JP2004122951A - タイヤ用滑止具及びこれに用いる掛止部集約部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤ用滑止具において、タイヤへの装着が容易に行え、しかも取り扱い性やコストなどの面で不都合が生じることがないようにする。
【解決手段】タイヤ外周に巻回可能な帯状をした非金属製の滑止具本体2と、この幅方向内側に沿接保持される内側緊締索3と、滑止具本体2の幅方向外側に設けられる外側緊締装置4とを有し、滑止具本体2が長手方向で二つのネット構成片2A,2Bに分割され、これらの各幅方向外側にはその長手方向に沿って互いに所定間隔で掛け止め部7が複数設けられているタイヤ用滑止具において、滑止具本体2の各ネット構成片2A,2Bには、それぞれ複数の掛け止め部7に跨る状態で掛止部集約部材13が設けられ、この掛止部集約部材13に対して外側緊締装置4の装着に用いる掛止部15が設けられているものとした。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車が氷雪路面上などでスリップするのを防止するために用いるタイヤ用滑止具と、これに用いる掛止部集約部材とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のタイヤ用滑止具としては、タイヤ外周に巻回可能な帯状をした非金属製の滑止具本体を具備し、この滑止具本体の幅方向内側に非伸縮性の内側緊締索が沿接保持され、また滑止具本体をタイヤ外周へ巻回させたときにはこの滑止具本体の幅方向外側に対してこれをタイヤ中心側へ向けて引き寄せるためのゴムリング等の外側緊締装置を付設させるものが各種、提案されるところとなっている。
【0003】
滑止具本体は、芯材コードを編み目構造やラダー構造に沿った配置にさせてこれにゴム被覆し、加硫させたものとなっているのが普通である。そして、この滑止具本体には、タイヤ周方向に沿って並設される二つのネット構成片を有した二分割式のものがある(例えば、特許文献1参照)。
この種のタイヤ用滑止具をタイヤへ装着するには、内側緊締索をタイヤの幅方向内側へ向けるようにしつつ、滑止具本体の両ネット構成片相互間に形成された開口部をタイヤの接地部に嵌め入れ、この滑止具本体をタイヤまわりに巻回させ、そして内側緊締索と滑止具本体とを輪状に連結したうえで(その他諸々の詳細は省略)、滑止具本体の幅方向外側に外側緊締装置を取り付けて、この外側緊締装置により、滑止具本体全体をタイヤまわりへ強く被着させるようにする。
【0004】
ところで、滑止具本体の幅方向外側には、その長手方向に沿って互いに所定間隔で掛け止め部が複数設けられている。これら掛け止め部は、上記した外側緊締装置(ゴムリング等)を引っ掛けるためのものであって、これら全ての掛け止め部にフック金具が取り付けられていた。
従って、これら全てのフック金具に対して外側緊締装置を引っ掛けてゆくことになる。
なお、このようなフック金具を回動自在なレバーと組み合わせることで、トグル作用(倍力作用)を生起可能にさせ、もって滑止具本体の幅方向外側に対してその長手方向に引張作用を生じさせるようにした外側緊締装置が提案されている(特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−225621号公報
【特許文献2】
特開平10−315724号公報(リンク部6及び回動部材7)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
タイヤ外周へ滑止具本体を巻回状態にし、その幅方向外側へ上記した外側緊締装置(ゴムリング等)を引っ掛けてゆく作業は、フック金具の数が多いために面倒であった。
また、このようにして引っ掛けた外側緊締装置は、作業の不慣れ等を原因としてタイヤ中心に対して偏心した状態になるおそれがある。
このような外側緊締装置の偏心を防止するには、例えば外側緊締装置としてゴムリングを使用する場合で言えば、そのリング長を短く(リング径を小さく)するといった対策が考えられるが、このようにするとゴムリングの張力が増し、ますますフック金具への引っ掛けが困難になるということがあった。
【0007】
一方、特許文献2に記載されたような構造を採用しようとすると、部品点数が多く、且つレバー(回動部材7)が原因して部品形状の複雑化や大型化を招来し、タイヤ用滑止具全体としてのコストアップに繋がってしまうという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、タイヤへの装着が容易に行え、しかも取り扱い性やコストなどの面で不都合が生じることのないタイヤ用滑止具及びこれに用いる掛止部集約部材を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は次の手段を講じた。
