JP6964470B2 - 非空気圧タイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤ構造部材として、車両からの荷重を支持する支持構造体を備える非空気圧タイヤ(non−pneumatic tire)に関するものであり、好ましくは空気入りタイヤの代わりとして使用することができる非空気圧タイヤに関するものである。
従来の非空気圧タイヤとしては、例えば例えばソリッドタイヤ、スプリングタイヤ、クッションタイヤ等が存在するが、空気入りタイヤの優れた性能を有していない。
下記特許文献1には、接地面を有する円筒状のトレッドリング、前記トレッドリングの半径方向内側に配されかつ車軸に固定されるハブ、及び前記トレッドリングとハブとを連結するスポークを具える非空気圧タイヤが記載されている。特許文献1では、スポークがトレッドリングの内周面と接合するトレッド接合部のタイヤ軸方向の成分長さのタイヤ一周に亘る分布を調整することで、軽量性や乗り心地性を確保しながら、振動性能を改善している。
また、下記特許文献2には、内側環状部と、その内側環状部の外側に同心円状に設けられた外側環状部と、前記内側環状部と前記外側環状部とを連結し、タイヤ周方向に各々独立して設けられた複数の連結部とを備える非空気圧タイヤが記載されている。複数の連結部は、前記内側環状部のタイヤ幅方向一方側から前記外側環状部のタイヤ幅方向他方側へ向かって延設される長尺板状の第1連結部と、前記内側環状部の前記タイヤ幅方向他方側から前記外側環状部の前記タイヤ幅方向一方側へ向かって延設される長尺板状の第2連結部とがタイヤ周方向に沿って配列されて構成されており、前記第1連結部と前記第2連結部は、板厚が板幅よりも小さく、板厚方向がタイヤ周方向を向いている。これにより、耐久性を向上しつつ、タイヤ転動時の接地圧分散を小さくしている。
ところで、近年、非空気圧タイヤを小型の電気自動車(EV)に採用することが検討されている。電気自動車への非空気圧タイヤの採用に際し、車両設計スペースの関係でタイヤの小型化が必須であるが、その一方で電気自動車はバッテリー等の影響で軽量化が難しいため、荷重に対するタイヤの負荷が大きくなり、更なる耐久性の向上が望まれている。
特開2014−218132号公報 特開2015−39986号公報
そこで、本発明の目的は、耐久性を向上できる非空気圧タイヤを提供することにある。
上記目的は、下記の如き本発明により達成できる。
即ち、本発明の非空気圧タイヤは、車両からの荷重を支持する支持構造体を備える非空気圧タイヤにおいて、前記支持構造体は、内側環状部と、その内側環状部の外側に同心円状に設けられた外側環状部と、前記内側環状部と前記外側環状部とを連結し、タイヤ周方向に各々独立して設けられた複数の連結部とを備え、
前記複数の連結部は、前記内側環状部のタイヤ幅方向一方側から前記外側環状部のタイヤ幅方向他方側へ向かって延設される長尺板状の第1連結部と、前記内側環状部の前記タイヤ幅方向他方側から前記外側環状部の前記タイヤ幅方向一方側へ向かって延設される長尺板状の第2連結部とがタイヤ周方向に沿って配列されて構成され、
前記第1連結部と前記第2連結部は、板厚が板幅よりも小さく、板厚方向がタイヤ周方向を向いており、前記内側環状部に結合されるタイヤ径方向内側端における板厚が、タイヤ径方向中央部における板厚よりも大きい。
本発明に係る非空気圧タイヤにおいて、前記第1連結部と前記第2連結部は、前記外側環状部に結合されるタイヤ径方向外側端における板厚が、前記タイヤ径方向中央部における板厚よりも大きくてもよい。
また、本発明に係る非空気圧タイヤにおいて、前記タイヤ径方向外側端における板厚が、前記タイヤ径方向内側端における板厚よりも大きくてもよい。
