上記従来のメダル払出装置では、ホッパータンクの底部の開口が払出装置本体によって塞がれているため、メンテナンス等の目的でホッパータンクを払出装置本体から取り外す際に、貯蔵空間にメダルが残留していると、当該メダルが払出装置本体の上部傾斜部の傾斜方向に滑り落ちて、払出装置本体の周りに散らばってしまうことがある。
本発明はかかる問題の解決を試みたものであり、ホッパータンクを払出装置本体から取り外す際に、貯蔵空間に残留したメダルが散らばり難い遊技機の提供を目的とする。
本件第1の発明は、メダルを貯蔵する貯蔵空間を形成する樹脂製のホッパータンクが払出装置本体の上部に脱着可能に装着されたメダル払出装置を備える遊技機であって、前記払出装置本体は、左右方向の一側から他側に向けて下り傾斜する上部傾斜部と、前記上部傾斜部の上に回転可能に保持された円板状のローターとを備え、前記ホッパータンクは、左右方向の前記一側と前記他側に配設された一対の係合部を、前記払出装置本体の前記一側及び前記他側に夫々係合させることにより、前記払出装置本体に脱着可能に取り付けられており、前記一側の係合部は、前記他側の係合部が前記払出装置本体と係合した状態で係脱可能に構成されており、前記ホッパータンクの前記他側には、前記ローターよりも前記他側で、前記払出装置本体と前後に亘って側縁部を近接又は当接させる板部を備え、前記他側の係合部は、先端部を前記他側に突出させるように前記板部の前記側縁部に形成されて、前記払出装置本体の被係合部と係合する係合フックであり、前記ホッパータンクは、前記払出装置本体に装着された状態から、前記係合フックと前記被係合部の係合部分を中心に前記他側に回動して、前記メダル払出装置の載置面に当接する傾倒状態で保持可能となっており、前記傾倒状態では、前記係合フックの先端部が、前記被係合部の前記一側から、前記被係合部の上縁よりも下方に突出していることを特徴とする遊技機である。
かかる構成にあっては、ホッパータンクを払出装置本体から取り外す際に、他側の係合フックの係合部分を中心にホッパータンクを他側に回動させるようにすれば、貯蔵空間にメダルが残留していても、当該メダルが払出装置本体の他側から滑り落ちる前にホッパータンクで受け止めることができるため、当該メダルが払出装置本体の周囲に散らばり難くなる。また、他側に回動させたホッパータンクは、載置面に当接する傾倒状態で保持できるから、ホッパータンクに受け止められたメダルを両手で回収することができる。また、本件第1の発明では、傾倒状態において、係合フックの先端部が、被係合部の一側から、被係合部の上縁より下方に突出するため、ホッパータンクからメダルを回収する際に、板部を押し下げたり、他側に押したりしても、板部が払出装置本体から離間しないようホッパータンクを係止できるという利点がある。
本件第1の発明にあって、前記ホッパータンクには、前記貯蔵空間の上部に貯蔵されるメダルを前記他側に排出可能な側部開口部が前記他側の上部に形成されるとともに、前記貯蔵空間の上部のメダルを、前記側部開口部の方向に案内する上部案内板が配設されており、前記上部案内板は、前記側部開口部の全幅に亘って、前記側部開口部側から前記貯蔵空間の内部に突出していることが提案される。
かかる構成にあっては、ホッパータンクを傾倒状態にした時に、側部開口部が貯蔵空間の底部よりも低くなっても、貯蔵空間の内部に突出する上部案内板によって、貯蔵空間の底部に残留するメダルを、側部開口部の手前で受け止めることができるため、当該メダルが側部開口部から零れ落ちるのを軽減可能となる。
また、本件第1の発明にあって、前記ホッパータンクは、前記貯蔵空間を上方に開放する上部開口部を備え、前記ホッパータンクの、前記貯蔵空間の他側を区画形成する内壁は、前記傾倒状態において、前記上部開口部の近傍部位が、前記上部開口部に向かって上り傾斜するよう構成されていることが提案される。
かかる構成にあっては、ホッパータンクを傾倒状態にした時に、上部開口部が他側を向くこととなるが、貯蔵空間の他側の内壁は、上部開口部の近傍部位が、上部開口部に向かって上り傾斜しているため、貯蔵空間に残留したメダルが、上部開口部から零れ落ち難くなる。
本件第2の発明は、メダルを貯蔵可能なホッパータンクと、ホッパータンク内のメダルを一枚ずつ送出可能な払出装置本体とを具備するメダル払出装置を備える遊技機であって、前記ホッパータンクは、貯蔵するメダルを底部の開口部に滑落させるよう傾斜する傾斜案内部を備え、前記ホッパータンクは、一側と他側に配設された一対の係合部を、前記払出装置本体の前記一側及び前記他側に夫々係合させることにより、前記払出装置本体に脱着可能に取り付けられており、前記他側の係合部は、前記一側の係合部が前記払出装置本体と係合した状態で係脱可能に構成されており、前記一側の係合部は前記傾斜案内部の直下に形成された一又は複数の係合突起であって、前記他側の係合部が前記払出装置本体と係合した状態で前記払出装置本体と係脱不能に構成されており、前記傾斜案内部には、前記係合突起の直上位置に、メダルが通過不能で、かつ、平面視において前記係合突起の全体と重なる貫通孔が形成されており、前記ホッパータンクは、前記傾斜案内部の前記貫通孔を通して上方から係合突起を視認可能であり、前記ホッパータンクを前記払出装置本体に取り付けた状態で、前記係合突起が前記払出装置本体の前記一側と係合しているか否かを、前記貫通孔から目視確認可能であることを特徴とする遊技機である。
かかる構成にあっては、貫通孔を介して係合突起をホッパータンクの上方から視認可能となるため、ホッパータンクを払出装置本体に取り付ける際に、傾斜案内部の下を横から覗き込むことなく係合突起の位置を確認できる。したがって、本件第2の発明によれば、ホッパータンクを容易かつ正確に、払出装置本体に取り付けることができる。また、本件第2の発明に係る貫通孔は、塵埃やゴミを外部に排出する孔としても利用できるという利点がある。また、かかる構成にあっては、ホッパータンクを払出装置本体を取り付けた状態でも、係合突起が払出装置本体に正しく係合しているか否かを確認できるため、正しく係合していない状態でメダル払出装置を遊技機に取り付けたり、払出装置本体と正しく係合していない状態でホッパータンクを持ち上げて払出装置本体が落下したりするのを防止できる。
本件第2の発明にあって、前記ホッパータンクは、前記係合突起が不透明であり、前記払出装置本体は、前記係合突起が係合する被係合部が透明であることが提案される。
かかる構成にあっては、係合突起を払出装置本体に係合した状態でも、上方から被係合部を透して係合突起の先端を視認できるため、傾斜案内部の貫通孔から係合突起の係合状態を視認し易くなる。
