JP2021532576A - ハイブリッドコンデンサ及びコンデンサを製造する方法 - Google Patents

ハイブリッドコンデンサ及びコンデンサを製造する方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2021532576A
JP2021532576A JP2021501334A JP2021501334A JP2021532576A JP 2021532576 A JP2021532576 A JP 2021532576A JP 2021501334 A JP2021501334 A JP 2021501334A JP 2021501334 A JP2021501334 A JP 2021501334A JP 2021532576 A JP2021532576 A JP 2021532576A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductive polymer
ether
cathode
polymer layer
capacitor according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2021501334A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7218423B2 (ja
Inventor
ヴィクトル アンドラロフ
デボラ サ
アレクサンドル ゲレイロ フォンセカ
アントニー ピー. チャッコ
ヤールー シー
フィリップ エム. レスナー
Original Assignee
ケメット エレクトロニクス コーポレーション
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from US16/038,609 external-priority patent/US10770240B2/en
Application filed by ケメット エレクトロニクス コーポレーション filed Critical ケメット エレクトロニクス コーポレーション
Publication of JP2021532576A publication Critical patent/JP2021532576A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7218423B2 publication Critical patent/JP7218423B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G9/00Electrolytic capacitors, rectifiers, detectors, switching devices, light-sensitive or temperature-sensitive devices; Processes of their manufacture
    • H01G9/0029Processes of manufacture
    • H01G9/0036Formation of the solid electrolyte layer
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G9/00Electrolytic capacitors, rectifiers, detectors, switching devices, light-sensitive or temperature-sensitive devices; Processes of their manufacture
    • H01G9/004Details
    • H01G9/008Terminals
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G9/00Electrolytic capacitors, rectifiers, detectors, switching devices, light-sensitive or temperature-sensitive devices; Processes of their manufacture
    • H01G9/004Details
    • H01G9/02Diaphragms; Separators
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G9/00Electrolytic capacitors, rectifiers, detectors, switching devices, light-sensitive or temperature-sensitive devices; Processes of their manufacture
    • H01G9/004Details
    • H01G9/022Electrolytes; Absorbents
    • H01G9/025Solid electrolytes
    • H01G9/028Organic semiconducting electrolytes, e.g. TCNQ
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G9/00Electrolytic capacitors, rectifiers, detectors, switching devices, light-sensitive or temperature-sensitive devices; Processes of their manufacture
    • H01G9/004Details
    • H01G9/022Electrolytes; Absorbents
    • H01G9/035Liquid electrolytes, e.g. impregnating materials
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G9/00Electrolytic capacitors, rectifiers, detectors, switching devices, light-sensitive or temperature-sensitive devices; Processes of their manufacture
    • H01G9/15Solid electrolytic capacitors
    • H01G9/151Solid electrolytic capacitors with wound foil electrodes
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/13Energy storage using capacitors

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)

Abstract

作用素子を有する改良されたコンデンサが記載される。作用素子は、第1の誘電体と、第1の誘電体上のアノード導電性ポリマー層とを含む。また、作用素子は、カソードと、アノード導電性ポリマー層とカソードとの間のセパレータとを含む。セパレータはセパレータ導電性ポリマー層を含み、アノード導電性ポリマー層又はセパレータ導電性ポリマー層の少なくとも1つは架橋されている。また、作用素子は液体電解質も含む。

