JP2022102289A - 液体柔軟剤物品 - Google Patents

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Taichi Nakamura
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友彦 天谷
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Abstract

【課題】吐出使用性の良好な液体柔軟剤物品を提供することを目的とする。【解決手段】以下の(A)~(C)成分を含む液体柔軟剤組成物を、開口面積8~28mm2の吐出口を備えた容器に充填した液体柔軟剤物品。(A)エステル基(-COO-)及び/又はアミド基(-NHCO-)で分断されている、炭素数10~26の炭化水素基を分子内に1~3個有するアミン化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物 5~30質量%(B)ノニオン界面活性剤 1~10質量%、及び(C)無機塩 0.01~2質量%【選択図】なし

Description

本発明は、液体柔軟剤物品に関する。詳細には、吐出使用性の良好な液体柔軟剤物品に関する。
柔軟剤をポンプ式ディスペンサーに充填する際の長期使用時の吐出使用性を維持する技術として、特許文献1~3が知られている。特許文献2では、特定の柔軟主基材、水溶性溶剤、ノニオン界面活性剤のバランスを調整することで、開口面積1.0~15mm2の吐出口を備えた容器について、長期使用時の吐出性を維持できることが報告されている。
一方、環境・エコ視点での包装容器の最小化、洗濯環境変化の視点での限られた柔軟剤投入口スペースに製剤を充填する必要性等から、柔軟剤の濃縮化が進んでいる。濃縮柔軟剤をポンプ式ディスペンサー容器で使用することを考えると、適度な押し圧設計にするためには広い開口面積が必要になるが、開口面積が大きすぎると吐出時の液の飛散が課題になり、粘度設計とのバランスが重要である。また、内用液の経時粘度安定性が悪いと(経時増粘、ゲル化等によって)洗濯機投入口への狙いやすさを維持することが困難になる。
特開2020-84392号公報 特開2020-133013号公報 国際公開2011/147752号
本発明は、吐出使用性の良好な液体柔軟剤物品を提供することを目的とする。例えば、本発明の一態様では、吐出時の液の飛散性、洗濯機投入口への狙いやすさ、及び/又は長期保管時の吐出使用性の観点から優れた液体柔軟剤物品を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、柔軟主基材であるカチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、及び無機塩のバランスを調整することで、良好な吐出使用性を達成できることを見出した。
本発明は、例えば、下記〔1〕~〔5〕に関するものである。
〔1〕以下の(A)~(C)成分を含む液体柔軟剤組成物を、開口面積8~28mm2の吐出口を備えた容器に充填した液体柔軟剤物品。
(A)エステル基(-COO-)及び/又はアミド基(-NHCO-)で分断されている、炭素数10~26の炭化水素基を分子内に1~3個有するアミン化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物 5~30質量%
(B)ノニオン界面活性剤 1~10質量%、及び
(C)無機塩 0.01~2質量%
〔2〕(B)成分が、炭素数8~18の炭素鎖を有し、かつ平均付加モル数20~100モルのエチレンオキサイドが付加した構造を有するノニオン界面活性剤である、前記〔1〕に記載の液体柔軟剤物品。
〔3〕(A)成分に対する(C)成分の質量比C/Aが0.001~0.05である、前記〔1〕又は〔2〕に記載の液体柔軟剤物品。
〔4〕前記液体柔軟剤組成物が、下記式(D)で表される化合物
Figure 2022102289000001
(R1は、炭素数10~24の炭化水素基であり、R2は、炭素数10~24の炭化水素基又は炭素数1~3のアルキル基であり、R3は、炭素数1~3のアルキル基であり、Xは陰イオンである。)
を0.1~5質量%含む、前記〔1〕~〔3〕のいずれか1項に記載の液体柔軟剤物品。
〔5〕前記容器がポンプ式ディスペンサーである、前記〔1〕~〔4〕のいずれか1項に記載の液体柔軟剤物品。
本発明の一態様によれば、吐出時の液の飛散が少ない液体柔軟剤物品を提供することができる。
本発明の一態様によれば、洗濯機投入口への狙いやすさの点で良好な使用性を有する液体柔軟剤物品を提供することができる。
本発明の一態様によれば、長期保管時の吐出使用性が良好な液体柔軟剤物品を提供することができる。
本発明の一態様によれば、吐出時の液の飛散が少なく、洗濯機投入口への狙いやすさの点で良好な使用性を有する液体柔軟剤物品を提供することができる。
本発明の一態様によれば、吐出時の液の飛散が少なく、長期保管時の吐出使用性が良好な液体柔軟剤物品を提供することができる。
本発明の一態様によれば、洗濯機投入口への狙いやすさの点で良好な使用性を有し、長期保管時の吐出使用性が良好な液体柔軟剤物品を提供することができる。
本発明の一態様によれば、吐出時の液の飛散が少なく、洗濯機投入口への狙いやすさの点で良好な使用性を有し、長期保管時の吐出使用性が良好な液体柔軟剤物品を提供することができる。
[(A)成分]
本発明の液体柔軟剤物品において、液体柔軟剤組成物に配合される(A)成分は、繊維製品へ柔軟性(風合い)を付与する効果(すなわち、柔軟剤本来の機能)を液体柔軟剤組成物にもたらすために用いられる。
(A)成分は「エステル基(-COO-)及び/又はアミド基(-NHCO-)で分断されている、炭素数10~26の炭化水素基を分子内に1~3個有するアミン化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物」である、カチオン界面活性剤である。
炭素数10~26の炭化水素基(以下、本明細書において「長鎖炭化水素基」ということがある)の炭素数は、17~26が好ましく、18~24がより好ましい。炭素数が10以上であると柔軟性付与効果が良好であり、26以下であると液体柔軟剤組成物のハンドリング性が良好である。
長鎖炭化水素基は、飽和であっても不飽和であってもよい。長鎖炭化水素基が不飽和である場合、二重結合の位置はいずれの箇所にあっても構わないが、二重結合が1個の場合には、その二重結合の位置は長鎖炭化水素基の中央であるか、中央周辺に存在していることが好ましい。
長鎖炭化水素基は、鎖状の炭化水素基であっても、構造中に環を含む炭化水素基であってもよく、好ましくは鎖状の炭化水素基である。鎖状の炭化水素基は、直鎖状又は分岐鎖状のいずれであってもよい。鎖状の炭化水素基としては、アルキル基またはアルケニル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
長鎖炭化水素基は、分断基によって分断されている。分断は1ヶ所でもよく、2ヶ所以上であってもよい。好ましくは1ヶ所である。
分断基はエステル基(-COO-)又はアミド基(-NHCO-)である。長鎖炭化水素基が分断基を2つ以上有する場合、各分断基は、同じであっても異なっていてもよい。
なお、分断基が有する炭素原子は、長鎖炭化水素基の炭素数にカウントするものとする。
長鎖炭化水素基は、通常、工業的に使用される牛脂由来の未水添脂肪酸、不飽和部を水添もしくは部分水添して得られる脂肪酸、パーム椰子、油椰子などの植物由来の未水添脂肪酸もしくは脂肪酸エステル、あるいは不飽和部を水添もしくは部分水添して得られる脂肪酸又は脂肪酸エステル等を使用することにより導入される。
「エステル基(-COO-)又はアミド基(-NHCO-)で分断されている、炭素数10~26の炭化水素基を分子内に1~3個有するアミン化合物(以下、本明細書において「アミン化合物」ということがある)」における長鎖炭化水素基の数は1~3個である。好ましくは2個(2級アミン化合物)又は3個(3級アミン化合物)であり、より好ましくは3個である。
アミン化合物としては、下記一般式(A1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2022102289000002
(式中、R1~R3はそれぞれ独立に、-CH2CH(Y)OCOR4(Yは水素原子又はCH3であり、R4は炭素数7~21の炭化水素基である)、-(CH2nNHCOR5(nは2又は3であり、R5は炭素数7~21の炭化水素基である)、水素原子、炭素数1~4のアルキル基、-CH2CH(Y)OH(Yは水素原子又はCH3である)、又は、-(CH2nNH2(nは2又は3である)であり、
1~R3のうちの少なくとも1つは、-CH2CH(Y)OCOR4又は-(CH2nNHCOR5である。)
一般式(A1)における基「-CH2CH(Y)OCOR4」中、Yとしては水素原子が好ましい。
