JP5951871B1 - タイヤ滑止装置およびタイヤ滑止装置用本体 - Google Patents

タイヤ滑止装置およびタイヤ滑止装置用本体 Download PDF

Info

Publication number
JP5951871B1
JP5951871B1 JP2015223635A JP2015223635A JP5951871B1 JP 5951871 B1 JP5951871 B1 JP 5951871B1 JP 2015223635 A JP2015223635 A JP 2015223635A JP 2015223635 A JP2015223635 A JP 2015223635A JP 5951871 B1 JP5951871 B1 JP 5951871B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tire
main body
connecting portion
circumferential direction
surface portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015223635A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017088079A (ja
Inventor
榊原 孝一
孝一 榊原
Original Assignee
榊原 孝一
孝一 榊原
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 榊原 孝一, 孝一 榊原 filed Critical 榊原 孝一
Application granted granted Critical
Publication of JP5951871B1 publication Critical patent/JP5951871B1/ja
Publication of JP2017088079A publication Critical patent/JP2017088079A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Tires In General (AREA)

Abstract

【課題】製造コストや管理コストの低減を図れるタイヤ滑止装置を提供する。【解決手段】本発明のタイヤ滑止装置(S)は、タイヤの周方向に延伸する第一接地面状部(112b)と第一接地面状部の内側肩部から連なって周方向へ延伸する第一内側面状部(112a)と第一接地面状部の外側肩部から連なって周方向へ延伸する第一外側面状部(112c)とを有する断面が略U字形状の弾性材からなる第一本体(11)と、同様な構成の第二本体(12)とを備える。第一本体の第一内側面状部に設けた第一内側連結部(111)と第二本体の第二内側面状部(122a)に設けた第二内側連結部(121)と帯状連結体(13)で連結することによりタイヤ滑止装置の単位ユニットが構成される。これら連結部が各側面状部の周方向の略中央に配置された丸穴状であるため、本体の共通化を図れて、タイヤ滑止装置の製造コストや管理コストが大幅に低減される。【選択図】図2

