JP2022104243A - 非空気圧タイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】内側環状部側で連結部間の距離を確保しつつ、内側環状部と連結部との接続部位の強度を向上させ、連結部の耐久性を向上させること。【解決手段】非空気圧タイヤ1は、トレッド5を有する外側環状部2と、外側環状部2の内側に設けられる内側環状部3と、外側環状部2と内側環状部3とを連結し、タイヤ周方向Dに沿って設けられる連結部4とを備える。連結部4は、外側環状部2のタイヤ幅方向Yの一方側Y1から内側環状部3のタイヤ幅方向Yの他方側Y2へ向かって延設される第1連結部41と、外側環状部2のタイヤ幅方向Yの他方側Y2から内側環状部3のタイヤ幅方向Yの一方側Y1へ向かって延設される第2連結部42とがタイヤ周方向Dに沿って交互に配列されて構成され、連結部4のタイヤ周方向Dに沿う厚みは、外側環状部2側よりも内側環状部3側が小さく、連結部4のタイヤ幅方向Yに沿う幅は、外側環状部2側よりも内側環状部3側が大きい。【選択図】図2

Description

本発明は、非空気圧タイヤに関する。
近年、パンクの発生等の問題のない非空気圧タイヤが知られている(例えば、特許文献1等参照)。一般に、非空気圧タイヤは、外側環状部と、外側環状部の内側に同心円状に設けられる内側環状部との間を、タイヤ周方向に配列した複数の板状の連結部によって連結した構造を有する。非空気圧タイヤは、車両からの荷重を受けた際に、接地域に配置される連結部に圧縮力が作用して撓み変形する。
特開2017-218132号公報
非空気圧タイヤにおいて、タイヤ周方向に隣り合う連結部間の距離は、外側環状部と内側環状部との周長差によって、外側環状部側で大きく、内側環状部側で小さい。そのため、連結部の数が多くなるに従って、隣り合う連結部間の距離を確保することが困難になる。その一方で、隣り合う連結部間の距離を確保するために、タイヤ周方向に沿う連結部の厚みを、外側環状部側よりも内側環状部側で小さくすると、連結部の強度が外側環状部との接続部位と内側環状部との接続部位とで相違することによって、連結部の耐久性が低下し、タイヤ転動時の繰り返し応力が掛かった際に、連結部が破断するおそれがある。そのため、従来の非空気圧タイヤは、内側環状部側において隣り合う連結部間の距離を確保しつつ、内側環状部と連結部との接続部位の強度を向上させ、連結部の耐久性を向上させることができるようにする、という課題を有する。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、内側環状部側において隣り合う連結部間の距離を確保しつつ、内側環状部と連結部との接続部位の強度を向上させ、連結部の耐久性を向上させることができる非空気圧タイヤを提供することにある。
本発明は、外周にトレッドを有する外側環状部と、前記外側環状部の内側に設けられる内側環状部と、前記外側環状部と前記内側環状部とを連結し、タイヤ周方向に沿って設けられる連結部と、を備える非空気圧タイヤであって、前記連結部は、前記外側環状部のタイヤ幅方向の一方側から前記内側環状部のタイヤ幅方向の他方側へ向かって延設される第1連結部と、前記外側環状部のタイヤ幅方向の他方側から前記内側環状部のタイヤ幅方向の一方側へ向かって延設される第2連結部と、がタイヤ周方向に沿って交互に配列されて構成され、前記連結部のタイヤ周方向に沿う厚みは、前記外側環状部側よりも前記内側環状部側が小さく、前記複数の連結部のタイヤ幅方向に沿う幅は、前記外側環状部側よりも前記内側環状部側が大きい。
