JP2006312285A - 印刷装置、スティックスリップ検知方法、プログラム、および印刷システム - Google Patents

印刷装置、スティックスリップ検知方法、プログラム、および印刷システム Download PDF

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人志 五十嵐
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Abstract

【課題】 印刷ヘッドのスティックスリップ動作の発生の有無を速やかに検知する。
【解決手段】 印刷装置は、媒体に対して印刷を施す印刷ヘッドと、前記印刷ヘッドを移動させるためのモータと、前記印刷ヘッドを所定の方向に沿って案内するためのガイド部と、前記モータを制御するモータ制御部と、前記印刷ヘッドの加速度を検出する加速度検出部と、前記モータ制御部が前記印刷ヘッドを前記ガイド部に沿って所定の速度以下にて定速移動させるべく前記モータを制御したときに、前記加速度検出部により検出された前記加速度に基づき、前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行ったか否かを判定する判定部とを備えたことを特徴とする。
【選択図】 図13

Description

本発明は、ガイド部に沿って印刷ヘッドが移動する印刷装置、スティックスリップ検知方法、プログラム、および印刷システムに関する。
紙やフィルム等の媒体に対して印刷を施す印刷装置として、例えば、インクジェットプリンタが知られている。このインクジェットプリンタは、媒体に対してインクを吐出する印刷ヘッドを備え、この印刷ヘッドが媒体に対して相対的に移動しながらインクを吐出して媒体に印刷を施すようになっている。
印刷ヘッドは、プリンタ内部のガイド部によって所定の方向に沿って案内されて移動する。印刷ヘッドの移動は、モータにより行われる。印刷ヘッドは、モータの制御部によって所定の速度まで加速されて、例えばPID制御等により所定の速度にて定速移動しながら目標位置まで移動する(特許文献1、2、3参照)。
特開2001−103778号公報 特開2001−158144号公報 特開2001−169584号公報
このようなインクジェットプリンタにあっては、次のような問題が発生することがあった。すなわち、例えば、インクジェットプリンタが長期間にわたり使用されなかったりした場合に、印刷ヘッドがガイド部に沿ってうまく滑らなくなり、印刷ヘッドが動いたり停まったりする動作を繰り返す、いわゆるスティックスリップ動作(しゃくとり動作ともいう)を行ってしまうことがあった。このようなスティックスリップ動作は、印刷ヘッドとガイド部との間の摺動部のグリスが固化してしまったことなどが原因となり発生するものである。特に、印刷ヘッドが低速で移動しようとした場合に、このようなスティックスリップ動作が発生する。
このようなスティックスリップ動作が発生した場合、印刷ヘッドを目標位置にて停止させることができなくなり、印刷ヘッドが目標位置周辺にて行ったり来たりしたりするなどの不具合が生じることがあった。また、このようなスティックスリップ動作が発生した場合、ユーザーが故障ではないかと不安に思うなどの問題が発生する場合があった。このようなことから、印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行ったときには、これを速やかに検知して対処する必要がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行ったときに、これを速やかに検知することにある。
前記目的を達成するための主たる発明は、
(A)媒体に対して印刷を施す印刷ヘッドと、
(B)前記印刷ヘッドを移動させるためのモータと、
(C)前記印刷ヘッドを所定の方向に沿って案内するためのガイド部と、
(D)前記モータを制御するモータ制御部と、
(E)前記印刷ヘッドの加速度を検出する加速度検出部と、
(F)前記モータ制御部が前記印刷ヘッドを前記ガイド部に沿って所定の速度以下にて定速移動させるべく前記モータを制御したときに、前記加速度検出部により検出された前記加速度に基づき、前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行ったか否かを判定する判定部と、
(G)を備えたことを特徴とする印刷装置である。
本発明の他の特徴は、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
===開示の概要===
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
(A)媒体に対して印刷を施す印刷ヘッドと、
(B)前記印刷ヘッドを移動させるためのモータと、
(C)前記印刷ヘッドを所定の方向に沿って案内するためのガイド部と、
(D)前記モータを制御するモータ制御部と、
(E)前記印刷ヘッドの加速度を検出する加速度検出部と、
(F)前記モータ制御部が前記印刷ヘッドを前記ガイド部に沿って所定の速度以下にて定速移動させるべく前記モータを制御したときに、前記加速度検出部により検出された前記加速度に基づき、前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行ったか否かを判定する判定部と、
(G)を備えたことを特徴とする印刷装置。
この印刷装置にあっては、モータ制御部が印刷ヘッドをガイド部に沿って所定の速度以下にて定速移動させるべくモータを制御したときに、加速度検出部により検出された加速度に基づき、印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行ったか否か判定することで、印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行ったときに、これを速やかに検知することができる。
また、かかる印刷装置にあっては、前記判定部は、前記印刷ヘッドが加速しているときに前記加速度検出部により検出された前記加速度に基づき、前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行ったか否かを判定しても良い。このように印刷ヘッドが加速しているときに検出された加速度に基づき、印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行ったか否かを判定することで、印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行ったか否かを簡単に判定することができる。
また、かかる印刷装置にあっては、前記判定部は、前記印刷ヘッドが減速しているときに前記加速度検出部により検出された前記加速度に基づき、前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行ったか否かを判定しても良い。このように印刷ヘッドが減速しているときに検出された加速度に基づき、印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行ったか否かを判定することで、印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行ったか否かを簡単に判定することができる。
また、かかる印刷装置にあっては、前記判定部は、前記加速度検出部により検出された前記加速度と、所定のしきい値とを比較して、前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行ったか否かを判定しても良い。このように加速度検出部により検出された加速度と所定のしきい値とを比較することによって、印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行ったか否かを簡単に判定することができる。
また、かかる印刷装置にあっては、前記判定部は、前記加速度検出部により検出された前記加速度が、所定のしきい値を上回ることが所定回数以上発生した場合に、前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行ったと判定しても良い。このように検出された加速度が所定のしきい値を上回ることが所定回数以上発生した場合に、印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行ったと判定することで、印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行ったか否かをより的確に判定することができる。
また、かかる印刷装置にあっては、前記判定部は、前記加速度検出部により検出された前記加速度が、所定のしきい値を下回ることが所定回数以上発生した場合に、前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行ったと判定しても良い。このように検出された加速度が所定のしきい値を下回ることが所定回数以上発生した場合に、印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行ったと判定することで、印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行ったか否かをより的確に判定することができる。
また、かかる印刷装置にあっては、前記判定部は、前記モータ制御部が前記印刷ヘッドを前記ガイド部に沿って所定の速度以下にて定速移動させるべく前記モータを制御する間に、前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行ったか否か判定しても良い。このようにモータ制御部が印刷ヘッドを所定の速度以下にて定速移動させるべくモータを制御する間に、印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行ったか否かを判定することによって、印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行ったか否かをより確実に検知することができる。
また、かかる印刷装置にあっては、前記モータ制御部が前記印刷ヘッドを前記ガイド部に沿って所定の速度以下にて定速移動させるべく前記モータを制御したときとは、前記印刷ヘッドを当該印刷ヘッドに設けられた開口部を閉塞するキャッピング装置まで移動させたときであっても良い。これにより、印刷ヘッドが印刷ヘッドに設けられた開口部を閉塞するキャッピング装置まで移動するときに、印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行ったか否かを簡単に検知することができる。
