JP2021521272A - クロロプロペンの直接エポキシ化によるエピクロロヒドリンの製造プロセス、変性ヘテロポリ酸担持触媒および製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
を直接行ってエピクロロヒドリンを製造する、エピクロロヒドリンの生産プロセスが開示された。
。(1)チタニウムシリカライトモレキュラーシーブを触媒としてエピクロロヒドリンを
製造するプロセスは、ほとんどの場合、メタノールを使用する必要があり、メタノールは溶媒として使用される一方、触媒を活性化するために使用される。そして、触媒は常に再生使用される必要がある。(2)リンタングステンヘテロポリ酸を触媒としてエピクロロ
ヒドリンを製造するプロセスでは、クロロプロペンと過酸化水素水とのモル比は4:1以上であり、使用量が大きい。(3)反応で生成されたエピクロロヒドリンは酸性条件下で
、水で加水分解しやすく、エピクロロヒドリンの収率も選択性も高くない。
く、クロロプロペンの使用量が少ない。(2)反応よび分離過程が結合され、機器が節約
され、過程が簡単である。(3)エピクロロヒドリンが酸性条件下で、水と加水分解する
副反応を回避し、エピクロロヒドリンの収率および選択性が高い。
bは10〜50のうちのいずれか1つの整数であり、R1、R2およびR3は、それぞれ独立して、C1〜C10の炭化水素基から選ばれたいずれか一種であり、さらに好ましくは、R1、R2およびR3は、それぞれ独立して、C1〜C4のアルキル基から選ばれたいずれか一種である。)
上記目的を達成するために、本発明の他の態様によれば、クロロプロペンの直接エポキシ化によるエピクロロヒドリンの製造方法を提供し、該方法は、以下の構造一般式Iを持つ変性ヘテロポリ酸担持触媒を用いて、クロロプロペンと過酸化水素水のエポキシ化反応を触媒し、エピクロロヒドリンを得ることを含む。
さらに、上記nは7〜14のうちのいずれか1つの整数であり、R1、R2およびR3は、それぞれ独立して、C1〜C4のアルキル基から選ばれたいずれか一種である。
さらに、上記nは7〜14のうちのいずれか1つの整数であり、R1、R2およびR3は、それぞれ独立して、C1〜C4のアルキル基から選ばれたいずれか一種である。
本発明のもう1つの態様によれば、変性ヘテロポリ酸担持触媒の製造方法を提供し、該製造方法は、第四級アンモニウム塩の有機溶液とペルオキソリンタングステン酸とを混合して反応させ、構造一般式IIを持つヘテロポリ酸モノマーを形成し、構造一般式IIは
である、ステップS1と、ヘテロポリ酸モノマーとN−イソプロピルアクリルアミドを重合反応させて、変性ヘテロポリ酸担持触媒を得るステップS2と、を含む。
さらに、上記有機溶液の有機溶媒は、クロロメタン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素およびジクロロエタンからなる群のうちのいずれか一種又は複数種であり、好ましくは、第四級アンモニウム塩の構造式は
であり、好ましくは、第四級アンモニウム塩とペルオキソリンタングステン酸を反応させる反応温度は10〜60℃であり、より好ましくは20〜40℃であり、反応時間は1〜10hであり、好ましくは3〜5hである。
ラジカル開始剤および溶媒が存在する条件下で、ヘテロポリ酸モノマーとN−イソプロピルアクリルアミドの重合反応を行い、好ましくは、ラジカル開始剤は、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソヘプトニトリル又はtert−ブチルヒドロペルオキシドなどであり、溶媒は、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド又はジメチルスルホキシドであり、好ましくは、重合反応の温度は60〜80℃であり、好ましくは、N−イソプロピルアクリルアミドと第四級アンモニウム塩とのモル比は5〜25:1であり、より好ましくは7〜10:1である。
にクロロプロペンが多量消費し、高コストにつながる。該問題を解決するために、本願は、クロロプロペンの直接エポキシ化によるエピクロロヒドリンの製造方法、変性ヘテロポリ酸担持触媒およびその製造方法を提供する。
を有する。
である。
