JP2021535739A - 下流精製でのラマン分光法の使用 - Google Patents

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Abstract

生成または製造中のタンパク質精製中間体および/または最終濃縮プールを特性評価または定量化することを目的とした、in situラマン分光法の方法およびシステムが提供される。一実施形態では、下流プロセシング中(すなわち、タンパク質精製中間体の採取後)にタンパク質精製中間体の重要品質特性を特性評価または定量化するために、in situラマン分光法を使用する。例えば、タンパク質精製中間体を精製する、凝縮する、または販売もしくは投与される最終薬物製品に製剤化する際に前記タンパク質精製中間体を特性評価および定量化するために、本開示のin situラマン分光法の方法およびシステムを使用することができる。【選択図】図1

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2018年8月27日に出願された米国仮特許出願第62/723,188号の利益および優先権を主張するものであり、その全体が参照により援用される。
発明の技術分野
本発明は概して、下流のタンパク質精製プロセスにおける1つ以上の重要品質特性(CQA)またはパラメーターをモニターおよび制御するための、システムおよび方法に関する。
発明の背景
治療用途として承認されているモノクローナル抗体(mAb)の数は、過去10年間で有意に増加してきた。この理由は、幾分かは、大量のmAbの生産を促進する、大規模製造プロセスが改善されたことにある。更に、食品医薬品局(FDA)のプロセス分析技術(PAT)フレームワークなどのイニシアチブによって、プロセスに関する理解を深め且つ産物の品質を制御するためのプロセス開発、プロセス分析、およびプロセス制御に対応する、革新的なソリューションがもたらされてきた。細胞培養培地からmAbを効率的に回収し精製することは、生産プロセスにおいて決定的な重要性を持つ部分である。精製プロセスでは、ヒトにおいて使用するうえで安全なmAbを、確実に生成する必要がある。この例としては、重要品質特性(CQA)をモニターすることが挙げられ、このCQAには、タンパク質の属性および不純物、例えば、宿主細胞タンパク質、DNA、ウイルス、エンドトキシン、凝集体、濃度、賦形剤、その他の種で、患者の安全性、有効性、または効力に影響を与える可能性のあるものが、包含される。タンパク質濃度は、精製された材料のCQAでもあることが多く、プロセス中間体の適切なタンパク質濃度は、ユニット操作のパフォーマンスにとって重要なプロセスパラメーターになる可能性がある。これらのCQAは、プログラムのライフサイクル全体にわたってだけでなく、生産全体を通してモニターされることが必要である。
mAbの最終配合物に、決められたレベルを超える不純物が含有されることのないようにする目的から、下流プロセシングの様々な段階にてmAb産物を試験する。mAbなどのバイオ製品の製造における品質管理は、各ロット生産のオフライン方法を使用して、精製中間体および製剤化原薬サンプルを分析することによって達成されるのが、一般的である。サンプルを、UF/DFスキッドなどのプロセシング機器から取り出し、オフライン試験に供して、タンパク質濃度(g/L)、バッファー賦形剤、サイズバリアントなどの産物CQAを測定する。製造中にリアルタイムでモニターおよび分析が利用できないことは、プロセシング時間を長引かせ、CQAが満たされないことに起因するバッチ障害のリスクが高まる。したがって、mAbのリアルタイム品質管理モニタリングの迅速なインライン方法に対するニーズが存在している。
したがって、本発明の目的は、下流での精製プロセス中に重要品質特性をリアルタイムでモニターするためのシステムおよび方法を提供することにある。
生産または製造中のタンパク質精製中間体を特性評価または定量化することを目的とした、in situラマン分光法の方法およびシステムが提供される。一実施形態では、下流プロセシング中(すなわち、細胞培養液からタンパク質精製中間体を採取した後)にタンパク質薬物の重要品質特性を特性評価または定量化するために、in situラマン分光法を使用する。例えば、販売もしくは投与される最終医薬品への製剤前にタンパク質精製中間体が精製される際にタンパク質精製中間体の重要品質特性を特性評価および定量化するために、本開示のin situラマン分光法の方法およびシステムを使用することができる。重要品質特性としては、限定されるものではないが、タンパク質濃度、賦形剤、高分子量(HMW)種、抗体価、および薬物対抗体比が挙げられる。
一実施形態では、タンパク質精製中間体を濃縮/透析濾過すると同時に、in situラマン分光法を使用してタンパク質精製中間体の濃度をリアルタイムで測定すること、ならびに原薬の製剤に必要な所定の濃度目標および賦形剤レベルを得るために濃縮ステップのパラメーターをリアルタイムで調整することによって、濃縮タンパク質精製中間体を生成する方法が提供される。タンパク質精製中間産物は、5mg/mL〜300mg/mL、好ましくは後続の製剤ステップでは50mg/mL〜300mg/mLの濃度を有し得る。一実施形態では、一次または最終濃縮中に限外濾過を使用して、タンパク質精製中間体を所望の濃度目標に濃縮する。一次濃縮後のプロセシング中に、透析濾過をバッファー交換の手段として使用することによって、所望の最終製剤成分が達成される。タンパク質精製中間体は、バイオリアクター、流加培養、または連続培養から採取することができる。別の実施形態において、タンパク質精製中間体の濃度を測定することは、リアルタイムで連続的または断続的に行うことができる。タンパク質濃度の定量化は、約5秒〜10分の間隔で、1時間ごと、または毎日実行することができる。タンパク質精製中間体は、抗体もしくはその抗原結合フラグメント、融合タンパク質、または組換えタンパク質であることができる。スペクトルデータは、977〜1027cm−1、1408〜1485cm−1、1621〜1711cm−1、2823〜3046cm−1、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された1つ以上の波数範囲で収集され得る。
別の実施形態では、複数のタンパク質精製中間体のいずれか1つを定量化できるユニバーサルモデルを生成するために複数のタンパク質精製中間体に対してラマン分光分析を独立に実行することによってタンパク質精製中間体を生成する方法が、提供されている。タンパク質精製中間体の濃度は、タンパク質精製中間体の濃縮の開始から終了までのタンパク質精製中間体の濃縮中に、ユニバーサルモユニバーサルデルでin situラマン分光法を使用することによって測定することができる。別の実施形態では、タンパク質の商業的生産を可能にするために使用されるタンパク質濃度を定量化できるタンパク質特異的モデルを生成することを目的とした、タンパク質精製中間体を生成する方法が、提供されている。
モデルは、生スペクトルデータの部分最小二乗回帰分析を使用して、およびオフラインのタンパク質濃度データに対する直交法を使用して生成することができる。標準正規バリアント(SNV)および/またはポイント平滑化技術などのプリプロセシング技術は、モデルの変動性および予測誤差を抑えるためにラマン分光データに対して行われ得る、21cm−1平滑化一次導関数であり得る。タンパク質濃度などのCQA予測に相関するスペクトル領域を特定するために、更なるモデルの改良が行なわれ得る。一実施形態では、モデルの許容誤差は、5%以下、好ましくは3%以下である。
更に別の実施形態は、細胞培養液またはタンパク質精製中間体を精製すると同時に、in situラマン分光法を使用してリアルタイムで賦形剤の濃度を測定すること、ならびに採取された細胞培養液および/もしくはタンパク質精製中間体における所定量の賦形剤を取得または維持するために、精製ステップのパラメーターをリアルタイムで調整することによって、下流での精製中に、採取された細胞培養液および/またはタンパク質精製中間体における賦形剤のレベルをモニターおよび制御するための方法が提供される。賦形剤は、酢酸塩、クエン酸塩、ヒスチジン、コハク酸塩、リン酸塩、ヒドロキシメチルアミノメタン(トリス)、プロリン、アルギニン、スクロース、またはそれらの組み合わせであり得る。賦形剤は、ポリソルベート80、ポリソルベート20、およびポロキサマー188などの表面賦形剤であり得る。
図1は、例示的なタンパク質精製プロセスを示すフローチャートである。 図2は、インラインラマン分光法の初期モデル開発を示す、代表的なスペクトログラフである。X軸は、ラマンシフトを表す。Y軸は、強度を表す。右側の凡例は、タンパク質濃度を表す。初期モデル開発中に使用されたスペクトル領域には、左から右に、977〜1027cm−1(リング構造)、1408〜1485cm−1(アルギニン)、1621〜1711cm−1(二次構造)、および2823〜3046cm−1(C−Hストレッチ)が含まれている。 図3は、標準的な限外濾過/透析濾過ユニット操作中のmAb1のタンパク質濃度(g/L)を示す棒グラフである。空バーは、Cテクノロジーズ社(C-technologies)製SoloVPEシステムを使用したUV−Visベースのオフライン方法を用いて測定された濃度である。エラーバーの±5%が、インラインラマン予測のゴールとされる。幅広のハッチングを有するバーは、ラマン予測に含まれるmAb1不使用ユニバーサルモデルとして本明細書において言及されるモデルを表し、狭いハッチングを有するバーは、mAb1使用ユニバーサルモデルを表す。網掛けバーは、0〜120g/Lの範囲の初期ユニバーサルモデルに基づく予測に対応している。ハッチングバーは、120g/L超の初期ユニバーサルモデルからの予測に対応している。 図4は、初期のユニバーサルモデル開発に基づく様々なmAbに対する絶対ラマンモデル誤差を示す棒グラフである。ハッチングバーは、初期のユニバーサルモデル0〜120g/L(一次濃縮および透析濾過)を表し、空のバーは、初期のユニバーサルモデル120g超/L(最終濃縮)を表す。水平線は、誤差を5%以下に抑えることがラマンモデルのゴールであることを表す。 図5は、様々なmAbに対する絶対ラマンモデル誤差を示す棒グラフである。幅広のハッチングを有するバーは0〜120g/L(一次濃縮および透析濾過)を表し、狭いハッチングを有するバーは120g超/L(最終濃縮)を表す。水平線は、ラマンモデルのゴールが誤差を5%以下に抑えることを表す。ユニバーサルラマンモデルは、2通りのバージョンのものが示されている。ハッチングバーは初期のユニバーサルモデルを表し、クロスハッチングバーはアップデート済みユニバーサルモデルを表す。 図6は、インラインラマンプローブ配置の場所を含む、限外濾過/透析濾過システムの概略図である。 図7は、ユニバーサルモデルまたは最終濃縮プール(FCP)測定用のmAb10固有モデルを使用したmAb10のタンパク質濃度を示す棒グラフである。タンパク質濃度は、インラインリアルタイムラマン予測(幅広のハッチングを有するバー)、アップデート済みモデル(狭いハッチングを有するバー)、およびSoloVPE(空バー)について示されている。X軸は実験群を表し、Y軸はタンパク質濃度を表す。 