JP2021183435A - ハイブリッド車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】外部電源からの電力を用いて蓄電装置を充電可能なハイブリッド車両において、適正にエンジンが運転される機会を確保するハイブリッド車両を提供する。【解決手段】第1モードにおいて、潤滑油への燃料の混入量またはフィルタへの粒子状物質の堆積量が所定量以上のときには、モータ走行を禁止してハイブリッド走行で走行するようにエンジンとモータとを制御する。これにより、外部電源からの電力を用いて蓄電装置を充電可能なハイブリッド車両において、適正にエンジンが運転される機会を確保することができる。【選択図】図5

Description

本発明は、ハイブリッド車両に関し、詳しくは、エンジンと、モータと、蓄電装置と、充電器と、を備えるハイブリッド車両に関する。
従来、この種のハイブリッド車両としては、エンジン(内燃機関)と、モータと、蓄電装置(バッテリ)と、充電器(受電プラグ)と、を備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。エンジンは、燃料の燃焼により動力を出力する。蓄電装置は、モータと電力をやりとりする。充電器は、外部電源からの電力を用いて蓄電装置を充電する。このハイブリッド車両では、蓄電装置の蓄電割合が減少するようにエンジンからの動力とモータからの動力とを用いて走行するハイブリッド走行と前記エンジンを停止した状態で前記モータからの動力で走行するモータ走行とのうちモータ走行を優先させる第1モードと、蓄電割合を所定範囲で維持するようにハイブリッド走行とモータ走行とを切り替えて走行する第2モードと、により走行するようエンジンとモータとを制御している。
特開2019−156176号公報
上述のハイブリッド車両として、排気系に粒子状物質を除去するフィルタを備えるエンジンを搭載したものが普及している。こうしたハイブリッド車両では、モータ走行での走行距離が長くなると、トリップ(システムを起動してから停止するまでの期間)の終了間際にエンジンが始動され、すぐにシステムが停止されることがある。こうしたトリップの終了間際にエンジンが始動されると、未燃焼の燃料が燃焼室に残存して、エンジンを潤滑する潤滑油に混入したり、未燃焼の燃料がフィルタに達して比較的多くの粒子状物質がフィルタに堆積し、こうした状態でシステムが停止されてしまう。システムが停止されると、外部電源からの電力を用いて蓄電装置が充電され、蓄電装置の蓄電割合が高い状態で次のシステム起動が行なわれることが多い。システム起動時に蓄電割合を高いと、システム起動してからモータ走行の機会が多くなり、エンジンが始動される機会が少なくなる。エンジンが始動される機会が少なくなると、未燃焼の燃料が潤滑油に混入したり燃料フィルタに比較的多くの粒子状物質が堆積した状態を解消し難くなってしまう。こうしたことから、外部電源からの電力を用いて蓄電装置を充電可能なハイブリッド車両においては、未燃焼の燃料が潤滑油に混入したりフィルタに粒子状物質が多く堆積した状態を解消するために、適正にエンジンが運転される機会を確保することが重要な課題として認識されている。
本発明は、外部電源からの電力を用いて蓄電装置を充電可能なハイブリッド車両において、適正にエンジンが運転される機会を確保することを主目的とする。
本発明のハイブリッド車両は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のハイブリッド車両は、
排気系に粒子状物質を除去するフィルタを有し、燃料の燃焼により動力を出力し、潤滑油により潤滑されるエンジンと、
モータと、
前記モータと電力をやりとりする蓄電装置と、
外部電源からの電力を用いて前記蓄電装置を充電する充電器と、
前記蓄電装置の蓄電割合が減少するように前記エンジンからの動力と前記モータからの動力とを用いて走行するハイブリッド走行と前記エンジンを停止した状態で前記モータからの動力で走行するモータ走行とのうち前記モータ走行を優先させる第1モードと、前記蓄電割合を所定範囲で維持するように前記ハイブリッド走行と前記モータ走行とを切り替えて走行する第2モードと、を含む複数のモードを切り替えて走行するように前記エンジンと前記モータとを制御する制御装置と、
を備えるハイブリッド車両であって、
前記制御装置は、前記第1モードにおいて、前記潤滑油への前記燃料の混入量または前記フィルタへの前記粒子状物質の堆積量が所定量以上のときには、前記モータ走行を禁止して前記ハイブリッド走行で走行するように前記エンジンと前記モータとを制御する
ことを要旨とする。
この本発明のハイブリッド車両では、蓄電装置の蓄電割合が減少するようにエンジンからの動力とモータからの動力とを用いて走行するハイブリッド走行とエンジンを停止した状態でモータからの動力で走行するモータ走行とのうちモータ走行を優先させる第1モードと、蓄電割合を所定範囲で維持するようにハイブリッド走行とモータ走行とを切り替えて走行する第2モードとを含む複数のモードを切り替えて走行するようにエンジンとモータとを制御する。そして、第1モードにおいて、潤滑油への燃料の混入量またはフィルタへの粒子状物質の堆積量が所定量以上のときには、モータ走行を禁止してハイブリッド走行で走行するようにエンジンとモータとを制御する。所定量は、エンジンを早期に始動するか否かを判定するための閾値である。こうして潤滑油への燃料の混入量またはフィルタへの粒子状物質の堆積量が所定量以上のときにはハイブリッド走行の機会を増やすことにより、適正にエンジンが運転される機会を確保できる。
こうした本発明のハイブリッド車両において、前記制御装置は、システムを起動したときに前記蓄電割合が第1割合より大きいときには、前記蓄電割合が前記第1割合より低い第2割合以下に至るまで前記第1モードで走行し、前記蓄電割合が前記第2割合以下に至ったとき以降は、前記第2モードで走行するように、前記エンジンと前記モータとを制御してもよい。こうすれば、潤滑油への燃料の混入量またはフィルタへの粒子状物質の堆積量が所定量以上のときには、システムを起動した後早期にエンジンが運転される機会を確保することができる。