上記触媒でクロロプロペンと過酸化水素水のエポキシ化を触媒すると、エピクロロヒドリンが酸性条件下で水と加水分解する副反応を回避することができるため、エピクロロヒドリンの収率および選択性が向上され、同時に、該触媒を使用すると、クロロプロペンの使用量を低減することができ、クロロプロペンと過酸化水素水とのモル比が4:1未満であっても、エピクロロヒドリンの収率を高くすることができるため、原料コストを低減し、さらに、本願の触媒が担持触媒であるため、触媒の回収率が高く、触媒コストが節約されることが、実験により検証された。
本願の更なる代表的な実施形態において、変性ヘテロポリ酸担持触媒の製造方法を提供する。該製造方法は、第四級アンモニウム塩の有機溶液とペルオキソリンタングステン酸とを混合して反応させ、構造一般式II
ヘテロポリ酸モノマーとN−イソプロピルアクリルアミドを重合反応させて、変性ヘテロポリ酸担持触媒を得るステップS2と、を含む。
反応効率を高めるために、好ましくは、有機溶液の有機溶媒は、クロロメタン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素およびジクロロエタンからなる群のうちのいずれか一種又は複数種であり、好ましくは、第四級アンモニウム塩の構造式は
(実施例1−1)
(1)ヘテロポリ酸モノマーの製造:常温常圧にて、タングステン酸ナトリウム33.0gおよび質量濃度85%のリン酸3.8gを198.0gの水に溶解させ、質量濃度30%の塩酸28.0gを加え、この場合、酸性条件下でリンタングステン酸溶液を生成し、リンタングステン酸溶液に質量濃度50%の過酸化水素水54.4gを加え、酸化後にペルオキソリンタングステン酸溶液を生成した。続いて、予め調製した質量濃度6wt%の[C5H11N(CH3)3]Cl(直鎖型第四級アンモニウム塩)のジクロロエタン溶液206.7g(第四級アンモニウム塩を12.4g含む)を上記ペルオキソリンタングステン酸溶液に加え、20℃で4h反応させ、反応後、生成物を遠心、洗浄、乾燥して、ヘテロポリ酸モノマーI 30.8gを得た。製造収率は86.9%であった。
(実施例1−2)
(1)ヘテロポリ酸モノマーの製造:常温常圧にて、タングステン酸ナトリウム33.
0gおよび質量濃度85%のリン酸3.3gを99.0gの水に溶解させ、質量濃度30%の塩酸30.4gを加え、この場合、酸性条件下でリンタングステン酸溶液を生成し、リンタングステン酸溶液に質量濃度50%の過酸化水素水20.4gを加え、酸化後にペルオキソリンタングステン酸溶液を生成した。続いて、予め調製した質量濃度6wt%の[C18H35N(CH3)3]Cl(直鎖型第四級アンモニウム塩)のジクロロエタン溶液450.0g(第四級アンモニウム塩を27.0g含む)をペルオキソリンタングステン酸溶液に加え、30℃で3h反応させ、反応後、生成物を遠心、洗浄、乾燥して、ヘテロポリ酸モノマーII 45.9gを得た。製造収率は95.2%であった。
(実施例1−3)
(1)ヘテロポリ酸モノマーの製造:常温常圧にて、タングステン酸ナトリウム33.0gおよび85%のリン酸2.3gを264.0gの水に溶解させ、30%の塩酸24.3gを加え、この場合、酸性条件下でリンタングステン酸溶液を生成し、リンタングステン酸溶液に50%の過酸化水素水68.0gを加え、酸化後にペルオキソタングステン酸溶液を生成した。続いて、予め調製した6wt%の[C13H25N(CH3)3]Cl(直鎖型第四級アンモニウム塩)のジクロロエタン溶液328.3g(第四級アンモニウム塩を19.7g含む)をペルオキソリンタングステン酸溶液に加え、10℃で1h反応させ、反応後、生成物を遠心、洗浄、乾燥して、ヘテロポリ酸モノマーIII 34.9gを得た。製造収率は79.3%であった。
(実施例1−4)
(1)ヘテロポリ酸モノマーの製造:常温常圧にて、タングステン酸ナトリウム33.0gおよび85%のリン酸2.9gを165.0gの水に溶解させ、30%の塩酸36.5gを加え、この場合、酸性条件下でリンタングステン酸溶液を生成し、リンタングステン酸溶液に50%の過酸化水素水6.8gを加え、酸化後にペルオキソタングステン酸溶液を生成した。続いて、予め調製した6wt%の[C9H17N(CH3)3]Cl(直鎖型第四級アンモニウム塩)のジクロロエタン溶液310.0g(第四級アンモニウム塩を18.6g含む)をペルオキソリンタングステン酸溶液に加え、60℃で5h反応させ、反応後、生成物を遠心、洗浄、乾燥して、ヘテロポリ酸モノマーIV 36.9gを得た。製造収率は92.7%であった。