図8A〜図8Bは、タンパク質濃度のベンチスケールDoEモデリングのラマンモデル誤差を示す棒グラフである。図8Aでは、UF/DFプロセシングの様々な段階(一次濃縮、透析濾過、および最終濃縮プール)におけるリアルタイム予測に対するラマンモデル誤差が、示されている。図8Bでは、UF/DFプロセシングの様々な段階(一次濃縮、透析濾過、および最終濃縮プール)での最終DoEモデルのラマンモデル誤差が示されている。 図9Aは、mAb11のパイロットプロセシング機器へのモデルスケールアップのモデル予測能力のエラー率を示す棒グラフである。ベンチスケールモデルデータが、パイロットスケールデータを組み込んだベンチスケールモデルの日付と比較されている。X軸は実験群を表し、Y軸はモデル予測能力のエラー率(%)を表す。 図9Bは、様々なモノクローナル抗体のパイロット規模のプロセシングのためのモデル予測能力を示す棒グラフである。X軸は実験群を表し、Y軸はモデル予測能力のエラー率(%)を表す。 図10Aは、ラマンフィードバック有りの例示的な自動化バッチUF/DFの概略図である。 図10Bは、ラマンフィードバック有りの例示的な自動化シングルパス/TFFの概略図である。 図11は、UF/DFプロセシングの過程でのmAb14の濃度を示すグラフである。X軸はスループット(L/m)を表し、Y軸はmAb14の濃度(g/L)を表す。 図12Aは、SE−UPLCまたはラマンモデリングのいずれかによって判別されたプロセシングの様々なステップ(一次濃縮、透析濾過、最終濃縮)中のmAb2の高分子量(HMW)種の割合を示す棒グラフである。X軸は実験群を表し、Y軸はmAb2のHMWパーセント(%)を表す。 図12Bは、mAb15の様々なスキャン時間(10秒、20秒、30秒)を使用して予測された高分子量(HMW)種の割合を示す棒グラフである。X軸は実験群を表し、Y軸はHMWパーセント(%)を表す。 図13は、mAb 14由来のモノクローナル抗体サンプルの場合、力価実測値(g/L)対ラマン力価予測値を示すドットプロットである。X軸はラマン力価予測値を表し、Y軸は力価実測値(g/L)を表す。 図14Aは、様々なモノクローナル抗体におけるラマンヒスチジン予測を示す散布図である。X軸はラマンモデリングによって予測されたヒスチジン濃度を表し、Y軸はアミノ酸分析によって測定されたヒスチジン濃度の実測値を表す。 図14Bは、モノクローナル抗体サンプルのヒスチジン濃度の実測値およびラマン予測ヒスチジン濃度を示すドットプロットである。 図14Cは、モノクローナル抗体サンプルのアルギニン濃度の実測値およびアルギニン濃度のラマン予測値を示すドットプロットである。 図15Aは、mAb 3由来のモノクローナル抗体サンプルの薬物対抗体比実測値(DAR)、およびDARのラマン予測値を示す散布図である。X軸は、DARのラマン予測値を表す。Y軸は、UV分光法により測定されたDAR実測値を表す。図15Bは、mAb 1由来のモノクローナル抗体サンプルの薬物対抗体比実測値(DAR)、およびDARのラマン予測値を示す散布図である。X軸はDARのラマン予測値を表し、Y軸はDAR実測値を表す。
I.定義
本明細書に記載の組成物および方法、ならびに記載の実験条件は変化し得るので、本開示は、これらに限定されないことを理解されたい。また、本開示の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるため、本明細書中に使用されている用語は、専ら特定の実施形態を説明することのみを目的としたものであり、限定することを意図するものではないと理解されるべきである。
別段定義されない限り、本明細書中に使用されている全ての技術用語および科学用語は、本開示が属する当該技術分野の当業者によって一般に理解されている意味と同じ意味を有する。なお、本明細書に記載されるものと類似または同等のあらゆる組成物、方法、および材料は、本発明の実施または試験に使用しても差し支えない。言及されている全ての刊行物は、その全体が参照により本明細書に援用されている。
本明細書中に別段の指示がない限り、または文脈に矛盾することが明らかでない限り、請求されている本発明について記載する文脈において、とりわけ、特許請求の範囲との関連において、「a」、「an」、「the」、および同様な指示対象の使用は、単数形および複数形の両方を対象とするものと解釈すべきである。
本明細書において別段の指示がない限り、本明細書中の値の範囲の列挙は、該範囲内に含まれる各個別の値を個々に参照する簡略法として機能することのみを意図したものにすぎず、各個別の値は、あたかも本明細書中に個々に列挙されているかのように本明細書に援用されている。
「約」という用語が使用されている場合、値は、陳述された値を約±10%の範囲で上回るかまたは下回るかのいずれかの値を記述することを意図したものである。他の実施形態において値は、陳述された値を約±5%の範囲で上回るかまたは下回るかのいずれかの値の範囲とされる場合もある。他の実施形態において値は、陳述された値を約±2%の範囲で上回るかまたは下回るかのいずれかの値の範囲とされる場合もある。他の実施形態において値は、陳述された値を約±1%の範囲で上回るかまたは下回るかのいずれかの値の範囲とされる場合もある。先行する範囲は、状況によって明確になることを意図しており、これ以上の制限は示唆されていない。本明細書中に別段の指示がない限り、または別段文脈に矛盾することが明らかでない限り、本明細書において記載される全ての方法は、任意の好適な順序で実行できる。本明細書中に提供されているありとあらゆる例、または例示的な言い回し(例えば、「のような(such as)」)の使用は、あくまで本発明を分かりやすく例証することを意図したものであり、別段請求されていない限り、本発明の範囲を限定するものではない。非請求要素が本発明の実施に必須であることを示唆する言い回しは、本明細書中に一切含まれていないものと解釈すべきである。
本明細書において、「タンパク質」は、ペプチド結合によって互いに結合された2つ以上のアミノ酸残基を含む分子を指す。タンパク質にはポリペプチドおよびペプチドが含まれ、グリコシル化、脂質結合、硫酸化、グルタミン酸残基のγ−カルボキシル化、アルキル化、ヒドロキシル化、およびADP−リボシル化などの改変も含まれる。タンパク質は、タンパク質ベースの薬物を含む科学的または商業的目的物であり得、タンパク質は、とりわけ、酵素、リガンド、レセプター、抗体およびキメラまたは融合タンパク質を含む。タンパク質は、周知の細胞培養法を用いて種々のタイプの組換え体細胞によって産生され、概して、遺伝子工学的ヌクレオチドベクター(例えば、キメラタンパク質をコードする配列、またはコドン最適化配列、イントロンレス配列など)のトランスフェクションによって細胞内に導入され、ここで、ベクターはエピソームとして存在する場合もあれば、または細胞のゲノム中に組み込まれる場合もある。
「抗体」とは、ジスルフィド結合を介して互いに結合された4つのポリペプチド鎖である、2つの重(H)鎖、および2つの軽(L)鎖からなる、免疫グロブリン分子を指す。各重鎖は、重鎖可変領域(HCVRまたはVH)と、重鎖定常領域とを、有する。重鎖定常領域には、CH1、CH2およびCH3という、3つのドメインが含まれている。各軽鎖は、軽鎖可変領域と、軽鎖定常領域とを、有する。軽鎖定常領域は、1つのドメイン(CL)からなる。VH領域およびVL領域は、相補性決定領域(CDR)と呼称される超可変性領域に更に細分化されており、これらCDRには、フレームワーク領域(FR)と呼称される、保全度の高い領域が散在している。VHおよびVLはそれぞれ、3つのCDRおよび4つのFRで構成され、これらは、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4の順序でアミノ末端からカルボキシ末端にかけて配置されている。「抗体」という用語には、任意のアイソタイプまたはサブクラスのグリコシル化および非グリコシル化免疫グロブリンの両方に対する言及が包含される。「抗体」という用語には、抗体発現用にトランスフェクトされた宿主細胞から単離された抗体のように、組換え手段によって調製、発現、作製または単離された抗体分子も包含される。また、抗体という用語には、二重特異性抗体も含まれ、この二重特異性抗体には、複数のそれぞれ異なるエピトープに結合できるヘテロ四量体免疫グロブリンが含まれる。二重特異性抗体は、概して、米国特許出願公開第2010/0331527号に記載されており、該文献は参照により本出願に援用されている。
「二次構造」とは、局所的に折り畳まれた構造で、バックボーンの原子間の相互作用により、ポリペプチド内に形成されるものを指す。二次構造のタイプで最も一般的なのは、αヘリックスおよびβプリーツシートである。両方の構造は、あるアミノ酸のカルボニルOと別のアミノ酸のアミノHとの間に形成される水素結合によって形状を保持している。
本明細書において、「賦形剤」とは、製剤化原薬を長期保存するための安定剤として使用される、薬理学的に不活性な物質を指す。追加的な賦形剤を最終濃縮プールに添加することによって、製剤化原薬を生成するのが一般的ではあるが、UF/DFプロセシング中は、賦形剤レベルをモニターすることによって、所望の製剤戦略に対し賦形剤レベルの影響が及ぶことのないようにしている。賦形剤は、医薬製剤に対しバルクを提供し、薬物の吸収または溶解性を促進し、安定性を提供し、且つ変性を防止する。一般的な医薬賦形剤としては、限定されるものではないが、アミノ酸、充填剤、結合剤、崩壊剤、コーティング、吸着剤、緩衝剤、キレート剤、潤滑剤、流動促進剤、防腐剤、抗酸化剤、香料、甘味料、着色剤、溶媒および共溶媒、ならびに粘度付与剤が挙げられる。一実施形態において、賦形剤は、PEG−3550を含むがこれに限定されないポリエチレングリコールである。
「ポリエチレングリコール」または「PEG」は、食品、医薬品および化粧品に一般に用いられているエチレンオキシドのポリエーテルポリマーである。これは、生体分子の溶解度を低下させる分子として有用な非イオン性高分子である。PEGは、300g/mol〜10,000,000g/molの範囲の様々な分子量のものが市販されている。PEGの例示的なタイプとしては、限定されるものではないが、PEG20000、PEG8000、およびPEG3350が挙げられる。PEGは、直鎖状、分岐(3〜10本の鎖が中央コアに付着)、星型(10〜100本の鎖が中央コアに付着)、および櫛型(複数の鎖がポリマー骨格に付着)など、様々な形状ものが出回っている。
「ラマン分光法」は、分子からの非弾性散乱光の波長および強度を測定するために使用される分光技術である。この分光技術の基盤となっているのは、材料への単色の入射放射線が、放射線を受け取る特定の分子もしくはタンパク質に依存する具体的な方法で反射、吸収、または散乱されるという原理である。エネルギーの大部分は、弾性散乱またはレイリー散乱と呼称される同じ波長にて散乱される。散乱量が少量(0.001%未満)の場合、非弾性散乱またはラマン散乱と呼称される様々な波長にて散乱される。ラマン散乱は、回転、振動、および電子レベル遷移に関連している。サンプルの化学的および構造的組成を、ラマン分光法によって明らかにすることが可能である。