また、かかる印刷装置にあっては、前記モータ制御部が前記印刷ヘッドを前記ガイド部に沿って所定の速度以下にて定速移動させるべく前記モータを制御したときとは、前記印刷ヘッドに設けられた光学センサにより、印刷しようとする媒体の幅を検出するために前記印刷ヘッドを前記ガイド部に沿って移動させたときであっても良い。これにより、印刷ヘッドに設けられた光学センサにより、印刷しようとする媒体の幅を検出するために印刷ヘッドがガイド部に沿って移動するときに、印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行ったか否かを検知することができる。
また、かかる印刷装置にあっては、前記モータ制御部が前記印刷ヘッドを前記ガイド部に沿って所定の速度以下にて定速移動させるべく前記モータを制御したときとは、前記印刷ヘッドに搭載されたカートリッジを交換するために前記印刷ヘッドを所定位置まで移動させたときであっても良い。これにより、印刷ヘッドに搭載されたカートリッジを交換するために前記印刷ヘッドが所定位置まで移動するときに、印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行ったか否かを検知することができる。
また、かかる印刷装置にあっては、前記印刷ヘッドにより媒体に対して印刷を施す前に、前記モータ制御部により前記印刷ヘッドを前記ガイド部に沿って所定の速度以下にて定速移動させるべく前記モータを制御して、前記判定部により前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行うか否かを判定しても良い。このように印刷ヘッドにより媒体に印刷を施す前に、印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行うか否かを判定することで、印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行うか否かを事前に検知することができる。
また、かかる印刷装置にあっては、前記印刷ヘッドは、前記媒体に対して印刷を施すために前記媒体に向けてインクを吐出するノズルを備えていても良い。このようなノズルが設けられた印刷ヘッドを有する印刷装置にて、印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行ったか否かを検知することができる。
(A)媒体に対して印刷を施す印刷ヘッドと、
(B)前記印刷ヘッドを移動させるためのモータと、
(C)前記印刷ヘッドを所定の方向に沿って案内するためのガイド部と、
(D)前記モータを制御するモータ制御部と、
(E)前記印刷ヘッドの加速度を検出する加速度検出部と、
(F)前記モータ制御部が前記印刷ヘッドを前記ガイド部に沿って所定の速度以下にて定速移動させるべく前記モータを制御したときに、前記加速度検出部により検出された前記加速度に基づき、前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行ったか否かを判定する判定部と、
(G)を備え、
(H)前記判定部は、前記印刷ヘッドが加速しているときに前記加速度検出部により検出された前記加速度に基づき、前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行ったか否かを判定し、
(I)前記判定部は、前記加速度検出部により検出された前記加速度が、所定のしきい値を上回ることが所定回数以上発生した場合に、前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行ったと判定し、
(J)前記判定部は、前記モータ制御部が前記印刷ヘッドを前記ガイド部に沿って所定の速度以下にて定速移動させるべく前記モータを制御する間に、前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行ったか否か判定し、
(K)前記モータ制御部が前記印刷ヘッドを前記ガイド部に沿って所定の速度以下にて定速移動させるべく前記モータを制御したときとは、前記印刷ヘッドを当該印刷ヘッドに設けられた開口部を閉塞するキャッピング装置まで移動させたときであり、
(L)前記モータ制御部が前記印刷ヘッドを前記ガイド部に沿って所定の速度以下にて定速移動させるべく前記モータを制御したときとは、前記印刷ヘッドに設けられた光学センサにより、印刷しようとする媒体の幅を検出するために前記印刷ヘッドを前記ガイド部に沿って移動させたときであり、
(M)前記モータ制御部が前記印刷ヘッドを前記ガイド部に沿って所定の速度以下にて定速移動させるべく前記モータを制御したときとは、前記印刷ヘッドに搭載されたカートリッジを交換するために前記印刷ヘッドを所定位置まで移動させたときであり、
(N)前記印刷ヘッドにより媒体に対して印刷を施す前に、前記モータ制御部により前記印刷ヘッドを前記ガイド部に沿って所定の速度以下にて定速移動させるべく前記モータを制御して、前記判定部により前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行うか否かを判定し、
(O)前記印刷ヘッドは、前記媒体に対して印刷を施すために前記媒体に向けてインクを吐出するノズルを備えていることを特徴とする印刷装置。
媒体に対して印刷を施す印刷ヘッドを当該印刷ヘッドを所定の方向に沿って案内するガイド部に沿って所定の速度以下にて定速移動させるべくモータを制御するステップと、
前記モータにより移動する前記印刷ヘッドの加速度を検出するステップと、
検出された前記加速度に基づき、前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行ったか否かを判定するステップと、
を有することを特徴とするスティックスリップ検知方法。
媒体に対して印刷を施す印刷ヘッドを当該印刷ヘッドを所定の方向に沿って案内するガイド部に沿って所定の速度以下にて定速移動させるべくモータを制御するステップと、
前記モータにより移動する前記印刷ヘッドの加速度を検出するステップと、
検出された前記加速度に基づき、前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行ったか否かを判定するステップと、
を実行することを特徴とするプログラム。
コンピュータと、このコンピュータに接続可能な印刷装置とを具備した印刷システムであって、
前記印刷装置は、媒体に対して印刷を施す印刷ヘッドと、
前記印刷ヘッドを移動させるためのモータと、
前記印刷ヘッドを所定の方向に沿って案内するためのガイド部と、
前記モータを制御するモータ制御部と、
前記印刷ヘッドの加速度を検出する加速度検出部と、
前記モータ制御部が前記印刷ヘッドを前記ガイド部に沿って所定の速度以下にて定速移動させるべく前記モータを制御したときに、前記加速度検出部により検出された前記加速度に基づき、前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行ったか否かを判定する判定部と、
を備えたことを特徴とする印刷システム。
===印刷装置の概要===
本発明に係る印刷装置の実施の形態について、インクジェットプリンタ1を例にして説明する。図1〜図4は、そのインクジェットプリンタ1を示したものである。図1は、そのインクジェットプリンタ1の外観を示す。図2は、そのインクジェットプリンタ1の内部構成を示す。図3は、そのインクジェットプリンタ1の搬送部の構成を示す。図4は、そのインクジェットプリンタ1のシステム構成を示す。
このインクジェットプリンタ1は、図1に示すように、背面から供給された印刷用紙等の媒体を前面から排出する構造を備えており、その前面部には、操作パネル2および排紙部3が設けられ、その背面部には、給紙部4が設けられている。操作パネル2には、各種操作ボタン5および表示ランプ6が設けられている。また、排紙部3には、不使用時に排紙口を塞ぐ排紙トレイ7が設けられている。給紙部4には、カット紙などの媒体を保持するための給紙トレイ8が設けられている。
このインクジェットプリンタ1は、図1に示すように、背面から供給された印刷用紙等の媒体を前面から排出する構造を備えており、その前面部には操作パネル2および排紙部3が設けられ、その背面部には、給紙部4が設けられている。操作パネル2には、各種操作ボタン5および表示ランプ6が設けられている。また、排紙部3には、不使用時に排紙口を塞ぐ排紙トレイ7が設けられている。給紙部4には、カット紙などの媒体を保持するための給紙トレイ8が設けられている。
このインクジェットプリンタ1の内部には、図2に示すように、キャリッジ41が設けられている。このキャリッジ41は、左右方向に沿って相対的に移動可能に設けられている。キャリッジ41の周辺には、キャリッジモータ42と、プーリ44と、タイミングベルト45と、ガイドレール46とが設けられている。キャリッジモータ42は、DCモータなどにより構成され、キャリッジ41を左右方向(以下、キャリッジ移動方向ともいう)に沿って相対的に移動させるための駆動源である。タイミングベルト45は、プーリ44を介してキャリッジモータ42に接続されるとともに、その一部がキャリッジ41に接続され、キャリッジモータ42の回転駆動によってキャリッジ41をキャリッジ移動方向(左右方向)に沿って相対的に移動させる。ガイドレール46は、キャリッジ41をキャリッジ移動方向(左右方向)に沿って案内する。
この他に、キャリッジ41の周辺には、キャリッジ41の位置を検出するリニア式エンコーダ51と、媒体Sをキャリッジ41の移動方向と交差する方向(図中、前後方向。以下、搬送方向ともいう)に沿って搬送するための搬送ローラ17Aと、この搬送ローラ17Aを回転駆動させる搬送モータ15とが設けられている。
一方、キャリッジ41には、各種インクを収容したインクカートリッジ48と、媒体Sに対して印刷を行うヘッド21とが設けられている。インクカートリッジ48は、例えば、イエロ(Y)やマゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)などの各色のインクを収容しており、キャリッジ41に設けられたカートリッジ装着部49に着脱可能に装着されている。また、ヘッド21は、本実施形態では、媒体Sに対してインクを吐出して印刷を施す。このために、ヘッド21には、インクを吐出するための多数のノズルが設けられている。
なお、ヘッド21は、媒体に対して印刷を施す「印刷ヘッド」に相当する。また、本実施形態では、このヘッド21がキャリッジ41に設けられていることから、キャリッジ41も「印刷ヘッド」に相当する。また、ガイドレール46は、キャリッジ41(ヘッド21)を所定の方向に沿って案内することから、「ガイド部」に相当する。また、キャリッジモータ42は、キャリッジ41(ヘッド21)を移動させるためのモータであることから、「モータ」に相当する。
