JP2022164432A - 記録装置及び制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】外乱があっても適切に装置を制御できる技術を提供すること。【解決手段】記録ヘッドを搭載するキャリッジと、前記キャリッジを移動する駆動手段と、前記キャリッジに搭載された加速度センサと、を備えた記録装置であって、前記駆動手段に対する制御情報と前記加速度センサの検知結果とに応じた処理を実行する制御手段を備える。【選択図】図7

Description

本発明は記録装置に関する。
記録装置の一例として、記録ヘッドを搭載したキャリッジを記録媒体上で移動させながらインクを吐出して記録を行う記録装置が知られている。このような記録装置では、浮きあがった記録媒体とキャリッジが接触したり、又は、装置に不具合が生じたりしてキャリッジが正常に動作できない場合がある。この場合、キャリッジを停止させてユーザに異常の発生を報知し、復旧作業が行われる。特許文献1には、キャリッジに加速度センサを搭載し、加速度センサの検知結果からキャリッジの挙動を推定し、異常の発生を判別する技術が開示されている。
国際公開第2010/084606号パンフレット
しかし、加速度センサを用いた異常判別では、装置に対する外乱による振動を装置の異常と誤判別する可能性がある。例えば、記録動作中に、ユーザによってインクタンクの交換作業、記録媒体のセット作業、カバーの開閉操作等が行われた場合、その振動を加速度センサが検知して、装置に異常が発生したと誤判別する可能性がある。
本発明は、外乱があっても適切に装置を制御できる技術を提供するものである。
本発明によれば、
記録ヘッドを搭載するキャリッジと、
前記キャリッジを移動する駆動手段と、
前記キャリッジに搭載された加速度センサと、
を備えた記録装置であって、
前記駆動手段に対する制御情報と前記加速度センサの検知結果とに応じた処理を実行する制御手段を備える、
ことを特徴とする記録装置が提供される。
本発明によれば、外乱があっても適切に装置を制御できる技術を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る記録装置の外観図。 図1の記録装置の内部構造を示す模式図。 図1の記録装置のキャリッジ周辺の構造を示す斜視図。 図1の記録装置の制御装置のブロック図。 (A)~(C)はデューティ比の説明図。 (A)~(C)はキャリッジの位置に対する目標速度、デューティ比及び加速度の関係を示す図。 状態判別の例を示す図。 制御例を示すフローチャート。 (A)及び(B)は制御例を示すフローチャート。 閾値の説明図。 別の制御例を示すフローチャート。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
<第一実施形態>
<記録装置の概要>
図1は本実施形態における記録装置1の外観図である。図2は記録装置1の内部構造を示す模式図(側断面図)である。図3はキャリッジ6の周辺の構造を示す斜視図である。図中、Xは記録装置1の幅方向(左右方向)を示し、Yは記録装置1の奥行き方向(前後方向)を示す。本実施形態では、液体としてインクを吐出するシリアル型のインクジェット記録装置に本発明を適用した場合について説明するが、本発明は他の形式の記録装置にも適用可能である。
なお、「記録」には、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、又は媒体の加工を行う場合も含まれ、人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わない。また、本実施形態では記録対象である「記録媒体」としてシート状の紙を想定するが、シート状の布、プラスチック・フィルム等であってもよい。
図1を参照して、記録装置1は、ユーザが記録に関する各種設定を行ったり、装置の状態を表示するための操作パネル4を備えている。また、記録装置1の内部機構は開閉可能なカバー1aによりカバーされている。さらに、記録装置1はインクタンクを収容する収容部3を有し、収容部3はインクタンクを交換する際に開閉されるインクタンクカバー3aを有する。インクタンクは、画像の記録に用いるインクを貯留する。
