添付の実施例を参照して、本発明をより詳細に説明する。しかし、本出願に開示した技術は、ここで説明する各実施例に限定されるものではなく、他の形態に具体化される場合もある。但し、ここで紹介する各実施例は、開示した内容が徹底的且つ完全になり得るように、そして、当業者に本出願の思想が十分に伝達され得るようにするために提供するものである。図面において、各装置の構成要素を明確に表現するために、前記構成要素の幅や厚さなどの大きさは多少拡大して示した。
本明細書において、数値の範囲を示す「a〜b」及び「a以上で、b以下」という表現は、「≧aで、≦b」と定義する。
本明細書において、「平均粒径」はD50を意味する。D50は、粒子の粒径を測定し、粒径による質量の累積曲線を描いたとき、通過質量百分率が50重量%に該当する粒径を意味する。粒子の粒径は、粒度分析計を用いて測定できるが、これに制限されない。
本発明の異方導電性フィルムは、導電層を含み、前記導電層は、マトリックス、及び前記マトリックスに含まれた導電性粒子を含んでもよい。
前記導電性粒子は、飽和磁化値及び比重がそれぞれ下記の式(1)及び式(2)を満足する:
式(1)約10emu/g≦飽和磁化値≦約20emu/g
式(2)約2.8≦比重≦約3.2
すなわち、前記導電性粒子は、飽和磁化値が約10emu/g以上で、約20emu/g以下である、例えば、10emu/g、11emu/g、12emu/g、13emu/g、14emu/g、15emu/g、16emu/g、17emu/g、18emu/g、19emu/g、20emu/gであって、比重が約2.8以上で、約3.2以下である、例えば、2.8、2.9、3、3.1、3.2になってもよい。前記飽和磁化値及び比重の範囲内で異方導電性フィルムを製造すると、異方導電性フィルム用組成物に磁場をかけたときに導電性粒子の分散を良好にし、導電性粒子の配列を調節することによって、圧着前には導電性粒子の単分散率を高め、圧着後には導電性粒子の捕捉率を高めることができ、導電性と絶縁性を両立し、導電性と絶縁性を共に優秀にすることができる。
本発明の異方導電性フィルムは、導電性粒子の単分散率が約90%以上、例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%であって、導電性粒子の捕捉率が約70%以上、例えば、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%になってもよい。
導電性粒子の捕捉率は、圧着前後の端子上にある導電性粒子の個数を百分率で示したものであって、これを測定する非制限的な例は、次の通りである:圧着前の端子上にある導電性粒子の個数(圧着前の導電性粒子の個数)を下記の数式1によって算出する。
[数式1]
圧着前の導電性粒子の個数=導電層の単位面積当たりの導電性粒子の粒子密度(個/mm2) X 端子の面積(mm2)
また、圧着後の端子上にある導電性粒子の個数(圧着後の導電性粒子の個数)を測定した後、下記の数式2によって導電性粒子の粒子捕捉率を算出する。
[数式2]
導電性粒子の捕捉率=(圧着後の導電性粒子の個数/圧着前の導電性粒子の個数)X 100(%)
圧着後の端子上にある導電性粒子の個数は金属顕微鏡でカウントできるが、これに制限されない。前記圧着条件は下記の通りである:
1)仮圧着条件:60℃、1秒、1MPa
2)本圧着条件:150℃、5秒、70MPa
導電性粒子の単分散率は、異方導電性フィルムにおいて、導電性粒子が隣接する他の導電性粒子とくっ付かずに離隔した状態(単分散状態)で存在する比率である。単分散率は、(異方導電性フィルムの単位面積1mm2における単分散状態の導電性粒子の個数)/(異方導電性フィルムの単位面積1mm2における全体の導電性粒子の個数) X 100(%)で求めることができる。
導電性粒子は、基材微粒子;前記基材微粒子の表面の少なくとも一部を取り囲む金属被覆層;及び前記金属被覆層の表面の少なくとも一部に形成されたバンプ;を含む第1導電性粒子、及び基材微粒子;前記基材微粒子の表面の少なくとも一部に形成されたバンプ;及び前記基材微粒子の表面及び前記バンプの少なくとも一部を取り囲む金属被覆層;を含む第2導電性粒子のうち1種以上を含んでもよい。
図1は、前記第1導電性粒子において基材微粒子10の表面にバンプ20が直接形成されたことを示した図である。図1は、バンプ20が基材微粒子10の表面に陥没していないことを示した図であるが、バンプ20のうち少なくとも一部は基材微粒子10の表面に陥没する場合もある。
本発明の飽和磁化値が約10emu/g以上で、約20emu/g以下であって、比重が約2.8以上で、約3.2以下である導電性微粒子は、金属被覆層の厚さ、バンプの密度、導電性粒子の純度、及びバンプの大きさ(又は高さ)のうち一つ以上を調節することによって得ることができる。好ましくは、金属被覆層の厚さ、バンプの密度、及び導電性粒子の純度を共に調節することによって、本発明の飽和磁化値が約10emu/g以上で、約20emu/g以下であって、比重が約2.8以上で、約3.2以下である導電性粒子を製造することができ、これは異方性導電フィルムに含まれてもよい。
