JP2021509894A - ヒト血漿から抽出されたpre−β高密度リポタンパク質を保存および投与するための方法 - Google Patents

ヒト血漿から抽出されたpre−β高密度リポタンパク質を保存および投与するための方法 Download PDF

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Abstract

脱脂血漿を取得、保存、および投与するためのシステムおよび方法。pre−βHDLを含む抽出された脱脂血漿が得られ、pre−βHDLのベースライン量または濃度を確立するためにスポット試験される。バッチは保存に供され、保管されて、その後、後日使用するために再度調製される。バッチの一部を再度試験して、脱脂血漿中のpre−βHDLが劣化しているか、または効果がなくなっていないかどうかを決定することができる。【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は、「コレステロール関連疾患の治療方法」と題する、2017年12月28日に出願された米国仮特許出願第62/611,098号に依拠し、その全体が参照により本明細書に援用される。
本発明は、概して、慢性心血管疾患および急性腎疾患を治療するために、単一の溶媒または複数の溶媒のいずれかを使用した血漿の体外治療により、LDL粒子を実質的に損傷のないままにHDL粒子から脂質を除去する、システム、装置および方法に関する。より具体的には、本発明は、非自己脱脂血漿由来のpre−βHDLを保存および投与するためのシステムおよび方法に関する。
家族性高コレステロール血症(FH)は、LDL受容体(LDLR)、アポリポタンパク質B−100(ApoB)、またはプロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケシン9型(PCSK9)を含む「FH遺伝子」の変異に起因する、低密度リポタンパク質(LDL)の顕著な増加、腱黄色腫、および若年性冠状動脈心疾患を特徴とする、継承遺伝的常染色体優性疾患である。FHは、血漿中のLDLの蓄積、腱および皮膚でのコレストロール沈着による重篤な高コレステロール血症、およびほぼ例外なく冠動脈疾患(CAD)として現れる高リスクアテローム性動脈硬化症からなる臨床的に認識可能な表現型を示す。FH患者は、この遺伝子突然変異により、肝臓が過剰な血漿LDLを効果的に代謝(または除去)することができなくなり、LDLレベルの上昇をもたらす。
個人が、片方の親から欠陥FH遺伝子を継承した場合、FHの形態はヘテロ接合型FHと呼ばれる。ヘテロ接合型FHは、常染色優性形式で継承され、ほとんどの国で約500人に1人の割合で起こる、よく見られる遺伝性障害である。個人が両方の親から欠陥FH遺伝子を継承した場合、FHの形態はホモ接合型FHと呼ばれる。ホモ接合型FHは、非常に稀であり、世界中で約16万人〜100万人に1人の割合で起こり、LDLレベルが700mg/dlを超え、CVD患者に望まれる理想値70mg/dlの10倍を超える。高いLDLレベルにより、ホモ接合型FHの患者は、悪性アテローム性動脈硬化症(血管の狭窄および閉塞)ならびに早期の心臓発作を起こす。この過程は、出生前から始まり、急速に進行する。それは、冠状動脈、頸動脈、大動脈、および大動脈弁に作用する可能性がある。
ヘテロ接合型FH(HeFH)は、通常、スタチン、胆汁酸封鎖剤、またはコレステロール値を低下させるその他の脂質低下薬により、および/または遺伝カウンセリングを提供することにより治療する。ホモ接合型FH(HoFH)は、多くの場合、薬物療法に十分に反応せず、LDLアフェレーシス(透析と同様の方法でLDLを除去する)、LDLレベルを劇的に低下させる空腸バイパス手術、および場合によっては肝移植を含む、他の治療法を必要とする。近年、いくらかの医薬がHoHF対象者のために承認されている。しかしながら、これらの医薬は、LDLを低下させるのみであり、アテローム性動脈硬化症の更なる進行を遅らせるのに多少寄与するが進行を止めることはない。また、これらの医薬は、重大な副作用があることが知られている。
コレステロールは、肝臓で合成されるか、あるいは食事から摂取される。LDLは、肝臓から体内の種々の部位の組織へのコレステロール輸送に関与している。しかしながら、LDLが動脈壁に集まると、LDLは、身体の化学反応から遊離した酸素フリーラジカルによる酸化を受け、血管と有害に相互作用する。変性LDLは、免疫システムにおいて白血球を動脈壁に凝集させ、プラークと呼ばれる脂肪物質を形成し、血管を補強する細胞層を損傷させる。酸化変性したLDLは、血管を弛緩させることによって血液が自由に流れるようにする一酸化窒素のレベルも低下させる。このプロセスが続くと、動脈壁がゆっくりと収縮し、動脈硬化に繋がり、それによって血流が減少する。プラークが徐々に蓄積すると、冠状血管が閉塞し、最終的には心臓発作に至る可能性がある。また、プラークの蓄積は、脚等の末梢血管にも発生する可能性があり、この状態は末梢動脈疾患として知られている。
閉塞は、脳に血液を供給する血管にも現れ、虚血性脳卒中を引き起こす可能性がある。この種の閉塞の基礎症状は、血管壁を覆う脂肪性沈着の発生である。米国では、18歳以上の男女の少なくとも2.7%に脳卒中の既往歴があることが知られている。脳卒中の有病率は、加齢とともに高くなることも知られている。高齢人口の増加に伴い、脳卒中生存者の有病率が、特に高齢女性の間で増加すると予測される。全脳卒中の相当な割合(少なくとも87%)は、本質的に虚血性である。
さらに、高コレステロール血症および炎症は、アテローム性動脈硬化症の発症に関与する2つの主要なメカニズムであることが示されている。アルツハイマー病およびアテローム性動脈硬化症の血管リスク因子は、かなり重複している。炎症はアルツハイマー病の病因に関係しており、コレステロールの恒常性の異常も関与し得ることが示唆されている。さらに、アテローム生成の多くの寄与因子もアルツハイマー病の一因となる。具体的には、細胞培養において、コレステロール値の増加および減少は、それぞれ、アミロイド前駆体タンパク質(APP)からのベータアミロイド(Aβ)の形成を促進および阻害する。したがって、アテローム性動脈硬化の過程に対して効果が証明されている治療法の使用は、アルツハイマー病の進行を治療するための1つの方法である可能性がある。
冠状動脈内の弾性内層内におけるアテローム性動脈硬化症(動脈の硬化および狭窄)の発症により生じる別の一般的な心血管疾患は、虚血性心疾患(IHD)としても知られている冠動脈疾患(CAD)である。2009年から2012年に収集された統計データによれば、推定1,550万人の20歳以上のアメリカ人がCADを患っている。米国におけるCADの総有病率は、20歳以上の成人の6.2%である。
冠動脈の血流が急激な減少により、心筋の一部が正常に機能できなくなる可能性がある。この状態は、急性冠症候群(ACS)として知られている。2010年のACSの退院数の控えめな推定値は、625,000である。
LDLとは対照的に、高い血漿HDLレベルは、過剰なコレステロールが、組織部位から、それが除去される肝臓に移動する「逆コレステロール輸送」において主要な役割を果たすため、望ましい。最適な総コレステロール値は200mg/dl以下であり、LDLコレステロール値は160mg/dl以下であり、HDLコレステロール値は男性で45mg/dl、女性で50mg/dlである。コレステロール値の上昇、アテローム性動脈硬化症、または冠動脈疾患の既往歴がある人には、より低いLDLレベルが推奨される。高レベルのLDLは冠動脈の脂質含有量を増加させ、破裂しやすい脂質が充満したプラークの形成をもたらす。一方、HDLは、脂質が充満したプラークの脂質含有量を減少させ、破裂の可能性を減らすことが示されている。ここ数年の間に、低密度リポタンパク質(LDL)低下薬の臨床試験により、LDLの低下が臨床的心血管疾患(CVD)の事象の30〜45%の事象に関連していることが明確に証明されている。CVDの事象には、HoFH、HeFH、および末梢動脈疾患等の疾患で発生する事象が含まれる。しかしながら、多くの患者は、LDLが低下しているにもかかわらず、心臓の事象を有し続けている。低レベルのHDLは、CVDのリスクの高い被験者に見られることが多く、疫学的研究では、CVDリスクを調節する独立したリスク因子としてHDLを特定している。疫学的研究に加え、他の証拠により、HDLを上昇させるとCVDのリスクが低下することが示唆されている。HoFH、HeFH、虚血性脳卒中、CAD、ACS、および末梢動脈疾患を含むCVDの治療のための、ならびにアルツハイマー病の進行の治療のための潜在的な戦略として、食事、薬理学的または遺伝子操作により、血漿HDLレベルを変化させることに関心が高まっている。
アポリポタンパク質B(ApoB)として知られるLDLのタンパク質成分とその産出物は、アテローム生成要素を含む。血漿LDLレベルの上昇とHDLレベルの低下は、冠動脈疾患の主な原因として認識されている。ApoBは、LDL粒子において最も高濃度であり、HDL粒子には存在しない。アポリポタンパク質A−I(ApoA−I)およびアポリポタンパク質A−II(ApoA−II)は、HDLに見られる。ApoCおよびそのサブタイプ(C−I、C−IIおよびC−III)、ApoD、およびApoE等の他のアポリポタンパク質もHDLに含まれる。ApoCおよびApoEは、LDL粒子でも観察される。
HDL2b、HDL2a、HDL3a、HDL3b、およびHDL3を含む、多数の主要なクラスのHDL粒子が報告されている。様々な形態のHDL粒子は、アガロースの電気泳動移動度に基づいて、2つの主要な群、即ち、α−HDL移動度を有する主要分画とVLDLに似た移動を示す少数分画として説明されてきた。この後者の分画は、pre−βHDLと呼ばれ、これらの粒子は、細胞コレステロール流出を誘導するための最も効率的なHDL粒子サブクラスである。
HDLリポタンパク質粒子は、ApoA−I、リン脂質、およびコレステロールで構成されている。pre−βHDL粒子は、細胞の遊離コレステロールの最初の受容体であると考えられており、最終的に遊離コレステロールおよびエステル化コレステロールをα−HDLに移行させるのに不可欠である。pre−βHDL粒子は、コレステロールをα−HDLに移行させるか、α−HDLに変換される。α−HDLは、コレステロールを、過剰なコレステロールを体から除去することができる肝臓へと移送する。
HDLレベルは、アテローム性動脈硬化症や冠動脈疾患と逆相関している。コレステロール担持α−HDLが肝臓に到達すると、α−HDL粒子はコレステロールを分離し、遊離コレステロールを肝臓に移送する。その後、(コレステロールと分離した)α−HDL粒子は、pre−βHDL粒子に変換されて肝臓から排出され、体内で更なるコレステロールを獲得するのに用いられ、α−HDLに戻り、当該サイクルが繰り返される。したがって、これらの様々なHDL粒子、特にα−HDL粒子を細胞からの更なるコレステロールの除去に使用できるように、それらの粒子からコレステロールを減少させるか、または除去する方法が必要である。
腎動脈狭窄とは、腎臓に血液を供給する動脈の閉塞を指し、a)平滑筋プラークまたはb)コレステロールが充満したプラークの2つの形態で特徴付けられる。一般に、腎動脈狭窄として知られるこの状態は、腎臓への血流を低下させ、高血圧を引き起こす可能性がある。腎動脈のプラークは、CT血管造影中に発見される可能性がある。場合によっては、腎動脈狭窄は、大動脈瘤のCT血管造影を行っている間に発見される。従来、血圧は年齢とともに徐々に上昇する。しかしながら、高血圧の突然の発症は、腎閉塞または腎動脈狭窄に関連している可能性もある。腎臓への血流の減少は、腎臓が過剰なサイトカインを産生し始めるため、血管収縮または高血圧を引き起す。
更に、「コレステロール塞栓症」は、動脈内のコレステロールが放出され(通常アテローム動脈硬化性プラークから)、血流内の塞栓として移動し、更に遠くに位置する血管の閉塞(塞栓症)を引き起こすときに発症する可能性がある。一旦循環すると、コレステロール粒子は小さな血管または細動脈で動かなくなる。それらは組織への血流を減少させ、腎臓を傷つける可能性がある炎症および組織損傷を引き起こす可能性がある。コレステロール塞栓症は腎不全を引き起こす可能性があり、アテローム塞栓性腎疾患(AERD)と呼ばれる病状である。AERDは、コレステロールが充満したプラークが原因で発生する可能性がある疾患の兆候の1つである。AERDの患者では、プラークが動脈で破裂し、プラーク内のコレステロールやその他の「屑(junk)」を血管に放出することがある。放出されたコレステロールおよび屑は、動脈を移動し、動脈を遮断し、腎臓の一部およびその組織を傷つけ、それによりAERDとなる可能性がある。大動脈のアテローム性動脈硬化症は、AERDの最も一般的な原因である。
