JP5869096B2 - タイヤ滑止装置およびタイヤ滑止装置用本体 - Google Patents

タイヤ滑止装置およびタイヤ滑止装置用本体 Download PDF

Info

Publication number
JP5869096B2
JP5869096B2 JP2014257673A JP2014257673A JP5869096B2 JP 5869096 B2 JP5869096 B2 JP 5869096B2 JP 2014257673 A JP2014257673 A JP 2014257673A JP 2014257673 A JP2014257673 A JP 2014257673A JP 5869096 B2 JP5869096 B2 JP 5869096B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tire
main body
connecting portion
skid device
extending
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014257673A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015231826A (ja
Inventor
榊原 孝一
孝一 榊原
Original Assignee
榊原 孝一
孝一 榊原
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 榊原 孝一, 孝一 榊原 filed Critical 榊原 孝一
Priority to JP2014257673A priority Critical patent/JP5869096B2/ja
Publication of JP2015231826A publication Critical patent/JP2015231826A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5869096B2 publication Critical patent/JP5869096B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C27/00Non-skid devices temporarily attachable to resilient tyres or resiliently-tyred wheels
    • B60C27/20Non-skid devices temporarily attachable to resilient tyres or resiliently-tyred wheels having ground-engaging plate-like elements
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C27/00Non-skid devices temporarily attachable to resilient tyres or resiliently-tyred wheels
    • B60C27/02Non-skid devices temporarily attachable to resilient tyres or resiliently-tyred wheels extending over restricted arcuate part of tread
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C27/00Non-skid devices temporarily attachable to resilient tyres or resiliently-tyred wheels
    • B60C27/02Non-skid devices temporarily attachable to resilient tyres or resiliently-tyred wheels extending over restricted arcuate part of tread
    • B60C27/0261Non-skid devices temporarily attachable to resilient tyres or resiliently-tyred wheels extending over restricted arcuate part of tread provided with fastening means
    • B60C27/0292Non-skid devices temporarily attachable to resilient tyres or resiliently-tyred wheels extending over restricted arcuate part of tread provided with fastening means acting on the sidewall of the tyre
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C27/00Non-skid devices temporarily attachable to resilient tyres or resiliently-tyred wheels
    • B60C27/06Non-skid devices temporarily attachable to resilient tyres or resiliently-tyred wheels extending over the complete circumference of the tread, e.g. made of chains or cables
    • B60C27/16Non-skid devices temporarily attachable to resilient tyres or resiliently-tyred wheels extending over the complete circumference of the tread, e.g. made of chains or cables formed of close material, e.g. leather or synthetic mats

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Tires In General (AREA)