この他に、このインクジェットプリンタ1の内部には、ヘッド21のノズルの目詰まりを解消するためにノズルからインクを吸い出すポンプ装置31や、ヘッド21のノズルの目詰まりを防止するために、印刷を行わないとき(待機時など)にヘッド21のノズルを封止するキャッピング装置35などが設けられている。
次にこのインクジェットプリンタ1の搬送部について説明する。この搬送部には、図3に示すように、給紙ローラ13と、紙検知センサ53と、搬送ローラ17Aと、排紙ローラ17Bと、プラテン14と、フリーローラ18A、18Bとが設けられている。
印刷される媒体Sは、給紙トレイ8にセットされる。給紙トレイ8にセットされた媒体Sは、断面略D形状に成形された給紙ローラ13により、図中矢印A方向に沿って搬送されて、インクジェットプリンタ1の内部へと送られる。インクジェットプリンタ1の内部に送られてきた媒体Sは、紙検知センサ53と接触する。この紙検知センサ53は、給紙ローラ13と、搬送ローラ17Aとの間に設置されたもので、給紙ローラ13により給紙された媒体Sを検知する。
紙検知センサ53により検知された媒体Sは、搬送ローラ17Aによって、印刷が実施されるプラテン14へと順次搬送される。搬送ローラ17Aの対向位置には、フリーローラ18Aが設けられている。このフリーローラ18Aと搬送ローラ17Aとの間に、媒体Sを挟み込むことによって、媒体Sをスムーズに搬送する。
プラテン14へと送り込まれた媒体Sは、ヘッド21から吐出されたインクによって順次印刷される。プラテン14は、ヘッド21と対向して設けられ、印刷される媒体Sを下側から支持する。
印刷が施された媒体Sは、排紙ローラ17Bにより順次、プリンタ外部へと排出される。排紙ローラ17Bは、搬送モータ15と同期に駆動されていて、当該排紙ローラ17Bに対向して設けられたフリーローラ18Bとの間に媒体Sを挟み込んで、媒体Sをプリンタ外部へと排出する。
<システム構成>
次にこのインクジェットプリンタ1のシステム構成について説明する。このインクジェットプリンタ1は、図4に示すように、バッファメモリ122と、イメージバッファ124と、コントローラ126と、メインメモリ127と、通信インターフェース129と、キャリッジモータ制御部128と、搬送制御部130と、ヘッド駆動部132とを備えている。
通信インターフェース129は、当該インクジェットプリンタ1が、例えばパーソナルコンピュータ等の外部のコンピュータ140とデータのやりとりを行うためのものである。通信インターフェース129は、外部のコンピュータ140と有線または無線等により通信可能に接続され、コンピュータ140から送信された印刷データ等の各種データを受信する。
バッファメモリ122には、通信インターフェース129により受信された印刷データ等の各種データが一時的に記憶される。また、イメージバッファ124には、バッファメモリに記憶された印刷データが順次記憶される。イメージバッファ124に記憶された印刷データは、順次、ヘッド駆動部132へと送られる。また、メインメモリ127は、ROMやRAM、EEPROMなどにより構成される。メインメモリ127には、当該インクジェットプリンタ1を制御するための各種プログラムや各種設定データなどが記憶される。
コントローラ126は、メインメモリ127から制御用プログラムや各設定データなどを読み出して、当該制御用プログラムや各種設定データに従ってインクジェットプリンタ1全体の制御を行う。また、コントローラ126には、ロータリ式エンコーダ134やリニア式エンコーダ51、紙検知センサ53などの各種センサからの検出信号が入力される。
コントローラ126は、外部のコンピュータ140から送られてきた印刷データ等の各種データが通信インターフェース129により受信されてバッファメモリ122に格納されると、その格納されたデータの中から必要な情報をバッファメモリ122から読み出す。コントローラ126は、その読み出した情報に基づき、リニア式エンコーダ51やロータリ式エンコーダ134からの出力を参照しながら、制御用プログラムに従って、キャリッジモータ制御部128や搬送制御部130、ヘッド駆動部132などを各々制御する。
キャリッジモータ制御部128は、コントローラ126からの命令に従って、キャリッジモータ42の回転方向や回転数、トルクなどを駆動制御する。搬送制御部130は、コントローラ126からの命令に従って、搬送ローラ17Aを回転駆動する搬送モータ15などの駆動を制御する。
ヘッド駆動部132は、コントローラ126からの命令に従って、イメージバッファ124に格納された印刷データに基づき、ヘッド21に設けられた各色のノズルを駆動制御する。
なお、キャリッジモータ制御部128は、本実施形態では、キャリッジ41(ヘッド21)を移動させるためのキャリッジモータ42を制御することから、「モータ制御部」に相当する。
<ヘッド>
図5は、ヘッド21の下面部に設けられたインクのノズルの配列を示した図である。ヘッド21の下面部には、同図に示すように、イエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色ごとにそれぞれ複数のノズル♯1〜♯180からなるノズル列、即ちシアンノズル列211C、マゼンダノズル列211M、イエロノズル列211Y、およびブラックノズル列211Kが設けられている。
各ノズル列211C、211M、211Y、211Kの各ノズル♯1〜♯180は、所定の方向(ここでは、媒体Sの搬送方向)に沿って相互に間隔をあけて直線状に1列に配列されている。各ノズル列211C、211M、211Y、211Kは、ヘッド21の移動方向(走査方向)に沿って相互に所定の間隔をあけて平行に配置されている。各ノズル♯1〜♯180には、インク滴を吐出するための駆動素子としてピエゾ素子(図示外)が設けられている。
===リニア式エンコーダ===
<エンコーダの構成>
図6は、リニア式エンコーダ51の構成を概略的に示したものである。リニア式エンコーダ51は、リニア式エンコーダ符号板464と、検出部466とを備えている。リニア式エンコーダ符号板464は、図2に示すように、インクジェットプリンタ1内部のフレーム側に取り付けられている。一方、検出部466は、キャリッジ41側に取り付けられている。キャリッジ41がガイドレール46に沿って移動すると、検出部466がリニア式エンコーダ符号板464に沿って相対的に移動する。これによって、検出部466は、キャリッジ41の移動量を検出する。
<検出部の構成>
図7は、この検出部466の構成を模式的に示したものである。この検出部466は、発光ダイオード452と、コリメータレンズ454と、検出処理部456とを備えている。検出処理部456は、複数(例えば4個)のフォトダイオード458と、信号処理回路460と、例えば2個のコンパレータ462A、462Bとを有している。
発光ダイオード452の両端に抵抗を介して電圧Vccが印加されると、発光ダイオード452から光が発せられる。この光はコリメータレンズ454により平行光に集光されてリニア式エンコーダ符号板464を通過する。リニア式エンコーダ符号板464には、所定の間隔(例えば1/180インチ(1インチ=2.54cm))毎にスリットが設けられている。
リニア式エンコーダ符号板464を通過した平行光は、図示しない固定スリットを通って各フォトダイオード458に入射し、電気信号に変換される。4個のフォトダイオード458から出力される電気信号は信号処理回路460において信号処理され、信号処理回路460から出力される信号はコンパレータ462A、462Bにおいて比較され、比較結果がパルスとして出力される。コンパレータ462A、462Bから出力されるパルスENC−A、ENC−Bがリニア式エンコーダ51の出力となる。
<出力信号>
図8A及び図8Bは、キャリッジモータ42の正転時及び逆転時における検出部466の2つの出力信号の波形を示したタイミングチャートである。図8A及び図8Bに示すように、キャリッジモータ42の正転時及び逆転時のいずれの場合も、パルスENC−AとパルスENC−Bとは位相が90度だけ異なっている。キャリッジモータ42が正転しているとき、即ち、キャリッジ41がガイドレール46に沿って移動しているときは、図8Aに示すように、パルスENC−AはパルスENC−Bよりも90度だけ位相が進み、キャリッジモータ42が逆転しているときは、図8Bに示すように、パルスENC−AはパルスENC−Bよりも90度だけ位相が遅れる。そして、パルスENC−A及びパルスENC−Bの1周期Tは、キャリッジ41がリニア式エンコーダ符号板464のスリット間隔を移動する時間に等しい。
そして、リニア式エンコーダ51の出力パルスENC−A、ENC−Bの各々の立ち上がりエッジが検出され、検出されたエッジの個数が計数され、この計数値に基づいてキャリッジモータ42の回転位置が演算される。この計数はキャリッジモータ42が正転しているときは1個のエッジが検出されると「+1」を加算し、逆転しているときは、1個のエッジが検出されると「−1」を加算する。パルスENC−A及びENC−Bの各々の周期は、リニア式エンコーダ符号板464の、あるスリットが検出部466を通過してから次のスリットが検出部466を通過するまでの時間に等しく、かつ、パルスENC−AとパルスENC−Bとは位相が90度だけ異なっている。このため、上記計数のカウント値「1」はリニア式エンコーダ符号板464のスリット間隔の1/4に対応する。これにより上記計数値にスリット間隔の1/4を乗算すれば、その乗算値に基づいて、計数値が「0」に対応する回転位置からのキャリッジモータ42の移動量を求めることができる。このとき、リニア式エンコーダ51の解像度はリニア式エンコーダ符号板464のスリットの間隔の1/4となる。
===キャリッジモータ制御部===
キャリッジモータ制御部128の構成について詳しく説明する。図9は、キャリッジモータ制御部128の回路構成の一例を示したブロック構成図である。このキャリッジモータ制御部128は、搬送制御部とほぼ等しい構成を有している。すなわち、キャリッジモータ制御部128は、同図に示すように、位置演算部331と、減算器332と、ゲイン333と、速度演算部334と、減算器335と、比例要素336Aと、積分要素336Bと、微分要素336Cと、加算器337と、PWM回路338と、加速制御部339Aと、タイマ339Bとを有する。
位置演算部331は、リニア式エンコーダ51の出力パルスのエッジを検出し、その個数をカウントし、このカウント値に基づきキャリッジモータ42の回転位置を演算する。位置演算部331は、リニア式エンコーダ51からの2つのパルス信号の比較処理からキャリッジモータ42の正転・逆転を認知し、1個のエッジが検出された時に正転・逆転に応じてインクリメント・デクリメントするように計数処理する。
減算器332は、コントローラ126から送られてくる目標位置と、位置演算部331により検出された検出位置との位置偏差を演算する。ゲイン333は、減算器332から出力される位置偏差にゲインKpを乗算し、目標速度を出力する。ゲインKpは、位置偏差に応じて決定される。