「限外濾過」とは、タンパク質治療薬の下流プロセシングにおいてタンパク質濃縮の用途に繁用されている膜プロセスであり、組換えタンパク質の精製中、限外濾過はサイズベースの分離であり、この分離では、膜の細孔よりも大きい種は保持され、小さい種は自由に通過する。プロセシング中に、タンパク質溶液を、半透過性の平行なフラットシート膜の表面を横断的に接線方向にてポンプ圧送する。膜はバッファーおよびバッファー塩に対しては透過性である一方、概してモノクローナル抗体に対しては不透過性である。膜流路の出口における流れ制限によって誘発された膜貫通圧力(TMP)に対し、浸透の推進力が印加される(TMP=(Pfeed+Pretentate)/2−Ppermeate)。
本明細書において、「一次濃縮」とは、膜貫通圧力によって透過性膜を横切って水および塩が駆動され、これにより液体の量が減少して、タンパク質濃度が上がる最初のステップを指す。スループット、タンパク質の安定性、プロセシング時間、およびバッファー消費量のバランスを良好にするために、一次濃縮の濃度の程度を最適化する場合もある。
本明細書において、「透析濾過」とは、半透膜を使用して、ある液体媒体から別の液体媒体に関心対象の産物をやりとりする技術を指す。バッファー交換および脱塩を、通常は透析濾過モードを用いて実行し、タンパク質を安定したpHおよび賦形剤濃度に調整することを目的としたバッファーを、継続的に添加することによって、小型不純物およびバッファー成分を産物から効率的に洗い流し、それにより、産物を高濃度にすることを可能としている。これは、プロセシング技術に基づいて、連続モードまたは不連続モードで実行できる。
不純物および塩を除去すると同時に、所望される体積減少を達成するために、しばしば透析濾過は限外濾過と併用される。UF/DFは、下流精製の最終ユニット操作であり、これは、mAbの調整によって、長期保存および安定化賦形剤の添加につながるpH、賦形剤含有量、およびタンパク質濃度を達成し、製剤化原薬(FDS)を生成する。
本明細書中に使用されている「最終濃縮」は、膜貫通圧力によって、透過性膜を横切って水と塩が駆動され、それにより、液体の量が減少して、タンパク質濃度が貯蔵および/または配合物のための所望される目標まで増加する最終ステップを指す。最終濃縮ステップで得られたプールは、最終濃縮プール(FCP)である。この最終濃縮ステップは、連続プロセシングモード、または不連続プロセシングモードで実行され得る。
「バイオ製品」および「タンパク質精製中間体」という用語は互換的に使用され得、任意の抗体、抗体フラグメント、修飾抗体、タンパク質、糖タンパク質、または融合タンパク質、ならびにバイオリアクタープロセスから精製された最終原薬を指す。
「制御」および「制御」という用語は、採取された細胞培養液中の重要品質特性の量または濃度レベルを、事前定義済みの設定点に合うように調整することを指す。
本明細書において、「上流プロセシング」という用語は、抗体または治療用タンパク質が、通常、細菌または哺乳動物の細胞株によって、バイオリアクター内で産生される最初のステップを指す。上流のプロセシングには、培地の調製、細胞培養、細胞の分離および採取が含まれる。細胞は、所望の密度に達した際に、採取されてバイオプロセスの下流セクションに移動する。「下流プロセシング」という用語は、バイオリアクターから抗体または治療用タンパク質が採取された後に実行される単離および精製を指す。これは、いくつかの異なるモダリティを介して水溶液から産物を回収することを意味するのが、通例である。採取された産物は、下流のプロセシング中に純度および重要品質特性の要件を満たすようにプロセシングされる。
本明細書において、「タンパク質精製中間体」という用語は、バイオリアクターから採取されたタンパク質を指し、下流プロセシング中の任意の中間体を指す。
「濃縮タンパク質精製中間体」という用語は、濃度が5mg/mL超のタンパク質精製中間体を指す。濃度は50mg/mL〜300mg/mLの間であることが、より好ましい。
「モニター」および「モニタリング」という用語は、細胞培養物または採取された細胞培養液中の重要品質特性の量または濃度レベルを定期的にチェックすることを指す。
「採取された細胞培養液」という用語は、関心対象の任意のタンパク質を分泌するように設計された細胞を含むバイオリアクターから取り出される液体を指す。「採取された細胞培養液」は、分泌された関心対象の任意のタンパク質、例えばモノクローナル抗体を最適に含有する。
本明細書書中に使用されている「重要品質特性(CQA)」は、生物学的治療薬製品の所望の製品品質を保証するうえで適切な限界、範囲もしくは分布内にあるべき物理的、化学的、生物学的、または微生物学的特性または特徴を指す。これらの属性は、安全性、有効性、および/または効力に影響を与える可能性がある。重要品質特性としては、限定されるものではないが、タンパク質濃度、高分子量種、バッファー賦形剤、およびpHが挙げられる。
本明細書において、「製剤化原薬」とは、薬理学的活性を提供することを目的とした有効成分であるが、そのような成分の合成に使用される中間体が含まれないものを指す。
本明細書において、「ユニバーサルモデル」とは、重要品質特性を予測するために使用される様々な組換えタンパク質のスペクトル特性の数学的相関関係を指す。
本明細書において、「mAb固有モデル」とは、重要品質特性を予測する用途に用いられる1つの特定のタンパク質のスペクトル特性の数学的相関関係を指す。
本明細書において、「力価」とは、溶液中の抗体またはタンパク質分子の量を指す。
II.下流のタンパク質精製産物の特性を評価するための、システムおよび方法
タンパク質製造中のタンパク質濃度をモニターおよび制御するためのシステムおよび方法が、提供される。濃縮されたタンパク質溶液を正確に測定するのが困難であるのは、溶液の粘度が高い(10cP超)という理由に起因する。正確な定量を行うには、特殊なオフライン機器が必要であるだけでなく、通常は溶液を希釈することも必要とされる。UF/DFが高濃度の場合、最終的な賦形剤レベルが、ギブス−ドナン効果によるタンパク質濃度の関数となる。製造中にリアルタイムでモニターおよび分析が利用できないことは、プロセシング時間を長引かせ、CQAが満たされないことに起因するバッチ障害の可能性を増加させる。本明細書に開示されているシステムおよび方法は、タンパク質濃度および他の重要品質特性のインラインモニタリングに使用することができる。
一実施形態において、ラマン分光システムは、高濃度(150g/L以上)の最終濃縮プールの製造中に使用されるインラインまたはin situラマン分光システムである。典型的に、ラマン分光システムは、タンパク質精製中間体の生産の下流で、例えば、バイオリアクターまたは流加培養システムからの採取後のタンパク質精製中間体のプロセシングおよび後続の精製中に使用される。例示的なタンパク質精製プロセスは、図1に図示されている通りである。通常、細胞培養物からタンパク質精製中間体を、採取(100)、アフィニティー捕捉(110)、ウイルス不活生化(120)、ポリッシングクロマトグラフィー(130および140)、ウイルス保持濾過(150)、および限外濾過/透析濾過(160)などの様々な精製ステップにて処理して、最終的な濃縮プールを生成した後、原薬に製剤化する。一実施形態では、採取された細胞培養液中のタンパク質濃度のモニタリングを、in situラマン分光法によって行う。
A.ラマン分光法
一実施形態では、採取された細胞培養液中のタンパク質濃度のモニタリングおよび制御を、ラマン分光法によって行う。ラマン分光法は、サンプルの同定および重要品質特性の定量化に使用可能な分子振動に関する情報を提供する、振動分光法の一種である。In situラマン分析は、ラマン分光計で分析するためにサンプルの一部を抽出することなしに、元の場所でサンプルを分析する方法である。in situラマン分析は、ラマン分光分析装置が非侵襲的且つ非破壊的であり、汚染およびタンパク質品質の損失のリスクを低減するという点で有利である。インラインラマン分析を実装して、採取した細胞培養液、タンパク質精製中間体、および/または最終濃縮プールのタンパク質濃度をモニターしながら、連続プロセシングを可能にし得る。
in situラマン分析では、タンパク質精製中間体におけるタンパク質濃度のリアルタイム評価を提供することが可能である。例えば、タンパク質精製中間体の現在のタンパク質濃度を取得およびモニターするために、in situラマン分光法により提供される生スペクトルデータを使用することができる。本態様において、生スペクトルデータを連続的に最新の状態に更新されるようにするには、ラマン分光法からのスペクトルデータは約5秒から10時間ごとに取得する必要がある。別の実施形態では、スペクトルデータを、約15分〜1時間ごとに取得する必要がある。別の実施形態では、スペクトルデータを、約20分〜30分ごとに取得する必要がある。
タンパク質精製中間体におけるタンパク質濃度のモニタリングを、in situラマン分析を可能にする任意の市販のラマン分光分析装置で分析することができる。in situラマン分析装置は、タンパク質精製中間体内の生スペクトルデータを得る機能を有する必要がある。例えば、ラマン分析装置には、流体回路のインラインに挿入できるプローブを装備する必要がある。好適なラマン分析装置としては、限定されるものではないが、ミシガン州アナーバーのカーサーオプティカル社(Kaiser Optical Systems,Inc.)製RamanRXN2およびRamanRXN4アナライザーが挙げられる。
in situラマン分光法によって得られた生スペクトルデータは、スペクトルデータ内のピークをタンパク質濃度に相関させるために、オフラインのタンパク質濃度測定と比較してもよい。どのスペクトル領域がタンパク質シグナルを示すかを判別するために、オフラインのタンパク質濃度測定を使用してもよい。オフライン測定データは、任意の適切な分析方法を通して収集され得る。例えば、タンパク質濃度の場合、Cテクノロジーズ社(C−technologies)製SoloVPEを使用してオフライン測定値を収集することができる。追加的に、スウェーデン国ウメオのMKSデータアナリティックソリューション社(MKS Data Analytic Solutions)製SIMCA 13をはじめとするあらゆるタイプの多変量ソフトウェアパッケージを使用して、生スペクトルデータ内のピークをタンパク質濃度のオフライン測定値に相関させてもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、変動するベースラインを除去するために、生スペクトルデータをスペクトルフィルターで前処理する必要がある場合もある。例えば、生スペクトルデータは、任意のタイプのポイント平滑化技術または正規化技術で前処理できる。ラマン分析装置を使用して、プローブ、光学系、レーザー出力の変動、および露光時間を補正するには、正規化が必要になる場合がある。一実施形態において、生スペクトルデータは、21cm−1ポイント平滑化一次導関数などのポイント平滑化、および標準正規変量(SNV)正規化などの正規化で処理され得る。これらのプリプロセシング技術を、モデル予測を改善するために、特定のスペクトル領域に対して組み合わせてもよい。
