JP2022088224A - フルオロアルカン化合物の製造方法 - Google Patents

フルオロアルカン化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】2位及び3位の炭素原子の双方が、それぞれ1つの水素原子及び1つのフッ素原子と結合しているフルオロアルカン化合物(A)を効率的に製造することができる方法を提供する。【解決手段】炭素数が4以上であり、且つ、2位及び3位の炭素原子の双方が、それぞれ1つの水素原子及び1つのフッ素原子と結合しているフルオロアルカン化合物(A)の製造方法であって、炭素数が4以上であり、且つ、1位及び2位の炭素原子の双方が、それぞれ1つの塩素原子、臭素原子若しくはヨウ素原子並びに1つのフッ素原子と結合しているハロゲン化アルカン化合物(b)に対して、還元剤の存在下で還元反応を施す還元工程を備える、製造方法。【選択図】なし

Description

本開示は、フルオロアルカン化合物の製造方法に関する。
CFCFHCFHCFに代表される、2位及び3位の炭素原子の双方が、それぞれ1つの水素原子及び1つのフッ素原子と結合しているフルオロアルカン化合物(A)はクリーニングガス、エッチングガス、冷媒、熱移動媒体、有機合成用ビルディングブロック等として合成中間体として有用である。
そして、フルオロアルカン化合物(A)は、CFCFClCFClCFに代表される、2位及び3位の炭素原子の双方が、それぞれ1つの塩素原子及び1つのフッ素原子と結合しているハロゲン化アルカン化合物(a)を還元させ、塩素原子を水素原子に置換することによって合成されることが知られている。
例えば、非特許文献1では、CFCFCl及びCFClCFClの組成物を還元し、主としてCFCFH及びCFClCFHの組成物が得られている。
Journal of Fruorine Chemistry, 1981 Vol. 19 p.1-20
本開示は、2位及び3位の炭素原子の双方が、それぞれ1つの水素原子及び1つのフッ素原子と結合しているフルオロアルカン化合物(A)を効率的に製造することができる方法を提供することを目的とする。
本開示は、以下の構成を包含する。
項1.炭素数が4以上であり、且つ、2位及び3位の炭素原子の双方が、それぞれ1つの水素原子及び1つのフッ素原子と結合しているフルオロアルカン化合物(A)の製造方法であって、
炭素数が4以上であり、且つ、1位及び2位の炭素原子の双方が、それぞれ1つの塩素原子、臭素原子若しくはヨウ素原子並びに1つのフッ素原子と結合しているハロゲン化アルカン化合物(b)に対して、還元剤の存在下で還元反応を施す還元工程
を備える、製造方法。
項2.前記フルオロアルカン化合物(A)が、少なくとも片末端に、一般式(1A):
CFCHFCHF- (1A)
で表される基を有し、且つ、
前記ハロゲン化アルカン化合物(b)が、少なくとも片末端に、一般式(2A):
CFCFXCF- (2A)
[式中、X及びXは同一又は異なって、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示す。]
で表される基を有する、項1に記載の製造方法。
項3.前記フルオロアルカン化合物(A)が、一般式(1):
CFCHFCHF(CFCF (1)
[式中、nは0以上の整数を示す。]
で表される化合物であり、且つ、
前記ハロゲン化アルカン化合物(b)が、一般式(2):
CFCFXCF(CFCF (2)
[式中、X及びXは前記に同じである。nは0以上の整数を示す。]
で表される基を有する化合物である、項2に記載の製造方法。
項4.炭素数が4以上であり、且つ、2位及び3位の炭素原子が三重結合により結合しているアルキン化合物の製造方法であって、
項1~3のいずれか1項に記載の製造方法により前記フルオロアルカン化合物(A)を製造した後、前記フルオロアルカン化合物(A)に対して、脱フッ化水素反応を施す工程
を備える、製造方法。
項5.炭素数が4以上であり、且つ、2位及び3位の炭素原子の双方が、それぞれ1つの水素原子及び1つのフッ素原子と結合しているフルオロアルカン化合物(A)と、
炭素数が4以上であり、且つ、1位及び2位の炭素原子の双方が、それぞれ1つの水素原子及び1つのフッ素原子と結合しているフルオロアルカン化合物(B)とを含有し、
前記フルオロアルカン化合物(A)と前記フルオロアルカン化合物(B)との含有量比(フルオロアルカン化合物(A)/フルオロアルカン化合物(B))がモル比で3以上である、組成物。
項6.有機合成用中間体、エッチングガス、クリーニングガス又はデポジットガスとして用いられる、項5に記載の組成物。
本開示によれば、2位及び3位の炭素原子の双方が、それぞれ1つの水素原子及び1つのフッ素原子と結合しているフルオロアルカン化合物(A)を効率的に製造することができる。
本明細書において、「含有」は、「含む(comprise)」、「実質的にのみからなる(consist essentially of)」、及び「のみからなる(consist of)」のいずれも包含する概念である。また、本明細書において、数値範囲を「A~B」で示す場合、A以上B以下を意味する。
本開示において、「選択率」とは、反応器出口からの流出ガスにおける原料化合物以外の化合物の合計モル量に対する、当該流出ガスに含まれる目的化合物の合計モル量の割合(モル%)を意味する。
本開示において、「転化率」とは、反応器に供給される原料化合物のモル量に対する、反応器出口からの流出ガスに含まれる原料化合物以外の化合物の合計モル量の割合(モル%)を意味する。
本開示において、「収率」とは、反応器に供給される原料化合物のモル量に対する、反応器出口からの流出ガスに含まれる目的化合物の合計モル量の割合(モル%)を意味する。
CFC≡CCFに代表されるフルオロアルキン化合物は、クリーニングガス、エッチングガス、冷媒、熱移動媒体、有機合成用ビルディングブロック等として期待されている。
このようなフルオロアルキン化合物は、例えば、CFCFHCFHCFに代表される、2位及び3位の炭素原子の双方が、それぞれ1つの水素原子及び1つのフッ素原子と結合しているフルオロアルカン化合物(A)から2モルのフッ化水素を脱離させることにより合成されることから、このようなフルオロアルカン化合物(A)は合成中間体として有用である。
このため、2位及び3位の炭素原子の双方が、それぞれ1つの水素原子及び1つのフッ素原子と結合しているフルオロアルカン化合物(A)は、フルオロアルキン化合物を合成するための中間体として有用である。
このようなフルオロアルカン化合物(A)は、通常、CFCFClCFClCFに代表される、2位及び3位の炭素原子の双方が、それぞれ1つの塩素原子等及び1つのフッ素原子と結合しているハロゲン化アルカン化合物(a)を還元させ、塩素原子等を水素原子に置換することによって合成される。
しかしながら、上記のハロゲン化アルカン化合物(a)は、通常、CFClCFClCFCFに代表される、1位及び2位の炭素原子の双方が、それぞれ1つの塩素原子等及び1つのフッ素原子と結合しているハロゲン化アルカン化合物(b)との組成物として得られる。
