JP2022100465A - 歯ブラシ - Google Patents
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Abstract
Description
なお、以下の実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせている。
図2は、歯ブラシ1の構成を示す側面図である。なお、図1においては、ブラシ40の図示を省略している。
図1に示すように、本実施形態の歯ブラシ1は、ハンドル体2を正面視したときに、幅方向の中心に位置し長軸方向に延びる中心線に対してハンドル体2の幅方向両側の外形輪郭線が線対称に形成されている。そのため、以下の説明では、幅方向の一方側(図1中、下側)の外形輪郭線について説明し、他方側(図1中、上側)の外形輪郭線についての説明を省略する。また、円弧状に延びる曲線領域の曲率中心の位置については、外形輪郭線に対して幅方向の中心側の場合を内側とし、幅方向の中心と逆側の場合を外側と称する。
図2に示すように、本実施形態の歯ブラシ1は、ハンドル体2を側面視したときに、ハンドル体2の正面側の外形輪郭線において、ヘッド部3の後端側から把持部5側に向けて、ヘッド部3の植毛面3aから連続して後端側に直線状に延びる第5直線領域L5と、正面側に曲率中心を有し第5直線領域L5の後端から、凸形状の頂点51が設けられネック部4と把持部5との境界である第4位置P4まで後端側に円弧状に延びる第4曲線領域E4と、正面側に曲率中心を有し第4位置P4の頂点51から後端側に円弧状に延びる第5曲線領域E5と、第5曲線領域E5の後端から後端側に直線状に延びる第6直線領域L6とを有している。
本実施形態の歯ブラシ1は、ハンドル体2を側面視したときに、ハンドル体2の背面側の外形輪郭線において、ヘッド部3の先端から後端側に直線状に延びる第7直線領域L7と、正面側に曲率中心を有し第7直線領域L7の後端から後端側に円弧状に延びる第6曲線領域E6と、第6曲線領域E6の後端から後端側に直線状に延びる第8直線領域L8とを有している。
なお、上述した歯ブラシ1における外形輪郭線形状の直線および曲線は一態様であり、例えば、第2直線領域L2および第3直線領域L3等が曲線である構成や曲線と直線とを組み合わせた構成であってもよく、外形輪郭線形状としては上記の記載に限定されない。
ヘッド部3は、複数の毛束により口腔内を刷掃する部分であり、図1に示すように、正面視で円弧形状を有する略矩形状を為すと共に、角部が丸みを帯びた形状を有している。本実施形態において、ヘッド部3とネック部4との境界は、ヘッド部3の正面視形状における、ネック部4側の隅切を形成する曲線の終点、すなわち、隅切を形成する曲線の曲がり方向が変化する第2位置P2である。
植毛穴6の全容積と植毛領域の樹脂体積との比を1:2.5以上とすることにより、
植毛穴6に対して植毛領域の樹脂量が大きくなり、ヘッド部3が剛直となるため、ワイドヘッド型、且つ、薄型ヘッド型ながらもヘッド部3の反りや使用時のたわみの発生を抑えることができる。
ネック部4は、把持部5とヘッド部3との間に配置され把持部5とヘッド部3とを連結する部分である。ネック部4と把持部5との境界は、側面視における第4曲線領域E4と第5曲線領域E5とが交わる第4位置P4である。すなわち、外側に曲率中心を有する第4曲線領域E4と第5曲線領域E5へ繋がり凸形状の頂点51が形成される位置である。
凸形状の頂点が無い場合、もしくは視認できない場合のネック部4と把持部5との境界は、側面視における厚さ方向において、曲率中心が切り替わる位置とし、この位置を特定できない場合は、例えば、硬質樹脂からエラストマー等の軟質樹脂など、異なる樹脂に切り替わる位置とし、この位置を特定できない場合は、ヘッド部3の先端から後端側に75mmの位置とする。
第1位置P1から第2位置P2までの長さを9.0mm以下とすることにより、ヘッド部3の後端側の幅が急峻に収束することになり、ネック部4が最細部となるまでの長さを小さくでき操作性を高めることができる。
把持部5は、使用者が把持する部分であり、長尺柱状に形成されている。