また、本発明に係る非空気圧タイヤにおいて、前記第1連結部と前記第2連結部は、前記タイヤ径方向内側端から前記タイヤ径方向中央部に向かって徐々に板厚が大きくなる厚肉部と、前記タイヤ径方向外側端から前記タイヤ径方向中央部を通って前記タイヤ径方向内側端へ向かって徐々に板厚が小さくなる薄肉部と、前記厚肉部から前記薄肉部へかけて薄肉化されたテーパ部とを備えるものでもよい。
本発明の非空気圧タイヤは、内側環状部と、その内側環状部の外側に同心円状に設けられた外側環状部と、内側環状部と外側環状部とを連結する複数の連結部とを備えている。複数の連結部は、複数の第1連結部と第2連結部とがタイヤ周方向に配列されて構成されている。第1連結部は、内側環状部のタイヤ幅方向一方側から外側環状部のタイヤ幅方向他方側へ向かって延設され、第2連結部は、内側環状部のタイヤ幅方向他方側から外側環状部のタイヤ幅方向一方側へ向かって延設されている。第1連結部と第2連結部は、板厚が板幅よりも小さい長尺板状をしており、その板厚方向がタイヤ周方向を向いている。これにより、仮に板厚を薄くしても、板幅を広く設定することで、連結部は所望の剛性を得ることができるため、耐久性を向上できる。また、第1連結部と第2連結部は、内側環状部に結合されるタイヤ径方向内側端における板厚が、タイヤ径方向中央部における板厚よりも大きいため、内側環状部側の根元部分の撓みが抑制され、タイヤに大きな荷重が加わった際にもタイヤ径方向中央部が隣接する第1連結部又は第2連結部のタイヤ径方向中央部に接触することを防ぐことができ、耐久性をさらに向上できる。
本発明の非空気圧タイヤの一例を示す正面図 図1の非空気圧タイヤのA−A断面図 図1の非空気圧タイヤの一部を示す斜視図 図1の非空気圧タイヤの部分拡大図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。初めに、本発明の非空気圧タイヤTの構成を説明する。図1は、非空気圧タイヤTの一例を示す正面図である。図2Aは、図1のA−A断面図であり、図2Bは、非空気圧タイヤの一部を示す斜視図である。図3は、図1の一部を拡大して示す図である。ここで、Oは軸芯を、Hはタイヤ断面高さを、それぞれ示している。
非空気圧タイヤTは、車両からの荷重を支持する支持構造体SSを備えるものである。本発明の非空気圧タイヤTは、このような支持構造体SSを備えるものであればよく、その支持構造体SSの外側(外周側)や内側(内周側)に、トレッドに相当する部材、補強層、車軸やリムとの適合用部材などを備えていてもよい。
本実施形態の非空気圧タイヤTは、図1の正面図に示すように、支持構造体SSが、内側環状部1と、その外側に同心円状に設けられた外側環状部2と、内側環状部1と外側環状部2とを連結し、タイヤ周方向CDに各々独立して設けられた複数の連結部3とを備えている。
内側環状部1は、ユニフォミティを向上させる観点から、厚みが一定の円筒形状であることが好ましい。また、内側環状部1の内周面には、車軸やリムとの装着のために、嵌合性を保持するための凹凸等を設けるのが好ましい。
内側環状部1の厚みは、連結部3に力を十分伝達しつつ、軽量化や耐久性の向上を図る観点から、タイヤ断面高さHの2〜10%が好ましく、3〜9%がより好ましい。
内側環状部1の内径は、非空気圧タイヤTを装着するリムや車軸の寸法などに併せて適宜決定される。ただし、一般の空気入りタイヤの代替を想定した場合、250〜500mmが好ましく、320〜440mmがより好ましい。
内側環状部1のタイヤ幅方向の幅は、用途、車軸の長さ等に応じて適宜決定されるが、一般の空気入りタイヤの代替を想定した場合、100〜300mmが好ましく、120〜250mmがより好ましい。
内側環状部1の引張モジュラスは、連結部3に力を十分伝達しつつ、軽量化や耐久性の向上、装着性を図る観点から、5〜180000MPaが好ましく、7〜50000MPaがより好ましい。なお、本発明における引張モジュラスは、JIS K7312に準じて引張試験を行い、10%伸び時の引張応力から算出した値である。
