JP2022015194A - 半導体装置 - Google Patents

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  • Metal-Oxide And Bipolar Metal-Oxide Semiconductor Integrated Circuits (AREA)

Abstract

【課題】リカバリ損失を十分に低減することができる半導体装置を提供する。【解決手段】IGBT素子を有するIGBT領域1aと、FWD素子を有するFWD領域1bとが共通の半導体基板10に形成されている半導体装置において、IGBT領域1aとFWD領域1bとの間に境界領域1cを備える。そして、境界領域1bには、ベース層12とドリフト層11との間に位置する部分に、ドリフト層11よりも不純物濃度が高くされた第1導電型のホールストッパ層13を形成する。【選択図】図2

Description

本発明は、絶縁ゲート型電界効果トランジスタ(以下、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistorの略)という)素子が形成されたIGBT領域と還流ダイオード(以下、FWD(Free Wheeling Diodeの略)という)素子が形成されたFWD領域とを有する半導体装置に関する。
従来より、例えば、インバータ等のスイッチング素子として、IGBT素子と共にFWD素子を1チップに備えたRC-IGBT(逆導通IGBT(Reverse-Conducting IGBTの略))構造を有する半導体装置が提案されている。
このようなRC-IGBT構造を有する半導体装置では、リカバリ動作時において、過渡的に大きな逆方向電流が流れる。特に、IGBT領域とFWD領域との間の境界部においては、特許文献1に示されるように、IGBT領域の表面側に形成されたチャネル等の高濃度のP型領域からFWD領域の裏面側に形成されたN型のカソード層に向かってホールが注入される。そして、このホールの注入は、リカバリ時の最大逆方向電流の増加を招くため、抑制されることが望ましい。
このため、特許文献1に記載の半導体装置では、FWD領域における第1のアノード層内に、P型不純物濃度が一定値とされた第2のアノード層を備えるようにしている。なお、第2のアノード層は、P型不純物濃度をある程度高くすることでラッチアップを抑制しつつ、あまり高くし過ぎないようにすることでホールの注入量を抑制することにより、高速スイッチングを可能としてリカバリ損失が低減されるように構成されている。
特開2015-109341号公報
しかしながら、特許文献1の構成では、IGBT領域とFWD領域とが隣接した配置とされていることから、IGBT領域の表面側に形成されたチャネル等の高濃度のP型領域からのホールの注入を十分に抑制することができない可能性がある。つまり、スイッチング損失の低減を十分に行えない可能性がある。さらに、カソード層側のキャリア密度が高くなることはテール電流の増大につながり、リカバリ破壊を招く可能性もある。
本発明は上記点に鑑み、リカバリ損失を十分に低減することができる半導体装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための請求項1では、IGBT素子を有するIGBT領域(1a)と、FWD素子を有するFWD領域(1b)とが共通の半導体基板(10)に形成されている半導体装置であって、IGBT領域と、FWD領域と、IGBT領域とFWD領域との間に形成される境界領域(1c)とを有し、第1導電型のドリフト層(11)と、ドリフト層の表層部に形成された第2導電型のベース層(12)と、IGBT領域において、ドリフト層のうちのベース層側と反対側に形成された第2導電型のコレクタ層(22)と、FWD領域において、ドリフト層のうちのベース層側と反対側に形成された第1導電型のカソード層(23)と、を含み、ベース層側の表面を一面(10a)とし、コレクタ層およびカソード層側の面を他面(10b)とする半導体基板と、IGBT領域、FWD領域、および境界領域に形成され、一方向を長手方向とすると共にベース層よりも深く形成されてドリフト層に達する複数のトレンチ(14)内に、ゲート絶縁膜(17)およびゲート電極(18)が配置されたトレンチゲート構造と、IGBT領域におけるベース層の表層部において、トレンチと接する状態で形成された第1導電型のエミッタ領域(15)と、エミッタ領域およびベース層と電気的に接続される上部電極(20)と、コレクタ層およびカソード層と電気的に接続される下部電極(23)と、を備えている。そして、境界領域には、ベース層とドリフト層との間に位置する部分に、ドリフト層よりも不純物濃度が高くされた第1導電型のホールストッパ層(13)が形成されている。
これによれば、IGBT領域とFWD領域との間に境界領域を形成しているため、FWD素子がオン状態である際、IGBT領域のベース層からFWD領域にキャリア(例えば、正孔)が流入することを抑制できる。また、境界領域1cでは、ドリフト層11と第2ベース層12bとの間にHS層が形成されているため、FWD素子がオン状態である際、ドリフト層へ正孔が供給されることを抑制できる。したがって、リカバリ損失の低減を図ることができる。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態における半導体装置の平面レイアウト図である。 図1中のII-II線に沿った半導体基板の断面における斜視断面図である。 図2中のIIIA-IIIA線に沿った断面図である。 図2中のIIIB-IIIB線に沿った断面図である。 