本件第3の発明は、メダルを貯蔵する貯蔵空間を形成するホッパータンクが払出装置本体の上部に脱着可能に装着されたメダル払出装置を備える遊技機であって、前記払出装置本体は、上部傾斜部と、前記上部傾斜部の上に回転可能に保持された円板状のローターと、前記ローターの周囲を囲繞する枠部材とを備え、前記枠部材は、螺子用開口部を備え、前記ローターに外嵌した状態で、前記螺子用開口部に挿通した螺子を前記上部傾斜部の螺子穴に螺着することによって前記上部傾斜部に締結されており、前記螺子用開口部は、前記螺子の頭部が通過可能な径大孔部と、前記螺子の頭部が通過不能で、かつ、前記螺子の杆部が通過可能であって、前記径大孔部から前記ローターの回転軸を中心とする円周方向に延びる細幅溝部とを備え、前記枠部材は、前記細幅溝部の先端部が前記螺子穴の上に配置される締結位置において前記螺子によって前記上部傾斜部に締結されており、さらに、前記枠部材の上面には、前記螺子の頭部が内嵌する円形凹部が前記細幅溝部の先端部に形成されるとともに、前記円形凹部よりも浅底であって、前記螺子の頭部が通過可能な幅を有する浅底凹部が、前記円形凹部と前記径大孔部の間に、前記細幅溝部に沿って形成されていることを特徴とする遊技機である。
かかる構成にあっては、螺子用開口部に挿通された螺子を緩めて、枠部材を締結位置からロータの円周方向に回動させて、径大孔部が螺子穴の上に配置される位置まで回動させることで、螺子を螺子穴から抜き取ることなく、枠部材を上部傾斜部から取外し可能となる。したがって、本件第3の発明では、枠部材を上部傾斜部から取り外す際に、螺子を上部傾斜部の螺子穴から抜き取る作業が不要であるし、取り外した枠部材を再装着するまでの間、抜き取った螺子を紛失しないよう保管する手間も不要となる。また、本件第3の発明に係る枠部材は、ローターの円周方向に回動させることで、上部傾斜部に脱着する構成であるため、脱着時に枠部材を左右方向や前後方向にスライドさせる構成に比べて、枠部材を脱着する際に移動操作するスペースが少なくて済む。また、本件第3の発明では、螺子用開口部で枠部材を上部傾斜部に締結する螺子の頭部が、円形凹部に内嵌しているため、螺子が多少緩んでいても、枠部材が締結位置から回動することはない。このため、かかる構成によれば、螺子を強固に締結する作業が不要となる。また、本件第3の発明では、円形凹部と径大孔部との間に浅底凹部が形成されているため、枠部材を上部傾斜部から取り外す際に、螺子の頭部を浅底凹部に沿って移動させることで、螺子の頭部を径大孔部の周囲に引っ掛けることなく、径大孔部からスムーズに引き抜くことができるという利点がある。
本件第3の発明にあって、前記円形凹部は前記径大孔部よりも小さく、前記浅底凹部は前記径大孔部の径よりも幅狭であることが提案される。
かかる構成にあっては、円形凹部と浅底凹部については、螺子の頭部の遊びが径大孔部に比べて小さくなるため、枠部材を締結位置に固定する際や、締結位置から回動させる際に、枠部材がガタつき難くなる。一方、径大孔部に関しては、螺子の頭部の遊びが比較的大きくなるため、枠部材を上部傾斜部に脱着する際に螺子の頭部を挿脱し易くなる。
本件第4の発明は、メダルを貯蔵する貯蔵空間を形成する樹脂製のホッパータンクが払出装置本体の上部に脱着可能に装着されたメダル払出装置を備えた遊技機であって、前記払出装置本体は、左右方向の一側から他側に向けて下り傾斜する上部傾斜部と、前記上部傾斜部の上に回転可能に保持された円板状のローターとを備え、前記払出装置本体は、電気的に接地された金属製の壁部材を備え、前記壁部材は、前記ローターの前記他側の外周縁部に沿って、前記外周縁部の上から斜め上方に延出する立壁部を備え、前記立壁部は、前記ホッパータンクが前記払出装置本体に装着された状態で、前記貯蔵空間の内壁の一部を形成することを特徴とする遊技機である。
本件第4の発明では、払出装置本体に配設された壁部材の立壁部が、ローターの他側の外周縁部に沿って設けられているため、ホッパータンクを取り外す際にメダルが内部に残留していても、当該メダルが上部傾斜部の上から滑り落ちる前に立壁部で受け止めることができる。このため、本件第4の発明のメダル払出装置では、ホッパータンクを取り外す際に、従来構成に比べて、内部に残留したメダルが払出装置本体の周囲に散らばり難くなる。また、本件第4の発明にあって、壁部材の立壁部が形成するのは、貯蔵空間の底部を区画形成する内壁であるため、貯蔵空間内のメダルが少数の場合でも、立壁部はメダルと接触した状態を保つこととなる。したがって、本件第4の発明では、貯蔵空間内のメダルに生じる静電気を、壁部材を通して適切に逃がすことができる。また、貯蔵空間の底部の内壁は、メダルとの接触時間が長く、貯蔵空間の内壁の中でも特に摩耗し易い部位である。本件第4の発明では、このような内壁の摩耗し易い部位が、硬い金属製の壁部材で構成されるため、メダル払出装置の耐久性を従来よりも向上できる。
本発明の実施形態を、本発明をスロットマシンに適用した実施例1~4に従って説明する。
本実施例は、本件第2の発明の実施例である。なお、本実施例にあって、本件第2の発明に係る一側は左側に、他側は右側に相当する。そして、本件第2の発明に係る被係合部は、傾斜天板25の左側縁部42に相当する。また、本件第2の発明に係る貫通孔は、係合確認孔45に相当する。
図1に示すように、本実施例のスロットマシン1は、前面側が開放された筐体2と、筐体2の前面側の開口部を開閉する前扉3を備えている。筐体2の底部には、メダル払出装置5が配設される。メダル払出装置5は、メダルを貯蔵する貯蔵空間9を形成するホッパータンク8を、払出装置本体7の上に装着してなるものである。貯蔵空間9は上方に開放されており、スロットマシン1に投入されたメダルは、メダルセレクタ11を経由して、ホッパータンク8の上方に放出されて貯蔵空間9に貯蔵される。払出装置本体7は、ホッパータンク8が貯蔵するメダルを取り込んで1枚ずつ前方に送出する。払出装置本体7から送出されたメダルは、前扉3の背面側に配設されたメダルシュート12の内部に進入し、メダルシュート12の内部を流下して、前扉3の前面下部のメダル受皿13に払い出される。また、筐体2の底部には、メダル払出装置5の右側に、貯蔵空間9の満杯時にメダルを貯蔵するための補助タンク15が隣設される。
図2~4に示すように、メダル払出装置5のホッパータンク8は、貯蔵空間9を上方に開放する矩形状の上部開口部17を備えており、上述のように、スロットマシン1に投入されるメダルMは、上部開口部17から貯蔵空間9に落下して貯蔵される。ホッパータンク8の底部には、払出装置本体7によって閉塞される円形の底部開口部18が形成される。底部開口部18は、水平面に対して右下がりに30°傾いている。底部開口部18は、平面視においてホッパータンク8の中央部に開口しており、貯蔵空間9を形成するホッパータンク8の内壁20には、貯蔵空間9のメダルMを底部開口部18に滑落するよう傾斜する傾斜案内部22が、底部開口部18の周囲に形成される。また、ホッパータンク8の内壁20には、上部開口部17の外周縁近傍に、略垂直な垂直部21が形成される。また、ホッパータンク8の上部右側には、貯蔵空間9が満杯となった時に、貯蔵空間9の上部のメダルMをホッパータンク8の右方に排出するための側部開口部19が形成される。本実施例のスロットマシン1では、側部開口部19から排出されるメダルMは、メダル払出装置5に隣設された補助タンク15に貯蔵される。
図2,4に示すように、払出装置本体7は、箱状の台座24と、台座24の上に螺着されてホッパータンク8の底部開口部18を塞ぐ傾斜天板25と、傾斜天板25の上に回転可能に保持された円板状のローター26とを備えている。傾斜天板25は平板状の透明樹脂部材であり、図2,4に示すように、ホッパータンク8の底部開口部18と同様に、水平面に対して右下がりに30°傾いた姿勢で台座24に固定される。図4に示すように、傾斜天板25の底部には、ローター26を回転駆動する払出モータ27が取り付けられている。払出モータ27の駆動軸27aは、傾斜天板25を貫通して傾斜天板25の上に突出しており、ローター26は、当該駆動軸27aを回転軸として、平面視時計回り方向に回転駆動される。
