JP2022035417A - 開閉装置用ガイドレールの固定構造 - Google Patents

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Abstract

Figure 2022035417000001
【課題】火災による被害を低減することが可能となる、開閉装置用ガイドレールの固定構造を提供すること。
【解決手段】開閉装置用ガイドレールの固定構造は、開閉装置1を構成するガイドレール20を、躯体2を構成する部材のうち外表面が耐火被覆材6で覆われた木製の支持部材5に対して固定するための固定構造であって、耐火被覆材6を貫通するように支持部材5に挿入される第1ガイドレール側固定具24によって、ガイドレール20を支持部材5に対して固定し、少なくともガイドレール20の外表面のうち耐火被覆材6に対応する部分以外の他の部分を覆うように設けられる第1燃え止まり部材51及び第1燃え代部材52を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、開閉装置用ガイドレールの固定構造に関する。
従来から、建物の開口部に設けられる開閉装置を構成するガイドレールを建物の躯体のうち鋼製の部材に対して固定する技術の一つとして、ガイドレールを鋼製のガイドレール支持枠を介して鋼製(又は鉄筋コンクリート製)の柱材に対して固定具によって固定する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2016-211257号公報
ところで、近年では、所定の耐火性能を有する木造建築物に開閉装置を設置するニーズが高まっている。ここで、上記従来の技術を用いて、このような木造建築物を構成する部材のうち外表面が燃え代部材で覆われた木製の部材に対してガイドレールを固定すると、開閉装置の周辺で火災が発生した際に、ガイドレールを木製の部材に固定する固定具を介して当該火災の熱が木製の部材に伝わることで木製の部材の耐力が低下することにより、木製の部材が倒壊してしまうおそれがあった。よって、火災による被害を低減する観点からは、改善の余地があった。
本発明は、上記従来技術における課題を解決するためのものであって、火災による被害を低減することが可能となる、開閉装置用ガイドレールの固定構造を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の開閉装置用ガイドレールの固定構造は、建物の躯体に設けられた開口部の開閉を行う開閉体を備えた開閉装置を構成するガイドレールであり、前記開閉体を開閉方向に沿って移動するように案内するガイドレールを、前記躯体を構成する部材のうち外表面が耐火被覆材で覆われた木製の支持部材に対して固定するための固定構造であって、前記耐火被覆材を貫通するように前記支持部材に挿入される固定具によって、前記ガイドレールを前記支持部材に対して固定し、少なくとも前記ガイドレールの外表面のうち前記耐火被覆材に対応する部分以外の他の部分を覆うように設けられる第1燃え止まり部材又は第1燃え代部材の少なくともいずれか一方を備える。
請求項2に記載の開閉装置用ガイドレールの固定構造は、請求項1に記載の開閉装置用ガイドレールの固定構造において、前記耐火被覆材は、第2燃え止まり部材と、前記第2燃え止まり部材の外表面を覆うように設けられる第2燃え代部材と、を備える。
請求項3に記載の開閉装置用ガイドレールの固定構造は、請求項2に記載の開閉装置用ガイドレールの固定構造において、前記第2燃え代部材の外表面のうち少なくとも前記ガイドレールに対応する部分を覆うように設けられる第3燃え止まり部材を備え、前記ガイドレールを、前記耐火被覆材及び前記第3燃え止まり部材を貫通するように前記支持部材に挿入される前記固定具によって前記支持部材に対して固定した。
請求項4に記載の開閉装置用ガイドレールの固定構造は、請求項3に記載の開閉装置用ガイドレールの固定構造において、前記第1燃え止まり部材と、少なくとも前記第3燃え止まり部材が外部に露出することを抑制するように設けられる前記第1燃え代部材と、を備える。
請求項5に記載の開閉装置用ガイドレールの固定構造は、請求項2から4のいずれか一項に記載の開閉装置用ガイドレールの固定構造において、前記第1燃え代部材と前記第2燃え代部材とを、同一の材質で形成した。
請求項6に記載の開閉装置用ガイドレールの固定構造は、請求項1から5のいずれか一項に記載の開閉装置用ガイドレールの固定構造において、前記ガイドレールの内部に設けられる遮熱部材であって、前記固定具への熱伝導を抑制するための遮熱部材を備える。
請求項1に記載の開閉装置用ガイドレールの固定構造によれば、耐火被覆材を貫通するように支持部材に挿入される固定具によって、ガイドレールを支持部材に対して固定し、少なくともガイドレールの外表面のうち耐火被覆材に対応する部分以外の他の部分を覆うように設けられる第1燃え止まり部材又は第1燃え代部材の少なくともいずれか一方を備えるので、開閉装置の周辺で火災が発生した際に、当該火災の熱がガイドレールを介して固定具へ伝導されることを抑制できる。よって、上記火災の熱が支持部材へ伝導することで支持部材が倒壊することを回避でき、上記火災による被害を低減することが可能となる。
請求項2に記載の開閉装置用ガイドレールの固定構造によれば、耐火被覆材が、第2燃え止まり部材と、第2燃え止まり部材の外表面を覆うように設けられる第2燃え代部材と、を備えるので、第2燃え止まり部材又は第2燃え代部材のいずれか一方のみを備える場合に比べて、支持部材の耐火性及び意匠性を高めることができる。
請求項3に記載の開閉装置用ガイドレールの固定構造によれば、第2燃え代部材の外表面のうち少なくともガイドレールに対応する部分を覆うように設けられる第3燃え止まり部材を備え、ガイドレールを、耐火被覆材及び第3燃え止まり部材を貫通するように支持部材に挿入される固定具によって支持部材に対して固定したので、上記火災の熱によって第2燃え代部材が燃えることでガイドレールと支持部材との間に隙間が生じることが防止できる。よって、上記隙間によってガイドレールの設置状態が不安定になることでガイドレールが支持部材から脱落することを回避でき、ガイドレールを支持部材に対して安定して固定できる。
請求項4に記載の開閉装置用ガイドレールの固定構造によれば、第1燃え止まり部材と、少なくとも第3燃え止まり部材が外部に露出することを抑制するように設けられる第1燃え代部材と、を備えるので、少なくとも第3燃え止まり部材が外部に露出することを抑制でき、ガイドレール周辺の意匠性を維持しやすくなる。
