JP2021181397A - 珪化物系合金材料及びそれを用いた素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 環境負荷低減が可能であり、室温において高い熱電変換性能を得ることが可能な珪化物系合金材料及びそれを用いた素子を課題とする。【解決手段】 銀、バリウム、シリコンを主成分とする珪化物系合金材料であり、当該合金材料を構成する元素の原子比が、銀、バリウム、シリコンの含有量をそれぞれAg、Ba、Siとしたときに9at%≦Ag/(Ag+Ba+Si)≦27at%20at%≦Ba/(Ag+Ba+Si)≦53at%37at%≦Si/(Ag+Ba+Si)≦65at%であり、平均結晶粒径が20μm以下であることを特徴とする珪化物系合金材料を提供する。【選択図】 なし

Description

本発明は、珪化物系合金材料及びそれを用いた素子に関するものである。
再生可能エネルギーの候補として、排熱を利用した熱電発電が古くから知られている。現在、200℃以下の排熱に関してはBiTeが実用化されているが、Bi−Te系材料はBi及びTeはともに高価であり、またTeは極めて毒性が強いという問題がある。このため、熱電変換素子として、低発電コスト化、環境負荷低減できるものが求められている。
また、近年人間の肌に直接接触させるウェアラブルデバイスなどへの応用が検討され始めたことで、人体に対する有害性の点で忌避される材料が求められている。
珪化物材料は低環境負荷、低毒性、低コストの点で優れた材料であり、大きな注目を集めている。特にMgSiなどが知られており(例えば、特許文献1参照)、また同族元素を用いたp型の熱電材料としてMgSiとCaMgSiの混合物が提案されているが(例えば、特許文献2参照)、400℃におけるゼーベック係数は70μV/K以下と小さく、実用に耐えうる熱電特性を得られていない。
従って、低環境負荷、低毒性及び低コストであり、かつ室温から100℃程度の温度域において、高い熱電変換効率を得られる熱電変換材料が求められている。
銀、バリウム、シリコンからなる珪化物は、特定の組成比において、超伝導やラットリング現象で知られるクラスレート化合物となることが知られている。これらの化合物は、同時に熱電変換材料としての性質を示すが、その性能は室温で後述する熱電変換性能ZT=0.02程度であり、低い性能にとどまっている(例えば、非特許文献1参照)。
さらに、銀、バリウム、シリコンからなる珪化物は、すべての組成範囲において知見があるわけではなく、上述の特定の組成域の物性しか検討されていない。
ここでTは絶対温度、性能指数Zは以下の式で定義される。
Figure 2021181397
Sはゼーベック係数(V/K)、σは電気伝導率であり電気抵抗(Ω・m)の逆数である。また、κは熱伝導率(W/K・m)である。また、Zの分子部分(Sの二乗とσの積)をパワーファクター(W/K・m)と呼ぶ。
また、(パワーファクター/熱伝導率)×温度(K:ケルビン)を熱電変換性能という。
本発明者らは、特定の組成比で結晶粒径サイズを制御し、複数の結晶相を含有した銀(Ag)、バリウム(Ba)、シリコン(Si)を主成分とする珪化物系合金材料とすることで熱伝導率を抑制し、熱電変換性能を高めることができることを見出した。
特開2002−368291号公報 特開2008−147261号公報
I.Zeiringer et al.Japanese Journal of Applied Physics 50(2011)05FA01−1
本発明は、環境負荷低減が可能であり、室温において高い熱電変換性能を得ることが可能な珪化物系合金材料及びそれを用いた素子を開発することを目的とする。
本発明に係る珪化物系合金材料の実施形態としては、以下の特徴を有する。
(1)