(実施例1−5)
(1)ヘテロポリ酸モノマーの製造:常温常圧にて、タングステン酸ナトリウム33.0gおよび85%のリン酸2.6gを330.0gの水に溶解させ、30%の塩酸18.3gを加え、この場合、酸性条件下でリンタングステン酸溶液を生成し、リンタングステン酸溶液に50%の過酸化水素水34.0gを加え、酸化後にペルオキソタングステン酸溶液を生成した。続いて、予め調製した6wt%の[C23H45N(CH3)3]Cl(直鎖型第四級アンモニウム塩)のジクロロエタン溶液508.3g(第四級アンモニウム塩を30.5g含む)をペルオキソリンタングステン酸溶液に加え、40℃で10h反応させ、反応後、生成物を遠心、洗浄、乾燥して、ヘテロポリ酸モノマーV 49.3gを得た。製造収率は90.4%であった。
(実施例1−6)
(1)ヘテロポリ酸モノマーの製造は、実施例1−1と同様に行われた。
(実施例1−7)
(1)ヘテロポリ酸モノマーの製造は、実施例1−1と同様に行われた。
(実施例1−8)
(1)ヘテロポリ酸モノマーの製造:常温常圧にて、タングステン酸ナトリウム33.0gおよび85%のリン酸2.6gを330.0gの水に溶解させ、30%の塩酸18.3gを加え、この場合、酸性条件下でリンタングステン酸溶液を生成し、リンタングステン酸溶液に50%の過酸化水素水34.0gを加え、酸化後にペルオキソタングステン酸溶液を生成した。続いて、予め調製した6wt%の[C23H45N(C4H9)3]Cl(直鎖型第四級アンモニウム塩)のジクロロエタン溶液508.3g(第四級アンモニウム塩を39.7g含む)をペルオキソリンタングステン酸溶液に加え、40℃で10h反応させ、反応後、生成物を遠心、洗浄、乾燥して、ヘテロポリ酸モノマーVI 59.0gを得た。製造収率は92.5%であった。
応を4h行い、反応終了後に生成物を沈殿、遠心、乾燥することにより担持型ヘテロポリ酸触媒VI 33.2gを得た。
(実施例2−1)
500mLの四ツ口フラスコにクロロプロペン309.0gおよび触媒I 19.4gを投入し、還流温度まで昇温し、攪拌しながら2h以内に49.1%の過酸化水素水69.6gを滴下し、還流温度で反応を3h続けた。反応終了後に遠心し、静置分層してエピクロロヒドリン油層および水層を得、油層および水層をGC定量分析することによりエピクロロヒドリンおよび3−クロロ−1,2−プロパンジオールの含有量を取得し、水層における残りの過酸化水素水の含有量を測定した。
(実施例2−2)
500mLの四ツ口フラスコにクロロプロペン309.0gおよび触媒II 30.0gを投入し、還流温度まで昇温し、攪拌しながら2h以内に49.1%の過酸化水素水69.6gを滴下し、還流温度で反応を5h続けた。反応終了後に遠心し、静置分層してエピクロロヒドリン油層および水層を得、油層および水層をGC定量分析することによりエピクロロヒドリンおよび3−クロロ−1,2−プロパンジオールの含有量を取得し、水層における残りの過酸化水素水の含有量を測定した。
(実施例2−3)
500mLの四ツ口フラスコにクロロプロペン309.0gおよび触媒III 26.1gを投入し、還流温度まで昇温し、攪拌しながら2h以内に49.1%の過酸化水素水69.6gを滴下し、還流温度で反応を1h続けた。反応終了後に遠心し、静置分層してエピクロロヒドリン油層および水層を得、油層および水層をGC定量分析することによりエピクロロヒドリンおよび3−クロロ−1,2−プロパンジオールの含有量を取得し、水層における残りの過酸化水素水の含有量を測定した。
(実施例2−4)
500mLの四ツ口フラスコにクロロプロペン309.0gおよび触媒IV 43.3gを投入し、還流温度まで昇温し、攪拌しながら1h以内に49.1%の過酸化水素水69.6gを滴下し、還流温度で3h反応させた。反応終了後に遠心し、静置分層してエピクロロヒドリン油層および水層を得、油層および水層をGC定量分析することによりエピクロロヒドリンおよび3−クロロ−1,2−プロパンジオールの含有量を取得し、水層における残りの過酸化水素水の含有量を測定した。
(実施例2−5)