把持部5は、図1に示す側面視において、ネック部4との境界の第4位置P4から後端側に向けて幅方向の長さが一定である。
また、凸状の頂点51を設けることで、把持部5の正面側の肉厚を多く確保でき、厚さ方向に過度に撓まず、且つ、適度な柔軟性を把持部5側に伝えることでネック部4から把持部5への撓みの伝播を抑止することができる。
ヘッド部3の先端から指当て部50の先端側端部までの長軸方向の長さを77mm以上、90mm以下とすることにより、指当て部50の先端側端部よりも先端側が十分に長くなり、奥歯の奥まで届きやすくなる。
ネック部4の最細部から指当て部50の先端側端部までの長軸方向の長さを52mm以上、70mm以下とすることにより、ネック部4が十分に長くなり、奥歯の奥まで届きやすくなる。
これにより、ネック部4から指当て部50までの厚さが一つの向きに増加するため、ロング型のネック部4であっても撓りにくくしっかりした磨き心地が得られる。また、ネック部4と把持部5の厚さ方向位置の差が小さいため、口腔内の狙った位置を磨きやすくなる。また、第3直線領域L3の後端側端部の位置は、後述する第3位置P3から長軸方向で±15mm以内にあることが好ましい。
把持部5の厚さと幅が一定の領域が80mm未満の場合には、手のひら全体で握ることができず安定しない。把持部5の厚さと幅が一定の領域が120mmを超えた場合には、握る箇所が定まらず、後端側で把持した場合に重心が安定しない。把持部5の厚さおよび幅を上記の範囲で、且つ、硬質樹脂のみで形成することにより、撓みにくく、且つ、しっかりと握ることができ、しっかりとした磨き心地を得ることができる。
把持部5およびハンドル体2を上記の範囲の長さとすることにより、しっかりと握ることができ、しっかりした磨き心地が得られるとともに、全長が十分に確保されていることで、握りやすさと口腔内の届きやすさを確保できる。
図1に示すように、ネック部4において、第2位置P2から、ネック部4の長軸方向の長さに対して65%となる第3位置P3までの領域をCとし、第3位置P3から、ネック部4の長軸方向の長さに対して35%となる、ネック部4と把持部5との境界の第4位置P4までの領域をDとすると、(領域Dの体積)/(領域Cの体積)≧1.0の関係を満足することが好ましく、(領域Dの体積)/(領域Cの体積)≧1.5の関係を満足することがより好ましい。
第3位置P3における幅方向の長さを6.7mm以下とすることにより、ネック部4がヘッド部3との境界の第2位置P2から第3位置P3まで細い領域が続くことになり、操作性を確保できる。
(領域Cの幅方向の最大長さ)/(領域Cの厚さ方向の最大長さ)で表される値を、領域Cの長軸方向の全体に亘り、1.0以上、1.8以下とすることにより、ワイドヘッド型の歯ブラシ1におけるネック部4として幅広とすることで捻れにくくなる。
幅方向の長さが1mm大きくなる位置が、ネック部4の長軸方向の長さの40%となる位置よりも指当て部50側に存在することにより、幅方向の長さが小さく細い領域が長く存在するため操作性を高めることができる。
第4位置P4において、幅方向の最大長さが厚さ方向の最大長さよりも大きいことで、幅方向に扁平する形状とすることができる。
領域Dの体積を1000mm3以上とすることにより、ネック部4の根本の体積が十分に大きくなり、撓りと捩れを抑制することができる。
領域Dの後端側端部である第4位置P4における幅方向の最大長さを11mm以上にするとともに、(第4位置P4における幅方向の最大長さ)-(第4位置P4における厚さ方向の最大長さ)≧2mmの関係を満足することにより、ネック部4の根本が幅広であるため、ネック部4が幅方向に曲がることと捩れを抑制することができる。
(領域Aの幅方向の最大長さ)-(第4位置P4における幅方向の最大長さ)が1.5mm未満の場合、ワイドヘッド型のヘッド部3として適用されない、あるいはネック部4の根元が異常に幅広となり使用感を損なうことになる。(領域Aの幅方向の最大長さ)-(第4位置P4における幅方向の最大長さ)が7mmを超えた場合、捻れ抑止効果が低下してしまう。
