JP2013018427A - 非空気圧タイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】通常走行時の衝撃吸収能力を損なうことなく、高荷重時のスポークの座屈を抑制できる非空気圧タイヤを提供する。
【解決手段】内側環状部1と、その内側環状部1の外側に同心円状に設けられ、かつタイヤ幅方向WDの中央部から両側部へ向かって外径が徐々に小さくなるような曲率を有するトレッド面6を備える外側環状部3と、内側環状部1と外側環状部3とを連結する複数の連結部4,5とを備える非空気圧タイヤTであって、外側環状部3は、タイヤ幅方向WDの中央部に配された中央領域3aと、中央領域3aのタイヤ幅方向両外側に配された側部領域3b,3cとに区画され、側部領域3b,3cの引張弾性率Eb,Ecが中央領域3aの引張弾性率Eaよりも高い。
【選択図】図2

Description

本発明は、内側環状部と、その内側環状部の外側に同心円状に設けられ、かつタイヤ幅方向の中央部から両側部へ向かって外径が徐々に小さくなるような曲率を有するトレッド面を備える外側環状部と、前記内側環状部と前記外側環状部とを連結する複数の連結部とを備える非空気圧タイヤ(non−pneumatic tire)に関するものである。
空気入りタイヤは、荷重の支持機能、接地面からの衝撃吸収能、および動力等の伝達能(加速、停止、方向転換)を有し、このため、多くの車両、特に自転車、オートバイ、自動車、トラックに採用されている。
特に、これらの能力は自動車、その他のモーター車両の発展に大きく貢献した。更に、空気入りタイヤの衝撃吸収能力は、医療機器や電子機器の運搬用カート、その他の用途でも有用である。
従来の非空気圧タイヤとしては、例えばソリッドタイヤ、スプリングタイヤ、クッションタイヤ等が存在するが、空気入りタイヤの優れた性能を有していない。例えば、ソリッドタイヤおよびクッションタイヤは、接地部分の圧縮によって荷重を支持するが、この種のタイヤは重くて、堅く、空気入りタイヤのような衝撃吸収能力はない。また、非空気圧タイヤでは、弾性を高めてクッション性を改善することも可能であるが、空気入りタイヤが有するような荷重支持能または耐久性が悪くなるという問題がある。
そこで、下記の特許文献1には、空気入りタイヤと同様な動作特性を有する非空気圧タイヤを開発する目的で、タイヤに加わる荷重を支持する補強された環状バンドと、この補強された環状バンドとホイールまたはハブとの間で張力によって荷重力を伝達する複数のスポークとを有する非空気圧タイヤが提案されている。
しかし、このような非空気圧タイヤは、段差乗り越え等の高荷重時に大きく変形し、スポークや外周の環状部が座屈することがある。座屈が発生すると、タイヤがさらに変形しやすくなるため、操縦安定性が悪化する。また、スポークの座屈は、高歪における屈曲疲労、及び隣接するスポーク同士の接触による異常摩耗を引き起こし、タイヤの耐久性を低下させる。
スポークの座屈を抑制できる非空気圧タイヤとして、下記特許文献2には、隣接するスポーク間の空間に発泡ポリウレタンを挿入することで、外周の環状部の剛性を高め、高荷重時におけるスポークの変位量を低下させたものが記載されている。また、下記特許文献3には、隣接するスポーク間の空間に気体を圧入した中空封止体を挿入することで、環状部の座屈を防止できる非空気圧タイヤが記載されている。
しかしながら、特許文献2,3の非空気圧タイヤは、高荷重時のみならず通常走行時におけるスポークの変位量も低下させることとなり、タイヤの衝撃吸収能力が損なわれていた。また、挿入する発泡ポリウレタンや中空封止体の分だけタイヤの重量が増加するため、転がり抵抗の悪化を招いていた。
特表2005−500932号公報 特開2010−123094号公報 特開2010−137648号公報