図2~4に示すように、ローター26は、円板状の樹脂部材であり、水平面から右下がりに30°傾いた姿勢で傾斜天板25の上面に保持される。ローター26は、ホッパータンク8の底部開口部18と略同じ大きさの円形状であり、底部開口部18に内嵌するように配置される。ローター26には、軸孔30の周囲に6つのメダル取込孔31が形成される。図4に示すように、メダル取込孔31は、メダルMを収容可能な大きさでローター26の厚み方向に貫通する貫通孔であり、ローター26の底部にメダルM1枚強の厚みで形成された送出部31aと、送出部31aの上方で、メダルMを複数枚積み重ねて保持可能な保持部31bと、ローター26の上部に開口して、保持部31bに向けてすり鉢状に縮幅するテーパー部31cとを具備している。かかる構成によれば、ローター26の回転に伴って貯蔵空間9のメダルMがテーパー部31cからメダル取込孔31に取り込まれて、保持部31bに積層状態で保持される。また、送出部31aは、外周方向に開放されており、保持部31bに保持されたメダルMは、ローター26の回転時の遠心力によって送出部31aから一枚ずつローター26の外周方向に押し出される。また、図2に示すように、傾斜天板25の上面には、ローター26の周囲をC字状に囲繞する外周枠部32が形成される。外周枠部32は、メダル取込孔31の底部のメダルMが周囲に飛び出さないよう支持するものであり、外周枠部32が欠落する傾斜天板25の左前側部分に、メダルMを送出するメダル排出口28が形成される。メダル排出口28には、リード板34とメダルキッカー35が配設される。
図2に示すように、リード板34は、メダル排出口28の右側に螺着された金属板片である。メダルキッカー35は、傾斜天板25の底部に傾動可能に取り付けられて、メダル排出口28の左側に突出する金属部材である。メダルキッカー35は、図示しないコイルばねによって、メダル排出口28の開口幅がメダルMの外径より狭くなる定常位置に付勢されており、メダル取込孔31の底部から外周方向に押し出されたメダルMが圧接すると、メダル排出口28を通過可能な開口幅まで拡開し、定常位置に復帰する際に、メダル排出口28を通過したメダルMを前方に弾き飛ばすように構成される。また、傾斜天板25の底部には、メダルキッカー35の傾動を非接触検知することにより、メダルMの排出を検知する払出センサ(図示省略)が配設される。なお、リード板34及びメダルキッカー35は、図示しないアース線によって電気的に接地されている。
以下に、本件第2の発明の要部に係る構成について説明する。
上述のように本実施例のメダル払出装置5は、スロットマシン1の筐体2の底部に配設される(図1参照)。メダル払出装置5は、筐体2の底板に台座24を脱着可能に係止されており、必要に応じて筐体2から取り外して修理・整備できるよう構成されている。また、メダル払出装置5のホッパータンク8は、払出装置本体7に脱着可能に取り付けられており、図2に示すように、ホッパータンク8を払出装置本体7から取り外して修理・整備できるよう構成されている。
具体的には、図4に示すように、ホッパータンク8は、左右両側に配設された一対の係合部37,38を、払出装置本体7の左右両側に夫々係合させることにより、払出装置本体7に脱着可能に取り付けられる。図2に示すように、右側の係合部は、底部開口部18の周囲に延出して傾斜天板25と当接する鍔板部36の右側縁部37であり、ホッパータンク8は、鍔板部36の右側縁部37を、台座24の右上部に取り付けられた可動フック40と係合させるよう構成されている。可動フック40は、図4に示すように、鍔板部36の右側縁部37と係合可能な係合位置と、鍔板部36の右側縁部37と係合しない解除位置とに傾動可能となっており、通常はコイルばね(図示省略)によって係合位置に保持されるが、コイルばねの付勢力に抗して解除位置に移動操作することで、鍔板部36の右側縁部37との係合を解除し得るよう構成されている。一方、図4,5に示すように、左側の係合部は、左側の傾斜案内部22から垂下する垂下壁部39に形成された係合突起38である。係合突起38は、垂下壁部39の右側面39aの下部から右方に突成される。図5(b)に示すように、係合突起38は、同じ形状のものが、垂下壁部39の前後両端部と中央部の3箇所に形成されている。図4,6に示すように、払出装置本体7の左側上部には、台座24と傾斜天板25の左側縁部42の間に横長溝状の隙間43が形成されており、ホッパータンク8は、3つの係合突起38を当該隙間43に挿入することにより、各係合突起38を傾斜天板25の左側縁部42と係合させ得るよう構成されている。
上述のように、ホッパータンク8の鍔板部36の右側縁部37は、払出装置本体7の可動フック40を操作することで、左側の係合突起38が係合しているか否かに関わらず可動フック40と係脱可能となっている。これに対して、ホッパータンク8の左側の係合突起38は、鍔板部36の右側縁部37が可動フック40と係合した状態では、傾斜天板25の左側縁部42と係脱することができない。このため、本実施例では、ホッパータンク8を払出装置本体7に取り付ける際には、図7(a)に示すように、まず、左側の係合突起38を、台座24と傾斜天板25の左側縁部42の隙間43に挿入して、傾斜天板25の左側縁部42と係合させ、その後、図7(b)に示すように、係合突起38を中心に、ホッパータンク8の右側部を下方に回動させて、鍔板部36の右側縁部37を可動フック40と係合させる。また、ホッパータンク8を払出装置本体7から取り外す際には、取付手順とは逆に、鍔板部36の右側縁部37と可動フック40の係合を解除してから、左側の係合突起38と傾斜天板25の左側縁部42との係合を解除する。
本実施例のホッパータンク8には、図2に示すように、左側の傾斜案内部22を上下に貫通する3つの係合確認孔45が形成される。各係合確認孔45は、図8に示すように、3つの係合突起38の直上位置に夫々形成されて、平面視において各係合突起38の全体と重なるよう構成されている。かかる構成によれば、係合確認孔45を通してホッパータンク8の上方から係合突起38を視認可能となるため、ホッパータンク8の取付作業を簡単に行うことができる。すなわち、ホッパータンク8を払出装置本体7に取り付ける際には、係合突起38を傾斜天板25の左側縁部42に係合させなくてはならないが、係合突起38は左側の傾斜案内部22の直下に形成されているため、係合確認孔45が形成されていなければ、傾斜案内部22の下を横から覗き込むようにしなければ、係合突起38を目視して作業できないが、本実施例では、図9に示すように、係合確認孔45を通してホッパータンク8の上方(図9中のX方向)から係合突起38を視認できるため、係合突起38を楽な姿勢で視認しながら、傾斜天板25の左側縁部42と係合させることができる。特に、本実施例では、平面視において、係合突起38の全てが係合確認孔45と重なる構成となっているため、係合確認孔45を通して係合突起38の全体を一目で確認できる。また、本実施例では、係合突起38が突成される垂下壁部39の右側面39aが光沢面となっているため、垂下壁部39を直接視認できない位置(図9中のY方向など)からでも、垂下壁部39の右側面39aに映った係合突起38を、係合確認孔45を通して視認できるという利点がある。
