JP2022057857A - 記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 記録ヘッド内部の圧力上昇を抑制する。【解決手段】 液体を吐出する記録ヘッドを搭載し、走査方向に沿って第1方向と、第1方向と反対の第2方向、とに往復移動するキャリッジと、記録ヘッドへ供給される液体を収容するタンクと、タンクから記録ヘッドへ液体を供給するための流路と、を備え、流路は、タンクと接続されキャリッジの移動に追従しない固定流路と、固定流路から分岐して第1方向の向きに記録ヘッドと接続されキャリッジの移動に追従する第1流路と、固定流路から分岐して第2方向の向きに記録ヘッドと接続されキャリッジの移動に追従する第2流路と、を含み、第1流路または第2流路に設けられ、タンクから記録ヘッドへ向かう液体の流れを制限し、記録ヘッドからタンクへ向かう液体の流れを制限しない弁を備える。【選択図】 図7

Description

本発明は、画像を記録する記録装置に関する。
従来、記録ヘッドを搭載したキャリッジが往復移動しながらインクを吐出することで記録が行われる記録装置においては、キャリッジが方向転換する際に生じる慣性力によってキャリッジに連結されているインクチューブ内のインクが移動する。特許文献1には、移動したインクが記録ヘッド内に流入し記録ヘッド内部の圧力が上昇することを抑えるため、記録ヘッドの移動方向の両側に2本のチューブをループ状に連結する構成が開示されている。これにより、慣性力によるチューブ内のインクの移動を記録ヘッドと逆側のチューブ方向に分散させることで記録ヘッド内の圧力上昇を緩和することができる。
特開2010-247401号公報
しかしながら、特許文献1の構成では、高速印刷に対応するためにキャリッジを高速で往復移動させた場合に、記録ヘッドの圧力上昇が吐出口におけるメニスカス耐圧を超えてインクが漏れる虞がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、記録ヘッド内部の圧力上昇を抑制することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る記録装置は、液体を吐出する記録ヘッドを搭載し、走査方向に沿って第1方向と、前記第1方向と反対の第2方向、とに往復移動するキャリッジと、前記記録ヘッドへ供給される液体を収容するタンクと、前記タンクから記録ヘッドへ液体を供給するための流路と、を備え、前記流路は、前記タンクと接続され前記キャリッジの移動に追従しない固定流路と、前記固定流路から分岐して前記第1方向の向きに前記記録ヘッドと接続され前記キャリッジの移動に追従する第1流路と、前記固定流路から分岐して前記第2方向の向きに前記記録ヘッドと接続され前記キャリッジの移動に追従する第2流路と、を含む記録装置であって、前記第1流路または前記第2流路に設けられ、前記タンクから前記記録ヘッドへ向かう液体の流れを制限し、前記記録ヘッドから前記タンクへ向かう液体の流れを制限しない弁を備えることを特徴とする。
本発明によれば、記録ヘッド内部の圧力上昇を抑制することができる記録装置を提供することができる。
第1実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成を示す図である。 第1実施形態に係る正面視におけるキャリッジ周辺の構成を示す模式図である。 第1実施形態に係る一色分のインクの流路を示す概念模式図である。 第1実施形態に係るインクジェット記録装置の内部構成を示すブロック図である。 固定部ジョイントの内部とキャリッジジョイントの内部が単純に分岐されたインク流路の例を模式的に説明する図である。 図5に示すインク流路を備える記録装置の記録ヘッド内部における圧力変動を示すグラフである。 インク流路における調整弁の配置を説明する模式図である。 調整弁を配置したインク流路の例を説明する模式図である。 調整弁を配置したインク流路を備える記録装置の記録ヘッド内部における圧力変動を示すグラフである。 調整弁の周辺構成を説明する図である。 調整弁の詳細構成を説明する図である。 調整弁を配置したインク流路を備える記録装置の記録ヘッド内部における圧力変動を示すグラフである。 調整弁の配置に関するその他の例を示す図である。 調整弁の配置の比較例を示す模式図である。 調整弁の好適な配置を説明するための模式図である。 インク排出動作のときのインク流路を示す模式図である。 インク排出動作のときのインク流路を示す模式図である。 インク排出動作の制御を示すフローチャートである。 第2実施形態に係るキャリッジジョイントの構成を示す上面斜視図である。 第2実施形態に係る調整弁が設けられたキャリッジジョイント内の流路の断面図である。 第2実施形態に係るキャリッジジョイントの詳細構成を説明する図である。 第2実施形態に係る調整弁の詳細構成を説明する模式図である。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。但し、以下の実施形態は本発明を限定するものではなく、また、本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。また、実施形態に記載されている構成要素の相対配置、形状等はあくまで例示であり、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
