JP2011029179A - 導電粒子 - Google Patents

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Abstract

【課題】硬質で平滑な電極を接続するための異方性導電接着剤に用いられたときであっても、十分な導電性を得ることが可能な導電粒子を提供すること。
【解決手段】プラスチック核体10とプラスチック核体10に化学結合により吸着した非導電性無機粒子30とを有する複合粒子7と、複合粒子7を覆う金属めっき層20と、を備える導電粒子1。金属めっき層20が、突起部20aを形成する表面を有しており、非導電性無機粒子30が金属めっき層20よりも硬い。
【選択図】図1

Description

本発明は、異方性導電接着剤に好適に用いられる導電粒子に関する。
液晶表示用ガラスパネルに液晶駆動用ICを実装する方式は、COG(Chip−on−Glass)実装とCOF(Chip−on−Flex)実装の2種類に大別することができる。COG実装では、導電粒子を含む異方性導電接着剤を用いて液晶用ICを直接ガラスパネル上に接合する。一方、COF実装では、金属配線を有するフレキシブルテープに液晶駆動用ICを接合し、導電粒子を含む異方性導電接着剤を用いてそれらをガラスパネルに接合する。ここでいう異方性とは、加圧方向には導通し、非加圧方向では絶縁性を保つという意味である。
ところが、近年の液晶表示の高精細化に伴い、液晶駆動用ICの回路電極である金バンプは狭ピッチ化、狭面積化しており、そのため、異方性導電接着剤の導電粒子が隣接する回路電極間に流出してショートを発生させるといった問題が発生することがある。特にCOG実装ではその傾向が顕著である。さらに、隣接する回路電極間に導電粒子が流出すると、金バンプとガラスパネルとの間に捕捉される導電粒子数が減少する結果、対向する回路電極間の接続抵抗が上昇し、接続不良を起こすといった問題もあった。
近年、ガラスパネル上の配線がITO(Indium Tin Oxide)からより平滑性の高いIZO(Indium Zinc Oxide)に置き換わりつつある。電極の平滑性が高くなると、通常の導電粒子では導電性の確保が困難になる傾向がある。
そこで、これらの問題を解決する方法として、表面に突起を有する導電粒子が提案されている(特許文献1〜3)。また、特許文献4〜10は、母粒子の表面に子粒子を吸着させた後に全体をめっきしたタイプの導電粒子を開示している。
特開平10−101962号公報 特開2000−243132号公報 特開2004−238738号公報 特開平4−36902号公報 特開平8−55514号公報 特許第4243279号公報 特開2006−216388号公報 特開2006−331714号公報 特開2007−35573号公報 特開2006−228475号公報
しかしながら、従来の導電粒子を用いた異方性導電接着剤は、例えばIZOのような硬質で平滑な電極を接続する際、導電性の点で更なる改良が求められていた。
そこで、本発明の目的は、硬質で平滑な電極を接続するための異方性導電接着剤に用いられたときであっても、十分な導電性を得ることが可能な導電粒子を提供することにある。
本発明は、プラスチック核体と該プラスチック核体に化学結合により吸着した非導電性無機粒子とを有する複合粒子と、該複合粒子を覆う金属めっき層とを備える導電粒子に関する。金属めっき層は、突起部を形成する表面を有している。非導電性無機粒子は金属めっき層よりも硬い。
本発明に係る導電粒子は、上記特定の構成を備えたことにより、硬質で平滑な電極を接続するための異方性導電接着剤に用いられたときであっても、十分な導電性を得ることが可能なものとなった。
プラスチック核体を200℃において20%圧縮変位させたときのプラスチック核体の圧縮弾性率は、80kgf/mm以上300kgf/mm以下であることが好ましい。
金属めっき層がニッケル、パラジウム、金又はこれらの組み合わせから構成されていることが好ましい。非導電性無機粒子はシリカ粒子であることが好ましい。
上記複合粒子は、プラスチック核体に吸着した高分子電解質層を更に有しており、該高分子電解質層を介した化学結合により非導電性無機粒子がプラスチック核体に吸着していることが好ましい。例えば、プラスチック核体、高分子電解質層及び非導電性無機粒子がそれぞれ官能基を有しており、高分子電解質層の官能基が、プラスチック核体及び非導電性無機粒子それぞれの官能基と化学結合していてもよい。
この場合、高分子電解質層の官能基が、プラスチック核体及び非導電性無機粒子それぞれの官能基と静電相互作用により化学結合していることが好ましい。
また、プラスチック核体が有する官能基は、水酸基、カルボキシル基、アルコキシ基、グリシジル基及びアルコキシカルボニル基からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
高分子電解質層はポリアミンから形成されていることが好ましい。
本発明に係る導電粒子は、金属めっき層に吸着する絶縁性微粒子を更に備えることが好ましい。
本発明によれば、硬質で平滑な電極を接続するための異方性導電接着剤に用いられたときであっても、十分な導電性を得ることが可能な導電粒子が提供される。また、本発明によれば導電粒子のめっき剥がれが発生し難く、めっき剥がれに起因する導通不良も効果的に防止される。
