JP2021172530A - 水硬性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】水中不分離性に優れ、その水中不分離性が温度の影響を受けにくい水硬性組成物及びその製造方法の提供。【解決手段】一般式(1)で表される化合物を2種以上、水硬性粉体、水、骨材、及びポリカルボン酸系分散剤を含有する水硬性組成物。〔Xは、R1a又はR1b−[CONH−CH2CH2CH2]n−。nは1以上3以下の整数。R2及びR3は、独立に、炭素数1以上4以下のアルキル基又は−(C2H4O)pH。pは、平均付加モル数であり、R2及びR3の合計で0以上5以下の数。〕前記2種以上の化合物は、式中のXが異なっており、少なくとも1つはXのR1a又はR1bがアルケニル基の化合物であり、水/水硬性粉体比が30%以上60%以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、水硬性組成物及び水硬性組成物の製造方法に関する。
トンネルの施工方法として、SENS工法が知られている。SENS工法とは、シールドマシンによって地山を掘削しながら、シールドマシン後部に設置された内型枠と地山との間に、妻型枠から供給されたフレッシュコンクリートを充填して、一次覆工となる場所打ちコンクリートを打設した後、漏水処理工や二次覆工を行ってトンネルを完成させる工法をいう。SENS工法を適用してトンネルを施工することにより、セグメントリングの使用を解消でき、かつ一次覆工のコンクリート厚を薄くすることができることから、従来行われているセグメントリングを用いたトンネル施工に比べて、経済的にトンネルを施工することが可能で、また比較的軟弱な地盤にも適用できるとされている。
SENS工法では、セグメントリングを使用せずに直接フレッシュコンクリートを打設して一次覆工を行うため、地盤側に欠陥が生じると補修が極めて困難となる。そのため、コンクリートは流動性が高く充填性に優れるものが望まれる。
特許文献1には、地山を掘削するとともに、供給口を有する打設装置を掘削方向に沿って移動させながら、掘削した前記地山の掘削面に、前記打設装置の前記供給口からフレッシュコンクリートを供給することにより、前記掘削面にコンクリートを打設するコンクリートの打設方法において、前記フレッシュコンクリートとして、セメント、骨材、水、スルホン酸基を有する芳香族化合物又はその塩、及び、アルキルトリメチルアンモニウム塩を少なくとも含む組成物を用い、且つ、前記フレッシュコンクリートを、所定の計算式によるこわばり率が10%以下である状態で供給する、コンクリートの打設方法が開示されている。
特許文献2には、セルロースエーテル及びスターチエーテルを含有する水中不分離性水硬性組成物用増粘剤、並びにこれを含んでなる水中不分離性水硬性組成物が開示されており、その実施例には、SENS工法用コンクリートについての評価が示されている。
特許文献3には、アルキル基が炭素数8〜22のアルキルアミンオキシドと高性能減水剤とを含有するコンクリート組成物においてコンクリートのスランプフロー値が50cm以上である自己充填性コンクリート組成物が開示されている。
特開2015−74599号公報 特開2011−132040号公報 特開平08−133805号公報
トンネルの掘削では、湧水によるコンクリートへの水の接触が生じることがあるため、SENS工法などのトンネルの構築方法に用いるコンクリートには、水中不分離性に優れることが望まれる。更に、トンネル施工では環境により温度条件が変動するため、水中不分離性は温度依存性が小さいことが望まれる。
本発明は、水中不分離性に優れ、且つその水中不分離性が温度の影響を受けにくい水硬性組成物及びその製造方法を提供する。
本発明は、下記一般式(1)で表される化合物を2種以上、水硬性粉体、水、骨材、及びポリカルボン酸系分散剤を含有する水硬性組成物であって、
前記2種以上の化合物は、一般式(1)中のXが異なっており、
前記2種以上の化合物のうち、少なくとも1つは一般式(1)中のXのR1a又はR1bがアルケニル基の化合物であり、
水/水硬性粉体比が30%以上60%以下である、
水硬性組成物に関する。
Figure 2021172530
〔式中、Xは、R1a又はR1b−[CONH−CHCHCH−で表される基である。R1aは、炭素数14以上22以下のアルキル基又は炭素数14以上22以下のアルケニル基である。R1bは、炭素数13以上21以下のアルキル基又は炭素数13以上21以下のアルケニル基である。nは1以上3以下の整数である。R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1以上4以下のアルキル基又は−(CO)Hで表される基である。pは、平均付加モル数であり、R及びRの合計で0以上5以下の数である。〕