Description

[関連出願の相互参照]
本出願は、2018年3月1日に出願された係属中の米国特許出願第15/909,269号の一部継続出願であり、この出願はまた、2016年4月11日に出願された係属中の米国特許出願第15/095,902号の一部継続出願であり、これら双方の出願の内容は引用することにより本明細書の一部をなす。また、本発明は、2016年2月2日に出願された係属中の米国特許出願第15/013,307号の一部継続出願であり、この出願はまた、2015年2月13日に出願された期間が満了している米国特許出願第62/116,043号に対する優先権を主張するものであり、この出願の内容は引用することにより本明細書の一部をなす。
本発明は、導電性高分子固体電解質と、任意で液体電解質とを含むコンデンサに関する。より詳細には、本発明は、導電性セパレータを含むコンデンサ及びかかるハイブリッドコンデンサを形成する方法に関し、該ハイブリッドコンデンサは、導電性ポリマー層の少なくとも1つが、その層内において、隣接する表面と、又は隣接する導電性ポリマー層と架橋しており、巻回構造体の隙間部分において、導電性ポリマーによる被覆率が向上している。
コンデンサは、歴史的に見て、2つの一般的な型によって定義されており、一方の型は液体電解質を利用し、他方の型は固体電解質を利用している。液体電解質コンデンサは、一般的に、液体電解質に浸漬したアノード導体と、カソード導体と、その間に配置するセパレータとを備え、これら全てが容器内に封止、好ましくは密封された層状構造体であって、典型的には巻回体としての層状構造体を含む。固体電解質コンデンサは、一般的に、導電性モノリス又は箔を含み、この導電性モノリス又は箔は、その上に誘電体層を有し、この誘電体上に、導電性ポリマー又は二酸化マンガン等の固体カソードを有する。一般的なコンデンサ型は両方とも、商業的に広く普及しており、各々が、他方とは共通しない利点と不利点を有している。例えば、液体電解質コンデンサは、高い静電容量を有しているが、液体電解質が導電性に劣るため、等価直列抵抗(ESR)に劣り、典型的には、約0.015S/cmを超えないが、その一方で、導電性ポリマーは最大600S/cmと導電性が高く、そのため導電性ポリマーカソードを利用したコンデンサは、ESRがはるかに低くなる。
導電性ポリマーカソードは、少なくとも部分的には、等価直列抵抗(ESR)が低く、非破壊故障モードであるため、商業的に広く普及してきた。導電性高分子固体電解質が通常有する低ESRを維持しつつ、液体電解質コンデンサが通常有する高電圧を達成することを目的として、固体電解質コンデンサに通常採用される導電性ポリマーを、液体電解質巻回構造体において利用したハイブリッドコンデンサの形成に対する要求がある。特許文献1及び特許文献2には、ハイブリッドコンデンサの例が教示されている。
ハイブリッドコンデンサは、典型的には、アノードと、カソードと、セパレータとを含む交互配置巻回構造体を形成し、次いで、導電性ポリマーを含浸させることによって形成されてきた。含浸は、モノマーをin situ重合させるか、又は事前形成ポリマースラリーを交互配置巻回構造体の隙間領域に拡散させることによって行われてきた。
第1世代のハイブリッドコンデンサは、酸化剤の存在下でモノマーをin situ重合することによって製造されていた。in situ重合は、モノマー及び酸化剤による最終生成物の汚染を含む多くの問題を有する複雑な方法であり、作業環境条件が複雑で、プロセス信頼性に劣る。これらの問題は、事前に形成した導電性ポリマーの水系分散液又はスラリーをコンデンサ巻回体の隙間領域に含浸させることによって軽減された。
導電性ポリマーを含む溶液に作用素子を浸漬するか、又は作用素子上にこの溶液を添加することによって、導電性ポリマーを隙間領域に移動させるか又は拡散させて、事前形成した導電性ポリマーを巻回体に含浸させる。作用素子における拡散速度及び拡散効率に関連した制限があるため、製造段階が複雑になる。ポリマー粒子及び対イオンがセパレータを通過することによって、効果的な拡散が制限され、これにより、作用素子の長さが制限される。その結果、小型のコンデンサだけがうまく達成されたが、大型のコンデンサは作製するのが難しいことが分かった。実際のところ、広く市販されている最大ケースサイズは、約22μFの最大静電容量で(定格電圧63Vで)、直径が約10mm、長さが約12.5mmであり、達成された最小ESRは約16mΩである。
製造上の制限により、製造プロセスが小型のアキシャルコンデンサに適していないため、ハイブリッドコンデンサは、主として、ラジアルコンデンサであった。アキシャルコンデンサでは、底部タブ又はリードを、必然的に、ポリマー前駆体又はポリマースラリーに浸漬することになり、これにより、タブがポリマーで被覆され、続く処理において支障をきたす。さらに、底部タブが溶液内にあるため、in situでポリマーを形成し、損傷した箇所を修復するように、コンデンサに電圧をかけるのは事実上不可能である。
巻回しの前にポリマー被膜を形成するという改善が、ハイブリッドコンデンサにおいて行われてきた。これにより、導電性ポリマー及び液体電解質を利用したハイブリッドコンデンサの技術が進歩したが、不運なことに、巻回しの前にアノード、セパレータ、又はカソード上に導電性ポリマー層を被覆させることにより形成したハイブリッドコンデンサは、期待された利点を達成できてはおらず、これは、導電性ポリマー層の剥離、又は、層間剥離、及び隣接する導電性ポリマー層の間に電子障壁層が形成されることによるものであることが現在は分かっている。
本発明では、導電性ポリマー層を架橋することによって、改良したハイブリッドコンデンサを提供する。この架橋は、導電性ポリマー層内、隣接した導電性ポリマー層の間、又は導電性ポリマー層と、アノード、セパレータ、又はカソード等の構成要素との間において行われる。
米国特許第8,462,484号 米国特許第8,767,377号
本発明は、ハイブリッドコンデンサを形成する改良された方法及びその方法によって形成された改良されたコンデンサを提供することを目的とする。
本発明の特に特徴的な点は、コンデンサのサイズ、構造、及び形状を限定することなく、ハイブリッドコンデンサを提供することができることである。
実現され得るこれらの利点及び他の利点は、作用素子を有するコンデンサにおいて提供される。作用素子は、第1の誘電体と、第1の誘電体上のアノード導電性ポリマー層とを含む。また、作用素子は、カソードと、アノード導電性ポリマー層とカソードとの間のセパレータとを含む。セパレータはセパレータ導電性ポリマー層を含み、アノード導電性ポリマー層又はセパレータ導電性ポリマー層の少なくとも1つは架橋されている。また、作用素子は液体電解質も含む。
更に別の実施の形態は、コンデンサを形成する方法にて提供される。本方法は、作用素子を形成することを含み、該作用素子を形成することは、
第1の誘電体と、該第1の誘電体上のアノード導電性ポリマー層とを含むアノードを形成することと、
カソードを形成することと、
セパレータ導電性ポリマー層を含むセパレータを形成することと、
前記アノード、前記カソード、及び前記セパレータを含む層状構造であって、前記セパレータが、前記アノードと前記カソードとの間に存在する層状構造を形成することと、
前記層状構造の巻回体を形成することと、
前記巻回体に液体電解質を含浸させることと、
を含み、前記アノード導電性ポリマー層又は前記セパレータ導電性ポリマー層のうち少なくとも1つを架橋させる。
本発明の実施形態において部分的にほどいた状態を模式的に示す斜視図である。 図1の2−2線に沿った断面図である。 本発明の実施形態の模式図である。 本発明の実施形態の模式図である。 本発明の利点を示す模式図である。 電気的性能を示すグラフである。 電気的性能を示すグラフである。 電気的性能を示すグラフである。 電気的性能を示すグラフである。 電気的性能を示すグラフである。 本発明の実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明の実施形態において部分的にほどいた状態を模式的に示す斜視図である。 図12の13−13線に沿った断面図である。 本発明の非対称アノードの両側側面を模式的に示す図である。 本発明の非対称アノードの両側側面を模式的に示す図である。 電気的性能を示すグラフである。 電気的性能を示すグラフである。 電気的性能を示すグラフである。 本発明の実施形態の電気配線図である。 本発明の実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明の実施形態を模式的に示す図である。 本発明の実施形態の利点を示すグラフである。
本発明は、導電性高分子固体電解質と、任意ではあるが、好ましくは、液体電解質とを含み、交互配置されたアノード、カソード、及びセパレータを含むコンデンサ巻回体中に液体電解質が散在したコンデンサに特化している。より詳細には、本発明は、サイズが限定されず、品質が向上し、アキシャルコンデンサの製造に好適なコンデンサ及びコンデンサを作製する方法に関する。より詳細には、本発明は、ケースサイズが限定されず、アキシャル形、ラジアル形、平面形等、実際上いかなるデザインにも限定されず、向上した性能、具体的には、低ESR及び高静電容量を有するコンデンサの製造を可能とする。更に詳細には、本発明は、導電性ポリマー層が架橋されたハイブリッドコンデンサを提供する。この架橋は、導電性ポリマー層内、隣接した層の間、又は導電性ポリマー層と、アノード、セパレータ、又はカソード等の構成要素との間において行われる。
本発明の原理は、導電性ポリマーによって前処理したアノード、カソード、及びセパレータを利用することであり、前処理は、被膜によるものであってもよく、又は特にセパレータの場合には、導電性ポリマーを含浸させてもよい。導電性ポリマーによる前処理は、作用素子を形成する前に行われ、これにより、従来技術に比べてポリマー層を改良することができる。この方法は、巻回体へのポリマー拡散に限定されないため、本発明によると、コンデンササイズの制約がなくなり、コンデンササイズに応じた静電容量として定義される体積効率が著しく高くなる。特に好ましい実施形態では、好ましくは巻回しの前に架橋剤を導入することによって、導電性ポリマー層を、巻回しの前、巻回しの後、又は巻回し前後の幾つかの組み合わせで架橋する。
電極表面全体における固体電解質の分布に関する問題は、巻回しの前に導電性多孔質層を形成し、これにより、従来の液体電解質が導電性多孔質層を通過して、自己修復等の典型的な機能を提供し得る導体を、アノード導電性ポリマー被膜とカソード導電性ポリマー被膜との間に提供することによって解消される。巻回しの前に導電性ポリマー層を形成するため、巻回し後に液体電解質を巻回体に含浸させる。液体電解質は、より流動的となり、隙間領域により容易に拡散又は移動することができる。幾つかの実施形態においては、巻回し後に、架橋剤を巻回体に含浸させてもよい。これにより、液体電解質が最も離れた隙間領域へ移動することも妨げられないため、多様なデザインが可能となる。さらに、ポリマー被覆電極間での導通中断、本質的には、導電経路が不完全であるという従来の問題は、典型的な非導電性セパレータを、アノード導電性ポリマー被膜とカソード導電性ポリマー被膜との間の導電性多孔質層に置き換えることによって、軽減される。
本明細書では、膜の一体性を高め、これにより、固体電解質の反応基と液体電解質の反応基との間に分子間結合を形成して、液体電解質と固体電解質との相互作用を向上することによって、ハイブリッドコンデンサの耐久性が更に向上する。分子間結合は、固体電解質の反応基と、液体電解質の反応基とをin situで反応させることによって形成することができる。分子間結合は、イオン性結合でも共有結合でもよいが、共有結合であることが好ましい。
本発明を、本開示の一体的な、限定的でない構成要素を形成する様々な図面を参照して説明する。本開示全体を通して、同様の要素はそれに従って符号が付されている。
図1を参照して本発明の実施形態を説明する。図1は、容器に挿入する前、かつ、液体電解質を含浸させる前の作用素子を部分的にほどいた状態を模式的に示す図である。図1中、概して符号10で示される作用素子が、一側面の少なくとも一部に導電性ポリマーを有する導電性被覆アノード12と、導電性被覆カソード14とを含み、その間に導電性セパレータ16を有する。導電性ポリマーをセパレータ上に被覆させるか、又は導電性ポリマーをセパレータに含浸させる、好ましくはセパレータを導電性ポリマーで飽和させることにより、導電性セパレータは導電性ポリマー18を有している。導電性被覆アノード12及び導電性被覆カソード14は、各々、その上に導電性ポリマー層を有しており、本明細書において更に詳細に説明する。アノードリード20及びカソードリード22がコンデンサ巻回体から伸びており、これらのリードが、最終的には回路への電気的接続を形成する。この説明から、アノードリードがアノードと電気的に接触しており、カソードリードがカソードと電気的に接触しており、アノード又はアノードリードからは電気的に絶縁されていることが分かるだろう。この技術分野で既知のように、タブ24及びタブ26は、アノードリードをアノードに電気的に接続し、カソードリードをカソードに電気的に接続するのによく採用されている。接着テープ等の巻止め28は、取り扱い及び組み立ての際に作用素子がほどけるのを抑止し、完成したコンデンサの一部となるが、それ以降はあまり役割がない。
図2に、図1の2−2線に沿った断面図を模式的に示す。図2中、説明のため、セパレータ16がその両側に導電性ポリマー18を有した状態で示されており、導電性ポリマーを包含することでセパレータの寸法が目に見えて変化しない程度に、導電性ポリマーをセパレータに含浸させてもよく、セパレータが導電性ポリマーで飽和していることが好ましいと理解される。導電性ポリマー層18は架橋していることが好ましく、特に好ましい実施形態では、導電性ポリマー層18はセパレータ16と架橋している。対称アノードとして図示されている導電性被覆アノード12は、その両側にアノード導電層212を備えたアノード箔112を含んでおり、好ましい導電層は導電性ポリマー層である。導電性ポリマー層212は架橋していることが好ましく、特に好ましい実施形態では、導電性ポリマー層212は隣接する導電性ポリマー層18と架橋している。導電性被覆カソード14は、少なくともその片側に導電層214を備えたカソード箔114を含んでいる。カソード上の導電層214は導電性ポリマー層であることが好ましく、この導電性ポリマー層は架橋していることが好ましく、隣接する導電性ポリマー層18と架橋していることがより好ましい。代替的には、カソード上の導電層214は炭素層である。セパレータは多孔質であることが好ましく、これにより、液体電解質がセパレータを通過することができる。作用素子を形成し、筺体に挿入したら、アノード導電性ポリマー層212とカソード導電性ポリマー層214との間の全ての隙間又は空孔に液体電解質を充填する。
本明細書では、カソードは導電性ポリマー被膜を有するものとして図示されているが、本発明はこれに限定されるものではない。カソード層は、導電性炭素層又は金属層を含んでもよく、幾つかの実施形態においては、カソードが導電性ポリマー層を含まないことが好ましい。好ましい実施形態においては、製造上の利便性から、カソード層及びアノード層を同じものとする。