500mLの四ツ口フラスコにクロロプロペン309.0gおよび触媒V 29.1gを投入し、還流温度まで昇温し、攪拌しながら2h以内に49.1%の過酸化水素水69.6gを滴下し、還流温度で4h反応させた。反応終了後に遠心し、静置分層してエピクロロヒドリン油層および水層を得、油層および水層をGC定量分析することによりエピクロロヒドリンおよび3−クロロ−1,2−プロパンジオールの含有量を取得し、水層における残りの過酸化水素水の含有量を測定した。
(実施例2−6)
500mLの四ツ口フラスコにクロロプロペン309.0gおよび触媒VI 33.2gを投入し、還流温度まで昇温し、攪拌しながら2h以内に49.1%の過酸化水素水69.6gを滴下し、還流温度で4h反応させた。反応終了後に遠心し、静置分層してエピクロロヒドリン油層および水層を得、油層および水層をGC定量分析することによりエピクロロヒドリンおよび3−クロロ−1,2−プロパンジオールの含有量を取得し、水層における残りの過酸化水素水の含有量を測定した。
(比較実施例2−1)
500mLの四ツ口フラスコにクロロプロペン309.0gおよびヘテロポリ酸モノマーI 14.1gを投入し、還流温度まで昇温し、攪拌しながら2h以内に49.1%の過酸化水素水69.6gを滴下し、還流温度で反応を3h続けた。反応終了後に遠心し、
静置分層してエピクロロヒドリン油層および水層を得、油層および水層をGC定量分析することによりエピクロロヒドリンおよび3−クロロ−1,2−プロパンジオールの含有量を取得し、水層における残りの過酸化水素水の含有量を測定した。
(比較実施例2−2)
500mLの四ツ口フラスコにクロロプロペン309.0gおよびヘテロポリ酸モノマーV 21.8gを投入し、還流温度まで昇温し、攪拌しながら2h以内に49.1%の過酸化水素水69.6gを滴下し、還流温度で4h反応させた。反応終了後に遠心し、静置分層してエピクロロヒドリン油層および水層を得、油層および水層をGC定量分析することによりエピクロロヒドリンおよび3−クロロ−1,2−プロパンジオールの含有量を取得し、水層における残りの過酸化水素水の含有量を測定した。
(実施例2−7)
500mLの四ツ口フラスコにクロロプロペン309.0gおよび触媒II 30.0gを投入し、還流温度まで昇温し、攪拌しながら2h以内に49.1%の過酸化水素水69.6gを滴下し、還流温度で2h反応させた。反応終了後に遠心し、静置分層してエピクロロヒドリン油層および水層を得、油層および水層をGC定量分析することによりエピクロロヒドリンおよび3−クロロ−1,2−プロパンジオールの含有量を取得し、水層における残りの過酸化水素水の含有量を測定した。触媒を回収し、0.24gの新しい触媒を追加添加し、5回リサイクルして使用し、触媒状況を下の表2に示している。
(実施例3−1)
計量ポンプを用いて、クロロプロペンを空塔速度8.0h−1で底部から、自作した変性ヘテロポリ酸担持触媒Iが投入されている固定層反応器内にポンピングし、過酸化水素水とクロロプロペンをモル比1:1.10で頂部から固定層反応器にポンピングし、30℃および体系真空度5KPaで反応させた。反応中に、クロロプロペン、エピクロロヒドリンおよび水は反応器の頂部を介してシステムからスチームストリッピングし、モノクロロプロパンジオールおよび残りの水は反応器の底部を介してシステムを出た。頂部の反応物は油層と水層に分離し、油層が冷却された後その組成はクロロプロペン26.1%、エピクロロヒドリン73.5%および水0.4%であり、水層を底部の反応液と合わせて冷却したところ、その組成は過酸化水素水0.5%、エピクロロヒドリン1.5%、モノクロロプロパンジオール3.4%および水94.6%であり、過酸化水素水の転化率は99.0%であり、エピクロロヒドリンおよびモノクロロプロパンジオールの収率はそれぞれ69.0%および2.1%であり、エピクロロヒドリンの選択性は97.1%であり、過酸化水素水の利用率は71.7%であった。上記フローについて図1を参照することができる。
(実施例3−2)