得られたスペクトルデータに対してケモメトリックモデリングを実行してもよい。本態様において、1つ以上の多変量方法としては、限定されるものではないが、部分最小二乗(PLS)、主成分分析(PCA)、直交部分最小二乗(OPLS)、多変量回帰、正準相関、因子分析、クラスター分析、グラフィカル手順などが挙げられ、これら多変量方法を、スペクトルデータに対して使用することができる。一実施形態において、得られたスペクトルデータは、PLS回帰モデルを作成する用途に使用される。PLS回帰モデルは、予測変数および観測変数を新しい空間に対し投影することによって作成され得る。本態様において、PLS回帰モデルの作成に、ラマン分析から得られた測定値およびオフライン測定値を使用する場合もある。PLS回帰モデルは、予測されたプロセス値、例えばタンパク質濃度の予測値を提供する。一実施形態では、本モデルは、オフラインタンパク質濃度値と比較して誤差が5%以下の、タンパク質濃度予測値を提供する。好ましい実施形態では、本モデルは、オフラインタンパク質濃度値と比較して誤差が3%以下の、タンパク質濃度の予測値を提供する。
ケモメトリックモデリングの後に、タンパク質濃度の予測値に対し信号プロセシング技術を適用してもよい。一実施形態では、信号プロセシング技術がモデルの変動性および予測誤差を抑制する。本態様では、タンパク質濃度の予測値に対し1つ以上のプリプロセシング技術を適用する場合もある。当業者に公知である任意のプリプロセシング技術が利用され得る。例えば、ノイズ除去技術には、データ平滑化および/または信号除去が含まれる場合もある。平滑化は、一連の平滑化アルゴリズムとフィルターによって実現されるが、信号除去では、信号特性を使用して、分析されたスペクトルデータに含めるべきではないデータを同定する。一実施形態において、タンパク質濃度の予測値は、ノイズリダクションフィルターによってノイズが軽減される。ノイズリダクションフィルターで、最終的なタンパク質濃度の予測値が得られる。本態様におけるノイズリダクション手法は、生測定値と、モデルに従って測定値が何に帰結するかに関するモデルベースの推定値とを組み合わせたものである。一実施形態において、ノイズ除去技術は、現在予測されているタンパク質濃度値とその不確実性とを組み合わせたものである。不確実性は、タンパク質濃度の予測値と現在のタンパク質濃度値の再現性によって判別することができる。次のタンパク質濃度予測値が観察されると、予測されるタンパク質濃度値の推定値は、より高い確実性を有する推定値により多くの重みが与えられた加重平均を使用してアップデートされる。反復アプローチを使用すると、最終的なタンパク質濃度値が、以前の測定値と現在の測定値に基づいてアップデートされ得る。本態様において、アルゴリズムは再帰的であるべきあり、現在のタンパク質濃度の予測値、以前の値、および実験的に測定された定数を利用するようにリアルタイムで実行することができる。ノイズ除去技術は、自動フィードバックコントローラーが作用するノイズを低減することにより、ラマン分析とPLS予測から受け取った測定値のロバスト性を向上させる。
B.使用方法
本開示の方法を使用して、下流のタンパク質精製プロセス中に、採取した細胞培養および/またはタンパク質精製中間体液中のタンパク質濃度をモニターおよび制御することが可能である。一般的な下流での精製プロセスとしては、限定されるものではないが、遠心分離、直接深層濾過、プロテインAアフィニティー精製、ウイルス不活生化ステップ、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、限外濾過/透析濾過、ウイルス保持濾過、およびそれらの組み合わせが挙げられる。これらのユニット操作は、関心対象の任意のタンパク質を分離し、且つ、製剤化原薬を製造する前に、不純物および/または重要品質特性がモニターされていることを確実にするために、定義された順次の組み合わせで使用される。一実施形態において、本開示の方法は、流体回路のインラインのラマンプローブを含む。別の実施形態では、本開示の方法は、濃縮タンパク質精製中間体または最終濃縮プールを生成するために使用することができる。
1.抗体価およびタンパク質濃度
抗体価およびタンパク質濃度の両方は、バイオ製品の精製における重要な要素となる。細胞培養液の最初の採取後に測定された抗体価は、カラム負荷を測定し、不純物を除去するためのロバストな精製プロセスを確保するうえで重要とされる。精製ステップ全体でタンパク質濃度をモニターすることが重要とされるのは、最終産物の適切な濃度、および実行される精製ユニット操作の適切なパフォーマンスの両方を確保する目的からである。不適当なタンパク質濃は、効果的でない医薬品または製剤化原薬生成につながる可能性がある。
一実施形態では、採取された細胞培養液を、ラマンスペクトル分析に供するのは、採取直後、但し追加的な精製が開始される前である。ラマンスペクトルデータを使用して、採取後に、採取された細胞培養液中の抗体価を定量化することができる。タンパク質精製プロセス中、例えば、アフィニティー捕捉中、ポリッシングクロマトグラフィー中、ウイルス保持濾過中、または限外濾過/透析濾過中の複数のステップにおいて本開示の方法を使用して、タンパク質濃度を測定することができる。インラインラマンプローブは、システムからサンプルを除去することなしに、採取した細胞培養液および/または流体回路内のタンパク質精製中間体のラマン散乱を検出し、通常はオフラインで決定される分析的な特性評価を提供することを可能にしている。
一実施形態では、限外濾過/透析濾過中にタンパク質濃度が所定の濃度範囲を外れた場合、システムに通知され、それに応じてタンパク質精製中間体が変更される。例えば、タンパク質精製中間体のタンパク質濃度が所定のタンパク質濃度よりも低い場合、限外濾過/透析濾過を実施することにより、タンパク質精製中間体を更に濃縮することが可能である。
一実施形態では、濃縮ステップをプロテインAアフィニティークロマトグラフィーにより実行する。
2.薬物対抗体比
別の実施形態では、本開示の方法を、薬物対抗体比(DAR)をモニターおよび制御するために使用することができる。DARは、一貫した産物品質を保証する、およびペイロードによる後続のラベリングを促進するために、抗体薬物複合体(ADC)、抗体放射性核種複合体(ARC)、および一般的なタンパク質複合体(強力なステロイド、非細胞毒性ペイロードなど)の開発中にモニターされる、品質属性である。DARは、抗体に結合した薬物または他の治療用分子の平均数であり、治療用複合体の製造における重要な品質属性である。DAR値は、薬物負荷が低いと薬効が低下し、負荷が高いと薬物動態および安全性に悪影響を与える可能性があるため、結合薬物の有効性に影響を及ぼす。
一実施形態において、抗体放射性核種複合体をラマンスペクトル分析に供するのは、コンジュゲートされた直後、但し追加的な精製が行われる前である。DARを求めるために、ラマンスペクトルデータを、コンジュゲーション後に使用することができる。
一実施形態において、プロセシング中にDARが所定の濃度範囲を外れた場合は、システムに通知され、それに応じてADC中間体が改変される。例えば、ADC中間体のDARが所定のDARを下回る場合、コンジュゲーション反応の構成要素を変更してもよい。例えば、反応物濃度を最適化したり、リンカーのタイプを変更したり、温度を変更してもよいし、あるいはその他の製造変数を最適化してもよい。
3.バッファー賦形剤
本開示の方法を、下流での精製中に、採取した細胞培養液および/またはタンパク質精製中間体におけるバッファー賦形剤のレベルをモニターおよび制御するために使用することが可能である。モノクローナル抗体の製造に一般に使用されるバッファー賦形剤としては、限定されるものではないが、酢酸塩、クエン酸塩、ヒスチジン、コハク酸塩、リン酸塩、およびヒドロキシメチルアミノメタン(トリス)のほか、プロリン、およびアルギニンが挙げられる。界面活性剤賦形剤としては、限定されるものではないが、ポリソルベート80(Tween 80)、ポリソルベート20(Tween 20)、およびポロキサマー188が挙げられる。ポリオール/二糖/多糖賦形剤としては、限定されるものではないが、マンニトール、ソルビトール、スクロース、およびデキストラン40が挙げられる。抗酸化賦形剤としては、限定されるものではないが、アスコルビン酸、メチオニン、およびエチレンジアミン四酢酸(EDTA)が挙げられる。2つの一般に使用されるアミノ酸賦形剤は、ヒスチジンおよびアルギニンである。好ましい実施形態において、モニターおよび制御対象とされている賦形剤は、ヒスチジンおよびアルギニンである。
最終濃縮プール賦形剤濃度は、排除体積効果とドナン効果の組み合わせにより、透析濾過バッファーの組成とは異なる。ドナン効果は、UF/DF中に膜によって正味の正に帯電したタンパク質が保持され、保持液および透過液の両方で電荷の中性が必要になるために発生する現象である。正に帯電したタンパク質のバランスをとるため、負に帯電したバッファー成分を、透析濾過バッファーと比較して保持液において富化させる一方で、正に帯電したバッファー成分を排出させる。この効果が及んだ場合、FCPのpHおよびバッファー賦形剤の濃度が、透析濾過バッファーの組成とは有意に相違するに至る可能性がある(Stoner,et al.,J Pharm Sci, 93:2332−2342(2004))。
体積排除は、タンパク質が溶液体積の有意部分を占める、高濃度サンプルの挙動を表す。タンパク質が占める体積からバッファーが排除され、溶液体積当たりの溶質のモル(または質量)として表されるタンパク質濃度が増加するにつれて、バッファーの溶質濃度が減少する。バッファーがタンパク質が占める体積から排除され、溶液体積当たりの溶質のモル(または質量)として表されるタンパク質濃度が増加するにつれて、バッファーの溶質濃度が減少する。
これらの原則および重要品質特性であるバッファー賦形剤レベルの両方に基づいて、インラインラマンプローブは、オフラインの分析的な特性評価を最小限に抑え、且つ、製剤前に賦形剤レベルが十分であることを確実にするためのプロセスの更なる理解を提供する。
4.高分子量不純物
モノクローナル抗体の製造では、大規模な精製ステップを行った後でも、低レベルの目的物質関連(products-related)不純物が存在することがしばしばある。高分子量(HMW)種(例:抗体ダイマー種)は、mAb産物のサイズの不均一性に寄与する目的物質関連不純物である。タンパク質凝集の結果としての治療用mAb医薬品内でのHMW種の形成は、薬効および安全性の両方を損う恐れがある。HMW種は、医薬品開発中に、および製造中の精製タンパク質医薬品放出試験の一部として定期的にモニター対象となるCQAであると見なされる。
一実施形態において、本開示の方法は、HMW種を含有しているタンパク質医薬品を同定するために使用することができる。HMW種は、精製プロセス中の様々なステップ、例えば、限定されるものではないが、アフィニティー捕捉中、ウイルス不活生化中、ポリッシングクロマトグラフィー中、ウイルス保持濾過中、限外濾過/透析濾過中、またはそれらの組み合わせなどにおいてラマン分光法によって検出することができる。
一実施形態において、本開示の方法は、採取された細胞培養液中のHMW種を検出し、その流体は、HMW種を除去するために更に処理される。細胞培養液用のHMW種を除去する方法には、限定されるものではないが、陽イオン交換クロマトグラフィーおよび陰イオン交換クロマトグラフィーをはじめとする追加的なポリッシングステップが含まれる。
C.UF/DFシステム