ホールストッパ層が形成されている半導体装置のエネルギーバンド図である。 ホールストッパ層が形成されていない半導体装置のエネルギーバンド図である。 第1実施形態における半導体装置と、ホールストッパ層が形成されていない半導体装置との逆方向電流の特性を示した図である。 第1実施形態の変形例における半導体装置を構成する半導体基板の斜視断面図である。 第2実施形態における半導体装置を構成する半導体基板の斜視断面図である。 第3実施形態における半導体装置を構成する半導体基板の斜視断面図である。 第4実施形態における半導体装置を構成する半導体基板の斜視断面図である。 第4実施形態の変形例における半導体装置を構成する半導体基板の斜視断面図である。 第5実施形態における半導体装置を構成する半導体基板の斜視断面図である。 第5実施形態の変形例における半導体装置を構成する半導体基板の斜視断面図である。 第6実施形態における半導体装置を構成する半導体基板の斜視断面図である。 FWD領域の他面側の平面図である。 第6実施形態の変形例におけるFWD領域の他面側の平面図である。 第6実施形態の変形例におけるFWD領域の他面側の平面図である。 第7実施形態における半導体基板の他面側の平面図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態の半導体装置は、基板厚み方向に電流を流す縦型のIGBT素子とFWD素子とが1つの基板に備えられたRC-IGBT構造により構成されている。この半導体装置は、例えば、インバータ、DC/DCコンバータ等の電源回路に使用されるパワースイッチング素子として利用されると好適である。以下、本実施形態の半導体装置の構成について、具体的に説明する。
図1に示されるように、半導体装置は、セル領域1と、このセル領域1を囲む外周領域2とを備えている。
セル領域1は、図1、図2、図3Aおよび図3Bに示されるように、IGBT素子が形成されたIGBT領域1aおよびFWD素子が形成されたFWD領域1bが一方向に沿って交互に形成されている。また、IGBT領域1aとFWD領域1bの間には、境界領域1cが形成されている。
具体的には、これらIGBT領域1a、FWD領域1b、および境界領域1cは、図2、図3Aおよび図3Bに示されるように、ドリフト層11として機能するN型の半導体基板10に形成されることによって1チップで形成されている。本実施形態では、IGBT領域1a、FWD領域1b、および境界領域1cは、半導体基板10の一面10aの一方向に沿って延設されている。そして、IGBT領域1aとFWD領域1bとは、延設方向と直交する方向に交互に繰り返し形成されており、境界領域1cは、IGBT領域1aとFWD領域1bとの間にそれぞれ形成されている。なお、図1中では、IGBT領域1a、FWD領域1b、および境界領域1cは、紙面上下方向に沿って延設され、紙面左右方向に配列されている。
ドリフト層11上には、P型のベース層12が形成されている。つまり、半導体基板10の一面10a側には、ベース層12が形成されている。そして、本実施形態では、IGBT領域1aおよび境界領域1cでは、ベース層12とドリフト層11との間に、ドリフト層11よりも不純物濃度が高くされたN型のホールストッパー層(以下では、単にHS層ともいう)13が形成されている。
また、半導体基板10には、IGBT領域1aおよび境界領域1cにおいて、ベース層12およびHS層13を貫通してドリフト層11に達するように複数個のトレンチ14が形成され、このトレンチ14によってベース層12およびHS層13が複数個に分離されている。また、半導体基板10には、FWD領域1bにおいて、ベース層12を貫通してドリフト層11に達するように複数個のトレンチ14が形成され、このトレンチ14によってベース層12が複数個に分離されている。
なお、本実施形態では、複数のトレンチ14は、半導体基板10の一面10aの面方向のうちの一方向(すなわち、図2中の紙面奥行き方向)に沿って等間隔に形成されている。また、半導体基板10の一面10aは、ベース層12のうちのドリフト層11と反対側の一面等によって構成されている。
ここで、本実施形態のベース層12は、IGBT領域1aと、FWD領域1bおよび境界領域1cとで不純物濃度が変えられている。具体的には、IGBT領域1aのベース層12は、FWD領域1bおよび境界領域1cのベース層12よりも不純物濃度が高くされている。以下、IGBT領域1aに形成されたベース層12を第1ベース層12aともいい、FWD領域1bおよび境界領域1cに形成されたベース層12を第2ベース層12bともいう。つまり、第2ベース層12bは、第1ベース層12aよりも不純物濃度が低くされている。そして、本実施形態のHS層13は、ドリフト層11よりも不純物濃度が高くされていると共に、第2ベース層12bよりも不純物濃度が高くされている。
第1ベース層12aは、チャネル領域として機能しつつ、ボディ領域としても機能する部分である。そして、第1ベース層12aの表層部には、図2および図3Bに示されるように、部分的に、第1ベース層12aよりも深さが浅くされたN型のエミッタ領域15が形成されている。
エミッタ領域15は、ドリフト層11よりも高不純物濃度で構成され、第1ベース層12a内において終端し、かつ、トレンチ14の側面に接するように形成されている。本実施形態の場合、エミッタ領域15は、各トレンチ14の間において、トレンチ14の長手方向に沿って等間隔に複数個点在させられている。言い換えると、エミッタ領域15は、半導体基板10の一面10aに対する法線方向(以下では、単に法線方向ともいう)から視た際、複数のトレンチ14の長手方向に対して交差するように延設されている。詳しくは、エミッタ領域15は、複数のトレンチ14の長手方向に対して直交するように延設されている。そして、隣合うトレンチ14の間に位置する各エミッタ領域15は、それぞれ隣合うトレンチ14の両方の側面に接した状態となっている。