記録装置1は、給送ユニット2A及び2Bを備える。給送ユニット2A及び2Bは記録装置1の内部に給送される記録媒体を保持する。本実施形態では記録媒体としてロールシートRが用いられる。ロールシートRは、筒状の芯材にシートがロール状に巻かれたものである。ロールシートRは例えばX方向に10~60インチの幅を有し、装着部2A、2Bに設けられたスプール軸2aに装着される。
図1に加えて図2及び図3を参照して記録装置1の内部の構造について説明する。記録装置1は、搬送ユニット5を備える。搬送ユニット5は搬送ローラ51と、搬送ローラ51に圧接されるピンチローラ52とを含む、シートSの搬送機構である。ロールシートRから引き出されたシートSは、通路14を通って搬送ユニット5に到達し、搬送ユニット5の搬送ローラ51とピンチローラ52とに挟持されて排出口13に向けて搬送される。給送ユニット2A及び2Bのスプール軸2aには、トルクリミッタを設けてもよく、トルクリミッタの作用によって搬送ユニット5とスプール軸2aとの間でシートSに一定の張力を作用させてもよい。また、給送ユニット2A及び2BにはロールシートRを回転してシートSを搬送ユニット5へ送り出す駆動機構を設けてもよい。
記録装置1は搬送ユニット5によってプラテン12上に搬送されるシートSにインクを吐出して画像を記録する記録ヘッド(吐出ヘッド)7を備える。記録ヘッド7はインクを吐出する複数のノズルを備える。記録ヘッド7は異なる種類のインク(例えば、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)といった複数色のインク)を吐出可能であってもよい。
記録ヘッド7はキャリッジ6に搭載されている。キャリッジ6は駆動ユニット8によってX方向に移動される。駆動ユニット8は、X方向に離間した一対のプーリ81と、一対のプーリ81に巻き回された無端ベルト82と、一方のプーリ81を回転する駆動源であるキャリッジモータ83とを含む。キャリッジ6は無端ベルト82に連結されている。キャリッジモータ83を駆動して無端ベルト82を走行させることで、キャリッジ6を移動することができる。
キャリッジ6にはエンコーダセンサ9が搭載されている。エンコーダセンサ9は、X方向に延設されたエンコーダスケール10を読み取ってキャリッジ6のX方向の位置を示す信号を出力する。エンコーダスケール10は、例えば、X方向に予め定めた一定の間隔で繰り返し形成された透過部と遮光部とを有する。エンコーダセンサ9は、エンコーダスケール10を挟むように配置された発光部と受光部とを備えた光センサである。
キャリッジ6がX方向に移動すると、エンコーダセンサ9によってパルス状の信号を得られる。パルス数をカウントすることでキャリッジ6のX方向の位置を演算することができる。また、単位時間当たりのパルス数からキャリッジ6の移動速度を演算することができる。例えば、エンコーダスケール10の透過部と遮光部とが1インチあたり150周期で繰り返すスケールであると想定する。キャリッジが1/150インチ移動するたびに、エンコーダセンサ9によって1パルスの信号が得られる。500μsの時間で、パルス数を3つカウントしたとき、キャリッジ6の速度vは、v=(3/150 inch)/500μs=40ipsと演算することができる。
記録動作においては、シートSを搬送ユニット5によって間欠的に搬送する。シートSの搬送停止中にキャリッジ6を主走査方向(X方向)に移動させつつ、記録ヘッド7からシートS上にインクを吐出する(記録走査)。1走査分の記録が終わると、搬送ユニット5によってシートSを所定量、副走査方向(主走査方向と直交する方向)に搬送する。そして記録走査を行う。記録走査とシートSの搬送とを繰り返すことでシートS上に画像が記録される。なお、プラテン12の下方にはプラテンファン16が設けられ、バッファ室15を介してプラテン12に設けられた多数の孔より空気を吸引する。これにより、シートSが記録動作において浮き上がることのないようにしている。画像の記録が完了したシートSは排出口13から装置外へと排出される。その際、不図示のカッタによりシートSを切断することができる。