導電粒子の一実施形態を示す断面図である。 接続構造体の一実施形態を示す断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
図1は、導電粒子の一実施形態を示す断面図である。図1に示される導電粒子1は、粒子状のプラスチック核体10とプラスチック核体10に化学結合により吸着した複数の非導電性無機粒子30とを有する複合粒子7と、複合粒子7を覆う金属めっき層20と、金属めっき層20に吸着する絶縁性微粒子35とを備える。
複合導電粒子1の粒径は接続される回路部材の電極の間隔の最小値よりも小さいことが必要である。また、接続される電極の高さばらつきがある場合、複合導電粒子1の粒径は高さばらつきよりも大きいことが好ましい。係る観点から、複合導電粒子1の粒径は1〜10μmであることが好ましく、2.5〜5μmであることがより好ましい。
プラスチック核体10を形成する樹脂は特に限定されないが、プラスチック核体10は、例えば、ポリメチルメタクリレート及びポリメチルアクリレートのようなアクリル樹脂、並びに、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン及びポリブタジエンのようなポリオレフィン樹脂から選ばれる樹脂を含む。プラスチック核体10は公知の方法で合成可能であり、懸濁重合、シード重合、沈殿重合、分散重合によって合成される。プラスチック核体10は真球状であることが好ましい。
プラスチック核体10は、比較的柔らかいことが好ましい。プラスチック核体10が硬いと、非導電性無機粒子30が吸着していることもあって、導電粒子1がガラス表面を傷つける可能性がある。係る観点から、プラスチック核体10を200℃において20%圧縮変位させたときのプラスチック核体の圧縮弾性率(20%K値)は、300kgf/mm以下であることが好ましく、200kgf/mm以下であることが更に好ましい。プラスチック核体10が柔らかすぎると、圧痕により粒子捕捉率を測定することが難しくなることから、プラスチック核体10の200℃における20%K値は80kgf/mm以上であることが好ましい。
プラスチック核体の20%K値はフィッシャースコープH100C(フィッシャーインスツールメント製)を使用して、以下の方法で測定される。
1)粒子試料を乗せたスライドガラスを200℃のホットプレート上に置き、粒子の中心方向に対して、加重をかける。
2)粒子試料が20%変形したときの圧縮変形弾性率(K20、20%K値)は、50秒間で50mNの加重をかけつつ測定を行った後、下記式に従って算出する。
20(圧縮変形弾性率)=(3/√2)・F20・S20 −3/2・R−1/2
20:粒子を20%変形させるのに必要な荷重(N)
20:20%変形時の粒子の変形量(m)
R:粒子の半径(m)
非導電性無機粒子30は、プラスチック核体10に対して化学結合により強固に固定される。プラスチック核体10に対して固定された非導電性無機粒子の形状を反映して、金属めっき層20の表面に突起部20aが形成される。
非導電性無機粒子30を形成する材料は、金属めっき層20を形成する材料よりも硬いことが好ましい。これにより、実装時に導電粒子が電極に突き刺さり、導電性が向上する。つまり、導電粒子全体を硬くするのではなく、導電粒子の一部を硬くするという考え方である。具体的には、非導電性無機粒子を形成する材料はシリカ(二酸化ケイ素、モース硬度6〜7)、ジルコニア(モース硬度8〜9)、アルミナ(モース硬度9)及びダイヤモンド(モース硬度10)から選ばれることが好ましい。非導電性無機粒子30はその表面に水酸基(−OH)を有することが望ましい。モース硬度の値は共立出版株式会社化学大辞典(1962)を参照した。非導電性無機粒子を形成する材料のモース硬度は、金属めっき層を形成する金属のモース硬度よりも大きいことが好ましく、具体的には5以上が好ましい。非導電性無機粒子を形成する材料のモース硬度と金属めっき層を形成する金属のモース硬度の差は1.0以上であることが好ましい。金属めっき層が複層の場合は、それらを構成する全ての金属よりも、非導電性無機粒子が硬いほうが優れた効果が発揮される。
絶縁性やコストの観点、及び水酸基の存在により吸着しやすいことから、粒子径を制御した水分散コロイダルシリカ(SiO)として供給されるシリカ粒子を非導電性無機粒子30として用いることが好ましい。水分散コロイダルシリカの市販品としては、例えば、スノーテックス、スノーテックスUP(日産化学工業社製)、クオートロンPLシリーズ(扶桑化学工業社製)が挙げられる。絶縁信頼性の上では、分散液中のアルカリ金属イオン及びアルカリ土類金属イオンの濃度が100ppm以下であることが望ましい。金属アルコキシドの加水分解反応、いわゆるゾルゲル法により製造される無機酸化物微粒子が非導電性無機粒子30として好適である。モース硬度は、5以上であることが好ましく、6以上であることが更に好ましい。
非導電性無機粒子30を用いる理由は、万が一不純物として残存した場合、絶縁不良を起こさないためでもある。
イオンマイグレーション防止やめっきの容易さの観点から、金属めっき層20はニッケル、パラジウム、金又はこれらの組み合わせから形成されることが好ましい。ニッケル、パラジウム及び金のモース硬度は、それぞれ4.0、4.75及び2.5である。これらの組み合わせを採用する場合、めっきの作業性を鑑みて、ニッケルめっきを行った後にパラジウム又は金の置換めっきを行うのが好ましい。