なお、複数のトレンチ14の長手方向に対する垂直方向において、隣合う各エミッタ領域15を繋げると直線状となるが、各トレンチ14によって分断されているため、各エミッタ領域15は矩形状となっている。そして、各エミッタ領域15は、トレンチ14の長手方向両端よりも内側に配置された状態となっている。
また、第1ベース層12aは、エミッタ領域15が形成されていない部分において半導体基板10の一面10a側まで形成されており、この部分が後述する上部電極20とオーミック接触させられる第1コンタクト領域16aとされる。そして、トレンチ14の長手方向に沿った方向の長さを幅とすると、本実施形態では、第1コンタクト領域16aの幅は、エミッタ領域15の幅と等しくされている。つまり、本実施形態では、第1コンタクト領域16aとエミッタ領域15とは、面積比が1:1とされている。なお、本実施形態の第1コンタクト領域16aは、第1ベース層12aの一部によって構成されているが、部分的に表面濃度が高くされた領域が形成されることで構成されていてもよい。
そして、本実施形態では、第1コンタクト領域16aは、法線方向から視た際、エミッタ領域15と同様の上面レイアウトとされており、第1ベース層12aのうちのエミッタ領域15とされていない部分が第1コンタクト領域16aとされている。すなわち、第1コンタクト領域16aは、複数のトレンチ14の長手方向に対して交差するように延設されている。詳しくは、第1コンタクト領域16aは、複数のトレンチ14の長手方向に対して直交するように延設されている。そして、隣合うトレンチ14の間に位置する各第1コンタクト領域16aは、隣合うトレンチ14の両方の側面に接した状態となっている。
なお、複数のトレンチ14の長手方向に対する垂直方向において、隣合う各第1コンタクト領域16aを繋げると直線状となるが、各第1コンタクト領域16aは、各トレンチ14によって分断されているため、矩形状となっている。
FWD領域1bでは、第2ベース層12bは、アノードの一部として機能するアノード層を構成する。なお、FWD領域1bにおける第2ベース層12bには、IGBT領域1aのようなエミッタ領域15は形成されていないが、第2ベース層12bよりも不純物濃度が高くされ、後述する上部電極20とオーミック接触させられる第2コンタクト領域16bが形成されている。
本実施形態では、第2コンタクト領域16bは、トレンチ14の長手方向に沿って複数個点在させられている。言い換えると、第2コンタクト領域16bは、法線方向から視た際、複数のトレンチ14の長手方向に対して交差するように延設されている。詳しくは、第2コンタクト領域16bは、複数のトレンチ14の長手方向に対して直交するように延設されている。そして、隣合うトレンチ14の間に位置する各第2コンタクト領域16bは、隣合うトレンチ14の両方の側面に接した状態となっている。
また、各第2コンタクト領域16bの深さは、第2ベース層12bよりも浅くされている。そして、各第2コンタクト領域16bの幅は、任意であるが、本実施形態では、第1コンタクト領域16aと等しくされている。つまり、本実施形態では、FWD領域1bにおいて、第2コンタクト領域16bと第2ベース層12bのうち第2コンタクト領域16bが形成されていない部分とは、面積比が1:1とされている。
同様に、境界領域1cでは、第2ベース層12bは、第2ベース層12bよりも不純物濃度が高くされ、後述する上部電極20とオーミック接触させられる第3コンタクト領域16cが形成されている。本実施形態では、第3コンタクト領域16cは、トレンチ14の長手方向に沿って複数個点在させられている。言い換えると、第3コンタクト領域16cは、法線方向から視た際、複数のトレンチ14の長手方向に対して交差するように延設されている。詳しくは、第3コンタクト領域16cは、複数のトレンチ14の長手方向に対して直交するように延設されている。そして、隣合うトレンチ14の間に位置する各第3コンタクト領域16cは、隣合うトレンチ14の両方の側面に接した状態となっている。
また、各第3コンタクト領域16cの深さは、第2コンタクト領域16bと同じ深さとされている。そして、各第3コンタクト領域16cの幅は、任意であるが、第2コンタクト領域16bと等しくされている。つまり、本実施形態では、境界領域1cにおいて、第3コンタクト領域16cと第2ベース層12bのうち第2コンタクト領域16bが形成されていない部分とは、面積比が1:1とされている。
各トレンチ14内は、各トレンチ14の内壁表面を覆うように形成されたゲート絶縁膜17と、このゲート絶縁膜17の上に形成されたポリシリコン等により構成されるゲート電極18とにより埋め込まれている。これにより、トレンチゲート構造が構成されている。
本実施形態では、IGBT領域1aに形成されたゲート電極18は、図示しないゲート駆動回路と接続され、所望のゲート電圧が印加されるようになっている。一方、FWD領域1bおよび境界領域1cに形成されたゲート電極18は、後述する上部電極20と接続される。つまり、FWD領域1bおよび境界領域1cに形成されたゲート電極18は、エミッタ接続されるようになっている。これにより、IGBT領域1aでは、IGBT動作のためにゲート電圧としてハイレベル電圧が印加されると、トレンチ14の側面においてチャネルが形成される。また、FWD領域1bでは、ゲート電極18がエミッタ電位とされることから、IGBT動作時にもチャネルは形成されず、所定のFWD動作を行う。