Description

本発明は、自動車等のタイヤに装着され、雪路や凍結路等におけるタイヤのスリップ等を抑止できるタイヤ滑止装置(適宜単に「滑止装置」という。)と、それに用いる部材(本体)に関する。
自動車等が雪路や凍結路を走行する場合、スリップ等を回避するために、スタッドレスタイヤの換装や金属チェーンの装着がこれまでなされてきた。しかし、スタッドレスタイはコスト高であると共に夏用タイヤに比べて燃費性で劣る。また従来の金属チェーンは、装着が容易ではなく、特に大型車両の場合、その装着が相当な重労働となっていた。このような従来の問題点を根本的に解決できる画期的なタイヤ滑止装置が、本発明者により既に提案されており、関連する記載が例えば下記の特許文献にある。
特許5253609号公報 特許5017737号公報
(1)特許文献1に記載されているタイヤ滑止装置は、特許文献1にある図2、図3等から明らかなように、タイヤのトレッド部を跨ぎその横断方向にのみ延伸する鋼棒製のU形状部とタイヤの内側サイドウォール部に沿って前方または後方へ延在する鋼棒製の内側延在部とタイヤの外側サイドウォール部に沿って後方または前方へ延在する鋼棒製の外側延在部とを有する1組(対)の本体が、それらの内側延在部で鋼製のチェーン等により連結された単位ユニットからなる。
このような単位ユニット(単数または複数)の隣接する外側延在部を、鋼製の連結具で締結または解除することにより、タイヤ滑止装置はタイヤに着脱される。このタイヤ滑止装置は、非常に着脱が容易であると共に雪道や凍結路等において非常に高い滑止効果を発揮する。
もっとも、そのタイヤ滑止装置は、大部分が鋼棒を複雑な形状に曲げられた本体からなるため、頑丈(高強度、高剛性)ではあるが、製造コストが非常に高かった。ちなみに、その本体が上述したような複雑な曲線状をしている理由は、タイヤのトレッド部を跨ぐU形状部に対して相互に反対周方向へ延在する内側延在部と外側延在部により、本体(ひいてはU形状部)をタイヤに対して安定的な姿勢に保持するためである。これにより特許文献1のタイヤ滑止装置は、前進・後退を問わず、走行中に種々の力が本体(特にU形状部)に作用しても、常時適正な姿勢を維持するようになり、安定的に高い滑止効果を発揮していた。
また、特許文献1のタイヤ滑止装置は、上述のように鋼棒を複雑な形状に曲げた本体からなるため、タイヤ幅(トレッド幅)のみならず偏平率やリム径が異なる毎に寸法を変更する必要があった。つまり、そのタイヤ滑止装置は、一規格で対応できるタイヤサイズが非常に限られており、多数の規格(サイズ)を設定する必要があった。このため、特許文献1のタイヤ滑止装置は、製造コストのみならず管理コストも高かった。なお、特許文献1にあるような連結長の調整具を設けることにより、タイヤ滑止装置一規格あたりのタイヤサイズに対する対応自由度は多少増すが、管理コストの大幅な削減を図れるものではなかった。
(2)特許文献2は、一体成形したステンレス鋼板または冷間圧延鋼板等からなる滑り止ユニット4個をそれぞれ、タイヤの内側で連結板により連結すると共にタイヤの外側で掛け金式フックにより連結してタイヤに装着するタイヤ滑止装置を提案している。もっとも、タイヤは走行中に大きく偏平したり捻れたりするにも拘わらず、特許文献2のタイヤ滑止装置は全てが鋼板等の剛性材からなり変形許容性が極めて少ない。従って、このようなタイヤ滑止装置は、実際にタイヤへ装着して走行することが非常に困難であり、現実性がない。仮にそのようなタイヤ滑止装置を製造するとしても、全体が剛性材からなるため、上述したように製造コストや管理コストが相当に高くなる。
本発明はこのような事情に鑑みて為されたものであり、優れた着脱性や滑止性を確保しつつ、製造コストまたは管理コストの大幅な低減を図り得る新たなタイヤ滑止装置およびタイヤ滑止装置用部材を提供することを目的とする。
本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究した結果、各構成部材の形状等を再検討することにより、従来のタイヤ滑止装置と同等以上の簡易迅速な着脱性、雪道や凍結路等における滑止性等を確保しつつも、大幅な製造コストや管理コストの低減を図れる新タイプのタイヤ滑止装置を思いついた。この成果を発展させることにより、以降に述べる本発明を完成するに至った。
《タイヤ滑止装置》
(1)本発明のタイヤ滑止装置(単に「滑止装置」という。)は、車両用のホイールに嵌装されたタイヤのトレッド部に面しつつ該タイヤの周方向に延伸する第一接地面状部と該第一接地面状部の内側肩部から連なり該タイヤの内側サイドウォール部に面しつつ周方向へ延伸する第一内側面状部と該第一接地面状部の外側肩部から連なり該タイヤの外側サイドウォール部に面しつつ周方向へ延伸する第一外側面状部とを有し、少なくとも周方向の略中央で断面が略U字形状をした弾性材からなる第一本体と、該第一本体の後方に配置され、該トレッド部に面しつつ該タイヤの周方向に延伸する第二接地面状部と前記第二接地面状部の内側肩部から連なり該内側サイドウォール部に面しつつ周方向へ延伸する第二内側面状部と該第二接地面状部の外側肩部から連なり該外側サイドウォール部に面しつつ周方向へ延伸する第二外側面状部とを有し、少なくとも周方向の略中央で断面が略U字形状をした弾性材からなる第二本体とを備え、前記第一本体は、前記第一内側面状部に第一内側連結部を有すると共に前記第一外側面状部に第一外側連結部を有し、前記第二本体は、前記第二内側面状部に第二内側連結部を有すると共に前記第二外側面状部に第二外側連結部を有し、該第一内側連結部と該第一外側連結部の少なくとも一方は、該第一内側面状部または該第一外側面状部の周方向の略中央にあり、該第二内側連結部と該第二外側連結部の少なくとも一方は、該第二内側面状部または該第二外側面状部の周方向の略中央にあり、該第一本体と該第二本体が該第一内側連結部と該第二内側連結部との間で連結されて構成される単位ユニットからなり、一単位ユニット内の第一内側連結部と第二内側連結部は、相互間でのみ連結されて隣接して配置される他の単位ユニットとは連結されず、該一単位ユニット内の第一外側連結部と第二外側連結部は、相互間で連結されず隣接して配置される該他の単位ユニットの第二外側連結部と第一外側連結部にそれぞれ連結され得ることを特徴とする。
(2)本発明の滑止装置は、第一本体と第二本体(適宜、単に「本体」という。)が第一内側連結部と第二内側連結部で連結された一つの単位ユニットから構成される。そして、少なくとも一つ以上の単位ユニットを、隣接する第一外側連結部と第二外側連結部で連結または解除することにより、本発明の滑止装置は容易にタイヤへ装着したり脱着したりできる。
本発明の滑止装置では、第一内側連結部と第一外側連結部の少なくとも一方を第一内側面状部または第一外側面状部の周方向の略中央に配設し、第二内側連結部と第二外側連結部の少なくとも一方を第二内側面状部または第二外側面状部の周方向の略中央に配設している。これにより、第一本体または第二本体の形態をより簡素化し易くなり、各本体や滑止装置全体の製造コストを一層低減できるようになる。
また弾性材からなる本体は形態自由度が大きいため、同規格でも異なるサイズ(偏平率、リム径、トレッド幅等)のタイヤへ対応可能である。従って本発明の滑止装置によれば、タイヤサイズ毎に細かく適合サイズ(規格)を設定する必要もなくなり、設定サイズ数を減少させることができ、製造コストのみならず管理コストも大幅に低減可能となる。
(3)ちなみに本発明の滑止装置は、走行中(前進中のみならず後退中も含む)に種々の外力を受けても、その外力を分散して各本体を常時適正な姿勢に維持し、従来の鋼鉄製の滑止装置と同様に、安定した滑止効果を発揮し得る。これは次のように考えられる。
従来の鋼鉄製の滑止装置では、タイヤのトレッド部を跨ぐU形状部が棒状であって、トレッド部を直線的に横断していた。このため、そのU形状部をタイヤの内側サイドウォール部と外側サイドウォール部で支承するためには、そのU形状部から相互に反対方向へ延在する内側延在部と外側延在部が必要であった。
これに対して本発明の滑止装置では、棒状のU形状部に替わって、タイヤのトレッド部に面しつつ周方向に延伸する接地面状部を有し、この接地面状部と内側面状部および外側面状部とが従来のU形状部と各延在部を兼ねる。つまり、本発明の滑止装置によれば、従来のように鋼棒を曲げて複雑なU形状部と延在部を形成しなくても、接地面状部に連なる内側面状部と外側面状部を有する各本体を、内側面状部に設けた内側連結部または外側面状部に設けた外側連結部を介して連結体で連結することにより、従来と同様な作用効果を発揮する滑止装置が得られる。