非導電性無機粒子30の粒子径は、20〜200nmであることが好ましく、50〜150nmであることがより好ましい。これら粒子径はBET法による比表面積換算法又はX線小角散乱法により測定される。非導電性無機粒子30の粒子径が小さいと導電性向上効果が小さくなる傾向がある。非導電性無機粒子30の粒子径が大きいと絶縁性が低下して、狭ピッチ回路間の接続には不利になる傾向がある。非導電性無機粒子30の粒子径の変動係数(C.V.)は10%以下が好ましく、5%以下がより好ましい。非導電性無機粒子30は真球状であることが好ましい。導電粒子にした後も同様の方法で測定が可能であり、画像解析により測定される突起の大きさの変動係数は10%以下が好ましく、5%以下が更に好ましい。
プラスチック核体10の表面には水酸基、カルボキシル基、アルコキシ基、グリシジル基及びアルコキシカルボニル基から選ばれる官能基が存在することが望ましい。これら官能基が存在することにより、水酸基等の官能基を有する非導電性無機粒子をプラスチック核体に強固に固定することができる。例えば、プラスチック核体を製造する際にアクリル酸を共重合モノマーとして用いることにより、表面にカルボキシル基を有するプラスチック核体を合成することができる。また、グリシジルメタクリレートを共重合モノマーとして用いることにより、グリシジル基を表面に有するプラスチック核体を合成することができる。
複合粒子7は、プラスチック核体10と非導電性無機粒子30との間に設けられた高分子電解質層を更に備えていてもよい。この場合、高分子電解質層を介した化学結合により非導電性無機粒子30がプラスチック核体10に吸着する。例えば、プラスチック核体、高分子電解質層及び非導電性無機粒子がそれぞれ官能基を有しており、高分子電解質層の官能基が、プラスチック核体及び非導電性無機粒子それぞれの官能基と化学結合していてもよい。化学結合には、共有結合、水素結合、イオン結合等が含まれる。
水酸基、カルボキシル基、アルコキシ基、グリシジル基及びアルコキシカルボニル基から選ばれる官能基を表面に有する粒子の表面電位(ゼータ電位)は、pHが中性領域であるとき、通常マイナスである。一方、水酸基を有する非導電性無機粒子の表面電位も通常マイナスである。表面電位がマイナスの粒子の表面を表面電位がマイナスの粒子で十分に被覆することは難しい場合が多いが、これらの間に高分子電解質層を設けることにより、効率的に非導電性無機粒子をプラスチック核体に吸着させることができる。
高分子電解質層を形成する高分子電解質としては、水溶液中で電離し、荷電を有する官能基を主鎖または側鎖に持つ高分子を用いることができ、ポリカチオンが好ましい。ポリカチオンとしては、一般に、ポリアミン等のように正荷電を帯びることのできる官能基を有するもの、たとえば、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリアリルアミン塩酸塩(PAH)、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド(PDDA)、ポリビニルピリジン(PVP)、ポリリジン、ポリアクリルアミドおよびそれらを少なくとも1種以上を含む共重合体を用いることができる。高分子電解質の中でもポリエチレンイミンは電荷密度が高く、結合力が強い。
高分子電解質層は、エレクトロマイグレーションや腐食を避けるために、アルカリ金属(Li、Na、K、Rb、Cs)イオン、及びアルカリ土類金属(Ca、Sr、Ba、Ra)イオン、ハロゲン化物イオン(フッ素イオン、クロライドイオン、臭素イオン、ヨウ素イオン)を実質的に含まないことが好ましい。
上記高分子電解質は、水溶性及び水と有機溶媒との混合液に可溶である。高分子電解質の分子量は、用いる高分子電解質の種類により一概には定めることができないが、一般に、500〜200000程度が好ましい。
高分子電解質の種類や分子量を調整することにより、非導電性無機粒子によるプラスチック核体の被覆率をコントロールすることができる。具体的にはポリエチレンイミン等、電荷密度の高い高分子電解質を用いた場合、非導電性無機粒子による被覆率が高くなる傾向があり、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド等、電荷密度の低い高分子電解質を用いた場合、非導電性無機粒子による被覆率が低くなる傾向がある。又、高分子電解質の分子量が大きい場合、非導電性無機粒子による被覆率が高くなる傾向があり、高分子電解質の分子量が小さい場合、非導電性無機粒子による被覆率が低くなる傾向がある。
水酸基、カルボキシル基、アルコキシ基、グリシジル基及びアルコキシカルボニル基から選ばれる官能基を表面に有するプラスチック核体を高分子電解質溶液中に分散することにより、プラスチック核体表面に高分子電解質が吸着して、高分子電解質層を形成させることができる。高分子電解質層が設けられていることにより、主に静電的な引力によって非導電性無機粒子が吸着される。吸着が進行して電荷が中和されるとそれ以上の吸着が起こらなくなる。したがって、ある飽和点までに至れば、それ以上膜厚が増加することは実質的にない。
高分子電解質層が形成されたプラスチック核体を高分子電解質溶液から取り出した後、リンスにより余剰の高分子電解質を除去することが好ましい。リンスは、例えば、水、アルコール、又はアセトンを用いて行われる。比抵抗値が18MΩ・cm以上のイオン交換水(いわゆる超純水)が好ましく用いられる。プラスチック核体に吸着した高分子電解質は、プラスチック核体表面に化学結合により静電的に吸着しているために、このリンスの工程で剥離することはない。