本発明における支持構造体SSは、弾性材料で成形されるが、支持構造体SSを製造する際に、一体成形が可能となる観点から、内側環状部1、外側環状部2、及び連結部3は、補強構造を除いて基本的に同じ材質とすることが好ましい。
本発明における弾性材料とは、JIS K7312に準じて引張試験を行い、10%伸び時の引張応力から算出した引張モジュラスが、100MPa以下のものを指す。本発明の弾性材料としては、十分な耐久性を得ながら、適度な剛性を付与する観点から、好ましくは引張モジュラスが5〜100MPaであり、より好ましくは7〜50MPaである。母材として用いられる弾性材料としては、熱可塑性エラストマー、架橋ゴム、その他の樹脂が挙げられる。
熱可塑性エラストマーとしては、ポリエステルエラストマー、ポリオレフィンエラストマー、ポリアミドエラストマー、ポリスチレンエラストマー、ポリ塩化ビニルエラストマー、ポリウレタンエラストマー等が例示される。架橋ゴム材料を構成するゴム材料としては、天然ゴムの他、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IIR)、ニトリルゴム(NBR)、水素添加ニトリルゴム(水添NBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、フッ素ゴム、シリコンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム等の合成ゴムが例示される。これらのゴム材料は必要に応じて2種以上を併用してもよい。
その他の樹脂としては、熱可塑性樹脂、又は熱硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などが挙げられ、熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂などが挙げられる。
上記の弾性材料のうち、成形・加工性やコストの観点から、好ましくは、ポリウレタン樹脂が用いられる。なお、弾性材料としては、発泡材料を使用してもよく、上記の熱可塑性エラストマー、架橋ゴム、その他の樹脂を発泡させたもの使用可能である。
弾性材料で一体成形された支持構造体SSは、内側環状部1、外側環状部2、及び連結部3が、補強繊維により補強されていることが好ましい。
補強繊維としては、長繊維、短繊維、織布、不織布などの補強繊維が挙げられるが、長繊維を使用する形態として、タイヤ幅方向に配列される繊維とタイヤ周方向に配列される繊維とから構成されるネット状繊維集合体を使用するのが好ましい。
補強繊維の種類としては、例えば、レーヨンコード、ナイロン−6,6等のポリアミドコード、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルコード、アラミドコード、ガラス繊維コード、カーボンファイバー、スチールコード等が挙げられる。
本発明では、補強繊維を用いる補強の他、粒状フィラーによる補強や、金属製リング等による補強を行うことが可能である。粒状フィラーとしては、カーボンブラック、シリカ、アルミナ等のセラミックス、その他の無機フィラーなどが挙げられる。
外側環状部2の形状は、ユニフォミティを向上させる観点から、厚みが一定の円筒形状であることが好ましい。外側環状部2の厚みは、連結部3からの力を十分伝達しつつ、軽量化や耐久性の向上を図る観点から、タイヤ断面高さHの2〜20%が好ましく、10〜15%がより好ましい。
外側環状部2の内径は、その用途等応じて適宜決定される。ただし、一般の空気入りタイヤの代替を想定した場合、420〜750mmが好ましく、470〜680mmがより好ましい。
外側環状部2のタイヤ幅方向の幅は、用途等に応じて適宜決定されるが、一般の空気入りタイヤの代替を想定した場合、100〜300mmが好ましく、120〜250mmがより好ましい。