銀、バリウム、シリコンを主成分とする珪化物系合金材料であり、当該合金材料を構成する元素の原子比が、銀、バリウム、シリコンの含有量をそれぞれAg、Ba、Siとしたときに
9at%≦Ag/(Ag+Ba+Si)≦27at%
20at%≦Ba/(Ag+Ba+Si)≦53at%
37at%≦Si/(Ag+Ba+Si)≦65at%
であり、平均結晶粒径が20μm以下であることを特徴とする珪化物系合金材料。
(2)
相対密度が95%以上である(1)に記載の珪化物系合金材料。
(3)
(1)又は(2)に記載の珪化物系合金材料を用いた熱電変換素子。
(4)
(3)に記載の熱電変換素子を用いた熱電変換モジュール。
以下に本発明について詳細に述べる。
本発明の珪化物系合金材料は、銀(Ag)、バリウム(Ba)、シリコン(Si)を主成分とする珪化物系合金材料であり、当該合金材料を構成する元素の原子比が、銀(Ag)、バリウム(Ba)、シリコン(Si)の含有量をそれぞれAg、Ba、Si、としたときに、
9at%≦Ag/(Ag+Ba+Si)≦27at%
20at%≦Ba/(Ag+Ba+Si)≦53at%
37at%≦Si/(Ag+Ba+Si)≦65at%
であり、好ましくは、
9at%≦Ag/(Ag+Ba+Si)≦27at%
20at%≦Ba/(Ag+Ba+Si)≦45at%
37at%≦Si/(Ag+Ba+Si)≦65at%
であり、特に好ましくは、
15at%≦Ag/(Ag+Ba+Si)≦27at%
30at%≦Ba/(Ag+Ba+Si)≦39at%
40at%≦Si/(Ag+Ba+Si)≦55at%
である。
これは、銀(Ag)、バリウム(Ba)、シリコン(Si)の珪化物系合金材料が上記の範囲内で、低温領域において熱電変換性能に優れた半導体結晶相を発現するためであり、この組成範囲を外れると、珪化物系合金材料の物性が金属的な結晶相、もしくは導電性の低い結晶相を示してしまい、熱電変換性能が著しく悪化する。
また、本発明の珪化物系合金材料の平均結晶粒径は、20μm以下であり、1nm〜20μmが好ましく、100nm〜20μm、100nm〜5μmが好ましく、さらに好ましくは100nm〜1μmであり、最も好ましくは100nm以上700nm以下である。平均結晶粒径については、熱電変換素子の性能が低くとどまっている理由の大部分が、熱伝導率の高さに起因するためであり、平均結晶粒径を小さく抑えることで熱伝導率を低下させることが可能となる。しかしながら、効率的に熱伝導を抑制するのに適した平均結晶粒径は、物質の種類により異なる。これは熱を伝達するフォノンが、物質の種類によって異なる平均自由行程を有するためである。加えて、平均結晶粒径が1nmを下回ると電気伝導が低くなる可能性が高いため熱電変換素子の性能を悪化させる問題も発生する。
ここで述べている平均結晶粒径とは、特定の領域において観測された結晶粒の個数に対して、特定のサイズを有する結晶粒の個数を数え上げて平均値を算出した数値を意味する。
低温熱電材料用の珪化物系合金材料の組織構造としては、空間群229である結晶相と空間群70である結晶相を共に有することが好ましい。さらに100℃付近の低温域において高い熱電変換性能を示すためには、結晶構造が空間群229である相1と空間群70である相2の存在比率(相1/(相1+相2))が
0.00001≦(相1/(相1+相2))≦0.1
であることが好ましく、
さらに好ましくは
0.00001≦(相1/(相1+相2))≦0.08
であり、最も好ましくは
0.0001≦(相1/(相1+相2))≦0.05
である。
本発明の珪化物系合金材料は、不可避的な微量の不純物を含んでいてもよい。このような不純物としては、Si、Ag、Ba以外の金属元素およびそれらの酸化物などの化合物が挙げられる。
また、高いゼーベック係数と低い電気抵抗率を両立するために、本発明の珪化物系合金材料の相対密度は高いことが好ましい。しかしながら、熱伝導率の抑制という観点からは珪化物系合金材料内部に微小なポアがあることも好ましい。従って、相対密度は90%以上が好ましい。より好ましくは90〜99.5%、さらに好ましくは95〜99.5%であり、最も好ましくは97〜99.5%である。