図6は、例えばインラインラマンプローブの様々な場所(丸で囲んだ番号1〜4)を含む限外濾過/透析濾過プロセシングシステムを図示する。タンパク質精製中間体は、透析濾過ポンプ200によって保持液ベッセル205にポンプで圧送される。この透析濾過ポンプは、蠕動ポンプ、回転ローブ、圧力伝達、またはダイアフラムポンプであり得る。保持液ベッセル205からの流体は、回転ローブ、蠕動ポンプまたはダイアフラムポンプのいずれかであり得るフィードポンプ210に流れ、フィード圧力弁215を通過して、接線流濾過モジュール(TFFM)220に入る。TFFM220では、タンパク質精製中間体が、膜を通過する限外濾過に供される。関心対象のバイオ製品は、流体(保持液)に保持され、一方、水およびバッファー賦形剤を含む低分子量溶質は、透過液(濾液)中に含まれて膜を通過し、これは透過液圧力弁225を通過することによってシステムから出て、廃液タンク230に入る。保持液は、TFFM220を出て、保持液圧力弁235、膜貫通圧力制御弁240、および保持液戻りチャネル245を通過し、保持液ベッセル205内に流れ戻る。このプロセスを必要に応じて繰り返して、バイオ製品を濃縮し、不純物を除去し、CQAが確実に許容範囲内に含まれるようにできる。透析濾過中は、上記と同じ流路をたどり、新しいバッファーが産物ストリームにそそぎ入れられるときに透過性溶質が交換される。システムから透過液が除去されるのと同じ速度で新しいバッファーが添加される場合、保持液タンクおよびスキッドホールドアップ容量の合計によってシステム容量が規定される。1ターンオーバーボリューム(TOV)は、システム容量に等しい、UF/DFプロセスに追加される透析濾過バッファーの量として規定される。典型的に、システム容量の8倍(8 TOV)の交換が、99.9%を上回るバッファー交換を保証する(Schwarts,L.,Scientific and Technical Report,PN 33289)。
追加的に、UF/DFプロセスの間、保持液ベッセル205内でタンパク質溶液を混合する必要がある。透析濾過中の透析濾過バッファー、保持液戻り分およびバルク保持液の間の密度における差異は、タンク内の攪拌が、適切なバッファー交換が確実に為されるのに十分でありながら、しかも、せん断が回避される程度に十分に穏やかであることを必要とする。なぜならば、これらが特定の産物においてタンパク質の凝集および目視不可能な粒子(SVP)の生成をもたらすことが観察されてきたからである。追加的に、より高いタンパク質濃度がUF/DF膜に供給されることになる保持液タンク内のタンパク質濃度の分極を防止するために、濃縮段階において保持液の戻り分の適切な混合を確実にすることが重要である。
一実施形態では、透析濾過ポンプ200の下流の保持液ベッセル205内の位置1に、ラマンプローブを配置する。代替的に、ラマンプローブを、保持液ベッセル205の下流でフィードポンプ210の前の位置2にインラインにて配置することができる。別の実施形態において、ラマンプローブは、フィード圧力ポンプ215と接線流濾過モジュール220との間の位置3に、インラインにて配置される。更に別の実施形態では、ラマンプローブは、保持液リターン245にインラインで配置される。エンジニアリングおよびプロセシング上の制約を伴う複雑なシステムにおいて、ラマンプローブの位置は、正確なインライン測定を保証するうえで決定的な重要性を持つ。
D.細胞培養
採取された細胞培養液は、モノクローナル抗体を産生するように設計された細胞を含有しているバイオリアクターから採取することができる。「細胞」という用語には、組換え核酸配列を発現するのに好適な、任意の細胞が包含される。細胞には、細菌細胞、哺乳類細胞、ヒト細胞、非ヒト動物細胞、鳥類細胞、昆虫細胞、酵母細胞などの原核生物および真核生物の細胞、または例えばハイブリドーマやクアドロマスなどの細胞融合体が挙げられる。或る特定の実施形態において、細胞は、ヒト、サル、類人猿、ハムスター、ラットまたはマウスの細胞である。他の実施形態において、細胞は、下記の細胞:チャイニーズハムスター卵巣(CHO)(例えば、CHO K1、DXB−11 CHO、Veggie−CHO)、COS(例えば、COS−7)、網膜細胞、ベロ(Vero)、CV1、腎臓(例えば、HEK293、293 EBNA、MSR 293 、MDCK、HaK、BHK21)、HeLa、HepG2、WI38、MRC 5、Colo25、HB 8065、HL−60、リンパ球などジャーカット(Tリンパ球)またはDaudi(Bリンパ球)、A431(表皮)、U937、3T3、L細胞、C127細胞、SP2/0、NS−0、MMT細胞、幹細胞、腫瘍細胞、および前述の細胞に由来する細胞株から選択される。いくつかの実施形態では、1つ以上のウイルス遺伝子、例えば、ウイルス遺伝子を発現する網膜細胞(例えば、PER.C6(登録商標)細胞)が、細胞内に含まれる。いくつかの実施形態では、細胞は、CHO細胞である。他の実施形態では、細胞はCHO K1である。
タンパク質生産において、「流加細胞培養」または「流加培養」が意味するバッチ培養では、まず細胞および培地を培養ベッセルに供給する。追加的な培養栄養素は、培養中に不連続な増分にて培養物にゆっくり供給され、この栄養素供給は、培養終了前に、細胞および/または産物を定期的に採取することの有無に関係なく為される。流加培養には、培養物全体(細胞および培地を含み得る)を定期的に取り除いて新鮮な培地と交換する、「半連続流加培養」が含まれる。流加培養は、単純な「バッチ培養」とは区別される。このバッチ培養において、細胞培養用の全てのコンポーネント(動物細胞および全ての培養栄養素を含む)が、バッチ培養の培養プロセスの開始時に培養ベッセルに供給される。流加培養は、標準的な流加プロセス中に培養ベッセルから上澄みが除去されない限り、「灌流培養」とは異なり得る。この灌流培養では、細胞は、例えば濾過によって培養物中に拘束され、培養培地が連続的または断続的に導入されて培養ベッセルから除去される。対照的に、流加細胞培養中には、試験目的でサンプルを取り除くことが想到される。流加プロセスは、最大の作業体積および/またはタンパク質産生が到達されたことが判別されるまで継続され、その後タンパク質が採取される。
「連続細胞培養」という語句は、通常は特定の増殖期において、細胞を連続的に増殖させる用途に使用される技術に関連している。例えば、細胞をコンスタントに供給することが必要とされる場合、または特定の関心対象の任意のタンパク質を生産することが必要とされる場合、細胞培養物を、特定の成長段階にて、維持保守することが必要であると考えられる。したがって、その特定の段階にて細胞を維持保守するには、条件を継続的にモニターして、それに応じて調整される必要がある。
「細胞培養培地」および「培養培地」という用語は、哺乳動物細胞を増殖させるために使用される栄養溶液を指し、通常は、細胞の成長を促進するために必要な栄養素、例えば、炭水化物エネルギー源、必須アミノ酸(例:フェニルアラニン、バリン、スレオニン、トリプトファン、メチオニン、ロイシン、イソロイシン、リジン、およびヒスチジン)および非必須アミノ酸(例:アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、プロリン、セリン、およびチロシン)、微量元素、エネルギー源、脂質、ビタミンなどを提供する。細胞培養培地は、抽出物、例えば、血清またはペプトン(加水分解物)を含有していてもよく、これによって、細胞の成長を支援する原材料が供給される。培地中に、動物由来の抽出物を含有させる代わりに、酵母由来または大豆抽出物を含有させてもよい。化学的に定義された培地とは、全ての化学成分が公知である(すなわち、公知の化学構造を有する)細胞培養培地を指す。化学的に規定されている培地には、血清または動物由来のペプトンのような、動物由来の成分は全く含まれていない。一実施形態では、培地は、化学的に規定されている培地である。
また、溶液中には、成長率および/または生存率を最低率を超える程度に増強させる、ホルモンおよび成長因子を含む成分も含有されていてもよい。本溶液は、培養の対象となる特定の細胞を生存させ且つ増殖させるのに最適なpHおよび塩濃度となるように調合してもよい。
E.関心対象の任意のタンパク質
原核細胞または真核細胞での発現に好適な関心対象の任意のタンパク質は、本開示の方法を使用してモニターされ得る。例えば、関心対象の任意のタンパク質としては、限定されるものではないが、抗体もしくはその抗原結合フラグメント、キメラ抗体もしくはその抗原結合フラグメント、ScFvもしくはそのフラグメント、Fc融合タンパク質もしくはそのフラグメント、成長因子もしくはそのフラグメント、サイトカインもしくはそのフラグメント、または細胞表面受容体の細胞外ドメインもしくはそのフラグメントが、挙げられる。関心対象の任意のタンパク質は、単一のサブユニットからなる単純なポリペプチドである場合もあれば、あるいは2つ以上のサブユニットを含む複雑なマルチサブユニットタンパク質である場合もある。関心対象の任意のタンパク質は、バイオ医薬品、食品添加物もしくは保存料、または精製および品質基準の対象となる任意のタンパク質産物であってもよい。
いくつかの実施形態において、抗体は、下記:抗プログラム細胞死1抗体(例:抗PD1抗体、出典:米国特許第9,987,500号)、抗プログラム細胞死リガンド−1(例:抗PD−L1抗体、出典:米国特許第9,938,345号)、抗Dll4抗体、抗アンジオポエチン−2抗体(例:抗ANG2抗体、出典:米国特許第9,402,898号)、抗アンジオポエチン様3抗体(例:抗AngPtl3抗体、出典:米国特許第9,018,356号)、抗血小板由来成長因子受容体抗体(例:抗PDGFR抗体、出典:米国特許第9,265,827号)、抗Erb3抗体、抗プロラクチン受容体抗体(例:抗PRLR抗体、出典:米国特許第9,302,015号)、抗補体5抗体(例:抗C5抗体、出典:米国特許第9,795,121号)、抗TNF抗体、抗上皮成長因子受容体抗体(例:抗EGFR抗体、出典:米国特許第9,132,192号または抗EGFRvIII抗体、出典:米国特許第9,475,875号)、抗プロプロテインコンバターゼサブチリシンケキシン−9抗体(例:抗PCSK9抗体、出典:米国特許第8,062,640号または米国特許第9,540,449号)、抗増殖分化因子8抗体(例:抗GDF8抗体、別称:抗ミオスタチン抗体、出典:米国特許第8,871,209号または同第9,260,515号)、抗グルカゴン受容体(例:抗GCGR抗体、出典:米国特許第9,587,029号または同第9,657,099号)、抗VEGF抗体、抗IL1R抗体、インターロイキン4受容体抗体(例:抗IL4R抗体、出典:米国特許出願公開第2014/0271681(A1)号または米国特許第8,735,095号または同第8,945,559号)、抗インターロイキン6受容体抗体(例:抗IL6R抗体、出典:米国特許第7,582,298、同第8,043,617号、または同第9,173,880号)、抗IL1抗体、抗IL2抗体、抗IL3抗体、抗IL4抗体、抗IL5抗体、抗IL6抗体、抗IL7抗体、抗インターロイキン33(例:抗IL33抗体、出典:米国特許第9,453,072号または同第9,637,535号)、抗呼吸系発疹抗体(例:抗RSV抗体、出典:米国特許出願公開第9,447,173号)、抗分化クラスター3(例:抗CD3抗体、出典:米国特許第9,447,173号および同第9,447,173号、ならびに米国特許出願第62/222,605号)、抗分化クラスター20(例:抗CD20抗体、出典:米国特許第9,657,102号および米国特許出願公開第20150266966(A1)号、米国特許第7,879,984号)、抗CD19抗体、抗CD28抗体、抗分化クラスター48(例:抗CD48抗体、出典:米国特許第9,228,014号)、抗Fel