半導体基板10の一面10a上には、図3Aおよび図3Bに示されるように、BPSG(Borophosphosilicate Glassの略)等で構成される層間絶縁膜19が形成されている。そして、層間絶縁膜19には、IGBT領域1aにおいて、エミッタ領域15の一部および第1コンタクト領域16aを露出させるコンタクトホール19aが形成されている。また、層間絶縁膜19には、FWD領域1bおいて、第2ベース層12bや第2コンタクト領域16bを露出させるコンタクトホール19bが形成されている。層間絶縁膜19には、境界領域1cにおいて、エミッタ領域15および第3コンタクト領域16cを露出させるコンタクトホール19cが形成されている。さらに、本実施形態では、層間絶縁膜19には、FWD領域1bおよび境界領域1cにおいて、ゲート電極18を露出させるコンタクトホール19dが形成されている。
層間絶縁膜19上には上部電極20が形成されている。この上部電極20は、IGBT領域1aにおいて、コンタクトホール19aを通じてエミッタ領域15および第1コンタクト領域16aと電気的に接続されている。上部電極20は、FWD領域1bおよび境界領域1cにおいて、コンタクトホール19b、19cを通じて第2ベース層12b、第2コンタクト領域16b、第3コンタクト領域16cと電気的に接続されている。さらに、上部電極20は、FWD領域1bおよび境界領域1cにおいて、コンタクトホール19dを通じてゲート電極18と接続されている。つまり、上部電極20は、IGBT領域1aにおいてはエミッタ電極として機能し、FWD領域1bにおいてはアノード電極として機能する。
なお、本実施形態の上部電極20は、IGBT領域1aでは、エミッタ領域15および第1コンタクト領域16aとオーミック接触している。上部電極20は、FWD領域1bおよび境界領域1cでは、第2コンタクト領域16bおよび第3コンタクト領域16cとオーミック接触しており、第2ベース層12bとショットキー接触している。
ドリフト層11のうちのベース層12側と反対側、つまり半導体基板10の他面10b側には、不純物濃度がドリフト層11よりも高くされたN型のフィールドストップ(以下、FSという)層21が形成されている。このFS層21は、必須のものではないが、空乏層の広がりを防ぐことで耐圧と定常損失の性能向上を図ると共に、半導体基板10の他面10b側から注入されるホールの注入量を制御するために備えてある。
また、IGBT領域1aおよび境界領域1cでは、FS層21を挟んでドリフト層11と反対側に、P型のコレクタ層22が形成され、FWD領域1bでは、FS層21を挟んでドリフト層11と反対側にN型のカソード層23が形成されている。つまり、本実施形態では、IGBT領域1aおよび境界領域1cと、FWD領域1bとは、半導体基板10の他面10b側に形成される層がコレクタ層22であるかカソード層23であるかによって区画されている。
さらに、半導体基板10の他面10bにおいて、コレクタ層22やカソード層23の表面には下部電極24が形成されている。この下部電極24は、IGBT領域1aおよび境界領域1cにおいてはコレクタ電極として機能し、FWD領域1bにおいてはカソード電極として機能するものである。
このように構成されていることにより、IGBT領域1aにおいては、第1ベース層12aをベース、エミッタ領域15をエミッタ、コレクタ層22をコレクタとするIGBT素子が構成される。また、FWD領域1bにおいては、第2ベース層12bおよび第2コンタクト領域16bをアノードとし、ドリフト層11、カソード層23をカソードとしてPN接合されたFWD素子が構成される。
以上が本実施形態の半導体装置の構成である。本実施形態では、このようにして共通の半導体基板10にIGBT領域1aおよびFWD領域1bが形成されている。なお、本実施形態では、N型、N型、N型が第1導電型に相当しており、P型、P型、P型が第2導電型に相当している。また、上記のように構成されていることにより、半導体基板10は、ドリフト層11、ベース層12、HS層13、エミッタ領域15、第1コンタクト領域16a、第2コンタクト領域16b、第3コンタクト領域16c、FS層21、コレクタ層22、カソード層23を有する構成とされている。
次に、上記半導体装置の作動および効果について説明する。
まず、半導体装置は、下部電極24に上部電極20より高い電圧が印加されると、ベース層12とドリフト層11との間に形成されるPN接合が逆導通状態となって空乏層が形成される。そして、ゲート電極18に、絶縁ゲート構造の閾値電圧Vth未満であるローレベル(例えば、0V)の電圧が印加されているときには、上部電極20と下部電極24との間に電流は流れない。
IGBT素子をオン状態にするには、下部電極24に上部電極20より高い電圧が印加された状態で、IGBT領域1aに形成されたゲート電極18に、絶縁ゲート構造の閾値電圧Vth以上であるハイレベルの電圧が印加されるようにする。これにより、第1ベース層12aのうちのゲート電極18が配置されるトレンチ14と接している部分に反転層が形成される。そして、IGBT素子は、エミッタ領域15から反転層を介して電子がドリフト層11に供給されることによってコレクタ層22から正孔がドリフト層11に供給され、伝導度変調によりドリフト層11の抵抗値が低下することでオン状態となる。
この際、本実施形態では、IGBT領域1aおよび境界領域1cには、ドリフト層11とベース層12との間に、HS層13が形成されている。このため、ドリフト層11に供給された正孔がベース層12側に抜け難くなり、オン電圧の低減を図ることができる。