また、本発明のハイブリッド車両において、第1モータと、前記第1モータと前記エンジンと車軸に連結された駆動軸とに3つの回転要素が接続されたプラネタリギヤと、前記駆動軸に接続された前記モータとしての第2モータと、を備え、前記蓄電装置は、前記第1、第2モータと電力をやりとりし、前記制御装置は、前記第1モードで前記混入量または前記堆積量が前記所定量以上のときの前記ハイブリッド走行において、前記モータ走行を禁止して、前記エンジンを下限回転数以上の回転数で運転しながら車両に要求される要求パワーで走行するように前記エンジンと前記第1、第2モータとを制御してもよい。エンジンを下限回転数以上の回転数で運転するから、エンジンから出力されるパワーをより大きくすることができ、潤滑油への燃料の混入やフィルタへの粒子状物質の堆積をより早期に解消することができる。
この場合において、前記第1モードで前記混入量または前記堆積量が前記所定量以上のときの前記ハイブリッド走行において、前記蓄電装置を充電する充電パワーが前記蓄電装置に許容される充電パワーの最大値である入力制限を超えるときには、前記モータ走行を許可してもよい。こうすれば、蓄電装置が入力制限を超えるパワーで充電されることを抑制できる。
本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 エンジン22の構成の概略を示す構成図である。 エンジンECU24により実行されるPM堆積量演算処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。 エンジンECU24により実行される燃料混入量演算処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。 HVECU70により実行されるシステム起動後制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 システムの起動状態と、モード(CD、CSモード)と、PM堆積量Mpmと、CDモードでのエンジン22への始動要求と、エンジン22の回転数Neとの時間変化の一例を示すタイミングチャートである。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。図2は、エンジン22の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、プラネタリギヤ30と、モータMG1,MG2と、インバータ41,42と、バッテリ50と、充電器60と、ハイブリッド用電子制御ユニット(以下、「HVECU」という)70と、を備える。
エンジン22は、例えばガソリンや軽油などの炭化水素系の燃料を用いて吸気,圧縮,膨張(爆発燃焼),排気の各行程により動力を出力する多気筒の内燃機関として構成されている。エンジン22は、エアクリーナ122により清浄された空気をスロットルバルブ124を介して吸気管125に吸入すると共に燃料噴射弁126から燃料を噴射して空気と燃料とを混合する。そして、この混合気を吸気バルブ128aを介して燃焼室129に吸入し、点火プラグ130による電気火花によって爆発燃焼させて、そのエネルギにより押し下げられるピストン132の往復運動をクランクシャフト26の回転運動に変換する。燃焼室129から排気バルブ128bを介して排気管133に排出される排気は、一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC),窒素酸化物(NOx)の有害成分を浄化する浄化触媒(三元触媒)134aを有する排気浄化装置134とガソリンパティキュレートフィルタ(以下、「GPF」という)25とが取り付けられている。GPF25は、セラミックスやステンレスなどにより多孔質フィルタとして形成されており、煤などの粒子状物質(PM:Particulate Matter)を捕捉する。エンジン22は、エンジンECU24によって運転制御されている。
エンジンECU24は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROM,データを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。
エンジンECU24には、エンジン22を運転制御するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。エンジンECU24に入力される信号としては、例えば、クランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサ140からのクランク角θcrや、エンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサ142からの冷却水温Twを挙げることができる。また、吸気バルブ128aを開閉するインテークカムシャフトの回転位置や排気バルブ128bを開閉するエキゾーストカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサ144a,144bからのカム角θca,θcbも挙げることができる。更に、スロットルバルブ124のポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサ146からのスロットル開度THや、吸気管125に取り付けられたエアフローメータ148からの吸入空気量Qa,吸気管125に取り付けられた温度センサ149からの吸気温Taも挙げることができる。排気管133の排気浄化装置134の上流側に取り付けられた空燃比センサ135aからの空燃比AFや、排気管133の排気浄化装置134の下流側に取り付けられた酸素センサ135bからの酸素信号O2,三元触媒134aの温度を検出する温度センサ135cからの触媒温度Tscなども挙げることができる。更に、GPF25の温度を検出する温度センサ25cからのGPF温度Tgpfも挙げることができる。また、オイルパン150に貯留されたエンジン22を潤滑するためのエンジンオイルの温度を検出する温度センサ150aからのオイル温度Toilも挙げることができる。