d1抗体(例えば、米国特許第9,079,948号に記載されているもの)、抗中東呼吸器症候群ウイルス(例:抗MERS抗体、出典:米国特許第9,718,872号)、抗エボラウイルス抗体(出典例:米国特許第9,771,414号)、抗ジカウイルス抗体、抗リンパ球活性化遺伝子3抗体(例:抗LAG3抗体もしくは抗CD223抗体)、抗神経成長因子抗体(例:抗NGF抗体、出典:米国特許出願公開第2016/0017029号および米国特許第8,309,088号および同第9,353,176号)、ならびに抗アクチビンA抗体からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、二重特異性抗体は、下記:抗CD3x抗CD20二重特異性抗体(出典:米国特許第9,657,102号および米国特許出願公開第20150266966(A1)号)、抗CD3x抗ムチン16二重特異性抗体(例:抗CD3x抗Muc16二重特異性抗体)および抗CD3x抗前立腺特異的膜抗原二重特異性抗体(例:抗CD3x抗PSMA二重特異性抗体)からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、関心対象の任意のタンパク質は、アブシキシマブ、アダリムマブ、アダリムマブ−アト、アド−トラスツズマブ、アレムツズマブ、アリロクマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、バシリキシマブ、ベリムマブ、ベンラリズマブ、ベバシズマブ、ベズロトクスマブ、ブリナツモマブ、ブレンツキシマブベドチン、ブロダツマブ、カナキヌマブ、カプロマブペンデタイド、セルトリズマブペゴル、セミプリマブ、セツキシマブ、デノスマブ、ジヌツキシマブ、デュピルマブ、デュルバルマブ、エクリズマブ、エロツズマブ、エミシズマブ−kxwh、エンタンシネリロクマブ、エビナクマブ、エボロクマブ、ファシヌマブ、ゴリムマブ、グセルクマブ、イブリツモマブチウクセタン、イダルシズマブ、インフリキシマブインフリキシマブ−アブダ、インフリキシマブ−ダイブ、イピリムマブ、イキセキズマブ、メポリズマブ、ネシツムマブ、ネスバクマブ、ニボルマブ、オビルトキサキシマブ、オビヌツズマブ、オクレリズマブ、オファツマブ、オララツマブ、オマリズマブ、パニツムマブ、ペンブロリズマブ、ペルツズマブ、ラムシルツナブ、ラニビズマブ、ラキシバクマブ、レスリズマブ、リヌクマブ、リツキシマブ、サリルマブ、セキキヌマブ、シルツキシマブ、トシリズマブ、トシリズマブ、トラスツズマブ、トレボグルマブ、ウステキヌマブ、およびベドリズマブからなる群から選択される。
実施例1:UF/DFアプリケーション用のユニバーサルインラインタンパク質濃度モデル
材料および方法
モデルのデータ収集に含めたスペクトルデータは、MR−Probe−785を利用したRaman Rxn2およびRxn4アナライザー(Kaiser Optical Systems,Inc. Ann Arbor, MI)ならびにおよびRaman RxnProbehead−758(Kaiser Optical Systems,Inc. Ann Arbor, MI)によるものであった。追加的に、開発全体を通して、可用性に基づきいくつかの異なる光学系が使用された。ラマン分析装置の動作パラメーターを、6累積に対しスキャン時間10秒に設定し、5回繰り返した。SIMCA 13(MKS Data Analytic Solutions, Umea, Sweden)を使用して、スペクトルデータ内のピークを、オフラインのタンパク質濃度測定値に相関させた。一次濃縮、透析濾過、最終濃縮など、UF/DFユニット操作の様々な時点で、インライン測定を行った。オフラインタンパク質濃度をSoloVPE(C Technologies,Inc.)を使用して測定した。SoloVPEの測定を3回行った。
ケモメトリックスモデルの作成に使用されたスペクトル領域は、図2に図示されている通りである。本領域には、領域1:977〜1027cm−1(リング構造)、領域2:1408〜1485cm−1(アルギニン)、領域3:1621〜1711cm−1(二次構造)、および領域4:2823〜3046cm−1(C−H伸縮)が含まれていた。生スペクトルデータに対して実行されたスペクトルフィルタリングは、下記の通りである:様々なベースラインを除去するための、21cm−1ポイント平滑化一次導関数。
結果
限外濾過/透析濾過(UF/DF)アプリケーション用のユニバーサルインラインタンパク質濃度モデルの実現可能性を明らかにする目的で、ラマン分光法を使用してmAb1を分析した。タンパク質濃度の測定は、透析濾過前(一次濃縮)、透析濾過中(透析濾過)、および透析濾過後(最終濃縮)に行った。モデルから計算された濃度を、SoloVPEによって測定されたタンパク質濃度と比較した(図3)。トレーニングセットデータが含まれている(mAb1スペクトルがPLSモデル内に組み込まれている)場合、0〜120g/L(一次濃縮および透析濾過)のモデル誤差は3.1%、120g超/L(最終濃縮)のモデル誤差は1.8%であった。
プロセシング誤差はラマン分光法で検出することが可能である。図3に図示されているように、UF/DFシステムを介した最終的な再循環中のシステム内の空気連行は、ラマンスペクトルデータによって検出された。長方形で囲まれたバーで図示されているように、SoloVPEによるmAb1の予測濃度が200g超/Lであったのに対し、ラマン予測は約65g/Lであった。
10個の代表的なmAbに対する絶対ラマンモデル誤差は、図4に図示されている通りである。このデータから明らかにされたように、異なるmAbアイソタイプ(IgG1およびIgG4)と二重特異性分子を含む図示されているmAbのモデル開発が成功した。誤差5%以下を満たしたのは、モデル予測17個中14個であった。しかしながら、変動性がPLSモデルにより予測された誤差を膨らませたことを実証するためのプローブとして開発中に使用されたプローブごとに、特定のモデル(0〜120g/Lおよび120g超/L)が作成された。
モデルを最適化するため、複数のmAbを用いて様々なプローブおよびレーザーをインラインで試験した。アップデート済みユニバーサルモデルの焦点が1つのスペクトル領域のみである場合に、モデルの改良が実行された。すなわち、2823−3046cm−1(C−H伸縮)、標準正規バリアント(SNV)のスペクトルフィルタリングによる、ベースライン補正としての、レーザー出力の変動およびプローブの変動についての補正。開発された2つのモデルコンポーネントの比較は、表1に要約されている通りである。部分最小二乗(PLS)回帰モデルを、対応するオフラインSoloVPE測定を3回実行して作成した。部分最小二乗回帰モデルの詳細は、表2に示す通りである。最適化されたレーザー/プローブユニバーサルモデルで予測されたアップデート済みデータセットは、モデル予測17個中15個が、以前の17個中14個と比較して、誤差5%以下を満たしていることを示す(図5)。
(表1)ユニバーサルモデルコンポーネントの比較
Figure 2021535739
(表2)タンパク質濃度部分最小二乗回帰ユニバーサルモデル(v.2)詳細
Figure 2021535739
R2X - モデルによって説明される変動の割合、目標:R2>0.9
Q2 - 交差検定中にモデルによって予測された変動の割合、目標:Q2>0.8
RMSECV: 交差検定の二乗平均平方根誤差
実施例2:タンパク質濃度モデルのスケールアップ性能
材料および方法
最適化されたユニバーサルモデル(v.2)(表1を参照)を、ポール・コーポレーション(Pall Corporation)製スケールアップ1/2インチシングルユースタンジェンシャルフロー濾過システム実験でmAb10を用いて試験した。mAb10充填材料は、通常のプロセシング充填材料ではなく、製剤化原薬とした。FDS材料を、タンパク質濃度およびバッファー賦形剤を含む代表的なUF/DF負荷源に希釈した。しかしながら、ユニバーサルモデルの開発中に試験されていない追加の賦形剤が負荷源に存在するため、mAb10固有のモデルを作成した。ラマンデータの収集方法およびスキャン長の情報については、実施例1を参照のこと。120g/L超のmAb固有のモデルに対しては、ユニバーサルモデル(v.2)と同じスペクトル領域およびプリプロセシング技術を使用した。一方、0〜120g/LのmAb固有のモデルに対しては、標準正規バリアントプリプロセシングで図2に示すような4つのスペクトル領域を使用した。0〜120g/Lモデルにおける差異は、負荷源内の追加的な賦形剤に起因する可能性がある。
結果
表3に示すように、トレーニングセットがモデル予測に含まれている場合、2/4アップデート済みモデルについて誤差を5%以下に抑えるというモデルゴールが達成された。IOPSでの予備実験中の、負荷源、レーザー、およびスケール(ベンチスケール 対 スケールアップ)などの顕著な違いに基づいて、2回目のランを実施した。2回目の実験の前に、0〜120g/LのmAb 10固有のモデルに変更を加えた。4つの領域全てを、SNVプリプロセシングを使用して含めたが、3つの領域、すなわち977〜1027cm−1、1408〜1485cm−1、および1621〜1711cm−1は、21cm−1ポイント平滑化一次導関数を追加的に使用した。編纂済み実験結果の要約は、表3に要約されている通りである。2回目の実験中に、表3に示すように、トレーニングセットがモデル予測に含まれている場合、3/4アップデート済みモデルについて誤差を5%以下に抑えるというモデルゴールが達成された。データ分析中に為された追加的な観察は、誤差増加の主要要因は負荷源であったことである。負荷サンプルの除去によってユニバーサルモデルの誤差が8.6%から5.7%に低減する。図7では、最終濃縮プールについて、インライン予測(リアルタイム、幅広のハッチングを有するバー)、およびアップデート済みモデル(狭いハッチングを有するバー)の結果が図示されており、タンパク質濃度が、SoloVPEのオフライン測定(空のバー)と比較されている。最終濃縮プールについて、ユニバーサルモデルのインラインモデルおよびアップデート済みモデルの誤差は2.7%であったのに対し、mAb 10モデルのインラインモデルおよびアップデート済みモデルは、それぞれ12.0%および4.2%であった。mAb 10モデルにおける観察された誤差の増加は、ユニバーサルモデルはより大きなデータセットを有しているのに対して、データが約250g/L範囲に限定されていることに起因するものと考えられる。誤差増加に寄与する追加的な要因は、特性評価された範囲外(すなわち、mAb 10モデルにおける250g超/L)をモデルが外挿できないことにある。
(表3)スケールアップにおけるタンパク質濃度予測の平均モデル誤差
Figure 2021535739
1: 負荷サンプルの除去によって誤差が減少する。ユニバーサル(0〜120g/L):8.6%〜5.7%およびmAb11(0〜120g/L):3.5%〜2.7%