つまり、フルオロアルカン化合物(A)を得るためには、通常、上記のハロゲン化アルカン化合物(a)とハロゲン化アルカン化合物(b)との組成物を原料として還元させることとなり、上記フルオロアルカン化合物(A)のみならず、CFHCFHCFCFに代表される、1位及び2位の炭素原子の双方が、それぞれ1つの水素原子及び1つのフッ素原子と結合しているフルオロアルカン化合物(B)も合成される。そのため、不純物であるフルオロアルカン化合物(B)の生成を抑制することにより、フルオロアルカン化合物(A)を効率的に合成することができる。
本開示の製造方法によれば、上記のハロゲン化アルカン化合物(a)を還元してフルオロアルカン化合物(A)が得られるのみならず、ハロゲン化アルカン化合物(b)の置換位置を変位させつつ還元してフルオロアルカン化合物(A)が得られるため、ハロゲン化アルカン化合物(a)とハロゲン化アルカン化合物(b)との組成物を原料として使用した場合に、フルオロアルカン化合物(B)の生成を抑制し、フルオロアルカン化合物(A)を高収率で、効率的に得ることができる。
1.フルオロアルカン化合物(A)の製造方法
本開示のフルオロアルカン化合物(A)の製造方法は、炭素数が4以上であり、且つ、2位及び3位の炭素原子の双方が、それぞれ1つの水素原子及び1つのフッ素原子と結合しているフルオロアルカン化合物(A)の製造方法であって、
炭素数が4以上であり、且つ、1位及び2位の炭素原子の双方が、それぞれ1つの塩素原子、臭素原子若しくはヨウ素原子並びに1つのフッ素原子と結合しているハロゲン化アルカン化合物(b)に対して、還元剤の存在下で還元反応を施す還元工程
を備える。
本開示によれば、ハロゲン化アルカン化合物(b)の置換位置を変位させつつ還元してフルオロアルカン化合物(A)が得られる。
(1-1)原料
[1-1-1]ハロゲン化アルカン化合物(b)
本開示の製造方法において使用できる原料化合物としてのハロゲン化アルカン化合物(b)は、上記のとおり、炭素数が4以上であり、且つ、1位及び2位の炭素原子の双方が、それぞれ1つの塩素原子、臭素原子若しくはヨウ素原子並びに1つのフッ素原子と結合しているハロゲン化アルカン化合物(b)である。
このハロゲン化アルカン化合物(b)は、少なくとも片末端に、一般式(2A):
CFCFXCF- (2A)
[式中、X及びXは同一又は異なって、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示す。]
で表される基を有することが好ましい。
一般式(2A)において、X及びXは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子であり、反応の転化率、フルオロアルカン化合物(A)の選択率及び収率等の観点から、塩素原子又は臭素原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
このため、ハロゲン化アルカン化合物(b)が有する一般式(2A)で表される基としては、CFClCFClCF-、CFClCFBrCF-、CFClCFICF-、CFBrCFClCF-、CFBrCFBrCF-、CFBrCFICF-、CFICFClCF-、CFICFBrCF-、CFICFICF-等が挙げられる。なかでも、反応の転化率、フルオロアルカン化合物(A)の選択率及び収率等の観点から、CFClCFClCF-、CFClCFBrCF-、CFBrCFClCF-、CFBrCFBrCF-等が好ましく、CFClCFClCF-がより好ましい。
このハロゲン化アルカン化合物(b)は、一般式(2A)で表される基を1個有していてもよいし、2個以上有していてもよい。特に、反応の転化率、フルオロアルカン化合物(A)の選択率及び収率等の観点から、1個有することが好ましい。
以上のようなハロゲン化アルカン化合物(b)は、反応の転化率、フルオロアルカン化合物(A)の選択率及び収率等の観点から、一般式(2):
CFCFXCF(CFCF (2)
[式中、X及びXは前記に同じである。nは0以上の整数を示す。]
で表されることが好ましい。
一般式(2)において、nは0以上の整数であり、反応の転化率、フルオロアルカン化合物(A)の選択率及び収率等の観点から、0~5の整数が好ましく、0~3の整数がより好ましく、0~2の整数がさらに好ましい。
上記のような条件を満たす原料化合物としてのハロゲン化アルカン化合物(b)としては、具体的には、CFClCFClCFCF、CFClCFBrCFCF、CFClCFICFCF、CFBrCFClCFCF、CFBrCFBrCFCF、CFBrCFICFCF、CFICFClCFCF、CFICFBrCFCF、CFICFICFCF、CFClCFClCFCFCF、CFClCFBrCFCFCF、CFClCFICFCFCF、CFBrCFClCFCFCF、CFBrCFBrCFCFCF、CFBrCFICFCFCF、CFICFClCFCFCF、CFICFBrCFCFCF、CFICFICFCFCF等が挙げられる。なかでも、反応の転化率、フルオロアルカン化合物(A)の選択率及び収率等の観点から、CFClCFClCFCF、CFClCFBrCFCF、CFBrCFClCFCF、CFBrCFBrCFCF、CFClCFClCFCFCF、CFClCFBrCFCFCF、CFBrCFClCFCFCF、CFBrCFBrCFCFCF等が好ましく、CFClCFClCFCF、CFClCFClCFCFCF等がより好ましい。これらのハロゲン化アルカン化合物(b)は、単独で用いることもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。
[1-1-2]ハロゲン化アルカン化合物(a)
上記のとおり、2位及び3位の炭素原子の双方が、それぞれ1つの塩素原子等及び1つのフッ素原子と結合しているハロゲン化アルカン化合物(a)は、通常、ハロゲン化アルカン化合物(b)との組成物として得られる。このため、本開示においては、原料として、ハロゲン化アルカン化合物(a)とハロゲン化アルカン化合物(b)との組成物を使用することもできる。
この場合、ハロゲン化アルカン化合物(a)は、少なくとも片末端に、一般式(3A):
CFCFXCFX- (3A)
[式中、X及びXは同一又は異なって、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示す。]
で表される基を有することが好ましい。
一般式(3A)において、X及びXは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子であり、反応の転化率、フルオロアルカン化合物(A)の選択率及び収率等の観点から、塩素原子又は臭素原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
