JP2022155492A - エンジンの吸気装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸気が吸気中継ダクトで方向変換してスロットルボデーに向かう吸気装置において、吸気中継ダクトがスロットルボデーから張り出す寸法を極力無くして、吸気装置をコンパクト化する。【解決手段】スロットルボデー6の弁ケース19と吸気中継ダクト8の出口との間に、スペーサ状の継手部材7を介在させている。継手部材7と弁ケース19とはボルト26によって吸気マニホールド5の台座15に共締めされており、継手部材7と吸気中継ダクト8とはブラケット36などで固定されている。継手部材7は、吸気中継ダクト8の内部に入り込んでいる。吸気中継ダクト8をホースバンドで固定する場合のような取付け代は不要であるため、吸気中継ダクト8の出口を弁ケース19に重ねたのと同様のコンパクトな状態を実現できる。【選択図】図2

Description

本願発明は、自動車用等のエンジンにおいて、吸気がスロットルボデーの直前で方向変換する方式の吸気装置に関するものである。
自動車用等のエンジンにおいて、一般に、スロットルボデーは吸気マニホールドのサージタンクに固定されており、エアクリーナで浄化された吸気(或いは過給機を経由した吸気)は、ホース等の吸気通路を通じてスロットルボデーに送られ、スロットルボデーに設けたスロットルバルブによって流量が制御されている(例えば特許文献1,2)。従って、サージタンクには、吸気入口が開口した台座(フランジ部)が形成されており、台座にスロットルボデーがボルトで固定されている。
サージタンクとエアクリーナ(或いは過給機の出口)とは一般にホースで接続されており、特許文献1,2には、スロットルボデーに吸気用筒部を一体に設けて、吸気用筒部にホースを嵌め込むことが開示されている。
特開2006-161650号公報 特開2018-091192号公報
さて、エアクリーナとスロットルボデーとのレイアウトは様々であり、吸気通路をスロットルボデーの直前で方向変換させねばならない場合がある。例えば、スロットルボデーは、内蔵したスロットルバルブの回動軸心がカム軸(及びクランク軸)と平行になるように(水平になるように)配置されている一方、エアクリーナはシリンダヘッドの上方に配置されていて、ホースがエアクリーナから下向きに延びている場合、吸気通路をスロットルバルブの直前部で下向きから横向きに方向変換させなければならない。
このような場合、特許文献1,2のような従来構造では、ホースの下流端部をL型に曲げるか、或いは、エルボ継手を使用するかして吸気を方向変換させている。しかし、この構造では、ホースの曲がり部又はエルボ継手の曲がり部をスロットルボデーの吸気用筒部に嵌め込んでホースバンドなどで固定しているため、ホースバンドを配置できる取付け代が必要であり、このため、ホース又はエルボ継手がスロットルバルブから大きく張り出してしまい、吸気装置が大型化してしまうという問題が生じる。
本願発明はこのような現状を改善すべく成されたものであり、コンパクトな構造で吸気を方向変換させ得る吸気装置を提供しようとするものである。
本願発明の吸気装置は、
「吸気入口が開口した台座を有する吸気マニホールドと、スロットルバルブが設けられたスロットルボデーと、前記吸気の入口と出口とが交叉している吸気中継ダクトと、前記吸気中継ダクトの出口と前記スロットルボデーとの間に介在したスペーサ状の継手部材とを備え、
前記継手部材と前記吸気中継ダクトとは直接に又はブラケットを介して固定され、
前記継手部材とスロットルボデーとは、ボルトによって前記吸気マニホールドの台座に共締めされている」
という構成になっている。
本願発明において、吸気中継ダクトはL形である必要はなく、概ね直線状の形態と成すことができる。すなわち、継手部材を吸気中継ダクトの内部に入り込ませたような状態に形成できる。
本願発明では、吸気中継ダクトと継手部材とが一体になって吸気の方向変換機能を有するが、吸気中継ダクトと継手部材とは互いに重ねた状態に固定されるため、ホースバンドの取付け代のような部分は不要であり、継手部材が吸気中継ダクトの外周面からスロットルボデーに向けて殆ど突出しない状態に設定できる。
そして、継手部材とスロットルボデーとはボルトで吸気マニホールドの台座に共締めされるため、スロットルボデーの弁ケースには特許文献1,2のような吸気用筒部は不要であり、スロットルボデーにおける弁ケースの厚さ(吸気の流れ方向の厚さ)も大幅に抑制できる。