Description

本発明は、自動車等のタイヤに装着され、雪路や凍結路等におけるタイヤのスリップ等を抑止できるタイヤ滑止装置(適宜単に「滑止装置」という。)と、それに用いる部材に関する。
自動車等が雪路や凍結路を走行する場合、スリップ等を回避するために、スタッドレスタイヤの換装や金属チェーンの装着がこれまでなされてきた。しかし、スタッドレスタイはコスト高であると共に夏用タイヤに比べて燃費性で劣る。また従来の金属チェーンは、装着が容易ではなく、特に大型車両の場合、その装着が相当な重労働となっていた。このような従来の問題点を根本的に解決できる画期的なタイヤ滑止装置が、本発明者により既に提案されており、関連する記載が例えば下記の特許文献にある。
特許5253609号公報 特許5017737号公報
(1)特許文献1に記載されているタイヤ滑止装置は、特許文献1にある図2、図3等から明らかなように、タイヤのトレッド部を跨ぎその横断方向にのみ延伸し鋼棒製のU形状部とタイヤの内側サイドウォール部に沿って前方または後方へ延在する鋼棒製の内側延在部とタイヤの外側サイドウォール部に沿って後方または前方へ延在する鋼棒製の外側延在部とを有する1組(対)の本体が、それらの内側延在部で鋼製のチェーン等により連結された単位ユニットからなる。この単数または複数の単位ユニットの隣接する外側延在部を、鋼製の連結具で締結または解除することにより、タイヤ滑止装置はタイヤに着脱可能となる。このタイヤ滑止装置は、非常に着脱が容易であると共に雪道や凍結路等において非常に高い滑止効果を発揮する。
もっとも、そのタイヤ滑止装置は、大部分が鋼棒を複雑な形状に曲げられた本体からなるため、頑丈(高強度、高剛性)ではあるが、製造コストが非常に高かった。ちなみに、その本体が上述したような複雑な曲線状をしている理由は、タイヤのトレッド部を跨ぐU形状部に対して相互に反対周方向へ延在する内側延在部と外側延在部により、本体(ひいてはU形状部)をタイヤに対して安定的な姿勢に保持するためである。これにより特許文献1のタイヤ滑止装置は、前進・後退を問わず、走行中に種々の力が本体(特にU形状部)に作用しても、常時適正な姿勢を維持するようになり、安定的に高い滑止効果を発揮し得る。
また、特許文献1のタイヤ滑止装置は、上述のように鋼棒を複雑な形状に曲げた本体からなるため、タイヤ幅(トレッド幅)のみならず偏平率やリム径が異なる毎に寸法を変更する必要があった。つまり、そのタイヤ滑止装置は、一規格で対応できるタイヤサイズが非常に限られており、多数の規格(サイズ)を設定する必要があった。このため、特許文献1のタイヤ滑止装置は、製造コストのみならず管理コストも高かった。なお、特許文献1にあるような連結長の調整具を設けることにより、タイヤ滑止装置一規格あたりのタイヤサイズに対する対応自由度は多少増すが、管理コストの大幅な削減を図れるものではなかった。
(2)特許文献2は、一体成形したステンレス鋼板または冷間圧延鋼板等からなる滑り止ユニット4個をそれぞれ、タイヤの内側で連結板により連結すると共にタイヤの外側で掛け金式フックにより連結してタイヤに取付るタイヤ滑止装置を提案している。もっとも、タイヤは走行中に大きく偏平したり捻れたりするにも拘わらず、特許文献2のタイヤ滑止装置は全てが鋼板等の剛性材からなり変形許容性が極めて少ない。従って、このようなタイヤ滑止装置は、実際にタイヤへ装着して走行することが非常に困難であり、現実性がない。また、仮にそのようなタイヤ滑止装置を製造するとしても、全体が剛性材からなるため、上述したように製造コストや管理コストが相当に高くなる。
本発明はこのような事情に鑑みて為されたものであり、優れた着脱性や滑止性を確保しつつ、製造コストまたは管理コストの大幅な低減を図り得る新たなタイヤ滑止装置およびタイヤ滑止装置用部材を提供することを目的とする。
本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究し、試行錯誤を重ねた結果、各構成部材の形状等を再検討することにより、従来のタイヤ滑止装置と同等以上の簡易迅速な着脱性、雪道や凍結路等における滑止性等を確保しつつも、大幅な製造コストや管理コストの低減を図れる新タイプのタイヤ滑止装置を思いついた。この成果を発展させることにより、以降に述べる本発明を完成するに至った。
《タイヤ滑止装置》
(1)本発明のタイヤ滑止装置(単に「滑止装置」という。)は、車両用のホイールに嵌装されたタイヤのトレッド部に面しつつ該タイヤの周方向に延伸する第一接地面状部と該タイヤの内側で該第一接地面状部の後側に配設される内後連結部と該タイヤの外側で該第一接地面状部の前側に配設される外前連結部とを有する弾性材からなる第一本体と、
該第一本体の後方に配置され、該トレッド部に面しつつ該タイヤの周方向に延伸する第二接地面状部と該タイヤの内側で該第二接地面状部の前側に配設される内前連結部と該タイヤの外側で該第二接地面状部の後側に配設される外後連結部とを有する弾性材からなる第二本体とを備え、
前記第一本体は、前記第一接地面状部の内側肩部から連なり前記タイヤの内側サイドウォール部に面しつつ周方向へ延伸する第一内側面状部と該第一接地面状部の外側肩部から連なり該タイヤの外側サイドウォール部に面しつつ周方向へ延伸する第一外側面状部とを有し、断面が略U字形状をした第一U型本体であり、
前記第二本体は、前記第二接地面状部の内側肩部から連なり該内側サイドウォール部に面しつつ周方向へ延伸する第二内側面状部と該第二接地面状部の外側肩部から連なり該外側サイドウォール部に面しつつ周方向へ延伸する第二外側面状部とを有し、断面が略U字形状をした第二U型本体であり、
前記第一接地面状部または前記前記第二接地面状部は、周方向の前後端とタイヤの回転中心とを結んでできる挟角が10°〜60°であり、
該第一本体の内後連結部と該第二本体の内前連結部が連結されることを特徴とする。
(2)本発明の滑止装置は、第一本体と第二本体が内後連結部と内前連結部とで連結された単位ユニットを構成し、少なくとも一つ以上の単位ユニットを、隣接する外前連結部と外後連結部で連結または解除することにより、容易にタイヤへ装着したり脱着したりできる。
本発明の滑止装置は、第一本体の内後連結部と外前連結部、または第二本体の内前連結部と外後連結部が、それぞれ、タイヤのトレッド部を跨いで内側サイドウォール部と外側サイドウォール部に対角線状(ホイール軸に対して斜交状)に配置され、それらにより第一本体または第二本体(特に第一接地面状部または第二接地面状部)が支承される。その結果、本発明の滑止装置は、走行中(前進中のみならず後退中も含む)に種々の外力を受けても、その外力を分散して各本体を常時適正な姿勢に維持し、安定した滑止効果を発揮し得る。
従来の滑止装置では、タイヤのトレッド部を跨ぐU形状部が棒状でありトレッド部を直線的に横断していたため、そのU形状部をタイヤの内側サイドウォール部と外側サイドウォール部で斜交状に支承するためには、そのU形状部から反対方向へ延在する内側延在部と外側延在部が必要であった。換言するなら、タイヤのサイドウォール部において、相互に反対周方向へ延在する内側延在部と外側延在部により、U形状部の支承点が斜交状に配置されていた。
これに対して本発明の滑止装置では、棒状のU形状部に替わって、タイヤのトレッド部に面しつつ周方向に延伸する接地面状部を有し、この接地面状部(さらには後述する内側面状部と外側面状部)が従来のU形状部と各延在部を兼ねる。つまり、本発明の滑止装置によれば、従来のように鋼棒を曲げて複雑なU形状部と延在部を形成する必要がなく、接地面状部の前側と後側に連結体を設けることにより、従来の滑止装置と同様な作用効果が得られる。
この結果、本発明の滑止装置は、本体が非常に簡素化され、製造コストの大幅な低減が可能となる。また本発明の滑止装置は、タイヤのトレッド部に面しつつ周方向に延伸する接地面状部により、従来のようなタイヤを跨ぐ棒状のU形状部やその両サイドウォール部に沿って延びる棒状の延在部が不要となる。このため本発明の滑止装置では、タイヤ幅(トレッド幅)に応じて接地面状部のサイズを適切に設定すれば、偏平率やリム径が異なるタイヤにも同規格の滑止装置の装着が可能となる。このように本発明の滑止装置では、タイヤサイズ毎に細かく適合サイズ(規格)を設定する必要がなく、従来の滑止装置よりもサイズの適合自由度が格段に大きいため、設定サイズ数を減少させることができ、製造コストのみならず管理コストも大幅に低減できる。
(3)しかも本発明に係る第一本体と第二本体(適宜、単に「本体」という。)は、従来のような剛性材(鋼材等)ではなく、弾性材からなる。このため、走行中のタイヤが、接地側で偏平して拡幅したり、ハンドル操作によって捻れたり、種々の要因により大きく変形または拡縮等しても、本発明の滑止装置は、そのようなタイヤの変形等に十分に追従できる。こうして本発明の滑止装置は、上述した支持形態と相まって、タイヤに対して安定的に保持される。また本発明の滑止装置は、タイヤの変形に対する追従性に優れるため、タイヤとの間で大きな摩擦や摩耗等が生じることもなく、走行中の発熱等も抑制される。その結果、本発明の滑止装置は、優れた耐久性を発揮すると共にタイヤを傷めることもない。さらに本発明の滑止装置は、主要部である本体が弾性材からなるため、鋼材等からなる場合よりも軽量化が容易である。その結果、滑止装置の装着性や取扱性が向上するのみならず、本体に作用する遠心力の低減による連結構造の簡素化や全体のさらなる軽量化等も容易となる。その他、弾性材からなる本体は、一規格で複数サイズのタイヤへ装着可能となり、本体ひいては滑止装置の管理コストの低減も図り易い。例えば、本体の開溝幅(タイヤの中心側の内幅)がタイヤ幅(トレッド幅)より狭い場合でも、そのタイヤへの装着が可能となる。従って、弾性材からなる本体は形態自由度が大きい。さらにいえば、路面に接地する本体(接地面状部)が弾性材であるため、本発明の滑止装置の使用により路面が損傷されることも殆どない。そして弾性材からなる本体は、万一路上に落下等しても安全である。
弾性材とは、外力(応力)の印加により変形(歪み)を生じ、その除荷により復元する性質を有する材質である。本発明に係る弾性材は、走行中に大きく変形するタイヤに装着されたときでも、その変形に追従可能な材質である。具体的にいうと、本発明に係る弾性材は、鋼材等の剛性材ではなく、ゴム(エラストマーを含む)、合成樹脂、それらの複合材等である。このような弾性材から本体は、鉄鋼材等からなる場合と異なり、防錆性、耐候性、交換容易性、廃棄性、生産性等にも優れたものとなる。また、このような本体を用いた滑止装置をタイヤに装着して走行した場合、発生する騒音や振動の増加も抑制され、乗り心地の悪化も少ない。
《タイヤ滑止装置用本体》
本発明は、滑止装置としてのみならず、その構成部材、例えば、上述したタイヤ滑止装置に用いられる第一本体または第二本体となることを特徴とするタイヤ滑止装置用本体としても把握できる。
《その他》
本明細書でいう「第一」と「第二」、「前側」と「後側」または「前方」と「後方」は、本発明を説明するための便宜的な表現に過ぎない。但し、本明細書では、特に断らない限り、車両の前進時にタイヤが回転する方向を「前方」、その反対方向を「後方」とする。また接地面状部の「前側」とは、接地面状部自体の前部ではなく、接地面状部の前端近傍(特にサイドウォール部側近傍)またはそれよりもさらに前方側という意味である。接地面状部の「後側」も同様である。例えば、本発明に係る内後連結部は、タイヤの内側サイドウォール部に面しつつ、第一接地面状部の後端近傍またはそれよりもさらに後方側に設けられる。なお、サイドウォール部に面する各連結部は、各接地面状部と異なり、必ずしも面状である必要はない。