<装置概要>
まず、本発明に係る記録装置が適用されるインクジェット記録装置(以下、記録装置)100の概略構成について、図面を参照しながら説明する。図1(a)は記録装置100の概略構成を示す斜視図、図1(b)はその上面図である。図1において、矢印Xは、記録装置100の正面視における前後方向(奥行方向)を示し、“F”は前側、“B”は後ろ側に相当する。矢印Yは、記録装置100の正面視における左右方向(幅方向)を示し、“L”は左側、“R”は右側に相当する。矢印Zは、記録装置100の上下方向を示す。
記録装置100は、インクを吐出する吐出口を備える記録ヘッド2と、記録ヘッド2を搭載して往復移動するキャリッジ3と、を含む記録部を備える。キャリッジ3はY方向に沿って往復移動する。キャリッジ3の移動範囲における一端には、駆動プーリ19が接続された第一のキャリッジモータ104が配置され、他端には駆動プーリ19が接続された第二のキャリッジモータ107が配置されている。
2つのキャリッジモータの間には、タイミングベルト7が懸架されて配置されており、タイミングベルト7の一部に、キャリッジ3が取り付けられている。これらの走査手段によってキャリッジ3は走査される。このように、2つのキャリッジモータでキャリッジ3を駆動させることで、1つのキャリッジモータで駆動させる場合よりも出力を大きくすることができ、重量が大きいキャリッジ3でも高速で走査させることが可能になる。
また、キャリッジ3の位置を検出する位置検出機構として、キャリッジ3の走査方向(Y方向)に延設されたリニアスケール13と、キャリッジ3に搭載されてリニアスケール13を読み取るエンコーダセンサ14と、を備える。この位置検出機構を用いて、キャリッジ3の位置制御と速度制御が行われる。
キャリッジ3は、第1ガイドレール11及び第2ガイドレール12によって案内されつつ支持されている。第1ガイドレール11及び第2ガイドレール12は、X方向において互いに離れて配置されて、本体フレーム10に支持されている。キャリッジ3は、第1ガイドレール11及び第2ガイドレール12の延びる方向(Y方向)に沿って往復移動する。以降で、図1におけるL側に向かってキャリッジが走査する方向を“往方向”として記述し、反対にR側に向かって走査する方向を“復方向”として記述する。
記録装置100には、記録媒体としてのロール状のシート1が装置前方の給紙部に設置される。装置内に給送されたシート1は、回転駆動する搬送ローラ4と、搬送ローラ4に従動して回転するピンチローラ9と、によって挟持された状態で記録部(記録ヘッド2)と対向する位置へ搬送される。
記録部(記録ヘッド2)と対向する位置にはプラテン6が配置されており、記録媒体はプラテン6によって背面が支持された状態で、データに基づいて記録ヘッド2により画像が記録される。記録ヘッド2は、キャリッジ3とともに走査方向(Y方向)に移動しながらインク滴を吐出して、シート1に対して所定長さ(1バンド分)の画像を記録する(記録動作)。1バンド分の画像が記録されると、記録媒体は搬送手段により所定量だけ搬送される(間欠搬送動作)。この1バンド分の記録動作と間欠搬送動作を繰り返すシリアル記録方式によって、画像データに基づいて記録媒体の全体に画像が記録される。
また、本実施形態における記録ヘッドは、インク吐出のために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば発熱抵抗素子)を備え、その熱エネルギーによりインクの状態変化(膜沸騰)を生起させる方式を用いる。これにより、画像記録の高密度化、高精細化を達成している。なお、本発明は、このような熱エネルギーによる方式に限らず、圧電素子を備える構成で振動エネルギーを利用する方式であってもよい。
図2は、正面視におけるキャリッジ3周辺の構成を示す模式図である。図1に示すように、記録ヘッド2へ供給されるインクを色毎に収容した複数のインクタンク5は、記録装置100の背面側に装着されている。インクタンク5から記録ヘッド2へのインクの供給は、インクの色毎に設けられた可撓性のインクチューブによって行われる。図2に示す可動チューブ73R及び可動チューブ73Lは、複数のインクチューブが束になったものであり、キャリッジ3の移動に追従して移動可能に構成されている。以下で、可動チューブ73R、73Lをまとめて可動チューブ73とも称する。
可動チューブ73Rは、一端がキャリッジ3に接続され、他端は記録装置100に固定された固定部ジョイント21に接続されて、Y方向においてR側がU字状に湾曲するように配置される。可動チューブ73Lは、一端がキャリッジ3に接続され、他端は記録装置100に固定された固定部ジョイント21に接続されて、Y方向においてL側がU字状に湾曲するように配置される。本実施形態では、可動チューブ73R、73Lは束数、長さ、および材質等を含めて同一のもので、湾曲方向のみ異なる。