本発明の珪化物系合金材料は、高いゼーベック係数と低い電気抵抗率を有しており、ゼーベック係数が高いことを特徴とし、そのゼーベック係数は絶対値が100〜1000μV/Kであることが好ましく、特に好ましくは200〜500μV/Kである。
本発明の珪化物系合金材料は、電気抵抗率が低いことを特徴とし、その電気抵抗率は1.00e−3〜1.00e−1Ω・cmであることが好ましく、特に好ましくは1.00e−3〜1.00e−2Ω・cmである。
本発明の珪化物系合金材料は、熱伝導率が抑制された材料であり、その熱伝導率は0.1〜20W/mKであることが好ましく、特に好ましくは0.5〜5W/mKである。
本発明の珪化物系合金材料は、高い熱電変換性能を特徴とし、その熱電変換性能は性能指数0.01〜5であることが好ましく、特に好ましくは0.1〜5である。
次に、本発明の珪化物系合金材料の製造方法について説明する。
本発明の珪化物系合金材料の製造方法は、銀、バリウム及びシリコンから合金を合成する工程と、場合に応じて前記合金を粉砕又は急冷して粉末とする工程と、前記合金粉末を焼成温度650℃〜950℃でホットプレス処理する焼成工程とを含んでなる製造方法が好ましい。
まず、銀、バリウム及びシリコンから合金を合成する工程では、銀、バリウムとシリコンを所定の比率で用意し、アーク溶解炉で事前に溶融させることで銀バリウムシリサイドを合成する。これは、粉末中の不純物除去のためと後述する合金組織の微細化のためである。さらに溶解条件として、低い放電パワーで長時間溶融するよりも、高いパワーで短時間処理する事が好ましい。その電流量は、単位サンプル量当たり電流値で30A/g以上が好ましい。ただし、電流量は100A/g以下であることが望ましい。これは放電パワーが高すぎると一部の金属が蒸発し、組成比が変動してしまうためである。
上記の好ましい条件から得られた合金は、銀バリウムシリサイドの合金となっている。
次に、場合に応じて前記合金を粉砕して粉末又は急冷とする工程は、得られる粉末の粒径を小さくする工程である。
粉砕する際は、合金の合成後から含有酸素量を増加させないように、粉砕作業は不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。そうすることで粉末表面の酸化を防ぎ、含有酸素量を低く抑えることができるからである。さらに、粉砕の方法により、珪化物系合金材料とした際の組織構造を制御することができる。粉砕および造粒の方法としては、乳鉢での粉砕、ボールミル、ジェットミル、ビーズミル、スプレードライ、ガスアトマイズなどの方法を利用することができる。このとき得られる粉末の一次粒径は可能な限り小さいものが好ましい。また、造粒した場合の造粒粉末の平均粒径は特に限定されるものではないが、10〜100μm程度であることが、取扱性等を考慮するとより好ましい。
また、原料の組成比により高温熱電材料に適した珪化物系合金材料と低温熱電材料に適した珪化物系合金材料をそれぞれ作り分けることが可能である。高温熱電材料に適した珪化物系合金材料、低温熱電材料に適した珪化物系合金材料は、それぞれ前述のAg、Ba,Si比に応じた組成比となるように原料粉末を混合することで得ることが可能である。
急冷する際は、溶融状態となっている珪化物系合金材料を、3000rpmで回転する水冷銅ローラーに吹き付けることで、瞬間的に溶融状態から凝固させ、薄い帯状とすることが可能である(急冷薄帯)。その際の冷却速度は、一例では約8×10K/sとなることもある。
最後に、合金粉末を焼成温度650℃〜950℃でホットプレス処理する焼成工程では、焼成方法としては雰囲気制御炉、加圧焼成の一種であるホットプレスに加えて、放電プラズマ焼成などの焼成方法を用いることができる。