現在、腎動脈狭窄、その兆候、例えば、AERD等、およびその他の心血管疾患の治療には、ステントを動脈に挿入して血管を開くことが含まれる。この技術により、血圧が正常化することが多い。しかしながら、ステントの設置は、高血圧等の症状のみを治療する可能性が高い。患者において、血圧は正常であるが、AERDがある場合もある。従って、疾患の根本的な原因に対処し、高血圧症の症状と組み合わせて、またはそれとは独立して腎動脈狭窄を治療する必要がある。
高脂血症(または異常に高い血中脂質濃度)は、患者の食事を変えることで治療できる可能性がある。しかしながら、治療の主要な形態としての食事療法は、患者、医師、栄養士、管理栄養士、およびその他の医療専門家の側で大きな努力を必要とし、したがって、医療専門家の資質に不必要に負担をかける。この治療のもう一つのマイナス面は、その成功が食事だけにかかっている訳ではないということである。むしろ、食事療法の成功は、社会的、心理的、経済的、および行動的要因の組み合わせに依存する。したがって、患者の食事の範囲内で欠陥を修正することのみに基づく治療は、常に成功するとは限らない。
食事の改良に失敗した場合、補助療法として薬物療法が用いられてきた。そのような治療には、単独でまたは他の治療と組み合わせて投与された市販の脂質低下薬を、食事管理の補足として用いることが含まれる。スタチンと呼ばれるこれらの薬には、ロバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、およびセリバスタチンが含まれる。スタチンは、LDLレベルを低下させるのに特に効果的であり、トリグリセリドの低下にも効果的であり、明らかにそれらのLDL低下効果に正比例する。スタチンはHDLレベルを上昇させるが、他の抗コレステロール薬よりも程度は低い。スタチンは一酸化窒素も増加させるが、これは、上記のように酸化LDLの存在下で減少する。
別の薬物療法である胆汁酸樹脂は、胆汁酸、即ち主要な生産成分の1つとしてコレステロールを使用して肝臓によって作られる物質、と結合することにより作用する。この薬物は消化管で胆汁酸と結合するため、体内に吸収されるのではなく、糞便とともに排泄される。結果として、肝臓は、胆汁酸の構築を継続するために血液循環からより多くのコレステロールを取り入れなければならず、その結果、LDLレベルが全体的に低下する。
ニコチン酸、またはビタミンB3としても知られるナイアシンは、トリグリセリドレベルを下げ、HDLレベルを他の抗コレステロール薬よりも高くするのに効果的である。ニコチン酸は、LDLコレステロールも低下させる。
フィブリン酸誘導体またはフィブラートは、これらの目的で通常使用される他の薬物、例えば、ナイアシン等が効果的でない場合に、トリグリセリドレベルを低下させ、HDLを増加させるために用いられる。
プロブコールは、LDLコレステロール値を低下させるが、HDL値も低下させる。これは、一般的に、高コレステロール値を引き起こす特定の遺伝的障害に使用され、または他のコレステロール低下薬が無効であるか使用できない場合に使用される。
PCSK9は、肝臓に存在するLDL受容体の細胞レベルを増加させることにより、LDLコレステロール値を低下させる。
脂質低下薬は、血中脂質の減少に様々な程度で成功している。しかしながら、すべてのタイプの高脂血症をうまく治療できる脂質低下薬はない。いくつかの脂質低下薬はかなり成功しているが、医学界は脂質低下薬がアテローム性動脈硬化症の退行を引き起こすという決定的な証拠をほとんど発見していない。さらに、すべての脂質低下薬には望ましくない副作用がある。アテローム性動脈硬化症は、食事管理、薬物療法および他の治療法が成功していない結果として、依然として世界の多くの地域で主要な死因となっている。
薬物療法や食事療法が十分に効果的ではなかった患者の脂質量を減らすために、新たな治療が用いられてきた。例えば、血漿(プラズマ)フェレーシスやLDLアフェレーシス等の体外処置が採用されており、LDLの低下に効果的であることが示されている。
血漿フェレーシス療法または血漿交換療法は、患者の血漿をドナー血漿またはより一般的には血漿タンパク質分画に交換することを含む。血漿フェレーシスは、細胞分離器により血漿を血球から除去するプロセスである。分離器は、血液を高速で回転させて細胞を流体から分離するか、または血液の流体成分のみが通過できるほど小さい細孔を有する膜に血液を通すことにより機能する。細胞は治療を受けている人に戻されるが、血漿は廃棄され、他の流体に置き換えられる。
この治療は、異種タンパク質の導入および感染症の伝染による合併症をもたらした。また、血漿フェレーシスには、VLDL、LDL、HDL等のすべての血清リポタンパク質が非選択的に除去されるという欠点がある。さらに、血漿フェレーシスは、発熱、悪寒、発疹、場合によってはさらにアナフィラキシーの形態でのアレルギー反応を含む、いくつかの副作用を引き起こす可能性がある。
上記のように、コレステロールおよびリン脂質を含む新生の円盤状粒子として肝臓および腸の両方から分泌されるHDLを除去することは望ましくない。HDLは、コレステロールの逆輸送に関与していると考えられ、コレステロールの逆輸送は、過剰なコレステロールを組織から除去し、胆汁で再利用または廃棄するために肝臓に輸送するプロセスである。
血漿フェレーシスとは対照的に、LDLアフェレーシス法は、HDLを保持しながら、LDL等のコレステロールを含むApoBを選択的に除去する。LDLアフェレーシスのためのいくつかの方法が開発されている。これらの技術には、ヘパリンアガロースビーズへのLDLの吸収、固定化LDL抗体の使用、硫酸デキストランを固定化するカスケードろ過吸収、およびヘパリンの存在下での低pHでのLDL沈殿が含まれる。上記の各方法は、LDLの除去に効果的である。しかしながら、この治療プロセスには、HDLにプラスの影響を与えない、またはアテローム性動脈硬化症やその他の心血管疾患を助長する可能性がある代謝シフトを引き起こす等の欠点がある。LDLアフェレーシスは、その名前が示すように、重度の高脂血症患者のLDLを治療するだけである。
ホモ接合型家族性高コレステロール血症、ヘテロ接合型家族性高コレステロール血症、および後天性高脂血症の患者の血漿コレステロールの低下を達成するさらに別の方法は、コレステロールアフェレーシスと呼ばれる体外脂質除去プロセスである。コレステロールアフェレーシスでは、患者から血液を採取し、血漿を血液から分離し、血漿を溶媒混合物と混合する。溶媒混合物は、血漿から脂質を抽出する。その後、脱脂血漿を患者の血球と再混合し、患者に戻す。しかしながら、この手順を用いると、LDL粒子を変性させるため、変性LDL粒子が心臓病の程度を悪化させる可能性がある。同時に、このプロセスは、HDL粒子のさらなる脱脂ももたらした。
しかしながら、従来の体外脱脂プロセスは、LDLおよびHDLの同時脱脂に向けて行われる。このプロセスには、主に、脱脂LDLが凝集し、その後、心臓病の状態を軽減するよりもむしろ悪化させる傾向があるという点で、多くのデメリットがある。更に、体外システムは、多段階の溶媒暴露および抽出ステップを可能な限り通じて、体液量を実質的な処理に供するように設計されている。
激しい多段階の溶媒暴露および抽出にはいくつかの欠点がある。脱脂血漿を患者に安全に戻すために、その脱脂血漿から十分な量の溶媒を除去することは難しい場合がある。
従って、血漿成分の処置のための既存のアフェレーシスおよび体外システムには、これらの性能が臨床応用で用いられるのを制限する多くの欠点がある。慢性心血管疾患の治療および予防措置を提供するために、血液成分から脂質を除去することができる改善されたシステム、装置、および方法が必要である。また、HDL粒子から脂質を選択的に除去し、それによりコレステロールを受容する能力を高めた変性HDL粒子を作り出す方法も提供されている。
慢性疾患において、HDL粒子から脂質を選択的に除去し、それにより、LDL粒子に実質的に影響を与えずにコレステロールを受容する能力を高めた変性HDL粒子を作り出す方法が提供されている。しかしながら、これらの方法は、変性HDL粒子の即時の再投与を想定しており、長期間にわたって変性HDL粒子を保存、保管、または使用する手段を提供しない。
脱脂血漿および変性HDL粒子を保存する方法も必要である。自己および非自己原由来の血漿は、吸引(derivation)から数時間以内に患者に導入する必要がある。しかしながら、吸引から規定された期間内に、吸引された変性HDL粒子を患者に導入することが可能でないかもしれない状況が存在する。これは、患者が、該患者から十分に吸引することができない変性HDL粒子(自己性)を必要とするが、非自己血漿源がむしろ利用可能である場合に特に当てはまるかもしれない。より多くの患者のための救命療法へのアクセスは、必要に応じておよび必要なときに使用することができるように脱脂血漿を保存し、それを容易に利用できるようにすることにより強化され得る。
以下の実施形態およびその態様は、システム、ツールおよび方法と併せて説明および図示されているが、これらは、発明の範囲を限定するものではなく、例示的であることを意味している。
以下の工程を含む、患者への投与のためにpre−β高密度リポタンパク質を保存する方法:
前記pre−β高密度リポタンパク質を含む脱脂血漿のバッチを得る工程;
前記pre−β高密度リポタンパク質を特徴付けるために、前記脱脂血漿のバッチの一部を試験する工程;
前記脱脂血漿のバッチを保存する工程;
前記保存された脱脂血漿を前記患者への投与のために調製する工程;
前記pre−β高密度リポタンパク質を特徴付けるために、前記調製された脱脂血漿を試験する工程;および
前記pre−β高密度リポタンパク質を前記患者に投与する工程。
任意に、前記方法は、前記保存する工程の前に、前記pre−β高密度リポタンパク質の濃度が1mg/dl〜400mg/dlの範囲であることを確実にするように、前記pre−β高密度リポタンパク質の量を変更することをさらに含む。
任意に、前記保存する工程は、前記バッチを−30℃未満の温度で凍結することを含む。
任意に、前記調製する工程は、前記保存された脱脂血漿を2℃〜26℃の温度範囲で解凍することを含む。
任意に、前記保存する工程は、1ミリリットル〜2リットルの容量の脱脂血漿を、−30℃未満の温度に20分未満曝すことを含む。
任意に、前記pre−β高密度リポタンパク質を特徴付けるために、前記脱脂血漿のバッチの一部を試験する工程は、前記pre−β高密度リポタンパク質の第1の濃度を決定することを含む。任意に、前記pre−β高密度リポタンパク質を特徴付けるために、前記調製された脱脂血漿を試験する工程は、前記pre−β高密度リポタンパク質の第2の濃度を決定することと、分解の程度を決定するために前記pre−β高密度リポタンパク質の第2の濃度を前記pre−β高密度リポタンパク質の第1の濃度と比較することを含む。任意に、前記方法は、前記pre−β高密度リポタンパク質の第2の濃度に基づいて、前記調製された脱脂血漿が投与に適しているかどうかを決定することをさらに含む。
任意に、前記方法は、保存前に、前記脱脂血漿に保存剤を加えることをさらに含む。
任意に、前記調製する工程は、前記保存された脱脂血漿を解凍することを含み、かつ、前記解凍された脱脂血漿を1℃〜6℃の範囲の温度で5日以下保管することをさらに含む。
本明細書は、以下の工程を含む、患者への投与のために変性高密度リポタンパク質を保存する方法も開示する:
血液を採取するための装置に少なくとも1人の人を接続することと、前記少なくとも1人の人から血球を含む血液を採取することと、前記血液から前記血球を分離して、高密度リポタンパク質および低密度リポタンパク質を含む血漿分画を生成することと、溶媒を使用して前記高密度リポタンパク質を脱脂することと、前記低密度リポタンパク質を分離することと、前記変性高密度リポタンパク質を含有する前記脱脂血漿を収集することによって、前記変性高密度リポタンパク質を含む脱脂血漿のバッチを得る工程;
前記変性高密度リポタンパク質を特徴付けるために、前記脱脂血漿のバッチの一部を試験する工程;
