JP4483812B2 - 印刷装置、スティックスリップ対応方法、プログラム、及び印刷システム - Google Patents
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Description
このようなスティックスリップ動作が発生した場合、印刷ヘッドを移動させ所定の範囲内の目標位置に停止させるまでに時間を要してしまうことがある。
よって、これに対応する必要がある。
(A)媒体に対して印刷を施す印刷ヘッドと、
(B)前記印刷ヘッドを移動させるためのモータと、
(C)前記印刷ヘッドを所定の方向に沿って案内するためのガイド部と、
(D)前記印刷ヘッドが前記ガイド部との間でスティックスリップ動作を行うか否かを判定する判定部と、
(E)前記印刷ヘッドを移動させるときに前記モータを制御するための指令値を生成するモータ制御部であって、
前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行わないという前記判定部の判定に基づいて、前記印刷ヘッドを所定の目標速度で移動させるための指令値を生成し、
前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行うという前記判定部の判定に基づいて、前記印刷ヘッドを前記所定の目標速度よりも速い目標速度で移動させるための指令値を生成するモータ制御部と、
を備える印刷装置である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
(B)前記印刷ヘッドを移動させるためのモータと、
(C)前記印刷ヘッドを所定の方向に沿って案内するためのガイド部と、
(D)前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行うか否かを判定する判定部と、
(E)前記印刷ヘッドを移動させるときに前記モータを制御するための指令値を生成するモータ制御部であって、
前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行わないという前記判定部の判定に基づいて、前記印刷ヘッドを所定の目標速度で移動させるための指令値を生成し、
前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行うという前記判定部の判定に基づいて、前記印刷ヘッドを前記所定の目標速度よりも速い目標速度で移動させるための指令値を生成するモータ制御部と、
を備える印刷装置。
このようにすることで、スティックスリップ動作を行うという判定に基づいて、スティックスリップ動作が発生しにくいように目標速度を上げて印刷ヘッドの移動を制御するので、スティックスリップ動作を抑制することができる。
前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行うか否かを判定するステップと、
前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行わないという前記判定に基づいて、前記印刷ヘッドを所定の目標速度で移動させるための指令値を生成し、前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行うという前記判定に基づいて、前記印刷ヘッドを前記所定の目標速度よりも速い目標速度で移動させるための指令値を生成するステップと、
を含むスティックスリップ対応方法。
前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行うか否かを判定するステップと、
前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行わないという前記判定に基づいて、前記印刷ヘッドを所定の目標速度で移動させるための指令値を生成し、前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行うという前記判定に基づいて、前記印刷ヘッドを前記所定の目標速度よりも速い目標速度で移動させるための指令値を生成するステップと、
を実行するプログラム。
媒体に対して印刷を施す印刷ヘッドと、
前記印刷ヘッドを移動させるためのモータと、
前記印刷ヘッドを所定の方向に沿って案内するためのガイド部と、
前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行うか否かを判定する判定部と、
前記印刷ヘッドを移動させるときに前記モータを制御するための指令値を生成するモータ制御部であって、
前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行わないという前記判定部の判定に基づいて、前記印刷ヘッドを所定の目標速度で移動させるための指令値を生成し、
前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行うという前記判定部の判定に基づいて、前記印刷ヘッドを前記所定の目標速度よりも速い目標速度で移動させるための指令値を生成するモータ制御部と、