図3を参照して、本発明の実施形態を説明する。図3中、アノード層302を含む一連の層を準備する。ここで、アノード箔112を処理して、アノード箔の表面上に誘電体を形成し、次いで、好ましくは、導電性ポリマー適用プロセス304により、少なくとも片側の一部において、誘電体上に導電性ポリマー層212を形成する。導電性ポリマー適用プロセスは、アノード箔の少なくとも片側の一部において誘電体に対して行われ、対称アノードの場合には、アノード箔の両側で、同時被覆工程又は順次被覆工程によって行われる。アノード上の導電性ポリマー層212は、適用プロセスの際に架橋してもよく、又は巻回した後に導電性ポリマー層212若しくは隣接した層と架橋する架橋剤を含有させてもよい。導電性ポリマー層を含むカソードを採用する場合、導電性ポリマー適用プロセス304によって、カソード114上に導電性ポリマー層214を形成したカソード層306が形成される。この導電性ポリマー適用プロセス304は、アノード導電性ポリマー層に使用したものと同じプロセスであっても、異なるプロセスであってもよい。カソード上の導電性ポリマー層214は、適用プロセスの際に架橋してもよく、又は巻回した後に導電性ポリマー層214若しくは隣接した層と架橋する架橋剤を含有させてもよい。導電性ポリマーを含まないカソード層を使用する場合は、適当な材料ロールを準備し、カソード層用のポリマー形成プロセスは必要としない。導電性ポリマー適用プロセス304によって、導電性ポリマー18の含浸領域を形成することにより、セパレータ層306を形成する。この導電性ポリマー適用プロセス304は、アノード層形成及びカソード層形成と同じプロセスであっても、異なるプロセスであってもよい。セパレータ上の導電性ポリマー層18は、適用プロセスの際に架橋してもよく、又は巻回した後に導電性ポリマー層18若しくは隣接した層と架橋する架橋剤を含有させてもよい。図2と相関して記載された層状構造体310は、上述の層を交互配置することによって形成される。この層状構造体には切り込みが入っており、アノードタブ314をアノードに電気的に接続し、カソードタブ316をカソードに電気的に接続することによって、タブ付き作用素子312が得られる。このタブ付き作用素子312は、作用素子がほどけるのを抑止する巻止め28を有していることが好ましい。リード(図示しない)がタブに取り付けられていることが好ましく、又はタブがリードとして機能するか、又は導電性、好ましくは金属製の缶若しくは導電性、好ましくは金属製の蓋等のリードとして機能する筺体の構成要素に、タブを電気的に接続し、これにより、リード付き作用素子が提供される。この説明のため、アキシャル状の配置を示しているが、これに限定されるものではない。リード付き作用素子を筺体318に入れ、これにより、収容済リード付き作用素子を形成する。好ましくは使用温度で液体である液体電解質を、任意で、収容済リード付き作用素子に含浸させる。この技術分野において、液体電解質は含浸電解質とも言われる。架橋剤を、任意で、収容済リード付き作用素子に含浸させて、導電性ポリマー層を架橋するか、又は隣接する導電性ポリマー層を互いに架橋する。筺体を封止して、コンデンサをエイジングして、完成品コンデンサ320を得る。
図12及び図13を参照して、本発明の実施形態を説明する。図12は、作用素子を部分的にほどいた状態を模式的に示す図であり、図13は、図12の13−13線に沿った模式的な断面を示す図である。概して符号1010で示される作用素子は、非対称アノード層1012を有しており、このアノード層は、第1の側面上に第1の誘電体1011を含み、第2の側面上に第2の誘電体1013を含む。幾つかの実施形態においては、製造上の利便性から、第1の誘電体及び第2の誘電体が同じであることが好ましいが、異なる性質を得るために異なるものとすることもできる。第1の誘電体は、導電性ポリマー212によって被覆され、少なくとも部分的に被覆されており、導電性ポリマー212は、任意で架橋しており、また任意で隣接する導電性ポリマー層と架橋している。導電性カソード層14及び導電性セパレータは、図1を参照して説明したものとすることができる。第2の誘電体と隣接するカソード層との間には、非導電性セパレータ1017がある。非導電性セパレータは、その上又はその中にいかなる導電性ポリマーも含まなくてもよい。或る実施形態においては、本明細書中の他の場所で説明した導電性セパレータを、第2の誘電体に隣接して利用してもよい。これにより、製造プロセスにおいて必要な構成要素の数が最小限になるが、コスト検討面からは好ましい実施形態ではない。
図14は、非対称アノード層1012の実施形態を模式的に示す図である。図14中、好ましくはアノードリード20の取り付けに対して同じ側にある第2の誘電体の全体が、その上に導電性ポリマー層を有することなく露出している。好ましい実施形態においては、非対称アノード層は、その片側において、アノードの誘電体とカソード層との間に導電性ポリマーを含む静電結合(capacitive couple)を形成している。ポリマーを含まない第2の誘電体を含む反対側では、液体電解質と、第2の誘電体とカソードとの間の非導電性セパレータとを有し、これにより、液体電解質を利用した従来の静電結合を形成する。その結果、並行した機能性を有するコンデンサが形成される。
本発明の目的のため、非対称アノードは、その片側において導電性ポリマーによって被覆された表面積が、反対側において導電性ポリマーによって被覆された表面積の量に比べて小さいアノードであると定義される。
図20は、非対称アノードを含む非対称コンデンサの実施形態を模式的に示す図である。図20中、第1の誘電体1011及び第2の誘電体1013を含むアノード112を模式的に示す。第1の誘電体は、導電性ポリマー層212によって被覆されている。本明細書中で詳細に説明した導電性ポリマー18を含む導電性セパレータ16が、導電性ポリマー層212と隣接している。第1の導電性ポリマー層214を任意で含むカソード層114が、導電性セパレータと隣接しており、これにより、第1の抵抗及び第1の静電容量を有する第1の回路Sを形成する。アノードの第2の誘電体1013は、非導電性絶縁体1017によってカソードから分離されており、これにより、第2の抵抗及び第2の静電容量を有する第2の回路Sを形成する。図20に図示したコンデンサは、図19に示す電気配線図を有し得る。図19中、導電性ポリマーを間に含み、Sで示される第1の静電結合の抵抗及び静電容量として、第1の抵抗R及び第1の静電容量Cを有する。導電性ポリマーを間に有さず、Sで示される第2の静電結合は、第2の抵抗R及び第2の静電容量Cを有する。図20中、少なくとも1つの導電性ポリマー層が架橋しており、隣接する導電性ポリマー層と架橋していることが好ましい。図20の好ましい実施形態においては、セパレータ16上の導電性ポリマー18は、セパレータと架橋している。
対称アノードを有するハイブリッドコンデンサは、各々の静電結合が、その間に導電性ポリマーと液体誘電体との組み合わせを備えたアノードとカソードとを有することにより、単一の静電容量を有する。図20に示すような非対称アノードでは、コンデンサの全静電容量は、2つの並列した静電結合によって表される。一方は対称アノードの静電結合と同じであり、他方はアノードと、カソードと、液体電解質を含浸させた非導電性セパレータとから形成され、その間に完全な導電性ポリマー層を有さないか、好ましくは導電性ポリマー層を全く有さない静電結合である。非対称アノードの各静電結合は、2つのESRを有する。一方は、アノードとカソードとの間に導電性ポリマーを有する静電結合であって、本明細書中ではポリマー静電結合と言う静電結合のESRであり、他方は、アノードとカソードとの間に完全な導電性ポリマー層を有さないか、導電性ポリマー層を全く有さない静電結合であって、電解質静電結合と言う静電結合のESRである。
図16は、架橋していないポリマー静電結合Sと、電解質静電結合Sのインピーダンス|Z|を対比して周波数(Hz)の関数として示すグラフである。ここで、ポリマー静電結合は、約5mOhmのESRを有しており、第2の誘電体上に導電性ポリマー層を全く有さない電解質静電結合は150mOhmのESRを有している。両方とも全静電容量は約1000μFである。
図17は、未架橋のポリマー静電結合のESRが約5mOhmであり、電解質静電結合のESRが約150mOhmである、図20に示す完全非対称コンデンサの周波数依存性を示す図である。ここで、コンデンサは、400μF、1000μF、及び2000μFの静電容量を有するように作られている。静電容量が大きいと、低周波数においてESRのシフトが起こる。高周波数を適用すると、コンデンサのリップル電流能力を高めることができる。
図15は、第2の誘電体においてアノードリードの周辺部分が少なくとも導電性ポリマー層を有さず露出している、部分的に非対称なアノード層を模式的に示す図である。第2の誘電体の少なくとも一部は、導電性ポリマーによって被覆されておらず、第2の誘電体の面積の少なくとも25%〜99%以下が被覆されていることが好ましい。導電性ポリマーで被覆されていない部分は、タブの取り付け領域に当てられることが好ましい。図21中、第1の誘電体と第2の誘電体の両方が、導電性ポリマーで不完全に被覆されている。各誘電体の面積の少なくとも25%〜99%以下が被覆されている。導電性ポリマーで被覆されていない部分は、タブの取り付け領域に当てられることが好ましく、この領域は、タブの取り付けによって両側で劣化することが多い。
カソード箔、セパレータ、及びアノード箔は、典型的には、幅広のロールとして提供され、サイズに切断される。アノード箔は、エッチングしてその上に誘電体を形成することが好ましい。切断の前に誘電体を形成してもよく、この場合、導電性ポリマー被膜適用の前に、次工程において、切断端部に誘電体を形成することが望ましい。カソード、セパレータ、及びアノードをカップリング剤で処理して、表面と導電性ポリマー層との接着を向上させたり、又は他の特定の表面挙動を付与させたりすることもできる。カソード、セパレータ、及びアノードは、導電性ポリマー層形成又は含浸の前又は後に、洗浄、乾燥してもよく、導電性ポリマー層形成工程又は含浸工程を必要に応じて数回繰り返してもよい。電気リード又はタブは、典型的には、好ましくはその長さに切断する前に、アノード及びカソードに電気的に接続しており、リードをマスク材料で処理して、更なる変性から保護し、かつ、コンデンサ端子に対する溶接に備えるようにしてもよい。
導電性ポリマーは、浸漬、被覆、及び噴霧を含む任意の好適な方法によって、カソード、アノード、又はセパレータに適用することができる。浸漬では、好ましくは導電性ポリマーを少なくとも約1重量%〜約10重量%以下含む導電性ポリマー分散液を入れた槽又は容器に、カソード、アノード、又はセパレータを通す。セパレータの場合には浸漬が好ましい。被覆及び噴霧は、導電性ポリマー分散液を、カソード箔、アノード箔、又はセパレータの表面上に、スクリーン印刷を含む任意の印刷技術で印刷するか又は噴霧することによって行うことができる。カソード及びアノードの場合には被覆又は噴霧が好ましい。導電性ポリマー被膜を、少なくとも0.1mg/cmの量で、アノード、カソード、又はセパレータに適用することが好ましい。約0.1mg/cm未満では、被膜重量が適切な条件には不十分であり、不完全な被膜が生じる場合がある。約10mg/cm以下の被膜重量を達成するのに十分な量で導電性ポリマー被膜を適用することが好ましい。約10mg/cmを超えると、被膜厚さを追加しても、導電性が目に見えて増加しなくなる。
アキシャルコンデンサは、特に好ましい実施形態である。アキシャルコンデンサは、コンデンサの一方の面上にアノード端子を有し、反対の面上にカソード端子を有する。導電性ポリマー電解質を含むアキシャルコンデンサ巻回体は、下方のタブ又はリードが、必然的に導電性ポリマー又は前駆体に浸漬されて、導電性ポリマーの有害な析出物が形成されるというポリマー含浸に関する問題があるため、利用できないと考えられてきた。アキシャルコンデンサの特に有益な点は、今現在本発明で利用できるように、特にアノード及びカソードの長さが長くなる場合に、複数のタブ及び複数のリードを利用できることである。箔の長さが長くなると、より高いESRに達する箔抵抗の割合が高くなる。複数のタブ又は複数のリードは、箔の抵抗効果を最小限にする。リードが1つであると、電流は、タブ及びリードへと箔の最長距離を流れる必要があり、これはESRには有害である。複数のアノードリード及び複数のカソードリードを利用することが好ましく、これにより、導通経路長が短くなる。図4を参照して、様々なコンデンサ構成を説明する。図4は、コンデンサを模式的に示す部分陰影図であり、これにより、構成要素を可視化することができる。図4中、単一タブアキシャルコンデンサをAとして図示し、複数タブアキシャルコンデンサをBとして図示し、ラジアルコンデンサをCとして図示する。アキシャルコンデンサは、作用素子44の異なる側から伸びるアノードリード40及びカソードリード42を有しているが、ラジアルコンデンサは、同じ側から伸びるアノードリード及びカソードリードを有している。図4Bには、作用素子から伸びる複数のアノードタブ40及び複数のカソードタブ42が示されており、各タブは異なる位置でアノードと電気的に接触している。例えば、図4Bには、3つのタブが示されているが、これに限定されるものではない。これらのタブは、アノードの長さに沿って等間隔に配置されることが好ましく、これにより、導通経路長が最短となる。同様に、図4Bには、3つのカソードリードが示されており、これらは、カソードの長さに沿って等間隔に配置されることが好ましい。ラジアルコンデンサにおいて複数のリードを使用することができるが、ハイブリッドコンデンサで使用するのは以前から好適ではない。というのは、小型という制限があるので、複数のリードを同じ側に用いるのは、製造が困難であるからである。大型であっても、ラジアルコンデンサでは単一リードが好ましい。
図11は、アキシャルコンデンサを模式的に示す断面図である。図11中、概して符号400で示されるコンデンサは、筺体404内に、本明細書中で説明した作用素子402を含む。この技術分野では缶と言われ得る筺体は導電性であることが好ましく、リードとして機能し得るか、又は好ましくはカソードリードである下方リード405と電気的に接触し得る。好ましくはカソードタブである下方タブ406は、筺体又は下方リードと電気的に接触している。好ましくはアノードタブである上方タブ408は、好ましくはアノードリードである上方リード410と電気的に接触しているか、又は上方タブは、導電性蓋412と電気的に接触しており、導電性蓋412が、上方リードと電気的に接触している。ガスケット等の封止材414が筺体を封止し、筺体の内部と周辺雰囲気との間での大気交換を抑止する。一実施形態においては、封止材及び蓋が密封状態を作り出す。封止材は、樹脂材料、特に、エポキシ樹脂、又はエチレンプロピレンジエン三元ポリマー(EPT)若しくはブチルゴム(IIR)等のゴム材料とすることができる。
アノードは、好ましくは箔形態の導電性金属である。この導電性金属は、弁金属、又は弁金属の導電性酸化物であることが好ましい。特に好ましいアノードとしては、タンタル、アルミニウム、ニオブ、チタン、ジルコニウム、ハフニウム等の弁金属、これら元素の合金、又はその導電性酸化物、例えば、NbOが挙げられる。特に好ましいアノード材料は、アルミニウムである。