キャリッジ6には、また、加速度センサ11が搭載されている。加速度センサ11はキャリッジ6の加速度を検知する。加速度センサ11は、その加速度の変化によって出力の値が変化するセンサである。加速度センサ11としては、例えば、静電容量方式のセンサを用いることができる。静電容量方式のセンサは、内部に固定部とそれに対向する可動部材とを有している。固定部と可動部材との間の静電容量を一定周期ごとに測定することによって加速度を測定することができる。また、加速度センサ11の内部には、増幅器や演算部、ADコンバータ、バンドパスフィルタ、デジタルインターフェース回路が内蔵されていてもよい。加速度センサ11は、その検知方向が一軸方向であってもよいし、多軸方向であってもよい。
<制御装置>
図4を参照して記録装置1の制御装置17について説明する。制御装置17は、少なくとも一つのプロセッサと、少なくとも一つの記憶デバイスとを備え、プロセッサが記憶デバイスに記憶されたプログラムを実行する回路である。本実施形態の制御装置17は、主制御部20と、搬送制御部24と、記録制御部25と、パネル制御部26とを備える。主制御部20は、ホスト装置200から画像データとその記録指示を受信し、記録動作を実行する。
主制御部20は、処理部21、記憶部22、インタフェース部(I/F部)23を備え、記録装置1の全体を制御する。処理部21はCPUに代表されるプロセッサであり、記憶部22に記憶されたプログラムを実行する。記憶部22はRAMやROM等の記憶デバイスであり、プログラムやデータを記憶する。主制御部20は加速度センサ11の検知結果を取得可能である。
搬送制御部24、記録制御部25、パネル制御部26は主制御部20の指示のもと、搬送制御、記録制御、パネル制御を実行する。これら各制御部24~26の構成は例えば主制御部20と同様に、処理部、記憶部、I/F部を含む。
搬送制御部24は搬送ローラ5aを回転する搬送モータ24aを制御して、シートSの搬送制御を行う。なお、搬送制御部24には、搬送モータ24aの回転量を検出するセンサや、シートSの搬送位置を検知するセンサ(いずれも不図示)の検知結果が入力され、これらの検知結果に基づき搬送モータ24aを制御する。
記録制御部25は、エンコーダセンサ9の検知結果に基づいて、キャリッジモータ83の駆動制御や記録ヘッド7の駆動制御を行う。記録制御部25はプラテンファン16の駆動制御を行ってもよい。パネル制御部26は、操作パネル4の表示制御及び操作パネル4に対する入力受け付け処理等を行う。
<キャリッジの移動制御>
キャリッジモータ83の駆動制御は、本実施形態の場合、PWM制御(Pulse Width Modulation)である。PWM制御では、単位時間あたりの通電時間(ON時間)の割り合い(デューティ比)により、出力電力を制御する。図5(A)~図5(C)はその説明図である。図5(A)は、単位時間TあたりのON時間tが、1/2Tの例を示しており、デューティ比が50%である。図5(B)はデューティ比が75%の例であり、図5(C)はデューティ比が100%の例である。デューティ比が高くなるにつれてキャリッジモータ83に供給される電力が大きくなり、キャリッジモータ83の出力が大きくなる。図5(C)のようにデューティ比が100%でキャリッジモータ83の出力は最大である。なお、本実施形態ではキャリッジモータ83の駆動制御としてPWM制御を採用したが、他の制御方式でもよい。
本実施形態におけるキャリッジ6の移動制御はフィードバック制御である。キャリッジ6のX方向の多数の位置には、その位置における目標速度が予め設定されている。図6(A)はその一例(速度プロファイル)を示している。縦軸はキャリッジ6の目標速度であり、横軸はキャリッジ6のX方向の位置である。
キャリッジ6の加速開始位置、停止目標位置及び減速開始位置はあらかじめ決められている。本実施形態の場合、キャリッジ6のX方向の位置は、加速域、定速域、減速域に大別され、キャリッジ6は所定速度Vまで加速し、速度Vの定速域で記録走査を行い、その後、減速して停止する。位置ごとの目標速度はキャリッジ6の速度および動作が急峻に変化しないようになだらかに変化するように設定することができる。