このため、ハロゲン化アルカン化合物(a)が有する一般式(3A)で表される基としては、CFCFClCFCl-、CFCFClCFBr-、CFCFClCFI-、CFCFBrCFCl-、CFCFBrCFBr-、CFCFBrCFI-、CFCFICFCl-、CFCFICFBr-、CFCFICFI-等が挙げられる。なかでも、反応の転化率、フルオロアルカン化合物(A)の選択率及び収率等の観点から、CFCFClCFCl-、CFCFClCFBr-、CFCFBrCFCl-、CFCFBrCFBr-等が好ましく、CFCFClCFCl-がより好ましい。
このハロゲン化アルカン化合物(a)は、一般式(3A)で表される基を1個有していてもよいし、2個以上有していてもよい。特に、反応の転化率、フルオロアルカン化合物(A)の選択率及び収率等の観点から、1個有することが好ましい。
以上のようなハロゲン化アルカン化合物(a)は、反応の転化率、フルオロアルカン化合物(A)の選択率及び収率等の観点から、一般式(3):
CFCFXCFX(CFCF (3)
[式中、X及びXは前記に同じである。mは0以上の整数を示す。]
で表されることが好ましい。
一般式(3)において、mは0以上の整数であり、反応の転化率、フルオロアルカン化合物(A)の選択率及び収率等の観点から、0~5の整数が好ましく、0~3の整数がより好ましく、0~2の整数がさらに好ましい。
上記のような条件を満たす原料化合物としてのハロゲン化アルカン化合物(a)としては、具体的には、CFCFClCFClCF、CFCFClCFBrCF、CFCFClCFICF、CFCFBrCFClCF、CFCFBrCFBrCF、CFCFBrCFICF、CFCFICFClCF、CFCFICFBrCF、CFCFICFICF、CFCFClCFClCFCF、CFCFClCFBrCFCF、CFCFClCFICFCF、CFCFBrCFClCFCF、CFCFBrCFBrCFCF、CFCFBrCFICFCF、CFCFICFClCFCF、CFCFICFBrCFCF、CFCFICFICFCF等が挙げられる。なかでも、反応の転化率、フルオロアルカン化合物(A)の選択率及び収率等の観点から、CFCFClCFClCF、CFCFClCFBrCF、CFCFBrCFClCF、CFCFBrCFBrCF、CFCFClCFClCFCF、CFCFClCFBrCFCF、CFCFBrCFClCFCF、CFCFBrCFBrCFCF等が好ましく、CFCFClCFClCF、CFCFClCFClCFCF等がより好ましい。これらのハロゲン化アルカン化合物(a)は、単独で用いることもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。
[1-1-3]組成比
本開示において、原料として、上記したハロゲン化アルカン化合物(a)とハロゲン化アルカン化合物(b)との組成物を使用する場合、その組成比は特に制限されない。通常、ハロゲン化アルカン化合物(a)及びハロゲン化アルカン化合物(b)を得ようとした際に合成できる組成比のものを使用することができ、例えば、組成物の総量を100体積%として、ハロゲン化アルカン化合物(a)の含有量は30~80体積%が好ましく、40~70体積%がより好ましく、50~60体積%がさらに好ましい。また、組成物の総量を100体積%として、ハロゲン化アルカン化合物(b)の含有量は20~70体積%が好ましく、30~60体積%がより好ましく、40~50体積%がさらに好ましい。また、このような原料は、公知又は市販品を採用することができる。また、合成して用いることもできる。原料を合成する場合、その製造方法は、例えば、既報(Journal of the Chemical Society 1952 p4423-4429)にしたがって合成することができる。
(1-2)還元剤
還元剤としては、例えば、水素(H)、水素化アルミニウムリチウム(LiAlH)、水素化ナトリウム(NaH)、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(NaBH(OCOCH)、ギ酸、ギ酸塩(ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、ギ酸アンモニウム)等が挙げられる。なかでも、反応の転化率、フルオロアルカン化合物(A)の選択率及び収率等の観点から、ヒドリド化合物(水素化アルミニウムリチウム(LiAlH)、水素化ナトリウム(NaH)、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)等)が好ましい。これらの還元剤は、単独で用いることもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。
本開示の製造方法において、還元剤の使用量は、特に制限はないが、反応の転化率、フルオロアルカン化合物(A)の選択率及び収率等の観点から、原料であるハロゲン化アルカン化合物(a)とハロゲン化アルカン化合物(b)との組成物の総量(ハロゲン化アルカン化合物(b)のみを使用する場合はその使用量)1モルに対して、0.5~8.0モルが好ましく、1.0~6.0モルがより好ましく、2.0~4.0モルがさらに好ましい。
(1-3)転移及び還元反応
本開示におけるハロゲン化アルカン化合物(b)からフルオロアルカン化合物(A)を製造する方法では、反応の転化率、フルオロアルカン化合物(A)の選択率及び収率等の観点から、例えば、原料化合物として、ハロゲン化アルカン化合物(b)として一般式(2)で表される化合物を用いた場合、X及びXは塩素原子が好ましく、nは0が好ましい。
つまり、以下の反応式:
CFClCFClCFCF → CFCHFCHFCF
に従い、塩素原子の置換位置が転移しながら還元して水素原子となる転移及び還元反応であることが好ましい。
本開示におけるハロゲン化アルカン化合物(b)からフルオロアルカン化合物(A)を製造する方法では、ハロゲン化アルカン化合物(b)の製造方法から連続して転移及び還元反応を行う場合や、生産性の観点からは、気相、特に固定床反応器を用いた気相連続流通式で行うことが好ましい。本開示におけるハロゲン化アルカン化合物(b)からフルオロアルカン化合物(A)を製造する方法を気相で行う場合、ハロゲン化アルカン化合物(b)の製造方法から連続して転移及び還元反応を行うことができ、溶媒を用いる必要がなく産廃が生じず、生産性に優れるという利点がある。また、気相連続流通式で行う場合は、装置、操作等を簡略化できるとともに、経済的に有利である。一方、得られるフルオロアルカン化合物(A)の選択率を重要視する場合は、ハロゲン化アルカン化合物(b)からフルオロアルカン化合物(A)を製造する方法は、液相で行うことが好ましい。
本開示におけるハロゲン化アルカン化合物(b)からフルオロアルカン化合物(A)を製造する方法は、上記した還元剤の存在下に、ハロゲン化アルカン化合物(b)に対して転移及び還元反応を施すが、反応の転化率、フルオロアルカン化合物(A)の選択率及び収率等の観点から、触媒及び/又はラジカル発生剤の存在下で行うことが好ましい。より具体的には、気相反応を採用する場合は、触媒の存在下で行うことが好ましく、液相反応を採用する場合は、さらに、ラジカル発生剤の存在下で行うことが好ましい。それぞれの場合の触媒及びラジカル発生剤の詳細は後述する。