なお、係合確認孔45は、メダルMを滑落させる傾斜案内部22に形成される貫通孔であるため、メダルMが落下しないように、メダルMが通過不能な大きさの矩形状をなしている。具体的には、本実施例の係合確認孔45の大きさ(面積)は、メダルMの1/3程度となっている。また、本実施例では、係合確認孔45は、図4に示すように、内壁20の垂直部21の近傍に形成されるが、係合確認孔45は、垂直部21の直下には形成されず、垂直部21の下縁より右側に、垂下壁部39の厚み分だけ間隔をおいて形成されている。かかる構成では、垂直部21に沿って落下したメダルMaが、メダルMaが係合確認孔45に嵌まり込み難いという利点がある。すなわち、係合確認孔45が垂直部21の直下に形成された構成では、図4中のメダルMaのように、垂直部21に沿って落下したメダルMaが、直立状態のまま係合確認孔45に嵌まり込んで滑落しなくなることが懸念される。これに対して、本実施例では、垂直部21の下縁と係合確認孔45の間に傾斜案内部22があり、垂直部21に沿って落下したメダルMaは、当該傾斜案内部22で後方に転動するため、メダルMaが比較的係合確認孔45に嵌まり込み難くなる。
また、図3に示すように、本実施例では、ホッパータンク8を払出装置本体7を取り付けた状態で、係合確認孔45を通して、傾斜天板25の左側縁部42と係合突起38とを視認できるため、係合突起38が傾斜天板25の左側縁部42に正しく係合しているか否かを、係合確認孔45を通して上方から確認できる。このため、本実施例では、係合突起38が正しく係合していない状態でメダル払出装置5をスロットマシン1に取り付けたり、係合突起38が正しく係合していない状態でホッパータンク8を持ち上げて、払出装置本体7がホッパータンク8から脱落したりするのを防止できるという利点がある。特に、本実施例では、傾斜天板25は、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂などの透明樹脂によって構成されており、ホッパータンク8は、ABS樹脂などの耐摩耗性に優れた不透明樹脂によって構成されているため、係合確認孔45から視認した時に、透明な傾斜天板25を通して、傾斜天板25の裏側の係合突起38の先端まで確実に視認できる。
また、本実施例の係合確認孔45は、メダルMを底部開口部18に滑落させる傾斜案内部22に形成されているため、傾斜案内部22に堆積する塵埃やゴミを貯蔵空間9の外部に排出するゴミ排出孔としても利用できる。
以上に本件第2の発明に係る構成を説明したが、本件第2の発明は、本実施例の形態に限らず本件第2の発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えることができる。例えば、上記実施例に係る係合確認孔45は矩形状の貫通孔であるが、本件第2の発明に係る貫通孔は、係合突起の全体と重なり得る大きさ・形状であればよく、円形状や三角形状、傾斜案内部の下流側が丸まった砲弾形状などであってもよい。また、本実施例の係合確認孔45の右縁(傾斜案内部22の下流側の開口縁)をU字形状にすることも提案される。かかる形状の傾斜案内部は、矩形状のものよりも、メダルMの外周縁が係合確認孔の右縁に引っ掛かり難くなるため、メダルMの滑落が係合確認孔で阻害され難くなる。また、上記実施例では、係合突起38と同数の係合確認孔45が形成されているが、本件第2の発明に係る貫通孔は、1つの貫通孔が複数の係合突起と重なるものであってもよい。また、本件第2の発明に係る貫通孔は、格子状であってもよい。また、上記実施例の係合突起38は、ホッパータンク8の内側(底部開口部18側)に突出しているが、本件第2の発明に係る貫通孔は、ホッパータンク8の外側に突出するものであってもよい。
また、係合確認孔45の形成位置も、上記実施例の位置から適宜変更可能である。例えば、上記実施例では、図4に示すように、係合確認孔45が内壁20の垂直部21の近傍に形成されているが、上記実施例よりも垂直部21を左方に形成するなどして、垂直部21の直下から係合確認孔45の右縁(傾斜案内部22の下流側の開口縁)までの距離が、メダルMの直径と略等しくなるようにすることが提案される。上記実施例では、垂直部21の下縁から係合確認孔45の右縁までの距離が、メダルMの直径よりも短いため、図4中のメダルMbのように、垂直部21と係合確認孔45の右縁との間にメダルMbが引っ掛かって、底部開口部18へ滑落しなくなることが懸念されるためである。垂直部21の直下から係合確認孔45の右縁までの距離が、メダルMの直径と略等しければ、かかる懸念は生じない。なお、垂直部21の直下から係合確認孔45の右縁までの距離が、メダルMの直径よりも長い場合でも、上記懸念は生じないが、その一方で、メダル払出装置5の左側に大きく突出させた垂直部21を、筐体2の内部スペースに収容し難くなるため好ましくない。
また、上記実施例では、図3に示すように、前後方向に配列された3つの係合確認孔45のうち、中央の係合確認孔45がホッパータンク8の前後方向の略中間に配置され、前後両側の係合確認孔45は、中央の係合確認孔45を挟んで対称位置に配置されているが、かかる配置よりも、係合確認孔45をホッパータンク8の前方寄りに配置してもよい。具体的には、平面視において、ホッパータンク8の前縁から前側の係合確認孔45までの距離が、ホッパータンク8の後縁から後側の係合確認孔45までの距離よりも短くなるよう構成することが提案される。作業者は、メダル払出装置5の正面側でホッパータンク8の取付作業を行って、そのままメダル払出装置5を正面側から把持して筐体2に装着することが多いため、かかる構成のように、係合確認孔45をホッパータンク8の前寄りに配置すれば、ホッパータンク8の取付作業時に、作業者が係合確認孔45を覗き易くなり、作業効率を高めることができる。
本実施例は、本件第1の発明の実施例である。本実施例は、実施例1と多くの構成が共通するため、実施例1との相違点のみを説明し、実施例1と共通する構成については、本文及び図中で共通符号を付して説明を省略する。なお、本実施例にあって、本件第1の発明に係る上部傾斜部は傾斜天板25aに相当し、本件第1の発明に係る左右方向の一側は左側に相当する。また、本件第1の発明に係る板部は、鍔板部36に相当する。また、本件第1の発明に係る被係合部は、溝孔51の右縁52に相当する。
