝子、少なくとも約375遺伝子、少なくとも約380遺伝子、少なくとも約385遺伝子、少なくとも約390遺伝子、少なくとも約395遺伝子または少なくとも約400遺伝子を含む、E17記載の方法。
E19.ゲノムプロファイルが少なくとも約265遺伝子を含む、E17記載の方法。
E20.ゲノムプロファイルが少なくとも約315遺伝子を含む、E17記載の方法。
E21.ゲノムプロファイルが、少なくとも約354遺伝子を含む、E17記載の方法。
E22.ゲノムプロファイルが、ABL1、BRAF、CHEK1、FANCC、GATA3、JAK2、MITF、PDCD1LG2(PD−L2)、RBM10、STAT4、ABL2、BRCA1、CHEK2、FANCD2、GATA4、JAK3、MLH1、PDGFRA、RET、STK11、ACVR1B、BRCA2、CIC、FANCE、GATA6、JUN、MPL、PDGFRB、RICTOR、SUFU、AKT1、BRD4、CREBBP、FANCF、GID4(C17orf39)、KAT6A(MYST3)、MRE11A、PDK1、RNF43、SYK、AKT2、BRIP1、CRKL、FANCG、GLl1、KDM5A、MSH2、PIK3C2B、ROS1、TAF1、AKT3、BTG1、CRLF2、FANCL、GNA11、KDM5C、MSH6、PIK3CA、RPTOR、TBX3、ALK、BTK、CSF1R、FAS、GNA13、KDM6A、MTOR、PIK3CB、RUNX1、TERC、AMER1(FAM123B)、C11orf30(EMSY)、CTCF、FAT1、GNAQ、KDR、MUTYH、PIK3CG、RUNX1T1、TERT(プロモーターのみ)、APC、CARD11、CTNNA1、FBXW7、GNAS、KEAP1、MYC、PIK3R1、SDHA、TET2、AR、CBFB、CTNN B1、FGF10、GPR124、KEL、MYCL(MYC L1)、PIK3R2、SDHB、TGFBR2、ARAF、CBL、CUL3、FGF14、GRIN2A、KIT、MYCN、PLCG2、SDHC、TNFAIP3、ARFRP1、CCND1、CYLD、FGF19、GRM3、KLHL6、MYD88、PMS2、SDHD、TNFRSF14、ARID1A、CCND2、DAXX、FGF23、GSK3B、KMT2A(MLL)、NF1、POLD1、SETD2、TOP1、ARID1B、CCND3、DDR2、FGF3、H3F3A、KMT2C(MLL3)、NF2、POLE、SF3B1、TOP2A、ARID2、CCNE1、DICER1、FGF4、HGF、KMT2D(MLL2)、NFE2L2、PPP2R1A、SLIT2、TP53、ASXL1、CD274(PD−L1)、DNMT3A、FGF6、HNF1A、KRAS、NFKBIA、PRDM1、SMAD2、TSC1、ATM、CD79A、DOT1L、FGFR1、HRAS、LMO1、NKX2−1、PREX2、SMAD3、TSC2、ATR、CD79B、EGFR、FGFR2、HSD3B1、LRP1B、NOTCH1、PRKAR1A、SMAD4、TSHR、ATRX、CDC73、EP300、FGFR3、HSP90AA1、LYN、NOTCH2、PRKCI、SMARCA4、U2AF1、AURKA、CDH1、EPHA3、FGFR4、IDH1、LZTR1、NOTCH3、PRKDC、SMARCB1、VEGFA、AURKB、CDK12、EPHA5、FH、IDH2、MAGI2、NPM1、PRSS8、SMO、VHL、AXIN1、CDK4、EPHA7、FLCN、IGF1R、MAP2K1(MEK1)、NRAS、PTCH1、SNCAIP、WISP3、AXL、CDK6、EPHB1、FLT1、IGF2、MAP2K2(MEK2)、NSD1、PTEN、SOCS1、WT1、BAP1、CDK8、ERBB2、FLT3、IKBKE、MAP2K4、NTRK1、PTPN11、SOX10、XPO1、BARD1、CDKN1A、ERBB3、FLT4、IKZF1、MAP3K1、NTRK2、QKI、SOX2、ZBTB2、BCL2、CDKN1B、ERBB4、FOXL2、IL7R、MCL1、NTRK3、RAC1、SOX9、ZNF217、BCL2L1、CDKN2A、ERG、FOXP1、INHBA、MDM2、NUP93、RAD50、SPEN、ZNF703、BCL2L2、CDKN2B、ERRFl1、FRS2、INPP4B、MDM4、PAK3、RAD51、SPOP、BCL6、CDKN2C、ESR1、FUBP1、IRF2、MED12、PALB2、RAF1、SPTA1、BCOR、CEBPA、EZH2、GABRA6、IRF4、MEF2B、PARK2、RANBP2、SRC、BCORL1、CHD2、FAM46C、GATA1、IRS2、MEN1、PAX5、RARA、STAG2、BLM、CHD4、FANCA、GATA2、JAK1、MET、PBRM1、RB1、STAT3およびそれらの組合せからなる群より選択される1以上の遺伝子を含む、E17またはE18記載の方法。
E23.TMB状態が、FOUNDATIONONE(登録商標) CDX(商標)アッセイにより測定される、E1からE22のいずれか記載の方法。
E24.ETV4、TMPRSS2、ETV5、BCR、ETV1、ETV6およびMYBの1以上においてゲノム改変を同定することをさらに含む、E1からE24のいずれか記載の方法。
E25.腫瘍が高いネオアンチゲン負荷を有する、E1からE24のいずれか記載の方法。
E26.対象が増加したT細胞レパートリーを有する、E1からE25のいずれか記載の方法。
E27.非小細胞肺癌(NSCLC)に由来する腫瘍に罹患している対象を処置する方法であって、(i)FOUNDATIONONE(登録商標) CDX(商標)アッセイにより腫瘍のTMB状態を測定すること、(ii)治療的有効量の抗PD−1抗体および抗CTLA−4抗体を対象に投与すること、ここで、TMB状態が、検査されたゲノムの1メガベースあたり少なくとも約10個の変異を有する、方法。
E28.NSCLCが扁平上皮組織像を有する、E1からE27のいずれか記載の方法。
E29.NSCLCが非扁平上皮組織像を有する、E1からE27のいずれか記載の方法。
E30.抗PD−1抗体が、ヒトPD−1への結合についてニボルマブまたはペンブロリズマブと交差競合する、E1からE29のいずれか記載の方法。
E31.抗PD−1抗体が、ニボルマブまたはペンブロリズマブと同じエピトープに結合する、E1からE29のいずれか記載の方法。
E32.抗PD−1抗体が、キメラ抗体、ヒト化抗体またはヒトモノクローナル抗体である、E1からE30のいずれか記載の方法。
E33.抗PD−1抗体が、ヒトIgG1アイソタイプまたはヒトIgG4アイソタイプの重鎖定常領域を含む、E1からE32のいずれか記載の方法。
E34.抗PD−1抗体がニボルマブである、E1からE33のいずれか記載の方法。
E35.抗PD−1抗体がペンブロリズマブである、E1からE33のいずれか記載の方法。
E36.抗PD−1抗体が、2、3または4週間毎に1回、体重1kgあたり0.1mgから20.0mgの範囲の用量で投与される、E1からE35のいずれか記載の方法。
E37.抗PD−1抗体が、3週間毎に1回、体重1kgあたり2mgの用量で投与される、E1からE36のいずれか記載の方法。
E38.抗PD−1抗体が、2週間毎に1回、体重1kgあたり3mgの用量で投与される、E1からE36のいずれか記載の方法。
E39.抗PD−1抗体の治療的有効量が一定用量である、E1からE35のいずれか記載の方法。
E40.抗PD−1抗体の治療的有効量が、少なくとも約200mg、少なくとも約220mg、少なくとも約240mg、少なくとも約260mg、少なくとも約280mg、少なくとも約300mg、少なくとも約320mg、少なくとも約340mg、少なくとも約360mg、少なくとも約380mg、少なくとも約400mg、少なくとも約420mg、少なくとも約440mg、少なくとも約460mg、少なくとも約480mg、少なくとも約500mgまたは少なくとも約550mgの一定用量である、E39記載の方法。
E41.抗PD−1抗体が、1、2、3または4週間毎におよそ1回、一定用量として投与される、E39またはE40記載の方法。
E42.抗PD−1抗体が、3週間毎に1回、約200mgの一定用量として投与される、E1からE35のいずれか記載の方法。
E43.抗PD−1抗体が、2週間毎に1回、約240mgの一定用量として投与される、E1からE35のいずれか記載の方法。
E44.抗PD−1抗体が、4週間毎に1回、約480mgの一定用量として投与される、E1からE35のいずれか記載の方法。
E45.抗PD−L1抗体が、ヒトPD−1への結合について、デュルバルマブ、アベルマブまたはアテゾリズマブと交差競合する、E1からE29のいずれか記載の方法。
E46.抗PD−L1抗体が、デュルバルマブ、アベルマブまたはアテゾリズマブと同じエピトープに結合する、E1からE29のいずれか記載の方法。
E47.抗PD−L1抗体がデュルバルマブである、E1からE29のいずれか記載の方法。
E48.抗PD−L1抗体がアベルマブである、E1からE29のいずれか記載の方法。
E49.抗PD−L1抗体がアテゾリズマブである、E1からE29のいずれか記載の方法。
E50.抗PD−L1抗体が、2、3または4週間毎に1回、体重1kgあたり0.1mgから20.0mgの範囲の用量で投与される、E45からE49のいずれか記載の方法。
E51.抗PD−L1抗体が、3週間毎に1回、体重1kgあたり15mgの用量で投与される、E45からE49のいずれか記載の方法。
E52.抗PD−L1抗体が、2週間毎に1回、体重1kgあたり10mgの用量で投与される、E45からE49のいずれか記載の方法。
E53.抗PD−L1抗体の治療的有効量が一定用量である、E1からE29およびE45からE49のいずれか記載の方法。
E54.抗PD−L1抗体の治療的有効量が、少なくとも約240mg、少なくとも約300mg、少なくとも約320mg、少なくとも約400mg、少なくとも約480mg、少なくとも約500mg、少なくとも約560mg、少なくとも約600mg、少なくとも約640mg、少なくとも約700mg、少なくとも720mg、少なくとも約800mg、少なくとも約880mg、少なくとも約900mg、少なくとも960mg、少なくとも約1000mg、少なくとも約1040mg、少なくとも約1100mg、少なくとも約1120mg、少なくとも約1200mg、少なくとも約1280mg、少なくとも約1300mg、少なくとも約1360mgまたは少なくとも約1400mgの一定用量である、E53記載の方法。
E55.抗PD−L1抗体が、1、2、3または4週間毎におよそ1回、一定用量として投与される、E53またはE54記載の方法。
E56.抗PD−L1抗体が、3週間毎に1回、約1200mgの一定用量として投与される、E53からE55のいずれか記載の方法。
E57.抗PD−L1抗体が、2週間毎に1回、約800mgの一定用量として投与される、E53からE55のいずれか記載の方法。
E58.抗CTLA−4抗体が、ヒトCTLA−4への結合についてイピリムマブまたはトレメリムマブと交差競合する、E1からE57のいずれか記載の方法。
E59.抗CTLA−4抗体が、イピリムマブまたはトレメリムマブと同じエピトープに結合する、E1からE57のいずれか記載の方法。
E60.抗CTLA−4抗体がイピリムマブである、E1からE59のいずれか記載の方法。
E61.抗CTLA−4抗体がトレメリムマブである、E1からE59のいずれか記載の方法。
E62.抗CTLA−4抗体が、2、3、4、5、6、7または8週間毎に1回、体重1kgあたり0.1mgから20.0mgの範囲の用量で投与される、E1からE59のいずれか記載の方法。
E63.抗CTLA−4抗体が、6週間毎に1回、体重1kgあたり1mgの用量で投与される、E1からE59のいずれか記載の方法。
E64.抗CTLA−4抗体が、4週間毎に1回、体重1kgあたり1mgの用量で投与される、E1からE59のいずれか記載の方法。
E65.抗CTLA−4抗体の治療的有効量が一定用量である、E1からE61のいずれか記載の方法。
E66.抗CTLA−4抗体の治療的有効量が、少なくとも約40mg、少なくとも約50mg、少なくとも約60mg、少なくとも約70mg、少なくとも約80mg、少なくとも約90mg、少なくとも約100mg、少なくとも約110mg、少なくとも約120mg、少なくとも約130mg、少なくとも約140mg、少なくとも約150mg、少なくとも約160mg、少なくとも約170mg、少なくとも約180mg、少なくとも約190mgまたは少なくとも約200mgの一定用量である、E65記載の方法。
E67.抗CLTA−4抗体が、2、3、4、5、6、7または8週間毎におよそ1回、一定用量として投与される、E65またはE66に記載の方法。
E68.対象が、投与後、少なくとも約1ヶ月、少なくとも約2ヶ月、少なくとも約3ヶ月、少なくとも約4ヶ月、少なくとも約5ヶ月、少なくとも約6ヶ月、少なくとも約7ヶ月、少なくとも約8ヶ月、少なくとも約9ヶ月、少なくとも約10ヶ月、少なくとも約11ヶ月、少なくとも約1年、少なくとも約18ヶ月、少なくとも約2年、少なくとも約3年、少なくとも約4年または少なくとも約5年の無増悪生存期間を示す、E1からE67のいずれか記載の方法。
E69.対象が、投与後、少なくとも約1ヶ月、少なくとも約2ヶ月、少なくとも約3ヶ月、少なくとも約4ヶ月、少なくとも約5ヶ月、少なくとも約6ヶ月、少なくとも約7ヶ月、少なくとも約8ヶ月、少なくとも約9ヶ月、少なくとも約10ヶ月、少なくとも約11ヶ月、少なくとも約1年、少なくとも約18ヶ月、少なくとも約2年、少なくとも約3年、少なくとも約4年または少なくとも約5年の全生存期間を示す、E1からE67のいずれか記載の方法。
E70.対象が、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または少なくとも約100%の奏効率を示す、E1からE69のいずれか記載の方法。
E71.腫瘍がPD−L1陰性である、E1からE70のいずれか記載の方法。
E72.腫瘍が1%未満のPD−L1を有する、E1からE71のいずれか記載の方法。
図1は、NSCLCを処置するための治験デザインを示す。対象を、PD-L1発現状態によって、すなわち1%以上のPD−L1発現と1%未満のPD−L1発現により分けた。次いで、各群の対象を、(i)抗PD−1抗体(例えば、ニボルマブ)を3mg/kg q2Qの用量で投与し、かつ抗CTLA−4抗体(例えば、イピリムマブ)を1mg/kg q6Wの用量で投与する群(n=396またはn=187)、(ii)組織学的化学療法群(n=397またはn=186)、および(iii)抗PD−1抗体、例えばニボルマブのみを240mg q2Wの一定用量で投与する群(n=396またはn=177)、の3つの群(1:1:1)に分けた。組織学的化学療法を受けていた対象を、扁平上皮(SQ)NSCLCまたは非扁平上皮(NSQ)NSCLCの状態別にさらに層別化した。化学療法を受けたNSQ NSCLCを有する対象は、ペメトレキセド(500mg/m)+シスプラチン(75mg/m)またはカルボプラチン(AUC5または6)をQ3Wで4サイクル以下投与し、化学療法後に任意でペメトレキセド(500mg/m)の維持療法を行うか、ニボルマブ(360mg Q3W)+化学療法後にニボルマブ(360mg Q3W)+ペメトレキセド(500mg/m)の維持療法を行った。化学療法を受けたSQ NSCLCを有する対象は、ゲムシタビン(1000または1250mg/m)+シスプラチン(75mg/m)、またはゲムシタビン(1000mg/m)+カルボプラチン(AUC 5)を、Q3Wで4サイクル以下投与された。TMBco-primary 解析を、評価可能なTMB≧10変異/Mbを有するニボルマブ+イピリムマブまたは化学療法に無作為化された患者のサブセットに対して実施した。 図2は、すべてのTMB評価可能な患者におけるTMBおよびPD−L1発現の散布図を示す。y軸はメガベースあたりの変異数を示し、x軸はPD−L1発現を示す。散布図中の記号(ドット)は、特にPD−L1発現が1%未満の患者では、複数のデータ点を表すことがある。
図3Aは、すべての無作為化された患者における、抗PD−1抗体(例えば、ニボルマブ)および抗CLTA−4抗体(例えば、イピリムマブ)による無増悪生存期間 対 化学療法による無増悪生存期間を示す。Clは信頼区間を示す。HRはハザード比を示す。図3Bは、TMB評価可能な患者における、抗PD−1抗体(例えば、ニボルマブ)および抗CLTA−4抗体(例えば、イピリムマブ)による無増悪生存期間 対 化学療法による無増悪生存期間を示す。 図4Aは、TMB≧10変異/Mbの患者における、抗PD−1抗体(例えば、ニボルマブ)+抗CLTA−4抗体(例えば、イピリムマブ)(Nivo + Ipi)による無増悪生存期間 対 化学療法(Chemo)による無増悪生存期間を示す。1-y PFS=1年無増悪生存期間;*95%CI、0.43〜0.77。図4Bは、TMB≧10変異/Mbの患者における、抗PD−1抗体(例えば、ニボルマブ)+抗CLTA−4抗体(例えば、イピリムマブ)(Nivo + Ipi)の奏効期間 対 化学療法(Chemo)の奏効期間を示す。DOR:奏効期間;中央値、DOR;mo:奏効期間の中央月;1-y DOR:1年の奏効期間。
図5は、TMB<10変異/Mbを有する患者における、抗PD−1抗体(例えば、ニボルマブ)+抗CLTA−4抗体(例えば、イピリムマブ)による無増悪生存期間 対 化学療法による無増悪生存期間を示す。 図6Aは、1%以上のPD−L1発現によるTMB≧10変異/Mbの患者における無増悪生存期間のサブグループ解析を示す。PFS(%):無増悪生存率。図6Bは、1%を超えるPD−L1発現によるTMB≧10変異/Mbの患者における無増悪生存期間のサブグループ解析を示す。図6Cは、扁平上皮細胞腫瘍組織型の患者におけるTMB≧10変異/Mbの患者における無増悪生存期間のサブグループ解析を示す。図6Dは、非扁平上皮細胞腫瘍組織型の患者におけるTMB≧10変異/Mbの患者における無増悪生存期間のサブグループ解析を示す。図6Eは、選択されたサブグループの特徴を示す。
図7は、TMB≧13変異/Mbおよび1%以上の腫瘍PD−L1発現を有する患者における、抗PD−1抗体(例えば、ニボルマブ)単剤療法 対 化学療法による無増悪生存期間を示す。95%Clは0.95(0.64、1.4)である。 図8は、TMB≧10変異/Mbおよび1%以上の腫瘍PD−L1発現を有する患者における、抗PD−1抗体(例えば、ニボルマブ)+抗CLTA−4抗体(例えば、イピリムマブ) 対 抗PD−1抗体(例えば、ニボルマブ)単剤療法、および化学療法による無増悪生存期間を示す。95%CIは、ニボルマブ+イピリムマブ 対 化学療法について0.62(0.44、0.88)である。
図9Aから9Cは、1%未満の腫瘍PD−L1発現を有する患者について、ニボルマブ+化学療法または化学療法単独での処置後の無増悪生存期間(PFS;図9A)、奏効率(ORR;図9B)および奏効期間(DOR;図9C)を示す。図9Dは、ニボルマブ+化学療法(“Nivo+Chemo”)または化学療法単独(“Chemo”)のいずれかの処置後のベースライン特性および関連する層別化されていないハザード比(HR)に基づいた患者の層別化を示す。 図10Aおよび10Bは、ニボルマブ+イピリムマブ(縦ダッシュ)、ニボルマブ+化学療法(丸)または化学療法単独(三角)による処置後の、1%未満の腫瘍PD−L1発現を有し、高TMB(≧10変異/Mb;図10A)および低TMB(<10変異/Mb;図10B)の患者の無増悪生存期間(PFS)を示す(図10A〜10B)。図10Cは、ニボルマブ+イピリムマブ(縦ダッシュ)、ニボルマブ+化学療法(丸)または化学療法単独(三角)による処置後の、腫瘍PD-L1発現が1%未満の高TMB(≧10変異/Mb)患者の奏効期間(DOR)を示す。
図11は、ニボルマブ+化学療法(y軸左)またはニボルマブ+イピリムマブ(y軸右)のいずれかの処置を受けた患者における処置関連有害事象(TRAE)の分布を示す。濃い灰色および黒色の棒グラフは、グレード1−2のTRAEを、薄い灰色の棒グラフはグレード3−4のTRAEを示す。a選択されたAEは、モニタリング/介入を必要とする可能性のある免疫学的病因を有するものである。
発明の詳細な説明
本発明は、非小細胞肺癌(NSCLC)由来の腫瘍に罹患している対象を処置する方法であって、該対象に(a)抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体および(b)抗CLTA−4抗体を含む併用療法剤を投与することを含む方法を提供し、ここで、該腫瘍は、高い腫瘍遺伝子変異量(TMB)状態を有する。特定の態様において、腫瘍は、検査された遺伝子の1メガベースあたり少なくとも約10個の変異のTMBを有する。
本発明はまた、NSCLC由来の腫瘍に罹患しており、(a)抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体および(b)抗CLTA−4抗体の併用療法に適している対象を同定する方法であって、該腫瘍の生物学的サンプルのTMB状態を測定することを含み、ここで、該腫瘍が高いTMB状態を有し、該対象が併用療法に適していると同定される、方法も提供する。ある態様において、併用療法に適すると同定された対象は、検査された遺伝子の1メガベースあたり少なくとも約10個の変異のTMBである腫瘍を有する。
用語
本明細書の記載がより容易に理解され得るように、いくつかの用語を最初に定義する。本明細書で特に別の定義が明記されている場合を除いて、本明細書で用いるとき、以下の用語はそれぞれ、以下に記載の意味を有するものとする。さらなる定義が、本明細書を通して記載される。
“投与する”とは、当業者に知られる種々の方法および送達システムの何れかを用いる、対象への治療剤を含む組成物の物理的導入を意味する。免疫療法剤、例えば抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体の好ましい投与経路には、静脈内、筋肉内、皮下、腹腔内、脊髄または例えば注射もしくは点滴による他の非経腸投与経路が含まれる。本明細書で用いる用語“非経腸投与”とは、経腸投与および局所投与以外の投与方法を意味し、通常、注射による投与であり、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、胸腔内、病巣内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下(subcuticular)、関節内、被膜下、くも膜下腔内、脊髄内、硬膜外および胸骨内注射および点滴、ならびにインビボエレクトロポレーションが含まれるが、これらに限定されない。他の非々経腸経路には、経口、局所、上皮または粘膜投与経路、例えば、鼻腔内、膣内、直腸内、舌下または局所的投与が含まれる。投与はまた、例えば1回、複数回、および/または長期間にわたって1または複数回行われ得る。
本明細書で用いる“有害事象”(AE)とは、医療処置の使用に関連する好ましくない、かつ一般に意図されていないまたは望ましくない兆候(異常な検査所見を含む)、症状または疾患である。例えば、有害事象は、処置に応答して、免疫系の活性化または免疫系細胞(例えば、T細胞)の増殖と関連し得る。医療処置は、1または複数の関連するAEを有し得て、それぞれのAEは、同じかまたは異なるレベルの重篤度を有し得る。“有害事象を変更する”ことのできる方法の言及は、異なる処置レジメンの使用に関連する1以上のAEの発生率および/または重篤度を低下させる処置レジメンを意味する。
“抗体”(Ab)には、抗原に特異的に結合し、ジスルフィド結合によって相互連結された少なくとも2つの重(H)鎖および2つの軽(L)鎖を含む糖タンパク質免疫グロブリン、またはその抗原結合部分が含まれるが、これに限定されない。各H鎖は、重鎖可変領域(本明細書中、Vと略す)および重鎖定常領域を含む。重鎖定常領域は、3つの定常ドメイン、CH1、CH2およびCH3を含む。各軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書中、Vと略す)および軽鎖定常領域を含む。軽鎖定常領域は、1つの定常ドメイン、Cを含む。VおよびV領域はさらに、フレームワーク領域(FR)と呼ばれるより保存された領域が点在する、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる超可変領域に分けられる。各VおよびVは、3つのCDRおよび4つのFRを含み、以下の順でアミノ末端からカルボキシ末端に配置されている:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4。重鎖および軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含む。抗体の定常領域は、免疫系の様々な細胞(例えば、エフェクター細胞)および古典的補体系の第1成分(C1q)を含む、宿主組織または因子への免疫グロブリンの結合を媒介し得る。
免疫グロブリンは、IgA、分泌性IgA、IgGおよびIgMを含むが、これに限定されない、一般的に知られているアイソタイプの何れかに由来し得る。IgGサブクラスはまた、当業者によく知られており、ヒトIgG1、IgG2、IgG3およびIgG4が含まれるが、これらに限定されない。“アイソタイプ”とは、重鎖定常領域遺伝子によってコードされる抗体クラスまたはサブクラス(例えば、IgMまたはIgG1)を意味する。用語“抗体”は、例として、天然抗体および天然に存在しない抗体の両方;モノクローナルおよびポリクローナル抗体;キメラ抗体およびヒト化抗体;ヒト抗体または非ヒト抗体;全合成抗体;ならびに、一本鎖抗体を含むが、これらに限定されない。非ヒト抗体は、ヒトにおいてその免疫原性を低減させるための組換え法によってヒト化され得る。明示的に記載されていない限り、および文脈上他の意味が記載されない限り、用語“抗体”にはまた、上記の免疫グロブリンのいずれかの抗原結合断片または抗原結合部分も含まれ、また、一価および二価の断片または部分および一本鎖抗体が含まれる。
“単離された抗体”とは、異なる抗原特異性を有する他の抗体を実質的に含まない抗体を意味する(例えば、PD−1に特異的に結合する単離された抗体は、PD−1以外の抗原に特異的に結合する抗体を実質的に含まない)。しかしながら、PD−1に特異的に結合する単離された抗体は、異なる種由来のPD−1分子のような他の抗原に対して交差反応性を有し得る。さらに、単離された抗体は、他の細胞物質および/または化学物質を実質的に含まない。
用語“モノクローナル抗体”(mAb)は、単一分子組成の抗体分子、すなわち、一次配列が本質的に同一である抗体分子の天然に存在しない調製物であり、それは、特定のエピトープに対して単一の結合特異性および親和性を示す。モノクローナル抗体は、単離された抗体の一例である。モノクローナル抗体は、当業者に既知のハイブリドーマ技術、組換え技術、トランスジェニック技術または他の技術によって産生され得る。
“ヒト”抗体(HuMAb)とは、フレームワーク領域およびCDR領域の両方がヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由来する可変領域を有する抗体を意味する。さらに、抗体が定常領域を含むとき、該定常領域もまたヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由来する。本発明のヒト抗体は、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列によってコードされていないアミノ酸残基(例えば、インビトロでのランダムまたは部位特異的突然変異誘発あるいはインビボでの体細胞突然変異によって導入された突然変異)を含み得る。しかしながら、本明細書で用いる用語“ヒト抗体”は、マウスなどの別の哺乳動物種の生殖細胞系列に由来するCDR配列がヒトフレームワーク配列に移植された抗体を含むことを意図するものではない。用語“ヒト”抗体および“完全ヒト”抗体は、同義語として使用される。
“ヒト化抗体”とは、非ヒト抗体のCDRの外側のアミノ酸のいくつか、ほとんどまたは全てが、ヒト免疫グロブリンに由来する対応するアミノ酸で置換されている抗体を意味する。抗体のヒト化形態の一態様において、CDRの外側のアミノ酸のいくつか、ほとんどまたは全ては、ヒト免疫グロブリン由来のアミノ酸で置換されているが、一方、1以上のCDR内のいくつか、ほとんどまたは全てのアミノ酸は不変である。アミノ酸の僅かな付加、欠失、挿入、置換または修飾は、それらが特定の抗原に対する抗体の結合能を消失させない限り許容される。“ヒト化”抗体は、元の抗体と同様の抗原結合特異性を保持する。
“キメラ抗体”とは、可変領域がある種に由来し、定常領域が別の種に由来する抗体、例えば、可変領域がマウス抗体由来であり、定常領域がヒト抗体由来である抗体を意味する。
A“抗抗原(anti−antigen)”抗体とは、抗原に特異的に結合する抗体を意味する。例えば、抗PD−1抗体はPD−1に特異的に結合し、抗PD−L1抗体はPD−L1に特異的に結合し、抗CTLA−4抗体はCTLA−4に特異的に結合する。
抗体の“抗原結合部分”(“抗原結合断片”とも言う)は、全長抗体により結合される抗原に特異的に結合する能力を保持する抗体の1以上の断片を意味する。
“癌”とは、体内の異常な細胞の無制御の増殖を特徴とする種々の疾患の広範な群を意味する。無秩序な細胞分裂および増殖分裂および増殖は、結果として、隣接する組織に浸潤し、そしてリンパ系または血流を通じて身体の離れた場所に転移することもできる悪性腫瘍の形成をもたらす。
用語“免疫療法”とは、免疫応答を誘導、増強、抑制またはその他改変することを含む方法によって、疾患に罹患しているか、または疾患の発症もしくは再発のリスクを有する対象の処置を意味する。対象の“処置”または“治療”は、症状、合併症または病状、あるいは疾患と関連する生化学的徴候の発症、進行、発展、重篤化または再発を、回復、緩和、改善、阻害、遅延もしくは阻止する目的で、対象に対して行われる何らかの治療介入(intervention)または方法、あるいは対象への有効成分の投与などを意味する。
“プログラム細胞死−1”(PD−1)は、CD28ファミリーに属する免疫阻害受容体を意味する。PD−1は、インビボで予め活性化されているT細胞上で主に発現され、2つのリガンドPD−L1およびPD−L2に結合する。本明細書で用いる用語“PD−1”は、ヒトPD−1(hPD−1)、hPD−1の変異体、イソ型および種ホモログ、ならびにhPD−1と少なくとも1つの共通エピトープを有する類縁体を含む。完全なhPD−1配列は、GenBank受託番号U64863に見出すことができる。
“プログラム細胞死リガンド−1”(PD−L1)は、PD−1への結合時にT細胞活性化およびサイトカイン分泌を下方制御するPD−1の2つの細胞表面糖たんぱく質リガンドの1つである(他は、PD−L2である)。本明細書で用いる用語“PD−L1”は、ヒトPD−L1(hPD−L1)、hPD−L1の変異体、イソ型および種ホモログ、ならびにhPD−L1と少なくとも1つの共通エピトープを有する類縁体を含む。完全なhPD−L1配列は、GenBank受託番号Q9NZQ7に見出すことができる。
“細胞傷害性Tリンパ球抗原−4”(CTLA−4)は、CD28ファミリーに属する免疫阻害受容体を意味する。CTLA−4は、インビボにてT細胞で排他的に発現され、2つのリガンドCD80およびCD86(それぞれB7−1およびB7−2とも言う)に結合する。本明細書で用いる用語“CTLA−4”には、ヒトCTLA−4(hCTLA−4)、その変異体、イソ型および種ホモログ、ならびにhCTLA−4と少なくとも1つの共通するエピトープを有する類縁体が含まれる。完全なhCTLA−4配列は、GenBank受託番号AAB59385に見出すことができる。
“対象”には、ヒトまたは非ヒト動物が含まれる。用語“非ヒト動物”には、非ヒト霊長動物、ヒツジ、イヌなどの脊椎動物、ならびにマウス、ラットおよびモルモットなどの齧歯動物が含まれるが、これらに限定されない。好ましい態様において、対象はヒトである。用語“対象”および“患者”は、本明細書中、互換的に用いられる。
本発明の方法および投与量に関して、用語“一定用量”の使用は、患者の体重または体表面積(BSA)に関わらず、患者に投与される用量を意味する。従って、一定用量は、mg/kg 用量としてではなく、薬物(例えば、抗PD−1抗体)の絶対量として提供される。例えば、60kgのヒトおよび100kgのヒトは、同じ用量の抗体(例えば、240mgの抗PD1抗体)を受け取り得る。
本発明の方法に関する用語“固定用量”の使用は、単一の組成物中の2以上の異なる抗体(例えば、抗PD−1抗体および抗CTLA−4抗体、または抗PD−L1抗体および抗CTLA−4抗体)が、組成物中に、特に互いに(固定された)比率で存在することを意味する。ある態様において、固定用量は、抗体の重量(例えば、mg)に基づく。特定の態様において、固定用量は、抗体の濃度(例えば、mg/ml)に基づく。ある態様において、比率は、第1の抗体(例えば、抗PD−1抗体またはPD-L1抗体)のmgと第2の抗体(例えば、抗CTLA−4抗体)のmgの比が、少なくとも約1:1、約1:2、約1:3、約1:4、約1:5、約1:6、約1:7、約1:8、約1:9、約1:10、約1:15、約1:20、約1:30、約1:40、約1:50、約1:60、約1:70、約1:80、約1:90、約1:100、約1:120、約1:140、約1:160、約1:180、約1:200、約200:1、約180:1、約160:1、約140:1、約120:1、約100:1、約90:1、約80:1、約70:1、約60:1、約50:1、約40:1、約30:1、約20:1、約15:1、約10:1、約9:1、約8:1、約7:1、約6:1、約5:1、約4:1、約3:1、または約2:1である。例えば、抗PD−1抗体と抗CTLA−4抗体の3:1の比率は、バイアルが約240mgの抗PD−1抗体と約80mgの抗CTLA−4抗体、または約3mg/mlの抗PD−1抗体と約1mg/mlの抗CTLA−4抗体を含み得ることを意味し得る。
本明細書で用いる用語“体重に基づく用量”とは、患者に投与される用量が該患者の体重に基づいて計算されることを意味する。例えば、体重60kgの患者が3mg/kgの抗PD−1抗体を必要とするとき、投与のために適切な量の抗PD−1抗体を計算して(すなわち、180mg)、使用することができる。
薬物または治療剤の“治療的有効量”または“治療的有効投与量”とは、単独でまたは別の治療剤と組み合わせて用いられるとき、疾患の発症から対象を保護するか、または疾患症状の重篤度の低下、疾患の無症状期間の頻度および持続期間の増加、もしくは疾患の苦痛による機能障害(impairment)もしくは能力障害(disability)の予防によって証明される疾患緩解(regression)を促進する薬物の量である。疾患の緩解を促進する治療剤の能力は、臨床治験中のヒト対象、ヒトにおける有効性を予測する動物モデル系、またはインビトロアッセイにおける薬物の活性のアッセイなどの当業者に知られている種々の方法を用いて評価することができる。
