JP2021187954A - 二軸延伸シート及び成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】引張伸びが大きく、厚みムラが小さく、耐折性に優れ、加熱収縮率が小さい二軸延伸シート及びそれを用いた成形品を提供する。【解決手段】本発明の二軸延伸シートは、スチレン系樹脂(A)と、ジカルボン酸成分(b−1)が主成分としてテレフタル酸を含むポリエステル樹脂(B)とを含み、スチレン系樹脂(A)及びポリエステル樹脂(B)の合計100質量部に対して、スチレン系樹脂(A)の含有量が75〜99質量部であり、ポリエステル樹脂(B)の含有量が1〜25質量部である樹脂組成物からなるものである。本発明の成形品は、本発明の二軸延伸シートを二次成形して得られるものである。【選択図】なし

Description

本発明はスチレン系樹脂を含む樹脂組成物を二次延伸してなる二軸延伸シート及びそれを用いた成形品に関する。
ポリスチレンから作られる二軸延伸シートは、無味、無毒、無臭であり、安価で、耐水性及び寸法安定性が高いため、食品包装容器、雑貨等の軽量容器として従来から使用されている。例えば、特許文献1に記載されているように、真空成形法、圧空成形法等の熱成形法によって二軸延伸シートを二次成形することにより、二軸延伸シートから軽量容器等の成形品を作製することができる。
国際公開第2017/122774号公報
二次成形により二軸延伸シートから良質な成形品を得るためには、二軸延伸シートの引張伸びが大きく、二軸延伸シートの厚みムラが小さいことが好ましい。また、二軸延伸シートを容器として用いる場合、容器を壊れにくくするために、二軸延伸シートの耐折性が優れていることが好ましい。さらに、二軸延伸シートを食品包装容器として用いる場合、食品包装容器は電子レンジにより加熱される可能性があるので、二軸延伸シートの加熱収縮率は小さいことが好ましい。そこで、本発明は、引張伸びが大きく、厚みムラが小さく、耐折性に優れ、加熱収縮率が小さい二軸延伸シート及びそれを用いた成形品を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意研究を進めたところ、スチレン系樹脂を含む樹脂組成物に対して所定の含有量の所定のポリエステル樹脂を含有させることにより、上記の目的を達成することができることを見出した。
本発明は、上記の知見に基づくものであり、以下を要旨とする。
[1]スチレン系樹脂(A)と、ジカルボン酸成分(b−1)が主成分としてテレフタル酸を含むポリエステル樹脂(B)とを含み、スチレン系樹脂(A)及びポリエステル樹脂(B)の合計100質量部に対して、スチレン系樹脂(A)の含有量が75〜99質量部であり、ポリエステル樹脂(B)の含有量が1〜25質量部である樹脂組成物からなる二軸延伸シート。
[2]二軸延伸シートを120℃の温度で1時間加熱した後の縦方向及び横方向の二軸延伸シートの加熱収縮率をそれぞれZ(%)及びZ(%)とし、二軸延伸シートの縦方向及び横方向の延伸倍率をそれぞれX及びXとし、縦方向及び横方向において、加熱収縮率(Z,Z)及び延伸倍率(X,X)が次の式(1)及び式(2)をそれぞれ満たす場合、Y及びYがそれぞれ40〜99%である上記[1]に記載の二軸延伸シート。
(%)=(1−1/X)×Y (1)
(%)=(1−1/X)×Y (2)
[3]ポリエステル樹脂(B)のジオール成分(b−2)が環状骨格を有するジオールを含む上記[1]又は[2]に記載の二軸延伸シート。
[4]環状骨格を有するジオールがイソソルビドである上記[3]に記載の二軸延伸シート。
[5]ポリエステル樹脂(B)のガラス転移温度が90〜135℃である上記[1]〜[4]のいずれか1つに記載の二軸延伸シート。
[6]ポリエステル樹脂(B)の平均分散粒径が10〜500nmである上記[1]〜[5]のいずれか1つに記載の二軸延伸シート。
[7]スチレン系樹脂(A)がポリスチレンである上記[1]〜[6]のいずれか1つに記載の二軸延伸シート。
[8]厚みが0.01〜0.7mmであり、縦方向及び横方向の延伸倍率がそれぞれ1.5〜3.5倍である上記[1]〜[7]のいずれか1つに記載の二軸延伸シート。
[9]縦方向と横方向の配向緩和応力がそれぞれ0.3〜1.2MPaである上記[1]〜[8]のいずれか1つに記載の二軸延伸シート。
[10]上記[1]〜[9]のいずれか1つに記載の二軸延伸シートを二次成形して得られる成形品。
本発明によれば、引張伸びが大きく、厚みムラが小さく、耐折性に優れ、加熱収縮率が小さい二軸延伸シート及びそれを用いた成形品を提供することができる。
以下、本発明の二軸延伸シートを説明する。
[二軸延伸シート]
本発明の二軸延伸シートは、スチレン系樹脂(A)と、ジカルボン酸成分(b−1)が主成分としてテレフタル酸を含むポリエステル樹脂(B)とを含み、スチレン系樹脂(A)及びポリエステル樹脂(B)の合計100質量部に対して、スチレン系樹脂(A)の含有量が75〜99質量部であり、ポリエステル樹脂(B)の含有量が1〜25質量部である樹脂組成物からなるものである。これにより、引張伸びが大きく、厚みムラが小さく、耐折性に優れ、加熱収縮率が小さい二軸延伸シートを提供することができる。
(樹脂組成物)
樹脂組成物は、スチレン系樹脂(A)及びポリエステル樹脂(B)を含む。
<スチレン系樹脂(A)>
スチレン系樹脂(A)は、スチレンモノマーまたはスチレン誘導体を単一で重合させたり、合成ゴムを配合したり、あるいは他のモノマーと共重合させたものである。スチレンモノマーは、例えば、ケイ皮酸の分解蒸留、アセトフェノンの還元脱水、塩化エチルベンゾールの脱塩酸、フェニルアルコールの脱水、またはエチルベンゾールの合成及び脱水素により製造することができる。スチレン誘導体には、例えば、オルト−メチルスチレン、メタ−メチルスチレン、パラ−メチルスチレン、α−メチルスチレン、ジクロロスチレン等が挙げられる。