本明細書でいう「内側」とは車両側であり、「外側」はその反対側の非車両側(ホイールでいうと化粧面側)である。なお、本発明の滑止装置が装着される車両は、自動車(貨物車を含む)、産業車両等の他、二輪車等でもよい。二輪車の場合、適宜、「内側」を「右側」、「外側」を「左側」と読み替えるものとする。
第一実施例に係るタイヤ滑止装置をタイヤに装着した様子を示す正面図である。 第一実施例に係る単位ユニットを示す斜視図である。 着脱連結具の一例を示す斜視図である。 第二実施例に係る単位ユニットを示す斜視図である。 第三実施例に係る単位ユニットを示す斜視図である。 帯状連結体の別例を示す斜視図である。 帯状連結体の他例を示す斜視図である。 連結部の別例を示す斜視図である。 接地面状部の外表面に設けた滑止パターンまたは滑止具を示す斜視図である。 統合本体の別例を示す斜視図である。 単位ユニットの配置を工夫したタイヤ滑止装置の別例を示す正面図である。 連結体を一体化した本体からなる単位ユニットを示す斜視図である。 弾性連結体を用いた単位ユニットを示す斜視図である。 帯状連結体と弾性連結体を併用した単位ユニットを示す斜視図である。 接地面状部の内表面に係止突起と係止具を設けた様子を示す斜視図である。 接地面状部の内表面に滑止シートを設けた様子を示す斜視図である。 カムバックルを用いた帯状連結体を示す斜視図である。 第三実施例で用いた統合本体の変形例を示す斜視図である。 その部分断面図である。
上述した本発明の構成要素に、本明細書中から任意に選択した一つまたは二つ以上の構成要素を付加し得る。いずれの実施形態が最良であるか否かは、対象、要求性能等によって異なる。
《本体》
(1)本体は、本発明で規定する接地面状部と連結部を有する限り、その詳細な形態は問わない。例えば、各本体は、接地面状部の内側肩部から連なり内側サイドウォール部に面しつつ周方向へ延伸する内側面状部と接地面状部の外側肩部から連なり外側サイドウォール部に面しつつ周方向へ延伸する外側面状部とを有し、断面が略U字形状(開渠状、溝状)をしたU型本体(U型部)からなると、保持性や装着性等が向上して好適である。接地面状部と内側面状部または外側面状部とは、厚みが全体的にほぼ一定でも良いが、例えば、路面に接する接地面状部だけが両側面状部より厚くなっていてもよい。これにより滑止装置の滑止性と耐久性の両立が図れる。なお、接地面状部の肩部は、タイヤのトレッド部に対応している接地面状部の内側端部近傍または外側端部近傍であり、タイヤのショルダー部に対応する部分である。
U型本体は、内幅が一定でも変化していてもよい。例えば、開口側(側面状部の先端側)の内幅が底部側(接地面状部側)の内幅よりも、拡大していても、縮小していてもよい。開口側が底部側より拡幅であると、U型本体のタイヤへの装着性が向上する。逆に、開口側が底部側より狭幅であると、U型本体のタイヤに対する保持性が向上する。なお、開口側が底部側より狭幅でも、U型本体は弾性材からなるため、装着性は十分に確保され得る。
また第一本体が第一接地面状部と第一内側面状部および第一外側面状部からなり、第二本体が第二接地面状部と第二内側面状部および第二外側面状部からなる場合、例えば、内後連結部は第一内側面状部の後部に設けられ、外前連結部は第一外側面状部の前部に設けられ、内前連結部は第二内側面状部の前部に設けられ、外後連結部は第二外側面状部の後部に設けることができる。
また本発明に係る本体は、連結部またはその近傍に、タイヤのサイドウォール部に接触する当接部を有していてもよい。これにより、本体はタイヤのサイドウォール部により安定的に保持され易くなり、また本体等によるホイールへの傷付け防止も図られる。当接部は、例えば、タイヤのサイドウォール部側(内向側)へ突出した肉厚部等でもよい。連結部の周囲を肉厚にすることにより、連結部の補強も図ることができる。
単位ユニットは、それを構成する各本体に設けられる連結部の配置が異なるため、各本体は基本的に同一形状とはならず、一つの単位ユニットあたり異なる形態の本体が必要となる。
もっとも、第一接地面状部および第二接地面状部となる接地面状部と、内後連結部、外前連結部、内前連結部および外後連結部のいずれかとなる少なくとも四つの連結部とを有する統合本体を用いると、第一本体と第二本体の共通化を図れ、一種類(同形状)の統合本体で単位ユニットを構成することが可能となる。また、その統合本体が、縦方向(接地面状部を縦断する方向/周方向)または横方向(接地面状部を横断する方向)に関して対称的な形状であると、組付性や取扱性がより向上し得る。このような統合本体を用いることにより、滑止装置の製造コストや管理コストのさらなる低減が可能となる。
ちなみに接地面状部または各側面状部が周方向へ「延伸」する程度は、タイヤと路面の接地領域(偏平域)の範囲(長さ)に応じて調整されると好ましい。例えば、タイヤ(ホイール)の回転中心周りの角度でいうと、例えば、10°〜60°、20°〜50°さらには25〜45°の範囲内で、接地面状部または各側面状部が延伸していると好ましい。なお、この延伸角度は、装着が予定される基準サイズ(理論値)のタイヤに滑止装置を装着した際に、その回転中心と接地面状部の各周方向端とを結んだ線分間の角度(挟角)である。また、側面状部は、接地面状部に対応した適切な範囲内にあればよく、両者の延伸角度が厳密に一致してなくてもよい。
(2)本発明に係る本体は、タイヤのトレッド部を斜交状(対角状)に跨ぐ連結部(内後連結部と外前連結部、内前連結部と外後連結部)により安定的に保持される。この場合、各連結部が接地面状部を横断する中心線(ホイール軸方向の中心線)から周方向へ離れた位置にあるほど、本体に作用する復帰力が大きくなり易く、本体の姿勢はより安定的となる。このような観点から、連結部と一体的にまたは独立的に、その周方向へ延在した延在部を設けると好ましい。
すなわち、第一本体は、さらに、タイヤの内側で(例えば内側サイドウォール部に面しつつ)第一接地面状部の後方へ延在した内後延在部と、タイヤの外側で(例えば外側サイドウォール部に面しつつ)第一接地面状部の前方へ延在した外前延在部とを有し、第二本体は、タイヤの内側で第二接地面状部の前方へ延在した内前延在部と、タイヤの外側で第二接地面状部の後方へ延在した外後延在部とを有すると好ましい。なお、統合本体の場合、内後延在部、内前延在部、外後延在部および外前延在部を兼ねる四つの延在部を有すると好ましい。
また、連結部は延在部と独立して配置されてもよいが、延在部に配置されると、本体の形状が簡素化されると共に、本体をより安定的に保持できるようになって好ましい。つまり内後連結部は内後延在部に、外前連結部は外前延在部に、内前連結部は内前延在部に、外後連結部は外後延在部に、それぞれ設けられていると好ましい。
(3)接地面状部は、滑止装置の滑止性や排水性を高めるために、その外表面側に溝、窪み(凹部)、孔(穴)を適宜設けると好ましい。例えば、接地面状部の剛性と滑止性を考慮して、ホイール軸方向(タイヤのトレッド部を横断する方向)に延びる細長孔(窪)を接地面状部の外表面側に一つ以上設けてもよい。接地面状部の外周面の形態(トレッドパターン)を工夫する他、接地面状部の外周面側に滑止突起(例えば接地面状部と一体成形された突起)や滑止具があると、滑止装置の滑止性がさらに向上し得る。滑止具は、例えば、金属製のピンまたはスタッド等であり、接地面状部の外周面から僅かに突出していると好ましい。さらに接地面状部の内周面側にも、係止突起または係止具を設けても良い。これによりタイヤに対する本体の滑りも抑制され、滑止装置のタイヤへの保持性がさらに向上し得る。配置面や突出方向は逆であるが、係止突起と滑止突起、または係止具と滑止具は同様な構造でもよい。なお、接地面状部の内周面は、その外周面のように路面と直接的に接触することはないため、あまり摩耗等しない。このため係止具は、接触面間の摩擦抵抗を大きくする係止シートのようなものでもよい。
本発明に係る接地面状部は、連続面状、網目状、凹凸状、タイヤのトレッド部を跨ぐ複数の架橋部(帯状)からなる断続面状等でもよい。但し、断続面状とする場合、架橋部間でタイヤの外周面が露出しないようにすると、本体のコンパクト化、装着性、保持性、耐久性等の向上を図れて好ましい。接地面状部は、タイヤの周方向に沿ってタイヤの外周面に接触する所定の長さ(接触長)を有する。その(合計)接触長は、一概に特定できないが、従来の鋼棒等よりは遙かに大きく、例えば、4cm以上さらには6cm以上としたり、上述した延伸角度でいうなら10°以上に相当する長さとするとよい。接地面状部は適当な接触長を有することから、帯状、板状、シート状等いうこともできる。この点は側面状部についても同様である。なお、接地面状部はタイヤの外周面に対応した湾曲状(周方向断面でいうなら弧状)でもよい。
(4)連結部は、ベルト等からなる帯状連結体やゴム等からなる弾性連結体が連結される部分である。連結部は、その形態を問わないが、本体の剛性・強度等を確保しつつ、各連結体の挿通、嵌挿、掛止等が容易で、連結体を安定的に保持できる形状(例えば穴状、孔状(特に長孔状)、掛止フック状等)であると好ましい。また連結部は、本体に直接的に形成される場合でも、リング(アダプター)等を固定具(リベット等)を用いて本体に取り付けて間接的に形成される場合でもよい。
(5)本体は、樹脂、ゴムなどのエラストマー、複合材等の弾性材からなる。本体が射出成形等により弾性材の一体成形体からなる場合、その大量生産が可能となり、滑止装置の製造コスト低減を図り易い。
弾性材は、例えば、樹脂またはゴム(エラストマーを含む)であると好ましい。ゴムは、例えば、タイヤと同材質な硬質ゴムでもよい。また弾性材は、金属製の芯材とその芯材を被包する樹脂やゴム等からなる被覆材とからなる複合材でもよい。本体が複合材からなる場合、芯材により本体の剛性や強度の確保が容易となり、ゴム等の被覆材により全体的な肉厚または肉厚分布等の調整が容易となる。なお、本体の外表面が樹脂製またはゴム製であると、少なくとも本体の錆止めが不要となり、保管性が向上し得る。また本体の外表面がゴム等からなると、滑止装置をタイヤへ装着した際にホイール等に傷が付き難くなり好ましい。ちなみに本発明に係る弾性材を画一的に規定することは困難であるが、敢えていうなら、例えば、その弾性率(ヤング率)が0.01〜10GPaさらには0.1〜5GPaであるとよい。このように本発明に係る弾性材は、鋼材等の剛性材ではなく、タイヤの大きな変形にも対応し得る弾性(変形性と復元性)を備えたものであると好ましい。
《連結体/連結具》
(1)本発明に係る連結体または連結具は、内側の連結部間(内後連結部と内前連結部の間)または外側の連結部間(外後連結部と外前連結部の間)を連結する。内側連結体(適宜、連結具を含む。)または外側連結体(適宜、連結具を含む。)は、それらにより連結される本体がタイヤに追従して変形し易いように、少なくともその変形を大きく拘束しない程度に、可撓性または伸縮性を有すると好適である。各連結体の形態は種々考えられる。例えば、連結体を可撓な帯状とした場合、取扱性に優れ、滑止装置の装着性の向上や低コスト化等も図れる。この場合、後述の調整具等を用いれば、連結長(連結部間の長さ)の調整も容易である。これにより、対応するタイヤ幅(トレッド幅)が同一である滑止装置を、偏平率やリム径の異なるタイヤにも容易に装着することが可能となる。