また、IGBT素子をオフ状態にし、FWD素子をオン状態にする(すなわち、FWD素子をダイオード動作させる)際には、上部電極20と下部電極24に印加する電圧をスイッチングし、上部電極20に下部電極24より高い電圧を印加する順電圧印加を行う。これにより、上部電極20からベース層12を介してドリフト層11へ正孔が供給されると共にカソード層23からドリフト層11へ電子が供給されることでFWD素子がダイオード動作をする。
この際、境界領域1cには、ドリフト層11と第2ベース層12bとの間に、ドリフト層11よりも不純物濃度が高くされたHS層13が形成されている。このため、FWD素子がオン状態である際、図4Aおよび図4Bに示されるように、HS層13と第2ベース層12bとの間の障壁は、ドリフト層11と第2ベース層12bとの間の障壁よりも大きくなる。したがって、FWD素子がオン状態である際、境界領域1cにHS層13が形成されている本実施形態の半導体装置では、HS層13が形成されていない半導体装置と比較すると、第2ベース層12bからドリフト層11に供給される正孔を低減できる。
なお、図4Aおよび図4Bにおいて、Ecは、伝導帯のエネルギー準位の最小値、Evは、価電子帯のエネルギー準位の最小値、Efは、フェルミ準位を示している。また、図4Aおよび図4Bでは、半導体基板10の一面10aを深さの基準としている。
さらに、本実施形態では、境界領域1cにおける第2ベース層12bは、IGBT領域1aにおける第1ベース層12aよりも不純物濃度が低くされ、上部電極20とショットキー接触している。このため、境界領域1cでは、主に、上部電極20から第3コンタクト領域16cを介して第2ベース層12bへ正孔が供給される。したがって、境界領域1cにおける第2ベース層12bが第1ベース層12aと同じ不純物濃度とされて上部電極20とオーミック接触している場合と比較すると、FWD素子がオン状態である際に、上部電極20から第2ベース層12bに供給される正孔そのものを低減できる。
その後、FWD素子をオン状態からオフ状態にする際には、下部電極24に上部電極20より高い電圧を印加する逆電圧印加を行う。つまり、FWD素子に順方向電流が流れている状態から当該電流を遮断する際、下部電極24に上部電極20より高い電圧を印加する逆電圧印加を行う。これにより、FWD素子がリカバリ状態となる。
この際、本実施形態では、上記のように、FWD素子がオン状態である際にドリフト層11へ正孔が供給されることを抑制している。このため、リカバリ電流を低減でき、リカバリ損失Errの低減を図ることができる。
具体的には、本発明者らが検討したところ、図5に示されるように、HS層13が形成されている本実施形態の半導体装置では、HS層13が形成されていない半導体装置と比較して、最大逆方向電流Irrおよびテール電流を低減できることが確認された。そして、この図中の逆方向電流Irの積分値、つまり電流値がマイナスとなる領域の面積がリカバリ損失Errに相当することから、最大逆方向電流Irrを低下することにより、リカバリ損失Errを低減することが可能となることが確認される。
以上説明した本実施形態では、IGBT領域1aとFWD領域1bとの間に境界領域1cを形成している。このため、FWD素子がオン状態である際、IGBT領域1aの第1ベース層12aからFWD領域1bに正孔が流入することを抑制できる。そして、境界領域1cでは、ドリフト層11と第2ベース層12bとの間に、HS層13が形成されている。このため、FWD素子がオン状態である際に、境界領域1cからドリフト層11へ正孔が供給されることを抑制できる。したがって、リカバリ損失Errの低減を図ることができる。
また、本実施形態では、境界領域1cにおける第2ベース層12bは、IGBT領域1aにおける第1ベース層12aよりも不純物濃度が低くされ、上部電極20とショットキー接触している。このため、境界領域1cにおける第2ベース層12bが第1ベース層12aと同じ不純物濃度とされて上部電極20とオーミック接触している場合と比較して、FWD素子がオン状態である際に、境界領域1cでは、第2ベース層12bに供給される正孔を低減できる。したがって、リカバリ損失Errの低減をさらに図ることができる。
また、本実施形態では、IGBT領域1aにおいて、ドリフト層11と第2ベース層12bとの間にHS層13を形成している。このため、IGBT素子がオン状態である際、ドリフト層11に供給された正孔がベース層12側に抜け難くなり、オン電圧の低減を図ることができる。
(第1実施形態の変形例)
上記第1実施形態の変形例について説明する。上記第1実施形態において、図6に示されるように、IGBT領域1aには、HS層13が形成されていなくてもよい。また、上記第1実施形態において、特に図示しないが、第2ベース層12bは、第1ベース層12aと同じ不純物濃度とされていてもよい。さらに、上記第1実施形態において、境界領域1cは、半導体基板10の他面10b側がカソード層23とされていてもよい。これらのような半導体装置としても、少なくとも境界領域1cにHS層13が形成されていれば、FWD素子がオン状態である際には、ドリフト層11への正孔の供給が抑制されるため、リカバリ損失Errの低減を図ることができる。なお、後述する各実施形態においても、これらの構成は適宜適用可能である。
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対し、境界領域1cにおけるゲート電極18の接続形態を変更したものである。その他に関しては、第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態では、図7に示されるように、境界領域1cのゲート電極18は、IGBT領域1aのゲート電極と同電位とされるようになっている。つまり、境界領域1cのゲート電極18は、IGBT領域1aのゲート電極18と同様に、所望のゲート電圧が印加されるようになっている。