キャリッジ6の移動の際、記録制御部25は、エンコーダセンサ9の検知結果から、キャリッジ6の実位置と実速度とを演算する。そして、その実位置における目標速度と実速度との差分に応じてデューティ比を増減する。例えば、実速度が目標速度に達していない場合、デューティ比を増加する。逆に実速度が目標速度に達していない場合、デューティ比を減少する。
キャリッジモータ83の出力の大きさを監視することで、記録装置1の異常を検知することができる。具体的には、キャリッジ6が正常に移動している場合、デューティ比は例えば最大で80%程度となるように、キャリッジ6の駆動系が設計されている。したがって、デューティ比が80%を超える状態が継続する場合、何らかの異常が発生していると判別することができる。例えば、シートSの紙詰まりによってキャリッジ6の移動に抵抗が生じている場合、実速度が目標速度に達しない状態が継続するので、制御上、デューティ比は増加傾向となる。その結果、デューティ比が高い状態が継続し、シートSの紙詰まりの発生を検知することができる。
図6(B)は図6(A)の速度プロファイルでキャリッジ6を移動させる際のデューティ比(DR)の変化の例を示している。加速域においてデューティ比は増加し、定速域においてデューティ比は一定となり、減速域においてデューティ比は減少する。定速域において、仮にシートSの紙詰まりによってキャリッジ6の移動が阻害されると、二点鎖線Lで示すように、デューティ比が増加し、100%の状態が継続する。これによりシートSの紙詰まりの発生を検知することができる。
図6(C)は図6(A)の速度プロファイルにおけるキャリッジ6の加速度の変化を示している。図6(C)の縦軸はキャリッジ6の加速度を示し、増速側を正、減速側を負としている。加速域、減速域において加速度は一定の値となり、定速域において加速度は0である。移動中のキャリッジ6と、シートSやその他の障害物が衝突した場合、或いは、記録装置1に対する外乱によりキャリッジ6が振動した場合、加速度センサ11に加速度が発生するのでこれを検知することが可能である。外乱としては、例えば、ユーザによる記録装置1に対する操作(インクタンクの交換、ロールシートRの装着、カバー1aの開閉)等が挙げられる。定速域において閾値THを超える加速度が発生した場合、こうした衝突或いは振動が発生していると判断することが可能である。逆に言えば、閾値THは、定速域のキャリッジ6の加速度として、通常は発生しない値に設定される。
<状態判別>
加速度センサ11によってキャリッジ6の加速度を検知することで、シートSの紙詰まり等を検知可能である。しかし、記録装置1に対する外乱による振動も加速度センサ11は検知するのでシートSの紙詰まり等と振動との区別が難しい。シートSの紙詰まりは、記録装置1の異常状態であり、対処が必要であるが、振動は記録装置1の異常状態ではなく、対処は不要である。
一方、キャリッジモータ83の出力の大きさによって、シートSの紙詰まり等を検知可能である。しかし、キャリッジモータ83の駆動回路に異常が生じることによってキャリッジモータ83の出力が増大する場合があり、シートSの紙詰まり等と駆動回路の故障との区別が難しい。シートSの紙詰まりも駆動回路の故障もいずれも記録装置1の異常状態であるが、前者はユーザが復旧可能な異常であるのに対し、後者はユーザが復旧困難な異常であり、サービスマンによる保守作業が必要とされる。
本実施形態では、加速度センサ11の検知結果と、キャリッジモータ83の制御情報(本実施形態では、特に出力の大きさであり、特にデューティ比)とに応じた処理を実行する。これにより、外乱があっても適切に装置を制御することができる。
具体的には、検知結果と制御情報とにから記録装置1の状態を判別し、判別結果に対応した処理を行う。図7は判別例を示す図である。図示の例では記録装置1の状態を、正常状態1及び2、異常状態1及び2の4種類に分類している。そして、正常状態か異常状態かによりキャリッジモータ83の制御を変更する。
