JP2022021048A - 滑り止めチェーン用リムプロテクター - Google Patents
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Abstract
【課題】一般的なチェーンと異なる形状の部材が係合されているフックにも適用する事のできる滑り止めチェーン用リムプロテクターを提供する。【解決手段】クロスチェーン52と、サイドチェーン54と、を連結するフック58を備えた滑り止めチェーン50用のリムプロテクター10であって、リムプロテクター10は、フック58とホイールとの間に配置されるベース12と、ベース12を基点として凸設されると共に、平面係合部60のU字状空隙60aに嵌入される位置決め部14と、位置決め部14を基点として凸設され、交差係合部62に対する抜け止めを図る抜け止め部16と、を有し、可撓性部材または弾性部材により構成されていることを特徴とする。【選択図】図1
Description
本発明は、車両のタイヤに装着する滑り止めチェーン用のプロテクターであり、主にタイヤホイールにおけるリム部分への傷を防止するためのリムプロテクターに関する。
タイヤのトレッドパターンや材質などの技術向上に伴い、一般的な雪道ではスタッドレスタイヤの需要が高まってきている。このため、冬場でも車両の美観的側面から、アルミなどの軽金属で構成されたホイールを採用する車両が増えている。一方で、本格的な雪道や、凍結した道路、突然の大雪などではチェーン規制が出される事もあり、滑り止めチェーンを装着する機会も間々あるというのが実状である。
滑り止めチェーンは大別すると、軽量でタイヤへの装着安定性が高く、美観に優れた樹脂製のものと、コンパクトに収納でき、比較的安価に提供されてきる金属製のものが知られている。そして、上述したような緊急使用を目的とした携行品としては、コンパクトな金属製の滑り止めチェーンが選ばれる事も多い。
しかしながら、金属製のチェーンは、耐摩耗性を考慮して比較的硬い金属で構成されているため、軟質な軽金属で構成されているホイールと接触した場合、ホール側に傷が付いてしまう虞がある。一般的な金属製のチェーンは、タイヤのトレッド面を覆うクロスチェーンと、タイヤのサイドウォールに接触し、クロスチェーンをトレッド面に引き付けるサイドチェーンとを有する。
上記のようなホイールへの接触による傷は、クロスチェーンとサイドチェーンを連結するフックという連結部材が、サイドチェーンの締付によりホイールのリム部分に掛かった場合に生じる事が多いとされている。
このため従来より、特許文献1-3に開示されているような、フックを覆うリムプロテクターが種々提案されてきている。例えば特許文献1、2に開示されているリムプロテクターは樹脂により構成され、フックとホイールの間に配置される第1部材と、フックを介して第1部材と反対側に配置される第2部材をジョイント部で連結して一体形成し、ジョイント部を折り込むようにして第1部材と第2部材との間にフックを挟み込むという構造とされている。
また、特許文献3に開示されているリムプロテクターは、第1部材と第2部材の一縁辺に連結片を設け、第1部材と第2部材との対向面に抜け止め用の条片(ウェブ)を備える構成としている。このような構成のリムプロテクターでは、ホイールの中心側に連結片が位置するようにフックに嵌め込むことで装着が成される。
上記特許文献に開示されているようなリムプロテクターを用いれば、確かにフックがホイールのリムに接触する事を防ぐ事ができると考えられる。しかし、フックの表裏面を覆う構成のリムプロテクターでは、図8に示すようなフラットフックなどの連結部材のように、一般的なチェーンと異なる形状の部材がフックに係合している場合、装着する事ができなくなってしまうといった問題がある。
そこで本発明では、一般的なチェーンと異なる形状の部材が係合されているフックにも適用する事のできる滑り止めチェーン用リムプロテクターを提供する事を目的とする。
上記目的を達成するための本発明に係る滑り止めチェーン用リムプロテクターは、タイヤのトレッド面を覆うクロスチェーンと、タイヤのサイドウォールからホイールの外周部分にかけて配置されて前記クロスチェーンを前記トレッド面に引き付ける役割を担うサイドチェーンと、を連結するフックを備えた滑り止めチェーン用リムプロテクターであって、前記フックにおける前記タイヤまたは前記ホイール側側面に配置されるベースを備え、前記フックにおける前記ベース配置側側面と反対側の側面を開放型とすることを特徴とする。