を備える印刷システム。
本発明に係る印刷装置の実施の形態について、インクジェットプリンタ1を例にして説明する。図1〜図4は、そのインクジェットプリンタ1を示したものである。図1は、そのインクジェットプリンタ1の外観を示す。図2は、そのインクジェットプリンタ1の内部構成を示す。図3は、そのインクジェットプリンタ1の搬送部の構成を示す。図4は、そのインクジェットプリンタ1のシステム構成を示す。
プラテン14へと送り込まれた媒体Sは、ヘッド21から吐出されたインクによって順次印刷される。プラテン14は、ヘッド21と対向して設けられ、印刷される媒体Sを下側から支持する。
次にこのインクジェットプリンタ1のシステム構成について説明する。このインクジェットプリンタ1は、図4に示すように、バッファメモリ122と、イメージバッファ124と、コントローラ126と、メインメモリ127と、通信インターフェース129と、キャリッジモータ制御部128と、搬送制御部130と、ヘッド駆動部132とを備えている。
図5は、ヘッド21の下面部に設けられたインクのノズルの配列を示した図である。ヘッド21の下面部には、同図に示すように、イエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色ごとにそれぞれ複数のノズル♯1〜♯180からなるノズル列、即ちシアンノズル列211C、マゼンダノズル列211M、イエロノズル列211Y、およびブラックノズル列211Kが設けられている。
<エンコーダの構成>
図6は、リニア式エンコーダ51の構成を概略的に示したものである。リニア式エンコーダ51は、リニア式エンコーダ符号板464と、検出部466とを備えている。リニア式エンコーダ符号板464は、図2に示すように、インクジェットプリンタ1内部のフレーム側に取り付けられている。一方、検出部466は、キャリッジ41側に取り付けられている。キャリッジ41がガイドレール46に沿って移動すると、検出部466がリニア式エンコーダ符号板464に沿って相対的に移動する。これによって、検出部466は、キャリッジ41の移動量を検出する。
図7は、この検出部466の構成を模式的に示したものである。この検出部466は、発光ダイオード452と、コリメータレンズ454と、検出処理部456とを備えている。検出処理部456は、複数(例えば4個)のフォトダイオード458と、信号処理回路460と、例えば2個のコンパレータ462A、462Bとを有している。
発光ダイオード452の両端に抵抗を介して電圧Vccが印加されると、発光ダイオード452から光が発せられる。この光はコリメータレンズ454により平行光に集光されてリニア式エンコーダ符号板464を通過する。リニア式エンコーダ符号板464には、所定の間隔(例えば、1/180インチ(1インチ=2.54cm))毎にスリットが設けられている。
図8A及び図8Bは、キャリッジモータ42の正転時及び逆転時における検出部466の2つの出力信号の波形を示したタイミングチャートである。図8A及び図8Bに示すように、キャリッジモータ42の正転時及び逆転時のいずれの場合も、パルスENC−AとパルスENC−Bとは位相が90度だけ異なっている。キャリッジモータ42が正転しているとき、即ち、キャリッジ41がガイドレール46に沿って移動しているときは、図8Aに示すように、パルスENC−AはパルスENC−Bよりも90度だけ位相が進み、キャリッジモータ42が逆転しているときは、図8Bに示すように、パルスENC−AはパルスENC−Bよりも90度だけ位相が遅れる。そして、パルスENC−A及びパルスENC−Bの1周期Tは、キャリッジ41がリニア式エンコーダ符号板464のスリット間隔を移動する時間に等しい。
キャリッジモータ制御部128の構成について詳しく説明する。図9Aは、キャリッジモータ制御部128の回路構成の一例を示したブロック構成図である。キャリッジモータ制御部128は、同図に示すように、位置演算部331と、減算器332と、変換器333と、速度演算部334と、減算器335と、比例要素336Aと、積分要素336Bと、微分要素336Cと、加算器337と、PWM回路338と、加速制御部339Aと、タイマ339Bとを有する。
減算器335は、変換器333から出力される目標速度Vtと、速度演算部334により検出された検出速度Vcとの速度偏差ΔVを演算する。
QP(j)=ΔV(j)×Gp………………………………(1)
QI(j)=QI(j−1)+ΔV(j)×Gi…………(2)
QD(j)={ΔV(j)−ΔV(j−1)}×Gd……(3)
ΣQ(j)=QP(j)+QI(j)+QD(j)………(4)
図10Aは、PWM回路338に入力されるデューティ信号の時間変化のグラフである。図10Bは、キャリッジモータ42の速度変化のグラフである。以下、これらの図を用いて、キャリッジモータ42の駆動について説明する。