正常状態と異常状態との区別は、キャリッジモータ83のPWM制御におけるデューティ比に依存し、本実施形態の場合、デューティ比が所定値以上の状態が所定の時間継続した場合である。所定値としては特にデューティ比の上限である100%とし、所定の時間は0.2秒である。こうした条件を満たす場合、キャリッジ6に対して、通常の記録動作において作用しない負荷が作用している。したがって、記録動作の実行が困難であり、異常状態とする。なお、デューティ比の条件は、所定値として90%であってもよく、い。また、継続時間の条件は0.2秒に限られず、継続時間を問わずにデューティ比の条件のみを基準としてもよいし、また、継続時間の条件を0.2秒以外の時間にしてもよい。
正常状態1及び2は、記録装置1の記録動作に特段の支障が無い状態であり、正常状態1は通常の状態、正常状態2は外乱による振動が記録装置1に生じている状態である。正常状態1と正常状態2との判別は加速度センサ11の検知結果に依存し、定速域において、加速度センサ11の検知結果が、閾値THを超えた場合に正常状態2と判別する。
異常状態1及び2は、記録装置1の記録動作に支障がある状態であり、異常状態1はユーザでは復旧困難な状態(駆動回路の故障等)、異常状態2はユーザが復旧可能な状態(紙詰まり等)である。異常状態1と異常状態2との判別は加速度センサ11の検知結果に依存し、定速域において、加速度センサ11の検知結果が、閾値THを超えた場合に異常状態2と判別する。加速度センサ11の検知結果が閾値THを超える場合、キャリッジ6に対する障害物(シートS等)の衝突の蓋然性が高く、ユーザが復旧可能な状態と判別する。一方、加速度センサ11の検知結果が閾値TH以下の場合、キャリッジ6と障害物(シートS等)との衝突ではない。キャリッジ6の移動に対して高負荷が作用したことを起因としてデューティ比が高くなっているわけではないので、駆動回路の故障等の蓋然性が高く、ユーザが復旧困難な状態と判別する。
こうして記録装置1の状態を判別することにより、ユーザに対する対応をより的確に案内することが可能となる。
<制御例>
主制御部20の処理部21が実行する制御例について図8及び図9を参照して説明する。図8は、図7の例に従った記録装置1の状態判別に関する処理例を示すフローチャートであり、記録動作中、所定の周期で繰り返し実行される。
S1では記録制御部25から制御情報(キャリッジ6の位置情報)を取得し、キャリッジ6の移動位置が定速域か否かを判定する。定速域である場合はS2へ進み、加速域又は減速域の場合はS9へ進む。S2では、記録制御部25から制御情報(デューティ比)を取得し、また、加速度センサ11の検知結果を取得する。S3ではS2で取得した加速度センサ11の検知結果が閾値THが超えるか否かを判定する。なお、加速度は図6(C)で例示したように正の値と負の値を取り得るため、演算上は加速度の絶対値を閾値THと比較することを想定している。
加速度センサ11の検知結果が閾値THが超える場合はS4へ進み、加速度センサ11の検知結果が閾値TH以下の場合はS5へ進む。S4では加速度フラグをONにする。加速度フラグは、記憶部22の記憶エリアを用いたフラグである。加速度フラグがONの場合、シートSの紙詰まり等によりキャリッジ6に衝撃が作用している、又は、外乱により記録装置1に振動が生じていることになる。
S5ではS2で取得した制御情報に基づいて、キャリッジモータ83の高出力状態が継続しているか(デューティ比100%が0.2秒以上か否かを判定する。高出力状態が継続していない場合は正常状態であると判別してS6へ進み、継続している場合は異常状態であると判別してS7へ進む。これらの処理の詳細は後述する。
S8では記録制御部25から制御情報(キャリッジ6の位置情報)を取得して、一回の記録走査が終了したか否かを判定し、終了している場合はS9へ進んで加速度フラグをリセットする。以上により一回の処理が終了する。
図9(A)はS6の正常状態判別処理のフローチャートであり、正常状態1と正常状態2とを判別する処理である。S11では加速度フラグがONか否かを判定する。加速度フラグがOFFの場合はS12へ進み、ONの場合はS13へ進む。S12では記録装置1の状態として正常状態1を設定する。記録装置1の状態を示す情報は記憶部22の記憶エリアを用いて記憶し、更新される。正常状態1の場合、記録動作に支障はないので、そのまま記録動作を継続する。S13では記録装置1の状態として正常状態2を設定する。正常状態2の場合も、記録動作に支障はないので、そのまま記録動作を継続する。但し、記録装置1に振動が生じたので、その旨を操作パネル4によりユーザに報知してもよい。報知の内容としては、”振動が検知されましたが、記録動作に支障はありません”といったメッセージや音声の出力が挙げられる。その後、図8のS8へ進む。