実施例3:パイロットプロセシング機器に対するタンパク質濃度モデルのスケールアップ
材料および方法
商業的に有効なプロセスのプロセス開発中、UF/DFは、重要なプロセスパラメーターと重要品質特性を理解するためのクオリティ・バイ・デザイン(Quality by Design)という原則に従ったユニット操作として特徴付けられる。プロセスの理解を深め、モデル開発への合理化されたアプローチを提案するために、mAb 11の開発中にラマンおよびモデルの開発を含めた。スキャン時間長を10秒〜5秒に調整すること以外の、ラマンデータ収集方法の情報については、実施例1を参照のこと。開発されたmAb11モデルは、4つのスペクトル領域全てにSNVプリプロセシングを使用したが、3つの領域、すなわち977〜1027cm−1、1408〜1485cm−1、および1621〜1711cm−1は、21cm−1ポイント平滑化一次導関数を追加的に使用した。
結果
ベンチスケールモデルは、4つのDoE実験および4つのスペクトル領域を使用して作成した。4つのDoE実験からのリアルタイム予測のラマンモデル誤差は、図8Aに図示されている通りである。ベンチスケールモデルを使用した15回の追加実験のラマンモデル誤差は、図8Bに図示されている通りである。mAb固有のタンパク質濃度モデルは、0〜120g/Lおよび120g超/Lで、誤差5%以下で作成された。
ベンチスケールモデル(n=15)を使用すると、パイロットスケールラン(n=3)のmAb11の予測誤差は0.6%〜10.6%である(図9A)。パイロットスケールのデータがベンチスケールモデル内に組み込まれた場合、パイロットスケールの予測誤差は0.6〜2.2%に減少した(n=18)。ベンチスケールモデル誤差の増加は、スケールアップ機器に関連する熱放散によるラマンスペクトルシフトへの温度の影響の結果である可能性がある。温度は、将来のラマン開発およびモデル検証が請求されている間に考慮される要素となる。
3つの異なるモノクローナル抗体(mAb J、mAb K、およびmAb L)を使用した7つのパイロット規模の実験において、最終モデルの予測誤差は、0.6〜2.2%であり、5%というゴールの範囲内であった(図9B)。
実施例4:プロセシング決定を可能にすることを目的とした、リアルタイム濃度測定用ラマンモデルの使用
材料および方法
ラマン自動化のために、ラマンスペクトルの収集およびモデリングに対し同じプロトコールを使用した。詳細については実施例3を参照。自動制御戦略が開発された目的は、ラマンスペクトルデータを使用して、最終的なタンパク質濃度目標を達成することにあった。作成された予測モデルを使用して、データをフィルタリングし、これを、タンパク質濃度目標が達成された際にユニット操作を終了するための、UF/DF上の計装への入力を提供するために使用した。SoloVPEの測定を3回行った。
結果
バッチUF/DFおよびシングルパスTFFタンパク質濃度の自動化されたモニタリング用の例示的な画面設定は、図10Aおよび図10Bに図示されている通りである。図11に図示されているように、予測モデリングを使用して、様々なプロセシングステップ全体でmAb14の濃度をリアルタイムでモニターすることも、所望の濃度目標が達成されたときに、濃度ユニット操作をトリガーして停止することもできる。最終的な濃縮プールは、オフラインのSoloVPE測定値である262g/Lと比較して、ラマン予測値は260g/Lであった。結果として、誤差が0.8%になり、5%以下という誤差ゴールが達成された。ラマンは、所望のタンパク質濃度目標が満たされていることを確認する自動化されたプロセシング決定を行う用途に使用するのに好適なアプリケーションである。
実施例5:UF/DFにおける高分子量(HMW)種モデリングの概念実証
材料および方法
HMW種のデータ収集に含めたスペクトルデータは、Raman Rxn2アナライザー(Kaiser Optical Systems,Inc. Ann Arbor, MI)、Raman Rxn Probehead−758(Kaiser Optical Systems,Inc. Ann Arbor, MI)によるものであった。追加的に、開発全体を通して、可用性に基づきいくつかの異なる光学系が使用された。ラマン分析装置の動作パラメーターを、1累積に対しスキャン時間72秒に設定し、25回繰り返した。一次濃縮、透析濾過、最終濃縮など、UF/DFユニット操作の様々な時点で、インライン測定を行った。スペクトル範囲を、110〜3415cm−1とした。生スペクトルデータを、SNVを使用して前処理し、21cm−1平滑化一次導関数を使用して更にフィルタリングした。オフラインのHMW種の測定値は、サイズ排除超高速液体クロマトグラフィーを使用して測定された。
結果
タンパク質精製における予備的な重要品質特性と見なされるもう1つの属性が、HMW種である。現行の技術では、プロセシング中にHMW種をリアルタイムでモニターすることは不可能である。図12Aに図示されているように、本開示のラマンモデリング法を使用して、タンパク質精製中にHMW種をモニターすることができる。ラマンモデリングによるHMW種の予測を、精製全体(一次濃縮、透析濾過、および最終濃縮)を通じてSE−UPLCを使用して収集された測定値と比較した。ラマンモデリングでは、タンパク質プロセシング中にリアルタイムにて高分子種の割合が効率的に予測された。モデルは3.4%の平均誤差で作成された。
実施例6:ポリッシングクロマトグラフィーにおける高分子量(HMW)種モデリングの概念実証
材料および方法
HMW種のデータ収集に含めたスペクトルデータは、MR−Probe−785を利用したRaman Rxn2アナライザー(Kaiser Optical Systems,Inc. Ann Arbor, MI)によるものであった。ラマン分析装置の動作パラメーターは、5回の繰り返し測定で1回の累積に対して10、30、または60秒のスキャン時間に設定した。オフライン測定は、総HMWが6.2%〜76.2%の陰イオン交換クロマトグラフィー(AEX)プールを使用して行った。使用したモデリングおよびプリプロセシング技術に使用されたスペクトル範囲は、表4に示す通りである。オフラインのHMW種の測定値は、サイズ排除超高速液体クロマトグラフィーを使用して測定された。
結果
本開示のラマンモデリング法は、ポリッシングクロマトグラフィータンパク質精製中にHMW種をモニターするために使用することができる。ラマンモデリングによるHMW種の予測を、生成されたAEXプールからSE−UPLCを使用して収集された測定値と比較した。表4に要約されているように、評価対象となった方法のRMSEPは、3.2〜7.6%の範囲であった。図12Bでは、6.2%〜19.7%のHMWの要約データセットを使用して、350〜3100cm−1のスペクトル領域とSNVプリプロセシング技術により作成されたモデルを評価した。HMW範囲を縮小することによって、RMSEPが10、30、および60秒間でそれぞれ1.2%、1.4%、および2.1%に縮小された。これらの結果に基づいて、HMW含量をAEXプールのラマンで求めることができる。
(表4)6.2%〜76.2%のHMW含量のHMWモデル予測誤差(RMSEP)
Figure 2021535739
実施例7:力価モデリングの概念実証
材料および方法
トレーニングセットモデルは、0.36〜9.8g/Lの範囲の力価を達成する、FCP(265g/L)をスパイクした35のプロテインAフロースルーサンプルであった。このモデルは、1.3〜8.8g/Lの範囲の力価で希釈された深層濾過液サンプルに対して評価した。力価モデルのデータ収集に含めたスペクトルデータは、MR−Probe−785を利用したRaman Rxn2(Kaiser Optical Systems,Inc. Ann Arbor, MI)によるものであった。液浸プローブをオフラインで使用し、動作パラメーターを1累積に対しスキャン時間20秒に設定して5回繰り返して、スペクトルデータを生成した。スペクトル範囲を、977〜1027、1408〜1485、1621〜1711、および2823〜3046cm−1とした。生スペクトルデータを、SNVを使用して前処理し、21cm−1平滑化一次導関数を使用して更にフィルタリングした。モデルの特性は、表5に示す通りである。
(表5)抗体価モデルの特徴
Figure 2021535739
結果
抗体価は、アフィニティーカラム負荷、生産の一貫性、およびプロセス中の中間容量の制約などを含む、後続の下流精製ユニット操作を通知する際に必要とされる、タンパク質精製におけるプロセス属性である。不正確なカラム負荷は、後続の予備的な重要品質特性に影響する可能性があるため、ラマン分光法などのモニタリング技術が必要とされる。モノクローナル抗体の場合、抗体力価実測値および抗体価のラマン予測値は、図13に示す通りである。この実験では、モデル誤差は26%であり、所望のゴールとされる5%以下を上回っている。スキャン長を長くし、且つ希釈および非希釈の深層濾過液を使用するモデルを開発することによって、モデルの誤差が減少する。
実施例8:現行の直交アッセイ誤差約10%を満たす、バッファー賦形剤測定用のラマンモデル
材料および方法
様々な抗体の以前の濃度モデル開発ランによってデータを収集した。ラマンデータ収集方法の情報については、実施例1を参照のこと。サンプル中のヒスチジンおよびアルギニンを検出するためのモデルコンポーネントは、表6に示されている通りである。スペクトル領域は、既知のヒスチジン/アルギニンピークに基づいていた(Zhu, et al.,Spectrochim Acta A Mol Biomol Spectrosc,78(3):1187−1195(2011))。ヒスチジンおよびアルギニンの初期モデル開発に続いて、mAb 14を使用して、更にモデルの特性評価を行った。非接触光学プローブを使用して、ラマン分析装置の動作パラメーターを5累積で20秒のスキャン時間に設定した。ヒスチジンのスペクトル範囲は1200〜1480cm−1、およびアルギニンのスペクトル範囲は860〜1470cm−1を使用した。両方のバッファー賦形剤に関する生スペクトルデータを、SNVを使用して前処理し、21cm−1平滑化一次導関数を使用して更にフィルタリングした。オフラインのヒスチジンおよびアルギニン種の測定値を、超高速液体クロマトグラフィー(UPLC)アミノ酸定量ベースの方法を使用して測定した。
結果
本開示のラマンモデリング方法およびシステムを使用して、処理された抗体サンプル中のバッファー賦形剤を測定できるかどうかを判断するため、以前の濃度モデル開発ランから収集されたデータをヒスチジンおよびアルギニンについて分析した。図14Aに図示されているように、ラマンモデリングを使用した予測値を、UPLCベースのアミノ酸法に基づいて計算された値と比較した。予備的なヒスチジン/アルギニンラマンモデリングの予測値および平均モデル誤差は、表6に示す通りである。mAb 14のヒスチジン予測値対ヒスチジン実測値モデルについてのドットプロットは、図14Bに図示されている通りである。バッファー賦形剤に関して、平均モデル誤差は8.2%であり、10%以下というゴールを満たしている。10%以下というゴールは、現行のUPLC直交法アッセイの変動性に基づくものである。mAb 14のアルギニン予測値対アルギニン実測値のモデルについてのドットプロットは、図14Cに図示されている通りである。平均モデル誤差は2.9%であり、10%以下というゴールを満たしている。