エンジンECU24からは、エンジン22を運転制御するための各種制御信号が出力ポートを介して出力されている。エンジンECU24から出力される信号としては、例えば、スロットルバルブ124のポジションを調節するスロットルモータ136への駆動制御信号や、燃料噴射弁126への駆動制御信号,イグナイタと一体化されたイグニッションコイル138への駆動制御信号なども挙げることができる。
エンジンECU24は、クランク角θcrに基づいて、クランクシャフト26の回転数、即ち、エンジン22の回転数Neを演算している。また、エンジンECU24は、エアフローメータ148からの吸入空気量Qaとエンジン22の回転数Neとに基づいて、体積効率(エンジン22の1サイクルあたりの行程容積に対する1サイクルで実際に吸入される空気の容積の比)KLも演算している。更に、エンジンECU24は、エンジン22が始動されてから運転を停止するまでの期間に吸入空気量Qaを積算した積算吸入空気量ΣQaや、エンジン22が始動されてから経過した時間としての始動後経過時間tstを演算している。積算吸入空気量ΣQa、始動後経過時間tstは、エンジン22の運転を停止したときに値0にリセットされる。
エンジンECU24は、図3に例示するPM堆積量演算処理ルーチンを実行して、GPF25に捕捉された粒子状物質の推定される堆積量としてのPM堆積量Mpmを演算する。PM堆積量演算処理ルーチンは、所定時間(例えば、数msecなど)毎に繰り返して実行される。
PM堆積量演算処理ルーチンが実行されると、エンジンECU24は、冷却水温Tw、GPF温度Tgpf、エンジン22の回転数Neや吸入空気量Qa、積算吸入空気量ΣQaなど必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。冷却水温Twは、水温センサ142により検出されたものを入力している。GPF温度Tgpfは、温度センサ25cにより検出されたものを入力している。吸入空気量Qaは、エアフローメータ148により検出されたものを入力している。エンジン22の回転数Neは、クランク角θcrに基づいて演算したものを入力している。積算吸入空気量ΣQaは、エンジン22が始動されてから運転を停止するまでの期間に吸入空気量Qaを積算して得られたものを入力している。
こうして必要なデータを入力すると、エンジン22の燃料噴射が行なわれているか否かを判定する(ステップS110)。エンジン22の燃料噴射が行なわれているときには、燃焼室129からGPF25へ向けて粒子状物質が排出されていると判断して、燃焼室129からGPF25へ排出された粒子状物質の排出量(PM排出量)Mpmexを設定する(ステップS120)。
PM排出量Mpmexは、エンジン22の回転数とエンジン22の吸入空気量とエンジン22の冷却水温と積算吸入空気量とPM排出量との関係を予め実験や解析などにより求めて排出量設定用マップとしてROMに記憶しておき、エンジン22の回転数Neと吸入空気量Qaと冷却水温Twと積算吸入空気量ΣQaとを排出量設定用マップに与えて対応するPM排出量として導出された値(=f1(Ne、Qa、Tw、ΣQa))に係数kexを乗じた値として設定する。排出量設定用マップでは、PM排出量は、エンジン22の回転数が高いときには低いときに比して大きくなり、吸入空気量が大きいときには小さいときに比して大きくなり、冷却水温が低いときには高いときに比して大きくなり、積算吸入空気量が小さいときには大きいときに比して大きくなるように設定される。係数kexは、吸入空気量Qaが小さいときには大きいときに比して大きくなるように設定される。これは、エンジン22の回転数が高いときには低いときに比して単位時間あたりに燃焼室129から排出される粒子状物質の量が大きくなり、エンジン22の吸入空気量が大きいときには小さいときに比してGPF25に流入する粒子状物質の量が多くなり、冷却水温が低いときには高いときに比してまた積算吸入空気量が小さいときには大きいときに比してエンジン22の暖機が十分ではなく燃焼室129から排出される粒子状物質の量が多くなり、吸入空気量が小さいときには大きいときに比して燃焼室129から排出される粒子状物質の量が多くなることに基づく。
PM排出量Mpmexを設定すると、前回PM堆積量演算処理ルーチンを実行したときに設定したPM堆積量Mpm(前回Mpm)に設定したPM排出量Mpmexを加えた値(=前回Mpm+Mpmex)をPM堆積量Mpmに設定して(ステップS130)、PM堆積量演算処理ルーチンを終了する。
ステップS110でエンジン22の燃料噴射が行なわれていないとき(例えば、後述するアクセルペダル83がオフされて燃料供給が停止しているとき)には、GPF25で粒子状物質が燃焼していると判断して、GPF25での粒子状物質の燃焼量(PM燃焼量)Mpmcを設定する(ステップS140)。
PM燃焼量Mpmcは、前回本ルーチンを実行したときのPM堆積量とGPF25の温度とエンジン22の吸入空気量とPM燃焼量との関係を予め実験や解析などにより求めて燃焼量設定用マップとしてROMに記憶しておき、前記MpmとGPF温度Tgpfと吸入空気量Qaとを燃焼量設定用マップに与えて対応するPM燃焼量として導出された値(=f2(前回Mpm、Tgpf、Qa))に係数kcを乗じた値として設定される。燃焼量設定用マップでは、PM燃焼量は、前回本ルーチンを実行したときのPM堆積量が大きいときには小さいときに比して大きくなり、GPF25の温度が高いときに低いときに比して大きくなり、エンジン22の吸入空気量が大きいときには小さいときに比して大きくなるように設定される。係数kcは、吸入空気量Qaが大きいときに小さいときに比して大きくなるように設定される。これは、前回本ルーチンを実行したときのPM堆積量が大きいときには小さいときに比して、また、GPF25の温度が高いときに低いときに比して、吸入空気量が大きいときには小さいときに比して、GPF25で燃焼する粒子状物質の量が多くなることに基づく。
PM燃焼量Mpmcを設定すると、前回Mpmから設定したPM燃焼量Mpmcを減じた値(=前回Mpm−Mpmc)をPM堆積量Mpmに設定して(ステップS150)、PM堆積量演算処理ルーチンを終了する。こうして、エンジンECU24は、PM堆積量Mpmを演算する。