帯状連結体は、具体的にいうと、強度や耐候性等に優れたベルトからなると好ましい。また、本明細書でいう連結体は、その長さを無段階または有段階で調整できる調整具を備えると好ましい。このような調整具として例えばコキ等がある。また連結具と調整具を兼ねた連結調整具としてカムバックル等がある。
連結体と本体の連結部との連結方法は問わない。例えば、連結体の端部が連結部に挿通され、縫製等されて連結されていてもよいし、種々のバックルや長さを調整できるコキ等を介して帯状連結体と連結部が連結(挿着、緊締、締着等)されてもよい。
このように本発明の滑止装置は、内後連結部と内前連結部を連結する可撓なまたは伸縮可能な内側帯状連結体を有すると好適である。また、その内側帯状連結体の連結長を調整する内長調整具を備えると好ましい。これらの点は外側の連結部間でも同様である。本発明の滑止装置は、外前連結部と外後連結部にそれぞれ分割して設けられ着脱自在な連結ができる着脱連結具を備え、外前連結部と着脱連結具の一端部とを連結する外前帯状連結体と、外後連結部と着脱連結具の他端部とを連結する外後帯状連結体と、を備えると好適である。そして、外前帯状連結体または外後帯状連結体は、連結長を調整する外長調整具(着脱連結具と兼用でもよい)を備えると好ましい。なお、外前帯状連結体または外後帯状連結体を、適宜、外側帯状連結体ともいう。
(2)本発明に係る連結体は、上述した帯状連結体に限らず、ゴム、バネ等からなる弾性連結体でもよい。つまり本発明の滑止装置は、内後連結部と内前連結部を連結する伸縮自在な内側弾性連結体を有してもよい。また本発明の滑止装置は、第一本体と第二本体が内後連結部と内前連結部との間で連結された単位ユニットを二つ以上連結する場合、隣接する一方の単位ユニットの外前連結部と他方の単位ユニットの外後連結部との間で連結される。そのとき本発明の滑止装置は、その外前連結部とその外後連結部を連結する伸縮自在な外側弾性連結体を有すると好ましい。これにより滑止装置を構成する各本体を、より安定的にタイヤへ固定することが可能となる。なお、本発明に係る帯状連結体と弾性連結体は、どちらか一方のみでも十分であるが、両者を併用してもよい。また帯状連結体が弾性体からなり、帯状連結体が弾性連結体を兼ねるものでもよい。
(3)滑止装置の取付け、取外しは、タイヤの外側に配置される着脱連結具の着脱によりなされる。着脱連結具は、その種類、構造、形態等は問わないが、簡易迅速な装着を可能とするものが好ましい。このような着脱連結具として、例えば、ベルトに設けた掛止孔へバックルに枢設された掛止フックを嵌挿させる掛止バックル、係合する突起状の雄型連結器とそれを内包する方筒状の雌型連結器とからなり弾性的なロック機構(係合部)によりワンタッチで着脱できるいわゆるワンタッチバックル、掛合する凹凸状(歯状、波状)面を有するベルトとそのベルトの凹凸状面に掛止すると共にそのベルトの一方向への移動を許容する止め具(爪)とからなるラチェットバックル、ベルトを挿通させる筐体(バックル)に枢設されて一方向(掛止方向)に付勢された掛止カムを備え、掛止カムを逆方向に回動操作(リリース)することによりベルトが解放されるカムバックル等がある。なお、各連結部に設けたフック(掛合アダプター)等へ掛止可能な弾性連結体なら、その伸縮を利用するだけで、滑止装置の着脱を容易に行える。
また、内後連結部と内前連結部の間にも着脱自在な連結具を設けてもよい、但し、それらは連結したまま滑止装置の取付け、取外しがなされることが好ましいため、連結長の調整ができれば十分である。なお、本発明では、内側および/または外側の連結部の間隔が固定的な滑止装置を必ずしも除くものではない。
《単位ユニット》
本発明の滑止装置は、第一本体と第二本体が内側(内後連結部と内前連結部)で連結された単位ユニットが基本単位となる。単位ユニット一つで滑止装置が構成される場合も考えられるが、通常は単位ユニットが二つ以上組み合わされて滑止装置が構成される。
単位ユニットは、内側連結長を調整する場合等を除き、通常、二つの本体の内側(タイヤに取り付けた際の裏側)が連結されたままで使用される。通常、滑止装置の取付け・取外しは、外側にある着脱連結具の連結・解除によりなされると好適である。
軽自動車などの小型車両用の滑止装置なら、例えば、2つの単位ユニットが一連となっており、一箇所の着脱連結具の連結・解除(着脱)により、滑止装置の取付け・取外しを行うことができる。これは単位ユニットが3つ以上の場合も同様である。そこで本発明に係る着脱連結具は、単位ユニット毎に一つずつ設けられてもよいが、1輪分の滑止装置全体として少なくとも一つあれば足る。
但し、産業用自動車などの大型車両用の滑止装置なら、例えば、3つの単位ユニットをそれぞれ分割できるようにしておき、複数箇所の着脱連結具で連結・解除が可能となるようにしておく方が、着脱性に優れる場合もある。また、単位ユニット毎に着脱連結具が設けられていると、同一規格(対応するタイヤ幅が同一)である限り、適宜、単位ユニットを2つ、3つさらには4つ以上でも連結でき、取り付ける種々の車両(タイヤのリム径)に対応可能となる。これにより、規格または部品点数のさらなる削減が可能となり、製造コストや管理コストをより低減し得る。
[第一実施例]
《概要》
本発明の一実施例であるタイヤ滑止装置S(単に「滑止装置S」という。)が大型自動車用のタイヤTに装着されている様子を図1に示した。滑止装置Sは、3つの単位ユニット1、2、3からなる。単位ユニット1、2、3は、それぞれが同形態であり、ホイール(図略)の化粧面側であるタイヤTの外側(図1の紙面表側)で着脱可能に連結される。以下では、そのうちの一つである単位ユニット1について、その全体拡大図である図2とその部分拡大図である図3も参照しつつ詳述し、他の単位ユニットに関する説明は省略する。また、同様な部材には同一符号を付し、適宜、その詳細な説明を省略する。
《単位ユニット》
単位ユニット1は、第一本体11と、第二本体12と、内側帯状連結体13(131、132、133)と、外側帯状連結体14(141、142)と、着脱連結具15(151、152)とからなる。なお、詳細は後述するが、単位ユニット1の着脱連結具15を構成するフォーク状の雄型連結器151は、単位ユニット2の着脱連結具25(251、252)を構成する方筒状の雌型連結器252と係合する。また単位ユニット1の着脱連結具15を構成する方筒状の雌型連結器152は、単位ユニット3の着脱連結具35(351、352)を構成するフォーク状の雄型連結器351と係合する。なお、各着脱連結具15、25、35はいずれも同形態である。
(1)本体
第一本体11(第一U型本体)は、内後延在部111と、第一U型部112と、外前延在部113とを有し、タイヤの外周側形状(略U字形状の断面)に沿うように、硬質ゴム(ポリウレタンエラストマー)を略U字形状のU型に一体成形した幅広な面状体からなる。第一U型部112は、内側部112a(第一内側面状部)と、横断部112b(第一接地面状部)と、外側部112c(第一外側面状部)とを有する。
内側部112aは、タイヤTの内側サイドウォール部に沿ってその径方向および周方向へ延伸している。横断部112bは、内側部112aから緩やかに外側へ約90°屈曲して連なり、タイヤTのトレッド部を横断すると共にその外周面に沿って周方向へ延伸している。外側部112cは、横断部112bから緩やかに約90°屈曲して外側サイドウォール部に沿ってその径方向および周方向へ延伸している。横断部112bは、その最表面がタイヤTに装着した際の接地面となるため、他の部分よりも肉厚となっている。また、横断部112bの最表面側には、ホイールの軸方向(図1の紙面に垂直な方向)に延びる複数の細長い滑止溝112gが形成されている。
内後延在部111は、第一U型部112の内側部112aの径方向端部から連なり、緩やかに後方周方向へ約90°屈曲して、内側サイドウォール部に沿って延在している。外前延在部113は、第一U型部112の外側部112cの径方向端端部から連なり、緩やかに前方周方向へ約90°屈曲して、外側サイドウォール部に沿って延在している。
内後延在部111の後端部には、タイヤの径方向に沿った細長い補強された孔からなる内後連結部1112が形成されている。また外前延在部113の前端部には、タイヤの径方向に沿った細長い補強された孔(スリット)からなる外前連結部1131が形成されている。
第二本体12(第二U型本体)は、内前延在部121と、第二U型部122と、外後延在部123とを有し、タイヤの外周側形状(略U字形状の断面)に沿うように、硬質ゴムを略U字形状のU型に一体成形した幅広な面状体からなる。第二U型部122は、内側部122a(第二内側面状部)と、横断部122b(第二接地面状部)と、外側部122c(第二外側面状部)とを有する。
内側部122aは、タイヤTの内側サイドウォール部に沿ってその径方向および周方向へ延伸している。横断部122bは、内側部122aから緩やかに外側へ約90°屈曲して連なり、タイヤTのトレッド部を横断すると共にその外周面に沿って周方向へ延伸している。外側部122cは、横断部122bから緩やかに約90°屈曲して外側サイドウォール部に沿ってその径方向および周方向へ延伸している。横断部122bは、その最表面がタイヤTに装着した際の接地面となるため、他の部分よりも肉厚となっている。また、横断部122bの最表面側には、ホイールの軸方向に延びる複数の細長い滑止溝122gが形成されている。
内前延在部121は、第二U型部122の内側部122aの径方向端部から連なり、緩やかに前方周方向へ約90°屈曲して、内側サイドウォール部に沿って延在している。外後延在部123は、第二U型部122の外側部122cの径方向端部から連なり、緩やかに後方周方向へ約90°屈曲して、外側サイドウォール部に沿って延在している。
内前延在部121の前端部には、タイヤの径方向に沿った細長い補強された孔からなる内前連結部1211が形成されている。また外後延在部123の後端部には、タイヤの径方向に沿った細長い補強された孔からなる外後連結部1232が形成されている。
このように第一本体11と第二本体12は、各延在部の向きまたは各連結部の配置が周方向に関して逆転しているため、同一部材とはならないが、それら以外の部分は基本的に同形態となっている。以下では、第一本体と第二本体に共通する内容については、主に第一本体について説明し、適宜、第二本体については説明を省略する。
(2)内側帯状連結体
内側帯状連結体13は、第一内ベルト131と、第二内ベルト132と、内長調整具133(いわゆるコキ)とからなる。
第一内ベルト131の内前端部1311は、その先端が第一本体11の内後連結部1112を挿通した後に第一内ベルト131に縫合されることによって内後連結部1112に挿着されている。第二内ベルト132の内後端部1322は、その先端が第二本体12の内前連結部1211を挿通した後に第二内ベルト132に縫合されることによって内前連結部1211に挿着されている。