金属被覆層の厚さは、約1,000Å以上で、約2,500Å以下である、例えば、1,000Å、1,100Å、1,200Å、1,300Å、1,400Å、1,500Å、1,600Å、1,700Å、1,800Å、1,900Å、2,000Å、2,100Å、2,200Å、2,300Å、2,400Å、2,500Åになってもよい。前記範囲では、本発明の飽和磁化値が約10emu/g以上で、約20emu/g以下であって、比重が約2.8以上で、約3.2以下である導電性粒子を製造することができる。金属被覆層は、Au、Ag、Ni、Cu、半田などの金属で形成されてもよい。これらの金属は、単独で使用されてもよく、2種以上が混合されて金属被覆層に含まれてもよい。
バンプの密度は、約70%以上、好ましくは、約70%以上で、約95%以下である、例えば、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%になってもよい。前記範囲では、本発明の飽和磁化値が約10emu/g以上で、約20emu/g以下であって、比重が約2.8以上で、約3.2以下である導電性粒子を製造することができる。前記「バンプの密度」は、金属被覆層の全体の面積に対して金属被覆層の表面に形成されたバンプの全体の面積の比率を意味し得る。
バンプの大きさ(又は高さ)は、約150nm以上で、約200nm以下である、例えば、150nm、155nm、160nm、165nm、170nm、175nm、180nm、185nm、190nm、195nm、200nmになってもよい。前記範囲では、本発明の飽和磁化値が約10emu/g以上で、約20emu/g以下であって、比重が約2.8以上で、約3.2以下である導電性粒子を製造することができる。
導電性粒子の純度は、約80%以上で、約100%以下である、例えば、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%になってもよい。前記範囲では、本発明の飽和磁化値が約10emu/g以上で、約20emu/g以下であって、比重が約2.8以上で、約3.2以下である導電性粒子を製造することができる。
導電性粒子は、平均粒径(D50)が約2.5μm以上で、約6.0μm以下であって、好ましくは、約3.0μm以上で、約5.0μm以下である、例えば、2.5μm、2.6μm、2.7μm、2.8μm、2.9μm、3.0μm、3.1μm、3.2μm、3.3μm、3.4μm、3.5μm、3.6μm、3.7μm、3.8μm、3.9μm、4.0μm、4.1μm、4.2μm、4.3μm、4.4μm、4.5μm、4.6μm、4.7μm、4.8μm、4.9μm、5.0μm、5.1μm、5.2μm、5.3μm、5.4μm、5.5μm、5.6μm、5.7μm、5.8μm、5.9μm、6.0μmになってもよい。前記範囲では、フィルムの絶縁性が低下することなく、導電性粒子のフィルムにおける分散性が良好になり得る。
導電性粒子は、導電層のうち約20重量%以上で、約60重量%以下であって、好ましくは、約20重量%以上で、約50重量%以下であって、さらに好ましくは、約20重量%以上で、約40重量%以下である、例えば、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%で含まれてもよい。前記範囲では、導電性粒子が被接続部材間に容易に圧着するので接続信頼性を確保することができ、通電性を 高めることによって接続抵抗を減少させることができる。
第1導電性粒子は、基材微粒子の表面に金属被覆層を形成する段階;及び前記金属被覆層の表面にバンプを形成する段階;を含む製造方法によって製造され得る。第2導電性粒子は、バンプが形成された基材微粒子を形成する段階;及びバンプが形成された基材微粒子上に金属被覆層を形成する段階;を含む製造方法によって形成され得る。
以下では、第2導電性粒子の製造方法を説明する。しかし、第1導電性粒子も、第2導電性粒子の製造方法を変更することによって容易に製造され得る。
バンプは、基材微粒子の表面に直接形成されている。基材及びバンプは有機単量体の重合で形成されてもよい。
バンプが形成された基材微粒子の製造方法は、シラン基を有しながらも重合可能な不飽和二重結合を有する第1種の単量体と、スチレン及びアクリルなどの第2種の単量体とを分散・共重合して均一な微粒子を形成した後、反応が完了すると同時に、ゾル−ゲル反応を通じて各微粒子を構成する鎖間架橋反応を行う方法であって、分散・重合過程中に、シラン基及び不飽和炭素を含む単量体を、全体の反応物に対して約0.5重量%以上で、約80.0重量%以下である、例えば、0.5重量%、1重量%、5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%使用し、ラジカル反応の後半に、約0.5重量%以上で、約15.0重量%以下である、例えば、0.5重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%の超純水を添加する工程であることを特徴とする。
分散・重合後、再びゾル−ゲル反応を通じてバンプ型基材微粒子を合成する本発明の特徴的な合成方法は、微粒子内部の未反応シラン基に対するゾル−ゲル反応によって鎖間架橋結合(inter−chain crosslinking)を行う間に発生する微粒子内部の相分離を極大化する原理を適用したものである。すなわち、高分子鎖同士のカップリングによって相分離現象が著しく増加する場合、導入されるシラン基の含量に応じて基材微粒子の表面に形成されるバンプの密度及び大きさを調節できるだけでなく、微粒子の架橋度を調節できるので、伝導性微粒子の基材微粒子として要求される圧縮硬度及び回復率を維持することができる。併せて、基材微粒子自体が一定密度以上の凹凸を有しているので、無電解めっき時、微粒子上に安定したNi被覆層を導入することができる。