アノード上に誘電体として酸化膜が形成されていることが好ましい。誘電体は、リン酸又はリン酸含有溶液等の、化成電解質と言われる任意の好適な電解液を用いて形成することができる。約9V〜約450Vの化成電圧が通常印加される。化成電圧は、典型的には、コンデンサの定格電圧の2.0倍〜3.5倍の範囲である。
導電性ポリマー適用プロセスは、通常、in situポリマー形成と、被覆プロセス等の、事前形成ポリマーのスラリーからの適用とから選ばれる。in situプロセスでは、好ましくは当業者に既知のモノマー、酸化剤、ドーパント、及び他の補助剤を含有する含浸溶液を表面に適用する。この溶液に好適な溶媒を選択することは、十分に当業者の水準の範囲内である。好適な溶媒の例としては、アセトン、ピリジン、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、2−プロパノール、及び1−ブタノール等のケトン及びアルコールが挙げられる。本発明を実施するため、モノマーの濃度は、約1.5重量%〜約20重量%とすることができ、約5重量%〜約15重量%であることがより好ましい。導電性ポリマーを調製するのに好適なモノマーとしては、アニリン、ピロール、チオフェン、及びこれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。好ましいモノマーは、3,4−エチレンジオキシチオフェンである。本発明を実施するため、酸化剤の濃度は、約6重量%〜約45重量%とすることができ、約16重量%〜約42重量%であることがより好ましい。導電性ポリマーを調製するための酸化剤としては、鉄(III)の有機酸塩及び無機酸塩、アルカリ金属過硫酸塩、過硫酸アンモニウム等が挙げられる。本発明の実施に好ましい酸化剤は、トシル酸鉄(III)である。ドーパントの濃度は、約5重量%〜約30重量%とすることができ、約12重量%〜約25重量%であることがより好ましい。ドデシルベンゼンスルホン酸、p−トシレート、又は塩化物等の任意の好適なドーパントを使用することができる。好ましいドーパントは、p−トシレートである。65℃〜約160℃の温度、より好ましくは約80℃〜約120℃の温度でペレットを硬化させ、これにより、モノマーを重合させる。硬化後、ポリマー層を脱イオン水又は他の溶媒で洗浄することが好ましい。
事前形成ポリマーのスラリーからの適用は好ましい方法である。ポリマーはスラリーとして調製するか、又はスラリー市販品として得ることができ、特に技術の限定なく、表面に適用し、好ましくは次いで乾燥を行う。本発明の実施のための例としては、少なくとも0.5nm〜200nm以下、より好ましくは少なくとも20nm〜200nm以下の粒径を有する重合3,4−エチレンジオキシチオフェンの溶媒スラリーが挙げられる。セパレータに適用する場合は、乾燥の前に、セパレータに十分にスラリーを含浸させることが好ましい。導電性表面積を最大化するために、導電性ポリマーの連続被膜を適用することが好ましい。特に好ましい実施形態においては、アノードの表面積の少なくとも80%及びカソードの表面積の少なくとも80%が導電性ポリマーで被覆されている。アノードの表面積の少なくとも90%及びカソードの表面積の少なくとも90%が導電性ポリマーで被覆されていることがより好ましく、アノードの表面積の少なくとも99%及びカソードの表面積の少なくとも99%が導電性ポリマーで被覆されていることが最も好ましい。
液体電解質は、好ましくは支持塩を含有する溶媒である。任意の従来の溶媒は、γ−ブチロラクトン、スルホラン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、アセトニトリル、プロピオニトリル、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、水、シリコーン油、ポリエチレングリコール、及びそれらの混合物を含む例示的な溶媒とともに使用することができる。しかしながら、支持塩を必要としないことが好ましい。支持塩の例としては、無機酸アンモニウム塩、無機酸アミン塩、無機酸アルキル置換アミド塩、有機アンモニウム塩、有機酸アミド塩、有機酸アルキル置換アミド塩、及びそれらの誘導体が挙げられる。任意のガス吸収剤又はカソード電気化学減極剤を使用することができる。支持添加剤の例としては、有機アルコール、酸、エステルのニトロ誘導体、o−、m−、p−ニトロアニソール、o−、m−、p−ニトロ安息香酸、o−、m−、p−ニトロベンゼンアルコール等の芳香族誘導体が挙げられる。特に、ハイブリッドコンデンサは、液体電解質を50重量%まで含む。
本明細書においてセパレータは特に限定されず、導電性セパレータに使用される材料であり、導電性ポリマーで被覆させるか又は導電性ポリマーを含浸させることができるものであれば、任意の市販のセパレータを使用して本発明を実施することができる。代替的には、又は導電性ポリマーに加えて、セパレータ自体が導電性材料であってもよい。導電性セパレータの例示的なセパレータは、導電性ポリマーの骨格層として機能する。セパレータは、ロール、リール等に巻回し可能な様々な寸法のシート状に作ることができ、又はペースト状若しくはゲル状であってもよい。アノード箔は、セパレータの支持体として機能し得る。ここで、アノード箔は、その表面上に絶縁体層が形成されており、この絶縁体上に導電性ポリマー被膜を有し、このポリマー被膜上に導電性セパレータ層が形成されている。アノードを支持体として使用すると、作業の難しさを最小限にすることができる。セパレータは、アノード導電性ポリマー層とカソードとの直接電気的接触を可能とする多孔質導電層である。セパレータは、液体電解質が通過できる細孔容積を有することが好ましい。紙、又はポリマー等の他の非導電性材料を、導電性ポリマーの支持体として使用してもよい。紙は、広く使用されており、その入手容易性から、セパレータの例として挙げられる。従来技術のコンデンサと異なり、導電性セパレータとして使用するのに紙を炭化させる必要はない。従来技術のコンデンサを製造する際には、作用素子の形成後に紙を炭化させて、紙に吸収されるポリマーの量を最小限にすることが多い。本発明では、セパレータを導電性ポリマーで被覆するか、又はセパレータに導電性ポリマーを含浸させて、導電性セパレータを形成するため、炭化の必要はない。セパレータは、紙繊維等の繊維材料とすることができ、この繊維材料を、物理的に交絡させるか、又は架橋させて紙繊維層等の連続繊維層を形成する。繊維間の空間には、部分的に又は完全に高導電性成分を充填してもよい。紙系セパレータは、完成した紙層を変性するか、又は紙層の形成の前に、高導電性成分繊維、液状若しくは固体状の、導電性繊維、小片、粒子、若しくはその凝集物の分散体、若しくは導電性繊維、小片、粒子の析出物によって紙を変性することによって製造することができる。導電性繊維、小片、又は粒子は、導電性ポリマー、カーボンブラック、グラファイト、金属等の導電性材料を含んでもよく、又は導電性ポリマー、カーボンブラック、グラファイト、金属等の導電性材料で変性された、紙、プラスチック等の非導電性コアからなる複合材料であってもよい。
導電性セパレータ及び非導電性セパレータは、導電性被膜を有するか、又は導体を含浸させた導電性セパレータと同じ材料を含んでもよいが、非導電性セパレータにおいてはどちらも必要ではない。
一実施形態においては、セパレータは、特にその表面において、反応基を有する。ここで、反応基は、導電層の反応基との反応に好適であり、これにより、セパレータ上の導電性ポリマーとその上の導電性ポリマーとを架橋させて、導電性ポリマーのセパレータに対する接着性を高めることができる。特に好ましい反応基としては、反応基、例えばエポキシ、ヒドロキシル、アミノ、カルボン酸基(carboxylic)、ウレタン、ホスフェート、シラン、イソシアネート、シアネート、ニトロ、ペルオキシ、ホスフィノ、ホスホノ、スルホン酸、スルホン、ニトロ、アクリレート、イミド、アミド、カルボキシル、カルボン酸無水物、シラン、オキサゾリン、(メタ)アクリレート、ビニル、マレエート及びマレイミドイタコネート、アリルアルコールエステル、ジシクロ−ペンタジエン性不飽和基(dicyclo-pentadiene-based unsaturation)、不飽和C12〜C22脂肪酸エステル又はアミド、カルボン酸塩又は第四級アンモニウム塩が挙げられ、これらは液体電解質上の反応基と架橋することができる。
特に好ましいセパレータは、作用素子の長さ又は製造プロセスに好適な幅を有しており、本発明の実施のための例としては、1.5cm〜500cmの幅が挙げられる。静電容量は、アノード及びカソードの重複部分に応じており、そのため、カソード及びアノードの長さ及び幅と直接関係しているため、所望の静電容量に基づいて長さを選択する。本発明を実施するための例としては、0.1m〜400mの長さと、10μm〜300μmの厚さを有するセパレータが挙げられる。
導電性ポリマーは、ポリアニリン、ポリピロール、及びポリチオフェン、又はその置換誘導体から選ばれることが好ましい。
特に好ましい導電性ポリマーは、式I:
Figure 2021532576
(式中、R及びRは、環のβサイトでの重合を阻害するように選択される)で表される。αサイトの重合のみが進行することが最も好ましい。そのため、R及びRが水素ではないことが好ましい。R及びRがα−ディレクターであることがより好ましい。そのため、アルキル結合よりもエーテル結合が好ましい。これらの基が小さく、立体干渉が起こらないことが最も好ましい。これらの理由より、R及びRは、まとめて、−O−(CH−O−であることが最も好ましい。式1中、XはS又はNであり、最も好ましいXはSである。特に好ましい導電性ポリマーは、重合3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)である。
及びRは、独立して、直鎖状若しくは分岐状のC1〜C16アルキル若しくはC2〜C18アルコキシアルキルを表すか、又は非置換若しくはC1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、ハロゲン、若しくはOR3で置換したC3〜C8シクロアルキル、フェニル若しくはベンジルであり、又はR及びRは、まとめて、非置換、若しくはC1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、ハロゲン、C3〜C8シクロアルキル、フェニル、ベンジル、C1〜C4アルキルフェニル、C1〜C4アルコキシフェニル、ハロフェニル、C1〜C4アルキルベンジル、C1〜C4アルコキシベンジル若しくはハロベンジル、2つの酸素元素を含有する5員環、6員環、若しくは7員環の複素環構造で置換した直鎖状C1〜C6アルキレンである。R3は、好ましくは、水素、直鎖状又は分岐状のC1〜C16アルキル若しくはC2〜C18アルコキシアルキルを表すか、又は非置換、若しくはC1〜C6アルキルで置換したC3〜C8シクロアルキル、フェニル若しくはベンジルである。
この技術分野で典型的に採用されるように、重合プロセス中に様々なドーパントをポリマーに導入することができる。ドーパントは、芳香族スルホン酸、芳香族ポリスルホン酸、ヒドロキシ基含有有機スルホン酸、カルボキシルヒドロキシル基含有有機スルホン酸、脂環式スルホン酸及びベンゾキノンスルホン酸、ベンゼンジスルホン酸、スルホサリチル酸、スルホイソフタル酸、カンファースルホン酸、ベンゾキノンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸を含む様々な酸又は塩から誘導することができる。他の好適なドーパントとしては、引用することにより本明細書の一部をなす米国特許第6,381,121号において例示されるようなスルホキノン、アントラセンモノスルホン酸、置換ナフタレンモノスルホン酸、置換ベンゼンスルホン酸、又は複素環式スルホン酸が挙げられる。
バインダー及び架橋剤も、所望により、導電性ポリマー層に含有させることができる。好適な材料としては、ポリ(酢酸ビニル)、ポリカーボネート、ポリ(酪酸ビニル)、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリ(塩化ビニル)、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリエーテル、ポリエステル、シリコーン、並びにピロール/アクリレートコポリマー、酢酸ビニル/アクリレートコポリマー及びエチレン/酢酸ビニルコポリマーが挙げられる。
架橋剤は、固体電解質の反応基と共に、又は該反応基によって、液体電解質の反応基と分子間結合を形成する材料である。特に好ましい架橋剤としては、グリシジルシラン及び有機官能性シラン等のシラン、エポキシド、グリシジルエーテル等のエーテル、エポキシ架橋剤、及び親水性カップリング剤が挙げられる。
有機官能性シランは以下の式:
Figure 2021532576
(式中、Xは、アミノ、エポキシ、無水物、ヒドロキシ、メルカプト、スルホネート、カルボキシレート、ホスホネート、ハロゲン、ビニル、メタクリロキシ、エステル、アルキル等の有機官能基であり、Rは、アリール又はアルキル(CH(ここで、mは0〜14であり得る)であり、Rは、個々に、アルコキシ、アシルオキシ、ハロゲン、アミン等の加水分解性官能基、又はこれらの加水分解物であり、Rは、個々に、炭素数1〜6のアルキル官能基であり、nは1〜3である)によって定義される。
有機官能性シランは、以下の式:
Figure 2021532576
(式中、Yは、アルキル、アリール、スルフィド、又はメラミン等の、反応性官能基又は非反応性官能基を含有する任意の有機部であり、R、R、及びnは上で定義した通りである)で定義される二脚状のものであってもよい。有機官能性シランは、シラン変性ポリブタジエン若しくはシラン変性ポリアミン等の多官能シラン又はポリマーシランであってもよい。
前記有機官能性シランの例としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルシラントリオール、(トリエトキシシリル)プロピルコハク酸無水物、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−トリヒドロキシシリル−1−プロパンスルホン酸、オクチルトリエトキシシラン、及びビス(トリエトキシシリル)オクタン等が挙げられる。これらの例は、本発明を説明するために用いられており、断定的なものであるとみなされるべきではない。
特に好ましい有機官能性シランは、以下の式:
Figure 2021532576
(式中、Rは、炭素数1〜14のアルキルであり、メチル、エチル、及びプロピルから選ばれることがより好ましく、Rは、各々独立して、炭素数1〜6のアルキル又は置換アルキルである)で定義されるグリシジルシランである。
特に好ましいグリシジルシランは、以下の式:
Figure 2021532576
で定義される3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランである。これは、本明細書中、便宜上、「シランA」と言う。
エポキシ及びカルボン酸から選ばれる少なくとも2つの官能基を有する有機化合物である第2の架橋剤は、約0.2重量%〜約10重量%の固形分率で導電性ポリマー分散液における濃度が約0.1重量%〜約10重量%の範囲であることが好ましい。より好ましくは、グリシジルエーテルの濃度が、導電性ポリマーの約0.2重量%〜約5重量%の範囲とすることができ、更に好ましくは約0.2重量%〜約2重量%の範囲である。