上記高分子電解質溶液は、高分子電解質を水または水と水溶性の有機溶媒との混合溶媒に溶解したものである。使用できる水溶性の有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、ジメチルホルムアミド及びアセトニトリルが挙げられる。
上記高分子電解質溶液における高分子電解質の濃度は、一般に、0.01〜10質量%程度が好ましい。また、高分子電解質溶液のpHは、特に限定されない。高分子電解質を高濃度で用いた場合、非導電性無機粒子によるプラスチック核体の被覆率が高くなる傾向があり、高分子電解質を低濃度で用いた場合、非導電性無機粒子によるプラスチック核体の被覆率が低くなる傾向がある。
シリカ粒子のような非導電性無機粒子をプラスチック核体表面に強固に結合させるに際し、従来のヘテロ凝集法(官能基を有する基材粒子表面に官能基を有する子粒子を接触させる方法)ではあまり良好な効果が得られない可能性がある。
シリカ粒子のような非導電性無機粒子は、粒子径をそろえると真球状になる傾向がある。真球状のプラスチック核体と真球状の非導電性無機粒子の結合は、理論上点接触になる。点接触の場合結合力が不足するため、めっき中に非導電性無機粒子が剥離する可能性がある。言い換えると、非導電性無機粒子による被覆率のばらつき(C.V.)が例えば40%以上程度まで大きくなることがある。
高分子電解質を用いた交互積層により非導電性無機粒子を被覆する場合、非導電性無機粒子を高分子電解質が巻きつけることになるので、結合力は飛躍的に向上する。結合力の観点からは分子量1万以上の高分子電解質を用いるのが好ましい。結合力は分子量と共に向上するが、分子量が高すぎるとプラスチック核体同士が凝集してしまいやすくなる傾向がある。
非導電性無機粒子は一層のみ被覆されているのがよい。複層積層すると積層量のコントロールが困難になる。
非導電性無機粒子によるプラスチック核体の被覆率は10〜80%であることが好ましく、25〜60%であることがより好ましい。この場合の被覆率は粒子100枚のSEM写真の中心部を画像解析することで算出できる。80%はほぼ最密充填した場合である。
非導電性無機粒子の吸着後、公知の方法により金属めっき層を形成することにより、表面に突起部を有する金属めっき層を有する導電粒子を作製することができる。
金属めっき層は、単層であってもよく、複数の層から構成される積層構造を有していてもよい。積層構造の場合、耐食性や導電性の観点から、金属めっき層は、内側に設けられたニッケルめっきと、その外側に最外層として積層された金めっき層又はパラジウムめっき層とを有することが好ましい。
金属めっき層を形成する方法としては、無電解めっきの他、置換めっき、電気めっき等の方法がある。あるいは、めっきに代えて、スパッタリングにより金属層を形成してもよい。簡便性やコストの観点から無電解めっきが好ましい。
無電解めっきを行うに際し、非導電性無機粒子が吸着したプラスチック核体を水に超音波で分散させる。非導電性無機粒子がプラスチック核体表面に強固に結合しているため、超音波処理によって非導電性無機粒子が脱落することが少なく、有利である。共振周波数28〜38kHz、超音波出力100Wで15分間超音波照射したときの非導電性無機粒子の脱落率が10%以下であることが好ましく、3%以下であることが更に好ましい。
めっき触媒付与は、従来公知の方法で行えばよく、特に限定しない。例えば、2−アミノピリジンが配位したパラジウムイオン溶液に表面に非導電性無機粒子が吸着したプラスチック核体を浸漬し、次亜燐酸ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム、ジメチルアミンボラン、ヒドラジン、ホルマリン等を加えてパラジウムイオンを金属に還元する方法がある。
続いて、公知の方法で無電解ニッケルめっきを行う。無電解ニッケルめっきを行う方法としては、次亜燐酸ナトリウムを還元剤として構成される無電解ニッケルめっき液を所定の方法に従って建浴、加温しためっき浴によって、触媒付与され非導電性無機粒子が吸着したプラスチック核体を処理する方法がある。
金属めっき層の厚みは10〜300nmであることが好ましい。膜厚が10nm未満であると、めっきが凹凸形状に追従できずに導電性が低下する傾向がある。膜厚が300nmを超えると、粒子全体が硬くなりすぎてガラス電極を傷める可能性が高くなる。
以上のようにして表面に20〜200nmの突起を有する金属めっき層を有する導電粒子を作製することが出来る。突起の被覆率は10%〜80%の範囲であることが好ましく、25〜60%の範囲であるのが更に好ましい。
絶縁性を向上させるためには、表面に金めっきまたはパラジウムめっきを施すと良い。金めっきまたはパラジウムめっきの厚みは10〜50nmの範囲であることが好ましい。
以上のようにして作製した表面に突起を有する導電粒子は突起が存在するので、電極ピッチが狭い場合ショート不良が発生する場合がある。そのため、絶縁性微粒子35を吸着させて金属めっき層表面を部分的に被覆することが望ましい。この絶縁性微粒子35はシリカ粒子であることが好まし。絶縁性微粒子35の粒子径は非導電性無機粒子10の粒子径よりも大きいことが好ましい。絶縁性微粒子35の粒子径が非導電性無機粒子よりも小さいとショート不良が発生しやすくなる傾向がある。絶縁性微粒子の吸着は、非導電性無機粒子の吸着と同様に、高分子電解質層を介した交互積層法を採用して行うとよい。