(第4位置P4における厚さ方向の最大長さ)-(第3位置P3における厚さ方向の最大長さ)≧3mmの関係を満足することにより、ネック部4の領域D内で厚さの差を大きくできる。そのため、厚さ方向の撓みを把持部5に伝播させることを抑制できる。従って、短い領域D内でネック部4の厚さが急激に増加することで、操作性の利点を確保しつつ捩れを抑制することができる。
(領域Aの体積)/(領域Dの体積)≦0.60とすることにより、ネック部4の後端側の体積に対して、ヘッド部3の体積を小さくできる。そのため、(領域Aの体積)/(領域Dの体積)≦0.60とすることで、薄型ワイドヘッドによる効率的な刷掃と操作性の利点を確保しつつ、ネック部4の後端側を強固にして撓りと捻れを抑制することができる。
0.7≦(領域Aの体積)/[(領域Bの体積)+(領域Cの体積)]≦1.0の関係を満足することにより、領域Aの体積が領域Bの体積と領域Cの体積の総和に対して小さくなるため、操作性を確保できる。
(第3位置P3における厚さ方向の最大長さ)-(長軸方向に亘る領域Aの厚さ方向の長さの平均値)≦2mmの関係を満足することにより、ヘッド部3からネック部4における先端側(ヘッド部3側)の65%の厚さが大きく変化しないため、操作性を向上させることができる。
領域Cが、長軸方向に亘り、厚さ方向の最大長さが4.5mm以下であり、(第3位置P3における幅方向の最大長さ)-(第3位置P3における厚さ方向の最大長さ)>1mmの関係を満足することにより、ネック部4の根元に至るまでの部分で操作性の利点を確保しつつ、ネック部4が幅広であり、ネック部4が幅方向に撓ることと捩れとを抑制することができる。
(領域Aの体積と領域Cの体積との総和)/(領域Aの体積と領域Bの体積と領域Cの体積と領域Dの体積の総和)≦0.70の関係を満足することにより、ハンドル体2の全体に対し、捩れを誘引する領域の割合を小さくでき、捩れにくくすることができる。
図3に示すように、正面視において、ヘッド部3の幅方向の長さが最大となる最も後端側に位置するヘッド部3の一方の側縁の点P11と、ネック部4の幅方向の長さが最小となる最も先端側に位置する点P12とを結ぶ線分S1と、ヘッド部3の幅方向の長さが最大となる最も後端側に位置するヘッド部3の両側縁の点同士を結ぶ線分S2とが交差する角度のうち、小さい側の角度αは、40°以上、60°以下であることが好ましい。
線分S1と線分S2とが交差する角度αを40°以上、60°以下とすることにより、ヘッド部3の後端側の幅が急峻に収束することになり、ネック部4が最細部となるまでの長さを小さくでき操作性を高めることができる。
線分S3と線分S2とが交差する角度βを75°以上、85°以下とすることにより、ネック部4が最細部となる長さを確保でき操作性を高めることができる。
図4に示すように、正面視において、ヘッド部3の幅方向の長さが最大となる最も先端側に位置するヘッド部3の一方の側縁の点P14と、ネック部4の幅方向の長さが最小となる最も先端側に位置する点P12とを結ぶ線分S4と、ヘッド部3の幅方向の長さが最大となる最も先端側に位置するヘッド部3の両側縁の点同士を結ぶ線分S5とが交差する角度のうち、小さい側の角度γは、70°以上、80°以下であることが好ましい。
線分S4と線分S5とが交差する角度γを70°以上、80°以下とすることにより、厚さが薄い領域が長いヘッド部3となるため、奥歯の奥を磨きやすくなる。
線分S6と線分S5とが交差する角度Δを80°以上、85°以下とすることにより、厚さが薄い領域が長いヘッド部3となるため、奥歯の奥を磨きやすくなる。また、ネック部4の長さが過度に長くなることを抑制し、ネック部4が過度に撓むことなく磨くことができる。
以下、実施例により本発明の効果をより明らかなものとする。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。
本実施例では、下記[表1]に示す仕様に従って、実施例1~9、比較例1~2の歯ブラシのサンプルを作製した。
各例の歯ブラシの各部位は表1に示す寸法とした。ハンドル体の硬質樹脂は、ポリプロピレン(PP)樹脂を用いた。