図10,11は、本実施例に係るメダル払出装置5aの払出装置本体7aとホッパータンク8aを分離して示す分解図である。なお、メダル払出装置5a以外のスロットマシンの構成は実施例1と共通である。本実施例のメダル払出装置5aは、ホッパータンク8aを払出装置本体7aに脱着可能に取り付けるための左右一対の係合部が、実施例1と相違している。具体的には、実施例1では、鍔板部36の右側縁部37が右側の係合部を構成し、該右側縁部37を傾動可能な可動フック40と係合させるよう構成されているのに対し(図4参照)、本実施例では、鍔板部36の右側縁部37の下底面に形成された2つの係合フック50が右側の係合部を構成する。また、本実施例では、可動フック40に替えて、傾斜天板25aの右側部上面に前後一対の溝孔51が夫々形成されており、鍔板部36を傾斜天板25の上面に当接した状態で、各係合フック50が溝孔51に挿入されて、右側に突出する係合フック50の先端部が、溝孔51の右縁52と係合するよう構成されうる。一方、実施例1では、垂下壁部39の右側面に突成された係合突起38が左側の係合部を形成し、該係合突起38を傾斜天板25の左側縁部42と係合させるよう構成されているのに対して(図4参照)、本実施例では、ホッパータンク8aの左側下部に突成された係合突起55が左側の係合部を構成し、当該係合突起55を、台座24の左上部に取り付けられた可動フック57と係合させ得るよう構成されている。可動フック57は、係合突起55と係合可能な係合位置と、係合突起55と係合しない解除位置とに傾動可能となっており、図示しないコイルばねによって通常は係合位置に保持されるが、コイルばねの付勢力に抗して解除位置に移動操作することで、係合突起55との係合を解除し得るよう構成されている。
このように、本実施例では、ホッパータンク8の左側の係合部(係合突起)55が、傾動操作可能な可動フック57と係合させる構成であるため、左側の係合部55は、右側の係合部(係合フック)50が係合しているか否かに関わらず係脱可能であり、右側の係合部50は、左側の係合部55が可動フック57と係合した状態では、溝孔51の右縁52と係脱することができない。このため、本実施例では、ホッパータンク8aを払出装置本体7aに取り付ける際には、まず、右側の係合フック50を溝孔51の右縁52と係合させ、その後、左側の係合突起55を可動フック57と係合させる。また、ホッパータンク8aを払出装置本体7aから取り外す際には、取付手順とは逆に、左側の係合突起55と可動フック57の係合を解除してから、係合フック50と溝孔51の右縁52との係合を解除する。
また、本実施例では、図10,12に示すように、ホッパータンク8の上部右側に設けられる側部開口部19aが、実施例1の側部開口部19(図2参照)に比べて、前後幅が狭くなっている。そして、図12,13に示すように、ホッパータンク8の内部には、貯蔵空間9の上部のメダルMを側部開口部19aへ案内する上部案内板59が配設される。上部案内板59は、ホッパータンク8の内壁20に固着されて、側部開口部19の下縁から左上方に延出しており、その先端部を貯蔵空間9の内部に突出させることにより、貯蔵空間9の上部に、側部開口部19へ下り傾斜する傾斜面を形成する。なお、図12に示すように、上部案内板59は、先端部を側部開口部19の前後幅の全長に亘って貯蔵空間9の内部に突出させるよう配設されている。
以下に、本件第1の発明の要部に係る構成について説明する。
上述のように、本実施例のメダル払出装置5aは、ホッパータンク8を取り外す際に、左側の係合突起55の係合を解除してから、右側の係合フック50の係合を解除するよう構成されている。ここで、本実施例では、図14(a)に示すように、床や作業台などの水平な載置面L上にメダル払出装置5aを載せた状態で、払出装置本体7aに装着されたホッパータンク8aの左側の係合突起55の係合を解除することで、右側の係合フック50を溝孔51の右縁52に係合させたまま、係合フック50の係合部分を中心にホッパータンク8aを右側に回動させることができる。そして、そのまま、ホッパータンク8aを回動させて、図14(b)に示すように、ホッパータンク8aの右側部をメダル払出装置5aの載置面Lに当接させることで、係合フック50を溝孔51の右縁52に係合させたまま、ホッパータンク8aを載置面Lに当接させる傾倒状態に保持可能となっている。
傾倒状態のホッパータンク8aは、図14(b)に示すように、右下部の係合フック50が溝孔51の右縁52に係合したまま、ホッパータンク8aの右上縁60を載置面Lに当接させる。かかる傾倒状態では、ホッパータンク8aの重心は、ホッパータンク8aの右上縁60と係合フック50の間にあるため、ホッパータンク8aは左右に傾かず、また、図15に示すように、傾倒状態では、ホッパータンク8aの右上縁60が、幅方向に亘って載置面Lに当接しており、ホッパータンク8aの右上縁60は、前側の係合フック50よりも前方でも載置面Lに当接し、また、後側の係合フック50よりも後方でも載置面Lに当接している。このため、傾倒状態では、ホッパータンク8aは前後に傾くこともない。このように、傾倒状態のホッパータンク8aは、手を放したとしても前後左右に傾くことなく保持されるため、ホッパータンク8aの右側部を払出装置本体7aに係合したまま、ホッパータンク8aを載置面Lに載置できる。
本実施例のメダル払出装置5aは、ホッパータンク8aを払出装置本体7aから取り外す際に、図14(a)に示すように、右側の係合フック50を溝孔51の右縁52に係合させたまま、係合フック50の係合部分を中心に右側に回動させるようにすれば、傾斜天板25の右縁に、鍔板部36の右側縁部37を近接させておくことができるため、図16に示すように、貯蔵空間9に残留していたメダルMが傾斜天板25の上を滑り落ちたとしても、当該メダルMをホッパータンク8aで受け止めることができる。このため、本実施例では、ホッパータンク8aを取り外す際に、メダルMが払出装置本体7aの周囲に散らばり難くなる。
また、本実施例では、右側に回動させたホッパータンク8aを、上述の傾倒状態で保持できるから、残留したメダルMをホッパータンク8aで受け止めた時に、ホッパータンク8aを傾倒状態に保持して、当該メダルMを両手で回収できるという利点がある。特に、傾倒状態においては、図14(b)に示すように、係合フック50の先端部が、溝孔51の右縁52の左側から、溝孔51の右縁52の上縁よりも下方に突出しており、ホッパータンク8aは、係合フック50によって払出装置本体7aの右方に水平移動しないよう係止される。このため、本実施例では、ホッパータンク8aに受け止めたメダルMを回収する際に、手がホッパータンク8aにぶつかっても、ホッパータンク8aが払出装置本体7aから離間し難いという利点がある。
なお、本実施例のホッパータンク8aの右側上部には、側部開口部19aが形成されているが、図15,16に示すように、側部開口部19aと底部開口部18の間には、上部案内板59が、側部開口部19aの全幅に亘って貯蔵空間9に突出しており、ホッパータンク8aを右側に傾けた時に、ホッパータンク8aの底部に残留したメダルMが側部開口部19aに向けて滑落したとしても、当該メダルMが側部開口部19aに達する前に上部案内板59で受け止めることができるため、ホッパータンク8aを取り外す際に、残留したメダルMが側部開口部19aから零れ落ちることはない。