4としては、炭素数15~19の炭化水素基が好ましい。一般式(A1)で表される化合物中にR4が複数存在するとき、該複数のR4は互いに同一であってもよく、それぞれ異なっていても構わない。
4の炭化水素基は、炭素数8~22の脂肪酸(R4COOH)からカルボキシ基を除いた残基(脂肪酸残基)であり、R4のもととなる脂肪酸(R4COOH)は、飽和脂肪酸でも不飽和脂肪酸でもよく、また、直鎖脂肪酸でも分岐脂肪酸でもよい。なかでも、飽和又は不飽和の直鎖脂肪酸が好ましい。柔軟処理した衣類に良好な吸水性を付与するために、R4のもととなる脂肪酸の飽和/不飽和比率(質量比)は、90/10~0/100が好ましく、90/10~40/60がより好ましく、90/10~70/30が特に好ましい。
4が不飽和脂肪酸残基である場合、シス体とトランス体が存在するが、シス体/トランス体の質量比率は、40/60~100/0が好ましく、70/30~90/10が特に好ましい。
4のもととなる脂肪酸として具体的には、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、部分水添パーム油脂肪酸(ヨウ素価10~60)や、部分水添牛脂脂肪酸(ヨウ素価10~60)などが挙げられる。中でも、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、エライジン酸、およびリノール酸から選ばれる2種以上を所定量ずつ組み合わせて、以下の条件(a)~(c)を満たすように調整した脂肪酸組成物を用いることが好ましい。
(a)飽和脂肪酸/不飽和脂肪酸の比率(質量比)が90/10~0/100、より好ましくは90/10~40/60、特に好ましくは90/10~70/30である。
(b)シス体/トランス体の比率(質量比)が40/60~100/0、より好ましくは70/30~90/10である。
(c)炭素数18の脂肪酸が60質量%以上、好ましくは80質量%以上であり、炭素数20の脂肪酸が2質量%未満であり、炭素数21~22の脂肪酸が1質量%未満である。
一般式(A1)における、基「-(CH2nNHCOR5」中、nとしては3が好ましい。
5としては、炭素数15~19の炭化水素基が好ましい。一般式(A1)で表される化合物中にR5が複数存在するとき、該複数のR5は互いに同一であってもよく、それぞれ異なっていても構わない。
5としては、R4と同様のものが具体的に挙げられる。
一般式(A1)において、R1~R3のうち、少なくとも1つは-CH2CH(Y)OCOR4又は-(CH2nNHCOR5)である。R1~R3のうち2つが、-CH2CH(Y)OCOR4及び/又は-(CH2nNHCOR5)であることが好ましい。
1~R3のうち、1つ又は2つが-CH2CH(Y)OCOR4及び/又は-(CH2nNHCOR5)である場合、残りの2つ又は1つは、水素原子、炭素数1~4のアルキル基、-CH2CH(Y)OH(Yは水素原子又はCH3である)、又は、-(CH2nNH2(nは2又は3である)であり、炭素数1~4のアルキル基、-CH2CH(Y)OH、又は、-(CH2nNH2であることが好ましい。ここで、炭素数1~4のアルキル基としては、メチル基又はエチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。-CH2CH(Y)OHにおけるYは、-CH2CH(Y)OCOR4中のYと同様である。-(CH2nNH2におけるnは、-(CH2nNHCOR5中のnと同様である。
一般式(A1)で表される化合物の好ましい例として、下記一般式(A1-1)~(A1-7)で表される3級アミン化合物が挙げられる。
Figure 2022102289000003
((A1-1)~(A1-7)の各式中、R9はそれぞれ独立に、炭素数7~21の炭化水素基であり、(A1-6)~(A1-7)の各式中、R10はそれぞれ独立に、炭素数7~21の炭化水素基である。)
9及びR10における炭素数7~21の炭化水素基としては、前記一般式(A1)のR4における炭素数7~21の炭化水素基と同様のものが挙げられ、好ましくは、炭素数15~17のアルキル基及びアルケニル基である。なお、一般式中にR9が複数存在するとき、該複数のR9は互いに同一であってもよく、それぞれ異なっていても構わない。
本発明の(A)成分は、アミン化合物の塩であってもよい。塩としては、3級アミン化合物の塩が好ましい。
アミン化合物の塩は、該アミン化合物を酸で中和することにより得られる。アミン化合物の中和に用いる酸としては、有機酸でも無機酸でもよく、例えば塩酸、硫酸や、メチル硫酸等が挙げられる。アミン化合物の中和は、公知の方法により実施できる。
(A)成分は、アミン化合物の4級化物であってもよい。4級化物としては、3級アミン化合物の4級化物が好ましい。
アミン化合物の4級化物は、該アミン化合物に4級化剤を反応させて得られる。アミン化合物の4級化に用いる4級化剤としては、例えば、塩化メチル等のハロゲン化アルキルや、ジメチル硫酸等のジアルキル硫酸などが挙げられる。これらの4級化剤をアミン化合物と反応させると、アミン化合物の窒素原子に4級化剤のアルキル基が導入され、4級アンモニウムイオンとハロゲンイオン又はモノアルキル硫酸イオンとの塩が形成される。4級化剤により導入されるアルキル基は、炭素数1~4のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。アミン化合物の4級化は、公知の方法により実施できる。
一般式(A1)及び(A1-1)~(A1-7)で表される化合物、その塩及びその4級化物は、市販のものを用いてもよく、公知の方法により製造したものを用いてもよい。
例えば、一般式(A1-1)で表される化合物(以下「化合物(A1-1)」と言う)及び一般式(A1-2)で表される化合物(以下「化合物(A1-2)」と言う)は、一般式(A1)のR4の欄で説明した脂肪酸組成物、または該脂肪酸組成物における脂肪酸を該脂肪酸のメチルエステルに置き換えた脂肪酸メチルエステル組成物と、メチルジエタノールアミンとの縮合反応により合成することができる。その際、柔軟性付与を良好にする観点から、「化合物(A1-1)/化合物(A1-2)」で表される存在比率が、質量比で99/1~50/50となるように合成することが好ましい。
更に、その4級化物を用いる場合には、4級化剤としてジメチル硫酸を用いることがより好ましい。その際、柔軟性付与の観点から「化合物(A1-1)の4級化物/化合物(A1-2)の4級化物」で表される存在比率が、質量比で99/1~50/50となるように合成することが好ましい。
一般式(A1-3)で表される化合物(以下「化合物(A1-3)」と言う)、一般式(A1-4)で表される化合物(以下「化合物(A1-4)」と言う)及び一般式(A1-5)で表される化合物(以下「化合物(A1-5)」と言う)は、一般式(A1)のR4の欄で説明した脂肪酸組成物または脂肪酸メチルエステル組成物とトリエタノールアミンとの縮合反応により合成することができる。その際、化合物(A1-3)、(A1-4)及び(A1-5)の合計質量に対する個々の成分の含有比率は、柔軟性付与の観点から、化合物(A1-3)が1~60質量%、化合物(A1-4)が5~98質量%、化合物(A1-5)が0.1~40質量%であることが好ましく、化合物(A1-3)が30~60質量%、化合物(A1-4)が10~55質量%、化合物(A1-5)が5~35質量%であることがより好ましい。
また、その4級化物を用いる場合には、4級化反応を十分に進行させる点で、4級化剤としてジメチル硫酸を用いることがより好ましい。化合物(A1-3)、(A1-4)、(A1-5)の各4級化物の存在比率は、柔軟性付与の観点から質量比で、化合物(A1-3)の4級化物が1~60質量%、化合物(A1-4)の4級化物が5~98質量%、化合物(A1-5)の4級化物が0.1~40質量%であることが好ましく、化合物(A1-3)の4級化物が30~60質量%、化合物(A1-4)の4級化物が10~55質量%、化合物(A1-5)の4級化物が5~35質量%であることがより好ましい。
なお、化合物(A1-3)、(A1-4)、(A1-5)を4級化する場合、一般的に4級化反応後も4級化されていないエステルアミンが残留する。その際、「4級化物/4級化されていないエステルアミン」の比率は70/30~99/1の質量比率の範囲内であることが好ましい。
一般式(A1-6)で表される化合物(以下「化合物(A1-6)」と言う)及び一般式(A1-7)で表される化合物(以下「化合物(A1-7)と言う」)は、一般式(A1)のR4の欄で説明した脂肪酸組成物と、N-メチルエタノールアミンとアクリロニトリルの付加物より、J.Org.Chem.,26,3409(1960)に記載の公知の方法で合成したN-(2-ヒドロキシエチル)-N-メチル-1,3-プロピレンジアミンとの縮合反応により合成することができる。その際、「化合物(A1-6)/化合物(A1-7)」で表される存在比率が質量比で99/1~50/50となるように合成することが好ましい。
また、その4級化物を用いる場合には、4級化剤として塩化メチルを用いることが好ましく、「化合物(A1-6)の4級化物/化合物(A1-7)の4級化物」で表される存在比率が、質量比で99/1~50/50となるように合成することが好ましい。