速度演算部334は、リニア式エンコーダ51の出力パルスのパルス周期を計測し、このパルス周期に基づいてキャリッジモータ42の回転速度を演算する。
減算器335は、ゲイン333から出力される目標速度と、速度演算部334により検出された検出速度との速度偏差を演算する。
比例要素336Aは、速度偏差に定数Gpを乗算し、比例成分を出力する。積分要素336Bは、速度偏差に定数Giを乗算したものを積算し、積分成分を出力する。微分要素336Cは、現在の速度偏差と、1つ前の速度偏差との差に定数Gdを乗算し、微分成分を出力する。比例要素336A、積分要素336B及び微分要素336Cの演算は、リニア式エンコーダ51の出力パルスの1周期毎に行われる。
比例要素336A、積分要素336B及び微分要素336Cから出力される信号値は、それぞれの演算結果に応じたデューティDXを示す。
加算器337は、比例要素336Aの出力と、積分要素336Bの出力と、微分要素336Cの出力とを加算する。この加算結果は、デューティ信号として、PWM回路338に送られる。PWM回路338は、加算器337の加算結果に応じた指令信号を生成する。ドライバ340は、この指令信号に基づいてキャリッジモータ42を駆動する。ドライバ340は、例えば複数個のトランジスタを備えており、PWM回路338からの指令信号に基づいて、トランジスタをオン・オフさせることで、キャリッジモータ42に電圧を印加する。
また、加速制御部339A及びタイマ339Bは、キャリッジモータ42の加速制御時に用いられる。タイマ339Bは、コントローラ126から送られてくるクロック信号に基づいて、所定時間毎にタイマ割込信号を発生する。加速制御部339Aは、タイマ割込信号を受ける毎に所定のデューティDXPを積算し、積算結果としてデューティ信号をPWM回路338に出力する。
キャリッジモータ42を加速駆動するとき、PWM回路338は、加速制御部339Aから出力されるデューティ信号に基づいて、指令信号をキャリッジモータ42に出力し、キャリッジモータ42を制御する。キャリッジモータ42を定速駆動するとき、及び、キャリッジモータ42を減速するとき、PWM回路338は、加算器337から出力されるデューティ信号に基づいて、指令信号をキャリッジモータ42に出力し、キャリッジモータ42をPID制御する。
===キャリッジモータの駆動方法===
図10Aは、PWM回路338に入力されるデューティ信号の時間変化のグラフである。図10Bは、キャリッジモータ42の速度変化のグラフである。以下、これらの図を用いて、キャリッジモータ42の駆動について説明する。
キャリッジモータ42が停止している時に、キャリッジモータ42を起動させる起動指令信号がコントローラ126からキャリッジモータ制御部128へ送られると、信号値がDX0である起動初期デューティ信号が加速制御部339AからPWM回路338へ送られる。この起動初期ディユーティ信号は、起動指令信号とともにコントローラ126から加速制御部339Aへ送られてくる。そして、この起動初期ディユーティ信号は、PWM回路338によって、信号値DX0に応じた指令信号に変換されて、キャリッジモータ42の起動が開始される。
キャリッジモータ制御部128が起動指令信号を受信した後、所定の時間ごとにタイマ339Bからタイマ割込信号が発生される。加速制御部339Aは、タイマ割込信号を受信する毎に、起動初期デューティ信号の信号値DX0に所定のデューティDXPを積算し、積算されたデューティを信号値とするデューティ信号をPWM回路338に送る。このデューティ信号は、PWM回路338によって、その信号値に応じた指令信号に変換されて、キャリッジモータ42の回転速度は上昇する。このため加速制御部339AからPWM回路338に送られるデューティ信号の値は、階段状に上がっていく。
加速制御部339Aにおけるデューティの積算処理は、積算されたデューティが所定のデューティDXSになるまで行われる。時刻t1において積算されたデューティが所定値DXSとなると、加速制御部339Aは積算処理を停止し、以後PWM回路338に一定のデューティDXSを信号値とするデューティ信号を送る。
そして、キャリッジモータ42が所定の回転速度になると(時間t2参照)、加速制御部339Aは、PWM回路338へ出力するデューティ信号を減少させて、キャリッジモータ42に印加される電圧のデューティパーセントを減少させるよう制御する。このとき、キャリッジモータ42の回転速度は更に上昇する。そして、時間t3になると、PWM回路338は加算器337の出力を選択し、PID制御が行われる。PID制御が開始される時点(t3)において、積分要素336Bの積分値が適当な値に設定されており、積分要素336Bの出力値が所定の値になる。
PID制御が開始されると、キャリッジモータ制御部128は、目標回転位置と、リニア式エンコーダ51の出力から得られる実際の回転位置との位置偏差にゲインKpを乗算して目標回転速度を算出する。そして、キャリッジモータ制御部128は、この目標回転速度と、リニア式エンコーダ51の出力から得られる実際の回転速度との速度偏差に基づいて、比例要素336A、積分要素336B及び微分要素336Cを用いて比例成分、積分成分及び微分成分の演算を行い、これらの演算結果の和に基づいて、キャリッジモータ42の制御を行う。尚、上記比例、積分及び微分演算は、例えば、リニア式エンコーダ51の出力パルスENC−Aの立ち上がりエッジに同期して行われる。これにより、キャリッジモータ42の回転速度は、時刻t4において、所望の回転速度となるように制御される。
キャリッジモータ42が目標回転位置に近づくと(時刻t5)、位置偏差が小さくなるから目標回転速度も小さくなる。このため、速度偏差、即ち減算器335の出力が負になり、キャリッジモータ42は減速し、時刻t6に停止する。
===印刷動作===
次に前述したインクジェットプリンタ1の印刷動作について説明する。ここでは、「双方向印刷」を例にして説明する。図11は、インクジェットプリンタ1の印刷動作の処理手順の一例を示したフローチャートである。以下で説明される各処理は、コントローラ126が、メインメモリ127からプログラムを読み出して、当該プログラムに従って、キャリッジモータ制御部128や搬送制御部130、ヘッド駆動部132などを各々制御することにより実行される。
コントローラ126は、コンピュータ140から印刷データを受信すると、その印刷データに基づき印刷を実行すべく、まず、給紙処理を行う(S102)。給紙処理は、印刷しようとする媒体Sをインクジェットプリンタ1内に供給し、印刷開始位置(頭出し位置とも言う)まで搬送する処理である。コントローラ126は、給紙ローラ13を回転させて、印刷しようとする媒体Sを搬送ローラ17Aまで送る。コントローラ126は、搬送ローラ17Aを回転させて、給紙ローラ13から送られてきた媒体Sを印刷開始位置(プラテン14の上方付近)に位置決めする。
次に、コントローラ126は、キャリッジモータ制御部128を通じてキャリッジモータ42を駆動して、キャリッジ41を媒体Sに対して相対的に移動させて媒体Sに対して印刷を施す印刷処理を実行する。ここでは、まず、キャリッジ41をガイドレール46に沿って一の方向に向かって移動させながら、ヘッド21からインクを吐出する往路印刷を実行する(S104)。コントローラ126は、キャリッジモータ42を駆動してキャリッジ41を移動させるとともに、印刷データに基づきヘッド21を駆動してインクを吐出する。ヘッド21から吐出されたインクは、媒体Sに到達してドットとして形成される。
このようにして印刷を行った後、次に、コントローラ126は、媒体Sを所定量だけ搬送する搬送処理を実行する(S106)。ここでは、コントローラ126は、搬送制御部130を通じて搬送モータ15を駆動して搬送ローラ17Aを回転させて、媒体Sをヘッド21に対して相対的に搬送方向に所定量だけ搬送する。この搬送処理により、ヘッド21は、先ほどの印刷した領域とは異なる領域に印刷をすることが可能になる。
このようにして搬送処理を行った後、コントローラ126は、排紙すべきか否か排紙判断を実行する(S108)。ここで、コントローラ126は、印刷中の媒体Sに印刷すべき他のデータがなければ、排紙処理を実行する(S116)。一方、コントローラ126は、印刷中の媒体Sに印刷すべき他のデータがあれば、排紙処理は行わずに、復路印刷を実行する(S110)。この復路印刷は、キャリッジ41をガイドレール46に沿って先ほどの往路印刷とは反対の方向に移動させて印刷を行う。ここでも、コントローラ126は、キャリッジモータ制御部128を通じてキャリッジモータ42を先ほどとは逆に回転駆動させてキャリッジ41を移動させるとともに、印刷データに基づきヘッド21を駆動してインクを吐出して、印刷を施す。
復路印刷を実行した後、搬送処理を実行し(S112)、その後、排紙判断を行う(S114)。ここで、印刷中の媒体Sに印刷すべき他のデータがあれば、排紙処理は行わずに、ステップS104に戻って、再度往路印刷を実行する(S104)。一方、印刷中の媒体Sに印刷すべき他のデータがなければ、排紙処理を実行する(S116)。
排紙処理を行った後、次に、印刷終了か否かを判断する印刷終了判断を実行する(S118)。ここでは、次にコンピュータ140からの印刷データに基づき、次に印刷すべき媒体Sがないかどうかチェックする。ここで、次に印刷すべき媒体Sがある場合には、ステップS102に戻り、再び給紙処理を実行して、印刷を開始する。一方、次に印刷すべき媒体Sがない場合には、印刷処理を終了する。
===スティックスリップ動作===
このようなインクジェットプリンタ1にあっては、長期間にわたり使用されなかったりした場合などに、キャリッジ41(印刷ヘッド)がガイドレール46に沿ってうまく滑らなくなり、キャリッジ41の移動速度が周期的に速くなったり遅くなったり、またキャリッジ41が動いたり停まったりする動作を繰り返す、いわゆるスティックスリップ動作(しゃくとり動作ともいう)を行ってしまうことがあった。
このスティックスリップ動作にあっては、速度が周期的に速くなったり遅くなったりする動作である。極端な場合には、キャリッジ41が動いたり停まったりする動作を繰り返す、ぎくしゃくとした滑り運動となる。このスティックスリップ動作は、固着すべりともいう。このようなスティックスリップ動作が発生する主な原因としては、キャリッジ41とこれを案内するガイドレール46との間の摺動部の静止摩擦係数と動摩擦係数との差などが原因と考えられる。つまり、キャリッジ41とガイドレール46との間の摺動部の静止摩擦係数が、その動摩擦係数に比べて非常に大きいために、キャリッジモータ42のトルクが上昇してもキャリッジ41がなかなか動かず、キャリッジモータ42のトルクがある程度の大きさになると、キャリッジ41が動き出す。キャリッジ41が動き出すと、動摩擦係数は低いことから、キャリッジ41の移動速度が急激に上昇してしまう。このようにキャリッジ41の移動速度が急激に上昇してしまうと、キャリッジモータ制御部128は、キャリッジ41の移動速度を抑えるべくキャリッジモータ42に急激な制動を加える。このため、キャリッジ41が失速してしまうのである。