一例として、“抗癌剤”は、対象における癌の緩解を促進する。好ましい態様において、薬物の治療的有効量は、癌の緩解を、癌を排除する点まで促進する。“癌の緩解の促進”とは、有効量の薬物を、単独でまたは抗腫瘍剤と組み合わせて投与すると、結果として、腫瘍増殖またはサイズの低減、腫瘍の壊死、少なくとも1つの疾患症状の重篤度の低下、疾患の無症状期間の頻度および期間の増加、あるいは疾患の苦痛に起因する機能障害または能力障害の予防がもたらされることを意味する。加えて、処置に関する用語“有効”および“有効性”には、薬理学的有効性および生理的安全性の両方が含まれる。薬理学的有効性とは、患者の癌の緩解を促進する薬物の能力を意味する。生理的安全性とは、薬物の投与によって生じる、細胞、臓器および/または生物レベルでの毒性レベルまたは他の有害な生理学的作用(副作用)のレベルを意味する。
腫瘍、例えばNSCLC由来の腫瘍の処置の例として、治療的有効量の抗癌剤は、好ましくは、未処置の対象と比べて、細胞増殖または腫瘍増殖を少なくとも約20%、より好ましくは、少なくとも約40%、さらにより好ましくは、少なくとも約60%、およびさらにより好ましくは少なくとも約80%阻害することができる。本発明の他の好ましい態様において、腫瘍の緩解が観察され得て、それは少なくとも約20日間、より好ましくは少なくとも約40日間、またはさらにより好ましくは少なくとも約60日間継続する。治療効果のこれらの最終的な計測とは別に、免疫療法薬の評価は、免疫関連応答パターンも考慮しなければならない。
“免疫応答”とは、外来因子または異常な、例えば癌性の細胞などに対する脊椎動物内の生物学的応答を意味し、該応答は、生物をこれらの因子およびそれが原因の疾患から保護する。免疫応答は、免疫系の1以上の細胞(例えば、Tリンパ球、Bリンパ球、ナチュラルキラー(NK)細胞、マクロファージ、好酸球、マスト細胞、樹状細胞または好中球)およびこれらの細胞のいずれかまたは肝臓により産生される可溶性巨大分子(抗体、サイトカインおよび補体を含む)の作用が介在し、結果として、侵入病原体、病原体に感染した細胞または組織、癌性のまたは他の異常細胞、あるいは、自己免疫性または病理学的炎症の場合、正常ヒト細胞または組織を選択的標的化し、結合し、損傷し、破壊しおよび/または脊椎動物体内から排除する。免疫反応は、例えば、T細胞、例えば、エフェクターT細胞、Th細胞、CD4またはCD8 T細胞あるいはTreg細胞の活性化または阻害、あるいは免疫系のいずれか他の細胞、例えばNK細胞の活性化または阻害を含む。
“免疫関連応答パターン”とは、癌特異的免疫応答を誘導するか、または天然の免疫プロセスを改変することにより、抗腫瘍効果を生じる免疫療法剤で処置された癌患者においてしばしば観察される臨床応答パターンを意味する。この応答パターンは、従来の化学療法剤の評価において病勢進行(disease progression)として分類され、薬物無効(drug failure)と同義であり得る、腫瘍量の初期増加または新たな病変の出現の後に見られる有益な治療効果を特徴とする。従って、免疫療法剤の適切な評価は、標的疾患に対するこれらの薬物の効果の長期的モニタリングを必要とし得る。
“免疫調節剤”または“免疫制御剤(immunoregulator)”は、免疫応答の調節、制御または修飾に関与し得る因子、例えば、シグナル伝達経路の成分を意味する。免疫応答の“調節”、“制御”または“修飾”は、免疫系の細胞またはこのような細胞(例えば、Th1細胞などのエフェクターT細胞)の活性の何らかの変更を意味する。このような調節は、種々の細胞タイプの数の増減、これらの細胞の活性の増減または免疫系内で生じ得る何らかの他の変化により顕在化し得る、免疫系の刺激または抑制を含む。阻害性および刺激性免疫調節剤の両者が同定されており、そのいくつかは、腫瘍微小環境において増強された機能を有し得る。ある態様において、免疫調節剤は、T細胞の表面上の分子を標的とする。“免疫調節性標的”または“免疫制御性標的”は、物質、薬物、成分(moiety)、化合物または分子による結合のために標的化され、その活性が該結合により改変される分子、例えば細胞表面分子である。免疫調節性標的としては、例えば、細胞表面の受容体(“免疫調節性受容体”)および受容体リガンド(“免疫調節性リガンド”)が挙げられる。
“免疫療法”は、免疫系または免疫応答を誘発、増強、抑制または他に修飾することを含む方法による、疾患を有するまたはそれに罹患するもしくは再発するリスクのある対象の処置を意味する。ある態様において、免疫療法は、対象への抗体の投与を含む。他の態様において、免疫療法は、対象への小分子の投与を含む。他の態様において、免疫療法は、サイトカインまたはその類縁体、変異体もしくは断片を投与することを含む。
“免疫刺激療法”または“免疫刺激性療法”は、例えば、癌を処置するための、対象における免疫応答の増加(誘発または増強)を引き起こす治療(処置)を意味する。
“内在性免疫応答の増強”は、対象における既存の免疫応答の有効性または効力の増大を意味する。有効性および効力のこの増大は、例えば、内在性宿主免疫応答を抑制する機序を制圧することにより、または内在性宿主免疫応答を増強する機序を刺激することにより達成され得る。
薬物の治療的有効量は、“予防的有効量”を含み、それは、癌を発症するリスクのある対象または癌を再発するリスクを有する対象(例えば、前悪性状態を有する対象)に単独で、または抗腫瘍剤と組み合わせて投与されるとき、癌の発生または再発を阻害する薬物の量である。好ましい態様において、予防的有効量は、癌の発生または再発を完全に阻止する。癌の発生または再発を“阻害する”とは、癌の発生または再発の可能性を軽減するか、または癌の発生または再発を完全に阻止することのいずれかを意味する。
本明細書で用いる用語“腫瘍遺伝子変異量”(TMB)は、腫瘍ゲノムにおける体細胞変異数および/または腫瘍ゲノムの1領域当たりの体細胞変異数を意味する。生殖細胞系列(遺伝)変異体は、その免疫系がこれらを自身のものとして認識する可能性が高いため、TMBを測定する際に除かれる。腫瘍遺伝子変異量(TMB)はまた、“腫瘍遺伝子変異量(load)”、“腫瘍遺伝子変異性負荷(tumor mutational burden)”または“腫瘍遺伝子変異性量(tumor mutational load)”と互換的に用いられ得る。
TMBは、腫瘍のゲノムの遺伝学的分析であり、従って、当業者に既知の配列決定法を用いることにより測定することができる。腫瘍DNAは、患者での対比した正常組織由来のDNAと比較して、生殖細胞変異または多型を除くことができる。
ある態様において、TMBは、ハイスループット配列決定技術、例えば、次世代シークエンシング(NGS)またはNGSベースの方法を用いて腫瘍DNAを配列決定することによって決定される。ある態様において、NGSベースの方法は、全ゲノムシークエンシング(WGS)、全エクソームシークエンシング(WES)またはFOUNDATIONONE(登録商標) CDX(商標)およびMSK−IMPACT臨床治験などの癌遺伝子パネルの網羅的ゲノムプロファイリング(CGP)から選択される。ある態様において、本明細書で用いるTMBは、配列決定されたDNAのメガベース(Mb)あたりの体細胞変異数を意味する。一態様において、TMBは、例えば、ミスセンス変異(すなわち、タンパク質中の特定のアミノ酸の変異)および/またはナンセンス(タンパク質配列の早期終結、その結果としての、タンパク質配列の切断型)などの非同義変異の総数を用いて測定され、対比した腫瘍を生殖細胞サンプルと正規化して、遺伝性の生殖細胞遺伝的変化を除外することによって同定される。別の態様において、TMBは、腫瘍におけるミスセンス変異の総数を用いて測定される。TMBを測定するためには、十分な量のサンプルが必要とされる。一態様において、組織サンプル(例えば、少なくとも10枚のスライド)が評価のために用いられる。ある態様において、TMBは、メガベースあたりのNsMs(NsMs/Mb)として表される。1メガベースは、100万塩基を表す。
TMB状態は、対照セットの最も高い分位値内、または三分位値内の数値または相対値(例えば、高い、中間、または低い)であり得る。
本明細書で用いる用語“高TMB”は、正常または平均である多くの体細胞変異を超える腫瘍ゲノムにおける体細胞変異数を意味する。ある態様において、TMBは、少なくとも210、少なくとも215、少なくとも220、少なくとも225、少なくとも230、少なくとも235、少なくとも240、少なくとも245、少なくとも250、少なくとも255、少なくとも260、少なくとも265、少なくとも270、少なくとも275、少なくとも280、少なくとも285、少なくとも290、少なくとも295、少なくとも300、少なくとも305、少なくとも310、少なくとも315、少なくとも320、少なくとも325、少なくとも330、少なくとも335、少なくとも340、少なくとも345、少なくとも350、少なくとも355、少なくとも360、少なくとも365、少なくとも370、少なくとも375、少なくとも380、少なくとも385、少なくとも390、少なくとも395、少なくとも400、少なくとも405、少なくとも410、少なくとも415、少なくとも420、少なくとも425、少なくとも430、少なくとも435、少なくとも440、少なくとも445、少なくとも450、少なくとも455、少なくとも460、少なくとも465、少なくとも470、少なくとも475、少なくとも480、少なくとも485、少なくとも490、少なくとも495または少なくとも500のスコアを有し;他の態様において、高TMBは、少なくとも少なくとも221、少なくとも222、少なくとも223、少なくとも224、少なくとも225、少なくとも226、少なくとも227、少なくとも228、少なくとも229、少なくとも230、少なくとも231、少なくとも232、少なくとも233、少なくとも234、少なくとも235、少なくとも236、少なくとも237、少なくとも238、少なくとも239、少なくとも240、少なくとも241、少なくとも242、少なくとも243、少なくとも244、少なくとも245、少なくとも246、少なくとも247、少なくとも248、少なくとも249または少なくとも250のスコアを有し;そして、特定の態様において、高TMBは、少なくとも243のスコアを有する。
他の態様において、“高TMB”は、対照TMB値の最も高い分位値内のTMBを意味する。例えば、評価可能なTMBデータを有する全ての対象は、TMBのフラクタル(fractile)分布に従ってグループ化され、すなわち、対象は遺伝子変化の最も高い数から最も低い数までランク付けされ、定義された数の群に分類される。一態様において、評価可能なTMBデータを有する全ての対象は、ランク付けされ、3つの群に分割され、“高TMB”は、対照TMB値の最も高い分位値内である。特定の態様において、三分位値の境界は、0<100個の遺伝子変異;100〜243個の遺伝子変異;および、>243個の遺伝子変異である。ランク付けされると、評価可能なTMBデータを有する対象は、いずれかのグループ数(例えば、四分位、五分位など)に分類することができるものと理解されるべきである。
ある態様において、“高TMB”は、少なくとも約20変異/腫瘍、少なくとも約25変異/腫瘍、少なくとも約30変異/腫瘍、少なくとも約35変異/腫瘍、少なくとも約40変異/腫瘍、少なくとも約45変異/腫瘍、少なくとも約50変異/腫瘍、少なくとも約55変異/腫瘍、少なくとも約60変異/腫瘍、少なくとも約65変異/腫瘍、少なくとも約70変異/腫瘍、少なくとも約75変異/腫瘍、少なくとも約80変異/腫瘍、少なくとも約85変異/腫瘍、少なくとも約90変異/腫瘍、少なくとも約95変異/腫瘍または少なくとも約100変異/腫瘍のTMBを意味する。ある態様において、“高TMB”は、少なくとも約105変異/腫瘍、少なくとも約110変異/腫瘍、少なくとも約115変異/腫瘍、少なくとも約120変異/腫瘍、少なくとも約125変異/腫瘍、少なくとも約130変異/腫瘍、少なくとも約135変異/腫瘍、少なくとも約140変異/腫瘍、少なくとも約145変異/腫瘍、少なくとも約150変異/腫瘍、少なくとも約175変異/腫瘍または少なくとも約200変異/腫瘍のTMBを意味する。特定の態様において、高TMBを有する腫瘍は、少なくとも約100変異/腫瘍を有する。
“高TMB”はまた、例えば、変異アッセイ、例えば、FOUNDATIONONE(登録商標) CDX(商標)アッセイにより測定される、配列決定された腫瘍ゲノムの1メガベースあたりの変異数を意味し得る。一態様において、高TMBは、FOUNDATIONONE(登録商標) CDX(商標)アッセイにより測定される、ゲノムの1メガベースあたり、少なくとも約9、少なくとも約10、少なくとも約11、少なくとも12、少なくとも約13、少なくとも約14、少なくとも約15、少なくとも約16、少なくとも約17、少なくとも約18、少なくとも約19、または少なくとも約20個の変異を意味する。特定の態様において、“高TMB”は、FOUNDATIONONE(登録商標) CDX(商標)アッセイにより、配列決定されたゲノムの1メガベースあたり少なくとも10個の変異を意味する。
本明細書で用いる用語“中間TMB”は、正常または平均である多くの体細胞変異またはその位の腫瘍ゲノムにおける体細胞変異数を意味し、用語“低TMB”は、正常または平均である体細胞変異より少ない腫瘍ゲノムにおける体細胞変異数を意味する。特定の態様において、“高TMB”は、少なくとも243のスコアを有し、“中間TMB”は、100〜242のスコアを有し、そして“低TMB”は、100以下(または0〜100)のスコアを有する。“中間または低TMB”は、例えば、FOUNDATIONONE(登録商標) CDX(商標)アッセイにより測定されるように、配列決定されたゲノムの1メガベースあたり9個未満の変異を意味する。
本明細書で用いる用語“対照TMB値”は、表9に示すTMB値であり得る。
ある態様において、TMB状態は、喫煙状態と相関し得る。特に、現在喫煙しているか、または以前喫煙していた対象は、喫煙していない対象より多くの遺伝子変異、例えば、ミスセンス変異を有することが多い。
高TMBを示す腫瘍、例えばNSCLC由来の腫瘍はまた、高いネオ抗原量を有し得る。本明細書で用いる用語“ネオ抗原”は、以前は免疫系によって認識されなかった新たに形成された抗原を意味する。ネオ抗原は、免疫系によって異物(または非自己)として認識されるタンパク質またはペプチドであり得る。体細胞変異を保有する腫瘍ゲノムにおける遺伝子の転写は、結果として変異型mRNAを生じ、翻訳されると、変異型タンパク質を生成し、次いでプロセッシングを受け、ER内腔に輸送されて、MHCクラスI複合体に結合し、ネオ抗原のT細胞の認識が促進される。ネオ抗原の認識は、T細胞の活性化、クローン増殖、ならびにエフェクターおよび記憶T細胞への分化を促進することができる。ネオ抗原量は、TMBと相関し得る。ある態様において、TMBは、腫瘍ネオ抗原量を測定するための代理値として評価される。腫瘍、例えばNSCLC由来の腫瘍のTMB状態は、患者が特定の抗癌剤または処置もしくは治療のタイプ、例えば、(a)抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体および(b)抗CTLA−4抗体を含む併用療法から利益を得る可能性が高いかどうかを決定する際に、単独で、または他の因子と組み合わせて、因子として用いられ得る。一態様において、高TMB状態(または高TMB)は、免疫腫瘍学から利益を得る可能性が高いことを示し、したがって、(a)抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体および(b)抗CTLA−4抗体を含む併用療法から利益を得る可能性が高い患者を同定するために用いられ得る。同様に、高腫瘍ネオ抗原量および高TMBを有する腫瘍は、低ネオ抗原量および低TMBを有する腫瘍よりも免疫原性が高い可能性が高い。加えて、高ネオ抗原/高TMBの腫瘍は、免疫系によって非自己として認識される可能性が高く、したがって、免疫介在性抗腫瘍応答を誘発する。一態様において、高TMB状態および高ネオ抗原量は、免疫腫瘍学、例えば、(a)抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体および(b)抗CTLA−4抗体を含む併用療法から利益を得る可能性が高いことを示す。本明細書で用いる用語“治療からの利益を得る”とは、全生存、無憎悪生存、部分奏功、完全奏功および全奏効率のうちの1以上の改善を意味し、腫瘍増殖もしくはサイズの減少、疾患症状の重症度の低下、疾患症状のない期間の頻度の上昇および期間の増加、または疾患の苦痛による障害もしくは能力障害の予防を含み得る。
他の因子、例えば、環境因子は、TMB状態と関係し得る。例えば、NSCLC患者の喫煙状態は、TMB分布と相関しており、それにより、現在および以前に喫煙した患者は、喫煙したことのない患者と比較して、より高いTMB中央値を有していた。Petersらの、AACR、April 1-5、2017、Washington、D.C.を参照のこと。NSCLC腫瘍におけるドライバー変異の存在は、若年性の、女性の、および非喫煙者の状態と関連していた。Singalらの、ASCO、June 1-5、2017; Chicago、ILを参照のこと。EGFR、ALKまたはKRASなどのドライバー変異の存在と低いTMBとを関連付ける傾向が観察された(P=0.06)。Davisらの、 AACR、April 1-5、2017、Washington、D.C.を参照のこと。
本明細書で用いる用語“体細胞変異”は、受胎後に起こるDNAの後天的な変異を意味する。体細胞変異は、生殖細胞(精子および卵子)を除く体の細胞のいずれにおいても起こり得、したがって、子供に受け継がれることはない。これらの変異は、癌またはその他の疾患を引き起こし得るが、必ずしもそうではない。用語“生殖細胞変異”とは、体内の生殖細胞(卵子や精子)の遺伝子変化が、子孫の体内のあらゆる細胞のDNAに取り込まれる、遺伝子変化を意味する。生殖細胞変異は、親から子孫へと受け継がれる。また、遺伝性変異(hereditary mutation)とも称される。TMBの解析において、生殖細胞変異を“ベースライン”とみなし、腫瘍生検で見つかった突然変異の数から差し引いて、腫瘍内のTMBを決定する。生殖細胞変異は体内のあらゆる細胞に存在するため、その存在は、血液または唾液などの腫瘍生検よりも侵襲性の低いサンプル採取によって決定することができる。生殖細胞変異は、特定の癌を発症するリスクを高め、化学療法への応答において役割を果たし得る。
用語“測定する”、“測定された”または“測定”は、TMB状態を示す場合、対象の生物学的サンプルにおける体細胞変異の測定可能な量を調べることを意味する。測定は、サンプル中の核酸、例えば、cDNA、mRNA、exoRNA、ctDNAおよびcfDNAを配列決定することによって行うことができるものと認められ得る。測定は、対象のサンプルおよび/または対照サンプル(複数可)について行われ、例えば、新たに検出することもでき、または以前の測定に対応していてもよい。測定は、例えば、当業者に公知の、PCR法、qPCR法、サンガーシークエンシング法、ゲノムプロファイリング法(網羅的遺伝子パネルを含む)、エクソーム解析法、ゲノムシークエンシング法および/または本明細書に記載の他の方法を用いて行うことができる。ある態様において、測定により、配列決定された核酸におけるゲノム変化が同定される。ゲノム(または遺伝子)プロファイリング法は、所定の遺伝子セットのパネル、例えば、150〜500個の遺伝子に関連しうるものであり、ある例において、遺伝子パネルで評価されるゲノム改変は、評価される総体細胞変異と相関する。シークエンシングに言及する場合、本明細書で用いる用語“遺伝子”としては、DNAコーディング領域(例えば、エクソン)、コーディング領域に関連するDNA非コーディング領域(例えば、イントロンおよびプロモーター)およびmRNA転写物が挙げられる。
本明細書で用いる用語“ゲノム改変”は、腫瘍のゲノムのヌクレオチド配列における変化(または変異)(この変化は、生殖細胞系列ヌクレオチド配列に存在しない)を意味し、ある実施態様において、塩基対置換、塩基対挿入、塩基対欠失、コピー数変化(CNA)、遺伝子再配列およびそれらの組合せを含むが、これに限定されない、非同義変異である。特定の態様において、生物学的サンプルにおいて測定されるゲノム改変は、ミスセンス変異である。
本明細書で用いる用語“全ゲノムシークエンシング”または“WGS”は、ゲノム全体をシークエンシングする方法を意味する。本明細書で用いる用語“全エクソームシーケンシング”または“WES”は、ゲノムの全てのタンパク質コード領域(エクソン)をシーケンシングする方法を意味する。
本明細書で用いる“癌ゲノムパネル”、“遺伝性癌パネル”、“網羅的癌パネル”または“多重遺伝子癌パネル”は、コード領域、イントロン、プロモーターおよび/またはmRNA転写物を含む標的癌遺伝子のサブセットを配列決定する方法を意味する。ある態様において、CGPは、少なくとも約15、少なくとも約20、少なくとも約25、少なくとも約30、少なくとも約35、少なくとも約40、少なくとも約45、または少なくとも約50個の標的癌遺伝子を配列決定することを含む。
用語“ゲノムプロファイリングアッセイ”、“網羅的ゲノムプロファイリング”または“CGP”は、遺伝子のパネルを解析し、インビトロ診断のためにイントロンを選択するアッセイを意味する。CGPは、NGSと標的バイオインフォマティクス解析を組み合わせて、臨床的に関連性のある既知のがん遺伝子の変異をスクリーニングするものである。この方法は、“ホットスポット”(例えば、BRCA1/BRCA2変異またはマイクロサテライトマーカー)を検査することによって見落とされた変異を捕捉するために用いられ得る。ある態様において、CGPは、1以上のmRNA転写物、非コーディングRNAおよび/またはプロモーター領域をさらに含む。一態様において、パネル内の遺伝子は、癌関連遺伝子である。別の態様において、ゲノムプロファイリングアッセイは、FOUNDATIONONE(登録商標)アッセイである。
用語“ハーモナイゼーション(harmonization)”とは、2以上の測定法および/または診断検査間の比較可能性を決定するために実施される試験を意味する。ハーモナイゼーション試験は、診断検査が互いにどのように他の検査と比較されるか、ならびに患者の腫瘍のバイオマーカー状態を決定するために用いられるときの互換性との問題に対処するための体系的なアプローチを提供する。一般的に、他の検査と比較するための標準として、少なくとも1つのよく特徴づけられた測定および/または診断検査が用いられる。一致度評価は、しばしばハーモナイゼーション試験で利用される。
本明細書で用いる“一致度(concordance)”とは、2つの測定値および/または診断テストの間の一致の程度を意味する。一致度とは、定性的方法および定量的方法の両方を用いて確立され得る。一致度を評価するための定量的方法は、測定のタイプによって異なる。特定の測定値は、1)カテゴリカル/二分変数または2)連続変数のいずれかとして表すことができる。“カテゴリカル/二分変数”(例えば、TMBカットオフより上または下)を、全体的なパーセント一致(OPA)、正のパーセント一致(PPA)または負のパーセント一致(NPA)などのパーセント一致を用いて、一致度を評価することができる。“連続変数”(例えば、WESによるTMB)を、値のスペクトル全体の一致を評価するために、−1≦r≦+1の値をとる、スピアマンの順位相関またはピアソンの相関係数(r)を用いる(特記:r=+1または−1は、各変数が完全に相関していることを意味する)。用語“分析的一致”とは、臨床的使用をサポートするための2つのアッセイまたは診断検査の性能(例えば、バイオマーカー、ゲノム改変タイプおよびゲノムシグネチャーの同定、および検査の再現性の評価)の一致の程度を意味する。用語“臨床的一致”とは、2つのアッセイまたは診断検査が臨床結果とどのように相関しているかの一致の程度を意味する。
用語“マイクロサテライト不安定性”または“MSI”は、特定の細胞(腫瘍細胞など)のDNAに生じる変化であって、マイクロサテライト(DNAの短い反復配列)の反復数が、遺伝した時のDNAに存在した反復数と異なることを意味する。MSIには、高いマイクロサテライト不安定性(MSI−H)または低いマイクロサテライト不安定性(MSI−L)がある。マイクロサテライトは、1〜6塩基の短いタンデムDNAの反復配列である。これらはDNAの複製エラーを起こしやすく、ミスマッチ修復(MMR)によって修復される。したがって、マイクロサテライトは、ゲノムの不安定性、とりわけミスマッチ修復機構の欠損(dMMR)のよい指標となる。MSIは通常、5つのマイクロサテライトマーカー(BAT−25、BAT−26、NR21、NR24およびNR27)をスクリーニングすることによって診断される。MSI−Hは、解析された5つのマイクロサテライトマーカーのうち、少なくとも2つの不安定性マーカーが存在することを示す(より大きなパネルを用いる場合は、マーカーの30%以上)。MSI−Lは、1個のMSIマーカーの不安定性を意味する(または、より大きなパネルを用いた場合は、マーカーの10%〜30%)。MSSは、不安定なマイクロサテライトマーカーが存在しないことを意味する。
本明細書で用いる用語“生物学的サンプル”は、対象から単離された生物学的材料を意味する。生物学的サンプルとしては、例えば、腫瘍(または循環腫瘍細胞)中の核酸を配列決定し、配列決定された核酸中のゲノム改変を同定することによって、TMBを決定するのに適した任意の生物学的材料が挙げられ得る。生物学的サンプルは、例えば、腫瘍組織、血液、血漿および血清などの任意の適切な生物学的組織または液体であり得る。一態様において、サンプルは、腫瘍組織生検、例えば、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)腫瘍組織または新鮮凍結腫瘍組織などである。別の態様において、生物学的サンプルは、ある態様では、血液、血清、血漿、循環腫瘍細胞、exoRNA、ctDNAおよびcfDNAのうちの1以上を含む液体生検である。
本明細書で用いる用語“およそ1週間毎に1回”、“およそ2週間毎に1回”または他の類似する投与間隔の用語は、おおよその数を意味する。“およそ1週間毎に1回”は、7日間±1日毎、すなわち、6日間毎から8日間毎を含みうる。“およそ2週間毎に1回”は、14日間±3日、すなわち、11日間毎から17日間毎を含みうる。同様の概算は、例えば、およそ3週間毎に1回、およそ4週間毎に1回、およそ5週間毎に1回、およそ6週間毎に1回、およびおよそ12週間毎に1回に適用する。ある態様において、約6週間毎に1回または約12週間毎に1回の投与間隔は、最初の投薬が第1週におけるいずれかの日で投与し、続いて次の投与が、それぞれ第6週または第12週におけるいずれかの日で投与することができることを意味する。他の態様において、約6週間毎に1回または約12週間毎に1回の投与間隔は、最初の投薬が第1週の特定の日(例えば、月曜日)に投与され、続いて次の投薬が、それぞれ第6週または第12週の同一の曜日(すなわち、月曜日)に投与されることを意味する。
代替語(例えば、“または”)の使用は、代替物の一方、両方、またはそれらの組合せの何れかを意味すると理解されるべきである。本明細書で用いる、不定冠詞“1つ(a)”または“1つ(an)”は、“1以上”の任意の記載または列挙された構成要素を意味することが理解されるべきである。
用語“約”または“〜を本質的に含む”とは、当業者によって決定される特定の値または組成の許容される誤差範囲内にある値または組成を意味し、それは、どのように該値または組成が測定または決定されるか、すなわち測定システムの限界に一部依存し得る。例えば、“約”または“〜を本質的に含む”は、当技術分野における慣行につき、1以内または1より大きい標準偏差を意味し得る。あるいは、“約”または“〜を本質的に含む”は、10%までの範囲を意味し得る。さらに、特に生物学的システムまたはプロセスに関して、これらの用語は、ある値の1桁倍までまたは5倍までを意味し得る。特定の値または組成が本出願および特許請求の範囲に記載されているとき、他に特に明記されない限り、“約”または“〜を本質的に含む”の意味は、その特定の値または組成の許容される誤差範囲内であると見なされるべきである。
本明細書に記載されている、任意の濃度範囲、パーセンテージ範囲、比率範囲または整数範囲は、他にこれと異なる記載がない限り、列挙された範囲内の全ての整数の値も、および適当な場合には、それらの分数(例えば、ある整数の10分の1および100分の1)も含むことが理解されるべきである。
略語のリストを表1に示す。
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本発明の種々の側面は、以下のサブセクションでさらに詳細に説明される。
本発明の方法
本発明の特定の面は、高TMB状態を有するNSCLC由来の腫瘍に罹患している対象の処置方法であって、対象に治療的有効量の(a)抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体および(b)抗CTLA−4抗体を投与することを含む、方法に関する。本発明の他の面は、NSCLC由来の腫瘍に罹患しており、(a)抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体および(b)抗CTLA−4抗体の併用療法に適する、対象を同定する方法であって、該対象の生物学的サンプルのTMB状態を測定することを含む方法に関し、ここで、TMB状態とは、検査されたゲノムの1メガベースあたり少なくとも約10個の変異を含み、該対象が、併用療法に適すると同定されている。本発明は、腫瘍免疫原性がTMBおよび/またはネオ抗原量に直接関連しているという事実に基づく。
腫瘍が増殖するにつれ、生殖細胞DNAには存在しない体細胞変異が蓄積する。TMBとは、(生殖細胞変異DNAを考慮した後の)腫瘍のゲノムにおける体細胞変異の数および/または腫瘍ゲノムの面積当たりの体細胞変異の数を意味する。体細胞変異の獲得およびその結果のより高いTMBは、異なるメカニズム、例えば、外因性変異誘導源への暴露(例えば、喫煙またはUV光暴露)およびDNAミスマッチ修復突然変異(例えば、結腸直腸および食道癌におけるMSI)によって影響を受け得る。固形腫瘍において、突然変異の約95%は、一塩基置換である(Vogelstein et al., Science (2013) 339:1546-1558)。本明細書における“非同義変異”は、タンパク質のアミノ酸配列を変化させるヌクレオチド変異を意味する。ミスセンス変異およびナンセンス変異は、両方とも非同義変異であり得る。本明細書における“ミスセンス変異”は、単一のヌクレオチド変化が、異なるアミノ酸をコードするコドンを生じる非同義の点変異を意味する。本明細書における“ナンセンス変異”は、コドンが、生成されたタンパク質の切断を生じる未成熟終止コドンに変化されている非同義の点変異を意味する。
一態様において、体細胞変異は、RNAおよび/またはタンパク質レベルで発現され、結果としてネオ抗原(ネオエピトープとも称される)を生じうる。ネオ抗原は、免疫介在性抗腫瘍応答に影響を及ぼしうる。例えば、ネオ抗原の認識は、T細胞活性化、クローン性増殖ならびにエフェクターおよびメモリーT細胞への分化を促進しうる。
腫瘍が発生すると、初期のクローン変異(または“幹変異(trunk mutation)”)は、ほとんどまたはすべての腫瘍細胞に担持され得るが、一方、後期の変異(または“分岐変異”)は、腫瘍細胞または腫瘍領域の一部でのみ発生し得る(Yap et al., Sci Tranl Med (2012) 4:1-5; Jamai-Hanjani et al., (2015) Clin Cancer Res 21:1258-1266)。その結果、クローン性の“幹”変異に由来するネオ抗原は、“分岐”変異よりも腫瘍ゲノムに広く分布しているため、クローンのネオ抗原に対して反応する多くのT細胞をもたらし得る(McGranahan et al., (2016) 351:1463-1469)。一般に、高いTMBを有する腫瘍は、ネオ抗原の負荷も高く、これは高い腫瘍免疫原性をもたらし、T細胞の反応性および抗腫瘍応答を増加させる可能性がある。このように、高いTMBを有する癌は、免疫療法、例えば、抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体による治療に良好に応答し得る。
配列決定技術の進歩は、腫瘍のゲノム変異状況の評価を可能にする。当業者に知られる配列決定法は、(例えば、腫瘍に罹患している対象に由来する生物学的サンプルから取得された)腫瘍ゲノムに由来する核酸を配列決定するために用いることができる。一態様において、PCRまたはqPCR法、サンガーシークエンシング法または次世代シークエンシング法(例えば、ゲノムプロファイリング、エクソーム解析またはゲノム配列決定)は、TMBを測定するために用いることができる。ある態様において、TMB状態は、ゲノムプロファイリングを用いて測定される。ゲノムプロファイリングは、腫瘍サンプルに由来する核酸(コード領域および非コード領域を含む)を解析することに関連し、組み込まれる最適化核酸の選択、リードアラインメント(read alignment)および変異コール(mutation calling)を含む方法を用いて行うことができる。ある態様において、遺伝子プロファイリングは、1つの癌ごと、1つの遺伝子ごと、および/または1つの部位ごとに基づいて最適化することができる腫瘍の次世代シークエンシング(NGS)に基づく分析を提供する。ゲノムプロファイリングは、配列決定法、特に、多くの様々な遺伝子における多くの様々な遺伝学的事象の超並列(massively parallel)シークエンシングによる方法において、性能を最適化するための複数の個別に変更したアラインメント法またはアルゴリズムの使用を組み込むことができる。ゲノムプロファイリングは、臨床グレードの質で対象の癌ゲノムの網羅的解析を提供し、遺伝学的分析の成果は、癌治療の質および効率を高めるための関連科学的および医学的知識において適切であり得る。