また、本発明は、前記一般式(1)で表される化合物の2種以上、水硬性粉体、水、骨材、及びポリカルボン酸系分散剤を混合する水硬性組成物の製造方法であって、
前記2種以上の化合物は、一般式(1)中のXが異なっており、
前記2種以上の化合物のうち、少なくとも1つは一般式(1)中のXのR1a又はR1bがアルケニル基の化合物であり、
水と水硬性粉体とを水/水硬性粉体比が30%以上60%以下で混合する、
水硬性組成物の製造方法に関する。
本発明によれば、水中不分離性に優れ、且つその水中不分離性が温度の影響を受けにくい水硬性組成物及びその製造方法が提供される。本発明の水硬性組成物は、低温から高温での水中不分離性に優れるため、例えば、SENS工法などのトンネルの構築方法に用いるコンクリートとして有用である。
〔水硬性組成物〕
<一般式(1)で表される化合物>
本発明の水硬性組成物は、前記一般式(1)で表される化合物〔以下、化合物(1)ともいう〕を2種以上含有する。そして、前記2種以上の化合物は、互いに一般式(1)中のXが異なっており、前記2種以上の化合物のうち、少なくとも1つは一般式(1)中のXのR1a又はR1bがアルケニル基の化合物である。
化合物(1)について、一般式(1)中のXが異なるとは、化合物(1)が2種である場合を例に考えると、例えば、以下のような態様が挙げられる。なお、以下の態様において、2種の化合物(1)のうち、少なくとも一方の化合物(1)のR1a又はR1bはアルケニル基である。
(i)一方のR1a又はR1bがアルキル基であり、他方のR1a又はR1bがアルケニル基である。
(ii)一方のR1a又はR1bの炭素数と、他方のR1a又はR1bの炭素数が異なっている。
(iii)一方のXがR1aであり、他方のXがR1b−[CONH−CHCHCH−である。
(iv)Xが共にR1b−[CONH−CHCHCH−であり、一方のnと他方のnが異なっている。
(v)前記(i)〜(iv)の組み合わせ。
一般式(1)中、Xは、R1a又はR1b−[CONH−CHCHCH−で表される基である。
1aは、炭素数14以上22以下のアルキル基又は炭素数14以上22以下のアルケニル基である。
1aがアルケニル基の場合、炭素数は、好ましくは18以上、そして、好ましくは22以下である。
1aがアルキル基の場合、炭素数は、好ましくは16以上、そして、好ましくは22以下である。
1bは、炭素数13以上21以下のアルキル基又は炭素数13以上21以下のアルケニル基である。
1bがアルケニル基の場合、炭素数は、好ましくは17以上、そして、好ましくは21以下である。
1bがアルキル基の場合、炭素数は、好ましくは15以上、そして、好ましくは21以下である。
nは、好ましくは0又は1である。
及びRは、それぞれ独立に、好ましくは炭素数1以上2以下のアルキル基または−(CO)Hで表される基である。
pは、好ましくは0以上3以下の数である。
本発明の水硬性組成物は、一般式(1)中のXが異なる化合物(1)を2種以上、好ましくは5種以下、より好ましくは2種含有する。そして、水硬性組成物が含有する2種以上の化合物(1)は、少なくとも1つが一般式(1)中のXのR1a又はR1bが炭素数14以上22以下のアルケニル基の化合物、つまり、一般式(1)中のXにおけるR1aとして炭素数14以上22以下のアルケニル基又はR1bとして炭素数13以上21以下のアルケニル基を含む化合物である。
本発明では、化合物(1)が2種であり、上記(i)〜(v)を含め、2種の化合物(1)のうち、一方が、一般式(1)中のXがR1aで且つ炭素数14以上22以下のアルケニル基の化合物であることが好ましい。すなわち、本発明の水硬性組成物として、前記一般式(1)で表される化合物を2種含有する水硬性組成物であって、前記2種の化合物は、一般式(1)中のXが異なっており、前記2種の化合物のうち、一方は、一般式(1)中のXがR1aであり且つR1aがアルケニル基の化合物である、水硬性組成物が挙げられる。
本発明の水硬性組成物としては、一般式(1)中のXがR1a又はR1b−[CONH−CHCHCH−で表される基(ただし、R1aは炭素数14以上22以下のアルケニル基であり、R1bは炭素数13以上21以下のアルケニル基である)である化合物(1a)と、化合物(1a)とは一般式(1)中のXが異なる化合物(1b)とを含有する水硬性組成物が挙げられる。
具体的には、下記一般式(1a)で表される化合物(1a)と、下記一般式(1b)で表される化合物(1b)とを含有する水硬性組成物が挙げられる。
Figure 2021172530
〔式中、
n1、n2は、それぞれ、独立に0以上3以下の整数である。
11aは、n1が0のときは炭素数14以上22以下のアルケニル基であり、n1が1〜3のときは炭素数13以上21以下のアルケニル基である。