本発明によれば、内側環状部側において隣り合う連結部間の距離を確保しつつ、内側環状部と連結部との接続部位の強度を向上させ、連結部の耐久性を向上させることができる非空気圧タイヤを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る非空気圧タイヤを示す正面図である。 図1中のA-A線に沿う断面図である。 図2中のB-B線に沿う断面図である。 タイヤ周方向に沿う連結部の厚みを説明する図である。 本発明の他の実施形態に係る非空気圧タイヤの連結部を示す断面図である。 本発明のさらに他の実施形態に係る非空気圧タイヤの連結部を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る非空気圧タイヤを示す正面図である。図2は、図1中のA-A線に沿う断面図である。図3は、図2中のB-B線に沿う断面図である。非空気圧タイヤ1は、外側環状部2と、外側環状部2の内側に同心円状に設けられる内側環状部3と、外側環状部2と内側環状部3とを連結し、タイヤ周方向Dに沿って各々独立して設けられる複数の連結部4と、を備える。外側環状部2の外周には、トレッド5が設けられている。トレッド5には、従来の空気入りタイヤと同様のトレッドパターンを設けられる。
まず、外側環状部2及び内側環状部3について説明する。なお、以下において、外側環状部2及び内側環状部3の厚みとは、図1及び図2に示すタイヤ径方向Xに沿う方向の板厚のことをいう。外側環状部2及び内側環状部3の幅とは、図2に示すタイヤ幅方向Yに沿う方向の幅のことをいう。
外側環状部2は、ユニフォミティを向上させる観点から、周方向及び幅方向に一定の厚みを有する。外側環状部2の厚みは、特に限定されないが、連結部4からの力を十分に伝達しつつ、軽量化及び耐久性の向上を図る観点からは、図2に示すタイヤ断面高さHの2%以上7%以下であることが好ましく、2%以上5%以下であることがより好ましい。
外側環状部2の内径は、用途等に応じて適宜決定される。例えば、一般の空気入りタイヤの代替を想定した場合、外側環状部2の内径は、420mm以上750mm以下とすることができる。
外側環状部2の幅は、用途等に応じて適宜決定される。例えば、一般の空気入りタイヤの代替を想定した場合、外側環状部2の幅は、100mm以上300mm以下とすることができる。
内側環状部3は、ユニフォミティを向上させる観点から、周方向及び幅方向に一定の厚みを有する。内側環状部3の内周面には、図示しないが、車軸やリムとの装着のために、嵌合性を保持するための凹凸等を設けてもよい。内側環状部3の厚みは、特に限定されないが、連結部4に力を十分に伝達しつつ、軽量化及び耐久性の向上を図る観点からは、図2に示すタイヤ断面高さHの2%以上7%以下であることが好ましく、3%以上6%以下であることがより好ましい。
内側環状部3の内径は、非空気圧タイヤ1を装着するリムや車軸の寸法等に合わせて適宜決定される。例えば、一般の空気入りタイヤの代替を想定した場合、内側環状部3の内径は、250mm以上500mm以下とすることができる。
内側環状部3の幅は、用途、車軸の長さ等に応じて適宜決定される。例えば、一般の空気入りタイヤの代替を想定した場合、内側環状部3の幅は、100mm以上300mm以下とすることができる。
連結部4は、非空気圧タイヤ1において、外側環状部2と内側環状部3とを一定の間隔を保持するように連結するスポークとして機能する部材である。複数の連結部4は、タイヤ周方向Dに沿って一定の間隔で各々独立して配列され、図1に示すように、無荷重状態の非空気圧タイヤ1をタイヤ回転軸に沿う方向から正面視した場合に、タイヤ径方向Xに沿う放射方向に直線状に延びている。
連結部4は、弾性材料によって形成される。弾性材料とは、JIS K7321に準じて引張試験を行い、10%伸び時の引張応力から算出した引張モジュラスが、100MPa以下であるものを指す。具体的には、十分な耐久性を確保しながら、適度な剛性を付与する観点から、引張モジュラスは5MPa以上100MPa以下であることが好ましく、7MPa以上50MPa以下であることがより好ましい。