また、図16に示すように、本実施例のホッパータンク8aは、貯蔵空間9を形成する内壁20のうち、上部開口部17の右側近傍部位20aが、傾倒状態において上部開口部17に向かって上り傾斜するよう構成されている。かかる構成によれば、ホッパータンク8aを右側に傾けた時に、ホッパータンク8aの底部に残留したメダルMが上部開口部17に向けて滑落したとしても、当該メダルMの勢いを上部開口部17の近傍部位の内壁20aにより弱めることができるため、当該メダルMが上部開口部17から零れ落ちるのを防止できる。
以上に本件第1の発明に係る構成を説明したが、本件第1の発明は、本実施例の形態に限らず本件第1の発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えることができる。例えば、本件第1の発明に係る係合フックの形状や位置、数は、実施例の構成を適宜変更可能であり、また、係合フックを係合するための被係合部の構成も、実施例の構成から適宜変更可能である。また、本実施例では、傾倒状態において、ホッパータンク8aの右上縁が載置面Lと当接するよう構成されているが、図17に示すメダル払出装置5aaのホッパータンク8aaのように、傾倒状態において、右上縁60よりも下方の湾曲部61が載置面Lと当接するようにしてもよい。また、上記実施例では、図15に示すように、傾倒状態において、ホッパータンク8aの右上縁60が、幅方向に亘って載置面Lと線接触するよう構成されているが、かかる構成に替えて、ホッパータンク8aの右上縁60の、前後両端の2点のみが載置面Lに当接する構成としてもよい。ホッパータンク8aは、撓み難い硬質樹脂で構成されているため、載置面Lが起伏のない平坦面であれば、右上縁60の前後両端を載置面Lに当接させるだけでも、右上縁60を載置面Lに線接触させた場合と同等の安定性が期待できるためである。このように、傾倒状態におけるホッパータンクと載置面の接触は、ホッパータンクを安定に保持可能であるならば、点接触であっても構わない。
本実施例は、本件第3の発明の実施例である。本実施例は、実施例1と多くの構成が共通するため、実施例1との相違点のみを説明し、実施例1と共通する構成については、本文及び図中で共通符号を付して説明を省略する。なお、本実施例にあって、本件第3の発明に係る上部傾斜部は傾斜天板25bに相当し、本件第3の発明に係る被係合部は、傾斜天板25の左側縁部42に相当する。
図18,19は、本実施例に係る払出装置本体7bの斜視図と分解斜視図である。なお、本実施例のスロットマシンは、払出装置本体7b以外の構成が実施例1と共通である。本実施例の払出装置本体7bは、ローター26の周囲を囲繞する外周枠部32が、傾斜天板とは別部材により構成される点で、実施例1と相違している。具体的には、実施例1では、ローター26をC字状に囲繞する外周枠部32が傾斜天板25の上面に形成されているのに対して(図2参照)、本実施例では、実施例1と同形状の外周枠部32が、傾斜天板25bの上面に螺着された枠部材70によって構成される。本実施例のように、外周枠部32を枠部材70で構成して払出装置本体7bから取り外し可能にすれば、メダルMの摺動によって汚れやすい外周枠部32の清掃が容易となる。また、図19に示すように、枠部材70を傾斜天板25bから取り外した時に、傾斜天板25bの上面の凹凸が少なくなるため、払出装置本体7bのメンテナンスも容易となる。
図19,20に示すように、枠部材70は、略C字状をなす板枠状の樹脂部材であり、枠部材70の中央部はローター26が内嵌可能な大きさの円形状に切り欠かれている。枠部材70の内周縁は、下側部が上側部よりも小径となっており、下側部でローター26に取り込まれたメダルMを外側から支持し、上側部には、ホッパータンク8aの底部が嵌合する。枠部材70の四隅のうち3箇所には、傾斜天板25bと係合するための係合フック71が下方に突成される。係合フック71は、下方に延びる脚部71aの下端に外側に突出する爪部71bを形成してなるものである。枠部材70の四隅の残り1箇所(左前部)には、傾斜天板25bに螺子75で固定するための溝孔状の螺子用開口部74が厚み方向に貫通している。螺子用開口部74については後述する。
図21(a)に示すように、傾斜天板25bには、枠部材70の係合フック71と上下に重なり得る位置に溝孔78が夫々形成されており、また、枠部材70の螺子用開口部74と上下に重なり得る位置に螺子穴79が形成されている。各溝孔78は、傾斜天板25bを厚み方向に貫通しており、ローター26の回転軸(払出モータ27の駆動軸)27aを中心とする円周方向に延びている。また、各溝孔78は、係合フック71の脚部71a及び爪部71bが通過可能な幅寸法の幅広部78aと、係合フック71の脚部71aのみが通過可能な幅寸法の幅狭部78bとを備えている。図21(b)に示すように、枠部材70は、傾斜天板25bの上面の、ローター26の周囲に被着して、前後の側縁が傾斜天板25bの側縁と上下に重なる締結位置Sにおいて、傾斜天板25bに螺子75で固定される。かかる締結位置Sでは、枠部材70の各係合フック71が、溝孔78の幅狭部78bに挿入されて傾斜天板25bと係合している。溝孔78の幅狭部78bに挿入された係合フック71は、溝孔78に沿って幅広部78aまで摺動させることで、溝孔78から脱落させることができる。具体的には、各溝孔78は、ローター26の回転軸27aを中心とする周方向に延びているため、図21(c)に示すように、枠部材70を締結した螺子75を取り外せば、枠部材70をローター26の回転軸を中心に反時計回りに回動させて、係合フック71を溝孔78に沿って摺動させることができる。図21(c)に示すように、本実施例では、枠部材70が締結位置Sから反時計回りに約6°回動させた脱着位置Rでは、各係合フック71が溝孔78の幅広部78aに位置して、係合フック71と傾斜天板25bの係合が解除されるため、枠部材70を締結位置Sから脱着位置Rまで回動させれば、枠部材70を傾斜天板25bから取り外すことができる。
以下に、本件第3の発明の要部に係る構成について説明する。
図21(a),21(b)に示すように、枠部材70に形成された螺子用開口部74は、枠部材70の締結位置Sにおいて、傾斜天板25bの螺子穴79の上に配置される。螺子用開口部74は、ローター26の回転軸27aを中心とする円周方向に延びる溝孔であり、図22,23に示すように、径大孔部84と、径大孔部84から延出する細幅溝部85とを備えている。径大孔部84は、螺子75の頭部75aが通過可能な略円形の貫通孔である。細幅溝部85は、螺子75の頭部75aよりも幅狭で、螺子75の杆部75bよりも幅広な溝孔であり、径大孔部84からローター26の回転軸27aを中心として反時計回り方向に延びている。
また、図22,23に示すように、螺子用開口部74には、枠部材70の上面であって、細幅溝部85の先端部に円形凹部86が形成される。なお、図22は、螺子用開口部74を枠部材70の右後方から見た斜視図であり、図中の右上方向が、枠部材70の前方にあたる。かかる円形凹部86は、螺子75の頭部75aが内嵌可能な大きさと、螺子75の頭部75aを枠部材70に完全に埋没させ得る深さを有している。また、螺子用開口部74には、枠部材70の上面であって、円形凹部86と径大孔部84の間に、螺子75の頭部75aが通過可能な幅を有する浅底凹部87が、細幅溝部85に沿って形成される。かかる浅底凹部87の深さは、円形凹部86の深さの半分程度である。