そこで、本発明の目的は、通常走行時の衝撃吸収能力を損なうことなく、高荷重時のスポークの座屈を抑制できる非空気圧タイヤを提供することにある。
上記目的は、下記の如き本発明により達成できる。
即ち、本発明の非空気圧タイヤは、内側環状部と、その内側環状部の外側に同心円状に設けられ、かつタイヤ幅方向の中央部から両側部へ向かって外径が徐々に小さくなるような曲率を有するトレッド面を備える外側環状部と、前記内側環状部と前記外側環状部とを連結する複数の連結部とを備える非空気圧タイヤであって、前記外側環状部は、タイヤ幅方向の中央部に配された中央領域と、前記中央領域のタイヤ幅方向両外側に配された側部領域とに区画され、前記側部領域の引張弾性率が前記中央領域よりも高いことを特徴とする。
この非空気圧タイヤは、内側環状部と、その内側環状部の外側に同心円状に設けられる外側環状部と、内側環状部と外側環状部とを連結する複数の連結部(以下、スポークと称することもある)とを備えている。また、外側環状部は、タイヤ幅方向の中央部から両側部へ向かって外径が徐々に小さくなるような曲率を有するトレッド面を備えており、通常走行時には外側環状部の中央領域が主に接地し、高荷重時には中央領域の圧縮変形により側部領域も接地するようになる。そのため、タイヤ変位量を低下させないように中央領域の引張弾性率を適宜設定することで、通常走行時の衝撃吸収能力を損なうことなく、さらに、側部領域の引張弾性率を中央領域よりも高くすることで、高荷重時の外側環状部の剛性を高めることができるため、スポークの変位量を低下させ、高荷重時のスポークの座屈を抑制できる。
本発明にかかる非空気圧タイヤにおいて、前記側部領域の引張弾性率は5〜100MPaであることが好ましい。側部領域の引張弾性率がこの範囲であれば、通常走行時に中央領域に与える影響が少ないため、通常走行時の衝撃吸収能力をほとんど損なうことなく、かつ高荷重時には外側環状部の剛性を適切に高めることができるため、高荷重時のスポークの座屈を効果的に抑制できる。
本発明にかかる非空気圧タイヤにおいて、前記側部領域のタイヤ幅方向の幅は、前記中央領域のタイヤ幅方向の幅の0.1〜1倍であることが好ましい。側部領域と中央領域のタイヤ幅方向の幅がこの関係であれば、通常走行時に側部領域が接地することがないため、通常走行時の衝撃吸収能力をほとんど損なうことなく、かつ高荷重時には外側環状部の剛性を適切に高めることができるため、高荷重時のスポークの座屈を効果的に抑制できる。
本発明の非空気圧タイヤの一例を示す正面図 本発明の非空気圧タイヤの一例を示すタイヤ子午線断面図 図1の非空気圧タイヤを右から見た右側面図 転がり抵抗測定試験方法を説明するための模式図 比較例及び実施例における荷重と変位の関係を示す図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は本発明の非空気圧タイヤの一例を示す正面図である。図2は、本発明の非空気圧タイヤの一例を示すタイヤ子午線断面図である。図3は、図1の非空気圧タイヤを右から見た右側面図の一部を示している。ここで、Oは軸芯を、WDはタイヤ幅方向を、Wはタイヤ幅を、Hはタイヤ断面高さをそれぞれ示している。
本発明の非空気圧タイヤTは、キャンバーを付けてコーナリングする車両に用いられるのが好ましい。本実施形態の非空気圧タイヤTは、内側環状部1と、その外側に同心円状に設けられた中間環状部2と、その外側に同心円状に設けられ、タイヤ幅方向WDの中央部から両側部へ向かって外径が徐々に小さくなるような曲率を有するトレッド面6を備える外側環状部3と、内側環状部1と中間環状部2とを連結する複数の内側連結部4と、外側環状部3と中間環状部2とを連結する複数の外側連結部5とを備えている。本実施形態の非空気圧タイヤTは中間環状部2を備えているが、中間環状部2は必ずしも必要ではなく、中間環状部2を設けず、内側連結部4と外側連結部5とが連続して1本の連結部を構成してもよい。この場合、非空気圧タイヤTは、内側環状部1と、その内側環状部1の外側に同心円状に設けられ、かつタイヤ幅方向WDの中央部から両側部へ向かって外径が徐々に小さくなるような曲率を有するトレッド面6を備える外側環状部3と、内側環状部1と外側環状部3とを連結する複数の連結部とを備える構成となる。