11bは、n2が0のときは炭素数14以上22以下のアルキル基又は炭素数14以上22以下のアルケニル基であり、n2が1〜3のときは炭素数13以上21以下のアルキル基又は炭素数13以上21以下のアルケニル基である。
ただし、n1とn2が同じ数である場合、R11bのアルケニル基はR11aとは異なるアルケニル基である。
及びRは、それぞれ独立に、炭素数1以上4以下のアルキル基又は−(CO)Hで表される基である。pは、平均付加モル数であり、R及びRの合計で0以上5以下の数である。〕
一般式(1a)中、R11aの炭素数は、好ましくは17以上、そして、好ましくは22以下である。
一般式(1a)中、n1は、好ましくは0又は1、より好ましくは0である。
一般式(1b)中、n2が0でR11bがアルキル基の場合、R11bの炭素数は、好ましくは16以上、そして、好ましくは22以下である。
一般式(1b)中、n2が0でR11bがアルケニル基の場合、R11bの炭素数は、好ましくは18以上、そして、好ましくは22以下である。
一般式(1b)中、n2が1〜3でR11bがアルキル基の場合、R11bの炭素数は、好ましくは15以上、そして、好ましくは21以下である。
一般式(1b)中、n2が1〜3でR11bがアルケニル基の場合、R11bの炭素数は、好ましくは17以上、そして、好ましくは21以下である。
一般式(1b)中、R11bは、アルキル基が好ましい。
一般式(1b)中、n2は、好ましくは0又は1である。
一般式(1a)又は(1b)中、R及びRは、それぞれ独立に、好ましくは炭素数1もしくは2のアルキル基又は−(CO)Hで表される基であり、より好ましくは炭素数1又は2のアルキル基である。
一般式(1a)又は(1b)中、pは、好ましくは0以上3以下の数である。
n1とn2が同じ数である場合、R11bのアルケニル基はR11aとは異なるアルケニル基である。
本発明の水硬性組成物は、化合物(1)として、下記一般式(11a)で表される化合物(11a)と、下記一般式(1b)で表される化合物(1b)とを含有することが好ましい。
Figure 2021172530
〔式中、
n2は、0以上3以下の整数である。
11aは、炭素数14以上22以下のアルケニル基である。
11bは、n2が0のときは炭素数14以上22以下のアルキル基又は炭素数14以上22以下のアルケニル基であり、n2が1〜3のときは炭素数13以上21以下のアルキル基又は炭素数13以上21以下のアルケニル基である。
ただし、n1とn2が同じ数である場合、R11bのアルケニル基はR11aとは異なるアルケニル基である。
及びRは、それぞれ独立に、炭素数1以上4以下のアルキル基又は−(CO)Hで表される基である。pは、平均付加モル数であり、R及びRの合計で0以上5以下の数である。〕
一般式(11a)で表される化合物(11a)は、前記一般式(1a)中、n1が0の化合物に相当する。一般式(11a)中のR11a、R及びRの好ましい態様は、一般式(1a)と同じである。この組み合わせにおいても、化合物(1b)の好ましい態様は前記と同じである。
本発明の水硬性組成物では、化合物(1b)/化合物(1a)の質量比は、より広い温度領域でレオロジー改質効果、例えば高い粘弾性が得られる観点から、好ましくは5/95以上、より好ましくは25/75以上、更に好ましくは40/60以上、そして、好ましくは95/5以下、より好ましくは75/25以下、更に好ましくは60/40以下である。
本発明の水硬性組成物では、化合物(1b)/化合物(11a)の質量比は、より広い温度領域でレオロジー改質効果、例えば高い粘弾性が得られる観点から、好ましくは5/95以上、より好ましくは25/75以上、更に好ましくは40/60以上、そして、好ましくは95/5以下、より好ましくは75/25以下、更に好ましくは60/40以下である。
<水硬性粉体>
本発明の水硬性組成物に使用される水硬性粉体とは、水と混合することで硬化する粉体であり、例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメント、エコセメント(例えばJIS R5214等)などのセメントが挙げられる。セメントは、早強ポルトランドセメント、普通ポルトランドセメント、耐硫酸性ポルトランドセメント及び白色ポルトランドセメントから選ばれるセメントが好ましく、早強ポルトランドセメント、及び普通ポルトランドセメントから選ばれるセメントがより好ましく、早強ポルトランドセメントが更に好ましい。本発明の水硬性組成物は、水硬性粉体として、早強ポルトランドセメント、及び普通ポルトランドセメントから選ばれるセメントを含有することが好ましく、早強ポルトランドセメントを含有することがより好ましい。