螺子用開口部74は、図24(a)に示すように、枠部材70の締結位置Sにおいて、細幅溝部85の先端部が、傾斜天板25bの螺子穴79の上に重なるよう配置される。このため、締結位置Sにおいては、細幅溝部85の先端部に形成された円形凹部86に螺子75の頭部75aが内嵌した状態で、枠部材70が傾斜天板25aに締結される。
また、螺子用開口部74は、図24(b)に示すように、枠部材70の脱着位置Rにおいて、径大孔部84の中央部が、傾斜天板25bの螺子穴79の上に重なるよう配置される。径大孔部84は螺子75の頭部75aが通過可能な大きさであるため、脱着位置Rにおいては、螺子75を螺子穴79に螺合させた状態で、枠部材70を傾斜天板25bから取り外したり、傾斜天板25bに取り付けたりできる。
また、径大孔部84と細幅溝部85は螺子75の杆部75bが通過可能な寸法を有しており、螺子75の杆部75bについては、螺子用開口部74に沿って移動可能であるため、螺子75を緩めて頭部75aを傾斜天板25bの上面から離間させれば、図24(a),24(b)に示すように、螺子75を螺子穴79から抜き取ることなく、枠部材70を締結位置Sと脱着位置Rに回動させることができる。
このように、枠部材70は、径大孔部84に螺子75の頭部75aを挿脱することで、螺子75を螺子穴79に螺合した状態でも脱着位置Rに脱着することでき、また、螺子75の杆部75bを螺子用開口部74の内部で移動させることにより、締結位置Sと脱着位置Rに変換することができるため、螺子75を螺子穴79から抜き取ることなく、傾斜天板25bに脱着できる。したがって、本実施例では、枠部材70を傾斜天板25bから取り外す際に、螺子75を傾斜天板25bの螺子穴79から抜き取る作業が不要であるし、取り外した枠部材70を再装着するまでの間、抜き取った螺子75を紛失しないよう保管する手間も不要となる
特に、本実施例では、円形凹部86と径大孔部84との間に、螺子75の頭部75aが通過可能な浅底凹部87が形成されているため、枠部材70を傾斜天板25bから取り外す際に、螺子75の頭部75aを比較的少量緩めるだけで、枠部材70を取り外すことができるという利点がある。具体的には、本実施例では、図25(a)→25(b)に示すように、締結位置Sにおいて、円形凹部76に埋没した螺子75の頭部75aを、座面75cが浅底凹部87の高さになるまで緩めさえすれば、図25(b)→25(c)→24(d)に示すように、螺子75の頭部75aを、浅底凹部87に沿って径大孔部84まで相対移動させて、枠部材70を傾斜天板25bから取り外すことができる。なお、このように、螺子75の頭部75aを、浅底凹部87に沿って径大孔部84に移動させて脱着位置Rに変換すれば、螺子75の座面75cを径大孔部84の上縁に引っ掛けることなく、径大孔部84からスムーズに引き抜くことができるという利点がある。また、本実施例では、図25(a)に示すように、螺子75を締結した状態では、頭部75aが枠部材70の上面に突出せず、図25(b)に示すように、螺子75の座面75cを浅底凹部87の高さまで緩めた状態では、頭部75aが枠部材70の上面に突出するよう構成されている。かかる構成によれば、螺子75が、締結した状態であるか、緩めた状態であるかを容易に把握可能となる。
また、本実施例では、枠部材70を傾斜天板25bに締結した状態で、螺子75の頭部75aが円形凹部86に内嵌するため、螺子75が多少緩んだとしても、枠部材70が脱着位置Rの方向へ回動しないという利点がある。また、円形凹部86は、螺子75の頭部75aが枠部材70の上面に完全に埋没する深さを有しているため、枠部材70を傾斜天板25bに締結した螺子75が、物や作業者の指にぶつかるおそれもなくなる。
また、本実施例では、ローター26の回転軸27aを中心に枠部材70を回動させることで、傾斜天板25bに脱着する構成であるため、脱着時に枠部材70を左右方向や前後方向にスライドさせる場合に比べて、枠部材70の脱着時に移動操作するスペースを少なくできるという利点がある。
また、本実施例では、円形凹部86は径大孔部84よりも小さくなっており、浅底凹部87は径大孔部84の径よりも幅狭となっている。かかる構成によれば、枠部材70を締結位置Sに固定する際や、締結位置Sと脱着位置Rに回動させる際に、枠部材70がガタつき難く、かつ、脱着位置Rにおいて径大孔部84に螺子75の頭部75aを挿脱し易くなるという利点がある。
また、本実施例では、図21(b),21(c)に示すように、締結位置Sにおいては、枠部材70の全体が、傾斜天板25bの傾斜する上面の上に収まり、脱着位置Rにおいては、枠部材70の外周部が、傾斜天板25bの傾斜する上面の上からはみ出るよう構成されている。かかる構成にあっては、枠部材70の外周部が傾斜天板25bの傾斜する上面からはみ出しているか否かによって、枠部材70が締結位置Sと脱着位置Rのどちらにあるかを容易に把握できる。このため、かかる構成によれば、枠部材70を脱着位置Rに配置したままホッパータンク8aの取付作業を行ってしまうようなミスを防止できる。
以上に本件第3の発明に係る構成を説明したが、本件第3の発明は、本実施例の形態に限らず本件第3の発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えることができる。例えば、上記実施例に係る枠部材70は、1箇所だけ螺子75で締結し、他は係合フック71で係止しているが、枠部材70の複数箇所に螺子用開口部74を形成して、枠部材70の複数箇所を螺子で締結するようにしてもよい。また、上記実施例では、枠部材70の係合フック71を傾斜天板25bの溝孔78に引っ掛けるようにしているが、傾斜天板側に配設したフックやピンを、枠部材側に形成した溝孔に引っ掛けて係止するようにしてもよい。
また、上記実施例の枠部材70は、メダル排出口28の部分が切り欠かれた開環形状(略C字状)をなしているが、本件第3の発明に係る枠部材は、メダル排出口28の上を覆うように形成された閉環状部材であってもよい。
また、上記実施例の枠部材70は、ローター26の回転方向と逆向き(平面視反時計回り)に回動させることで、締結位置Sから脱着位置Rに変換されるが、かかる構成に限らず、ローター26の回転方向に回動させることで、締結位置Sから脱着位置Rに変換されるよう構成してもよい。
また、図26に示す変形例の払出装置本体7bbのように、枠部材70に環状壁部88を一体的に形成してもよい。かかる環状壁部88は、ローター26の周囲を囲繞するように形成されており、傾斜天板25bの上面に対して、ローター26の外周縁部よりも高く形成されている。かかる構成にあっては、ホッパータンク8aを払出装置本体7bから取り外す際に、貯蔵空間9に残留したメダルMを、環状壁部88によって、ある程度受け止めることが可能となる。特に、環状壁部88は、ローター26の周囲を囲繞しているため、貯蔵空間9に残留したメダルMが、傾斜天板25bの前後から零れ落ちるのを防ぎつつ、ホッパータンク8a(図16参照)によってメダルMを受け止め可能な右側へメダルMを案内できる。したがって、かかる構成とすれば、ホッパータンク8aを取り外す際に、メダルMが払出装置本体7aの周囲に一層散らばり難くなる。