10人の専門化パネルが、各例の歯ブラシのサンプルで口腔内を清掃し、その際の「幅方向への撓みにくさ」と「捩れずにしっかり磨ける感じ」を下記の評価基準で評価した。10人の専門化パネルの平均点に基づき下記の評価とした。専門化パネル10人の平均点が5.5点以上を「◎(Very Good)」、平均点4.0点以上、5.5点未満を「○(Good)」、平均点3.0点以上4.0点未満を「△(Not Bad)」、平均点3.0点未満を「×(Bad)」とした。
[評価基準]
7点:非常に撓みにくい。
6点:かなり撓みにくい。
5点:やや撓みにくい。
4点:どちらともいえない。
3点:やや撓みやすいが許容できる。
2点:かなり撓みやすい。
1点:非常に撓みやすい。
7点:全く捩れずにしっかり磨ける。
6点:ほとんど捩れずにしっかり磨ける。
5点:あまり捩れずにしっかり磨ける。
4点:どちらともいえない。
3点:やや捩れてしっかり磨けないが許容できる。
2点:かなり捩れてしっかり磨けない。
1点:非常に捩れてしっかり磨けない。
Claims (9)
- 長軸方向の先端側に位置し植毛面を有するヘッド部と、
前記ヘッド部より後端側に配置された把持部と、
前記ヘッド部と前記把持部との間に配置されたネック部と、を有し、
前記植毛面と平行で前記長軸方向と直交する幅方向の前記ヘッド部の最大長さは、12mm以上、18mm以下であり、
前記植毛面と直交する厚さ方向の前記ヘッド部の最大長さは、2mm以上、4mm以下であり、
前記ネック部の前記幅方向の最小長さおよび前記厚さ方向の最小長さは、3mm以上、5mm以下であり、
前記ヘッド部において、前記長軸方向で先端から前記幅方向の長さが最大となる最も後端側の第1位置までの領域をAとし、前記第1位置から前記ヘッド部と前記ネック部との境界の第2位置までの領域をBとし、
前記ネック部において、前記第2位置から、前記ネック部の前記長軸方向の長さに対して65%となる第3位置までの領域をCとし、前記第3位置から、前記ネック部の前記長軸方向の長さに対して35%となる前記ネック部と前記把持部との境界の第4位置までの領域をDとすると、(領域Dの体積)/(領域Cの体積)≧1.0の関係を満足し、
前記第4位置において、前記幅方向の最大長さは、前記厚さ方向の最大長さよりも大きいことを特徴とする歯ブラシ。 - (前記領域Aの体積)/(前記領域Dの体積)≦0.60の関係を満足する、
請求項1に記載の歯ブラシ。 - 前記領域Dの体積は、1000mm3以上である、
請求項1または2に記載の歯ブラシ。 - (前記領域Aの体積と前記領域Cの体積との総和)/(前記領域Aの体積と前記領域Bの体積と前記領域Cの体積と前記領域Dの体積の総和)≦0.70の関係を満足する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の歯ブラシ。 - 前記第4位置における前記幅方向の最大長さは、11mm以上であり、且つ、
(前記第4位置における前記幅方向の最大長さ)-(前記第4位置における前記厚さ方向の最大長さ)≧2mmの関係を満足する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の歯ブラシ。 - 1.5mm≦(前記領域Aの前記幅方向の最大長さ)-(前記第4位置における前記幅方向の最大長さ)≦7mmの関係を満足する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の歯ブラシ。 - (前記第4位置における前記厚さ方向の最大長さ)-(前記第3位置における前記厚さ方向の最大長さ)≧3mm
の関係を満足する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の歯ブラシ。 - (前記第3位置における前記厚さ方向の最大長さ)-(前記長軸方向に亘る前記領域Aの前記厚さ方向の長さの平均値)≦2mm
の関係を満足する、
請求項1から7のいずれか一項に記載の歯ブラシ。 - 前記領域Cは、前記長軸方向に亘り、前記厚さ方向の最大長さが4.5mm以下であり、
(前記第3位置における前記幅方向の最大長さ)-(前記第3位置における前記厚さ方向の最大長さ)>1mmの関係を満足する、
請求項1から8のいずれか一項に記載の歯ブラシ。
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