スチレンモノマーまたはスチレン誘導体の重合は、一般にビニル基を持つモノマーの連鎖反応と同様に進行する。スチレンモノマーまたはスチレン誘導体の工業規模における重合法には、例えば、塊状重合法、溶液重合法、イオン重合法、乳化重合法、懸濁重合法等が挙げられる。塊状重合法では、スチレンモノマーまたはスチレン誘導体に触媒を加え、加熱、重合を誘導し、重合反応が進むにつれて反応熱を除去しつつ終結点を調節する。溶液重合法では、重合物を溶解し得る溶媒を使用して、スチレンモノマーまたはスチレン誘導体の重合を行う。イオン重合法では、触媒として、BF、SnCl等を用い、スチレン分子は一度、複塩を形成し、スチレン分子が複塩から外れた後、他のスチレン分子と重合して、高分子物質が形成される。乳化重合法及び懸濁重合法においては、いずれも多量に水の共存する系内において、スチレンまたはスチレン誘導体を小球状に分散させて重合反応を行う。スチレンモノマーを単一で重合させたポリスチレンは、一般に、一般用ポリスチレン(GPポリスチレン)と呼ばれている。
合成ゴムを配合したポリスチレンは、一般に、ハイ・インパクト・ポリスチレン(HIポリスチレン)と呼ばれている。配合する合成ゴムには、例えば、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリイソプレン、ブタジエン−イソプレン共重合体等が挙げられ、特にポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体が好ましい。合成ゴムを配合したスチレン系樹脂(A)は、例えば、合成ゴムをスチレンモノマーに溶解した後、塊状重合、溶液重合、または懸濁重合により作製することができる。
スチレンモノマーまたはスチレン誘導体を他のモノマーと共重合させたスチレン系樹脂(A)には、例えば、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体類、スチレンアクリロニトリル共重合体(SAN、AB樹脂)、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(ABS樹脂)、スチレン−共役ジエンブロック共重合体(SBBC)等が挙げられる。
これらのスチレン系樹脂は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。これらのスチレン系樹脂の中で、安価で透明で光沢がよく塗装も容易であるという観点から、GPポリスチレン、HIポリスチレン等のポリスチレンが好ましく、GPポリスチレンがより好ましい。
樹脂組成物におけるスチレン系樹脂(A)の含有量は、スチレン系樹脂(A)及びポリエステル樹脂(B)の合計100質量部に対して、75〜99質量部である。スチレン系樹脂(A)の含有量が75質量部未満であると、結晶開始部位となるポリエステル樹脂(B)の含有量が大きくなり、その結果、スチレン系樹脂(A)の結晶化が進行しすぎてしまい、二軸延伸シートの引張伸びが小さくなったり、厚みムラが大きくなったりする場合がある。一方、スチレン系樹脂(A)の含有量が99質量部よりも大きいと、二軸延伸シートの引張伸びが小さくなったり、二軸延伸シートの厚みムラが大きくなったり、二軸延伸シートの耐折性が悪くなったりする場合がある。また、二軸延伸シートの結晶化が十分に進まず、二軸延伸シートの加熱収縮率が大きくなる場合がある。このような観点から、樹脂組成物におけるスチレン系樹脂(A)の含有量は、スチレン系樹脂(A)及びポリエステル樹脂(B)の合計100質量部に対して、好ましくは80〜99質量部であり、より好ましくは85〜97質量部である。
<ポリエステル樹脂(B)>
ポリエステル樹脂(B)はジカルボン酸成分(b−1)とジオール成分(b−2)とのエステル化によって得られる樹脂である。ジカルボン酸成分(b−1)は主成分としてテレフタル酸を含む。ジオール成分(b−2)は、特に限定されないが、環状骨格を有するジオール及び直鎖脂肪族ジオールからなる群から選択される少なくとも1種のジオールを含むことが好ましく、環状骨格を有するジオールを含むことがより好ましい。
(1)ジカルボン酸成分(b−1)
ジカルボン酸成分(b−1)は、主成分としてテレフタル酸を含む。なお、主成分とは、ジカルボン酸成分(b−1)に含まれるジカルボン酸の中で、テレフタル酸の割合(モル%)が最も大きいことを意味する。ジカルボン酸成分(b−1)は、テレフタル酸のみであってもよいが、テレフタル酸以外のジカルボン酸を含んでもよい。テレフタル酸以外のジカルボン酸には、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。ジカルボン酸成分(b−1)は、テレフタル酸以外に、これらのジカルボン酸の1種を、またはこれらのジカルボン酸の2種以上を含むことができる。ジカルボン酸成分(b−1)全体に対するテレフタル酸以外のジカルボン酸の割合は、好ましくは0〜40モル%であり、より好ましくは0〜25モル%である。ジカルボン酸成分(b−1)は、テレフタル酸のみであることが好ましい。
(2)ジオール成分(b−2)
上述したように、ジオール成分(b−2)は、特に限定されないが、環状骨格を有するジオール及び直鎖脂肪族ジオールからなる群から選択される少なくとも1種のジオールを含むことが好ましく、環状骨格を有するジオールを含むことがより好ましい。
(i)環状骨格を有するジオール