前記脱脂血漿のバッチを保存する工程;
前記保存された脱脂血漿を前記患者への投与のために調製する工程;
前記変性高密度リポタンパク質を特徴付けるために、前記調製された脱脂血漿を試験する工程;および
前記変性高密度リポタンパク質を前記患者に投与する工程。
任意に、前記方法は、前記保存する工程の前に、前記変性高密度リポタンパク質の濃度が1mg/dl〜400mg/dlの範囲であることを確実にするように、前記変性高密度リポタンパク質の量を変更することをさらに含む。
任意に、前記保存する工程は、前記バッチを−30℃未満の温度で凍結することを含む。
任意に、前記調製する工程は、前記保存された脱脂血漿を2℃〜26℃の温度範囲で解凍することを含む。
任意に、前記保存する工程は、1ミリリットル〜2リットルの容量の脱脂血漿を、−30℃未満の温度に20分未満曝すことを含む。
任意に、前記変性高密度リポタンパク質を特徴付けるために、前記脱脂血漿のバッチの一部を試験する工程は、前記変性高密度リポタンパク質の第1の濃度を決定することを含む。任意に、前記変性高密度リポタンパク質を特徴付けるために、前記調製された脱脂血漿を試験する工程は、前記変性高密度リポタンパク質の第2の濃度を決定することと、分解の程度を決定するために前記変性高密度リポタンパク質の第2の濃度を前記変性高密度リポタンパク質の第1の濃度と比較することを含む。任意に、前記方法は、前記変性高密度リポタンパク質の第2の濃度に基づいて、前記調製された脱脂血漿が投与に適しているかどうかを決定することをさらに含む。
任意に、前記方法は、保存前に、前記脱脂血漿に保存剤を加えることをさらに含む。
任意に、前記調製する工程は、前記保存された脱脂血漿を解凍することを含み、かつ、前記解凍された脱脂血漿を1℃〜6℃の範囲の温度で5日以下保管することをさらに含む。
本明細書は、以下の工程を含む、患者における心血管疾患の治療のための方法も開示する:高密度リポタンパク質および低密度リポタンパク質を含む血漿分画を得る工程;脂質を除去する脂質除去剤と前記血漿分画を混合して、脂質、前記脂質除去剤、変性高密度リポタンパク質、および前記低密度リポタンパク質の混合物を生成する工程であって、前記変性高密度リポタンパク質は脱脂高密度リポタンパク質である、工程;前記脂質および前記脂質除去剤から前記変性高密度リポタンパク質および前記低密度リポタンパク質を分離する工程;前記変性高密度リポタンパク質を長期間保存する工程;前記保存された変性高密度リポタンパク質を使用のために調製する工程;高密度リポタンパク質粒子の成分を、保存後に調製された前記変性高密度リポタンパク質から分離する工程;および前記高密度リポタンパク質粒子の成分を前記患者に送達する工程。
任意に、前記保存する方法は凍結を含む。任意に、前記使用のために調製する方法は解凍を含む。
任意に、前記保存する方法は、1ミリリットル〜2リットルの容量のDPを保存することを含む。
任意に、前記混合する方法は、前記低密度リポタンパク質を実質的に変性させることなく、前記高密度リポタンパク質に関連する脂質を除去する脂質除去剤と前記血漿分画を混合することを含む。
任意に、前記高密度リポタンパク質および低密度リポタンパク質を含む血漿分画を得る方法は、前記患者および前記患者以外の個体の少なくとも一方から得ることを含む。
任意に、前記心血管疾患の治療方法は、AERD、ホモ接合型家族性高コレステロール血症、ヘテロ接合型家族性高コレステロール血症、虚血性脳卒中、冠動脈疾患、急性冠症候群、および末梢動脈疾患のうち少なくとも1つを治療することを含む。
任意に、心血管疾患の治療方法は、アルツハイマー病の進行の治療方法を含む。
任意に、脂質除去剤と前記血漿分画を混合する工程は、総タンパク質に対してpre−β高密度リポタンパク質の濃度が増加した変性高密度リポタンパク質を生成する。
任意に、心血管疾患の治療から血漿分画を得る工程は、さらに以下を含む:血液を採取するための装置に少なくとも1人の人を接続すること;前記1人の人から血球を含む血液を採取すること;および前記血液から前記血球を分離して高密度リポタンパク質および低密度リポタンパク質を含む血漿分画を生成すること。
任意に、高密度リポタンパク質粒子の成分を前記変性高密度リポタンパク質から分離する工程は、アフィニティークロマトグラフィーを使用することを含む。
任意に、前記アフィニティークロマトグラフィーを使用する方法は、以下を含む:脱脂された高密度リポタンパク質を含む血漿をカラムに加えること;ApoA−Iタンパク質に結合するための抗体を含むカラムを通して、前記血漿を滴下させること;不要な物質を取り除くために、前記カラムを洗浄すること;および前記抗体とApoA−Iタンパク質との間の結合を破壊するために前記カラムを通して解離試薬を送達し、それにより少なくともpre−βHDLを分離すること。
任意に、高密度リポタンパク質粒子の成分を前記変性高密度リポタンパク質から分離する工程は、超遠心分離を使用することを含む。
任意に、超遠心分離を使用することは、前記変性高密度リポタンパク質を1.21の密度で遠心することと、pre−β高密度リポタンパク質粒子および血漿タンパク質を含有する底部分画を分離することと、血漿タンパク質からpre−β高密度リポタンパク粒子を分離するために前記底部分画を1.25の密度で遠心すること、を含む。
任意に、超遠心分離を使用することは、前記変性高密度リポタンパク質を1.006の密度で遠心することと、低密度リポタンパク質および高密度リポタンパク質を含有する血漿を含む底部分画を分離することと、低密度リポタンパク質および高密度リポタンパク質を含有する前記分離された血漿を1.063の密度で遠心することと、高密度リポタンパク質粒子を含む底部分画を分離することと、前記分離された高密度リポタンパク質粒子を1.21の密度で遠心することと、pre−β高密度リポタンパク質粒子および血漿タンパク質を含む底部分画を分離することと、血漿タンパク質からpre−β高密度リポタンパク粒子を分離するために前記底部分画を1.25の密度で遠心すること、を含む。
任意に、超遠心分離を使用することは、前記変性高密度リポタンパク質を1.063の密度で遠心することと、αおよびpre−β高密度リポタンパク質粒子と血漿リポタンパク質とを含有する血漿を含む底部分画を分離することと、血漿タンパク質からαおよびpre−β高密度リポタンパク質粒子を分離するために前記底部分画を1.25の密度で遠心すること、を含む。
本明細書は、以下の工程を含む、患者における心血管疾患の治療のための方法も開示する:高密度リポタンパク質および低密度リポタンパク質を含む血漿分画を得る工程;脂質を除去する脂質除去剤と前記血漿分画を混合して、脂質、前記脂質除去剤、変性高密度リポタンパク質、および前記低密度リポタンパク質の混合物を生成する工程であって、前記変性高密度リポタンパク質は脱脂高密度リポタンパク質である、工程;前記脂質および前記脂質除去剤から前記変性高密度リポタンパク質および前記低密度リポタンパク質を分離する工程;前記変性高密度リポタンパク質から高密度リポタンパク質粒子の成分を分離する工程;前記高密度リポタンパク質粒子の成分を長期間保存する工程;前記保存された高密度リポタンパク質の成分を使用のために調製する工程;および前記高密度リポタンパク質粒子の成分を前記患者に送達する工程。
本明細書は、以下の工程を含む、患者における心血管疾患の治療のための方法も開示する:高密度リポタンパク質および低密度リポタンパク質を含む血漿分画を得る工程;脂質を除去する脂質除去剤と前記血漿分画を混合して、脂質、前記脂質除去剤、変性高密度リポタンパク質、および前記低密度リポタンパク質の混合物を生成する工程であって、前記変性高密度リポタンパク質は脱脂高密度リポタンパク質である、工程;前記脂質および前記脂質除去剤から前記変性高密度リポタンパク質および前記低密度リポタンパク質を分離する工程;前記変性高密度リポタンパク質から高密度リポタンパク質粒子の成分を分離する工程;および前記高密度リポタンパク質粒子の成分を長期間保存する工程。
任意に、前記方法は、前記保存された高密度リポタンパク質粒子の成分を使用のために調製する工程をさらに含む。
任意に、前記方法は、前記高密度リポタンパク質粒子の成分を前記患者に送達する工程をさらに含む。
任意に、前記保存する工程は凍結することを含む。
任意に、前記調製する工程は解凍することを含む。
任意に、前記高密度リポタンパク質粒子の成分は、α高密度リポタンパク質および/またはpre−β高密度リポタンパク質を含む。
任意に、前記高密度リポタンパク質粒子の成分はpre−β高密度リポタンパク質を含む。
本明細書は、以下の工程を含む、患者における心血管疾患の治療のための方法も開示する:高密度リポタンパク質および低密度リポタンパク質を含む血漿分画を得る工程;脂質を除去する脂質除去剤と前記血漿分画を混合して、脂質、前記脂質除去剤、変性高密度リポタンパク質、および前記低密度リポタンパク質の混合物を生成する工程であって、前記変性高密度リポタンパク質は脱脂高密度リポタンパク質である、工程;前記脂質および前記脂質除去剤から前記変性高密度リポタンパク質および前記低密度リポタンパク質を分離する工程;前記変性高密度リポタンパク質を所定の期間または長期間保存する工程;前記保存された変性高密度リポタンパク質を使用のために調製する工程;高密度リポタンパク質粒子の成分を、保存後に調製された前記変性高密度リポタンパク質から分離する工程;前記高密度リポタンパク質粒子の成分を長期間または所定の期間保存する工程;前記保存された高密度リポタンパク質粒子の成分を使用のために調製する工程;および前記高密度リポタンパク質粒子の成分を前記患者に送達する工程。
任意に、前記保存する工程は凍結することを含む。
任意に、前記調製する工程は解凍することを含む。
任意に、前記高密度リポタンパク質粒子の成分は、α高密度リポタンパク質および/またはpre−β高密度リポタンパク質を含む。
任意に、前記高密度リポタンパク質粒子の成分はpre−β高密度リポタンパク質を含む。
本明細書の上記およびその他の実施形態は、以下に提供される図面および詳細な説明においてより詳細に説明される。
本発明のこれらの特徴および利点、ならびに他の特徴および利点は、添付の図面と関連させて以下の詳細な説明を参照することによって、より良く理解されるであろう。
図1Aは、本明細書のいくつかの実施形態による、脱脂(変性)HDLからpre−βHDLを分離する例示的なプロセスを示すフローチャートである。図1Bは、本明細書に開示されるプロセスを達成するために本明細書のいくつかの実施形態にしたがって使用される複数の構成要素を備えるシステムの概略図である。図1Cは、本明細書に開示されるプロセスを達成するために本明細書のいくつかの実施形態に従って用いられる複数の構成要素のシステム構成の例示的な実施形態についての絵図である。図1Dは、本明細書のいくつかの実施形態による、アフィニティークロマトグラフィーを使用して脱脂血漿中の所望の物質の濃度を増加させるために使用される例示的なプロセスを示すフローチャートである。図1Eは、本明細書のいくつかの実施形態による、超遠心分離を使用して脱脂血漿中の所望の物質の濃度を増加させるために使用される例示的なプロセスを示すフローチャートである。図1Fは、本明細書のいくつかの実施形態による、超遠心分離を使用して脱脂血漿中の所望の物質の濃度を増加させるために使用される別の例示的なプロセスを示すフローチャートである。図1Gは、本明細書のいくつかの実施形態による、超遠心分離を使用して処理された血漿中の所望の物質の濃度を増加させるために使用される別の例示的な一連の工程を示すフローチャートである。 pre−βHDLを含む、保管された脱脂血漿を試験、保存、および検証するためのプロセスを示すフローチャートである。
いくつかの実施形態において、本明細書は、患者にとって非自己源の血漿に主に由来する、脂質含有量、特にコレステロール含有量が減少した変性HDL粒子(脱脂HDLとも呼ばれる)を保存するためのシステム、装置および方法を対象とし、ここで、保存された産物は後で使用され得る。本明細書の実施形態は、LDL粒子を実質的に変性させることなく、脂質含有量が減少したこれらの変性HDL粒子を生成および保存する。本明細書の実施形態は、(脱脂血漿中に存在する)元のα−HDL粒子を変性させて、元のHDLと比較して、α−HDLおよび/またはpre−βHDLを含むHDL成分の濃度が上昇した変性HDL粒子を生成する。さらに、新しく形成されたHDL粒子の誘導体(変性HDL)は、脱脂血漿からα−HDLおよび/またはpre−βHDLを分離するように処理される。いくつかの実施形態では、脱脂血漿は、α−HDLおよび/またはpre−βHDLのさらに濃縮された溶液を生成するように処理される。α−HDLおよび/またはpre−βHDLの濃縮溶液を含む変性HDLは、一実施形態では、細胞コレステロールを増強し、心血管疾患および/または他の脂質関連疾患を治療するために、凍結によって保存され、かつ当該保存された変性HDLを解凍した後患者に投与される。一実施形態では、変性HDLは、約20%のα−HDL粒子(脱脂血漿中に存在する)および約80%のpre−βHDLの濃縮溶液を含む。