しかも本発明に係る第一本体と第二本体は、従来のような剛性材(鋼材等)ではなく、弾性材からなる。このため、走行中のタイヤが、接地側で偏平して拡幅したり、ハンドル操作によって捻れたり、種々の要因により大きく変形または拡縮等しても、本発明の滑止装置は、そのようなタイヤの変形等に十分に追従できる。こうして本発明の滑止装置は、上述した本体の形態と相まって、タイヤに対して安定的に保持される。
なお、弾性材からなる本体は、タイヤの変形に対する追従性にも優れるため、タイヤとの間で大きな摩擦や摩耗等が生じることもなく、走行中の発熱等も抑制される。従って本発明の滑止装置は、優れた耐久性を発揮すると共にタイヤを傷めることもない。また、主要部である本体が弾性材からなる本発明の滑止装置は、鋼材等からなる場合よりも軽量であり、装着性や取扱性の向上のみならず、本体に作用する遠心力の低減による連結構造の簡素化等も図られる。さらに、路面に接地する本体(接地面状部)が弾性材であるため、本発明の滑止装置は路面を殆ど損傷させず、騒音や振動も少なく、乗り心地も良好であり、万一路上に落下等しても障害にはなり難い。
《タイヤ滑止装置用本体》
本発明は、滑止装置としてのみならず、その構成部材、例えば、上述したタイヤ滑止装置に用いられる第一本体または第二本体となることを特徴とするタイヤ滑止装置用本体としても把握できる。
《その他》
(1)本明細書でいう「弾性材」とは、外力(応力)の印加により変形(歪み)を生じ、その除荷により復元する性質を有する材質である。本発明に係る弾性材は、走行中に大きく変形するタイヤに装着されたときでも、その変形に追従可能な材質である。具体的にいうと、本発明に係る弾性材は、鋼材等の剛性材ではなく、ゴム(エラストマーを含む)、合成樹脂、それらの複合材等である。このような弾性材から本体は、鉄鋼材等からなる場合と異なり、防錆性、耐候性、交換容易性、廃棄性、生産性等にも優れる。
(2)本明細書でいう「第一」と「第二」、「内側」と「外側」、「前方」と「後方」または「前側」と「後側」等は、本発明を説明するための便宜的な表現に過ぎない。但し、本明細書では、特に断らない限り、便宜上、車両の前進時にタイヤが回転する方向を「前方」、その反対方向を「後方」という。
本明細書でいう「周方向」と「径方向」は、本体または滑止装置がタイヤに装着された状態に基づいて定める。連結部が設けられる「周方向の(略)中央」とは、厳密な中心または中心線上ということではなく、本発明の趣旨に沿って、内周方向の端部(側)でなければよい。また、「周方向の(略)中央」というときは、径方向の位置を問わないが、例えば、本発明に係る連結部はタイヤの回転中心寄り(径方向内側(内端寄り))であると好ましい。
本明細書でいう「内側」とは車両側であり、「外側」はその反対側の非車両側(ホイールでいうと化粧面側)である。なお、本発明の滑止装置が装着される車両は、自動車(貨物車を含む)、産業車両等の他、二輪車等でもよい。二輪車の場合、適宜、「内側」を「右側」、「外側」を「左側」と読み替えるものとする。
一実施例であるタイヤ滑止装置をタイヤに装着したときの様子を示す正面図である。 そのタイヤ滑止装置の単位ユニットを示す斜視図である。 その単位ユニットを構成する本体の連結部を拡大した正面図である。 本体の別形態を示す斜視図である。 その本体の変形例を示す斜視図である。 着脱連結具の一例を示す斜視図である。 その着脱連結具の変形例を示す斜視図である。
上述した本発明の構成要素に、本明細書中から任意に選択した一つまたは二つ以上の構成要素を付加し得る。いずれの実施形態が最良であるか否かは、対象、要求性能等によって異なる。
《本体》
(1)本体は、接地面状部、内側面状部および外側面状部(両者を併せて、単に「側面状部」ともいう。)を有し、断面が略U字形状(開渠状、溝状)をしていると共に、各側面状部に連結部(連結体を連結するための部分)がそれぞれ設けられていればよい。この範囲内において、本体の具体的な形態は種々考えられる。
接地面状部、内側面状部または外側面状部は、厚みが全体的にほぼ一定でも良いが、例えば、路面に接する接地面状部だけが両側面状部より厚くなっていてもよい。これにより滑止装置の滑止性と耐久性の両立が図れる。なお、各側面状部が連なる接地面状部の肩部は、タイヤのトレッド部に対応している接地面状部の内側端部近傍または外側端部近傍であり、タイヤのショルダー部に対応する部分である。
本体は、略U字形状断面の内幅が一定でもよし、変化していてもよい。例えば、開口側(側面状部の先端側)の内幅が底部側(接地面状部側)の内幅よりも、拡大していても、縮小していてもよい。開口側が底部側より拡幅であると、本体のタイヤへの装着性が向上する。逆に、開口側が底部側より狭幅であると、本体のタイヤに対する保持性が向上する。なお、開口側が底部側より狭幅でも、本体は弾性材からなるため、装着性は十分に確保され得る。
(2)ちなみに接地面状部または各側面状部が周方向へ「延伸」する程度、換言すれば、接地面状部または側面状部がタイヤの周方向に沿ってタイヤの外周面または側周面に接触し得る長さ(接触長)の程度は、本体のタイヤに対する保持性(機能性)、本体のタイヤへの装着性、本体のタイヤと路面の接地領域(偏平域)の範囲(長さ)等を考慮して、調整される。例えば、タイヤ(ホイール)の回転中心周りの角度でいうと、例えば、10°〜60°、15°〜55°、20°〜50°さらには25〜45°の範囲内で、接地面状部または各側面状部が延伸していると好ましい。この延伸角度は、装着が予定される基準サイズ(理論値)のタイヤに滑止装置を装着した際に、その回転中心と接地面状部の各周方向端とを結んだ線分間の角度(挟角)である。各側面状部は、接地面状部に対応した適切な範囲内にあればよく、両者の延伸角度は同じでもよいし、多少異なっていてもよい。但し、側面状部は接地面状部から連なるため、側面状部の径方向外側の周方向長さは、接地面状部の外周側の周方向長さと同じとすればよい。側面状部の径方向内側(中心寄り側)は、上述した挟角を構成する線分間で種々の形態を取り得る。
なお、本明細書でいう数値範囲(x〜y)は、特に断らない限り、上下限値(xまたはy)を含む。また、本明細書に記載した種々の数値または数値範囲に含まれる任意の数値を上下限値として別の数値範囲(a〜b)を新設し得る。
接地面状部または各側面状部の周方向への延伸度合を接触長でいうと、一概に特定できないが、タイヤサイズ等に応じて、例えば、5cm以上、8cm以上、10cm以上、15cm以上さらには20cm以上とするとよい。いずれにしても、従来の滑止装置を構成していた鋼棒等よりは遙かに接触長が長い。このように接地面状部または側面状部は、ある程度以上の接触長を有することから、帯状、板状、シート状等と換言することもできる。なお、接地面状部はタイヤの外周面に対応した湾曲状(周方向断面でいうなら弧状)でもよい。
(3)接地面状部は、滑止装置の滑止性や排水性を高めるために、その外表面側に溝、窪み(凹部)、孔(穴)を適宜設けると好ましい。例えば、接地面状部の剛性と滑止性を考慮して、ホイール軸方向(タイヤのトレッド部を横断する方向)に延びる細長穴(窪)を接地面状部の外表面側に一つ以上設けてもよい。接地面状部の外周面の形態(トレッドパターン)を工夫する他、接地面状部の外周面側に滑止突起(例えば接地面状部と一体成形された突起)や滑止具があると、滑止装置の滑止性がさらに向上し得る。滑止具は、例えば、金属製のピンまたはスタッド等であり、接地面状部の外周面から僅かに突出していると好ましい。
さらに接地面状部の内周面側にも、係止突起または係止具を設けても良い。これによりタイヤに対する本体の滑りも抑制され、滑止装置のタイヤへの保持性がさらに向上し得る。配置面や突出方向は逆であるが、係止突起と滑止突起、または係止具と滑止具は同様な構造でもよい。なお、接地面状部の内周面は、その外周面のように路面と直接的に接触することはないため、あまり摩耗等しない。このため係止具は、接触面間の摩擦抵抗を大きくする係止シートのようなものでもよい。
接地面状部は、連続面状、網目状、凹凸状、タイヤのトレッド部を跨ぐ複数の架橋部(帯状)からなる断続面状等でもよい。但し、断続面状とする場合、架橋部間でタイヤの外周面が露出しないようにすると、本体のコンパクト化、装着性、保持性、耐久性等の向上を図れて好ましい。
(4)本体は、樹脂、ゴムなどのエラストマー、複合材等の弾性材からなる。本体が射出成形等により弾性材の一体成形体からなる場合、その大量生産が可能となり、滑止装置の製造コスト低減を図り易い。