ジオール成分(b−2)は、環状骨格を有するジオールを含むことが好ましい。環状骨格を有するジオールには、例えば、シクロブタンジオール、シクロペンタンジオール、シクロへキサンジオール、シクロヘプタンジオール、シクロオクタンジオール、シクロプロパンジメタノール、シクロブタンジメタノール、シクロペンタンジメタノール、シクロへキサンジメタノール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、イソソルビド、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、5−メチロール−5−エチル−2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−1,3−ジオキサン等が挙げられる。ジオール成分(b−2)は、これらの環状骨格を有するジオールの1種を、またはこれらの環状骨格を有するジオールの2種以上を含むことができる。これらの環状骨格を有するジオールの中で、ポリエステル樹脂(B)のガラス転移温度を上昇させて、耐折性をさらに改善し、加熱収縮率をさらに小さくするという観点から、シクロへキサンジメタノール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、イソソルビド及び3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカンが好ましく、シクロへキサンジメタノール及びイソソルビドがより好ましく、イソソルビドがさらに好ましい。なお、イソソルビドは、再生可能資源、例えば糖類及びでんぷんから容易に得ることができ、例えば、D−グルコースを水添し、脱水反応をすればイソソルビドを得ることができる。したがって、環状骨格を有するジオールとして、イソソルビドを用いることにより、二酸化炭素の排出を削減できる。
ジオール成分(b−2)全体に対する環状骨格を有するジオールの割合は、好ましくは25モル%以上である。ジオール成分(b−2)全体に対する環状骨格を有するジオールの割合が25モル%以上であると、ポリエステル樹脂(B)のガラス転移温度を高くして二軸延伸シートの加熱収縮率をさらに小さくすることができ、さらに、厚みムラが小さくし、耐折性を改善することができる。このような観点から、ジオール成分(b−2)全体に対する環状骨格を有するジオールの割合は、より好ましくは40モル%以上であり、さらに好ましくは50モル%以上であり、よりさらに好ましくは55モル%以上である。また、二軸延伸シートの引張伸びをさらに大きくするという観点から、ジオール成分(b−2)全体に対する環状骨格を有するジオールの割合は、好ましくは90モル%以下であり、より好ましくは85モル%以下であり、さらに好ましくは80モル%以下である。
ジオール成分(b−2)全体に対するイソソルビドの割合は、好ましくは5〜45モル%である。ジオール成分(b−2)全体に対するイソソルビドの割合が5モル%以上であると、二酸化炭素の排出を削減できるとともに、ポリエステル樹脂(B)のガラス転移温度を高くして二軸延伸シートの加熱収縮率がさらに小さくすることができる。また、ジオール成分(b−2)全体に対するイソソルビドの割合が45モル%以下であると、二軸延伸シートの引張伸びがさらに大きくなったり、二軸延伸シートの厚みムラがさらに小さくなったりする場合がある。このような観点から、ジオール成分(b−2)全体に対するイソソルビドの割合は、より好ましくは7〜40モル%であり、さらに好ましくは8〜35モル%である。
ジオール成分(b−2)がイソソルビドを含む場合、ジオール成分(b−2)はシクロへキサンジメタノールをさらに含むことが好ましく、1,4−シクロへキサンジメタノールをさらに含むことがより好ましい。これにより、本発明の二軸延伸シートの耐衝撃性がさらに改善される。このような観点から、ジオール成分(b−2)全体に対するシクロへキサンジメタノールの割合は、好ましくは40〜65モル%であり、より好ましくは45〜55モル%である。
(ii)直鎖脂肪族ジオール
直鎖脂肪族ジオールには、例えば、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、ヒドロキノン、ビスフェノール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール等が挙げられる。ジオール成分(b−2)は、これらの直鎖脂肪族ジオールの1種を、またはこれらの直鎖脂肪族ジオールの2種以上を含むことができる。これらの中で、エチレングリコール及びジエチレングリコールが好ましく、エチレングリコールがより好ましい。
二軸延伸シートの引張伸びをさらに大きくする観点から、ジオール成分(b−2)全体に対する直鎖脂肪族ジオールの割合は、好ましくは10モル%以上であり、より好ましくは15モル%以上であり、さらに好ましくは20モル%以上である。また、ポリエステル樹脂(B)のガラス転移温度を高くして二軸延伸シートの加熱収縮率をさらに小さくするという観点から、ジオール成分(b−2)全体に対する直鎖脂肪族ジオールの割合は、好ましくは75モル%以下であり、より好ましくは60モル%以下であり、さらに好ましくは50モル%以下であり、よりさらに好ましくは40モル%以下である。
ジオール成分(b−2)がエチレングリコールを含む場合、二軸延伸シートの引張伸びをさらに大きくする観点から、ジオール成分(b−2)全体に対するエチレングリコールの割合は、好ましくは10モル%以上であり、より好ましくは15モル%以上であり、さらに好ましくは20モル%以上である。また、ポリエステル樹脂(B)のガラス転移温度を高くして二軸延伸シートの加熱収縮率をさらに小さくするという観点から、ジオール成分(b−2)全体に対するエチレングリコールの割合は、好ましくは75モル%以下であり、より好ましくは60モル%以下であり、さらに好ましくは50モル%以下であり、よりさらに好ましくは40モル%以下である。
ジオール成分(b−2)がエチレングリコール以外の直鎖脂肪族ジオールを含む場合、ジオール成分(b−2)全体に対するエチレングリコール以外の直鎖脂肪族ジオールの割合は、好ましくは0.5〜8.0モル%であり、より好ましくは1.0〜5.0モル%であり、さらに好ましくは1.5〜3.5モル%である。
