JP2017154253A - 液体供給装置、液体噴射システム - Google Patents
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Abstract
【課題】液体供給装置において、チューブ内の流路の閉塞を抑制することで、液体噴射装置への安定した液体の供給を可能とする液体供給装置を提供する。【解決手段】対象物に液体を噴射するヘッドに対して液体を供給するための液体供給装置であって、液体収容室50と、液体注入部と、空気導入口561と、大気開放流路の少なくとも一部において、可撓性を有する第1のチューブ96を含む大気開放流路と、第1のチューブの少なくとも一部分を支持する支持部80と、を備える。支持部は、液体収容室の動きに追従した第1のチューブの動きを規制する。【選択図】図5
Description
本発明は、液体供給装置に関する。
液体噴射装置としてのプリンターと、プリンターに液体(例えばインク)を供給するための液体供給装置と、を備える液体噴射システムが知られている。特許文献1,2には、このような液体噴射システムにおいて、液体供給装置とプリンターとの間を、可撓性を有する部材で形成されたチューブで接続することが記載されている。
特許文献1,2に記載されている液体噴射システムでは、共に、液体供給装置に対する液体の補充ができる。液体を補充する際、利用者は、液体供給装置の向きを変化させる。特許文献1,2に記載されている液体噴射システムでは、液体補充時の向きの変化に伴って、液体供給装置とプリンターとをつなぐチューブが変形(例えば、屈曲、他の部材の間に挟み込まれる等)し、チューブ内の流路が閉塞するという課題があった。
なお、このような課題は、液体補充時に液体供給装置の向きを変化させないタイプの液体供給装置にも共通した課題である。また、このような課題は、特許文献1,2に記載された液体流路を形成するためのチューブだけでなく、液体供給装置の内外に配置される種々の用途のチューブ(例えば、空気流路を形成するためのチューブ)に共通した課題である。
このため、チューブ内の流路の閉塞を抑制することで、液体噴射装置への安定した液体の供給が可能な液体供給装置が望まれていた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、対象物に液体を噴射するヘッドに対して前記液体を供給するための液体供給装置が提供される。この液体供給装置は;前記液体を収容可能な液体収容室と;前記液体収容室と連通し、前記液体収容室内に前記液体を注入可能な液体注入部と;前記液体収容室内に空気を導入するために前記液体収容室に設けられた開口である空気導入口と;一端が前記空気導入口と連通し、他端が大気に開放した大気開放流路であって、大気開放流路の少なくとも一部において、可撓性を有する第1のチューブを含む大気開放流路と;前記第1のチューブの少なくとも一部分を支持する支持部と、を備え;前記支持部は、前記液体収容室の動きに追従した前記第1のチューブの動きを規制する。
この形態の液体供給装置によれば、大気開放流路の一端は液体収容室の空気導入口と接続されているため、液体収容室が動かされた場合、この動きに追従して大気開放流路の第1のチューブにも動きが生じる。本形態の液体供給装置では、このような第1のチューブの動きは支持部によって規制される。このため、第1のチューブが大きく動いてチューブに負荷が掛かることに伴う、チューブ内の流路(大気開放流路)の閉塞を抑制することができる。この結果、本形態の液体供給装置では、大気開放流路の閉塞に起因して液体が正しく供給できなくなるという問題の発生を低減することができ、液体噴射装置への液体供給の安定化を図ることができる。
この形態の液体供給装置によれば、大気開放流路の一端は液体収容室の空気導入口と接続されているため、液体収容室が動かされた場合、この動きに追従して大気開放流路の第1のチューブにも動きが生じる。本形態の液体供給装置では、このような第1のチューブの動きは支持部によって規制される。このため、第1のチューブが大きく動いてチューブに負荷が掛かることに伴う、チューブ内の流路(大気開放流路)の閉塞を抑制することができる。この結果、本形態の液体供給装置では、大気開放流路の閉塞に起因して液体が正しく供給できなくなるという問題の発生を低減することができ、液体噴射装置への液体供給の安定化を図ることができる。
(2)上記形態の液体供給装置において;前記支持部は、前記第1のチューブの前記少なくとも一部分の曲率を所定範囲内に維持しつつ、前記第1のチューブの動きを規制してもよい。
この形態の液体供給装置によれば、第1のチューブのうち、支持部によって支持されている少なくとも一部分の曲率が所定範囲内に維持されるため、第1のチューブの屈曲に伴うチューブ内の流路の閉塞をより効果的に抑制することができる。
この形態の液体供給装置によれば、第1のチューブのうち、支持部によって支持されている少なくとも一部分の曲率が所定範囲内に維持されるため、第1のチューブの屈曲に伴うチューブ内の流路の閉塞をより効果的に抑制することができる。
(3)上記形態の液体供給装置において;前記支持部は、前記液体収容室における前記液体の上限位置よりも鉛直方向の上側に、前記第1のチューブの前記少なくとも一部分が位置するように、前記第1のチューブを支持してもよい。
この形態の液体供給装置によれば、第1のチューブの少なくとも一部分が液体収容室における液体の上限位置よりも鉛直方向の上側を通過する。このため、液体収容室から第1のチューブ内に漏出した液体が、チューブ内を伝って外部へ漏出することを抑制することができる。
この形態の液体供給装置によれば、第1のチューブの少なくとも一部分が液体収容室における液体の上限位置よりも鉛直方向の上側を通過する。このため、液体収容室から第1のチューブ内に漏出した液体が、チューブ内を伝って外部へ漏出することを抑制することができる。
(4)上記形態の液体供給装置において;前記液体収容室は、前記液体供給装置内において;前記ヘッドに対して前記液体を供給するための第1の姿勢と;前記液体収容室が前記第1の姿勢と交差する方向を向き、前記液体収容室内に前記液体を注入するための第2の姿勢と;の間での姿勢変化が可能なように保持され;前記液体注入部は、前記第1の姿勢における前記液体収容室の側面に形成され;前記支持部は、前記第1のチューブの前記少なくとも一部分を、前記第1の姿勢と前記第2の姿勢との両方において、鉛直方向の下側方向から上側方向に向かって付勢しつつ支持してもよい。
この形態の液体供給装置によれば、第1のチューブの少なくとも一部分は、ヘッドに対して液体を供給するための第1の姿勢と、液体収容室内に液体を注入するための第2の姿勢と、の両方において下側方向から上側方向に向かって付勢されている。このため、液体収容室から第1のチューブ内に漏出した液体が、チューブ内を伝って外部へ漏出することを、より効果的に抑制することができる。
この形態の液体供給装置によれば、第1のチューブの少なくとも一部分は、ヘッドに対して液体を供給するための第1の姿勢と、液体収容室内に液体を注入するための第2の姿勢と、の両方において下側方向から上側方向に向かって付勢されている。このため、液体収容室から第1のチューブ内に漏出した液体が、チューブ内を伝って外部へ漏出することを、より効果的に抑制することができる。
(5)上記形態の液体供給装置において;前記液体収容室は、前記液体供給装置内において;前記ヘッドに対して前記液体を供給するための第1の姿勢と;前記液体収容室が前記第1の姿勢と略水平な方向を向き、前記液体収容室内に前記液体を注入するための第2の姿勢と;の間での姿勢変化が可能なように保持され;前記液体注入部は、前記第1の姿勢における前記液体収容室の上面に形成され;前記支持部は;前記液体収容室における前記液体の上限位置よりも鉛直方向の上側に前記第1のチューブの前記少なくとも一部分が位置するように前記第1のチューブを支持しつつ、かつ;前記第1のチューブの前記少なくとも一部分を、前記液体収容室の動きに追従させて水平方向に移動させてもよい。
この形態の液体供給装置によれば、液体収容室の動きに追従して移動する第1のチューブの少なくとも一部分は、移動の前後を通して液体収容室における液体の上限位置よりも鉛直方向の上側に支持される。このため、液体収容室から第1のチューブ内に漏出した液体が、チューブ内を伝って外部へ漏出することを、より効果的に抑制することができる。
この形態の液体供給装置によれば、液体収容室の動きに追従して移動する第1のチューブの少なくとも一部分は、移動の前後を通して液体収容室における液体の上限位置よりも鉛直方向の上側に支持される。このため、液体収容室から第1のチューブ内に漏出した液体が、チューブ内を伝って外部へ漏出することを、より効果的に抑制することができる。
(6)上記形態の液体供給装置において;前記大気開放流路の一部には、さらに、空気を収容可能な空気収容室が形成されていてもよい。
この形態の液体供給装置によれば、液体収容室から第1のチューブ内に漏出した液体を空気収容室に収容することができる。このため、液体収容室からチューブ内に漏出した液体が外部へ漏出することを、より効果的に抑制することができる。