図12は、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行ったときのキャリッジ41の移動速度について示したものである。キャリッジ41は、同図に示すように、キャリッジモータ42のトルクがある程度大きくならない限り、動き始めない。キャリッジ41の移動速度は、速度演算部334により検出されている(図9参照)。キャリッジモータ制御部128は、この速度演算部334を通じてキャリッジ41の移動速度を監視している。キャリッジ41の移動速度が上昇しない場合には、キャリッジモータ制御部128は、キャリッジ41を移動させるべく、キャリッジモータ42のトルクを上昇させる制御を行う。これにより、キャリッジモータ42のトルクがある程度大きくなると、キャリッジ41が動き出し、キャリッジ41の移動速度は急激に上昇する。キャリッジ41の移動速度が上昇し、所定のレベルにまで達すると、キャリッジモータ制御部128は、キャリッジ41の移動速度を抑えるべく、キャリッジモータ42に制動を加える。これにより、キャリッジ41の移動速度が低下し、キャリッジ41が失速して再び停止してしまう。そして、キャリッジモータ制御部128は、キャリッジ41を移動させるべく、再びキャリッジモータ42のトルクを上昇させる制御を行う。これにより、キャリッジ41が再び動き出して、急激に移動速度が上昇すると、再びキャリッジ41が失速して停止してしまう。このような移動動作と停止動作とが交互に繰り返される。
===スティックスリップ動作が発生する場合===
このようなスティックスリップ動作をキャリッジ41が行うのは、キャリッジモータ制御部128がキャリッジモータ42を介してキャリッジ41を所定の速度以下にて定速移動させようとした場合である。つまり、キャリッジ41が所定の速度を上回る速度にて定速移動する場合、即ち例えば、キャリッジ41が、印刷実行時等において非常に高速で移動する場合などにおいては、スティックスリップ動作はほとんど発生しないのである。ここでいう所定の速度とは、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行う可能性のある上限の速度のことをいう。
キャリッジ41がスティックスリップ動作を行うような所定の速度以下で定速移動する場合としては、次の(1)〜(4)の場合がある。
(1)インクカートリッジ交換時
キャリッジ41に搭載されたインクカートリッジ48(図2参照)がユーザー等により交換される場合である。インクカートリッジ48がユーザー等により交換される場合には、インクカートリッジ48がユーザー等により交換し易いように所定の位置までキャリッジ41を移動させる必要がある。この場合に、ユーザー等が不用意にキャリッジ41と接触しないようにするために、キャリッジ41を所定の速度以下にてゆっくりと低速移動させる必要がある。
(2)キャッピング時
キャリッジ41がキャッピング装置35(図2参照)が設けられた位置まで移動する場合である。印刷を行わないとき(待機時など)などには、ヘッド21のノズル♯1〜♯180の目詰まりを防止するために、キャリッジ41がキャッピング装置35の設置位置まで移動してヘッド21のノズル♯1〜♯180を封止する動作が行われる。このような場合に、キャリッジ41を所定の速度以下にてゆっくりと低速移動させる。
(3)電源投入時
電源が投入されたときに、キャリッジ41がキャッピング装置35から離れて、印刷処理の実行準備、例えば、ヘッド21のノズル♯1〜♯180のクリーニング等を行うために、イニシャル動作を開始する。このような場合に、キャリッジ41を所定の速度以下にてゆっくりと低速移動させる。
(4)紙幅検出時
キャリッジ41に設けられた光学センサ(図示外)により、インクジェットプリンタ1がこれから印刷しようとする媒体Sの幅を検出するために、キャリッジ41がガイドレール46に沿って移動する。このとき、媒体Sの幅を精度良く調べるために、キャリッジ41が所定の速度以下にてゆっくりと低速移動する。
なお、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行うような所定の速度以下で定速移動する場合にあっては、これら(1)〜(4)以外の他の場合であっても良い。
===スティックスリップ動作の検知===
このようなスティックスリップ動作がキャリッジ41に発生した場合、キャリッジ41を目標位置にて停止させることができず、目標位置周辺にてキャリッジ41を行ったり来たりしたりするなどの不具合が生じることがあった。また、このようなスティックスリップ動作が発生した場合、ユーザーが故障ではないかと不安に思うなどの問題が発生する場合があった。このようなことから、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行ったときには、これを速やかに検知して対処する必要がある。
そこで、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1では、キャリッジ41がこのようなスティックスリップ動作を行ったときには、スムーズに対処することができるようにするために、キャリッジ41のスティックスリップ動作を検知する機能を備える。
本実施形態に係るインクジェットプリンタ1では、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行っているか否かを検知するために、キャリッジ41の加速度を検出するための加速度検出部と、この加速度検出部により検出されたキャリッジ41の加速度に基づき、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行ったか否か判定するための判定部とを備えている。
本実施形態では、加速度検出部は、キャリッジモータ制御部128の速度演算部334(図9参照)と、コントローラ126とにより構成されている。速度演算部334は、リニア式エンコーダ51からの出力に基づき検出したキャリッジ41の移動速度を所定の時間間隔にて周期的に出力する。コントローラ126は、速度演算部334から周期的に送られてきたキャリッジ41の移動速度の差分から、キャリッジ41の加速度を検出する。
一方、判定部は、コントローラ126により構成されている。コントローラ126は、速度演算部334から周期的に出力されたキャリッジ41の移動速度から取得したキャリッジ41の移動速度の差分、いわゆる加速度に基づき、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行ったか否かを判定する。
キャリッジ41がスティックスリップ動作を行ったか否かの判定は、キャリッジ41が所定の速度以下にて定速移動しようとした場合に実行される。つまり、キャリッジモータ制御部128がキャリッジモータ42を介してキャリッジ41を所定の速度以下にて定速移動させようとした場合に行われる。キャリッジ41が所定の速度以下にて定速移動する場合については、先に説明した通りである。
===判定方法<その1>===
コントローラ126により行われる、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行ったか否かの判定方法について説明する。
図13は、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行ったか否かを判定する方法の一例を説明したものである。キャリッジ41がスティックスリップ動作を行った場合には、同図に示すように、キャリッジ41の移動開始とともに急激にキャリッジ41の移動速度が上昇して短時間でピークを迎える。このことから、キャリッジ41の移動速度が急激に上昇して非常に大きな加速度が得られることに着目すれば、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行ったか否か判定することができる。
ここでは、コントローラ126は、キャリッジモータ制御部128の速度演算部334から周期的に取得したキャリッジ41の移動速度から差分を加速度として求める。そして、コントローラ126は、求めた差分を所定のしきい値V0と比較して、その差分が所定のしきい値V0を上回ったか否かチェックする。その差分が所定のしきい値V0を上回っていた場合には、コントローラ126は、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行ったと判定する。一方、その差分が所定のしきい値V0を上回っていなかった場合には、コントローラ126は、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行っていなかったと判定する。なお、所定のしきい値V0は、ここでは、プラス(+)の値に設定されている。
コントローラ126は、キャリッジモータ制御部128の速度演算部334から所定の時間間隔T0にて周期的にキャリッジ41の移動速度V1〜V6を取得する。そして、コントローラ126は、取得したキャリッジ41の移動速度V1〜V6から差分を逐次算出する。つまり、コントローラ126は、移動速度V1と移動速度V2とから「V2−V1」により差分ΔV21を、また、移動速度V2と移動速度V3とから「V3−V2」により差分ΔV32を、移動速度V3と移動速度V4とから「V4−V3」により差分ΔV43を、移動速度V4と移動速度V5とから「V5−V4」により差分ΔV54を、移動速度V5と移動速度V6とから「V6−V5」により差分ΔV65をそれぞれ算出する。
キャリッジ41がスティックスリップ動作を行えば、例えば、移動速度V1と移動速度V2との差分ΔV21が所定のしきい値V0を上回る。これにより、コントローラ126は、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行ったと判定することができる。なお、所定のしきい値V0については、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行ったか否かを的確に判断するための適当な値に設定される。
===判定方法<その2>===
コントローラ126により行われる、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行ったか否かを判定する他の方法について説明する。
図14は、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行ったか否かを判定する他の方法について説明したものである。ここでは、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行ったときに、キャリッジ41の移動速度がキャリッジ41の移動開始とともに急激に上昇した後、急激に低下することに着目して、キャリッジ41のスティックスリップ動作を検知する。つまり、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行えば、キャリッジ41が減速したときに、非常に大きなマイナス(−)の加速度(減速度)が得られることから、これに着目して判定する。