外側環状部2の引張モジュラスは、図1に示すように外側環状部2の外周に補強層7が設けられている場合には、内側環状部1と同程度に設定できる。このような補強層7を設けない場合には、連結部3からの力を十分伝達しつつ、軽量化や耐久性の向上を図る観点から、5〜180000MPaが好ましく、7〜50000MPaがより好ましい。
外側環状部2の引張モジュラスを高める場合、弾性材料を繊維等で補強した繊維補強材料が好ましい。外側環状部2を補強繊維により補強することで、外側環状部2とベルト層などとの接着も十分となる。
連結部3は、内側環状部1と外側環状部2とを連結するものであり、両者の間に適当な間隔を開けるなどして、タイヤ周方向CDに各々が独立するように複数設けられる。
複数の連結部3は、第1連結部31と第2連結部32とがタイヤ周方向CDに沿って配列されて構成されている。この際、第1連結部31と第2連結部32は、タイヤ周方向CDに沿って交互に配列されていることが好ましい。これにより、タイヤ転動時の接地圧分散をより小さくできる。
また、第1連結部31と第2連結部32との間のタイヤ周方向CDのピッチpは、ユニフォミティを向上させる観点から、一定とするのが好ましい。ピッチpは、0〜10mmが好ましく、0〜5mmがより好ましい。ピッチpが10mmよりも大きいと、接地圧が不均一となり、ノイズが増大する要因となり得る。
第1連結部31は、内側環状部1のタイヤ幅方向一方側WD1から外側環状部2のタイヤ幅方向他方側WD2へ向かって延設されている。一方、第2連結部32は、内側環状部1のタイヤ幅方向他方側WD2から外側環状部2のタイヤ幅方向一方側WD1へ向かって延設されている。すなわち、隣り合う第1連結部31と第2連結部32は、タイヤ周方向CDから見ると、略X字状に配置されている。
タイヤ周方向CDから見た第1連結部31と第2連結部32は、図2Aに示すように、タイヤ赤道面Cに対して対称な形状であることが好ましい。そのため、以下では、主として第1連結部31について説明する。
第1連結部31は、内側環状部1から外側環状部2へと延びる長尺板状をしている。第1連結部31は、板厚tが板幅wよりも小さく、板厚方向PTがタイヤ周方向CDを向いている。すなわち、第1連結部31は、タイヤ径方向RD及びタイヤ幅方向WDに延びる板状である。第1連結部31及び第2連結部32をこのような長尺板状とすることにより、仮に板厚tを薄くしても、板幅wを広く設定することで、第1連結部31及び第2連結部32は所望の剛性を得ることができるため、耐久性を向上できる。また、板厚tを薄くしつつ第1連結部31及び第2連結部32の数を増やすことで、タイヤ全体の剛性を維持しつつ、タイヤ周方向CDに隣り合う連結部同士の隙間を小さくすることができるため、タイヤ転動時の接地圧分散を小さくできる。
図3に示すように、第1連結部31は、タイヤ径方向内側端3aにて内側環状部1に結合され、タイヤ径方向外側端3cにて外側環状部2に結合されている。第1連結部31のタイヤ径方向RDの中心をタイヤ径方向中央部3bとする。
第1連結部31の板厚tは、タイヤ径方向RDに沿って変化している。具体的には、第1連結部31は、タイヤ径方向内側端3aからタイヤ径方向中央部3bに向かって徐々に板厚が大きくなる厚肉部311と、タイヤ径方向外側端3cからタイヤ径方向中央部3bを通ってタイヤ径方向内側端3aへ向かって徐々に板厚が小さくなる薄肉部312と、厚肉部311から薄肉部312へかけて薄肉化されたテーパ部313とを備える。厚肉部311とテーパ部313は、タイヤ径方向中央部3bよりもタイヤ径方向内側に位置している。厚肉部311のタイヤ周方向CDの両側面は、タイヤ径方向RDに沿って放射状に延びており、これにより、厚肉部311は板厚がタイヤ径方向外側へ向かって漸増している。また、薄肉部312のタイヤ周方向CDの両側面は、タイヤ径方向RDに沿って放射状に延びており、これにより、薄肉部312は板厚がタイヤ径方向内側へ向かって漸減している。