即ち、本発明に係るタイヤ用滑止具1は、タイヤ外周に巻回可能な帯状をした非金属製の滑止具本体2と、この滑止具本体2の幅方向内側に沿接保持される非伸縮性の内側緊締索と、滑止具本体2をタイヤ外周へ巻回させたときにこの滑止具本体2の幅方向外側をタイヤ中心側へ向けて引き寄せるべく設けられる外側緊締装置4とを有したものである。
【0009】
上記滑止具本体2は、長手方向で二つのネット構成片2A,2Bに分割されているものとする。また、これら各ネット構成片2A,2Bの幅方向外側には、その長手方向に沿って互いに所定間隔で上記外側緊締装置4用の掛け止め部7が複数設けられているものとする。
そして、滑止具本体2の各ネット構成片2A,2Bには、それぞれ複数の掛け止め部7に跨る状態で、掛止部集約部材13が設けられている。
この掛止部集約部材13には、それぞれ、外側緊締装置4の装着に用いるための掛止部15が設けられたものとなっている。
【0010】
このような構成であると、滑止具本体2に設けられた複数の掛け止め部7のうち、適数個のものだけを抽出して外側緊締装置4(外側緊締索16A,16B)を引っ掛ければよいことになる。
すなわち、複数の掛け止め部7のうち、掛止部集約部材13が設けられることで集約されることになる部分(掛止部集約部材13の掛止部15)にだけ、外側緊締索16A,16Bを引っ掛ければよいので、結果、外側緊締索16A,16Bの引っ掛け作業が簡素化され、軽減されることになる。
【0011】
従って、このタイヤ用滑止具1は、タイヤTへの装着が容易且つ迅速に行えることになる。
外側緊締装置4は、個々のネット構成片2A,2Bの幅方向外側に対して各別に沿接される伸縮性の外側緊締索16A,16Bと、これら外側緊締索16A,16B同士をネット構成片2A,2Bの分割間において接続する引締め機構26とを有したものとすればよい。
そして、この場合、個々のネット構成片2A,2Bに振り分け配置される各外側緊締索16A,16Bは、各ネット構成片2A,2Bの中で更に複数本の分割索17A,18A及び17B,18Bに分割されたものとして、そのうえでこれらの分割間がネット構成片2Aの中、及びネット構成片2Bの中で、それぞれ接離自在とされたものとするのが好適である。
【0012】
このようにすることで、ますます、外側緊締索16A,16Bを滑止具本体2(各ネット構成片2A,2B)に対して引っ掛ける作業が容易化される。
一方、本発明に係る掛止部集約部材13は、タイヤ外周に巻回可能な帯状をした非金属製の滑止具本体2を具備するタイヤ用滑止具1に対して上記滑止具本体2の幅方向外側へ外側緊締索16を沿接保持させるためのものである。
そしてこの掛止部集約部材13は、滑止具本体2の幅方向外側に長手方向に沿って互いに所定間隔で設けられた掛け止め部7のうち、適数個おきの掛け止め部7に跨る状態で係合される架橋部14と、この架橋部14に設けられた1個の掛止部15とを有したものとなっている。
【0013】
従って、この掛止部15に対し、外側緊締索16A,16Bの引っ掛け位置を滑止具本体2の長手方向適数箇所に集約可能とさせているものである。
このような掛止部集約部材13は、構造簡潔であり、製作コストが高騰化するというものではない。
また、この掛止部集約部材13の必要数は、従来において必要とされていたフック金具の個数に対し半減するものであるから、むしろ低コスト化が図れるという利点がある。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
図1は、本発明に係るタイヤ用滑止具1の一実施形態について、その展開状態(非使用状態)を示しており、図2は、このタイヤ用掛止具1をタイヤTへ装着した状態(使用状態)を示している。
このタイヤ用滑止具1は、タイヤTの外周に巻回可能な帯状をした滑止具本体2と、この滑止具本体2の幅方向内側に沿接保持される非伸縮性の内側緊締索3と、滑止具本体2をタイヤ外周へ巻回させたときにこの滑止具本体2の幅方向外側をタイヤ中心側へ向けて引き寄せるべく設けられる外側緊締装置4とを有している。
【0015】
滑止具本体2は、タイヤTの周方向に沿って並設される2枚のネット構成片2A,2Bを有したものとなっており、これら両ネット構成片2A,2Bは上記内側緊締索3を介して互いに連結され、またこれら両ネット構成片2A,2Bの相互間に開口部6が形成されたものとなっている。