また、水硬性粉体には、高炉スラグ、フライアッシュ、シリカヒューム、無水石膏等が含まれてよく、また、非水硬性の石灰石微粉末等が含まれていてもよい。水硬性粉体として、セメントと高炉スラグ、フライアッシュ、シリカヒューム等とが混合された高炉セメントやフライアッシュセメント、シリカヒュームセメントを用いてもよい。また、ベントナイトなどの粘土を含んでいてもよい。粘土を含む場合は、本発明の水硬性組成物は、後述の所定のポリエーテル化合物を含有することができる。
<骨材>
骨材としては、細骨材、粗骨材が挙げられる。用途によっては、軽量骨材を使用してもよい。なお、骨材の用語は、「コンクリート総覧」(1998年6月10日、技術書院発行)による。
細骨材としては、川砂、陸砂、山砂、海砂、石灰砂、珪砂及びこれらの砕砂、高炉スラグ細骨材、フェロニッケルスラグ細骨材、軽量細骨材(人工及び天然)及び再生細骨材等が挙げられる。
粗骨材としては、JIS A0203−2014中の番号2312で規定されるものが挙げられる。粗骨材としては、例えば、川砂利、陸砂利、山砂利、海砂利、石灰砂利、これらの砕石、高炉スラグ粗骨材、フェロニッケルスラグ粗骨材、軽量粗骨材(人工及び天然)及び再生粗骨材等が挙げられる。コンクリート等の水硬性組成物の均質性の観点から、粗骨材の最大寸法は、好ましくは1.2mm以上、より好ましくは5mm以上、そしてポンプ圧送性の観点から、好ましくは20mm以下、より好ましくは15mm以下である。この粗骨材の最大寸法は、JIS A5005記載のふるい試験によって得られる粗骨材粒度の最大寸法である。
これら細骨材、粗骨材は、種類の違うものを混合して使用しても良く、単一の種類のものを使用しても良い。
<ポリカルボン酸系分散剤>
ポリカルボン酸系分散剤としては、下記一般式(21a)で示される単量体(21a)を構成単量体として含む共重合体が、初期流動性の観点から、好ましい。
ポリカルボン酸系分散剤としては、下記一般式(21a)で示される単量体(21a)と下記一般式(22a)で示される単量体(22a)とを構成単量体として含む共重合体がより好ましい。
Figure 2021172530
〔式中、
21a、R22a:同一でも異なっていても良く、水素原子又はメチル基
23a:水素原子又は−COO(AO)n1
24a:水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基
AO:エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる基
n1:AOの平均付加モル数であり、1以上300以下の数
q1:0以上2以下の数
p1:0又は1
を示す。〕
Figure 2021172530
〔式中、
25a、R26a、R27a:同一でも異なっていても良く、水素原子、メチル基又は(CHCOOMであり、(CHCOOMは、COOM又は他の(CHCOOMと無水物を形成していてもよく、その場合、それらの基のM、Mは存在しない。
、M:同一でも異なっていても良く、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基、置換アルキルアンモニウム基、アルキル基、ヒドロアルキル基又はアルケニル基
r:0以上2以下の数
を示す。〕
一般式(21a)中、R21aは、流動保持性の観点から、水素原子が好ましい。
一般式(21a)中、R22aは、流動保持性の観点から、メチル基が好ましい。
一般式(21a)中、R23aは、流動保持性の観点から、水素原子が好ましい。
一般式(21a)中、R24aは、流動保持性の観点から、水素原子又はメチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
一般式(21a)中、AOは、流動保持性の観点から、エチレンオキシ基が好ましい。AOはエチレンオキシ基を含むことが好ましい。
一般式(21a)中、n1は、AOの平均付加モル数であり、流動保持性の観点から、1以上、好ましくは5以上、より好ましくは7以上、そして、300以下、好ましくは250以下、より好ましくは200以下、更に好ましくは150以下、より更に好ましくは120以下である。
一般式(21a)中、流動保持性の観点から、q1は、0が好ましい。
一般式(21a)中、流動保持性の観点から、p1は、1が好ましい。
単量体(21a)を製造する際に酸触媒としてスルホン酸を使用することがある。例えば、特開2008−214638号公報にそのような方法の記載がある。本発明の(A)成分を製造する際は、本発明の効果を損なわない限り、そのような方法で製造された単量体(21a)とスルホン酸とを含む混合物を、そのまま用いることができる。
一般式(22a)中、流動保持性の観点から、R25aは、水素原子が好ましい。
一般式(22a)中、流動保持性の観点から、R26aは、メチル基が好ましい。
一般式(22a)中、流動保持性の観点から、R27aは、水素原子が好ましい。
(CH)rCOOMについては、COOM又は他の(CHCOOMと無水物を形成していてもよく、その場合、それらの基のM、Mは存在しない。