(A)成分としては、
一般式(A1)で表される化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、
一般式(A1-1)~(A1-7)で表される化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましく、
一般式(A1-3)~(A1-5)で表される化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種がさらに好ましい。
(A)成分は、1種類のアミン化合物、その塩又はその4級化物を単独で用いてもよく、2種類以上からなる混合物、例えば、一般式(A1-3)~(A1-5)で表される化合物の混合物として用いてもよい。
(A)成分の配合量は、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、5~30質量%であり、好ましくは8~25質量%であり、より好ましくは10~23質量%である。(A)成分の配合量が5質量%以上であると、液体柔軟剤組成物が適度な粘度となり、開口面積が広い吐出口でも液が飛散しにくくなる。(A)成分の配合量が30質量%以下であると、液体柔軟剤組成物の長期保存時の粘度安定性が良好になる。(A)成分の配合量が多いほど、液体柔軟剤組成物の初期粘度もさることながら、経時増粘の抑制が更に難しくなる。そのため、より濃縮した系の方が経時での吐出性能の維持が重要な課題になる。
[(B)成分]
本発明の液体柔軟剤物品において、液体柔軟剤組成物に配合される(B)成分は、長期保存安定性の向上及び/又は吐出性向上のために用いられる。
(B)成分はノニオン界面活性剤であり、液体柔軟剤分野で公知の物質を特に制限なく使用できる。例えば、(B)成分として、アルコール又は脂肪酸のアルキレンオキサイド付加物を使用できる。
アルコール及び脂肪酸の各炭素鎖部分は直鎖でも分岐鎖よく、飽和でも不飽和でもよい。また、炭素鎖に分布があってもよい。炭素鎖の炭素数は、好ましくは6~20、より好ましくは8~18である。炭素鎖が直鎖である場合、その炭素数は好ましくは6~14、より好ましくは8~12、最も好ましくは10~12である。炭素鎖が分岐鎖である場合、その炭素数は好ましくは6~18、より好ましくは9~18、最も好ましくは13である。
(B)成分の原料としては、エクソンモービル社製エクサール、BASF社製LUTENSOL(ルテンゾール)シリーズ、協和発酵工業製オキソコールや、Shell社製DOBANOLシリーズなどを使用できる。
(B)成分がアルコールのアルキレンオキサイド付加物である場合、1級アルコール及び2級アルコールのいずれも使用できる。炭素数13のアルコールは、例えばドデセンを原料として製造されるが、その出発原料としてはブチレンでもプロピレンでもよい。
炭素鎖が不飽和基を含む場合、その炭素数は18であるものが特に好ましい。不飽和基の立体異性体構造は、シス体又はトランス体であっても、両者の混合物であってもよいが、特にシス体/トランス体の比率が25/75~100/0(質量比)であることが好ましい。
アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド(EO)が好ましいが、EOと共にプロピレンオキサイド(PO)又はブチレンオキサイド(BO)を付加したものであってもよい。EOの平均付加モル数としては10~100モルが好適であり、より好ましくは20~100モル、更に好ましくは20~80モル、特に好ましくは40~70モルである。また、EOとともに付加するPO又はBOの平均付加モル数としては1~5が好適であり、より好ましくは1~3モルである。この際、EOを付加した後、PO又はBOを付加しても、あるいはPO又はBOを付加した後、EOを付加してもよい。
(B)成分は、好ましくは、炭素数8~18の炭素鎖を有し、かつ平均付加モル数20~100モルのエチレンオキサイドが付加した構造を有するノニオン界面活性剤である。
(B)成分の具体例としては、ノニルアルコールにEOを平均9モル及びPOを平均1モル付加した物、一級イソノニルアルコールの平均EO40モル付加物、一級イソデシルアルコールの平均EO20モル付加物、ラウリルアルコールの平均EO10~100モル(好ましくは20~30モル)付加物、一級イソへキサデシルアルコールの平均EO60モル付加物、一級イソトリデシルアルコールの平均EO10~100モル(好ましくは60モル)付加物、トリデシルアルコールの平均EO50モル付加物や、ラウリン酸の平均EO20モル付加物等が挙げられる。市販品としては、日本エマルジョン製エマレックスシリーズ、三洋化成製エマルミンシリーズ、ライオン化学製TDAシリーズ、日本触媒製ソフタノールシリーズや、BASF社製LUTESOLシリーズ等を使用できる。
(B)成分は公知物質であり、市場で容易に入手可能である、又は、調製可能である。
(B)成分は単一種類を使用してもよく、複数種類を組み合わせて使用してもよい。
(B)成分の含量は、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、1~10質量%であり、好ましくは1.5~6質量%であり、より好ましくは2~4質量%である。(B)成分の配合量が1質量%以上であると、液体柔軟剤組成物の長期保存後の粘度安定性が良好であり、洗濯機投入口も狙いやすくなる。(B)成分の配合量が10質量%以下であると、液体柔軟剤組成物の長期保存時の分離安定性が良好になる。
[(C)成分]
本発明の液体柔軟剤物品において、液体柔軟剤組成物に配合される(C)成分は、長期保存安定性の向上及び/又は吐出性向上のために用いられる。
(C)成分は無機塩であり、液体柔軟剤分野で公知の物質を特に制限なく使用できる。(C)成分の具体例としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム等が挙げられる。これらの中でも、長期保存安定性の点から塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化カルシウム及び塩化マグネシウムが好ましく、塩化カルシウム及び塩化マグネシウムが特に好ましい。
(C)成分は、1種類の無機塩を単独で用いてもよく、2種類以上からなる混合物として用いてもよい。
(C)成分の配合量は、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、0.01~2質量%であり、好ましくは0.02~1質量%である。(C)成分の配合量が0.01質量%以上であると、液体柔軟剤組成物が適度な粘度となり、洗濯機投入口も狙いやすくなる。(C)成分の配合量が2質量%以下であると、液体柔軟剤組成物の長期保存後の粘度安定性が良好で、洗濯機投入口も狙いやすくなる。
なお、(C)成分以外の成分(例えば、脂肪酸塩類などの界面活性剤)の中には、ナトリウム塩やカリウム塩を含むものがあるが、前記ナトリウム塩やカリウム塩の混入は、上記の(C)成分の配合量を制限するものではない。
本発明の液体柔軟剤物品において、液体柔軟剤組成物における(A)成分に対する(C)成分の質量比C/Aは、特に限定されないが、好ましくは0.001~0.05、より好ましくは0.002~0.03、最も好ましくは0.01~0.025である。C/Aが0.001以上であると、液体柔軟剤組成物が適度な粘度となりやすく、洗濯機投入口も狙いやすくなり得る。C/Aが0.05以下であると、液体柔軟剤組成物の長期保存後の粘度安定性が良好なものとなりやすく、洗濯機投入口も狙いやすくなり得る。
[(D)成分]
本発明の液体柔軟剤物品において、液体柔軟剤組成物に配合され得る(D)成分は、下記式(D)で表される化合物(4級アンモニウム塩)であり、長期保存安定性の向上及び/又は吐出性向上のために用いられ得る。
Figure 2022102289000004
(R1は、炭素数10~24の炭化水素基であり、R2は炭素数10~24の炭化水素基または炭素数1~3のアルキル基であり、R3は炭素数1~3のアルキル基であり、Xは陰イオンである。)
1の炭化水素基の炭素数は10~24であり、好ましくは14~18、より好ましくは16~18である。R1の炭化水素基の炭素数が10~24であると、液体柔軟剤組成物の長期保存後の粘度安定性が良好なものとなりやすく、洗濯機投入口も狙いやすくなり得、特に、R1の炭化水素基の炭素数が16~18であるとこのような効果が高い。
1の炭化水素基は飽和でも不飽和でもよく、直鎖であっても分岐鎖であってもよい。
2は炭素数10~24の炭化水素基または炭素数1~3のアルキル基であり、R2の炭化水素基の炭素数は、好ましくは14~18、より好ましくは16~18であり、R2の炭化水素基は飽和でも不飽和でもよく、直鎖であっても分岐鎖であってもよい。
2の炭素数1~3のアルキル基は、非置換アルキル基及び置換アルキル基を含み、水素原子がヒドロキシ基等の置換基で置換されたアルキル基であってもよい。