ジオール成分(b−2)全体における環状骨格を有するジオールの割合及び直鎖脂肪族ジオールの割合の合計は、好ましくは80モル%以上であり、より好ましくは90モル%以上であり、さらに好ましくは95モル%以上であり、特に好ましくは100モル%である。
(3)ポリエステル樹脂(B)の含有量
樹脂組成物におけるポリエステル樹脂(B)の含有量は、スチレン系樹脂(A)及びポリエステル樹脂(B)の合計100質量部に対して、1〜25質量部である。ポリエステル樹脂(B)の含有量が1質量部未満であると、二軸延伸シートの伸び及び曲げに対する強度を向上させるというポリエステル樹脂(B)の効果が十分には発現せず、二軸延伸シートの引張伸びが小さくなったり、二軸延伸シートの厚みムラが大きくなったり、二軸延伸シートの耐折性が悪くなったりする場合がある。また、スチレン系樹脂(A)の結晶化が十分に進まず、二軸延伸シートの加熱収縮率が大きくなる場合がある。一方、ポリエステル樹脂(B)の含有量が25質量部より大きいと、スチレン系樹脂(A)の結晶化が進行しすぎてしまい、二軸延伸シートの引張伸びが小さくなったり、厚みムラが大きくなったりする場合がある。このような観点から、樹脂組成物におけるポリエステル樹脂(B)の含有量は、スチレン系樹脂(A)及びポリエステル樹脂(B)の合計100質量部に対して、好ましくは3〜20質量部であり、より好ましくは5〜15質量部である。
(4)ポリエステル樹脂(B)のガラス転移温度
ポリエステル樹脂(B)のガラス転移温度は、好ましくは90〜135℃である。ポリエステル樹脂(B)のガラス転移温度が90℃以上であると、耐折性がさらに改善したり、加熱収縮率がさらに小さくなったりする場合がある。ポリエステル樹脂(B)のガラス転移温度が135℃以下であると、引張伸びがさらに大きくなったり、厚みムラがさらに小さくなったりする場合がある。このような観点から、ポリエステル樹脂(B)のガラス転移温度は、より好ましくは92〜133℃であり、さらに好ましくは95〜130℃である。なお、ガラス転移温度は、JIS K7198Aに従って、動的粘弾性の温度分散測定を用いて歪み0.1%、周波数10Hz、昇温速度3℃/分にて測定される損失正接(tanδ)の主分散のピークで評価される。また、ポリエステル樹脂樹脂(B)のガラス転移温度は、ジオール成分全体に対する環状骨格を有するジオールの割合を調節することにより調整することができる。例えば、ジオール成分全体に対する環状骨格を有するジオールの割合を高くすると、ポリエステル樹脂(B)のガラス転移温度を高くすることができる。
<その他の樹脂成分>
樹脂組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、スチレン系樹脂(A)及びポリエステル樹脂(B)以外の樹脂成分を含んでもよい。樹脂組成物におけるスチレン系樹脂(A)及びポリエステル樹脂(B)以外の樹脂成分の含有量の合計は、全樹脂成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以下であり、より好ましくは5質量部以下である。なお、スチレン系樹脂(A)及びポリエステル樹脂(B)以外の樹脂成分の含有量の合計の範囲の下限値は、特に限定されないが、例えば0質量部である。スチレン系樹脂(A)及びポリエステル樹脂(B)以外の樹脂成分には、例えば、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩素化ポリエチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリメチルペンテン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、環状オレフィン系樹脂、ポリ乳酸系樹脂、ポリブチレンサクシネート系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリエチレンオキサイド系樹脂、セルロース系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアミドビスマレイミド系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリケトン系樹脂、ポリサルフォン系樹脂、アラミド系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。
<添加剤>
樹脂組成物は、シリカ、タルク、カオリン、炭酸カルシウム等の無機粒子、酸化チタン、カーボンブラック等の顔料、難燃剤、耐候性安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、溶融粘度改良剤、架橋剤、滑剤、核剤、可塑剤、老化防止剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、及び、着色剤等の添加剤をさらに含んでもよい。
引張伸びが大きく、厚みムラが小さく、耐折性に優れ、加熱収縮率が小さい二軸延伸シートを得るという観点から、本発明の二軸延伸シートにおける上記樹脂組成物の含有量は、好ましくは90質量%以上であり、より好ましくは95質量%以上であり、さらに好ましくは98質量%以上であり、特に好ましくは100質量%である。
(二軸延伸)
本発明の二軸延伸シートは、好ましくは上記樹脂組成物を二軸延伸してなるものである。樹脂組成物の二軸延伸に伴って、樹脂組成物の分子配向が進行し、上記樹脂組成物から得られるシートの機械的強度を高くすることができる。樹脂組成物の二軸延伸法には、例えば、フラットダイ法、サーキュラダイ法等が挙げられる。また、フラットダイ法には、例えば逐次二軸延伸法、同時二軸延伸法等が挙げられる。サーキュラダイ法には、例えばインフレーション二軸成形法等が挙げられる。これらの二軸延伸法の中で、生産性の観点から、逐次二次延伸法が好ましい。逐次二次延伸法は、例えば、押出工程、原反成形工程、縦延伸工程、横延伸工程、及び巻取り工程を含む。