第1連結部31は、タイヤ径方向内側端3aにおける板厚taが、タイヤ径方向中央部3bにおける板厚tbよりも大きい。これにより、第1連結部31は、タイヤ径方向内側端3a付近、すなわち内側環状部1側の根元部分の撓みが抑制されるため、タイヤに大きな荷重が加わった際にもタイヤ径方向中央部3bが大きく撓んで隣接する第2連結部32のタイヤ径方向中央部に接触することを防ぐことができ、耐久性をさらに向上できる。板厚taは、板厚tbの100%以上が好ましく、110%以上がより好ましい。
また、タイヤ径方向外側端3cにおける板厚tcが、タイヤ径方向中央部3bにおける板厚tbよりも大きい。これにより、第1連結部31は、タイヤ径方向外側端3c付近、すなわち外側環状部2側の根元部分の撓みが抑制されるため、タイヤに大きな荷重が加わった際にもタイヤ径方向中央部3bが大きく撓んで隣接する第2連結部32のタイヤ径方向中央部に接触することを防ぐことができ、耐久性をさらに向上できる。板厚tcは、板厚tbの100%以上が好ましく、110%以上がより好ましい。
また、タイヤ径方向外側端3cにおける板厚tcが、タイヤ径方向内側端3aにおける板厚taよりも大きいことが好ましい。すなわち、板厚tc>板厚ta>板厚tbとするのが好ましい。板厚tcは、板厚taの100%以上が好ましく、110%以上がより好ましい。
板厚tは、内側環状部1および外側環状部2からの力を十分伝達しつつ、軽量化や耐久性の向上を図る観点から、8〜30mmが好ましく、10〜25mmがより好ましい。
板幅wは、内側環状部1および外側環状部2からの力を十分伝達しつつ、軽量化や耐久性の向上を図る観点から、5〜25mmが好ましく、10〜20mmがより好ましい。また、板幅wは、耐久性を向上させつつ接地圧分散を小さくする観点から、板厚tの110%以上が好ましく、115%以上がより好ましい。
第1連結部31は、内側環状部1との結合部付近及び外側環状部2との結合部付近において、内側環状部1又は外側環状部2へ向かって徐々に板幅を大きくした補強部33を有することが好ましい。これにより、第1連結部31の耐久性をさらに向上させることができる。補強部33を設ける範囲は、第1連結部31のタイヤ径方向中央部3bからhの±25%の範囲外とするのが好ましい。また、補強部33は、第1連結部31の厚肉部311に設けられる。
連結部3の数としては、車両からの荷重を十分支持しつつ、軽量化、動力伝達の向上、耐久性の向上を図る観点から、80〜300個が好ましく、100〜200個がより好ましい。図1には、第1連結部31を50個、第2連結部32を50個設けた例を示す。
連結部3の引張モジュラスは、内側環状部1および外側環状部2からの力を十分伝達しつつ、軽量化や耐久性の向上、横剛性の向上を図る観点から、5〜180000MPaが好ましく、7〜50000MPaがより好ましい。連結部3の引張モジュラスを高める場合、弾性材料を繊維等で補強した繊維補強材料が好ましい。
本実施形態では、図1に示すように、支持構造体SSの外側環状部2の外側に、その外側環状部2の曲げ変形を補強する補強層7が設けられている例を示す。また、本実施形態では、図1に示すように、補強層7の更に外側にトレッド8が設けられている例を示す。補強層7、トレッド8としては、従来の空気入りタイヤのベルト層と同様のものを設けることが可能である。なお、トレッド8は、樹脂で形成してもよい。また、トレッドパターンとして、従来の空気入りタイヤと同様のパターンを設けることが可能である。
本発明において、連結部3のタイヤ径方向外側端とトレッド8の間には、タイヤ幅方向の剛性を高める幅方向補強層をさらに配置することが好ましい。これにより、外側環状部2のタイヤ幅方向中央部での座屈を抑制して、連結部3の耐久性をさらに向上できる。幅方向補強層は、外側環状部2に埋設されるか、もしくは外側環状部2の外側に配置される。幅方向補強層としては、スチールコードやCFRP、GFRP等の繊維強化プラスチック製のコードをタイヤ幅方向に対して略平行に配列したもの、円筒状の金属製リングや高モジュラス樹脂製リングなどが例示される。