従って、本願発明では、吸気中継ダクトがスロットルボデーからはみ出す寸法を著しく抑制して、吸気装置をコンパクト化できる。その結果、重量を低減して燃費の向上に貢献できると共に、吸気装置の配置スペースを低減して他の部材の配置の自由性も向上できる。
また、継手部材の形状や寸法などを変えることにより、スロットルボデーと吸気中継ダクトとを共用しつつ、吸気中継ダクトとスロットルボデーとの異なる配置態様を実現できる。従って、異なる機種のエンジンでスロットルボデーと吸気中継ダクトとを共用して、機種群全体としてコストダウンすることも可能になる。
なお、吸気中継ダクトと継手部材とスロットルボデーとを吸気マニホールドの台座に共締めすることも可能であり、この場合は、部材点数を抑制してコストを低減できると共に、組み付け作業の手間も軽減できる。
実施形態を示す図で、エンジンを吸気側面の方向から見た側面図である。 吸気装置の分離斜視図である。 図1の要部拡大図である。 分離側面図である。 スロットルバルブの軸心と吸気ホースの軸心とが現れるように異なる位置の切断面を表示した縦断側面図である。 シリンダヘッドの側から見た斜視図である。 シリンダヘッドの側から見た一部破断斜視図である。 カム軸方向に向かって後ろから見たから背面図(後面図)である。
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、自動車用3気筒エンジンの吸気装置に適用している。エンジンは、クランク軸を車幅方向に向けた横置きの姿勢でエンジンルームに搭載されている。また、エンジンは、排気側面を自動車の前進方向に向けている。従って、エンジンは、横置き・前排気タイプである。
以下では方向を特定するため前後、左右の文言を使用するが、前後方向はカム軸線方向(クランク軸線方向)で、左右方向はカム軸線方向と直交した略水平方向、上下方向は鉛直方向としている。前と後ろについては、エンジンにおいてタイミングチェーンが配置されている側を前、変速機が配置されている側を後ろとしている。
(1).構造の説明
図1ではエンジンを吸気側面の側から見ており、エンジンは、シリンダブロック1とその上面に固定されたシリンダヘッド2とを備えている。シリンダヘッド2の上面にはヘッドカバー3が固定されている。シリンダブロック1とシリンダヘッド2とヘッドカバー3の前面には、チェーンカバー(フロントカバー)4が固定されている。
シリンダヘッド2の吸気側面2aには、吸気装置を構成する吸気マニホールド5が固定されている。吸気マニホールド5の後端には合成樹脂製のスロットルボデー6が固定されて、スロットルボデー6に、合成樹脂製の継手部材7を介して合成樹脂製の吸気中継ダクト8が接続されている。吸気中継ダクト8は入口を上に向けており、入口に、吸気通路を構成する吸気ホース9が接続されている。なお、図1において符号10で示すのは、インジェクタに燃料を供給する燃料デリバリ管である。
吸気マニホールド5は、複数枚の合成樹脂製シェル状部材を接合して中空に形成されており、サージタンク11と、サージタンク11を外側から巻くように形成された3本の吸気枝通路(ブランチ管)12と、吸気枝通路12の群が接続されたフランジ13とを有しており、フランジ13はシリンダヘッド2の吸気側面に固定されている。
図2から容易に理解できるように、吸気マニホールド5の後端には、吸気入口14を有する台座(フランジ部)15が形成されており、台座15に、周方向に離れた3つの雌ねじ穴16が開口している。
概ね図2から理解できるように、スロットルボデー6は、バタフライ式の弁板18が内蔵された弁ケース19と、弁ケース19の上面に配置したモータ20と、弁ケース19の外側面に設けた伝動機構部21とを備えており、横向き姿勢(左右長手の姿勢)の弁軸22(図5参照)が正逆回転することにより、サージタンク11に流れる吸気の量が調節される。弁板18、モータ20、伝動機構部21によってスロットルバルブが構成されている。図1,2において符号23で示すのはコネクタ受け部である。
図2から理解できるように、弁ケース19は伝動機構部21の前後幅よりも遥かに小さい厚さになっており、図5から理解できるように、弁板18は、ある程度開くと弁ケース19の前後両側にはみ出して、吸気マニホールド5の吸気入口14と継手部材7の内部とにも進入するようになっている。従って、吸気マニホールド5と継手部材7の内部とが吸気量調節空間として機能している。