請求項5に記載の開閉装置用ガイドレールの固定構造によれば、第1燃え代部材と第2燃え代部材とを、同一の材質で形成したので、第1燃え代部材の外観と第2燃え代部材の外観とを略同一にでき、第1燃え代部材と第2燃え代部材との意匠の調和を図りやすくなる。
請求項6に記載の開閉装置用ガイドレールの固定構造によれば、ガイドレールの内部に設けられる遮熱部材であって、固定具への熱伝導を抑制するための遮熱部材を備えるので、固定具への熱伝導を抑制でき、開閉装置の周辺で発生した火災の熱がガイドレールを介して固定具へ伝導されることを一層抑制できる。
本発明の実施の形態1に係る開閉装置の正面図である。 図1のA-A矢視断面図である(一部図示省略)。 実施の形態1に係る開閉装置の変形例を示す図であって、図2に対応する領域を示す図である。 実施の形態2に係る開閉装置を示す図であって、図2に対応する領域を示す図である。 実施の形態2に係る開閉装置の変形例を示す図であって、図2に対応する領域を示す図である。 実施の形態1に係る開閉装置の変形例を示す図であって、図2に対応する領域を示す図である。 実施の形態1に係る開閉装置の変形例を示す図であって、図2に対応する領域を示す図である。 実施の形態2に係る開閉装置の変形例を示す図であって、図2に対応する領域を示す図である。 実施の形態2に係る開閉装置の変形例を示す図であって、図2に対応する領域を示す図である。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る開閉装置用ガイドレールの固定構造の実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、建物の躯体に設けられた開口部の開閉を行う開閉体を備えた開閉装置を構成するガイドレールであり、開閉体を開閉方向に沿って移動するように案内するガイドレールを、躯体を構成する部材のうち外表面が耐火被覆材で覆われた木製の支持部材に対して固定するための固定構造に関するものである。
ここで、「建物」とは、その具体的な構造や種類は任意であるが、例えば、公共施設、商業施設、戸建て住宅、アパートやマンションの如き集合住宅等を含む概念である。また、「建物の開口部」とは、建物の躯体の一部分(例えば、壁、床、天井等)において出入口や窓を設置するために形成された開口部である。
また、「開閉装置」とは、防犯や防火のために、建物の開口部に取り付けられる装置であり、例えば、重量シャッター等を電動駆動可能な全ての形式のシャッター装置を含む概念である。また、開閉装置の開閉方向については、例えば上下方向、左右方向、前後方向等が該当する。また、開閉装置の駆動方式は任意であり、例えば、「手動式の開閉装置」、「電動式の開閉装置」等が該当する。より詳細には、火災感知器や操作装置からの信号に基づいて自重降下可能な「手動式の開閉装置」(いわゆる手動式の防火シャッター)や「電動式の開閉装置」(いわゆる電動式の防火シャッター)等が該当する。
また、「開閉装置の開閉状態」とは、例えば、「全閉状態」、「全開状態」、及び「半開状態」を含む概念である。このうち、「全閉状態」とは、開閉体によって開口部を全閉した状態であり、実施の形態では、全閉状態における開閉体の位置を「全閉位置」と称する。また、「全開状態」とは、開閉体によって開口部を全開した状態であり、実施の形態では、全開状態における開閉体の位置を「全開位置」と称する。また、「半開状態」とは、開閉体が全閉位置と全開位置との間に位置している状態である。
以下、実施の形態では、開閉装置が、公共施設(例えば、市役所等)の如き建物の内部の部屋を区画する内壁に設けられた開口部に設置される上下開閉式且つ電動式の重量シャッター(具体的には、電動式の防火シャッター)である場合について説明する。
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
〔実施の形態1〕
まず、実施の形態1に係る開閉装置用ガイドレールの固定構造について説明する。この実施の形態1は、後述する第1燃え止まり部材及び後述する第1燃え代部材を備える形態である。
(構成)
最初に、実施の形態1に係る開閉装置の構成について説明する。以下の説明では、図1のX方向を開閉装置の左右方向(-X方向を開閉装置の左方向、+X方向を開閉装置の右方向)、図2のY方向を開閉装置の前後方向(+Y方向を開閉装置の前方向(部屋の室外側の方向)、-Y方向を開閉装置の後方向(部屋の室内側の方向))、図1のZ方向を開閉装置の上下方向(+Z方向を開閉装置の上方向、-Z方向を開閉装置の下方向)と称する。
開閉装置1は、図1に示すように、概略的に、収納部10、ガイドレール20、開閉体30、巻取軸(図示省略)、開閉機(図示省略)、操作装置(図示省略)、及び制御装置(図示省略)を備えている。ただし、開閉装置1に関する特記しない構成については、従来と同様であるものとして説明を省略する。
なお、開閉装置1を構成する各種部材同士の取付方法(又は接続方法)については任意であるが、例えば、取付側の部材又は取付相手側の部材に形成された取付孔(例えば、リベット孔、ネジ孔、ビス孔等)を介して、取付側の部材を取付相手側の部材に対して固定具(例えば、リベット、取付ネジ、ビス等)、溶接、接着剤、両面テープ等によって取り付ける(又は接続する)方法が採用されている。
また、この開閉装置1を構成する各装置の接続形態については、具体的には、制御装置は、開閉機及び操作装置の各々と図示しない配線を介して電気的に接続されている。これにより、制御装置と、開閉機及び操作装置との相互間で通信又は電力供給を直接的又は間接的に行うことができる。
(構成-収納部)
収納部10は、開閉体30を収納するための収納手段であり、図1に示すように、建物の躯体2(具体的には、壁等)における開口部3の上端部よりも上方に設置されている(具体的には、建物の天井4よりも上方に設置されている)。また、この収納部10の内部には、巻取軸、開閉機、及び制御装置が収納されていると共に、巻取軸にて開閉体30が巻上げられた状態では、開閉体30の少なくとも一部も収納部10の内部に収納される。
また、収納部10の下端部には、開閉体30を中心とする部屋の室外側と部屋の室内側にそれぞれまぐさ(図示省略)が固定されている。そして、これらまぐさの相互間には、まぐさ開口(図示省略)が、収納部10の左右方向の略全長にわたって形成されていることで、このまぐさ開口を介して開閉体30の出し入れが行われる。
(構成-ガイドレール)
ガイドレール20は、開閉体30を開口部3の開閉方向(上下方向)に沿って移動するように案内するものであり、図2に示すように、ガイドレール本体21、接続部22、及び補強部23を備えている。