弾性材は、例えば、樹脂またはゴム(エラストマーを含む)であると好ましい。ゴムは、例えば、タイヤと同材質な硬質ゴムでもよい。また弾性材は、金属製の芯材とその芯材を被包する樹脂やゴム等からなる被覆材とからなる複合材でもよい。本体が複合材からなる場合、芯材により本体の剛性や強度の確保が容易となり、ゴム等の被覆材により全体的な肉厚または肉厚分布等の調整が容易となる。
なお、本体の外表面が樹脂製またはゴム製であると、少なくとも本体の錆止めが不要となり、保管性が向上し得る。また本体の外表面がゴム等からなると、滑止装置をタイヤへ装着した際にホイール等に傷が付き難くなり好ましい。ちなみに本発明に係る弾性材を画一的に規定することは困難であるが、敢えていうなら、例えば、その弾性率(ヤング率)が0.01〜10GPaさらには0.1〜5GPaであるとよい。このように本発明に係る弾性材は、鋼材等の剛性材ではなく、タイヤの大きな変形にも対応し得る弾性(変形性と復元性)を備えたものであると好ましい。
《連結部》
(1)連結部は、ベルト等からなる帯状連結体やゴム等からなる弾性連結体が連結される部分である。連結部は、その形態を問わないが、本体の剛性・強度等を確保しつつ、各連結体の挿通、嵌挿、掛止等が容易で、連結体を安定的に保持できる形状(例えば穴状、孔状(特に長孔状)、掛止フック状等)であると好ましい。また連結部は、本体に直接的に形成される場合でも、リング(アダプター)等を固定具(リベット等)を用いて本体に取り付けて間接的に形成される場合でもよい。
本発明に係る連結部は、基本的に一つの側面状部に一つずつ配設されており、隣接する本体を連結する連結体を、係止(掛止、結合)等する部分である。本発明の場合、一つの本体あたり、内側面状部にある内側連結部または外側面状部にある外側連結部の少なくとも一方が各側面状部の周方向の略中央にある。
例えば、内側連結部が内側面状部の周方向の略中央にある場合、外側連結部が外側面状部の周方向の略中央にあってもよいし、外側面状部の前方側または後方側(前部または後部)にあってもよい。逆に、外側連結部が外側面状部の周方向の略中央にある場合、内側連結部が内側面状部の周方向の略中央にあってもよいし、内側面状部の前方側または後方側にあってもよい。なお、適宜、外側面状部の前方側にある連結部を外前連結部、外側面状部の後方側にある連結部を外後連結部、内側面状部の前方側にある連結部を内前連結部、内側面状部の後方側にある連結部を内後連結部という。
それぞれの連結部が対応する側面状部の周方向の略中央にあると、本体の構成(形態)がより簡素化されて好ましい。すなわち、第一内側連結部は第一内側面状部の周方向の略中央にあり、第一外側連結部は第一外側面状部の周方向の略中央にあり、第二内側連結部は第二内側面状部の周方向の略中央にあり、第二外側連結部は第二外側面状部の周方向の略中央にあると好適である。この場合、金型等の設備費用等も含めて、本発明の本体ひいては滑止装置の製造コストさらには管理コストの大幅な低減が可能となる。
(2)連結部は、滑止装置をタイヤに装着した際に、隣接する本体を連結する連結体を、適切に保持できる形態であると好ましい。もっとも、連結部に連結される連結体の形態は種々考えられ、また、連結体の延在角度も、隣接する本体の配置数や連結部の配置等により変化し得る。さらに、一つの本体を観ても、内側連結部同士を連結する連結体と外側連結部同士を連結する連結体とでは、周方向の延在方向が逆となる。従って、連結部の形態は、連結体の種類(例えば、無指向性のロープ状連結体、有指向性の帯状連結体等)、連結体の延在角度や延在方向等に応じて、本来は個別に設定され得る。
しかし、連結部の形態を個別化すると、本体ひいては滑止装置の製造コストまたは管理コストが増大し得る。そこで、各連結部は、少なくとも周方向の後方側と前方側の少なくとも二方向に連結可能な複指向連結部からなると好ましい。例えば、第一内側連結部と第二内側連結部(または第一外側連結部と第二外側連結部)を、それらのいずれにも対応可能な形態としたり、また、全ての連結部で対応可能な形態とするとよい。
特に、様々な連結体の種類や連結体の延在方向にも対応できるように、その複指向連結部が、連結方向の特定されない無指向連結部であると、一層好ましい。これにより本体の形態をより簡素化できる。そして、各連結部の形態を実質的に同一にできれば、第一本体と第二本体を同形状とする(共通化する)ことも可能となり、本体ひいては滑止装置の製造コストや管理コストの大幅な低減が実現できる。
(3)連結部は、穴、ピンなど、連結体に応じて好適な構成が選択される。例えば、連結体がベルトであれば、連結部はそのベルトを挿通する細長穴等でもよいし、そのベルトを固定するピン、リベット等でもよい。また連結体の先端部がフック等の場合なら、連結部は、側面状部に固定された係止リング等でもよい。
ピン等の連結部は側面状部に打設等して形成できる。穴等の連結部は、樹脂やゴムを射出成形等を行う際に予め形成しておいてもよいし、後から穿孔して形成してもよい。
一つの細長穴等からなる連結部は、一指向性を有する。クロスさせた細長穴(十字状の細長穴)等からなる連結部は、連結体の延在方向に対応した複数の指向性を有する(つまり複指向連結部となる)。さらに、丸穴やピンのように点対称な形態からなる連結部、または回転可能な器具(ピン、リング等)を備えた連結部は、連結方向が特定されず、実質的に指向性が無い(つまり無指向連結部となる)。
(4)本発明に係る側面状部は、径方向の幅が周方向にほぼ一定でもよいが、例えば、周方向の略中央付近で中心側(小径側)へ(滑らかに)突き出した突出部(凸状部または延在部)を有してもよい。周方向の略中央にある連結部は、そのような突出部に形成されていると、各本体の連結がより径方向内側(適宜、小径側という。)でなされるようになり、滑止装置の保持性を高め得る。
連結部またはその近傍に、タイヤのサイドウォール部に接触する当接部を設けてもよい。これにより、本体はタイヤのサイドウォール部により安定的に保持され易くなり、また本体等によるホイールへの傷付け防止も図られる。当接部は、例えば、タイヤのサイドウォール部側(内向側)へ突出した肉厚部等でもよい。連結部の周囲を肉厚(環状)にすることにより、連結部の補強も図ることができる。このような当接部は本体(特に側面状部)と一体的に成形されると、製造コストの低減を図れて好ましい。
《連結体/連結具》
(1)連結体は、隣接する本体の連結部同士を連結する。連結体は、具体的にいうと、第一内側連結部と第二内側連結部を連結する内側連結体と、第一外側連結部と第二外側連結部に連結される外側連結体とである。内側連結体が隣接する第一内側連結部と第二内側連結部を連結することにより、一対の本体からなる単位ユニットが構成される。外側連結体が、隣接する第一外側連結部と第二外側連結部を連結することにより、滑止装置がタイヤに装着される。
内側連結体と外側連結体は、単位ユニットあたり、それぞれ一つあれば足る。外側連結体が連結する第一外側連結部と第二外側連結部は、同じ単位ユニット内にあってもよいが、通常は異なる単位ユニット内にある。外側連結体は、隣接する第一外側連結部側と第二外側連結部側とに、それぞれ分割して設けられ、着脱自在に連結し得る着脱連結具を備えると好ましい。但し、外側連結体に設ける着脱連結具は、一輪分の滑止装置(全体)に対して少なくとも一つあれば足り、必ずしも、各外側連結部(第一外側連結部と第二外側連結部)毎または各単位ユニット毎に設けられている必要はない。外側連結体側のみならず、内側連結体側にも、そのような着脱自在な連結具を設けてもよい。
(2)内側連結体(適宜、連結具を含む。)または外側連結体(適宜、連結具を含む。)は、連結される本体のタイヤの変形にも追従できるように、可撓性または伸縮性を有すると好適である。このような連結体は種々考えられる。例えば、可撓な帯状からなる連結体(帯状連結体という。)は、低コストで取扱性や装着性等に優れる。この場合、調整具等を用いれば、連結長(連結部間の長さ)の調整も容易である。これにより、一規格(タイヤのトレッド幅に応じて設定される規格)の滑止装置を、偏平率やリム径の異なるタイヤにも容易に装着可能となる。
帯状連結体は、具体的にいうと、強度や耐候性等に優れたベルト(ラッシングベルト)等からなると好ましい。また、本明細書でいう連結体は、その長さを無段階または有段階で調整できる調整具を備えると好ましい。このような調整具として例えばコキ等がある。また連結具と調整具を兼ねた連結調整具としてカム(式)バックル、オーバーセンター(式)バックル、ラチェット(式)バックル等がある。なお、カムバックルと幅広ベルトを併せてラッシングベルトともいう。