[1-3-1]気相反応
本開示におけるハロゲン化アルカン化合物(b)からフルオロアルカン化合物(A)を製造する方法を気相で行う場合、溶媒を用いる必要がなく産廃が生じず、生産性に優れるという利点がある。この場合、本開示におけるハロゲン化アルカン化合物(b)からフルオロアルカン化合物(A)を製造する方法は、固定床反応器を用いた気相連続流通式で行うことが好ましい。気相連続流通式で行う場合は、装置、操作等を簡略化できるとともに、経済的に有利である。
触媒
本開示におけるハロゲン化アルカン化合物(b)からフルオロアルカン化合物(A)を製造する方法を気相で行う場合、さらに、触媒の存在下に行うことが好ましい。
本開示の製造方法において使用される触媒としては、特に制限はないが、反応の転化率、フルオロアルカン化合物(A)の選択率及び収率等の観点から、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、白金、銅、ニッケル、亜鉛等の金属を含有することが好ましい。
また、本開示の製造方法では、特に制限はないが、反応の転化率、フルオロアルカン化合物(A)の選択率及び収率等の観点から、上記したパラジウム、ルテニウム、ロジウム、白金、銅、ニッケル、亜鉛等の金属が担体上に担持された触媒を使用することが好ましい。
このような担体としては、例えば、活性炭;ゼオライト等に代表される多孔性アルミノシリケート;酸化アルミニウム;酸化ケイ素;酸化チタン;ジルコニア;酸化亜鉛;フッ化アルミニウム等が挙げられる。これらの担体は、単独で用いることもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。
パラジウム、ルテニウム、ロジウム、白金、銅、ニッケル、亜鉛等の金属が担体上に担持された触媒を使用する場合、当該金属の含有量は、反応の転化率、フルオロアルカン化合物(A)の選択率及び収率等の観点から、触媒総量を100質量%として、0.01~50質量%が好ましく、0.1~30質量%がより好ましい。
上記した触媒は、単独で用いることもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。
本開示の製造方法において、気相において、還元剤及び触媒の存在下にハロゲン化アルカン化合物(b)からフルオロアルカン化合物(A)を製造するに当たっては、例えば、触媒を固体の状態(固相)でハロゲン化アルカン化合物(b)(又はハロゲン化アルカン化合物(a)とハロゲン化アルカン化合物(b)との組成物)と接触させることが好ましい。この場合、触媒の形状は粉末状とすることもできるが、ペレット状のほうが気相連続流通式の反応に採用する場合には好ましい。
本開示の製造方法において使用する触媒は、BET法により測定した比表面積(以下、「BET比表面積」と言うこともある。)は、通常10~3000m/gが好ましく、15~2500m/gがより好ましく、20~2000m/gがさらに好ましく、30~1500m/gが特に好ましい。触媒のBET比表面積がこのような範囲にある場合、触媒の粒子の密度が小さ過ぎる又は大き過ぎることがないため、より高い選択率でフルオロアルカン化合物(A)を得ることができる。また、ハロゲン化アルカン化合物(b)の転化率をより向上させることも可能である。なお、触媒が前記担体上に担持されている場合、担体も含めた全体のBET比表面積が前記範囲内となるように調整することが好ましい。
反応温度
本開示におけるハロゲン化アルカン化合物(b)からフルオロアルカン化合物(A)を製造する方法では、反応温度は、より効率的にハロゲン化アルカン化合物(b)における塩素原子等の置換位置を転移させながら還元しやすい観点から、通常80~300℃が好ましく、130~250℃がより好ましく、180~230℃がさらに好ましい。
反応時間
本開示におけるハロゲン化アルカン化合物(b)からフルオロアルカン化合物(A)を製造する方法では、反応時間は、例えば気相流通式を採用する場合には、原料化合物の触媒に対する接触時間(W/F)[W:触媒の重量(g)、F:原料化合物の流量(cc/sec)]は、より効率的にハロゲン化アルカン化合物(b)における塩素原子等の置換位置を転移させながら還元しやすい観点から、1~30g・sec/ccが好ましく、3~20g・sec/ccがより好ましく、6~10g・sec/ccがさらに好ましい。なお、上記接触時間とは、原料化合物及び触媒が接触する時間を意味する。
反応圧力
本開示におけるハロゲン化アルカン化合物(b)からフルオロアルカン化合物(A)を製造する方法では、反応圧力は、より効率的にハロゲン化アルカン化合物(b)における塩素原子等の置換位置を転移させながら還元しやすい観点から、0kPa以上が好ましく、10kPa以上がより好ましく、20kPa以上がさらに好ましく、30kPa以上が特に好ましい。反応圧力の上限は特に制限はなく、通常、2MPa程度である。なお、本開示において、圧力については特に表記が無い場合はゲージ圧とする。
本開示におけるハロゲン化アルカン化合物(b)からフルオロアルカン化合物(A)を製造する方法において、ハロゲン化アルカン化合物(b)(又はハロゲン化アルカン化合物(a)とハロゲン化アルカン化合物(b)との組成物)と還元剤と好ましくは触媒とを投入して反応させる反応器としては、上記温度及び圧力に耐えうるものであれば、形状及び構造は特に限定されない。反応器としては、例えば、縦型反応器、横型反応器、多管型反応器等が挙げられる。反応器の材質としては、例えば、ガラス、ステンレス、鉄等が挙げられる。
脱フッ化水素反応の例示
本開示におけるハロゲン化アルカン化合物(b)からフルオロアルカン化合物(A)を製造する方法は、反応器に原料化合物であるハロゲン化アルカン化合物(b)(又はハロゲン化アルカン化合物(a)とハロゲン化アルカン化合物(b)との組成物)を連続的に仕込み、当該反応器から目的化合物であるフルオロアルカン化合物(A)を連続的に抜き出す流通式及びバッチ式のいずれの方式によっても実施することができる。目的化合物であるフルオロアルカン化合物(A)が反応器に留まると、さらに脱離反応が進行し得ることから、流通式で実施することが好ましい。本開示におけるハロゲン化アルカン化合物(b)からフルオロアルカン化合物(A)を製造する方法では、固定床反応器を用いた気相連続流通式で行うことが好ましい。気相連続流通式で行う場合は、装置、操作等を簡略化できるとともに、経済的に有利である。なお、バッチ式を採用する場合は、後述する液相反応において説明する密閉反応系や、加圧反応系を採用することも可能である。
本開示におけるハロゲン化アルカン化合物(b)からフルオロアルカン化合物(A)を製造する方法の雰囲気については、触媒の劣化を抑制する点から、不活性ガス雰囲気下が好ましい。当該不活性ガスは、窒素、ヘリウム、アルゴン等が挙げられる。これらの不活性ガスのなかでも、コストを抑える観点から、窒素が好ましい。