[他の実施形態]
前述の実施形態では、第1連結部31の厚肉部311を、タイヤ径方向内側端3aからタイヤ径方向中央部3bに向かって徐々に板厚が大きくなるようにしているが、これに限定されない。例えば、第1連結部31と第2連結部32の厚肉部311は、板厚をタイヤ径方向RDに一定としてもよい。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。なお、実施例等における耐久性は、FMVSS109に準拠し、ドラム試験機により次のようにして測定を行った。試験速度は80km/hで一定とし、漸増する4ステップに分かれた荷重を負荷しながら、故障が発生するまでの走行距離を測定した。比較例での走行距離を100としたときの指数で示し、この値が大きい方が優れる。
実施例
図1〜3に示す非空気圧タイヤを実施例とした。第1連結部と第2連結部のタイヤ径方向内側端における板厚は10.6mmとした。
比較例
第1連結部と第2連結部を、タイヤ径方向外側端からタイヤ径方向中央部を通ってタイヤ径方向内側端にかけて徐々に板厚が小さくなるようにした(特許文献2の図3を参照)こと以外は、実施例と同じ構成とした。すなわち、比較例は、第1連結部と第2連結部が厚肉部及びテーパ部を備えず、薄肉部がタイヤ径方向外側端からタイヤ径方向内側端まで延びている。第1連結部と第2連結部のタイヤ径方向内側端における板厚は9.2mmとした。
測定の結果、実施例の走行距離は150となり、比較例に比べて耐久性が向上した。
1 内側環状部
2 外側環状部
3 連結部
3a タイヤ径方向内側端
3b タイヤ径方向中央部
3c タイヤ径方向外側端
31 第1連結部
32 第2連結部
SS 支持構造体
T 非空気圧タイヤ
CD タイヤ周方向
WD タイヤ幅方向
RD タイヤ径方向
WD1 タイヤ幅方向一方側
WD2 タイヤ幅方向他方側
t 板厚
ta タイヤ径方向内側端における板厚
tb タイヤ径方向中央部における板厚
tc タイヤ径方向外側端における板厚
w 板幅

Claims (2)

  1. 車両からの荷重を支持する支持構造体を備える非空気圧タイヤにおいて、
    前記支持構造体は、内側環状部と、その内側環状部の外側に同心円状に設けられた外側環状部と、前記内側環状部と前記外側環状部とを連結し、タイヤ周方向に各々独立して設けられた複数の連結部とを備え、
    前記複数の連結部は、前記内側環状部のタイヤ幅方向一方側から前記外側環状部のタイヤ幅方向他方側へ向かって延設される長尺板状の第1連結部と、前記内側環状部の前記タイヤ幅方向他方側から前記外側環状部の前記タイヤ幅方向一方側へ向かって延設される長尺板状の第2連結部とがタイヤ周方向に沿って配列されて構成され、
    前記第1連結部と前記第2連結部は、板厚が板幅よりも小さく、板厚方向がタイヤ周方向を向いており、前記内側環状部に結合されるタイヤ径方向内側端における板厚が、タイヤ径方向中央部における板厚よりも大きく、
    前記第1連結部と前記第2連結部は、前記外側環状部に結合されるタイヤ径方向外側端における板厚が、前記タイヤ径方向中央部における板厚よりも大きく、
    前記第1連結部と前記第2連結部は、前記タイヤ径方向内側端から前記タイヤ径方向中央部に向かって徐々に板厚が大きくなる厚肉部と、前記タイヤ径方向外側端から前記タイヤ径方向中央部を通って前記タイヤ径方向内側端へ向かって徐々に板厚が小さくなる薄肉部と、前記厚肉部から前記薄肉部へかけて薄肉化されたテーパ部とを備える、非空気圧タイヤ。
  2. 前記タイヤ径方向外側端における板厚が、前記タイヤ径方向内側端における板厚よりも大きい、請求項に記載の非空気圧タイヤ。
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