連結体と本体の連結部との連結方法は問わない。例えば、連結体の端部が連結部に挿通され、縫製等されて連結されていてもよいし、種々のバックルや長さを調整できるコキ等を介して帯状連結体と連結部が連結(挿着、緊締、締着等)されてもよい。
連結体は、帯状連結体に限らず、ゴム、バネ等からなる弾性連結体でもよい。また連結体は、連結長を調整する調整具(内側調整具または外側調整具)を備えると好ましい。
(3)着脱連結具は、様々な種類、構造、形態等が考えられる。簡易迅速な装着を可能とするものとして、例えば、ベルトに設けた掛止孔へバックルに枢設された掛止フックを嵌挿させる掛止バックル、係合する突起状の雄型連結器とそれを内包する方筒状の雌型連結器とからなり弾性的なロック機構(係合部)によりワンタッチで着脱できるいわゆるワンタッチバックル、掛合する凹凸状(歯状、波状)面を有するベルトとそのベルトの凹凸状面に掛止すると共にそのベルトの一方向への移動を許容する止め具(爪)とからなるラチェットバックル、ベルトを挿通させる筐体(バックル)に枢設されて一方向(掛止方向)に付勢された掛止カムを備え、掛止カムを逆方向に回動操作(リリース)することによりベルトが解放されるカムバックル等がある。なお、各連結部に設けたフック(掛合アダプター)等へ掛止可能な弾性連結体なら、その伸縮を利用するだけで、滑止装置の着脱を容易に行える。
着脱連結具は、隣接する連結部間を架橋(連結)する連結体の中間にあってもよいし、実質的に一方の連結部に配設されてもよい。例えば、上述したワンタッチバックル等のように、互いに係合する端部を有する分割式の着脱連結具は、各端部が連結体の中間(連結部間の中間)にあってもよいが、その一端部が連結部にあり、他端部が連結体の端部に設けられていてもよい。
また、上述したカムバックル等のように、単独で連結体の掛止または解放を行える着脱連結具でも、連結体の中間に配設する他、その一方の連結部に配設してもよい。連結部に配設される着脱連結具(一端部または全体)は、本体に対して所定角度で固定されてもよいし、回転自在となっていてもよい。なお、着脱と連結長の調整との両方を単独で行える着脱連結具(適宜、「主連結具」という。)を用いる場合でも、さらに、別の着脱部材や掛脱部材等からなる副連結具を設けてもよい。この場合、副連結具により暫定的な装着を行った後に、連結長の調整や締付け等の本格的な連結を主連結具により行う。逆に滑止装置を脱着するときは、主連結具を緩めて副連結具を解放する。これにより、滑止装置のタイヤへの着脱が、より一層簡易で迅速に行うことが可能となる。
《単位ユニット》
本発明の滑止装置は、第一本体と第二本体が第一内側連結部と第二内側連結部との間で連結された単位ユニットが基本単位となる。単位ユニット一つで滑止装置が構成される場合も考えられるが、通常は単位ユニットが二つ以上組み合わされて滑止装置が構成される。
単位ユニットは、内側連結長を調整する場合等を除き、通常、二つの本体の内側(タイヤに取り付けた際の裏側)が連結されたままで使用される。滑止装置のタイヤへの着脱(取付け・取外し)は、隣接する一方の単位ユニットの第一外側連結部と他方の該単位ユニットの第二外側連結部との間に設けた外側連結体(特に着脱連結具)を連結・解除することによりなされる。
軽自動車などの小型車両用の滑止装置なら、例えば、2つの単位ユニットが一連となっており、一つの外側連結体(着脱連結具)を連結・解除(着脱)することにより、滑止装置のタイヤへの着脱を行える。これは単位ユニットが3つ以上の場合も同様である。なお、着脱自在な外側連結体は、単位ユニット毎に一つずつ設けてもよいが、1輪分の滑止装置全体として少なくとも一つあれば足る。
但し、産業用自動車などの大型車両用の大きな滑止装置なら、各外側連結体が着脱自在であると、優れた着脱性が確保される。単位ユニット毎に着脱連結具を設けると、同一規格(対応するタイヤ幅が同一)の単位ユニットを2つ、3つさらには4つ以上連結することもできる。これにより、単位ユニットの規格数を減らしつつ、滑止装置の装着可能なタイヤサイズを増やすことも可能となる。
[第一実施例]
《概要》
本発明の一実施例であるタイヤ滑止装置S(単に「滑止装置S」という。)が自動車用のタイヤTに装着されている様子を図1に示した。滑止装置Sは、単位ユニット1、2からなる。単位ユニット1、2は、それぞれが同形態であり、ホイール(図略)の化粧面側であるタイヤTの外側(図1の紙面表側)で着脱可能となっている。以下では、そのうちの一つである単位ユニット1について、その全体斜視図である図2と、その部分拡大図である図3を参照しつつ詳述し、他の単位ユニットに関する説明は省略する。また、同様な部材には同一符号を付し、適宜、その詳細な説明を省略する。
《単位ユニット》
単位ユニット1は、第一本体11と、第二本体12と、内側帯状連結体13と、外側帯状連結体14(141、142)と、着脱連結具15とからなる。なお、詳細は後述するが、外側帯状連結体141の先端側に結合された着脱連結具15(カムバックル)は、単位ユニット2の外側帯状連結体242と着脱自在に係合し、単位ユニット2の外側帯状連結体241の先端側に結合された着脱連結具25(カムバックル)は、外側帯状連結体142と着脱自在に係合する。なお、着脱連結具15、25は同形態である。
(1)本体
第一本体11(第一本体)は、内側連結部111(第一内側連結部)と、第一U型部112と、外側連結部113(第一外側連結部)とを有する。第一U型部112は、内側部112a(第一内側面状部)と、横断部112b(第一接地面状部)と、外側部112c(第一外側面状部)とを有し、タイヤの外周側形状(略U字形状の断面)に沿うように、硬質ゴム(ポリウレタンエラストマー)を略U字形状に一体成形した幅広な面状体からなる。
内側部112aは、タイヤTの内側サイドウォール部に沿ってその径方向および周方向へ延伸している。横断部112bは、内側部112aから緩やかに外側へ約90°屈曲して連なり、タイヤTのトレッド部を横断すると共にその外周面に沿って周方向へ延伸している。外側部112cは、横断部112bから緩やかに約90°屈曲して外側サイドウォール部に沿ってその径方向および周方向へ延伸している。横断部112bは、その最表面がタイヤTに装着した際の接地面となるため、他の部分よりも肉厚となっている。また、横断部112bの最表面側には、横断部112bと一体成形された菱形状のブロック112k(滑止パターン)と金属製のスタッドピン112p(滑止具)が配設してある。これにより、硬質ゴム製の一体成形体からなる横断部112bの滑止性が格段に向上し得る。この他、横断部112bの最表面側には、ホイールの軸方向(図1の紙面に垂直な方向)に延びる複数の細長い滑止溝等を形成してもよい。これらのことは、後述する第二本体12の横断部122bの外表面についても同様である。
内側連結部111は、第一U型部112の内側部112aの中心寄り(図1の下方側)中央に設けられた丸穴からなる。内側連結部111の外周囲は肉厚(環状)に補強されている。外側連結部113は、第一U型部112の外側部112cの中心寄り中央に設けられた丸穴からなる。外側連結部113の外周囲も肉厚(環状)に補強されている。内側連結部111および外側連結部113は、第一U型部112の成形時に一体的に形成される。
内側連結部111および外側連結部113は、図3に示すように、回転自在な半月型(または三日月型)スペーサ1111、1131が脱落しないように丸穴内に嵌入されており、無指向連結部となっている。
第二本体12(第二本体)は、内側連結部121(第一内側連結部)と、第二U型部122と、外側連結部123(第二外側連結部)とを有する。第二U型部122は、内側部122a(第二内側面状部)と、横断部122b(第二接地面状部)と、外側部122c(第二外側面状部)とを有し、タイヤの外周側形状(略U字形状の断面)に沿うように、硬質ゴムを略U字形状のU型に一体成形した幅広な面状体からなる。
内側部122aは、タイヤTの内側サイドウォール部に沿ってその径方向および周方向へ延伸している。横断部122bは、内側部122aから緩やかに外側へ約90°屈曲して連なり、タイヤTのトレッド部を横断すると共にその外周面に沿って周方向へ延伸している。外側部122cは、横断部122bから緩やかに約90°屈曲して外側サイドウォール部に沿ってその径方向および周方向へ延伸している。横断部122bは、その最表面がタイヤTに装着した際の接地面となるため、他の部分よりも肉厚となっている。
内側連結部121は、第二U型部122の内側部122aの中心寄り中央に設けられた丸穴からなる。内側連結部121の外周囲は肉厚(環状)に補強されている。外側連結部123は、第二U型部122の外側部122cの中心寄り中央に設けられた丸穴からなる。外側連結部123の外周囲は肉厚(環状)に補強されている。内側連結部121および外側連結部123も、第二U型部122の成形時に一体的に形成される。