(構成-ガイドレール-ガイドレール本体)
ガイドレール本体21は、ガイドレール20の基本構造体である。このガイドレール本体21は、例えば横断面形状が略コ字状となるように形成された鋼製の長尺状体である。
また、図1に示すように、ガイドレール本体21は、開閉装置1の左端部及び右端部の各々において(具体的には、後述する支持部材5よりも部屋の室外側において)、ガイドレール本体21の長手方向が上下方向に略沿うように配置されている。
(構成-ガイドレール-接続部)
接続部22は、支持部材5に対してガイドレール本体21を接続するものである。この接続部22は、例えば相互に間隔を隔てて設けられる一対の長尺な鋼製の突出体22aを備えており、図2に示すように、ガイドレール本体21と支持部材5との相互間において、接続部22の長手方向が上下方向に略沿うように設けられている。
また、接続部22と支持部材5との接続方法については任意であるが、実施の形態1では、固定具24(以下、「第1ガイドレール側固定具24」と称する)によって、下地材25(例えば、横断面形状が略コ字状である公知の鋼材等)と支持部材5とを接続すると共に、固定具26(以下、「第2ガイドレール側固定具26」と称する)によって、一対の突出体22aの各々と下地材25とを接続している。ただし、これに限らず、例えば、下地材25を省略して、第1ガイドレール側固定具24によって、一対の突出体22aの各々と支持部材5とを接続してもよい。
(構成-ガイドレール-補強部)
補強部23は、ガイドレール本体21又は接続部22を補強するためのものである。この補強部23は、例えば長尺な鋼製の板状体(一例として、横断面形状が略コ字状である板状体等)にて形成されており、図2に示すように、ガイドレール本体21の内部及び接続部22の内側に設けられ、固定具又は溶接等によってガイドレール本体21又は接続部22に対して接続されている。
なお、以下では、必要に応じて、補強部23のうち、ガイドレール本体21に設けられる補強部23aを「第1補強部23a」と称し、接続部22に設けられる補強部23bを「第2補強部23b」と称する。
(構成-ガイドレール-支持部材)
ここで、「支持部材5」とは、躯体2を構成する部材のうち外表面が耐火被覆材6で覆われた木製の部材である。この支持部材5は、実施の形態1では、横断面形状が矩形状である木製の柱材であって、外表面全体が耐火被覆材6で覆われた柱材として説明するが、これに限らず、例えば、柱材以外の他の部材(一例として、壁材、床材、梁材等)であってもよい。
(構成-ガイドレール-耐火被覆材)
また、「耐火被覆材6」とは、耐火性能を有する被覆材である。この耐火被覆材6は、少なくとも燃え止まり部材6a(以下、「第2燃え止まり部材6a」と称する)を含む被覆材であり、実施の形態1では、図2に示すように、第2燃え止まり部材6a及び燃え代部材6b(以下、「第2燃え代部材6b」と称する)を含む被覆材として説明する。
(構成-ガイドレール-耐火被覆材-第2燃え止まり部材)
第2燃え止まり部材6aは、第2燃え止まり部材6a自体が燃焼しづらいことにより、支持部材5の燃焼を抑制するための燃え止まり部材である。この第2燃え止まり部材6aは、略板状体にて形成されており、図2に示すように、支持部材5の外表面全体を覆うように設けられており、固定具及び/又は接着剤等によって支持部材5に対して固定されている。
また、第2燃え止まり部材6aの材質については任意であるが、実施の形態1では、石膏ボードで形成されているが、これに限らず、例えば、石膏プラスター、ケイ酸カルシウム板、グラスウール材、ウレタン材、又はこれらを組み合わせたもの等で形成されてもよい(なお、他の燃え止まり部材の材質についても同様とする)。
また、第2燃え止まり部材6aの厚さについては任意であるが、実施の形態1では、支持部材5の耐火性能に応じた厚さに設定しており、具体的には、耐火構造の性能(火災が終了するまでの間に当該火災による支持部材5の倒壊及び延焼を防止するために必要な性能)に応じた厚さに設定している。ただし、これに限らず、例えば、耐火構造の性能に応じた厚さよりも厚く設定してもよい(なお、他の燃え止まり部材の厚さについても同様とする)。
(構成-ガイドレール-耐火被覆材-第2燃え代部材)
また、第2燃え代部材6bは、当該第2燃え代部材6b自体が燃焼して炭化することにより、支持部材5の燃焼又は炭化の進行を抑制する燃え代部材である。この第2燃え代部材6bは、略板状体にて形成されており、図2に示すように、第2燃え止まり部材6aの外表面(具体的には、当該外表面全体)を略覆うように設けられており、固定具及び/又は接着剤等によって支持部材5又は第2燃え止まり部材6aに対して固定されている。
また、第2燃え代部材6bの材質については任意であるが、実施の形態1では、木製の難燃合板で形成されているが、これに限らず、例えば、木製の集成材、木製の積層材、又はこれらを組み合わせたもの等で形成されてもよい(なお、後述する他の燃え代部材の材質についても同様とする)。
また、第2燃え代部材6bの厚さについては任意であるが、実施の形態1では、支持部材5の耐火性能に応じた厚さに設定しており、具体的には、耐火構造の性能に応じた厚さに設定している(なお、後述する他の燃え代部材の厚さについても同様とする)。ただし、これに限らず、例えば、耐火構造の性能に応じた厚さよりも厚く設定してもよい。
以上のような耐火被覆材6により、第2燃え止まり部材6a又は第2燃え代部材6bのいずれか一方のみを備える場合に比べて、支持部材5の耐火性及び意匠性を高めることができる。
(構成-開閉体)
図1に戻り、開閉体30は、開口部3の開閉を行うものであり、具体的には、巻取軸の回転駆動によって閉鎖移動又は開放移動されることで、開閉体30の開閉状態を全開状態、全閉状態、あるいは、半開状態にすることができる。この開閉体30は、例えば公知のシャッターカーテンを用いて構成されている。具体的には、図1に示すように、複数のスラット31を備えており、各スラット31の上下の両端部に形成された嵌合部(図示省略)を介して複数のスラット31が相互に嵌合接続されている。
また、開閉体30の左右方向の両端部の各々は、ガイドレール20のコ字状の開放端部を介してガイドレール20の内部に挿入されており、上下方向においてはガイドレール20の内部をスライド移動可能であり、かつ、前後方向においてはガイドレール20の外部に脱落しないように規制されている。
また、図1に示すように、開閉体30の下端部には、座板32が接続されている。この座板32は、全閉状態において建物の床面と近接し、又は接触するように配置されたものであり、開閉体30の下端部の左右方向全長にわたって形成されている。