とMは同一でも異なっていても良く、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基、置換アルキルアンモニウム基、アルキル基、ヒドロアルキル基又はアルケニル基である。
、Mのアルキル基、ヒドロアルキル基、及びアルケニル基は、それぞれ、炭素数1以上4以下が好ましい。
とMは、同一でも異なっていても良く、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、アンモニウム基、又はアルキルアンモニウム基が好ましく、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、又はアンモニウム基がより好ましく、水素原子、アルカリ金属、又はアルカリ土類金属(1/2原子)が更に好ましく、水素原子、又はアルカリ金属がより更に好ましい。
流動保持性の観点から、一般式(22a)中の(CHCOOMのrは、1が好ましい。
単量体(21a)を構成単量体として含む共重合体は、流動保持性の観点から、構成単量体中の単量体(21a)の合計量が、好ましくは90質量%以上、より好ましくは92質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、そして、好ましくは100質量%以下である。この合計量は、100質量%であってもよい。
単量体(21a)と単量体(22a)とを構成単量体として含む共重合体は、流動保持性の観点から、構成単量体中の単量体(21a)と単量体(22a)の合計量が、好ましくは90質量%以上、より好ましくは92質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、そして、好ましくは100質量%以下である。この合計量は、100質量%であってもよい。
単量体(21a)と単量体(22a)とを構成単量体として含む共重合体は、単量体(21a)と単量体(22a)の合計中の単量体(22a)の割合が、水硬性組成物の流動保持性の観点から、好ましくは40モル%以上、そして、好ましくは90モル%以下、より好ましくは85モル%以下、更に好ましくは80モル%以下である。
ポリカルボン酸系分散剤、更に単量体(21a)を構成単量体として含む共重合体、更に単量体(21a)と単量体(22a)とを構成単量体として含む共重合体の重量平均分子量は、水硬性組成物の流動保持性の観点から、好ましくは20,000以上、より好ましくは30,000以上、更に好ましくは40,000以上、そして、好ましくは100,000以下、より好ましくは100,000未満、更に好ましくは80,000以下である。
ポリカルボン酸系分散剤、更に単量体(21a)を構成単量体として含む共重合体、更に単量体(21a)と単量体(22a)とを構成単量体として含む共重合体の重量平均分子量及び数平均分子量は、それぞれ、以下の条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定されたものである。
*GPC条件
装置:GPC(HLC−8320GPC)東ソー株式会社製
カラム:G4000PWXL+G2500PWXL(東ソー株式会社製)
溶離液:0.2Mリン酸バッファー/CHCN=9/1
流量:1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出:RI
サンプルサイズ:0.2mg/mL
標準物質:ポリエチレングリコール換算(分子量既知の単分散ポリエチレングリコール、分子量87,500、250,000、145,000、46,000、24,000)
ポリカルボン酸系分散剤は、AOの平均付加モル数や単量体(21a)単量体(22a)の割合などが異なる分散剤を2種以上用いることもできる。
<組成等>
本発明の水硬性組成物は、水中不分離性を得る観点から、化合物(1)を、合計で、水に対して、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、更に好ましくは0.75質量%以上、そして、好ましくは5質量%以下、より好ましくは2.5質量%以下、更に好ましくは2.0質量%以下含有する。
本発明の水硬性組成物は、化合物(1a)と化合物(1b)の合計含有量(すなわち化合物(1)の含有量)が所定の範囲内であり、かつ化合物(1a)と化合物(1b)の各含有量が所定の範囲内であることが好ましい。更に、化合物(1b)/化合物(1a)の質量比が前記所定の範囲内であることが好ましい。
本発明の水硬性組成物は、流動性保持性の観点から、ポリカルボン酸系分散剤を、水硬性粉体に対して、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.25質量%以上、更に好ましくは0.4質量%以上、そして、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.85質量%以下、更に好ましくは0.7質量%以下含有する。