3の炭素数1~3のアルキル基は、非置換アルキル基及び置換アルキル基を含み、水素原子がヒドロキシ基等の置換基で置換されたアルキル基であってもよい。
2及びR3における炭素数1~3のアルキル基の具体例としては、それぞれ独立に、メチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基が挙げられ、好ましくはメチル基である。
Xとしては、エチル硫酸、メチル硫酸、臭素や塩素等が挙げられ、塩素が好ましい。
(D)成分の具体例としては、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラデシルジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート、ジデシルメチルエチルアンモニウムエトサルフェート等が挙げられ、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライドが好ましい。
(D)成分は、市場において容易に入手可能であるか、又は、合成可能である。
(D)成分は、1種類の一般式(D)で表される化合物を単独で用いてもよく、2種類以上からなる混合物として用いてもよい。
(D)成分の配合量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは0.1~5質量%であり、より好ましくは0.5~3質量%、更に好ましくは1~2質量%である。(D)成分の配合量が0.1質量%以上であると、液体柔軟剤組成物の長期保存後の粘度安定性が良好なものとなりやすく、洗濯機投入口も狙いやすくなり得る。(D)成分の配合量が5質量%以下であると、液体柔軟剤組成物の長期保存後の粘度安定性が良好なものとなりやすく、洗濯機投入口も狙いやすくなり得る。
なお、(A)成分の配合量が多いほど、(D)成分を配合することにより得られる効果がより発揮される。
本発明の液体柔軟剤物品において、液体柔軟剤組成物における(A)成分に対する(D)成分の質量比D/Aは、特に限定されないが、好ましくは0~0.2であり、より好ましくは0.01~0.15であり、更に好ましくは0.05~0.1である。D/Aが0.2以下であると、液体柔軟剤組成物の長期保存後の粘度安定性が良好なものとなりやすく、洗濯機投入口も狙いやすくなり得る。
[(E)成分]
本発明の液体柔軟剤物品において、液体柔軟剤組成物に配合され得る(E)成分は、香料であり、繊維製品に香気を付与するために用いられ得る。
なお、(E)成分は、後述のマイクロカプセル(カプセル香料)に芯物質として含まれる香料とは別の、カプセルに内包されていない香料である。
(E)成分は、液体柔軟剤組成物に一般的に使用される香料成分を1種類以上含む香料組成物から、目的に応じて適宜選択することができるが、(E)成分としての香料組成物の全質量に対して、ClogP値が3以上の香料成分は90質量%未満が好ましい。
香料成分の具体例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルデヒド類、フェノール類、アルコール類、エーテル類、エステル類、ハイドロカーボン類、ケトン類、ラクトン類、ムスク類、テルペン骨格を有する香料、天然香料、動物性香料などが挙げられる。
各香料の具体例は以下の通りである。
アルデヒド類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウンデシレンアルデヒド、ラウリルアルデヒド、アルデヒドC-12MNA、ミラックアルデヒド、α-アミルシンナミックアルデヒド、シクラメンアルデヒド、シトラール、シトロネラール、エチルバニリン、ヘリオトロピン、アニスアルデヒド、α-ヘキシルシンナミックアルデヒド、オクタナール、リグストラール、リリアール、リラール、トリプラール、バニリンや、ヘリオナールなどが挙げられる。
フェノール類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オイゲノールや、イソオイゲノールなどが挙げられる。
アルコール類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シトロネロール、ジハイドロミルセノール、ジハイドロリナロール、ゲラニオール、リナロール、ネロール、サンダロール、サンタレックス、ターピネオール、テトラハイドロリナロール、メントール、ボルネオール、1-デカナール、バクダノールや、フェニルエチルアルコールなどが挙げられる。
エーテル類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、セドランバー、グリサルバ、メチルオイゲノールや、メチルイソオイゲノールなどが挙げられる。
エステル類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シス-3-ヘキセニルアセテート、シス-3-ヘキセニルプロピオネート、シス-3-ヘキセニルサリシレート、p-クレジルアセテート、p-t-ブチルシクロヘキシルアセテート、アミルアセテート、メチルジヒドロジャスモネート、アミルサリシレート、ベンジルサリシレート、ベンジルベンゾエート、ベンジルアセテート、セドリルアセテート、シトロネリルアセテート、デカハイドロ-β-ナフチルアセテート、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、エリカプロピオネート、エチルアセトアセテート、エリカアセテート、ゲラニルアセテート、ゲラニルフォーメート、ヘディオン、リナリルアセテート、β-フェニルエチルアセテート、ヘキシルサリシレート、スチラリルアセテート、ターピニルアセテート、ベチベリルアセテート、o-t-ブチルシクロヘキシルアセテート、マンザネートや、アリルヘプタノエートなどが挙げられる。
ハイドロカーボン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、リモネン(特に、d-リモネン)、α-ピネン、β-ピネン、ミルセン、カンフェンや、テルピノーレン等が挙げられる。
ケトン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、α-ヨノン、β-ヨノン、メチル-β-ナフチルケトン、α-ダマスコン、β-ダマスコン、δ-ダマスコン、ダマセノン、シス-ジャスモン、メチルヨノン、アリルヨノン、カシュメラン、ジハイドロジャスモン、イソイースーパー、ベルトフィックス、イソロンジフォラノン、コアボン、カルボン、ローズフェノン、ラズベリーケトン、ダイナスコンやマルトールなどが挙げられる。
ラクトン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、γ-デカラクトン、γ-ウンデカラクトン、γ-ノナラクトン、γ-ドデカラクトン、クマリンや、アンブロキサンなどが挙げられる。
ムスク類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シクロペンタデカノライド、エチレンブラシレート、ガラクソライド、ムスクケトン、トナリッド、トナライドや、ニトロムスク類などが挙げられる。
テルペン骨格を有する香料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ゲラニオール(ゼラニオール)、ネロール、リナロール、シトラール、シトロネロール、メントール、ミント、シトロネラール、ミルセン、α-ピネン、β-ピネン、リモネン、テレピネロール、カルボン、ヨノン(例えばβ-ヨノン)、カンフェンや、ボルネオールなどが挙げられる。
天然香料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オレンジ油、レモン油、ライム油、プチグレン油、ユズ油、ネロリ油、ベルガモット油、ラベンダー油、ラバンジン油、アビエス油、アニス油、ベイ油、ボアドローズ油、イランイラン油、シトロネラ油、ゼラニウム油、ペパーミント油、ハッカ油、スペアミント油、ユーカリ油、レモングラス油、パチュリ油、ジャスミン油、ローズ油、シダー油、ベチバー油、ガルバナム油、オークモス油、パイン油、樟脳油、白檀油、芳樟油、テレピン油、クローブ油、クローブリーフ油、カシア油、ナツメッグ油、カナンガ油や、タイム油などの精油が挙げられる。
動物性香料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、じゃ香、霊猫香、海狸香や、竜涎香などが挙げられる。
(E)成分は、当該(E)成分としての香料組成物の全質量に対して、ClogP値が3以上の香料成分は90質量%未満が好ましく、80%質量%未満がより好ましく、70質量%未満が更に好ましい。(E)成分中の、ClogP値が3以上の香料成分の配合量が90質量%未満であると、より良好な粘度安定性を得ることができる。