この形態の液体供給装置によれば、液体収容室から第1のチューブ内に漏出した液体を空気収容室に収容することができる。このため、液体収容室からチューブ内に漏出した液体が外部へ漏出することを、より効果的に抑制することができる。
(7)上記形態の液体供給装置において;前記液体収容室には、さらに、前記液体を導出する液体導出口が形成され;前記液体供給装置は、さらに、一端が前記液体導出口と連通した液体供給流路であって、液体供給流路の少なくとも一部において、可撓性を有する第2のチューブを含む液体供給流路を備え;前記支持部は;前記第1のチューブに加えてさらに、前記第2のチューブの少なくとも一部分を支持すると共に;前記液体収容室の動きに追従した前記第2のチューブの動きを規制してもよい。
この形態の液体供給装置によれば、液体供給流路の一端は液体収容室の液体導出口と接続されている。このため、液体収容室が動かされた場合、この動きに追従して液体供給流路の第2のチューブにも動きが生じる。本形態の液体供給装置では、このような第2のチューブの動きは支持部によって規制されるため、第2のチューブが大きく動くことに伴って生じるチューブ内の流路(液体供給流路)の閉塞を抑制することができる。この結果、本形態の液体供給装置では、液体供給流路の閉塞に起因して液体が正しく供給できなくなるという問題の発生を低減することができ、液体噴射装置への液体供給の安定化を図ることができる。
この形態の液体供給装置によれば、液体供給流路の一端は液体収容室の液体導出口と接続されている。このため、液体収容室が動かされた場合、この動きに追従して液体供給流路の第2のチューブにも動きが生じる。本形態の液体供給装置では、このような第2のチューブの動きは支持部によって規制されるため、第2のチューブが大きく動くことに伴って生じるチューブ内の流路(液体供給流路)の閉塞を抑制することができる。この結果、本形態の液体供給装置では、液体供給流路の閉塞に起因して液体が正しく供給できなくなるという問題の発生を低減することができ、液体噴射装置への液体供給の安定化を図ることができる。
(8)上記形態の液体供給装置において;前記支持部は、前記液体供給装置を収容する部材に取り付けられていてもよい。
この形態の液体供給装置によれば、液体供給装置を収容する部材に支持部を取り付けることで、液体供給装置を含むシステム(例えば液体噴射システム)の構成を簡略化することができる。
この形態の液体供給装置によれば、液体供給装置を収容する部材に支持部を取り付けることで、液体供給装置を含むシステム(例えば液体噴射システム)の構成を簡略化することができる。
(9)本発明の一形態によれば、液体噴射システムが提供される。この液体噴射システムは、上記形態の液体供給装置と;前記ヘッドを有する液体噴射装置と;前記液体供給装置と前記ヘッドとを接続し、前記液体収容室内の前記液体を前記ヘッドに流通させる流通管と、を備える。
上述した本発明の各形態の有する複数の構成要素は全てが必須のものではなく、上述の課題の一部または全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部または全部を達成するために、適宜、前記複数の構成要素の一部の構成要素について、その変更、削除、新たな構成要素との差し替え、限定内容の一部削除を行うことが可能である。また、上述の課題の一部または全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部または全部を達成するために、上述した本発明の一形態に含まれる技術的特徴の一部または全部を上述した本発明の他の形態に含まれる技術的特徴の一部または全部と組み合わせて、本発明の独立した一形態とすることも可能である。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、液体供給装置、液体供給装置に接続される液体噴射装置、液体供給装置と液体噴射装置とを含む液体噴射システム、これら装置の製造方法、これら装置の製造装置、これら装置によって液体が噴射された対象物等の態様で実現できる。また、本発明の液体供給装置は、サブタンク等を介して記録ヘッドに液体を供給する態様でも実施できる。
A.実施形態:
A−1.液体噴射システムの構成:
図1および図2は、本発明の一実施形態としての液体噴射システム1の概略図である。図1は液体噴射システム1の外観を表し、図2は液体噴射システム1の外観および内部構造(破線)の一部を表す。液体噴射システム1は、プリンター10と、液体収容室50を含む液体収容ユニット30と、空気収容室60と、を備えている。プリンター10は「液体噴射装置」として機能する。液体収容ユニット30(液体収容室50)と空気収容室60とは「液体供給装置」として機能する。
A−1.液体噴射システムの構成:
図1および図2は、本発明の一実施形態としての液体噴射システム1の概略図である。図1は液体噴射システム1の外観を表し、図2は液体噴射システム1の外観および内部構造(破線)の一部を表す。液体噴射システム1は、プリンター10と、液体収容室50を含む液体収容ユニット30と、空気収容室60と、を備えている。プリンター10は「液体噴射装置」として機能する。液体収容ユニット30(液体収容室50)と空気収容室60とは「液体供給装置」として機能する。
液体噴射システム1の使用状態では、液体収容ユニット30(液体収容室50)は、図1に示すようにプリンター10の内部に収納される。液体噴射システム1の液体補充状態では、液体収容ユニット30(液体収容室50)は、図2に示すようにプリンター10の外部に露出される。一方、図2に示すように、空気収容室60は、液体噴射システム1の状態(使用状態/液体補充状態)にかかわらずプリンター10の内部に収納されている。以降、使用状態の際に液体供給装置(特に液体収容室50)がとる姿勢を「第1の姿勢」とも呼ぶ。一方、液体補充状態の際に液体供給装置(特に液体収容室50)がとる姿勢を「第2の姿勢」とも呼ぶ。
図1および図2には、互いに直交するXYZ軸が描かれている。X軸は、プリンター10の「幅方向」に対応する。同様に、Y軸はプリンター10の「奥行き方向」に対応し、Z軸はプリンター10の「高さ方向」に対応する。すなわち、プリンター10は、X軸方向とY軸方向とによって規定される水平面に設置されている。また、図1および図2において+Z軸方向(すなわち紙面上側)を鉛直上方向とも呼び、−Z軸方向(すなわち紙面下側)を鉛直下方向とも呼ぶ。なお、図3以降の図においても、図1,2と対応する方向のXYZ軸を表す。
プリンター10は、いわゆるインクジェットプリンターである。プリンター10は、用紙等の記録媒体上に液体(液滴)としてのインクを吐出することで、記録媒体への印刷を行う。プリンター10は、操作パネル11(図1)と、筺体12と、記録ヘッド14(図2)と、排出部16と、を備えている。
筺体12は、略直方体形状である。筺体12は、前面(第1面、第1壁)101と、背面(第2面、第2壁)102と、左側面(第1側面、第1側壁)103と、右側面(第2側面、第2側壁)104と、上面(第3面、第3壁)105と、底面(第4面、第4壁)106と、を備えている。6つの各面101〜106によって、プリンター10の外殻である筺体12が構成されている。前面101と背面102とは対向する。同様に、左側面103と右側面104とは対向する。前面101、背面102、左側面103、右側面104は、プリンター10の設置面に対して略垂直な面である。左側面103と右側面104とは、それぞれ、前面101と背面102と交差している。一方、上面105と底面106とは対向する。上面105、底面106は略水平な面である。なお、本実施形態において「略垂直」や「略水平」とは、完全に「垂直」又は「水平」である意味に加え、概ね「垂直」又は「水平」である意味を含む。つまり、各面101〜106は、完全な平面ではなく凹凸等を許容する。
上述したX軸方向は、左側面103と右側面104とが対向する方向である。同様に、Y軸方向は、前面101と背面102とが対向する方向である。Z軸方向は、上面105と底面106とが対向する方向である。
操作パネル11と、排出部16とは、筺体12の前面101に設けられている。操作パネル11は、プリンター10の各部を操作するための複数のボタンと、プリンター10の状態を表す表示部(LED等)と、を含んでいる。操作パネル11の操作により、例えば、プリンター10の電源ON/OFF等が切り替えられる。排出部16は、印刷済みの記録媒体を排出する。
記録ヘッド14は、筺体12の内部に設けられている。記録ヘッド14は、液体(液滴)としてのインクを記録媒体上に吐出するための液体噴射部として機能する。記録ヘッド14は、キャリッジ18(図4)によって保持されており、筺体12の内部を、主走査方向(X軸方向)および副走査方向(Y軸方向)に移動される。記録ヘッド14は、主走査方向および副走査方向に移動されつつインクを吐出する。本実施形態では、記録ヘッド14は主走査方向および副走査方向に移動される構成としたが、他の態様を採用することもできる。例えば、記録ヘッド14は、主走査方向(X軸方向)の全体に亘って伸び、副走査方向(Y軸方向)にのみ移動されるラインヘッドであってもよい。