(構成-巻取軸)
巻取軸は、開閉体30を開閉移動させるためのものである。この巻取軸は、例えば公知の巻取軸等を用いて構成されており、左右方向に沿って設けられている。また、この巻取軸には開閉体30の上端部に連結された連結スラット(図示省略)が接続されており、この巻取軸を回転させることで、連結スラットを介して開閉体30を開閉移動させることができる。
(構成-開閉機)
開閉機は、巻取軸の回転を制御することによって開閉体30を電動で開閉移動させる駆動手段である。この開閉機は、例えば公知の開閉機等によって構成されており、収納部10の内部において、巻取軸の近傍位置に設けられている。
(構成-操作装置)
操作装置は、開閉体30の閉鎖移動又は開放移動に関する操作入力を受け付ける操作手段であり、例えば、公知のシャッター装置用の操作手段(一例として、有線式又は無線式の操作装置等)を用いて構成されており、収納部10の外部において開口部3の近傍位置に設けられている。
(構成-制御装置)
制御装置は、開閉装置1の各部を相互に連動させる装置である。この制御装置は、例えば公知のシャッター用制御装置等を用いて構成され、開閉機と配線(図示省略)を介して電気的に接続されており、通信部、電源部、制御部、及び記憶部を備えている(いずれも図示省略)。
このうち、通信部は、操作装置又は外部装置との間で通信するための通信手段である。また、電源部は、図示しない商用電源又は電池(例えば、バッテリ等)から供給された電力を、制御装置の各部に供給すると共に、開閉機にも供給する電源手段である。制御部は、制御装置の各部を制御する制御手段である。記憶部は、制御装置の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記憶する記憶手段である。
(構成-ガイドレールの固定構造)
次に、ガイドレール20の固定構造について説明する。この開閉装置1は、ガイドレール20を支持部材5に対して固定するための固定構造を備えている。この固定構造の特徴については、実施の形態1では以下に示す通りとなる。
(構成-ガイドレールの固定構造-第1の特徴)
まず、実施の形態1に係る固定構造の第1の特徴については、耐火被覆材6を貫通するように支持部材5に挿入される第1ガイドレール側固定具24によって、ガイドレール20は支持部材5に対して固定されている。
具体的には、図2に示すように、第2ガイドレール側固定具26を介してガイドレール20の接続部22と接続された下地材25が、耐火被覆材6(具体的には、第2燃え代部材6b)の外表面と当接するように配置され、且つ耐火被覆材6(具体的には、第2燃え止まり部材6a及び第2燃え代部材6b)を貫通するように支持部材5に挿入される第1ガイドレール側固定具24によって支持部材5と接続されることにより、ガイドレール20は支持部材5に対して固定されている。
このような第1の特徴により、耐火被覆材6によって支持部材5が覆われても、ガイドレール20を支持部材5に対して強固に固定できる。
(構成-ガイドレールの固定構造-第2の特徴)
次に、実施の形態1に係る固定構造の第2の特徴については、図2に示すように、固定構造は、第1燃え止まり部材51及び第1燃え代部材52を備えている。
(構成-ガイドレールの固定構造-第1の特徴-第1燃え止まり部材)
第1燃え止まり部材51は、開閉装置1の周辺で発生した火災の熱がガイドレール20に伝導することを抑制するための燃え止まり部材である。この第1燃え止まり部材51は、略板状体にて形成されており、少なくともガイドレール20の外表面のうち耐火被覆材6に対応する部分以外の他の部分を覆うように設けられている。
具体的には、図2に示すように、ガイドレール20における部屋の室外側の面、左右方向の内側の面(図2では、開口部3側の面。ただし、開閉体30に対応する部分を除く。)、及び左右方向の外側の面を覆いながら、これらの面と当接するように設けられ、ガイドレール20又はガイドレール20に接続された接続部材60に対して固定具及び/又は接着剤等によって固定されている。また、第1燃え止まり部材51の左右方向の内側の面と耐火被覆材6の左右方向の内側の面とが略面一になるように、第1燃え止まり部材51が設けられているので、第1燃え止まり部材51及び耐火被覆材6の意匠性を高めることができる。
ただし、これに限らず、例えば、ガイドレール20における部屋の室外側の面、左右方向の内側の面、又は左右方向の外側の面と当接しないように間隔を隔てて設けられてもよい。あるいは、図3に示すように、ガイドレール20の外表面に加えて、耐火被覆材6における部屋の室外側の面を覆うように設けられてもよい。この場合において、上述したように、第1燃え止まり部材51の左右方向の内側の面と耐火被覆材6の左右方向の内側の面とが略面一であることに加えて、第1燃え止まり部材51の左右方向の外側の面と耐火被覆材6の左右方向の外側の面とが略面一になるように、第1燃え止まり部材51が設けられているので、図3に示すように、第1燃え止まり部材51及び耐火被覆材6を含めた横断面形状を略矩形状に設定でき、これらの部材の外観を1つの柱材のような外観に形成できる(なお、後述する図7についても略同様とする)。
なお、以下では、必要に応じて、第1燃え止まり部材51を構成する側片のうち、部屋の室外側に位置する側片51aを「室外側燃え止まり側片51a」と称し、左右方向の内側において開閉体30よりも部屋の室外側に位置する側片51bを「第1左右内側燃え止まり側片51b」と称し、左右方向の内側において開閉体30よりも部屋の室内側に位置する側片51cを「第2左右内側燃え止まり側片51c」と称し、左右方向の外側に位置する側片51dを「左右外側燃え止まり側片51d」と称する。
(構成-ガイドレールの固定構造-第1の特徴-第1燃え代部材)
図2に戻り、第1燃え代部材52は、上記火災の熱がガイドレール20に伝導することを抑制するための燃え代部材である。この第1燃え代部材52は、略板状体にて形成されており、少なくともガイドレール20の外表面のうち第1燃え代部材52に対応する部分以外の他の部分を覆うように設けられている。
具体的には、図2に示すように、第1燃え止まり部材51が外部に露出することを抑制するように設けられている(なお、図3の第1燃え代部材52についても略同様とする)。より具体的には、第1燃え止まり部材51における部屋の室外側の面、左右方向の内側の面(ただし、開閉体30に対応する部分を除く)、及び左右方向の外側の面を覆いながら、これらの面と当接するように設けられ、第1燃え止まり部材51を介してガイドレール20、接続部材60、又は第1燃え止まり部材51に対して固定具及び/又は接着剤等によって固定されている。これにより、第1燃え止まり部材51が外部に露出することを抑制でき、ガイドレール20周辺の意匠性を維持しやすくなる。なお、この場合において、例えば、図2に示すように、第2燃え止まり部材6aと第1燃え止まり部材51との境界部には、塞ぎ材61(一例として、パテ材又はシール材等)が設けられてもよい。