本発明の樹脂基材微粒子の製造方法に対してさらに詳細に説明すると、メタクリロイルオキシトリメ(エ)トキシシラン及びビニルトリメ(エ)トキシシランなどのシラン基及びラジカル重合が可能な不飽和炭素を一つの分子内に同時に含む単量体を開始剤と共にスチレンなどの単量体と完全に溶解させる。続いて、この単量体混合物を高分子分散安定剤と共にアルコールを含有する密閉反応器に添加し、窒素雰囲気で数時間にわたって安定化させる。安定化した反応物に少量のHCl水溶液を添加して数分間撹拌した後、約50℃以上、約80℃以下の温度で24時間にわたって約40rpm以上、約100rpm以下の撹拌速度で撹拌して重合する。製造された高分子粒子は、遠心分離法によってアルコールで数回洗浄し、常温・減圧条件で乾燥することによって微細な粉末状に得る。
本発明の樹脂基材微粒子の単量体として使用可能なシラン系反応基及び不飽和二重結合を同時に有する単量体としては、メタクリロイルオキシプロピルトリメ(エ)トキシシラン及びビニルトリメ(エ)トキシシランなどがある。本発明によるシラン系ビニル単量体の導入量は、約0.5重量%以上で、約80.0重量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは、約1.5重量%以上で、約50.0重量%以下である、例えば、0.5重量%、1重量%、1.5重量%、5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%であることが好ましい。シラン系ビニル単量体の導入量が約0.5重量%未満である場合は、シラン基の粒子内の密度がゾル−ゲル反応を起こす程度に十分でなく、伝導性微粒子として適用可能な機械的特性を示す程度の十分な硬度を確保できないので好ましくなく、ゾル−ゲル反応後にバンプも形成しない。導入されるバンプの密度は、重合されるシラン系ビニル単量体の含量に応じて調節可能であり、共重合される単量体との溶解度定数などを考慮して調節可能である。約80.0重量%超過のシラン系ビニル単量体を導入する場合は、分散・重合の安定性が低下し、均一な大きさの微粒子を獲得できなくなる。
前記樹脂基材微粒子は、平均粒径が約1μm以上で、約100μm以下である、例えば、1μm、10μm、15μm、20μm、25μm、30μm、35μm、40μm、45μm、50μm、55μm、60μm、65μm、70μm、75μm、80μm、85μm、90μm、95μm、100μmであって、本発明によって樹脂微粒子上に形成されるバンプの大きさは、バンプを除いた基材微粒子の平均粒径の約1/50以上で、約1/5以下であることが好ましく、約1/25以上で、約1/10以下である、例えば、1/50、1/45、1/40、1/35、1/30、1/25、1/20、1/15、1/10、1/5の大きさであることがさらに好ましい。本発明によって樹脂微粒子上に形成されるバンプの密度は、微粒子1個当たりに約10個以上で、約50個以下であることが好ましく、微粒子1個当たりに約15個以上で、約35個以下である、例えば、10個、15個、20個、25個、30個、35個、40個、45個、50個であることがさらに好ましい。
本発明でシラン系ビニル単量体と共重合可能な単量体としては、ラジカル重合が可能な単量体として、具体的には、スチレン、p−或いはm−メチルスチレン、p−或いはm−エチルスチレン、p−或いはm−クロロスチレン、p−或いはm−クロロメチルスチレン、スチレンスルホン酸、p−或いはm−t−ブトキシスチレン、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルエーテル、アリルブチルエーテル、アリルグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸及びマレイン酸などの不飽和カルボン酸、アルキル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリルなどを挙げることができるが、その量は、全体の反応物に対して約20.0重量%以上で、約99.5重量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは、約50.0重量%以上で、約98.5重量%以下である、例えば、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%、95重量%、98.5重量%、99.5重量%である。
本発明に使用される開始剤としては、一般的に使用される開始剤として、具体的には、ベンゾイルペルオキシド、ラウリルペルオキシド、o−クロロベンゾイルペルオキシド、o−メトキシベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシイソブチレート、1,1,3−3−テトラメチルブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジオクタノイルペルオキシド、ジデカノイルペルオキシドなどのペルオキシド系の化合物と、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ化合物とを含む。使用に適切な量は、全体の重合単量体に対して約1.0%内外である。