エンジンECU24は、図4に例示する燃料混入量演算処理ルーチンを実行することにより、エンジンオイルに混入している燃料の推定される混入量としての燃料混入量Vfcを演算する。燃料混入量演算処理ルーチンは、所定時間(例えば、数msecなど)毎に繰り返して実行される。
燃料混入量演算処理ルーチンが実行されると、エンジンECU24は、冷却水温Tw、オイル温度Toil、積算吸入空気量ΣQaや始動後経過時間tstなど必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS200)。冷却水温Twは、水温センサ142により検出されたものを入力している。GPF温度Tgpfは、温度センサ25cにより検出されたものを入力している。積算吸入空気量ΣQaは、エンジン22が始動されてから運転を停止するまでの期間に吸入空気量Qaを積算して得られたものを入力している。始動後経過時間tstは、エンジン22が始動されてからの経過時間として計測したものを入力している。
こうして必要なデータを入力すると、積算吸入空気量ΣQaが閾値Sth以上であるか否か(ステップS210)とエンジン22の運転が停止しているか否かを判定する(ステップS220)。閾値Sthは、エンジン22を始動してから一定期間が経過しているか否かを判定するための閾値である。積算吸入空気量ΣQaが閾値Sth以上であるときや、積算吸入空気量ΣQaが閾値Sth未満であってもエンジン22の運転が停止しているときには、燃料のエンジンオイルへの混入量が増加していると判断して、エンジンオイルに混入している燃料の増加量としての加算量Vfcaddを設定する(ステップS250)。
加算量Vfcaddは、エンジン22を始動してからの積算吸入空気量とエンジン22を始動してからの経過時間とエンジンオイルへ混入している燃料の増加量としての加算量との関係を予め実験や解析などにより求めて加算量設定用マップとしてROMに記憶しておき、積算吸入空気量ΣQaと始動後経過時間tstを加算量設定用マップに与えて対応する加算量として導出された値(=f3(ΣQa、tst))に係数kaddを乗じた値として設定される。加算量設定用マップでは、加算量は、積算吸入空気量が小さいときには大きいときに比して大きくなり、経過時間が短いときには長いときに比して大きくなるように設定される。係数kaddは、冷却水温Twが低いときには高いときに比して大きくなるように設定される。これは、積算吸入空気量が小さいときには大きいときに比して、また、経過時間が短いときには長いときに比して、更に、冷却水温Twが低いときには高いときに比して、エンジン22の温度が低く、燃焼室129に残留する燃料量が多くなり、エンジンオイルに混入する燃料が増加することに基づく。
加算量Vfcaddを設定すると、前回燃料混入量演算処理ルーチンを実行したときに設定した燃料混入量Vfc(前回Vfc)に設定した加算量Vfcaddを加えた値(=前回Vfc+Vfcadd)を燃料混入量Vfcに設定して(ステップS260)、燃料混入量演算処理ルーチンを終了する。
ステップS210、S220で積算吸入空気量ΣQaが閾値Sth未満であってもエンジン22が運転しているときには、始動後経過時間tstが閾値tref以上であるか否か(ステップS230)と冷却水温Twが閾値Twref以上であるか否か(ステップS240)とを判定する。閾値tref、Twrefは、エンジン22の暖機が完了していてエンジンオイルに混入している燃料が揮発して減少する状態であるか否かを判定するための閾値である。始動後経過時間tstが閾値tref未満であるときや冷却水温Twが閾値Twref未満であるときには、エンジン22の暖機が完了しておらずエンジンオイルに混入している燃料が減少しないと判断して、燃料混入量演算処理ルーチンを終了する。このとき、燃料混入量Vfcは、前回Vfcで維持されることになる。
ステップS230、S240で始動後経過時間tstが閾値tref以上であって冷却水温Twが閾値Twref以上であるときには、エンジン22の暖機が完了していてエンジンオイルに混入している燃料が減少すると判断して、エンジンオイルへ混入している燃料の減少量としての減算量Vfcsbを設定する(ステップS270)。
減算量Vfcsbは、前回燃料混入量演算処理ルーチンを実行したときに設定した燃料混入量とエンジンオイルの温度とエンジンオイルへ混入している燃料の減少量としての減算量との関係を予め実験や解析などにより求めて減算量設定用マップとしてROMに記憶しておき、前回Vfcとオイル温度Toilを減算量設定用マップに与えて対応する減算量として導出された値(=f4(前回Vfc、Toil))として設定される。減算量設定用マップでは、減算量は、前回燃料混入量演算処理ルーチンを実行したときに設定した燃料混入量が大きいときは小さいときに比して大きくなり、オイル温度が高いときには低いときに比して大きくなるように設定される。これは、前回燃料混入量演算処理ルーチンを実行したときに設定した燃料混入量が大きいときは小さいときに比して、また、オイル温度が高いときには低いときに比してエンジンオイルに混入している燃料の揮発量が大きくなることに基づく。
減算量Vfcsbを設定すると、前回Vfcから設定した減算量Vfcsbを減じた値(=前回Vfc−Vfcsb)を燃料混入量Vfcに設定して(ステップS280)、燃料混入量演算処理ルーチンを終了する。こうして、エンジンECU24は、燃料混入量Vfcを演算する。
プラネタリギヤ30は、シングルピニオン式の遊星歯車機構として構成されている。プラネタリギヤ30のサンギヤには、モータMG1の回転子が接続されている。プラネタリギヤ30のリングギヤには、駆動輪38a,38bにデファレンシャルギヤ37を介して連結された駆動軸36が接続されている。プラネタリギヤ30のキャリヤには、ダンパ28を介してエンジン22のクランクシャフト26が接続されている。
モータMG1は、例えば同期発電電動機として構成されており、上述したように、回転子がプラネタリギヤ30のサンギヤに接続されている。モータMG2は、例えば同期発電電動機として構成されており、回転子が駆動軸36に接続されている。インバータ41,42は、電力ライン54を介してバッテリ50と接続されている。モータMG1,MG2は、モータ用電子制御ユニット(以下、「モータECU」という)40によって、インバータ41,42の図示しない複数のスイッチング素子がスイッチング制御されることにより、回転駆動される。