内長調整具133は、第一内ベルト131の内後端部1312と第二内ベルト132の内前端部1321との間に設けられ、内後連結部1112と内前連結部1211の間隔(連結長)を調整しつつ、内後端部1312と内前端部1321を連結する。内長調整具133は、具体的にいうと、前方支柱1331、後方支柱1332、中央支柱1333を有し、それらが外枠で連結されたラダーリング状となっており、前方支柱1331と中央支柱1333の間に前方リングが形成され、後方支柱1332と中央支柱1333の間に後方リングが形成されている。
第一内ベルト131の内後端部1312は、中央支柱1333で屈曲され前方リングに挿通されて、前方支柱1331と第一内ベルト131との間で挟持されることにより、内長調整具133の前側に挿着される。第二内ベルト132の内前端部1321は、その先端が内長調整具133の後方リングを挿通した後に第二内ベルト132に縫合されることによって、内長調整具133(後方支柱1332)に挿着されている。
ここで、内後端部1312は、第一内ベルト131に結合されていないため、挿着位置を自在に変更でき、これにより第一内ベルト131と第二内ベルト132の連結長(内後連結部1112と内前連結部1211の間隔)を広範囲に無段階で調整可能となる。なお、本実施例に係る各内ベルトは、強度、耐久性、耐候性等に優れた化学繊維(例えば、ポリプロピレン繊維)等からなる(後述する各外ベルトも同様)。
(3)外側帯状連結体と着脱連結具
外側帯状連結体14は、第一外ベルト141と、第二外ベルト142と、着脱連結具15とからなる。着脱連結具15は、いわゆるワンタッチバックルであり、雄型連結器151と雌型連結器152とからなる。
第一外ベルト141の外後端部1412は、その先端が第一本体11の外前連結部1131を挿通した後に第一外ベルト141に縫合されることによって外前連結部1131に挿着されている。第一外ベルト141の外前端部1411は、その先端が雄型連結器151の雄側連結部1511に挿着されている。雄側連結部1511は内長調整具133と同様なラダーリング状からなる外長調整具を兼ねている。このため、雄型連結器151と第一本体11の外前連結部1131との連結長(外前連結部1131と外後連結部2232の間隔)も、雄側連結部1511により、広範囲に無段階で調整可能となっている。
第二外ベルト142(242)の外前端部1421は、その先端が第二本体12の外後連結部1232を挿通した後に第二外ベルト142に縫合されることによって外後連結部1232に挿着されている。第二外ベルト142(242)の外後端部1422(2422)は、その先端が雌型連結器152(252)のリング状の雌側連結部1522(2522)を挿通した後に第二外ベルト142(242)に縫合されることによって雌側連結部1522(2522)に挿着されている。
着脱連結具15は図3に示すように、3本の突起を有するフォーク状をした雄型連結器151と、雄型連結器151の3本の突起を内包する方筒状をした雌型連結器152(252)とからなる。そして雄型連結器151の両外側の突起1513が弾性的に拡幅して、雌型連結器152(252)の中央両側面に設けられた切欠き1523(2523)に掛止することにより、雄型連結器151と雌型連結器152(252)は結合される。逆に、突起1513を弾性的に縮幅させることにより、雄型連結器151と雌型連結器152(252)の結合は解除される。
[第二実施例]
単位ユニット1に係る第一本体11を第一本体51に、第二本体12を第二本体52に、内側帯状連結体13を内側帯状連結体53にそれぞれ置換した単位ユニット5を図4に示した。なお、単位ユニット1の場合と同様な部材については、同符号を付して詳細な説明を省略した。その他、詳述していない部分は、第一実施例の場合と基本的に同様である。これらのことは以下の実施例でも同様である。
単位ユニット5に係る第一本体51および第二本体52は、同形態な統合本体50からなる。従って単位ユニット5では、2種類の本体を用意する必要がなく、1種類の本体を兼用して利用できるため、単位ユニット1(2、3)の場合よりも部品点数の削減による製造コストや管理コストの低減を図れる。
具体的にいうと、統合本体50は、U型部502と、その内周端近傍で周方向両側へそれぞれ延在する4つの延在部501、503、504、505を有し、各延在部毎にそれぞれ一つずつ連結部5012、5031、5041、5052が形成されている。統合本体50も、タイヤの外周側形状(略U字形状の断面)に沿うように、硬質ゴムを略U字形状のU型に一体成形した幅広な面状体からなる。但し、統合本体50は、本体11、12とは異なり、U型部502の中央をホイール軸方向へ横断する中心線とタイヤTの外周方向(ホイール軸方向に直交する方向)へ縦断する中心線に関して、それぞれ対称(つまり後前方向と外内方向に関して対称)な形状となっている。
統合本体50を第一本体51とする場合であれば、第一本体11の場合と同様に、延在部501が内後延在部511、U型部502が第一U型部512、延在部503が外前延在部513、連結部5012が内後連結部5112、連結部5031が外前連結部5131となる。但し、この場合、延在部504からなる内前延在部514と連結部5041からなる内前連結部5141、および延在部505からなる外後延在部515と連結部5052からなる外後連結部5152は、第一本体51のタイヤへの保持性をより向上させる保持部(当接部)として機能する。
統合本体50を第二本体52とする場合であれば、第二本体12の場合と同様に、延在部504が内前延在部521、U型部502が第二U型部522、延在部505が外後延在部523、連結部5041が内前連結部5211、連結部5052が外後連結部5232となる。但し、この場合、延在部501からなる内後延在部524と連結部5012からなる内後連結部5242、および延在部503からなる外前延在部525と連結部5031からなる外前連結部5251は、第二本体52のタイヤへの保持性をより向上させる保持部として機能する。
単位ユニット5の場合も単位ユニット1の場合と同様に内側帯状連結体13を用いて第一本体51と第二本体52を連結できるが、本実施例では内側帯状連結体53を用いる場合を示した。内側帯状連結体53は、第一内ベルト531と、第二内ベルト532と、内長調整具533とからなる。第一内ベルト531および第二内ベルト532は、それぞれ、第一内ベルト131および第二内ベルト132と実質的に同様である。内長調整具533は、内長調整具133(コキ)を、着脱連結具15と同様なワンタッチバックルに変更したものである。
[第三実施例]
単位ユニット1に係る第一本体11を第一本体71に、第二本体12を第二本体72にそれぞれ置換した単位ユニット7を図5に示した。
単位ユニット7に係る第一本体71および第二本体72は、共に統合本体70からなる。この統合本体70は、前述した統合本体50をよりシンプルな形状としたものである。統合本体70からなる単位ユニット7を用いると、単位ユニット1(2、3)を用いる場合のみならず、単位ユニット5を用いる場合と比較しても、さらなる製造コストや管理コストの低減が可能となり得る。
具体的にいうと、統合本体70は、内側延在部(内前延在部および内後延在部)を兼ねる内側部701と、接地面状部となる横断部702と、外側延在部(外前延在部および外後延在部)を兼ねる外側部703とからなる。内側部701は、タイヤの内側サイドウォール部に沿ってその径方向および周方向へ延びる。横断部702は、内側部701から緩やかに外側へ約90°屈曲して連なり、タイヤのトレッド部を横断すると共にその外周面に沿って周方向へ延びる。外側部703は、横断部702から緩やかに約90°屈曲して外側サイドウォール部に沿ってその径方向および周方向へ延びる。統合本体70も、タイヤの外周側形状(略U字形状の断面)に沿うように、硬質ゴムを略U字形状のU型に一体成形した幅広な面状体からなり、後前方向および内外方向に関して対称な形状となっている。
内側部701は、内周端近傍の前後両側に、それぞれ連結部7021、7022を有し、外側部703は、内周端近傍の前後両側に、それぞれ連結部7031、7032を有する。横断部702は、その最表面がタイヤに装着した際の接地面となるため、他の部分よりも肉厚となっている。また、横断部702の最表面側には、ホイールの軸方向に延びる複数の細長い滑止溝702gが形成されている。
統合本体70を第一本体71とする場合であれば、内側部701が内側部711、外側部703が外側部713、連結部7022が内後連結部7112、連結部7031が外前連結部7131となる。この場合も、統合本体50と同様に、連結部7021からなる内前連結部7111およびその近傍と、連結部7032からなる外後連結部7132およびその近傍は、第一本体71のタイヤへの保持性を向上させる保持部として機能する。
統合本体70を第二本体72とする場合であれば、内側部701が内側部721、外側部703が外側部723、連結部7021が内前連結部7211、連結部7032が外後連結部7232となる。この場合も、統合本体50と同様に、連結部7022からなる内後連結部7212およびその近傍と、連結部7031からなる外前連結部7231およびその近傍は、第二本体72のタイヤへの保持性を向上させる保持部として機能する。
[他の実施例]
(1)上述した内側帯状連結体(内長調整具を含む)または外側帯状連結体(着脱連結具を含む)の少なくとも一つを、図6に示すような帯状連結体83としてもよい。帯状連結体83は、第一ベルト831と、第二ベルト832と、ベルトバックルからなる連結調整具833とからなる。第一ベルト831の一端部は、連結調整具833の枠体に固定された中央支柱8332に挿着されている。第二ベルト832の一端部には、所定のピッチで複数の掛止孔8321が設けられている。その掛止孔8321の一つへ、連結調整具833の中央支柱8332に枢支された掛止フック8331が挿嵌される。掛止フック8331を挿嵌する掛止孔8321の位置を変更することにより、連結長を有段階で調整しつつ、第一ベルト831と第二ベルト832は連結される。
(2)内側帯状連結体(内長調整具を含む)または外側帯状連結体(着脱連結具を含む)の少なくとも一つを、図7に示すような帯状連結体93としてもよい。帯状連結体93は、第一ベルト931と、第二ベルト932と、ラチェットバックルである連結調整具933とからなる。第一ベルト931の一端部には、レバー状の連結調整具933が枢支されている。第二ベルト932の一端側は、複数の凸部9321が所定のピッチで設けられている。連結調整具933の爪9331(図7の紙面裏側に突出している)をその凸部9321に掛止して固定すると、第一ベルト931と第二ベルト932は、連結長を有段階で調整しつつ連結される。
(3)上述した実施例では、各連結部が面状(または帯状)の本体と共に一体成形される場合を示した。この他、連結部は、例えば図8に示すように、本体の延在部101にリベット1011によって一端部が固定された連結環102等で構成されてもよい。このようにすれば、本体(特に各延在部)が面状等でない場合(例えば樹脂製またはゴム製の棒状)でも、帯状連結体103による連結が容易になし得る。なお、各ベルトは、前述した可撓性に富んだ化学繊維製ベルトの他、伸縮性に富んだ軟質ゴムでも本体と同質な硬質ゴム製等でもよい。そして、連結長の調整が不要な場合なら、本発明の滑止装置では、本体と各連結体が各連結部で一体化されたものでもよい。