押出工程では、スチレン系樹脂(A)及びポリエステル樹脂(B)を押出機で均一に溶融した後、溶融された樹脂組成物をダイからキャスティングロール上に押し出して、シート状の樹脂組成物を作製する。原反成形工程では、ダイより押し出されたシート状の樹脂組成物を、冷却ロールに密着させて、均一に冷却固化して原反シートを作製する。縦延伸工程では、原反シートを加熱して、周速の異なるロール間で縦方向に、原反シートを延伸する。縦延伸温度は、例えば120〜130℃である。横延伸工程では、縦方向に延伸した原反シートの横方向両端をテンタークリップで把持して、シートの上面及び下面より熱風を吹き付けながら均一にシートを予熱し、所定のパターンに設定されたクリップ案内レールに沿って、所定の倍率にシートを横延伸し、横延伸したシートを熱処理した後に冷却する。横延伸温度は、例えば120〜130℃である。巻取り工程では、冷却したシートを巻き取る。
シート状の樹脂組成物に縦方向の分子配向を付与して、縦方向の機械的物性を効果的に向上させるという観点から、二軸延伸シートの縦方向の延伸倍率は、好ましくは1.5〜3.5倍であり、より好ましくは1.7〜3.5倍であり、さらに好ましくは2.0〜3.3倍である。また、縦方向に延伸した樹脂組成物のシートに横方向の分子配向をさらに付与して、横方向の機械的物性を効果的に向上させるという観点から、二軸延伸シートの横方向の延伸倍率は、好ましくは1.5〜3.5倍であり、より好ましくは1.7〜3.5倍であり、さらに好ましくは2.0〜3.3倍である。
なお、二軸延伸シートの縦方向及び横方向の延伸倍率は、例えば、二軸延伸シートから以下のようにして測定することができる。二軸延伸シートにおいて縦方向および横方向に100mm長の直線を引く。直線を引いた二軸延伸シートをビカット軟化温度より20℃高い温度のオーブンに、60分間静置し収縮させ、収縮後の上記縦方向の直線の長さL(mm)及び上記横方向の直線の長さL(mm)を測定する。そして、縦方向の延伸倍率(X)および横方向の延伸倍率(X)はそれぞれ、次式によって算出できる。
延伸倍率(X) = 100/L
延伸倍率(X) = 100/L
なお、ビカット軟化温度は、後述の実施例に記載の条件で測定した。
(二軸延伸シートの加熱収縮率)
樹脂組成物がポリエステル樹脂(B)を含むことにより、本発明の二軸延伸シートの加熱収縮率を、例えば、ポリスチレンの二軸延伸シートの加熱収縮率よりも小さくすることができる。また、本発明の二軸延伸シートを120℃の温度で1時間加熱した後の縦方向及び横方向の前記二軸延伸シートの加熱収縮率をそれぞれZ(%)及びZ(%)とし、前記二軸延伸シートの縦方向及び横方向の延伸倍率をそれぞれX及びXとし、縦方向及び横方向において、前記加熱収縮率(Z,Z)及び前記延伸倍率(X,X)が次の式(1)及び式(2)をそれぞれ満たす場合、Y及びYは、それぞれ、好ましくは40〜99%である。Y及びYが、それぞれ、40〜99%であると、熱成形において本発明の二軸延伸シートを容易に伸張賦形することができる。このような観点から、上記Y及びYは、それぞれ、より好ましくは60〜99%であり、さらに好ましくは70〜99%である。なお、二軸延伸シートの加熱収縮率は、後述の実施例に記載の測定方法により測定することができる。
(%)=(1−1/X)×Y (1)
(%)=(1−1/X)×Y (2)
(二軸延伸シートの厚み)
食品包装容器、雑貨等の軽量容器に好適な厚みになるように、本発明の二軸延伸シートを二次成形できるという観点から、本発明に二軸延伸シートの厚みは、好ましくは0.01〜0.7mmであり、より好ましくは0.05〜0.5mmであり、さらに好ましくは0.1〜0.4mmである。
(二軸延伸シートの配向緩和応力)
本発明の二軸延伸シートにおける縦方向及び横方向の配向緩和応力は、それぞれ、好ましくは0.3〜1.2MPaである。配向緩和応力が0.3MPa以上であると、二軸延伸によって、スチレン系樹脂の分子を十分に配向させることができ、二軸延伸シートの耐折性をさらに高くし、二軸延伸シートから作製した成形品を割れにくくすることができる。一方、配向緩和応力が1.2MPa以下であると、二軸延伸シートの加熱収縮をさらに小さくして二軸延伸シートの成形性を改善し、二軸延伸シートの厚みムラをさらに抑制できる。このような観点から、本発明の二軸延伸シートにおける縦方向及び横方向の配向緩和応力は、それぞれ、より好ましくは0.4〜1.0MPaであり、さらに好ましくは0.5〜0.8MPaである。なお、二軸延伸シートの配向緩和応力は、延伸倍率及び延伸温度を調節することにより調整することができる。また、二軸延伸シートの配向緩和応力は、後述の実施例に記載の測定方法により測定することができる。
(二軸延伸シート中のポリエステル樹脂(B)の平均分散粒径)
工業的な実施が容易であるという観点から、本発明の二軸延伸シートに用いる樹脂組成物において、スチレン系樹脂(A)及びポリエステル樹脂(B)は、機械的な混合及び混練操作を加えることによってブレンドされることが好ましい。その結果、本発明の二軸延伸シートは、スチレン系樹脂(A)のマトリックス中にポリエステル樹脂(B)の粒子が分散した相分離構造を有する。この場合、ポリエステル樹脂(B)の平均分散粒径は、好ましくは10〜500nmである。ポリエステル樹脂(B)の平均分散粒径が10nm以上であると、二軸延伸シートの伸び及び曲がりに対する強度を改善するというポリエステル樹脂(B)の効果をより大きく発現させることができる。その結果、二軸延伸シートの引張伸びをさらに大きくし、二軸延伸シートの厚みムラをさらに小さくし、耐折性をさらに改善することができる。ポリエステル樹脂(B)の平均分散粒径が500nm以下であると、スチレン系樹脂(A)及びポリエステル樹脂(B)の間の界面でボイドが発生することを抑制し、耐折性をさらに改善することができる。このような観点から、本発明の延伸二軸シートにおけるポリエステル樹脂(B)の平均分散粒径は、より好ましくは30〜300nmであり、さらに好ましくは50〜200nmである。なお、本発明の延伸二軸シートにおけるポリエステル樹脂(B)の平均分散粒径は、例えば樹脂組成物の混合及び混練に使用する押出機のスクリューの回転数(rpm)、吐出量(kg/時)等の押出条件を調節することにより調整することができる。また、ポリエステル樹脂(B)の平均分散粒径は、後述の実施例に記載の方法で測定することができる。