本発明で使用される分散安定剤は、アルコール相或いは水相に溶け得る高分子であって、シラン基と反応しないと共に、安定効果を示すことができる高分子に限定する。具体的には、分散安定剤には、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルキルエーテル、ポリジメチルシロキサン/ポリスチレンブロック共重合体などが含まれる。分散・重合過程中にゾル−ゲル反応が起こることによって発生し得る粒子の不均一性及び粒子の凝集現象を解決するために、安定剤の含量は、約1重量%以上で、約25重量%以下である程度、例えば、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、16重量%、17重量%、18重量%、19重量%、20重量%、21重量%、22重量%、23重量%、24重量%、25重量%であることが好ましい。
本発明の連続相は、アルコール相であって、具体的には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブタノールなどを含み、連続相の溶解力を調節するために、ベンゼン、トルエン、キシレン、メトキシエタノールなどの有機物を前記アルコールと混合して使用してもよい。
本発明においてシランとのゾル−ゲル反応を誘導するために添加される水の量は、全体の反応物に対して約0.5重量%以上で、約15.0重量%以下であることが好ましく、さらに詳細には、約1.0重量%以上で、約10.0重量%以下である、例えば、0.5重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%であることが好ましい。水の量が約0.5重量%未満である場合は、十分なゾル−ゲル反応を起こすことができないので好ましくなく、水の量が約15.0重量%超過である場合は、粒子の安定性が低下するので、凝集によって均一な微粒子を得ることが難しい。
本発明の第2段階である無電解めっき方法としては、通常の無電解めっき方法を採用する。まず、バンプ型単分散高架橋樹脂微粒子に対してアルカリ脱脂、SnCl2溶液内でのセンシタイジング(sensitizing)及びPdCl2溶液での活性化(Activation)を行った後、無電解めっきで金属被覆層を形成した。金属被覆層の厚さは、約1,000Å以上、約2,500Å以下になるように調節する。金属被覆層は、ニッケルでのみ形成されてもよく、ニッケルと、ボロン、タングステン、及びリンのうち一つ以上とを含んでもよい。
以下、本発明の一実施例の異方導電性フィルムを説明する。
本実施例の異方導電性フィルムは、導電層のみからなる単一層フィルムであってもよい。
導電層は、本発明の導電性粒子を含む導電層用組成物で形成されてもよい。導電性粒子は、固形分を基準にして導電層用組成物のうち約20重量%以上で、約60重量%以下であって、好ましくは、約25重量%以上で、約55重量%以下であって、さらに好ましくは、約30重量%以上で、約50重量%以下である、例えば、20重量%、21重量%、22重量%、23重量%、24重量%、25重量%、26重量%、27重量%、28重量%、29重量%、30重量%、31重量%、32重量%、33重量%、34重量%、35重量%、36重量%、37重量%、38重量%、39重量%、40重量%、41重量%、42重量%、43重量%、44重量%、45重量%、46重量%、47重量%、48重量%、49重量%、50重量%、51重量%、52重量%、53重量%、54重量%、55重量%、56重量%、57重量%、58重量%、59重量%、60重量%で含まれてもよい。前記範囲では、導電性粒子が被接続部材間に容易に圧着するので接続信頼性を確保することができ、通電性を高めることによって接続抵抗を減少させることができる。
導電層は、厚さが約3μm以下、好ましくは、約0.1μm以上で、約3μm以下である、例えば、0.1μm、0.2μm、0.3μm、0.4μm、0.5μm、0.6μm、0.7μm、0.8μm、0.9μm、1μm、1.1μm、1.2μm、1.3μm、1.4μm、1.5μm、1.6μm、1.7μm、1.8μm、1.9μm、2μm、2.1μm、2.2μm、2.3μm、2.4μm、2.5μm、2.6μm、2.7μm、2.8μm、2.9μm、3μmになってもよい。前記範囲では、接続構造体と導電性粒子との接続を良好にすることができる。
本発明の導電層用組成物は、バインダー樹脂、エポキシ樹脂、及び硬化剤をさらに含んでもよい。
バインダー樹脂としては、特に制限されなく、当該技術分野で通常の樹脂を使用可能である。バインダー樹脂の非制限的な例としては、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、フェノキシ樹脂、ポリメタクリレート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリレート変性ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)樹脂及びそのエポキシ変性体、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン(SEBS)樹脂及びその変性体、又は、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)及びその水素化体などを挙げることができる。バインダー樹脂は、単独で使用されてもよく、2種以上を混合して使用されてもよい。好ましくは、バインダー樹脂としては、フェノキシ樹脂、さらに好ましくは、ビフェニルフルオレン型フェノキシ樹脂を使用可能である。