モータECU40は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。モータECU40に入力される信号としては、モータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの回転位置θm1,θm2や、モータMG1,MG2の各相に流れる電流を検出する電流センサからの相電流などを挙げることができる。モータECU40からは、インバータ41,42の図示しない複数のスイッチング素子へのスイッチング制御信号などが出力ポートを介して出力されている。モータECU40は、HVECU70と通信ポートを介して接続されており、HVECU70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の駆動状態に関するデータをHVECU70に出力する。モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からのモータMG1,MG2の回転子の回転位置θm1,θm2に基づいてモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2を演算している。
バッテリ50は、例えばリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池として構成されている。このバッテリ50は、上述したように、電力ライン54を介してインバータ41,42と接続されている。バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、「バッテリECU」という)52によって管理されている。
バッテリECU52は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。バッテリECU52に入力される信号としては、バッテリ50の端子間に設置された電圧センサ51aからの電池電圧Vbや、バッテリ50の出力端子に取り付けられた電流センサ51bからの電池電流Ib、バッテリ50に取り付けられた温度センサ51cからの電池温度Tbなどを挙げることができる。バッテリECU52は、HVECU70と通信ポートを介して接続されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータをHVECU70に出力する。バッテリECU52は、電流センサ51bからの電池電流Ibの積算値に基づいて蓄電割合SOCを演算している。蓄電割合SOCは、バッテリ50の全容量に対するバッテリ50から放電可能な電力の容量の割合である。また、バッテリECU52は、演算した蓄電割合SOCと、温度センサ51cからの電池温度Tbと、に基づいて入力制限Winを演算している。入力制限Winは、バッテリ50を充放電してもよい最大許容電力である。
充電器60は、電力ライン54に接続されており、電源プラグ61が家庭用電源などの外部電源69に接続されているときに、外部電源69からの電力を用いてバッテリ50を充電することができるように構成されている。この充電器60は、AC/DCコンバータと、DC/DCコンバータと、を備える。AC/DCコンバータは、電源プラグ61を介して供給される外部電源69からの交流電力を直流電力に変換する。DC/DCコンバータは、AC/DCコンバータからの直流電力の電圧を変換してバッテリ50側に供給する。この充電器60は、電源プラグ61が外部電源69に接続されているときに、HVECU70によって、AC/DCコンバータとDC/DCコンバータとが制御されることにより、外部電源69からの電力をバッテリ50に供給する。
HVECU70は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,フラッシュメモリ72、入出力ポート,通信ポートを備える。HVECU70には、各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。HVECU70に入力される信号としては、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号や、シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP、アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc、ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBPなどを挙げることができる。また、車速センサ88からの車速Vなども挙げることができる。また、電源プラグ61に取り付けられて電源プラグ61が外部電源69に接続されているか否かを判定する接続スイッチ62からの接続信号SWCなども挙げることができる。HVECU70からは、充電器60への制御信号などが出力ポートを介して出力されている。HVECU70は、上述したように、エンジンECU24,モータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24,モータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20では、自宅や充電ステーションなどの充電ポイントでシステムオフ(システム停止)して停車しているときに、電源プラグ61が外部電源69に接続されると、外部電源69からの電力を用いてバッテリ50が充電されるように充電器60を制御する。そして、バッテリ50の充電後にシステムオン(システム起動)したときには、バッテリ50の蓄電割合SOCが閾値Shv以下に至るまでは、CD(Charge Depleting)モード(第1モード)で走行し、バッテリ50の蓄電割合SOCが閾値Shv以下に至った以降は、システムオフするまでCS(Charge Sustaining)モード(第2モード)で走行する。