液体収容ユニット30は、筺体12の前面101の右側部分(前面右側109)に取り付けられている。図2に示すように、液体収容ユニット30は、ケース40と、ケース40内に配置された複数の液体収容室50K〜50Yと、を備えている。ケース40は、図2に示すように2枚の板状部材(外側ケース42、内側ケース43)から構成されている。外側ケース42は矩形形状の平板であり(図1)、鉛直下方向にはケース40をプリンター10に固定するヒンジ41が設けられている。外側ケース42は、図1に示す使用状態(第1の姿勢)において前面101と略水平であり、図2に示す液体補充状態(第2の姿勢)において底面106と略水平となる。内側ケース43は、各液体収容室50K〜50Yの側面形状と同じ形状の平板であり(図2)、一辺が外側ケース42と接合されている。
各液体収容室50K〜50Yは、図2に示す液体補充状態(第2の姿勢)において、外側ケース42の鉛直上方向に、X軸方向に沿って並んで配置されている。液体収容室50Kは、ブラックのインクを収容する。同様に、液体収容室50Cはシアンのインクを、液体収容室50Mはマゼンタのインクを、液体収容室50Yはイエローのインクを、それぞれ収容する。各液体収容室50K〜50Yは、それぞれ、後述する第1のチューブ96(図1,2では図示省略)を介して、対応する空気収容室60K〜60Yに接続されている。
また、各液体収容室50K〜50Yは、それぞれ、後述する第2のチューブ97(図1,2では図示省略)を介して、対応する第1の接続体70K〜50Yに接続されている。さらに、各第1の接続体70K〜50Yは、それぞれ、対応する流通管99を介して記録ヘッド14に接続されている。このため、各液体収容室50K〜50Yに収容されている各色のインクは、それぞれ、プリンター10が備えるポンプ等の供給機構によって流通管99を通って記録ヘッド14へと供給される。換言すれば、液体収容室50K〜50Yは、液体噴射部としての記録ヘッド14に供給するためのインクを収容することができる。
なお、以降では、各液体収容室50K〜50Yを区別して説明する場合は、例えば「液体収容室50K」等とアルファベットを付して呼び、各液体収容室50K〜50Yを区別せずに説明する場合は単に「液体収容室50」と呼ぶ。同様に、各空気収容室60K〜50Yや、各第1の接続体70K〜50Yを区別して説明する場合はアルファベットを付して呼び、各空気収容室60K〜50Yや、各第1の接続体70K〜50Yを区別せずに説明する場合は単に「空気収容室60」、「第1の接続体70」と呼ぶ。なお、液体収容室50の個数として4つを例示したが、これに限られない。例えば、液体収容室50は1以上の任意の数とすることができる。この場合、空気収容室60および第1の接続体70の数は、液体収容室50の数と同じ数となる。また、第1の接続体70は省略してもよい。この場合、各液体収容室50K〜50Yに収容されている各色のインクは、液体収容室50から延びる流通管99を介して記録ヘッド14へ供給されればよい。
本実施形態において、X軸方向を、液体収容ユニット30および液体収容室50の「幅方向」とも呼ぶ。同様に、Y軸方向を液体収容ユニット30および液体収容室50の「奥行き方向」とも呼び、Z軸方向を液体収容ユニット30および液体収容室50の「高さ方向」とも呼ぶ。
A−2.液体供給装置の概略:
液体供給装置(液体収容ユニット30、空気収容室60)の詳細な構成を説明する前に、理解の容易のために、液体供給装置から液体噴射装置(プリンター10)へとインクが供給される仕組みについて説明する。
液体供給装置(液体収容ユニット30、空気収容室60)の詳細な構成を説明する前に、理解の容易のために、液体供給装置から液体噴射装置(プリンター10)へとインクが供給される仕組みについて説明する。
図3は、液体供給装置内の経路を概念的に示す図である。図3では、空気収容室60の大気開放口691から、液体収容ユニット30(液体収容室50)の液体導出口571に至る経路を概念的に示している。大気開放口691から液体導出口571に至る経路(流路)は、大気開放流路300と、液体収容室50とに大別される。
大気開放流路300は、上流(大気側)から順に、第1の流路310と、空気収容室60と、第2の流路320とからなる。第1の流路310の一端は、空気収容室60の大気開放口691である。大気開放口691は、空気収容室60の第2の開口部材69に設けられた開口である。大気開放口691によって、第1の流路310の一端は外部に向かって開口し、大気に連通している。第1の流路310は、空気収容室60の本体61(図5)が、隔壁62(図5)によって区画されることにより形成されている。第1の流路310の他端は、隔壁62の開口621である。この第1の流路310によって、空気収容室60は大気に連通し、空気収容室60内に空気が導入される。
空気収容室60は、隔壁62で区切られた部分を除く本体61の内部が、液体収容室50から逆流してきたインクを貯留し、空気収容室60よりも上流側へインクが流出することを抑制する。空気収容室の流路断面積は、第1の流路310の断面積よりも大きい。上述の通り、本実施系形態では、空気収容室60は、大気開放流路300の一部として設けられている。
第2の流路320の一端は、空気収容室60の液体室側開口651である。液体室側開口651は、空気収容室60の第1の開口部材65に設けられた開口である。第2の流路320は、空気収容室60の第1の開口部材65と、液体収容室50の開口部材56とを接続する第1のチューブ96により形成されている。第2の流路320の他端は、液体収容室50の空気導入口561である。空気導入口561は、液体収容室50の開口部材56に設けられた開口である。この第2の流路320によって、液体収容室50は空気収容室60と接続され、液体収容室50内に空気が導入可能となる。具体的には、図1に示す使用状態(第1の姿勢)において、液体収容室50の空気導入口561の近傍には、大気と直接連通する液面(メニスカス)が形成され、空気導入口561から導入される気泡の形で、液体収容室50内に空気が導入される。なお、第2の流路320の流路断面積(すなわち第1のチューブ96の内径)は、空気導入口561の近傍におけるメニスカス(液面架橋)を形成可能な程度に小さいことが好ましい。
なお、以上説明した経路はあくまで一例であり、種々の変形が可能である。例えば、大気開放流路300の途中には、流路と流路とを接続する接続部材や、上流への液体の流入を抑制するための透湿防水部材(例えば、気液分離膜)等を設けてもよい。また、第1の流路310や第2の流路320の流路断面積は、適宜設計することができる。さらに、大気開放口691から液体導出口571に至る経路においてさらに、上述しないさらなる経路を設けてもよい。
液体収容室50は、本体51(図5)の内部にインクを収容する。液体収容室50に収容されているインクは、液体導出部材57に設けられた液体出口(液体導出口571)から、第2のチューブ97と、第1の接続体70と、流通管99とを介して、記録ヘッド14に裁置されているサブタンク20(図4)へと供給される。
図4は、液体供給装置からサブタンク20にインクが供給される原理について説明する図である。図4は、X軸正方向側から見た液体収容室50と、記録ヘッド14に裁置されているサブタンク20とを模式的に示している。本実施形態の液体供給装置は、マリオット瓶の原理を利用して、インクを液体噴射装置(プリンター10の記録ヘッド14)へと供給する。
液体供給装置および液体噴射装置を含んだ液体噴射システム1は、水平面上に設置されている。液体収容室50の液体導出口571と、サブタンク20の液体受入部202とは、第2のチューブ97と、第1の接続体70と、流通管99とを介して接続されている。図4では、説明の便宜上、第1の接続体70の図示を省略する。
サブタンク20は、ポリスチレンやポリエチレン等の合成樹脂により成形されている。サブタンク20は、インク貯留室204と、フィルター206と、インク流動路208とを備える。インク貯留室204は、液体収容室50から供給されたインクを貯留する。フィルター206は、インクに異物等の不純物が混入していた場合に、その不純物を捕捉することで、記録ヘッド14への不純物の流入を抑制する。インク流動路208には、キャリッジ18のインク供給針18aが挿入されている。インク貯留室204内のインクは、記録ヘッド14からの吸引によって、インク流動路208とインク供給針18aとを流れ、記録ヘッド14に供給される。記録ヘッド14に供給されたインクは、ノズルを介して外部(記録媒体)に向かって噴射される。
ここで利用者は、図2に示す液体補充状態(第2の姿勢)でインクを液体収容室50に補充した後、液体収容室50を栓部材59で密閉する。その後、利用者は、液体収容ユニット30の姿勢を、図1や図4に示す使用状態(第1の姿勢)とする。このとき、液体収容室50(液体収容室)内の空気が姿勢の変化に伴って膨張し、液体収容室50内は負圧となる。また、記録ヘッド14から液体収容室50のインクが吸引されることによっても、液体収容室50内は負圧に維持される。