連結部4の母材として用いられる弾性材料としては、熱可塑性エラストマー、架橋ゴム、その他の樹脂が挙げられる。
熱可塑性エラストマーとしては、ポリエステルエラストマー、ポリオレフィンエラストマー、ポリアミドエラストマー、ポリスチレンエラストマー、ポリ塩化ビニルエラストマー、ポリウレタンエラストマー等が例示される。
架橋ゴムを構成するゴム材料としては、天然ゴム及び合成ゴムのいずれを使用することもできる。合成ゴムとしては、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IIR)、ニトリルゴム(NBR)、水素添加ニトリルゴム(水添NBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、フッ素ゴム、シリコンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム等が例示される。これらのゴム材料は、必要に応じて2種以上を併用してもよい。
その他の樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。
連結部4には、上記の弾性材料のうち、成形、加工性及びコストの観点から、ポリウレタン樹脂が好ましく用いられる。なお、弾性材料としては、発泡材料を使用することもできる。すなわち、上記の熱可塑性エラストマー、架橋ゴム、その他の樹脂を発泡させたものを使用することができる。また、外側環状部2及び内側環状部3が樹脂製である場合、連結部4は、外側環状部2及び内側環状部3と、同じ樹脂材料を用いて一体に形成してもよい。
連結部4は、第1連結部41と第2連結部42とが、タイヤ周方向Dに沿って交互に配列される。第1連結部41は、図2に示すように、外側環状部2のタイヤ幅方向Yの一方側Y1から内側環状部3のタイヤ幅方向Yの他方側Y2へ向かって延設される。一方、第2連結部42は、外側環状部2のタイヤ幅方向Yの他方側Y2から内側環状部3のタイヤ幅方向Yの一方側Y1へ向かって延設される。タイヤ周方向Dに隣り合う第1連結部41と第2連結部42とは、タイヤ周方向Dから見た場合に、略X字状に交差するように配置される。タイヤ径方向Xから見た第1連結部41と第2連結部42とは、タイヤ幅方向Yに平行であり、かつタイヤ赤道面Sに対して直交する方向に延びている。
図2に示すように、タイヤ周方向Dから見た第1連結部41と第2連結部42とは、タイヤ赤道面Sに対して対称な同一形状である。そのため、第1連結部41を用いて、各連結部4の具体的な形状について説明する。なお、タイヤ赤道面Sは、タイヤ回転軸(タイヤ子午線)に直交する面で、かつタイヤ幅方向Yの中心に位置する面である。
連結部4は、外側環状部2から内側環状部3に向けて斜めに延びる長尺板状に形成される。連結部4は、図2及び図3示すように、板厚Tが板幅Wよりも小さく、板厚方向PTがタイヤ周方向Dを向いている。すなわち、連結部4は、タイヤ径方向X及びタイヤ幅方向Yに延びる板状に形成される。なお、連結部4の板厚Tは、タイヤ周方向Dに沿う連結部4の厚みである。連結部4の板幅Wは、連結部4をタイヤ幅方向Yに沿う方向の幅である。連結部4は、このような長尺板状であるため、板厚Tを薄くしても、板幅Wを広く設定することによって、板厚Tが薄い場合の連結部4の耐久性を向上させることができる。さらに、板厚Tを薄くしつつ第1連結部41及び第2連結部42の数を増やすことによって、タイヤ全体の剛性を維持しつつ、タイヤ周方向Dに隣り合う連結部4,4同士の隙間を小さくすることができる。これによって、タイヤ転動時の接地圧分散を小さくできる。この連結部4の板厚T及び板幅Wのさらに詳細な構成については後述する。