キャリッジ3の往復移動に伴う可動チューブ73R、73Lの変形を案内するため、記録装置100は、チューブ保持部材78R及びチューブ保持部材78Lを備える。本実施形態のチューブ保持部材78R、78Lは、複数のリンク部材を連結したチェーンリンク(ケーブルキャリア)である。リンク部材はチューブが挿通可能なリング状の部材であり、隣接するリンク部材はX方向の軸回りに互いに回動自在に連結されている。
チューブ保持部材78R、78LはY方向にU字状に湾曲しており、キャリッジ3の往復移動に追従するように湾曲部位を変えながら変形する。本実施形態では、チューブ保持部材78R、78Lはリンク部材の連結個数を含めてそれぞれ同一のもので、チューブ保持部材78Rには可動チューブ73Rが挿通され、チューブ保持部材78Lには可動チューブ73Lが挿通されている。
次にインク流路の構成について説明する。図3は、一色分のインクの流路を示す概念模式図である。ユーザが記録装置100に対して着脱可能なインクタンク5の下方には、記録装置100に対して固定されたリザーブタンク45が配置されている。また、インクタンク5とリザーブタンク45の間には、インクタンク5からリザーブタンク45へインクを供給するインク供給路46と、リザーブタンク45からインクタンク5へ空気を導入する空気導入路47と、が備えられている。さらに、リザーブタンク45は大気と連通する大気連通部48を備え、大気に開放されている。
ユーザによってインクタンク5が記録装置100に装着されると、インクタンク5とリザーブタンク45がインク供給路46と空気導入路47を介して接続される。インクタンク5のインクは、水頭差によりインク供給路46を通じてリザーブタンク45へ供給され、供給されたインクと同量の空気が大気連通部48から空気導入路47を通じてインクタンク5へ空気が導入される。すなわち、インクタンク5内のインクと、リザーブタンク45内の空気と、の気液交換によってリザーブタンク45へインクが供給される。
リザーブタンク45へのインクの供給に伴い、リザーブタンク45内のインク液面が上昇すると、空気導入路47の開口部47aが封止される。これにより、リザーブタンク45からインクタンク5への空気の移動が停止するため、インクタンク5からリザーブタンク45へのインクの供給も停止する。記録ヘッド2空のインクの吐出によりリザーブタンク45内のインクが消費されてインク液面が下がると、空気導入路47を通じて空気がインクタンク5へ導入されると共に、インクタンク5からリザーブタンク45へインクが自動的に供給される。このようなインクの供給方式のため、インクタンク5内のインクが無くなるまでは、リザーブタンク45内のインクの液面は開口部47aと略同じ高さに位置する。
リザーブタンク45は、記録装置100に固定された固定流路としての固定チューブ30と連結されており、リザーブタンク45と固定チューブ30の間にはチョーク弁50が配置されている。固定チューブ30は記録装置100に固定されているため、キャリッジ3の移動には追従しない。チョーク弁50はチョーク弁モータ49によって駆動されることで、リザーブタンク45と記録ヘッド2の間の流路を閉塞または開放する。
固定チューブ30の他端は固定部ジョイント21に連結されており、固定部ジョイント21内部で流路が分岐して、可動チューブ73R、73Lに連結される。可動チューブ73R、73Lの他端は、キャリッジ3に設けられたキャリッジジョイント22にそれぞれ連結されている。キャリッジジョイント22の内部で可動チューブ73R、73Lにより形成されたインク流路が合流し、キャリッジ3に設けられたキャリッジチューブ33を通って記録ヘッド2へとインクが供給される。
このように、本実施形態では、インクタンク5から記録ヘッド2へのインク供給は、可動チューブ73Rと可動チューブ73Lを介して2方向から行われる。また、可動チューブ73R、73Lは、キャリッジ3の移動方向(Y方向)において異なる方向からキャリッジジョイント22及び記録ヘッド2と接続される。すなわち、可動チューブ73R、73Lによって、Y方向とZ方向(重力方向)によって規定されるYZ平面に広がるループ状のインク流路がインクの色毎に形成されている。
記録ヘッド2は、底面に複数の吐出口が配列された吐出口面34と、吐出口へ供給されるインクに含まれる異物を除去するためのフィルタ35を有する。吐出口面34には、ヒータやピエゾ素子などのインクジェット方式のエネルギー発生素子が配置されており、インクジェット方式で吐出口からインク滴が吐出される。また、吐出口面34は、大気と連通している空気導入路47の開口部47aよりも高い位置に配置される。本実施形態では吐出口面34と開口部47a(リザーブタンク45内のインク液面)との高低差(水頭差H)は約80mmに設定されている。