このような第1の姿勢(図4)において、液体収容室50の液体導出口571は、液体収容室を形成する本体51が鉛直下方向に突出している部分に取り付けられた液体導出部材57に設けられている。また、液体収容室50の空気導入口561は、液体収容室を形成する本体51の鉛直下方向の端部に取り付けられた開口部材56に設けられている。このため、液体収容室50内のインクが消費されることに伴って、液体収容室50内の液面LSが低下しても、インクが液体収容室50内に取り込まれた大気と直接接触する面(大気接触面、メニスカス)WHは、長時間に亘り一定の高さに維持される。また、使用状態(第1の姿勢)において、液体収容室50内に大気を取り込む空気導入口561は、記録ヘッド14よりも、鉛直下方向において低い位置となるように配置される。これにより、液体収容室50の大気接触面(メニスカス)WHと、記録ヘッド14の鉛直下方向の面に設けられているノズルとの間には、水頭差d1が発生する。
記録ヘッド14がインクを消費(具体的には、ノズルからインクを吐出)することに伴う圧力変化によって、液体収容室50内は所定の負圧以上となる。所定の負圧以上になると、液体収容室50内のインクは、第2のチューブ97と、第1の接続体70と、流通管99とを介してインク貯留室204(記録ヘッド14側)に供給される。すなわち、インク貯留室204には、記録ヘッド14が消費したと同じ量のインクが、液体収容室50から自動的に補充される。このインクの自動的な補充は、換言すれば、大気接触面(メニスカス)WHと、記録ヘッド14のノズルと、の間の鉛直方向の高さの差(水頭差d1)よりも、記録ヘッド14がインクを消費することに伴う圧力変化(負圧)が大きくなった際に生じる。
液体収容室50内のインクが消費されると、空気収容室60内の大気が、空気導入口561から気泡として、液体収容室50内に導入される。これにより液体収容室50内の液面LSは低下する。一方、上述の通り、液体収容室50の大気接触面(メニスカス)WHは一定に維持されていることから、水頭差d1は一定に維持される。このため、液体収容室50から記録ヘッド14に対して、安定してインクを供給することができる。
A−3.液体供給装置の構成:
次に、液体供給装置(液体収容ユニット30、空気収容室60)の構成と、位置関係とについて説明する。
次に、液体供給装置(液体収容ユニット30、空気収容室60)の構成と、位置関係とについて説明する。
図5は、使用状態(第1の姿勢)の液体供給装置について説明する図である。上述の通り、本実施形態の液体供給装置は、液体収容室50と、空気収容室60と、第1の接続体70と、支持部80と、第1のチューブ96と、第2のチューブ97とを備えている。図5は、X軸正方向側から見た各部を模式的に示している。
液体収容室50は、本体51と、第1の状態表示部52と、第2の状態表示部53と、開口部材56と、液体導出部材57と、液体注入部58と、栓部材59とを備えている。
本体51は、中空の略柱体形状の部材である。本体51は、前面(第1面、第1壁)501と、背面(第2面、第2壁)502と、左側面(第1側面、第1側壁)503と、右側面(第2側面、第2側壁)504と、上面(第3面、第3壁)505と、底面(第4面、第4壁)506と、を備えている。前面501と背面502とは対向する。同様に、左側面503と右側面504とは対向する。前面501、背面502、左側面503、右側面504は、プリンター10の設置面に対して略垂直な面である。左側面503と右側面504とは、それぞれ、前面501と背面502と交差している。一方、上面505と底面506とは対向する。上面505、底面506は、略水平な面である。すなわち、本体51の各面501〜506は、それぞれ、図1で説明したプリンター10の筺体12の各面101〜106と対応している。
本体51は、底面506の一部分が突出した突出部を有している。また、本体51には、開口部材56が配置されている位置と、液体導出部材57が配置されている位置と、液体注入部58が配置されている位置と、にそれぞれ対応する位置に、各部56,57,58の開口に対応した大きさの開口が形成されている。本体51は、例えばポリプロピレン等の合成樹脂により成形されている。また、本体51は半透明である。上述の通り、本体51の内側の空間はインクを収容する液体収容室として機能する。このため利用者は、液体収容室50に液体を補充する際に、外部から液体収容室(本体51)内のインクの水位を確認することができる。
第1の状態表示部52は、液体噴射システム1の使用状態(第1の姿勢)におけるインクの満量位置(上限位置)を示す表示である。第1の状態表示部52は、本体51の前面501の所定位置、換言すれば、本体51において開口部材56が配置されている面と反対側の面の所定位置に配置されている。この所定位置は、液体収容室50内に収容可能なインクの量に応じて、適宜決定できる。第1の状態表示部52は、例えば、X軸方向に延びる線状の表示でもよいし、例えば矢印等の図形や記号等を用いた表示でもよい。第1の状態表示部52は、本体51と一体成型された凹部や凸部でもよいし、本体51に印刷されていてもよい。
第2の状態表示部53は、液体噴射システム1の液体補充状態(第2の姿勢)におけるインクの満量位置(上限位置)を示す表示である。第2の状態表示部53は、本体51の上面505の所定位置、換言すれば、本体51において第1の状態表示部52が配置されている面と垂直な面の所定位置に配置されている。この所定位置は、液体収容室50内に収容可能なインクの量に応じて、適宜決定できる。第2の状態表示部53は、第1の状態表示部52と同様に、例えば、X軸方向に延びる線状の表示でもよいし、例えば矢印等の図形や記号等を用いた表示でもよい。第2の状態表示部53は、本体51と一体成型された凹部や凸部でもよいし、本体51に印刷されていてもよい。
なお、本体51にはさらに、利用者に液体の補充を促す目的で、液体噴射システム1の使用状態/液体補充状態における各インクの下限位置を示す表示が含まれていてもよい。
開口部材56は、両端が開口した円筒形状の部材である。開口部材56は、本体51の背面502の所定位置において、本体51から外側に配置されている。この所定位置は、使用状態(第1の姿勢)における本体51の鉛直方向(Z軸方向)の下側部分であればよい。ここで「鉛直方向の下側部分」とは、本体51の鉛直方向の中央位置よりも下側であればよい。また、所定位置は、使用状態におけるインクの下限位置よりも下側であることが好ましい。本実施形態の場合、開口部材56は、本体51の背面502の鉛直下方向の端部に配置されている。開口部材56は、本体51と同様に合成樹脂により成形されている。開口部材56は、本体51と一体成形されてもよい。開口部材56の一端にある開口は、本体51の開口と連通し、開口部材56の他端にある開口は、第1のチューブ96を介して空気収容室60と連通している。本実施系形態では、開口部材56の一端にある開口が、空気導入口561に相当する。
液体導出部材57は、開口部材56と同様に、両端が開口した円筒形状の部材である。液体導出部材57は、本体51の突出部において、本体51から外側に配置されている。すなわち、液体導出部材57は、開口部材56よりも鉛直方向(X軸方向)の下側に配置されている。液体導出部材57は、本体51と同様に合成樹脂により成形されている。液体導出部材57は、本体51と一体成形されてもよい。液体導出部材57の一端にある開口は、本体51の開口と連通し、液体導出部材57の他端にある開口は、第2のチューブ97を介して第1の接続体70(およびその先にある記録ヘッド14)と連通している。
液体注入部58は、両端が開口した円筒形状の部材である。液体注入部58の開口の断面積は、開口部材56および液体導出部材57の開口の断面積よりも大きい。液体注入部58は、本体51の背面502の所定位置、換言すれば、本体51において開口部材56が配置されている面の所定位置において、本体51から外側に配置されている。この所定位置は、本体51の鉛直方向(Z軸方向)の中央よりも上側であればよく、さらには、使用状態(第1の姿勢)におけるインクの上限位置よりも上側であることが好ましい。本実施形態の場合、液体注入部58は、本体51の背面502の鉛直上方向の端部に配置されている。液体注入部58は、本体51と同様に合成樹脂により成形されている。液体注入部58は、本体51と一体成形されていてもよい。液体注入部58の一端にある開口は、本体51の開口と連通し、液体注入部58の他端にある開口は、大気と連通している。
栓部材59は、液体注入部58の開口以上の断面積を有する中実の円筒形状の本体部と、本体部の略中央から突出したつまみ部とを有する部材である。栓部材59は、可撓性を有する樹脂部材(例えばゴム)により成形されている。栓部材59は、本体51の液体注入部58を閉塞することによって、液体収容室50内からインクが流出することを抑制する。
空気収容室60は、本体61と、隔壁62と、第1の開口部材65と、第2の開口部材69とを備えている。
本体61は、中空の略柱体形状の部材である。本体61は、前面(第1面、第1壁)601と、背面(第2面、第2壁)602と、左側面(第1側面、第1側壁)603と、右側面(第2側面、第2側壁)604と、上面(第3面、第3壁)605と、底面(第4面、第4壁)606と、を備えている。前面601と背面602とは対向する。同様に、左側面603と右側面604とは対向する。前面601、背面602、左側面603、右側面604は、プリンター10の設置面に対して略垂直な面である。左側面603と右側面604とは、それぞれ、前面601と背面602と交差している。一方、上面605と底面606とは対向する。上面605、底面606は、略水平な面である。すなわち、本体61の各面601〜606は、それぞれ、図1で説明したプリンター10の筺体12の各面101〜106、および、上述した液体収容室50の本体51の各面501〜506と対応している。