図9(B)はS7の異常状態判別処理のフローチャートであり、異常状態1と異常状態2とを判別する処理である。S21では加速度フラグがONか否かを判定する。加速度フラグがOFFの場合はS22へ進み、ONの場合はS23へ進む。S22では記録装置1の状態として異常状態1を設定する。異常状態1の場合、記録動作に支障があり、かつ、ユーザが復旧困難な駆動回路の故障等が想定される。よって、S23で記録制御部25にキャリッジモータ83の駆動停止と記録動作の中断を指示する。また、操作パネル4にサービスマンによる保守が必要である旨を報知する。
S24では記録装置1の状態として異常状態2を設定する。異常状態2の場合も、記録動作に支障がある。但し、ユーザが復旧可能な場合が想定される。よって、S25で記録制御部25にキャリッジモータ83の駆動停止と記録動作の中断を指示する。また、操作パネル4に、ユーザによる復旧を促す報知を行う。例えば、カバー1aを開いてシートSを取り除くこと促す報知を行う。
このように本実施形態では、異常が生じた場合、その種類を判別してユーザに的確な対応を促すことができる。なお、本実施形態では、キャリッジモータ83の制御の変更例として、その駆動停止を例示したが他の変更例も採用可能である。例えば、極低速に速度を変更することや、逆方向に所定量回転させて(キャリッジ6を逆方向に所定距離動かす)から駆動停止すること等であってもよい。
<第二実施形態>
第一実施形態では、記録装置1の状態判別を、キャリッジ6が定速域を移動中の場合に行ったが、加速域や減速域を移動中の場合にも行ってもよい。但し、加速域や減速域においてはキャリッジ6が加速又は減速しているため、加速度センサ11が加速度を検知する。このため、定速域と、加速域及び減速域とで閾値THを切り替える。図10は閾値の説明図である。図示の例では二種類の閾値TH1、TH2が想定されている。閾値TH1は定速域用の閾値であり、閾値TH2は加速域及び減速域用の閾値である。閾値TH1は、定速域のキャリッジ6の加速度として、通常は発生しない値に設定され、閾値TH2は加速域及び減速域のキャリッジ6の加速度として、通常は発生しない値に設定される。
図11は、図8に代わる本実施形態の処理例を示すフローチャートである。以下、図11の処理のうち、図8と異なる処理について説明する。S1でキャリッジ6の移動位置が定速域か否かを判定した後、定速域である場合はS31へ進み、加速域又は減速域の場合はS32へ進む。S31では、S3の判定に用いる閾値として定速域用の閾値TH1を設定し、S32では加速域及び減速域用の閾値TH2を設定する。S2以降の処理は図8の例と同じである。
本実施形態によれば、キャリッジ6の移動範囲の全域に渡って状態判別を行うことができる。
<他の実施形態>
上記実施形態では、S6の判定における高出力状態として、デューティ比を基準としたが、キャリッジモータ83の出力状態を判定する基準はデューティ比とは異なる基準であってもよい。例えば、キャリッジモータ83に対する供給電流を検知し、これを基準としてもよい。
上記実施形態では、駆動ユニット8の例としてベルト伝動機構を例示したが、キャリッジ6を移動する機構はボールねじ機構等、他の機構を採用してもよい。
上記実施形態では、記録装置1の状態を4種類に区別したが、正常状態を1種類とし、異常状態を2種類に区別してもよい。また、記録装置1の状態として、正常状態1及び2、異常状態1及び2の判別結果を記憶部22に設定することとしたが、正常状態1及び2については記憶部22に設定せず、異常状態1及び2の判別結果のみを記憶部22に設定するようにしてもよい。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
1 記録装置、7 記録ヘッド、6 キャリッジ、8 駆動ユニット、11 加速度センサ、主制御部20、記録制御部25