水頭差Hによって、記録ヘッド2がインクで満たされると記録ヘッド2内には約-0.8kPaの負圧がかかる。さらに、吐出口面34の微細な吐出口の各々にインクによるメニスカスが形成されるため、吐出口面34から記録ヘッド2の内部へ空気が逆流しないように保たれる。記録動作によって吐出口からインクが吐出されて記録ヘッド2内のインクが消費されると、消費されたインクと同量のインクがリザーブタンク45から吐出口へと供給される。このようなインク供給方法を水頭差供給方式と呼ぶ。
次に、記録ヘッド2の吐出性能を維持するために回復動作を行う回復ユニット32の構成について説明する。回復ユニット32は、Y方向においてR側に配置されている。回復ユニット32には、記録ヘッド2の吐出口面34を密閉するためのキャップ31と、キャップ31と接続されてキャップ31内に負圧を発生させる吸引ポンプ36と、が設けられている。キャップ31と吸引ポンプ36とによって、記録ヘッド2からインクを吸引する吸引手段を構成する。本実施形態の吸引ポンプ36はチューブポンプであり、吸引ポンプモータ51を駆動させることで吸引ポンプ36が回転する。
回復ユニット32は、キャップ31により吐出口面34をキャッピングした状態で吸引ポンプモータ51を駆動することでキャップ31内に負圧を発生し吐出口から強制的にインクを吸引する。この吸引によって、吐出口近傍で固着したインクなどを吸い出して、吐出状態を良好にすることが可能である。吸引ポンプ36によって吸引されたインクは、不図示の廃インク容器に排出される。
図4は、記録装置100の内部構成を示すブロック図である。制御部102は、ホスト装置200から画像データとその記録指示を受信して記録動作を実行する。制御部102は、処理部、記憶部、インタフェース部を備え、記録装置100の全体を制御する。処理部はCPUに代表されるプロセッサであり、記憶部に記憶されたプログラムを実行する。記憶部はRAMやROM等の記憶デバイスであり、プログラムやデータを記憶する。
制御部102はセンサ群SRの検知結果に基づいて搬送ローラ4を駆動する搬送モータ60、第一のキャリッジモータ104、第二のキャリッジモータ107、記録ヘッド2、吸引ポンプモータ51、チョーク弁モータ49等を制御する。センサ群SRには、エンコーダセンサ14が含まれる。
以上のような構成において、記録動作の際に発生する記録ヘッド2内の圧力変動について説明する。キャリッジ3が往復移動すると、キャリッジジョイント22を介して連結されている可動チューブ73も追従して移動する。これにより、キャリッジ3が方向転換すると、可動チューブ73を含むインク流路内のインクに慣性力が働く。
ここで、図5を用いて、固定部ジョイント21の内部とキャリッジジョイント22の内部が単純に分岐されたインク流路の例を模式的に説明する。図5(a)~図5(d)は、キャリッジ3の移動の様子を順に示す。
図5(a)では、キャリッジ3がL側の端部において往方向から復方向へ反転するために減速する様子を示し、図5(b)は反転後にR側へ向かって移動するために加速する様子を示す。図5(a)及び図5(b)に示すように、キャリッジ3がL側端部で反転するために減速及び加速する際、可動チューブ73R内のインクは慣性力によって可動チューブ73Lと記録ヘッド2へ分散して移動する。一方、可動チューブ73L内のインクは、記録ヘッド2から離れる方向に慣性力が働くことによって、記録ヘッド2内にインクを引き戻そうとする力が働く。その結果、記録ヘッド2内のインクが可動チューブ73L内に移動するインク量よりも、可動チューブ73R内のインクが記録ヘッド2に入る量の方が多くなり、記録ヘッド2内の圧力は上昇する。
図5(c)では、キャリッジ3がR側の端部において復方向から往方向へ反転するために減速する様子を示し、図5(d)は反転後にL側へ向かって移動するために加速する様子を示す。L側端部での加減速により上昇した記録ヘッド2内の圧力は、キャリッジ3がL側からR側へ復方向に等速移動している間に水頭差に戻るために下がっていく。しかしながら、図5(c)や図5(d)に示すように、キャリッジ3がR側端部で反転するために減速及び加速する際も、慣性力によってインクの移動が発生し、これにより記録ヘッド2内の圧力は再び上昇する。
すなわち、可動チューブ73L内のインクは慣性力によって可動チューブ73Rと記録ヘッド2へ分散して移動する。一方、可動チューブ73R内のインクは、記録ヘッド2から離れる方向に慣性力が働くことによって、記録ヘッド2内にインクを引き戻そうとする力が働く。その結果、記録ヘッド2内のインクが可動チューブ73R内に移動するインク量よりも、可動チューブ73L内のインクが記録ヘッド2へ入る量の方が多くなり、記録ヘッド2内の圧力は上昇する。
記録動作のためにキャリッジ3が図5(a)~図5(d)の移動を繰り返した場合、図6に示すように、印刷中の記録ヘッド2の吐出口面34にかかる圧力は通常の水頭差(-0.8kPa)より高い圧力で推移する。キャリッジ3の移動速度が遅い場合はインクに働く慣性力も小さいため、圧力の上昇値も小さいが、高速印刷のためにキャリッジ3の移動速度を速くした場合、インクに働く慣性力も大きくなり、記録ヘッド2内の圧力は上昇しやすくなる。