[1-3-2]液相反応
本開示におけるハロゲン化アルカン化合物(b)からフルオロアルカン化合物(A)を製造する方法を液相で行う場合、例えば金属容器を用いることにより、圧力をかけ、原料の沸点を上げることによって液成分を多くすることで、目的化合物の収率をより向上させることができる。
本開示におけるハロゲン化アルカン化合物(b)からフルオロアルカン化合物(A)を製造する方法を液相で行う場合、まず、ハロゲン化アルカン化合物(b)(又はハロゲン化アルカン化合物(a)とハロゲン化アルカン化合物(b)との組成物)と還元剤とを、溶媒及びラジカル発生剤の存在下で反応させることが好ましい。
溶媒
本開示におけるハロゲン化アルカン化合物(b)からフルオロアルカン化合物(A)を製造する方法において使用できる溶媒としては、水及び非水溶媒のいずれも採用することができ、非水溶媒としては、エーテル溶媒、アミド溶媒、ニトリル溶媒、アルコール溶媒等が挙げられる。エーテル溶媒としては、特に限定されないが、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジフェニルエーテル、アニソール及びジメトキシベンゼン等が挙げられる。アミド溶媒としては、特に限定されないが、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAC)等が挙げられる。ニトリル溶媒としては、特に限定されないが、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等が挙げられる。アルコール溶媒としては、特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec-ブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、イソアミルアルコール等が挙げられる。溶媒は、前記水及び非水溶媒のなかから単独で使用することもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。なかでも、反応の転化率、フルオロアルカン化合物(A)の選択率及び収率等の観点から、アミド溶媒が好ましく、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAC)等がより好ましい。
ラジカル発生剤
本開示におけるハロゲン化アルカン化合物(b)からフルオロアルカン化合物(A)を製造する方法においては、反応の転化率、フルオロアルカン化合物(A)の選択率及び収率等の観点から、ラジカル発生剤を使用することが好ましい。ラジカル発生剤としては、例えば、アゾ化合物、有機過酸化物等の有機ラジカル開始剤;過硫酸塩、セリウム塩、過酸化水素等の無機ラジカル開始剤等が挙げられる。
アゾ化合物としては、例えば、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロリド、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)、4,4’-アゾビス(4-シアノ吉草酸)、1,1’-アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’-アゾビス(2-メチルプロパン)、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオニトリル)、α,α’-アゾジイソブチルアミジンジハイドロクロリド等が挙げられる。
有機過酸化物としては、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1-ジ(tert-ヘキシルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ジ(tert-ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン等が挙げられる。
過硫酸塩としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等が挙げられる。
セリウム塩としては、例えば、セリウム(IV)アンモニウムナイトレイト、セリウム(IV)サルフェイト、セリウム(IV)アンモニウムサルフェイト、水酸化セリウム(IV)、酸化セリウム(IV)等が挙げられる。
これらのラジカル発生剤の中でも、反応の転化率、フルオロアルカン化合物(A)の選択率及び収率等の観点から、過硫酸塩が好ましく、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等がより好ましい。
本開示の製造方法において、ラジカル発生剤の使用量は、特に制限はないが、反応の転化率、フルオロアルカン化合物(A)の選択率及び収率等の観点から、原料であるハロゲン化アルカン化合物(a)とハロゲン化アルカン化合物(b)との組成物の総量(ハロゲン化アルカン化合物(b)のみを使用する場合はその使用量)1モルに対して、0.01~5モルが好ましく、0.1~2モルがより好ましく、0.2~0.5モルがさらに好ましい。
密閉反応系
本開示におけるハロゲン化アルカン化合物(b)からフルオロアルカン化合物(A)を製造する方法においては、目的化合物のフルオロアルカン化合物(A)は、沸点が低いため、本開示におけるハロゲン化アルカン化合物(b)からフルオロアルカン化合物(A)を製造する方法では、反応系を密閉反応系とすることで、自然と密閉反応系内の圧力は上昇し、加圧条件下で反応を行うことができる。このため、目的化合物であるフルオロアルカン化合物(A)をより高い選択率及びより高い転化率で得ることができる。
このように、目的化合物の沸点が低いことにより反応温度では密閉反応系は加圧され、溶媒中の基質(原料化合物)濃度が上昇し反応性を向上させることが可能である。前記密閉反応系は、バッチ式の耐圧反応容器を用いて反応系を密閉させて、反応を行うことが好ましい。バッチ式で反応を行う場合には、例えば、オートクレーブ等の圧力容器に原料化合物、塩基溶液(アルカリ水溶液)、触媒等を仕込み、ヒーターにて適切な反応温度まで昇温させ、撹拌下に一定時間反応することが好ましい。反応雰囲気としては、窒素、ヘリウム、炭酸ガス等の不活性ガスの雰囲気中で反応を行うことが好ましい。
本開示におけるハロゲン化アルカン化合物(b)からフルオロアルカン化合物(A)を製造する方法では、密閉圧反応系での反応温度は、反応の転化率、フルオロアルカン化合物(A)の選択率及び収率等の観点から、通常0~50℃が好ましく、5~40℃がより好ましく、10~30℃がさらに好ましい。
加圧反応系