本明細書の治療プロセスにより、本明細書の方法およびシステムは、ホモ接合型家族性高コレステロール血症(HoFH)、ヘテロ接合型家族性高コレステロール血症(HeFH)、虚血性脳卒中、冠動脈疾患(CAD)、急性冠症候群(ACS)、末梢動脈疾患(PAD)、AERD、腎動脈狭窄(RAS)およびその症状を含む心血管疾患の治療において、ならびにアルツハイマー病の進行の治療に対して、より効果的になる。
本明細書は、複数の実施形態に関する。以下の開示は、当業者が本発明を実施できるように提供する。本明細書で用いられる言語は、いずれかの特定の実施形態の一般的な否認として解釈されるべきではなく、本明細書で用いられる用語の意味を超えて特許請求の範囲を制限するために使用されるべきではない。本明細書で定義される一般的な原理は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、他の実施形態および用途に適用することができる。また、使用される用語および表現は、例示的な実施形態を説明するためのものであり、限定的なものと見なされるべきではない。したがって、本発明は、開示された原理および特徴に合致する多くの代替、変更および均等物を包含する、最も広い範囲が与えられるべきである。明確にするために、本発明に関連する技術分野で知られている技術的材料に関する詳細は、本発明を不必要に不明瞭にしないように詳細には説明していない。本出願の説明および特許請求の範囲において、「含む(comprise)」、「含む(include)」および「有する(have)」の文言およびその形式は、それぞれ、必ずしもその文言が関連し得る列挙された構成要素に限定されない。
本明細書において、特定の実施形態に関連して説明されるあらゆる特徴または構成要素は、他に明記しない限り、他の実施形態で使用および実現され得ることに留意すべきである。
「流体」という用語は、脂質または脂質含有粒子を含む動物またはヒトからの流体、脂質を含有する培養組織および細胞からの流体、および脂質含有細胞と混合された流体と定義される。本発明の目的のために、流体中の脂質量の減少は、血漿および血漿中に含まれる粒子(これらに限定されないが、HDL粒子)中の脂質が減少することを含む。流体としては、これらに限定されないが、生体液、例えば、血液、血漿、血清、リンパ液、脳脊髄液、腹膜液、胸膜液、心膜液、生殖器系の種々の流体(例えば、これらに限定されないが、精液、射精液、卵胞液、および羊水)等;細胞培養試薬、例えば、通常の血清、ウシ胎児血清、あるいは任意の動物またはヒト由来の血清等;ならびに、免疫学的試薬、例えば、培養組織および細胞からの抗体およびサイトカインの種々の調製物、脂質含有細胞と混合される流体、および脂質含有生物を含む流体、例えば、脂質含有生物を含む生理食塩水等、が挙げられる。本発明の方法で処理される好ましい流体は血漿である。
「脂質」という用語は、ヒトまたは動物において生じる脂肪または脂肪様物質の群のうちの任意の1つまたは複数として定義される。脂肪または脂肪様物質は、水中での不溶性および有機溶媒中での可溶性を特徴とする。「脂質」という用語は当業者に既知であり、これらに限定されないが、複合脂質、単純脂質、トリグリセリド、脂肪酸、グリセロリン脂質(リン脂質)、真性脂肪(例えば、脂肪酸のエステル類等)、グリセロール、セレブロシド類、蝋、ならびにステロール類(例えば、コレステロールおよびエルゴステロール等)が挙げられる。
「抽出溶媒」という用語は、流体から、または流体内の粒子から脂質を抽出するために用いられる1つまたは複数の溶媒として定義される。この溶媒は流体に入り込み、他のサブシステムにより除去されるまで流体中に留まる。適切な抽出溶媒としては、脂質を抽出または溶解する溶媒、例えば、これらに限定されないが、フェノール類、炭化水素類、アミン類、エーテル類、エステル類、アルコール類、ハロゲン化炭化水素類、ハロカーボン類、およびそれらの組み合わせ等が挙げられる。適切な抽出溶媒の例は、エーテル類、エステル類、アルコール類、ハロゲン化炭化水素類、またはハロカーボン類であり、これらに限定されないが、ジイソプロピルエーテル(DIPE)(イソプロピルエーテルとも呼ばれる)、ジエチルエーテル(DEE)(エチルエーテルとも呼ばれる)、低級アルコール対(例えば、ブタノール、特にn−ブタノール)、酢酸エチル、ジクロロメタン、クロロホルム、イソフルラン、セボフルラン(1,1、1,3、3,3−ヘキサフルオロ−2−(フルオロメトキシ)プロパン−d3)、パーフルオロシクロヘキサン類、トリフルオロエタン、シクロフルオロヘキサノール、およびそれらの組み合わせ等が挙げられる。
「患者」という用語は、本発明の方法で処理される流体の供給源、または脂質含有量が減少したHDL粒子の誘導体および/または血漿のレシピエントであり得る、動物およびヒトをいう。
「HDL粒子」という用語は、種々の方法、例えば、電荷、密度、サイズ、および免疫親和性を測定する方法、例えば、これらに限定されないが、電気泳動移動度、超遠心分離、免疫反応性、および当業者に知られている他の方法等に基づいて定義される、いくつかの種類の粒子を含む。このようなHDL粒子としては、これらに限定されないが、以下のものが挙げられる:α−HDL、pre−βHDL(pre−β1HDL、pre−β2HDLおよびpre−β3HDLを含む)、HDL2(HDL2aおよびHDL2bを含む)、HDL3、VHDL、LpA−I、LpA−II、LpA−I/LpA−II(Barrans et al.,Biochemica Biophysica Acta 1300;73−85,1996参照)。したがって、本発明の方法の実施により、変性HDL粒子が作製される。これらのHDL粒子の変性誘導体は、例えば、これらに限定されないが、代謝および/または物理化学的特性(Barrans et al.,Biochemica Biophysica Acta 1300;73−85,1996参照);分子量(kDa);電荷;直径;形状;密度;水和密度;浮力特性;コレステロール含有量;遊離コレステロール含有量;エステル化コレステロール含有量;遊離コレステロールのリン脂質に対するモル比;免疫親和性;酵素またはタンパク質(ApoA−I、ApoA−II、ApoD、ApoE、ApoJ、ApoA−IV、コレステロールエステル運搬タンパク質(CETP)、レシチン;コレステロールアシルトランスフェラーゼ(LCAT))のうちの1つまたは複数の含有量、活性、またはらせん構造;コレステロール結合に関する能力および/または速度、コレステロール輸送に関する能力および/または速度のうちの1つまたは複数における変更を含む、多くの方法で変性させることができる。
「変性された高密度リポタンパク質(変性高密度リポタンパク質)」および「脱脂された高密度リポタンパク質(脱脂高密度リポタンパク質)」という用語は、交換可能に使用され、脂質血産物の減少、特に、脂質含有量が減少した高密度リポタンパク質をいう。これは、脱脂プロセスが実行されると、生成された血漿内に含まれ得る。同様に、「処理された血漿」という用語は、脱脂プロセスが実行された後に得られる血漿をいう。
図1Aは、本明細書のいくつかの実施形態による、変性HDLからpre−βHDLを分離するための例示的なプロセスを示すフローチャートである。102において、心血管疾患または関連疾患に罹患している対象または患者のために、血漿脱脂プロセスが開始される。このプロセスは、通常、患者を治療する医師が1つ以上の観察を行った後に開始される。観察は、症状と限定されないが血液検査や画像分析などの検査結果との組み合わせに基づく場合がある。観察により、医師は患者の治療に患者の生理学的システムからの有害な脂質の低減が必要であると結論付ける可能性がある。
104で血液分画が得られ、一実施形態では、それは血漿である。本明細書の実施形態によれば、血液分画は、患者(自己)または非自己供給源のいずれかから得られる。非自己供給源由来の血液分画は、健康で自発的な(voluntary)ドナーから収集される。血液分画化のプロセスは、通常、ろ過、血液の遠心分離、吸引、または当業者に知られている任意の他の方法によって行われる。血液分画化は血漿を血液から分離する。一実施形態では、血液分画化は、図1Aに関連して説明された方法から遠隔で(remotely)行われる。一実施形態では、血液は、体重に基づいて約12ml/kgの血漿を生成するのに十分な量で患者またはドナーから採取される。分画化プロセスの間、任意に、血液をクエン酸ナトリウムなどの抗凝固剤と組み合わせ、重力の約2,000倍に等しい力で遠心分離することができる。血漿フェレーシスなどの当業者に一般に知られている方法を使用して、血液を血漿と赤血球に分離する。一実施形態では、次に、血漿から赤血球を吸引する。一実施形態では、血液分画化のプロセスは、心血管疾患および/または関連疾患を有し、かつ/または医師による治療中の患者から血液を採取することによって行われる。代替の実施形態では、血液分画化のプロセスは、心血管疾患および/または関連疾患を有し、医師による治療中の患者以外の人から血液を採取することによって行われる。したがって、血液分画化プロセスの結果として得られる血漿は、自己由来または非自己由来のいずれかであり得る。
分画化に続いて、赤血球は適切な保管溶液中に保管されるか、または好ましくは血漿フェレーシス中に患者に戻される。任意で、容量を補充するために、生理食塩水を患者に投与してもよい。血液が患者以外の個人から得られた場合、細胞はドナーと呼ばれることもあるその個人に戻される。
血液から得られる血漿は通常、血球の細胞外マトリックスを含む淡黄色の流体である。血漿は通常95%が水で、血漿の約6〜8%を占める溶解タンパク質を含む。血漿は、グルコース、凝固因子、電解質、ホルモン、二酸化炭素、および酸素も含む。血漿の密度は約1006kg/m、即ち1.006g/mlである。
いくつかの別の実施形態では、低密度リポタンパク質(LDL)も血漿から分離する。分離したLDLは、通常廃棄する。別の実施形態では、LDLを血漿中に残す。本明細書の実施形態に従って、104で得られる血液分画または血漿には、高密度リポタンパク質(HDL)を含む血漿も含まれ、他のタンパク質粒子を含んでいても含んでいなくてもよい。実施形態において、患者またはドナーから収集した自己または非自己血漿は、その後、承認された血漿フェレーシス装置により単離される。血漿は、連続またはバッチプロセスを用いて輸送してもよい。
ステップ106において、104で得られた血液分画または血漿を、1つまたは複数の溶媒、例えば、脂質除去剤と混合する。一実施形態において、使用される溶媒としては、有機溶媒のセボフルランおよびn−ブタノールのいずれかまたは両方が挙げられる。実施形態において、血漿および溶媒を、混合機、撹拌機、または血漿と溶媒とを接触させる他の装置の少なくとも1つに導入する。実施形態において、HDL粒子のみが処理されてその脂質レベルを減少させるが、LDLレベルは影響されないように、溶媒系は最適に設計される。溶媒系には、使用する溶媒、混合方法、時間、および温度等の変動要因を分析することが含まれる。当該ステップにおいて、溶媒の種類、割合、および濃度は様々であってもよい。血漿に対する溶媒の許容される割合には、溶媒と血漿との任意の組み合わせが含まれる。いくつかの実施形態において、使用される割合は、溶媒1部に対して血漿2部、溶媒1部に対して血漿1部、または溶媒2部に対して血漿1部である。一実施形態において、n−ブタノール5部に対してセボフルラン95部を含む溶媒を用いる場合、血漿1部あたり溶媒2部の割合を用いる。また、一実施形態において、n−ブタノールを含む溶媒を用いる場合、本明細書では、溶媒/血漿の最終混合物においてn−ブタノールが少なくとも3%となるような、血漿に対する溶媒の割合を用いる。一実施形態において、溶媒/血漿の最終混合物におけるn−ブタノールの最終濃度は、3.33%である。血漿および溶媒を、混合機、撹拌機、または血漿と溶媒とを接触させる他の装置の少なくとも1つに導入する。血漿は、連続またはバッチプロセスを用いて輸送してもよい。更に、種々の検出手段を、圧力、温度、流速、および溶媒レベル等を監視するために含めてもよい。溶媒は、血漿からの脂質を溶解する。本明細書の実施形態において、溶媒により脂質を溶解し、脂質含有量が減少した変性HDL粒子を含む処理された血漿を生成する。当該プロセスは、血漿タンパク質を破壊せずに、またはLDL粒子に実質的に影響を与えずに、HDL粒子を処理してその脂質レベルを減らし、変性HDL粒子を生成するように設計する。血漿フェレーシス後の血液成分の臨床的に有意な減少はないことに注意すべきである。