例えば図5に示すように、スロットルボデー6の弁ケース19が吸気マニホールド5の台座15に重なっている。そこで、弁ケース19は台座15と同様の正面視形状になっており、台座15に設けた雌ねじ穴16と重なる3つのボルト挿通穴24が空いている。
図2に示すように、継手部材7はスペーサ状(或いはフランジ板状)の形態であり、スロットルボデー6の弁ケース19に重なる形態に形成されて、弁ケース19のボルト挿通穴24及び台座15の雌ねじ穴16と同心の3つのボルト挿通穴25が空いている。そして、継手部材7とスロットルボデー6とが、3本のボルト26で吸気マニホールド5の台座15に共締めされている。
更に、継手部材7には、吸気中継ダクト8に嵌入する後ろ向きの筒部27が形成されていると共に、吸気中継ダクト8を取付けるための左右一対のナット28がインサート成形によって一体に装着されている。インサートナット28は、下端に位置したボルト挿通穴24よりも高い位置に配置されている。
また、図2,6,7に示すように、継手部材7の上端にはブラケット部29を突設し、その上端に後ろ向きの係合筒部29aを形成している一方、スロットルボデー6における弁ケース19には、モータ20からシリンダヘッド2の側に向いた端壁29bを形成し、端壁29bに、ブラケット部29の係合筒部29aが嵌合する係合ピン29cを後ろ向きに突設している。
従って、スロットルボデー6と継手部材7とは、ボルト挿通穴24,25が同心になるように位置決めされている。なお、係合筒部29aと係合ピン29cはスロットルボデー6と継手部材7との位置決め手段の一例であるが、位置決め手段としては、両者の前後位置関係を逆にしてもよいし、他の嵌合構造を採用してもよい。
例えば図4に示すように、吸気中継ダクト8は、外コーナー部を開口させたメイン部材30と、外コーナー部に位置した補助部材(蓋部材)31との2つの部材から成っており、両者を振動溶着等の溶着によって接合して中空に構成している。図3,4に示すように、両者の接合部にはフランジ30a,31aを設けている。メイン部材30には、上向きに開口した入口筒部32と、継手部材7の方向に向けて横向き開口した出口穴33とが形成されている。図5に示すように、蓋部材31の上端は吸気中継ダクト8に設けたフランジ31bに下方から当接している。
例えば図5に示すように、入口筒部32には吸気ホース9が外側から嵌め込まれており、入口筒部32の下端に設けたフランジ32bに上から当接している。吸気ホース9はホースバンド34によって入口筒部32に抱持されている。他方、出口穴33には、継手部材7の筒部27が嵌入している。出口穴33が開口した出口端面33aは、吸気ホース9の外周面よりも継手部材7と反対側にオフセットされており(吸気中継ダクト8の内部に向けて入り込んでおり)、継手部材7を装着すると、吸気中継ダクト8と継手部材7とからなるユニットが側面視で直線状の形態になっている。
図2に明示するように、吸気中継ダクト8を構成するメイン部材30には、正面視でハ字の姿勢を成した左右一対の足部35が一体に形成されており、足部35と継手部材7とが、クランク状のブラケット36を介して固定されている。図4に示すように、ブラケット36の上端はボルト38とナット39によって足部35に固定されており、ブラケット36の下端は、ボルト40をインサートナット28にねじ込むことによって継手部材7に固定されている。
図8から最もよく理解できるが、入口筒部32及び吸気ホース9の軸心O1は、スロットルボデー6の軸心O2からシリンダヘッド2と反対側にある程度の距離Lだけずれている。すなわち、入口筒部32とスロットルボデー6は左右方向にオフセットされている。従って、吸気は、入口筒部32から斜め下向きに流れてから前向きに方向変換して、スロットルボデー6に流入する。
なお、図5では、入口筒部32の軸心O1を通る平面で切った切断面と、スロットルボデー6の軸心O2を通る平面で切った切断面とを併記している。従って、スロットルボデー6と吸気中継ダクト8とで継手部材7が挟まれている状態は描かれていないが、スロットルボデー6と継手部材7と吸気中継ダクト8との前後方向の重なり関係は図7に現れている。継手部材7の筒部27が吸気中継ダクト8に外周外側から密嵌していることは既に説明したが、この状態は図7に明示されている。
(2).まとめ
図3に示すように、スロットルボデー6の伝動機構部21は、側面視で吸気マニホールド5の台座15と継手部材7とに重なっているが、伝動機構部21は図3の状態で台座15及び継手部材7よりも紙面手前側に位置しているため、干渉はしていない。