内側連結部121および外側連結部123も、回転自在な半月型(または三日月型)スペーサ(図3参照)が脱落しないように丸穴内に嵌入されており、無指向連結部となっている。
第一本体11と第二本体12は、周方向の配置が異なるものの、基本的に同形態な部材からなる。さらにいえば、第一本体11と第二本体12は、前後方向および内外方向に関して対称形状となっている。従って、一種類の本体で、単位ユニット1ひいては滑止装置Sを構成することができ、それらの製造コストや管理コストは大幅に低減される。このような事情を踏まえて、第一本体11と第二本体12に共通する内容については、主に第一本体11についてのみ説明し、第二本体12に関する説明を省略する。
(2)内側帯状連結体
内側帯状連結体13(内側連結体)は可撓なベルトからなる。このベルトは、強度、耐久性、耐候性等に優れた化学繊維(例えば、ポリプロピレン繊維)等からなる。この点は、後述する他の帯状連結体を構成するベルトについても同様である。
内側帯状連結体13の前方側にある連結端部1311は、第一本体11の内側連結部111へ挿通された先端が縫合されてなる。これにより内側帯状連結体13は、内側連結部111に対して回動可能に連結されている。内側帯状連結体13の後方側にある連結端部1321は、第二本体12の内側連結部121へ挿通された先端が縫合されてなる。これにより内側帯状連結体13は、内側連結部121に対して回動可能に連結されている。こうして第一本体11と第二本体12は、可撓なベルトからなる内側帯状連結体13により、姿勢変動の自由度が高い状態で連結される。なお、連結端部1311と連結端部1321の間に、内側連結部111と内側連結部121の間隔(内側連結長)を調整する内長調整具を設けたり、連結と分離を行える連結具を設けてもよい。
(3)外側帯状連結体と着脱連結具
外側帯状連結体14は、第一本体11側にある前方部141と、第二本体12側にある後方部142とを有し、いずれも可撓なベルトからなる。前方部141の後端側にある連結端部1412は、外側連結部113へ挿通された先端が縫合されてなる。これにより外側帯状連結体14の前方部141は、外側連結部113に対して回動可能に連結されている。後方部142の前端側にある連結端部1422で、外側連結部123へ挿通されて先端が縫合されてなる。これにより外側帯状連結体14の後方部142は、外側連結部123に対して回動可能に連結されている。
前方部141の前端側には、着脱連結具15が連結されている。着脱連結具15は、筐体15aと、筐体15aに枢設されて一方向(ロック方向)に付勢された掛止カム15bと、掛止カム15bを付勢するスプリング(図略)とからなるカムバックルである。筐体15aの一端側に、前方部141の前端側が連結されている。単位ユニット2の第二本体22に連結された外側帯状連結体24の後方部242は、筐体15aの他端側で、筐体15aと掛止カム15bに挟持されて係止(ロック)される。掛止カム15bを付勢力に抗して回動させると、後方部242は解放され、第一本体11の外側連結部113と第二本体22の外側連結部223の間隔(外側連結長)の調整やそれらの分離(脱着)が可能となる。着脱連結具15にカムバックルを用いることにより、外側連結長を無段階で調整しつつ、それらの簡易かつ確実な締結が可能となる。なお、本実施例では、着脱連結具15として、外長調整具を兼ねるものを示したが、それらは個別に設けられてもよい。
[第二実施例]
第一本体に係る別の実施例である本体31を図4に示した。なお、第一実施例と同様な部分については、同符号を付して説明を省略した。
本体31は、第一本体11と同様に、内側連結部311(内側連結部)と、U型部312と、外側連結部313(外側連結部)とを有する。U型部312は、内側部312a(内側面状部)と、横断部312b(接地面状部)と、外側部312c(外側面状部)とを有する。
先ず、内側部312aと外側部312cが中心寄りに突出した形状となっている点で、本体31と第一本体11は異なる。次に、内側部312aに設けた内側連結部311が一文字状の細長穴からなり、内側帯状連結体13の延在方向に向かって傾斜している。また、外側部312cに設けた外側連結部313も一文字状の細長穴からなり、外側帯状連結体14の延在方向に向かって傾斜している。
このような内側連結部311および外側連結部313は、内側帯状連結体13および外側帯状連結体14を特定方向に安定して保持できる。但し、このような連結部は、指向性を有する有指向連結部である。この場合、第一本体と第二本体の配置(帯状連結体の延在角度)に応じて連結部の形態(配置角)が異なる二種類の本体で、単位ユニットを構成すると好ましい。
[第三実施例]
本体に係る他の実施例である本体51を図5に示した。なお、既述の実施例と同様な部分については、同符号を付して説明を省略した。
本体51は、本体31と同様に、内側連結部511(内側連結部)と、U型部512と、外側連結部513(外側連結部)とを有する。U型部512は、内側部512a(内側面状部)と、横断部512b(接地面状部)と、外側部512c(外側面状部)とを有する。
内側部512aに設けた内側連結部511が十文字状の細長穴からなり、外側部312cに設けた外側連結部513も十文字状の細長穴からなる。各細長穴の形態(配置角)は、内側帯状連結体13の延在方向と外側帯状連結体14の延在方向に対応している。
このような内側連結部511および外側連結部513を有する本体51を用いれば、第二実施例の場合と同様に、内側帯状連結体13および外側帯状連結体14を特定方向に安定して保持できる。しかも、内側連結部511および外側連結部513は、二方向の指向性を有する複指向連結部であるため、第一本体と第二本体の配置(帯状連結体の延在角度)に応じた一種類の本体で単位ユニットを構成ことが容易である。
[第四実施例]
着脱連結具の別形態を構成する主連結具65と副連結具66を図6に示した。なお、既述の実施例と同様な部分については、同符号を付して説明を省略した。
主連結具65は、基本的に着脱連結具15と同様なカムバックルからなり、筐体65aと、筐体65aに枢設されて一方向(ロック方向)に付勢された掛止カム65bと、掛止カム65bを付勢するスプリング(図略)とを有する。但し、主連結具65は、さらに、筐体65aの一端側に掛止穴65cを有し、外側帯状連結体14の前方部141は筐体65aには連結されていない。
副連結具66は、略J字状のフックであり、基部66aと、基部66aから一方側へ延在して先端側で略J字状に折り曲げられた掛止部66cとを有する。基部66aの端部には、外側帯状連結体14の前方部141が連結される。掛止部66cは、主連結具65の掛止穴65cに掛合する。
滑止装置SをタイヤTに装着する際は、先ず、掛止穴65cに掛止部66cを掛合させる。次に、主連結具65に挿通している外側帯状連結体24の後方部242の端部を引っ張って、外側連結部113と外側連結部223の間隔(外側連結長)を調整して、ロックする。滑止装置SをタイヤTから脱着する際は、掛止カム65bを押してロック状態を解除し、外側帯状連結体24の後方部242を弛緩させて、掛止部66cを掛止穴65cから離脱させる。このように、副連結具66を外側連結体(141、242)の中間に介在させることにより、滑止装置SのタイヤTへの着脱をさらに簡易迅速に行える。
[第五実施例]
第四実施例では、着脱連結具を外側連結体の中間に配設したが、本実施例では、図7に示すように、着脱連結具の一部を本体の連結部に配設した。なお、既述の実施例と同様な部分については、同符号を付して説明を省略した。
具体的にいうと、副連結具66の変形例である副連結具76を、本体11の変形例である本体71に、外側連結体141を介さずに直接結合した。副連結具76も、副連結具66と同様に、基部76aと掛止部76cを有する。但し、基部76aは、本体71の外側連結部713に、2本のリベット77により直接固定されている。本実施例によれば、第四実施例の場合と同様な装着性を確保しつつ、外側帯状連結体141を省略できる。
なお、本実施例では、副連結具76を本体71に対して所定角度で固定したが、副連結具76を本体71に対して回動可能としてもよい。例えば、基部76aを本体71の外側連結部713に1本のリベットやボルト等で連結(枢支)すればよい。
S タイヤ滑止装置
1 単位ユニット
11 第一本体
12 第二本体
13 内側帯状連結体
14 外側帯状連結体
15 着脱連結具