本開示におけるハロゲン化アルカン化合物(b)からフルオロアルカン化合物(A)を製造する方法は、反応温度を0℃以上とし、反応圧力を0kPaより大きくすることで、加圧反応系にて反応を行うこともできる。これにより、目的化合物であるフルオロアルカン化合物(A)をより選択率及びより高い転化率で得ることができる。このように反応系が加圧されると、溶媒中の基質(原料化合物)濃度が上昇し反応性を向上させることが可能である。前記加圧反応系は、バッチ式の耐圧反応容器を用いて反応系を密閉させて、反応を行うことが好ましい。バッチ式で反応を行う場合には、例えば、オートクレーブ等の圧力容器に原料化合物、還元剤、溶媒及び必要に応じてラジカル発生剤等を仕込み、ヒーターにて適切な反応温度まで昇温させ、撹拌下に一定時間反応することが好ましい。
本開示におけるハロゲン化アルカン化合物(b)からフルオロアルカン化合物(A)を製造する方法では、加圧条件は、反応圧力を0kPaより大きくすることが好ましい。反応圧力は、加圧反応系に用いる反応容器内部の圧力である。本開示におけるハロゲン化アルカン化合物(b)からフルオロアルカン化合物(A)を製造する方法では、反応の転化率、フルオロアルカン化合物(A)の選択率及び収率等の観点から、反応圧力は、0kPaより大きいことが好ましく、5kPa以上がより好ましく、10kPa以上がさらに好ましく、15kPa以上が特に好ましい。反応圧力の上限は特に制限はなく、通常、2MPa程度である。なお、本開示において、圧力については特に表記が無い場合はゲージ圧とする。
加圧には、反応系に、窒素、ヘリウム、炭酸ガス等の不活性ガスを送り込むことで、反応系内の圧力を上昇させることができる。
本開示におけるハロゲン化アルカン化合物(b)からフルオロアルカン化合物(A)を製造する方法では、加圧反応系での反応温度は、反応の転化率、フルオロアルカン化合物(A)の選択率及び収率等の観点から、通常0~50℃が好ましく、5~40℃がより好ましく、10~30℃がさらに好ましい。
反応終了後は、必要に応じて常法にしたがって精製処理を行い、フルオロアルカン化合物(A)を得ることができる。
(1-4)目的化合物(フルオロアルカン化合物(A))
このようにして得られる本開示の目的化合物は、炭素数が4以上であり、且つ、2位及び3位の炭素原子の双方が、それぞれ1つの水素原子及び1つのフッ素原子と結合しているフルオロアルカン化合物(A)である。
このフルオロアルカン化合物(A)は、少なくとも片末端に、一般式(1A):
CFCHFCHF- (1A)
で表される基を有することが好ましい。
このフルオロアルカン化合物(A)は、一般式(1A)で表される基を1個有していてもよいし、2個以上有していてもよい。特に、反応の転化率、フルオロアルカン化合物(A)の選択率及び収率等の観点から、1個有することが好ましい。
以上のようなフルオロアルカン化合物(A)は、反応の転化率、フルオロアルカン化合物(A)の選択率及び収率等の観点から、一般式(1):
CFCHFCHF(CFCF (1)
[式中、nは0以上の整数を示す。]
で表されることが好ましい。
一般式(2)において、nは0以上の整数であり、反応の転化率、フルオロアルカン化合物(A)の選択率及び収率等の観点から、0~5の整数が好ましく、0~3の整数がより好ましく、0~2の整数がさらに好ましい。
上記のような条件を満たす原料化合物としてのフルオロアルカン化合物(A)としては、具体的には、CFCHFCHFCF、CFCHFCHFCFCF等が挙げられる。なかでも、反応の転化率、フルオロアルカン化合物(A)の選択率及び収率等の観点から、CFCHFCHFCFが好ましい。
このようにして得られたフルオロアルカン化合物(A)は、有機合成用中間体、エッチングガス、クリーニングガス、デポジットガス等の各種用途に有効利用できる。特に、フルオロアルカン化合物(A)に対して、既報の反応を採用することで、エッチングガス、クリーニングガス、デポジットガス、冷媒、熱移動媒体、有機合成用ビルディングブロック等の各種用途に有効利用可能なアルキン化合物(CFC≡CCF等)を合成することも可能である。
この場合、得られたフルオロアルカン化合物(A)からアルキン化合物を合成する方法としては、例えば、国際公開第2020/006018号等に記載の方法を採用することができる。また、得られたフルオロアルカン化合物(A)を、エーテル溶媒の存在下に脱フッ化水素反応する方法により、1ステップでアルキン化合物を得ることもできる。
得られたフルオロアルカン化合物(A)を、エーテル溶媒の存在下に脱フッ化水素反応する方法を採用する場合、エーテル溶媒としては、具体的には、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ(n-ブチル)エーテル、ジフェニルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、1,2-ジエトキシエタン、ジグライム等が好ましい。エーテル溶媒は、単独で使用することもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。なかでも、転化率、選択率及び収率の観点から、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ(n-ブチル)エーテル、ジフェニルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、1,2-ジエトキシエタン等が好ましく、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ(n-ブチル)エーテル、ジフェニルエーテル等がより好ましく、ジイソプロピルエーテル、ジ(n-ブチル)エーテル、ジフェニルエーテル等がさらに好ましい。
なお、エーテル溶媒以外にも、その他の溶媒、例えば、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチル、炭酸ジエチル、炭酸メチルプロピル、炭酸エチルプロピル等の炭酸エステル溶媒;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル等のエステル溶媒;アセトン、エチルメチルケトン、ジエチルケトン等のケトン溶媒;γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のラクトン溶媒;テトラヒドロフラン等の環状エーテル溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル溶媒;N,N-ジメチルホルムアミド等のアミド溶媒;ジメチルスルホキシド、スルホラン等のスルホン溶媒等と併用することを妨げるものではない。ただし、反応の転化率、選択率、収率等の観点から、これら他の溶媒の使用量は少ないほうが好ましく、具体的には、反応に使用する溶媒の総量を100体積%として、上記エーテル溶媒の使用量は80~100体積%(特に90~100体積%)が好ましく、これら他の溶媒の使用量は0~20体積%(特に0~10体積%)が好ましい。
得られたフルオロアルカン化合物(A)を、エーテル溶媒の存在下に脱フッ化水素反応する方法を採用する場合、塩基の存在下で行うことが好ましい。