バインダー樹脂は、固形分を基準にして導電層用組成物のうち約10重量%以上で、約75重量%以下であって、好ましくは、約20重量%以上で、約60重量%以下である、例えば、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、16重量%、17重量%、18重量%、19重量%、20重量%、21重量%、22重量%、23重量%、24重量%、25重量%、26重量%、27重量%、28重量%、29重量%、30重量%、31重量%、32重量%、33重量%、34重量%、35重量%、36重量%、37重量%、38重量%、39重量%、40重量%、41重量%、42重量%、43重量%、44重量%、45重量%、46重量%、47重量%、48重量%、49重量%、50重量%、51重量%、52重量%、53重量%、54重量%、55重量%、56重量%、57重量%、58重量%、59重量%、60重量%、61重量%、62重量%、63重量%、64重量%、65重量%、66重量%、67重量%、68重量%、69重量%、70重量%、71重量%、72重量%、73重量%、74重量%、75重量%で含まれてもよい。前記範囲では、異方導電性フィルムの膜がうまく形成され、接続信頼性が良いという効果があり得る。
エポキシ樹脂は、ビスフェノール型、ノボラック型、グリシジル型、脂肪族及び脂環族からなる群から選ばれたエポキシモノマー、エポキシオリゴマー及びエポキシポリマーを一つ以上含んでもよい。このようなエポキシ樹脂としては、従来知られているエポキシ系のうちビスフェノール型、ノボラック型、グリシジル型、脂肪族、脂環族などの分子構造内で選択できる1種以上の結合構造を含む物質であれば特別な制限なく使用可能である。
常温で固相であるエポキシ樹脂と常温で液相であるエポキシ樹脂とを併用することができ、これに加えて、可撓性エポキシ樹脂を併用することができる。常温で固相であるエポキシ樹脂としては、フェノールノボラック(phenol novolac)型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック(cresol novolac)型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン(dicyclo pentadiene)を主な骨格とするエポキシ樹脂、ビスフェノール(bisphenol)A型或いはF型の高分子又は変性したエポキシ樹脂などを挙げることができるが、必ずしもこれに制限されるのではない。
常温で液相のエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型或いはF型又は混合型エポキシ樹脂などを挙げることができるが、必ずしもこれに制限されるのではない。
前記可撓性エポキシ樹脂の非制限的な例としては、ダイマー酸(dimer acid)変性エポキシ樹脂、プロピレングリコール(propylene glycol)を主な骨格としたエポキシ樹脂、ウレタン(urethane)変性エポキシ樹脂などを挙げることができる。
その他にも、芳香族エポキシ樹脂としては、ナフタレン系、アントラセン系、及びピレン系樹脂からなる群から選ばれる1種以上を使用可能であるが、これに制限されない。
エポキシ樹脂は、固形分を基準にして導電層用組成物のうち約1重量%以上で、約40重量%以下であって、好ましくは、約10重量%以上で、約30重量%以下である、例えば、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、16重量%、17重量%、18重量%、19重量%、20重量%、21重量%、22重量%、23重量%、24重量%、25重量%、26重量%、27重量%、28重量%、29重量%、30重量%、31重量%、32重量%、33重量%、34重量%、35重量%、36重量%、37重量%、38重量%、39重量%、40重量%で含まれてもよい。前記範囲では、異方導電性フィルムのフィルム形成力及び接着力が優秀になり、絶縁信頼性を改善できるという効果があり得る。
硬化剤としては、前記バインダー樹脂を硬化させることによって異方導電フィルムを形成できるものであれば特別な制限なく使用可能である。硬化剤の非制限的な例として、酸無水物系、アミン系、アンモニウム系、イミダゾール系、イソシアネート系、アミド系、ヒドラジド系、フェノール系、陽イオン系などを挙げることができ、これらは、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。また、硬化剤の形態は、マイクロカプセル状であってもよい。