ClogP値が3以上の香料成分としては、特に種類は制限されないが、好ましい例として、カンファ―(3.0)、シネオール(3.1)、ウンデカラクトン(3.1)、ベンゾフェノン(3.2)、α―ターピネオール(3.3)、リナロール(3.4)、ゲラニオール(3.5)、シトラール(3.5)、デカラクトン(3.6)、ドデカラクトン(3.6)、ダマスコン(4.3)、ピオニール(4.3)、ベンジルサリシレート(4.3)、ジャバノール(4.3)、イオノン(4.4)、リリアール(4.4)、ヘキシルシンナミックアルデヒド(4.8)、リモネン(4.8)、アンブロキサン(4.8)、ベルトフィックス(アセチルセドレン)(5.0)、セドリルメチルエーテル(5.1)、ヘキシルサリシレート(5.1)、イソイ―スーパー(5.2)、ムスコン(6.0)、エキサルトリド(6.2)、ガラキソライド(6.3)、トナライド(6.4)等が挙げられる(カッコ内の数値は、ClogP値を表す)。
ClogP値とは、化学物質について、1-オクタノール中及び水中の平衡濃度の比を表す1-オクタノール/水分配係数Pを、底10に対する対数logPの形態で表した値である。ClogP値は、f値法(疎水性フラグメント定数法)により、化合物の化学構造をその構成要素に分解し、各フラグメントの有する疎水性フラグメント定数・f値を積算して求めることができる(例えば、Clog 3 Reference Manual DaylightSoftware 4.34,Albert Leo,David Weininger, Version 1,March 1994 参照)。
一般に、香料はClogP値が大きいほど疎水的であることから、ClogP値が小さい香料成分を多く含む香料組成物は、ClogP値が大きい香料成分を多く含む香料組成物よりも親水的な香料組成物であるといえる。
香料組成物には、液体柔軟剤組成物、例えば、繊維製品用仕上げ剤組成物又は柔軟剤組成物に一般的に使用される溶剤を配合してもよい。香料用溶剤としては、アセチン(トリアセチン)、MMBアセテート(3-メトキシ-3-メチルブチルアセテート)、スクロースジアセテートヘキサイソブチレート、エチレングリコールジブチレート、ヘキシレングリコール、ジブチルセバケート、デルチールエキストラ(イソプロピルミリステート)、メチルカルビトール(ジエチレングリコールモノメチルエーテル)、カルビトール(ジエチレングリコールモノエチルエーテル)、TEG(トリエチレングリコール)、安息香酸ベンジル(BB)、プロピレングリコール、フタル酸ジエチル、トリプロピレングリコール、アボリン(ジメチルフタレート)、デルチルプライム(イソプロピルパルミテート)、ジプロピレングリコール(DPG)、ファルネセン、ジオクチルアジペート、トリブチリン(グリセリルトリブタノエート)、ヒドロライト-5(1,2-ペンタンジオール)、プロピレングリコールジアセテート、セチルアセテート(ヘキサデシルアセテート)、エチルアビエテート、アバリン(メチルアビエテート)、シトロフレックスA-2(アセチルトリエチルシトレート)、シトロフレックスA-4(トリブチルアセチルシトレート)、シトロフレックスNo.2(トリエチルシトレート)、シトロフレックスNo.4(トリブチルシトレート)、ドゥラフィックス(メチルジヒドロアビエテート)、MITD(イソトリデシルミリステート)、ポリリモネン(リモネンポリマー)や、1,3-ブチレングリコール等が挙げられる。
溶剤の配合量は、香料組成物の総質量に対して、例えば0.1~30質量%、好ましくは1~20質量%である。
香料組成物には、液体柔軟剤組成物、例えば、繊維製品用仕上げ剤組成物又は柔軟剤組成物に一般的に使用される酸化防止剤を配合してもよい。香料用酸化防止剤としては、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシトルエン(BHT)、t-ブチル-p-ヒドロキシアニソール(BHA)、p-メトキシフェノール、β-ナフトール、フェニル-α-ナフチルアミン、テトラメチルジアミノジフェニルメタン、γ-オリザノール、ビタミンE(α-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロール)、2,2’-エチリデンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェノール)、トリス(テトラメチルヒドロキシピペリジノール)・1/3クエン酸塩、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、クェルセチンや、4,4’-ビス(α,α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等が挙げられる。好ましくは3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシトルエン(BHT)である。
酸化防止剤の配合量は、香料組成物の総質量に対して、例えば0.001~10質量%、好ましくは0.01~5質量%である。
(E)成分の配合量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、0.01~5質量%、好ましくは0.3~5質量%、より好ましくは0.8~3質量%である。(E)成分の配合量が0.01質量%以上であると、香気が強く、より良好な香り持続性効果を得ることができる。(E)成分の配合量が5質量%以下であると、粘度安定性がより良好になり得る。
[(F)成分]
本発明の液体柔軟剤物品において、液体柔軟剤組成物に配合され得る(F)成分は、粘度調整剤である。(F)成分としては、例えば、ポリエチレンイミン又はその誘導体、カチオン性(メタ)アクリル系ポリマー、デキストリン類等が挙げられる。
<ポリエチレンイミン又はその誘導体>
(F)成分であるポリエチレンイミン又はその誘導体の具体例としては、ポリエチレンイミンのアミド誘導体であるLupasol SK(BASF製)や、ポリエチレンイミンであるLupasolPS(BASF製)等が用いられ得る。配合量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは0.1~5%、より好ましくは1~3%である。
<カチオン性アクリル系ポリマー>
(F)成分であるカチオン性アクリル系ポリマーの具体例としては、Rheovis FRC(BASF製)、Rheovis CDE(BASF製)等が用いられ得る。配合量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは0.001~0.5%、より好ましくは0.01~0.1%である。
<デキストリン類>
(F)成分であるデキストリン類の具体例としては、シクロデキストリン、高度分岐環状デキストリン等が挙げられる。高度分岐環状デキストリンとしては、内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有する重合度が50~10000の範囲にあるグルカンであって、内分岐環状構造部分はα-1,4-グルコシド結合とα-1,6-グルコシド結合とで形成される環状のグルカン鎖であり、外分岐構造部分は内分岐環状構造部分に結合した非環状のグルカン鎖であるデキストリンが挙げられる。高度分岐環状デキストリンとしては、クラスターデキストリン(グリコ栄養食品株式会社製)等が挙げられる。配合量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは0.1~5%、より好ましくは0.5~2%である。
[任意成分]
本発明の液体柔軟剤物品において、液体柔軟剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、上記(A)~(F)成分以外にも、以下のような成分を含有してもよい。
<水>
本発明の液体柔軟剤物品において、液体柔軟剤組成物は、好ましくは水を含む水性組成物である。
水としては、水道水、イオン交換水、純水、蒸留水等、いずれも用いることができる。中でもイオン交換水が好適である。
水の配合量は特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上である。配合量が50質量%以上であると、ハンドリング性がより良好となる。
<水溶性溶剤>
水溶性溶剤は、液体柔軟剤組成物の安定性の更なる向上、特に凍結復元性の更なる向上のために配合することができる。
水溶性溶剤としては、炭素数1~4のアルコール、グリコールエーテル系溶剤、多価アルコールからなる群から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。具体的には、エタノール、イソプロパノール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、及び、下記一般式(X)で表わされる水溶性溶剤から選ばれる溶媒成分を配合することが好ましい。
4-O-(C24O)y-(C36O)Z-H ・・・(X)
(式中、R4は、炭素数1~6、好ましくは2~4のアルキル基又はアルケニル基であり、yおよびzはそれぞれ平均付加モル数であり、yは1~10、好ましくは2~5であり、zは0~5、好ましくは0~2である。)