この開口部6は、タイヤTの接地部を逃げれるようにその前後方向長さと略同等の開口長さに形成されている。
滑止具本体2において、両ネット構成片2A,2Bは、いずれもそれらの全長にわたって編み目構造やラダー構造(図例は編み目構造)に形成されたもので、その編み目部分(又はラダー部分)の形状に沿って全領域に芯材コードが配置され、この芯コードの外表面が合成ゴムや生ゴム、又はシリコン等の軟質系樹脂材より成る非金属材によって被覆形成されている。
【0016】
そして、この編み目構造やラダー構造の一部として、少なくとも幅方向外側で菱形状の輪形を呈するようになる部分により、掛け止め部7が形成されている。本実施形態では幅方向内側にも同形の掛け止め部8が形成されているものとしてある。
これら掛け止め部7,8は、滑止具本体2の長手方向に沿って互いに所定間隔で複数設けられたものとなっている(図例では個々のネット構成片2A,2Bにそれぞれ5カ所ずつ、合計10カ所としてある)。
【0017】
なお、滑止具本体2の幅方向内側で言えば、10カ所全ての掛け止め部8には金属製又は樹脂製の取付具10が取り付けられており、これら取付具10により、内側緊締索3が掛止保持されるようになっている。この内側緊締索3は非伸長ロープ等であって、その両端部には互いの接合・離脱を可能とするフック11とフック掛け部12とが設けられている。
これに対し、滑止具本体2の幅方向外側では、従来であれば、10カ所全ての掛け止め部7に対してフック金具(図示略)が設けられていたところであるが、本発明に係るタイヤ用滑止具1では、この10カ所のち、各ネット構成片2A,2Bごとに2カ所、合計4カ所にだけ、掛止部集約部材13が設けられたものとなっている。
【0018】
この掛止部集約部材13は金属製又は樹脂製とされており、図3に示すように、架橋部14とこの架橋部14に設けられた1個の掛止部15とを有している。架橋部14には、その両端部に輪状に形成された取付リング部14aが設けられている。これら取付リング部14aの相互間隔は、隣接する掛け止め部7の相互間隔と同一寸法とされており、またリング内径は、掛け止め部7に余裕をもって外嵌する程度の寸法に形成されている。
従って、この掛止部集約部材13は、隣接関係にある2カ所の掛け止め部7に跨る状態で係合されるようになっている。
【0019】
また掛止部15は、架橋部14の略中央部から突出状に設けられたものであって、その先端がU字型に折り曲げられた形状となっている。
この掛止部11には、後述する外側緊締索16を掛止させたり外したりが自在に行えるようになっている。
結果として、このような掛止部集約部材13が取り付けられることに伴い、この滑止具本体2の幅方向外側には、各ネット構成片2A,2Bごとに2カ所、合計4カ所にだけ、後述する外側緊締索16を掛止させたり外したりする部分が設けられていることになる。
【0020】
一方、外側緊締装置4は、滑止具本体2の幅方向外側に対して沿接される外側緊締索16を有している。
この外側緊締索16は、滑止具本体2に合わせて、個々のネット構成片2A,2Bに対応するように分割されている(ネット構成片2Aには外側緊締索16Aが設けられ、ネット構成片2Bには外側緊締索16Bが設けられている)。
この外側緊締索16は、例えばゴムやウレタンなどの伸縮性の素材によって形成されている。
【0021】
ネット構成片2Aに設けられた外側緊締索16Aは、更に、複数本(図例では2本)の分割索17A,18Aとして分割されている。
これらの分割索17A,18Aは、ネット構成片2Aの長手方向両端部に対してそれぞれの一端部を揃える配置で振り分けられている。なお、両分割索17A,18Aの長さを加算しても、それらが非伸長状態であれば、ネット構成片2Aの全長には及ばないものとなっている。
両分割索17A,18Aにおいて、それらの対向側の端部は、一方がフック20で他方がフック掛け部21とされており、互いの接合・離脱が可能となっている。フック20は、例えば図4に示したように鉤型に形成されており、金属製又は樹脂製とされている。
【0022】
これらのことは、ネット構成片2Bに設けられた外側緊締索16Bについても同様である。即ち、この外側緊締索16Bも所定長さの分割索17B,18Bに分割され、、それらの対向側の端部がフック20とフック掛け部21とによって接合・離脱可能になっている。