図5から理解できるように、本実施形態では、継手部材7は、その略全体が吸気中継ダクト8における入口筒部32の外周面よりも内側(入口筒部32の軸心側)に位置しており、吸気中継ダクト8と継手部材7とがストレート状の形態を成している。従って、吸気中継ダクト8は、その外周面をスロットルボデー6の弁ケース19に重ねたのと同じ状態に配置されている。従って、エルボ継手を使用した吸気装置や、吸気ホースの下端部をL型に曲げた吸気装置に比べて、スロットルボデー6からの突出代(ダクト・ホースの取付け代)を無くして、吸気装置が大幅にコンパクト化されている。
吸気中継ダクト8の外コーナー部は湾曲しているので、吸気中継ダクト8を流下した吸気は、継手部材7及びスロットルボデー6に向けてスムーズに方向変換する。従って、吸気の流れの乱れは発生せず、スロットルバルブによる流量調節を正確に行える。また、圧損の発生もなく、脈動を利用した慣性過給もスムーズに行える。
実施形態のように、継手部材7に設けた後ろ向きの筒部27を吸気中継ダクト8に密嵌させると、シール性を向上できると共に、継手部材7と吸気中継ダクト8との固定強度も向上できる。従って、クリップを使用した固定手段も採用可能である。なお、重なり合った部材の合わせ面にはシール材を配置している。
また、実施形態のように、入口筒部32及び吸気ホース9とスロットルボデー6とを左右方向にオフッセトさせると、入口筒部32及び吸気ホース9をできるだけスロットルボデー6に重なるように配置しつつ、吸気が方向変換する距離を長くとることができるため、コンパクト化しつつ吸気をスムーズに方向変換させる機能が助長される利点がある。
同様に、吸気中継ダクト8の入口筒部32及び吸気ホース9とスロットルボデー6とを左右方向にオフッセトさせると、吸気ホース9はシリンダヘッド2から適宜に離しつつ吸気マニホールド5をシリンダヘッド2に寄せることができるため、吸気ホース9の取り回しの容易性を損なうことなくエンジンのコンパクト化を促進できる利点もある。
更に、吸気中継ダクト8の入口筒部32とスロットルボデー6とを左右方向にオフッセトさせると、係合筒部29aと係合ピン29cとの嵌め合わせによる位置決めを、入口筒部32と干渉しない状態で実現できる。
本実施形態では、吸気中継ダクト8はメイン部材30と補助部材31とで構成されているが、これは製造上の要請に基づくものであり、全体を一体に成形してもよい。また、本実施形態では、吸気中継ダクト8と継手部材7とはブラケット36を介して固定されているが、吸気中継ダクト8の足部35を下方に長く延ばして、足部35と継手部材7とスロットルボデー6との三者をボルト26で共締めしてもよい。
以上、本願発明の実施形態を説明したが、本願発明は他にも様々に具体化できる。例えば、実施形態では吸気マニホールドの吸気入口は前後方向に開口しているが、吸気マニホールドの吸気入口がカム軸と直交した(交叉した)方向に開口した態様の吸気マニホールドにも適用できる。
本願発明は、エンジンの吸気装置に具体化できる。従って、産業上利用できる。
5 吸気マニホールド
6 スロットルボデー
7 継手部材
8 吸気中継ダクト
9 吸気ホース
11 サージタンク
12 枝通路
14 吸気入口
15 台座(フランジ部)
18 スロットルバルブを構成する弁板
19 弁ケース
20 スロットルバルブを構成するモータ
21 スロットルバルブを構成する伝動機構部
22 弁軸
26 共締め用のボルト
30 吸気中継ダクトを構成するメイン部材
31 吸気中継ダクトを構成する補助部材(蓋部材)
32 入口筒部
33 吸気中継ダクトの出口穴
33a 出口端面
36 ブラケット

Claims (1)

  1. 吸気入口が開口した台座を有する吸気マニホールドと、スロットルバルブが設けられたスロットルボデーと、前記吸気の入口と出口とが交叉している吸気中継ダクトと、前記吸気中継ダクトの出口と前記スロットルボデーとの間に介在したスペーサ状の継手部材とを備え、
    前記継手部材と前記吸気中継ダクトとは直接に又はブラケットを介して固定され、
    前記継手部材とスロットルボデーとは、ボルトによって前記吸気マニホールドの台座に共締めされている、
    エンジンの吸気装置。
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