ここで、コントローラ126は、前述した場合と同様に、キャリッジモータ制御部128の速度演算部334から所定の時間間隔T0にて周期的に取得したキャリッジ41の移動速度V1〜V6からその差分を逐次算出して、その差分が所定のしきい値V0を下回っているか否かチェックする。その差分が所定のしきい値V0を下回っていた場合には、コントローラ126は、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行ったと判定する。一方、差分が所定のしきい値V0を下回っていなかった場合には、コントローラ126は、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行っていなかったと判定する。なお、所定のしきい値V0は、ここでは、マイナス(−)の値に設定されている。
キャリッジ41がスティックスリップ動作を行えば、例えば、移動速度V5と移動速度V6とから求められる差分ΔV65が所定のしきい値V0を下回る。これにより、コントローラ126は、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行ったと判定することができる。なお、所定のしきい値V0については、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行ったか否かを的確に判断するための適当な値に設定される。
===判定方法<その3>===
コントローラ126により行われる、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行ったか否かを判定する他の方法について説明する。
図15は、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行ったか否かを判定する他の方法について説明したものである。ここでは、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行ったときに、キャリッジ41の移動速度が急激に上昇して非常に大きな加速度が得られることの他に、同図に示すようにキャリッジ41が移動動作と停止動作とを繰り返すことに着目して、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行ったか否か判定する。
コントローラ126は、前述した場合と同様に、キャリッジモータ制御部128の速度演算部334から所定の時間間隔T0にて周期的に取得したキャリッジ41の移動速度V1〜V13からその差分を各々算出して、その差分が所定のしきい値V0(ここでは、プラス(+)の値に設定)を上回っているか否かをチェックする。そして、その差分が所定のしきい値V0を上回ることが所定回数以上発生した場合には、コントローラ126は、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行ったと判定する。なお、その差分が所定のしきい値V0を上回ることが所定回数に満たない場合には、コントローラ126は、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行ったとは判定しない。ここでは、所定回数は、「2回」に設定されている。
キャリッジ41がスティックスリップ動作を行った場合には、例えば、移動速度V2と移動速度V3とから求められる差分ΔV32と、移動速度V8と移動速度V9とから求められる差分ΔV98とが各々所定のしきい値V0を上回る。これにより、差分が所定のしきい値V0を上回ることが2回以上発生することになるから、コントローラ126は、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行ったと判定することができる。
なお、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行ったか否かの判定基準となる所定回数は、2回の他に、例えば3回に設定しても良く、さらには4回以上に設定しても良い。この所定回数は、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行ったか否かを的確に判断するための適当な回数に設定されるのが好ましい。
===判定方法<その4>===
図16は、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行ったか否かを判定する他の方法について説明したものである。ここでは、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行ったときに、キャリッジ41の移動速度がキャリッジ41の移動開始とともに急激に上昇した後、急激に低下することと、キャリッジ41が移動動作と停止動作とを繰り返すことに着目して、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行ったか否か判定する。
コントローラ126は、前述した場合と同様に、キャリッジモータ制御部128の速度演算部334から所定の時間間隔T0にて周期的に取得したキャリッジ41の移動速度V1〜V13からその差分を各々算出して、その差分が所定のしきい値V0(ここでは、マイナス(−)の値に設定)を下回っているか否かをチェックする。そして、その差分が所定のしきい値V0を下回ることが所定回数以上発生した場合には、コントローラ126は、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行ったと判定する。なお、その差分が所定のしきい値V0を下回ることが所定回数に満たない場合には、コントローラ126は、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行ったとは判定しない。ここでは、所定回数は、前述した場合と同じく、「2回」に設定されている。
キャリッジ41がスティックスリップ動作を行った場合には、例えば、移動速度V5と移動速度V6とから求められた差分ΔV65と、移動速度V11と移動速度V12とから求められた差分ΔV1211とが各々所定のしきい値V0を下回る。これにより、差分が所定のしきい値V0を下回ることが2回発生することになるから、コントローラ126は、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行ったと判定することができる。
なお、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行ったか否かの判定基準となる所定回数は、2回の他に、例えば3回に設定しても良く、さらには4回以上に設定しても良い。この所定回数は、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行ったか否かを的確に判断するための適当な回数に設定されるのが好ましい。
===判定処理例===
図17は、コントローラ126によるキャリッジ41がスティックスリップ動作を行ったか否かの判定処理の流れの一例について説明したフローチャートである。ここでは、『判定方法<その1>』の場合を例にして説明する。
コントローラ126は、まず、キャリッジ41の移動速度Vtをキャリッジモータ制御部128の速度演算部334から取得する(S202)。次に、コントローラ126は、取得したキャリッジ41の移動速度と、前回取得したキャリッジ41の移動速度との差分ΔVを求める(S204)。次に、コントローラ126は、求めた差分ΔVと所定のしきい値V0とを比較する(S206)。ここで、差分ΔVが所定のしきい値V0を上回っていた場合には、コントローラ126は、次にステップS212へと進み、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行ったと判定する(S212)。その後、コントローラ126は、処理を速やかに終了する。
一方、差分ΔVが所定のしきい値V0を上回っていなかった場合には、コントローラ126は、次にステップS208へと進み、キャリッジ41が目標位置に到達したか否かをチェックする(S208)。ここで、キャリッジ41が目標位置に到達していなかった場合には、コントローラ126は、ステップS202へと戻り、再度、キャリッジ41の移動速度をキャリッジモータ制御部128の速度演算部334から取得して(S202)、差分ΔVを求める(S204)。一方、キャリッジ41が目標位置に到達していた場合には、コントローラ126は、次にステップS210へと進み、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行っていないと判定し(S210)、その後、処理を速やかに終了する。
===判定タイミング===
このようにキャリッジ41がスティックスリップ動作を行ったか否か判定するタイミングとしては、キャリッジモータ制御部128がキャリッジモータ42を介してキャリッジ41を所定の速度以下にて定速移動させているときにリアルタイムで判定を行う他に、キャリッジ41の移動が終了した後に、判定を行うようにしてもよい。また、キャリッジモータ制御部128がキャリッジモータ42を介してキャリッジ41を所定の速度以下にて定速移動させる毎に、判定を行っても良い。
また、この他に、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行うか否か検査する目的にて、キャリッジモータ制御部128がキャリッジモータ42を介してキャリッジ41を所定の速度以下にて定速移動させて、これにより、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行うか否か判定を実施しても良い。
===スティックスリップ検知時の対処方法===
コントローラ126がスティックスリップ動作を検知した場合の対処方法としては、次のような対応方法が考えられる。
(1)メモリ等への記憶
コントローラ126は、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行ったと判定した場合には、その旨をメインメモリ127等のインクジェットプリンタ1に設けられた適宜な記憶部に記憶する。これにより、コントローラ126は、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行ったことについてメインメモリ等に履歴を残す。この履歴については、インクジェットプリンタ1のメンテナンス時等において、メンテナンスを行う者にキャリッジ41がスティックスリップ動作を行ったことを伝達するために用いられても良い。