ここで、CDモードは、バッテリ50の蓄電割合SOCを低下させるモードであり、CSモードは、バッテリ50の蓄電割合SOCを制御中心SOC*(例えば、閾値Shv)を含む管理範囲内で維持するモードである。なお、実施例では、CDモードのときには、エンジン22の回転停止を伴って走行する電動(モータ)走行(EV走行)をエンジン22の回転(運転)を伴って走行するハイブリッド走行(HV走行)に比して優先してバッテリ50の蓄電割合SOCを低下させる。また、CSモードのときには、EV走行とHV走行とを必要に応じて切り替えてバッテリ50の蓄電割合SOCを管理範囲内で維持する。
HV走行では、HVECU70は、基本的には、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて走行に要求される(駆動軸36に要求される)走行用トルクTd*を設定し、設定した走行用トルクTd*に駆動軸36の回転数Nd(モータMG2の回転数Nm2)を乗じて走行に要求される走行用パワーPd*を演算する。続いて、バッテリ50の蓄電割合SOCから制御中心SOC*を減じた値(SOC−SOC*)が値0付近になるようにバッテリ50の充放電要求パワーPb*(バッテリ50から放電するときが正の値)を設定し、走行用パワーPd*からバッテリ50の充放電要求パワーPb*を減じて車両に要求される(エンジン22に要求される)要求パワーPe*を設定する。そして、要求パワーPe*がエンジン22から出力されると共に走行用トルクTd*が駆動軸36に出力されるように、エンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定する。そして、エンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*をエンジンECU24に送信すると共に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信する。エンジンECU24は、エンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*を受信すると、エンジン22が目標回転数Ne*および目標トルクTe*に基づいて運転されるようにエンジン22の運転制御(具体的には、吸入空気量制御や燃料噴射制御、点火制御など)を行なう。モータECU40は、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を受信すると、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようにモータMG1,MG2の駆動制御(具体的には、インバータ41,42の複数のスイッチング素子のスイッチング制御)を行なう。
EV走行では、HVECU70は、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて走行用トルクTd*を設定し、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定すると共に走行用トルクTd*が駆動軸36に出力されるようにモータMG2のトルク指令Tm2*を設定し、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信する。モータECU40によるモータMG1,MG2の駆動制御については上述した。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に、システムを起動したときの動作について説明する。図5は、HVECU70により実行されるシステム起動後制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。システム起動後制御ルーチンは、システムが起動された後、所定時間(例えば、数msec)毎に繰り返して実行される。
システム起動後制御ルーチンが実行されると、HVECU70は、PM堆積量Mpmや燃料混入量Vfc、モータMG1、MG2の回転数Nm1、Nm2やなどのデータを入力する処理を実行する(ステップS300)。PM堆積量Mpmや燃料混入量Vfcは、エンジンECU24で演算されたものを通信により入力している。モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、モータECU40により演算されたものを通信により入力している。
こうしてデータを入力すると、CDモードであるか否かを判定する(ステップS310)。CDモードでないときには、モータ走行を許可して(ステップS390)、システム起動後制御ルーチンを終了する。この場合、CSモードであることから、EV走行とHV走行とを必要に応じて切り替えてバッテリ50の蓄電割合SOCを管理範囲内で維持しながら走行する。
ステップS310でCDモードであるときには、PM堆積量Mpmが閾値Mth以上であるか否か(ステップS320)と、燃料混入量Vfcが閾値Vfcth以上であるか否か(ステップS330)と、を判定する。閾値Mthは、エンジン22を早期に始動してエンジン22を暖機してGPF25を粒子状物質の燃焼を促進する温度まで上昇させたほうがよいか否かを判定するための閾値であり、例えば、1.5g、1.8g、2.1gなどに設定される。閾値Vfcthは、エンジン22を早期に始動してエンジン22を暖機してエンジンオイルを燃料の揮発を促進させる温度まで上昇させたほうがよいか否かを判定するための閾値であり、例えば、4.5×10-43、5.0×10-43、5.5×10-43などに設定される。
ステップS320でPM堆積量Mpmが閾値Mth未満であって、ステップS330で燃料混入量Vfcが閾値Vfcth未満であるときには、エンジン22を早期に始動する必要はないと判断して、EV走行を許可して(ステップS390)、システム起動後制御ルーチンを終了する。今、CDモードであるときを考えているから、EV走行を許可した場合には、上述のCDモードでの走行、即ち、エンジン22の回転停止を伴って走行する電動(モータ)走行(EV走行)をエンジン22の回転(運転)を伴って走行するハイブリッド走行(HV走行)に比して優先してバッテリ50の蓄電割合SOCを低下させるよう走行する。