本発明の水硬性組成物は、水を含有する。本発明の水硬性組成物は、強度発現性の観点から、水/水硬性粉体比が30%以上60%以下である。この水/水硬性粉体比は、水と水硬性粉体の質量百分率(質量%)である。水/水硬性粉体比は、強度発現性および作業性の観点から、好ましくは31%以上、より好ましくは32%以上、そして、好ましくは50%以下、より好ましくは45%以下である。
本発明の水硬性組成物は、骨材の含有量が、好ましくは1000kg/m以上、より好ましくは1350kg/m以上、更に好ましくは1500kg/m以上、そして、好ましくは2300kg/m以下、より好ましくは2150kg/m以下、更に好ましくは1900kg/m以下である。
本発明の水硬性組成物は、細骨材の含有量が、好ましくは400kg/m以上、より好ましくは500kg/m以上、更に好ましくは600kg/m以上、そして、好ましくは1100kg/m以下、より好ましくは1000kg/m以下、更に好ましくは900kg/m以下である。
本発明の水硬性組成物は、粗骨材の含有量が、好ましくは500kg/m以上、より好ましくは750kg/m以上、更に好ましくは800kg/m以上、そして、好ましくは1200kg/m以下、より好ましくは1150kg/m以下、更に好ましくは1000kg/m以下である。
本発明の水硬性組成物は、細骨材率が、好ましくは30体積%以上、より好ましくは34体積%以上、そして、好ましくは50体積%以下、より好ましくは46体積%以下が好適である。s/aは、細骨材(S)と粗骨材(G)の体積に基づき、s/a=〔S/(S+G)〕×100(体積%)で算出されるものである。
本発明の水硬性組成物は、より広い温度範囲で水中不分離性を得る観点から、アニオン性芳香族化合物を含有することができる。アニオン性芳香族化合物としては、芳香環を有するスルホン酸、芳香環を有するカルボン酸、芳香環を有するホスホン酸、またはこれらの塩から選ばれる1種以上の化合物が挙げられる。アニオン性芳香族化合物は、酸型化合物として、総炭素数が6以上12以下であるものが好ましい。アニオン性芳香族化合物としては、具体的には、サリチル酸、p−トルエンスルホン酸、スルホサリチル酸、安息香酸、m−スルホ安息香酸、p−スルホ安息香酸、4−スルホフタル酸、5−スルホイソフタル酸、p−フェノールスルホン酸、m−キシレン−4−スルホン酸、クメンスルホン酸、メチルサリチル酸、スチレンスルホン酸、クロロ安息香酸等が挙げられる。これらは塩を形成していていも良い。アニオン性芳香族化合物は、2種以上を使用してもよい。アニオン性芳香族化合物は、芳香環を有するスルホン酸、芳香環を有するカルボン酸、またはこれらの塩から選ばれる1種以上の化合物が好ましい。
本発明の水硬性組成物は、水中不分離性を得る観点から、化合物(1)の含有量の合計と、アニオン性芳香族化合物の含有量との質量比である化合物(1)/アニオン性芳香族化合物が、好ましくは50/50以上、より好ましくは55/45以上、更に好ましくは60/40以上、そして、好ましくは99.9/0.1以下、より好ましくは95/5以下、更に好ましくは85/15以下である。
本発明の水硬性組成物がアニオン性芳香族化合物を含有する場合、水中不分離性の観点から、該組成物は、アニオン性芳香族化合物を、水に対して、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、より好ましくは2.5質量%以下、より好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.8質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは0.25質量%以下含有する。
本発明の水硬性組成物は、重量平均分子量500以上、好ましくは200000以下のポリエチレングリコール、重量平均分子量500以上、好ましくは5000以下のポリプロピレングリコール、重量平均分子量500以上、好ましくは30000以下のエチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体、及び炭化水素基、好ましくは炭素数が好ましくは10以上22以下である炭化水素基と平均付加モル数が好ましくは9以上5000以下であるポリオキシアルキレン基とを有するエーテル化合物から選ばれる1種以上の化合物(以下、ポリエーテル化合物ともいう)を含有することができる。ポリエーテル化合物は、本発明の水硬性組成物が、ベントナイトや粘度鉱物を含有する骨材を含む場合でも、良好なレオロジー改質効果を発現させる観点で好ましい成分である。