エネルギーは、種々の混合方法、時間、および速度の形で系に導入する。108において、バルク溶媒を変性HDL粒子から遠心分離により除去する。実施形態において、炭吸着、蒸発、または中空糸コントラクタ(HFC)パーベーパレーションにより、あらゆる残りの可溶性溶媒を除去する。ガスクロマトグラフィー(GC)または同様の手段を用いて、残りの溶媒について混合物を任意で試験してもよい。残りの溶媒に対する試験は、統計的検証に基づいて任意選択で除外してもよい。
抽出された変性HDL溶液では、pre−βHDLの濃度が増加している。脱脂血漿中の変性HDLは、約80〜85%のpre−β粒子、および約15〜20%のαHDL粒子を有すると推定される。pre−βHDLの濃度は、溶媒で処理する前に血漿中に存在していた元のHDLと比較して、変性HDLにおいてより高い。通常約5%のpre−βHDL粒子を含む、血液分画から最初に分離された血漿溶液と比較して、pre−βHDL粒子の濃度は実質的に増加している。
図1Bは、本明細書の方法を達成するために用いられる、システムおよびその構成要素の例示的な実施形態を示す。この図は、HDL変性システム200の要素を定義する、例示的な基本要素のフロー図を表している。システム200の構成要素の実施形態は、患者または別の個人(ドナー)から血液分画を得た後に用いる。血液から分離した血漿は、さらなる処理のために、無菌バッグに入れてシステム200にもたらされる。流体投入部205を設け、チューブを介して混合デバイス220に接続する。溶媒投入部210を設け、同様にチューブを介して混合デバイス220に接続する。実施形態では、弁215および216を用いて、流体投入部205からの流体および溶媒投入部210からの溶媒それぞれの流れを制御する。流体投入部205は、上記のとおり、LDL粒子を含むかまたはLDL粒子を含まず、HDL粒子を含む任意の流体を含む点が理解されるべきである。さらに、溶媒投入部210は、単一の溶媒、溶媒の混合物、または溶媒投入部210において混合される複数の異なる溶媒を含むことができる点が理解されるべきである。溶媒投入部210は、単一の溶媒容器として描かれているが、複数の別個の溶媒容器を含むことができる。使用することができる溶媒の種類の実施形態については、上記で説明されている。
ミキサー220は、流体投入部205からの流体および溶媒投入部210からの溶媒を混合して、流体−溶媒混合物を生成する。実施形態では、ミキサー220は、複数のバッチ、例えば、1、2、3、またはそれ以上のバッチで、投入した流体および投入した溶媒とのシェーカーバッグ混合法を用いることができる。例示的なミキサーは、Barnstead Lablineオービタルシェーカーテーブルである。流体−溶媒混合物は、一旦生成されると、チューブを通じて、少なくとも1つの弁215aにより制御されて、分離器225に送達される。一実施形態において、分離器225は、漏斗形のバッグ中で重力分離によりバルク溶媒の分離を行うことができる。
分離器225では、流体−溶媒混合物を第1の層および第2の層に分離する。第1の層は、溶媒と、HDL粒子から除去された脂質と、の混合物を含む。第1の層は、弁215bを介して第1の廃棄物容器235に輸送される。第2の層は、残りの溶媒と、変性HDL粒子と、投入した流体のその他の要素と、の混合物を含む。第1の層および第2の層の組成は、投入された流体の性質に基づいて異なることを当業者は理解するであろう。第1の層および第2の層が分離器225において一旦分離されると、第2の層は、チューブを介して溶媒抽出デバイス240に輸送される。一実施形態では、圧力センサー229および弁230をフローストリーム内に配置して、溶媒抽出デバイス240への第2の層の流れを制御する。
投入容器205,210からの流体の流れを可能にするための弁215,216の開閉は、流体投入部205,210および分離器225の重量決定から得られる質量平衡計算を用いて時間調整することができる。例えば、分離器225と第1の廃棄物容器235との間の弁215b、および分離器225と溶媒抽出デバイス240との間の弁230は、投入された質量(流体および溶媒)が分離器225中の質量と実質的に平衡し、且つ第1の層および第2の層の分離を可能にするのに十分な時間が経過した後に開く。どのような溶媒を用いるかによって、したがって、どの層が分離器225の底に沈殿するかに応じて、分離器225と第1の廃棄物容器235との間の弁215bが開放されるか、または分離器225と溶媒抽出デバイス240との間の弁230が開放される。当業者は、開放のタイミングは、どれだけの量の流体が第1および第2の層中に存在するかによることを理解し、さらに、第1の層のすべておよび第2の層のいくらかを除去するのにちょうど十分な長さの時間、分離器225と第1の廃棄物容器235との間の弁215bを開けたままにしておき、それにより、溶媒抽出デバイス240に送られる流体から可能な限り多くの溶媒を除去しておくことを確実にすることが好ましいことを理解するであろう。
実施形態では、グルコース投入部255と1つまたは複数の生理食塩水投入部260が、分離器225から溶媒抽出デバイス240に繋がる流路221と流体接続している。また、複数の弁215cおよび215dを、グルコース投入部255および生理食塩水投入部260それぞれから、分離器225から溶媒抽出デバイス240までの流路221となっているチューブまでのフローストリーム内に組み込む。グルコースおよび生理食塩水は、システムの動作前に溶媒抽出デバイス240をプライミングするために、本明細書の実施形態に組み込まれる。このようなプライミングが必要ない場合、グルコースおよび生理食塩水の投入は必要ない。また、グルコースおよび生理食塩水の投入は、溶媒抽出デバイス240がそれを要する場合には、他のプライミング剤と置き換えることができることを、当業者は理解するであろう。
いくつかの実施形態において、溶媒抽出デバイス240は、溶媒投入部210で使用される特定の溶媒を除去するように設計された木炭カラムである。例示的な溶媒抽出デバイス240は、Asahi Hemosorber木炭カラムである。ポンプ250を用いて、第2の層を、分離器225から、溶媒抽出デバイス240を通って移動させ、生成物容器245に移動させる。実施形態において、ポンプ250は、回転蠕動ポンプ、例えば、Masterflexモデル77201−62である。
第1の層は、チューブおよび少なくとも1つの弁215bにより分離器225と流体接続された廃棄物容器235に送達される。さらに、他の廃液は、生成される場合、溶媒抽出デバイス240と生成物容器245とを連結する流路から第2の廃棄物容器255に送達することができる。任意に、一実施形態では、弁215fを、溶媒抽出デバイス240から生成物容器245までの流路中に含む。任意に、一実施形態では、弁215gを、溶媒抽出デバイス240から第2の廃棄物容器255までの流路中に含む。
本明細書の一実施形態において、実用的な場合であれば、重力を用い、複数の構成要素の各々を通じて流体を移動させる。例えば、投入された血漿205および投入された溶媒210を、重力を用いてミキサーに排出する。ミキサー220がシェーカーバッグを含み、且つ分離器225が漏斗形バッグを含む場合、流体はシェーカーバッグから漏斗形バッグに、次いで、適切な場合には重力を用いて第1の廃棄物容器235に移動する。
図1Bに示されていない更なる実施形態において、生成物容器245中の生成した流体は、溶媒検出システムまたは脂質除去剤検出システムに通され、任意の溶媒または他の望ましくない構成成分が、生成した流体中に存在するか否かが特定される。一実施形態において、生成した流体は、溶媒投入部で導入される溶媒、例えば、n−ブタノールまたはジイソプロピルエーテルの濃度を決定することが可能なセンサーに供される。実施形態において、センサーは、このような濃度情報を、生成した流体またはヘッドスペース中の空気のサンプルを遠隔装置に物理的に輸送する必要なく、実時間ベースで提供することができる。
一実施形態では、生成した流体は第2段階でさらに処理され、少なくともpre−βHDL粒子を、必要に応じてαおよびpre−βHDL粒子の両方を分離または単離する。一実施形態では、第2段階(以下で説明する)は、最終生成物である生成した流体が処理ラボまたは部屋に輸送される脱脂プロセスとは異なる別個の領域で発生する。代替の実施形態では、第2段階の処理は脱脂システムとインラインで発生し、それによって該システムはアフィニティカラムサブシステムまたは超遠心サブシステムに接続される。その結果生じる分離されたαおよび/またはpre−βHDL粒子は、次に、患者の血流に導入される。
一実施形態において、分子インプリントポリマー技術を用いて、表面音波センサーを作動させる。表面音波センサーは、その表面と周囲環境との相互作用により、入力を受信し、センサー基板の圧電性により生成される電気的応答を生じる。相互作用を可能にするために、分子インプリントポリマー技術を用いる。分子インプリントポリマーは、複雑な生体試料中の標的分子、例えば、薬剤、毒素、または環境汚染物質を認識するようプログラムされたプラスチックである。分子インプリント技術は、認識されるべき標的分子、即ち、標的の溶媒と同様の構造を示す標的鋳型分子の存在下で、過剰量の架橋モノマーと1つまたは複数の機能性モノマーとを重合させることにより可能となる。
表面音波センサーを使用可能にするための分子インプリントポリマー技術の使用は、標的化溶媒の濃度に対してより特異化され、且つ他の考え得る妨害物からこのような標的溶媒を区別することができる。その結果、標的溶媒と同様の構造および/または特性を有していてもよい許容可能な妨害物の存在は、存在するそれぞれの溶媒濃度をセンサーが正確に報告するのを妨げない。
あるいは、投入した溶媒がある種の溶媒、例えば、n−ブタノールを含む場合、電気化学的酸化を用いて溶媒濃度を測定することができる。電気化学的測定は、いくつかの利点を有する。それらは、簡単で、精密で、迅速であり、且つ広いダイナミックレンジを有する。計測は簡単で、湿度の影響を受けない。一実施形態において、標的溶媒、例えば、n−ブタノールは、サイクリック・ボルタンメトリーを用いてプラチナ電極上で酸化される。この技法は、電流を監視しながら、正逆両方向の作動電極で所定の走査速度で加電圧を変更することを基礎とする。1回の全サイクル、部分サイクル、または一連のサイクルを実施することができる。プラチナは好ましい電極物質であるが、他の電極、例えば、金、銀、イリジウム、または黒鉛等を用いることができる。サイクリック・ボルタンメトリー法が用いられるが、他のパルス技法、例えば、示差パルスボルタンメトリーまたは矩形波ボルタンメトリーは、測定の速度および感度を増大する場合がある。
本明細書の実施形態は、生成した流体または生成した流体より上のヘッドスペースを自動的にサンプリングし、測定し、検出し、分析する任意のおよび全ての形態を明白に網羅する。例えば、このような自動検出は、生成物容器中の空気を自動的にサンプリングし、脱脂プロセスで用いられる特定の溶媒に関して最適化されたGC装置にそれを送り、既知のGC技法を用いて溶媒の存在について試料を分析するミニガスクロマトグラフィー(GC)測定装置を組み込むことにより達成することができる。