ステップS320でPM堆積量Mpmが閾値Mth以上であるときや、ステップS320でPM堆積量Mpmが閾値Mth未満であってもステップS330で燃料混入量Vfcが閾値Vfcth以上であるときには、エンジン22を始動して運転を開始した後にバッテリ50を充放電する充放電電力Pchgが入力制限Win(負の値)以上となるか否かを判定する(ステップS340〜S380)。
ステップS340では、上述の要求パワーPe*がエンジン22から出力されるようにエンジン22の仮回転数Ntmpと目標トルクTe*とを設定し、仮回転数Ntmpと下限回転数Nmin(例えば、1200rpm、1300rpm、1400rpmなど)とのうち大きいほうの回転数をエンジン22の目標回転数Ne*に設定する。下限回転数Nminは、エンジン22をトルクを出力しながら運転可能な回転数の下限値として予め実験や解析などで定めた回転数であって、エンジン22を自立運転する際のアイドル回転数より若干高い回転数に設定される。このようにエンジン22の回転数Neを下限回転数Nminで下限ガードすることにより、エンジン22から出力されるパワーをある程度大きくすることができる。
次に、エンジン22の目標回転数Ne*とモータMG2の回転数Nm2とプラネタリギヤ30のギヤ比ρとを用いて次式(1)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を設定すると共に設定した目標回転数Nm1*と入力したモータMG1の回転数Nm1とに基づいて式(2)によりモータMG1のトルク指令Tm1*を設定する(ステップS350)。ここで、式(1)は、プラネタリギヤ30の回転要素に対する力学的な関係式である。式(1)は、エンジン22からパワーを出力している状態で走行しているときのプラネタリギヤ30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図を用いれば容易に導くことができる。式(2)は、モータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御における関係式であり、式(2)中、右辺第2項の「k1」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「k2」は積分項のゲインである。
Nm1*=Ne*・(1+ρ)/ρ-Nm2/(ρ) (1)
Tm1*=-ρ・Te*/(1+ρ)+k1(Nm1*-Nm1)+k2∫(Nm1*-Nm1)dt (2)
そして、要求トルクTr*に設定したトルク指令Tm1*をプラネタリギヤ30のギヤ比ρで除したものを加えてモータMG2のトルク指令Tm2*を次式(3)により演算する(ステップS360)。ここで、式(3)は、式(1)の導出で用いた共線図から容易に導くことができる。
Tm2*=Tr*+Tm1*/ρ (3)
次に、トルク指令Tm1*にモータMG1の回転数Nm1を乗じた値とトルク指令Tm2*にモータMG2の回転数Nm2を乗じた値との和をバッテリ50を充放電する充放電電力Pchg(バッテリ50を充電するときが負の値)を次式(4)により演算する(ステップS370)。
Pch=Tm1*・Nm1+Tm2*・Nm2 (4)
充放電電力Pchgを演算すると、充放電電力Pchgが入力制限Win以上であるか否かを判定する(ステップS380)。充放電電力Pchgが入力制限Win以上であるときには、ステップS340で設定した目標回転数Ne*、目標トルクTe*でエンジン22を運転してもバッテリ50を充電する電力が入力制限Winを超えることがないと判断して、EV走行を禁止すると共に(ステップS400)、目標回転数Ne*、目標トルクTe*をエンジンECU24に送信すると共にトルク指令Tm1*、Tm2*をモータECU40に送信して(ステップS410)、システム起動後制御ルーチンを終了する。エンジンECU24は、エンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*を受信すると、エンジン22が目標回転数Ne*および目標トルクTe*に基づいて運転されるようにエンジン22の運転制御(具体的には、吸入空気量制御や燃料噴射制御、点火制御など)を行なう。モータECU40は、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を受信すると、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようにモータMG1,MG2の駆動制御(具体的には、インバータ41,42の複数のスイッチング素子のスイッチング制御)を行なう。これにより、エンジン22の運転を伴って走行するHV走行により走行することになる。なお、ステップS410を実行する際にエンジン22が停止しているときには、エンジン22の始動要求がなされて、モータMG1でエンジン22をモータリングしてエンジン22を始動することになる。
ステップS380で充放電電力Pchgが入力制限Win未満のときには、ステップS340で設定した目標回転数Ne*、目標トルクTe*でエンジン22を運転するとバッテリ50を充電する電力が入力制限Winを超えると判断して、EV走行を許可して(ステップS390)、システム起動後制御ルーチンを終了する。これにより、EV走行をハイブリッド走行(HV走行)に比して優先してバッテリ50の蓄電割合SOCを低下させる走行を行なう。