このデータは、製造過程にてUF/DFおよびFCP材料からバッファー賦形剤のレベルを予測するために、ラマンモデリングを使用することができることを示している。これらの賦形剤の定量の成功は、UF/DFが、後続の製剤を可能にする最終濃縮プールを提供することを確実にする。
(表6)ユニバーサル濃度モデル(実施例1)プロセシングで、ヒスチジン/アルギニンに関して収集されたモデルコンポーネントおよびデータ
Figure 2021535739
ヒスチジン範囲: 0〜25mM; アルギニン範囲: 0〜81mM
SNV - 標準正規変量:中心化および正規化済み平均
R2 - モデルによって説明されるトレーニングセットの変動の割合、R2 > 0.9
Q2 - 交差検定中にモデルによって予測されたトレーニングセットの変動の割合、Q2 > 0.8
(RMSEP)二乗平均平方根誤差予測
実施例9:薬物対抗体比測定用のラマンモデル
材料および方法
DARは、抗体薬物複合体(ADC)、抗体放射性核種複合体(ARC)、および一般的なタンパク質複合体(強力なステロイド、非細胞毒性ペイロードなど)の開発中にモニターされ、一貫した製品品質を保証し、ペイロードによる後続のラベリングを促進する品質属性である。ラマンは、反応の制御戦略として使用できるDARレベルをモニターする技術として評価された。開発中の2つの異なるmAb(mAb1およびmAb3)を、ラマンを使用したDAR決定の実現可能性について評価した。非接触光学プローブを使用して、ラマン分析装置の動作パラメーターを10累積で10秒のスキャン時間に設定した。SNVを使用して前処理されかつ21cm−1の平滑化二次導関数を使用して更にフィルタリングされた生スペクトルデータと共に、350〜3100cm−1のスペクトル範囲を用いた。サンプル中のDARを求めるためのモデルコンポーネントは、表7に示されている通りである。オフラインDAR測定値は、UV分光法に基づく方法を使用して測定された。
(表7)薬物対抗体比測定用のモデルコンポーネント
Figure 2021535739
結果
図15A〜図15Bに図示されているように、ラマンモデリングは、mAb 1およびmAb 3のiPET薬物複合体の薬物対抗体比を測定するために使用することができる。両方のモデルで、交差検定の二乗平均平方根誤差は0.6DARであった。現在の直交UVベースのアッセイには、0.3DAR(1標準偏差)に関連する変動性がある。初期のラマン予測は2標準偏差以内であり、更にモデルを改良することで、DARをラマンで正常に予測できることが示唆される。
前述の明細書では、本発明をその或る特定の実施形態との関連において説明し、例証目的に多くの詳細を記載してきたが、本発明が追加的な実施形態を受け入れる余地のあること、および本明細書に記載される特定の詳細が本発明の基本原理から逸脱することなしに大幅に変更できることは、当業者にとって明らかであろう。
本明細書中に引用されている全ての参考文献は、その全体が参照により援用されている。本発明は、その趣旨または本質的な属性から逸脱することなく、他の特定の形態で具体化し得る。それゆえ、本発明の範囲を示すものとして、前述の明細書ではなく、添付の特許請求の範囲を参照する必要がある。

Claims (35)

  1. 濃縮タンパク質精製中間体を生成する方法であって、
    タンパク質精製中間体を濃縮すると同時に、in situラマン分光法を使用してリアルタイムで前記タンパク質精製中間体の濃度を測定することと、
    前記濃縮ステップのパラメーターをリアルタイムで調整して、前記濃縮タンパク質精製中間体および/または最終濃縮プールを取得することと
    を含む、前記方法。
  2. 前記濃縮タンパク質産物が、5mg/mL〜300mg/mLである濃度を有する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記タンパク質精製中間体の濃度が少なくとも50mg/mLである、請求項1または2のいずれか一項に記載の方法。
  4. 前記タンパク質精製中間体の濃度が少なくとも150mg/mLである、請求項1または2のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記タンパク質精製中間体が、限外濾過、バッファー交換、またはその両方を使用して濃縮される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記タンパク質精製中間体が、バイオリアクター、流加培養、または連続培養から採取される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記タンパク質精製中間体の濃度を測定することが、リアルタイムで連続的または断続的に行われる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記タンパク質濃度の定量化が、30秒から10分までの間隔で、毎時、または毎日行われる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記タンパク質精製中間体が、抗体もしくはその抗原結合フラグメント、融合タンパク質、または組換えタンパク質である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. スペクトルデータが、977〜1027cm−1、1408〜1485cm−1、1621〜1711cm−1、2823〜3046cm−1、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の波数範囲で収集される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. タンパク質精製中間体を生成する方法であって、
    複数のタンパク質精製中間体のいずれか1つを定量化できるユニバーサルモデルを生成するために、前記複数のタンパク質精製中間体に対して独立してラマン分光分析を実行することと、
    タンパク質精製中間体の濃縮中に前記ユニバーサルモデルを用いたin situラマン分光法を使用して前記タンパク質精製中間体の濃度を測定することと、
    前記濃縮タンパク質精製中間体が所定の濃度または最終濃縮プール目標に達したときに、前記濃縮タンパク質精製中間体を生成することと
    を含む、前記方法。
  12. 前記モデルが、生スペクトルデータおよびオフラインタンパク質濃度データの部分最小二乗回帰分析を使用して生成される、請求項11に記載の方法。
  13. 前記ラマン分光法データに対して正規化技術またはポイント平滑化を実行することを更に含む、請求項12に記載の方法。
  14. 前記正規化技術が標準正規変量を含む、請求項13に記載の方法。
  15. 前記ポイント平滑化が、21cm−1平滑化一次導関数を含む、請求項13に記載の方法。
  16. 前記モデルが、オフラインタンパク質濃度値と比較して誤差が5%以下の、タンパク質濃度の予測値を提供する、請求項11〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記モデルが、オフラインタンパク質濃度値と比較して誤差が3%以下の、タンパク質濃度の予測値を提供する、請求項11〜15のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記濃縮タンパク質精製中間体が、5mg/mL〜300mg/mLである濃度を有する、請求項11に記載の方法。
  19. 前記濃縮タンパク質精製中間体の濃度が少なくとも100mg/mLである、請求項11に記載の方法。
  20. 前記濃縮タンパク質精製中間体の濃度が少なくとも150mg/mLである、請求項11に記載の方法。
  21. 前記濃縮タンパク質精製中間体が、限外濾過、透析濾過、またはその両方を使用して濃縮される、請求項11に記載の方法。
  22. 前記濃縮タンパク質精製中間体が、バイオリアクター、流加培養、または連続培養から採取される、請求項11に記載の方法。
  23. 前記タンパク質精製中間体の濃度を測定することが、リアルタイムで連続的または断続的に行われる、請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記タンパク質濃度の定量化が、30秒から10分までの間隔で、毎時、または毎日行われる、請求項1〜23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記タンパク質精製中間体が、抗体もしくはその抗原結合フラグメント、融合タンパク質、または組換えタンパク質である、請求項11〜24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 請求項1〜25のいずれか一項に従って生成される、タンパク質精製中間体。
  27. 下流のタンパク質精製プロセシング中にタンパク質精製中間体の重要品質特性をモニターおよび制御する方法であって、
    in situラマン分光法を使用して、前記タンパク質精製中間体の1つ以上の重要品質特性を定量化することと、
    所定の重要品質特性レベルに一致させるために、前記タンパク質精製中間体の前記1つ以上の重要品質特性を調整することと
    を含む、前記方法。
  28. 前記重要品質特性が、抗体価、タンパク質濃度、高分子量種、薬物対抗体比、およびバッファー賦形剤からなる群から選択される、請求項27に記載の方法。
  29. 前記下流のタンパク質精製プロセシングが限外濾過/透析濾過である、請求項27または28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 下流での精製中に採取した細胞培養液および/またはタンパク質精製中間体における賦形剤レベルをモニターおよび制御するための方法であって、
    前記細胞培養液またはタンパク質精製中間体を精製すると同時に、in situラマン分光法を使用してリアルタイムで前記賦形剤の濃度を測定することと、
    前記採取された細胞培養液および/もしくはタンパク質精製中間体における所定量の前記賦形剤を取得または維持するために、前記精製ステップのパラメーターをリアルタイムで調整することと
    を含む、前記方法。
  31. 前記賦形剤がバッファー賦形剤を含む、請求項30に記載の方法。
  32. 前記賦形剤が、酢酸塩、クエン酸塩、ヒスチジン、コハク酸塩、リン酸塩、ヒドロキシメチルアミノメタン(トリス)、プロリン、アルギニン、スクロース、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項30または31のいずれか一項に記載の方法。
  33. 前記賦形剤が、界面活性剤賦形剤を含む、請求項30に記載の方法。
  34. 前記界面活性剤賦形剤が、ポリソルベート80、ポリソルベート20、およびポロキサマー188からなる群から選択される、請求項30または33のいずれか一項に記載の方法。
  35. 前記賦形剤がポリエチレングリコールを含む、請求項11に記載の方法。
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