ポリエーテル化合物の重量平均分子量は、ポリスチレンを標準としたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により測定した値であり、ポリエーテル化合物がポリエチレングリコールの場合、溶媒として水/エタノールを用いることができる。
ポリエーテル化合物は、重量平均分子量500以上200000以下のポリエチレングリコールから選ばれる1種以上のポリマーが、幅広い分子量において実用上十分な粘弾性が得られるため、より好ましい。
本発明の水硬性組成物が、前記したポリエーテル化合物を含有する場合、該組成物は、ポリエーテル化合物を、水に対して、好ましくは0.15質量%以上、より好ましくは0.25質量%以上、更に好ましくは0.35質量%以上、より更に好ましくは0.45質量%以上、より更に好ましくは0.5質量%以上、そして、好ましくは5質量%以下、より好ましくは4質量%以下、更に好ましくは3質量%以下、より更に好ましくは2質量%以下、より更に好ましくは1.5質量%以下、より更に好ましくは1質量%以下含有する。
水硬性組成物は、本発明の効果に影響ない範囲で、化合物(1)、ポリカルボン酸系分散剤、前記したポリエーテル化合物、及び前記したアニオン性芳香族化合物以外の成分、例えば、AE剤、遅延剤、起泡剤、増粘剤、発泡剤、防水剤、流動化剤、消泡剤等を含有することができる。
本発明の水硬性組成物は、種々の用途に使用できる。例えば、高流動コンクリート用、水中不分離コンクリート用、軽量高流動コンクリート用、透水性コンクリート用、場所打ちライニング工法(ECL工法)用、又はSENS工法用が挙げられる。なかでも、SENS工法用として好ましい。
本発明の水硬性組成物は、スランプフローが、例えば35cm以上、更に50cm以上、更に60cm以上、そして、80cm以下、更に75cm以下、更に70cm以下であってよい。ここで、スランプフローは、JIS A1150(2007)に記載の方法で測定された、混練直後の初期スランプフローであり、スランプコーンを引き上げてから5分後のスランプフローが上記範囲にある。
<水硬性組成物の製造方法>
本発明は、化合物(1)の2種以上、水硬性粉体、水、骨材、及びポリカルボン酸系分散剤を混合する水硬性組成物の製造方法であって、
前記2種以上の化合物(1)は、一般式(1)中のXが異なっており、
前記2種以上の化合物(1)のうち、少なくとも1つは一般式(1)中のXのR1a又はR1bがアルケニル基の化合物であり、
水と水硬性粉体とを水/水硬性粉体比が30%以上60%以下で混合する、
水硬性組成物の製造方法に関する。
本発明の水硬性組成物の製造方法には、本発明の水硬性組成物で述べた事項を適宜適用することができる。例えば、本発明の水硬性組成物における化合物(1)の具体例や好ましい態様なども本発明の水硬性組成物と同じである。また、本発明の水硬性組成物における各成分の含有量は、混合量に読み替えて本発明の水硬性組成物の製造方法に適用できる。本発明の製造方法により、本発明の水硬性組成物を製造することができる。
本発明の水硬性組成物の製造方法では、各成分の混合順序は、例えば、水硬性粉体、骨材をミキサーに投入後、数十秒間混合攪拌したのちに、ポリカルボン酸系分散剤を含む水を投入し、同様に混合攪拌を行う。その後、化合物(1)を投入して、混合攪拌することで、水硬性組成物を得ることができる。
本発明の水硬性組成物の製造方法では、スランプフローが、例えば35cm以上、更に50cm以上、更に60cm以上、そして、80cm以下、更に75cm以下、更に70cm以下での水硬性組成物を製造することが好ましい。このスランプフローは、前記と同様の方法で測定されたものである。
<水硬性組成物の打設方法>
シールド掘進機によって掘削された空洞に、前記一般式(1)で表される化合物を2種以上、水硬性粉体、水、骨材、及びポリカルボン酸系分散剤を含有する水硬性組成物を充填する、水硬性組成物の打設方法であって、
前記2種以上の化合物は、一般式(1)中のXが異なっており、
前記2種以上の化合物のうち、少なくとも1つは一般式(1)中のXのR1a又はR1bがアルケニル基の化合物であり、
水/水硬性粉体比が30%以上60%以下であり、
前記水硬性組成物のスランプフローが35cm以上80cm以下である、
水硬性組成物の打設方法を提供する。
本発明の水硬性組成物の打設方法には、本発明の水硬性組成物及び水硬性組成物の製造方法で述べた事項を適宜適用することができる。例えば、本発明の水硬性組成物の打設方法における化合物(1)の具体例や好ましい態様なども本発明の水硬性組成物と同じである。本発明の水硬性組成物の打設方法に用いる水硬性組成物は、本発明の水硬性組成物であってよい。水硬性組成物は、コンクリートが好ましい。
本発明の水硬性組成物の打設方法では、水硬性組成物を、SENS工法の一次覆工として打設することが好ましい。