例えば、キャリッジ3が40ipsの移動速度で走査した場合、吐出口面34の圧力変動は0kPa前後で推移している。通常、吐出口面34は撥水性に加工してあり、吐出口におけるメニスカス耐圧によって記録ヘッド2内の圧力がある程度変動しても吐出口からインクが漏れることを防いでいる。そのため、圧力変動によって一時的に0kPaを超えても、その後負圧に戻ることで吐出口からインクが漏れることは防止される。
ところが、キャリッジ3が70ipsの移動速度で走査した場合、慣性力によって記録ヘッド2内の圧力が上昇することで、吐出口面34の圧力変動は正圧状態で推移する。したがって、正圧状態が続くことで吐出口面34においてインクのメニスカスが耐えきれなくなり、吐出口からインクが押し出されてインク漏れが発生する場合がある。
そこで本実施形態では、図7に示すように、固定部ジョイント21と可動チューブ73Lの連結部分に、記録ヘッド2へ向かうインクの流れを制限しつつ、その逆の流れを制限しない調整弁24を配置している。すなわち、調整弁24は固定部ジョイント21の近傍に配置されている。調整弁24は、記録ヘッド2へ向かうインクの流れを止めるために流路を閉塞可能な逆止弁23と、逆止弁23の上流と下流を接続する分岐流路28と、によって構成される。分岐流路28は、逆止弁23が配置される流路と比較して流路径が小さく構成されており、圧力損失によってインク流量を減少させる働きがある。
図8を用いて、調整弁24を配置したインク流路の例を説明する。図8(a)~(d)に示すキャリッジ3の様子は、図5(a)~図5(d)で示したキャリッジ3の移動の様子と対応する。図9は、調整弁24を配置したインク流路での、キャリッジ3の移動による吐出口面34における圧力変化を示すグラフである。
図8(a)及び図8(b)に示すように、キャリッジ3がL側端部で反転するために減速及び加速する場合には、記録ヘッド2内のインクが可動チューブ73Lへ出ていく方向に移動する。そのため、逆止弁23によってインクの流れが止まることはない。また、可動チューブ73R内のインクが慣性力によって可動チューブ73Lと記録ヘッド2へ分散して移動し、図9(a)に示す矢印のように、記録ヘッド2内の圧力は上昇する。
一方、図8(c)及び図8(d)に示すように、キャリッジ3がR側端部で反転するために減速及び加速する場合には、可動チューブ73L内のインクが記録ヘッド2へ入り込む方向に移動しようとする。その際、逆止弁23によって流路が塞がれるため、分岐流路28のみを通ってインクが移動するが、分岐流路28は内部の圧力損失が大きいためインク流量が減少する。これにより、可動チューブ73L内の慣性力によって記録ヘッド2に入るインク量が減る。すなわち、可動チューブ73R内の慣性力によって記録ヘッド2から可動チューブ73Rに戻るインク量が、可動チューブ73L内の慣性力によって記録ヘッド2に入るインク量より多くなるため、記録ヘッド2内の圧力を下げることができる(図9(b)参照)。
分岐流路28の径は、記録装置100の最大キャリッジ速度、可動チューブ73の径、或いはキャリッジ3の移動範囲の大きさに応じて適宜調整することが望ましい。記録ヘッド2内の圧力を大幅に下げたい場合は、分岐流路28を設けずに逆止弁23のみを設けることで、可動チューブ73Lから記録ヘッド2へ流れるインクを遮断する構成を採用してもよい。
本実施形態における調整弁24の構成および動作について、図10及び図11を用いて説明する。図10(a)は固定部ジョイント21の断面を示した図であり、図10(b)は固定部ジョイント21の背面斜視図である。図11(a)及び図11(b)は、調整弁24の部分を拡大した断面模式図である。
調整弁24の内部は、弁受け部37を持つ固定部ジョイント21の一部と、溶着フィルム27と、によってインク流路(液体流路)が構成されており、弁受け部37と対向する位置には円形の弁シート26が配置されている。弁シート26は、弁受け部37から大きく離れないよう弁カバー25によって付勢されている。インクの流れに応じて、弁シート26が弁受け部37に密着または離間を行い、密着時はインクを通さないことで弁部材としての逆止弁23を構成している。
また、調整弁24には、弁シート26の離間時にインクが通る流路穴22dより径が小さい分岐流路28が構成されており、弁シート26が弁受け部37に密着した状態でも分岐流路28を介してインクが流通可能である。ただし分岐流路28の径が小さいためにインクが通る際に圧力損失が発生し、流路穴22dからインクが通る場合と比べて流量は大幅に減少する。
図11(a)は、記録ヘッド2側から可動チューブ73Lを介してインクが流れる様子を示す。記録ヘッド2側から可動チューブ73Lを介してインクが流れてくる場合は、弁シート26が弁受け部37から離間して、形成された隙間をインクが流れる。
図11(b)は、可動チューブ73Lから記録ヘッド2へ向かう方向にインクが流れる様子を示す。記録ヘッド2へ向かう方向にインクが流れようとすると、そのインクの流れによって弁シート26は弁受け部37に引き寄せられて密着する。これにより、インクは弁シート26と弁受け部37の隙間を通る代わりに、分岐流路28を通るようになる。以上の構成により、記録ヘッド2へ向かうインクの流量が少なくなるように流量制御を行うことができる。