以上説明した本実施形態によれば、境界領域1cのゲート電極18がIGBT領域1aのゲート電極18と同電位とされるようになっている。このため、ゲート電極18に所定電圧が印加されている場合には、図7に示されるように、第2ベース層12bのうちのトレンチ14の側面に接する部分にチャネルchが形成される。なお、図7では、境界領域1cのチャネルchのみを示しているが、実際には、IGBT領域1aにもチャネルchが形成されている。そして、この状態でFWD素子がオン状態となると、境界領域1cでは、チャネルchによってベース層12を正孔が通過できる領域が減少するため、ドリフト層11に供給される正孔が少なくなる。したがって、本実施形態の半導体装置では、リカバリ損失Errの低減をさらに図ることができる。
(第3実施形態)
第3実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対し、FWD領域1bにもHS層13を形成したものである。その他に関しては、第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態では、図8に示されるように、FWD領域1bにおいても、ドリフト層11と第2ベース層12bとの間にHS層13が形成されている。ここで、本実施形態では、HS層13のうちのIGBT領域1aおよび境界領域1cに形成されている部分を第1HS層13aとし、FWD領域1bに形成されている部分を第2HS層13bとする。
そして、本実施形態では、第2HS層13bは、第1HS層13aよりも不純物濃度が低くされている。本実施形態では、第2HS層13bは、第1HS層13aよりも不純物濃度のピーク濃度が低くされることにより、第1HS層13aよりも不純物濃度が低くされている。但し、第2HS層13bにおいても、不純物濃度は、ドリフト層11より高くされている。なお、本実施形態では、第2HS層13bと第1HS層13aとは、半導体基板10の厚さ方向に沿った厚さが等しくされている。
以上説明した本実施形態では、FWD領域1bにもHS層13が形成されている。このため、FWD素子がオン状態である際、FWD領域1bおいても、第2ベース層12bからドリフト層11に正孔が供給されることを抑制できる。したがって、リカバリ損失Errをさらに低減することができる。但し、FWD領域1bにHS層13を形成することにより、第2ベース層12bからドリフト層11に正孔が供給され難くなることで順方向電圧Vfが増加することが懸念される。したがって、本実施形態では、さらに、第2HS層13bは、第1HS層13aよりも不純物濃度が低くされている。これにより、本実施形態では、順方向電圧Vfが増加することを抑制しつつ、リカバリ損失Errをさらに抑制できる。
(第3実施形態の変形例)
上記第3実施形態の変形例について説明する。上記第3実施形態において、第2HS層13bは、不純物濃度が第1HS層13a以上とされていてもよい。このような半導体装置としても、FWD領域1bに第2HS層13bが形成されていることにより、さらに、リカバリ損失Errの低減を図ることができる。
(第4実施形態)
第4実施形態について説明する。本実施形態は、第3実施形態に対し、HS層13の構成を変更したものである。その他に関しては、第3実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態では、第1HS層13aおよび第2HS層13bは、不純物濃度のピーク濃度が等しくされているが、図9に示されるように、第1HS層13aが第2HS層13bよりも厚く形成されている。そして、本実施形態では、このように厚さが異なることにより、第2HS層13bの不純物濃度が第1HS層13aの不純物濃度よりも低くされている。なお、本実施形態では、第2HS層13bは、ベース層12との境界が第1HS層13aとベース層12との境界と等しくなる位置に形成されている。
このように、第1HS層13aを第2HS層13bより厚くすることで第2HS層13bの不純物濃度が第1HS層13aの不純物濃度より低くなるようにしても、上記第3実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第4実施形態の変形例)
上記第4実施形態の変形例について説明する。第4実施形態において、第2HS層13bは、図10に示されるように、ドリフト層11との境界が第1HS層13aとドリフト層11との境界と等しくなる位置に形成されていてもよい。
(第5実施形態)
第5実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対し、半導体基板10の一面10aにおける第3コンタクト領域16cと第2ベース層12bとの比率を変更したものである。その他に関しては、第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態では、図11に示されるように、各第3コンタクト領域16cの幅は、第2コンタクト領域16bの幅よりも狭くされている。そして、本実施形態では、第3コンタクト領域16cと第2ベース層12bのうち第3コンタクト領域16cが形成されていない部分との面積比は、1:2となるように、第3コンタクト領域16cの幅が調整されている。
以上説明した本実施形態では、第3コンタクト領域16cの幅が第2コンタクト領域16bの幅よりも狭くされている。このため、境界領域1cでは、FWD領域1bよりも、単位面積当たりの高濃度P型層の形成面積やオーミック接触面積比が少なくなる。したがって、境界領域1cでは、さらに第2ベース層12bに供給される正孔を低減でき、さらにリカバリ損失Errの低減を図ることができる。