計量ポンプを用いて、クロロプロペンを空塔速度4.0h−1で底部から、自作した変性ヘテロポリ酸担持触媒IIが投入されている固定層反応器内にポンピングし、過酸化水素水とクロロプロペンをモル比1:1.20で頂部から固定層反応器にポンピングし、60℃および体系真空度20kPaで反応させた。反応中に、クロロプロペン、エピクロロヒドリンおよび水は反応器の頂部を介してシステムからスチームストリッピングし、モノクロロプロパンジオールおよび残りの水は反応器の底部を介してシステムを出た。頂部の反応物は油層と水層に分離し、油層が冷却された後その組成はクロロプロペン11.4%、エピクロロヒドリン88.1%および水0.5%であり、水層を底部の反応液と合わせて冷却したところ、その組成は過酸化水素水0.4%、エピクロロヒドリン1.3%、モノクロロプロパンジオール4.5%および水93.8%であり、過酸化水素水の転化率は99.2%であり、エピクロロヒドリンおよびモノクロロプロパンジオールの収率はそれぞれ89.7%および2.7%であり、エピクロロヒドリンの選択性は97.0%であり、過酸化水素水の利用率は93.2%であった。
(実施例3−3)
計量ポンプを用いて、クロロプロペンを空塔速度10.0h−1で底部から、自作した変ヘテロポリ酸担持触媒IVが投入されている固定層反応器内にポンピングし、過酸化水素水とクロロプロペンをモル比1:0.90で頂部から固定層反応器にポンピングし、60℃および体系真空度15kPaで反応させた。反応中に、クロロプロペン、エピクロロヒドリンおよび水は反応器の頂部を介してシステムからスチームストリッピングし、モノクロロプロパンジオールおよび残りの水は反応器の底部を介してシステムを出た。頂部の反応物は油層と水層に分離し、油層が冷却された後その組成はクロロプロペン21.9%、エピクロロヒドリン77.5%および水0.6%であり、水層を底部の反応液と合わせ
て冷却した後、その組成は過酸化水素水0.3%、エピクロロヒドリン1.6%、モノクロロプロパンジオール5.4%および水92.7%であり、過酸化水素水の転化率は99.4%であり、エピクロロヒドリンおよびモノクロロプロパンジオールの収率はそれぞれ59.7%および3.3%であり、エピクロロヒドリンの選択性は94.8%であり、過酸化水素水の利用率は63.4%であった。
(実施例3−4)
計量ポンプを用いて、クロロプロペンを空塔速度6.0h−1で底部から、自作した変性ヘテロポリ酸担持触媒IIIが投入されている固定層反応器内にポンピングし、過酸化水素水とクロロプロペンをモル比1:1.50で頂部から固定層反応器にポンピングし、50℃および体系真空度15kPaで反応させた。反応中に、クロロプロペン、エピクロロヒドリンおよび水は反応器の頂部を介してシステムからスチームストリッピングし、モノクロロプロパンジオールおよび残りの水は反応器の底部を介してシステムを出た。頂部の反応物は油層と水層に分離し、油層が冷却された後その組成はクロロプロペン21.9%、エピクロロヒドリン77.5%および水0.6%であり、水層を底部の反応液と合わせて冷却したところ、その組成は過酸化水素水0.5%、エピクロロヒドリン1.8%、モノクロロプロパンジオール4.1%および水93.6%であり、過酸化水素水の転化率は99.0%であり、エピクロロヒドリンおよびモノクロロプロパンジオールの収率はそれぞれ84.9%および2.5%であり、エピクロロヒドリンの選択性は97.2%であり、過酸化水素水の利用率は88.3%であった。
(実施例3−5)
計量ポンプを用いて、クロロプロペンを空塔速度3.0h−1で底部から、自作した変性ヘテロポリ酸担持触媒Vが投入されている固定層反応器内にポンピングし、過酸化水素水とクロロプロペンをモル比1:2.00で頂部から固定層反応器にポンピングし、90℃および体系真空度60kPaで反応させた。反応中に、クロロプロペン、エピクロロヒドリンおよび水は反応器の頂部を介してシステムからスチームストリッピングし、モノクロロプロパンジオールおよび残りの水は反応器の底部を介してシステムを出た。頂部の反応物は油層と水層に分離し、油層が冷却された後その組成はクロロプロペン46.4%、エピクロロヒドリン52.9%および水0.7%であり、水層を底部の反応液と合わせて冷却したところ、その組成は過酸化水素水0.1%、エピクロロヒドリン1.1%、モノクロロプロパンジオール7.3%および水91.5%であり、過酸化水素水の転化率は99.8%であり、エピクロロヒドリンおよびモノクロロプロパンジオールの収率はそれぞれ89.6%および4.4%であり、エピクロロヒドリンの選択性は95.3%であり、過酸化水素水の利用率は94.2%であった。
(実施例3−6)