Claims (10)

  1. 車両用のホイールに嵌装されたタイヤのトレッド部に面しつつ該タイヤの周方向に延伸する第一接地面状部と
    該第一接地面状部の内側肩部から連なり該タイヤの内側サイドウォール部に面しつつ周方向へ延伸する第一内側面状部と
    該第一接地面状部の外側肩部から連なり該タイヤの外側サイドウォール部に面しつつ周方向へ延伸する第一外側面状部とを有し、少なくとも周方向の略中央で断面が略U字形状をした弾性材からなる第一本体と、
    該第一本体の後方に配置され、該トレッド部に面しつつ該タイヤの周方向に延伸する第二接地面状部と
    前記第二接地面状部の内側肩部から連なり該内側サイドウォール部に面しつつ周方向へ延伸する第二内側面状部と
    該第二接地面状部の外側肩部から連なり該外側サイドウォール部に面しつつ周方向へ延伸する第二外側面状部とを有し、少なくとも周方向の略中央で断面が略U字形状をした弾性材からなる第二本体とを備え、
    前記第一本体は、前記第一内側面状部に第一内側連結部を有すると共に前記第一外側面状部に第一外側連結部を有し、
    前記第二本体は、前記第二内側面状部に第二内側連結部を有すると共に前記第二外側面状部に第二外側連結部を有し、
    該第一内側連結部と該第一外側連結部の少なくとも一方は、該第一内側面状部または該第一外側面状部の周方向の略中央にあり、
    該第二内側連結部と該第二外側連結部の少なくとも一方は、該第二内側面状部または該第二外側面状部の周方向の略中央にあり、
    第一本体と該第二本体が該第一内側連結部と該第二内側連結部との間で連結されて構成される単位ユニットからなり、
    一単位ユニット内の第一内側連結部と第二内側連結部は、相互間でのみ連結されて隣接して配置される他の単位ユニットとは連結されず、
    該一単位ユニット内の第一外側連結部と第二外側連結部は、相互間で連結されず隣接して配置される該他の単位ユニットの第二外側連結部と第一外側連結部にそれぞれ連結され得ることを特徴とするタイヤ滑止装置。
  2. 前記第一内側連結部は、前記第一内側面状部の周方向の略中央にあり、
    前記第一外側連結部は、前記第一外側面状部の周方向の略中央にあり、
    前記第二内側連結部は、前記第二内側面状部の周方向の略中央にあり、
    前記第二外側連結部は、前記第二外側面状部の周方向の略中央にある請求項1に記載のタイヤ滑止装置。
  3. 前記第一内側連結部、前記第一外側連結部、前記第二内側連結部または前記第二外側連結部は、周方向の後方側と前方側の少なくとも二方向で連結可能な複指向連結部からなる請求項1または2に記載のタイヤ滑止装置。
  4. 前記複指向連結部は、連結方向が特定されていない無指向連結部である請求項3に記載のタイヤ滑止装置。
  5. 前記第一本体と前記第二本体は、同形状である請求項2〜4のいずれかに記載のタイヤ滑止装置。
  6. 前記第一内側連結部と前記第二内側連結部を連結する内側連結体を備える請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤ滑止装置。
  7. 前記第一外側連結部または前記第二外側連結部に連結される外側連結体を備える請求項1〜6のいずれかに記載のタイヤ滑止装置。
  8. 前記外側連結体は、着脱自在であると共に連結長の調整が可能である請求項7に記載のタイヤ滑止装置。
  9. 前記第一内側連結部、前記第一外側連結部、前記第二内側連結部または前記第二外側連結部は、穴状である請求項1〜8のいずれかに記載のタイヤ滑止装置。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のタイヤ滑止装置に用いられる前記第一本体または前記第二本体となることを特徴とするタイヤ滑止装置用本体。
JP2015223635A 2015-11-10 2015-11-16 タイヤ滑止装置およびタイヤ滑止装置用本体 Active JP5951871B1 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015220763 2015-11-10
JP2015220763 2015-11-10