Claims (12)

  1. 記録ヘッドを搭載するキャリッジと、
    前記キャリッジを移動する駆動手段と、
    前記キャリッジに搭載された加速度センサと、
    を備えた記録装置であって、
    前記駆動手段に対する制御情報と前記加速度センサの検知結果とに応じた処理を実行する制御手段を備える、
    ことを特徴とする記録装置。
  2. 請求項1に記載の記録装置であって、
    前記処理は、前記駆動手段に対する制御の変更を含む、
    ことを特徴とする記録装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の記録装置であって、
    前記制御手段は、前記制御情報と前記検知結果とに基づいて、前記記録装置の異常状態の発生と該異常状態の種類を判別し、その判別結果に応じた処理を実行する、
    ことを特徴とする記録装置。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の記録装置であって、
    前記制御手段は、前記制御情報に基づいて前記記録装置が正常状態か異常状態かを判別し、前記検知結果に基づいて前記異常状態の種類を判別し、その判別結果に応じた処理を実行する、
    ことを特徴とする記録装置。
  5. 請求項3又は請求項4に記載の記録装置であって、
    前記異常状態の種類に対応して異なる報知を行う報知手段を備える、
    ことを特徴とする記録装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の記録装置であって、
    前記制御情報は、前記駆動手段の駆動源の出力の大きさに関する情報である、
    ことを特徴とする記録装置。
  7. 請求項3又は請求項4に記載の記録装置であって、
    前記駆動手段は、駆動源としてモータを備え、
    前記モータは、PWM制御により駆動され、
    前記制御情報は、前記PWM制御のデューティ比を含む、
    ことを特徴とする記録装置。
  8. 請求項7に記載の記録装置であって、
    前記制御手段は、前記デューティ比が所定値以上の制御が所定の時間継続した場合に、前記記録装置が異常状態であると判別する、
    ことを特徴とする記録装置。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の記録装置であって、
    前記駆動手段は、前記キャリッジを所定速度まで加速し、前記所定速度で前記キャリッジを移動し、その後、前記キャリッジを減速するように制御され、
    前記制御手段は、前記キャリッジが前記所定速度で移動しているときの前記制御情報と前記検知結果とに応じた処理を実行する、
    ことを特徴とする記録装置。
  10. 請求項3又は請求項4に記載の記録装置であって、
    前記駆動手段は、前記キャリッジを所定速度まで加速し、前記所定速度で前記キャリッジを移動するように制御され、
    前記制御手段は、前記キャリッジが前記所定速度で移動しているときと、前記キャリッジが加速又は減速しているときとで、前記検知結果と比較する閾値を変更して前記記録装置の状態を判別する、
    ことを特徴とする記録装置。
  11. 請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の記録装置であって、
    前記記録ヘッドは、記録媒体にインクを吐出し、
    前記駆動手段は、前記記録媒体上で前記キャリッジを移動する、
    ことを特徴とする記録装置。
  12. 記録ヘッドを搭載するキャリッジと、
    前記キャリッジを移動する駆動手段と、
    前記キャリッジに搭載された加速度センサと、
    を備えた記録装置の制御方法であって、
    前記駆動手段を制御する駆動工程と、
    前記駆動手段に対する前記駆動工程の制御情報と、前記加速度センサの検知結果とに応じた処理を実行する制御工程と、を備える、
    ことを特徴とする制御方法。
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