JP2022026847A - インクジェット記録装置及びインクタンク - Google Patents

Abstract

【課題】 インクタンクへのインクの注入時間が短縮される。【解決手段】 インクを吐出する記録ヘッドへ供給されるインクを収容するインク収容室と、インク収容室へインクを注入するための注入口と、を有するインクタンクと、インクタンクの外部に向けて開口する第１上端部とインクタンクの内部に向けて開口する第１下端部とによって規定される第１流路と、インクタンクの外部に向けて開口する第２上端部とインクタンクの内部に向けて開口する第２下端部とによって規定される第２流路と、を有し、注入口からインク収容室へのインクの注入を補助するための注入補助部材と、を備え、第２流路は、第２上端部から第２下端部へと向かう途中に段差を形成し断面積が拡大する拡大部が設けられている。【選択図】 図４

Description

本発明は、インクを吐出して画像を記録するインクジェット記録装置及びインクタンクに関する。

特許文献１には、インクタンクの開口を介してタンク内部に挿通する複数の流路がインクの流路及び空気の流路となり、インク補給容器とインクタンクの間で気液交換を行いながらインクの補給が可能な構成が開示されている。これにより、ユーザはインク補給容器を圧搾することなくインクタンクにインクを補給することができる。

特開２０１８－１６１８８７号公報

しかしながら、特許文献１の構成では、インク補給容器からインクタンクへインクを注入する際に、複数の流路においてインクが流れる流路と空気が流れる流路の確定に時間がかかることがある。これに伴い、インクの注入速度が低下し、インクの注入に要する時間が長くなることがあった。

本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、インクタンクへのインクの注入時間が短縮されたインクジェット記録装置を提供することを目的とする。

上記課題を解決するため、本発明に係るインクジェット記録装置は、インクを吐出する記録ヘッドへ供給されるインクを収容するインク収容室と、前記インク収容室へインクを注入するための注入口と、を有するインクタンクと、前記インクタンクの外部に向けて開口する第１上端部と前記インクタンクの内部に向けて開口する第１下端部とによって規定される第１流路と、前記インクタンクの外部に向けて開口する第２上端部と前記インクタンクの内部に向けて開口する第２下端部とによって規定される第２流路と、を有し、前記注入口から前記インク収容室へのインクの注入を補助するための注入補助部材と、を備え、前記第２流路は、前記第２上端部から前記第２下端部へと向かう途中に段差を形成し断面積が拡大する拡大部が設けられていることを特徴とする。

本発明によれば、インクタンクへのインクの注入時間が短縮されたインクジェット記録装置を提供することができる。

第１実施形態に係るインクジェット記録装置の内部構成を示す斜視図である。 第１実施形態に係るインクタンクの概略斜視図である。 第１実施形態に係るニードルの断面模式図である。 第１実施形態に係るインク注入動作の様子を示す断面模式図である。 第１実施形態に係るニードルにおけるインクの流れを模式的に示した拡大断面図である。 ニードルの上端部に斜面を形成しない比較例を示す断面図である。 第１実施形態に係るニードルの上端部を説明する断面模式図である。 第２実施形態に係るニードルの模式的な断面図である。 第２実施形態に係るインク注入動作の様子を示す断面模式図である。 第３実施形態に係るニードルの模式的な断面図である。 第４実施形態に係るニードルの模式的な断面図である。

〔第１実施形態〕
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。但し、以下の実施形態は本発明を限定するものではなく、また、本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。また、実施形態に記載されている構成要素の相対配置、形状等はあくまで例示であり、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。

＜装置構成＞
図１は、本実施形態におけるインクジェット記録装置（以下、記録装置）１００の内部構成を示す斜視図である。記録装置１００は、筐体１と、記録媒体に記録動作を行う記録部５と、記録部５へ供給されるインクを収容するインク収容容器としてのインクタンク８と、を備える。本実施形態においてインクタンク８は、筐体１の前面に配され装置本体に固定されている。記録装置１００は、筐体１に対して開閉可能な不図示のカバーを備えており、図１においてはそのカバーを開けた状態を示す。なお、不図示のカバーは、原稿の読み取りが可能なスキャナユニットを含むものでもよい。