ただし、これに限らず、例えば、第1燃え止まり部材51における部屋の室外側の面、左右方向の内側の面、又は左右方向の外側の面と当接しないように間隔を隔てて設けられてもよい。
なお、以下では、必要に応じて、第1燃え代部材52を構成する側片のうち、部屋の室外側に位置する側片52aを「室外側燃え代側片52a」と称し、左右方向の内側において開閉体30よりも部屋の室外側に位置する側片52bを「第1左右内側燃え代側片52b」と称し、左右方向の内側において開閉体30よりも部屋の室内側に位置する側片52cを「第2左右内側燃え代側片52c」と称し、左右方向の外側に位置する側片52dを「左右外側燃え代側片52d」と称する。
このような第2の特徴により、開閉装置1の周辺で火災が発生した際に、当該火災の熱がガイドレール20を介して第1ガイドレール側固定具24へ伝導されることを抑制できる。よって、上記火災の熱が支持部材5へ伝導することで支持部材5が倒壊することを回避でき、上記火災による被害を低減することが可能となる。
(構成-ガイドレールの固定構造-第3の特徴)
次に、実施の形態1に係る固定構造の第3の特徴については、第1燃え代部材52と第2燃え代部材6bとは、同一の材質で形成されている。
具体的には、第1燃え代部材52及び第2燃え代部材6bは、同一の材質且つ同一又は類似の色彩である木製の難燃合板(一例として、化粧板用難燃合板等)でそれぞれ形成されている。
このような第3の特徴により、第1燃え代部材52の外観と第2燃え代部材6bの外観とを略同一にでき、第1燃え代部材52と第2燃え代部材6bとの意匠の調和を図りやすくなる。
(構成-ガイドレールの固定構造-第4の特徴)
次に、実施の形態1に係る固定構造の第4の特徴については、図2に示すように、固定構造が、遮熱部材71及び見切材72を備えている。
(構成-ガイドレールの固定構造-第4の特徴-遮熱部材)
遮熱部材71は、第1ガイドレール側固定具24への熱伝導を抑制するための部材である。この遮熱部材71は、略板状体にて形成されており、ガイドレール20の内部に設けられている。
具体的には、図2に示すように、一対の突出体22aの相互間において、第2補強部23bと当接するように設けられていると共に、第2補強部23bの上下方向の全長にわたって設けられており、第2補強部23bに対して固定具等によって固定されている。ただし、これに限らず、例えば、ガイドレール本体21の内部に設けられてもよく、あるいは、一対の突出体22aの相互間及びガイドレール本体21の内部に設けられてもよい。
また、遮熱部材71の材質については任意であるが、実施の形態1では、石膏ボードで形成されているが、これに限らず、例えば、石膏プラスター、ケイ酸カルシウム板、グラスウール材、ウレタン材、熱膨張耐火部材(一例として、フィブロック(登録商標)等)、又はこれらを組み合わせたもの等で形成されてもよい。
また、遮熱部材71の厚さについては任意であるが、実施の形態1では、第1ガイドレール側固定具24への熱伝導を抑制可能な厚さに設定しており、例えば、実験結果等に基づいて設定してもよい。
(構成-ガイドレールの固定構造-第4の特徴-見切材)
見切材72は、第1燃え止まり部材51及び第1燃え代部材52の端面を覆うための部材である。この見切材72は、例えば公知の鋼製の化粧板(一例として、化粧用フラットバー)を用いて構成されており、第1燃え止まり部材51及び第1燃え代部材52に複数設けられている(図2では、2つ設けられている)。
具体的には、図2に示すように、2つの見切材72の一方は、第1燃え止まり部材51の第1左右内側燃え止まり側片51bの後端面と第1燃え代部材52の第1左右内側燃え代側片52bの後端面とを覆うように設けられ、溶接等によってガイドレール20に対して固定されている。また、2つの見切材72の他方は、第1燃え止まり部材51の第2左右内側燃え止まり側片51cの前端面と第1燃え代部材52の第2左右内側燃え代側片52cの前端面とを覆うように設けられ、溶接等によってガイドレール20に対して固定されている。
また、見切材72の厚さについては任意であるが、実施の形態1では、見切材72がガイドレール20のコ字状の開放端部よりも開閉体30に突出しない厚さに設定している。具体的には、図2に示すように、開放端部よりも開閉体30から離れて位置することが可能な厚さに設定している。これにより、見切材72と開閉体30とが接触することを回避でき、開閉体30が傷つくことを回避できる。
このような第4の特徴により、遮熱部材71によって第1ガイドレール側固定具24への熱伝導を抑制でき、開閉装置1の周辺で発生した火災の熱がガイドレール20を介して第1ガイドレール側固定具24へ伝導されることを一層抑制できる。また、見切材72によって第1燃え止まり部材51及び第2燃え代部材6bの端面を覆うことができ、ガイドレール20周辺の意匠性を高めることができる。
以上のようなガイドレール20の固定構造により、ガイドレール20の設置性及びガイドレール20周辺の意匠性を高めながら、上記火災による被害を低減することが可能となる。
(開閉装置の作用について)
続いて、このように構成された開閉装置1の作用について説明する。開閉装置1の作用は、部屋の室外側で火災が発生した際の作用と、部屋の室内側で火災が発生した際の作用とに大別されるが、これら作用はそれぞれ略同一であるので、以下では、部屋の室外側で火災が発生した際の作用のみについて説明することとする。
例えば、全閉状態において部屋の室外側で火災が発生した際に、支持部材5が当該火災の炎に晒されることになる。
この場合において、耐火被覆材6によって支持部材5が燃焼することが抑制される。これにより、支持部材5の少なくとも一部が燃焼することで、上記火災が支持部材5を介して部屋の室外側から室内側へ延焼することを回避できる。
また、第1燃え止まり部材51及び第1燃え代部材52によってガイドレール20が上記火災の炎に直接晒されることを回避できると共に、上記火災の熱が遮熱部材71によって遮熱される。これにより、上記火災の熱がガイドレール20を介して第1ガイドレール側固定具24へ伝導されることを抑制できることから、上記火災の熱が支持部材5へ伝導することで支持部材5の耐力が低下することを防止でき、支持部材5が倒壊することを回避できる。