内側環状部1は、ユニフォミティを向上させる観点から、厚みが一定の円筒形状であることが好ましい。また、内側環状部1の内周面には、車軸やリムとの装着のために、嵌合性を保持するための凹凸等を設けるのが好ましい。
内側環状部1の厚みは、内側連結部4に力を十分伝達しつつ、軽量化や耐久性の向上を図る観点から、タイヤ断面高さHの6〜30%が好ましく、10〜20%がより好ましい。
内側環状部1の内径は、非空気圧タイヤTを装着するリムや車軸の寸法などに併せて適宜決定されるが、本実施形態では中間環状部2を備えるために、内側環状部1の内径をより小さくすることが可能である。内側環状部1の内径は、50〜560mmが好ましく、80〜200mmがより好ましい。
内側環状部1のタイヤ幅方向WDの幅は、用途、車軸の長さ等に応じて適宜決定されるが、30〜100mmが好ましく、40〜80mmがより好ましい。
内側環状部1の引張モジュラスは、内側連結部4に力を十分伝達しつつ、軽量化や耐久性の向上、装着性を図る観点から、1〜180000MPaが好ましく、1〜50000MPaがより好ましい。なお、本発明における引張モジュラスは、JIS K7312に準じて引張試験を行い、10%伸び時の引張応力の値である。
中間環状部2は、ユニフォミティを向上させる観点から、厚みが一定の円筒形状であることが好ましいが、多角形筒状などでもよい。
中間環状部2の厚みは、内側連結部4と外側連結部5とを十分補強しつつ、軽量化や耐久性の向上を図る観点から、タイヤ断面高さHの3〜10%が好ましく、4〜9%がより好ましい。
中間環状部2の内径は、内側環状部1の内径を超えて、外側環状部3の内径未満となる。但し、中間環状部2の内径としては、内側連結部4と外側連結部5との補強効果を向上させる観点から、外側環状部3の内径から内側環状部1の内径を差し引いた値の20〜80%の値を、内側環状部1の内径に加えた内径とすることが好ましく、30〜60%の値を、内側環状部1の内径に加えた内径とすることがより好ましい。
中間環状部2のタイヤ幅方向WDの幅は、用途等に応じて適宜決定されるが、30〜100mmが好ましく、40〜80mmがより好ましい。
中間環状部2の引張モジュラスは、1〜180000MPaが好ましく、1〜50000MPaがより好ましい。
外側環状部3は、タイヤ幅方向WDに厚みが変化する円筒形状である。外側環状部3の外周面はトレッド面6となっている。トレッド面6は、図2に示されるように、タイヤ子午線断面において、タイヤ幅方向WDの中央部から両側部へ向かって外径が徐々に小さくなるような曲率を有する円弧状となっている。トレッド面6が、曲率を有することで、キャンバーを付けてコーナリングする際にも接地面積が小さくなりすぎず、直進走行時とコーナリング時との間の接地面積の変動が少なくなる。トレッド面6の曲率半径Rは、40〜100mmが好ましく、40〜65mmがより好ましい。曲率半径Rが40mmより小さい場合、キャンバー時の接地面積が過大となり、グリップ性能が急激に増加するため、急停止に近い状況となってしまう。また、曲率半径Rが100mmよりも大きい場合、キャンバー時の接地面積が過小となり、グリップ性能が急激に低下するため、滑りが発生してしまう。トレッド面6には、トレッドパターンとして、従来の空気入りタイヤと同様のパターンを設けることが可能である。
外側環状部3は、タイヤ幅方向WDの中央部に配された中央領域3aと、中央領域3aのタイヤ幅方向WDの両外側に配された側部領域3b,3cとに区画されている。中央領域3aと側部領域3b,3cとの界面は、それぞれタイヤ赤道面に略平行な平面となっている。