連結部4は、図2に示すように、外側環状部2との接続部401及び内側環状部3との接続部402が、それぞれタイヤ幅方向Yに沿ってなだらかに広がった形状を有する。第1連結部41の外側環状部2との接続部401は、外側環状部2のタイヤ幅方向の半分の領域に亘って設けられる。
すなわち、第1連結部41の接続部401の一方側Y1は、外側環状部2の一方側Y1の端部2aまで延びている。第1連結部41の接続部401の他方側Y2は、外側環状部2のタイヤ幅方向の中央に配置されるタイヤ赤道面Sまで延びている。第1連結部41の接続部401の他方側Y2は、内側環状部3の他方側Y2の端部3bまで延びている。第1連結部41の接続部402の一方側Y1は、内側環状部3のタイヤ幅方向の中央に配置されるタイヤ赤道面Sまで延びている。
同様に、第2連結部42の接続部401の他方側Y2は、外側環状部2の他方側Y2の端部2bまで延びている。第2連結部42の接続部401の一方側Y1は、外側環状部2のタイヤ幅方向の中央に配置されるタイヤ赤道面Sまで延びている。第2連結部42の接続部402の一方側Y1は、内側環状部3の一方側Y1の端部3aまで延びている。第2連結部42の接続部402の他方側Y2は、内側環状部3のタイヤ幅方向の中央に配置されるタイヤ赤道面Sまで延びている。
タイヤ周方向Dに隣り合う第1連結部41と第2連結部42との間のピッチpは、タイヤ周方向Dに一定で小さいことが好ましい。具体的には、ピッチpは、1mm以上10mm以下であることが好ましく、1mm以上5mm以下であることがより好ましい。ピッチpが10mmよりも大きい場合は、接地圧がタイヤ周方向Dで不均一になり易く、車外音が発生するおそれがある。
非空気圧タイヤ1に設けられる連結部4の数としては、車両からの荷重を十分支持しつつ、軽量化、動力伝達及び耐久性の向上を図る観点から、80個以上300個以下であることが好ましく、100個以上200個以下であることがより好ましい。図1は、第1連結部41及び第2連結部42をそれぞれ50個ずつ設けた例を示している。
図4に示すように、連結部4の板厚Tは、外側環状部2側と内側環状部3側とで相違している。詳しくは、連結部4の板厚Tは、外側環状部2側の板厚Ttよりも内側環状部3側の板厚Trの方が小さい。そのため、連結部4の板厚を全体的に大きくしても、あるいは、タイヤ周方向Dに沿う連結部4の数を多くしても、内側環状部3側において、タイヤ周方向Dに隣り合う連結部4,4の間の距離を確保することができる。具体的な板厚Tt,Trは限定されないが、例えば、外側環状部2側の連結部4の板厚Ttは、タイヤ断面高さHの18%以上22%以下、内側環状部3側の連結部4の板厚Trは、タイヤ断面高さHの13%以上17%以下とすることができる。
図2に示すように、連結部4の板幅Wは、外側環状部2側と内側環状部3側とで相違している。詳しくは、連結部4の板幅Wは、外側環状部2側の板幅Wtよりも内側環状部3側の板幅Wrの方が大きい。そのため、外側環状部2側の板厚Ttよりも内側環状部3側の板厚Trの方が小さくても、連結部4を外側環状部2側と内側環状部3側とにおいてタイヤ径方向Xに直交する平面で切断した際のそれぞれの断面積の差を小さくすることができる。これによって、板厚Trが小さくなる連結部4の内側環状部3側と内側環状部3ととの接続部位の強度を向上させることができ、連結部4の耐久性を向上させることができる。