記録装置１００は、筐体１の前面に設けられた給紙カセット２、または筐体１の背面に設けられた給紙トレイ３に積載された記録媒体を１枚に分離し、不図示の給送手段により給送する。給送手段により給送された記録媒体は、搬送手段としての搬送ローラ４によって、記録部５と対向する記録位置に搬送されて、記録部５によりデータに基づいて記録が行われる。記録部５による記録が完了した記録媒体は、不図示の排出手段により給紙カセット２の上に設けられた排紙トレイ（排出部）１０１へ排出される。

なお、搬送手段により記録媒体が搬送される方向（図１に示すＹ方向）を搬送方向と称する。すなわち、搬送方向の上流側は筐体１の背面側と対応し、搬送方向の下流側は筐体１の前面側と対応する。

本実施形態における記録部５は、インクを吐出する吐出口を備える記録ヘッドを含む。記録部５は、搬送方向と交差する主走査方向（図１に示すＸ方向）に往復移動するキャリッジ６に搭載される。本実施形態において、搬送方向と主走査方向は直交する。記録部（記録ヘッド）５は、キャリッジ６とともに主走査方向に移動しながらインク滴を吐出して、記録媒体に対して所定長さ（１バンド分）の画像を記録する（記録動作）。１バンド分の画像が記録されると、記録媒体は搬送手段により所定量だけ搬送される（間欠搬送動作）。この１バンド分の記録動作と間欠搬送動作を繰り返すことによって、画像データに基づいて記録媒体の全体に画像が記録される。

また、本実施形態における記録ヘッドは、インク吐出のために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段（例えば発熱抵抗素子）を備え、その熱エネルギーによりインクの状態変化（膜沸騰）を生起させる方式を用いる。これにより、画像記録の高密度化、高精細化を達成している。なお、本発明は、このような熱エネルギーによる方式に限らず、圧電素子を備える構成で振動エネルギーを利用する方式であってもよい。

なお、本実施形態では記録部５の記録ヘッドがキャリッジ６に搭載されたシリアルヘッドの例を示すが、本発明はこれに限らず、記録媒体の幅に相当する領域に複数の吐出口が配列されたラインヘッドにも適用可能である。

インクタンク８は、記録部５の記録ヘッドにより吐出可能なインクの色毎に記録装置１００に対して設けられている。本実施形態では、ブラックインクを収容するブラック用インクタンク８Ｋ、シアンインクを収容するシアン用インクタンク８Ｃ、マゼンタインクを収容するマゼンタ用インクタンク８Ｍ、イエローインクを収容するイエロー用インクタンク８Ｙを備える。これら４つのインクタンクをまとめてインクタンク８と称する。なお、シアンインク、マゼンタインク及びイエローインクはあくまでカラーインクの一例であり、これに限られない。

図１に示すように、ブラック用インクタンク８Ｋは記録装置１００の前面から見て排紙トレイ１０１及び給紙カセット２の左側に配される。一方、シアン用インクタンク８Ｃとマゼンタ用インクタンク８Ｍとイエロー用インクタンク８Ｙは、記録装置１００の前面から見て排紙トレイ１０１及び給紙カセット２の右側に配される。すなわち、排紙トレイ１０１及び給紙カセット２は、ブラック用インクタンク８Ｋとカラー用インクタンクとの間に挟まれるように設けられている。各インクタンク８は、記録部５へインクを供給するための供給流路を構成する可撓性の供給チューブ７によって記録部５と接続される。

＜インクタンクの構成＞
図２は、インクタンク８の概略斜視図である。インクタンク８は、インクを収容するインク収容室９と、インク収容室９のインクを記録ヘッドへ供給するための供給チューブ７が接続されるインク供給口１０と、を備える。さらにインクタンク８は、インク収容室９内のインク消費に伴って大気をインク収容室９内へ導入するための大気導入口１１を備える。大気導入口１１は、インク収容室９内に設けられた連通口１２と接続されており、大気導入口１１と連通口１２の間には、空気を収容可能な空気収容室１３を備える（図２（ｂ）参照）。空気収容室１３は、インク収容室９から逆流したインクを貯留することも可能であり、この貯留機能によってインクタンク８の外部へのインクの漏れが抑制される。