側部領域3b,3cの引張弾性率Eb,Ecは、中央領域3aの引張弾性率Eaよりも高く設定されている。中央領域3aの引張弾性率Eaは、通常走行時の衝撃吸収能力を考慮すると、例えば2〜20MPaが好ましく、4〜8MPaがより好ましい。側部領域3b,3cの引張弾性率Eb,Ecは、5〜100MPaが好ましく、20〜60MPaがより好ましい。側部領域3b,3cの引張弾性率Eb,Ecが5MPa以下の場合、高荷重時の外側環状部3の剛性が十分ではなく、高荷重時に外側連結部5が座屈してしまい、100MPa以上の場合、通常走行時のタイヤの変位量が小さく、衝撃吸収能力が損なわれてしまう。なお、本発明における引張弾性率は、JIS K7312に準じて引張試験を行い、5〜10%伸び時の応力と伸びの間の比例定数である。
側部領域3b,3cのタイヤ幅方向WDの幅Wb,Wcは、中央領域3aのタイヤ幅方向WDの幅Waの0.1〜1倍であることが好ましく、0.3〜0.7倍であることがより好ましい。幅Wb,Wcが幅Waの0.1倍以下の場合、高荷重時に側部領域3b,3cがタイヤを支えきれず、外側連結部5が座屈してしまい、1倍以上の場合、通常走行時にも側部領域3b,3cが接地するため、通常走行時のタイヤの変位量が小さく、タイヤの衝撃吸収能力が損なわれてしまう。
外側環状部3の内径は、その用途等に応じて適宜決定されるが、例えば、100〜600mmが好ましく、120〜300mmがより好ましい。
外側環状部3のタイヤ幅方向WDの幅は、用途等に応じて適宜決定されるが、30〜100mmが好ましく、40〜80mmがより好ましい。
内側連結部4は、内側環状部1と中間環状部2とを連結するものであり、両者の間に適当な間隔を開けるなどして、タイヤ周方向に各々が独立するように複数設けられる。内側連結部4は、ユニフォミティを向上させる観点から、タイヤ周方向に規則的に設けることが好ましい。
内側連結部4を全周に渡って設ける際の数(軸方向に複数設ける場合は1個として数える)としては、車両からの荷重を十分支持しつつ、軽量化、動力伝達の向上、耐久性の向上を図る観点から、20〜60個が好ましく、20〜50個がより好ましい。図1には、内側連結部4を30個設けた例を示す。
個々の内側連結部4の形状としては、板状体、柱状体などが挙げられるが、本実施形態では板状体の例を示す。これらの内側連結部4は、正面視断面において、タイヤ径方向又はタイヤ径方向から傾斜した方向に延びている。本発明では、ブレークポイントを高くして剛性変動を生じにくくすると共に、耐久性を向上させる観点から、正面視断面において、内側連結部4の延設方向が、タイヤ径方向±30°以内が好ましく、タイヤ径方向±15°以内がより好ましい。図1では、内側連結部4が、タイヤ径方向に延設されている例を示す。
内側連結部4の厚みは、内側環状部1からの力を十分伝達しつつ、軽量化や耐久性の向上、横剛性の向上を図る観点から、タイヤ断面高さHの3〜12%が好ましく、4〜10%がより好ましい。
内側連結部4の引張モジュラスは、内側環状部1からの力を十分伝達しつつ、軽量化や耐久性の向上、横剛性の向上を図る観点から、1〜50MPaが好ましく、1〜30MPaがより好ましい。
外側連結部5は、外側環状部3と中間環状部2とを連結するものであり、両者の間に適当な間隔を開けるなどして、タイヤ周方向に各々が独立するように複数設けられる。外側連結部5は、ユニフォミティを向上させる観点から、タイヤ周方向に規則的に設けることが好ましい。
なお、外側連結部5と内側連結部4とは全周の同じ位置に設けてもよく、異なる位置に設けてもよい。すなわち、外側連結部5と内側連結部4は、必ずしも図1のように同じ方向に連続するように延設する必要はない。