本明細書では、少なくとも2つのエポキシ基を有する第2の架橋剤を、エポキシ架橋化合物と言い、以下の式:
Figure 2021532576
(式中、Xは、炭素数0〜14、好ましくは0〜6のアルキル若しくは置換アルキル、アリール若しくは置換アリール、エチレンエーテル若しくは置換エチレンエーテル、エチレンエーテル基を2個〜20個有するポリエチレンエーテル若しくは置換ポリエチレンエーテル、又はこれらの組み合わせである)で定義される。特に好ましい置換基は、エポキシ基である。
2つ以上のエポキシ基を含有するエポキシ架橋化合物の例としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル(EGDGE)、プロピレングリコールジグリシジルエーテル(PGDGE)、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル(BDDGE)、ペンチレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキシレングリコールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、レゾルシノールグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル(GDGE)、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ソルビトールジグリシジルエーテル(ソルビトール−DGE)、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(PEGDGE)、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ジ(2,3−エポキシプロピル)エーテル、1,3−ブタジエンジエポキシド、1,5−ヘキサジエンジエポキシド、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、1,2,5,6−ジエポキシシクロオクタン、4−ビニルシクロヘキセンジエポキシド、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、又はマレイミド−エポキシ化合物等が挙げられる。
好ましいエポキシ架橋化合物は、以下の式:
Figure 2021532576
(式中、Rは、炭素数1〜14、好ましくは2〜6のアルキル又は置換アルキル;エチレンエーテル、又は2個〜20個のエチレンエーテル基を有するポリエチレンエーテル;ヒドロキシ、若しくは、
Figure 2021532576
、若しくは−(CHOH)CHOH(ここで、Xは1〜14である)から選ばれる基で置換されたアルキルである)で定義されるグリシジルエーテルである。
特に好ましいグリシジルエーテルは、
Figure 2021532576
EGDGE:エチレングリコールジグリシジルエーテル
Figure 2021532576
(式中、nは1〜220の整数である);
PEGDGE:ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル
Figure 2021532576
BDDGE:1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル
Figure 2021532576
(R=(1:2)は、R基の1つが水素であり、他の2つがエポキシドであることを示す);
GDGE:グリセロールジグリシジルエーテル
Figure 2021532576
ソルビトール−DGE:ソルビトールジグリシジルエーテル
で表される。
本明細書中、少なくとも2つのカルボキシル官能基を有する有機化合物を、カルボキシル架橋化合物と言う。
カルボキシル架橋化合物の例としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、フタル酸、マレイン酸、ムコン酸、クエン酸、トリメシン酸、ポリアクリル酸等が挙げられるが、これらに限定されない。特に好ましい有機酸は、芳香族酸、例えばフタル酸、特にオルト−フタル酸であり、ESRを低減するものである。
導電性ポリマーの成分又は導電性ポリマー層の層内に含まれる成分の官能基と反応する架橋剤を導入することにより、或る層をその層内で架橋することができ、本明細書中、そのような架橋を層内架橋と言う。隣接した層内の導電性ポリマーの成分又は隣接した層内に含まれる成分の官能基と反応する架橋剤を或る層に導入することにより、層を隣接した層と架橋することができ、本明細書中、そのような架橋を層間架橋と言う。
固体電解質は、繊維、ドーパント、架橋剤、バインダー、及びナノ粒子から選ばれる少なくとも1つの添加剤を含むことが好ましく、この添加剤には、固体電解質の反応基が含まれる。
特に好ましいナノ粒子は、反応基を含むようにナノ粒子の表面を誘導した機能化ナノ粒子である。
バインダーを、所望に応じて、導電性ポリマー層に組み込むこともできる。好適なバインダーとしては、ポリ(酢酸ビニル)、ポリカーボネート、ポリ(酪酸ビニル)、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリ(塩化ビニル)、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリエーテル、ポリエステル、シリコーン、並びにピロール/アクリレートコポリマー、酢酸ビニル/アクリレートコポリマー及びエチレン/酢酸ビニルコポリマーが挙げられる。一実施形態では、バインダーは、固体電解質の反応基を含む。
固体電解質の導電性ポリマー、バインダー、ドーパント又は他の成分は、反応基、例えばエポキシ、ヒドロキシル、アミノ、カルボン酸基、ウレタン、ホスフェート、シラン、イソシアネート、シアネート、ニトロ、ペルオキシ、ホスフィノ、ホスホノ、スルホン酸、スルホン、ニトロ、アクリレート、イミド、アミド、カルボキシル、カルボン酸無水物、シラン、オキサゾリン、(メタ)アクリレート、ビニル、マレエート及びマレイミドイタコネート、アリルアルコールエステル、ジシクロ−ペンタジエン性不飽和基、不飽和C12〜C22脂肪酸エステル又はアミド、カルボン酸塩又は第四級アンモニウム塩を含み、これらは液体電解質上の反応基と架橋することができる。液体電解質は、反応基、例えばエポキシ、ヒドロキシル、アミノ、カルボン酸基、ウレタン、ホスフェート、シラン、イソシアネート、シアネート、ニトロ、ペルオキシ、ホスフィノ、ホスホノ、スルホン酸、スルホン、ニトロ、アクリレート、イミド、アミド、カルボキシル、カルボン酸無水物、シラン、オキサゾリン、(メタ)アクリレート、ビニル、マレエート及びマレイミドイタコネート、アリルアルコールエステル、ジシクロ−ペンタジエン性不飽和基、不飽和C12〜C22脂肪酸エステル又はアミド、カルボン酸塩又は第四級アンモニウム塩(これらは固体電解質の反応基と架橋することができる)を有する電解質溶媒、アニオン、電解質及び他の添加物を含む。液体電解質を固体電解質と架橋することにより、液体電解質の電解質が流動的なまま、液体電解質の他の成分は液体電解質の電解質からより除去し難くなり、これにより、より高温における性能が高まる。
固体電解質は、液体電解質の吸収を容易にするのに好適な繊維を含み得る。特に好適な繊維は、ポリアクリロニトリル、セルロース、ポリエチレンオキシド、ポリメチルメタクリレート、ポリアミド、ポリアニリン、ポリビニルアルコール等のポリマーから作製される繊維及びナノファイバー、セルロース由来のナノファイバー、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール等の導電性ポリマーから電界紡糸されたナノファイバーである。100nm以下の長さと、50nm以下の直径とを有する繊維が好ましい。ミリングにより調製されるマイクロ繊維又はナノ繊維を使用することもできる。中空繊維及び電解質吸収性質がより高い繊維が好ましい。
含浸電解質とも言われる液体電解質の少なくとも1つの成分として、反応基を有する成分を含むが、それ以外では従来既知の任意の電解液を採用することができる。しかしながら、液体電解質は、非水性溶媒又は非プロトン性溶媒等の溶媒、有機塩、カチオン、アニオン、電解質、及び他の化合物を含むことが好ましい。液体電解質において特に好ましい添加剤としては、エーテル、アミド、オキサゾリジノン、ニトリル、グリコール、グリム、グリセロール、ラクトン、カーボネート、スルホン、又はポリオールが挙げられる。
液体電解質において、有機塩とは、その塩の構成要素である塩基及び酸の少なくとも1つが有機である塩を指す。γ−ブチロラクトン若しくはスルホラン、又はこれらの混合物は、信頼性が高く、比抵抗が低く、特に好適な非水性溶媒である。有機アミン塩は、本発明の実施に好適である。有機アミン塩とは、有機アミンと、有機酸又は無機酸との塩を指す。有機アミン塩の中でも、有機アミンと有機酸との塩を使用することが好ましく、その例としては、トリエチルアミンボロジサリチレート、エチルジメチルアミンフタレート、モノ1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムフタレート、モノ1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリニウムフタレート、及びそれらの混合物が挙げられる。
液体電解質に特に好ましい添加剤としては、ポリオール、グリセリン、ポリエチレングリコール、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート、テトラメチルアンモニウムフタレート、γ−ブチロラクトン、エチル化γ−ブチロラクトン、プロピル化γ−ブチロラクトン、及びβ−プロピオラクトン、ジメトキシエタン(DME)、ジグリム(ジエチレングリコールジメチルエーテル)、トリグリム(トリエチレングリコールジメチルエーテル)、エチレングリコールジエチルエーテル(DEE)、及びジエチレングリコールジエチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、及び少なくとも1つの他の有機溶媒が挙げられる。他の添加剤としては、超分岐ポリグリシドール、超分岐ポリアルキレングリコール、ポリ(アリルグリシジルエーテル)、ポリ(エトキシエチルグリシジルエーテル)、メチルグリシジルエーテルとアリルグリシジルエーテルとのコポリマー、メチルグリシジルエーテルとn−ブチルグリシジルエーテルとのコポリマー、メチルグリシジルエーテル等のグリシジルエーテルモノマーの重合グリシドールを含む超分岐コポリマー、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアミン、O−(カルボキシメチル)−O’−メチルポリエチレングリコール、メトキシポリ(エチレングリコール)、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、メトキシポリエチレングリコールマレイミド、及びポリ(エチレングリコール)メチルエーテルメタクリレートが挙げられる。
液体電解質における非プロトン性溶媒の例としては、エーテル、アミド、オキサゾリジノン、ラクトン、ニトリル、カーボネート、スルホン、及び他の有機溶媒が挙げられる。エーテルの例としては、モノエーテル、例えばエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、及び3−メチルテトラヒドロフラン等;ジエーテル、例えばエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、及びジエチレングリコールモノエチルエーテル等;並びにトリエーテル、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル及びジエチレングリコールジエチルエーテル等が挙げられる。アミドの例としては、ホルムアミド、例えばN−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、及びN,N−ジエチルホルムアミド等;アセトアミド、例えばN−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、及びN,N−ジエチルアセトアミド等;プロピオンアミド、例えばN,N−ジメチルプロピオンアミド等;ピロリドン、例えばN−メチルピロリドン及びN−エチルピロリドン等;並びにヘキサメチルホスホリルアミド等が挙げられる。オキサゾリジノンの例としては、N−メチル−2−オキサゾリジノン、3,5−ジメチル−2−オキサゾリジノン等が挙げられる。ラクトンの例としては、γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、β−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、及びδ−バレロラクトン等が挙げられる。ニトリルの例としては、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、及びベンゾニトリル等が挙げられる。カーボネートの例としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、及びジエチルカーボネート等が挙げられる。スルホンの例としては、スルホラン及びジメチルスルホン等が挙げられる。他の有機溶媒の例としては、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、芳香族溶媒(トルエン、キシレン等)、及びパラフィン溶媒(直鎖パラフィン、イソパラフィン等)等が挙げられる。
非プロトン性溶媒は、液体電解質において、単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。そのうち、ラクトン及びスルホンが好ましく、γ−ブチロラクトン及びスルホランがより好ましく、γ−ブチロラクトンが特に好ましい。
一実施形態においては、溶媒は、200℃超の沸点を有し、35超の誘電率を有する。
液体電解質は、式IIで表されるカチオンと、アニオンとを含有することが好ましい。
Figure 2021532576
式IIでは、R〜Rは各々、C1〜3アルキルであり、R〜Rは各々、C1〜3アルキル又は水素原子である。C1〜3アルキルの例としては、メチル、エチル、n−プロピル及びイソプロピルが挙げられる。
カチオンの例としては、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2,4−ジエチルイミダゾリニウム、1,2−ジメチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウム、1−メチル−2,3,4−トリエチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラエチル−イミダゾリニウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、及び1,2,3−トリエチルイミダゾリニウム等が挙げられ、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム及び1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウムがより好ましい。