なお、連結部4の外側環状部2側の板幅Wt及び内側環状部3側の板幅Wrは、それぞれ連結部4に荷重が掛かった際に撓み変形する部位の板幅であり、かつ外側環状部2及び内側環状部3に可及的に近接した位置の板幅である。図2に示すように、連結部4と外側環状部2との接続部401及び連結部4と内側環状部3との接続部402が、タイヤ幅方向Yに広がる形状である場合、連結部4の外側環状部2側の板幅Wtは、接続部401よりも内側環状部3側の位置であり、かつ接続部401に隣接する部位の幅である。この部位は、タイヤ断面高さHの1/2よりも外側環状部2側に位置する。また、連結部4の内側環状部3側の板幅Wrは、接続部402よりも外側環状部2側の位置であり、かつ接続部402に隣接する部位の幅である。この部位は、タイヤ断面高さHの1/2よりも内側環状部3側に位置する。
図2に示す連結部4の板幅Wは、外側環状部2側から内側環状部3側に向けて次第に増加している。詳しくは、連結部4におけるタイヤ幅方向Yの内側ライン4a及び外側ライン4bは、外側環状部2との接続部401側から内側環状部3との接続部402側に向けて、一定比率でタイヤ幅方向Yに広がるように形成されている。これによれば、連結部4の断面積を、タイヤ断面高さHの全体に亘ってほぼ均一化することができる。
なお、内側ライン4aは、外側環状部2から内側環状部3に向けて斜めに延びる連結部4をタイヤ周方向Dから見た場合に、図2に示すように、外側環状部2との交差角θ1が鈍角になる側のラインであり、外側ライン4bは、外側環状部2との交差角θ2が鋭角になる側のラインであると定義する。したがって、図2に示す第1連結部41では、内側ライン4aは、タイヤ幅方向Yの他方側Y2のラインであり、外側ライン4bは、タイヤ幅方向Yの一方側Y1のラインである。第2連結部42では、内側ライン4aは、タイヤ幅方向Yの一方側Y1のラインであり、外側ライン4bは、タイヤ幅方向Yの他方側Y2のラインである。
連結部4の板幅Wは、図5に示すように、連結部4におけるタイヤ径方向Xの中途部から内側環状部3側に向けて次第に増加するものであってもよい。図5に示す連結部4では、タイヤ断面高さHの1/2の位置よりも外側環状部2側の板幅Wtは一定幅であるのに対し、内側環状部3側の板幅Wrは、タイヤ断面高さHの1/2の位置よりも内側環状部3側に向かうに従って増大するように形成されている。これによれば、外側環状部2側における連結部4の変形し易さを損なうことなく、内側環状部3側における連結部4の破断を防止することができる。
連結部4の板幅Wは、図6に示すように、外側環状部2側から内側環状部3側に向けて段階的に増加するものであってもよい。図6に示す連結部4では、タイヤ断面高さHの1/2よりも内側環状部3側の内側ライン4aのみを階段状に形成することによって、連結部4の内側環状部3側の板幅Wrが段階的に増加している。しかし、外側ライン4bも同様に階段状に形成してもよい。また、タイヤ断面高さHの全体に亘って、連結部4内側ライン4a及び外側ライン4bを階段状に形成することによって、連結部4の板幅Wを段階的に増加させてもよい。
なお、内側環状部3側の連結部4の板幅Wrを大きくする場合、連結部4の内側ライン4a及び外側ライン4bの両方の角度及び形状を変化させるものに限定されず、内側ライン4a及び外側ライン4bのいずれか一方のみの角度及び形状を変化させるだけでもよい。例えば、図6は、連結部4の外側ライン4bの形状を変化させずに、内側ライン4aを階段状に形成することによって、内側環状部3側の連結部4の板幅Wrを大きくしている。反対に、連結部4の内側ライン4aの形状を変化させずに、内側環状部3側の連結部4の板幅Wrを大きくしてもよい。
本実施形態の非空気圧タイヤ1によれば、以下の効果を奏する。