ネット構成片2Aの外側緊締索16Aと、ネット構成片2Bの外側緊締索16Bとにおいて、滑止具本体2の開口部6寄りへ配置された分割索18A,18Bの各対向側端部は扁平化されたプレート部分24とされており、このプレート部分24は、金属製又は樹脂製の取付具25を介して滑止具本体2と連結されている。
【0023】
またこのプレート部分24には、ジョイントフック(引締め機構)26を取り付けるための係合孔27が設けられている。
このジョイントフック26は、両腕様に一対のフック杆28を両側方へ延び出させた状態で有したもので、その全体を半回転させることによって両フック杆28が折り畳まれる構造となっており、これによって外側緊締索16A,16Bを引き寄せて開口部6の口開き状態を閉ざすようにする。
ネット構成片2Aの外側緊締索16Aと、ネット構成片2Bの外側緊締索16Bとにおいて、滑止具本体2の長手方向両端部寄りへ配置された分割索17A,17Bの各相反側端部は扁平化されたプレート部分30とされており、このプレート部分30は、金属製又は樹脂製の取付具31を介して滑止具本体2と連結されている。
【0024】
そして、一方のプレート部分30にはフック32が設けられ他方のプレート部分30にはフック掛け部33が設けられており、互いの接合・離脱が可能となっている。
なお、これらプレート部分30に近い部分は、図5に示すように、フック先端がリング型をしたフリー掛止具34を介して滑止具本体2に掛止保持されており、このフリー掛止具34に対してスライド自在となっている。
次に、図2に基づいて、本実施形態のタイヤ用滑止具1をタイヤTへ装着する作業を簡単に説明する。
【0025】
まず、滑止具本体2をタイヤTの幅方向内側(車両下側)に通し、タイヤTの接地部に滑止具本体2の開口部6を対応させたうえで、内側緊締索3の両端を持ち上げて、タイヤTの上部側でフック11とフック掛け部12(図1参照)とを接続する。
そして、タイヤTの接地部両側を挟ませるようにして開口部6の内向き端を手前側へ引き出し、また滑止具本体2の長手方向両端部をタイヤTの真上部へ載せて、これで滑止具本体2をタイヤTのまわりへ巻回状態とさせる。
【0026】
これらの作業を行うなかで、各外側緊締索16A,16Bにはまだ収縮力(引張力)が生じていないので、滑止具本体2において各ネット構成片2A,2Bが円弧状に撓むといったことはない。従って、これら各ネット構成片2A,2Bの取り扱いが容易となっている。
このことは、滑止具本体2をタイヤTの外周へ巻回するときだけでなく、これ以降の装着作業全般にわたって作業の容易化を図るものとなっている。
次に、両ネット構成片2A,2Bにおける開口部6を挟んだ両側の端部に、外側緊締索16Aの分割索18Aと外側緊締索16Bの分割索18Bとの対向側端部に設けられた係合孔27を利用してジョイントフック26の両フック杆28を引っ掛ける。
【0027】
また両ネット構成片2A,2BにおいてタイヤTの上部側で突き合わせた部分を、外側緊締索16Aの分割索17Aと外側緊締索16Bの分割索17Bとの相反側端部に設けられたフック32とフック掛け部33とで連結させる。
次に、一方のネット構成片2Aでは外側緊締索16Aの分割索17A,18Aをフック20とフック掛け部21とによって接合させ、また他方のネット構成片2Bでは外側緊締索16Bの分割索17B,18Bをフック20とフック掛け部21とによって接合させる。
【0028】
そして、外側緊締索16Aをその弾性に抗して伸長させながら、その中間部2カ所を各掛止部集約部材13の掛止部15へ引っ掛ける。同様に、外側緊締索16Bをその弾性に抗して伸長させながら、その中間部2カ所を各掛止部集約部材13の掛止部15へ引っ掛ける。
次に、ジョイントフック26を、適宜工具を使って半回転させ、両側のフック杆28が折り畳まれる状態とさせ、これによって開口部6の口開き状態を締め込むようにする。
【0029】
従ってこのとき、外側緊締索16A,16Bは、その全体として弾性に抗して伸長されるようになる。
これらの結果として、滑止具本体2がその輪形として縮径されることになる。このように、このタイヤ用滑止具1では、外側緊締索16A,16Bを滑止具本体2の幅方向外側に沿接させる作業が簡素化されており、また従来とは異なって、引張力の強いゴムリングを用いる必要もないので、タイヤTに対するタイヤ用滑止具1の装着は、いとも簡単且つ迅速に完了するものとなる。
【0030】
なお、言うまでもなく、外側緊締索16A,16Bは伸縮性を備えているので、このタイヤ用滑止具1をタイヤTへ装着した後、そのまま少し走行すれば、この外側緊締索16A,16Bがその弾性範囲内で適宜伸縮することになる。そのため、滑止具本体2のタイヤTに対する多少のゆがみやズレ(偏心の原因)、及び外側緊締索16A,16Bの偏った伸縮状態等は自動的に矯正されることになる。