次に、本発明の成形品を説明する。
[成形品]
本発明の成形品は本発明の二軸延伸シートを二次成形して得られる。上述したように、本発明の二軸延伸シートは、厚みムラが小さく、耐折性に優れ、加熱収縮率が小さい。このような二軸延伸シートから得られる本発明の成形品も厚みムラが小さく、耐折性に優れ、加熱収縮率が小さい。なお、本明細書において、シート成形が一次成形であり、シート成形により得られたシートの熱成形が二次成形である。
本発明の成形品を得るための二次成形(熱成形)には、例えば、真空成形、圧空成形、絞り成形、ツインシートフォーミング、プレス成形等が挙げられる。これらの二次成形(熱成形)の中で、二軸延伸シートを成形型に密着させて二軸延伸シートの加熱収縮をさらに抑制できるという観点から、真空成形及び圧空成形が好ましく、圧空成形がより好ましい。
真空成形では、例えば、二軸延伸シートを輻射で加熱し、軟化した二軸延伸シートもしくは型を移動して、真空吸引のための小孔を多数開けた型の上部に、二軸延伸シートと型との間の空気が漏れないようにして、二軸延伸シートを固定する。そして、真空孔から内部の空気を急速に排除して大気圧により軟化した二軸延伸シートを型面に押し付けて二軸延伸シートを賦形する。賦形された二軸延伸シートは、冷却後、取り出され、賦形された二軸延伸シートから成形品が打ち抜かれる。その後、成形品に仕上げ加工が施されて、成形品は製品となる。なお、成形温度は、例えば120〜130℃であり、型温度は、例えば70〜100℃である。また、二軸延伸シートは、所定寸法に切断したカートシートの形態で断続的に成形機に供給されてもよいし、ロール巻きシートの形態で連続的に成形機に供給されてもよい。
圧空成型では、例えば、多数の通気孔を有する金属製加熱盤を所定温度に加熱した後、二軸延伸シートを熱盤上に送り、通気孔より真空吸引して熱盤に二軸延伸シートを密着して二軸延伸シートを加熱して軟化させる。そして、熱盤通気孔から加圧空気(0.15〜0.5MPa)を吹き出して軟化した二軸延伸シートを熱盤に接して設けた成形型面に押し付けて二軸延伸シートを賦形する。賦形された二軸延伸シートは、冷却後、取り出され、賦形された二軸延伸シートから成形品が打ち抜かれる。その後、成形品に仕上げ加工が施されて、成形品は製品となる。なお、成形温度は、例えば120〜130℃であり、型温度は、例えば70〜100℃である。また、二軸延伸シートは、所定寸法に切断したカートシートの形態で断続的に成形機に供給されてもよいし、ロール巻きシートの形態で連続的に成形機に供給されてもよい。
(成形品の用途)
本発明の成形品は、例えば、食品包装容器、雑貨等の軽量容器として好適に使用することができる。食品包装容器には、例えば、トレー、パック、弁当、惣菜、麺、丼等を入れる容器等が挙げられる。雑貨には、例えば、玩具、文房具等が挙げられる。これらの中で、本発明の特徴を十分に発揮できるため、食品包装容器が好ましい。
以下、本発明について、実施例及び比較例により、詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例の二軸延伸シートに対して以下の評価を行った。
(二軸延伸シートの厚み)
マイクロメータを用いて二軸延伸シートの厚さを無作為に5箇所測定し、その平均値を二軸延伸シートの厚みとした。
(二軸延伸シートの加熱収縮率)
縦方向に平行な長さ10cmの直線と、横方向に平行な長さ10cmの直線とからなる十字線を二軸延伸シートに引いた。そして、120℃のオーブンの中に十字線を引いた二軸延伸シートを配置して、二軸延伸シートを1時間加熱した。十字線を引いた二軸延伸シートをオーブンから取り出し、縦方向に平行な直線の長さ(L)(cm)と横方向に平行な直線の長さ(L)(cm)を測定した。そして、次の式(3)及び式(4)から縦方向及び横方向の加熱収縮率(Z,Z)(%)をそれぞれ算出した。
加熱収縮率(Z)(%) = (1−L/10)×100 (3)
加熱収縮率(Z)(%) = (1−L/10)×100 (4)
(二軸延伸シートの加熱収縮率及び延伸倍率の関係式)
縦方向及び横方向において、加熱収縮率(Z,Z)及び延伸倍率(X,X)が上記式(1)及び式(2)をそれぞれ満たす場合のYの値及びYの値を、次の式(5)及び(6)からそれぞれ算出した。
(%)=Z/(1−1/X) (5)
(%)=Z/(1−1/X) (6)
(二軸延伸シートの配向緩和応力)
縦方向及び横方向の二軸延伸シートの配向緩和応力は、ASTM D1504にしたがって、シートを構成する樹脂組成物のビカット軟化温度より30℃高い温度のシリコーンオイル中でのピーク応力値として、それぞれ測定した。
なお、ビカット軟化温度は、JISK7206に従って、昇温速度50℃/時、試験荷重50Nの条件で測定した。
(ポリエステル樹脂の平均分散粒径)
二軸延伸シート中のポリエステル成分の平均分散粒径は、クライオミクロトームにて観察面がシート平面と平行方向となるよう切削し、導電処理(オスミウムコーティング)後電界放出形走査顕微鏡(日本電子株式会社製 JSM−7400F)を用い加速電圧3kVの条件でポリエステル成分の粒子100個の粒子径を測定し、以下の式により算出した値である。
平均分散粒径=Σni(Di)/Σni(Di)
ここで、niは測定個数、Diは粒子の面積から換算して得られる粒子径、すなわち測定した粒子の面積を0.5乗して得られる値を示す。
(二軸延伸シートの耐折性)