図1Bを再び参照すると、本明細書に記載されるような装置構成要素のいずれにも用いられる適切な物質としては、体内液との接触を含む医学用途に関して認可され、U.S.PV1またはISO10993基準に従った生物適合性の物質が挙げられる。さらに、その物質は、例えば、少なくとも一度の使用中に、本明細書で用いられる溶媒への曝露により実質的に分解されない。この物質は、放射線および酸化エチレン(EtO)滅菌のいずれかにより、滅菌可能である。このような適切な物質は、慣用的プロセス、例えば、これらに限定されないが、押出成形、射出成形等を用いて、目的物に成形することができる。これらの要件を満たす物質としては、これらに限定されないが、ナイロン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、アクリル、ポリスルホン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フルオロエラストマー、例えば、VITON(DuPont Dow Elastomers L.L.C.から入手可能)、熱可塑性エラストマー、例えば、SANTOPRENE(Monsantoから入手可能)、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフェニレンエーテル(PFE)、パーフルオロアルコキシコポリマー(PFA)(TEFLON PFAとしてE.I.du Pont de Nemours and Companyから入手可能)、およびそれらの組合せ等が挙げられる。
各実施形態で用いられる弁215,215a,215b,215c,215d,215e,215f,215g,216,およびその他の弁は、これらに限定されないが、ピンチ、グローブ、ボール、ゲート、またはその他の慣用的な弁で構成することができる。いくつかの実施形態において、弁は、閉鎖弁、例えば、Acro Associatesのモデル955弁である。しかしながら、本明細書は、特定の様式を有する弁に限定されない。さらに、本明細書の実施形態に従って記載される各システムの構成要素は、物理的に連結されるか、可撓性または剛性のパイプで構成され得る導管、チューブ、または当業者に既知のその他のこのような器具を用いて連結される。
図1Cは、本明細書に開示する手順を達成するために本明細書のいくつかの実施形態に従って使用されるシステムの例示的な構成を示す。図1Cを参照すると、HDL変性システム300の基本構成要素の配置が示されている。流体投入部305が提供され、チューブを介してミキサー320に接続される。溶媒投入部310が提供され、これもチューブを介してミキサー320に接続される。好ましくは、弁316を用いて、流体投入部305からの流体および溶媒投入部310からの溶媒の流れを制御する。流体投入部305は、好ましくは、上記のように、HDL粒子を含み、LDL粒子を有するかまたはLDL粒子を欠く血漿を含む任意の流体を含むことが理解されるべきである。溶媒投入部310は、単一溶媒、溶媒の混合物、または溶媒投入部310において混合される複数の異なる溶媒を含むことができる点が更に理解されるべきである。単一の溶媒容器として描かれているが、溶媒投入部310は複数の別個の溶媒容器を含むことができる。用いられる好ましい溶媒の種類は、上記されている。
ミキサー320は、流体投入部305からの流体および溶媒投入部310からの溶媒を混合して、流体−溶媒混合物を生成する。好ましくは、ミキサー320は、複数のバッチ、例えば、1、2、3、またはそれ以上のバッチで、投入した流体と投入した溶媒の振とう容器混合法を用いることができる。流体−溶媒混合物は、一旦生成さると、チューブを通じて、少なくとも1つの弁321により制御されて、分離器325に送達される。好ましい実施形態では、分離器325は、漏斗型容器中で重力分離により大量の溶媒分離を行うことができる。
分離器325において、流体−溶媒混合物を第一層および第二層に分離する。第一層は、溶媒と、HDL粒子から除去された脂質との混合物を含む。第二層は、残りの溶媒と、変性HDL粒子と、投入した流体のその他の要素の混合物を含む。第一層および第二層の組成は、投入された流体の性質に基づいて異なることを当業者は理解するであろう。第一および第二層が分離器325において一旦分離すると、第二層は、チューブを通じて溶媒抽出装置340に輸送される。好ましくは、圧力センサー326および弁327は、流体の流れ中に配置されて、溶媒抽出装置340への第二層の流れを制御する。
好ましくは、グルコース投入部330および生理食塩水投入部350は、分離器325から溶媒抽出装置340に繋がる流路と流体接続されている。複数の弁331も、好ましくは、グルコース投入部330および生理食塩水投入部350から、分離器325から溶媒抽出装置340への流路となっているチューブまでの流体の流れ中に組み込む。システムの操作前に溶媒抽出装置340をプライミングするために、グルコースおよび生理食塩水が本発明に組み込まれる。このようなプライミングが必要ない場合、グルコースおよび生理食塩水の投入は必要ない。また、グルコースおよび生理食塩水投入は、溶媒抽出装置340がそれを要する場合には、他のプライミング剤と置き換えることができることを、当業者は理解するであろう。
溶媒抽出装置340は、好ましくは、溶媒投入部310に用いられる特定の溶媒を除去するよう意図された木炭カラムである。例示的な溶媒抽出装置340は、Asahi Hemosorber木炭カラムである。ポンプ335を用いて、分離器325から溶媒抽出装置340を通って生成物容器315に第二層を移動する。ポンプは、好ましくは、蠕動ポンプ、例えば、Masterflexモデル77201−62である。
第一層は、チューブおよび少なくとも1つの弁356により分離器325と流体接続される廃棄容器355に送達される。更に、他の廃液は、生成される場合、溶媒抽出装置340と生成物容器315とを連結する流路から廃棄容器355に送達することができる。
好ましくは、本発明の実施形態は、実用的な場所であれば、重力を用い、複数の構成要素の各々を通じて流体を移動する。例えば、好ましくは、重力を用いて、投入された血漿305および投入された溶媒310をミキサー320に排液する。ミキサー320が振とう容器を含み、且つ分離器325が漏斗容器を含む場合、流体は振とう容器から漏斗容器に、次いで、適切な場合には重力を用いて廃液容器355に移動する。
一般に、本発明は、好ましくは、すべての投入部(血漿投入部および溶媒投入部など)、使い捨て要素(混合バッグ、分離バッグ、廃棄物バッグ、溶媒抽出デバイス、および溶媒検出デバイスなど)、ならびに生成物容器が容易にアクセス可能な位置にあり、技術者が容易に取り外して交換できる構成を含む。
本発明の上記実施形態の動作を可能にするために、そのような実施形態のユーザに、本明細書の実施形態を実施するために必要な各構成要素を含む、パッケージされた構成要素のセットを、キットの形態で供給することが好ましい。キットは、投入流体容器(即ち、高密度リポタンパク質の供給容器)、脂質除去剤の供給容器(即ち、溶媒容器)、ミキサーの使い捨て構成要素(バッグまたはその他の容器など)、分離器の使い捨て構成要素(バッグまたはその他の容器など)、溶媒抽出デバイスの使い捨て構成要素(即ち、木炭カラム)、生成物容器、廃棄物容器の使い捨て構成要素(バッグまたはその他の容器)、溶媒検出デバイス、ならびに、複数のチューブおよび複数の弁を含むことができる。複数のチューブおよび複数の弁には、投入容器からの投入液(高密度リポタンパク質)、および溶媒容器からミキサーへの脂質除去剤(溶媒)の流れを制御するためのもの、脂質除去剤、脂質、および粒子誘導体の混合物の、分離器への流れを制御するためのもの、脂質および脂質除去剤の、廃棄物容器への流れを制御するためのもの、残留脂質除去剤、残存脂質、および粒子誘導体の、抽出デバイスへの流れを制御するためのもの、ならびに、粒子誘導体の、生成物容器への流れを制御するためのもの、が含まれる。
一実施形態において、キットは、ミキサーの使い捨て構成要素(バッグまたはその他の容器など)、分離器の使い捨て構成要素(バッグまたはその他の容器など)、廃棄物容器の使い捨て構成要素(バッグまたはその他の容器など)、ならびに、複数のチューブおよび複数の弁を含むことができる。複数のチューブおよび複数の弁には、投入容器からの投入液(高密度リポタンパク質)、および溶媒容器からミキサーへの脂質除去剤(溶媒)の流れを制御するためのもの、脂質除去剤、脂質、および粒子誘導体の混合物の、分離器への流れを制御するためのもの、脂質および脂質除去剤の、廃棄物容器への流れを制御するためのもの、残留脂質除去剤、残存脂質、および粒子誘導体の、抽出デバイスへの流れを制御するためのもの、ならびに、粒子誘導体の、生成物容器への流れを制御するためのもの、が含まれる。溶媒抽出デバイス(即ち、木炭カラム)の使い捨て構成要素、投入液、投入溶媒、および溶媒抽出デバイスは、別々に提供することができる。
血漿を脱脂することによって変性HDLを抽出することは、本明細書の実施形態に記載されている方法の第1段階と呼ばれる場合がある。本明細書の実施形態によれば、110において、脱脂血漿をその後の使用のために保存する。一実施形態では、長期間後、例えば、少なくとも1年後、より好ましくは少なくとも2年後に脱脂血漿を使用してよい。一実施形態では、脱脂血漿を所定の期間保管してよく、当該期間は使用される保存プロセスに依存し得る。
脱脂血漿(DP)は、限定されないが凍結などの適切な保存方法を利用することによって、任意のアリコートまたは容量で保存され得る。様々な実施形態では、脱脂されたばかりの血漿と比較して、該方法が最終産物の所定量の効力を保持する限り、任意の保存手段を使用することができる。したがって、pre−βHDLを含む脱脂血漿を2Dゲルスポット試験または品質試験を使用して評価し、pre−βHDLがフリーのApo A1に分解されていないことを証明することが不可欠である。より具体的には、本発明は、pre−βHDLを含む保管された脱脂血漿の所定の一部を2Dゲル試験に供し、pre−βHDLの80%以下がApo A1に分解されていれば、試験された脱脂血漿に関連するバッチは、患者への投与に許容可能であることを証明する。
図2を参照すると、抽出された脱脂血漿を取得、保存、および解凍するためのプロセス400が示されている。pre−βHDLを含む抽出された脱脂血漿は、本明細書に記載のプロセスを使用して405で得られる。pre−βHDLのベースライン量または濃度を確立するために、抽出された脱脂血漿の所与のバッチの一部について、スポット試験410を行う。スポット試験410は2Dゲル電気泳動を使用して行うことができ、当該2Dゲル電気泳動では、抽出された脱脂血漿のバッチのサンプルが可溶化され、ゲルにロードされ、等電点に従ってゲルを通過するタンパク質の移動を引き起こす電場に曝される。次に、分離されたタンパク質を再び可溶化し、分子量によって直交する第2軸上で分離する。したがって、スポット試験410は、2つの軸、即ち等電点と分子量に沿って、サンプル中のpre−βHDLなどのタンパク質の濃度または量を定量化する。その他の臨床評価については、以下でさらに説明する。
スポット試験410されると、バッチは、好ましくは以下にさらに説明されるような急速冷凍によって、保存420に供される。一実施形態では、保存420の前に、以下でさらに説明するように、pre−βHDLのタンパク質濃度が所定の範囲内になるように、バッチは任意で変更415される。保存されたpre−βHDLは、調製物の濃度が薄すぎる場合は安定性が低く、調製物の濃度が高すぎる場合は効力が低下することが判明している。したがって、バッチは任意で希釈または濃縮により変更され、脱脂血漿中のpre−βHDLの濃度が、0.5mg/dl〜500mg/dlの範囲内、好ましくは1mg/dl〜400mg/dlの範囲内、またはその中の任意の増分であるようにする。好ましくは、脱脂血漿中のpre−βHDLの濃度は、500mg/dl以下である。
保存420の後、脱脂血漿は保管され、当該保管は1週間から最大3年またはその中の任意の増分であり得る。ある時点で、脱脂血漿は解凍430される。一実施形態では、解凍は、凍結脱脂血漿を取り出し、それを2℃〜26℃の温度範囲の環境に置くことによって達成される。一実施形態では、解凍中の脱脂血漿は、3℃〜5℃の温度範囲、より好ましくは4℃の環境に48時間以下の期間維持される。好ましくは、解凍された脱脂血漿は、解凍から48時間以内、より好ましくは24時間以内に使用され、再凍結されない。解凍430の後、バッチの一部を再度試験440して、以下でさらに説明するように、脱脂血漿中のpre−βHDLが劣化しているか、またはもはや有効でないかどうかを決定することができる。