(4)単位ユニット1に用いた第一本体11の横断部112bの外表面側には、図9に示すような、横断部112bと一体成形された菱形状のブロック112k(滑止パターン)と金属製のスタッドピン112p(滑止具)が形成されていてもよい。これにより、硬質ゴム製の一体成形体からなる横断部112bの滑止性が格段に向上し得る。なお、第二本体12の横断部122bの外表面も同様である。また、統合本体50または統合本体70の横断部(接地面状部)にも、同様な滑止パターンや滑止具を設けるとよい。
(5)単位ユニット5に用いた統合本体50は、図10に示すような統合本体55とすることもできる。統合本体55も、統合本体50と同様に、U型部552と、その内周端近傍で周方向両側へそれぞれ延在する4つの延在部551、553、554、555を有し、各延在部毎にそれぞれ一つずつ連結部5512、5531、5541、5552が形成されている。但し、統合本体55は、統合本体50と異なり、周方向に隣接する延在部が分岐状に延びている。このように延在部の延在方向を変更することにより、単位ユニットを構成する本体同士をより安定的に維持できるようにしてもよい。
(6)2組の単位ユニット1からなる滑止装置S’をタイヤTに装着した様子を図11に示した。図2等に示した第一本体11の内後延在部111、外前延在部113、内後連結部1112および外前連結部1131と、第二本体12の内前延在部121、外後延在部123、内前連結部1211および外後連結部1232との各形成角度または各形成位置を調整することにより、滑止装置S’をタイヤTへ装着した際に、内側帯状連結体13および外側帯状連結体14が略正方形状となり、第一本体11および第二本体12がその頂角付近に均等に配置することもできる。この場合、滑止装置S’はタイヤTへより安定的に装着され得る。
(7)内側連結体および外側連結体が一体化された本体からなる単位ユニット4を図12に示した。単位ユニット4は、第一本体41と、第二本体42からなる。第一本体41は、主要部を構成するU型部412と、内後延在部411と、外前延在部413を有し、第二本体42は、主要部を構成するU型部422と、内前延在部421と、外後延在部423を有する。この場合、第一本体41の内後延在部411と第二本体42の内前延在部421が内側連結体を兼ね、第一本体41の外前延在部413と第二本体42の内後延在部423が外側連結体を兼ねる。なお、単位ユニット1の場合と同様な部分については、詳細な説明を省略する。
内後延在部411の先端部には複数の掛止穴4112(内後連結部)が配列されており、内前延在部421の先端部には掛止穴4112に嵌入される掛止突起4211(内前連結部)が掛止穴4112と同ピッチで同数配列されている。掛止穴4112へ掛止突起4211を嵌入させることにより、第一本体41と第二本体42は内側が連結される。なお、掛止穴4112と掛止突起4211の掛合位置を変更することにより、内側連結長の変更も容易に行える。
また、外後延在部423の先端部にも複数の掛止穴4232(外後連結部)が配列されており、外前延在部413の先端部には掛止穴4232に嵌入される掛止突起4131(外前連結部)が掛止穴4232と同ピッチで同数配列されている。タイヤへ装着する際に隣接する掛止穴4232と掛止突起4131を掛合させることにより、隣接する第一本体41と第二本体42は外側で連結され、単位ユニット4からなる滑止装置がタイヤに装着される。この場合も、掛止突起4131と掛止穴4232の掛合位置を変更することにより、外側連結長を容易に変更できる。
(8)単位ユニット1のベルト(帯状連結体)をゴムリング(弾性連結体)に変更した単位ユニット6を図13に示した。単位ユニット6は、第一本体61と、第二本体62と、外ゴムリング63(外側弾性連結体)と、内ゴムリング(内側弾性連結体/図略)と、それらゴムリングを掛止する帯状のC字状リングからなる掛止アダプタ6411、6412、6421、6422からなる。第一本体61および第二本体62は、それぞれ第一本体11および第二本体12とほぼ同様な形状をしているが、第一本体61の内後連結部6112および外前連結部6131と第二本体62の内前連結部6211および外後連結部6232は、複数の縦孔(スリット)からなる。
各連結部6112、6131、6211、6232には、それぞれ掛止アダプタ6412、6411、6421、6422がそれぞれ掛止される。タイヤへ装着する際に隣接する掛止アダプタ間(例えば、掛止アダプタ6411と掛止アダプタ6422の間)に、ゴムリング(例えば、外ゴムリング63)を掛止したり解放したりすることにより、単位ユニット6をタイヤへ容易に着脱できる。ちなみに、各掛止アダプタは、ゴムリングの掛合性の確保やタイヤ等の傷つきを防止を図るために、背面をタイヤ側として各連結部に装着すると好ましい。なお、本発明に係る連結体は、そのような掛止アダプタを含めて考えることもできる。
ここでは、説明の便宜上、タイヤの外側で各本体が連結された単位ユニットを示したが、当然、タイヤへ装着する際にはその内側で各本体が連結される。また、タイヤの両側(内側および外側)で、各本体が共にゴムリングで連結される場合に限らず、一方側(特に内側)を上述したベルトで連結し、他方側(特に外側)をゴムリングで連結するようにしてもよい。
このような単位ユニットを用いると、ゴムリングを伸縮させるだけで、滑止装置のタイヤへの着脱を、迅速かつ容易に行える。また、掛止アダプタの連結部への掛合位置を変更することにより、内側連結長や外側連結長の調整も容易に行える。従って、各本体(特に接地面状部)がタイヤ幅(トレッド幅)に適合している限り、一規格の滑止装置でも、偏平率やリム径の異なる種々のタイヤへ装着することが可能となる。
(9)単位ユニット1を構成する第一本体11と第二本体12の外側における連結を強化した単位ユニット1’を図14に示した。なお、単位ユニット1の場合と同様な部分については、詳細な説明を省略する。
単位ユニット1’は、単位ユニット1の第一本体11を外前連結部1131の後方近傍に掛止フック1141を有する第一本体11’とし、第二本体12を外後連結部1232の前方近傍に掛止フック1242を有する第二本体12’としたものである。そして単位ユニット1’は、第一外ベルト141、第二外ベルト142および着脱連結具15による連結に加えて、さらに掛止フック1141と掛止フック1242へ外ゴムリング16の掛止を可能としたものである。外ゴムリング16を伸長させて掛止フック1141と掛止フック1242へ掛止することにより、単位ユニット1’(ひいては滑止装置)はタイヤへより強力に装着される。なお、掛止フックは、本体の一部として一体成形されたものでもよいし、一体成形された本体に別途固定された鈎状金具等でもよい。
ちなみに、外ゴムリング16の掛止は、路面状況に応じて必要な場合に選択的に行えば足る。このようなゴムリングの掛止は、隣接する掛止フック間毎に行ってもよいが、外側にある全掛止フック(2組の単位ユニットを用いる場合なら4つの掛止フック)へ一つのゴムリングを掛止してもよい。さらに、必要に応じて、複数のゴムリングを重ねて利用してもよい。
なお、上述した掛止フックを連結部(またはそれを構成する一部)と考え、それに掛止されるゴムリングを連結体(またはそれを構成する一部)と考えることもできる。
(10)図15Aに示すように、単位ユニット1に用いた第一本体11の横断部112bの内表面側に、横断部112bと一体成形された係止突起112mと、金属製の係止ピン112q(係止具)を配設してもよい。また、それらに替えて、図15Bに示すような滑止シート112r(係止具)を横断部112bの内表面側に貼着してもよい。これらにより第一本体11は、走行中もタイヤTの外周面により安定的に保持されるようになる。なお、第二本体12、統合本体50または統合本体70の横断部(接地面状部)の内周面側についても同様な係止突起や係止具を設けるとよい。
(11)内側帯状連結体(内長調整具を含む)または外側帯状連結体(着脱連結具を含む)の少なくとも一つを、図16に示すような帯状連結体193としてもよい。帯状連結体193は、第一ベルト1931と、第二ベルト1932と、カムバックル1933(連結調整具)とからなる。カムバックル1933は、筐体1933aと、筐体1933aに枢設されて一方向(ロック方向)に付勢された掛止カム1933bと、掛止カム1933bを付勢するスプリング(図略)とからなる。筐体1933aの一端側には、第一ベルト1931の一端部が縫製によって連結されている。筐体1933aの他端側には、第二ベルト1932の一端側が挿通され、筐体1933aと掛止カム1933bの間で挟持されて係止(ロック)される。掛止カム1933bを付勢力に抗して他方向へ回動させると、第二ベルト1932の一端側は解放され、第一ベルト1931と第二ベルト1932の連結長の調整やそれらの分離(脱着)が可能となる。このようなカムバックル1933を利用することにより、第一ベルト1931と第二ベルト1932の連結長を無段階で調整しつつ、それらの簡易かつ確実な締結が可能となる。
(12)第三実施例で用いた統合本体70の変形例である統合本体17を図17Aに示した。また、図17A中のA−A断面を図17Bに示した。統合本体17も統合本体70と同様に、タイヤのトレッド部に面する横断部172と、タイヤのサイドウォール部に面する第一側部171および第二側部173を有する。また第一側部171の内周側前後に連結部1711、1712が配設されており、第二側部173の内周側前後に連結部1731、1732が配設されている。統合本体17も統合本体70と同様な対称形状となっており、第一側部171と第二側部173は同形態であり、4つの連結部1711、1712、1731、1732も全て同形態である。
ところで、統合本体17の各連結部は、基本的に帯状連結体(例えば内側帯状連結体131、外側帯状連結体141等)を挿通できる縦長な長孔からなる。但し、統合本体17がゴムまたは樹脂等で一体成形された段階における各連結部は全て、その外表面側にある薄肉状(または薄皮状)の閉蓋によって非貫通状態となっている。ここで例えば、連結部1711、1732の閉蓋を残して、連結部1712、1731の閉蓋を除去(穿孔等)する。これにより統合本体17は、図17Aに示すような本発明でいう第一本体となる。例えば、図17Bに示すように、第一本体として利用されない連結部1732は、孔部1732aとその外周囲を補強する環状リブ1732bとを有すると共に、閉蓋1732cが残存したままとなっている。このため一見すると、無用な連結部(貫通孔)は形成されていないようにみえる。一方、連結部1731は、閉蓋1731c(図略)を除去してあり、貫通した孔部1731aとその周囲を補強する環状リブ1731bとからなり、帯状連結体141等が挿通可能な状態となっている。
また、連結部1711、1732の閉蓋を除去し、連結部1712、1731の閉蓋を残せば、統合本体17は本発明でいう第二本体となり得る。このように閉蓋を残すことによって不要な貫通孔がなくなり、各本体ひいては滑止装置の意匠性の向上を図れる。なお、各連結部の閉蓋は、予め除去された状態で出荷されてもよいし、出荷後にユーザーが除去するようにしてもよい。本発明に係る連結部には、そのように非貫通な状態も含まれる。
S タイヤ滑止装置
1 単位ユニット
11 第一本体
12 第二本体
13 内側帯状連結体
15 着脱連結具