本実施例は、本件第4の発明の実施例である。本実施例は、実施例2と多くの構成が共通するため、実施例2との相違点のみを説明し、実施例2と共通する構成については、本文及び図中で共通符号を付して説明を省略する。なお、本実施例にあって、本件第4の発明に係る上部傾斜部は傾斜天板25cに相当し、本件第4の発明に係る左右方向の一側は左側に相当する。
図27,28は、本実施例に係る払出装置本体7cの斜視図と分解斜視図である。なお、本実施例のスロットマシンは、メダル払出装置以外の構成が実施例1~3と共通である。本実施例の払出装置本体7cは、傾斜天板25cの上面に金属製の壁部材90が配設される点で、実施例2の払出装置本体7a(図10参照)と相違している。図29に示すように、壁部材90は、螺子挿通孔が形成された固定部93と、固定部93の左側縁から上方に延出する平面視円弧状の下壁部92と、下壁部92の上端部の左側から上方に延出する平面視円弧状の立壁部94とを備えている。下壁部92と立壁部94は、平面視において、開き角が60°の同心の円弧形状をなしている。下壁部92の円弧形状の円弧半径は、ローター26の半径よりもわずかに大きく、立壁部94の円弧形状の円弧半径は、ローター26の半径よりもわずかに小さくなっており、立壁部94は、円弧半径が小さい分だけ、下壁部92よりも中心寄り(左寄り)に形成されている。図27,28に示すように、壁部材90は、下壁部92及び立壁部94をローター26の右側の外周縁部に沿わせるようにして、傾斜天板25cの右側中央部に右側に30°傾いた姿勢で固定される。かかる固定状態で、下壁部92はローター26の外周縁部の外側に配置され、立壁部94は、ローター26の外周縁部の上から右斜め上方に延出している。
図27,28に示すように、壁部材90は、壁部材90の固定部93と傾斜天板25cの間に介装された金属薄板91によって電気的に接地されている。具体的には、金属薄板91は、ローター26の外周に沿ってリード板34まで延びて、アース線と接続されたリード板34に螺子95で固定されており、壁部材90は、金属薄板91とリード板34を介して電気的に接地されている。
図30,31に示すように、壁部材90の立壁部94は、ホッパータンク8cとともに、貯蔵空間9の内壁20を形成する。具体的には、立壁部94は、貯蔵空間9の内壁20のうち、ローター26の右側部から右斜め上方に立ち上がる側壁20cを形成している。なお、図31に示すように、本実施例のホッパータンク8cは、立壁部94と干渉しないように、立壁部94が側壁20cを形成する部分に、立壁部94が嵌合可能な凹部96が、形成されている。ここで、側壁20cがメダル取込孔31から離れていると、側壁20cとメダル取込孔31の外側縁の間にメダルMが引っ掛かってメダル詰りが発生し易くなるが、本実施例では、図31に示すように、立壁部94がローター26の、メダル取込孔31の上部開口の外側縁の上から立ち上がることで、側壁20cの内側面とメダル取込孔31の外側縁が一致して段差なく連続している。このため、本実施例では、立壁部94が形成する側壁20cとメダル取込孔31の外側縁との間にメダルMが引っ掛かってメダル詰りが発生するおそれはない。なお、本実施例では、側壁20cの内側面とメダル取込孔31の外側縁を段差なく連続させているが、メダルMの厚みの半分以下の段差であれば、メダルMが引っ掛かることは稀であるため、側壁20cの内側面とメダル取込孔31の外側縁の間の段差が僅かとなるように立壁部94を近接配置した場合でも、同様の効果が期待できる。
本実施例では、払出装置本体7cからホッパータンク8cを取り外された状態でも、図27に示すように、壁部材90の立壁部94が、ローター26の右側の外周縁部から立ち上がる側壁20cを形成しているため、払出装置本体7cからホッパータンク8cを取り外す際にメダルMが貯蔵空間9の内部に残留していても、当該メダルMが傾斜天板25cの上から滑り落ちる前に立壁部94で受け止めることができる。このため、本実施例のメダル払出装置では、ホッパータンク8cを取り外す際に、内部に残留したメダルMが払出装置本体の周囲に一層散らばり難くなる。
また、本実施例では、電気的に接地された壁部材90が、貯蔵空間9の内壁20の一部を形成しているため、貯蔵空間9の内部のメダルMに溜まった静電気を、壁部材90を介して逃がすことが可能となる。特に、壁部材90の立壁部94が形成するのは、貯蔵空間9の底部を区画形成する側壁20cであり、貯蔵空間9のメダルMが少数の場合でも、メダルMと立壁部94は接触状態を保つため、貯蔵空間9のメダルMの多少に関わらず貯蔵空間9の内部の静電気を逃がすことができるという利点がある。
また、壁部材90の立壁部94が形成する側壁20cは、貯蔵空間9の底部に位置し、メダルMとの接触時間が長く、貯蔵空間9の内壁20の中でも特に摩耗し易い部位である。このため、本実施例のように、かかる部位を、樹脂部材より硬い金属製部材で形成すれば、メダル払出装置5cの耐久性を向上できる。
以上に本件第4の発明に係る構成を説明したが、本件第4の発明は、本実施例の形態に限らず本件第4の発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えることができる。例えば、本実施例の立壁部94は、開き角が60°の平面視円弧形状であるが、本発明に係る立壁部は、少なくとも1枚以上のメダルMを受け止められるだけの幅があれば、開き角は60°以下でも、60°以上であってもよい。なお、立壁部94の前後幅は、本実施例のように、メダルMの直径よりも広くすることが望ましい。かかる構成とすれば、図30に示すように、前後方向に並んだ2枚のメダルMを立壁部94で同時に受け止めることが可能となる。さらに言えば、メダル取込孔31のすり鉢状のテーパー部31cの上にはメダルMが積み重なり易いため、テーパー部31cに積み重なったメダルMを立壁部94で受け止められるように、立壁部94の前後幅をテーパー部31cの上部開口よりも幅広にしておくことが望ましい。また、立壁部94を半円筒形状として、ローター26の外周縁部の右側半分から立ち上がるようにしてもよい。かかる構成とした場合には、払出装置本体7cからホッパータンク8cを取り外す際に、貯蔵空間9に残留していたメダルMが傾斜天板25bの前後縁から零れ落ちるのを、立壁部94によって防止可能となる。
また、本件第4の発明に係る立壁部の高さも適宜変更可能であるが、ローターの外周縁部の上から斜め上方に延出する長さが、メダルMの半径以上であることが望ましい。メダルMの半径未満であると、ホッパータンク8cを取り外した時に、立壁部94に寄り掛ったメダルMが立壁部94の上を超えて反対側に落下し易くなるためである。また、上記実施例では、立壁部94と干渉しないように、ホッパータンク8cに凹部96が形成されているが、立壁部94が側壁20cを形成する部位において、ホッパータンク8cを切り欠くようにしてもよい。
以上のように、本発明に係る実施例1~4を説明したが、上述の実施例1~4の構成は、適宜組み合わせて実施することが可能である。例えば、実施例3に係る枠部材70は、実施例2,4の払出装置本体7a,7cにも配設できるし、実施例4に係る壁部材90は、実施例1の払出装置本体7にも配設可能である。