前述した通り、分岐流路28の径は記録装置100の最大キャリッジ速度、可動チューブ73の径或いはキャリッジ3の移動範囲の大きさに応じて決められ、本実施形態においては流路穴22dの径はφ3、分岐流路28の径はφ0.5である。
図12は、調整弁24を配置した場合の記録動作中の記録ヘッド2の圧力変動を示す。図12に示すように、インク流路の途中に調整弁24を設けることで、キャリッジ3が70ipsの移動速度で走査しても記録ヘッド2内の吐出口面34の圧力変動を0kPa前後まで下げることができる。これにより、キャリッジ3が高速化しても記録ヘッド2(吐出口)のメニスカス耐圧によって吐出口からのインク漏れを抑えることができる。
なお、本実施形態においては調整弁24を固定部ジョイント21内の可動チューブ73L側に配置したが、これに限らず、記録ヘッド2に入り込むインクの流れを制限させる方向に調整弁が働く配置であればインクに加わる圧力変動を抑えることができる。図13は、調整弁24の配置のその他の例を示す。
図13(a)は固定部ジョイント21内の可動チューブ73R側に配置した例を示す。また、図13(b)はキャリッジジョイント22内の可動チューブ73L側に配置した例を示し、図13(c)はキャリッジジョイント22内の可動チューブ73R側に配置した例を示す。いずれの例も、片方向から記録ヘッド2へ向かうインクの流量を制限できるため、本実施形態と同様に記録ヘッド2の内部におけるインクの加わる圧力変動を抑えることができる。
<調整弁の配置>
次に図14、図15を用いて、調整弁24の好適な配置について説明する。図14(a)~図14(d)は、比較例として、固定部ジョイント21内の可動チューブ73R側の流路に調整弁24が配置された状態で流路内にインクを充填していく様子を示す。すなわち、ユーザが記録装置100を使う前に、流路や記録ヘッド2をインクで充填する初期充填動作について説明する。
インクタンク5から記録ヘッド2までのインク流路にインクを充填する際は、まず記録ヘッド2の吐出口面34をキャップ31で密閉した状態で、チョーク弁50を閉じて吸引ポンプ36で所定時間吸引する。その後、チョーク弁50を開放することで、チョーク弁50から吸引ポンプ36までのインク流路内にチャージされた負圧によって、インクを充填(吸引)する弁閉じ吸引動作を繰り返し実行する。
この弁閉じ吸引動作を行う際、調整弁24が配置されている可動チューブ73R側への充填は、図14(c)に示すように管径が小さい分岐流路28を介して行われるため、インク充填速度が低下してしまう。すなわち、分岐流路28の管径が小さいことによって流路抵抗が発生し、可動チューブ73L側の流路と可動チューブ73R側の流路との間で圧損差が生じる。これにより、図14(d)に示すように、可動チューブ73Rと比較して可動チューブ73R側の流路だけインクの充填が遅れる。
そのため本実施形態では、図13(c)で示したように、調整弁24をキャリッジジョイント22内の可動チューブ73R側の流路に配置する。図15(a)~図15(d)は、キャリッジジョイント22内の可動チューブ73R側の流路に調整弁24が配置された状態で流路内にインクを充填していく様子を示す。
図14で示した比較例と異なり、調整弁24が記録ヘッド2の近傍に配置されているため、可動チューブ73Lと可動チューブ73Rの間に圧損差が発生せず、キャリッジジョイント22近傍までの両チューブの流路にほぼ均等にインクが充填されていく。したがって、図14で示した比較例に対して流路全体の充填時間を短縮することができる。
また、図14に示した比較例では、調整弁24が配置されていない可動チューブ73L側で先に充填が完了し、調整弁24が配置される可動チューブ73R側の流路では充填が完了していない状態が発生する。このとき、吸引ポンプ36による吸引によって、充填の終わった可動チューブ73L側の流路からインクが余分に吸引されて排出されることがある。これに対して、調整弁24をキャリッジジョイント22の可動チューブ73R側に設けることで、このようなインクの排出を低減することもできる。
以上では、キャリッジジョイント22内の可動チューブ73R側に調整弁24を設ける構成を説明したが、可動チューブ73L側に調整弁24を設ける図13(b)で示した構成でも、同様に初期充填動作に要する時間を短縮することができる。
<インク排出動作>
続いて、図16~図18を用いて、インクが充填された記録装置100のインク流路からインクを排出する排出動作を説明する。図16及び図17においては、キャリッジジョイント22内の可動チューブ73R側に調整弁24を設けた構成を前提に説明する。なお、インクの排出動作は、使用している記録装置100を別の場所へ輸送(いわゆる二次輸送)する前に、充填されたインクが機外へ漏れるのを防ぐために行われる。図18は、インク排出動作の制御を示すフローチャートである。