任意で、保存プロセスの一部として添加剤を含めることができる。保存プロセスを強化するために、前駆体または最終産物のいずれかに添加剤を加えることができる。実施形態では、DPは、血漿を保存するために適用できるものと同様の方法および標準を使用して保存される。一実施形態では、保存は凍結により達成される。これらの標準的な方法およびプラクティスの一部は、CFRおよびAABB、ABC、ARCのヒトの血液および血液成分の使用に関する情報の回覧、ならびに製造用の血漿の準備に関する欧州薬局方のガイドラインで定義されている。脱脂された元血漿(source plasma)の容量またはアリコートは、脱脂プロセスが完了してから数時間以内に冷凍庫に入れられる。いくつかの実施形態では、DPは、脱脂プロセスから8時間以内、または血液の収集、処理、および保管システムの使用のための指示において指定された時間枠内で冷凍庫に入れられる。実施形態では、DPの容量は、約−18℃〜−80℃の温度で、新鮮な凍結血漿用の標準的な手段によって凍結される。
本明細書では、上記の容量またはアリコートは単なる例示であり、脱脂血漿サンプルの任意の量(容量またはアリコート)が、本明細書のシステムおよび方法を使用して保存され得ることに留意されたい。また、複数の容量またはアリコートは、直列に(各容量またはアリコートは順次保存される)または並列に(複数の容量またはアリコートは同時に保存される)保存され得ることに留意されたい。
保存工程に戻ると、一実施形態において、一例として、50mlの脱脂血漿(DP)が、液体窒素を使用するフラッシュ凍結法によって凍結され、その後−80℃で保管される。別の実施形態において、一例として、50mlの脱脂血漿(DP)が、より遅い凍結方法を使用して、−80℃で凍結される。さらに別の実施形態では、一例として、50mlの脱脂血漿(DP)が、より遅い凍結方法を使用して、無霜フリーザー内で−20℃で凍結される。一実施形態では、一例として、100mlのDPが、フラッシュ凍結法を使用して凍結される。別の実施形態では、一例として、400mlまでのDPが、フラッシュ凍結法を使用して凍結される。他の実施形態では、少なくとも1ml〜400ml以上の範囲のDP容量(単位)が、上記の保存方法を使用して、一緒に凍結される;任意の容量のDPを保存するために、任意の凍結方法が使用され得る。サンプルの凍結に必要な時間はサイズに依存する;したがって、凍結時間の長さは、アリコートのサイズによって異なる。実施形態では、アリコートサイズを凍結するのにかかる時間は、凍結に使用される方法の関数でもある。実施形態では、サンプルを凍結するのに必要な時間は予め決定されており、サンプルサイズおよび/または凍結方法に基づく。一実施形態では、濃縮されたpre−βHDLを−80℃にフラッシュ凍結するのに必要な時間は、30分未満、20分未満、好ましくは10分未満である。別の実施形態では、フラッシュ凍結の温度は−30℃未満である。
本明細書の様々な実施形態では、他の凍結方法が使用され得る。選ばれた凍結方法は、DPの重要な成分が維持されることを保証する。凍結された脱脂血漿の有効期間は、凍結温度によって異なり得る。一般に、より低い凍結温度の場合、産物はより長期間保管され得、したがってより長い「保存期間」を有する(有効期限切れが遅くなる)。
実施形態では、元血漿(source plasma)の各単位は、脱脂プロセスの前後に個別に評価される。血漿は、以下のパラメータを含むがこれに限定されないパラメータについて評価される:
1.pre−βおよびαHDL粒子の濃度およびサイズ。いくつかの実施形態では、2Dゲル電気泳動技術が、重いゲルおよび軽いゲル(heavy and light gels)ならびにApoA−Iに対するイムノブロッティングの両方とともに使用される。
2.血漿の臨床化学。決定される様々な特性には、総コレステロール、HDL、LDL、ApoA−I、ApoB、トリグリセリド、CBC、ナトリウム、カリウム、塩化物、カルシウム、リン、クレアチニン、BUN、フィブリノーゲン、aPTT、PT、ALT、AST、ALP、ビリルビン、尿酸、グルコース、LDHが含まれ得る。
3.さらに、凍結前、ならびに次の工程での凍結および解凍後のDPの分画は、高速タンパク質液体クロマトグラフィー(FPLC)などの既知の手法を使用して、UV吸光度によってコレステロール含有量について評価される。
4.図1Aおよび1Gに描かれた分画を含むがこれらに限定されない、選択されたサンプル/分画が、コレステロール流出能力についてアッセイされる。
実施形態において、上記のパラメータはまた、脱脂血漿を保存または凍結する前、および脱脂血漿を解凍した後に評価される。いくつかの実施形態では、解凍された脱脂血漿の効力は、保存前の脱脂血漿の効力の1%〜100%の範囲である。いくつかの実施形態では、解凍された脱脂血漿の効力は、保存前の脱脂血漿の効力の1%〜150%の範囲である。いくつかの実施形態では、解凍された脱脂血漿の効力は、保存前の脱脂血漿の効力の1%〜200%の範囲である。いくつかの実施形態では、解凍された脱脂血漿の効力は、保存前の脱脂血漿の効力よりも低い。いくつかの実施形態では、解凍された脱脂血漿の効力は、保存前の脱脂血漿の効力よりも高い。
112において、保存されたDPは、さらなる処理または患者の治療のための通常の使用のために調製される。該DPによって治療される患者は、脱脂プロセスのために血漿が得られた個人であってもなくてもよい(それは自己由来または非自己由来であり得る)。110でDPが凍結により保存されていた場合、112でDPが解凍により調製される。一実施形態では、凍結されたDPは、30℃〜37℃の温度範囲の水浴で約30分間解凍される。いくつかの実施形態では、解凍された血漿は、1℃〜6℃で1〜5日間維持される。もう1つの実施形態では、凍結されたDPは、室温でゆっくりと解凍される。別の実施形態では、凍結されたDPは、約5℃の冷蔵庫内で急速に解凍される。凍結されたDPを解凍する他の方法は、DPの様々な量および組成について利用され得る。
本明細書の様々な実施形態では、第2段階で、脱脂または変性HDLをさらに処理して、pre−βHDL粒子またはαおよびpre−βHDL粒子の組み合わせなどのHDL粒子の成分を分離または単離する。114において、108で溶媒から分離された、脂質含有量が減少した変性HDL粒子を含む処理および解凍された血漿をさらに溶媒で処理して、より高濃度のαおよびpre−βHDL粒子を含む溶液を生成する。脱脂血漿からαおよびpre−β粒子を分離するための例示的な方法は、以下で説明される。
本明細書のいくつかの任意の実施形態によれば、116において、分離されたαおよびpre−βHDL粒子は凍結によって保存され、118での解凍後の長期間後に使用され得る。一実施形態では、解凍は、凍結された脱脂血漿を取り出し、それを2℃〜26℃の温度範囲の環境に置くことによって達成される。一実施形態では、解凍中の脱脂血漿は、3℃〜5℃の温度範囲、より好ましくは4℃の環境に48時間以下の期間維持される。好ましくは、解凍された脱脂血漿は、解凍から48時間以内、より好ましくは24時間以内に使用され、再凍結されない。実施形態では、吸引された(derived)αおよびpre−βHDL粒子を保存および調製するプロセスは、DPを保存および調製する方法と同様である。一実施形態では、吸引された(derived)αおよびpre−βHDL粒子を凍結するために、フラッシュ凍結法が好ましく使用される。
(脱脂血漿からpre−β粒子を分離する方法)
一実施形態では、脱脂血漿中の不要な物質(例えば、血漿タンパク質およびLDLやVLDLなどの特定のリポタンパク質)の量を減少させ、したがって所望の物質(例えば、pre−βHDL粒子)の濃度を増加させるために、アフィニティークロマトグラフィーが使用され得る。
図1Dは、本明細書のいくつかの実施形態による、アフィニティークロマトグラフィーを使用して、処理された血漿中の所望の物質の濃度を増加させるために使用される例示的な一連の工程を示すフローチャートである。一実施形態では、アフィニティーカラムを使用して、処理された血漿から不所望の粒子を除去しながら、ApoA−Iタンパク質粒子(したがってpre−βHDL粒子)を捕捉する。120において、処理された血漿が、ApoA−Iに対する抗体を利用したアフィニティークロマトグラフィー用のカラムに加えられ、その結果、処理された血漿がカラムを通過するときに、ApoA−Iが該抗体に結合する。所望の物質をHDL粒子の形態で結合させるために、樹脂などの固体媒体を使用することができる。所望のHDL粒子は、α−HDLおよびpre−βHDL粒子の混合物を含み得る。これらの粒子の組成は、約15%のα−HDLと約85%のpre−β粒子である。122において、LDLおよびVLDLを含む未結合の不要な物質が(ApoA−Iに対する抗体に結合しないため)カラムを通過し、処理された血漿溶液から除去される。124において、洗浄緩衝液をカラムに通して、不要なタンパク質を除去することができる。次に、解離試薬または溶液をカラムに通して、pre−βHDL粒子(またはpre−βHDL粒子を含むApoA−I)がApoA−Iに対する抗体にもはや結合せず、効果的に分離されるようにする。
超遠心分離は、不要な物質(例えば、血漿タンパク質およびLDLやVLDLなどの特定のリポタンパク質、ならびにこの場合はαHDL粒子)の量を減少させ、したがって所望の物質(例えば、pre−βHDL粒子)の濃度を増加させるために使用され得る別の方法である。この方法では、遠心分離の原理を利用して、溶液を非常に高速で回転させることにより、溶液の成分を分離する。
出発材料の脱脂血漿溶液の密度は1006kg/m、即ち、1.006g/mlである。超遠心分離中に様々な分画を分離するために、以下で説明するように、各工程で出発材料の密度を調整することが必要であり得る。実施形態では、より高密度の物質または溶媒(臭化カリウム(KBr)など)を処理された血漿に添加することによって、密度を調整することができる。一実施形態では、出発材料の密度を調整するために使用できる密度の任意の溶液を使用してよい。
一実施形態では、合計密度1.346の臭化カリウム(KBr)と塩化ナトリウム(NaCl)との濃縮ストック溶液を脱脂/処理された血漿溶液に添加して、処理された血漿溶液の密度を所望の密度に調整する。ストック液の密度は1.25g/mLよりも高く(例えば、4.62M KBrの水溶液の密度は1.37g/mLである)、処理された血漿溶液の密度は約1.006g/mLである。処理された血漿への高密度物質の添加から生じる溶液は、超遠心分離中に様々な分画の分離を可能にする特定の密度を有する。密度を調整する方法は、当業者によく知られており、Havelら,J. Clin. Invest.1955年,34;1345−1353頁にも記載されており、当該文献は、代謝研究での分析および使用のために、分取スケールでリポタンパク質分画を分離および精製するための方法について説明しており、参照により本明細書に援用される。
一実施形態では、組み合わされた血漿および溶媒は、超遠心分離管に導入される(または該管自体の中で組み合わされてもよい)。管はローターによって保持され得る。分離を生成するのに十分な時間、管を高速で遠心し、その後ローターをスムーズに停止させ、各管からグラジエントを穏やかにポンプで排出して、分離された成分を単離する。一実施形態では、超遠心分離は、約105,000×gの速度で、約16〜20時間行われる。出発材料の密度と分離されるべき所望の分画の相対密度に基づいて、遠心時間が調整されることに留意されたい。例えば、最初の工程で抽出される材料の密度が1.21g/mLであり、2番目の工程で必要な後続の密度が1.25g/mLである場合、密度1.21g/mLの出発材料から密度1.006g/mLを分離するよりも、密度が類似している2つの材料を分離する方が時間がかかる。
実施形態では、得られる所望の分画は少なくともpre−βHDL粒子を含み、当該pre−βHDL粒子は処理された血漿から分離される。
図1Eは、本明細書のいくつかの実施形態による、超遠心分離を使用して、処理された血漿中の所望の物質の濃度を増加させるために使用される例示的な一連の工程を示すフローチャートである。一実施形態では、超遠心分離を使用してpre−βHDLをより迅速に分離するために、このフローチャートに記載されている方法が使用され得る。130において、出発材料である処理された血漿を、HDLの密度に対応する1.21の調整密度で遠心することができる。上部分画はVLDL、LDL、およびαHDLを含み、pre−βHDLは底部分画に含まれるであろう。一実施形態では、遠心は18〜24時間にわたって行われる。132において、pre−βHDLおよび血漿タンパク質を含む底部分画が単離される。134において、pre−βHDLを含む単離された底部分画を1.25の密度で遠心して、pre−βHDLを含む上部分画と血漿タンパク質を含む底部分画とを生成する。一実施形態では、遠心は24〜48時間にわたって行われる。136において、pre−βHDLを含む得られた上部底部分画を、血漿タンパク質を含む底部分画から単離して、濃縮されたpre−βHDL生成物を生成する。