液体電解質におけるアニオンの例としては、電解液に通常用いられる様々な有機酸及び/又は無機酸のアニオンが挙げられる。2価以上の有機酸及び/又は無機酸の場合、アニオンはモノアニオンであることが好ましい。
有機酸及び無機酸は、カルボン酸、フェノール、C1〜15アルキルを含有するモノ−及びジ−アルキルホスフェート、スルホン酸、無機酸等によって例示される。カルボン酸の例としては、脂肪族ポリカルボン酸、例えば飽和ポリカルボン酸、特にシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、及びセバシン酸等、並びに不飽和ポリカルボン酸、特にマレイン酸、フマル酸、及びイタコン酸等、芳香族ポリカルボン酸、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、及びピロメリット酸等を含む2価〜4価のC2〜15ポリカルボン酸;並びにS含有ポリカルボン酸、例えばチオジプロピオン酸等;脂肪族ヒドロキシカルボン酸、例えばグリコール酸、乳酸、酒石酸、及びヒマシ油脂肪酸等を含むC2〜20ヒドロキシカルボン酸;芳香族ヒドロキシカルボン酸、例えばサリチル酸及びマンデル酸等;脂肪族モノカルボン酸、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸及びベヘン酸等)を含む飽和モノカルボン酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸及びオレイン酸等の不飽和モノカルボン酸を含むC1〜30モノカルボン酸;並びに芳香族モノカルボン酸、例えば安息香酸、桂皮酸、及びナフトエ酸等が挙げられる。フェノールの例としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、n−又はイソプロピルフェノール、及びイソドデシルフェノール等のC1〜15アルキルフェノール、オイゲノール及びグアイアコール等のメトキシフェノール、α−ナフトール、β−ナフトール、及びシクロヘキシルフェノール等を含むフェノール及びナフトールを含む一価フェノール;カテコール、レゾルシン、ピロガロール、フロログルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、及びビスフェノールS等を含む多価フェノールが挙げられる。C1〜15アルキルを含有するモノ−及びジ−アルキルホスフェートの例としては、モノ−及びジ−メチルホスフェート、モノ−及びジ−エチルホスフェート、モノ−及びジ−イソプロピルホスフェート、モノ−及びジ−ブチルホスフェート、モノ−及びジ−(2−エチルヘキシル)ホスフェート、モノ−及びジ−イソデシルホスフェート等が挙げられる。スルホン酸の例としては、p−トルエンスルホン酸、ノニルベンゼンスルホン酸、及びドデシルベンゼンスルホン酸等のC1〜15アルキルベンゼンスルホン酸、スルホサリチル酸、メタンスルホン酸、並びにトリフルオロメタンスルホン酸等が挙げられる。無機酸の例としては、リン酸、テトラフルオロホウ酸、過塩素酸、ヘキサフルオロリン酸、ヘキサフルオロアンチモン酸、及びヘキサフルオロヒ酸等が挙げられる。他の例としては、トリフルオロメタンスルホニルイミドのイミドアニオン等、及びトリフルオロメタンスルホニルメチドのメチドアニオン等が挙げられる。
液体電解質における電解質は、カチオンとアニオンとの組み合わせにより表され、これには好ましくは、以下のもの:1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム/フタレートモノアニオン、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム/フタレートモノアニオン、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム/マレエートモノアニオン、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウムカチオン/マレエートモノアニオン、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム/ジエチルホスフェートアニオン、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウムカチオン/ジエチルホスフェートアニオン、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム/ジブチルホスフェートアニオン、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウムカチオン/ジブチルホスフェートアニオン、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム/ジイソプロピルホスフェートアニオン、及び1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウムカチオン/ジイソプロピルホスフェートアニオンが含まれ、最も好ましくは1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム/フタレートモノアニオン、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム/フタレートモノアニオン、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム/マレエートモノアニオン、及び1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウムカチオン/マレエートモノアニオンから選ばれる。
非水性溶媒における有機塩の濃度は、特定の濃度に限定されるものではなく、通常採用される濃度を適宜採用し得る。この濃度は、例えば、5重量%〜50重量%とすることができる。
コンデンサは、本発明から逸脱しない限り、当該技術分野で既知の他の補助剤、被膜、及び同族元素を含むことができる。非限定的な要約としては、保護層、複数の静電容量レベル、端子、リード等が挙げられる。
本発明の特に特徴的な点は、高電圧のコンデンサを提供できる点である。上述の導電性セパレータを利用することにより、15V〜250Vの定格電圧能力を有するコンデンサを得ることができる。さらに、コンデンサは、10mm〜30mmの直径を有するほど大きく、かつ、15mm〜50mmの長さを有するほど大きく、又はそれ以上に大きく作製することができる。
比較研究
直径約10mm、長さ約8mmの作用素子を有するコンデンサ等の市販製品において構成要素を観察することにより、従来技術のハイブリッドコンデンサにおける欠陥を理解することができる。巻回し後にポリマー層を形成する従来技術のプロセスの影響で、巻回体の最終巻周辺及び巻回体の底部に導電性ポリマーが集中して位置し、箔及びセパレータが不均一に被覆されていることが目視で分かる。例示的なケースでは、箔の40%未満が導電性ポリマーで被覆されており、これにより、箔の少なくとも60%が、静電容量に完全に貢献するという点で役に立っていないことが分かる。図5は、従来技術と本発明との相違点を模式的に示す図である。図5中、符号Aで示す従来技術のアノードは外側の領域のみが被覆されており、中心部には導電性ポリマー被膜が全くないが、符号Bで示す本発明の例では、表面全体が導電性ポリマーで被覆されている。
実施例1(E−1)
表1に示すサイズ及び定格静電容量を有する陽極酸化アルミニウムアノード箔及びアルミニウムカソード箔を、300℃±5℃で、30分±5分間熱処理した。アノード箔を、30℃±5℃、5mA/cmの電圧で、5%シュウ酸に浸漬することによって第1の端部形成処理を行った。この箔を、最低5分間洗浄し、125℃±5℃で25分〜30分間乾燥した。アノード箔を、300℃±5℃で、30分±5分間熱処理し、次いで、50℃±5℃、1.5mA/cmの電圧で、1%クエン酸アンモニウムにおいて、第2の端部形成を行い、次いで、少なくとも5分間洗浄し、125℃±5℃で25分〜30分間乾燥した。アノード及びカソードを、4935ml±50mlの脱イオン水、15ml±0.5mlの酢酸、及び50ml±1mlの3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを含む溶液中、3.0±1.0のpHで15秒〜30秒間シラン処理した。アノード箔及びカソード箔を、再度、300℃±5℃で30分±5分間熱処理した。アノードを、再度、55℃±5℃、1.5mA/cmの電圧で、0.1%リン酸アンモニウム中で陽極酸化して、端部を酸化し、次いで、少なくとも5分間洗浄し、125℃±5℃で25分〜30分間乾燥した。シラン処理を15秒〜30秒間繰り返し、次いで、15分〜20分間空気乾燥した。シランを、125℃±5℃で15分±3分間硬化させた。ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン(PEDOT)及びポリスチレンスルホン酸(PSS)を含むスラリーに、アノード及びカソードを3mm/秒の速度で通すことにより、導電性ポリマー層を適用し、次いで、はじめは80℃で約10分間乾燥し、次に150℃で約10分間乾燥し、次いで、被膜を室温まで冷却した。ポリマー被覆を、被覆と被覆の間に乾燥を行いながら、3回繰り返した。ポリマーで被覆された投影実表面積の割合を観察したところ、カソード箔、アノード箔、及びセパレータを含む全ての構成要素で約100%であった。全ての構成要素は、柔軟であり、クラックを発生せず、アキシャルコンデンサとしての巻回体に好適であることが分かった。これらの構成要素は、長期間の保管において安定している。コンデンサを試験し、その結果を表1に示す。
実施例2(E−2)
実施例1と同じ被覆率でスラリーを噴霧することによりポリマーを適用したこと以外は、実施例1を繰り返した。
実施例3(E−3)
特許文献2に記載の従来技術の方法によって導電性ポリマーを添加したこと以外は、実施例1と同じアノード及びカソードを使用してサンプルを作製した。結果を表1に示す。
Figure 2021532576
表1中、Vは定格電圧であり、CVは静電容量×ボルトである。例中、アノード及びカソードのサイズが同じ場合の静電容量は、E−3に対してE−1はほぼ3倍高かった。
E−1に対して得られた結果は、様々なケースサイズのアキシャルコンデンサの製造にうまく適用された。40V〜63VのコンデンサのCVは、E−3に対してE−1はほぼ3倍高かった。寿命試験によって、製造した試作品が、高温下、定格電圧で数時間、高い安定性を有することが実証された。試作品では、高CV値と同時に、低ESR及び温度依存性の抑制が達成された。図6〜図10は、電気的性能を示す図である。図6は、40Vの定格電圧を有する、直径20mm、長さ27mmのアキシャルコンデンサにおいて、ESRの向上を温度の関数として示す図である。図7は、40Vの定格電圧を有する、直径10mm、長さ20mmのアキシャルコンデンサにおいて、ESRの向上を温度の関数として示す図である。図8は、40Vの定格電圧を有する、直径10mm、長さ20mmのアキシャルコンデンサにおいて、ESRの向上を125℃における時間の関数として示す図である。図9は、一連の従来技術の比較ハイブリッド40Vコンデンサと、一連の本発明のコンデンサとを対比して、ESRの向上を105℃における時間の関数として示す図である。図10は、比較ハイブリッド63Vコンデンサと、本発明のコンデンサとを対比して、ESRの向上を105℃における時間の関数として示す図である。
周波数の応じたESRのシフトを求めるために、一連のコンデンサを準備した。対照アキシャル電解コンデンサを準備し、本明細書に記載の完全非対称コンデンサ、アノードの両側に導電性ポリマーを有し、誘電体上にポリマー層を1層被覆させた、HAC−1で示す対称コンデンサ、及びアノードの両側に導電性ポリマーを有し、誘電体上にポリマー層を3層被覆させた、HAC−3で示す対称コンデンサも準備した。図18は、非対称であること、及び追加の被覆層を使用して導電性ポリマー層に導電性を追加することの利点を示すグラフである。
架橋した例
ポリマー接着性に対する内部架橋の影響を試験するために、ガラス練板上にサンプルの3つの群を準備した。
群1では、ガラス練板を導電性ポリマースラリーで被覆し、次いで、80℃で15分間乾燥し、150℃で15分間硬化させた。
群2では、ガラス練板を3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン溶液で処理し、次いで、125℃で15分間乾燥した。その後、練板を導電性ポリマースラリーで被覆し、次いで、80℃で15分間乾燥し、150℃で15分間硬化させた。
群3では、ガラス練板を3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン溶液で処理し、次いで、125℃で15分間乾燥した。その後、練板を導電性ポリマースラリーで被覆し、次いで、80℃で15分間乾燥し、150℃で15分間硬化させた。サンプルをシラン溶液で処理し、次いで、125℃で15分間乾燥した。
群1〜3のサンプルを、容器に入れ、部分的に導電性ポリマー被膜を電解質に浸漬して、密封し、様々な条件で高温保管した。試験1は、室温での48時間試験であり、試験2は、125℃での96時間試験であり、試験3は、150℃での24時間試験である。試験後、全てのサンプルを脱イオン水でリンスした。
各試験において、群1のサンプルにおいて電解質に浸漬した部分は、浸漬した高さまで剥離した。電解質への浸漬後、室温では、導電性ポリマーは表面に効果的に接着していない。もしこれをハイブリッドコンデンサに導入すると、コンデンサはESR安定性に非常に劣る可能性が高い。
群2は、中程度の安定性を示した。電解質に浸漬した導電層は、群1よりもガラス練板に対してより強く接着しており、ほぼ全てのポリマーが、室温条件下では接着したままであった。しかしながら、より高温の電解質中に保管後は、浸漬した高さより下で、導電性ポリマー層のかなりの部分が脱離した。群3は、試験3の最も厳しい条件下でも最良の接着性を示した。この場合、ポリマー層は、サブ粒子レベルで強化されており、表面に化学的に結合していた。
直径10mm、長さ20mm(D10×L20)のハイブリッドコンデンサ巻回体に対して行ったESR測定結果を図22に示す。図22中、ハイブリッドコンデンサ(E−4)は、シラン前処理した、導電性ポリマー被膜を有するアノードと、導電性ポリマースラリーを含浸させ、次いで、硬化させた紙を使用した導電性セパレータと、炭素被覆カソードとから組み立てた。ハイブリッドコンデンサ(E−5)は、全ての材料上の全てのポリマー層をシランで後処理して、導電性ポリマー経路を完全に架橋したハイブリッド試作品を示す。
結果から、完全架橋手法を適用した試作品において、はるかに高い安定性とより良好な性能が得られることがはっきりと分かる。
本発明を、好ましい実施形態を参照してそれに限定することなく説明した。当業者であれば、特に本明細書に示されていないが、添付の特許請求の範囲においてより具体的に示されている本発明の範囲内にある追加の実施形態及び改良形態を認識するであろう。