Claims (18)

  1. 車両用のホイールに嵌装されたタイヤのトレッド部に面しつつ該タイヤの周方向に延伸する第一接地面状部と該タイヤの内側で該第一接地面状部の後側に配設される内後連結部と該タイヤの外側で該第一接地面状部の前側に配設される外前連結部とを有する弾性材からなる第一本体と、
    該第一本体の後方に配置され、該トレッド部に面しつつ該タイヤの周方向に延伸する第二接地面状部と該タイヤの内側で該第二接地面状部の前側に配設される内前連結部と該タイヤの外側で該第二接地面状部の後側に配設される外後連結部とを有する弾性材からなる第二本体とを備え、
    前記第一本体は、前記第一接地面状部の内側肩部から連なり前記タイヤの内側サイドウォール部に面しつつ周方向へ延伸する第一内側面状部と該第一接地面状部の外側肩部から連なり該タイヤの外側サイドウォール部に面しつつ周方向へ延伸する第一外側面状部とを有し、断面が略U字形状をした第一U型本体であり、
    前記第二本体は、前記第二接地面状部の内側肩部から連なり該内側サイドウォール部に面しつつ周方向へ延伸する第二内側面状部と該第二接地面状部の外側肩部から連なり該外側サイドウォール部に面しつつ周方向へ延伸する第二外側面状部とを有し、断面が略U字形状をした第二U型本体であり、
    前記第一接地面状部または前記前記第二接地面状部は、周方向の前後端とタイヤの回転中心とを結んでできる挟角が10°〜60°であり、
    該第一本体の内後連結部と該第二本体の内前連結部が連結されることを特徴とするタイヤ滑止装置。
  2. 前記挟角は、20°〜50°である請求項1に記載のタイヤ滑止装置。
  3. 前記内後連結部は該第一内側面状部の後部に設けられ、
    前記外前連結部は該第一外側面状部の前部に設けられ、
    前記内前連結部は該第二内側面状部の前部に設けられ、
    前記外後連結部は該第二外側面状部の後部に設けられている請求項1または2に記載のタイヤ滑止装置。
  4. 前記第一本体は、前記第一内側面状部の後方へ延在した内後延在部と、前記第一外側面状部の前方へ延在した外前延在部とを有し、
    前記第二本体は、前記第二内側面状部の前方へ延在した内前延在部と、前記第二外側面状部の後方へ延在した外後延在部とを有し、
    前記内後連結部は該内後延在部に設けられ、
    前記外前連結部は該外前延在部に設けられ、
    前記内前連結部は該内前延在部に設けられ、
    前記外後連結部は該外後延在部に設けられている請求項1または2に記載のタイヤ滑止装置。
  5. 前記第一本体と前記第二本体は、
    前記第一接地面状部または前記第二接地面状部となる接地面状部と、
    前記内後連結部、前記外前連結部、前記内前連結部または前記外後連結部のいずれかとなる四つの連結部とを有する統合本体からなる請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ滑止装置。
  6. さらに、前記内後連結部と前記内前連結部を連結する内側連結体を備え、
    該内側連結体は可撓性または伸縮性を有する請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤ滑止装置。
  7. 前記内側連結体は、内側帯状連結体である請求項6に記載のタイヤ滑止装置。
  8. 前記内側連結体は、連結長を調整する内長調整具を備える請求項6または7に記載のタイヤ滑止装置。
  9. さらに、前記外前連結部または前記外後連結部に連結される外側連結体を備え、
    該外側連結体は可撓性または伸縮性を有する請求項1〜8のいずれかに記載のタイヤ滑止装置。
  10. 前記外側連結体は、外側帯状連結体である請求項9に記載のタイヤ滑止装置。
  11. 前記外側連結体は、連結長を調整する外長調整具を備える請求項9または10に記載のタイヤ滑止装置。
  12. さらに、前記外前連結部側に連結される一端部と前記外後連結部側に連結される他端部とを有し、該一端部と該他端部の間で着脱自在な連結ができる着脱連結具を備える請求項1〜11のいずれかに記載のタイヤ滑止装置。
  13. 前記第一接地面状部または前記第二接地面状部は、外周面側に滑止突起または滑止具を有する請求項1〜12のいずれかに記載のタイヤ滑止装置。
  14. 前記第一接地面状部または前記第二接地面状部は、内周面側に係止突起または係止具を有する請求項1〜13のいずれかに記載のタイヤ滑止装置。
  15. 前記弾性材は、ゴムまたは樹脂である請求項1〜14のいずれかに記載のタイヤ滑止装置。
  16. 前記第一本体および前記第二本体は、前記ゴムまたは前記樹脂の一体成形体からなる請求項15に記載のタイヤ滑止装置。
  17. 前記第一本体と前記第二本体が前記内後連結部と前記内前連結部との間で連結された単位ユニットの二つ以上が、隣接する一方の該単位ユニットの外前連結部と他方の該単位ユニットの外後連結部との間で連結されてなる請求項1〜16のいずれかに記載のタイヤ滑止装置。
  18. 請求項1〜17のいずれかに記載のタイヤ滑止装置に用いられる前記第一本体または前記第二本体となることを特徴とするタイヤ滑止装置用本体。
JP2014257673A 2014-01-09 2014-12-19 タイヤ滑止装置およびタイヤ滑止装置用本体 Active JP5869096B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014257673A JP5869096B2 (ja) 2014-01-09 2014-12-19 タイヤ滑止装置およびタイヤ滑止装置用本体