ASTM D2176に従って、二軸延伸シートの縦方向及び横方向の耐折曲げ強さをそれぞれ測定し、最小値を求めた。そして、折曲げ強さが最小値のときの折り曲げ回数を、縦方向及び横方向における二軸延伸シートのそれぞれの耐折性の評価値とした。折り曲げ回数が多いほど、二軸延伸シートの耐折性は優れている。
(二軸延伸シートの引張り伸び)
試験片の長手方向が二軸延伸シートの縦方向と平行になるようにJIS Z1702に従ってダンベル形の試験片を二軸延伸シートから切り出した。そして、株式会社島津製作所製引張試験機AGS−5kNXを使用して、引張試験機のチャック間隔を5mmとし、5±0.2mm/秒の速さで引っ張り、試験片の破断時点での引張り伸びを測定した。この試験を10回行って、引張り伸びの平均値を算出し、その平均値を上記チャック間隔で割り算することで、二軸延伸シートの縦方向の引張り伸びを求めた。同様にして、試験片の長手方向が二軸延伸シートの横方向と平行になるように、JIS Z1702に従ってダンベル形の試験片を用いて、二軸延伸シートの横方向の引張り伸びを求めた。
二軸延伸シートの引張伸びは好ましくは10%以上、より好ましくは15%以上である。引張伸びが10%未満であるとき、成形後の賦形性が低下するため好ましくない。
(二軸延伸シートの厚みムラ)
二軸延伸シートに縦方向および横方向に20mm間隔で直線を5本ずつ格子状に引いた時の交点25点についてマイクロゲージを用いて厚みを測定し、その最大値及び最小値の間の差で評価した。
二軸延伸シートの厚みムラは好ましくは45μm以下、より好ましくは30μm以下である。厚みムラが45μmを超えると、成形品の賦形性及び外観が悪化するため好ましくない。
実施例及び比較例の二軸延伸シートは以下のようにして作製した。
[実施例1]
ポリスチレン(東洋スチレン社製、型番:HRM63)90質量部、ポリエステル樹脂(PEs−1)(SK Chemicals社製、型番:ECOZEN BS100D、ジオール成分:エチレングリコール/1,4−シクロへキサンジメタノール/イソソルビド=37.2/50.3/12.5モル%、ジカルボン酸成分:テレフタル酸=100モル%、非晶質、ガラス転移温度(Tg)=108℃)の各ペレットをハンドブレンドした。ペレット押出機(真空ベント付き二軸同方向押出機TEM35B(東芝機械株式会社製))を用い、押出温度230℃、スクリュー回転数250rpm、ベント脱気圧力−760mmHg、吐出量25kg/時の押出条件にて、ダイプレートを通して、ペレットをストランドとした。その後、水槽にて冷却したのち、ペレタイザーを通してペレット化し、樹脂組成物のペレットを得た。なお、ベント脱気圧力は、常圧に対する差圧値として示した。上記樹脂組成物のペレットを棚式乾燥機にて90℃で5時間乾燥した後、シート押出機(Tダイ幅500mm、リップ開度1.5mm、φ40mmのエキストルーダー(田辺プラスチック機械株式会社製))を用い、押出温度230℃、吐出量20kg/時にて未延伸シートを得た。バッチ式二軸延伸機(株式会社東洋精機製作所製)を用いてこのシートを予熱し、延伸温度128℃、歪み速度0.1/秒で、縦方向2.0倍、横方向2.0倍に延伸し、厚み0.25mmの実施例1の二軸延伸シートを得た。
[実施例2]
ポリスチレンの配合量を90質量部から99質量部に変更した。また、ポリエステル樹脂(PEs−1)の配合量を10質量部から1質量部に変更した。それ以外は、実施例1の二軸延伸シートと同様な方法で、実施例2の二軸延伸シートを作製した。
[実施例3]
ポリスチレンの配合量を90質量部から75質量部に変更した。また、ポリエステル樹脂(PEs−1)の配合量を10質量部から25質量部に変更した。それ以外は、実施例1の二軸延伸シートと同様な方法で、実施例3の二軸延伸シートを作製した。
[実施例4]
ペレット押出機の押出条件において、吐出量を25kg/時から15kg/時に変更した。それ以外は、実施例1の二軸延伸シートと同様な方法で、実施例4の二軸延伸シートを作製した。
[実施例5]
ペレット押出機の押出条件において、スクリュー回転数を250rpmから100rpmに変更した。それ以外は、実施例1の二軸延伸シートと同様な方法で、実施例5の二軸延伸シートを作製した。
[実施例6]
ペレット押出機の押出条件において、吐出量を25kg/時から5kg/時に変更した。それ以外は、実施例1の二軸延伸シートと同様な方法で、実施例6の二軸延伸シートを作製した。
[実施例7]
ペレット押出機の押出条件において、スクリュー回転数を250rpmから80rpmに変更した。それ以外は、実施例1の二軸延伸シートと同様な方法で、実施例7の二軸延伸シートを作製した。
[実施例8]
縦方向の延伸倍率を2.0倍から1.5倍に変更した。それ以外は、実施例1の二軸延伸シートと同様な方法で、実施例8の二軸延伸シートを作製した。
[実施例9]
縦方向の延伸倍率を2.0倍から3.5倍に変更した。それ以外は、実施例1の二軸延伸シートと同様な方法で、実施例9の二軸延伸シートを作製した。
[実施例10]
横方向の延伸倍率を2.0倍から1.5倍に変更した。それ以外は、実施例1の二軸延伸シートと同様な方法で、実施例10の二軸延伸シートを作製した。
[実施例11]
横方向の延伸倍率を2.0倍から3.5倍に変更した。それ以外は、実施例1の二軸延伸シートと同様な方法で、実施例11の二軸延伸シートを作製した。
[実施例12]
ポリエステル樹脂(PEs−1)をポリエステル樹脂(PEs−2)(SK Chemicals社製、型番:ECOZEN BS400D、ジオール成分:エチレングリコール/1,4−シクロへキサンジメタノール/イソソルビド=21.5/46.0/32.5モル%、ジカルボン酸成分:テレフタル酸=100モル%、非晶質、ガラス転移温度(Tg)=130℃)に変更した。それ以外は、実施例1の二軸延伸シートと同様な方法で、実施例12の二軸延伸シートを作製した。
[実施例13]