硬化剤は、固形分を基準にして導電層用組成物のうち約0.1重量%以上で、約30重量%以下であって、好ましくは、約0.5重量%以上で、約20重量%以下である、例えば、0.1重量%、0.5重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、16重量%、17重量%、18重量%、19重量%、20重量%、21重量%、22重量%、23重量%、24重量%、25重量%、26重量%、27重量%、28重量%、29重量%、30重量%で含まれてもよい。前記範囲では、異方導電性フィルムの硬度が過度に高くなることによって接着力が低下することを防止し、残留硬化剤による安定性の低下及び信頼性の低下を防止することができる。
導電層用組成物は、非導電性粒子をさらに含んでもよい。非導電性粒子は、絶縁性を提供する絶縁粒子を含んでもよい。絶縁粒子としては、無機粒子、有機粒子又は有/無機混合型粒子を使用可能である。無機粒子の非制限的な例として、シリカ(SiO2)、Al2O3、TiO2、ZnO、MgO、ZrO2、PbO、Bi2O3、MoO3、V2O5、Nb2O5、Ta2O5、WO3又はIn2O3などを挙げることができる。
本発明の非導電性粒子としては、具体的にシリカを使用可能である。前記シリカは、ゾルゲル法、沈殿法などの液相法によるシリカ、フレーム酸化(flame oxidation)法などの気相法によって生成されたシリカであってもよく、シリカゲルを微粉砕した非粉末シリカであってもよく、乾式シリカ(fumed silica)及び溶融シリカ(fused silica)であってもよい。また、その形状は、球形、破砕型、エッジレス(edgeless)型などであってもよく、これに制限されない。非導電性粒子は、平均粒径(D50)が約1nm以上で、約20nm以下であって、好ましくは、約1nm以上で、約15nm以下である、例えば、1nm、2nm、3nm、4nm、5nm、6nm、7nm、8nm、9nm、10nm、11nm、12nm、13nm、14nm、15nm、16nm、17nm、18nm、19nm、20nmになってもよい。前記範囲では、導電性粒子と端子との間の接続を妨害しないと共に、接続抵抗の増加を防止するという効果があり得る。
非導電性粒子は、固形分を基準にして導電層用組成物のうち約1重量%以上で、約20重量%以下であって、好ましくは、約5重量%以上で、約15重量%以下である、例えば、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、16重量%、17重量%、18重量%、19重量%、20重量%で含まれてもよい。前記範囲では、優れた接着信頼性を得ることができる。
導電層用組成物は、シランカップリング剤をさらに含んでもよい。シランカップリング剤は、当該技術分野で通常的に使用されるものであれば、その種類は特に制限されない。シランカップリング剤の非制限的な例としては、エポキシが含有された2−(3,4エポキシシクロヘキシル)−エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシトリメトキシシラン、及び3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、アミン基が含有されたN−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチルブチリデン)プロピルアミン、及びN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、メルカプトが含有された3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、及び3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、イソシアネートが含有された3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどを挙げることができる。これらは、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
シランカップリング剤は、固形分を基準にして導電層用組成物のうち約0.01重量%以上で、約10重量%以下であって、好ましくは、約0.1重量%以上で、約5重量%以下である、例えば、0.01重量%。0.05重量%、0.1重量%、0.5重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%で含まれてもよい。前記範囲では、優れた接着信頼性を得ることができる。
本発明の導電層は、異方導電性フィルムの基本的な物性を阻害しないと共に、フィルムに付加的な物性をさらに付与するために、上述した各成分の他にも、重合防止剤、粘着付与剤、酸化防止剤、熱安定剤、硬化促進剤、カップリング剤などのその他の添加剤をさらに含有してもよい。前記その他の添加剤の添加量は、フィルムの用途や目的とする効果などによって多様であってもよく、その含量は特に制限されない。
本発明の異方導電性フィルムを形成する方法としては、特に制限されなく、当該技術分野で通常の方法を使用可能である。異方導電フィルムを形成する方法では、特別な装置や設備が必要でない。バインダー樹脂を有機溶剤に溶解させて液相化した後、残りの成分を添加して一定時間撹拌することによって導電層用組成物を提供し、導電層用組成物を離型フィルム上に所定の厚さで塗布した後、磁場を印加すると同時に、乾燥及び/又は硬化させることによって導電層を得ることができる。磁場の印加は、約1,000Gauss以上で、約5,000Gauss以下である、例えば、1,000Gauss、1,500Gauss、2,000Gauss、2,500Gauss、3,000Gauss、3,500Gauss、4,000Gauss、4,500Gauss、5,000Gaussの条件で行われてもよい。