図2は、接続構造体の一実施形態を示す断面図である。図2に示す接続構造体は、ドライバーIC61及びドライバーIC61上に設けられたバンプ電極62を有する第一の回路部材60と、ガラス基板51及びガラス基板51上に設けられたIZO電極52を有する第二の回路部材50とが異方性導電接着剤5を介して接続されたものである。
異方性導電接着剤5は、フィルム状の絶縁性接着剤3と、絶縁性接着剤3内に分散した上述の導電粒子1とを含有する。
絶縁性接着剤3は、熱硬化性樹脂及びその硬化剤を含有する。絶縁性接着剤3は、熱硬化性樹脂としてのラジカル反応性樹脂及び硬化剤としての有機過酸化物を含有していてもよいし、紫外線などのエネルギー線硬化性樹脂であってもよい。
絶縁性接着剤3を構成する熱硬化性樹脂は好ましくはエポキシ樹脂であり、これとその潜在性硬化剤が好適に組み合わせられる。
潜在性硬化剤としては、イミダゾール系、ヒドラジド系、三フッ化ホウ素-アミン錯体、スルホニウム塩、アミンイミド、ポリアミンの塩、ジシアンジアミド等が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、エピクロルヒドリンとビスフェノールAやF、AD等から誘導されるビスフェノール型エポキシ樹脂、エピクロルヒドリンとフェノールノボラックやクレゾールノボラックから誘導されるエポキシノボラック樹脂やナフタレン環を含んだ骨格を有するナフタレン系エポキシ樹脂、グリシジルアミン、グリシジルエーテル、ビフェニル、脂環式等の1分子内に2個以上のグリシジル基を有する各種のエポキシ化合物等を単独にあるいは2種以上を混合して用いることが可能である。
これらのエポキシ樹脂は、不純物イオン(Na、Cl等)や、加水分解性塩素等を300ppm以下に低減した高純度品を用いることがエレクトロマイグレーション防止のために好ましい。
絶縁性接着剤3は、接着後の応力を低減するため、あるいは接着性を向上するために、ブタジエンゴム、アクリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、シリコーンゴム等のゴムを含有してもよい。
絶縁性接着剤3をフィルム状にするために、絶縁性接着剤3にフェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂をフィルム形成性高分子として配合することが効果的である。これらの熱可塑性樹脂は、熱硬化性樹脂の硬化時の応力緩和の効果も有する。特に、接着性を向上させるために、フィルム形成性高分子が水酸基等の官能基を有することが好ましい。
フィルム状の異方性導電接着剤5は、例えば、絶縁性接着剤と、導電粒子と、これらを溶解又は分散する有機溶剤とを含有する液状組成物を剥離性基材に塗布する工程と、塗布された液状組成物から硬化剤の活性温度以下の温度で有機溶剤を除去する工程とを含む方法により得ることができる。このとき用いられる有機溶剤は、芳香族炭化水素系と含酸素系の混合溶剤が材料の溶解性を向上させるため好ましい。
フィルム状の異方性導電接着剤の接続前の厚みは導電粒子1の粒径及び異方性導電接着剤5の特性を考慮して適宜決定されるが、好ましくは1〜100μmである。厚みが1μm未満であると接着性が低下する傾向があり、100μmを超えると導電性を得るために多量の導電粒子を必要とする傾向がある。同様の観点から、異方性導電接着剤の厚みはより好ましくは3〜50μmである。
異方性導電接着剤はフィルム状である必要は必ずしもなく、例えばペースト状であってもよい。
図2の接続構造体において、導電粒子1の各電極との接触部分では絶縁性微粒子が剥離するか電極に埋め込まれて、対向する電極同士(矢印Aの方向)は導通する。一方、同一基板上で隣り合う電極間(矢印Bの方向)は絶縁性微粒子が介在することで絶縁性が維持される。
以下、実施例を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(1)導電粒子の作製
架橋度を調整したジビニルベンゼンとアクリル酸の共重合体からなる平均粒径3.7μmのプラスチック核体10gを準備した。このプラスチック核体はその表面にカルボキシル基を有する。プラスチック核体の硬さ(200℃において粒子直径が20%変位したときの圧縮弾性率、20%K値)は150kgf/mmであった。
分子量70000の30質量%ポリエチレンイミン水溶液(和光純薬社製)を、超純水で0.3質量%まで希釈した。この0.3質量%ポリエチレン水溶液300mLに上記プラスチック核体10gを加え、室温で15分攪拌した。φ3μmのメンブレンフィルタ(ミリポア社製)を用いた濾過によりプラスチック核体を取り出し、取り出されたプラスチック核体を超純水300gに入れて室温で5分攪拌した。次いでφ3μmのメンブレンフィルタ(ミリポア社製)を用いた濾過によりプラスチック核体を取り出し、メンブレンフィルタ上のプラスチック核体を200gの超純水で2回洗浄し、吸着していないポリエチレンイミンを除去して、ポリエチレンイミンが吸着したプラスチック核体を得た。