ゲノムプロファイリングは、5個のみの遺伝子または1000個の遺伝子、約25個〜約750個の遺伝子、約100個〜約800個の遺伝子、約150個〜約500個の遺伝子、約200個〜約400個の遺伝子、約250個〜約350個の遺伝子を含む所定セットの遺伝子パネルに関する。一態様において、該ゲノムプロファイルは、少なくとも300個の遺伝子、少なくとも305個の遺伝子、少なくとも310個の遺伝子、少なくとも315個の遺伝子、少なくとも320個の遺伝子、少なくとも325個の遺伝子、少なくとも330個の遺伝子、少なくとも335個の遺伝子、少なくとも340個の遺伝子、少なくとも345個の遺伝子、少なくとも350個の遺伝子、少なくとも355個の遺伝子、少なくとも360個の遺伝子、少なくとも365個の遺伝子、少なくとも370個の遺伝子、少なくとも375個の遺伝子、少なくとも380個の遺伝子、少なくとも385個の遺伝子、少なくとも390個の遺伝子、少なくとも395個の遺伝子、または少なくとも400個の遺伝子を含む。別の態様において、該ゲノムプロファイルは、少なくとも325個の遺伝子を含む。特定の態様において、ゲノムプロファイルは、少なくとも315個の癌関連遺伝子および28個の遺伝子のイントロン(FOUNDATIONONE(登録商標))、または406個の遺伝子の全DNAコード配列、再配列された31個の遺伝子のイントロンおよび265個の遺伝子のRNA配列(cDNA)(FOUNDATIONONE(登録商標)Heme)を含む。別の態様において、ゲノムプロファイルは、26個の遺伝子および1000個の関連する変異(EXODX(登録商標)固形腫瘍)を含む。さらに別の態様において、ゲノムプロファイルは、76個の遺伝子(Guardant360)を含む。さらに別の態様において、前記ゲノムプロファイルは、73個の遺伝子(Guardant360)を含む。別の態様において、前記ゲノムプロファイルは、354個の遺伝子および再配列のための28個の遺伝子のイントロン(FOUNDATIONONE(登録商標)CDX(商標))を含む。特定の態様において、前記ゲノムプロファイルは、FOUNDATIONONE(登録商標)F1CDxである。別の態様において、前記ゲノムプロファイルは、468個の遺伝子(MSK−IMPACT(商標))を含む。1以上の遺伝子が、腫瘍学に関連するものとして同定されるさらなる遺伝子として、前記ゲノムプロファイルに加えられ得る。
FOUNDATIONONE(登録商標)アッセイ
FOUNDATIONONE(登録商標)アッセイは、これに限定されないが、肺癌、結腸癌および乳癌の固形腫瘍、黒色腫および卵巣癌を含む固形腫瘍のための網羅的ゲノムプロファイリングアッセイである。FOUNDATIONONE(登録商標)アッセイは、ゲノム改変(塩基置換、挿入および欠失、コピー数変化および再配列)を同定し、ゲノム特性(例えば、TMBおよびマイクロサテライト不安定性)を選択するためのハイブリッドキャプチャー次世代シークエンシング法を用いる。該アッセイは、315個の癌関連遺伝子の全コード領域、および28個の遺伝子に由来する選択されたイントロンを含む、322個のユニークな遺伝子を網羅する。FOUNDATIONONE(登録商標)アッセイ遺伝子の完全リストを、表2および3に示す。2018年3月16日に最終アクセスしたFoundationMedicine.comで利用可能なFOUNDATIONONE:Technical Specifications、Foundation Medicine、Inc.(引用によりその全体を本明細書に包含させる)を参照のこと。
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EXODX(登録商標)固形腫瘍アッセイ
一態様において、TMBは、EXODX(登録商標)固形腫瘍アッセイを用いて測定される。EXODX(登録商標)固形腫瘍アッセイは、癌経路における実用的な変異を検出するexoRNAおよびcfDNAに基づくアッセイである。EXODX(登録商標)固形腫瘍アッセイは、組織サンプルを必要としない血漿に基づくアッセイである。EXODX(登録商標)固形腫瘍アッセイは、26個の遺伝子および1000個の変異を網羅する。EXODX(登録商標)固形腫瘍アッセイで網羅される特定の遺伝子を表4に示す。2019年3月25日に最終アクセスしたexosomedx.comで利用可能な血漿に基づく固形腫瘍変異パネル液体生検(Plasma-Based Solid Tumor Mutation Panel Liquid Biopsy)(Exosome Diagnostics, Inc.)を参照のこと。
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Guardant360 アッセイ
ある態様において、TMB状態は、Guardant360アッセイを用いて決定される。Guardant360アッセイは、少なくとも73個の遺伝子(表5)、23個のインデル(表6)、18個のCNV(表7)および6個の融合遺伝子(表8)の変異を測定する。2019年3月25日に最終アクセスしたGuardantHealth.comを参照のこと。
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ILLUMINA(登録商標)TruSight アッセイ
ある態様において、TMBは、TruSight腫瘍170アッセイ(ILLUMINA)を用いて決定される。前記TruSight腫瘍170アッセイは、DNAおよびRNAを同時に解析する一般的な固形腫瘍に関連する170個の遺伝子を網羅する次世代シークエンシングアッセイである。前記TruSight腫瘍170アッセイは、融合、スプライス変異体、挿入/欠失、単一ヌクレオチド変異型(SNV)および増幅を評価する。前記TruSight腫瘍170アッセイ遺伝子リストを、表12から14に示す。
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FOUNDATIONONE(登録商標)F1CDx アッセイ
FOUNDATIONONE(登録商標) CDX(商標)(“F1CDx”)は、ホルマリンで固定されたパラフィン包埋(FFPE)腫瘍組織試料から単離されたDNAを用いて、324個の遺伝子および選択された遺伝子再配列、ならびにゲノム特性(マイクロサテライト不安定性(MSI)および腫瘍遺伝子変異量(TMB)を含む)における置換、挿入および欠失の変化(インデル)、およびコピー数変化(CNA)の検出のための次世代シークエンシングに基づくインビトロ診断装置である。F1CDxは、NSCLC、黒色腫、乳癌、結腸直腸癌および卵巣癌を含むいくつかの腫瘍への適用について米国食品医薬品局(FDA)に認可されている。
F1CDxアッセイは、常套のFFPE生検または外科的切除試料から単回DNA抽出法を用い、これらのうちの50〜1000ngは、309個の癌関連遺伝子に由来する全てのコーディングエキソン、1つのプロモーター領域、1つの非コーディング(ncRNA)および34個の一般的に再配列された遺伝子(そのうちの21個がコーディングエキソンを含む)に由来する選択されたイントロン領域の全ゲノムショットガンライブラリーの構築およびハイブリダイゼーションに基づくキャプチャーを受ける。表12および13は、F1CDxに含まれる遺伝子の完全リストを供する。総計で、該アッセイは、合計324個の遺伝子の改変を検出する。ILLUMINA(登録商標)HiSeq4000プラットフォームを用いて、ハイブリッドキャプチャーで選択されたライブラリーは、高い統一の深度(uniform depth)で配列決定される(カバー率>100Xでエクソンの>99%による>500Xの中央カバー率を標的とする)。次いで、配列データは、塩基置換、インデル、コピー数変化(増幅およびホモ接合体遺伝子欠失)および選択されたゲノム再配列(例えば、遺伝子融合)を含むゲノム改変の全てのクラスを検出するように設計されたカスタマイズされた解析パイプラインを用いて処理される。さらに、マイクロサテライト不安定性(MSI)および腫瘍遺伝子変異量(TMB)を含むゲノム特性が報告されている。
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F1CDxアッセイは、遺伝子および/またはイントロン配列における種々の改変(置換、挿入/欠失およびCNAを含む)を同定する。F1CDxアッセイは、以前、外部で確認されたNGSアッセイおよびFOUNDATIONONE(登録商標)(F1 LDT)アッセイと一致するとして同定された。2019年3月25日に最終アクセスしたFoundationMedicine.comで利用可能なFOUNDATIONONE(登録商標)CDX-:Technical Information、Foundation Medicine、Inc.(引用によりその全体が本明細書に包含される)を参照。
MSK-IMPACT(商標)
ある態様において、TMB状態は、MSK−IMPACT(商標)アッセイを用いて評価される。MSK−IMPACT(商標)アッセイは、468個の遺伝子の変異状態を解析するために次世代シークエンシングを用いる。標的遺伝子は、ILLUMINA HISEQ(商標)装置で捕捉され、配列決定される。MSK−IMPACT(商標)アッセイは、固形悪性腫瘍の体細胞変異およびマイクロサテライト不安定性の検出について米国FDAに認可されている。MSK−IMPACT(商標)アッセイによって分析される468個の遺伝子の全リストを、表14に示す。accessdata.fda.govで2017年11月15日に利用可能なEvaluation of Automatic Class III Designation for MSK-IMPACT (Integrated Mutation Profiling of Actionable Cancer Targets): Decision Summary(米国食品医薬品局)を参照のこと。
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NEOGENOMICS(登録商標) NEOTYPE(商標) アッセイ
ある態様において、TMBは、NEOGENICS(登録商標)NEOTYOPE(商標)アッセイを用いて決定される。ある態様において、TMBは、NEOTYPE(商標)ディスカバリープロファイルを用いて決定される。ある態様において、TMBは、NEOTYPE固形腫瘍プロファイルを用いて決定される。NEOGENICSアッセイは、配列決定されたDNAの1メガベースあたりの非同義DNAコード配列の変化の数を測定する。
ONCOMINE(商標) 腫瘍変異量アッセイ
ある態様において、TMBは、THERMOFISHER SCIENTIFIC(登録商標)ONCOMINE(商標)腫瘍変異アッセイを用いて決定される。ある態様において、TMBは、THERMOFISHER SCIENTIFIC(登録商標)ION TORRENT(商標)ONCOMINE(商標)腫瘍変異アッセイを用いて決定される。ION TORRENT(商標)ONCOMINE(商標)腫瘍変異アッセイは、腫瘍変異量を決定するために体細胞変異を定量化する標的化NGSアッセイである。該アッセイは、1.7MbのDNAを網羅する。THERMOFISHER SCIENTIFIC(登録商標) ION TORRENT(商標) ONCOMINE(商標) 腫瘍変異アッセイにより分析される408個の遺伝子の完全なリストを、表15に示す(Iontorrent、Oncomine Tumor Mutation Load Assay Flyer参照、assets.thermofisher.com/TFS-Assets/CSD/Flyers/ oncomine-tumor-mutation-load-assay-flyer.pdfで利用可能、最終訪問日2019年3月25日)。
Figure 2021519771


Figure 2021519771

NOVOGENE(商標) NOVOPM(商標) アッセイ
ある態様において、TMBは、NOVOGENE(商標)NOVOPM(商標)アッセイを用いて決定される。ある態様において、TMBは、NOVOGENE(商標)NOVOPM(商標)癌パネルアッセイを用いて決定される。NOVOGENE(商標)NOVOPM癌パネルアッセイは、548個の遺伝子の全コード領域および21個の遺伝子のイントロン(約1.5MbのDNAを表す)を解析し、全米総合癌情報ネットワーク(NCCN)ガイドラインおよび医学文献による固形腫瘍の診断および/または処置に適する網羅的NGS癌パネルである。該アッセイは、SNV、インデル(InDel)、融合およびコピー数変異(CNV)のゲノム異常を検出する。
他のTMBアッセイ
ある態様において、TMBは、CARIS(登録商標)ライフサイエンスから供されるTMBアッセイを用いて決定される。ある態様において、TMBは、PESONALIS(登録商標)ACE ImmunoIDアッセイを用いて決定される。ある態様において、TMBは、PGDX(登録商標)CANCERXOME(商標)−Rアッセイを用いて決定される。
さらなる別の特定の態様において、前記ゲノムプロファイリングは、全ての変異型、すなわち、一ヌクレオチド変異型、挿入/欠失(インデル)、コピー数変異および再配列、例えば、転座、発現およびエピジェネティックなマーカーを検出する。
網羅的遺伝子パネルは、多くの場合、解析される腫瘍タイプに基づいて選択された所定の遺伝子を含む。よって、TMB状態を測定するために用いられるゲノムプロファイルは、対象が罹患している腫瘍タイプに基づいて選択することができる。一態様において、前記ゲノムプロファイルは、固形腫瘍に特有の一組の遺伝子を含み得る。別の態様において、前記ゲノムプロファイルは、血液学的悪性腫瘍および肉腫に特有の一組の遺伝子を含みうる。
一態様において、ゲノムプロファイル は、ABL1、BRAF、CHEK1、FANCC、GATA3、JAK2、MITF、PDCD1LG2、RBM10、STAT4、ABL2、BRCA1、CHEK2、FANCD2、GATA4、JAK3、MLH1、PDGFRA、RET、STK11、ACVR1B、BRCA2、CIC、FANCE、GATA6、JUN、MPL、PDGFRB、RICTOR、SUFU、AKT1、BRD4、CREBBP、FANCF、GID4(C17orf39)、KAT6A(MYST3)、MRE11A、PDK1、RNF43、SYK、AKT2、BRIP1、CRKL、FANCG、GLI1、KDM5A、MSH2、PIK3C2B、ROS1、TAF1、AKT3、BTG1、CRLF2、FANCL、GNA11、KDM5C、MSH6、PIK3CA、RPTOR、TBX3、ALK、BTK、CSF1R、FAS、GNA13、KDM6A、MTOR、PIK3CB、RUNX1、TERC、AMER1 (FAM123B)、C11orf30(EMSY)、CTCF、FAT1、GNAQ、KDR、MUTYH、PIK3CG、RUNX1T1、TERT(プロモーターのみ)、APC、CARD11、CTNNA1、FBXW7、GNAS、KEAP1、MYC、PIK3R1、SDHA、TET2、AR、CBFB、CTNNB1、FGF10、GPR124、KEL、MYCL (MYCL1)、PIK3R2、SDHB、TGFBR2、ARAF、CBL、CUL3、FGF14、GRIN2A、KIT、MYCN、PLCG2、SDHC、TNFAIP3、ARFRP1、CCND1、CYLD、FGF19、GRM3、KLHL6、MYD88、PMS2、SDHD、TNFRSF14、ARID1A、CCND2、DAXX、FGF23、GSK3B、KMT2A(MLL)、NF1、POLD1、SETD2、TOP1、ARID1B、CCND3、DDR2、FGF3、H3F3A、KMT2C(MLL3)、NF2、POLE、SF3B1、TOP2A、ARID2、CCNE1、DICER1、FGF4、HGF、KMT2D(MLL2)、NFE2L2、PPP2R1A、SLIT2、TP53、ASXL1、CD274、DNMT3A、FGF6、HNF1A、KRAS、NFKBIA、PRDM1、SMAD2、TSC1、ATM、CD79A、DOT1L、FGFR1、HRAS、LMO1、NKX2−1、PREX2、SMAD3、TSC2、ATR、CD79B、EGFR、FGFR2、HSD3B1、LRP1B、NOTCH1、PRKAR1A、SMAD4、TSHR、ATRX、CDC73、EP300、FGFR3、HSP90AA1、LYN、NOTCH2、PRKCI、SMARCA4、U2AF1、AURKA、CDH1、EPHA3、FGFR4、IDH1、LZTR1、NOTCH3、PRKDC、SMARCB1、VEGFA、AURKB、CDK12、EPHA5、FH、IDH2、MAGI2、NPM1、PRSS8、SMO、VHL、AXIN1、CDK4、EPHA7、FLCN、IGF1R、MAP2K1、NRAS、PTCH1、SNCAIP、WISP3、AXL、CDK6、EPHB1、FLT1、IGF2、MAP2K2、NSD1、PTEN、SOCS1、WT1、BAP1、CDK8、ERBB2、FLT3、IKBKE、MAP2K4、NTRK1、PTPN11、SOX10、XPO1、BARD1、CDKN1A、ERBB3、FLT4、IKZF1、MAP3K1、NTRK2、QKI、SOX2、ZBTB2、BCL2、CDKN1B、ERBB4、FOXL2、IL7R、MCL1、NTRK3、RAC1、SOX9、ZNF217、BCL2L1、CDKN2A、ERG、FOXP1、INHBA、MDM2、NUP93、RAD50、SPEN、ZNF703、BCL2L2、CDKN2B、ERRFI1、FRS2、INPP4B、MDM4、PAK3、RAD51、SPOP、BCL6、CDKN2C、ESR1、FUBP1、IRF2、MED12、PALB2、RAF1、SPTA1、BCOR、CEBPA、EZH2、GABRA6、IRF4、MEF2B、PARK2、RANBP2、SRC、BCORL1、CHD2、FAM46C、GATA1、IRS2、MEN1、PAX5、RARA、STAG2、BLM、CHD4、FANCA、GATA2、JAK1、MET、PBRM1、RB1、STAT3およびそれらの組み合わせからなる群より選択される1以上の遺伝子を含む。他の態様において、TMB分析は、ETV4、TMPRSS2、ETV5、BCR、ETV1、ETV6およびMYBのうちの1以上におけるゲノム改変を同定することをさらに含む。
別の態様において、ゲノムプロファイルは、ABL1、12B、ABL2、ACTB、ACVR1、ACVR1B、AGO2、AKT1、AKT2、AKT3、ALK、ALOX、ALOX12B、AMER1、AMER1(FAM123BまたはWTX)、AMER1(FAM123B)、ANKRD11、APC、APH1A、AR、ARAF、ARFRP1、ARHGAP26(GRAF)、ARID1A、ARID1B、ARID2、ARID5B、ARv7、ASMTL、ASXL1、ASXL2、ATM、ATR、ATRX、AURKA、AURKB、AXIN1、AXIN2、AXL、B2M、BABAM1、BAP1、BARD1、BBC3、BCL10、BCL11B、BCL2、BCL2L1、BCL2L11、BCL2L2、BCL6、BCL7A、BCOR、BCORL1、BIRC3、BLM、BMPR1A、BRAF、BRCA1、BRCA2、BRD4、BRIP1、BRIP1(BACH1)、BRSK1、BTG1、BTG2、BTK、BTLA、C11orf30(EMSY)、C11orf30、C11orf30(EMSY)、CAD、CALR、CARD11、CARM1、CASP8、CBFB、CBL、CCND1、CCND2、CCND3、CCNE1、CCT6B、CD22、CD274、CD274(PD−L1)、CD276、CD36、CD58、CD70、CD79A、CD79B、CDC42、CDC73、CDH1、CDK12、CDK4、CDK6、CDK8、CDKN1A、CDKN1B、CDKN2A、CDKN2Ap14ARF、CDKN2Ap16INK4A、CDKN2B、CDKN2C、CEBPA、CENPA、CHD2、CHD4、CHEK1、CHEK2、CIC、CIITA、CKS1B、CPS1、CREBBP、CRKL、CRLF2、CSDE1、CSF1R、CSF3R、CTCF、CLTA−4、CTNN B1、CTNNA1、CTNNB1、CUL3、CUL4A、CUX1、CXCR4、CYLD、CYP17A1、CYSLTR2、DAXX、DCUN1D1、DDR1、DDR2、DDX3X、DH2、DICER1、DIS3、DNAJB1、DNM2、DNMT1、DNMT3A、DNMT3B、DOT1L、DROSHA、DTX1、DUSP2、DUSP4、DUSP9、E2F3、EBF1、ECT2L、EED、EGFL7、EGFR、EIF1AX、EIF4A2、EIF4E、ELF3、ELP2、EML4、EML4−ALK、EP300、EPAS1、EPCAM、EPHA3、EPHA5、EPHA7、EPHB1、EPHB4、ERBB2、ERBB3、ERBB4、ERCC1、ERCC2、ERCC3、ERCC4、ERCC5、ERF、ERG、ERRFI1、ERRFl1、ESR1、ETS1、ETV1、ETV4、ETV5、ETV6、EWSR1、EXOSC6、EZH1、EZH2、FAF1、FAM175A、FAM46C、FAM58A、FANCA、FANCC、FANCD2、FANCE、FANCF、FANCG、FANCI、FANCL、FAS、FAS(TNFRSF6)、FAT1、FBXO11、FBXO31、FBXW7、FGF1、FGF10、FGF12、FGF14、FGF19、FGF2、FGF23、FGF3、FGF4、FGF5、FGF6、FGF7、FGF8、FGF9、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FH、FHIT、FLCN、FLI1、FLT1、FLT3、FLT4、FLYWCH1、FOXA1、FOXL2、Fオキソ1、Fオキソ3、FOXP1、FRS2、FUBP1、FYN、GABRA6、GADD45B、GATA1、GATA2、GATA3、GATA4、GATA6、GEN1、GID4(C17orf39)、GID4(C17orf39)、GLI1、GLl1、GNA11、GNA12、GNA13、GNAQ、GNAS、GPR124、GPS2、GREM1、GRIN2A、GRM3、GSK3B、GTSE1、H3F3A、H3F3B、H3F3C、HDAC1、HDAC4、HDAC7、Hedgehog、HER−2/NEU;ERBB2、HGF、HIST1H1C、HIST1H1D、HIST1H1E、HIST1H2AC、HIST1H2AG、HIST1H2AL、HIST1H2AM、HIST1H2BC、HIST1H2BD、HIST1H2BJ、HIST1H2BK、HIST1H2BO、HIST1H3A、HIST1H3B、HIST1H3C、HIST1H3D、HIST1H3E、HIST1H3F、HIST1H3G、HIST1H3H、HIST1H3I、HIST1H3J、HIST2H3C、HIST2H3D、HIST3H3、HLA−A、HLA−B、HNF1A、HOXB13、HRAS、HSD3B1、HSP90AA1、ICK、ICOSLG、ID3、IDH1、IDH2、IFNGR1、IGF1、IGF1R、IGF2、IKBKE、IKZF1、IKZF2、IKZF3、IL10、IL7R、INHA、INHBA、INPP4A、INPP4B、INPP5D(SHIP)、INPPL1、INSR、IRF1、IRF2、IRF4、IRF8、IRS1、IRS2、JAK1、JAK2、JAK3、JARID2、JUN、K14、KAT6A(MYST3)、KAT6A(MYST3)、KDM2B、KDM4C、KDM5A、KDM5C、KDM6A、KDR、KEAP1、KEL、KIF5B、KIT、KLF4、KLHL6、KMT2A、KMT2A(MLL)、KMT2B、KMT2C、KMT2C(MLL3)、KMT2D、KMT2D(MLL2)、KNSTRN、KRAS、LAMP1、LATS1、LATS2、LEF1、LMO1、LRP1B、LRRK2、LTK、LYN、LZTR1、MAF、MAFB、MAGED1、MAGI2、MALT1、MAP2K1、MAP2K1(MEK1)、MAP2K2、MAP2K2(MEK2)、MAP2K4、MAP3、MAP3K1、MAP3K13、MAP3K14、MAP3K6、MAP3K7、MAPK1、MAPK3、MAPKAP1、MAX、MCL1、MDC1、MDM2、MDM4、MED12、MEF2B、MEF2C、MEK1、MEN1、MERTK、MET、MGA、MIB1、MITF、MKI67、MKNK1、MLH1、MLLT3、MPL、MRE11A、MRE11A、MSH2、MSH3、MSH6、MSI1、MSI2、MST1、MST1R、MTAP、MTOR、MUTYH、MYC、MYCL、MYCL(MYC L1)、MYCL(MYCL1)、MYCL1、MYCN、MYD88、MYO18A、MYOD1、NBN、NCOA3、NCOR1、NCOR2、NCSTN、NEGR1、NF1、NF2、NFE2L2、NFKBIA、NKX2−1、NKX3−1、NOD1、NOTCH1、NOTCH2、NOTCH3、NOTCH4、NPM1、NRAS、NRG1、NSD1、NT5C2、NTHL1、NTRK1、NTRK2、NTRK3、NUF2、NUP93、NUP98、P2RY8、PAG1、PAK1、PAK3、PAK7、PALB2、PARK2、PARP1、PARP2、PARP3、PASK、PAX3、PAX5、PAX7、PBRM1、PC、PCBP1、PCLO、PDCD1、PDCD1(PD−1)、PDCD11、PDCD1LG2、PDCD1LG2(PD−L2)、PDGFRA、PDGFRB、PDK1、PDPK1、PGR、PHF6、PHOX2B、PIK3C2B、PIK3C2G、PIK3C3、PIK3CA、PIK3CB、PIK3CD、PIK3CG、PIK3R1、PIK3R2、PIK3R3、PIM1、PLCG2、PLK2、PMAIP1、PMS1、PMS2、PNRC1、POLD1、POLE、POT1、PPARG、PPM1D、PPP2、PPP2R1A、PPP2R2A、PPP4R2、PPP6C、PRDM1、PRDM14、PREX2、PRKAR1A、PRKCI、PRKD1、PRKDC、PRSS8、PTCH1、PTEN、PTP4A1、PTPN11、PTPN2、PTPN6(SHP−1)、PTPRD、PTPRO、PTPRS、PTPRT、QKI、R1A、RAB35、RAC1、RAC2、RAD21、RAD50、RAD51、RAD51B、RAD51C、RAD51D、RAD52、RAD54L、RAF1、RANBP2、RARA、RASA1、RASGEF1A、RB1、RBM10、RECQL、RECQL4、REL、RELN、RET、RFWD2、RHEB、RHOA、RICTOR、RIT1、RNF43、ROS1、RPS6KA4、RPS6KB1、RPS6KB2、RPTOR、RRAGC、RRAS、RRAS2、RTEL1、RUNX1、RUNX1T1、RXRA、RYBP、S1PR2、SDHA、SDHAF2、SDHB、SDHC、SDHD、SERP2、SESN1、SESN2、SESN3、SETBP1、SETD2、SETD8、SF3B1、SGK1、SH2B3、SH2D1A、SHOC2、SHQ1、SLIT2、SLX4、SMAD2、SMAD3、SMAD4、SMARCA1、SMARCA4、SMARCB1、SMARCD1、SMC1A、SMC3、SMO、SMYD3、SNCAIP、SOCS1、SOCS2、SOCS3、SOS1、SOX10、SOX17、SOX2、SOX9、SPEN、SPOP、SPRED1、SPTA1、SRC、SRSF2、STAG2、STAT3、STAT4、STAT5A、STAT5B、STAT6、STK11、STK19、STK40、SUFU、SUZ12、SYK、TAF1、TAP1、TAP2、TBL1XR1、TBX3、TCEB1、TCF3、TCF3(E2A)、TCF7L2、TCL1A(TCL1)、TEK、TERC、TERT、TERTプロモーター、TET1、TET2、TFRC、TGFBR1、TGFBR2、TIPARP、TLL2、TMEM127、TMEM30A、TMPRSS2、TMSB4XP8(TMSL3)、TNFAIP3、TNFRSF11A、TNFRSF14、TNFRSF17、TOP1、TOP2A、TP53、TP53BP1、TP63、TRAF2、TRAF3、TRAF5、TRAF7、TSC1、TSC2、TSHR、TUSC3、TYK2、TYRO3、U2AF1、U2AF2、UPF1、VEGFA、VHL、VTCN1、WDR90、WHSC1、WHSC1(MMSETまたはNSD2)、WHSC1L1、WISP3、WT1、WWTR1、XBP1、XIAP、XPO1、XRCC2、YAP1、YES1、YY1AP1、ZBTB2、ZFHX3、ZMYM3、ZNF217、ZNF24(ZSCAN3)、ZNF703、ZRSR2、0082、SEPT9、81RC2、81RC3、81RC5、8AI3、8CL10、8CL118、8CL11A、8CL2、8CL2L1、8CL2L2、8CL3、8CL6、8CL9、8CR、8LM、8LNK、8MPR1A、8RD3、8TK、8U818、A8L2、ACVR2A、ADAMTS2、AFF1、AFF3、AKAP9、ARNT、ATF1、AURK8、AURKC、CASCS、CDH11、CDH2、CDH20、CDH5、CMPK1、COL1A1、CRBN、CREB1、CRTC1、CSMD3、CYP2C19、CYP2D6、DCC、DDIT3、DEK、DPYD、DST、EP400、EXT1、EXT2、FAM123B、FANCJ、FLl1、FN1、FOX01、FOX03、FOXP4、FZR1、G6PD、GDNF、GRM8、HCAR1、HFN1A、HIF1A、HLF、HOOK3、HSP90A81、ICK、IGF2R、IKBKB、IL2、IL21R、IL6ST、ING4、ITGA10、ITGA9、ITGB2、ITGB3、KAT6A、KAT6B、KLF6、KOR、LCK、LIFR、LPHN3、LPP、LRP18、LTF、M8D1、MAF8、MAGEA1、MAGl1、MAML2、MAPK8、MARK1、MARK4、MLL、MLL2、MLL3、
MLLT10、MMP2、MN1、MTC、MTOT、MTR、MTRR、MUC1、MY8、MYH11、MYH9、NCOA1、NCOA2、NCOA4、NFK81、NFK82、NIN、NLRP1、NUMA1、NUP214、P8RM1、P8X1、PAX−、PAX3、PAX8、PAXS、PDE4DIP、PDGF8、PER1、PGAP3、PHOX28、PIK3C28、PKHD1、PLAG1、PLCG1、PLEKHGS、PML、POU5F1、PSIP1、PTGS2、RADSO、RALGDS、RHOH、RNASEL、RNF2、RNF213、RPS6KA2、RRM1、SAMD9、SBDS、SMUG1、SOHO、SOX11、SSX1、STK36、SYNE1、T8X22、TAF1L、TAL1、TCF12、TCF7L1、TFE3、TGF8R2、TGM7、TH8S1、TIMP3、TLR4、TLX1、TNK2、TPR、TRIM24、TRIM33、TRIP11、TRRAP、U8R5、UGT1A1、USP9X、WAS、WRN、XP01、XPA、XPC、ZNF384、ZNF521およびそれらの組み合わせからなる群より選択される1以上の遺伝子を含む。