外側連結部5を全周に渡って設ける際の数(軸方向に複数設ける場合は1個として数える)としては、車両からの荷重を十分支持しつつ、軽量化、動力伝達の向上、耐久性の向上を図る観点から、20〜60個が好ましく、20〜50個がより好ましい。図1には、外側連結部5を内側連結部4と同じく30個設けた例を示す。なお、外側連結部5の数と内側連結部4の数は、必ずしも同じとする必要はなく、外側連結部5を内側連結部4よりも多く設けてもよい。
個々の外側連結部5の形状としては、板状体、柱状体などが挙げられるが、本実施形態では板状体の例を示す。これらの外側連結部5は、正面視断面において、タイヤ径方向又はタイヤ径方向から傾斜した方向に延びている。本発明では、ブレークポイントを高くして剛性変動を生じにくくすると共に、耐久性を向上させる観点から、正面視断面において、外側連結部5の延設方向が、タイヤ径方向±30°以内が好ましく、タイヤ径方向±15°以内がより好ましい。図1では、外側連結部5が、タイヤ径方向に延設されている例を示す。
外側連結部5の厚みは、内側環状部1からの力を十分伝達しつつ、軽量化や耐久性の向上、横剛性の向上を図る観点から、タイヤ断面高さHの3〜12%が好ましく、4〜10%がより好ましい。
外側連結部5の引張モジュラスは、内側環状部1からの力を十分伝達しつつ、軽量化や耐久性の向上、横剛性の向上を図る観点から、1〜50MPaが好ましく、1〜30MPaがより好ましい。
本実施形態において、それぞれの外側連結部5は、板状体であって、外側環状部3と交わる部分は、交線部51を構成する。この交線部51は、図3に破線で示されるように、タイヤ幅方向WDに対して角度θで傾斜している。また、隣り合う交線部51は、各々独立しており、タイヤ幅方向WDに対してそれぞれ反対の向きに角度θで傾斜している。すなわち、タイヤ径方向から見ると、隣り合う2つの交線部51がハの字状となるように、外側連結部5は設けられている。交線部51がタイヤ幅方向WDに平行の場合、外側連結部5直下で接地する場合と、外側連結部5間で接地する場合とでタイヤの上下方向の変位差(上下方向の振動幅)が大きくなり、乗り心地の悪化に繋がる。これに対し、交線部51がタイヤ幅方向WDに対して傾斜している場合、交線部51のタイヤ幅方向両端部51aが隣の交線部51のタイヤ幅方向両端部51aに近くなり、隣り合う外側連結部5どうしの間隔が狭くなるため、上記の変位差が小さくなる。ただし、本発明においては、必ずしも交線部51がタイヤ幅方向WDに対して傾斜する必要はない。
交線部51のタイヤ幅方向WDに対する傾斜角度θは、45度以下が好ましい。キャンバーを付けたコーナリング時には、タイヤ幅方向WDのトルクが発生し、交線部51をタイヤ幅方向WDに傾斜させると、このタイヤ幅方向WDのトルクに対する耐久力が低下する傾向にある。θを45度より大きくすると、上下方向の変位差改善の効果は高いが、タイヤ幅方向WDの耐久力の低下が著しくなり好ましくない。
内側連結部4および外側連結部5の厚みは、タイヤ径方向には一定であるが、図3に示されるように、タイヤ幅方向WDには、両端部51aから中央部51bへ向かって増大している。この実施形態では、両端部51aが厚みを有しているが、両端部51aの厚みをゼロとして中央部51bが膨らむようにしてもよい。ただし、本発明においては、内側連結部4および外側連結部5の厚みをタイヤ幅方向WDに一定にしても構わない。
非空気圧タイヤTは、弾性材料で成形される。本発明における弾性材料とは、JIS K7312に準じて引張試験を行い、10%伸び時の引張応力から算出した引張モジュラスが、100MPa以下のものを指す。本発明の弾性材料としては、十分な耐久性を得ながら、適度な剛性を付与する観点から、好ましくは引張モジュラスが0.1〜100MPaであり、より好ましくは0.1〜50MPaである。母材として用いられる弾性材料としては、熱可塑性エラストマー、架橋ゴム、その他の樹脂が挙げられる。