図6は、システムの起動状態とモード(CD、CSモード)と、PM堆積量Mpmと、CDモードでのエンジン22への始動要求と、エンジン22の回転数Neとの時間変化の一例を示すタイミングチャートである。図示するように、Nトリップ目(Nは自然数)の終了間際にエンジン22が運転されると、PM堆積量Mpmが上昇し、PM堆積量Mpmが閾値Mthを超えたときに、システムが停止され、Nトリップ目が終了することがある(時刻t1)。実施例のハイブリッド自動車20では、Nトリップ目が終了してから次にシステムが起動されて(N+1)トリップ目が開始されるまでの期間(時刻t1と時刻t2との間の期間)において、電源プラグ61が外部電源69に接続されて、外部電源69からの電力を用いてバッテリ50が充電されて蓄電割合SOCが高くなる機会が多い。そのため、次に、システムが起動されて(N+1)トリップ目が開始されるときにバッテリ50の蓄電割合SOCが閾値Shvを超えていると、CDモードでの走行になる(時刻t2)。このとき、PM堆積量Mpmが閾値Mthを超えているときには、充放電電力Pchgが入力制限Win以上あることを条件にEV走行が禁止されて、エンジン22の始動要求によりエンジン22が始動してHV走行により走行する。HV走行の間にエンジン22が暖機されると、GPF25の温度が上昇してGPF25に堆積した粒子状物質の燃焼が促進され、PM堆積量Mpmが減少する。そして、PM堆積量Mpmが閾値Mth未満になると、燃料混入量Vfcが閾値Vfcth未満であることを条件に、EV走行が許可されて、エンジン22の始動要求が無くなりエンジン22の運転が停止される(時刻t3以降)。このように、CDモードにおいて、EV走行を禁止してHV走行を行なうことにより、適正にエンジン22が運転される機会を確保することができる。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、CDモードにおいて、燃料混入量Vfcが閾値Vfcth以上、または、PM堆積量Mpmが閾値Mth以上のときには、EV走行を禁止してHV走行で走行するようにエンジン22とモータMG1、MG2を制御することにより、適正にエンジン22が運転される機会を確保することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、図5のシステム起動後制御ルーチンのステップS340でエンジン22の回転数Neを下限回転数Nminで下限ガードしている。しかしながら、こうした下限ガードをせずに、エンジン22から目標パワーPeが出力されるように目標トルクTe*、目標回転数Ne*を設定してもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、ステップS370、S380でバッテリ50を充放電する充放電電力Pchgが入力制限Win(負の値)以上であるか否かを判定している。しかしながら、ステップS370、S380を実行せずに、ステップS400、S410を実行してもよい。
実施例では、本発明を、エンジン22とモータMG1,MG2とプラネタリギヤ30とを備えるハイブリッド自動車20に適用する場合について例示しているが、モータMG1とプラネタリギヤ30を備えずにエンジン22とモータMG2とを備えるタイプのハイブリッド自動車20に適用しても構わない。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、GPF25が「フィルタ」に相当し、エンジン22が「エンジン」に相当し、モータMG2が「モータ」に相当し、バッテリ50が「蓄電装置」に相当し、充電器60が「充電器」に相当し、エンジンECU24とモータECU40とHVECU70とが「制御装置」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、ハイブリッド車両の製造産業などに利用可能である。
20 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、25 ガソリンパティキュレートフィルタ(GPF)、25c 温度センサ、51c,135c,149 温度センサ、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 プラネタリギヤ、36 駆動軸、37 デファレンシャルギヤ、38a,38b 駆動輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51a 電圧センサ、51b 電流センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU52)、54 電力ライン、60 充電器、61 電源プラグ、62 接続スイッチ、69 外部電源、70 ハイブリッド用電子制御ユニット(HVECU)、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、MG1,MG2 モータ、122 エアクリーナ、124 スロットルバルブ、125 吸気管、126 燃料噴射弁、128a 吸気バルブ、128b 排気バルブ、129 燃焼室、130 点火プラグ、132 ピストン、133 排気管、134 排気浄化装置、134a 三元触媒、135a 空燃比センサ、135b 酸素センサ、136 スロットルモータ、138 イグニッションコイル、140 クランクポジションセンサ、142 水温センサ、144a,144b カムポジションセンサ、146 スロットルバルブポジションセンサ、148 エアフローメータ。

Claims (1)

  1. 排気系に粒子状物質を除去するフィルタを有し、燃料の燃焼により動力を出力し、潤滑油により潤滑されるエンジンと、
    モータと、
    前記モータと電力をやりとりする蓄電装置と、
    外部電源からの電力を用いて前記蓄電装置を充電する充電器と、
    前記蓄電装置の蓄電割合が減少するように前記エンジンからの動力と前記モータからの動力とを用いて走行するハイブリッド走行と前記エンジンを停止した状態で前記モータからの動力で走行するモータ走行とのうち前記モータ走行を優先させる第1モードと、前記蓄電割合を所定範囲で維持するように前記ハイブリッド走行と前記モータ走行とを切り替えて走行する第2モードとを含む複数のモードを切り替えて走行するように前記エンジンと前記モータとを制御する制御装置と、
    を備えるハイブリッド車両であって、
    前記制御装置は、前記第1モードにおいて、前記潤滑油への前記燃料の混入量または前記フィルタへの前記粒子状物質の堆積量が所定量以上のときには、前記モータ走行を禁止して前記ハイブリッド走行で走行するように前記エンジンと前記モータとを制御する
    ハイブリッド車両。
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