別の態様において、ゲノムプロファイリングアッセイは、ABL1、12B、ABL2、ACTB、ACVR1、ACVR1B、AGO2、AKT1、AKT2、AKT3、ALK、ALOX、ALOX12B、AMER1、AMER1(FAM123BまたはWTX)、AMER1(FAM123B)、ANKRD11、APC、APH1A、AR、ARAF、ARFRP1、ARHGAP26(GRAF)、ARID1A、ARID1B、ARID2、ARID5B、ARv7、ASMTL、ASXL1、ASXL2、ATM、ATR、ATRX、AURKA、AURKB、AXIN1、AXIN2、AXL、B2M、BABAM1、BAP1、BARD1、BBC3、BCL10、BCL11B、BCL2、BCL2L1、BCL2L11、BCL2L2、BCL6、BCL7A、BCOR、BCORL1、BIRC3、BLM、BMPR1A、BRAF、BRCA1、BRCA2、BRD4、BRIP1、BRIP1(BACH1)、BRSK1、BTG1、BTG2、BTK、BTLA、C11orf30(EMSY)、C11orf30、C11orf30(EMSY)、CAD、CALR、CARD11、CARM1、CASP8、CBFB、CBL、CCND1、CCND2、CCND3、CCNE1、CCT6B、CD22、CD274、CD274(PD−L1)、CD276、CD36、CD58、CD70、CD79A、CD79B、CDC42、CDC73、CDH1、CDK12、CDK4、CDK6、CDK8、CDKN1A、CDKN1B、CDKN2A、CDKN2Ap14ARF、CDKN2Ap16INK4A、CDKN2B、CDKN2C、CEBPA、CENPA、CHD2、CHD4、CHEK1、CHEK2、CIC、CIITA、CKS1B、CPS1、CREBBP、CRKL、CRLF2、CSDE1、CSF1R、CSF3R、CTCF、CLTA−4、CTNN B1、CTNNA1、CTNNB1、CUL3、CUL4A、CUX1、CXCR4、CYLD、CYP17A1、CYSLTR2、DAXX、DCUN1D1、DDR1、DDR2、DDX3X、DH2、DICER1、DIS3、DNAJB1、DNM2、DNMT1、DNMT3A、DNMT3B、DOT1L、DROSHA、DTX1、DUSP2、DUSP4、DUSP9、E2F3、EBF1、ECT2L、EED、EGFL7、EGFR、EIF1AX、EIF4A2、EIF4E、ELF3、ELP2、EML4、EML4−ALK、EP300、EPAS1、EPCAM、EPHA3、EPHA5、EPHA7、EPHB1、EPHB4、ERBB2、ERBB3、ERBB4、ERCC1、ERCC2、ERCC3、ERCC4、ERCC5、ERF、ERG、ERRFI1、ERRFl1、ESR1、ETS1、ETV1、ETV4、ETV5、ETV6、EWSR1、EXOSC6、EZH1、EZH2、FAF1、FAM175A、FAM46C、FAM58A、FANCA、FANCC、FANCD2、FANCE、FANCF、FANCG、FANCI、FANCL、FAS、FAS(TNFRSF6)、FAT1、FBXO11、FBXO31、FBXW7、FGF1、FGF10、FGF12、FGF14、FGF19、FGF2、FGF23、FGF3、FGF4、FGF5、FGF6、FGF7、FGF8、FGF9、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FH、FHIT、FLCN、FLI1、FLT1、FLT3、FLT4、FLYWCH1、FOXA1、FOXL2、Fオキソ1、Fオキソ3、FOXP1、FRS2、FUBP1、FYN、GABRA6、GADD45B、GATA1、GATA2、GATA3、GATA4、GATA6、GEN1、GID4(C17orf39)、GID4(C17orf39)、GLI1、GLl1、GNA11、GNA12、GNA13、GNAQ、GNAS、GPR124、GPS2、GREM1、GRIN2A、GRM3、GSK3B、GTSE1、H3F3A、H3F3B、H3F3C、HDAC1、HDAC4、HDAC7、Hedgehog、HER−2/NEU;ERBB2、HGF、HIST1H1C、HIST1H1D、HIST1H1E、HIST1H2AC、HIST1H2AG、HIST1H2AL、HIST1H2AM、HIST1H2BC、HIST1H2BD、HIST1H2BJ、HIST1H2BK、HIST1H2BO、HIST1H3A、HIST1H3B、HIST1H3C、HIST1H3D、HIST1H3E、HIST1H3F、HIST1H3G、HIST1H3H、HIST1H3I、HIST1H3J、HIST2H3C、HIST2H3D、HIST3H3、HLA−A、HLA−B、HNF1A、HOXB13、HRAS、HSD3B1、HSP90AA1、ICK、ICOSLG、ID3、IDH1、IDH2、IFNGR1、IGF1、IGF1R、IGF2、IKBKE、IKZF1、IKZF2、IKZF3、IL10、IL7R、INHA、INHBA、INPP4A、INPP4B、INPP5D(SHIP)、INPPL1、INSR、IRF1、IRF2、IRF4、IRF8、IRS1、IRS2、JAK1、JAK2、JAK3、JARID2、JUN、K14、KAT6A(MYST3)、KAT6A(MYST3)、KDM2B、KDM4C、KDM5A、KDM5C、KDM6A、KDR、KEAP1、KEL、KIF5B、KIT、KLF4、KLHL6、KMT2A、KMT2A(MLL)、KMT2B、KMT2C、KMT2C(MLL3)、KMT2D、KMT2D(MLL2)、KNSTRN、KRAS、LAMP1、LATS1、LATS2、LEF1、LMO1、LRP1B、LRRK2、LTK、LYN、LZTR1、MAF、MAFB、MAGED1、MAGI2、MALT1、MAP2K1、MAP2K1(MEK1)、MAP2K2、MAP2K2(MEK2)、MAP2K4、MAP3、MAP3K1、MAP3K13、MAP3K14、MAP3K6、MAP3K7、MAPK1、MAPK3、MAPKAP1、MAX、MCL1、MDC1、MDM2、MDM4、MED12、MEF2B、MEF2C、MEK1、MEN1、MERTK、MET、MGA、MIB1、MITF、MKI67、MKNK1、MLH1、MLLT3、MPL、MRE11A、MRE11A、MSH2、MSH3、MSH6、MSI1、MSI2、MST1、MST1R、MTAP、MTOR、MUTYH、MYC、MYCL、MYCL(MYC L1)、MYCL(MYCL1)、MYCL1、MYCN、MYD88、MYO18A、MYOD1、NBN、NCOA3、NCOR1、NCOR2、NCSTN、NEGR1、NF1、NF2、NFE2L2、NFKBIA、NKX2−1、NKX3−1、NOD1、NOTCH1、NOTCH2、NOTCH3、NOTCH4、NPM1、NRAS、NRG1、NSD1、NT5C2、NTHL1、NTRK1、NTRK2、NTRK3、NUF2、NUP93、NUP98、P2RY8、PAG1、PAK1、PAK3、PAK7、PALB2、PARK2、PARP1、PARP2、PARP3、PASK、PAX3、PAX5、PAX7、PBRM1、PC、PCBP1、PCLO、PDCD1、PDCD1(PD−1)、PDCD11、PDCD1LG2、PDCD1LG2(PD−L2)、PDGFRA、PDGFRB、PDK1、PDPK1、PGR、PHF6、PHOX2B、PIK3C2B、PIK3C2G、PIK3C3、PIK3CA、PIK3CB、PIK3CD、PIK3CG、PIK3R1、PIK3R2、PIK3R3、PIM1、PLCG2、PLK2、PMAIP1、PMS1、PMS2、PNRC1、POLD1、POLE、POT1、PPARG、PPM1D、PPP2、PPP2R1A、PPP2R2A、PPP4R2、PPP6C、PRDM1、PRDM14、PREX2、PRKAR1A、PRKCI、PRKD1、PRKDC、PRSS8、PTCH1、PTEN、PTP4A1、PTPN11、PTPN2、PTPN6(SHP−1)、PTPRD、PTPRO、PTPRS、PTPRT、QKI、R1A、RAB35、RAC1、RAC2、RAD21、RAD50、RAD51、RAD51B、RAD51C、RAD51D、RAD52、RAD54L、RAF1、RANBP2、RARA、RASA1、RASGEF1A、RB1、RBM10、RECQL、RECQL4、REL、RELN、RET、RFWD2、RHEB、RHOA、RICTOR、RIT1、RNF43、ROS1、RPS6KA4、RPS6KB1、RPS6KB2、RPTOR、RRAGC、RRAS、RRAS2、RTEL1、RUNX1、RUNX1T1、RXRA、RYBP、S1PR2、SDHA、SDHAF2、SDHB、SDHC、SDHD、SERP2、SESN1、SESN2、SESN3、SETBP1、SETD2、SETD8、SF3B1、SGK1、SH2B3、SH2D1A、SHOC2、SHQ1、SLIT2、SLX4、SMAD2、SMAD3、SMAD4、SMARCA1、SMARCA4、SMARCB1、SMARCD1、SMC1A、SMC3、SMO、SMYD3、SNCAIP、SOCS1、SOCS2、SOCS3、SOS1、SOX10、SOX17、SOX2、SOX9、SPEN、SPOP、SPRED1、SPTA1、SRC、SRSF2、STAG2、STAT3、STAT4、STAT5A、STAT5B、STAT6、STK11、STK19、STK40、SUFU、SUZ12、SYK、TAF1、TAP1、TAP2、TBL1XR1、TBX3、TCEB1、TCF3、TCF3(E2A)、TCF7L2、TCL1A(TCL1)、TEK、TERC、TERT、TERTプロモーター、TET1、TET2、TFRC、TGFBR1、TGFBR2、TIPARP、TLL2、TMEM127、TMEM30A、TMPRSS2、TMSB4XP8(TMSL3)、TNFAIP3、TNFRSF11A、TNFRSF14、TNFRSF17、TOP1、TOP2A、TP53、TP53BP1、TP63、TRAF2、TRAF3、TRAF5、TRAF7、TSC1、TSC2、TSHR、TUSC3、TYK2、TYRO3、U2AF1、U2AF2、UPF1、VEGFA、VHL、VTCN1、WDR90、WHSC1、WHSC1(MMSETまたはNSD2)、WHSC1L1、WISP3、WT1、WWTR1、XBP1、XIAP、XPO1、XRCC2、YAP1、YES1、YY1AP1、ZBTB2、ZFHX3、ZMYM3、ZNF217、ZNF24(ZSCAN3)、ZNF703、ZRSR2、0082、SEPT9、81RC2、81RC3、81RC5、8AI3、8CL10、8CL118、8CL11A、8CL2、8CL2L1、8CL2L2、8CL3、8CL6、8CL9、8CR、8LM、8LNK、8MPR1A、8RD3、8TK、8U818、A8L2、ACVR2A、ADAMTS2、AFF1、AFF3、AKAP9、ARNT、ATF1、AURK8、AURKC、CASCS、CDH11、CDH2、CDH20、CDH5、CMPK1、COL1A1、CRBN、CREB1、CRTC1、CSMD3、CYP2C19、CYP2D6、DCC、DDIT3、DEK、DPYD、DST、EP400、EXT1、EXT2、FAM123B、FANCJ、FLl1、FN1、FOX01、FOX03、FOXP4、FZR1、G6PD、GDNF、GRM8、HCAR1、HFN1A、HIF1A、HLF、HOOK3、HSP90A81、ICK、IGF2R、IKBKB、IL2、IL21R、IL6ST、ING4、ITGA10、ITGA9、ITGB2、ITGB3、KAT6A、KAT6B、KLF6、KOR、LCK、LIFR、LPHN3、LPP、LRP18、LTF、M8D1、MAF8、MAGEA1、MAGl1、MAML2、MAPK8、MARK1、MARK4、MLL、MLL2
、MLL3、MLLT10、MMP2、MN1、MTC、MTOT、MTR、MTRR、MUC1、MY8、MYH11、MYH9、NCOA1、NCOA2、NCOA4、NFK81、NFK82、NIN、NLRP1、NUMA1、NUP214、P8RM1、P8X1、PAX−、PAX3、PAX8、PAXS、PDE4DIP、PDGF8、PER1、PGAP3、PHOX28、PIK3C28、PKHD1、PLAG1、PLCG1、PLEKHGS、PML、POU5F1、PSIP1、PTGS2、RADSO、RALGDS、RHOH、RNASEL、RNF2、RNF213、RPS6KA2、RRM1、SAMD9、SBDS、SMUG1、SOHO、SOX11、SSX1、STK36、SYNE1、T8X22、TAF1L、TAL1、TCF12、TCF7L1、TFE3、TGF8R2、TGM7、TH8S1、TIMP3、TLR4、TLX1、TNK2、TPR、TRIM24、TRIM33、TRIP11、TRRAP、U8R5、UGT1A1、USP9X、WAS、WRN、XP01、XPA、XPC、ZNF384、ZNF521およびそれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも約20、少なくとも約30、少なくとも約40、少なくとも約50、少なくとも約60、少なくとも約70、少なくとも約80、少なくとも約90、少なくとも約100、少なくとも約110、少なくとも約120、少なくとも約130、少なくとも約140、少なくとも約150、少なくとも約160、少なくとも約170、少なくとも約180、少なくとも約190、少なくとも約200、少なくとも約210、少なくとも約220、少なくとも約230、少なくとも約240、少なくとも約250、少なくとも約260、少なくとも約270、少なくとも約280、少なくとも約290、または少なくとも約300個の遺伝子を含む。
別の態様において、ゲノムプロファイルは、表2〜15に列記の遺伝子から選択される1以上の遺伝子を含む。
一態様において、ゲノムプロファイリングに基づくTMB状態は、全エクソームシークエンシングまたは全ゲノムシークエンシングに基づくTMB状態と極めて相関する。本明細書で供される証拠により、F1CDxアッセイなどのゲノムプロファイリングアッセイの使用が、全エクソームおよび/または全ゲノムシークエンシングアッセイと一致することが示されている。これらのデータは、TMB状態の予測の質を落とすことなくTMB状態を測定するより有効な手法として、ゲノムプロファイリングアッセイの使用を支持する。
TMBは、組織生検サンプルあるいは循環腫瘍DNA(ctDNA)、cfDNA(無細胞DNA)および/または液体生検サンプルを用いて測定することができる。ctDNAは、利用可能な方法、例えば、GRAIL社の方法を用いて、全エクソームシークエンシングもしくは全ゲノムシークエンシングまたはゲノムプロファイリングに従ってTMB状態を測定するために用いることができる。
対象は、TMB状態の測定および高TMBの同定に基づいて、(a)抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体および(b)抗CTLA−4抗体を含む併用療法に適するとして同定される。ある態様において、TMBスコアは、全エクソーム解析または全ゲノムシークエンシングによって測定されるように、腫瘍における非同義ミスセンス変異の総数として算出される。一態様において、高TMBは、少なくとも210、少なくとも215、少なくとも220、少なくとも225、少なくとも230、少なくとも235、少なくとも240、少なくとも245、少なくとも250、少なくとも255、少なくとも260、少なくとも265、少なくとも270、少なくとも275、少なくとも280、少なくとも285、少なくとも290、少なくとも295、少なくとも300、少なくとも305、少なくとも310、少なくとも315、少なくとも320、少なくとも325、少なくとも330、少なくとも335、少なくとも340、少なくとも345、少なくとも350、少なくとも355、少なくとも360、少なくとも365、少なくとも370、少なくとも375、少なくとも380、少なくとも385、少なくとも390、少なくとも395、少なくとも400、少なくとも405、少なくとも410、少なくとも415、少なくとも420、少なくとも425、少なくとも430、少なくとも435、少なくとも440、少なくとも445、少なくとも450、少なくとも455、少なくとも460、少なくとも465、少なくとも470、少なくとも475、少なくとも480、少なくとも485、少なくとも490、少なくとも495、または少なくとも500のスコアを有する。別の態様において、高TMBは、少なくとも215、少なくとも220、少なくとも221、少なくとも222、少なくとも223、少なくとも224、少なくとも225、少なくとも226、少なくとも227、少なくとも228、少なくとも229、少なくとも230、少なくとも231、少なくとも232、少なくとも233、少なくとも234、少なくとも235、少なくとも236、少なくとも237、少なくとも238、少なくとも239、少なくとも240、少なくとも241、少なくとも242、少なくとも243、少なくとも244、少なくとも245、少なくとも246、少なくとも247、少なくとも248、少なくとも249、または少なくとも250のスコアを有する。特定の態様において、高TMBは、少なくとも243のスコアを有する。他の態様において、高TMBは、少なくとも244のスコアを有する。ある態様において、高TMBは、少なくとも245のスコアを有する。他の態様において、高TMBは、少なくとも246のスコアを有する。他の態様において、高TMBは、少なくとも247のスコアを有する。他の態様において、高TMBは、少なくとも248のスコアを有する。他の態様において、高TMBは、少なくとも249のスコアを有する。他の態様において、高TMBは、少なくとも250のスコアを有する。他の態様において、高TMBは、200〜300またはそれ以上の整数のスコアを有する。他の態様において、高TMBは、210〜290またはそれ以上の整数のスコアを有する。他の態様において、高TMBは、220〜280またはそれ以上の整数のスコアを有する。他の態様において、高TMBは、230〜270またはそれ以上の整数のスコアを有する。他の態様において、高TMBは、235〜265またはそれ以上の整数のスコアを有する。
あるいは、高TMBは、絶対値ではなく相対値でありうる。ある態様において、対象のTMB状態は、対照TMB値と比較される。一態様において、対象のTMB状態は、対照TMB値の最も高い分位値内である。別の態様において、対象のTMB状態は、対照TMB値の最も高い三分位値内である。
ある態様において、TMB状態は、1サンプルあたり、1細胞あたり、1エクソームあたり、またはDNAの長さ(例えば、Mb)あたりの変異数として表現される。ある態様において、腫瘍は、少なくとも約50個の変異/腫瘍、少なくとも約55個の変異/腫瘍、少なくとも約60個の変異/腫瘍、少なくとも約65個の変異/腫瘍、少なくとも
約70個の変異/腫瘍、少なくとも約75個の変異/腫瘍、少なくとも約80個の変異/腫瘍、少なくとも約85個の変異/腫瘍、少なくとも約90個の変異/腫瘍、少なくとも約95個の変異/腫瘍、少なくとも約100個の変異/腫瘍、少なくとも約105個の変異/腫瘍、少なくとも約110個の変異/腫瘍、少なくとも約115個の変異/腫瘍、または少なくとも約120個の変異/腫瘍を有する場合、高TMB状態を有する。ある態様において、腫瘍は、少なくとも約125個の変異/腫瘍、少なくとも約150個の変異/腫瘍、少なくとも約175個の変異/腫瘍、少なくとも約200個の変異/腫瘍、少なくとも約225個の変異/腫瘍、少なくとも約250個の変異/腫瘍、少なくとも約275個の変異/腫瘍、少なくとも約300個の変異/腫瘍、少なくとも約350個の変異/腫瘍、少なくとも約400個の変異/腫瘍、または少なくとも約500個の変異/腫瘍を有する場合、高TMB状態を有する。特定の一態様において、腫瘍は、少なくとも約100個の変異/腫瘍を有する場合、高TMB状態を有する。
ある態様において、腫瘍は、例えば、FOUNDATIONONE(登録商標)CDX(商標)アッセイに従ってゲノム配列決定される、例えば、TMBアッセイによりゲノム配列決定される遺伝子の1メガベースあたり、少なくとも約5個の変異(変異/Mb)、少なくとも約6個の変異/Mb、少なくとも約7個の変異/Mb、少なくとも約8個の変異/Mb、少なくとも約9個の変異/Mb、少なくとも約10個の変異/Mb、少なくとも約11個の変異/Mb、少なくとも約12個の変異/Mb、少なくとも約13個の変異/Mb、少なくとも約14個の変異/Mb、少なくとも約15個の変異/Mb、少なくとも約20個の変異/Mb、少なくとも約25個の変異/Mb、少なくとも約30個の変異/Mb、少なくとも約35個の変異/Mb、少なくとも約40個の変異/Mb、少なくとも約45個の変異/Mb、少なくとも約50個の変異/Mb、少なくとも約75個の変異/Mb、または少なくとも約100個の変異/Mbを有する場合、高TMB状態を有する。ある態様において、腫瘍は、少なくとも約5個の変異/Mbを有する場合、高TMB状態を有する。一態様において、腫瘍は、少なくとも約10個の変異/Mbを有する場合、高TMB状態を有する。ある態様において、腫瘍は、少なくとも約11個の変異/Mbを有する場合、高TMB状態を有する。ある態様において、腫瘍は、少なくとも約12個の変異/Mbを有する場合、高TMB状態を有する。ある態様において、腫瘍は、少なくとも約13個の変異/Mbを有する場合、高TMB状態を有する。ある態様において、腫瘍は、少なくとも約14個の変異/Mbを有する場合、高TMB状態を有する。特定の態様において、腫瘍は、少なくとも約15個の変異/Mbを有する場合、高TMB状態を有する。
変異数は、腫瘍タイプおよび他の方法によって変動するため(Q4およびQ5を参照)、“TMB高”および“TMB低”に関連する数値は、腫瘍タイプによって異なりうる。
PD−L1状態
TMB状態は、(a)抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体、および(b)抗CTLA−4抗体を含む併用療法に対する腫瘍の応答を予測する手段として、単独で、または他の因子と組み合わせて用いることができる。ある態様において、腫瘍のTMB状態のみが、(a)抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体および(b)抗CTLA−4抗体を含む併用療法に応答する可能性が高い腫瘍を有する患者を同定するために用いられる。他の態様において、PD−L1状態およびTMB状態を用いて、(a)抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体および(b)抗CTLA−4抗体を含む併用療法に応答する可能性が高い腫瘍を有する患者を特定する。特定の態様において、腫瘍は、1%未満のPD−L1発現を有し、例えば、腫瘍細胞の1%未満がPD−L1を発現する。特定の態様において、対象は、高いTMB状態(≧10変異(mut)/Mb)および1%未満の腫瘍PD−L1発現レベルを有する。
対象における腫瘍のPD−L1発現状態は、本明細書に記載の組成物を投与するか、または本明細書に記載の方法を用いる前に測定することができる。PD−L1発現は、当技術分野で知られている方法によって決定することができる。
PD−L1発現を評価するために、一態様において、試験組織サンプルは、治療を必要とする患者から取得することができる。別の態様において、PD−L1発現の評価は、試験組織サンプルを取得することなく行うことができる。ある態様において、好適な患者の選択には、(i)所望により、NSCLCに由来する腫瘍を有する患者から取得される試験組織サンプルを供することであって、該試験組織サンプルには、腫瘍細胞および/または腫瘍浸潤性炎症細胞が含まれ;そして、(ii)細胞表面上でPD−L1を発現する試験組織サンプルにおける細胞の割合が所定の閾値より高いとの評価に基づいて、細胞表面上でPD−L1を発現する試験組織サンプルにおける細胞の割合を評価することが含まれる。
しかしながら、試験組織サンプルにおけるPD−L1発現の測定を含む方法において、患者から取得される試験組織サンプルの提供を含む工程は、任意の工程であることが理解されるべきである。また、特定の態様において、細胞表面上にPD−L1を発現する試験組織サンプルにおける細胞の数または割合を同定し、または決定するための“測定”または“評価”工程は、PD−L1発現を測定する改変方法によって、例えば、逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)アッセイまたはIHCアッセイを実施することによって行われることが理解されるべきである。ある他の態様において、改変工程を含まず、PD−L1発現は、例えば、試験室からの試験結果の報告を検討することによって評価される。ある態様において、PD−L1発現を評価するまで、およびこれらを含む該方法の工程は、(a)抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体、および(b)抗CTLA−4抗体を含む併用療法の適当な候補を選択する際に用いるために医師または他のヘルスケア提供者に供されうる中間結果を提供する。ある態様において、中間結果を提供する工程は、医師または医師の指導の下で実施する他の者によって行われる。他の態様において、これらの工程は、独立した試験室または独立した人、例えば、試験室の技術者によって行われる。
本発明の方法の特定の態様において、PD−L1を発現する細胞の割合は、PD−L1のRNAの存在を決定するためのアッセイを行うことによって評価される。さらなる態様において、PD−L1のRNAの存在は、RT−PCR、インサイチュハイブリダイゼーションまたはRNaseプロテクションによって決定される。他の態様において、PD−L1を発現する細胞の割合は、PD−L1ポリペプチドの存在を決定するためのアッセイを行うことによって評価される。さらなる実施態様において、PD−L1ポリペプチドの存在は、免疫組織化学(IHC)、酵素免疫吸着法アッセイ(ELISA)、インビボイメージング、またはフローサイトメトリーによって決定される。ある態様において、PD−L1発現は、IHCによってアッセイされる。これらの方法の全ての他の態様において、PD−L1の細胞表面発現は、例えば、IHCまたはインビボイメージングを用いてアッセイされる。
イメージング技術は、癌研究および癌処置における重要なツールを提供する。陽電子放出断層撮影(PET)、単光子放射コンピュータートモグラフィー(SPECT)、蛍光リフレクタンスイメージング(FRI)、蛍光媒介トモグラフィー(FMT)、生物発光イメージング(BLI)、レーザー走査共焦点顕微鏡(LSCM)および多光子顕微鏡(MPM)を含む分子イメージングシステムの最近の開発は、癌研究におけるこれらの技術のさらなる用途を予見させ得るものである。これらの分子イメージングシステムのいくつは、臨床医が、腫瘍が体内に局在する位置を見ることだけではなく、腫瘍の挙動および/または治療薬に対する応答性に影響を及ぼす特定の分子の発現および活性、細胞ならびに生物学的プロセスを視覚化することも可能にする(Condeelis and Weissleder、“In vivo imaging in cancer”, Cold Spring Harb. Perspect. Biol. 2(12):a003848 (2010))。抗体特異性について、PETの感度および解像度を組み合わせて、免疫PETイメージングが、特に組織サンプルにおける抗原の発現をモニターし、アッセイすることを可能にする(McCabe and Wu、“Positive progress in immunoPET-not just a coincidence,” Cancer Biother. Radiopharm. 25(3):253-61 (2010); Olafsen et al., “ImmunoPET imaging of B-cell lymphoma using 124I-anti-CD20 scFv dimers (diabodies),” Protein Eng. Des. Sel. 23(4):243-9 (2010))。本発明の方法のいずれか特定の態様において、PD−L1発現は、免疫PETイメージングによってアッセイされる。本発明の方法のいずれか特定の態様において、PD−L1を発現する試験組織サンプルにおける細胞の割合は、試験組織サンプルにおける細胞表面上のPD−L1ポリペプチドの存在を決定するためのアッセイを行うことによって評価される。ある態様において、試験組織サンプルは、FFPE組織サンプルである。他の態様において、PD−L1ポリペプチドの存在は、IHCアッセイによって決定される。さらなる態様において、IHCアッセイは、自動化された方法を用いて行われる。ある態様において、IHCアッセイは、PD−L1ポリペプチドに結合する抗PD−L1モノクローナル抗体を用いて行われる。特定の態様において、抗PD−L1モノクローナル抗体は、28−8、28−1、28−12、29−8、5H1およびそれらの組み合わせからなる群より選択される。引用によりその全体を本明細書中に包含させる、WO/2013/173223を参照のこと。
本発明の方法の一態様において、自動化されたIHC方法は、FFPE組織試料、例えばNSCLC由来の腫瘍から採取された組織サンプルにおける細胞表面上のPD−L1の発現をアッセイするために用いられる。ヒトPD−L1抗原の存在を、試験サンプルおよび陰性対照サンプル(例えば、正常組織)を、ヒトPD−L1に特異的に結合するモノクローナル抗体またはその一部とヒトPD−L1との間での複合体の形成を可能とする条件下で、該モノクローナル抗体と接触させることにより、試験組織サンプルにおいて測定することができる。特定の態様において、試験および対照組織サンプルはFFPEサンプルである。次に、複合体の形成が検出されるものであり、ここで、試験サンプルと陰性対照サンプルとの間の複合体の形成における相違は、サンプル中にヒトPD−L1抗原の存在を示すものである。種々の方法がPD−L1発現を定量するために用いられる。
特定の態様において、自動化されたIHC方法には、(a)包埋された組織切片を自動染色装置において脱パラフィンおよび再水和し;(b)抗原を、抗原賦活化装置(decloaking chamber)およびpH6緩衝液を110℃に10分間加熱して用いて賦活化し;(c)試薬を自動染色装置にセットし;次いで(d)組織試料における内因性ペルオキシダーゼを中和し;スライド上の非特異的タンパク質結合部位をブロッキングし;スライドを一次抗体と共にインキュベートし;一次抗体後の(post primary)ブロッキング剤と共にインキュベートし;NovoLinkポリマーと共にインキュベートし;クロモゲン基質を加え、発色し;次いで、ヘマトキシリンで対比染色する工程を含む自動染色装置を起動すること、が含まれる。
腫瘍組織サンプルにおけるPD−L1発現を評価するために、病理担当者は、顕微鏡で各視野における膜PD−L1腫瘍細胞の数を数え、陽性である細胞の割合を暗算で見積もり、その後、それらを最終割合値を得るために平均する。異なる染色強度は、0/陰性、l+/弱、2+/中間、および3+/強として定義される。一般的に、パーセント値は、最初に0および3+バケットに割り当て、次いで中間の1+および2+強度を検討する。極めて不均一な組織については、試料を区域に分類し、各区域を別個にスコア化し、次いで単一セットのパーセント値に合わせる。異なる染色強度についての陰性および陽性細胞の割合を各領域から決定し、中央値を各区域に付与する。最終的なパーセンテージ値を各染色強度カテゴリー:陰性、1+、2+および3+、について組織に付与する。全ての染色強度の合計は、100%であることが必要となる。一態様において、PD−L1陽性として必要とされる細胞の閾値数は、少なくとも約100、少なくとも約125、少なくとも約150、少なくとも約175または少なくとも約200細胞である。ある態様において、PD−L1陽性として必要とされる細胞の閾値数は、少なくとも約100細胞である。
染色はまた、マクロファージおよびリンパ球などの腫瘍浸潤性炎症細胞において評価される。多くの場合、染色が大部分のマクロファージで見られるため、マクロファージは、内部陽性対照として役割を果たす。3+強度で染色されることを要するわけではないが、マクロファージの染色がないことは技術的な失敗の除外を考慮すべきではない。マクロファージおよびリンパ球は、細胞膜の染色について評価され、全てのサンプルについて各細胞カテゴリーの陽性または陰性としてのみ記録される。染色はまた、腫瘍内側/外側の免疫細胞の名称に従って特徴付けられる。“内側”は、免疫細胞が、腫瘍組織内および/または腫瘍細胞間に物理的に挿入されることなく腫瘍領域の境界上に存在することを意味する。“外側”は、腫瘍との物理的な関連が存在しないことを意味し、免疫細胞が結合組織と関連する末梢またはこれに関連する隣接組織で見出される。
これらのスコアを付ける方法のある態様において、サンプルは、独立して実施する2人の病理担当者によってスコア付けられ、これらのスコアは後に統合される。ある他の態様において、陽性および陰性細胞の同定は、適当なソフトウェアを用いてスコア付けされる。
組織スコア(histoscore)は、IHCデータのより定量的な尺度として用いられる。組織スコアは、以下のように算出される:
組織スコア=[(%腫瘍x1(低強度))+(%腫瘍x2(中間強度))+(%腫瘍x3(高強度)]。
組織スコアを決定するために、病理学者は、試料内の各強度カテゴリーで染色細胞の割合を推定する。多くのバイオマーカーの発現が不均一であるため、組織スコアは、全体の発現のより正確な表示である。最終的な組織スコアの範囲は、0(発現なし)〜300(最大発現)である。
試験組織サンプルIHCにおけるPD−L1発現を定量する別の方法は、腫瘍浸潤性炎症細胞によるPD−L1発現パーセントを乗じることによる炎症の強度として定義される修正炎症スコア(AIS)を決定することである(Taube et al., “Colocalization of inflammatory response with B7-h1 expression in human melanocytic lesions supports an adaptive resistance mechanism of immune escape,” Sci. Transl. Med. 4(127):127ra37 (2012))。
一態様において、腫瘍のPD−L1発現レベルは、少なくとも約1%、少なくとも約2%、少なくとも約3%、少なくとも約4%、少なくとも約5%、少なくとも約6%、少なくとも約7%、少なくとも約8%、少なくとも約9%、少なくとも約10%、少なくとも約11%、少なくとも約12%、少なくとも約13%、少なくとも約14%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または約100%である。別の態様において、腫瘍のPD−L1発現状態は、少なくとも約1%である。他の態様において、腫瘍のPD−L1発現状態は、少なくとも約5%である。ある態様において、腫瘍のPD−L1発現状態は、少なくとも約10%である。一態様において、腫瘍のPD−L1発現状態は、少なくとも約25%である。特定の態様において、腫瘍のPD−L1発現状態は、少なくとも約50%である。
本明細書で用いる“PD−L1陽性”は、“少なくとも約1%のPD−L1発現”と互換可能に用いることができる。従って、一態様において、PD−L1陽性腫瘍は、自動化IHCにより測定されるPD−L1を発現する腫瘍細胞の少なくとも約1%、少なくとも約2%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または約100%を示しうる。特定の態様において、“PD−L1陽性”は、細胞表面上でPD−L1を発現する少なくとも100個の細胞が存在することを意味する。
一態様において、PD−L1陽性を有し、かつ高TMBを有するNSCLCに由来する腫瘍は、高TMBのみ、PD−L1陽性発現のみ、またはいずれもない腫瘍よりも、(a)抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体および(b)抗CLTA−4抗体の併用療法に対する大きな応答を有し得る。一態様において、NSCLCに由来する腫瘍は、少なくとも約1%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%または約50%のPD−L1発現を有する。特定の態様において、PD−L1発現が50%以上でかつ高TMB状態を有するNSCLCに由来する腫瘍は、高TMBのみ、50%以上のPD−L1発現のみ、またはいずれもない腫瘍よりも、(a)抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体および(b)抗CLTA−4抗体の併用療法に応答する可能性が高い。
特定の態様において、免疫療法、例えば、本明細書に記載の(a)抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体および(b)抗CLTA−4抗体の併用療法に適切な対象における腫瘍は、PD−L1を発現しない(1%未満、2%未満、3%未満、4%未満または5%未満の膜性PD−L1)。ある態様において、本発明の方法は、PD−L1発現とは無関係である。
MSI状態
TMB状態は、(a)抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体および(b)抗CLTA−4抗体の併用療法に対するNSCLCに由来する腫瘍の応答性を予測するための手段として、単独で、または他の因子、例えばMSI状態と組み合わせて用いることができる。一態様において、MSI状態はTMB状態の一部である。他の態様において、MSI状態は、TMB状態とは別に測定される。
マイクロサテライト不安定性(MSI)は、DNAミスマッチ修復(MMR)の障害に起因する遺伝的高変異性(genetic hypermutability)の状態である。MSIの存在は、MMRが正常に機能していない表現型の証拠である。ほとんどの場合、MSI腫瘍の不安定性の遺伝的根拠は、5つのヒトMMR遺伝子:MSH2、MLH1、MSH6、PMS2およびPMS1のいずれかにおける遺伝性の生殖細胞系列の変化である。特定の態様において、NSCLCに由来する腫瘍(例えば、結腸腫瘍)は、高度のマイクロサテライト不安定性(MSI−H)を有し、遺伝子MSH2、MLH1、MSH6、PMS2またはPMS1に少なくとも1つの変異を有する。他の態様において、対照群内で腫瘍治療を受けている対象は、マイクロサテライト不安定性(MSSまたはMSI安定性)を有さず、遺伝子MSH2、MLH1、MSH6、PMS2、およびPMS1に変異を有さない。
一態様において、(a)抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体および(b)抗CLTA−4抗体の併用療法に適する対象は、高TMB状態およびNSCLCに由来するMSI−H腫瘍を有する。本明細書に記載のMSI−H腫瘍とは、不安定なMSIバイオマーカーの少なくとも約30%を超える腫瘍を意味する。ある態様において、生殖細胞系列の変化が少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、または少なくとも5つのMMR遺伝子で検出されるとき、NSCLCに由来する腫瘍はMSI−Hである。他の態様において、生殖細胞系列の変化が5個以上のMMR遺伝子の少なくとも30%で検出されるとき、NSCLCに由来する腫瘍はMSI−Hである。ある態様において、MMR遺伝子における生殖細胞系列の変化は、ポリメラーゼ連鎖反応によって測定される。他の態様において、NCSLCに由来する腫瘍は、DNA MMR遺伝子によってコードされる少なくとも1つのタンパク質が腫瘍において検出されないとき、MSI−Hである。ある態様において、DNA MMR遺伝子によってコードされる少なくとも1つのタンパク質は、免疫組織化学によって検出される。