計量ポンプを用いて、クロロプロペンを空塔速度2.0h−1で底部から、自作した変性ヘテロポリ酸担持触媒Vが投入されている固定層反応器内にポンピングし、過酸化水素水とクロロプロペンをモル比1:1.30で頂部から固定層反応器にポンピングし、80℃および常圧で反応させた。反応中に、クロロプロペン、エピクロロヒドリンおよび水は反応器の頂部を介してシステムからスチームストリッピングし、モノクロロプロパンジオールおよび残りの水は反応器の底部を介してシステムを出た。頂部の反応物は油層と水層に分離し、油層が冷却された後その組成はクロロプロペン15.9%、エピクロロヒドリン83.3%および水0.8%であり、水層を底部の反応液と合わせて冷却したところ、その組成は過酸化水素水0.1%、エピクロロヒドリン1.2%、モノクロロプロパンジオール6.4%および水92.3%であり、過酸化水素水の転化率は99.8%であり、エピクロロヒドリンおよびモノクロロプロパンジオールの収率はそれぞれ91.8%および3.9%であり、エピクロロヒドリンの選択性は95.9%であり、過酸化水素水の利用率は95.8%であった。
(実施例3−7)
計量ポンプを用いて、クロロプロペンを空塔速度3.0h−1で底部から、自作した変性ヘテロポリ酸担持触媒IIが投入されている固定層反応器内にポンピングし、過酸化水
素水とクロロプロペンをモル比1:1.10で頂部から固定層反応器にポンピングし、60℃および体系真空度は20kPaで反応させた。反応中に、クロロプロペン、エピクロロヒドリンおよび水は反応器の頂部を介してシステムからスチームストリッピングし、モノクロロプロパンジオールおよび残りの水は反応器の底部を介してシステムを出た。頂部の反応物は油層と水層に分離し、油層が冷却された後その組成はクロロプロペン3.1%、エピクロロヒドリン96.5%および水0.4%であり、水層を底部の反応液と合わせて冷却したところ、その組成は過酸化水素水0.2%、エピクロロヒドリン1.7%、モノクロロプロパンジオール4.8%および水93.3%であり、過酸化水素水の転化率は99.6%であり、エピクロロヒドリンおよびモノクロロプロパンジオールの収率はそれぞれ90.3%および2.9%であり、エピクロロヒドリンの選択性は96.9%であり、過酸化水素水の利用率は93.6%であった。
(実施例3−8)
計量ポンプを用いて、クロロプロペンを空塔速度4.0h−1で底部から、自作した変性ヘテロポリ酸担持触媒Iが投入されている固定層反応器内にポンピングし、過酸化水素水とクロロプロペンをモル比1:1.20で頂部から固定層反応器にポンピングし、70℃および体系真空度40kPaで反応させた。反応中に、クロロプロペン、エピクロロヒドリンおよび水は反応器の頂部を介してシステムからスチームストリッピングし、モノクロロプロパンジオールおよび残りの水は反応器の底部を介してシステムを出た。合わせて500h運転し、触媒は活性が安定していた。頂部の反応物は油層と水層に分離し、油層が冷却された後その組成はクロロプロペン9.6%、エピクロロヒドリン89.9%および水0.5%であり、水層を底部の反応液と合わせて冷却したところ、その組成は過酸化水素水0.3%、エピクロロヒドリン1.3%、モノクロロプロパンジオール5.4%および水93.0%であり、過酸化水素水の転化率は99.4%であり、エピクロロヒドリンおよびモノクロロプロパンジオールの収率はそれぞれ91.5%および3.3%であり、エピクロロヒドリンの選択性は96.5%であり、過酸化水素水の利用率は95.3%であった。
(実施例3−9)
計量ポンプを用いて、クロロプロペンを空塔速度3.0h−1で底部から、自作した変性ヘテロポリ酸担持触媒Vが投入されている固定層反応器内にポンピングし、過酸化水素水とクロロプロペンをモル比1:0.85で頂部から固定層反応器にポンピングし、50℃および体系真空度50kPaで反応させた。反応中に、クロロプロペン、エピクロロヒドリンおよび水は反応器の頂部を介してシステムからスチームストリッピングし、モノクロロプロパンジオールおよび残りの水は反応器の底部を介してシステムを出た。頂部の反応物は油層と水層に分離し、油層が冷却された後その組成はエピクロロヒドリン99.6%および水0.4%であり、水層を底部の反応液と合わせて冷却したところ、その組成は過酸化水素水0.3%、エピクロロヒドリン1.8%、モノクロロプロパンジオール0.5%および水97.4%であり、過酸化水素水の転化率はであり99.4%、エピクロロヒドリンおよびモノクロロプロパンジオールの収率はそれぞれ77.2%および0.3%であり、エピクロロヒドリンの選択性は99.6%であり、過酸化水素水の利用率は77.9%であった。