上記に挙げた中でも、エタノール、エチレングリコール、ブチルカルビトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルや、ジエチレングリコールモノブチルエーテルが好ましい。
水溶性溶剤の配合量は特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは0~30質量%、より好ましくは0.01~25質量%、さらに好ましくは0.1~20質量%である。
<シリコーン化合物>
シリコーン化合物は、香り持続性の更なる向上を主目的として配合することができる。
シリコーン化合物は、液体柔軟剤組成物分野において公知の成分を特に制限なく用いることができる。
シリコーン化合物の分子構造は、直鎖状であってもよいし、分岐状であってもよいし、また、架橋していてもよい。また、シリコーン化合物は変性シリコーン化合物であってもよい。変性シリコーン化合物は、1種以上の有機官能基により変性されたものであってもよい。
シリコーン化合物は、オイルの状態で使用することができ、また任意の乳化剤によって分散された乳化物の状態でも使用することができる。
シリコーン化合物の具体例としては、例えば、ジメチルシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、メチルフェニルシリコーン、アルキル変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、メチルハイドロジェンシリコーン、フッ素変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、カルビノール変性シリコーンや、アミノ変性シリコーンなどが挙げられる。
これらの中でも、汎用性や香り持続性の向上の観点からは、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーンや、ジメチルシリコーンが好ましい。香り持続性の更なる向上効果や製造時の取り扱いの観点からは、ポリエーテル変性シリコーンやアミノ変性シリコーンが好ましい。
ジメチルシリコーンについて、その動粘度に特に制限はないが、1~100,000,000mm2/sが好ましく、10~10,000,000mm2/sがより好ましく、100~1,000,000mm2/sが更に好ましい。また、ジメチルシリコーンは、オイルであっても、エマルジョンであってもよい。
ポリエーテル変性シリコーンの具体例としては、例えば、アルキルシロキサンとポリオキシアルキレンとの共重合体などが挙げられる。アルキルシロキサンのアルキル基の炭素数としては、1~3が好ましい。ポリオキシアルキレンのアルキレン基の炭素数としては、2~5が好ましい。
好ましいポリエーテル変性シリコーンとしては、ジメチルシロキサンとポリオキシアルキレン(ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレンや、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのランダム又はブロック共重合体等)との共重合体が挙げられる。具体例としては、例えば、下記一般式(I)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2022102289000005
(式中、M、N、a及びbは、それぞれ独立して平均重合度であり、Rは水素又はアルキル基である。)
一般式(I)中、Mは10~10,000、好ましくは100~300である。
Nは、1~1,000、好ましくは1~100である。更に、M>Nであることが好ましい。
aは、2~100であり、好ましくは2~50である。
bは、0~50であり、好ましくは0~10である。
Rは、水素又は炭素数1~4のアルキル基であることが好ましい。
一般式(I)で表されるポリエーテル変性シリコーンは、一般に、Si-H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、例えば、ポリオキシアルキレンアリルエーテル等の炭素-炭素二重結合を末端に有するポリオキシアルキレンアルキルエーテルとを、白金触媒下、付加反応させることにより製造することができる。この場合、生成物中に未反応のポリオキシアルキレンアルキルエーテルやSi-H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンがわずかに含まれる場合がある。Si-H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンは反応性が高いため、前記ポリエーテル変性シリコーン中での存在量としては、30ppm以下(Si-Hの量として)であることが好ましい。
好ましいポリエーテル変性シリコーンとして、下記一般式(II)で表される線状ポリシロキサン-ポリオキシアルキレンブロック共重合体も挙げられる。
Figure 2022102289000006
(式中、A、B、h及びiは、それぞれ独立して平均重合度であり、Rはアルキル基であり、R’は水素又はアルキル基である。)
一般式(II)中、Aは5~10,000であり、
Bは、2~10,000であり、
hは、2~100であり、
iは、0~50である。
Rは、炭素数1~5のアルキル基であることが好ましい。
R’は、水素又は炭素数1~4のアルキル基であることが好ましい。
一般式(II)で表される線状ポリシロキサン-ポリオキシアルキレンブロック共重合体は、反応性末端基を有するポリオキシアルキレン化合物と、該化合物の反応性末端基と反応する末端基を有するジヒドロカルビルシロキサンとを反応させることにより製造することができる。このようなポリエーテル変性シリコーンは、側鎖のポリオキシアルキレン鎖が長く、ポリシロキサン鎖の重合度が大きいものほど粘度が高くなるので、製造時の作業性改善及び水性組成物への配合を容易にするために、水溶性有機溶剤とのプレミックスの形で配合に供することが好ましい。水溶性有機溶剤としては、例えば、エタノール、ジプロピレングリコール、ブチルカルビトール等が挙げられる。
ポリエーテル変性シリコーンとしては、より具体的には、例えば、東レ・ダウコーニング(株)製のSH3772M、SH3775M、FZ-2166、FZ-2120、L-720、SH8700、L-7002、L-7001、SF8410、FZ-2164、FZ-2203や、FZ-2208、信越化学工業(株)製のKF352A、KF615A、X-22-6191、X-22-4515、KF-6012や、KF-6004等、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製のTSF4440、TSF4441、TSF4445、TSF4450、TSF4446、TSF4452や、TSF4460等が挙げられる。
アミノ変性シリコーンは、ジメチルシリコーン骨格の末端あるいは側鎖にアミノ基を導入したものである。アミノ基以外に、水酸基、アルキル基やフェニル基等の置換基が導入されていてもよい。
アミノ変性シリコーンは、オイルの形態でも良く、ノニオン界面活性剤やカチオン界面活性剤を乳化剤として用いて乳化させたアミノ変性シリコーンエマルジョンの形態でも良い。
好ましいアミノ変性シリコーンのオイル、又はエマルジョンにおける基油オイルは、次の一般式(III)で表される化合物である。
Figure 2022102289000007
(式中、R1及びR6は互いに同一でも、異なっていてもよい、メチル基、水酸基又は水素であり、
2は、-(CH2n-A1、又は、-(CH2n-NHCO-(CH2m-A1(各式中、A1は、-N(R3)(R4)、-N+(R3)(R4)(R5)・X-(各式中、R3、R4及びR5は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、炭素数1~12のアルキル基、フェニル基又は-(CH2n-NH2(式中、nは0~12である)であり、X-は、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、硫酸メチルイオン又は硫酸エチルイオンである)であり、m及びnの値は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、0~12の整数である)であり、
p及びqはそれぞれポリシロキサンの重合度を表し、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、pは0~20000、好ましくは10~10000であり、qは1~500、好ましくは1~100である。)
アミノ変性シリコーンのオイルは、25℃における動粘度が50~20000mm2/sであることが好ましく、100~10000mm2/sであることがより好ましい。動粘度がこの範囲にあると、高い香り持続性効果が発現されるとともに、製造性が良好となり、成物の取り扱いも容易になる。
アミノ変性シリコーンとしては商業的に入手できるものを使用することができる。