以下、本発明の他の実施例の異方導電性フィルムを説明する。
異方導電性フィルムは、本発明の導電性粒子を含む導電層;及び前記導電層の少なくとも一面に形成された絶縁層;を含んでもよい。導電層の少なくとも一面に絶縁層がさらに形成された点を除いては、本発明の一実施例に係る異方導電性フィルムと実質的に同一である。
絶縁層は、厚さが約20μm以下であって、好ましくは、約1μm以上で、約20μm以下である、例えば、1μm、2μm、3μm、4μm、5μm、6μm、7μm、8μm、9μm、10μm、11μm、12μm、13μm、14μm、15μm、16μm、17μm、18μm、19μm、20μmになってもよい。前記範囲では、接続信頼性及び絶縁信頼性を改善するという効果があり得る。
絶縁層は、バインダー樹脂、エポキシ樹脂、硬化剤、及び非導電性粒子を含む絶縁層用組成物で形成されてもよい。バインダー樹脂、エポキシ樹脂、硬化剤、及び非導電性粒子に対する詳細な内容は、前記導電層で説明した通りである。
絶縁層用組成物は、固形分を基準にして、バインダー樹脂が約30重量%以上で、約60重量%以下であって、エポキシ樹脂が約30重量%以上で、約60重量%以下であって、硬化剤が約0.5重量%以上で、約1.0重量%以下であって、非導電性粒子が約1重量%以上で、約10重量%以下であってもよい。
絶縁層用組成物は、上述した添加剤、及びシランカップリング剤のうち一つ以上をさらに含んでもよい。
本発明の異方導電性フィルムを第1被接続部材と第2被接続部材との間に位置させ、50℃〜70℃、1秒〜2秒間及び1MPa〜2MPaの圧力条件下の仮圧着;及び130℃〜170℃、5秒〜7秒間及び50MPa〜90MPaの圧力条件下の本圧着を行った後、前記異方導電性フィルムを85℃及び相対湿度85%の条件下で100時間にわたって放置した後で測定した信頼性評価後の接続抵抗は約1Ω以下であってもよい。前記範囲内では、高温・高湿条件下でも低い接続抵抗を維持することができ、接続信頼性を改善させることができる。前記信頼性評価後の接続抵抗とは、上述した仮圧着及び本圧着を行った後、85℃及び相対湿度85%の条件下で100時間にわたって放置した後の接続抵抗を言う。前記信頼性評価後の接続抵抗の測定方法は、特に制限されなく、当該技術分野で通常の方法であってもよい。信頼性評価後の接続抵抗を測定する方法の非制限的な例は次の通りである:複数のフィルム試験片に対して仮圧着及び本圧着を行った後、温度85℃及び相対湿度85%の条件下で100時間にわたって放置した後、試験電流1mAを印加し、それぞれの接続抵抗を測定(Keithley社、2000マルチメーター(Multimeter)利用、4−プローブ(probe)方式)した後、その平均値を計算する方式で測定する。前記範囲では、端子上に導電粒子が十分に位置するので通電性が改善され、スペース部への導電粒子の流出を減少させることによって端子間のショートを減少させることができる。
本発明の異方導電性フィルムは、第1被接続部材が形成された第1基板と第2被接続部材が形成された第2基板との間に異方導電性フィルムを配置した後、加熱・圧着してもよい。第1基板は、LCD、PDパネルなどのガラス基板、プラスチック基板であって、電子部品と接続するための端子として第1被接続部材が形成されていてもよい。第2被接続部材は、例えば、FPC(flexible printed circuits)、COF(chip on film)、TCP(tape carrier package)、COP(chip on plastic)などになってもよい。
本発明のディスプレイ装置は、ドライバー回路;パネル;及び本発明の一例に係る異方導電性フィルム;を含み、具体的には、前記パネルは、液晶表示(LCD)パネルである液晶ディスプレイ(LCD)装置であってもよい。また、前記パネルは、有機発光ダイオード(OLED)パネルである有機発光ダイオードディスプレイ(OLED)装置であってもよい。
本発明のディスプレイ装置を製造する方法は、特に限定されなく、当該技術分野で知られている方法であってもよい。
本発明の更に他の一様態によると、上述した本発明の異方導電フィルムのうちいずれか一つで接続された半導体装置を提供する。前記半導体装置は、配線基板;及び半導体チップ;を含んでもよく、前記配線基板及び半導体チップとしては、特に限定されなく、当該技術分野で知られているものを使用可能である。前記配線基板には、ITO又は金属配線によって回路又は各電極が形成されてもよく、前記回路又は各電極に対応する位置に本発明の各実施例に係る異方導電性フィルムを用いてICチップなどが搭載されてもよい。
以下、本発明の実施例を通じて本発明の構成及び作用をさらに詳細に説明する。但し、下記の実施例は、本発明の理解を促進するためのものであって、本発明の範囲が下記の実施例に限定されることはない。
実施例1
導電層用組成物の製造