平均粒子径100nmのコロイダルシリカ分散液を超純水で希釈して、0.33質量%シリカ粒子分散液(シリカ総量:1g)を得た。そこにポリエチレンイミンが吸着した上記プラスチック核体を入れ、室温で15分攪拌した。その後φ3μmのメンブレンフィルタ(ミリポア社製)を用いた濾過によりプラスチック核体を取り出した。濾液からシリカは抽出されなかったことから、実質的に全てのシリカ粒子がプラスチック核体に吸着したことが確認された。シリカ粒子が吸着したプラスチック核体を超純水200gに入れて室温で5分攪拌した。その後、φ3μmのメンブレンフィルタ(ミリポア社製)を用いた濾過によりプラスチック核体を取り出し、メンブレンフィルタ上のプラスチック核体を200gの超純水で2回洗浄した。洗浄後のプラスチック核体を80℃で30分、120℃で1時間の順に加熱することにより乾燥して、表面にシリカ粒子が吸着したプラスチック核体(複合粒子)を得た。
上記複合粒子を1g分取し、共振周波数28kHz、出力100Wの超音波を15分間照射した後、パラジウム触媒であるアトテックネネオガント834(アトテックジャパン株式会社製:商品名)を8質量%含有するパラジウム触媒化液100mLに添加して、超音波を照射しながら30℃で30分攪拌した。その後、φ3μmのメンブレンフィルタ(ミリポア社製)を用いた濾過により複合粒子を取出し、取り出された複合粒子を水洗した。水洗後の複合粒子を、pH6.0に調整された0.5質量%ジメチルアミンボラン液に添加し、表面が活性化された複合粒子を得た。
この表面が活性化された複合粒子を蒸留水に浸漬し、超音波分散して、懸濁液を得た。この懸濁液を50℃で攪拌しながら、硫酸ニッケル6水和物50g/L、次亜リン酸ナトリウム一水和物20g/L、ジメチルアミンボラン2.5g/L及びクエン酸50g/Lを混合しpHを7.5に調整した無電解めっき液Aを徐々に添加し、複合粒子上に無電解ニッケルめっき層を形成させた。サンプリングと原子吸光によって、ニッケルの膜厚を調整し、ニッケルめっき層の膜厚が700Åになった時点で無電解めっき液Aの添加を中止した。濾過後、100mLの純水を用いた洗浄を60秒行い、表面に突起を有するニッケル膜を有する導電粒子1を得た。ニッケル膜の突起の高さをSEMで観測したところ、プラスチック核体に吸着したシリカ粒子の粒径とほぼ同じ100nmであった。
(2)異方性導電接着フィルム及び接続構造体サンプルの作製
フェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド社製商品名、PKHC)100gと、アクリルゴム(ブチルアクリレート40質量部、エチルアクリレート30質量部、アクリロニトリル30質量部、グリシジルメタクリレート3質量部の共重合体、分子量:85万)75gを酢酸エチル400gに溶解し、30質量%溶液を得た。この溶液に、マイクロカプセル型潜在性硬化剤を含有する液状エポキシ樹脂(エボキシ当量185、旭化成エポキシ株式会社製、ノバキュアHX−3941)300gを加え、撹拌して接着剤溶液を準備した。
この接着剤溶液に、上記導電粒子1を分散させた。その濃度は接着剤溶液の量を基準として9体積%とした。得られた分散液をセパレータ(シリコーン処理したポリエチレンテレフタレートフイルム、厚み40μm)にロールコータを用いて塗布し、90℃で10分の加熱により乾燥して、厚み25μmの異方性導電接着フィルムをセパレータ上に形成させた。
次に、作製した異方性導電接着フィルムを用いて、金バンプ(面積:30×90μm、スペース10μm、高さ:15μm、バンブ数362)付きチップ(1.7×1.7mm、厚み:0.5μm)とIZO回路付きガラス基板(厚み:0.7mm)の接続を、以下に示すi)〜iii)の手順に従って行った。
i)異方性導電接着フィルム(2×19mm)をIZO回路付きガラス基板に80℃、0.98MPa(10kgf/cm)での圧力で貼り付ける。
ii)セパレータを剥離し、チップのバンプとIZO回路付きガラス基板の位置合わせを行う。
iii)190℃、40gf/バンプ、10秒の条件でチップ上方から加熱及び加圧を行い、本接続を行う。
(実施例2)
0.33質量%シリカ粒子分散液(シリカ総量:1g)に代えて、0.53質量%シリカ粒子分散液(シリカ総量:1.6g)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、表面にシリカ粒子が吸着したプラスチック核体(複合粒子)の作製、及びこれの表面にニッケル膜を形成させた導電粒子2の作製を行った。さらに、得られた導電粒子2を用いて、実施例1と同様の手順で異方性導電接着フィルム及び接続構造体サンプルの作製を行った。
(実施例3)
0.33質量%シリカ粒子分散液(シリカ総量:1g)に代えて、0.42質量%シリカ粒子分散液(シリカ総量:1.27g)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、表面にシリカ粒子が吸着したプラスチック核体(複合粒子)の作製、及びこれの表面にニッケル膜を形成させた導電粒子3の作製を行った。さらに、得られた導電粒子3を用いて、実施例1と同様の手順で異方性導電接着フィルム及び接続構造体サンプルの作製を行った。
(実施例4)
0.33質量%シリカ粒子分散液(シリカ総量:1g)に代えて、0.18質量%シリカ粒子分散液(シリカ総量:0.53g)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、表面にシリカ粒子が吸着したプラスチック核体(複合粒子)の作製、及びこれの表面にニッケル膜を形成させた導電粒子4の作製を行った。さらに、得られた導電粒子4を用いて、実施例1と同様の手順で異方性導電接着フィルム及び接続構造体サンプルの作製を行った。