次に前述したインクジェットプリンタ1の印刷動作について説明する。ここでは、「双方向印刷」を例にして説明する。図11は、インクジェットプリンタ1の印刷動作の処理手順の一例を示したフローチャートである。以下で説明される各処理は、コントローラ126が、メインメモリ127からプログラムを読み出して、当該プログラムに従って、キャリッジモータ制御部128や搬送制御部130、ヘッド駆動部132などを各々制御することにより実行される。
このようなインクジェットプリンタ1にあっては、長期間にわたり使用されなかったりした場合などに、キャリッジ41(印刷ヘッド)がガイドレール46に沿ってうまく滑らなくなり、キャリッジ41の移動速度が周期的に速くなったり遅くなったり、またキャリッジ41が動いたり停まったりする動作を繰り返す、いわゆるスティックスリップ動作(しゃくとり動作ともいう)を行ってしまうことがあった。
このようなスティックスリップ動作をキャリッジ41が行うのは、キャリッジモータ制御部128がキャリッジモータ42を介してキャリッジ41を所定の速度以下にて定速移動させようとした場合である。つまり、キャリッジ41が所定の速度を上回る速度にて定速移動する場合、即ち例えば、キャリッジ41が、印刷実行時等において非常に高速で移動する場合には、スティックスリップ動作はほとんど発生しない。ここでいう所定の速度とは、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行う可能性のある上限の速度のことをいう。
キャリッジ41に搭載されたインクカートリッジ48(図2参照)がユーザー等により交換される場合である。インクカートリッジ48がユーザー等により交換される場合には、インクカートリッジ48がユーザー等により交換し易いように所定の位置までキャリッジ41を移動させる必要がある。この場合に、ユーザー等が不用意にキャリッジ41と接触しないようにするために、キャリッジ41を所定の速度以下にてゆっくりと低速移動させる必要がある。
キャリッジ41がキャッピング装置35(図2参照)が設けられた位置まで移動する場合である。印刷を行わないとき(待機時など)などには、ヘッド21のノズル♯1〜♯180の目詰まりを防止するために、キャリッジ41がキャッピング装置35の設置位置まで移動してヘッド21のノズル♯1〜♯180を封止する動作が行われる。このような場合に、キャリッジ41を所定の速度以下にてゆっくりと低速移動させる。
電源が投入されたときに、キャリッジ41がキャッピング装置35から離れて、印刷処理の実行準備、例えば、ヘッド21のノズル♯1〜♯180のクリーニング等を行うために、イニシャル動作を開始する。このような場合に、キャリッジ41を所定の速度以下にてゆっくりと低速移動させる。また、後述するスティックスリップ動作が行われる領域の設定も電源投入時に行われ、この際、キャリッジ41は所定の速度以下にて低速移動させられる。
キャリッジ41に設けられた光学センサ(図示外)により、インクジェットプリンタ1がこれから印刷しようとする媒体Sの幅を検出するために、キャリッジ41がガイドレール46に沿って移動する。このとき、媒体Sの幅を精度良く調べるために、キャリッジ41が所定の速度以下にてゆっくりと低速移動する。
このようなスティックスリップ動作をキャリッジ41が行った場合、キャリッジ41を目標位置にて停止させることができず、目標位置周辺にてキャリッジ41を行ったり来たりしたりするなどの不具合が生じることがあった。そして、このようなスティックスリップ動作が発生した場合、目標位置に停止するまでに時間を要してしまう場合があった。このようなことから、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行ったときには、これを速やかに検知して対応する必要がある。
キャリッジ41の移動速度に基づき、キャリッジ41がスティックスティック動作を行ったか否か判定する。この判定方法の1つとして、キャリッジ41の移動速度が所定のしきい値V0を超えたときに、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行っていると判定する方法がある。キャリッジ41がスティックスリップ動作を行った場合には、図13Aに説明するように、キャリッジ41の移動速度は、キャリッジ41が動き出すと、急激に上昇する。このときのキャリッジ41の移動速度は、本来のキャリッジ41の移動速度よりもずっと速い速度にまで達する。このことから、適当な所定のしきい値V0を設定して、キャリッジ41の移動速度が、この所定のしきい値V0を超えたか否かを調べることで、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行ったか否か簡単にチェックすることができる。
キャリッジモータ制御部128がキャリッジモータ42を制御するために生成する制御信号に基づき、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行ったか否かを判定する。ここで、制御信号としては、例えば、キャリッジモータ制御部128のPWM回路338(図9参照)に入力されるデューティ信号に基づき判定をする。