本体61には、第1の開口部材65が配置されている位置と、第2の開口部材69が配置されている位置と、にそれぞれ対応する位置に、各部65,69の開口に対応した大きさの開口が形成されている。本体61は、例えばポリプロピレン等の合成樹脂により成形されている。
隔壁62は、本体61の内部を区画するための板状部材である。隔壁62は、本体61の空間内部において、底面606から背面602と平行に延伸するように配置されている。隔壁62は、鉛直上方向の端部が開口している(開口621)。この開口621によって、本体61の内部空間と、隔壁62により区画された空間とが連通する。隔壁62は、本体61と同様に合成樹脂により成形されている。隔壁62は、本体61と一体成形されてもよい。なお、隔壁62は、本体61の内部を区画している限りにおいて任意の態様を採用できる。例えば、隔壁62は、背面602に平行に延伸する面と右側面604(または左側面603)に平行に延伸する面とを有する略L字形状であってもよい。
第1の開口部材65は、両端が開口した円筒形状の部材である。第1の開口部材65は、本体61の前面601の所定位置において、本体61から外側に配置されている。この所定位置は、任意に定めることができる。本実施形態の場合、第1の開口部材65は、本体61の前面601の鉛直下方向の端部に配置されている。第1の開口部材65は、本体61と同様に合成樹脂により成形されている。第1の開口部材65は、本体61と一体成形されてもよい。第1の開口部材65の一端にある開口は、本体61の開口と連通し、第1の開口部材65の他端にある開口は、第1のチューブ96を介して液体収容室50と連通している。
第2の開口部材69は、両端が開口した円筒形状の部材である。第2の開口部材69は、本体61の背面602の所定位置において、本体61から外側に配置されている。この所定位置は、隔壁62で区画されている部分である限りにおいて、任意に定めることができる。本実施形態の場合、第2の開口部材69は、本体61の背面602の鉛直下方向の端部に配置されている。第2の開口部材69は、本体61と同様に合成樹脂により成形されている。第2の開口部材69は、本体61と一体成形されてもよい。第2の開口部材69の一端にある開口は、本体61の開口と連通し、第2の開口部材69の他端にある開口は、大気と連通している。本実施形態では、空気収容室60の第2の開口部材69の他端側の開口が、大気開放口691に相当する。
第1の接続体70は、本体71と、第1の開口部材75と、第2の開口部材79とを備えている。
本体71は、中空の略柱体形状の部材である。本体71には、第1の開口部材75が配置されている位置と、第2の開口部材79が配置されている位置と、にそれぞれ対応する位置に、各部75,79の開口に対応した大きさの開口が形成されている。本体71は、例えばポリプロピレン等の合成樹脂により成形されている。
第1の開口部材75は、両端が開口した円筒形状の部材である。第1の開口部材75は、本体71の一方の面において、本体71から外側に配置されている。第1の開口部材75が配置されている位置は、任意に定めることができる。第1の開口部材75は、本体71と同様に合成樹脂により成形されている。第1の開口部材75は、本体71と一体成形されてもよい。第1の開口部材75の一端にある開口は、本体71の開口と連通し、第1の開口部材75の他端にある開口は、第2のチューブ97を介して液体収容室50と連通している。
第2の開口部材79は、両端が開口した円筒形状の部材である。第2の開口部材79は、本体71の他方の面(一方の面とは反対側の面)において、本体71から外側に配置されている。第2の開口部材79が配置されている位置は、任意に定めることができる。第2の開口部材79は、本体71と同様に合成樹脂により成形されている。第2の開口部材79は、本体71と一体成形されてもよい。第2の開口部材79の一端にある開口は、本体71の開口と連通し、第2の開口部材79の他端にある開口は、流通管99を介して記録ヘッド14と連通している(図2、図4)。
第1のチューブ96は、液体収容室50と空気収容室60とを接続すると共に、チューブ内に大気開放流路を形成する。第1のチューブ96は、両端が開口した円筒形状のホースである。第1のチューブ96は、可撓性を有する樹脂部材(例えばゴム)により成形されている。本実施形態の第1のチューブ96は、液体収容室50の本体51の高さ(すなわち、Z軸方向における長さ)と、空気収容室60の本体61の高さと、プリンター10内部において液体収容室50および空気収容室60が配置されている位置間の長さと、を加算した長さよりも長い。このため、使用状態(第1の姿勢)において、本実施形態の第1のチューブ96は、液体収容室50と空気収容室60との間で鉛直方向(Z軸方向)に湾曲し、その一部が、インクの満量位置を示す第1の状態表示部52よりも、鉛直方向の上側に位置している。本実施形態では、第1のチューブ96のうち、液体収容室50の第1の状態表示部52よりも鉛直方向の上側に位置している部分が「上位部分」に相当する。
第2のチューブ97は、液体収容室50と第1の接続体70とを接続すると共に、チューブ内に液体供給流路を形成する。第2のチューブ97は、第1のチューブ96と同様の材料を用いて、第1のチューブ96と同様の形状(長さ含む)に形成されている。このため、使用状態(第1の姿勢)において、本実施形態の第2のチューブ97は、液体収容室50と空気収容室60との間で鉛直方向(Z軸方向)に湾曲し、その一部が「上位部分」を構成する。
支持部80は、第1のチューブ96および第2のチューブ97を支持する。支持部80は、弾性体81と、支持棒82と、レール83とを備えている。
弾性体81は、例えばバネ等の弾性を有する部材により構成されている。弾性体81のうち、鉛直方向の上端部分は、プリンター10の筺体12の内側の上壁(内壁121)に固定されている。弾性体81の鉛直方向の下端部分には、支持棒82が固定されている。レール83は、支持棒82を鉛直方向に沿って移動させるためのガイドであり、例えば金属により構成されている。レール83は、プリンター10の筺体12の内側の側壁(内壁121と交差する側壁)に固定されている。
支持棒82は、第1のチューブ96と第2のチューブ97とを支持するための部材である。本実施形態の支持棒82は、直径dの円板をX軸方向に延伸させた円柱形状を有している。支持棒82のうち、X軸方向の略中央部分には弾性体81が固定されている。また、支持棒82は、−X方向の一端がレール83に対してスライド可能な態様で嵌合されており、+X方向の一端が開放されている。支持棒82は、ポリスチレンやポリエチレン等の合成樹脂により成形されている。なお、支持棒82は中空でもよいし、中実でもよい。支持棒82は、他の部材、例えば可撓性を有する樹脂部材(例えばゴム)により成形されていてもよい。支持棒82は、X軸方向の両端が一対のレール83に対して、それぞれスライド可能な態様で嵌合されていてもよい。
図5に示すように、支持棒82は、第1のチューブ96および第2のチューブ97の鉛直方向の下側に通されている。上述の通り支持棒82は、内壁121に固定された弾性体81によって、鉛直方向の上側(図5、矢印方向)に付勢されている。この結果、支持棒82は、第1のチューブ96および第2のチューブ97を、鉛直方向の下側から上側に向かって持ち上げるようにして保持する。ここで、支持棒82の直径dは、持ち上げられている第1のチューブ96および第2のチューブ97のうち、各チューブ96,97が支持棒82と接している(または最も近い)部分の曲率半径が、所定範囲内に収まるように決定される。この所定範囲は、各チューブ96,97内の流路が閉塞しない(または、過剰に狭まらない)程度の大きさに設定される。所定範囲は、第1のチューブ96および第2のチューブ97の太さ、材料、液体収容室50に収容される液体の性質(粘度等)に応じて適宜設定することができる。
A−4.液体供給装置の動作:
上述の通り、液体噴射システム1の使用状態(第1の姿勢)において、液体収容ユニット30はプリンター10に収納されている。このとき、液体収容ユニット30の各液体収容室50は、図5で説明した姿勢である。
上述の通り、液体噴射システム1の使用状態(第1の姿勢)において、液体収容ユニット30はプリンター10に収納されている。このとき、液体収容ユニット30の各液体収容室50は、図5で説明した姿勢である。
図6は、液体補充状態(第2の姿勢)の液体共有装置について説明する図である。図6では、図5と同様に、X軸正方向から見た各部を模式的に示している。液体噴射システム1にインクを補充する際の動作について考える。インクの補充に際して利用者は、液体収容ユニット30のケース40の鉛直上方向の端部(ヒンジ41が設けられている側とは逆側の端部)を押下する。すると、図示しないケース40の保持機構が解除され、ケース40は、ヒンジ41を回転軸として図1の白抜き矢印で示す方向へ開く(図2)。ケース40が開いた状態(すなわち、液体補充状態における第2の姿勢)の液体収容ユニット30において、各液体収容室50は、図6で示した姿勢となる。