本発明の処置方法
本発明は、有効量の(a)抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体および(b)抗CLTA−4抗体を対象に投与することを含む、NSCLCに由来する腫瘍に罹患している対象を処置する方法に関し、ここで、該腫瘍は高TMB状態を有する。特定の態様において、腫瘍は、1メガベースあたり少なくとも約10個の変異のTMB状態を有する。ある態様において、この方法は、投与前に対象から得られた生物学的サンプルのTMB状態を測定することをさらに含む。
肺癌を含む特定の癌タイプは、変異の頻度が高いため、TMBが高い(Alexandrov et al., Nature(2013)500:415-421)。一態様において、NSCLCは扁平上皮組織を有する。別の態様において、NSCLCは非扁平上皮組織を有する。
本明細書に記載の処置方法は、NSCLCに由来する腫瘍に罹患した対象、特に、高TMBを有する腫瘍を有する対象のための改善された臨床応答および/または臨床上の利益を提供することができる。高TMBは、新抗原の負荷、すなわち、新抗原の数およびT細胞の反応性に関係し、故に、免疫仲介性抗腫瘍応答に関連している。したがって、高TMBは、例えば、現在の標準治療と比較した場合、単独で、または他の因子と組み合わせて、(a)抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体および(b)抗CLTA−4抗体による治療の恩恵を受ける可能性が高い腫瘍(およびそのような腫瘍を有する患者)を特定するために用い得る因子である。
一態様において、対象は、少なくとも約1ヶ月、少なくとも約2ヶ月、少なくとも約3ヶ月、少なくとも約4ヶ月、少なくとも約5ヶ月、少なくとも約6ヶ月、少なくとも約7ヶ月、少なくとも約8ヶ月、少なくとも約9ヶ月、少なくとも約10ヶ月、少なくとも約11ヶ月、少なくとも約1年、少なくとも約18ヶ月、少なくとも約2年、少なくとも約3年、少なくとも約4年または少なくとも約5年の無増悪生存期間を示す。別の態様において、対象は、投与後、少なくとも約1ヶ月、少なくとも約2ヶ月、少なくとも約3ヶ月、少なくとも約4ヶ月、少なくとも約5ヶ月、少なくとも約6ヶ月、少なくとも約7ヶ月、少なくとも約8ヶ月、少なくとも約9ヶ月、少なくとも約10ヶ月、少なくとも約11ヶ月、少なくとも約1年、少なくとも約18ヶ月、少なくとも約2年、少なくとも約3年、少なくとも約4年または少なくとも約5年の全生存期間を示す。さらに別の態様において、対象は、少なくとも約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%または約100%の奏効率を示す。
抗PD−1/抗PD−L1/抗CTLA−4抗体処置
本発明の特定の面は、(a)抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体および(b)抗CLTA−4抗体を対象に投与することを含む、NSCLCに由来する腫瘍に罹患している対象を処置する方法に関し、ここで、腫瘍は高TMB状態、例えば、検査された遺伝子の1メガベースあたり少なくとも約10個の変異のTMBを有する。該方法は、対象から得られた生物学的サンプルのTMB状態を測定することをさらに含む。さらに、本発明は、例えば、検査された遺伝子の1メガベースあたり少なくとも約10個の変異の高TMBの測定に基づき、そのような治療に適すると同定された対象に(a)抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体および(b)抗CLTA−4抗体を投与することを企図する。
一態様において、抗PD−1抗体もしくはその抗原結合部位は、ヒトPD−1への結合についてニボルマブと交差競合する。別の態様において、抗PD−1抗体もしくはその抗原結合部位は、ニボルマブと同じエピトープに結合する。特定の態様において、抗PD−1抗体はニボルマブである。別の特定の態様において、抗PD−1抗体はペンブロリズマブである。追加の抗PD−1抗体は本明細書の他の部分に記載されている。他の態様において、本明細書に記載の方法に有用な抗PD−L1抗体もしくはその抗原結合部位は、本明細書の他の部分に記載されている。
ある態様において、抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体もしくはその抗原結合部位はキメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、またはその抗原結合部位である。他の態様において、抗PD−1抗体もしくはその抗原結合部位または抗PD−L1抗体もしくはその抗原結合部位は、ヒトIgG1アイソタイプまたはヒトIgG4アイソタイプの重鎖定常領域を含む。
本発明に有用な抗PD−1抗体
当技術分野で既知の抗PD−1抗体は、本明細書に記載の組成物および方法において用いることができる。高い親和性でPD−1に特異的に結合する種々のヒトモノクローナル抗体は、米国特許第8,008,449号に記載されている。米国特許第8,008,449号に記載の抗PD−1ヒト抗体は、以下の特徴の1以上を示すことが証明されている:(a)Biacoreバイオセンサーシステムを用いる表面プラズモン共鳴によって決定される、1×10−7Mまたはそれ以下のKでヒトPD−1に結合する;(b)ヒトCD28、CTLA−4またはICOSに実質的に結合しない;(c)混合リンパ球反応(MLR)アッセイにおいてT細胞の増殖を増加させる;(d)MLRアッセイにおいてインターフェロン−γの産生を増加させる;(e)MLRアッセイにおいてIL−2分泌を増加させる;(f)ヒトPD−1およびカニクイザルPD−1に結合する;(g)PD−1に対するPD−L1および/またはPD−L2の結合を阻害する;(h)抗原特異的記憶応答を刺激する;(i)抗体応答を刺激する;および(j)インビボでの腫瘍細胞の増殖を阻害する。本発明に用いられ得る抗PD−1抗体には、ヒトPD−1に特異的に結合し、前記特徴のうちの少なくとも1つ、ある態様において、少なくとも5つを示すモノクローナル抗体が含まれる。
他の抗PD−1モノクローナル抗体は、例えば米国特許第6,808,710号、同第7,488,802号、同第8,168,757号および同第8,354,509号、米国特許公開2016/0272708、およびPCT公開WO2012/145493、WO2008/156712、WO2015/112900、WO2012/145493、WO2015/112800、WO2014/206107、WO2015/35606、WO2015/085847、WO2014/179664、WO2017/020291、WO2017/020858、WO2016/197367、WO2017/024515、WO2017/025051、WO2017/123557、WO2016/106159、WO2014/194302、WO2017/040790、WO2017/133540、WO2017/132827、WO2017/024465、WO2017/025016、WO2017/106061、WO2017/19846、WO2017/024465、WO2017/025016、WO2017/132825、およびWO2017/133540(それぞれ、引用によりその全体を本明細書中に包含させる)に記載されている。
ある態様において、抗PD−1抗体は、ニボルマブ(OPDIVO(登録商標)、5C4、BMS−936558、MDX−1106およびONO−4538としても公知)、ペムブロリズマブ(Merck;KEYTRUDA(登録商標)、ランブロリズマブおよびMK−3475としても公知;WO2008/156712を参照)、PDR001(Novartis;WO2015/112900を参照)、MEDI−0680(AstraZeneca;AMP−514としても公知;WO2012/145493を参照)、セミプリマブ(Regeneron;REGN−2810としても公知;WO2015/112800を参照)、JS001(TAIZHOU JUNSHI PHARMA;トリパリマブ(toripalimab)としても公知;Si-Yang Liu et al., J. Hematol. Oncol. 10:136 (2017)を参照)、BGB−A317(Beigene;ティスレリズマブ(tislelizumab)としても公知;WO2015/35606およびUS2015/0079109を参照)、INCSHR1210(Jiangsu Hengrui Medicine;SHR−1210としても公知;WO2015/085847;Si-Yang Liu et al., J. Hematol. Oncol. 10:136 (2017)を参照)、TSR−042(Tesaro Biopharmaceutical;ANB011としても公知;WO2014/179664を参照)、GLS−010(Wuxi/Harbin Gloria Pharmaceuticals;WBP3055としても公知;Si-Yang Liu et al., J. Hematol. Oncol. 10:136 (2017)を参照)、AM−0001(Armo)、STI−1110(Sorrento Therapeutics;WO2014/194302を参照)、AGEN2034(Agenus;WO2017/040790を参照)、MGA012(Macrogenics,WO2017/19846を参照)、BCD−100(Biocad; Kaplon et al., mAbs 10(2):183-203 (2018))、およびIBI308(Innovent;WO2017/024465、WO2017/025016、WO2017/132825およびWO2017/133540を参照)からなる群より選択される。
一態様において、抗PD−1抗体はニボルマブである。ニボルマブは、PD−1リガンド(PD−L1およびPD−L2)との相互作用を選択的に阻害し、それ故に抗腫瘍T細胞機能の下方制御を阻止する、完全ヒトIgG4(S228P)PD−1免疫チェックポイント阻害抗体である(米国特許第8,008,449号; Wang et al., 2014 Cancer Immunol Res. 2(9):846-56)。
別の態様において、抗PD−1抗体は、ペンブロリズマブである。ペンブロリズマブは、ヒト細胞表面受容体PD−1(プログラム死−1またはプログラム細胞死−1)に対するヒト化モノクローナルIgG4(S228P)抗体である。ペンブロリズマブは、例えば、米国特許第8,354,509号および同第8,900,587号に記載されている。
本明細書に記載の組成物および方法に用い得る抗PD−1抗体はまた、ヒトPD−1に特異的に結合し、本明細書に記載の抗PD−1抗体、例えば、ニボルマブ(例えば、米国特許第8,008,449号および同第8,779,105号;WO2013/173223を参照)とヒトPD−1との結合に対して交差競合する単離された抗体を含む。ある態様において、抗PD−1抗体は、本明細書に記載の抗PD−1抗体(例えば、ニボルマブ)のいずれかと同一のエピトープに結合する。抗原への結合に対して交差競合する抗体の能力は、これらのモノクローナル抗体が抗原の同一のエピトープ領域に結合し、特定のエピトープ領域に対する他の交差競合する抗体の結合を立体的に妨害することを示す。これらの交差競合する抗体は、それらのPD−1の同一エピトープ領域への結合のため、対照抗体(例えば、ニボルマブ)と顕著に類似する機能特性を有することが予期される。交差競合する抗体は、標準的なPD−1結合アッセイ(例えば、Biacore分析、ELISAアッセイまたはフローサイトメトリー)においてニボルマブと交差競合する能力に基づいて容易に同定することができる(例えば、WO2013/173223を参照)。
特定の態様において、ヒトPD−1との結合に交差競合し、またはヒトPD−1抗体の同一エピトープ領域に結合する抗体(ニボルマブ)は、モノクローナル抗体である。ヒト対象への投与のために、これらの交差競合する抗体は、キメラ抗体、改変された抗体、またはヒト化抗体もしくはヒト抗体である。このようなキメラの改変されたヒト化またはヒトモノクローナル抗体は、当技術分野で周知の方法によって調製され、単離され得る。
本明細書に記載の組成物および方法に用い得る抗PD−1抗体はまた、上記抗体の抗原結合部分を含む。抗体の抗原結合機能が全長抗体の断片によって行われ得ることは示されている。
本発明の組成物および方法に用いることに適する抗PD−1抗体は、高い特異性および親和性でPD−1に結合し、PD−L1および/またはPD−L2の結合を阻害し、ならびにPD−1シグナル伝達経路の免疫抑制効果を阻害する抗体である。本明細書に記載の組成物または方法のいずれかにおいて、抗PD−1“抗体”には、PD−1受容体に結合し、リガンド結合を阻害し、免疫系を上方制御する際に完全抗体と類似する機能特性を示す抗原結合部分または断片が含まれる。ある態様において、抗PD−1抗体またはその抗原結合部分は、ヒトPD−1への結合についてニボルマブと交差競合する。
ある態様において、抗PD−1抗体は、2、3、4、5、6、7または8週間毎に1回、体重1kgあたり0.1mgから20.0mgの範囲の用量で、例えば、2、3または4週間毎に1回、体重1kgあたり0.1mgから10.0mgの範囲の用量で投与される。他の態様において、抗PD−1抗体は、2週間毎に1回、体重1kgあたり、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mgまたは10mgの用量で投与される。他の態様において、抗PD−1抗体は、3週間毎に1回、体重1kgあたり、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mgまたは10mgの用量で投与される。他の態様において、抗PD−1抗体は、約3週間毎に1回、体重1kgあたり、約5mgの用量で投与される。別の態様において、抗PD−1抗体、例えば、ニボルマブは、約2週間毎に1回、体重1kgあたり、約3mgの用量で投与される。他の態様において、抗PD−1抗体、例えば、ペムブロリズマブは、約3週間毎に1回、体重1kgあたり、約2mgの用量で投与される。
本発明に有用な抗PD−1抗体は、一定用量で投与され得る。ある態様において、抗PD−1抗体は、約100〜約1000mg、約100〜約900mg、約100〜約800mg、約100〜約700mg、約100〜約600mg、約100〜約500mg、約200〜約1000mg、約200〜約900mg、約200〜約800mg、約200〜約700mg、約200〜約600mg、約200〜約500mg、約200〜約480mg、または約240〜約480mgの一定用量で投与される。一態様において、抗PD−1抗体は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9または10週間の投与間隔で、少なくとも約200mg、少なくとも約220mg、少なくとも約240mg、少なくとも約260mg、少なくとも約280mg、少なくとも約300mg、少なくとも約320mg、少なくとも約340mg、少なくとも約360mg、少なくとも約380mg、少なくとも約400mg、少なくとも約420mg、少なくとも約440mg、少なくとも約460mg、少なくとも約480mg、少なくとも約500mg、少なくとも約520mg、少なくとも約540mg、少なくとも約550mg、少なくとも約560mg、少なくとも約580mg、少なくとも約600mg、少なくとも約620mg、少なくとも約640mg、少なくとも約660mg、少なくとも約680mg、少なくとも約700mg、または少なくとも約720mgの一定用量で投与される。別の態様において、抗PD−1抗体は、約1、2、3または4週間の投与間隔で、約200mg〜約800mg、約200mg〜約700mg、約200mg〜約600mg、約200mg〜約500mgの一定用量で投与される。
ある態様において、抗PD−1抗体は、約3週間毎に1回、約200mgの一定用量で投与される。他の態様において、抗PD−1抗体は、約2週間毎に1回、約200mgの一定用量で投与される。他の態様において、抗PD−1抗体は、約2週間毎に1回、約240mgの一定用量で投与される。特定の態様において、抗PD−1抗体は、約4週間毎に1回、約480mgの一定用量で投与される。
ある態様において、ニボルマブは、約2週間毎に1回、約240mgの一定用量で投与される。ある態様において、ニボルマブは、約3週間毎に1回、約240mgの一定用量で投与される。ある態様において、ニボルマブは、約3週間毎に1回、約360mgの一定用量で投与される。ある態様において、ニボルマブは、約4週間毎に1回、約480mgの一定用量で投与される。
ある態様において、ペムブロリズマブは、約2週間毎に1回、約200mgの一定用量で投与される。ある態様において、ペムブロリズマブは、約3週間毎に1回、約200mgの一定用量で投与される。ある態様において、ペムブロリズマブは、約4週間毎に1回、約400mgの一定用量で投与される。
本発明に有用な抗PD-L1抗体
特定の態様において、抗PD−L1抗体は、本明細書に記載の方法のいずれかにおいて抗PD−1抗体の代わりに用いられる。当技術分野で知られている抗PD−L1抗体は、本発明の組成物および方法で用いられ得る。本発明の組成物および方法に有用な抗PD−L1抗体の例には、米国特許第9,580,507号に記載の抗体が含まれる。米国特許第9,580,507号に記載の抗PD−L1ヒトモノクローナル抗体は、以下の特徴の1以上を示すことが示されている:(a)Biacoreバイオセンサーシステムを用いて表面プラズモン共鳴によって測定される、1x10−7Mまたはそれ以下のKでヒトPD−L1に結合する;(b)混合リンパ球反応(MLR)アッセイにおいてT細胞の増殖を増加させる;(c)MLRアッセイにおいてインターフェロン−γ産生を増加させる;(d)MLRアッセイにおいてIL−2分泌を増加させる;(e)抗体応答を刺激する;および(f)T細胞エフェクター細胞および/または樹状細胞におけるT調節性細胞の効果を逆転させる。本発明に用いられ得る抗PD−L1抗体には、ヒトPD−L1に特異的に結合し、前記特徴のうちの少なくとも1つ、ある態様において、少なくとも5つを示す、モノクローナル抗体が含まれる。
特定の態様において、抗PD−L1抗体は、BMS−936559(12A4、MDX−1105としても公知;例えば、米国特許第7,943,743号およびWO2013/173223を参照)、アテゾリズマブ(Roche;TECENTRIQ(登録商標);MPDL3280A、RG7446としても公知;US8,217,149を参照;Herbst et al. (2013) J Clin Oncol 31(suppl):3000もまた参照)、デュルバルマブ(AstraZeneca;IMFINZI(商標)、MEDI−4736としても公知;WO2011/066389を参照)、アベルマブ(Pfizer;BAVENCIO(登録商標)、MSB−0010718Cとしても公知;WO2013/079174を参照)、STI−1014(Sorrento;WO2013/181634を参照)、CX−072(Cytomx;WO2016/149201を参照)、KN035(3D Med/Alphamab;Zhang et al., Cell Discov. 7:3 (March 2017)を参照)、LY3300054(Eli Lilly Co.;例えば、WO2017/034916を参照)、BGB−A333(BeiGene;Desai et al., JCO 36 (15suppl):TPS3113 (2018)を参照)およびCK−301(Checkpoint Therapeutics;Gorelik et al., AACR:Abstract 4606 (Apr 2016)を参照)からなる群より選択される。
特定の態様において、該PD−L1抗体は、アテゾリズマブ(TECENTRIQ(登録商標))である。アテゾリズマブは、完全ヒト化IgG1モノクローナル抗PD−L1抗体である。
特定の態様において、該PD−L1抗体は、デュルバルマブ(IMFINZI(商標))である。デュルバルマブは、ヒトIgG1カッパモノクローナル抗PD−L1抗体である。
特定の態様において、該PD−L1抗体は、アベルマブ(BAVENCIO(登録商標))である。アベルマブは、ヒトIgG1ラムダモノクローナル抗PD−L1抗体である。
本発明の組成物および方法で用い得る抗PD−L1抗体としてはまた、ヒトPD−L1に特異的に結合し、本明細書に記載の抗PD−L1抗体、例えば、アテゾリズマブ、デュルバルマブおよび/またはアベルマブとヒトPD−L1との結合に対して交差競合する単離された抗体が挙げられる。ある態様において、抗PD−L1抗体は、本明細書に記載の抗PD−L1抗体(例えば、アテゾリズマブ、デュルバルマブおよび/またはアベルマブ)のいずれかと同一のエピトープに結合する。抗原への結合に対して交差競合する抗体の能力は、これらの抗体が抗原の同一のエピトープ領域に結合し、特定のエピトープ領域に対する他の交差競合する抗体の結合を立体的に妨害することを示す。これらの交差競合する抗体は、それらのPD−L1の同一エピトープ領域への結合のため、対照抗体(例えば、アテゾリズマブおよび/またはアベルマブ)と顕著に類似する機能特性を有することが予期される。交差競合する抗体は、Biacore解析、ELISAアッセイまたはフローサイトメトリーのような標準的なPD−L1結合アッセイにおいてアテゾリズマブおよび/またはアベルマブと交差競合する能力に基づいて容易に同定することができる(例えば、WO2013/173223を参照)。
特定の態様において、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、および/またはアベルマブのようなヒトPD−L1抗体とヒトPD−L1に対する結合について交差競合し、またはヒトPD−L1抗体の同一エピトープ領域に結合する抗体は、モノクローナル抗体である。ヒト対象への投与のために、これらの交差競合する抗体は、キメラ抗体、改変された抗体、またはヒト化もしくはヒト抗体である。このようなキメラの改変されたヒト化またはヒトモノクローナル抗体は、当該技術分野で周知の方法によって調製され、単離され得る。
本発明の組成物および方法に用いられ得る抗PD−L1抗体としてはまた、上記抗体の抗原結合部分が挙げられる。抗体の抗原結合機能が全長抗体の断片によって行われうることは示されている。
本発明の組成物および方法で用いるのに適する抗PD−L1抗体は、高い特異性および親和性でPD−1に結合し、PD−1の結合を阻害し、およびPD−1シグナル伝達経路の免疫抑制効果を阻害する抗体である。本明細書に記載の組成物または方法のいずれかにおいて、抗PD−L1“抗体”としては、PD−L1に結合し、かつ受容体結合を阻害して免疫系を上方制御する際に全体抗体と類似する機能特性を示す、抗原結合部分または断片が挙げられる。ある態様において、抗PD−L1抗体またはその抗原結合部分は、ヒトPD−L1への結合についてアテゾリズマブ、デュルバルマブおよび/またはアベルマブと交差競合する。
本発明に有用な抗PD−L1抗体は、PD−L1に特異的に結合する何れかのPD−L1抗体、例えば、ヒトPD−1への結合に対してデュルバルマブ、アベルマブまたはアテゾリズマブと交差競合する抗体、例えば、デュルバルマブ、アベルマブまたはアテゾリズマブと同じエピトープに結合する抗体であり得る。特定の態様において、抗PD−L1抗体はデュルバルマブである。他の態様において、抗PD−L1抗体はアベルマブである。ある態様において、抗PD−L1抗体はアテゾリズマブである。
ある態様において、抗PD−L1抗体は、2、3、4、5、6、7または8週間毎に1回、体重1kgあたり約0.1mg〜約20.0mgの範囲の用量で、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、約11mg、約12mg、約13mg、約14mg、約15mg、約16mg、約17mg、約18mg、約19mgまたは約20mgの用量で投与される。
ある態様において、抗PD−L1抗体は、約3週間毎に1回、体重1kgあたり、約15mgの用量で投与される。他の態様において、抗PD−L1抗体は、約2週間毎に1回、体重1kgあたり、約10mgの用量で投与される。
他の態様において、本発明に有用な抗PD−L1抗体は、一定用量である。ある態様において、抗PD−L1抗体は、約200〜約1600mg、約200〜約1500mg、約200〜約1400mg、約200〜約1300mg、約200〜約1200mg、約200〜約1100mg、約200〜約1000mg、約200〜約900mg、約200〜約800mg、約200〜約700mg、約200〜約600mg、約700〜約1300mg、約800〜約1200mg、約700〜約900mgまたは約1100〜約1300mgの一定用量で投与される。ある態様において、抗PD−L1抗体は、約1、2、3または4週間の投与間隔で、少なくとも約240mg、少なくとも約300mg、少なくとも約320mg、少なくとも約400mg、少なくとも約480mg、少なくとも約500mg、少なくとも約560mg、少なくとも約600mg、少なくとも約640mg、少なくとも約700mg、少なくとも720mg、少なくとも約800mg、少なくとも約840mg、少なくとも約880mg、少なくとも約900mg、少なくとも960mg、少なくとも約1000mg、少なくとも約1040mg、少なくとも約1100mg、少なくとも約1120mg、少なくとも約1200mg、少なくとも約1280mg、少なくとも約1300mg、少なくとも約1360mg、または少なくとも約1400mgの一定用量で投与される。ある態様において、抗PD−L1抗体は、約3週間毎に1回、約1200mgの一定用量で投与される。他の態様において、抗PD−L1抗体は、約2週間毎に1回、約800mgの一定用量で投与される。他の態様において、抗PD−L1抗体は、約2週間毎に1回、約840mgの一定用量で投与される。
ある態様において、アテゾリズマブは、約3週間毎に1回、約1200mgの一定用量で投与される。ある態様において、アテゾリズマブは、約2週間毎に1回、約800mgの一定用量で投与される。ある態様において、アテゾリズマブは、約2週間毎に1回、約840mgの一定用量で投与される。
ある態様において、アベルマブは、約2週間毎に1回、約800mgの一定用量で投与される。
ある態様において、デュルバルマブは、約2週間毎に1回、体重1kgあたり、約10mgの用量で投与される。ある態様において、デュルバルマブは、約2週間毎に1回、約800mgの一定用量で投与される。ある態様において、デュルバルマブは、約3週間毎に1回、約1200mgの一定用量で投与される。
抗CTLA−4抗体
当技術分野で知られている抗CTLA−4抗体は、本発明の組成物および方法に用いられ得る。本明細書に記載の抗CTLA−4抗体は、CTLA−4とヒトB7受容体との相互作用を破壊するように、ヒトCTLA−4に結合する。CTLA−4とB7の相互作用は、CTLA−4受容体を担持するT細胞の不活性化につながるシグナルを伝達するため、相互作用の破壊は、かかるT細胞の活性化を効果的に誘導、増強または延長し、それにより免疫反応を誘導、増強または延長する。
高い親和性でCTLA−4に特異的に結合するヒトモノクローナル抗体は、米国特許第6,984,720号に記載されている。他の抗CTLA−4モノクローナル抗体は、例えば、米国特許第5,977,318号、同第6,051,227号、同第6,682,736号および同第7,034,121号ならびに国際公開WO2012/122444、WO2007/113648、WO2016/196237およびWO2000/037504(各々その内容全体を引用により本明細書中に包含させる)に記載されている。米国特許第6,984,720号に記載の抗CTLA−4ヒトモノクローナル抗体は、以下の特徴の1以上を示すことが示されている:(a)Biacore解析によって測定される、少なくとも約10−1または約10−1または約1010−1から1011−1またはそれ以上の平衡結合定数(K)で示される結合親和性でヒトCTLA−4に結合する;(b)少なくとも約10、約10または約10−1−1の動的結合定数(K);(c)少なくとも約10、約10または約10−1−1の動的解離定数(K);および(d)MLRアッセイにおいてIL−2分泌を増加させる;(e)抗体応答を刺激する;および(f)B7−1(CD80)およびB7−2(CD86)へのCTLA−4の結合を阻害する。本発明に有用な抗CTLA−4抗体には、ヒトCTLA−4抗に特異的に結合し、前記特徴のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または少なくとも3つを示す、モノクローナル抗体が含まれる。
特定の態様において、CTLA−4抗体は、イピリムマブ(YERVOY(登録商標)、MDX-010、10D1としても公知;米国特許第6,984,720号を参照)、MK−1308(Merck)、AGEN−1884(Agenus Inc.;WO2016/196237を参照)、およびトレメリムマブ(AstraZeneca;ticilimumab、CP-675,206としても公知;WO2000/037504およびRibas、Update Cancer Ther. 2(3): 133-39 (2007)を参照)からなる群より選択される。特定の態様において、抗CTLA−4抗体はイピリムマブである。
特定の態様において、CTLA−4抗体は、本明細書に記載の組成物および方法に用いるためのイピリムマブである。イピリムマブは、そのB7リガンドへのCTLA−4の結合を阻害し、それによりT細胞活性化を刺激し、進行性黒色腫を有する患者の全生存期間(OS)を改善する、完全ヒト、IgG1モノクローナル抗体である。
特定の態様において、CTLA−4抗体はトレメリムマブである。
特定の態様において、CTLA−4抗体はMK−1308である。
特定の態様において、CTLA−4抗体はAGEN−1884である。
本発明の組成物および方法に使用可能な抗CTLA−4抗体としてはまた、ヒトCTLA−4に特異的に結合し、本明細書に記載の何れかの抗CTLA−4抗体、例えばイピリムマブおよび/またはトレメリムマブとヒトCTLA−4への結合に対して交差競合する単離された抗体が挙げられる。ある態様において、抗CTLA−4抗体は、本明細書に記載の抗CTLA−4抗体(例えば、イピリムマブおよび/またはトレメリムマブ)のいずれかと同一のエピトープに結合する。抗原への結合に対して交差競合する抗体の能力は、これらの抗体が抗原の同一のエピトープ領域に結合し、特定のエピトープ領域に対する他の交差競合する抗体の結合を立体的に妨害することを示す。これらの交差競合する抗体は、それらのCTLA−4の同一エピトープ領域への結合のため、対照抗体(例えば、イピリムマブおよび/またはトレメリムマブ)と顕著に類似する機能特性を有することが予期される。交差競合する抗体は、Biacore解析、ELISAアッセイまたはフローサイトメトリーのような標準的なCTLA−4結合アッセイにおいてイピリムマブおよび/またはトレメリムマブと交差競合する能力に基づいて容易に同定することができる(例えば、WO2013/173223を参照)。
特定の態様において、イピリムマブおよび/またはトレメリムマブのようなヒトCTLA−4抗体とヒトCTLA−4への結合について交差競合し、またはヒトCTLA−4抗体の同一エピトープ領域に結合する抗体は、モノクローナル抗体である。ヒト対象への投与のために、これらの交差競合する抗体は、キメラ抗体、改変された抗体、またはヒト化もしくはヒト抗体である。このようなキメラの改変されたヒト化またはヒトモノクローナル抗体は、当該技術分野で周知の方法によって調製され、単離され得る。
本発明の組成物および方法に使用可能な抗CTLA−4抗体としてはまた、上記抗体の抗原結合部分が挙げられる。抗体の抗原結合機能が全長抗体の断片によって行われうることは示されている。
本発明の方法または組成物に用いるのに適する抗CTLA−4抗体は、高い特異性および親和性でCTLA−4に結合し、CTLA−4の活性を阻害し、およびCTLA−4とヒトB7受容体との相互作用を破壊する抗体である。本明細書に記載の組成物または方法のいずれかにおいて、抗CTLA−4“抗体”としては、CTLA−4に結合し、かつCTLA−4とヒトB7受容体との相互作用を阻害し、かつ免疫系を上方制御する際に全体抗体と類似する機能特性を示す、抗原結合部分または断片が挙げられる。特定の態様において、抗CTLA−4抗体またはその抗原結合部分は、ヒトCTLA−4への結合についてアイピリムマブおよび/またはトレメリムマブと交差競合する。
ある態様において、抗CTLA−4抗体もしくはその抗原結合部位は、2、3、4、5、6、7または8週間毎に1回、体重1kgあたり約0.1mg〜約10.0mgの範囲の用量で投与される。ある態様において、抗CTLA−4抗体もしくはその抗原結合部位は、3、4、5または6週間毎に1回、体重1kgあたり1mgまたは3mgの用量で投与される。一態様において、抗CTLA−4抗体もしくはその抗原結合部位は、2週間毎に1回、体重1kgあたり3mgの用量で投与される。別の態様において、抗PD−1抗体もしくはその抗原結合部位は、6週間毎に1回、体重1kgあたり1mgの用量で投与される。
ある態様において、抗CTLA−4抗体もしくはその抗原結合部位は一定用量で投与される。ある態様において、抗CTLA−4抗体は、約10〜約1000mg、約10〜約900mg、約10〜約800mg、約10〜約700mg、約10〜約600mg、約10〜約500mg、約100〜約1000mg、約100〜約900mg、約100〜約800mg、約100〜約700mg、約100〜約600mg、約100〜約500mg、約100〜約480mgまたは約240〜約480mgの一定用量で投与される。一態様において、抗CTLA−4抗体もしくはその抗原結合部位は、少なくとも約60mg、少なくとも約80mg、少なくとも約100mg、少なくとも約120mg、少なくとも約140mg、少なくとも約160mg、少なくとも約180mg、少なくとも約200mg、少なくとも約220mg、少なくとも約240mg、少なくとも約260mg、少なくとも約280mg、少なくとも約300mg、少なくとも約320mg、少なくとも約340mg、少なくとも約360mg、少なくとも約380mg、少なくとも約400mg、少なくとも約420mg、少なくとも約440mg、少なくとも約460mg、少なくとも約480mg、少なくとも約500mg、少なくとも約520mg、少なくとも約540mg、少なくとも約550mg、少なくとも約560mg、少なくとも約580mg、少なくとも約600mg、少なくとも約620mg、少なくとも約640mg、少なくとも約660mg、少なくとも約680mg、少なくとも約700mg、または少なくとも約720mgの一定用量で投与される。別の態様において、抗CTLA−4抗体もしくはその抗原結合部位は、約1、2、3、4、5、6、7または8週間毎に1回、一定用量で投与される。