尚、加速制御部339Aによる制御が行われている間、デューティ信号値は連続的に増加しているように見えるが、これは4(ms)ごとに増分されているため巨視的に連続して増加しているように見えるのであり、実際は階段状に増加している。
また、制御信号に基づきキャリッジ41がスティックスリップ動作を行ったか否かを判定する方法としては、デューディ信号の信号値の極大値Vmaxと極小値Vminとの差ΔVに基づき判定する以外に、他の方法により判定しても良い。
ここでは、キャリッジ41の加速度に基づき、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行ったか否かを判定する。ここで、加速度は、キャリッジモータ制御部128の速度演算部334(図9参照)により取得する。つまり、速度演算部334は、リニア式エンコーダ51からの出力に基づき検出したキャリッジ41の移動速度を所定の時間間隔にて周期的に出力する。コントローラ126は、速度演算部334から周期的に送られてきたキャリッジ41の移動速度の差分からキャリッジ41の加速度を取得し、この差分に基づき、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行ったか否かを判定する。
ここでは、キャリッジ41の移動開始から移動終了までの間に、キャリッジ41の移動速度が所定の許容下限値以下になった時間を計測するタイマの計測時間に基づき、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行ったか否かを判定する。
<第1実施形態>
キャリッジ41の移動時において、低速の目標速度でキャリッジ41の移動を制御させたいものの、スティックスリップ動作が発生してしまうのならばより速い目標速度を設定してキャリッジ41の移動を制御したほうが望ましい状況もあり得る。例えば、キャリッジ41を低い目標速度で移動させようとすると、目標速度が低すぎ小さなデューティ信号値しか生成されない。そうすると、グリスの固化などを原因とするスティックスリップ動作の発生によってキャリッジ41が動きにくくなってしまう場合があり、最悪の場合、動きが停止してしまうおそれがある。
図18Aは、キャリッジ41の目標位置と現在位置との位置偏差に対する目標速度を示す図である。ここでは、目標速度を求めるためのデータとして目標速度データG1と目標速度データG2が変換器333内に用意されている。目標速度データは、位置偏差に対して目標速度が決まるデータである。そして、目標速度データG2における位置偏差に対する目標速度は、目標速度データG1における同じ位置偏差に対する目標速度よりも大きな値となるようになっている。これらの目標速度は、位置偏差が0からl1までは比例的に増加するように設定されており、それよりも位置偏差が大きいときは一定値となるようにされている。
その後、キャリッジ41が移動してスティックスリップ領域に入ると(位置偏差はまだl1よりも大きい)、コントローラ126の指示により変換器333が参照する目標速度データがG2へと切り替えられる。そうすると、変換器333は、目標速度データG2を参照し、目標速度としてVs2を減算器335に出力する。そして、キャリッジ41は速度Vs2で移動するように速度制御される。
次に通常の印刷処理に入る前に、コントローラ126は、記憶したスティックスリップ領域をメインメモリ127から読み出す(S204)。
次に、通常の印刷処理時においてキャリッジ41を所定の速度以下の速度にて定速移動させるときに、キャリッジ41がスティックスリップ領域にあるときは、目標速度を上げてキャリッジモータ42を制御する(S206)。
第2実施形態にかかるインクジェットプリンタ1では、プリンタの電源投入時において、キャリッジ41を所定の速度以下の速度で往路方向及び復路方向に定速移動させ、スティックスリップ動作が検出された位置を特定する。そして、スティックスリップ動作が検出された位置を中心とした所定の範囲を、移動方向ごとにスティックスリップ領域としてメインメモリ127に記憶する。そして、実際の印刷動作時においてキャリッジ41を低速移動させようと制御するとき、各移動方向のスティックスリップ領域にキャリッジ41があるときには、目標速度を出力させるためのデータ(目標速度データG1)をより高い目標速度を出力するためのデータ(目標速度データG2)へと変更して、キャリッジ41の移動を制御する。
第3実施形態にかかるインクジェットプリンタ1では、キャリッジ41を所定の速度以下の速度で移動させているときにスティックスリップ動作が発生したか否かの検知を行う。そして、スティックスリップ動作が検知されると、前述の実施形態と同様に、コントローラ126は、変換器333が参照する目標速度データを図19のG1からG2へと切り替えてキャリッジモータ42を制御する。