図２（ａ）は、インクタンク８を第１側面側から見た斜視図であり、インク収容室９は第１側面側に開口するように設けられている。図２（ｂ）は、インクタンク８を第１側面と対向する第２側面側から見た斜視図であり、空気収容室１３は第２側面側に開口するように設けられている。インク収容室９の開口と空気収容室１３の開口は、それぞれ不図示の可撓性フィルムによって塞がれることで収容空間が形成される。

インクタンク８の上面には、インクを注入するための開口部である注入口１４が設けられており、注入口１４はタンクキャップ１５により封止可能となっている。タンクキャップ１５はゴム弾性を有する部材で構成される。ユーザは、タンクキャップ１５を注入口１４から取り外し、インク補給容器１７（図４参照）を注入口１４に挿入することで、インク補給容器１７からインクタンク８へインクを注入することができる。

＜ニードルの構成＞
インクタンク８にはさらに、注入口１４からのインクの注入を補助する注入補助部材としてのニードル１８が注入口１４の内部に取り付けられている。図３は、ニードル１８の断面模式図である。

ニードル１８は、第１流路２１ａと第２流路２１ｂによって構成され、インクタンク８の内部と外部を連通させる。第１流路２１ａは、注入口１４の上端より上方へ露出しインクタンク８の外部に向けて開口する第１上端部１９ａと、インクタンク８（インク収容室９）の内部に向けて開口する第１下端部２０ａと、によって規定される。また、第２流路２１ｂは、注入口１４から露出しインクタンク８の外部に向けて開口する第２上端部１９ｂと、インクタンク８（インク収容室９）の内部に向けて開口する第２下端部２０ｂと、によって規定される。

第１上端部１９ａと第２上端部１９ｂはいずれも、流路の延びる方向に対して斜めに開口しており、互いに接する中心部に向かって高い斜面となっている。また、第１上端部１９ａの開口面積は、第２上端部１９ｂの開口面積よりも大きい。第１流路２１ａは、第１上端部１９ａの開口面積、流路の途中の断面積、及び第１下端部２０ａの開口面積がすべて等しく構成されている。一方、第２流路２１ｂにおいては、流路の途中に拡大部２２が設けられ、拡大部２２と第２下端部２０ｂとの間の流路の断面積は、第２上端部１９ｂの開口面積よりも大きく構成されている。すなわち、第２流路２１ｂは、流路の途中に断面積が急拡大する段差を形成する拡大部２２を有する。

図４は、インクタンク８の注入口１４にインク補給容器１７が装着されたインク注入動作の様子を示す断面模式図である。また、図５は、インク注入動作が行われるときのニードル１８におけるインクの流れを模式的に示した拡大断面図である。

ニードル１８を形成する第１流路２１ａと第２流路２１ｂは、インク注入動作において一方がインクの流れる流路として機能し、他方が空気の流れる流路として機能する。インク補給容器１７は、不図示の封止部材によって開口が塞がれており、注入口１４に挿入されるまでは、開口を下に向けてもインクが垂れないように構成されている。

図４に示すようにインク補給容器１７を注入口１４に挿入すると、ニードル１８（第１上端部１９ａ及び第２上端部１９ｂ）によってインク補給容器１７の封止部材が開放される。これに伴い、インク補給容器１７に収容されていたインクが、第１流路２１ａと第２流路２１ｂを通ってインクタンク８へ流入しようとする。

このとき、図５に示すように、第２流路２１ｂには段差を形成する拡大部２２が設けられており、第２流路２１ｂを流れるインクは拡大部２２において渦Ｖが発生する。この渦Ｖの発生により圧力損失が発生し、第２流路２１ｂにおけるインクの流速が低下する。第１上端部１９ａから第１下端部２０ａまでの断面積が一定の第１流路２１ａでは、流路中に段差が形成されていないため、インクの流れが阻害されない。これにより、第１流路２１ａを流れるインクの流速は、第２流路２１ｂを流れるインクの流速よりも速くなり、インク補給容器１７に収容されているインクは第２流路２１ｂよりも第１流路２１ａに多く流れるようになる。