超遠心分離プロセスの最後に、pre−βHDL粒子が上部に浮かび、分離されて、高濃度のpre−βHDL粒子を含む溶液を得ることができる。その後、濃縮されたpre−βHDL粒子を含む管を外すことができる。
図1Fは、本明細書のいくつかの実施形態による、超遠心分離を使用して、処理された血漿中の所望の物質の濃度を増加させるために使用される別の例示的な一連の工程を示すフローチャートである。
いくつかの実施形態では、超遠心分離は、異なる密度で行われる段階的なプロセスである。リポタンパク質はタンパク質よりも軽いため、異なる密度での超遠心分離を使用して脱脂(処理)された血漿からそれらを分離して、連続分画化を達成することができる。140で、脱脂(処理)された血漿を、血漿の密度(1006kg/m、即ち1.006g/ml)に対応する1.006の密度で18〜24時間遠心する。この段階では、タンパク質は遠心管の底部にあり、VLDLは上部にある。さらに、LDLおよびHDLを含む血漿が管の最下部にある。
工程142で、LDL/HDLを含む血漿を含有する分画が、管内の他の成分から分離される。
工程144で、LDL/HDL(および密度を調整するための溶液)を含む血漿が、LDLの密度に対応する1.063の密度で遠心される。結果は、管の上部にLDLを含む分画と、管の底部にHDLを含む分画である。
工程146で、HDLを含む底部分画が、管内の他の成分から分離される。
工程148で、HDL分画が、HDLの密度に対応する1.21の密度で遠心される。最終結果は、管の上部にHDLを、管の底部にpre−βHDLを含む分画である。
工程150で、pre−βHDLを含む底部分画が、1.25の密度で遠心される。最終結果は、管の上部にpre−βHDLを、残りの血漿成分を管の底部に含む分画である。超遠心分離プロセスの最後に、pre−βHDL粒子が上部に浮かび、分離されて、高濃度のpre−βHDL粒子を含む溶液が得ることができる。その後、濃縮されたpre−βHDL粒子を含む管を取り外すことができる。単離されたリポタンパク質分画は、透析、ゲルろ過、またはその他の適切な方法を使用してKBrから分離される。
処理された血漿を遠心することによって得られた分画は、異なる方法で分離することができ、図1Eおよび1Fに関連して説明された方法に限定されないことが当業者によって理解され得る。
図1Gは、本明細書のいくつかの実施形態による、超遠心分離を使用して、処理された血漿中の所望の物質の濃度を増加させるために使用される別の例示的な一連の工程を示すフローチャートである。一実施形態では、超遠心分離を使用して脱脂血漿からα(α−1)およびpre−βHDLの両方をより迅速に分離するために、このフローチャートに記載されている方法が使用され得る。170で、出発材料である処理された血漿は、LDLの密度に対応する1.063の調整密度で遠心され得る。結果は、管の上部にLDLを含む分画と、管の底部にHDLを含む分画である。一実施形態では、遠心は18〜24時間にわたって行われる。172で、α−1およびpre−βHDLと血漿タンパク質とを含む底部分画が単離される。174で、α−1およびpre−βHDLを含む単離された底部分画を1.25の密度で遠心して、α−1およびpre−βHDLを含む上部分画と、血漿タンパク質を含む底部分画とを生成する。一実施形態では、遠心は、24〜48時間にわたって行われる。176で、α−1およびpre−βHDLを含む得られた上部分画が、血漿タンパク質を含む底部分画から単離され、α−1およびpre−βHDLを含む濃縮生成物を生成する。
超遠心分離のプロセスの最後に、α1およびpre−βHDL粒子が上部に浮かび、分離されて、高濃度のα1およびpre−βHDL粒子を含む溶液を得ることができる。その後、濃縮されたα−1およびpre−βHDL粒子を含む管を取り外すことができる。単離されたリポタンパク質分画は、透析、ゲルろ過、またはその他の適切な方法によってKBrから分離される。
図1Aに戻ると、160において、pre−βHDLの濃縮溶液または脂質含有量が減少したαおよびpre−βHDL粒子の組み合わせを含む、処理された血漿は、溶媒から分離され、適切に処理され、その後患者に送達される。送達される溶液では、αおよび/またはpre−βHDLの濃度がさらに増加している。脂質が減少し且つpre−β濃度が増加したHDL粒子を含む、処理された血漿は、生理食塩水による透析後に患者に提供される。アフィニティークロマトグラフィーの場合、透析はまた、捕捉された(entrapped)所望の物質(濃縮されたpre−βHDL粒子)を放出する。自己血漿の場合、患者の赤血球が血漿フェレーシス中にまだ戻されていないならば、それらは手順中のある時点で患者に投与され得る。任意の実施形態では、赤血球は、単離されたαおよび/またはpre−βHDL粒子とそれらを組み合わせた後、患者に戻され得る。1つの投与経路は、血管系を介するものであり、好ましくは静脈内である。
別の代替実施形態では、pre−βHDL粒子を完全に単離するために2段階プロセスが適用される。最初に、アフィニティークロマトグラフィーを使用して、pre−βおよびαHDL粒子の両方を含む溶液を分離する。その後、超遠心分離を使用して、pre−βHDL粒子を完全に単離する。
上記の例は、本発明のシステムの多くの用途の単なる例示である。本明細書では、本発明のいくつかの実施形態だけを説明したが、本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく、他の多くの特定の形態で実施されてもよいことが理解されるべきである。したがって、本実施例および実施形態は、限定的ではなく例示的であるとみなされるべきであり、本発明は、添付の特許請求の範囲内で変更され得る。

Claims (20)

  1. 以下の工程を含む、患者への投与のためにpre−β高密度リポタンパク質を保存する方法:
    前記pre−β高密度リポタンパク質を含む脱脂血漿のバッチを得る工程;
    前記pre−β高密度リポタンパク質を特徴付けるために、前記脱脂血漿のバッチの一部を試験する工程;
    前記脱脂血漿のバッチを保存する工程;
    前記保存された脱脂血漿を前記患者への投与のために調製する工程;
    前記pre−β高密度リポタンパク質を特徴付けるために、前記調製された脱脂血漿を試験する工程;および
    前記pre−β高密度リポタンパク質を前記患者に投与する工程。
  2. 前記保存する工程の前に、前記pre−β高密度リポタンパク質の濃度が1mg/dl〜400mg/dlの範囲であることを確実にするように、前記pre−β高密度リポタンパク質の量を変更することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記保存する工程は、前記バッチを−30℃未満の温度で凍結することを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記調製する工程は、前記保存された脱脂血漿を2℃〜26℃の温度範囲で解凍することを含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記保存する工程は、1ミリリットル〜2リットルの容量の脱脂血漿を、−30℃未満の温度に20分未満曝すことを含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記pre−β高密度リポタンパク質を特徴付けるために、前記脱脂血漿のバッチの一部を試験する工程は、前記pre−β高密度リポタンパク質の第1の濃度を決定することを含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記pre−β高密度リポタンパク質を特徴付けるために、前記調製された脱脂血漿を試験する工程は、前記pre−β高密度リポタンパク質の第2の濃度を決定することと、分解の程度を決定するために前記pre−β高密度リポタンパク質の第2の濃度を前記pre−β高密度リポタンパク質の第1の濃度と比較することを含む、請求項6に記載の方法。
  8. 前記pre−β高密度リポタンパク質の第2の濃度に基づいて、前記調製された脱脂血漿が投与に適しているかどうかを決定することをさらに含む、請求項7に記載の方法。
  9. 保存前に、前記脱脂血漿に保存剤を加えることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記調製する工程は、前記保存された脱脂血漿を解凍することを含み、かつ、前記解凍された脱脂血漿を1℃〜6℃の範囲の温度で5日以下保管することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  11. 以下の工程を含む、患者への投与のために変性高密度リポタンパク質を保存する方法:
    血液を採取するための装置に少なくとも1人の人を接続することと、前記少なくとも1人の人から血球を含む血液を採取することと、前記血液から前記血球を分離して高密度リポタンパク質および低密度リポタンパク質を含む血漿分画を生成することと、溶媒を使用して前記高密度リポタンパク質を脱脂することと、前記低密度リポタンパク質を分離することと、前記変性高密度リポタンパク質を含有する前記脱脂血漿を収集することによって、前記変性高密度リポタンパク質を含む脱脂血漿のバッチを得る工程;
    前記変性高密度リポタンパク質を特徴付けるために、前記脱脂血漿のバッチの一部を試験する工程;
    前記脱脂血漿のバッチを保存する工程;
    前記保存された脱脂血漿を前記患者への投与のために調製する工程;
    前記変性高密度リポタンパク質を特徴付けるために、前記調製された脱脂血漿を試験する工程;および
    前記変性高密度リポタンパク質を前記患者に投与する工程。
  12. 前記保存する工程の前に、前記変性高密度リポタンパク質の濃度が1mg/dl〜400mg/dlの範囲であることを確実にするように、前記変性高密度リポタンパク質の量を変更することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記保存する工程は、前記バッチを−30℃未満の温度で凍結することを含む、請求項11に記載の方法。
  14. 前記調製する工程は、前記保存された脱脂血漿を2℃〜26℃の温度範囲で解凍することを含む、請求項11に記載の方法。
  15. 前記保存する工程は、1ミリリットル〜2リットルの容量の脱脂血漿を、−30℃未満の温度に20分未満曝すことを含む、請求項11に記載の方法。
  16. 前記変性高密度リポタンパク質を特徴付けるために、前記脱脂血漿のバッチの一部を試験する工程は、前記変性高密度リポタンパク質の第1の濃度を決定することを含む、請求項11に記載の方法。
  17. 前記変性高密度リポタンパク質を特徴付けるために、前記調製された脱脂血漿を試験する工程は、前記変性高密度リポタンパク質の第2の濃度を決定することと、分解の程度を決定するために前記変性高密度リポタンパク質の第2の濃度を前記変性高密度リポタンパク質の第1の濃度と比較することとを含む、請求項16に記載の方法。
  18. 前記変性高密度リポタンパク質の第2の濃度に基づいて、前記調製された脱脂血漿が投与に適しているかどうかを決定することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
  19. 保存前に、前記脱脂血漿に保存剤を加えることをさらに含む、請求項11に記載の方法。
  20. 前記調製する工程は、前記保存された脱脂血漿を解凍することを含み、かつ、前記解凍された脱脂血漿を1℃〜6℃の範囲の温度で5日以下保管することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
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