図24は、別の形態のコントローラ126’とキャリッジモータ制御部128’を説明するための図である。図24に示すコントローラ126’は、前述のコントローラ126にキャリッジ41の位置に対応する目標速度を出力する機能が追加される。また、図24に示すキャリッジモータ制御部128’の構成は図9のキャリッジモータ128の構成と似た構成になっている。よって、同じ要素については同じ符号を付して説明を省略し、以下に異なっている箇所について説明を行う。
キャリッジ41の目標停止位置はDに設定されている。また、キャリッジ41が位置0から位置dまでにおいて目標速度は一定の値が出力されるようになっている。そして、位置dから目標位置Dまでにかけて比例的に目標速度が下げられるようになっている。
(1)本実施形態による印刷装置1では、紙Sに対して印刷を施すヘッド21と、このヘッド21を移動させるためのキャリッジモータ42と、ヘッド21を所定の方向に沿って案内するためのガイドレール46と、ヘッド21がスティックスリップ動作を行うか否かを判定するコントローラ126と、ヘッド21を移動させるときにキャリッジモータ42を制御するためのデューティ信号値を生成するキャリッジモータ制御部128とを備える。そして、キャリッジモータ制御部128は、ヘッド21がスティックスリップ動作を行わないというコントローラ126の判定に基づいて、ヘッド21を所定の目標速度で移動させるためのデューティ信号値を生成し、ヘッド21がスティックスリップ動作を行うというコントローラ126の判定に基づいて、ヘッド21を所定の目標速度よりも速い目標速度で移動させるためのデューティ信号値を生成する。
このようにすることで、ヘッド21の目標停止位置までの距離に応じた速度制御を行うことができる。
このようにすることで、ヘッド21の目標停止位置までの距離が所定の距離よりも離れているときには、一定値の最高速度を目標速度として設定することができる。
このようにすることで、所定の目標速度よりも速い目標速度にヘッド21の速度が収束するので、スティックスリップ動作の発生を抑制することができる。
このようにすることで、容易にスティックスリップ領域を設定することができる。
このようにすることで、スティックスリップ動作が発生しやすいようなヘッド21を所定の速度以下にて移動させているときにスティックスリップ動作を行っているか否かを判定することができる。
(11)また、印刷装置1は、ヘッド21の移動開始から移動終了までの間に、ヘッド21の移動速度が所定の許容下限値以下になった時間を計測するタイマをさらに備える。そして、コントローラ126は、タイマの計測時間に基づき、ヘッド21がスティックスリップ動作を行っているか否かを判定する。
このような判定を行えば、ヘッド21がスティックスリップ動作を行っているか否かを簡単に判定することができる。
次に、本発明に係る印刷システムの一実施形態として、印刷装置としてインクジェットプリンタ1を備えた場合を例に説明する。図26は、印刷システムの一実施形態の外観構成を示したものである。この印刷システム300は、コンピュータ140と、表示装置304と、入力装置306とを備えている。コンピュータ140は、パーソナルコンピュータなどをはじめとする各種コンピュータにより構成される。
以上、実施形態に基づき、本発明に係るプリンタ等の印刷装置について説明したが、上記の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更または改良され得るとともに、本発明には、その等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に係る印刷装置に含まれるものである。
前述した実施の形態では、印刷ヘッド(ヘッド21)が、インクを吐出するノズル♯1〜♯180を有し、各ノズル♯1〜♯180からそれぞれインクを吐出して印刷をするようになっていたが、ここでいう印刷ヘッドにあっては、必ずしもこのようなヘッド21に限らない。つまり、媒体に対して印刷を施すのであれば、どのような形態の印刷ヘッドであっても構わない。
前述した実施の形態では、「モータ」としてキャリッジモータ42が、プーリ44と、タイミングベルト45とを介してキャリッジ41を移動させていたが、「印刷ヘッド」を移動させるための「モータ」にあっては、必ずしもこのようなモータに限らない。つまり、媒体に対して印刷を施す印刷ヘッドを移動させるためのモータであれば、どのようなモータであっても構わない。
前述した実施の形態では、印刷ヘッド(ヘッド21、キャリッジ41)を所定の方向に沿って案内する「ガイド部」として、印刷ヘッド(ヘッド21、キャリッジ41)を横方向に直線状に案内するガイドレール46が開示されていたが、「ガイド部」にあっては、必ずしもこのようなガイドレール46のみとは限らない。つまり、印刷ヘッド(ヘッド21、キャリッジ41)を所定の方向に沿って案内するためのガイド部であれば、どのようなタイプのガイド部であっても構わない。
前述した実施の形態では、「モータ制御部」としてキャリッジモータ制御部128を例にして、モータ(キャリッジモータ42)に対してPID制御等を実行するモータ制御部について説明したが、ここでいう「モータ制御部」にあっては、必ずしもこのようなモータ制御部に限らない。つまり、「モータ」を制御する制御部であれば、モータを制御する制御方式はどのような方式であっても構わない。例えば、PID制御等以外の他の方式によりモータを制御するモータ制御部であっても構わない。