本実施形態のインク注入動作は、インクと空気の気液交換を利用して行われるものであり、インク補給容器１７からインクタンク８へインクが流入すると、流入したインクと同量の空気が、インクタンク８からインク補給容器１７へ流出する。上述したように、第１流路２１ａはインクタンク８へのインクの流入用流路として機能するようになるため、インクタンク８内の空気は、第２流路２１ｂを介してインク補給容器１７へ流出するようになる。これにより、第１流路２１ａはインクの流路として確定し、第２流路２１ｂは空気の流路として確定する。

仮に、第２流路２１ｂも第１流路２１ａと同じように断面積が一定の構成である場合、第１流路２１ａと第２流路２１ｂにおいてインクの流速（流れやすさ）に差が生じず、どちらの流路にも同量のインクが流れてしまう。これにより、インクの流路と空気の流路の確定までに時間を要する。また、第１流路２１ａと第２流路２１ｂの両方においてインクと空気が混在することで圧力の均衡が生じた場合は、インクの流入が途中で停止してしまい、インク注入動作が中断されることもある。

これに対して、本実施形態のように、２つの流路のうち一方の流路の断面積に段差を形成する拡大部を設けることで、他方の流路にインクが流れやすい構成となり、流路の確定が速やかに行われて、インクの注入動作に要する時間が短縮される。

また、本実施形態では、第１上端部１９ａの開口面積が第２上端部１９ｂの開口面積よりも大きいため、インク補給容器１７が装着されたときに第１流路２１ａを流れるインクの量が多くなりやすい。これにより、ニードル１８における流路の確定をより促進することができる。

さらに、気液交換を利用したインクの注入においては、インクタンク８からインク補給容器１７へ空気が流出した量が多いほど、インク補給容器１７からインクタンク８へインクが流入する構成となっている。そのため、空気が気泡となってニードル１８から離れやすい構成であるほど、インク補給容器１７への空気の流出が促進され、インクタンク８へのインクの流入もスムーズに行われる。

本実施形態では、第１上端部１９ａ及び第２上端部１９ｂは斜面を有する構成であり、この斜面によって空気がニードル１８から離れやすくなり、インク補給容器１７への空気の流出を促進している。詳細を図６及び図７を用いて説明する。なお、図６及び図７においては、第１上端部１９ａの高さを第２上端部１９ｂよりも高くなるように構成した、後述する第４実施形態を例に説明するが、第１実施形態の構成においても同様の現象が発生する。

図６は、第１上端部１９ａ及び第２上端部１９ｂに斜面を形成しない構成を示す比較例であり、図７は本実施形態のように、斜面を有する第１上端部１９ａ及び第２上端部１９ｂを示す模式図である。図６（ａ）～図６（ｄ）及び図７（ａ）～図７（ｄ）の流れに従って、第２流路２１ｂからインク補給容器１７へ空気が流出していく。インクが収容されているインク補給容器１７へ向けて第２上端部１９ｂから空気が流出するためには、図６及び図７に示すように、空気の気泡が形成されて第２上端部１９ｂから気泡が離れる必要がある。

このとき、図６に示す比較例のように斜面が形成されていない場合、図６（ｂ）から図６（ｃ）へ遷移する際に、第２上端部１９ｂの開口面全体から気泡が離れる必要があり、時間がかかってしまう。すなわち、気泡が第２上端部１９ｂに対して面接触しており、接触面積が大きいため気泡が離れにくい。

一方、図７に示す本実施形態のように斜面が形成されていると、図７（ｂ）から図７（ｃ）へ遷移する際に、第２上端部１９ｂの頂部１９ｂｂから気泡が離れるため、気泡が容易に形成される。すなわち、気泡が頂部１９ｂｂに対して線接触しており、図６の場合と比較して接触面積が小さいため気泡が離れやすい。したがって、インクタンク８からインク補給容器１７への空気の流出がスムーズに行われるため、インク補給容器１７からインクタンク８へのインクの流入速度も向上する。さらに、斜面は第１上端部１９ａと第２上端部１９ｂが互いに接する部分に向けて高く形成されており、これにより、気泡が第１上端部１９ａの側面と接触しながら上昇するため、さらに離れやすい構成となっている（図７（ｃ）参照）。