また、上記目的を達成するための本発明に係る滑り止めチェーン用リムプロテクターは、タイヤのトレッド面を覆うクロスチェーンと、タイヤのサイドウォールからホイールの外周部分にかけて配置されて前記クロスチェーンを前記トレッド面に引き付ける役割を担うサイドチェーンと、を連結するフックを備えた滑り止めチェーン用リムプロテクターであって、前記フックは、U字状に形成された平面係合部の双端を前記平面係合部を基点として、前記平面係合部のU字を構成する平面と交差する方向にJ字を描くように折り返して形成された交差係合部とから成り、前記リムプロテクターは、前記フックと前記タイヤまたは前記ホイールとの間に配置されるベースと、前記ベースを基点として凸設されると共に、前記平面係合部のU字状空隙に嵌入される位置決め部と、前記位置決め部を基点として凸設され、前記交差係合部に対する抜け止めを図る抜け止め部と、を有し、可撓性部材により構成されていることを特徴とするものであっても良い。
また、上記のような特徴を有する滑り止めチェーン用リムプロテクターにおいて前記抜け止め部は、交差係合部のJ字状空隙に嵌入されるように設けられることが望ましい。このような特徴を有する事によれば、フックに対して1回の嵌め込みにより、リムプロテクターの装着を完了させ、抜け止め効果も奏することができる。
また、上記のような特徴を有する滑り止めチェーン用リムプロテクターにおいて前記ベースには、前記交差係合部の折り返し部の一部を覆うサポート部を備えるようにすると良い。このような特徴を有する事によれば、交差係合部に係合するサイドチェーンがホイールに接触する事も防ぐ事ができるようになる。
さらに、上記のような特徴を有する滑り止めチェーン用リムプロテクターにおいて前記ベース及び前記サポート部は、前記フックを構成する金属部材の外形形状に沿った凹部を有するものとすることができる。このような特徴を有する事によれば、フックに対するリムプロテクターの装着安定性を向上させることができる。
上記のような特徴を有する滑り止めチェーン用リムプロテクターによれば、一般的なチェーンと異なる形状の部材が係合されているフックにも適用する事ができる。
以下、本発明の滑り止めチェーン用リムプロテクターに係る実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態は、本発明を実施する上での好適な形態の一部であり、発明の効果を奏する限りにおいて、各部の形態に変化を加えたとしても、本発明の一部とみなすことができる。
[滑り止めチェーン]
まず、図2から図4を参照して、本発明に係る滑り止めチェーン用リムプロテクター(以下、単にリムプロテクター10と称す)を適用する滑り止めチェーン50の代表的な構成例について説明する。なお、図面において、図2は、滑り止めチェーンをタイヤに取り付けた状態を示す斜視図であり、図3は、クロスチェーンとサイドチェーンの連結部を示す平面図、図4は、同側面図である。
まず、図2から図4を参照して、本発明に係る滑り止めチェーン用リムプロテクター(以下、単にリムプロテクター10と称す)を適用する滑り止めチェーン50の代表的な構成例について説明する。なお、図面において、図2は、滑り止めチェーンをタイヤに取り付けた状態を示す斜視図であり、図3は、クロスチェーンとサイドチェーンの連結部を示す平面図、図4は、同側面図である。
滑り止めチェーン50は、クロスチェーン52とサイドチェーン54を基本として構成されている。クロスチェーン52は、タイヤ100のトレッド面を覆うように配置されるチェーンであり、例えば矩形断面を有するチェーンが網状に連結されている。このような構成のクロスチェーン52でトレッド面を覆うことで、ゴムのトレッド面ではグリップを得る事が難しい路面においても、制動力や駆動力を発揮する事が可能となる。
サイドチェーン54は、クロスチェーン52の幅方向両端部に配置されるチェーンであり、タイヤ100への装着状態ではタイヤ100のサイドウォールからホイールの外周部分に配置されることとなる。サイドチェーン54は、端部に連結部を備え、タイヤ100の形状に沿って配置する事が可能となるように構成されている。特に、タイヤ100の外側面に配置されるサイドチェーン54には、複数の連結部と巻取装置56が備えられ、クロスチェーン52がタイヤ100の外周面(トレッド面)に押し付けられるように、装着時のテンションを調整する事ができるように構成されている。
このような基本構成を有する滑り止めチェーン50では、クロスチェーン52とサイドチェーン54は、それぞれフック58と呼ばれる連結部材に係合することで、両者が連結されることとなる。図2から図4に詳細を示すフック58は、断面形状を円形とした金属棒材を湾曲させる事で構成されている。その形状は、平面係合部60と交差係合部62とより成る。平面係合部60は、金属棒材の中心を基点として略U字状に湾曲形成された係合部である(特に図3参照)。これに対し交差係合部62は、平面係合部の両端部(双端)を折り返すようにJ字状に湾曲させて構成される係合部である(特に図4参照)。また、交差係合部62の湾曲は、平面係合部のU字を構成する平面と交差する方向に成され、本実施形態では、両者間の角度が略直角となるように形成されている。