Claims (69)

  1. 第1の誘電体と、該第1の誘電体上のアノード導電性ポリマー層とを含むアノードと、
    カソードと、
    前記アノード導電性ポリマー層と前記カソードとの間のセパレータであって、該セパレータはセパレータ導電性ポリマー層を含み、前記アノード導電性ポリマー層又は前記セパレータ導電性ポリマー層のうち少なくとも1つが架橋している、セパレータと、
    を含む作用素子と、
    液体電解質と、
    を含むコンデンサ。
  2. 前記アノード、前記セパレータ、又は前記カソードのうち少なくとも1つが、反応性官能基を更に含む、請求項1に記載のコンデンサ。
  3. 前記セパレータが、前記反応性官能基のうちの或る反応性官能基を含み、該反応性官能基が、前記セパレータ導電性ポリマー層における前記反応性官能基のうちの第2の反応性官能基と反応する、請求項2に記載のコンデンサ。
  4. 前記反応性官能基の第1の反応性官能基が、前記反応性官能基の第2の反応性官能基と架橋している、請求項2に記載のコンデンサ。
  5. 前記第1の反応性官能基及び前記第2の反応性官能基が、共通の層に存在する、請求項4に記載のコンデンサ。
  6. 前記第1の反応性官能基及び前記第2の反応性官能基が、隣接した層に存在する、請求項4に記載のコンデンサ。
  7. 前記隣接した層のうち1つの隣接した層が、前記アノード導電性ポリマー層である、請求項6に記載のコンデンサ。
  8. 前記隣接した層のうち1つの隣接した層が、前記セパレータ導電性ポリマー層である、請求項4に記載のコンデンサ。
  9. 前記カソードがカソード導電層を含み、前記隣接した層のうち1つの隣接した層が、該カソード導電性ポリマー層である、請求項4に記載のコンデンサ。
  10. 前記反応性官能基のうちの少なくとも1つの反応性官能基が、エポキシ、ヒドロキシル、アミノ、カルボン酸基、ウレタン、ホスフェート、シラン、イソシアネート、シアネート、ニトロ、ペルオキシ、ホスフィノ、ホスホノ、スルホン酸、スルホン、ニトロ、アクリレート、イミド、アミド、カルボキシル、カルボン酸無水物、シラン、オキサゾリン、(メタ)アクリレート、ビニル、マレエート及びマレイミドイタコネート、アリルアルコールエステル、ジシクロ−ペンタジエン性不飽和基、不飽和C12〜C22脂肪酸エステル又はアミド、カルボン酸塩、及び第四級アンモニウム塩からなる群から選ばれる、請求項2に記載のコンデンサ。
  11. 前記反応基が、エポキシ、ヒドロキシル、アミノ、カルボン酸基、ウレタン、ホスフェート、シラン、イソシアネート、シアネート、ニトロ、ペルオキシ、ホスフィノ、ホスホノ、スルホン酸、スルホン、ニトロ、アクリレート、イミド、アミド、カルボキシル、カルボン酸無水物、シラン、オキサゾリン、(メタ)アクリレート、ビニル、マレエート及びマレイミドイタコネート、アリルアルコールエステル、ジシクロ−ペンタジエン性不飽和基、不飽和C12〜C22脂肪酸エステル又はアミド、カルボン酸塩、及び第四級アンモニウム塩からなる群から選ばれる、請求項10に記載のコンデンサ。
  12. 前記液体電解質が、前記アノード導電性ポリマー層と前記カソードとの間に存在する、請求項1に記載のコンデンサ。
  13. 前記液体電解質を50重量%まで含む、請求項12に記載のコンデンサ。
  14. 前記アノード導電性ポリマー層が、前記第1の誘電体の表面積の少なくとも80%を被覆するか、又は前記カソードの表面積の少なくとも80%が、カソード導電性ポリマー層を含む、請求項1に記載のコンデンサ。
  15. 前記アノード導電性ポリマー層が、前記第1の誘電体の表面積の少なくとも90%を被覆するか、又は前記カソード導電性ポリマー層が、前記カソードの表面積の少なくとも90%を被覆する、請求項14に記載のコンデンサ。
  16. 複数のアノードリード又は複数のカソードリードを含む、請求項1に記載のコンデンサ。
  17. 前記アノード又は前記カソードの少なくとも1つが弁金属を含む、請求項1に記載のコンデンサ。
  18. 前記弁金属が、タンタル、アルミニウム、ニオブ、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、これらの元素の合金、及びその導電性酸化物からなる群から選ばれる、請求項17に記載のコンデンサ。
  19. 前記弁金属がアルミニウムである、請求項18に記載のコンデンサ。
  20. 前記アノード、前記カソード、又は前記セパレータのうち少なくとも1つが、少なくとも0.1mg/cm〜10mg/cm以下の導電性ポリマー被膜を有する、請求項1に記載のコンデンサ。
  21. 少なくとも15ボルト〜250ボルト以下の定格電圧を有する、請求項1に記載のコンデンサ。
  22. 隣接する導電性ポリマー層が物理的に接触している、請求項1に記載のコンデンサ。
  23. 前記アノード導電性ポリマー層、前記セパレータ導電性ポリマー層、又は前記カソード上のカソード導電層のうち少なくとも1つが、シラン、エポキシド、エーテル、エポキシ架橋剤、及び親水性カップリング剤からなる群から選ばれる架橋剤によって架橋されている、請求項1に記載のコンデンサ。
  24. 前記シランが、グリシジルシラン及び有機官能性シランからなる群から選ばれる、請求項23に記載のコンデンサ。
  25. 前記有機官能性シランが以下の式:
    Figure 2021532576
    (式中、Xは有機官能基であり、
    Yは、反応性官能基又は非反応性官能基を含む任意の有機部であり、
    は、アリール又はアルキル(CH(ここで、mは0〜14)であり、
    は、個々に、加水分解性官能基であり、
    は、個々に、炭素数1〜6のアルキル官能基であり、及び
    nは1〜3である)で定義される、請求項24に記載のコンデンサ。
  26. 前記Xが、アミノ、エポキシ、無水物、ヒドロキシ、メルカプト、スルホネート、カルボキシレート、ホスホネート、ハロゲン、ビニル、メタクリロキシ、エステル、及びアルキルからなる群から選ばれる、請求項25に記載のコンデンサ。
  27. 前記有機官能性シランが、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルシラントリオール、(トリエトキシシリル)プロピルコハク酸無水物、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−トリヒドロキシシリル−1−プロパンスルホン酸、オクチルトリエトキシシラン、及びビス(トリエトキシシリル)オクタンからなる群から選ばれる、請求項24に記載のコンデンサ。
  28. 前記有機官能性シランが以下の式:
    Figure 2021532576
    (式中、Rは炭素数1〜14のアルキルであり、及び
    は、各々独立して、炭素数1〜6のアルキル又は置換アルキルである)で定義される、請求項24に記載のコンデンサ。
  29. 前記有機官能性シランが以下の式:
    Figure 2021532576
    で定義される、請求項24に記載のコンデンサ。
  30. 前記エポキシ架橋剤が以下の式:
    Figure 2021532576
    (式中、Xは、炭素数0〜14のアルキル又は置換アルキル、アリール又は置換アリール、エチレンエーテル又は置換エチレンエーテル、2個〜20個のエチレンエーテル基を有するポリエチレンエーテル又は置換ポリエチレンエーテルである)で定義される、請求項23に記載のコンデンサ。
  31. 前記エポキシ架橋剤が、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、ペンチレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキシレングリコールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、レゾルシノールグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ソルビトールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ジ(2,3−エポキシプロピル)エーテル、1,3−ブタジエンジエポキシド、1,5−ヘキサジエンジエポキシド、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、1,2,5,6−ジエポキシシクロオクタン、4−ビニルシクロヘキセンジエポキシド、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、又はマレイミド−エポキシ化合物からなる群から選ばれる、請求項23に記載のコンデンサ。
  32. 前記エーテルがグリシジルエーテルである、請求項23に記載のコンデンサ。
  33. 前記エーテルが以下の式:
    Figure 2021532576
    (式中、Rは、炭素数1〜14のアルキル又は置換アルキル、エチレンエーテル、2個〜20個のエチレンエーテル基を有するポリエチレンエーテル;ヒドロキシ、
    Figure 2021532576
    、若しくは−(CHOH)CHOH(ここで、Xは1〜14である)から選ばれる基で置換されたアルキルである)で定義される、請求項23に記載のコンデンサ。
  34. 前記エーテルが:
    Figure 2021532576
    (式中、nは1〜220の整数である);
    Figure 2021532576
    からなる群から選ばれる、請求項23に記載のコンデンサ。
  35. コンデンサを形成する方法であって、該方法が作用素子を形成することを含み、該作用素子を形成することが、
    第1の誘電体と、該第1の誘電体上のアノード導電性ポリマー層とを含むアノードを形成することと、
    カソードを形成することと、
    セパレータ導電性ポリマー層を含むセパレータを形成することと、
    前記アノード、前記カソード、及び前記セパレータを含む層状構造であって、前記セパレータが、前記アノードと前記カソードとの間に存在する層状構造を形成することと、
    前記層状構造の巻回体を形成することと、
    前記巻回体に液体電解質を含浸させることと、
    を含み、前記アノード導電性ポリマー層又は前記セパレータ導電性ポリマー層のうち少なくとも1つを架橋させる、方法。
  36. 前記巻回体を形成する前に、前記アノード導電性ポリマー層又は前記セパレータ導電性ポリマー層の少なくとも1つを架橋させる、請求項35の記載のコンデンサを形成する方法。
  37. 前記アノード、前記セパレータ、又は前記カソードのうち少なくとも1つが、反応性官能基を更に含む、請求項35に記載のコンデンサを形成する方法。
  38. 前記セパレータが、前記反応性官能基のうちの或る反応性官能基を含み、該反応性官能基が、前記セパレータ導電性ポリマー層における前記反応性官能基のうちの第2の反応性官能基と反応する、請求項37に記載のコンデンサを形成する方法。
  39. 前記反応性官能基の第1の反応性官能基が、前記反応性官能基の第2の反応性官能基と架橋している、請求項37に記載のコンデンサを形成する方法。
  40. 前記第1の反応性官能基及び前記第2の反応性官能基が、共通の層に存在する、請求項39に記載のコンデンサを形成する方法。
  41. 前記第1の反応性官能基及び前記第2の反応性官能基が、隣接した層に存在する、請求項39に記載のコンデンサを形成する方法。
  42. 前記隣接した層のうち1つの隣接した層が、前記アノード導電性ポリマー層である、請求項41に記載のコンデンサを形成する方法。
  43. 前記隣接した層のうち1つの隣接した層が、前記セパレータ導電性ポリマー層である、請求項41に記載のコンデンサを形成する方法。
  44. 前記カソードがカソード導電層を含み、前記隣接した層のうち1つの隣接した層が、該カソード導電性ポリマー層である、請求項41に記載のコンデンサを形成する方法。
  45. 前記反応性官能基のうちの少なくとも1つの反応性官能基が、エポキシ、ヒドロキシル、アミノ、カルボン酸基、ウレタン、ホスフェート、シラン、イソシアネート、シアネート、ニトロ、ペルオキシ、ホスフィノ、ホスホノ、スルホン酸、スルホン、ニトロ、アクリレート、イミド、アミド、カルボキシル、カルボン酸無水物、シラン、オキサゾリン、(メタ)アクリレート、ビニル、マレエート及びマレイミドイタコネート、アリルアルコールエステル、ジシクロ−ペンタジエン性不飽和基、不飽和C12〜C22脂肪酸エステル又はアミド、カルボン酸塩、及び第四級アンモニウム塩からなる群から選ばれる、請求項37に記載のコンデンサを形成する方法。
  46. 前記反応基が、エポキシ、ヒドロキシル、アミノ、カルボン酸基、ウレタン、ホスフェート、シラン、イソシアネート、シアネート、ニトロ、ペルオキシ、ホスフィノ、ホスホノ、スルホン酸、スルホン、ニトロ、アクリレート、イミド、アミド、カルボキシル、カルボン酸無水物、シラン、オキサゾリン、(メタ)アクリレート、ビニル、マレエート及びマレイミドイタコネート、アリルアルコールエステル、ジシクロ−ペンタジエン性不飽和基、不飽和C12〜C22脂肪酸エステル又はアミド、カルボン酸塩、及び第四級アンモニウム塩からなる群から選ばれる、請求項45に記載のコンデンサを形成する方法。
  47. 前記液体電解質が、前記アノード導電性ポリマー層と前記カソードとの間に存在する、請求項35に記載のコンデンサを形成する方法。
  48. 前記液体電解質を50重量%まで含む、請求項47に記載のコンデンサを形成する方法。
  49. 前記アノード導電性ポリマー層が、前記第1の誘電体の表面積の少なくとも80%を被覆するか、又は前記カソードの表面積の少なくとも80%が、カソード導電性ポリマー層を含む、請求項35に記載のコンデンサを形成する方法。
  50. 前記アノード導電性ポリマー層が、前記第1の誘電体の表面積の少なくとも90%を被覆するか、又は前記カソード導電性ポリマー層が、前記カソードの表面積の少なくとも90%を被覆する、請求項49に記載のコンデンサを形成する方法。
  51. 複数のアノードリード又は複数のカソードリードを含む、請求項35に記載のコンデンサを形成する方法。
  52. 前記アノード又は前記カソードの少なくとも1つが弁金属を含む、請求項35に記載のコンデンサを形成する方法。
  53. 前記弁金属が、タンタル、アルミニウム、ニオブ、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、これらの元素の合金、及びその導電性酸化物からなる群から選ばれる、請求項52に記載のコンデンサを形成する方法。
  54. 前記弁金属がアルミニウムである、請求項53に記載のコンデンサを形成する方法。
  55. 前記アノード、前記カソード、又は前記セパレータのうち少なくとも1つが、少なくとも0.1mg/cm〜10mg/cm以下の導電性ポリマー被膜を有する、請求項35に記載のコンデンサを形成する方法。
  56. 少なくとも15ボルト〜250ボルト以下の定格電圧を有する、請求項35に記載のコンデンサを形成する方法。
  57. 隣接する導電性ポリマー層が物理的に接触している、請求項35に記載のコンデンサを形成する方法。
  58. 前記アノード導電性ポリマー層、前記セパレータ導電性ポリマー層、又は前記カソード上のカソード導電層のうち少なくとも1つが、シラン、エポキシド、エーテル、エポキシ架橋剤、及び親水性カップリング剤からなる群から選ばれる架橋剤によって架橋されている、請求項35に記載のコンデンサを形成する方法。
  59. 前記シランが、グリシジルシラン及び有機官能性シランからなる群から選ばれる、請求項58に記載のコンデンサを形成する方法。
  60. 前記有機官能性シランが以下の式:
    Figure 2021532576
    (式中、Xは有機官能基であり、
    Yは、反応性官能基又は非反応性官能基を含む任意の有機部であり、
    は、アリール又はアルキル(CH(ここで、mは0〜14)であり、
    は、個々に、加水分解性官能基であり、
    は、個々に、炭素数1〜6のアルキル官能基であり、及び
    nは1〜3である)で定義される、請求項59に記載のコンデンサを形成する方法。
  61. 前記Xが、アミノ、エポキシ、無水物、ヒドロキシ、メルカプト、スルホネート、カルボキシレート、ホスホネート、ハロゲン、ビニル、メタクリロキシ、エステル、及びアルキルからなる群から選ばれる、請求項60に記載のコンデンサを形成する方法。
  62. 前記有機官能性シランが、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルシラントリオール、(トリエトキシシリル)プロピルコハク酸無水物、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−トリヒドロキシシリル−1−プロパンスルホン酸、オクチルトリエトキシシラン、及びビス(トリエトキシシリル)オクタンからなる群から選ばれる、請求項59に記載のコンデンサを形成する方法。
  63. 前記有機官能性シランが以下の式:
    Figure 2021532576
    (式中、Rは炭素数1〜14のアルキルであり、及び
    は、各々独立して、炭素数1〜6のアルキル又は置換アルキルである)で定義される、請求項59に記載のコンデンサを形成する方法。
  64. 前記有機官能性シランが以下の式:
    Figure 2021532576
    で定義される、請求項59に記載のコンデンサを形成する方法。
  65. 前記エポキシ架橋剤が以下の式:
    Figure 2021532576
    (式中、Xは、炭素数0〜14のアルキル又は置換アルキル、アリール又は置換アリール、エチレンエーテル又は置換エチレンエーテル、2個〜20個のエチレンエーテル基を有するポリエチレンエーテル又は置換ポリエチレンエーテルである)で定義される、請求項58に記載のコンデンサを形成する方法。
  66. 前記エポキシ架橋剤が、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、ペンチレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキシレングリコールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、レゾルシノールグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテルグリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ソルビトールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ジ(2,3−エポキシプロピル)エーテル、1,3−ブタジエンジエポキシド、1,5−ヘキサジエンジエポキシド、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、1,2,5,6−ジエポキシシクロオクタン、4−ビニルシクロヘキセンジエポキシド、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、又はマレイミド−エポキシ化合物からなる群から選ばれる、請求項58に記載のコンデンサを形成する方法。
  67. 前記エーテルがグリシジルエーテルである、請求項58に記載のコンデンサを形成する方法。
  68. 前記エーテルが以下の式:
    Figure 2021532576
    (式中、Rは、炭素数1〜14のアルキル又は置換アルキル、エチレンエーテル、2個〜20個のエチレンエーテル基を有するポリエチレンエーテル;ヒドロキシ、
    Figure 2021532576
    、若しくは−(CHOH)CHOH(ここで、Xは1〜14である)から選ばれる基で置換されたアルキルである)で定義される、請求項58に記載のコンデンサを形成する方法。
  69. 前記エーテルが:
    Figure 2021532576
    (式中、nは1〜220の整数である);
    Figure 2021532576
    からなる群から選ばれる、請求項58に記載のコンデンサを形成する方法。
JP2021501334A 2018-07-18 2019-06-18 ハイブリッドコンデンサ及びコンデンサを製造する方法 Active JP7218423B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US16/038,609 US10770240B2 (en) 2015-02-13 2018-07-18 Hybrid capacitor and method of manufacturing a capacitor
US16/038,609 2018-07-18
PCT/US2019/037621 WO2020018216A1 (en) 2018-07-18 2019-06-18 Hybrid capacitor and method of manufacturing a capacitor