前述した実施の形態では、印刷装置としては、前述したようなインクジェットプリンタ1の場合を例にして説明したが、このような印刷装置に限らず、他の方式によりインクを吐出するインクジェットプリンタであっても良い。
また、この他に、印刷装置としては、前述したインクジェットプリンタ1以外に、媒体に対して印刷を施し、かつ所定の方向に沿って移動可能に設けられた印刷ヘッドを備えた印刷装置であれば、どのようなタイプの印刷装置であっても構わない。
使用するインクについては、顔料インクであっても良く、また染料インクなど、その他各種インクであっても良い。
インクの色については、前述したイエロ(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の他に、ライトシアン(LC)やライトマゼンダ(LM)、ダークイエロ(DY)をはじめ、例えば、レッドやバイオレット、ブルー、グリーンなど、その他の色のインクを使用しても良い。
媒体については、普通紙やマット紙、カット紙、光沢紙、ロール紙、用紙、写真用紙、ロールタイプ写真用紙等をはじめ、これらの他に、OHPフィルムや光沢フィルム等のフィルム材や布材、金属板材などであっても構わない。すなわち、印刷対象となり得るものであれば、どのような媒体であっても構わない。
5 操作ボタン、6 表示ランプ、7 排紙トレイ、8 給紙トレイ、
13 給紙ローラ、14 プラテン、15 搬送モータ、17A 搬送ローラ、
17B 排紙ローラ、18A フリーローラ、18B フリーローラ、21 ヘッド、
31 ポンプ装置、35 キャッピング装置、41 キャリッジ、
42 キャリッジモータ、44 プーリ、45 タイミングベルト、
46 ガイドレール、48 インクカートリッジ、49 カートリッジ装着部、
51 リニア式エンコーダ、53 紙検知センサ、60 タイマ、
122 バッファメモリ、124 イメージバッファ、126 コントローラ、
127 メインメモリ、128 キャリッジモータ制御部、
129 通信インターフェース、130 搬送制御部、132 ヘッド駆動部、
134 ロータリ式エンコーダ、140 コンピュータ、211Y イエロノズル列、
211C シアンノズル列、211M マゼンダノズル列、
211K ブラックノズル列、331 位置演算部、332 減算器、
333 変換器、334 速度演算部、335 減算器、336A 比例要素、
336B 積分要素、336C 微分要素、337 加算器、338 PWM回路、
339A 加速制御部、339B タイマ、340 ドライバ、342 リミッタ、
452 発光ダイオード、454 コリメータレンズ、
456 検出処理部、458 フォトダイオード、460 信号処理回路、
462A コンパレータ、462B コンパレータ、
464 リニア式エンコーダ符号板、466 検出部
Claims (15)
- (A)媒体に対して印刷を施す印刷ヘッドと、
(B)前記印刷ヘッドを移動させるためのモータと、
(C)前記印刷ヘッドを所定の方向に沿って案内するためのガイド部と、
(D)前記印刷ヘッドが前記ガイド部との間でスティックスリップ動作を行うか否かを判定する判定部と、
(E)前記印刷ヘッドを移動させるときに前記モータを制御するための指令値を生成するモータ制御部であって、
前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行わないという前記判定部の判定に基づいて、前記印刷ヘッドを所定の目標速度で移動させるための指令値を生成し、
前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行うという前記判定部の判定に基づいて、前記印刷ヘッドを前記所定の目標速度よりも速い目標速度で移動させるための指令値を生成するモータ制御部と、
を備える印刷装置。 - 前記所定の目標速度よりも速い目標速度は、前記印刷ヘッドの目標停止位置までの距離に基づいて設定される、請求項1に記載の印刷装置。
- 前記印刷ヘッドの目標停止位置までの距離が所定の距離よりも離れているとき、前記所定の目標速度よりも速い目標速度は一定値に設定される、請求項1または2に記載の印刷装置。
- 前記印刷ヘッドの目標停止位置までの距離が所定の距離よりも離れているとき、前記所定の目標速度よりも速い目標速度は、前記スティックスリップ動作時の前記印刷ヘッドの最高速度よりも高い速度に設定される、請求項1〜3のいずれかに記載の印刷装置。
- 前記判定部によって前記印刷ヘッドが前記スティックスリップ動作を行うと判定された位置に基づいて設定されたスティックスリップ領域を記憶する記憶部をさらに備え、