フック58に対するクロスチェーン52とサイドチェーン54の係合状態は、平面係合部60に対してクロスチェーン52が係合され、交差係合部62に対してサイドチェーン54が係合されることを基本としている。なお、交差係合部62には図8や図9に示すような、フラットフック64や巻取装置56などのチェーンと異なる形状の部材が係合する場合もある。
[リムプロテクター]
本実施形態に係るリムプロテクター10は、ベース12と、位置決め部14、抜け止め部16、及びサポート部18を基本として構成されている。なお、実施形態に係るリムプロテクター10は、ゴムやシリコン、ウレタンなどを含むエストラマーや、合成樹脂などの可撓性部材や弾性部材により構成されている。
本実施形態に係るリムプロテクター10は、ベース12と、位置決め部14、抜け止め部16、及びサポート部18を基本として構成されている。なお、実施形態に係るリムプロテクター10は、ゴムやシリコン、ウレタンなどを含むエストラマーや、合成樹脂などの可撓性部材や弾性部材により構成されている。
ベース12は、滑り止めチェーン50を構成するフック58とホイールやタイヤ100のサイドウォールとの間に配置され、フック58がホイールに接触する事を防ぐ要素である。ベース12は、フック58の平面係合部60の投影面をカバーする面積を有すれば、その形状については特に限定するものでは無い。本実施形態では、平面視形状を略矩形とした上で、ホイールとの接触面を平坦形状とし、フック58との接触面にはフック58を構成する金属棒材の断面形状に沿った凹部12aを備える形態としている。このような構成とすることで、フック58とホイールとの接触を防ぐ事ができると共に、リムプロテクター10としての装着安定性を向上させることが可能となる。
位置決め部14は、ベース12を基点として凸設される突起であり、フック58を構成する平面係合部60のU字状に形成された部位の空隙(U字状空隙60a)に嵌入される要素である。位置決め部14をU字状空隙60aに嵌入することで、ベース12がタイヤ100の円周方向、及び半径方向へズレることを抑制することが可能となる。位置決め部14の幅d(図6参照)は、U字状空隙60aの幅D(図3参照)に比べて若干広い幅、すなわちプラス公差となるように構成されることが望ましい。
実施形態に係るリムプロテクター10は、可撓性部材や弾性部材により構成されている。このため、位置決め部14をプラス公差として形成したとしても、U字状空隙60aに嵌め込むことができる。また、位置決め部14の幅dをU字状空隙60aの幅Dに対してプラス公差とする事で、装着状態では平面係合部60を構成する金属棒材との間に隙間が生ずる事が無くなる。このため、リムプロテクター10の装着安定性を向上させることができる。
抜け止め部16は、位置決め部14がU字状空隙60aから抜け難くすることで、リムプロテクター10の脱落を防ぐための要素である。このため、実施形態に係る抜け止め部16は、位置決め部14を基点として直交する方向であって、装着状態において平面係合部60の幅方向に沿うこととなるように凸設されている。抜け止め部16は、交差係合部62を構成するJ字状の折り返し部により構成される空隙(J字状空隙62a)に介入されるように構成されている。
また、このように構成、配置されている抜け止め部16は、フック58にリムプロテクター10を装着した際に、ベース12との間に平面係合部60を挟み込むこととなる位置に設けるようにする事が望ましい。抜け止め部16の配置位置をこのように定める事によっても、リムプロテクター10の装着安定性を向上させることができるからである。
なお、抜け止め部16は、位置決め部14の先端側に設ける構成としても良いが、この場合には、装着時に2段階の嵌め込みが必要となる(平面係合部60を越える嵌め込みと交差係合部62を越える嵌め込み)。こうした場合、脱落防止効果は高まるものの、装着時に煩わしさを感じたり、装着状態の誤認(1段階の嵌め込みで装着が完了したと考える)を生じさせ場合がある。これに対し、抜け止め部16をJ字状空隙62aに介入させるように設ける構成とした場合、1段階の嵌め込みで装着が完了し、抜け止め効果も発揮する事ができるようになる。よって、装着時の煩わしさや、誤認の発生を防ぐことができる。
サポート部18は、フック58を構成する交差係合部62の基端側であってJ字状の折り返し部の一部(下半部)を覆う要素である。ベース12の端部から交差係合部62の下半部を覆うように形成されているサポート部18は、サイドチェーン54がホイール側にズレる事を防ぐ事ができる。よって、サイドチェーン54の接触によりホイールが傷付く事を防ぐ事ができる。
また、図7に示すように、サポート部18について、交差係合部62の形状に沿ってベース12を基点としてせり上がるような形態とすることで、走行時の遠心力の作用により、リムプロテクター10がタイヤ100の外周側へズレることを防ぐこともできる。なお、本実施形態では、サポート部18に交差係合部62の断面形状に沿った凹部18aを設けるようにし、リムプロテクター10の装着安定性を高めるようにしている。