導電層用組成物の製造時、バインダー樹脂としてのフェノキシ樹脂(FX293、日本製鉄株式会社、ビフェニルフルオレン型フェノキシ樹脂)、エポキシ樹脂(Celloxide2021P、ダイセル社、脂環式エポキシ樹脂)、硬化剤(CXC−1821、King Industries Inc.、4級アンモニウム化合物)、下記の表1の導電性粒子1、及び非導電性粒子としてのシリカ(アドマナノ、Admatech社)を使用した。製造した導電性粒子の飽和磁化値は、試料振動型磁力計(VSM、vibrating sample magnetometer)を用いて測定した。導電性粒子の比重は固体比重計で測定した。導電性粒子の金属被覆層の厚さはTEMで測定した。導電性粒子のバンプの密度はSEMで測定した。導電性粒子の純度は質量分析機で測定した。
固形分を基準にして、フェノキシ樹脂30重量部、エポキシ樹脂20重量部、硬化剤1重量部、導電性粒子1(下記の表1を参照)40重量部、及びシリカ9重量部を配合し、C−ミキサーを用いて撹拌することによって導電層用組成物を製造した。
異方導電性フィルムの製造
前記製造した導電層用組成物を、導電性粒子が粉砕されていない速度範囲内で常温(25℃)で60分間撹拌した。撹拌した導電層用組成物を、シリコン離型表面処理が施されたポリエチレンベースフィルムに塗膜厚3μmで塗布し、磁場3,000Gaussを印加しながら90℃で1時間にわたって乾燥させることによって異方導電性フィルムを製造した。
実施例2〜実施例12
実施例1において、導電性粒子の種類を下記の表2のように変更したことを除いては、同一の方法で異方導電性フィルムを製造した。
比較例1〜比較例4
実施例1において、導電性粒子の種類を下記の表2のように変更したことを除いては、同一の方法で異方導電性フィルムを製造した。
実施例及び比較例で使用した導電性粒子の具体的な仕様は、下記の表1の通りである。
実施例及び比較例で製造した異方導電性フィルムに対して下記の物性を評価し、その結果を下記の表2に示した。
(1)単分散率(単位:%):異方導電性フィルムにおいて、導電性粒子が隣接する他の導電性粒子と離隔した状態を単分散状態と定義する。異方導電性フィルムにおいて、(異方導電性フィルムの単位面積1mm2における単分散状態の導電性粒子の個数)/(異方導電性フィルムの単位面積1mm2における導電性粒子の個数) X 100(%)で単分散率を求める。
(2)硬化率(単位:%):異方導電性フィルムを1mg分取し、DSC(熱示差走査熱量計、TA instruments、Q20)を用いて窒素ガス雰囲気下で10℃/min、−50℃〜250℃の温度区間での初期発熱量を曲線下の面積で測定(H0)し、その後、前記フィルムをホットプレート(hot plate)上に130℃で5秒間放置した後、同一の方法で発熱量を測定(H1)し、これから下記の数式3による硬化率を計算した。
[数式3]
硬化率(%)=[(H0−H1)/H0] X 100
(3)導電性粒子の捕捉率(単位:%):前記実施例及び各比較例で製造された異方導電性フィルムの導電性粒子の捕捉率を測定するために下記の方法を用いた。
異方導電性フィルムの圧着前の端子上にある導電性粒子の個数(圧着前の粒子数)を下記の数式1によって算出する。
[数式1]
圧着前の導電性粒子の個数=導電層の導電性粒子の粒子密度(個/mm2) X 端子の面積(mm2)
また、圧着後の端子上にある導電性粒子の個数(圧着後の導電性粒子の個数)を金属顕微鏡でカウントして測定した後、下記の数式2によって導電性粒子の粒子捕捉率を算出する。
[数式2]
導電性粒子の捕捉率=(圧着後の導電性粒子の個数/圧着前の導電性粒子の個数)X 100(%)
前記仮圧着及び本圧着条件は下記の通りである。
1)仮圧着条件:60℃、1秒、1MPa
2)本圧着条件:150℃、5秒、70MPa
(4)初期接続抵抗(単位:Ω):前記実施例及び各比較例で製造された異方導電性フィルムの初期接続抵抗を測定するために下記の方法を用いた。
前記実施例及び各比較例で製造した異方導電フィルムに対して下記の条件で仮圧着及び本圧着を行った後、測定機(Keithley社、2000マルチメーター(Multimeter))を用いて4−プローブ(probe)方式で試験電流1mAを印加することによって初期接続抵抗を測定し、その平均値を計算した。
1)仮圧着条件:60℃、1秒、1.0MPa
2)本圧着条件:150℃、5秒、70MPa
(5)信頼性評価後の接続抵抗(単位:Ω):前記実施例及び各比較例で製造された異方導電性フィルムの信頼性評価後の接続抵抗を測定するために下記の方法を用いた。初期接続抵抗測定と同一の方法で仮圧着及び本圧着を行った後、温度85℃及び相対湿度85%の条件下で100時間にわたって放置し、高温・高湿信頼性評価を行った後、これらのそれぞれの信頼性評価後の接続抵抗を接続抵抗と同一の方法で測定した。
前記表2に示したように、本実施例に係る異方導電性フィルムは、導電性粒子の捕捉率を高めながらも圧着前の導電性粒子の単分散率を高めることができ、接続抵抗の信頼性が優秀であった。
その一方で、本発明の飽和磁化値範囲を逸脱する導電性粒子を含む比較例1及び比較例2、そして、本発明の比重値を逸脱する導電性粒子を含む比較例3及び比較例4は、圧着前の導電性粒子の単分散率が低く、接続抵抗の信頼性が良好でなかった。
本発明の単純な変形及び変更は、本分野で通常の知識を有する者によって容易に実施可能であり、このような変形や変更は、いずれも本発明の領域に含まれるものと見なすことができる。