ある態様において、イピリムマブは、約3週間毎に1回、体重1kgあたり約3mgの用量で投与される。ある態様において、イピリムマブは、約3週間毎に1回、体重1kgあたり約10mgの用量で投与される。ある態様において、イピリムマブは、約12週間毎に1回、約10mgの用量で投与される。ある態様において、イピリムマブは、4用量を投与される。
サイトカイン類
ある態様において、本発明の方法は、(a)抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体、(b)抗CTLA−4抗体、および(c)サイトカインを投与することを含む、NSCLCに由来する腫瘍に罹患している対象を処置することを含み、ここで、該腫瘍は高TMB状態を有し、例えば、該腫瘍は、検査した遺伝子の1メガベースあたり少なくとも約10個の変異のTMB状態を有する。サイトカインは、当技術分野で知られているサイトカイン類またはその変異体であり得る。ある態様において、サイトカインは、インターロイキン−2(IL−2)、IL−1β、IL−6、TNF−α、RANTES、単球化学誘引物質タンパク質(MCP−1)、単球炎症性タンパク質(MIP−1αおよびMIP−1β)、IL−8、リンホタクチン、フラクタルカイン、IL−1、IL−4、IL−10、IL−11、IL−13、LIF、インターフェロン−α、TGF−βおよびそれらの組み合わせからなる群より選択される。ある態様において、サイトカインは、CD122アゴニストである。特定の態様において、サイトカインは、IL−2またはその変異体を含む。
ある態様において、サイトカインは、野生型サイトカインアミノ酸配列と比較して、1以上のアミノ酸置換、欠失または挿入を含む。ある態様において、サイトカインは、野生型サイトカインのアミノ酸配列と比較して少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9または少なくとも10個のアミノ酸置換を有するアミノ酸配列を含む。
ある態様において、サイトカインは、例えば、活性および/または半減期を増加させるために、改変されている。特定の態様において、サイトカインは、異種部分のサイトカインへの融合を介して改変されている。異種部分は、ポリペプチド、ポリマー、小分子、ヌクレオチドまたはその断片もしくは類縁体を含む任意の構造体であり得る。特定の態様において、異種部分は、ポリペプチドを含む。ある態様において、異種部分は、アルブミンまたはその断片、アルブミン結合ポリペプチド(ABP)、XTEN、Fc、PAS、ヒト絨毛性ゴナドトロピンのβサブユニットのC末端ペプチド(CTP)またはそれらの任意の組合せを含む。
特定の態様において、サイトカインは、サイトカインとポリマーとの融合により修飾されている。ある態様において、ポリマーは、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ヒドロキシエチルデンプン(HES)またはそれらの任意の組合せを含む。本明細書に記載の“PEG”または“ポリエチレングリコール”は、水溶性ポリ(エチレンオキシド)を包含することを意味する。特記しない限り、“PEGポリマー”またはポリエチレングリコールは、任意の水溶性ポリ(エチレンオキシド)を包含することを意味する。特に明記しない限り、“PEGポリマー”またはポリエチレングリコールは、実質的に全ての(好ましくは全ての)モノマーサブユニットがエチレンオキシドサブユニットであるものであるが、ポリマーは、例えば、結合のために、別個のエンドキャッピング部分または官能基を含み得る。本発明で用いるためのPEGポリマーは、以下の2つの構造のうちの1つを含む:例えば合成変換中に、末端酸素(複数可)が置換されているかどうかに応じて、“−(CHCHO)n−n”または“−(CHCHO)n−1CHCH−”。上記のように、PEGポリマーの場合、変数(n)は約3〜4000の範囲であり、全体的なPEGの末端基および構造は様々であり得る。
ある態様において、本発明は、NSCLCに由来する腫瘍に罹患している対象を処置するための方法であって、該対象に(a)抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体、(b)抗CTLA−4抗体、および(c)CD122アゴニストを投与することを含む方法に関する。ある態様において、該方法は、対象に(a)抗PD−1抗体、(b)抗CTLA−4抗体、および(c)CD122アゴニストを投与することを含む。他の態様において、該方法は、対象に(a)抗PD−L1抗体、(b)抗CTLA−4抗体、および(c)CD122アゴニストを投与することを含む。ある態様において、CD122アゴニストは、IL−2またはその変異体を含む。ある態様において、CD122アゴニストは、野生型IL−2と比較して少なくとも1個のアミノ酸置換を有するIL−2変異体を含む。ある態様において、CD122アゴニストは、PEGに融合されたIL−2を含む。ある態様において、CD122アゴニストは、野生型IL−2と比較して少なくとも1個のアミノ酸置換を有するIL−2変異体を含み、ここで該IL−2変異体がPEGに融合されている。
併用療法
特定の態様において、抗PD−1抗体、抗PD−L1抗体および/または抗CTLA−4抗体は、治療的有効量で投与される。ある態様において、この方法は、治療的有効量の抗PD−1抗体および抗CTLA−4抗体を投与することを含む。他の態様において、この方法は、治療的有効量の抗PD−L1抗体および抗CTLA−4抗体を投与することを含む。本明細書に記載の抗PD−1抗体、抗PD−L1抗体または抗CTLA−4抗体はいずれも、本発明の方法に使用できる。特定の態様において、抗PD−1抗体は、ニボルマブを含む。ある態様において、抗PD−1抗体は、ペンブロリズマブを含む。ある態様において、抗PD−L1抗体はアテゾリズマブを含む。ある態様において、抗PD−L1抗体はデュルバルマブを含む。ある態様において、抗PD−L1抗体はアベルマブを含む。ある態様において、抗CTLA−4抗体はイピリムマブを含む。ある態様において、抗CTLA−4抗体は、イピリムマブおよびトレメリムマブを含む。
ある態様において、(a)抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体および(b)抗CTLA−4抗体はそれぞれ、約2週間毎に1回、約3週間毎に1回、約4週間毎に1回、約5週間毎に1回、または約6週間毎に1回投与される。ある態様において、抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体は、約2週間毎に1回、約3週間毎に1回、または約4週間毎に1回投与され、抗CTLA−4抗体は、約6週間毎に1回投与される。ある態様において、抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体は、抗CTLA−4抗体と同日に投与される。ある態様において、抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体は、抗CTLA−4抗体と異なる日に投与される。
ある態様において、抗CTLA−4抗体は、約2、3、4、5、6、7または8週間毎に1回、体重1kgあたり約0.1mg〜約20mgの範囲の用量で投与される。ある態様において、抗CTLA−4抗体は、体重1kgあたり、約0.1mg、約0.3mg、約0.6mg、約0.9mg、約1mg、約3mg、約6mg、約9mg、約10mg、約12mg、約15mg、約18mg、または約20mgの用量で投与される。特定の態様において、抗CTLA−4抗体は、約4週間毎に1回、体重1kgあたり約1mgの用量で投与される。ある態様において、抗CTLA−4抗体は、約6週間毎に1回、体重1kgあたり約1mgの用量で投与される。
ある態様において、抗CTLA−4抗体は、一定用量で投与される。ある態様において、抗CTLA−4抗体は、少なくとも約40mg〜少なくとも約1600mgの範囲の一定用量で投与される。ある態様において、抗CTLA−4抗体は、少なくとも約40mg、少なくとも約50mg、少なくとも約60mg、少なくとも約70mg、少なくとも約80mg、少なくとも約90mg、少なくとも約100mg、少なくとも約110mg、少なくとも約120mg、少なくとも約130mg、少なくとも約140mg、少なくとも約150mg、少なくとも約160mg、少なくとも約170mg、少なくとも約180mg、少なくとも約190mgまたは少なくとも約200mgの一定用量で投与される。ある態様において、CTLA−4抗体は、少なくとも約220mg、少なくとも約230mg、少なくとも約240mg、少なくとも約250mg、少なくとも約260mg、少なくとも約270mg、少なくとも約280mg、少なくとも約290mg、少なくとも約300mg、少なくとも約320mg、少なくとも約360mg、少なくとも約400mg、少なくとも約440mg、少なくとも約480mg、少なくとも約520mg、少なくとも約560mg、または少なくとも約600mgの一定用量で投与される。ある態様において、CTLA−4抗体は、少なくとも約640mg、少なくとも約720mg、少なくとも約800mg、少なくとも約880mg、少なくとも約960mg、少なくとも約1040mg、少なくとも約1120mg、少なくとも約1200mg、少なくとも約1280mg、少なくとも約1360mg、少なくとも約1440mg、または少なくとも約1600mgの一定用量で投与される。ある態様において、抗CTLA−4抗体は、2、3、4、5、6、7または8週間毎に少なくとも1回、一定用量で投与される。
特定の態様において、抗PD−1抗体は、約3週間毎に1回、体重1kgあたり約2mgの用量で投与され、抗CTLA−4抗体は、約6週間毎に1回、体重1kgあたり約1mgの用量で投与される。ある態様において、抗PD−1抗体は、約2週間毎に1回、体重1kgあたり約3mgの用量で投与され、抗CTLA−4抗体は、約6週間毎に1回、体重1kgあたり約1mgの用量で投与される。ある態様において、抗PD−1抗体は、約4週間毎に1回、体重1kgあたり約6mgの用量で投与され、抗CTLA−4抗体は、約6週間毎に1回、体重1kgあたり約1mgの用量で投与される。
特定の態様において、抗PD−1抗体は、約3週間毎に1回、約200mgの一定用量で投与され、抗CTLA−4抗体は、約6週間毎に1回、体重1kgあたり約1mgの用量で投与される。ある態様において、抗PD−1抗体は、約2週間毎に1回、約200mgの一定用量で投与され、抗CTLA−4抗体は、約6週間毎に1回、体重1kgあたり約1mgの用量で投与される。ある態様において、抗PD−1抗体は、約2週間毎に1回、約240mgの一定用量で投与され、抗CTLA−4抗体は、約6週間毎に1回、体重1kgあたり約1mgの用量で投与される。ある態様において、抗PD−1抗体は、約4週間毎に1回、480mgの一定用量で投与され、抗CTLA−4抗体は、約6週間毎に1回、体重1kgあたり約1mgの用量で投与される。
特定の態様において、抗PD−1抗体は、約3週間毎に1回、約200mgの一定用量で投与され、抗CTLA−4抗体は、約6週間毎に1回、約80mgの一定用量で投与される。ある態様において、抗PD−1抗体は、約2週間毎に1回、約200mgの一定用量で投与され、抗CTLA−4抗体は、約6週間毎に1回、約80mgの一定用量で投与される。ある態様において、抗PD−1抗体は、約2週間毎に1回、240mgの一定用量で投与され、抗CTLA−4抗体は、約6週間毎に1回、約80mgの一定用量で投与される。ある態様において、抗PD−1抗体は、約4週間毎に1回、約480mgの一定用量で投与され、抗CTLA−4抗体は、約6週間毎に1回、約80mgの一定用量で投与される。
特定の態様において、抗PD−L1抗体は、約2週間毎に1回、体重1kgあたり約10mgの用量で投与され、抗CTLA−4抗体は、約6週間毎に1回、体重1kgあたり約1mgの用量で投与される。ある態様において、抗PD−L1抗体は、約3週間毎に1回、体重1kgあたり約15mgの用量で投与され、抗CTLA−4抗体は、約6週間毎に1回、体重1kgあたり約1mgの用量で投与される。
特定の態様において、抗PD−L1抗体は、約2週間毎に1回、約800mgの一定用量で投与され、抗CTLA−4抗体は、約6週間毎に1回、体重1kgあたり約1mgの用量で投与される。ある態様において、抗PD−L1抗体は、約3週間毎に1回、約1200mgの一定用量で投与され、抗CTLA−4抗体は、約6週間毎に1回、体重1kgあたり約1mgの用量で投与される。
特定の態様において、抗PD−L1抗体は、約2週間毎に1回、約800mgの一定用量で投与され、抗CTLA−4抗体は、約6週間毎に1回、約80mgの一定用量で投与される。ある態様において、抗PD−L1抗体は、約3週間毎に1回、約1200mgの一定用量で投与され、抗CTLA−4抗体は、約6週間毎に1回、約80mgの一定用量で投与される。
ある態様において、抗PD−1抗体、例えばニボルマブは、約3週間毎に1回、4用量を、体重1kgあたり約3mgの用量で投与され、抗CTLA−4抗体は、同日に、体重1kgあたり約1mgの用量で投与され、その後、抗PD−1抗体、例えばニボルマブは、約2週間毎に1回、240mgの一定用量か、または約4週間毎に1回、480mgの一定用量で投与される。ある態様において、抗PD−1抗体、例えばニボルマブは、約3週間毎に1回、4用量を、体重1kgあたり約1mgの用量で投与され、抗CTLA−4抗体は、同日に、体重1kgあたり約3mgの用量で投与され、その後、抗PD−1抗体、例えばニボルマブは、約2週間毎に1回、240mgの一定用量か、または約4週間毎に1回、480mgの一定用量で投与される。
NSCLC
NSCLCは、米国および世界中で、乳癌、結腸癌および前立腺癌を合わせた数を超える、癌による死亡の主要な原因である。米国において、肺および気管支の新たな症例が228,190例診断され、この疾患のために約159,480名が死亡している(Siegel et al. (2014) CA Cancer J Clin 64(1):9−29)。患者の大多数(約78%)は、進行性/再発性または転移性と診断される。肺癌から副腎への転移が一般的であり、転移患者の約33%がそのような転移を有する。NSCLC療法は、徐々に改善されたOSを示しているが、有益度はプラトーに達している(末期患者の平均OSは、ちょうど1年である)。これらの対象のほぼ全てにおいて第1選択療法(1L therapy)後に進行が起こり、5年生存率は、難治性群で僅か3.6%である。2005年から2009年の間、米国における肺癌の相対的5年生存率は、15.9%であった(NCCNガイドライン(登録商標)、バージョン3.2014−非小細胞肺癌、www.nccn.org/professionals/physician_gls/pdf/nscl.pdfで利用可能、最終アクセス2014年5月14日)。
本発明の方法は、NSCLC腫瘍を全てのステージで処置し得る。特定の態様において、腫瘍は、何れかのステージのNSCLCに由来する。NSCLCには少なくとも7つのステージがある:潜伏(隠れている)ステージ、ステージ0(癌腫が上皮内にとどまっている)、ステージI、ステージII、ステージIIIA、ステージIIIBおよびステージIV。潜伏ステージにおいて、画像診断や気管支鏡検査では癌を確認できない。ステージ0では、癌細胞が気道の内壁に見られる。
一態様において、本発明の方法は、ステージIの非扁平上皮NSCLCを処置する。ステージIのNSCLCは、ステージIAとIBに分けられる。ステージIAでは、腫瘍は肺のみにあり、3センチメートル以下である。ステージIBでは、癌はリンパ節まで転移しておらず、以下の1以上が当てはまる:1)腫瘍が3センチメートルより大きいが、5センチメートル以下である;2)癌が主気管支に拡がっており、気管が気管支に結合する場所から少なくとも2センチメートル下にある;3)癌が肺を覆う膜の最内層に拡がっている、または4)気管が気管支につながる領域で、肺の一部が虚脱または非感染性肺炎(肺の炎症)を発症している。
別の態様において、本発明の方法は、ステージIIの非扁平NSCLCを処置する。ステージIIのNSCLCはステージIIAおよびIIBに分けられる。ステージIIAにおいて、癌はリンパ節に転移しているか、していないかのどちらかである。癌がリンパ節に転移している場合、癌は胸部の腫瘍と同じ側のリンパ節にのみ拡がっており、癌のあるリンパ節は肺内もしくは気管支の近くにあり、以下の1以上が当てはまる:1)腫瘍が5センチメートル以下である;2)癌が主気管支に拡がっており、気管が気管支に結合する場所から少なくとも2センチメートル下にある;3)癌が肺を覆う膜の最内層に拡がっている、または4)気管が気管支につながる領域で、肺の一部が虚脱または非感染性肺炎(肺の炎症)を発症している。癌がリンパ節に拡がっていない場合、腫瘍はステージIIAとも見なされ、以下の1以上が当てはまる:1)腫瘍が5センチメートルより大きく、7センチメートル以下である;2)癌が主気管支に拡がっており、気管が気管支に結合する場所から少なくとも2センチメートル下にある;3)癌が肺を覆う膜の最内層に拡がっている、または4)気管が気管支につながる領域で、肺の一部が虚脱または非感染性肺炎(肺の炎症)を発症している。ステージIIBにおいて、癌はリンパ節に転移しているか、していないかのどちらかである。癌がリンパ節に拡がっている場合、癌は胸部の腫瘍と同じ側のリンパ節にのみ拡がっており、癌のあるリンパ節は肺内または気管支の近くにあり、以下が当てはまる:1)腫瘍が5センチメートルより大きく、7センチメートル以下である;2)癌が主気管支に拡がっており、気管が気管支に結合する場所から少なくとも2センチメートル下にある;3)癌が肺を覆う膜の最内層に拡がっている、または4)気管が気管支につながる領域で、肺の一部が虚脱または非感染性肺炎(肺の炎症)を発症している。癌がリンパ節に拡がっていない場合、腫瘍はステージIIBと見なされ、以下の1以上が当てはまる:1)腫瘍が7センチメートルより大きい;2)癌が主気管支(気管が気管支に結合する場所から少なくとも2センチメートル下にある)、胸壁、横隔膜または横隔膜を制御する神経に拡がっている;3)癌が心臓の周りの膜または胸壁の内側に拡がっている;4)肺全体が虚脱したか、非感染性肺炎(肺の炎症)を発症している;または5)同じ肺葉に1以上の別個の腫瘍がある。
他の態様において、本発明の方法は、ステージIIIの非扁平NSCLCを処置する。ステージIIIAは、3つのセクションに分けられる。これらの3つのセクションは、1)腫瘍の大きさ;2)腫瘍の場所;および3)(ある場合)リンパ節に癌がある、に基づく。ステージIIIAのNSCLCの第1のタイプでは、胸部の腫瘍と同じ側のリンパ節に癌が拡がっており、癌のあるリンパ節は胸骨付近または気管支が肺に入るところにある。さらに、1)腫瘍はいずれのサイズでもよく;2)肺の一部(気管が気管支と結合する部分)または肺全体がつぶれているか、または非感染性肺炎(肺の炎症)を発症している;3)同じ肺葉に1以上の別個の腫瘍がある;および4)癌が以下のいずれかに転移している:a)主気管支(気管支と気管支が結合する部分は除く)、b)胸壁(chest well)、c)横隔膜およびそれを制御する神経、d)肺の周囲の膜または胸壁を覆う膜、e)心臓の周囲の膜。ステージIIIAのNSCLCの第2のタイプでは、胸部の腫瘍と同じ側のリンパ節に癌が転移しており、癌のあるリンパ節は肺内または気管支の近くにある。さらに1)腫瘍はいずれのサイズでもよく;2)肺全体がつぶれているか、または非感染性肺炎(肺の炎症)を発症している;3)癌のある肺の小葉のいずれかに1つ以上の別個の腫瘍がある;および4)癌が以下のいずれかに転移している可能性がある:a)主気管支(気管支と気管支が結合する部分は除く)、b)胸壁(chest well)、c)横隔膜およびそれを制御する神経、d)肺の周囲の膜または胸壁を覆う膜、e)心臓または心臓につながる膜、f)心臓につながる、または心臓からつながる大血管、g)気管、h)食道、i)喉頭(発声器)を制御する神経、j)胸骨(sternum/chest bone)もしくは背骨、またはk)カリナ(carina)(気管が気管支と合流する場所)。ステージIIIAのNSCLCの第3のタイプでは、癌がリンパ節に転移しておらず、腫瘍はいずれのサイズでもよく、癌が次のいずれかに1つに転移している:a)心臓、b)心臓につながる、または心臓からつながる大血管、c)気管、d)食道、e)喉頭(発声器)を制御する神経、f)胸骨または背骨、g)カリナ(気管が気管支につながる場所)。ステージIIIBは、1)腫瘍の大きさ、2)腫瘍の場所、3)どのリンパ節に癌があるかによって2つに分けられる。ステージIIIBのNSCLCの第1のタイプでは、腫瘍とは反対側の胸部のリンパ節に癌が拡がっている。さらに、1)腫瘍はいずれのサイズでもよく;2)肺の一部(気管が気管支と結合する部分)または肺全体がつぶれたり、非感染性肺炎(肺の炎症)を発症している、3)癌のある肺の小葉のいずれかに1以上の別個の腫瘍がある、および4)癌が以下のいずれかに転移している:a)主気管支、b)胸壁、c)横隔膜とそれを制御する神経、d)肺の周囲の膜または胸壁を覆う膜、e)心臓またはその周囲の膜、f)心臓につながる、または心臓からつながる大血管、g)気管、h)食道、i)喉頭(発声器)を制御する神経、j)胸骨または背骨、またはk)カリナ(気管が気管支と合流する場所)。ステージIIIBのNSCLCの第2のタイプでは、腫瘍と同じ胸部側のリンパ節に癌が転移している。癌のあるリンパ節は、胸骨の近くまたは気管支が肺に入るところにあります。さらに、1)腫瘍はいずれの大きさでもよく、2)同じ肺の異なる肺葉に別個の腫瘍がある、3)癌が以下のいずれかに転移している:a)心臓、b)心臓につながる、または心臓からつながる大血管、c)気管、d)食道、e)喉頭(発声器)を制御する神経、f)胸骨もしくは背骨、またはg)カリナ(気管が気管支と合流する場所)。
ある態様において、本発明の方法は、ステージIVの非扁平NSCLCを処置する。ステージIVのNSCLCでは、腫瘍はいずれの大きさでもよく、癌はリンパ節に転移している。ステージIVのNSCLCでは、以下の1以上が当てはまる:1)両肺に1以上の腫瘍が存在する;2)癌が肺または心臓の周囲の体液中に存在する;および、3)癌が、脳、肝臓、副腎、腎臓または骨などの身体の他の部分に転移している。
ある態様において、対象は、一度も喫煙したことがない。特定の態様において、対象は以前に喫煙したことがある。一態様において、対象は現在喫煙している。特定の態様において、対象は扁平上皮癌細胞を有する。特定の態様において、対象は、非扁平上皮癌細胞を有する。
肺癌の標準療法
本発明の特定の面において、対象は、NSCLCに由来する腫瘍の処置のための少なくとも1つの先行療法を受けている。少なくとも1つの先行療法は、NSCLCまたはそれに由来する腫瘍の処置のための当技術分野で知られている任意の治療であり得る。特に、少なくとも1つの先行療法は、NSCLCの処置のための標準治療であり得る。
種々のタイプの癌の標準療法が、当業者によく知られている。例えば、米国の21の主要な癌センターの連合である全米総合癌センターネットワーク(NCCN)は、種々の癌の標準療法の詳細な最新情報を提供するNCCN腫瘍学臨床診療ガイドライン(NCCNガイドライン(登録商標))を発行している(NCCNガイドライン(登録商標)(2014)を参照のこと:www.nccn.org/professionals/physician_gls/f_guidelines.aspで入手可能、最終アクセス2014年5月14日)。
外科手術、放射線療法(RT)および化学療法は、NSCLC患者を処置するために一般的に用いられる3つの療法である。クラスとして、NSCLCは、小細胞癌腫と比べて、化学療法およびRTに対して比較的非感受性である。一般的に、ステージIまたはIIの疾患の患者では、外科的切除が治癒の最良の機会を提供し、術前および術後の両方で化学療法の使用が増加している。RTはまた、切除可能なNSCLCを有する患者のための補助療法、第一次局所療法として、または難治性NSCLC患者の緩和療法としても使用できる。
良好なパフォーマンスステータス(PS)を有するステージIV疾患患者は、化学療法の利益を受ける。白金製剤(例えば、シスプラチン、カルボプラチン)、タキサン剤(例えば、パクリタキセル、アルブミン結合パクリタキセル、ドセタキセル)、ビノレルビン、ビンブラスチン、エトポシド、ペメトレキセドおよびゲムシタビンを含む多くの薬物が、ステージIVのNSCLCに有用である。これらの薬物の多くを用いる組合せは、30%から40%の1年生存率をもたらし、単一薬物よりも優れている。進行した肺癌の処置のための特定の標的化療法もまた開発されている。例えば、ベバシズマブ(AVASTIN(登録商標))は、血管内皮細胞増殖因子A(VEGF−A)を阻害するmAbである。エルロチニブ(TARCEVA(登録商標))は、上皮細胞増殖因子受容体(EGFR)の小分子TKIである。クリゾチニブ(Crizotinib)(XALKORI(登録商標))は、ALKおよびMETを標的とする小分子TKIであり、変異したALK融合遺伝子を担持する患者においてNSCLCを処置するために用いられる。セツキシマブ(ERBITUX(登録商標))は、EGFRを標的とするmAbである。
第1選択(1L)療法後の治療選択肢が少ないため、扁平細胞NSCLC(全NSCLCの25%までを占める)を有する患者には、特に満たされていないニーズがある。白金製剤をベースにした併用療法(Pt−doublet)での進行後の、単剤化学療法が標準療法であり、その結果、OS中央値は約7ヶ月となる。ドセタキセルは、未だこの治療法のベンチマーク治療薬であるが、エルロチニブもまた、低頻度で使用可能である。ペメトレキセドもまた、臨床的に同等の有効性結果をもたらし、進行性NSCLC患者の第2選択(2L)療法において、ドセタキセルと比較して副作用が有意に少ないことが示されている(Hanna et al., J Clin Oncol 22:1589−97)。現在のところ、第3選択(3L)療法以降の肺癌での使用が承認されている治療剤はない。ペメトレキセドおよびベバシズマブは、扁平NSCLCでは承認されておらず、分子標的療法は適用が限られている。OncothyreonおよびMerck KgaAのSTIMUVAX(登録商標)が第3相治験でOSを改善できなかったこと、ArQuleおよび第一三共株式会社のc−Metキナーゼ阻害剤であるチバンチニブ(tivantinib)の生存エンドポイントの達成不可能、Eli LillyのALIMTA(登録商標)とRocheのAVASTIN(登録商標)の組合せ剤が末期(late−stage)治験においてOSを改善できなかったこと、ならびにAmgenおよび武田薬品が、末期治験において、小分子VEGF−Rアンタゴニストであるモテサニブにより臨床エンドポイントの達成ができなかったことによる、最近の開発不成功により、進行した肺癌における満たされないニーズが形成されている。
特定の態様において、少なくとも1つの先行療法は、NSCLCまたはそれに由来する腫瘍の処置のための標準治療を含む。ある態様において、少なくとも1つの先行療法は、外科手術、放射線療法、化学療法、免疫療法またはそれらの任意の組合せを含む。ある態様において、少なくとも1つの先行療法は化学療法を含む。ある態様において、少なくとも1つの先行療法は、白金剤(例えば、シスプラチン、カルボプラチン)、タキサン剤(例えば、パクリタキセル、アルブミン結合パクリタキセル、ドセタキセル)、ビノレルビン、ビンブラスチン、エトポシド、ペメトレキセド、ゲムシタビン、ベバシズマブ(AVASTIN(登録商標))、エルロチニブ(TARCEVA(登録商標))、クリゾチニブ(XALKORI(登録商標))、セツキシマブ(ERBITUX(登録商標))およびそれらの任意の組合せからなる群より選択される抗癌剤の投与を含む治療から選択される。特定の態様において、少なくとも1つの先行療法は、白金併用化学療法(platinum-based doublet chemotherapy)を含む。
ある態様において、対象は、少なくとも1つの先行療法後に疾患の進行を経験している。特定の態様において、対象は、少なくとも2つの先行療法、少なくとも3つの先行療法、少なくとも4つの先行療法、または少なくとも5つの先行療法を受けている。特定の態様において、対象は、少なくとも2つの先行療法を受けている。一態様において、対象は、少なくとも2つの先行療法を受けた後に疾患の進行を経験している。特定の態様において、少なくとも2つの先行療法は、第1の先行療法および第2の先行療法を含み、ここで、対象は、第1の先行療法および/または第2の先行療法の後に疾患の進行を経験しており、ここで、第1の先行療法は、外科手術、放射線療法、化学療法、免疫療法またはそれらの任意の組み合わせを含み;そして、第2の先行療法は、外科手術、放射線療法、化学療法、免疫療法またはそれらの任意の組み合わせを含む。ある態様において、第1の先行療法は、白金併用化学療法を含み、第2の先行療法は、単剤化学療法を含む。特定の態様において、単剤化学療法はドセタキセルを含む。
本発明のある面において、本発明の方法は、追加の抗癌療法を投与することをさらに含む。追加の抗癌療法は、本明細書に記載のように、NSCLCまたはそれに由来する腫瘍の処置のための当技術分野で知られている何らかの治療および/または任意の標準治療を含み得る。ある態様において、追加の抗癌療法は、外科手術、放射線療法、化学療法、免疫療法またはそれらの任意の組み合わせを含む。ある態様において、追加の抗癌療法は、本明細書に記載の任意の化学療法を含む化学療法を含む。ある態様において、追加の抗癌療法は、免疫療法を含む。ある態様において、追加の抗癌療法は、LAG3、TIGIT、TIM3、NKG2a、OX40、ICOS、MICA、CD137、KIR、TGFβ、IL−10、IL−8、B7−H4、Fasリガンド、CXCR4、メソセリン、CD27、GITR、またはそれらの何れかの組合せに特異的に結合する抗体またはその抗原結合部分の投与を含む。
抗LAG−3抗体
本発明の特定の面は、高いTMB状態を有する腫瘍に罹患している対象を処置するための方法であって、該対象に免疫療法剤を投与することを含む方法に関し、ここで、免疫療法剤は抗LAG−3抗体またはその抗原結合部分を含む。該方法は、対象から得られた生物学的サンプルのTMB状態を測定することをさらに含んでいてよい。さらに、本発明は、例えば、高TMBの測定に基づいて、抗LAG−3抗体またはその抗原結合部分を、そのような治療に適していると同定された対象に投与することを企図する。
本明細書に記載の抗LAG−3抗体は、ヒトLAG−3に結合する。LAG−3に結合する抗体は、国際公開第WO/2015/042246ならびに米国特許公開第2014/0093511号および同第2011/0150892号に記載されている。本発明において有用な例示的LAG−3抗体は、25F7(米国公開第2011/0150892号に記載)である。本発明において有用なさらなる例示的LAG−3抗体は、BMS−986016である。一態様において、組成物に有用な抗LAG−3抗体は、25F7またはBMS−986016と交差競合する。別の態様では、組成物に有用な抗LAG−3抗体は、25F7またはBMS−986016と同じエピトープに結合する。他の態様において、抗LAG−3抗体は、25F7またはBMS−986016の6つのCDRを含む。
抗CD137抗体
本発明の特定の面は、高いTMB状態を有する腫瘍に罹患している対象を処置するための方法であって、該対象に免疫療法剤を投与することを含む方法に関し、ここで、免疫療法剤は抗CD137抗体またはその抗原結合部分を含む。該方法は、対象から得られた生物学的サンプルのTMB状態を測定することをさらに含んでいてよい。さらに、本発明は、例えば、高TMBの測定に基づいて、抗CD137抗体またはその抗原結合部分を、そのような治療に適していると同定された対象に投与することを企図する。
抗CD137抗体は、CD137を発現する免疫細胞に特異的に結合して活性化し、腫瘍細胞に対する免疫応答、特に細胞傷害性T細胞応答を刺激する。CD137に結合する抗体は、米国特許公開第2005/0095244号および米国特許第7,288,638号、同第6,887,673号、同第7,214,493号、同第6,303,121号、同第6,569,997号、同第6,905,685号、同第6,355,476号、同第6,362,325号、同第6,974,863号および同第6,210,669号に記載されている。
ある態様において、抗CD137抗体は、米国特許第7,288,638号(20H4.9-IgG4[10C7またはBMS-663513])に記載のウレルマブ(BMS-663513)である。第7,288,638号(20H4.9-IgG4[10C7またはBMS-663513])に記載されている。ある態様において、抗CD137抗体は、米国特許第7,288,638号に記載のBMS−663031(20H4.9-IgG1)である。ある態様において、抗CD137抗体は、米国特許第6,887,673号に記載の4E9またはBMS−554271である。ある態様において、抗CD137抗体は、米国特許第7,214,493号;同第6,303,121号;同第6,569,997号;同第6,905,685号;または同第6,355,476号に記載の抗体である。ある態様において、抗CD137抗体は、米国特許第6,362,325号に記載の、1D8またはBMS-469492;3H3またはBMS-469497;または、3E1である。ある態様において、抗CD137抗体は、米国特許第
号に記載の抗体(例えば、53A2)である。ある態様において、抗CD137抗体は、米国特許第6,210,669号に記載の抗体(例えば、1D8、3B8または3E1)である。ある態様において、抗体は、ファイザー社のPF−05082566(PF-2566)である。他の態様において、本発明に有用な抗CD137抗体は、本明細書に記載の抗CD137抗体と交差競合する。ある態様において、抗CD137抗体は、本明細書に記載の抗CD137抗体と同じエピトープに結合する。他の愛用において、本発明において有用な抗CD137抗体は、本明細書に記載の抗CD137抗体の6つのCDRを含む。
抗KIR抗体
本発明の特定の面は、高いTMB状態を有する腫瘍に罹患している対象を処置するための方法であって、該対象に免疫療法剤を投与することを含む方法に関し、ここで、該免疫療法剤は抗KIR抗体またはその抗原結合部分を含む。この方法は、対象から得られた生物学的サンプルのTMB状態を測定することをさらに含む。さらに、本発明は、例えば、高TMBの測定に基づいて、抗KIR抗体またはその抗原結合部分を、そのような治療に適していると同定された対象に投与することを企図する。