以下に加圧焼成の一種である放電プラズマ焼成法(以下、SPS法と略す)での一例を説明する。放電プラズマ焼成法は粉末を加圧しながら粉末に直接大電流を通電することで焼成を進める装置であり、加熱時に一軸加圧を行なうことで、短時間のうちに高温加熱することを可能とし、微細粒径を維持したまま緻密な珪化物系合金材料を得ることが可能な焼成法である。SPS法により焼成を行なうことで従来よりも密度が向上し、AgBaSiの理論密度を4.78g/cmとした場合、相対密度80%以上の珪化物系合金材料を得ることが可能となる
SPS法における焼成温度は650℃〜950℃であり、好ましくは、700℃〜900℃で焼成する。650℃より低い温度では焼成が進まず相対密度が60%同程度にしか向上しない。また、950℃よりも高い温度にて焼成を行なうと合金が溶融し、ホットプレスの型と接着し、歩留まりが悪化する可能性がある。
ここで熱電変換材料に適した珪化物系合金材料の場合、高い熱電変換性能が得やすいことから焼成温度は750℃以上であることが好ましい。
焼成時の圧力は10MPa〜100MPaである事が好ましい。
SPS法の焼成温度における保持時間は特に限定されるものではなく、10分以内であることが好ましく、保持時間が、極端に短いと内部まで均一に加熱できず多結晶体として保形が難しい。一方、保持時間は10分以上などであると粒径の増大を誘起し、結果的に熱伝導率の増大を招く可能性がある。
本発明の珪化物系合金材料は、所定の寸法に加工してもよい。加工方法は特に限定はなく、平面研削法、ロータリー研削法または円筒研削法等を用いることができる。これらの方法を用いることで熱電変換素子用途に適した形状に加工することができる。
本発明の珪化物系合金材料は、熱電変換素子とすることが好ましい。
熱電変換素子は、p型、n型半導体を用いて作製される。従って、用いる半導体材料はp型、n型制御ができることが好ましい。本発明では、特定の元素を銀、バリウムとルテニウムの合金に添加することでp型、n型の制御をすることが可能である。
上記珪化物系合金材料を用いた熱電変換素子の製造方法の一例を以下に示す。
p型、n型それぞれの珪化物系合金材料を接触しないように平行に設置し上部を電極で橋渡しする。これらの構造をΠ字型素子とした場合、素子の上部が高温に接する構造となっており、加熱されると素子の上部と下部で温度勾配が発生し、そのときの温度差ΔT(=TH−TL)に応じたゼーベック効果によって発生した電位差から電流が生成する。従って、素子の下部のp型、n型珪化物系合金材料それぞれに電極を取り付け、適当な抵抗を介した回路とすることで、電池として効果を得ることができる。
上記の熱電変換素子を集積することで大電力を取り出すことが可能な熱電変換モジュールとすることができる。熱電変換モジュールとしては、一段型熱電変換モジュール、カスケード式モジュール、セグメント型モジュール等が挙げられ、その中でも一段型熱電変換モジュールが好ましい。以下に熱電変換モジュールの中でも好ましい一段型熱電変換モジュールについて説明する。
一段型熱電変換モジュールは上記の熱電変換素子を集積した構造を有する。例えば、熱電変換素子の低温側から続く回路中に複数の熱電変換素子を直列に集積することで出力電圧の向上を図ることができ、並列に集積することで出力電流の増大を図ることができる。用途に応じて必要な集積構造とすることで、出力電圧、出力電流を制御すること可能となる。
本発明の珪化物系合金材料を用いることで、広範囲の温度域で高効率な熱電変換素子を作製することができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(平均結晶粒径の測定方法)
EBSD付属電解放出形操作電子顕微鏡JSM−7100F(日本電子製)により測定した。このとき結晶界面における方位差が5℃以上のものを粒界と判定した。