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021532576A true JP2021532576A (ja) 2021-11-25
JP7218423B2 JP7218423B2 (ja) 2023-02-06

Family

ID=69164581

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021501334A Active JP7218423B2 (ja) 2018-07-18 2019-06-18 ハイブリッドコンデンサ及びコンデンサを製造する方法

Country Status (4)

Country Link
EP (1) EP3824489A4 (ja)
JP (1) JP7218423B2 (ja)
CN (1) CN112424894B (ja)
WO (1) WO2020018216A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023149357A1 (ja) * 2022-02-01 2023-08-10 日本ケミコン株式会社 固体電解コンデンサ及び製造方法

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024015221A2 (en) * 2022-07-15 2024-01-18 Kemet Electronics Corporation A capacitor and method of its manufacturing based on an oxidative polymerization dispersion
CN117577451B (zh) * 2024-01-16 2024-04-05 常州嘉容电子有限公司 一种铝电容生产用浆料、铝电解电容器的生产方法及喷嘴

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02186617A (ja) * 1989-01-13 1990-07-20 Nippon Chemicon Corp 固体電解コンデンサおよびその製造方法
JPH05299305A (ja) * 1992-04-21 1993-11-12 Matsushita Electric Ind Co Ltd 積層型電解コンデンサ及びその製造法
JPH07283086A (ja) * 1994-04-14 1995-10-27 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電解コンデンサ及びその製造方法
JP2000269070A (ja) * 1999-03-19 2000-09-29 Matsushita Electric Ind Co Ltd コンデンサの製造方法
JP2013239698A (ja) * 2012-02-27 2013-11-28 Kemet Electronics Corp 層間架橋を用いた固体電解コンデンサ
US20160240323A1 (en) * 2015-02-13 2016-08-18 Kemet Electronics Corporation Hybrid Capacitor with Enhanced Reliability
JP2016530711A (ja) * 2013-07-24 2016-09-29 ケメット エレクトロニクス コーポレーション コンデンサ用の二重架橋剤系を含む導電性ポリマー組成物
US20170294273A1 (en) * 2016-04-11 2017-10-12 Kemet Electronics Corporation Hybrid capacitor and method of manufacturing a capacitor

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8945751B2 (en) * 2011-07-19 2015-02-03 Aquion Energy, Inc. High voltage battery composed of anode limited electrochemical cells
KR101214787B1 (ko) * 2011-12-28 2012-12-24 한양대학교 산학협력단 실 형태의 마이크로-슈퍼커패시터 및 그 제조 방법
JP5688192B2 (ja) * 2012-09-29 2015-03-25 ルビコン株式会社 固体電解コンデンサ及びその製造方法
CN105097289B (zh) * 2014-05-19 2020-12-04 清华大学 混合储能器件
EP3037497A1 (en) * 2014-12-23 2016-06-29 Heraeus Deutschland GmbH & Co. KG Process for producing functionalized polythiophenes
CN107680810A (zh) * 2017-09-15 2018-02-09 深圳新宙邦科技股份有限公司 一种电解电容器的制备方法及电解电容器

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02186617A (ja) * 1989-01-13 1990-07-20 Nippon Chemicon Corp 固体電解コンデンサおよびその製造方法
JPH05299305A (ja) * 1992-04-21 1993-11-12 Matsushita Electric Ind Co Ltd 積層型電解コンデンサ及びその製造法
JPH07283086A (ja) * 1994-04-14 1995-10-27 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電解コンデンサ及びその製造方法
JP2000269070A (ja) * 1999-03-19 2000-09-29 Matsushita Electric Ind Co Ltd コンデンサの製造方法
JP2013239698A (ja) * 2012-02-27 2013-11-28 Kemet Electronics Corp 層間架橋を用いた固体電解コンデンサ
JP2016530711A (ja) * 2013-07-24 2016-09-29 ケメット エレクトロニクス コーポレーション コンデンサ用の二重架橋剤系を含む導電性ポリマー組成物
US20160240323A1 (en) * 2015-02-13 2016-08-18 Kemet Electronics Corporation Hybrid Capacitor with Enhanced Reliability
US20170294273A1 (en) * 2016-04-11 2017-10-12 Kemet Electronics Corporation Hybrid capacitor and method of manufacturing a capacitor
JP2019516241A (ja) * 2016-04-11 2019-06-13 ケメット エレクトロニクス コーポレーション ハイブリッドコンデンサ及びコンデンサの製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023149357A1 (ja) * 2022-02-01 2023-08-10 日本ケミコン株式会社 固体電解コンデンサ及び製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN112424894B (zh) 2023-04-07
EP3824489A4 (en) 2022-05-04
JP7218423B2 (ja) 2023-02-06
WO2020018216A1 (en) 2020-01-23
CN112424894A (zh) 2021-02-26
EP3824489A1 (en) 2021-05-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10770240B2 (en) Hybrid capacitor and method of manufacturing a capacitor
US10074490B2 (en) Hybrid capacitor with enhanced reliability
CN109074958B (zh) 混合电容器及电容器的制造方法
US6602741B1 (en) Conductive composition precursor, conductive composition, solid electrolytic capacitor, and their manufacturing method
TWI399771B (zh) 電解電容器
JP5168436B2 (ja) 電解コンデンサの製造方法
JP7218423B2 (ja) ハイブリッドコンデンサ及びコンデンサを製造する方法
TW200919511A (en) Method for manufacturing electrolytic capacitor and electrolytic capacitor
JP2023536226A (ja) Esr安定化を改良したハイブリッドコンデンサ
JP2023144086A (ja) 内部コンダクタンスが改良され破壊電圧能力がより高いアルミニウムポリマーコンデンサ
JP6967744B2 (ja) 電解コンデンサおよび電解コンデンサ用電解液
US10777361B2 (en) Hybrid capacitor and method of manufacturing a capacitor
US11081287B2 (en) Electrolytic capacitor and method for manufacturing electrolytic capacitor
CN110223845B (zh) 混合电容器和制造电容器的方法
WO2024004616A1 (ja) 電解コンデンサおよびその製造方法
CN116364436A (zh) 一种固液混合型铝电解电容器的制造方法
JP2023097332A (ja) 電解コンデンサ用電解液及び電解コンデンサ
JP2004200657A (ja) 電解コンデンサ

Legal Events

Date Code Title Description
A529 Written submission of copy of amendment under article 34 pct

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A529

Effective date: 20210301

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210301

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220405

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221025

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230104

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230117

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230125

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7218423

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150