図16(a)は、インク流路内のインク排出動作の開始時における状態を示す模式図である。インク排出動作は、記録ヘッド2の吐出口面34をキャップ31で密閉した状態で吸引ポンプ36を駆動させることで、吐出口からインクを吸引排出することにより行われる。このとき、調整弁24が配置されている可動チューブ73R側の流路は、調整弁24が配置されていない可動チューブ73L側の流路よりも流路抵抗が大きいため、図16(a)に示すように可動チューブ73R側の流路内にインクの残存が生じる場合がある。
そこで、図16(b)に示すように、キャップ31が配置されたR側からL側へ向けてキャリッジ3を往方向に走査させ、調整弁24が配置されている可動チューブ73R内に残存したインクを慣性力で移動させる(S110)。このときのキャリッジ3の走査速度はVLとする。
その後、S120でキャリッジ3をL側端部で所定時間TL停止させると、図16(c)に示すように、可動チューブ73R内の大部分のインクは重力によって下方へ移動することで可動チューブ73L側に到達する。ここで、キャリッジ3がL側端部で停止する所定時間TLは、可動チューブ73Rのインクが可動チューブ73Lへ移動するのに要する時間に合わせて設定される。本実施形態では、キャリッジ3を停止させる所定時間TLは2分に設定する。キャリッジ3がL側端部で停止する位置を、退避位置とも称する。
次に、S130でキャップ31が配されたR側に向けてキャリッジ3を復方向に移動させて、図17(a)に示すように、記録ヘッド2がキャップ31と対向するキャップ位置で停止させる。このときのキャリッジ3の走査速度はVRとする。
S140で、キャップ31により記録ヘッド2の吐出口面34をキャッピングする。その後、S150で吸引ポンプ36を駆動して吐出口からインクを吸引することで、調整弁24が配置されていない可動チューブ73Lに移動したインクを排出する(図17(b)、(c))。
図18に示した一連のインク排出動作が終わっても、可動チューブ73Rのインクが残る場合は、この動作を所定回数繰り返す構成であってもよい。また、キャリッジ3をキャップ位置から退避位置まで移動させる走査速度VLに対して、退避位置からキャップ位置まで移動させる走査速度VRを速く設定することも可能である。これにより、可動チューブ73L内に移動したインクを吸引するまでの時間が短縮されるため、重力により可動チューブ73Rにインクが戻るのを抑制することができる。
また、インクタンク5と記録ヘッド2がループ状のチューブによって接続された系に調整弁24が配置された構成を例にインク排出動作のフローについて説明したが、調整弁24が配置されていないインク流路に対しても適用可能である。例えば、インク流路の途中に流路径が小さい流路が設けられる構成であっても、調整弁24を配置した場合と同様に圧力損失が発生してインクの流量が制限される。そのため、そのような構成に対しても、上述したインク排出動作を適用することで、インク流路の全体から効率的にインクを排出することができる。
以上のように、キャリッジ3に接続されたループ状のインク流路内において、圧力損失が発生する流路が設けられている構成において、キャリッジ3を往復移動させた後にインクの吸引動作を実行する。これにより、流路抵抗差のあるインク流路の残存インク量を低減させることが可能となる。
〔第2実施形態〕
第2実施形態では、第1実施形態とは異なる調整弁24の構造について図19~図22を用いて説明する。第2実施形態では、調整弁24がキャリッジジョイント22内に設けられている。図19は第2実施形態のキャリッジジョイント22の構成を示す上面斜視図である。接続部22aは可動チューブ73Rと接続され、接続部22bは可動チューブ73Lと接続され、接続部22cはキャリッジチューブ33と接続される。これらの接続部22は、インクの色毎に設けられている。また、キャリッジジョイント22内の各流路には調整弁24が構成されている。
次に、調整弁24の構成について図20及び図21を用いて説明する。図20は、調整弁24が設けられたキャリッジジョイント22内の流路の断面図である。図21(a)はキャリッジジョイント22の背面斜視図であり、図21(b)は調整弁24付近の拡大図である。
キャリッジジョイント22内のインク流路は、キャリッジジョイント22とキャリッジジョイント22に溶着された溶着フィルム27で形成され、インク流路の途中には調整弁24が設けられている。キャリッジジョイント22には、すり鉢状の弁受け部37が形成されており、弁受け部37と対向する位置に円形の弁シート26が配置されている。弁受け部37の中心には、インクが通る流路穴22dが形成されている。弁シート26の下には弁カバー25があり、弁シート26は弁カバー25のリブによって弁受け部37側に付勢されている。図21に示すように、第2実施形態の弁受け部37には、流路穴22dより狭い調整弁溝29が流路穴22dから外径方向に向かって形成されている。
図22は、図20における調整弁24の部分を拡大した断面模式図である。図22(a)は、可動チューブ73Rから記録ヘッド2へ向かう方向にインクが流れる様子を示す。
第1実施形態と同様、記録ヘッド2へ向かう方向にインクが流れようとすると、そのインクの流れによって弁シート26は弁受け部37に密着する。しかしながら、弁受け部37に設けられた調整弁溝29は弁シート26と密着しないため、調整弁溝29の部分はインクが流れる構成となっている。