ここで、第１実施形態のように第１上端部１９ａと第２上端部１９ｂの高さの違いがない場合においても、上方へ向かって移動する気泡に対して第２上端部１９ｂが斜めに開口しているため、気泡の上方への移動を促進する。これにより、図６に示す比較例よりも第２上端部１９ｂの接触面積を抑制することができる。

上述したように、複数の流路を有する注入補助部材としてのニードル１８において、一方の流路には段差を形成し断面積を拡大する拡大部を設け、他方の流路には段差を形成しない。これにより、拡大部が設けられた一方の流路においてインクの流速が低下し、他方の流路におけるインクの流速が相対的に速まるため、段差を有さない他方の流路を介したインクタンク８へのインクの流入が促進される。気液交換によるインク注入動作においては、インクタンク８へ流入したインクと同量の空気がインク補給容器１７へ流出する必要があるため、段差を有する一方の流路には空気の流入が促進される。以上の流れにより、一方の流路に拡大部（段差）を形成しない場合と比較して、インクが流れる流路と空気が流れる流路の確定が速やかに行われるため、インクの注入時間を短縮することができる。

なお、本実施形態においてはインクタンク８が記録装置１００に固定され、供給チューブ７によって記録ヘッドへインクが供給される形態を示したが、これに限らず、インクタンクが記録ヘッドと共にキャリッジ６に搭載される形態にも適用可能である。すなわち、キャリッジ６に搭載されるインクタンクに注入口とニードルが設けられており、ユーザがインク補給容器からインクを注入する形態であってもよい。

〔第２実施形態〕
以下、図面を参照して本発明の第２実施形態について説明する。なお、本実施形態の基本的な構成は第１実施形態と同様であるため、以下では特徴的な構成についてのみ説明する。

図８は、第２実施形態におけるニードル１８の模式的な断面図である。第２実施形態では、第１流路２１ａの第１下端部２０ａが第２流路２１ｂの第２下端部２０ｂよりも下方へ突出するように、第１流路２１ａは第２流路２１ｂよりも長く形成されている。すなわち、ニードル１８が注入口１４に装着された状態において、第２下端部２０ｂは、第１下端部２０ａよりも重力方向において高い位置にある。

図９は、第２実施形態のニードル１８を用いたインク注入動作を説明する断面模式図である。図９においては、インクタンク８に注入されたインクの液面２３が、第１下端部２０ａに到達した様子を示す。第１流路２１ａが第２流路２１ｂよりも長いため、第１下端部２０ａとインクタンク８（インク収容室９）の底面との距離は、第２下端部２０ｂとインクタンク８（インク収容室９）の底面との距離より小さい。

インクの注入が進み、インクタンク８（インク収容室９）の液面２３が第１下端部２０ａに到達すると、第１下端部２０ａはインクによって塞がれる。そのため、第１下端部２０ａ（第１流路２１ａ）を介してインクタンク８の空気をインク補給容器１７へ流出させることは不可能になる。これにより、第１流路２１ａがインクの流路として機能することが確定し、に第２流路２１ｂが空気の流路として機能することが確定される。

このように、インクの流路として機能する第１流路２１ａの第１下端部２０ａとインクタンク８（インク収容室９）の底面との距離を小さくすることで、さらに流路の確定を促進することができ、インク注入動作に要する時間を短縮することができる。

〔第３実施形態〕
以下、図面を参照して本発明の第３実施形態について説明する。なお、本実施形態の基本的な構成は第１実施形態と同様であるため、以下では特徴的な構成についてのみ説明する。

図１０は、第３実施形態におけるニードル１８を示す模式的な断面図である。第３実施形態では、第１流路２１ａの断面積が第１下端部２０ａに向けて大きくなるようにテーパ形状を有している。なお、第１流路２１ａの内部には、第２流路２１ｂにおける拡大部２２のような段差や凹凸はなく、平滑な面で構成される。このように、第１上端部１９ａから第１下端部２０ａに向けて断面積が拡大する滑らかな流路形状にすることで、第１流路２１ａにおけるインクの流速をさらに向上させることができる。

〔第４実施形態〕
以下、図面を参照して本発明の第４実施形態について説明する。なお、本実施形態の基本的な構成は第１実施形態と同様であるため、以下では特徴的な構成についてのみ説明する。