(1)本実施形態に係る非空気圧タイヤ1は、外周にトレッド5を有する外側環状部2と、外側環状部2の内側に設けられる内側環状部3と、外側環状部2と内側環状部3とを連結し、タイヤ周方向Dに沿って設けられる連結部4と、を備える非空気圧タイヤである。連結部4は、外側環状部2のタイヤ幅方向Yの一方側Y1から内側環状部3のタイヤ幅方向Yの他方側Y2へ向かって延設される第1連結部41と、外側環状部2のタイヤ幅方向Yの他方側Y2から内側環状部3のタイヤ幅方向Yの一方側Y1へ向かって延設される第2連結部42と、がタイヤ周方向Dに沿って交互に配列されて構成される。連結部4のタイヤ周方向Dに沿う厚みTは、外側環状部2側よりも内側環状部3側で小さく、連結部4のタイヤ幅方向Yに沿う幅Wは、外側環状部2側よりも内側環状部3側の方が大きい。これによって、連結部4の板厚Tを全体的に大きくしても、あるいは、タイヤ周方向Dに沿う連結部4の数を多くしても、内側環状部3側において、タイヤ周方向Dに隣り合う連結部4,4の間の距離を確保することができる。また、外側環状部2側の板厚Ttよりも内側環状部3側の板厚Trの方が小さくても、連結部4を外側環状部2側と内側環状部3側とにおいてタイヤ径方向Xに直交する平面で切断した際のそれぞれの断面積の差を小さくすることができる。これによって、板厚Trが小さくなる内側環状部3と連結部4との接続部位の強度を向上させることができ、連結部4の耐久性を向上させることができる。
(2)本実施形態に係る非空気圧タイヤ1において、連結部4のタイヤ幅方向Yに沿う幅Wは、外側環状部2側から内側環状部3側に向けて次第に又は段階的に増加してもよい。これによれば、連結部4の断面積を、タイヤ断面高さHの全体に亘ってほぼ均一化することができる。
(3)本実施形態に係る非空気圧タイヤ1において、連結部4のタイヤ幅方向Yに沿う幅Wは、連結部4におけるタイヤ径方向Xの中途部から内側環状部3側に向けて次第に又は段階的に増加し、中途部から外側環状部2側に向けて一定幅であってもよい。これによれば、外側環状部2側における連結部4の変形し易さを損なうことなく、内側環状部3側における連結部4の破断を防止することができる。
1 非空気圧タイヤ
2 外側環状部
3 内側環状部
4 連結部
41 第1連結部
42 第2連結部
5 トレッド
D タイヤ周方向
T 板厚
Tt 外側環状部側の板厚
Tr 内側環状部側の板厚
W 板幅
Wt 外側環状部側の板幅
Wr 内側環状部側の板幅
X タイヤ径方向
Y タイヤ幅方向
Y1 一方側
Y2 他方側

Claims (3)

  1. 外周にトレッドを有する外側環状部と、
    前記外側環状部の内側に設けられる内側環状部と、
    前記外側環状部と前記内側環状部とを連結し、タイヤ周方向に沿って設けられる連結部と、を備える非空気圧タイヤであって、
    前記連結部は、前記外側環状部のタイヤ幅方向の一方側から前記内側環状部のタイヤ幅方向の他方側へ向かって延設される第1連結部と、前記外側環状部のタイヤ幅方向の他方側から前記内側環状部のタイヤ幅方向の一方側へ向かって延設される第2連結部と、がタイヤ周方向に沿って交互に配列されて構成され、
    前記連結部のタイヤ周方向に沿う厚みは、前記外側環状部側よりも前記内側環状部側が小さく、
    前記連結部のタイヤ幅方向に沿う幅は、前記外側環状部側よりも前記内側環状部側が大きい、非空気圧タイヤ。
  2. 前記複数の連結部のタイヤ幅方向に沿う幅は、前記外側環状部側から前記内側環状部側に向けて次第に又は段階的に増加する、請求項1に記載の非空気圧タイヤ。
  3. 前記複数の連結部のタイヤ幅方向に沿う幅は、前記連結部におけるタイヤ径方向の中途部から前記内側環状部側に向けて次第に又は段階的に増加し、前記中途部から前記外側環状部側に向けて一定幅である、請求項1に記載の非空気圧タイヤ。
JP2020219328A 2020-12-28 2020-12-28 非空気圧タイヤ Pending JP2022104243A (ja)

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