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014002162 2014-01-09
JP2014002162 2014-01-09
JP2014101734 2014-05-15
JP2014101734 2014-05-15
JP2014257673A JP5869096B2 (ja) 2014-01-09 2014-12-19 タイヤ滑止装置およびタイヤ滑止装置用本体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015231826A JP2015231826A (ja) 2015-12-24
JP5869096B2 true JP5869096B2 (ja) 2016-02-24

Family

ID=53494564

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014257673A Active JP5869096B2 (ja) 2014-01-09 2014-12-19 タイヤ滑止装置およびタイヤ滑止装置用本体

Country Status (6)

Country Link
US (1) US9776464B2 (ja)
EP (1) EP3093167B1 (ja)
JP (1) JP5869096B2 (ja)
CN (1) CN105899380B (ja)
PL (1) PL3093167T3 (ja)
WO (2) WO2015104857A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5951871B1 (ja) * 2015-11-10 2016-07-13 榊原 孝一 タイヤ滑止装置およびタイヤ滑止装置用本体

Family Cites Families (32)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US1285406A (en) * 1917-08-06 1918-11-19 Peter Sangoff Antiskidding device.
US1621883A (en) * 1924-04-18 1927-03-22 Harriette E Hodgson Antiskid device
US1719746A (en) * 1928-05-01 1929-07-02 Edward A Baker Nonskid flexible traction shoe
US2584625A (en) * 1947-07-17 1952-02-05 Emil P Schwab Antiskid and traction appliance for motor vehicle wheels
JPS3528806Y1 (ja) * 1958-12-26 1960-10-31
US3198233A (en) * 1963-02-01 1965-08-03 S Dev & Sales Corp Ag Wheel traction aid device
US3323572A (en) * 1965-07-07 1967-06-06 George S Farah Anti-skid device
JPS492043B1 (ja) * 1970-05-08 1974-01-18
US3937262A (en) * 1975-02-06 1976-02-10 Poy Lee Sure grip winter tire traction device
JPS6136407U (ja) 1984-08-07 1986-03-06 中央発條株式会社 タイヤの滑止具用締付装置
JPS61207203A (ja) * 1985-03-13 1986-09-13 Bridgestone Corp 車両用タイヤ滑り止め装置
JPS63287609A (ja) * 1987-05-20 1988-11-24 Masahiro Nakajima 車輪用スリップ止め装置
US4825923A (en) * 1987-09-11 1989-05-02 Peerless Chain Company Traction cable
CH676828A5 (ja) 1988-07-13 1991-03-15 Autotyp Sa
JP2521471Y2 (ja) * 1989-03-31 1996-12-25 株式会社 ゴムチェーン 車両用滑止め部材
DE3931279A1 (de) * 1989-09-20 1991-03-28 Rolf Engel Vorrichtung zur verbesserung der winter-laufeigenschaften von fahrzeugreifen
CN1199811C (zh) 1999-08-20 2005-05-04 金钟吉 轮胎防滑链
JP3557464B2 (ja) * 2001-11-05 2004-08-25 孝一 榊原 タイヤのスリップ防止装置
JP4068847B2 (ja) * 2002-01-15 2008-03-26 株式会社カーメイト タイヤ滑り止め装置
JP2004087779A (ja) 2002-08-27 2004-03-18 Matsushita Electric Ind Co Ltd 貫通孔形成方法
US7096905B2 (en) * 2002-10-09 2006-08-29 Kouichi Sakakibara Slip-preventing device for vehicle tire
JP2004142692A (ja) * 2002-10-28 2004-05-20 Shigeru Suzuki 2輪車用滑り止め装置
CN1600585A (zh) * 2003-09-26 2005-03-30 廉祥霖 机动车防滑履带
CN102140945B (zh) 2004-03-15 2014-03-12 雅各布斯车辆系统公司 具有整体的空动系统的气门横臂
US7246645B2 (en) * 2005-04-07 2007-07-24 Yang-Chen Fu Tire chain assembly operated easily
JP2007290627A (ja) * 2006-04-26 2007-11-08 Koichi Sakakibara タイヤの滑り止め装置
JP2008094220A (ja) * 2006-10-11 2008-04-24 Futamura Shoji タイヤ滑止め装置用の引締め具
JP2008273455A (ja) 2007-05-02 2008-11-13 Koichi Sakakibara タイヤの滑り止め装置
CN201941534U (zh) * 2011-01-13 2011-08-24 程世伦 汽车轮胎防滑套
JP5236773B2 (ja) * 2011-04-21 2013-07-17 孝一 榊原 タイヤの滑り止め装置
JP5017737B1 (ja) * 2011-12-30 2012-09-05 勝 鈴木 タイヤ滑り止装置
JP5253609B1 (ja) * 2012-07-23 2013-07-31 孝一 榊原 タイヤ滑止装置

Also Published As

Publication number Publication date
PL3093167T3 (pl) 2019-02-28
US20150191061A1 (en) 2015-07-09
EP3093167B1 (en) 2018-10-31
WO2015105005A1 (ja) 2015-07-16
EP3093167A4 (en) 2017-09-27
CN105899380B (zh) 2018-05-22
WO2015104857A1 (ja) 2015-07-16
US9776464B2 (en) 2017-10-03
EP3093167A1 (en) 2016-11-16
JP2015231826A (ja) 2015-12-24
CN105899380A (zh) 2016-08-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9981511B2 (en) Tire traction devices
JP4068847B2 (ja) タイヤ滑り止め装置
CA2635809C (en) A central tightening system for anti-skid devices and an anti-skid device having the same
JP6956345B2 (ja) タイヤ用の構成要素
JP5869096B2 (ja) タイヤ滑止装置およびタイヤ滑止装置用本体
US11059335B2 (en) Tire traction devices
JP5951871B1 (ja) タイヤ滑止装置およびタイヤ滑止装置用本体
WO2015104850A1 (ja) タイヤ滑止装置およびタイヤ滑止装置用部材
JP3526827B2 (ja) 滑り止め装置
US2987092A (en) Antiskid device
JP3121583U (ja) タイヤ用滑止具
KR200278774Y1 (ko) 자동차용 스노우체인
JP3150203U (ja) 自動車用タイヤ滑り止め装置
US978210A (en) Tire-tread attachment.
JP2007112442A (ja) タイヤ滑り止め装置
JP2015231775A (ja) チェーン連結構造及び車両タイヤ用防滑具
JP2007203990A (ja) 自動車用タイヤの滑止め装置
JP2000062422A (ja) タイヤ滑り止め装置とこの装置に使用する連結フック具及び外側緊締索
JP2004122951A (ja) タイヤ用滑止具及びこれに用いる掛止部集約部材
JP2009029188A (ja) 自動車用タイヤチェーン
JP2000335215A (ja) タイヤ滑り止め装置とこれに用いるネット構成片
JP2003072331A (ja) タイヤ滑り止め装置

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20150804

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151116

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160106

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5869096

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250