(2)エラー等としての表示
コントローラ126は、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行ったと判定した場合には、その旨を表示ランプ6等を通じて外部に表示するようにしても良い。
これら(1)および(2)の他に、他の対応方法を採ることができる。
===まとめ===
以上本実施形態にあっては、キャリッジモータ制御部128がキャリッジモータ42を介してキャリッジ41を所定の速度以下にて定速移動させる場合には、キャリッジモータ制御部128の速度演算部334から周期的に得られるキャリッジ41の移動速度から求めた差分に基づき、コントローラ126によりキャリッジ41がスティックスリップ動作を行ったか否かを判定するから、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行った場合には、コントローラ126は、これを速やかに検知することができる。これによって、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行ったときに、スムーズに対処することができる。
また、求めた差分ΔVと所定のしきい値V0とを比較することで、コントローラ126は、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行ったか否か簡単に判定することができる。
また、求めた差分ΔVが所定のしきい値V0を上回るか、あるいは下回ることが所定回数以上発生した場合に、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行ったと判定することで、コントローラ126は、キャリッジ41がスティックスリップ動作を行ったか否かをより的確に判定することができる。
===印刷システム等の構成===
次に、本発明に係る印刷システムの一実施形態として、印刷装置としてインクジェットプリンタ1を備えた場合を例に説明する。図18は、印刷システムの一実施形態の外観構成を示したものである。この印刷システム300は、コンピュータ140と、表示装置304と、入力装置306とを備えている。コンピュータ140は、パーソナルコンピュータなどをはじめとする各種コンピュータにより構成される。
コンピュータ140は、FDドライブ装置314やCD−ROMドライブ装置316などの読み取り装置312を備える。この他に、コンピュータ140は、例えば、MO(Magnet Optical)ディスクドライブ装置やDVDドライブ装置などを備えても良い。また、表示装置304は、CRTディスプレイやプラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ等など、各種表示装置により構成される。入力装置306は、キーボード308やマウス310などにより構成される。
図19は、本実施形態の印刷システムのシステム構成の一例を示したブロック構成図である。コンピュータ140は、FDドライブ装置314やCD−ROMドライブ装置316などの読み取り装置312の他に、CPU318と、メモリ320と、ハードディスクドライブ322とを備えている。
CPU318は、コンピュータ140の全体の制御を行う。また、メモリ320には、各種データが記憶される。ハードディスクドライブ322には、本実施形態のインクジェットプリンタ1等の印刷装置を制御するためのプログラムとして、プリンタドライバなどがインストールされている。CPU318は、ハードディスクドライブ322に記憶されたプリンタドライバなどのプログラムを読み込んで、プログラムに従って動作する。また、CPU318には、コンピュータ140の外部に設置された表示装置304や入力装置306、インクジェットプリンタ1などが接続される。
なお、このようにして実現された印刷システム300は、システム全体として従来システムよりも優れたシステムとなる。
===その他の実施の形態===
以上、一実施形態に基づき、本発明に係るプリンタ等の印刷装置について説明したが、上記の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更または改良され得るとともに、本発明には、その等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に係る印刷装置に含まれるものである。
<印刷ヘッドについて>
前述した実施の形態では、印刷ヘッド(ヘッド21)が、インクを吐出するノズル♯1〜♯180を有し、各ノズル♯1〜♯180からそれぞれインクを吐出して印刷をするようになっていたが、ここでいう印刷ヘッドにあっては、必ずしもこのようなヘッド21に限らない。つまり、媒体に対して印刷を施すのであれば、どのような形態の印刷ヘッドであっても構わない。
<モータについて>
前述した実施の形態では、「モータ」としてキャリッジモータ42が、プーリ44と、タイミングベルト45とを介してキャリッジ41を移動させていたが、「印刷ヘッド」を移動させるための「モータ」にあっては、必ずしもこのようなモータに限らない。つまり、媒体に対して印刷を施す印刷ヘッドを移動させるためのモータであれば、どのようなモータであっても構わない。
<ガイド部について>
前述した実施の形態では、印刷ヘッド(ヘッド21、キャリッジ41)を所定の方向に沿って案内する「ガイド部」として、印刷ヘッド(ヘッド21、キャリッジ41)を横方向に直線状に案内するガイドレール46が開示されていたが、「ガイド部」にあっては、必ずしもこのようなガイドレール46のみとは限らない。つまり、印刷ヘッド(ヘッド21、キャリッジ41)を所定の方向に沿って案内するためのガイド部であれば、どのようなタイプのガイド部であっても構わない。
<モータ制御部について>
前述した実施の形態では、「モータ制御部」としてキャリッジモータ制御部128を例にして、モータ(キャリッジモータ42)に対してPID制御を実行するモータ制御部について説明したが、ここでいう「モータ制御部」にあっては、必ずしもこのようなモータ制御部に限らない。つまり、「モータ」を制御する制御部であれば、モータを制御する制御方式はどのような方式であっても構わない。例えば、PID制御以外の他の方式によりモータを制御するモータ制御部であっても構わない。
<加速度検出部について>
前述した実施の形態では、加速度検出部として、キャリッジモータ制御部128の速度演算部334(図9参照)と、コントローラ126とにより構成し、速度演算部334から周期的に送られてきたキャリッジ41の移動速度の差分から、キャリッジ41の加速度を取得していたが、ここでいう「加速度検出部」にあっては、必ずしもこのような加速度検出部とは限らない。つまり、キャリッジ41(印刷ヘッド)の加速度を検出するのであれば、どのようなタイプの加速度検出部であっても構わず、例えば、光学式等によりキャリッジ41(印刷ヘッド)の加速度を直接検出するような速度検出部を備えていても良い。また、加速度検出部にあっては、他の方法により加速度を検出しても良い。
<判定部について>
前述した実施の形態では、「判定部」として、印刷ヘッド(ヘッド21、キャリッジ41)がスティックスリップ動作を行ったか否かの判定をコントローラ126により行っていたが、ここでいう「判定部」にあっては、必ずしもこのようにコントローラ126により行う場合には、限らない。
<印刷装置について>
前述した実施の形態では、印刷装置としては、前述したようなインクジェットプリンタ1の場合を例にして説明したが、このような印刷装置に限らず、他の方式によりインクを吐出するインクジェットプリンタであっても良い。
また、この他に、印刷装置としては、前述したインクジェットプリンタ1以外に、媒体に対して印刷を施し、かつ所定の方向に沿って移動可能に設けられた印刷ヘッドを備えた印刷装置であれば、どのようなタイプの印刷装置であっても構わない。
<インクについて>
使用するインクについては、顔料インクであっても良く、また染料インクなど、その他各種インクであっても良い。
インクの色については、前述したイエロ(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の他に、ライトシアン(LC)やライトマゼンダ(LM)、ダークイエロ(DY)をはじめ、例えば、レッドやバイオレット、ブルー、グリーンなど、その他の色のインクを使用しても良い。
<媒体について>
媒体については、普通紙やマット紙、カット紙、光沢紙、ロール紙、用紙、写真用紙、ロールタイプ写真用紙等をはじめ、これらの他に、OHPフィルムや光沢フィルム等のフィルム材や布材、金属板材などであっても構わない。すなわち、印刷対象となり得るものであれば、どのような媒体であっても構わない。
本発明に係る印刷装置の一実施形態の斜視図。 印刷装置の内部構成を説明した斜視図。 印刷装置の搬送部を示す断面図。 印刷装置のシステム構成を示すブロック構成図。 印刷装置のヘッドの一例を示す平面図。 リニア式エンコーダの一例を説明した説明図。 リニア式エンコーダの検出部の構成を示す構成図。 図8Aは、正転時のリニア式エンコーダの出力波形を示したタイミングチャート、図8Bは、逆転時のリニア式エンコーダの出力波形を示したタイミングチャートである。 キャリッジモータ制御部のブロック構成図。 図10Aは、デューティ信号の時間変化のグラフであり、図10Bは、モータの速度変化のグラフ。 印刷処理の一例を説明するフローチャート。 キャリッジがスティックスリップ動作を行ったときの移動速度の変化の説明図。 スティックスリップ動作を行ったか否かの判定方法の一例の説明図。 スティックスリップ動作を行ったか否かの判定方法の他の例の説明図。 スティックスリップ動作を行ったか否かの判定方法の他の例の説明図。 スティックスリップ動作を行ったか否かの判定方法の他の例の説明図。 コントローラの判定処理の一例を説明するフローチャート。 印刷システムの一例の外観を示す斜視図。 印刷システムの一例のシステム構成を示すブロック構成図。
符号の説明
1 インクジェットプリンタ、2 操作パネル、3 排紙部、4 給紙部、
5 操作ボタン、6 表示ランプ、7 排紙トレイ、8 給紙トレイ、
13 給紙ローラ、14 プラテン、15 搬送モータ、17A 搬送ローラ、
17B 排紙ローラ、18A フリーローラ、18B フリーローラ、
21 ヘッド、31 ポンプ装置、35 キャッピング装置、41 キャリッジ、
42 キャリッジモータ、44 プーリ、45 タイミングベルト、
46 ガイドレール、48 インクカートリッジ、49 カートリッジ装着部、
51 リニア式エンコーダ、53 紙検知センサ、122 バッファメモリ、
124 イメージバッファ、126 コントローラ、127 メインメモリ、
128 キャリッジモータ制御部、130 搬送制御部、
132 ヘッド駆動部、134 ロータリ式エンコーダ、140 コンピュータ、