KIRに特異的に結合する抗体は、NK細胞上のキラー細胞免疫グロブリン様受容体(KIR)とそれらのリガンドとの間の相互作用を阻止す。これらの受容体を阻止することは、NK細胞の活性化を促進し、潜在的には後者による腫瘍細胞の破壊を促進する。抗KIR抗体の例は、国際公開第WO2014/055648、WO2005/00316、WO2005/009465、WO2006/072625、WO2006/072626、WO2007/042573、WO2008/084106、WO2010/065939、WO2012/071411およびWO/2012/160448に記載されている。
本発明において有用な1つの抗KIR抗体は、最初に国際公開WO2008/084106に記載されたリリルマブ(BMS-986015、IPH2102または1−7F9のS241Pバリアントとも呼ばれる)である。本発明において有用なさらなる抗KIR抗体は、最初に国際公開WO2006/003179に記載された、1−7F9(IPH2101とも呼ばれる)である。一態様において、本発明の組成物のための抗KIR抗体は、リリルマブまたはI−7F9とKIRへの結合について交差競合する。別の態様において、抗KIR抗体は、リルルマブまたはI−7F9と同じエピトープに結合する。他の態様において、抗KIR抗体は、リルルマブまたはI−7F9の6つのCDRを含む。
抗GITR抗体
本発明の特定の面は、高いTMB状態を有する腫瘍に罹患している対象を処置するための方法であって、該対象に免疫療法剤を投与することを含む方法に関し、ここで、該免疫療法剤は抗GITR抗体またはその抗原結合部分を含む。この方法は、対象から得られた生物学的サンプルのTMB状態を測定することをさらに含む。さらに、本発明は、例えば、高TMBの測定に基づいて、抗GITR抗体またはその抗原結合部分を、そのような治療に適していると同定された対象に投与することを企図する。
抗GITR抗体は、ヒトGITR標的に特異的に結合し、グルココルチコイド誘発性腫瘍壊死因子受容体(GITR)を活性化する任意の抗GITR抗体であり得る。GITRは、制御性T細胞、エフェクターT細胞、B細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞および活性化樹状細胞を含む複数のタイプの免疫細胞の表面上に発現するTNF受容体スーパーファミリーのメンバーである(“抗GITRアゴニスト抗体”)。具体的には、GITRの活性化は、エフェクターT細胞の増殖および機能を増強させ、ならびに活性化したT調節細胞による抑制を無効にする。加えて、GITRの活性化は、NK細胞、抗原提示細胞およびB細胞などの他の免疫細胞の活性を高めることにより、抗腫瘍免疫を促進する。抗GITR抗体の例は、国際公開第WO/2015/031667号、第WO/2015/184,099号、第WO/2015/026,684号、第WO11/028683号および第WO/2006/105021号、米国特許第7,812,135号および第8,388,967号、ならびに米国公開公報第2009/0136494号、同第2014/0220002号、同第2013/0183321号および同第2014/0348841号に記載されている。
一態様において、本発明において有用な抗GITR抗体は、TRX518(例えば、Schaer et al. Curr Opin Immunol. (2012) Apr; 24(2): 217−224、およびWO/2006/105021に記載)である。別の態様において、抗GITR抗体は、MK4166、MK1248ならびにWO11/028683およびU.S. 8,709,424に記載の抗体、例えば、配列番号104を含むVH鎖および配列番号105を含むVL鎖を含む抗体から選択される(ここで、配列番号はWO11/028683またはU.S. 8,709,424のものである)。特定の態様において、抗GITR抗体は、WO2015/031667に記載の抗GITR抗体、例えば、それぞれWO2015/031667の配列番号31、71および63を含むVH CDR 1−3およびそれぞれWO2015/031667の配列番号5、14および30を含むVL CDR 1−3を含む抗体である。特定の態様において、抗GITR抗体は、WO2015/184099に記載の抗GITR抗体、例えば、抗体Hum231♯1もしくはHum231♯2、またはそれらのCDR、またはそれらの誘導体(例えば、pab1967、pab1975またはpab1979)である。特定の態様において、抗GITR抗体は、JP2008278814、WO09/009116、WO2013/039954、US20140072566、US20140072565、US20140065152またはWO2015/026684に記載の抗GITR抗体であるか、またはINBRX−110(INHIBRx)、LKZ−145(Novartis)またはMEDI−1873(MedImmune)である。特定の態様において、抗GITR抗体は、PCT/US2015/033991に記載の抗GITR抗体(例えば、28F3、18E10または19D3の可変領域を含む抗体)である。例えば、抗GITR抗体は、以下のVH鎖、VL鎖またはそれらのCDRを含む抗体であり得る:
VH: QVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFSSYGMHWVRQAPGKGLEWVAVIWYEGSNKYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARGGSMVRGDYYYGMDVWGQGTTVTVS (配列番号1)、および
VL:
AIQLTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQGISSALAWYQQKPGKAPKLLIYDASSLESGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQFNSYPYTFGQGTKLEIK (配列番号2); または
VH:
QVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFSSYGFHWVRQAPGKGLEWVAVIWYAGSNKFYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARGGQLDYYYYYVMDVWGQGTTVTVSS (配列番号3)、および
VL:
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQGISSWLAWYQQKPEKAPKSLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQYNSYPYTFGQGTKLEIK (配列番号4); または
VH:
VQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFSSYGMHWVRQAPGKGLEWVAVIWYAGSNKYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARGGRIAVAFYYSMDVWGQGTTVTVSS (配列番号5)、および
VL:
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQGISSWLAWYQQKPEKAPKSLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQYNSYPYTFGQGTKLEIK (配列番号6)。
特定の態様において、上記VHおよびVL鎖の対、またはそれらのCDRを含む抗体は、野生型または変異型のいずれかの、例えば、エフェクターレスであるIgG1アイソタイプの重鎖定常領域を含む。一態様において、抗GITR抗体は、以下の重鎖および軽鎖アミノ酸配列を含む:
重鎖:
QVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFSSYGMHWVRQAPGKGLEWVAVIWYEGSNKYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARGGSMVRGDYYYGMDVWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSNFGTQTYTCNVDHKPSNTKVDKTVERKCCVECPPCPAPPVAGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTFRVVSVLTVVHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPAPIEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPMLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG (配列番号7)、および
軽鎖:
AIQLTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQGISSALAWYQQKPGKAPKLLIYDASSLESGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQFNSYPYTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC (配列番号8)、または
重鎖:
qvqlvesgggvvqpgrslrlscaasgftfssygmhwvrqapgkglewvaviwyegsnkyyadsvkgrftisrdnskntlylqmnslraedtavyycarggsmvrgdyyygmdvwgqgttvtvssastkgpsvfplapsskstsggtaalgclvkdyfpepvtvswnsgaltsgvhtfpavlqssglyslssvvtvpssslgtqtyicnvnhkpsntkvdkrvepkscdkthtcppcpapeaegapsvflfppkpkdtlmisrtpevtcvvvdvshedpevkfnwyvdgvevhnaktkpreeqynstyrvvsvltvlhqdwlngkeykckvsnkalpssiektiskakgqprepqvytlppsreemtknqvsltclvkgfypsdiavewesngqpennykttppvldsdgsfflyskltvdksrwqqgnvfscsvmhealhnhytqkslslspg (配列番号9)、および
軽鎖:
AIQLTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQGISSALAWYQQKPGKAPKLLIYDASSLESGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQFNSYPYTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC (配列番号10)。
特定の態様において、抗GITR抗体は、本明細書に記載の抗GITR抗体、例えば、TRX518、MK4166または本明細書に記載のVHドメインおよびVLドメインのアミノ酸配列を含む抗体と交差競合する。ある態様において、抗GITR抗体は、本明細書に記載の抗GITR抗体、例えば、TRX518、MK4166、または本明細書に記載のVHドメインおよびVLドメインのアミノ酸配列を含む抗体と同じエピトープに結合する。特定の態様において、抗GITR抗体は、TRX518、MK4166の6つのCDR、または本明細書に記載のVHドメインおよびVLドメインのアミノ酸配列を含む抗体の6つのCDRを含む。
さらなる抗体
ある態様において、免疫療法は、抗TGFβ抗体を含む。特定の態様において、抗TGFβ抗体は、国際公開第WO/2009/073533に記載の抗TGFβ抗体である。
ある態様において、免疫療法は、抗IL−10抗体を含む。特定の態様において、抗IL−10抗体は、国際公開第WO/2009/073533に記載の抗IL−10抗体である。
いくつかの他の態様において、免疫療法は、抗B7−H4抗体を含む。特定の態様において、抗B7−H4抗体は、国際公開第WO/2009/073533に記載の抗B7−H4抗体である。
特定の態様において、免疫療法は、抗Fasリガンド抗体を含む。特定の態様において、抗Fasリガンド抗体は、国際公開第WO/2009/073533に記載の抗Fasリガンド抗体である。
ある態様において、免疫療法は、抗CXCR4抗体を含む。特定の態様において、抗CXCR4抗体は、国際公開第2014/0322208に記載の抗CXCR4抗体である(例えば、ウロクプルマブ (BMS-936564))。
ある態様において、免疫療法は、抗メソセリン抗体を含む。特定の態様において、抗メソセリン抗体は、米国特許第8,399,623号に記載の抗メソセリン抗体である。
ある態様において、免疫療法は、抗HER2抗体を含む。特定の態様において、抗HER2抗体は、ハーセプチン(米国特許第5,821,337号)、トラスツマブまたはado−トラスツマブ・エムタンシン(Kadcyla、例えば、WO/2001/000244)である。
ある態様において、免疫療法は、抗CD27抗体を含む。ある態様において、抗CD−27抗体は、米国特許第9,169,325号に記載されているように、ヒトCD27に対するアゴニストであるヒトIgG1抗体であるバルリルマブ(Varlilumab)(“CDX-1127”および“1F5”としても公知)である。
ある態様において、免疫療法は、抗CD73抗体を含む。特定の態様において、抗CD73抗体は、CD73.4.IgG2C219S.IgG1.1fである。
ある態様において、免疫療法は、抗MICA抗体を含む。本明細書で用いる、抗MICA抗体は、MHCクラスIポリペプチド関連配列Aに特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片である。ある態様において、抗MICA抗体は、MICAに加えてMICBに結合する。ある態様において、抗MICA抗体は、膜結合したMICAの切断および可溶性MICAの放出を阻害する。特定の態様において、抗MICA抗体は、米国特許公開第2014/004112 A1、同第2016/046716 A1、または同第2017/022275 A1に記載の抗MICA抗体である。
ある態様において、免疫療法は、抗TIM3抗体を含む。本明細書で用いる、抗TIM3抗体は、A型肝炎ウイルス細胞受容体2(HAVCR2)としても知られる、T細胞免疫グロブリンおよびムチンドメイン含有−3(TIM3)に特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片である。ある態様において、抗TIM3抗体は、免疫応答、例えば、抗原特異的T細胞応答を刺激することができる。ある態様において、抗TIM3抗体は、可溶性または膜結合ヒトまたはカニクイザルTIM3に結合する。特定の態様において、抗TIM3抗体は、国際公開第WO/2018/013818に記載の抗TIM3抗体であり、これは引用によりその内容全体を本明細書中に包含させる。
特定の態様において、さらなる抗癌療法は、抗PD−1抗体(または抗PD−L1抗体)および抗CTLA−4抗体の投与と同時に、または投与後に、または投与と同時および投与後に投与される。ある態様において、さらなる抗癌療法は、抗PD−1抗体(または抗PD−L1抗体)および抗CTLA−4抗体の投与と同時に投与される。ある態様において、さらなる抗癌療法は、抗PD−1抗体(または抗PD−L1抗体)および抗CTLA−4抗体の投与後に投与される。ある態様において、さらなる抗癌療法は、抗PD−1抗体(または抗PD−L1抗体)および抗CTLA−4抗体の投与と同時および投与後に投与される。他の態様において、さらなる抗癌療法は、抗PD−1抗体(または抗PD−L1抗体)と抗CTLA−4抗体との間に投与される。特定の態様において、さらなる抗癌療法剤、抗PD−1抗体(または抗PD−L1抗体)および/または抗CTLA−4抗体は、単一製剤に組み合わされる。他の態様において、さらなる抗癌療法剤、抗PD−1抗体(または抗PD−L1抗体)および/または抗CTLA−4抗体は、別個の製剤である。
医薬組成物および投与量
本発明の治療剤は、組成物、例えば、抗体および/またはサイトカインおよび薬学的に許容される担体を含む医薬組成物に構成され得る。本明細書で用いる“薬学的に許容される担体”には、生理学的に適合する任意のおよび全ての溶媒、分散媒、コーティング剤、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤などが含まれる。好ましくは、抗体を含む組成物のための担体は、静脈内、筋肉内、皮下、非経腸、脊髄または上皮投与(例えば、注射または点滴による投与)に適するが、一方、抗体および/またはサイトカインを含む組成物のための担体は、非経腸投与、例えば経口投与に適する。ある態様において、皮下注射は、Halozyme Therapeutics社のENHANZE(登録商標)薬物送達技術(引用によりその内容全体を本明細書に包含させる米国特許第7,767,429号を参照のこと)に基づく。ENHANZE(登録商標)は、組換えヒトヒアルロニダーゼ酵素(rHuPH20)との抗体の共製剤を用い、これは、細胞外マトリックスにより皮下に送達され得る生物学的製剤および薬剤の量に関する従来の制限を取り除く(米国特許第7,767,429号を参照のこと)。本発明の医薬組成物は、1以上の薬学的に許容される塩、抗酸化剤、水性および非水性担体、ならびに/または防腐剤、湿潤剤、乳化剤および分散剤などのアジュバントを含み得る。従って、ある態様において、本発明の医薬組成物は、組換えヒトヒアルロニダーゼ酵素、例えばrHuPH20をさらに含み得る。
ある態様において、抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体は、単一組成物中の抗CTLA−4抗体と共に一定用量で投与される。いくつかの実施形態では、抗PD−1抗体は、抗CTLA−4抗体と共に一定用量で投与される。ある態様において、抗PD−L1抗体は、単一組成物中の抗CTLA−4抗体と共に一定用量で投与される。ある態様において、抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体と抗CTLA−4抗体との比は、少なくとも約1:1、約1:2、約1:3、約1:4、約1:5、約1:6、約1:7、約1:8、約1:9、約1:10、約1:15、約1:20、約1:30、約1:40、約1:50、約1:60、約1:70、約1:80、約1:90、約1:100、約1:120、約1:140、約1:160、約1:180、約1:200、約200:1、約180:1、約160:1、約140:1、約120:1、約100:1、約90:1、約80:1、約70:1、約60:1、約50:1、約40:1、約30:1、約20:1、約15:1、約10:1、約9:1、約8:1、約7:1、約6:1、約5:1、約4:1、約3:1または約2:1(mg)である。
ニボルマブ単剤療法では、2週間毎に最高10mg/kgのニボルマブ単剤療法が、最大耐容量(MTD)に達することなく達成されたが、チェックポイント阻害剤と抗血管形成療法剤の他の治験で報告された顕著な毒性(例えば、Johnson et al., 2013;Rini et al., 2011参照)は、10mg/kg以下のニボルマブ用量の選択を支持する。
臨床的利益が観察されている限り、許容されない毒性または疾患の進行が生じるまで、処置は継続される。それにもかかわらず、特定の態様において、投与される抗PD−1抗体、抗PD−L1抗体および/または抗CTLA−4抗体の投与量は、承認された投与量よりも顕著に低い、すなわち、該薬物の治療投与量以下である。抗PD−1抗体、抗PD−L1抗体および/または抗CTLA−4抗体は、臨床治験において単剤療法剤として最高の有効性を生じる投与量で、例えば3週間毎に1回投与される約3mg/kgのニボルマブを投与され得る(Topalian et al., 2012a;Topalian et al., 2012)か、または顕著に低い用量で、すなわち、治療量以下で投与され得る。
投与量および投与頻度は、対象における抗体の半減期によって変わる。一般的に、ヒト抗体は、最も長い半減期を示し、次いでヒト化抗体、キメラ抗体および非ヒト抗体の順である。投与量および投与頻度は、処置が予防であるか、または治療であるかによって変わる。予防適用において、比較的低い投与量が、一般的に、比較的長い間隔で長期間に亘って投与される。ある患者は、余命のために治療を受け続ける。治療適用においては、疾患の進行が低下または停止するまで、または好ましくは患者が疾患症状の部分的もしくは完全な改善を示すまで、比較的短い間隔で比較的高投与量が必要とされることが多い。その後、患者は予防レジメンを投与され得る。
本発明の医薬組成物中の活性成分の実際の投与量レベルは、患者に過度に有毒ではなく、特定の患者、組成物および投与方法について所望の治療応答を達成するのに有効な量の活性成分が得られるように変えることができる。選択された投与量レベルは、用いられる本発明の特定の組成物の活性、投与経路、投与間隔(time of administration)、用いられる特定の化合物の排出速度、処置の期間、用いられる特定の組成物と組み合わせて用いられる他の薬物、化合物および/または物質、処置される患者の年齢、性別、体重、状態、全般的な健康状態および以前の病歴、ならびに医学分野において周知の因子などによって変わり得る。本発明の組成物は、当技術分野で周知の種々の方法のうちの1以上を用いて、1以上の投与経路によって投与され得る。当業者には理解され得るように、投与経路および/または方法は、所望の結果によって変わり得る。
キット
治療用途のための(a)抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体および(b)抗CLTA−4抗体を含むキットもまた、本発明の範囲内である。キットは、一般的に、キットの内容物の意図された使用を示すラベルおよび使用説明書を含む。ラベルという用語には、キットに添付されているまたは含まれる、あるいはそれ以外の方法でキットに包含される、文書または記録された資料が含まれる。従って、本発明は、NSCLCに由来する腫瘍に罹患している対象の処置のためのキットを提供し、該キットには、(a)体重1kg当たり0.1〜10mgの範囲の投与量の抗PD−1抗体または体重1kg当たり0.1〜20mgの範囲の投与量の抗PD−L1抗体;(b)体重1kg当たり0.1〜10mgの範囲の投与量の抗CTLA−4抗体;(c)本明細書に記載の方法における、(a)抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体および(b)抗CTLA−4抗体の使用のための指示書、が含まれる。ある態様において、本発明は、NSCLCに由来する腫瘍に罹患している対象を処置するためのキットを提供し、該キットには、(a)200mg〜800mgの投与量範囲の抗PD−1抗体または200mg〜1800mgの投与量範囲の抗PD−L1抗体;(b)10mg〜800mgの投与量範囲の抗CTLA−4抗体;(c)本明細書に記載の方法における、(a)抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体および(b)抗CTLA−4抗体の使用のための指示書、が含まれる。
ヒト患者を処置するための特定の好ましい態様において、キットは、本明細書に記載の抗ヒトPD−1抗体、例えばニボルマブまたはペムブロリズマブを含む。ヒト患者を処置するための特定の好ましい態様において、キットは、本明細書に記載の抗ヒトPD−L1抗体、例えば、アテゾリズマブ、デュルバルマブまたはアベルマブを含む。ヒト患者を処置するための特定の好ましい態様において、キットは、本明細書に記載の抗ヒトCTLA−4抗体、例えば、イピリムマブ、トレメリムマブ、MK−1308またはAGEN−1884を含む。
ある態様において、キットは、サイトカインまたはその変異体をさらに含む。特定の態様において、キットは、(a)抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体、(b)抗CTLA−4抗体、および(c)CD122アゴニストを含む。
ある態様において、キットは、本明細書に記載の包括的なゲノムプロファイリングアッセイをさらに含む。ある態様において、キットは、FOUNDATIONONE(登録商標) CDX(商標)ゲノムプロファイリングアッセイをさらに含む。ある態様において、キットは、本明細書に記載の方法に従い、高TMB状態、例えば検査されたゲノムの1メガベースあたり少なくとも約10個の変異の高TMB状態を有すると同定された対象に(a)抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体および(b)抗CTLA−4抗体を投与する指示書をさらに含む。他の態様において、キットは、本明細書に記載の方法に従い、高TMB状態、例えば検査されたゲノムの1メガベースあたり少なくとも約10個の変異の高TMB状態を有すると同定された対象に(a)抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体、(b)抗CTLA−4抗体および(c)サイトカイン、例えば、CD122アゴニストを投与する指示書をさらに含む。
上記で引用されたすべての文献、ならびに本明細書で引用されたすべての文献は、引用によりその内容全体を本明細書に包含させる。
以下の実施例は、本発明の説明のために提供され、限定するものと解されるべきではない。
実施例
実施例1:非小細胞肺癌の高腫瘍変異負荷におけるニボルマブ+イピリムマブの併用
ニボルマブ+イピリムマブは、第1相NSCLC治験において有望な有効性を示し、腫瘍遺伝子変異量(TMB)が可能性のある有益なバイオマーカーとして浮上している。本治験は、バイオマーカーで選択されたNSCLC集団における、第1選択薬(first-line)ニボルマブおよびニボルマブをベースとした併用剤の非盲検マルチパートの第3相臨床治験である。本発明者らは、高TMB(1メガベース当たり10個以上の変異)の患者における、ニボルマブ+イピリムマブ併用療法と化学療法との無増悪生存期間(PFS)の主要(co-primary)エンドポイントに関するパート1の結果を報告する。本治験は、PD−L1選択患者における全生存期間の主要エンドポイントについても継続される。
患者は、化学療法を受けていないか、ステージIVか、または再発NSCLCであった。腫瘍PD−L1発現が1%以上の患者は、ニボルマブ+イピリムマブ、ニボルマブ、または化学療法に、1:1:1の割合で無作為化された。腫瘍PD−L1発現率が1%未満の患者は、ニボルマブ+イピリムマブ、ニボルマブ+化学療法、または化学療法に、1:1:1の割合で無作為化された。TMBはFOUNDATIONONE(登録商標) CDX(商標)を用いて測定した。
高TMB(1メガベース当たり10個以上の変異)の患者のPFSは、化学療法と比較してニボルマブ+イピリムマブで有意に長かった(HR、0.58;97.5%CI、0.41〜0.81;P=0.0002);1年PFS率は、それぞれ43%と13%、PFS中央値(95%CI)は、それぞれ7.2カ月(5.5〜13.2月)と5.5カ月(4.4〜5.8月)であった。奏効率はそれぞれ45.3%、26.9%であった。化学療法に対するニボルマブ+イピリムマブの有益性は、PD−L1発現率が1%以上および1%未満のサブグループを含むサブグループ内でほぼ一致していた。グレード3から4の治療関連有害事象発生率はそれぞれ31%と36%であった。
PD−L1発現の有無にかかわらず、TMB≧10変異/Mbを有するNSCLCにおいて、化学療法と比較して第一のニボルマブ+イピリムマブ併用で、PFSは有意に改善した。この結果は、NSCLCにおけるニボルマブ+イピリムマブの有用性、および患者選択のためのバイオマーカーとしてのTMBの役割を検証するものである。
患者の選択
登録前6月以内に得られた新鮮なまたは保存された(archival)腫瘍バイオプシー標本(患者が何らかの全身抗がん療法を受けていない場合)を、抗PD−L1抗体(28−8抗体)を用いて中央検査部でPD−L1の検査を行った(Hanna, N., et al. J Oncol Pract 13:832-7 (2017))。
PD−L1が組織学的に確認された扁平上皮または非扁平上皮ステージIV/再発NSCLCで、かつEastern Cooperative Oncology Group(ECOG)のパフォーマンスステータス(Oken M.M., et al. Am J Clin Oncol 5:649-55 (1982))が0または1の成人患者で、進行性または転移性疾患に対する一次療法として全身性抗がん剤治療を受けたことのない患者を本治験の対象とした。図1参照。すべての患者は脳転移のスクリーニングのために画像検査を受けた。標的療法に感受性の既知のEGFR変異またはALK転座を有するか、自己免疫疾患または未処置の中枢神経系転移を有する患者は除外した。中枢神経系転移を有する患者は、適切な処置を受けており、無作為化の2週間以上前から神経学的にベースラインに戻っていた場合に適格とした。
さらなる編入基準および除外基準として、局所進行病変に対するアジュバント化学療法またはネオアジュバント化学療法の前歴、または根治的化学放射線療法の前歴は、登録の6月前まで認められた。非中枢神経系病変に対する以前の緩和的放射線治療は、無作為化の2週間以上前に完了していなければならない。患者は無作為化の2週間以上前から、グルココルチコイドを休薬しているか、あるいは1日10mg以下のプレドニン(または相当量)を安定的または漸減的に投与していなければならない。
治験デザインおよび処置
本治験は、異なる患者集団を対象に、異なるニボルマブをベースとしたレジメンと化学療法とを比較評価するために設計されたマルチパートの第3相治験である。腫瘍PD−L1発現率が1%以上の患者および1%未満の患者を、16カ月間、同一施設で同時に登録した(図2)。PD−L1発現率が1%以上の患者を、腫瘍組織(扁平上皮型 対 非扁平上皮型NSCLC)により(i)2週間毎にニボルマブ3mg/kgと、6週間毎にイピリムマブ1mg/kgを投与する群、(ii)組織学的根拠に基づくプラチナ製剤を3週間毎に最大4サイクルまで投与する群、または(iii)ニボルマブ240mgを2週間毎に投与する群に、無作為に層別化した(1:1:1)。PD−L1発現率が1%未満の患者を、腫瘍組織により(i)2週間毎にニボルマブ3mg/kgと、6週間毎にイピリムマブ1mg/kgを投与する群、(ii)組織学的根拠に基づくプラチナ製剤を3週間毎に最大4サイクルまで投与する群、または(iii)ニボルマブ360mgと組織学的根拠に基づくプラチナ製剤を3週間毎に最大4サイクルまで投与する群投与する群に、無作為に層別化した(1:1:1)。4サイクルの化学療法またはニボルマブによる化学療法後に安定した疾患、または奏効している非扁平上皮NSCLC患者は、ペメトレキセドまたはペメトレキセドとニボルマブを併用した維持療法を継続できた。すべての治療を、疾患の進行、許容できない毒性、またはプロトコール毎の完了まで継続した(免疫療法の場合は2年まで)。治験内の治療群間の入れ替え(クロスオーバー)は許容されなかった。
該治験のパート1に登録された2877名の患者のうち、1739名が無作為化された。無作為化されなかった1138名の患者のうち、909名の患者が治験基準を満たさなくなり(一般的な理由として、EGFR/ALK変異の同定、ECOG PSの低下、未処置の脳転移、評価不能のPD−L1発現などが挙げられる)、88名の患者が同意を取り下げ、40名の患者が死亡し、33名の患者が有害事象(治験薬とは無関係)を有し、6名の患者がフォローアップ不能となり、62名の患者がその他の理由で除外された。
表16および17に示すように、全ての無作為化患者およびTMB評価可能患者のベースライン特性は類似しており、治療群間でバランスが取れていた。
Figure 2021519771

Figure 2021519771

腫瘍遺伝子変異量分析
TMBを、324の遺伝子および選択的遺伝子再配列における置換、挿入および欠失(indels)、およびコピー数の変化を検出するために次世代シークエンシングを採用した、検証済みアッセイFOUNDATIONONE(登録商標) CDX(商標)を用いて、保存されたまたは新鮮なホルマリン固定パラフィン包埋腫瘍サンプルにおいて評価した(Ettinger, D.S., et al. J Natl Compr Canc Netw, 15:504-35 (2017))。独立した報告が、全エクソームシークエンシング(WES)から推定されたTMBと、標的化次世代シークエンシング(NGS)から推定されたTMBとの間の一致を実証している。Szustakowski J., et al. Evaluation of tumor mutation burden as a biomarker for immune checkpoint inihibitor efficacy: A calibration study of whole exome sequencing with FoundationOne(登録商標). Presented at the American Association for Caner Research 2018 Annual Meeting; 2018; Chicago, Illinois; Zehir A, et al. Nat Med 2017;23:703-713; Rizvi H., et al., J Clin Oncol 2018;36:633-41参照。TMBを、以前に定義された方法に従って計算した。Reck, M., et al., N Engl J Med, 375:1823-33 (2016)。要約すると、TMBは、検査したゲノムの1メガベースあたりの体細胞、コーディング、塩基置換および短いインデルの数として定義された。同義変異を含む標的遺伝子のコーディング領域におけるすべての塩基置換およびインデル(indels)は、COSMICによる発癌性ドライバー事象ならびにdbSNPおよびExACデータベースに従った生殖細胞の状態の両方について、Foundation Medicine臨床コホートでまとめられた稀な生殖細胞事象のプライベートデータベースに加えて、フィルタリングされた。SGZ(体細胞−生殖細胞−接合度)ツールを用いた生殖細胞の状態の計算上の評価に基づく追加のフィルタリングも行われた。Aguiar, P.N., et al., ESMO Open, 2:e000200 (2017)。
表18に示すように、すべての無作為化された患者(N=1739)のうち、1649名(95%)がTMB評価用の腫瘍サンプルを有し、1004名(58%)がTMBベースの有効性解析用の有効なTMBデータを有していた。
Figure 2021519771
すべての処置群でのTMB評価可能な患者のうち、444名(44%)がTMB≧10変異/Mbであり、そのうち139名がニボルマブ+イピリムマブに無作為化され、160名が化学療法に無作為化された。表19に示すように、2つの処置群間のベースライン特性は、PD−L1発現の分布を含めてバランスが取れていた。TMB評価可能な集団では、TMBとPD−L1発現との間に相関はなかった。図7Aおよび7Bを参照のこと。