(実施の形態1の効果)
このように実施の形態1によれば、耐火被覆材6を貫通するように支持部材5に挿入される第1ガイドレール側固定具24によって、ガイドレール20を支持部材5に対して固定し、少なくともガイドレール20の外表面のうち耐火被覆材6に対応する部分以外の他の部分を覆うように設けられる第1燃え止まり部材51又は第1燃え代部材52の少なくともいずれか一方を備えるので、開閉装置1の周辺で火災が発生した際に、当該火災の熱がガイドレール20を介して第1ガイドレール側固定具24へ伝導されることを抑制できる。よって、上記火災の熱が支持部材5へ伝導することで支持部材5が倒壊することを回避でき、上記火災による被害を低減することが可能となる。
また、耐火被覆材6が、第2燃え止まり部材6aと、第2燃え止まり部材6aの外表面を覆うように設けられる第2燃え代部材6bと、を備えるので、第2燃え止まり部材6a又は第2燃え代部材6bのいずれか一方のみを備える場合に比べて、支持部材5の耐火性及び意匠性を高めることができる。
また、第1燃え代部材52と第2燃え代部材6bとを、同一の材質で形成したので、第1燃え代部材52の外観と第2燃え代部材6bの外観とを略同一にでき、第1燃え代部材52と第2燃え代部材6bとの意匠の調和を図りやすくなる。
また、ガイドレール20の内部に設けられる遮熱部材71であって、第1ガイドレール側固定具24への熱伝導を抑制するための遮熱部材71を備えるので、第1ガイドレール側固定具24への熱伝導を抑制でき、開閉装置1の周辺で発生した火災の熱がガイドレール20を介して第1ガイドレール側固定具24へ伝導されることを一層抑制できる。
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2に係る開閉装置用ガイドレールの固定構造について説明する。この実施の形態2は、実施の形態1の構成に加えて、後述する第3燃え代部材をさらに備える形態である。ただし、実施の形態2に係る構成及び処理は、特に説明する場合を除いては実施の形態1に係る構成及び処理と同じであるものとし、同一の構成及び処理については、実施の形態1で使用したものと同一の名称又は符号を必要に応じて用いることで、その説明を省略する。
(構成)
最初に、実施の形態2に係る開閉装置100の構成について説明する。実施の形態2に係る開閉装置100は、実施の形態1に係る開閉装置1とほぼ同様に構成されている。ただし、ガイドレール20の固定構造の構成の詳細については、実施の形態1に係る固定構造の構成に加えて、下記に示す工夫が施されている。
(構成-ガイドレールの固定構造)
次に、ガイドレール20の固定構造の構成の詳細について説明する。この固定構造の特徴については、実施の形態2では以下に示す通りとなる。
(構成-ガイドレールの固定構造-第1の特徴)
まず、実施の形態2に係る固定構造の第1の特徴については、図4に示すように、固定構造は、第1燃え止まり部材51、第1燃え代部材52、及び第3燃え止まり部材53を備えている。
(構成-ガイドレールの固定構造-第1燃え止まり部材)
第1燃え止まり部材51は、図4に示すように、実施の形態1に係る第1燃え止まり部材51と略同様に、少なくともガイドレール20の外表面のうち耐火被覆材6に対応する部分以外の他の部分を覆うように設けられている。
(構成-ガイドレールの固定構造-第1の特徴-第1燃え代部材)
第1燃え代部材52は、少なくともガイドレール20の外表面のうち耐火被覆材6に対応する部分以外の他の部分を覆うように設けられている。
具体的には、図4に示すように、第1燃え止まり部材51及び第3燃え止まり部材53が外部に露出することを抑制するように設けられている。より具体的には、第1燃え止まり部材51における部屋の室外側の面、左右方向の内側の面(ただし、開閉体30に対応する部分を除く)、及び左右方向の外側の面と、第3燃え止まり部材53の外表面を覆いながら、これらの面と当接するように設けられ、第1燃え止まり部材51を介してガイドレール20、接続部材60、又は第1燃え止まり部材51に対して固定具及び/又は接着剤等によって固定されている(あるいは、第3燃え止まり部材53及び耐火被覆材6を介して固定具等によって支持部材5に対して固定されてもよい)。なお、実施の形態2では、第1燃え代部材52の側片のうち、第3燃え止まり部材53側に位置する側片52eを「燃え止まり側燃え代側片52e」と称する。これにより、第1燃え止まり部材51及び第3燃え止まり部材53が外部に露出することを抑制でき、ガイドレール20周辺の意匠性を維持しやすくなる。
ただし、これに限らず、例えば、第3燃え止まり部材53の外表面に加えて、第3燃え止まり部材53の左右方向の両端部にわたって設けられることで、側方から見ても第3燃え止まり部材53が外部に露出することを抑制してもよい(なお、図8の第1燃え代部材52についても略同様とする)。あるいは、図5に示すように、第1燃え止まり部材51と第3燃え止まり部材53の一部のみとが外部に露出することを抑制するように設けられてもよい。
(構成-ガイドレールの固定構造-第3燃え止まり部材)
第3燃え止まり部材53は、第3燃え止まり部材53自体が燃焼しづらいことにより、第2燃え代部材6bの燃焼を抑制するための燃え止まり部材である。この第3燃え止まり部材53は、略板状体にて形成されており、第2燃え代部材6bの外表面のうち少なくともガイドレール20に対応する部分を覆うように設けられている。
具体的には、図4に示すように、第2燃え代部材6bと第1燃え代部材52又は第1燃え止まり部材51との相互間において、第2燃え代部材6bにおける部屋の室外側の面全体にわたって設けられており(より具体的には、第2燃え代部材6bと当接するように設けられており)、固定具及び/又は接着剤等によって支持部材5、第2燃え止まり部材6a、又は第2燃え代部材6bに対して固定されている。
ただし、これに限らず、例えば、第2燃え代部材6bの外表面のうちガイドレール20に対応する部分のみに設けられてもよい(なお、図5、図8、図9の第3燃え止まり部材53についても略同様とする)。
このような第1の特徴により、開閉装置100の周辺で火災が発生した際に、第2燃え代部材6bの外表面のうち少なくともガイドレール20に対応する部分が燃焼することを抑制できる。
(構成-ガイドレールの固定構造-第2の特徴)
次に、実施の形態2に係る固定構造の第2の特徴については、耐火被覆材6及び第3燃え止まり部材53を貫通するように支持部材5に挿入される第1ガイドレール側固定具24によって、ガイドレール20は支持部材5に対して固定されている。