(実施例5)
0.33質量%シリカ粒子分散液(シリカ総量:1g)に代えて、0.07質量%シリカ粒子分散液(シリカ総量:0.21g)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、表面にシリカ粒子が吸着したプラスチック核体(複合粒子)の作製、及びこれの表面にニッケル膜を形成させた導電粒子5の作製を行った。さらに、得られた導電粒子5を用いて、実施例1と同様の手順で異方性導電接着フィルム及び接続構造体サンプルの作製を行った。
(実施例6)
架橋度の制御により、硬さ(200℃における20%K値)を280kgf/mmに調整した共重合体粒子をプラスチック核体として用いた。これ以外は実施例1と同様にして、表面にシリカ粒子が吸着したプラスチック核体(複合粒子)の作製、及びこれの表面にニッケル膜を形成させた導電粒子6の作製を行った。さらに、得られた導電粒子6を用いて、実施例1と同様の手順で異方性導電接着フィルム及び接続構造体サンプルの作製を行った。
(実施例7)
架橋度の制御により、硬さ(200℃における20%K値)を100kgf/mmに調整した共重合体粒子をプラスチック核体として用いた。これ以外は実施例1と同様にして、表面にシリカ粒子が吸着したプラスチック核体(複合粒子)の作製、及びこれの表面にニッケル膜を形成させた導電粒子7の作製を行った。さらに、得られた導電粒子7を用いて、実施例1と同様の手順で異方性導電接着フィルム及び接続構造体サンプルの作製を行った。
(実施例8)
0.33質量%シリカ粒子分散液(シリカ総量:1g)に代えて、0.42質量%シリカ粒子分散液(シリカ総量:1.27g)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、表面にシリカ粒子が吸着したプラスチック核体(複合粒子)の作製、及びこれの表面にニッケル膜を形成させた導電粒子8の作製を行った。さらに、得られた導電粒子8を用いて、実施例1と同様の手順で異方性導電接着フィルム及び接続構造体サンプルの作製を行った。
(実施例9)
架橋度の制御により、硬さ(200℃における20%K値)を75kgf/mmに調整した共重合体粒子をプラスチック核体として用いた。これ以外は実施例1と同様にして、表面にシリカ粒子が吸着したプラスチック核体(複合粒子)の作製、及びこれの表面にニッケル膜を形成させた導電粒子9の作製を行った。さらに、得られた導電粒子9を用いて、実施例1と同様の手順で異方性導電接着フィルム及び接続構造体サンプルの作製を行った。
(実施例10)
架橋度の制御により、硬さ(200℃における20%K値)を350kgf/mmに調整した共重合体粒子をプラスチック核体として用いた。これ以外は実施例1と同様にして、表面にシリカ粒子が吸着したプラスチック核体(複合粒子)の作製、及びこれの表面にニッケル膜を形成させた導電粒子10の作製を行った。さらに、得られた導電粒子10を用いて、実施例1と同様の手順で異方性導電接着フィルム及び接続構造体サンプルの作製を行った。
(実施例11)
0.03mol/Lのエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム、0.04mol/Lのクエン酸三ナトリウム及び0.01mol/Lのシアン化金カリウムを含み、水酸化ナトリウムでpH6に調整されためっき液を準備した。このめっき液を用いて、実施例1で作製した導電粒子1に対して、引き続き、液温60℃の条件で厚さが平均20nmとなるまで金めっき処理を行った。濾過後、100mLの純水を用いて60秒洗浄し、ニッケル膜の外側に形成された厚さ20nmの金膜を有する導電粒子11を作製した。さらに、得られた導電粒子11を用いて、実施例1と同様の手順で異方性導電接着フィルム及び接続構造体サンプルの作製を行った。
(実施例12)
テトラクロロパラジウム9g、エチレンジアミン10g、アミノピリジン5g、次亜リン酸ナトリウム18g、ポリエチレングリコール20gを1Lの超純水に加えためっき液を準備した。このめっき液を用いて、実施例1で作製した導電粒子1に対して、引き続き、pH7.5、液温60℃の条件で厚さが平均20nmとなるまでパラジウムめっき処理を行った。濾過後、100mLの純水を用いて60秒洗浄し、ニッケル膜の外側に形成された厚さ20nmのパラジウムめっき膜を有する導電粒子12を作製した。さらに、得られた導電粒子12を用いて、実施例1と同様の手順で異方性導電接着フィルム及び接続構造体サンプルの作製を行った。
(比較例1)
平均粒子径100nmのコロイダルシリカに代えて、平均粒径100nmのアクリル樹脂粒子を用い、0.15質量%(アクリル樹脂総量:0.45g)のアクリル樹脂粒子分散液を準備した。この分散液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、表面にアクリル樹脂粒子が吸着したプラスチック核体の作製、及びこれの表面にニッケル膜を形成させた導電粒子13の作製を行った。さらに、得られた導電粒子13を用いて、実施例1と同様の手順で異方性導電接着フィルム及び接続構造体サンプルの作製を行った。
(比較例2)