ポリエステル樹脂(PEs−1)をポリエステル樹脂(PEs−3)(SK Chemicals社製、型番:SKYGREEN J2003、ジオール成分:エチレングリコール/1,4−シクロへキサンジメタノール/ジエチレングリコール=36.4/61.7/1.9モル%、ジカルボン酸成分:テレフタル酸=100モル%、非晶質、ガラス転移温度(Tg)=94℃)に変更した。それ以外は、実施例1の二軸延伸シートと同様な方法で、実施例13の二軸延伸シートを作製した。
[実施例14]
ポリエステル樹脂(PEs−1)をポリエステル樹脂(PEs−4)(三菱ガス化学株式会社製、型番:ALTESTER S3000、ジオール成分:エチレングリコール/3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン=70/30モル%、ジカルボン酸成分:テレフタル酸=100モル%、非晶質、ガラス転移温度(Tg)=100℃)に変更した。それ以外は、実施例1の二軸延伸シートと同様な方法で、実施例14の二軸延伸シートを作製した。
[実施例15]
ポリエステル樹脂(PEs−1)をポリエステル樹脂(PEs−5)(Eastman Chemical Company製、型番:Tritan FX−200、ジオール成分:1,4−シクロへキサンジメタノール/2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール=65/35モル%、ジカルボン酸成分:テレフタル酸=100モル%、非晶質、ガラス転移温度(Tg)=118℃)に変更した。それ以外は、実施例1の二軸延伸シートと同様な方法で、実施例15の二軸延伸シートを作製した。
[実施例16]
ポリエステル樹脂(PEs−1)をポリエステル樹脂(PEs−6)(ジオール成分:エチレングリコール=100モル%、ジカルボン酸成分:テレフタル酸=100モル%、ガラス転移温度(Tg)=85℃)に変更した。それ以外は、実施例1の二軸延伸シートと同様な方法で、実施例16の二軸延伸シートを作製した。
[実施例17]
ポリエステル樹脂(PEs−1)をポリエステル樹脂(PEs−7)(ジオール成分:エチレングリコール/1,4−シクロヘキサンジメタノール/イソソルビド=20/36/44モル%、ジカルボン酸成分:テレフタル酸=100モル%、ガラス転移温度(Tg)=140℃)に変更した。それ以外は、実施例1の二軸延伸シートと同様な方法で、実施例17の二軸延伸シートを作製した。
[比較例1]
ポリスチレンの配合量を90質量部から100質量部に変更した。また、ポリエステル樹脂(PEs−1)は配合しなかった。それ以外は、実施例1の二軸延伸シートと同様な方法で、比較例1の二軸延伸シートを作製した。
[比較例2]
ポリスチレンの配合量を90質量部から70質量部に変更した。また、ポリエステル樹脂(PEs−1)の配合量を10質量部から30質量部に変更した。それ以外は、実施例1の二軸延伸シートと同様な方法で、比較例2の二軸延伸シートを作製した。
評価結果を次の表1〜4に示す。
Figure 2021187954
Figure 2021187954
Figure 2021187954
Figure 2021187954
以上の評価結果から、スチレン系樹脂(A)と、ジカルボン酸成分(b−1)が主成分としてテレフタル酸を含むポリエステル樹脂(B)とを含み、スチレン系樹脂(A)及びポリエステル樹脂(B)の合計100質量部に対して、スチレン系樹脂(A)の含有量が75〜99質量部であり、ポリエステル樹脂(B)の含有量が1〜25質量部である樹脂組成物からなる二軸延伸シートは、引張伸びが大きく、厚みムラが小さく、耐折性に優れ、加熱収縮率が小さいことがわかった。

Claims (10)

  1. スチレン系樹脂(A)と、ジカルボン酸成分(b−1)が主成分としてテレフタル酸を含むポリエステル樹脂(B)とを含み、前記スチレン系樹脂(A)及び前記ポリエステル樹脂(B)の合計100質量部に対して、前記スチレン系樹脂(A)の含有量が75〜99質量部であり、前記ポリエステル樹脂(B)の含有量が1〜25質量部である樹脂組成物からなる二軸延伸シート。
  2. 前記二軸延伸シートを120℃の温度で1時間加熱した後の縦方向及び横方向の前記二軸延伸シートの加熱収縮率をそれぞれZ(%)及びZ(%)とし、前記二軸延伸シートの縦方向及び横方向の延伸倍率をそれぞれX及びXとし、縦方向及び横方向において、前記加熱収縮率(Z,Z)及び前記延伸倍率(X,X)が次の式(1)及び式(2)をそれぞれ満たす場合、Y及びYがそれぞれ40〜99%である請求項1に記載の二軸延伸シート。
    (%)=(1−1/X)×Y (1)
    (%)=(1−1/X)×Y (2)
  3. 前記ポリエステル樹脂(B)のジオール成分(b−2)が環状骨格を有するジオールを含む請求項1又は2に記載の二軸延伸シート。
  4. 前記環状骨格を有するジオールがイソソルビドである請求項3に記載の二軸延伸シート。
  5. 前記ポリエステル樹脂(B)のガラス転移温度が90〜135℃である請求項1〜4のいずれか1項に記載の二軸延伸シート。
  6. 前記ポリエステル樹脂(B)の平均分散粒径が10〜500nmである請求項1〜5のいずれか1項に記載の二軸延伸シート。
  7. 前記スチレン系樹脂(A)がポリスチレンである請求項1〜6のいずれか1項に記載の二軸延伸シート。
  8. 厚みが0.01〜0.7mmであり、
    縦方向及び横方向の延伸倍率がそれぞれ1.5〜3.5倍である請求項1〜7のいずれか1項に記載の二軸延伸シート。
  9. 縦方向と横方向の配向緩和応力がそれぞれ0.3〜1.2MPaである請求項1〜8のいずれか1項に記載の二軸延伸シート。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の二軸延伸シートを二次成形して得られる成形品。

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