具体的には、図4に示すように、第2ガイドレール側固定具26を介してガイドレール20の接続部22と接続された下地材25が、第3燃え止まり部材53の外表面と当接するように配置され、且つ耐火被覆材6及び第3燃え止まり部材53を貫通するように支持部材5に挿入される第1ガイドレール側固定具24によって支持部材5と接続されることにより、ガイドレール20は支持部材5に対して固定されている。
このような第2の特徴により、第3燃え止まり部材53によって耐火被覆材6が覆われても、ガイドレール20を支持部材5に対して強固に固定できる。
以上のようなガイドレール20の固定構造により、上記火災の熱によって第2燃え代部材6bが燃えることでガイドレール20と支持部材5との間に隙間が生じることが防止できる。よって、上記隙間によってガイドレール20の設置状態が不安定になることでガイドレール20が支持部材5から脱落することを回避でき、ガイドレール20を支持部材5に対して安定して固定できる。
(実施の形態2の効果)
このように実施の形態2によれば、第2燃え代部材6bの外表面のうち少なくともガイドレール20に対応する部分を覆うように設けられる第3燃え止まり部材53を備え、ガイドレール20を、耐火被覆材6及び第3燃え止まり部材53を貫通するように支持部材5に挿入される第1ガイドレール側固定具24によって支持部材5に対して固定したので、上記火災の熱によって第2燃え代部材6bが燃えることでガイドレール20と支持部材5との間に隙間が生じることが防止できる。よって、上記隙間によってガイドレール20の設置状態が不安定になることでガイドレール20が支持部材5から脱落することを回避でき、ガイドレール20を支持部材5に対して安定して固定できる。
また、第1燃え止まり部材51と、少なくとも第3燃え止まり部材53が外部に露出することを抑制するように設けられる第1燃え代部材52と、を備えるので、少なくとも第3燃え止まり部材53が外部に露出することを抑制でき、ガイドレール20周辺の意匠性を維持しやすくなる。
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
(ガイドレールについて)
上記実施の形態1、2では、ガイドレール20が、支持部材5よりも部屋の室外側に設けられていると説明したが、これに限らず、例えば、図6から図9に示すように、支持部材5よりも左右方向の内側に設けられてもよい。
この場合において、図6から図9に示すように、第1燃え止まり部材51及び第1燃え代部材52は、ガイドレール20の左右方向の外側の面以外の他の面(具体的には、ガイドレール20の左右方向の内側の面、部屋の室外側の面、部屋の室内側の面)に設けられてもよい。また。図8、図9に示すように、第3燃え止まり部材53は、第1燃え代部材6における左右方向の内側の面(具体的には、第1燃え代部材6の開口部3側の面)に設けられてもよい。
(耐火被覆材について)
上記実施の形態1、2では、耐火被覆材6が、第2燃え止まり部材6a及び第2燃え代部材6bを含むと説明したが、これに限らない。例えば、燃え代部材6bに代えて、別の第2燃え止まり部材6aを含む被覆材(すなわち、2層の第2燃え止まり部材6aからなる被覆材)であってもよい。
この場合において、例えば、実施の形態1に係る固定構造が、第1燃え止まり部材51のみを備える場合には、第1燃え止まり部材51と第2燃え止まり部材6aとが、同一の材質で形成されることで、第1燃え止まり部材51の外観と第2燃え止まり部材6aの外観とを略同一にしてもよい。また、実施の形態2に係る固定構造においては、第1燃え止まり部材51と第3燃え止まり部材53とが、同一の材質で形成されることで、第1燃え止まり部材51の外観と第3燃え止まり部材53の外観とを略同一にしてもよい。
(固定構造について)
上記実施の形態1、2では、固定構造が、第1燃え止まり部材51及び第1燃え代部材52を備えると説明したが、これに限らない。例えば、第1燃え代部材52に代えて、別の第1燃え止まり部材51を備えてもよい(すなわち、2層の第1燃え止まり部材51を備えてもよい)。あるいは、第1燃え止まり部材51に代えて、別の第1燃え代部材52を備えてもよい(すなわち、2層の第1燃え代部材52を備えてもよい)。あるいは、例えば、第1燃え止まり部材51又は第1燃え代部材52のいずれか一方のみを備えてもよい。
また、上記実施の形態1、2では、第1燃え代部材52と第2燃え代部材6bとが、同一の材質で形成されていると説明したが、これに限らず、例えば、異なる材質で形成されてもよい。
また、上記実施の形態1、2では、固定構造が、遮熱部材71、見切材72、及び塞ぎ材61を備えていると説明したが、これに限らず、例えば、遮熱部材71、見切材72、又は塞ぎ材61の少なくともいずれか1つを省略してもよい。
また、上記実施の形態2では、第1燃え止まり部材51及び第3燃え止まり部材53が外部に露出することを抑制するように、第1燃え代部材52が設けられていると説明したが、これに限らない。例えば、第3燃え止まり部材53のみが外部に露出することを抑制するように、第1燃え代部材52が設けられてもよい。一例として、第3燃え止まり部材53の外表面のうちガイドレール20に対応する部分以外の部分のみを覆うように、第1燃え代部材52が設けられてもよい。
(付記)
付記1の開閉装置用ガイドレールの固定構造は、建物の躯体に設けられた開口部の開閉を行う開閉体を備えた開閉装置を構成するガイドレールであり、前記開閉体を開閉方向に沿って移動するように案内するガイドレールを、前記躯体を構成する部材のうち外表面が耐火被覆材で覆われた木製の支持部材に対して固定するための固定構造であって、前記耐火被覆材を貫通するように前記支持部材に挿入される固定具によって、前記ガイドレールを前記支持部材に対して固定し、少なくとも前記ガイドレールの外表面のうち前記耐火被覆材に対応する部分以外の他の部分を覆うように設けられる第1燃え止まり部材又は第1燃え代部材の少なくともいずれか一方を備える。
付記2の開閉装置用ガイドレールの固定構造は、付記1に記載の開閉装置用ガイドレールの固定構造において、前記耐火被覆材は、第2燃え止まり部材と、前記第2燃え止まり部材の外表面を覆うように設けられる第2燃え代部材と、を備える。
付記3の開閉装置用ガイドレールの固定構造は、付記2に記載の開閉装置用ガイドレールの固定構造において、前記第2燃え代部材の外表面のうち少なくとも前記ガイドレールに対応する部分を覆うように設けられる第3燃え止まり部材を備え、前記ガイドレールを、前記耐火被覆材及び前記第3燃え止まり部材を貫通するように前記支持部材に挿入される前記固定具によって前記支持部材に対して固定した。