従って、このタイヤ用滑止具1をタイヤTへ装着した後に、わざわざ自動車を前後動させるような煩わしい作業も不要になる。
【0031】
ところで、本発明は、上記実施形態で説明したものに限定されるものではなく、実施の形態に応じて更に適宜変更可能である。
掛止部集約部材13の使用数は限定されない。
掛止部集約部材13は、隣接する2カ所の掛け止め部7に対して取り付けることが限定されるものではなく、例えば掛け止め部7が小さく、小ピッチで設けられている様な滑止具本体2であれば、2個おき、又は3個おきの掛け止め部7に対して取り付けるようなことも可能である。
【0032】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係るタイヤ用滑止具では、タイヤへの装着が容易に行え、しかも取り扱い性やコストなどの面で不都合が生じることがない。
また、本発明に係る掛止部集約部材は、構造簡潔であり、タイヤ用滑止具全体としてコストなどの面で不都合が生じることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るタイヤ用滑止具の一実施形態を示す平面図(展開図)である。
【図2】図1のタイヤ用滑止具の使用状況(タイヤへの装着状態)を示した側面図である。
【図3】本発明に係る掛止部集約部材を示した斜視図である。
【図4】外側緊締索に設けられたフックを示した側面図である。
【図5】外側緊締索の取り付けに用いられたフリー掛止具を示した斜視図である。
【符号の説明】
1   タイヤ用滑止具
2   滑止具本体
2A  ネット構成片
2B  ネット構成片
3   内側緊締索
4   外側緊締装置
6   開口部
7   掛け止め部
13   掛止部集約部材
14   架橋部
15   掛止部
16A  外側緊締索
16B  外側緊締索
17A,18A 分割索
17B,18B 分割索
26   ジョイントフック(引締め機構)
T   タイヤ

Claims (3)

  1. タイヤ外周に巻回可能な帯状をした非金属製の滑止具本体(2)と、この滑止具本体(2)の幅方向内側に沿接保持される非伸縮性の内側緊締索(3)と、滑止具本体(2)をタイヤ外周へ巻回させたときにこの滑止具本体(2)の幅方向外側をタイヤ中心側へ向けて引き寄せるべく設けられる外側緊締装置(4)とを有し、
    上記滑止具本体(2)が長手方向で二つのネット構成片(2A,2B)に分割されていると共にこれら各ネット構成片(2A,2B)の幅方向外側にはその長手方向に沿って互いに所定間隔で上記外側緊締装置(4)用の掛け止め部(7)が複数設けられているタイヤ用滑止具において、
    上記滑止具本体(2)の各ネット構成片(2A,2B)には、それぞれ複数の掛け止め部(7)に跨る状態で掛止部集約部材(13)が設けられ、この掛止部集約部材(13)に対して外側緊締装置(4)の装着に用いる掛止部(15)が設けられていることを特徴とするタイヤ用滑止具。
  2. 前記外側緊締装置(4)は、個々のネット構成片(2A,2B)の幅方向外側に対して各別に沿接される伸縮性の外側緊締索(16A,16B)と、これら外側緊締索(16A,16B)同士をネット構成片(2A,2B)の分割間において接続する引締め機構(26)とを有しており、
    個々のネット構成片(2A,2B)に振り分け配置される各外側緊締索(16A,16B)は、各ネット構成片(2A)(2B)の中で更に複数本の分割索(17A,18A)(17B,18B)に分割されたうえでこれらの分割間が互いに接離自在とされていることを特徴とする請求項1記載のタイヤ用滑止具。
  3. タイヤ外周に巻回可能な帯状をした非金属製の滑止具本体(2)を具備するタイヤ用滑止具(1)に対して上記滑止具本体(2)の幅方向外側へ外側緊締索(16)を沿接保持させるための部材であって、
    上記滑止具本体(2)の幅方向外側に長手方向に沿って互いに所定間隔で設けられた掛け止め部(7)のうち、複数の掛け止め部(7)に跨る状態で係合される架橋部(14)と、この架橋部(14)に設けられた1個の掛止部(15)とを有して、外側緊締索(16)の引っ掛け位置を滑止具本体(2)の長手方向適数箇所に集約可能とさせていることをことを特徴とするタイヤ用滑止具に用いる掛止部集約部材。
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