このように、使用状態における第1の姿勢(図5)から液体補充状態における第2の姿勢(図6)への変化、および、液体補充状態における第2の姿勢(図6)から使用状態における第1の姿勢(図5)への変化に伴って、実際に姿勢の変化が生じるのは液体収容室50だけであり、空気収容室60および第1の接続体70には、姿勢の変化が生じない。また、大気開放流路を形成する第1のチューブ96の一端は液体収容室50の空気導入口561と接続され、液体供給流路を形成する第2のチューブ97の一端は液体導出口571と接続されている。このため、液体収容室50の姿勢が変化した場合、液体収容室50の動きに追従して各チューブ96,97にも動きが生じる。
しかし、本実施形態の液体供給装置(液体収容室50を含む液体収容ユニット30、空気収容室60)では、このような各チューブ96,97の動きは支持部80によって規制される(図5、図6)。このため、本実施形態の液体供給装置では、第1のチューブ96が大きく動いてチューブに負荷が掛ることに伴うチューブ内の大気開放流路の閉塞と、第2のチューブ97が大きく動いてチューブに負荷が掛ることに伴うチューブ内の液体供給流路の閉塞と、を抑制することができる。
以上のように、本実施形態の液体供給装置(液体収容室50を含む液体収容ユニット30、空気収容室60)によれば、大気開放流路や、液体供給流路の閉塞に起因して、インク(液体)が記録ヘッド14に対して正しく供給できなくなるという問題の発生を低減することができ、プリンター10(液体噴射装置)への液体供給の安定化を図ることができる。
また、本実施形態の液体供給装置(液体収容室50を含む液体収容ユニット30、空気収容室60)によれば、第1のチューブ96および第2のチューブ97のうち、支持部80によって支持されている少なくとも一部分(上位部分)の曲率が所定範囲内に維持される。このため、第1のチューブ96および第2のチューブ97の屈曲に伴うチューブ内の流路(大気開放流路、液体供給流路)の閉塞を、より効果的に抑制することができる。
さらに、本実施形態の液体供給装置(液体収容室50を含む液体収容ユニット30、空気収容室60)によれば、第1のチューブ96のうち、支持部80に保持されている少なくとも一部分(上位部分)は、液体収容室50における液体の上限位置(第1の状態表示部52)よりも鉛直方向の上側を通過する。このため、液体収容室50から第1のチューブ96内に漏出したインク(液体)が、チューブ内を伝って外部へ漏出することを抑制することができる。
さらに、本実施形態の液体供給装置(液体収容室50を含む液体収容ユニット30、空気収容室60)によれば、第1のチューブ96および第2のチューブ97のうち、支持部80に保持されている少なくとも一部分(上位部分)は、使用状態における第1の姿勢(図5)と、液体補充状態における第2の姿勢(図6)との両方において、換言すれば、姿勢変化の前後に亘って、鉛直方向の下側方向から上側方向に向かって支持部80により付勢されている。このため、液体収容室50から第1のチューブ96内に漏出したインク(液体)が、チューブ内を伝って外部へ漏出することを、より効果的に抑制することができる。
さらに、本実施形態の液体供給装置(液体収容室50を含む液体収容ユニット30、空気収容室60)によれば、大気開放流路300の一部に空気を収容可能な空気収容室60が形成されているため、空気収容室60から第1のチューブ96内に漏出したインク(液体)を、この空気収容室60に収容することができる。このため、液体収容室50から第1のチューブ96内に漏出した液体がインク(液体)へ漏出することを、より効果的に抑制することができる。
さらに、本実施形態の液体供給装置(液体収容室50を含む液体収容ユニット30、空気収容室60)によれば、液体供給装置を収容する部材(筺体12の内壁121)に支持部80を取り付けることで、液体供給装置を含むシステム(例えば液体噴射システム1)の構成を簡略化することができる。
A−5.他の実施形態:
上述した液体供給装置はあくまで実施形態の一例に過ぎず、液体供給装置は種々の実施形態を採用し得る。例えば、次に列挙する他の実施形態を採用してもよい。次に列挙する他の実施形態は、上述した液体供給装置に置換される形で採用されてもよく、少なくとも一部を上述した液体供給装置に組み合わせる形で採用されてもよい。なお、図中において上記実施形態と同様の構成および動作を有する部分については、先に説明した実施形態と同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。すなわち、以下に説明しない構成および動作は、上述した実施形態と同じである。
上述した液体供給装置はあくまで実施形態の一例に過ぎず、液体供給装置は種々の実施形態を採用し得る。例えば、次に列挙する他の実施形態を採用してもよい。次に列挙する他の実施形態は、上述した液体供給装置に置換される形で採用されてもよく、少なくとも一部を上述した液体供給装置に組み合わせる形で採用されてもよい。なお、図中において上記実施形態と同様の構成および動作を有する部分については、先に説明した実施形態と同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。すなわち、以下に説明しない構成および動作は、上述した実施形態と同じである。
(1)他の実施形態1:
図7は、使用状態における他の実施形態1の液体供給装置について説明する図である。図8は、液体補充状態における他の実施形態1の液体供給装置について説明する図である。図7および図8は、X軸正方向側から見た各部を模式的に示している。図5および図6に示した上記実施形態との違いは、液体収容室50に代えて液体収容室50aを備える点と、空気収容室60に代えて空気収容室60aを備える点と、液体収容室50aと空気収容室60aとが一体とされている点と、ケース40に代えてケース40aを備える点と、支持部80に代えて支持部80aを備える点と、さらに第2の接続体90を備える点である。
図7は、使用状態における他の実施形態1の液体供給装置について説明する図である。図8は、液体補充状態における他の実施形態1の液体供給装置について説明する図である。図7および図8は、X軸正方向側から見た各部を模式的に示している。図5および図6に示した上記実施形態との違いは、液体収容室50に代えて液体収容室50aを備える点と、空気収容室60に代えて空気収容室60aを備える点と、液体収容室50aと空気収容室60aとが一体とされている点と、ケース40に代えてケース40aを備える点と、支持部80に代えて支持部80aを備える点と、さらに第2の接続体90を備える点である。
液体収容室50aは、液体注入部58に代えて液体注入部58aを備え、第2の状態表示部53と開口部材56とを備えない。液体注入部58aは、背面502に代えて上面505に配置されている点を除いては、上記実施形態の液体注入部58と同じである。
空気収容室60aは、第2の開口部材69に代えて第2の開口部材69aを備え、第1の開口部材65を備えず、さらに、第2の隔壁63を備えている。第2の開口部材69aは、背面602の鉛直方向の中央より上側に配置されている点を除いては、上記実施形態の第2の開口部材69と同じである。第2の隔壁63は、本体61の内部を区画するための板状部材である。第2の隔壁63は、本体61の内部空間であって、隔壁62と背面602との間の空間を、上面605から背面602と平行に延伸するように配置されている。第2の隔壁63は、鉛直下方向の端部が開口している。第2の隔壁63は、本体61と同様に、合成樹脂により成形されている。第2の隔壁63は、本体61と一体成形されていてもよい。
上述した液体収容室50aと空気収容室60aとは、一体に成形されている。すなわち、液体収容室50aの背面502と、空気収容室60aの前面601とは、一枚の板状部材である隔壁64により構成されている。隔壁64は、鉛直下方向の端部が開口している(空気導入口561)。本実施形態では、この空気導入口561の開口近傍に、大気と直接連通する液面(メニスカス)が形成される。
ケース40aは、第1実施形態で説明した各部(ヒンジ41、外側ケース42、内側ケース43)に代えて、ケース筐体46と、アーム47と、を備えている。ケース筐体46は、鉛直上方向の面(液体収容室50aの上面505と、空気収容室60aの上面605とに対応する面)が開口した箱形状である。ケース筐体46の内部には、一体に成形された液体収容室50aおよび空気収容室60aが収納されている。また、ケース筐体46には、第1のチューブ96および第2のチューブ97を外部へ通すための開口が形成されている。アーム47は、ケース筐体46の側面(空気収容室60aの背面602に対応する面)の所定位置に設けられた突出部である。アーム47は、ケース40aを支持部80aの支持棒87に固定する。
支持部80aは、第1実施形態で説明した各部(弾性体81、支持棒82、レール83)に代えて、レール85と、ランナー86と、支持棒87と、回転軸88と、を備えている。レール85は、支持棒87をレール85に沿って移動させるためのガイドであり、例えば金属により構成されている。レール85の鉛直下方向の端部は、回転軸88によって保持されている。レール85は、回転軸88を中心として回転することができる。