(結晶相の測定方法)
X線回折測定により、得られた回折ピークから結晶相の同定を行った。
(組成の測定方法)
ICP−MS質量分析法により定量した。
(電気特性の測定方法)
ホール効果測定装置(東陽テクニカ製ResiTest8400)を用いて測定を行った。
(ゼーベック係数の測定方法)
上記ホール効果測定装置にゼーベック係数測定システム(東陽テクニカ製ResiTest8400オプション)を取り付け、測定を行った。
(熱伝導率の測定方法)
レーザーフラッシュ法熱伝導測定装置(アドバンス理工社製TC−1200RH)により測定を行った。
(実施例1)
シリコン片(純度4N、平均サイズ1cm、高純度化学製)と、銀顆粒(純度99.9%、平均粒径1mm、高純度化学製)、バリウム(純度99%、平均サイズ2cm×1mm、高純度化学製)を、Ag/(Ag+Ba+Si)=17at%、Ba/(Ag+Ba+Si)=34at%、Si/(Ag+Ba+Si)=49at%として混ぜ合わせた後、水冷鋳型に充填し、アーク溶融を行った。得られた原料塊を瑪瑙乳鉢内で乳鉢を用いて粉砕し粉末を作製した。得られた粉末を10mmφサイズの、円形カーボン型に充填し放電プラズマ焼成を行った。焼成条件は、600℃以上の温度領域において昇温速度100℃/min、焼成温度900℃で10分保持、圧力は75MPaとした。また、真空度は5.0e−3Paであった。温度の測定は放射温度計(株式会社チノー製IR−AHS)で行った。
EBSD測定の結果、得られた合金材料に関して、面積比で0.001%程度のBa相が混在したAgBaSiの結晶相(空間群70)が観測された。
得られた合金材料の相対密度は、合金材料が純AgBaSiであると想定すると、AgBaSiの理論密度4.78g/cmを用いて、アルキメデス法により95.2%と算出された。
その後、合金材料は10mmφ×1mmtのサイズに加工して電気特性測定サンプル、熱伝導率測定サンプルとし、それぞれ測定を行った。測定条件は、ゼーベック係数と電気抵抗は真空条件にて50℃にて測定を行った。一方、熱伝導率についてはHe雰囲気下において50℃で測定した。各測定結果を表1に示す。
(実施例2〜9)
表1に示す組成でその他は実施例1と同様の方法で珪化物系合金材料を作製した。
(実施例10〜16)
表2に示す組成でその他は実施例1と同様の方法で珪化物系合金材料を作製した。
(比較例1〜4)
表3に示す組成でその他は実施例1と同様の方法で珪化物系合金材料を作製した。
Figure 2021181397
Figure 2021181397
Figure 2021181397
本発明の組成範囲である実施例1〜16の合金材料を用いると高い熱電変換性能であるのに対して、本発明の組成範囲外である比較例1〜4の合金材料では、低い熱電変換性能のものしか得られなかった。
本発明を用いることで、高い性能を有する熱電変換素子を作製可能となり、広範囲の温度域の排熱を効率的に利用できるようになる。

Claims (4)

  1. 銀、バリウム、シリコンを主成分とする珪化物系合金材料であり、当該合金材料を構成する元素の原子比が、銀、バリウム、シリコンの含有量をそれぞれAg、Ba、Siとしたときに
    9at%≦Ag/(Ag+Ba+Si)≦27at%
    20at%≦Ba/(Ag+Ba+Si)≦53at%
    37at%≦Si/(Ag+Ba+Si)≦65at%
    であり、平均結晶粒径が20μm以下であることを特徴とする珪化物系合金材料。
  2. 相対密度が80%以上である請求項1に記載の珪化物系合金材料。
  3. 請求項1又は2に記載の珪化物系合金材料を用いた熱電変換素子。
  4. 請求項3に記載の熱電変換素子を用いた熱電変換モジュール。
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