熱可塑性エラストマーとしては、ポリエステルエラストマー、ポリオレフィンエラストマー、ポリアミドエラストマー、ポリスチレンエラストマー、ポリ塩化ビニルエラストマー、ポリウレタンエラストマー等が例示される。架橋ゴム材料を構成するゴム材料としては、天然ゴムの他、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IIR)、ニトリルゴム(NBR)、水素添加ニトリルゴム(水添NBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、フッ素ゴム、シリコンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム等の合成ゴムが例示される。これらのゴム材料は必要に応じて2種以上を併用してもよい。
その他の樹脂としては、熱可塑性樹脂、又は熱硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などが挙げられ、熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂などが挙げられる。
上記の弾性材料のうち、成形・加工性やコストの観点から、好ましくは、ポリウレタン樹脂が用いられる。なお、弾性材料としては、発泡材料を使用してもよく、上記の熱可塑性エラストマー、架橋ゴム、その他の樹脂を発泡させたもの使用可能である。
弾性材料で成形された内側環状部1、中間環状部2、外側環状部3、内側連結部4、及び外側連結部5は、補強繊維により補強されていることが好ましい。
補強繊維としては、長繊維、短繊維、織布、不織布などの補強繊維が挙げられるが、長繊維を使用する形態として、タイヤ軸方向に配列される繊維とタイヤ周方向に配列される繊維とから構成されるネット状繊維集合体を使用するのが好ましい。
補強繊維の種類としては、例えば、レーヨンコード、ナイロン−6,6等のポリアミドコード、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルコード、アラミドコード、ガラス繊維コード、カーボンファイバー、スチールコード等が挙げられる。
本発明では、補強繊維を用いる補強の他、粒状フィラーによる補強や、金属リング等による補強を行うことが可能である。粒状フィラーとしては、カーボンブラック、シリカ、アルミナ等のセラミックス、その他の無機フィラーなどが挙げられる。
本発明における非空気圧タイヤTは弾性材料で成形されるが、非空気圧タイヤTを製造する際に、一体成形が可能となる観点から、内側環状部1、中間環状部2、外側環状部3、内側連結部4、及び外側連結部5は、補強構造を除いて基本的に同じ材質とすることが好ましい。
<別実施形態>
(1)側部領域3bの引張弾性率Ebと側部領域3cの引張弾性率Ecは必ずしも同じとする必要は無い。また、側部領域3bの幅Wbと側部領域3cの幅Wcも必ずしも同じとする必要は無い。すなわち、非空気圧タイヤTは、タイヤ赤道面に対して非対称であってもよい。
(2)前述の実施形態では、中央領域3aと側部領域3b,3cの界面は、それぞれタイヤ赤道面に略平行な平面となっているが、必ずしも平面でなくともよい。中央領域3aと側部領域3b,3cの界面は、タイヤ子午線断面形状がタイヤ径方向に沿った波状となるようにしてもよい。界面を波状とすることで、中央領域3aと側部領域3b,3cの界面の面積が大きくなるため、両者の接着性が良好となる。
(3)側部領域3bと側部領域3cは、全周がひとつの弾性材料で成形されなくともよい。例えば、側部領域3bと側部領域3cの周方向の一部が中央領域3aよりも引張弾性率の高い弾性材料で成形され、残りの部分が中央領域3aと同じ弾性材料で成形され、その結果、側部領域3bと側部領域3cの引張弾性率Eb,Ecが全体として中央領域3aの引張弾性率Eaよりも高くなるように構成してもよい。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。尚、実施例等における評価項目は、下記のようにして測定を行った。