ランナー86は、レール85に沿って支持棒87を移動させるための部材である。ランナー86は、一端がレール85の溝に嵌合されており、他端に支持棒87が固定されている。支持棒87は、ケース40aを支持するための部材である。支持棒87は、四角柱形状を有している。上述の通り、支持棒87の一端はケース40aのアーム47に固定され、支持棒87の他端はランナー86に固定されている。
図7に示すように、本実施形態では、レール85の鉛直上方向の端面が、第1のチューブ96および第2のチューブ97の鉛直方向の下側に通されている。この結果、レール85は、第1のチューブ96および第2のチューブ97を、鉛直方向の下側から上側に向かって持ち上げるようにして保持する。なお、レール85の鉛直上方向の端部には、上述した直径dを有する球や半円柱が配置されていることが好ましい。
第2の接続体90は、本体91と、第1の開口部材92と、第2の開口部材93と、透湿防水部材94と、を備えている。
本体91は、中空の略柱体形状の部材である。本体91には、第1の開口部材92が配置されている位置と、第2の開口部材93が配置されている位置と、にそれぞれ対応する位置に、各部92,93の開口に対応した大きさの開口が形成されている。本体91は、例えばポリプロピレン等の合成樹脂により成形されている。透湿防水部材94は、例えばゴアテックス(登録商標)等の気液分離膜である。透湿防水部材94は、本体91内の所定位置(例えばY軸方向の略中央部)において、本体91内の空間をY軸方向に遮断するように配置されている。
第1の開口部材92は、両端が開口した円筒形状の部材である。第1の開口部材92は、本体91の一方の面において、本体91から外側に配置されている。第1の開口部材92が配置されている位置は任意に定めることができる。第1の開口部材92は、本体91と同様に合成樹脂により成形されており、本体91と一体成形されていてもよい。第1の開口部材92の一端にある開口は、本体91の開口と連通し、第1の開口部材92の他端にある開口は、第1のチューブ96を介して空気収容室60aと連通している。
第2の開口部材93は、両端が開口した円筒形状の部材である。第2の開口部材93は、本体91の他方の面(一方の面とは反対側の面)において、本体91から外側に配置されている。第2の開口部材93が配置されている位置は、任意に定めることができる。第2の開口部材93は、本体91と同様に合成樹脂により成形されており、本体91と一体成形されてもよい。第2の開口部材93の一端にある開口は、本体91の開口と連通し、第2の開口部材93の他端にある開口は、大気と連通している。
本実施形態では、第2の接続体90の第2の開口部材93の他端側の開口が、大気開放口に相当する。また、液体収容室50aと空気収容室60aとの間の隔壁64により形成された開口(空気導入口561a)が、空気導入口として機能する。さらに、空気収容室60aの本体61内において、インクの満量位置(上限位置)を示す第1の状態表示部52よりも鉛直方向の上側に位置している部分と、第1のチューブ96内において、インクの満量位置(上限位置)を示す第1の状態表示部52よりも鉛直方向の上側に位置している部分とが、それぞれ「上位部分」に相当する。第2の接続体90の第2の開口部材93の他端側の開口(大気開放口)から第2の開口部材93内を通過し、本体91内と第1のチューブ96内と本体61内とを通過し、隔壁64により形成された開口(空気導入口561a)に至るまでの経路が大気開放流路300に相当する。
以上説明した他の実施形態によれば、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。また、以上説明した他の実施形態によれば、液体収容室50aの動きに追従して移動する第1のチューブ96の少なくとも一部分(上位部分)は、図7に示す使用状態と図8に示す液体補充状態との移動の前後を通して、液体収容室50aにおける液体の上限位置(第1の状態表示部52)よりも鉛直方向の上側に支持される。このため、液体収容室50aから第1のチューブ96内に漏出した液体が、チューブ96内を伝って外部へ漏出することを、より効果的に抑制することができる。なお、本実施形態において「姿勢の変化」には図7、図8で示す「位置の変化」も含む。
また、他の実施形態によれば、液体供給装置(液体収容ユニット30a)には、空気収容室60aから独立して交換可能な防水室(第2の接続体90)が含まれ、透湿防水部材94は、この防水室内に収容されている。このため、透湿防水部材94が濡れた場合に、防水室だけを簡単に交換することができると共に、交換に必要なコストを低減することができる。
B.変形例:
なお、本発明の上記実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
なお、本発明の上記実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
・変形例1:
上記実施形態では、液体供給装置の構成について例示した。しかし、液体供給装置の構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に定めることが可能であり、例えば、各構成部の追加・削除・変換等を行うことができる。
上記実施形態では、液体供給装置の構成について例示した。しかし、液体供給装置の構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に定めることが可能であり、例えば、各構成部の追加・削除・変換等を行うことができる。
例えば、液体供給装置は、マリオット瓶の原理を利用せずにインクを液体噴射装置へと供給してもよい。
例えば、液体収容室と空気収容室とを接続する第1のチューブは、第1の状態表示部よりも鉛直方向の上側を通過する上位部分を有さなくてもよい。また、液体収容室と空気収容室とを接続する第1のチューブが支持部により支持されていればよく、第2のチューブは支持部により支持されていなくてもよい。
例えば、空気収容室は省略してもよい。この場合、例えば液体収容室に接続された第1のチューブの他端(液体収容室に接続されていない側の端部)が、大気開放口として機能する。
例えば、第1の接続体と、第2の接続体とのうちの少なくとも一方は省略してもよい。例えば第1の接続体を省略する場合、第2のチューブによって液体収容室と記録ヘッドとが直接接続されていてもよい。例えば第2の接続体を省略する場合、第1のチューブのうち、液体収容室または空気収容室と接続されていない側の端部において、大気開放口が形成されていてもよい。また、第1の接続体や第2の接続体は、複数備えられていてもよい。例えば、液体収容室と空気収容室との中央部分(図5に示した第2のチューブの略中央部分)において、第1の接続体と同様の構成の接続体が設けられていてもよい。
例えば、支持部の構成はあくまで一例であり、他の構成を採用してもよい。具体的には、弾性体に代えてソレノイドや油圧を用いることで、支持棒を付勢してもよい。各部の材料や形状についても任意に変更することができる。
・変形例2:
上記実施形態では、液体噴射システムの構成について例示した。しかし、液体噴射システムの構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に定めることが可能であり、例えば、各構成部の追加・削除・変換等を行うことができる。
上記実施形態では、液体噴射システムの構成について例示した。しかし、液体噴射システムの構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に定めることが可能であり、例えば、各構成部の追加・削除・変換等を行うことができる。
例えば、液体補充時において、上記実施形態で説明した姿勢とは異なる第2の姿勢を採用してもよい。例えば、図示しないレールを内蔵し、ケースごと液体収容ユニット(液体収容室)をX軸方向にずらしてプリンターの筐体外部に各液体収容室を露出させることで液体を補充してもよい。この場合、液体収容室の上面に液体注入部が設けられることが好ましい。
例えば、液体噴射システムにおいて、液体収容ユニットは、インク以外の他の液体(例えば、樹脂液など)を収容していてもよい。他の液体を収容する液体噴射システムが用いられる液体噴射装置としては、以下に列挙する各装置を採用できる。
(1)ファクシミリ装置等の画像記録装置
(2)液晶ディスプレイ等の画像表示装置用のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射記録装置
(3)有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイや、面発光ディスプレイ (Field Emission Display、FED)等の電極形成に用いられる電極材噴射装置
(4)バイオチップ製造に用いられる生体有機物を含む液体を噴射する液体噴射装置
(5)精密ピペットとしての試料噴射装置
(6)潤滑油の噴射装置
(7)樹脂液の噴射装置
(8)時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を消費する液体噴射装置