(第5実施形態の変形例)
上記第5実施形態の変形例について説明する。上記第5実施形態において、図12に示されるように、第3コンタクト領域16cは形成されていなくてもよい。すなわち、境界領域1cでは、上部電極20が第2ベース層12bのみとショットキー接触されるようにしてもよい。
また、上記第5実施形態や第5実施形態の変形例のように、境界領域1cにおいて、FWD領域1bよりも単位面積当たりの高濃度P型層の形成面積やオーミック接触面積比を少なくした場合には、この構成によっても境界領域1cで第2ベース層12bに供給される正孔を低減できる。このため、境界領域1cには、HS層13が形成されていなくてもよい。
(第6実施形態)
第6実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対し、FWD領域1bにおける他面10b側の構成を変更したものである。その他に関しては、第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態では、図13および図14に示されるように、FWD領域1bでは、他面10b側において、カソード層23内に部分的にP型の不純物層にて構成される抑制層25が形成されている。本実施形態では、抑制層25は、トレンチ14の長手方向に沿って複数本延設されていると共に、それぞれが等間隔に配置されている。なお、抑制層25の不純物濃度については任意であるが、コレクタ層22と同時に形成する場合、コレクタ層22と同じ濃度となる。また、図13中のFWD領域1bは、図14中のXIII-XIII線に沿った断面にも相当している。
以上説明した本実施形態では、N型のカソード層23内にP型の抑制層25が形成されている。このため、FWD素子がオン状態である際、上部電極20から注入されたホールが抑制層25に到達した場合には無効キャリアとすることができる。このため、さらにホールを低減することが可能になり、さらにリカバリ損失Errを低減することができる。
(第6実施形態の変形例)
上記第6実施形態の変形例について説明する。上記第6実施形態において、図15Aに示されるように、抑制層25は、トレンチ14の長手方向と交差する直交方向に延設されていてもよい。また、図15Bに示されるように、抑制層25は、カソード層23内において点在するように形成されていてもよい。つまり、抑制層25は、カソード層23が格子状となるように形成されていてもよい。
さらに、上記第6実施形態において、境界領域1cは、半導体基板10の他面10b側がカソード層23とされ、当該カソード層23内に抑制層25が形成された構成とされていてもよい。
(第7実施形態)
第7実施形態について説明する。本実施形態は、第6実施形態に対し、抑制層25の配置の仕方を変更したものである。その他に関しては、第6実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態では、図16に示されるように、FWD領域1bでは、半導体基板10の他面10bにおいて、境界領域1c側の外縁領域1dにおける単位面積当たりのカソード層23の形成面積は、外縁領域1dの内縁側に位置する内縁領域1eにおける単位面積当たりのカソード層23の形成面積より小さくされている。本実施形態では、外縁領域1dに抑制層25が格子状に形成されることにより、外縁領域1dのカソード層23の形成面積が内縁領域1eのカソード層23の形成面積より小さくされている。さらに詳しくは、外縁領域1dのカソード層23の形成面積は、内縁領域1e側から境界領域1c側に向かって徐々に小さくされている。
以上説明した本実施形態によれば、外縁領域1dにおける単位面積当たりのカソード層23の形成面積は、内縁領域1eにおける単位面積当たりのカソード層23の形成面積より小さくされている。このため、FWD素子がオン状態である際、FWD領域1bでは、外縁領域1dの方が内縁領域1eよりも電流密度が小さくなる。したがって、外縁領域1dにおける単位面積当たりのカソード層23の形成面積が内縁領域1eにおける単位面積当たりのカソード層23の形成面積以上とされている場合と比較して、FWD素子がオン状態である際、境界領域1cおよびIGBT領域1aからFWD領域1bに正孔が流入することを抑制できる。したがって、さらにリカバリ損失Errを低減することができる。
(第7実施形態の変形例)
上記第7実施形態の変形例について説明する。上記第7実施形態では、外縁領域1dに抑制層25が格子状に形成されることにより、外縁領域1dのカソード層23の形成面積が内縁領域1eのカソード層23の形成面積より小さくされている例について説明した。しかしながら、上記第7実施形態では、外縁領域1dにおける単位面積当たりのカソード層23の形成面積が、内縁領域1eにおける単位面積当たりのカソード層23の形成面積より小さくなるのであれば、カソード層23および抑制層25の形状は適宜変更可能である。
(他の実施形態)
本開示は、実施形態に準拠して記述されたが、本開示は当該実施形態や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
例えば、上記各実施形態において、第1導電型はP型とされ、第2導電型はN型とされていてもよい。
また、上記各実施形態において、FWD領域1bと境界領域1cの第2ベース層12bの不純物濃度は、異なった濃度とされていてもよい。
さらに、上記各実施形態において、IGBT領域1aは、隣合うトレンチゲート構造の間の第1ベース層12aにエミッタ領域15が形成されていない部分を備えるようにしてもよい。すなわち、IGBT領域1aは、いわゆる間引き構造を備えるようにしてもよい。