[作用]
上記のような構成のリムプロテクター10は、フック58における平面係合部60のホイール対向側面から、U字状空隙60aに対して位置決め部14を嵌入させるように装着される。装着時には、可撓性(弾性)を有する抜け止め部16が潰れながら押し込まれ、J字状空隙62aに張り出すこととなる。これにより、ベース12と抜け止め部16との間に平面係合部60が挟み込まれることとなり、リムプロテクター10の装着状態が安定する。
上記のような構成のリムプロテクター10は、フック58における平面係合部60のホイール対向側面から、U字状空隙60aに対して位置決め部14を嵌入させるように装着される。装着時には、可撓性(弾性)を有する抜け止め部16が潰れながら押し込まれ、J字状空隙62aに張り出すこととなる。これにより、ベース12と抜け止め部16との間に平面係合部60が挟み込まれることとなり、リムプロテクター10の装着状態が安定する。
[効果]
上記のような特徴を有するリムプロテクター10によれば、滑り止めチェーン50のフック58がホイールに接触する事を防ぎ、ホイールに傷が付く事を防止することができる。また、フック58の一方の側面のみに装着した状態で抜け止めを図る事ができるため、図8、図9に示すように、フック58に対してフラットフック64や、巻取装置56など、サイドチェーン54と異なる形状の部材が係合されている場合であっても、リムプロテクター10の装着が可能となる。
上記のような特徴を有するリムプロテクター10によれば、滑り止めチェーン50のフック58がホイールに接触する事を防ぎ、ホイールに傷が付く事を防止することができる。また、フック58の一方の側面のみに装着した状態で抜け止めを図る事ができるため、図8、図9に示すように、フック58に対してフラットフック64や、巻取装置56など、サイドチェーン54と異なる形状の部材が係合されている場合であっても、リムプロテクター10の装着が可能となる。
10………リムプロテクター、12………ベース、12a………凹部、14………位置決め部、16………抜け止め部、18………サポート部、50………滑り止めチェーン、52………クロスチェーン、54………サイドチェーン、56………巻取装置、58………フック、60………平面係合部、60a………U字状空隙、62………交差係合部、62a………J字状空隙、64………フラットフック、100………タイヤ。
Claims (5)
- タイヤのトレッド面を覆うクロスチェーンと、タイヤのサイドウォールからホイールの外周部分にかけて配置されて前記クロスチェーンを前記トレッド面に引き付ける役割を担うサイドチェーンと、を連結するフックを備えた滑り止めチェーン用リムプロテクターであって、
前記フックにおける前記タイヤまたは前記ホイール側側面に配置されるベースを備え、
前記フックにおける前記ベース配置側側面と反対側の側面を開放型とすることを特徴とする滑り止めチェーン用リムプロテクター。 - タイヤのトレッド面を覆うクロスチェーンと、タイヤのサイドウォールからホイールの外周部分にかけて配置されて前記クロスチェーンを前記トレッド面に引き付ける役割を担うサイドチェーンと、を連結するフックを備えた滑り止めチェーン用リムプロテクターであって、
前記フックは、U字状に形成された平面係合部の双端を前記平面係合部を基点として、前記平面係合部のU字を構成する平面と交差する方向にJ字を描くように折り返して形成された交差係合部とから成り、
前記リムプロテクターは、
前記フックと前記タイヤまたは前記ホイールとの間に配置されるベースと、
前記ベースを基点として凸設されると共に、前記平面係合部のU字状空隙に嵌入される位置決め部と、
前記位置決め部を基点として凸設され、前記交差係合部に対する抜け止めを図る抜け止め部と、を有し、可撓性部材または弾性部材により構成されていることを特徴とする滑り止めチェーン用リムプロテクター。 - 前記抜け止め部は、交差係合部のJ字状空隙に嵌入されるように設けられていることを特徴とする請求項2に記載の滑り止めチェーン用リムプロテクター。
- 前記ベースには、前記交差係合部の折り返し部の一部を覆うサポート部を備えた事を特徴とする請求項2または3に記載の滑り止めチェーン用リムプロテクター。
- 前記ベース及び前記サポート部は、前記フックを構成する金属部材の外形形状に沿った凹部を有することを特徴とする請求項4に記載の滑り止めチェーン用リムプロテクター。
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20230515 |
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A02 | Decision of refusal |
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