前記モータ制御部は、前記印刷ヘッドが前記スティックスリップ領域にないときには、前記印刷ヘッドを前記所定の目標速度で移動させるための指令値を生成し、前記印刷ヘッドが前記スティックスリップ領域にあるときには、前記印刷ヘッドを前記所定の目標速度よりも速い目標速度で移動させるための指令値を生成する、請求項1〜4のいずれかに記載の印刷装置。 - 前記記憶部は、前記判定部によって前記印刷ヘッドが前記スティックスリップ動作を行うと判定された位置から所定の範囲を前記スティックスリップ領域であるとして記憶する、請求項5に記載の印刷装置。
- 前記判定部が、前記スティックスリップ動作を行っているか否かを判定するのは、前記印刷ヘッドを前記ガイド部に沿って所定の速度以下にて移動させるときである、請求項1〜6のいずれかに記載の印刷装置。
- 前記印刷ヘッドの移動速度を検出する速度検出部をさらに備え、
前記判定部は、前記速度検出部により検出された前記移動速度に基づき、前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行っているかを判定する、請求項1〜7のいずれかに記載の印刷装置。 - 前記判定部は、前記指令値に基づき、前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行っているか否かを判定する、請求項1〜7のいずれかに記載の印刷装置。
- 前記印刷ヘッドの加速度を検出する加速度検出部をさらに備え、
前記判定部は、前記加速度検出部により検出された前記加速度に基づき、前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行っているか否かを判定する、請求項1〜7のいずれかに記載の印刷装置。 - 前記印刷ヘッドの移動開始から移動終了までの間に、前記印刷ヘッドの移動速度が所定の許容下限値以下になった時間を計測するタイマをさらに備え、
前記判定部は、前記タイマの計測時間に基づき、前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行っているか否かを判定する、請求項1〜7のいずれかに記載の印刷装置。 - 前記印刷ヘッドは、前記媒体に対して印刷を施すために前記媒体に向けてインクを吐出するノズルを備えている、請求項1〜11に記載の印刷装置。
- 媒体に対して印刷を施す印刷ヘッドを当該印刷ヘッドを所定の方向に沿って案内するガイド部に沿って移動させるために、前記印刷ヘッドを移動させるモータを制御するための指令値を生成するステップと、
前記印刷ヘッドが前記ガイド部との間でスティックスリップ動作を行うか否かを判定するステップと、
前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行わないという前記判定に基づいて、前記印刷ヘッドを所定の目標速度で移動させるための指令値を生成し、前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行うという前記判定に基づいて、前記印刷ヘッドを前記所定の目標速度よりも速い目標速度で移動させるための指令値を生成するステップと、
を含むスティックスリップ対応方法。 - 媒体に対して印刷を施す印刷ヘッドを当該印刷ヘッドを所定の方向に沿って案内するガイド部に沿って移動させるために、前記印刷ヘッドを移動させるモータを制御するための指令値を生成するステップと、
前記印刷ヘッドが前記ガイド部との間でスティックスリップ動作を行うか否かを判定するステップと、
前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行わないという前記判定に基づいて、前記印刷ヘッドを所定の目標速度で移動させるための指令値を生成し、前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行うという前記判定に基づいて、前記印刷ヘッドを前記所定の目標速度よりも速い目標速度で移動させるための指令値を生成するステップと、
を実行するプログラム。 - コンピュータと、当該コンピュータに接続可能な印刷装置とを備えた印刷システムであって、
媒体に対して印刷を施す印刷ヘッドと、
前記印刷ヘッドを移動させるためのモータと、
前記印刷ヘッドを所定の方向に沿って案内するためのガイド部と、
前記印刷ヘッドが前記ガイド部との間でスティックスリップ動作を行うか否かを判定する判定部と、
前記印刷ヘッドを移動させるときに前記モータを制御するための指令値を生成するモータ制御部であって、
前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行わないという前記判定部の判定に基づいて、前記印刷ヘッドを所定の目標速度で移動させるための指令値を生成し、
前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行うという前記判定部の判定に基づいて、前記印刷ヘッドを前記所定の目標速度よりも速い目標速度で移動させるための指令値を生成するモータ制御部と、
を備える印刷システム。
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