211Y イエロノズル列、211C シアンノズル列、211M マゼンダノズル列、
211K ブラックノズル列、331 位置演算部、332 減算器、
333 ゲイン、334 速度演算部、335 減算器、336A 比例要素、
336B 積分要素、336C 微分要素、337 加算器、338 PWM回路、
339A 加速制御部、339B タイマ、340 ドライバ、
452 発光ダイオード、454 コリメータレンズ、
456 検出処理部、458 フォトダイオード、460 信号処理回路、
462A コンパレータ、462B コンパレータ、
464 リニア式エンコーダ符号板、466 検出部、

Claims (16)

  1. (A)媒体に対して印刷を施す印刷ヘッドと、
    (B)前記印刷ヘッドを移動させるためのモータと、
    (C)前記印刷ヘッドを所定の方向に沿って案内するためのガイド部と、
    (D)前記モータを制御するモータ制御部と、
    (E)前記印刷ヘッドの加速度を検出する加速度検出部と、
    (F)前記モータ制御部が前記印刷ヘッドを前記ガイド部に沿って所定の速度以下にて定速移動させるべく前記モータを制御したときに、前記加速度検出部により検出された前記加速度に基づき、前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行ったか否かを判定する判定部と、
    (G)を備えたことを特徴とする印刷装置。
  2. 前記判定部は、前記印刷ヘッドが加速しているときに前記加速度検出部により検出された前記加速度に基づき、前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行ったか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記判定部は、前記印刷ヘッドが減速しているときに前記加速度検出部により検出された前記加速度に基づき、前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行ったか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  4. 前記判定部は、前記加速度検出部により検出された前記加速度と、所定のしきい値とを比較して、前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行ったか否かを判定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の印刷装置。
  5. 前記判定部は、前記加速度検出部により検出された前記加速度が、所定のしきい値を上回ることが所定回数以上発生した場合に、前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行ったと判定することを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
  6. 前記判定部は、前記加速度検出部により検出された前記加速度が、所定のしきい値を下回ることが所定回数以上発生した場合に、前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行ったと判定することを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
  7. 前記判定部は、前記モータ制御部が前記印刷ヘッドを前記ガイド部に沿って所定の速度以下にて定速移動させるべく前記モータを制御する間に、前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行ったか否か判定することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の印刷装置。
  8. 前記モータ制御部が前記印刷ヘッドを前記ガイド部に沿って所定の速度以下にて定速移動させるべく前記モータを制御したときとは、前記印刷ヘッドを当該印刷ヘッドに設けられた開口部を閉塞するキャッピング装置まで移動させたときであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の印刷装置。
  9. 前記モータ制御部が前記印刷ヘッドを前記ガイド部に沿って所定の速度以下にて定速移動させるべく前記モータを制御したときとは、前記印刷ヘッドに設けられた光学センサにより、印刷しようとする媒体の幅を検出するために前記印刷ヘッドを前記ガイド部に沿って移動させたときであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の印刷装置。
  10. 前記モータ制御部が前記印刷ヘッドを前記ガイド部に沿って所定の速度以下にて定速移動させるべく前記モータを制御したときとは、前記印刷ヘッドに搭載されたカートリッジを交換するために前記印刷ヘッドを所定位置まで移動させたときであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の印刷装置。
  11. 前記印刷ヘッドにより媒体に対して印刷を施す前に、前記モータ制御部により前記印刷ヘッドを前記ガイド部に沿って所定の速度以下にて定速移動させるべく前記モータを制御して、前記判定部により前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行うか否かを判定することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の印刷装置。
  12. 前記印刷ヘッドは、前記媒体に対して印刷を施すために前記媒体に向けてインクを吐出するノズルを備えていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の印刷装置。
  13. (A)媒体に対して印刷を施す印刷ヘッドと、
    (B)前記印刷ヘッドを移動させるためのモータと、
    (C)前記印刷ヘッドを所定の方向に沿って案内するためのガイド部と、
    (D)前記モータを制御するモータ制御部と、
    (E)前記印刷ヘッドの加速度を検出する加速度検出部と、
    (F)前記モータ制御部が前記印刷ヘッドを前記ガイド部に沿って所定の速度以下にて定速移動させるべく前記モータを制御したときに、前記加速度検出部により検出された前記加速度に基づき、前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行ったか否かを判定する判定部と、
    (G)を備え、
    (H)前記判定部は、前記印刷ヘッドが加速しているときに前記加速度検出部により検出された前記加速度に基づき、前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行ったか否かを判定し、
    (I)前記判定部は、前記加速度検出部により検出された前記加速度が、所定のしきい値を上回ることが所定回数以上発生した場合に、前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行ったと判定し、
    (J)前記判定部は、前記モータ制御部が前記印刷ヘッドを前記ガイド部に沿って所定の速度以下にて定速移動させるべく前記モータを制御する間に、前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行ったか否か判定し、
    (K)前記モータ制御部が前記印刷ヘッドを前記ガイド部に沿って所定の速度以下にて定速移動させるべく前記モータを制御したときとは、前記印刷ヘッドを当該印刷ヘッドに設けられた開口部を閉塞するキャッピング装置まで移動させたときであり、
    (L)前記モータ制御部が前記印刷ヘッドを前記ガイド部に沿って所定の速度以下にて定速移動させるべく前記モータを制御したときとは、前記印刷ヘッドに設けられた光学センサにより、印刷しようとする媒体の幅を検出するために前記印刷ヘッドを前記ガイド部に沿って移動させたときであり、
    (M)前記モータ制御部が前記印刷ヘッドを前記ガイド部に沿って所定の速度以下にて定速移動させるべく前記モータを制御したときとは、前記印刷ヘッドに搭載されたカートリッジを交換するために前記印刷ヘッドを所定位置まで移動させたときであり、
    (N)前記印刷ヘッドにより媒体に対して印刷を施す前に、前記モータ制御部により前記印刷ヘッドを前記ガイド部に沿って所定の速度以下にて定速移動させるべく前記モータを制御して、前記判定部により前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行うか否かを判定し、
    (O)前記印刷ヘッドは、前記媒体に対して印刷を施すために前記媒体に向けてインクを吐出するノズルを備えていることを特徴とする印刷装置。
  14. 媒体に対して印刷を施す印刷ヘッドを当該印刷ヘッドを所定の方向に沿って案内するガイド部に沿って所定の速度以下にて定速移動させるべくモータを制御するステップと、
    前記モータにより移動する前記印刷ヘッドの加速度を検出するステップと、
    検出された前記加速度に基づき、前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行ったか否かを判定するステップと、
    を有することを特徴とするスティックスリップ検知方法。
  15. 媒体に対して印刷を施す印刷ヘッドを当該印刷ヘッドを所定の方向に沿って案内するガイド部に沿って所定の速度以下にて定速移動させるべくモータを制御するステップと、
    前記モータにより移動する前記印刷ヘッドの加速度を検出するステップと、
    検出された前記加速度に基づき、前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行ったか否かを判定するステップと、
    を実行することを特徴とするプログラム。
  16. コンピュータと、このコンピュータに接続可能な印刷装置とを具備した印刷システムであって、
    前記印刷装置は、媒体に対して印刷を施す印刷ヘッドと、
    前記印刷ヘッドを移動させるためのモータと、
    前記印刷ヘッドを所定の方向に沿って案内するためのガイド部と、
    前記モータを制御するモータ制御部と、
    前記印刷ヘッドの加速度を検出する加速度検出部と、
    前記モータ制御部が前記印刷ヘッドを前記ガイド部に沿って所定の速度以下にて定速移動させるべく前記モータを制御したときに、前記加速度検出部により検出された前記加速度に基づき、前記印刷ヘッドがスティックスリップ動作を行ったか否かを判定する判定部と、
    を備えたことを特徴とする印刷システム。
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