また、上記各実施形態で示したIGBT素子やFWD素子の素子構造は一例を示したに過ぎず、他の構造とすることもできる。例えば、上記各実施形態では、IGBT素子について、第1ベース層12aは、チャネル領域としてだけでなくボディ領域としても機能させるようにした例を説明したが、チャネル領域としてのみ機能する構成としてもよい。そして、第1ベース層12aの表層部に、第1ベース層12aよりも不純物濃度が高くされたボディ領域を形成するようにしてもよい。この場合、例えば、各トレンチゲート構造の間において、トレンチ14に接するようにエミッタ領域15を形成し、エミッタ領域15を挟んでトレンチ14と反対側、つまりトレンチ14から離れた位置にP型のボディ領域を形成した構造としてもよい。そして、ボディ領域の表面が第1ベース層12aにおける第1コンタクト領域16aを構成するようにしてもよい。
さらに、上記各実施形態を適宜組み合わせるようにしてもよい。例えば、上記第2実施形態を上記第3~第7実施形態に組み合わせ、境界領域1cのゲート電極18は、IGBT領域1aのゲート電極18と同電位とされるようにしてもよい。また、上記第3、第4実施形態を上記第5~第7実施形態に組み合わせ、FWD領域1bにもHS層13を形成するようにしてもよい。また、上記第5実施形態を上記第6、第7実施形態に組み合わせ、半導体基板10の一面10aにおける第3コンタクト領域16cと第2ベース層12bとの面積比を変更するようにしてもよい。そして、上記各実施形態を組み合わせたもの同士をさらに組み合わせるようにしてもよい。
1a IGBT領域
1b FWD領域
1c 境界領域
10 半導体基板
11 ドリフト層
12 ベース層
13 HS層(ホールストッパ層)
22 コレクタ層
23 カソード層

Claims (8)

  1. IGBT素子を有するIGBT領域(1a)と、FWD素子を有するFWD領域(1b)とが共通の半導体基板(10)に形成されている半導体装置であって、
    前記IGBT領域と、前記FWD領域と、前記IGBT領域と前記FWD領域との間に形成される境界領域(1c)とを有し、第1導電型のドリフト層(11)と、前記ドリフト層の表層部に形成された第2導電型のベース層(12)と、前記IGBT領域において、前記ドリフト層のうちの前記ベース層側と反対側に形成された第2導電型のコレクタ層(22)と、前記FWD領域において、前記ドリフト層のうちの前記ベース層側と反対側に形成された第1導電型のカソード層(23)と、を含み、前記ベース層側の表面を一面(10a)とし、前記コレクタ層および前記カソード層側の面を他面(10b)とする前記半導体基板と、
    前記IGBT領域、前記FWD領域、および前記境界領域に形成され、一方向を長手方向とすると共に前記ベース層よりも深く形成されて前記ドリフト層に達する複数のトレンチ(14)内に、ゲート絶縁膜(17)およびゲート電極(18)が配置されたトレンチゲート構造と、
    前記IGBT領域におけるベース層の表層部において、前記トレンチと接する状態で形成された第1導電型のエミッタ領域(15)と、
    前記エミッタ領域および前記ベース層と電気的に接続される上部電極(20)と、
    前記コレクタ層および前記カソード層と電気的に接続される下部電極(23)と、を備え、
    前記境界領域には、前記ベース層と前記ドリフト層との間に位置する部分に、前記ドリフト層よりも不純物濃度が高くされた第1導電型のホールストッパ層(13)が形成されている半導体装置。
  2. 前記FWD領域には、前記ベース層と前記ドリフト層との間に位置する部分に前記ホールストッパ層が形成されている請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記FWD領域に形成されたホールストッパ層は、前記境界領域に形成されたホールストッパ層よりも不純物濃度が低くされている請求項2に記載の半導体装置。
  4. 前記境界領域に形成されたホールストッパ層は、前記ベース層のうちの前記FWD領域に形成された部分よりも不純物濃度が高くされている請求項1ないし3のいずれか1つに記載の半導体装置。
  5. 前記ベース層は、前記IGBT領域に形成された部分を第1ベース層(12a)とし、前記FWD領域および前記境界領域に形成された部分を第2ベース層(12b)とすると、前記第2ベース層の不純物濃度が前記第1ベース層の不純物濃度よりも低くされている請求項1ないし4のいずれか1つに記載の半導体装置。
  6. 前記FWD領域および前記境界領域では、前記第2ベース層の表層部に、前記第2ベース層よりも不純物濃度が高くされた第2導電型のコンタクト領域(16b、16c)が部分的に形成されており、
    前記半導体基板の一面において、前記境界領域における単位面積当たりの前記コンタクト領域の形成面積は、前記FWD領域における単位面積当たりの前記コンタクト領域の形成面積より小さくされている請求項5に記載の半導体装置。
  7. 前記FWD領域では、前記カソード層内に第2導電型の抑制層(25)が形成されている請求項1ないし6のいずれか1つに記載の半導体装置。
  8. 前記FWD領域では、前記半導体基板の他面において、前記境界領域側の外縁領域(1d)における単位面積当たりの前記カソード層の形成面積が、前記外縁領域の内縁側に位置する内縁領域(1e)における単位面積当たりの前記カソード層の形成面積より小さくされている請求項7に記載の半導体装置。
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