塩基としては、具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、ナトリウムメトキシド、カリウムtert-ブトキシド等が挙げられ、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムtert-ブトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムtert-ブトキシド、マグネシウムメトキシド、マグネシウムエトキシド、マグネシウムtert-ブトキシド、カルシウムメトキシド、カルシウムエトキシド、カルシウムtert-ブトキシド等が好ましい。なかでも、反応の転化率やハロゲン化アルキン化合物の選択率及び収率の観点から、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、ナトリウムメトキシド、カリウムtert-ブトキシド等が挙げられ、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムtert-ブトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムtert-ブトキシド等が好ましく、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド、カリウムtert-ブトキシド等が挙げられ、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムtert-ブトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムtert-ブトキシド等がより好ましく、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等がさらに好ましい。
塩基の使用量は、特に制限されないが、反応の転化率、選択率、収率等の観点から、フルオロアルカン化合物(A)1モルに対して、0.1~8.0モルが好ましく、0.5~4.0モルがより好ましく、1.0~2.0モルがさらに好ましい。
また、得られたフルオロアルカン化合物(A)を、エーテル溶媒の存在下に脱フッ化水素反応する方法を採用する場合も、上記した密閉反応系や加圧反応系、密閉反応系と加圧反応系との組合せを採用することができ、各種条件は適宜設定することができる。
2.組成物
以上のようにして、フルオロアルカン化合物(A)を得ることができるが、本開示の製造方法によれば、炭素数が4以上であり、且つ、1位及び2位の炭素原子の双方が、それぞれ1つの水素原子及び1つのフッ素原子と結合しているフルオロアルカン化合物(B)との組成物として得られることがある。
このフルオロアルカン化合物(B)は、少なくとも片末端に、一般式(1A):
CHFCHFCF- (4A)
で表される基を有することが好ましい。
このフルオロアルカン化合物(B)は、一般式(4A)で表される基を1個有していてもよいし、2個以上有していてもよい。特に、反応の転化率、フルオロアルカン化合物(A)の選択率及び収率等の観点から、1個有することが好ましい。
以上のようなフルオロアルカン化合物(B)は、反応の転化率、フルオロアルカン化合物(A)の選択率及び収率等の観点から、一般式(4):
CHFCHFCF(CFCF (4)
[式中、nは0以上の整数を示す。]
で表されることが好ましい。
一般式(4)において、nは0以上の整数であり、反応の転化率、フルオロアルカン化合物(A)の選択率及び収率等の観点から、0~5の整数が好ましく、0~3の整数がより好ましく、0~2の整数がさらに好ましい。
上記のような条件を満たす原料化合物としてのフルオロアルカン化合物(B)としては、具体的には、CHFCHFCFCF、CHFCHFCFCFCF等が挙げられる。なかでも、反応の転化率、フルオロアルカン化合物(A)の選択率及び収率等の観点から、CHFCHFCFCFが好ましい。
以上のように、本開示では、フルオロアルカン化合物(A)とフルオロアルカン化合物(B)との組成物として得られることがあるが、原料として、ハロゲン化アルカン化合物(a)とハロゲン化アルカン化合物(b)との組成物を使用したとしても、ハロゲン化アルカン化合物(b)は転移しながら還元してフルオロアルカン化合物(A)を合成することができるため、組成物中のフルオロアルカン化合物(A)の含有量は極めて多い。
このため、フルオロアルカン化合物(A)とフルオロアルカン化合物(B)との含有量比(フルオロアルカン化合物(A)/フルオロアルカン化合物(B))はモル比で3以上が好ましく、4以上がより好ましく、5以上がさらに好ましく、8以上が特に好ましい。フルオロアルカン化合物(A)とフルオロアルカン化合物(B)との含有量比(フルオロアルカン化合物(A)/フルオロアルカン化合物(B))の上限値は特に制限はなく、通常1000程度である。なお、常法により精留することで、フルオロアルカン化合物(A)とフルオロアルカン化合物(B)との含有量比(フルオロアルカン化合物(A)/フルオロアルカン化合物(B))を特に高めることも可能である。
また、本開示において、特に制限はないが、本開示の製造方法における転化率とフルオロアルカン化合物(A)の選択率とのバランスの観点から、フルオロアルカン化合物(A)とフルオロアルカン化合物(B)との合計含有量は、組成物において、20~99.99モル%が好ましく、30~90モル%がより好ましく、40~80モル%がさらに好ましい。なお、常法により精留することで、フルオロアルカン化合物(A)とフルオロアルカン化合物(B)との合計含有量を特に高めることも可能である。
このような本開示の組成物は、有機合成用中間体、エッチングガス、クリーニングガス、デポジットガス等の各種用途に有効利用できる。特に、フルオロアルカン化合物(A)に対して、既報の反応を採用することで、エッチングガス、クリーニングガス、デポジットガス、冷媒、熱移動媒体、有機合成用ビルディングブロック等の各種用途に有効利用可能なアルキン化合物(CFC≡CCF等)を合成することも可能である。
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能である。
以下に実施例を示し、本開示の特徴を明確にする。本開示はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例のフルオロアルカン化合物(A)の製造方法では、原料化合物は、一般式(2)で表されるハロゲン化アルカン化合物(b)において、X及びXは塩素原子、nは0とし、以下の反応式:
CFClCFClCFCF → CFCHFCHFCF
に従い、塩素原子の置換位置が転移しながら還元して水素原子となる転移及び還元反応により、フルオロアルカン化合物(A)を得た。
実施例1~9:気相反応