(実施例3−10)
計量ポンプを用いて、クロロプロペンを空塔速度3.0h−1で底部から、自作した変性ヘテロポリ酸担持触媒IIIが投入されている固定層反応器内にポンピングし、過酸化水素水とクロロプロペンをモル比1:0.99で頂部から固定層反応器にポンピングし、60℃および体系真空度は20kPaで反応させた。反応中に、クロロプロペン、エピクロロヒドリンおよび水は反応器の頂部を介してシステムからスチームストリッピングし、モノクロロプロパンジオールおよび残りの水は反応器の底部を介してシステムを出た。頂部の反応物は油層と水層に分離し、油層が冷却された後その組成はクロロプロペン0.1%、エピクロロヒドリン99.5%および水0.4%であり、水層を底部の反応液と合わせて冷却したところ、その組成は過酸化水素水0.5%、エピクロロヒドリン1.9%、
モノクロロプロパンジオール5.7%および水91.9%であり、過酸化水素水の転化率は99.1%であり、エピクロロヒドリンおよびモノクロロプロパンジオールの収率はそれぞれ87.3%および3.3%であり、エピクロロヒドリンの選択性は96.3%であり、過酸化水素水の利用率は91.5%であった。
(実施例3−11)
計量ポンプを用いて、クロロプロペンを空塔速度3.0h−1で底部から、自作した変性ヘテロポリ酸担持触媒IIIが投入されている固定層反応器内にポンピングし、過酸化水素水とクロロプロペンをモル比1:0.99で頂部から固定層反応器にポンピングし、40℃および体系真空度20kPaで反応させた。反応中に、クロロプロペン、エピクロロヒドリンおよび水は反応器の頂部を介してシステムからスチームストリッピングし、モノクロロプロパンジオールおよび残りの水は反応器の底部を介してシステムを出た。頂部の反応物は油層と水層に分離し、油層が冷却された後その組成はクロロプロペン0.21%、エピクロロヒドリン99.5%および水0.34%であり、水層を底部の反応液と合わせて冷却したところ、その組成は過酸化水素水0.8%、エピクロロヒドリン1.6%、モノクロロプロパンジオール5.6%および水91.9%であり、過酸化水素水の転化率は98.51%であり、エピクロロヒドリンおよびモノクロロプロパンジオールの収率はそれぞれ87.1%および3.1%であり、エピクロロヒドリンの選択性は96.5%であり、過酸化水素水の利用率は90.8%であった。
(実施例3−12)
計量ポンプを用いて、クロロプロペンを空塔速度1.5h−1で底部から、自作した変性ヘテロポリ酸担持触媒VIが投入されている固定層反応器内にポンピングし、過酸化水素水とクロロプロペンをモル比1:0.95で頂部から固定層反応器にポンピングし、30℃および体系真空度65kPaで反応させた。反応中に、クロロプロペン、エピクロロヒドリンおよび水は反応器の頂部を介してシステムからスチームストリッピングし、モノクロロプロパンジオールおよび残りの水は反応器の底部を介してシステムを出た。頂部の反応物は油層と水層に分離し、油層が冷却された後その組成はクロロプロペン0.2%、エピクロロヒドリン99.3%および水0.5%であり、水層を底部の反応液と合わせて冷却したところ、その組成は過酸化水素水0.1%、エピクロロヒドリン1.7%、モノクロロプロパンジオール5.5%および水92.7%であり、過酸化水素水の転化率は99.8%であり、エピクロロヒドリンおよびモノクロロプロパンジオールの収率はそれぞれ86.9%および2.8%であり、エピクロロヒドリンの選択性は96.9%であり、過酸化水素水の利用率は93.4%であった。
Claims (20)
- クロロプロペンの直接エポキシ化によるエピクロロヒドリンの製造方法であって、減圧系において、計量ポンプを用いて、クロロプロペンを一定の空塔速度で底部から、変性ヘテロポリ酸担持触媒が投入されている固定層反応器内にポンピングし、過酸化水素水とクロロプロペンを一定のモル比で頂部から固定層反応器にポンピングし、一定の温度および圧力で反応させ、反応中に、クロロプロペン、エピクロロヒドリンおよび水は反応器の頂部を介してシステムからスチームストリッピングし、モノクロロプロパンジオールおよび残りの水は反応器の底部を介してシステムを出て、頂部の反応液は油層と水層に分離し、油層が冷却された後その組成を測定し、水層を底部の反応液と合わせて冷却した後、その組成を測定する、ことを特徴とする方法。