平均粒子径100nmのコロイダルシリカに代えて、平均粒子径100nmのニッケル粒子を用い、1.32質量%(ニッケル総量:4.0g)のニッケル粒子分散液を準備した。この分散液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、表面にニッケル粒子が吸着したプラスチック核体(複合粒子)の作製、及びこれの表面にニッケル膜を形成させた導電粒子14の作製を行った。さらに、得られた導電粒子14を用いて、実施例1と同様の手順で異方性導電接着フィルム及び接続構造体サンプルの作製を行った。
(比較例3)
表面にシリカ粒子を吸着させることなく、ジビニルベンゼンとアクリル酸共重合体からなる平均粒径3.7μmのプラスチック核体をそのまま用いたこと以外は実施例1と同様にして、ニッケル膜を有する導電粒子15を作製した。さらに、得られた導電粒子15を用いて、実施例1と同様の手順で異方性導電接着フィルム及び接続構造体サンプルの作製を行った。
(被覆率と被覆ばらつきの評価)
表面にシリカが吸着したプラスチック核体(複合粒子)のSEM画像を100枚準備し、中心部分(直径2μmの円)の画像解析によりシリカ粒子による被覆率と被覆ばらつきを測定した。被覆ばらつき(C.V.)は被覆率の標準偏差/平均被覆率により算出した。その結果を各導電粒子の構成とともに表1に示す。
Figure 2011029179
(絶縁抵抗試験及び導通抵抗試験)
各実施例及び比較例で作製したサンプルの絶縁抵抗試験及び導通抵抗試験を行った。異方性導電接着フィルムはチップ電極間の絶縁抵抗が高く、チップ電極/ガラス電極間の導通抵抗が低いことが重要である。チップ電極間の絶縁抵抗は10サンプルを測定した。絶縁抵抗は初期値とマイグレーション試験(気温60℃、湿度90%、20V印加)の条件で1000時間放置)を行い、絶縁抵抗>10(Ω)を良品とした場合の歩留まりを算出した。又、チップ電極/ガラス電極間の導通抵抗に関しては14サンプルの平均値を測定した。導通抵抗は初期値と吸湿耐熱試験(気温85℃、湿度85%の条件で1000時間放置)後の値を測定した。
(ガラス電極の割れ)
一箇所でもガラス電極に割れがある場合に割れありとした。
(圧痕)
実装後ガラス基板側の電極上に粒子の潰れた痕跡が残るかどうかで判断した。圧痕は粒子補足を確認するために、電極部に窪みが出来るかどうかで判断する。粒子が柔らかすぎると圧痕がでない場合がある。この場合は導電性の検査が現実的に困難になる。
(めっき剥がれ)
導電粒子の10%以上にめっき剥がれが発生した場合にめっき剥がれありと判断した。
Figure 2011029179
測定結果を表2に示す。いずれの実施例も、比較例と比較して低い初期導通抵抗を達成した。これは、硬質なシリカ粒子がニッケル層の突起をIZO電極に押し付けることにより硬質なIZO電極にニッケル突起が突き刺さることで、導通性が増したためと考えられる。特に、プラスチック核体の硬さ(20%K値)が80kgf/mm以上300kgf/mm以下である実施例1〜8は、吸湿試験後も10Ω未満の導通抵抗を維持した。金めっき層又はパラジウムめっき層を設けた実施例11、12も良好な特性を示した。
1…導電粒子、3…絶縁性接着剤、5…異方性導電接着剤、10…プラスチック核体、20…金属めっき層、20a…突起部、30…非導電性無機粒子、35…絶縁性微粒子、51…ガラス基板、52…IZO電極、61…ドライバーIC、62…バンプ電極。

Claims (9)

  1. プラスチック核体と該プラスチック核体に化学結合により吸着した非導電性無機粒子とを有する複合粒子と、
    該複合粒子を覆う金属めっき層と、を備え、
    前記金属めっき層が、突起部を形成する表面を有しており、
    前記非導電性無機粒子が前記金属めっき層よりも硬い、導電粒子。
  2. 前記プラスチック核体を200℃において20%圧縮変位させたときの前記プラスチック核体の圧縮弾性率が、80kgf/mm以上300kgf/mm以下である、請求項1に記載の導電粒子。
  3. 前記金属めっき層がニッケル、パラジウム、金又はこれらの組み合わせから構成されており、前記非導電性無機粒子がシリカ粒子である、請求項1又は2に記載の導電粒子。
  4. 前記複合粒子が、前記プラスチック核体に吸着した高分子電解質層を更に有しており、該高分子電解質層を介した化学結合により前記非導電性無機粒子が前記プラスチック核体に吸着している、請求項1〜3のいずれか一項に記載の導電粒子。
  5. 前記プラスチック核体、前記高分子電解質層及び前記非導電性無機粒子がそれぞれ官能基を有しており、前記高分子電解質層の官能基が、前記プラスチック核体及び前記非導電性無機粒子それぞれの官能基と化学結合している、請求項4に記載の導電粒子。
  6. 前記高分子電解質層の官能基が、前記プラスチック核体及び前記非導電性無機粒子それぞれの官能基と静電相互作用により化学結合している、請求項5に記載の導電粒子。
  7. 前記プラスチック核体が有する官能基が、水酸基、カルボキシル基、アルコキシ基、グリシジル基及びアルコキシカルボニル基からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項6に記載の導電粒子。
  8. 前記高分子電解質層がポリアミンから形成されている、請求項6又は7に記載の導電粒子。
  9. 前記金属めっき層に吸着する絶縁性微粒子を更に備える、請求項1〜8のいずれか一項に記載の導電粒子。
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