反応管であるSUS配管(外径:1/2インチ)に、触媒として炭素に対してパラジウムを担持させたPd/C触媒(比表面積1100m/g、触媒質量に対して3質量%のパラジウムを含む)を5.0g加えた。窒素雰囲気下、200℃で2時間乾燥した後、圧力を常圧、CFClCFClCFCFとCFCFClCFClCFとの組成物(原料組成物;CFClCFClCFCF40モル%+CFCFClCFClCF60モル%)とPd/C触媒との接触時間(W/F)が2~8g・sec/ccとなるように、上記原料組成物を流通させ、上記原料組成物と還元剤である水素ガスとのモル比(還元剤/原料組成物のモル比)が3となるように還元剤である水素ガスを流通させた。
反応は、気相連続流通式で進行させた。
反応管を100~300℃で加熱して反応を開始した。
反応開始1時間後に除害塔を通った留出分を集めた。
その後、ガスクロマトグラフィー((株)島津製作所製、商品名「GC-2014」)を用いてガスクロマトグラフィー/質量分析法(GC/MS)により質量分析を行い、NMR(日本電子(株)製、商品名「400YH」)を用いてNMRスペクトルによる構造解析を行った。質量分析及び構造解析の結果から、目的化合物としてCFCHFCHFCFが生成したことが確認された。結果を表1に示す。
得られた混合物を常法に従って分離し、得られた留分をガスクロマトグラフィー(GC)にて分析すると目的物であるCFCHFCHFCFの純度は99.992%であった。
Figure 2022088224000001
実施例10~13:気相反応
反応管であるSUS配管(外径:1/2インチ)に、触媒としてアルミナに対してパラジウムを担持させたPd/Al触媒(比表面積350m/g、触媒質量に対して0.05質量%のパラジウムを含む)を5.0g加えた。窒素雰囲気下、200℃で2時間乾燥した後、圧力を常圧、CFClCFClCFCFとCFCFClCFClCFとの組成物(原料組成物;CFClCFClCFCF60モル%+CFCFClCFClCF40モル%)とPd/C触媒との接触時間(W/F)が8g・sec/ccとなるように、上記原料組成物を流通させ、上記原料組成物と還元剤である水素ガスとのモル比(還元剤/原料組成物のモル比)が3となるように還元剤である水素ガスを流通させた。
反応は、気相連続流通式で進行させた。
反応管を150~300℃で加熱して反応を開始した。
反応開始1時間後に除害塔を通った留出分を集めた。
その後、ガスクロマトグラフィー((株)島津製作所製、商品名「GC-2014」)を用いてガスクロマトグラフィー/質量分析法(GC/MS)により質量分析を行い、NMR(日本電子(株)製、商品名「400YH」)を用いてNMRスペクトルによる構造解析を行った。質量分析及び構造解析の結果から、目的化合物としてCFCHFCHFCFが生成したことが確認された。結果を表2に示す。
Figure 2022088224000002
実施例14~16
反応系としてガラス製反応器(100cc)を用いた。
ガラス製反応器に、反応溶液として過硫酸アンモニウム及びギ酸アンモニウムを加え、さらにCFClCFClCFCFとCFCFClCFClCFとの組成物(原料組成物;CFClCFClCFCF40モル%+CFCFClCFClCF60モル%)を加え、蓋をして密閉系にした後、窒素を送り込みで圧入した。この際、過硫酸アンモニウムの使用量は、原料組成物1モルに対して0.3モルとなるように調整し、ギ酸アンモニウムの使用量は、原料組成物1モルに対して2.5モルとなるように調整した。その後、20~40℃に保持しながら撹拌し、反応を進行させた。反応を開始してから、適宜サンプリングを行い、反応系内で組成に変化がなくなった時を反応終了とした。
撹拌停止後、0℃まで冷却し、ガスクロマトグラフィー((株)島津製作所製、商品名「GC-2014」)を用いてガスクロマトグラフィー/質量分析法(GC/MS)により質量分析を行い、NMR(日本電子(株)製、商品名「400YH」)を用いてNMRスペクトルによる構造解析を行った。質量分析及び構造解析の結果から、目的化合物としてCFCHFCHFCFが生成したことが確認された。結果を表3に示す。
Figure 2022088224000003

Claims (6)

  1. 炭素数が4以上であり、且つ、2位及び3位の炭素原子の双方が、それぞれ1つの水素原子及び1つのフッ素原子と結合しているフルオロアルカン化合物(A)の製造方法であって、
    炭素数が4以上であり、且つ、1位及び2位の炭素原子の双方が、それぞれ1つの塩素原子、臭素原子若しくはヨウ素原子並びに1つのフッ素原子と結合しているハロゲン化アルカン化合物(b)に対して、還元剤の存在下で還元反応を施す還元工程
    を備える、製造方法。
  2. 前記フルオロアルカン化合物(A)が、少なくとも片末端に、一般式(1A):
    CFCHFCHF- (1A)
    で表される基を有し、且つ、
    前記ハロゲン化アルカン化合物(b)が、少なくとも片末端に、一般式(2A):
    CFCFXCF- (2A)
    [式中、X及びXは同一又は異なって、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示す。]
    で表される基を有する、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記フルオロアルカン化合物(A)が、一般式(1):
    CFCHFCHF(CFCF (1)
    [式中、nは0以上の整数を示す。]
    で表される化合物であり、且つ、
    前記ハロゲン化アルカン化合物(b)が、一般式(2):
    CFCFXCF(CFCF (2)
    [式中、X及びXは前記に同じである。nは0以上の整数を示す。]
    で表される基を有する化合物である、請求項2に記載の製造方法。
  4. 炭素数が4以上であり、且つ、2位及び3位の炭素原子が三重結合により結合しているアルキン化合物の製造方法であって、
    請求項1~3のいずれか1項に記載の製造方法により前記フルオロアルカン化合物(A))を製造した後、前記フルオロアルカン化合物(A)に対して、脱フッ化水素反応を少なくとも1回施す工程
    を備える、製造方法。
  5. 炭素数が4以上であり、且つ、2位及び3位の炭素原子の双方が、それぞれ1つの水素原子及び1つのフッ素原子と結合しているフルオロアルカン化合物(A)と、
    炭素数が4以上であり、且つ、1位及び2位の炭素原子の双方が、それぞれ1つの水素原子及び1つのフッ素原子と結合しているフルオロアルカン化合物(B)とを含有し、
    前記フルオロアルカン化合物(A)と前記フルオロアルカン化合物(B)との含有量比(フルオロアルカン化合物(A)/フルオロアルカン化合物(B))がモル比で3以上である、組成物。
  6. 有機合成用中間体、エッチングガス、クリーニングガス又はデポジットガスとして用いられる、請求項5に記載の組成物。
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