アミノ変性シリコーンオイルとしては、例えば、東レ・ダウコーニング株式会社からSF-8417、BY16-892や、BY16-890で販売されているもの、信越化学工業株式会社からKF-864、KF-860、KF-8004、KF-8002、KF-8005、KF-867、KF-861、KF-880や、KF-867Sで販売されているもの等が挙げられる。
アミノ変性シリコーンエマルジョンタイプとしては、例えば、東レ・ダウコーニング株式会社からSM8904、BY22-079、FZ-4671や、FZ-4672で販売されているもの、信越化学工業株式会社からPolonシリーズで販売されているPolonMF-14、PolonMF-29、PolonMF-14D、PolonMF-44、PolonMF-14ECや、PolonMF-52と、旭化成ワッカーシリコーン(株)からWACKER FC201で販売されているもの等があげられる。
シリコーン化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上からなる混合物として用いてもよい。
シリコーン化合物の配合量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、0.01~10質量%、好ましくは0.05~8質量%、より好ましくは0.1~5質量%である。
<防腐剤>
防腐剤は、主に、液体柔軟剤組成物の防腐力や殺菌力を強化し、長期保存中の防腐性を保つために配合することができる。
防腐剤としては、液体柔軟剤組成物分野において公知の成分を特に制限なく用いることができる。具体例としては、例えば、イソチアゾロン系の有機硫黄化合物、ベンズイソチアゾロン系の有機硫黄化合物、安息香酸類、2-ブロモ-2-ニトロ-1,3-プロパンジオール等が挙げられる。
イソチアゾロン系の有機硫黄化合物としては、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、2-n-ブチル-3-イソチアゾロン、2-ベンジル-3-イソチアゾロン、2-フェニル-3-イソチアゾロン、2-メチル-4,5-ジクロロイソチアゾロン、5-クロロ-2-メチル-3-イソチアゾロン、2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンや、これらの混合物などが挙げられる。なかでも、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンが好ましく、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンと2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンとの混合物がより好ましく、前者が約77質量%と後者が約23質量%との混合物やその希釈液(例えば、イソチアゾロン液)が特に好ましい。
ベンズイソチアゾロン系の有機硫黄化合物としては、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン、2-メチル-4,5-トリメチレン-4-イソチアゾリン-3-オン、類縁化合物としてジチオ-2,2-ビス(ベンズメチルアミド)や、これらの混合物などが挙げられる。中でも、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オンが特に好ましい。
安息香酸類としては、安息香酸又はその塩、パラヒドロキシ安息香酸又はその塩、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルや、パラオキシ安息香酸ベンジル等が挙げられる。
防腐剤の配合量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは0.0001~1質量%である。0.0001質量%以上であると、防腐剤の配合効果が十分に得られ、1質量%以下であると、液体柔軟剤組成物の高い保存安定性を十分に維持することができる。
<抗菌剤>
抗菌剤は、液体柔軟剤組成物の保存性を高めるために配合することができる。
抗菌剤としては、液体柔軟剤組成物分野において公知の成分を特に制限なく用いることができる。具体例としては、例えば、ダイクロサン、トリクロサン、塩化ベンザルコニウム、ビス-(2-ピリジルチオ-1-オキシド)亜鉛、8-オキシキノリン、ビグアニド系化合物(例えば、ポリヘキサメチレンビグアニド)、塩酸クロロヘキシジンや、ポリリジン等が挙げられる。これらの中でも、塩化ベンザルコニウム、ビグアニド系化合物や、塩酸クロロヘキシジンが好ましい。
抗菌剤の配合量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは0.001~5質量%である。
<マイクロカプセル>
マイクロカプセルは機能性カプセルであり、液体柔軟剤組成物に様々な機能を付与する目的で使用することができる。
機能性カプセルとは、芯物質と壁物質を含み、芯物質としては、香料、精油、増白剤、虫除け剤、シリコーン、ワックス、香味料、ビタミン、スキンケア剤、酵素、プロバイオティクス、染料、顔料、香料前駆体、冷感剤、温感剤、フェロモン等の誘引剤、抗菌剤、漂白剤、甘味料、薬剤、肥料、除草剤等を含み、壁物質が高分子物質から構成されるマイクロカプセルである。
マイクロカプセルは、1種単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせてもよい。
芯物質として香料を含むカプセル香料の具体例としては、フィルメニッヒ社製のBLUEFLOWERPOP「FFMHN2814」、ジボダン社製のGREEN BREEZE CAPS、ORCHARD GARDEN CAPS、RAINBOW CAPS、VELVET CAPS、AURORACAPS、およびCOSMICCAPS;IFF社製のUNICAP101、およびUNICAP503等が挙げられる。
[液体柔軟剤組成物の粘度]
本発明の液体柔軟剤物品において、液体柔軟剤組成物の粘度は特に限定されないが、25℃において、B型粘度計の6rpm粘度は、50~10000mPa・sが好ましく、100~5000mPa・sがより好ましく、200~1000mPa・sが更に好ましい。この粘度が50mPa・s以上であると、液体柔軟剤組成物が吐出口から出た後の飛散の抑制がより良好になり、10000mPa・s以下であると、洗濯機投入口の狙いやすさがより良好になる。
また、単純な粘度だけでなく、構造粘性の指標も重要な因子となる。以下のようにB型粘度計の25℃における6rpm粘度と60rpm粘度の比率で算出されるチキソトロピー性の指標「TI値」としては、1.0~7.0が好ましく、1.5~5.0がより好ましく、2.0~3.5が更に好ましい。
TI値=(6rpm粘度値)/(60rpm粘度値)
TI値が1.0以上であると、液体柔軟剤組成物が吐出口から出た後の飛散の抑制がより良好になり、7.0以下であると、洗濯機投入口の狙いやすさがより良好になる。
[液体柔軟剤組成物のpH]
本発明の液体柔軟剤物品において、液体柔軟剤組成物のpHは特に限定されないが、保存経日に伴う(A)成分の加水分解を抑制する等の観点から、25℃におけるpHが1~6の範囲内であることが好ましく、2~4の範囲内であることがより好ましく、2~3の範囲内であることがさらに好ましい。
pH調整には、塩酸、硫酸、リン酸、アルキル硫酸、安息香酸、パラトルエンスルホン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、グリコール酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸、ジメチルアミン等の短鎖アミン化合物、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩や、アルカリ金属珪酸塩などのpH調整剤を用いることができる。
[液体柔軟剤組成物が充填される容器]
本発明の液体柔軟剤物品において、液体柔軟剤組成物が充填される容器は、開口面積8~28mm2の吐出口を備えた容器である。吐出口の開口面積とは、例えば、容器に充填された内容物が、容器から外部に吐出される際に最後に通過する吐出口の開口面積であってよい。
容器の形状や大きさは特に限定されず、例えば、特表2012-505951号公報に記載のポンプ容器において、吐出口の開口面積が8~28mm2であるものを用いることもできる。容器としては、例えばポンプ容器、プッシュプル容器、スクイズ容器等が挙げられ、好ましくは、容器はポンプ式ディスペンサー容器である。
また、開口面積8~28mm2の吐出口を備えた容器とは、前記開口面積の吐出口を有する吐出器が装着された容器であってもよい。吐出器としては、例えば特開2009-120234号公報記載の吐出器を使用することができる。
濃縮柔軟剤の適用においては、粘度が高めになる分、開口面積はある程度大きい方が吐出しやすく、洗濯機投入口を狙いやすい。本発明の液体柔軟剤物品においては、吐出口の開口面積は、好ましくは12~28mm2であり、より好ましくは16~24mm2である。
[液体柔軟剤物品の調製方法]