Figure 2021519771
11.2ヵ月の最小フォローアップ期間において、ニボルマブ+イピリムマブおよび化学療法で処置された患者の17.7%および5.6%が、それぞれ処置を継続した。表20を参照のこと。
Figure 2021519771

化学療法に割り当てられた患者のうち、28.1%がその後の免疫療法を受けた。表21を参照のこと。
Figure 2021519771
治療期間の中央値は、ニボルマブ+イピリムマブ併用療法で4.2カ月(範囲:0.03〜24.0+)、化学療法で2.6カ月(範囲:0.03〜22.1+)であった。併用療法として受けたニボルマブ(2週間毎)およびイピリムマブ(6週間毎)の投与回数の中央値は、それぞれ9回(範囲:1〜53回)および3回(範囲:1〜18回)であった。
高TMB(≧10個の変異/Mb)の患者では、データベースロック時にニボルマブ+イピリムマブ投与群24.2%、化学療法群3.1%が処置を継続していた。処置を中止した理由として最も多かったのは、疾患進行(それぞれ37.8%および47.2%)、治験薬毒性(それぞれ25.9%および8.8%)、化学療法群の患者における必要な処置の終了(ニボルマブ+イピリムマブ投与群の患者が0%に対して26.4%)であった。
エンドポイントおよび評価
本治験のパート1では、2つの主要エンドポイントが設定された。1つ目の主要エンドポイントは、TMBを選択した患者集団において、ニボルマブ+イピリムマブ 対 化学療法による盲検化された独立した中央評価により評価された無増悪生存期間(PFS)であった。これまでの知見(Ramalingam SS, et al. Tumor mutation burden(TMB)as a biomarker for clinical benefit from dual immune checkpoint blockade with nivolumab (nivo) + ipilimumab (ipi) in first-line (1L) non-small cell lung cancer (NSCLC): identification of TMB cutoff from CheckMate 568. Presented at the American Association for Cancer Research 2018 Annual Meeting; 2018; Chicago, Illinois.)に基づき、主要エンドポイントの予め計画された解析のために、≧10個の変異/Mbの予め定義されたTMBカットオフが選択された。2つ目の主要エンドポイントは、PD−L1で選択された患者集団におけるニボルマブ+イピリムマブ 対 化学療法による全生存期間(OS)であった。
表22に示すように、TMBで選択された患者における副次的エンドポイントとしては、TMB≧13個の変異/Mbおよび≧1% PD−L1発現を有する患者におけるニボルマブ 対 化学療法によるPFS、およびTMB≧10個の変異/Mbの患者におけるニボルマブ+イピリムマブ 対 白金併用化学療法によるOSが挙げられる。
Figure 2021519771
ニボルマブ 対 化学療法によるPFSの副次的エンドポイントである≧13個の変異/MbのTMBカットオフは、全エクソームシーケンシングデータをFOUNDATIONONE(登録商標) CDX(商標)データに変換したブリッジング試験を含む先行治験の解析に基づいていた。Carbone, et al. N Engl J Med 2017;376:2415-26;Szustakowski et al. Evaluation of tumor mutation burden as a biomarker for immune checkpoint inhibitor efficacy: A calibration study of whole exome sequencing with FoundationOne(登録商標)In: American Association for Cancer Research 2018 Annual Meeting. Chicago, Illinois; 2018を参照のこと。全奏効率(ORR)、奏効期間および安全性を探索的エンドポイントとした。有害事象は、National Cancer Institute Common Terminology Criteria for Adverse Events, version 4.0に従って等級付けした。PD−L1は既述の通りに決定した。Labeling:PD-L1 IHC 28-8 pharmDx. Dako North America, 2016. (2016年10月20日最終アクセス、accessdata.fda.gov/cdrh_docs/pdf15/P150027c.pdf.)。
TMBは、検査したゲノムの1メガベースあたりの体細胞数、コーディング数、塩基置換数、短挿入・欠失数(インデル)と定義され、FOUNDATIONONE(登録商標) CDX(商標)アッセイを用いて決定された。例えば、FOUNDATIONONE(登録商標) CDX(商標)、Foundation Medicine、2018(2018年2月8日最終アクセス、foundationmedicine.com/genomic-testing/foundation-one-cdx.); Chalmers et al. Analysis of 100,000 human cancer genomes reveals the landscape of tumor mutational burden.Genome Med 2017;9:34;および、Sun JX, He Y, Sanford E, et al. を参照のこと。様々なフィルターを適用した後の変異数を、カウントされた領域(0.8Mb)で割り、変異数/Mbを算出した。
TMB≧10個の変異/Mbの患者におけるニボルマブ+イピリムマブ 対 化学療法におけるPFSを主要エンドポイントとした場合、死亡または疾患進行が約221事象の265名以上の患者のサンプルサイズから、両側対数順位検定により、ニボルマブ+イピリムマブ 対 化学療法に有利なハザード比0.66、両側タイプ1誤差0.025を80%の検出力で検出できると推定された。処置群を単一共変量とした層別化されていないCox比例ハザードモデルを用いて、関連する両側信頼区間を有するPFSのハザード比を推定した。TMB≧10個の変異/Mbを有する患者において多変量解析を行い、既知の予後のベースライン因子がPFSに及ぼす影響を評価した。TMBで選択された患者の階層的仮説検定で指定された一次比較および二次比較については、対応する両側97.5%CIのハザード比の推定値が計算された(上記表22参照)。他のすべての推定値については、治療効果の差を推測するために使用すべきではない両側95%CIが計算された。生存曲線はカプランマイヤー法を用いて推定した。
結論として、本治験はその主要エンドポイントを満たしており、この結果は進行性NSCLCにおける2つの新しい標準療法を確立し得る。第一に、治療を受けていないすべてのNSCLC患者は、TMBが重要かつ独立したバイオマーカーとしての役割を果たしていることが証明されているため、TMBの検査を実施すべきである。第二に、本治験では、高TMB≧10個の変異/Mbの患者に対する新たな一次療法の選択肢として、ニボルマブ+イピリムマブの併用療法がおこなわれている。これらの結果は、効果的な二次療法の選択肢を維持しつつ、効果的な一次療法である化学療法と免疫療法を併用することで、より個別化された肺がん治療のアプローチを提供するものである。NSCLC患者の予測バイオマーカーとしてTMBを使用することは、併用免疫療法の利益を最も受ける可能性の高い患者に合わせて治療を行う精密医療の一例を提供するものである。
全ての無作為化された患者
無作為化されたすべての患者(PD−L1発現の有無にかかわらず)において、ニボルマブ+イピリムマブ 対 化学療法でPFSが改善し(ハザード比[HR]、0.83;95%、0.72〜0.96)、1年PFS率は31% 対 17%であった。PFS中央値は、ニボルマブ+イピリムマブで4.9ヵ月(95%CI、4.1〜5.6)、化学療法で5.5ヵ月(95%CI、4.6〜5.6)であった。ニボルマブ+イピリムマブ 対 化学療法でも同様の利益がTMB評価対象患者で認められ(HR、0.82;95%CI、0.68〜0.99)、1年PFS率は32% 対 15%であった。PFS中央値はそれぞれ、4.9ヵ月(95%CI、3.7〜5.7)および5.5ヵ月(95%CI、4.6〜5.6)であった。図4Aおよび4Bを参照のこと。
高TMB(≧10変異/Mb)の患者 対 低TMBの患者
高TMB(≧10変異/Mb)患者における主要エンドポイントの解析は、ニボルマブ+イピリムマブ 対 化学療法でPFSの有意な改善を示し(HR、0.58;97.5%CI、0.41〜0.81;P=0.0002)、1年PFS率は43% 対 13%(化学療法)であり、PFS中央値はそれぞれ7.2カ月(95%CI、5.5〜13.2)および5.5カ月(95%CI、4.4〜5.8)であった。図4A参照。TMB≧10変異/Mbの患者におけるPFSの予めに指定された多変量解析において、ベースラインPD−L1発現レベル(≧1%、<1%)、性別、腫瘍組織学(扁平上皮、非扁平上皮)およびECOG PS(0、≧1)を調整したニボルマブ+イピリムマブ 対 化学療法の治療効果は、一次PFS解析と一致していた(HR、0.57;95%CI、0.40〜0.80、多変量CoxモデルP=0.0002)。TMB<10変異/Mbの患者では、ニボルマブ+イピリムマブ 対 化学療法でPFSの改善は観察されなかった(HR、1.07;95%CI、0.84〜1.35);PFS中央値は、ニボルマブ+イピリムマブで3.2ヵ月(95%CI、2.7〜4.3)、化学療法で5.5ヵ月(95%CI、4.3〜5.6)であった。図5参照。
奏効率は、ニボルマブ+イピリムマブで45.3%、化学療法で26.9%であった(表23)。Eisenhauer, E.A., et al. Eur J Cancer, 45:228-47(2009)。1年後も奏効が継続している奏効者の割合は、ニボルマブ+イピリムマブで68%、化学療法で25%であった(図4B)。
Figure 2021519771
高TMB(≧10変異/Mb)の患者における選択されたサブグループ
PD−L1状態別のサブグループ解析では、PD−L1発現量が1%以上の患者と1%未満の患者では、ニボルマブ+イピリムマブの併用で化学療法と比較してPFSが改善したことが示された。図6Aおよび6B参照。扁平上皮および非扁平上皮腫瘍組織型の両方の患者において、ニボルマブ+イピリムマブの併用は化学療法と比較して改善されたPFSが認められた。図6Cおよび6D参照。TMB≧10変異/Mbを有する患者の大部分の他のサブグループにおいて、ニボルマブ+イピリムマブの併用で化学療法と比較してPFSが改善された。図6E参照。
ニボルマブ単剤療法
治験の副次エンドポイントは、TMB≧13変異/MbおよびPD−L1発現率1%以上の患者(PD−L1発現率1%未満の患者はニボルマブ投与を受ける資格がない)におけるニボルマブ(n=79)と化学療法(n=71)の有効性であった。この患者群では、ニボルマブによるPFSの改善は認められなかった(HR、0.95;97.5%CI、0.61、1.48;P=0.7776)。PFS中央値はニボルマブで4.2ヵ月(95%CI、2.7〜8.3)、化学療法で5.6ヵ月(95%CI、4.5〜7.0)であった。図7参照。
TMB≧10変異/MbおよびPD−L1発現率1%以上の患者では、PFS中央値は、ニボルマブ+イピリムマブの併用療法で7.1ヵ月(95%CI、5.5〜13.5)であったのに対し、ニボルマブ単剤療法で4.2ヵ月(95%CI、2.6〜8.3)であった。図8参照。
本治験の結果は、進行性NSCLCおよびTMB≧10変異/Mbの患者において、ニボルマブ+イピリムマブによる一次療法が、化学療法と比較してPFSの改善と関連していることを示している。免疫療法併用の効果は持続的で、1年後の無増悪率は43%(化学療法群13%)であり、奏効者の68%(化学療法群25%)が1年後に奏効を継続していた。ニボルマブ+イピリムマブの有効性は、PD−L1発現が1%以上および1%未満の、扁平上皮および非扁平上皮組織型の患者で観察され、他のサブグループの大部分で一貫していた。すべての無作為化患者において、ニボルマブ+イピリムマブの併用が化学療法と比較してPFSの改善が認められたが、TMB≧10変異/Mbは有効なバイオマーカーであった。特にTMBが高い患者では、ニボルマブ+イピリムマブ併用療法の効果が増強されたが、TMBが低い患者(10未満の変異/Mb)では化学療法と比較した効果は認められなかった。さらに、TMB≧10変異/Mbの患者では、ニボルマブ+イピリムマブの併用療法はニボルマブ単剤療法と比較して有効性が改善されており、TMB≧10変異/MbのNSCLC患者における二重免疫チェックポイント阻害の重要性が明らかになった。本治験は、PD−L1で選択された患者におけるOSの主要エンドポイントについて継続して実施されている。
本治験は、TMBおよびとPD−L1発現が独立したバイオマーカーであることを示している。高TMBを有する患者では、腫瘍PD−L1発現が1%以上の患者と1%未満の患者において、化学療法と比較してニボルマブ+イピリムマブの有益性は類似していた。従って、ニボルマブ+イピリムマブは、PD−L1発現の有無にかかわらず、TMB≧10変異/Mbを有する患者にとって、新たな有効な治療レジメンとなる。
ニボルマブ+イピリムマブの安全性は、NSCLCの一次療法の既報データと一致していた。以前の治験では、8つのコホートでニボルマブ+イピリムマブの種々の投与レジメンを評価し、3mg/kgのニボルマブを2週間毎+1mg/kgのイピリムマブを6週間毎に投与したレジメンは、忍容性が高く、有効であることが示された。Hellmann, M.D., et al. Lancet Oncol, 18:31-41 (2017)。これらの知見は、本発明者らの大規模な国際的な治験で確認されたものであり、この併用療法では新たな安全性シグナルは観察されなかった。処置関連の選択的有害事象および処置関連の治療中止の割合は、ニボルマブ単剤療法と比較してわずかに高く、忍容性も良好で、選択的有害事象の発生率は低かった。
治療中止に至る処置関連の有害事象の発生率は、ニボルマブ+イピリムマブの方が化学療法よりも高かったが、これはニボルマブ+イピリムマブでの処置期間が長く、PFSが長かったことに部分的に関係していると考えられる。
免疫療法/免疫療法の併用 対 免疫療法/化学療法の併用の役割、治療の最適な順序付け、免疫療法/化学療法の併用から利益を得ることができる患者をTMBで特定できるかどうか、PD−1/L1単剤療法に最適なTMBカットオフを同定できるかどうかに関して、重大な疑問が残されている。本治験の結果が重要かつ独立したバイオマーカーとしてのTMBの臨床的有用性を検証したことを考えると、検査に十分な腫瘍組織の利用可能性および許容される処置変更所要時間を確保するためには、集学的な努力が必要である。本治験で報告されたTMB結果の58%の割合は、主に、十分な量または質の腫瘍サンプルの利用可能性が限られていたことによるものであり、治験の一環としてバイオマーカー分析のために要求された組織が限られていた結果であった。臨床現場では、TMBの検査の意図が事前にわかっており、十分な量と質の腫瘍サンプルを収集して提出できるとき、検査を受ける患者の80%〜95%でTMBの決定に成功することが期待できる。24 CheckMate 817(NCT02869789)は、進行性NSCLCおよびTMB≧10変異/Mbを有する患者を対象に、ニボルマブ+イピリムマブを併用した一次療法のTMB検査の実施可能性を前向き評価するものであり、TMB検査の実施可能性を最適化するための教育における隙間および機会を特定するのに役立ち得る。さらに、TMBは信頼性が高く再現性の高いバイオマーカーであり、同時に治療上有効な可能性のある複数の癌遺伝子の次世代シークエンシングによる包括的なゲノムプロファイリングを提供する。したがって、TMB検査はすでに常套の技術を活用して、1回の検査で広く適用可能な臨床的に重要な情報を提供し、NSCLCの一次療法における管理の指針となる。
進行後の処置および全生存フォローアップ
ニボルマブ処置またはニボルマブ+イピリムマブ併用処置は、治験責任医師により評価された臨床的有用性を有し、処置に忍容性が継続している場合には、進行後も継続して投与することが認められた。患者は、治験薬処置中止後、3ヵ月ごとに対面または電話での連絡により、全生存期間を追跡された。
実施例2:PD−L1発現1%未満の非小細胞肺癌におけるニボルマブ+イピリムマブ併用療法
本発明者らは、PD−L1発現が1%未満の患者における、化学療法に対するニボルマブ+イピリムマブ併用およびニボルマブ+化学療法の有効性および安全性を主要エンドポイントとした実施例1の第3相治験の結果を報告する。最近の研究では、化学療法に抗PD−(L)1療法を追加することで、化学療法単独に比べて結果が改善することが示されている。しかし、PD−L1発現が1%未満の非扁平上皮NSCLC患者(PFS HR:0.75および0.77)では、あまり有益性がなかったことが観察された。
患者は、化学療法を受けていない、ステージIVまたは再発性NSCLC患者であった。腫瘍PD−L1発現が1%以上の患者を、1:1:1の割合でニボルマブ+イピリムマブ、ニボルマブまたは化学療法に無作為化し、腫瘍PD−L1発現が1%未満の患者を、1:1:1の割合でニボルマブ+イピリムマブ、ニボルマブ+化学療法または化学療法に無作為化した(図1)。TMBは、FOUNDATIONONE(登録商標) CDX(商標)を用いて決定した。本治験の副次エンドポイントには、化学療法単独と比べてニボルマブ+化学療法による処置後の腫瘍PD−L1発現が1%未満の患者における無増悪生存期間を測定すること、化学療法単独と比べてニボルマブ+イピリムマブを投与したPD−L1選択集団における全生存期間を測定すること、化学療法単独と比べてニボルマブ+イピリムマブを投与したTMB選択集団における無増悪生存期間を測定することが含まれる。
本治験では、計550名の患者が1%未満のPD−L1発現を有すると同定され、そのうち177名がニボルマブ+化学療法、187名がニボルマブ+イピリムマブ、186名が化学療法を投与された。腫瘍PD−L1発現が1%未満の患者のベースライン特性を表24に示す。
Figure 2021519771
結果
ニボルマブ+化学療法を受けた腫瘍PD−L1発現が1%未満の患者では、1年無増悪生存率(PFS)が26%であったのに対し、化学療法単独の患者では1年PFS率は14%であった(図9A)。ニボルマブ+化学療法で処置された患者の奏効率は、化学療法単独で処置された患者では23.1%であったのに対して、36.7%であった(図9B)。ニボルマブ+化学療法で処置された患者の奏効期間(DOR)は、化学療法単独で処置された患者で約24%であったのに対し、1年では約28%であった(図9C)。さらに、ニボルマブ+イピリムマブで処置された患者のORRは約25.1%であり、DOR中央値は約17.97ヵ月であった(95%CI:12.2、NR)(データ示さず)。
患者集団の分析は、ニボルマブ+化学療法および化学療法単独での処置に対する患者の応答性を比較したとき、非扁平上皮NSCLCを有する患者が、扁平上皮NSCLCの患者(0.92)よりも低い層別化されていないハザード比(HR、0.68)を有していたことを明らかにした(図9D)。さらに、TMBが高い(≧10変異/Mb)と特定された患者は、TMBが低い(<10変異/Mb)患者(0.87)よりも層別化されていないHRが低い(0.56)ことが分かった(図9D)。
その後、患者をTMBの状態に基づいて層別化した。腫瘍PD−L1発現が1%未満の高TMB(≧10変異/Mb)患者は、ニボルマブ+イピリムマブ投与群で約45%、ニボルマブ+化学療法群で約27%、化学療法単独群で約8%の1年PFS率であることが分かった(図10A)。PFS中央値は、ニボルマブ+イピリムマブで処置された患者で7.7ヶ月、ニボルマブ+化学療法で処置された患者で6.2ヶ月、化学療法単独で処置された患者で5.3ヶ月であった(図10A)。
逆に、腫瘍PD−L1発現量が1%以上の低TMB(<10変異/Mb)患者では、ニボルマブ+イピリムマブまたはニボルマブ+化学療法のいずれかの処置後の1年PFSが約18%であり、化学療法単独の処置後の1年PFSが約16%であった(図10B)。PFS中央値は、ニボルマブ+イピリムマブ投与群で3.1カ月、ニボルマブ+化学療法または化学療法単独処置群で4.7カ月であった(図10B)。
また、各処置群の奏効期間(DOR)も測定した。腫瘍PD−L1発現が1%未満の高TMB患者では、ニボルマブ+イピリムマブ処置群では約93%、ニボルマブ+化学療法処置群では約33%の1年DOR率を示した(図10C)。化学療法のみで処置された患者群では、1年生存期間は達成されなかった(図10C)。DOR中央値は、ニボルマブ+化学療法処置群では7.4ヵ月、化学療法単独群では4.4ヵ月であった(図10C)。ニボルマブ+イピリムマブ処置群ではDOR中央値に達しなかった(図10C)。これらの処置群の奏効率は、ニボルマブ+化学療法では60.5%、ニボルマブ+イピリムマブでは約36.8%、化学療法単独処置群では約20.8%であった(データ示さず)。この差は、腫瘍PD−L1発現が1%未満の低TMB患者ではかなり大きく、該患者は、ニボルマブ+化学療法処置後に27.8%のORR、化学療法単独処置後に22.0%のORRを示した(データ示さず)。
安全性
処置関連有害事象(TRAE)を、表25および図11にまとめる。ニボルマブ+化学療法群では処置関連死が4例、ニボルマブ+イピリムマブ群では処置関連死が3例、化学療法群では処置関連死が6例であった。化学療法群における処置関連の有害事象は、ニボルマブ+化学療法群と同様であり、以前の報告と一致していた(図11)。
Figure 2021519771
ニボルマブ+化学療法 対 化学療法単独のPFS HRは、PD−L1発現が1%未満の患者では0.74(95%CI:0.58、0.94;NSQ PFS HR=0.68、95%CI:0.51、0.90)と観察され、他のPD−(L)1+化学療法併用の治験と一致していた。TMB検査は、免疫療法(immunocology)+免疫療法および免疫療法+化学療法の患者を選択するのに臨床的に関連している。ニボルマブ+化学療法と化学療法単独との比較では、高TMB(≧10変異/Mb)およびPD−L1発現が1%未満の患者ではPFSの有益性が高まる。低TMB(<10変異/Mb)およびPD−L1発現が1%未満の患者では、免疫療法+免疫療法および免疫療法+化学療法によるPFSの有益性が得られない。さらに、免疫療法+免疫療法および免疫療法+化学療法の安全性プロファイルが潜在的に良好であるグレード3/4のTRAEは少ない。
本明細書に記載のすべての刊行物、特許および特許出願は、各個々の刊行物、特許または特許出願が引用により包含されることが具体的かつ個別に示されている場合と同程度に引用により包含されている。
本出願は、2018年3月30日に出願された米国仮出願第62/650,845号および2018年5月15日に出願された米国仮出願第62/671,906号に基づく優先権の利益を主張し、それらの内容全体を引用により本明細書に包含させる。

Claims (15)

  1. 非小細胞肺癌(NSCLC)に由来する腫瘍に罹患している対象の処置において、細胞傷害性Tリンパ球抗原−4(CTLA−4)に特異的に結合する抗体もしくはその抗原結合部分(“抗CTLA−4抗体”)と併用するための、プログラム細胞死−1(PD−1)受容体に特異的に結合し、PD−1活性を阻害する抗体もしくはその抗原結合部分(“抗PD−1抗体”)またはプログラム細胞死−リガンド1(PD−L1)に特異的に結合し、PD−1活性を阻害する抗体もしくはその抗原結合部分(“抗PD−L1抗体”)を含む組成物であって、ここで、該腫瘍が、検査された遺伝子の1メガベースあたり少なくとも約10個の変異の腫瘍遺伝子変異量(TMB)状態を有する、組成物。
  2. 投与前に対象から得られた生物学的サンプルのTMB状態が測定されることをさらに含む、請求項1記載の組成物。
  3. TMB状態が、腫瘍中の核酸を配列決定し、配列決定された核酸中のゲノム改変を同定することによって決定される、請求項1または2記載の組成物。
  4. ゲノム改変が、
    (i)1以上の体細胞変異;
    (ii)1以上の非同義変異;
    (iii)1以上のミスセンス変異;
    (iv)塩基対置換、塩基対挿入、塩基対欠失、コピー数変化(CNA)、遺伝子再配列およびそれらの組合せからなる群より選択される1以上の改変;または
    (v)(i)から(iv)のいずれかの組合せ
    を含む、請求項3記載の組成物。
  5. 腫瘍のTMB状態が、FOUNDATIONONE(登録商標) CDX(商標)アッセイによって測定した、検査されたゲノムの1メガベースあたり少なくとも約10個の変異、少なくとも約11個の変異、少なくとも約12個の変異、少なくとも約13個の変異、少なくとも約14個の変異、少なくとも約15個の変異、少なくとも約16個の変異、少なくとも約17個の変異、少なくとも約18個の変異、少なくとも約19個の変異、少なくとも約20個の変異、少なくとも約21個の変異、少なくとも約22個の変異、少なくとも約23個の変異、少なくとも約24個の変異、少なくとも約25個の変異、少なくとも約26個の変異、少なくとも約27個の変異、少なくとも約28個の変異、少なくとも約29個の変異または少なくとも約30個の変異を含む、請求項1から4のいずれか一項記載の組成物。
  6. 生物学的サンプルが、腫瘍組織生検、液体生検、血液、血清、血漿、exoRNA、循環腫瘍細胞、ctDNA、cfDNAまたはそれらの何れかの組合せを含む、請求項2から5のいずれか一項記載の組成物。
  7. TMB状態が、
    (i)ゲノムシークエンシング、
    (ii)エクソームシークエンシング、
    (iii)ゲノムプロファイリング、または
    (iv)(i)から(iii)のいずれかの組み合わせ
    により決定される、請求項1から6のいずれか一項記載の組成物。
  8. ゲノムプロファイルが、ABL1、BRAF、CHEK1、FANCC、GATA3、JAK2、MITF、PDCD1LG2(PD−L2)、RBM10、STAT4、ABL2、BRCA1、CHEK2、FANCD2、GATA4、JAK3、MLH1、PDGFRA、RET、STK11、ACVR1B、BRCA2、CIC、FANCE、GATA6、JUN、MPL、PDGFRB、RICTOR、SUFU、AKT1、BRD4、CREBBP、FANCF、GID4(C17orf 39)、KAT6A(MYST3)、MRE11A、PDK1、RNF43、SYK、AKT2、BRIP1、CRKL、FANCG、GLl1、KDM5A、MSH2、PIK3C2B、ROS1、TAF1、AKT3、BTG1、CRLF2、FANCL、GNA11、KDM5C、MSH6、PIK3CA、RPTOR、TBX3、ALK、BTK、CSF1R、FAS、GNA13、KDM6A、MTOR、PIK3CB、RUNX1、TERC、AMER1(FAM123B)、C11orf30(EMSY)、CTCF、FAT1、GNAQ、KDR、MUTYH、PIK3CG、RUNX1T1、TERT(プロモーターのみ)、APC、CARD11、CTNNA1、FBXW7、GNAS、KEAP1、MYC、PIK3R1、SDHA、TET2、AR、CBFB、CTNN B1、FGF10、GPR124、KEL、MYCL(MYC L1)、PIK3R2、SDHB、TGFBR2、ARAF、CBL、CUL3、FGF14、GRIN2A、KIT、MYCN、PLCG2、SDHC、TNFAIP3、ARFRP1、CCND1、CYLD、FGF19、GRM3、KLHL6、MYD88、PMS2、SDHD、TNFRSF14、ARID1A、CCND2、DAXX、FGF23、GSK3B、KMT2A(MLL)、NF1、POLD1、SETD2、TOP1、ARID1B、CCND3、DDR2、FGF3、H3F3A、KMT2C(MLL3)、NF2、POLE、SF3B1、TOP2A、ARID2、CCNE1、DICER1、FGF4、HGF、KMT2D(MLL2)、NFE2L2、PPP2R1A、SLIT2、TP53、ASXL1、CD274(PD−L1)、DNMT3A、FGF6、HNF1A、KRAS、NFKBIA、PRDM1、SMAD2、TSC1、ATM、CD79A、DOT1L、FGFR1、HRAS、LMO1、NKX2−1、PREX2、SMAD3、TSC2、ATR、CD79B、EGFR、FGFR2、HSD3B1、LRP1B、NOTCH1、PRKAR1A、SMAD4、TSHR、ATRX、CDC73、EP300、FGFR3、HSP90AA1、LYN、NOTCH2、PRKCI、SMARCA4、U2AF1、AURKA、CDH1、EPHA3、FGFR4、IDH1、LZTR1、NOTCH3、PRKDC、SMARCB1、VEGFA、AURKB、CDK12、EPHA5、FH、IDH2、MAGI2、NPM1、PRSS8、SMO、VHL、AXIN1、CDK4、EPHA7、FLCN、IGF1R、MAP2K1(MEK1)、NRAS、PTCH1、SNCAIP、WISP3、AXL、CDK6、EPHB1、FLT1、IGF2、MAP2K2(MEK2)、NSD1、PTEN、SOCS1、WT1、BAP1、CDK8、ERBB2、FLT3、IKBKE、MAP2K4、NTRK1、PTPN11、SOX10、XPO1、BARD1、CDKN1A、ERBB3、FLT4、IKZF1、MAP3K1、NTRK2、QKI、SOX2、ZBTB2、BCL2、CDKN1B、ERBB4、FOXL2、IL7R、MCL1、NTRK3、RAC1、SOX9、ZNF217、BCL2L1、CDKN2A、ERG、FOXP1、INHBA、MDM2、NUP93、RAD50、SPEN、ZNF703、BCL2L2、CDKN2B、ERRFl1、FRS2、INPP4B、MDM4、PAK3、RAD51、SPOP、BCL6、CDKN2C、ESR1、FUBP1、IRF2、MED12、PALB2、RAF1、SPTA1、BCOR、CEBPA、EZH2、GABRA6、IRF4、MEF2B、PARK2、RANBP2、SRC、BCORL1、CHD2、FAM46C、GATA1、IRS2、MEN1、PAX5、RARA、STAG2、BLM、CHD4、FANCA、GATA2、JAK1、MET、PBRM1、RB1、STAT3およびそれらの組合せからなる群より選択される1以上の遺伝子を含む、請求項7記載の組成物。
  9. TMB状態がFOUNDATIONONE(登録商標) CDX(商標)アッセイによって測定される、請求項1から8のいずれか一項記載の組成物。
  10. ETV4、TMPRSS2、ETV5、BCR、ETV1、ETV6およびMYBの1以上のゲノム改変が同定されることをさらに含む、請求項1から9のいずれか一項記載の組成物。
  11. (a)抗PD−1抗体が、2、3または4週間毎に1回、体重1kgあたり0.1mgから20.0mgの範囲の体重ベースの用量で投与されるか、または少なくとも約200mg、少なくとも約220mg、少なくとも約240mg、少なくとも約260mg、少なくとも約280mg、少なくとも約300mg、少なくとも約320mg、少なくとも約340mg、少なくとも約360mg、少なくとも約380mg、少なくとも約400mg、少なくとも約420mg、少なくとも約440mg、少なくとも約460mg、少なくとも約480mg、少なくとも約500mgもしくは少なくとも約550mgの一定用量で投与される;あるいは
    (b)抗PD−L1抗体が、2、3または4週間毎に1回、体重1kgあたり0.1mgから20.0mgの範囲の体重ベースの用量で投与されるか、または少なくとも約240mg、少なくとも約300mg、少なくとも約320mg、少なくとも約400mg、少なくとも約480mg、少なくとも約500mg、少なくとも約560mg、少なくとも約600mg、少なくとも約640mg、少なくとも約700mg、少なくとも約720mg、少なくとも約800mg、少なくとも約880mg、少なくとも約900mg、少なくとも約960mg、少なくとも約1000mg、少なくとも約1040mg、少なくとも約1100mg、少なくとも約1120mg、少なくとも約1200mg、少なくとも約1280mg、少なくとも約1300mg、少なくとも約1360mgもしくは少なくとも約1400mgの一定用量で投与される、
    請求項1から10のいずれか一項記載の組成物。
  12. (a)抗PD-1抗体が、
    (i)3週間毎に1回、体重1kgあたり2mgの用量で投与される;
    (ii)2週間毎に1回、体重1kgあたり3mgの用量で投与される;
    (iii)2週間毎に1回、約200mgの一定用量で投与される;
    (iv)2週間毎に1回、約240mgの一定用量で投与される;または
    (v)4週間毎に1回、約480mgの一定用量で投与される;あるいは
    (b)抗PD−L1抗体が、
    (i)3週間に1回、体重1kgあたり15mgの用量で投与される;
    (ii)2週間毎に1回、体重1kgあたり10mgの用量で投与される;
    (iii)3週間毎に1回、約1200mgの一定用量で投与される;または
    (iv)2週間毎に1回、約800mgの一定用量で投与される、
    請求項1から11のいずれか一項記載の組成物。
  13. 抗CTLA−4抗体が、2週間毎、3週間毎、4週間毎、5週間毎、6週間毎、7週間毎または8週間毎に1回、体重1kgあたり0.1mgから20.0mgの範囲の体重ベースの用量で投与されるか、または少なくとも約40mg、少なくとも約50mg、少なくとも約60mg、少なくとも約70mg、少なくとも約80mg、少なくとも約90mg、少なくとも約100mg、少なくとも約110mg、少なくとも約120mg、少なくとも約130mg、少なくとも約140mg、少なくとも約150mg、少なくとも約160mg、少なくとも約170mg、少なくとも約180mg、少なくとも約190mgもしくは少なくとも約200mgの一定用量で投与される、
    請求項1から12のいずれか一項記載の組成物。
  14. 抗CTLA−4抗体が、
    (i)6週間毎に1回、体重1kgあたり1mgの用量で投与される;
    (ii)4週間毎に1回、体重1kgあたり1mgの用量で投与される;または
    (iii)少なくとも約80mgの一定用量で投与される、
    請求項1から13のいずれか一項記載の組成物。
  15. 該腫瘍が1%未満のPD−L1を有する、請求項1から14のいずれか一項記載の組成物。
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