(9)光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂液等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置
(10)基板などをエッチングするために酸性又はアルカリ性のエッチング液を噴射する液体噴射装置
(11)他の任意の微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッドを備える液体噴射装置
(1)ファクシミリ装置等の画像記録装置
(2)液晶ディスプレイ等の画像表示装置用のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射記録装置
(3)有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイや、面発光ディスプレイ (Field Emission Display、FED)等の電極形成に用いられる電極材噴射装置
(4)バイオチップ製造に用いられる生体有機物を含む液体を噴射する液体噴射装置
(5)精密ピペットとしての試料噴射装置
(6)潤滑油の噴射装置
(7)樹脂液の噴射装置
(8)時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を消費する液体噴射装置
(9)光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂液等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置
(10)基板などをエッチングするために酸性又はアルカリ性のエッチング液を噴射する液体噴射装置
(11)他の任意の微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッドを備える液体噴射装置
なお、「液滴」とは、液体噴射記録装置又は液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう「液体」とは、液体噴射記録装置又は液体噴射装置が液体を噴射できるような材料であれば良い。例えば、「液体」は、物質が液相であるときの状態の材料であれば良く、粘性の高い又は低い液状態の材料、及び、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような液状態の材料も「液体」に含まれる。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散または混合されたものなども「液体」に含まれる。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インクおよび油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種の液体状組成物を包含するものとする。また、紫外線を照射して硬化可能なUVインクをこの液体収容部に収容してプリンターに接続した場合は、設置面から液体収容袋が浮くため、設置面の熱が液体収容部に伝って硬化する可能性が低減する。
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えや組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
1…液体噴射システム、10…プリンター、11…操作パネル、12…筺体、14…記録ヘッド、16…排出部、18…キャリッジ、18a…インク供給針、20…サブタンク、30、30a…液体収容ユニット、40、40a…ケース、41…ヒンジ、42…外側ケース、43…内側ケース、46…ケース筐体、47…アーム、50、50C〜Y、50a…液体収容室、51…本体、52…第1の状態表示部、53…第2の状態表示部、56…開口部材、57…液体導出部材、58…液体注入部、58a…液体注入部、59…栓部材、60、60K〜Y、60a…空気収容室、61…本体、62…隔壁、63…第2の隔壁、64…隔壁、65…第1の開口部材、69、69a…第2の開口部材、70…第1の接続体、71…本体、75…第1の開口部材、79…第2の開口部材、80、80a…支持部、81…弾性体、82…支持棒、83…レール、85…レール、86…ランナー、87…支持棒、88…回転軸、90…第2の接続体、91…本体、92…第1の開口部材、93…第2の開口部材、94…透湿防水部材、96…第1のチューブ、97…第2のチューブ、99…流通管、121…内壁、202…液体受入部、204…インク貯留室、206…フィルター、208…インク流動路、300…大気開放流路、310…第1の流路、320…第2の流路、561、561a…空気導入口、571…液体導出口、651…液体室側開口、691…大気開放口
Claims (9)
- 対象物に液体を噴射するヘッドに対して前記液体を供給するための液体供給装置であって、
前記液体を収容可能な液体収容室と、
前記液体収容室と連通し、前記液体収容室内に前記液体を注入可能な液体注入部と、
前記液体収容室内に空気を導入するために前記液体収容室に設けられた開口である空気導入口と、
一端が前記空気導入口と連通し、他端が大気に開放した大気開放流路であって、大気開放流路の少なくとも一部において、可撓性を有する第1のチューブを含む大気開放流路と、
前記第1のチューブの少なくとも一部分を支持する支持部と、
を備え、
前記支持部は、前記液体収容室の動きに追従した前記第1のチューブの動きを規制する、液体供給装置。 - 請求項1に記載の液体供給装置であって、
前記支持部は、前記第1のチューブの前記少なくとも一部分の曲率を所定範囲内に維持しつつ、前記第1のチューブの動きを規制する、液体供給装置。 - 請求項1または請求項2に記載の液体供給装置であって、
前記支持部は、前記液体収容室における前記液体の上限位置よりも鉛直方向の上側に、前記第1のチューブの前記少なくとも一部分が位置するように、前記第1のチューブを支持する、液体供給装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の液体供給装置であって、
前記液体収容室は、前記液体供給装置内において、
前記ヘッドに対して前記液体を供給するための第1の姿勢と、
前記液体収容室が前記第1の姿勢と交差する方向を向き、前記液体収容室内に前記液体を注入するための第2の姿勢と、
の間での姿勢変化が可能なように保持され、
前記液体注入部は、前記第1の姿勢における前記液体収容室の側面に形成され、
前記支持部は、前記第1のチューブの前記少なくとも一部分を、前記第1の姿勢と前記第2の姿勢との両方において、鉛直方向の下側方向から上側方向に向かって付勢しつつ支持する、液体供給装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の液体供給装置であって、
前記液体収容室は、前記液体供給装置内において、
前記ヘッドに対して前記液体を供給するための第1の姿勢と、
前記液体収容室が前記第1の姿勢と略水平な方向を向き、前記液体収容室内に前記液体を注入するための第2の姿勢と、
の間での姿勢変化が可能なように保持され、
前記液体注入部は、前記第1の姿勢における前記液体収容室の上面に形成され、
前記支持部は、
前記液体収容室における前記液体の上限位置よりも鉛直方向の上側に前記第1のチューブの前記少なくとも一部分が位置するように前記第1のチューブを支持しつつ、かつ、
前記第1のチューブの前記少なくとも一部分を、前記液体収容室の動きに追従させて水平方向に移動させる、液体供給装置。 - 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の液体供給装置であって、
前記大気開放流路の一部には、さらに、空気を収容可能な空気収容室が形成されている、液体供給装置。 - 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の液体供給装置であって、
前記液体収容室には、さらに、前記液体を導出する液体導出口が形成され、
前記液体供給装置は、さらに、一端が前記液体導出口と連通した液体供給流路であって、液体供給流路の少なくとも一部において、可撓性を有する第2のチューブを含む液体供給流路を備え、
前記支持部は、
前記第1のチューブに加えてさらに、前記第2のチューブの少なくとも一部分を支持すると共に、
前記液体収容室の動きに追従した前記第2のチューブの動きを規制する、液体供給装置。 - 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の液体供給装置であって、
前記支持部は、前記液体供給装置を収容する部材に取り付けられている、液体供給装置。 - 液体噴射システムであって、
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の液体供給装置と、
前記ヘッドを有する液体噴射装置と、
前記液体供給装置と前記ヘッドとを接続し、前記液体収容室内の前記液体を前記ヘッドに流通させる流通管と、
を備える、液体噴射システム。
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