図１１は、第４実施形態におけるニードル１８を示す模式的な断面図である。第４実施形態においては、第１流路２１ａの第１上端部１９ａは、第２流路２１ｂの第２上端部１９ｂよりも上方へ突出するように、重力方向において高く形成されている。

インク注入動作のためにニードル１８がインク補給容器１７の内部へ挿入される際、第１上端部１９ａが第２上端部１９ｂに比べて上方へ突出しているため、第１上端部１９ａが第２上端部１９ｂよりも先にインク補給容器１７に収容されたインクと接触する。これにより、第１流路２１ａをインクが流れやすくすることができ、流路の確定がさらに促進される。

８ インクタンク
９ インク収容室
１４ 注入口
１８ ニードル（注入補助部材）
１９ａ 第１上端部
１９ｂ 第２上端部
２０ａ 第１課端部
２０ｂ 第２下端部
２１ａ 第１流路
２１ｂ 第２流路
２２ 拡大部
１００ インクジェット記録装置

Claims (11)

1. インクを吐出する記録ヘッドへ供給されるインクを収容するインク収容室と、前記インク収容室へインクを注入するための注入口と、を有するインクタンクと、
   前記インクタンクの外部に向けて開口する第１上端部と前記インクタンクの内部に向けて開口する第１下端部とによって規定される第１流路と、前記インクタンクの外部に向けて開口する第２上端部と前記インクタンクの内部に向けて開口する第２下端部とによって規定される第２流路と、を有し、前記注入口から前記インク収容室へのインクの注入を補助するための注入補助部材と、を備え、
   前記第２流路は、前記第２上端部から前記第２下端部へと向かう途中に段差を形成し断面積が拡大する拡大部が設けられていることを特徴とするインクジェット記録装置。
2. 前記第１流路には段差が形成されていないことを特徴とする請求項１に記載のインクジェット記録装置。
3. 前記第１上端部の開口面積は、前記第２上端部の開口面積より大きいことを特徴とする請求項１または２に記載のインクジェット記録装置。
4. 前記第２上端部は斜めに開口していることを特徴とする請求項１から３のいずれか１項に記載のインクジェット記録装置。
5. 前記第１上端部は斜めに開口していることを特徴とする請求項４に記載のインクジェット記録装置。
6. 前記第１流路は、前記第１上端部から前記第１下端部へ向けて断面積が拡大する形状であることを特徴とする請求項１から５のいずれか１項に記載のインクジェット記録装置。
7. 前記第１下端部と前記インク収容室の底面との距離は、前記第２下端部と前記インク収容室の底面との距離よりも小さいことを特徴とする請求項１から６のいずれか１項に記載のインクジェット記録装置。
8. 前記第１上端部は、前記第２上端部より上方へ向けて突出していることを特徴とする請求項１から７のいずれか１項に記載のインクジェット記録装置。
9. 前記注入口を封止可能なタンクキャップを備えることを特徴とする請求項１から８のいずれか１項に記載のインクジェット記録装置。
10. 前記記録ヘッドにより画像を記録された記録媒体を排出する排出部を備え、
    前記インクタンクは、ブラックインクを収容するブラック用インクタンクとカラーインクを収容するカラー用インクタンクとを含み、
    前記排出部は前記ブラック用インクタンクと前記カラー用インクタンクの間に設けられていることを特徴とする請求項１から９のいずれか１項に記載のインクジェット記録装置。
11. インクを吐出する記録ヘッドへ供給されるインクを収容するインク収容室と、前記インク収容室へインクを注入するための注入口と、前記注入口から前記インク収容室へのインクの注入を補助するための注入補助部材と、を有するインクタンクであって、
    前記注入補助部材は、前記インクタンクの外部に向けて開口する第１上端部と前記インクタンクの内部に向けて開口する第１下端部とによって規定される第１流路と、前記インクタンクの外部に向けて開口する第２上端部と前記インクタンクの内部に向けて開口する第２下端部とによって規定される第２流路と、を有し、
    前記第２流路は、前記第２上端部から前記第２下端部へと向かう途中に段差を形成し断面積が拡大する拡大部が設けられていることを特徴とするインクタンク。

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