(1)荷重変位
タイヤ縦方向への荷重を徐々に増加させ、その際の非空気圧タイヤの変位量を測定した。ここで、通常走行時にかかる荷重を500N、高荷重時にかかる荷重を1500Nと仮定した。また、荷重増加に対して大規模なタイヤの変位が起こる現象をスポークの座屈と定義した。表1に荷重変位試験の際のタイヤの変位量を示す。また、図5に各比較例及び実施例における荷重(N)と変位(mm)の関係を示す。
(2)転がり抵抗
図4の模式図に示すような転がり抵抗測定用治具を用いて500Nの荷重を負荷し、高さ10cm、傾斜角5°の斜面から治具を自然落下させることでその走行距離を測定した。表1に転がり抵抗測定試験の際の走行距離を示す。走行距離が長いほど、転がり抵抗が小さい。
比較例
内側環状部の厚みが5mm、外側環状部のタイヤ幅方向の中央部の厚みが10mm、外側環状部の両側端部の厚みが5.5mm、タイヤ幅Wが44mmである非空気圧タイヤを作製した。外側環状部は、タイヤ幅方向に区画されておらず、全体の引張弾性率が4.5MPaとなっている。
実施例1
外側環状部が中央領域と側部領域とに区画され、中央領域の引張弾性率を4.5MPa、側部領域の引張弾性率を40MPaとした。また、側部領域の幅を中央領域の幅の0.55倍とした。それ以外の寸法等は比較例と同じとした。
実施例2
側部領域の引張弾性率を100MPaとしたこと以外は実施例1と同じとした。
実施例3
側部領域の幅を中央領域の幅の0.1倍としたこと以外は実施例1と同じとした。
実施例4
側部領域の幅を中央領域の幅の1倍としたこと以外は実施例1と同じとした。
Figure 2013018427
表1及び図5のように、比較例は約1200Nの荷重にてスポークの座屈が生じ、タイヤの変位量が急激に大きくなっている。これに対し、実施例1〜4では、比較例に比べ、スポークの座屈を抑制できている。ただし、実施例3のように側部領域の幅が狭いと、高荷重時に側部領域がタイヤを完全に支えきれず、約1200Nの荷重にてわずかに座屈が発生している。また、実施例1〜4では、通常走行時を想定した500Nの荷重を負荷した際の変位量が比較例と同程度であり、通常走行時の衝撃吸収能力を損なうことはない。ただし、実施例2及び実施例4では、500Nの荷重を負荷した際の変位量がやや減少している。さらに、実施例1〜4では、中央領域の材料を比較例と同じ材料にすることができるので、通常走行時の転がり抵抗性能が悪化することはない。
1 内側環状部
2 中間環状部
3 外側環状部
3a 中央領域
3b 側部領域
3c 側部領域
4 内側連結部
5 外側連結部
6 トレッド面
T 非空気圧タイヤ
WD タイヤ幅方向

Claims (3)

  1. 内側環状部と、その内側環状部の外側に同心円状に設けられ、かつタイヤ幅方向の中央部から両側部へ向かって外径が徐々に小さくなるような曲率を有するトレッド面を備える外側環状部と、前記内側環状部と前記外側環状部とを連結する複数の連結部とを備える非空気圧タイヤであって、
    前記外側環状部は、タイヤ幅方向の中央部に配された中央領域と、前記中央領域のタイヤ幅方向両外側に配された側部領域とに区画され、前記側部領域の引張弾性率が前記中央領域よりも高いことを特徴とする非空気圧タイヤ。
  2. 前記側部領域の引張弾性率は5〜100MPaであることを特徴とする請求項1に記載の非空気圧タイヤ。
  3. 前記側部領域のタイヤ幅方向の幅は、前記中央領域のタイヤ幅方向の幅の0.1〜1倍であることを特徴とする請求項1又は2に記載の非空気圧タイヤ。

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