本発明の液体柔軟剤物品において、液体柔軟剤組成物の調製方法は特に限定されない。液体柔軟剤組成物の公知の調製方法、例えば、主剤として陽イオン界面活性剤を用いる従来の柔軟剤組成物の調製方法と同様の方法により製造することができる。
例えば、(A)成分、(B)成分、任意に(D)成分や(E)成分を含む油相と、水を含む水相とを、(A)成分の融点以上の温度条件下で混合して乳化物を調製し、その後、(C)成分や、任意に(F)成分を得られた乳化物に添加して、混合することにより製造することができる。
油相は、(A)成分の融点以上の温度で、(A)成分と、(B)成分と、任意に(D)成分や(E)成分と、必要に応じて他の任意成分とを混合することにより調製することができる。
水相は、水と、必要に応じて他の任意成分とを混合することにより調製することができる。
本発明の液体柔軟剤物品は、液体柔軟剤組成物を容器に充填することで製造することができる。液体柔軟剤組成物の容器への充填方法は特に限定されるものでない。
[液体柔軟剤物品の使用方法]
本発明の液体柔軟剤物品において、液体柔軟剤組成物の使用方法に特に制限はなく、一般の柔軟剤組成物と同様の方法で使用することができる。例えば、洗濯のすすぎの段階ですすぎ水へ液体柔軟剤組成物を溶解させて被洗物を柔軟処理する方法や、液体柔軟剤組成物をたらいのような容器中の水に溶解させ、更に被洗物を入れて浸漬処理する方法がある。
液体柔軟剤組成物により処理され得る繊維製品は、特に制限されるものではなく、例えば、衣類、カーテン、ソファー、カーペット、タオル、ハンカチ、シーツ、マクラカバー等が挙げられる。その素材も、綿や絹、ウール等の天然繊維でもよいし、ポリエステル等の化学繊維でもよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、実施例において成分配合量はすべて質量%(指定のある場合を除き、純分換算)を示す。
[(A)成分]
以下のA-1及びA-2を使用した。
A-1:特開2003-12471号公報の実施例4に記載のカチオン界面活性剤。
A-1は、一般式(A1-3)、(A1-4)及び(A1-5)で表される化合物(各式中、R9は炭素数15~17のアルキル基及びアルケニル基である)をジメチル硫酸で4級化したものを含む組成物である。
A-2:カチオン界面活性剤(ステパン(Stepan)社製、商品名:Stepantex SE-88)
[(B)成分]
以下のB-1及びB-2を使用した。
B-1:ポリオキシエチレンイソトリデシルエーテルEO60モル(BASF社製ルテンゾールTO3にエチレンオキサイドを付加させたもの(EO60モルは、エチレンオキサイドの平均付加モル数が60であることを示す))
B-2:ポリオキシエチレンラウリルエーテルEO30モル(日本エマルジョン社製、商品名:EMALEX730(ラウリルアルコールの平均30モル付加物))
[(C)成分]
以下のC-1を使用した。
C-1:塩化カルシウム((株)トクヤマ製、商品名:粒状塩化カルシウム)
[(D)成分]
以下のD-1及びD-2を使用した。
D-1:ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド(東京化成工業製)。
D-1は、一般式(D)において、R1が炭素数16の飽和炭化水素基であり、R2がメチル基であり、R3がメチル基であり、Xが塩素である化合物である。
D-2:オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド(東京化成工業製)。
D-2は、一般式(D)において、R1が炭素数18の飽和炭化水素基であり、R2がメチル基であり、R3がメチル基であり、Xが塩素である化合物である。
[(E)成分]
下記表1に示す組成を有する香料組成物E-1及びE-2を使用した。
Figure 2022102289000008
[(F)成分]
以下のF-1及びF-2を使用した。
F-1:高度分岐環状デキストリン(グリコ栄養食品株式会社製、商品名:クラスターデキストリン)
F-2:カチオン性アクリル系ポリマー(BASF製、商品名:Rheovis FRC)
[他の任意成分]
下記表2で示される成分を使用した。
Figure 2022102289000009
[液体柔軟剤組成物の調製方法]
内径100mm、高さ150mmのガラス容器と、攪拌機(アジターSJ型、島津製作所製)を用い、各成分の配合量を、下記表3に記載の通り調整して、次の手順により液体柔軟剤組成物を調製した。まず(A)成分、(B)成分、(D)成分、(E)成分を混合攪拌して、油相混合物を得た。一方、バランス用イオン交換水中にBIT、エタノールを溶解し、水相混合物を得た(エタノールはA成分からの持込み分と合算)。バランス用イオン交換水(BIT、エタノールを含む)の質量は、980gから油相混合物の合計量を差し引いた残部に相当する。
次に、(A)成分の融点以上に加温した油相混合物をガラス容器に収納して攪拌しながら、(A)成分の融点以上に加温した水相混合物を2度に分割して添加し、攪拌した。ここで、水相混合物の分割比率は30:70(質量比)とし、攪拌は回転速度1,000rpmで、1回目の水相混合物添加後に3分間、2回目の水相混合物添加後に2分間行った。その後、(C)成分、(F)成分、カプセル香料を添加し攪拌した。また必要に応じて、塩酸(試薬1mol/L、関東化学)、または水酸化ナトリウム(試薬1mol/L、関東化学)を適量添加してpHを調整し、更に全体質量が1,000gになるようにイオン交換水を添加して、目的の液体柔軟剤組成物(実施例1~18及び比較例1~5)を得た。
[液体柔軟剤物品の吐出使用性評価]
<初期吐出性(洗濯機投入口への狙いやすさ)>
上記のとおり調製した液体柔軟剤組成物を、花王株式会社製ビオレU爽快COOLボディウォッシュ(開口面積:約20mm2)に充填し、5回ほど空打ちして吐出先まで液を充填した後、再度ポンプを押し、吐出時の液の飛散のなさ等を考慮して洗濯機投入口への狙いやすさを以下の基準に基づき、目視で官能評価を行った。△以上を合格とした。結果を下記表3における「初期吐出性(洗濯機投入口への狙いやすさ)」の項で示した。
◎:洗濯機投入口を問題なく狙える
〇:液の飛散のなさ、又は吐出距離の低下が僅かに生じるが、洗濯機投入口を問題なく狙える
△:液の飛散のなさ、又は吐出距離の低下が生じるが、洗濯機投入口を狙える
×:液の飛散のなさ、又は吐出距離の低下のため、洗濯機投入口から1cm以内に接近しないと狙えない
<経時吐出性(洗濯機投入口への狙いやすさ)>
上記のとおり調製した液体柔軟剤組成物を30℃で10カ月間保存した後、花王株式会社製ビオレU爽快COOLボディウォッシュ(開口面積:約20mm2)に充填し、5回ほど空打ちして吐出先まで液を充填した後、再度ポンプを押し、吐出時の液の飛散のなさ等を考慮して洗濯機投入口への狙いやすさを以下の基準に基づき、目視で官能評価を行った。△以上を合格とした。結果を下記表3における「経時吐出性(洗濯機投入口への狙いやすさ)」の項で示した。
◎:洗濯機投入口を問題なく狙える
〇:液の飛散のなさ、又は吐出距離の低下が僅かに生じるが、洗濯機投入口を問題なく狙える
△:液の飛散のなさ、又は吐出距離の低下が生じるが、洗濯機投入口を狙える
×:液の飛散のなさ、又は吐出距離の低下のため、洗濯機投入口から1cm以内に接近しないと狙えない
Figure 2022102289000010

Claims (5)

  1. 以下の(A)~(C)成分を含む液体柔軟剤組成物を、開口面積8~28mm2の吐出口を備えた容器に充填した液体柔軟剤物品。
    (A)エステル基(-COO-)及び/又はアミド基(-NHCO-)で分断されている、炭素数10~26の炭化水素基を分子内に1~3個有するアミン化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物 5~30質量%
    (B)ノニオン界面活性剤 1~10質量%、及び
    (C)無機塩 0.01~2質量%
  2. (B)成分が、炭素数8~18の炭素鎖を有し、かつ平均付加モル数20~100モルのエチレンオキサイドが付加した構造を有するノニオン界面活性剤である、請求項1に記載の液体柔軟剤物品。
  3. (A)成分に対する(C)成分の質量比C/Aが0.001~0.05である、請求項1又は2に記載の液体柔軟剤物品。
  4. 前記液体柔軟剤組成物が、下記式(D)で表される化合物
    Figure 2022102289000011
    (R1は、炭素数10~24の炭化水素基であり、R2は、炭素数10~24の炭化水素基又は炭素数1~3のアルキル基であり、R3は、炭素数1~3のアルキル基であり、Xは陰イオンである。)
    を0.1~5質量%含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の液体柔軟剤物品。
  5. 前記容器がポンプ式ディスペンサーである、請求項1~4のいずれか1項に記載の液体柔軟剤物品。
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