- 前記クロロプロペンと過酸化水素水とのモル比は0.85〜2.00:1である、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記クロロプロペンと過酸化水素水とのモル比は0.95〜1.50:1である、ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
- 前記クロロプロペンの供給質量空塔速度は1.5〜10.0h−1である、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記クロロプロペンの供給質量空塔速度は3.0〜6.0h−1である、ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
- 前記反応温度は30〜90℃であり、減圧系の真空度は5〜65kPaである、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記反応温度は40〜80℃であり、減圧系の真空度は20〜60kPaである、ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
- 前記nは7〜14のうちのいずれか1つの整数であり、R1、R2およびR3は、それぞれ独立して、C1〜C4のアルキル基から選ばれたいずれか一種である、ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
- 前記クロロプロペンと前記過酸化水素水とのモル比は0.85〜2.00:1であり、好ましくは0.95〜1.50:1である、ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
- 前記クロロプロペンの供給質量空塔速度は1.5〜10.0h−1であり、好ましくは3.0〜6.0h−1である、ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
- 前記エポキシ化反応の反応温度は30〜90℃であり、好ましくは40〜80℃である、ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
- 前記エポキシ化反応は減圧系で行われ、好ましくは、前記減圧系の真空度は5〜65kPaであり、さらに好ましくは20〜60kPaである、ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
- 減圧系において、前記クロロプロペンを底部から、前記変性ヘテロポリ酸担持触媒が投入されている反応器内に送り、前記過酸化水素水を頂部から前記反応器に送り、前記クロロプロペンと前記過酸化水素水をエポキシ化反応させて、前記エピクロロヒドリンを得ることを含み、好ましくは、前記反応器は固定層反応器である、ことを特徴とする請求項9から14のうちいずれか一項に記載の方法。
- 前記nは7〜14のうちのいずれか1つの整数であり、R1、R2およびR3は、それぞれ独立して、C1〜C4のアルキル基から選ばれたいずれか一種である、ことを特徴とする請求項16に記載の変性ヘテロポリ酸担持触媒。
- 前記ステップS2は、
ラジカル開始剤および溶媒が存在する条件で、前記ヘテロポリ酸モノマーとN−イソプロピルアクリルアミドの前記重合反応を行い、好ましくは、前記ラジカル開始剤は、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソヘプトニトリル又はtert−ブチルヒドロペルオキシドなどであり、前記溶媒は、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド又はジメチルスルホキシドであり、好ましくは、前記重合反応の温度は60〜80℃であり、好ましくは、前記N−イソプロピルアクリルアミドと前記第四級アンモニウム塩とのモル比は5〜25:1であり、好ましくは7〜10:1であることを含む、ことを特徴とする請求項18に記載の製造方法。
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