調整弁溝29は、流路穴22よりも記録ヘッド側に設けられているため、インクは弁シート26の下方を通りながら記録ヘッド2へ向かう方向に流れる。この流れによって、弁シート26をさらに弁受け部37に密着させる方向に力が働く。調整弁溝29は他の流路に比べて径が小さいため、インクが通る際に圧力損失が発生して流量が制限される。したがって、第1実施形態における分岐流路28の代わりに調整弁溝29を設けることで、記録ヘッド2へ向かうインクの流量が少なくなるように流量制御を行うことができる。これにより、第1実施形態と同様に記録ヘッド2の内部における圧力上昇を抑制することができる。
図22(b)は、記録ヘッド2側から可動チューブ73Rへ向けてインクが流れる様子を示す。記録ヘッド2側から可動チューブ73Rを介してインクが流れてくる場合は、弁シート26が弁受け部37から離間して、形成された隙間をインクが流れる。
ここで、インクに溶存された気体が温度や気圧の変化により気泡となってインク流路に出現することがある。気泡は狭い流路ほど詰まりやすく、狭い流路に詰まるとインクが流れるときに抵抗となりインクの流れを阻害する。第2実施形態の場合、図22(a)に示すように、調整弁が閉じた状態において調整弁溝29に気泡Aが詰まることがある。しかしながら、図21(b)に示すようにインクが記録ヘッド2から可動チューブ73Rへ向けて流れるようになると、弁シート26が押し下げられてインク流路が拡大するため、詰まっていた気泡Aは流される。
このように、調整弁溝29のような溝を形成する構成にすることで、記録ヘッド2へ向けて流れるインクの流量を制限しつつ、調整弁24内に気泡が留まることを抑制することができる。そのため、記録ヘッド2内部の圧力上昇を抑制する信頼性の高いインク供給システムを提供することができる。
3 キャリッジ
5 インクタンク
24 調整弁
30 固定チューブ
73 可動チューブ
100 インクジェット記録装置(記録装置)

Claims (9)

  1. 液体を吐出する記録ヘッドを搭載し、走査方向に沿って第1方向と、前記第1方向と反対の第2方向、とに往復移動するキャリッジと、
    前記記録ヘッドへ供給される液体を収容するタンクと、
    前記タンクから記録ヘッドへ液体を供給するための流路と、を備え、
    前記流路は、前記タンクと接続され前記キャリッジの移動に追従しない固定流路と、前記固定流路から分岐して前記第1方向の向きに前記記録ヘッドと接続され前記キャリッジの移動に追従する第1流路と、前記固定流路から分岐して前記第2方向の向きに前記記録ヘッドと接続され前記キャリッジの移動に追従する第2流路と、を含む記録装置であって、
    前記第1流路または前記第2流路に設けられ、前記タンクから前記記録ヘッドへ向かう液体の流れを制限し、前記記録ヘッドから前記タンクへ向かう液体の流れを制限しない弁を備えることを特徴とする記録装置。
  2. 前記弁は、前記タンクから前記記録ヘッドへ向かう液体の流れを遮断することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記弁は、前記記録ヘッドの近傍に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
  4. 前記第1流路及び前記第2流路と、前記固定流路と、を接続するジョイントを備え、
    前記弁は前記ジョイントの近傍に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
  5. 前記弁は、液体が通る第1流路と、前記記録ヘッドへ向けて前記第1流路を流れる液体を止めるために前記第1流路を閉塞可能な弁部材と、前記第1流路を前記弁部材が閉塞した状態でも液体が流通可能であって前記第1流路より径が小さい第2流路と、を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の記録装置。
  6. 前記第2流路は、前記弁部材に設けられた溝であることを特徴とする請求項5に記載の記録装置。
  7. 前記溝は、液体が前記タンクから前記記録ヘッドへ向かって流れるときに、前記第1流路より前記記録ヘッド側に設けられることを特徴とする請求項6に記載の記録装置。
  8. 前記第1流路と前記第2流路は、前記走査方向と重力方向によって規定される平面に広がるループ状の流路を形成することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の記録装置。
  9. 前記タンクは、前記記録装置に着脱可能な第1タンクと、前記記録装置に固定され前記第1タンクから供給された液体を収容する第2タンクと、を含み、前記固定流路は前記第2タンクと接続されることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の記録装置。
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