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5951871B1 true JP5951871B1 (ja) 2016-07-13
JP2017088079A JP2017088079A (ja) 2017-05-25

Family

ID=56375222

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015223635A Active JP5951871B1 (ja) 2015-11-10 2015-11-16 タイヤ滑止装置およびタイヤ滑止装置用本体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5951871B1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6227832B1 (ja) * 2017-07-24 2017-11-08 株式会社Shinsei Transport 滑り止め装置及び滑り止めシステム

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2864423A (en) * 1956-12-18 1958-12-16 Lotz Henry Snow and ice cleat
US4872496A (en) * 1985-05-06 1989-10-10 Fortner Benjamin A Readily installed tire cleats with improved fastening means
JP5017737B1 (ja) * 2011-12-30 2012-09-05 勝 鈴木 タイヤ滑り止装置
JP5253609B1 (ja) * 2012-07-23 2013-07-31 孝一 榊原 タイヤ滑止装置
WO2015105005A1 (ja) * 2014-01-09 2015-07-16 榊原 孝一 タイヤ滑止装置およびタイヤ滑止装置用本体

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2864423A (en) * 1956-12-18 1958-12-16 Lotz Henry Snow and ice cleat
US4872496A (en) * 1985-05-06 1989-10-10 Fortner Benjamin A Readily installed tire cleats with improved fastening means
JP5017737B1 (ja) * 2011-12-30 2012-09-05 勝 鈴木 タイヤ滑り止装置
JP5253609B1 (ja) * 2012-07-23 2013-07-31 孝一 榊原 タイヤ滑止装置
WO2015105005A1 (ja) * 2014-01-09 2015-07-16 榊原 孝一 タイヤ滑止装置およびタイヤ滑止装置用本体
WO2015104857A1 (ja) * 2014-01-09 2015-07-16 榊原 孝一 タイヤ滑止装置およびタイヤ滑止装置用本体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017088079A (ja) 2017-05-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9981511B2 (en) Tire traction devices
US20090050249A1 (en) Anti-slipping device for dual tires
CA2635809C (en) A central tightening system for anti-skid devices and an anti-skid device having the same
JP6956345B2 (ja) タイヤ用の構成要素
JP5951871B1 (ja) タイヤ滑止装置およびタイヤ滑止装置用本体
US11059335B2 (en) Tire traction devices
JP5869096B2 (ja) タイヤ滑止装置およびタイヤ滑止装置用本体
JP2005126069A (ja) タイヤのスリップ防止装置
JP5649686B2 (ja) タイヤ滑止装置
JP3176212U (ja) 車両用悪路脱出具
KR200472432Y1 (ko) 자동차용 스노우 체인
WO2015104850A1 (ja) タイヤ滑止装置およびタイヤ滑止装置用部材
JP3124113U (ja) タイヤ用滑止具
JP3065695U (ja) トラック専用タイヤの滑り止め具
GB2547722A (en) Element for tyre
KR200278774Y1 (ko) 자동차용 스노우체인
JP3608031B2 (ja) 自動車用タイヤの滑り止め装置
CN202480802U (zh) 防滑轮胎垫
NO20160335A1 (en) Element for tyre
JP2009029188A (ja) 自動車用タイヤチェーン

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160422

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160607

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160608

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5951871

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250