付記4の開閉装置用ガイドレールの固定構造は、付記3に記載の開閉装置用ガイドレールの固定構造において、前記第1燃え止まり部材と、少なくとも前記第3燃え止まり部材が外部に露出することを抑制するように設けられる前記第1燃え代部材と、を備える。
付記5の開閉装置用ガイドレールの固定構造は、付記2から4のいずれか一項に記載の開閉装置用ガイドレールの固定構造において、前記第1燃え代部材と前記第2燃え代部材とを、同一の材質で形成した。
付記6の開閉装置用ガイドレールの固定構造は、付記1から5のいずれか一項に記載の開閉装置用ガイドレールの固定構造において、前記ガイドレールの内部に設けられる遮熱部材であって、前記固定具への熱伝導を抑制するための遮熱部材を備える。
(付記の効果)
付記1に記載の開閉装置用ガイドレールの固定構造によれば、耐火被覆材を貫通するように支持部材に挿入される固定具によって、ガイドレールを支持部材に対して固定し、少なくともガイドレールの外表面のうち耐火被覆材に対応する部分以外の他の部分を覆うように設けられる第1燃え止まり部材又は第1燃え代部材の少なくともいずれか一方を備えるので、開閉装置の周辺で火災が発生した際に、当該火災の熱がガイドレールを介して固定具へ伝導されることを抑制できる。よって、上記火災の熱が支持部材へ伝導することで支持部材が倒壊することを回避でき、上記火災による被害を低減することが可能となる。
付記2に記載の開閉装置用ガイドレールの固定構造によれば、耐火被覆材が、第2燃え止まり部材と、第2燃え止まり部材の外表面を覆うように設けられる第2燃え代部材と、を備えるので、第2燃え止まり部材又は第2燃え代部材のいずれか一方のみを備える場合に比べて、支持部材の耐火性及び意匠性を高めることができる。
付記3に記載の開閉装置用ガイドレールの固定構造によれば、第2燃え代部材の外表面のうち少なくともガイドレールに対応する部分を覆うように設けられる第3燃え止まり部材を備え、ガイドレールを、耐火被覆材及び第3燃え止まり部材を貫通するように支持部材に挿入される固定具によって支持部材に対して固定したので、上記火災の熱によって第2燃え代部材が燃えることでガイドレールと支持部材との間に隙間が生じることが防止できる。よって、上記隙間によってガイドレールの設置状態が不安定になることでガイドレールが支持部材から脱落することを回避でき、ガイドレールを支持部材に対して安定して固定できる。
付記4に記載の開閉装置用ガイドレールの固定構造によれば、第1燃え止まり部材と、少なくとも第3燃え止まり部材が外部に露出することを抑制するように設けられる第1燃え代部材と、を備えるので、少なくとも第3燃え止まり部材が外部に露出することを抑制でき、ガイドレール周辺の意匠性を維持しやすくなる。
付記5に記載の開閉装置用ガイドレールの固定構造によれば、第1燃え代部材と第2燃え代部材とを、同一の材質で形成したので、第1燃え代部材の外観と第2燃え代部材の外観とを略同一にでき、第1燃え代部材と第2燃え代部材との意匠の調和を図りやすくなる。
付記6に記載の開閉装置用ガイドレールの固定構造によれば、ガイドレールの内部に設けられる遮熱部材であって、固定具への熱伝導を抑制するための遮熱部材を備えるので、固定具への熱伝導を抑制でき、開閉装置の周辺で発生した火災の熱がガイドレールを介して固定具へ伝導されることを一層抑制できる。
1 開閉装置
2 躯体
3 開口部
4 天井
5 支持部材
6 耐火被覆材
6a 第2燃え止まり部材
6b 第2燃え代部材
10 収納部
20 ガイドレール
21 ガイドレール本体
22 接続部
22a 突出体
23 補強部
23a 第1補強部
23b 第2補強部
24 第1ガイドレール側固定具
25 下地材
26 第2ガイドレール側固定具
30 開閉体
31 スラット
32 座板
51 第1燃え止まり部材
51a 室外側燃え止まり側片
51b 第1左右内側燃え止まり側片
51c 第2左右内側燃え止まり側片
51d 左右外側燃え止まり側片
52 第1燃え代部材
52a 室外側燃え代側片
52b 第1左右内側燃え代側片
52c 第2左右内側燃え代側片
52d 左右外側燃え代側片
52e 燃え止まり側燃え代側片
53 第3燃え止まり部材
60 接続部材
61 塞ぎ材
71 遮熱部材
72 見切材
100 開閉装置

Claims (6)

  1. 建物の躯体に設けられた開口部の開閉を行う開閉体を備えた開閉装置を構成するガイドレールであり、前記開閉体を開閉方向に沿って移動するように案内するガイドレールを、前記躯体を構成する部材のうち外表面が耐火被覆材で覆われた木製の支持部材に対して固定するための固定構造であって、
    前記耐火被覆材を貫通するように前記支持部材に挿入される固定具によって、前記ガイドレールを前記支持部材に対して固定し、
    少なくとも前記ガイドレールの外表面のうち前記耐火被覆材に対応する部分以外の他の部分を覆うように設けられる第1燃え止まり部材又は第1燃え代部材の少なくともいずれか一方を備える、
    開閉装置用ガイドレールの固定構造。
  2. 前記耐火被覆材は、
    第2燃え止まり部材と、
    前記第2燃え止まり部材の外表面を覆うように設けられる第2燃え代部材と、を備える、
    請求項1に記載の開閉装置用ガイドレールの固定構造。
  3. 前記第2燃え代部材の外表面のうち少なくとも前記ガイドレールに対応する部分を覆うように設けられる第3燃え止まり部材を備え、
    前記ガイドレールを、前記耐火被覆材及び前記第3燃え止まり部材を貫通するように前記支持部材に挿入される前記固定具によって前記支持部材に対して固定した、
    請求項2に記載の開閉装置用ガイドレールの固定構造。
  4. 前記第1燃え止まり部材と、
    少なくとも前記第3燃え止まり部材が外部に露出することを抑制するように設けられる前記第1燃え代部材と、を備える、
    請求項3に記載の開閉装置用ガイドレールの固定構造。
  5. 前記第1燃え代部材と前記第2燃え代部材とを、同一の材質で形成した、
    請求項2から4のいずれか一項に記載の開閉装置用ガイドレールの固定構造。
  6. 前記ガイドレールの内部に設けられる遮熱部材であって、前記固定具への熱伝導を抑制するための遮熱部材を備える、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の開閉装置用ガイドレールの固定構造。
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