本発明の水硬性組成物の打設方法として、例えば、シールド掘進機で地山を掘削して掘進するとともに掘削孔の内周面とシールド掘進機の後部に設けた内型枠との間に、本発明の水硬性組成物であるコンクリートを流し込んで打設するコンクリートの打設方法が挙げられる。この打設方法は、トンネル施工方法に組み込むことができる。
すなわち、本発明により、例えば、シールド掘進機で地山を掘削して掘進するとともに掘削孔の内周面とシールド掘進機の後部に設けた内型枠との間に、コンクリートを流し込んで一次覆工コンクリートを構築してトンネルを形成するトンネル施工方法であって、
コンクリートは本発明の水硬性組成物からなるコンクリートであり、
一次覆工コンクリートを構築した後に内型枠を取り外して一次覆工コンクリートの変形が収束したことを測量により確認した後、当該変形の収束した一次覆工コンクリートの内側に二次覆工コンクリートを構築する、トンネル施工方法が提供される。このトンネル施工方法は、公知のSENS工法に準じて行うことができる。
(1)用いた成分
<化合物(1)>
・化合物(1a−1):オレイルジメチルアミンオキシド(一般式(1a)中、R11a:炭素数18のアルケニル基(オレイル基)、n1:0、R:メチル基、R:メチル基)
・化合物(1a−2):ステアリルジメチルアミンオキシド(一般式(1a)中、R11a:炭素数18のアルキル基(ステアリル基)、n1:0、R:メチル基、R:メチル基)
・化合物(1b−1):オレイン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド(一般式(1b)中、R11b:炭素数17のアルケニル基、n2:1、R:メチル基、R:メチル基)
各化合物は、それぞれ、例えば、特開2001−213859に記載の方法で製造することができ、それぞれに対応するアルキルジメチルアミン、アルケニルジメチルアミンまたはアルケニルアミドプロピルアミンを酸化することにより製造した。
<ポリカルボン酸系分散剤>
ポリカルボン酸系重合体(マイテイ21EG、花王(株)製)
(2)水硬性組成物の調製
強制二軸ミキサー((株)IHI社製)に、表1に記載の配合で、水硬性粉体(HC)、細骨材(S1、S2、S3)、粗骨材(G)を加えて10秒間空練りを行った。次に、ポリカルボン酸系分散剤を含む水(W)を加えて、90秒間撹拌(撹拌速度:40rpm)した後、表2に記載の配合で、各成分を加えて、60秒撹拌を行うことで水硬性組成物を調製した。水の混合量は、表1に記載の使用量となるように調整した。また、ポリカルボン酸系分散剤は、水硬性粉体に対する混合量(有効分換算)が表2の通りとなるように混練する水(水道水)に添加して用いた。
表1中の各材料は以下の通りである。
水(W):水道水(ポリカルボン酸系分散剤を含む)
早強ポルトランドセメント(HC):日鉄住金セメント株式会社製、比重3.14
細骨材(S):(S1)岐阜県揖斐川産 細砂、表乾密度2.61g/cm
(S2)岐阜県揖斐川産 粗砂、表乾密度2.61g/cm
(S3)兵庫県家島産 砕砂、表乾密度2.55g/cm
粗骨材(G):高知県鳥形山産石灰砕石、表乾密度2.70g/cm、粗粒率7.03、最大寸法15mm
(3)評価
(3−1)スランプフローの評価
得られた水硬性組成物を、JIS A 1150に従って、5分後のスランプフローを測定した。測定は、混練終了直後(0分後)に測定した。評価は、表2に示す各温度の水硬性組成物について行った。この評価では、スランプフローが500mmから700mmの範囲にあることが好ましい。
(3−2)水中不分離性の評価
JSCE−D 104−2007に従って、1000mLのガラスビーカーにイオン交換水を800ml入れ、調製した水硬性組成物500gを量りとり、10分割し、1分割ずつヘラを用いて水面から静かに自由落下させた。全試料の落下は30秒間の間に終了させ、3分間放置したのち、吸引装置を用いて上澄み液を約600mL採取し、そのうち300mLをメスシリンダーで分取した。
105℃で1時間乾燥させたろ紙を用いて、分取した300mLの被検水を注ぎ入れ、吸引ろ過する。残留物がその上に留まった状態にあるろ紙を受け皿に移し、105℃で2時間乾燥させ、懸濁物質量を算出し、水中不分離性を評価した。算出には下記の式を用いた。評価は、表2に示す各温度の水硬性組成物について行った。この評価では、懸濁物質量が500mg/L以下であることが好ましい。
S=(a−b)×1000/V
S:懸濁物質量(mg/L)
a:懸濁物質を含んだろ紙および受け皿の質量(mg)
b:ろ紙および受け皿の質量(mg)
V:メスシリンダーで量り取った被検水の量
Figure 2021172530
Figure 2021172530
表2の結果から、化合物(1)を本発明の所定条件で2種併用した実施例の水硬性組成物は、温度にかかわらず、目標のスランプフローが達成でき、且つ懸濁物質量が少なく水中不分離性に優れることがわかる。これに対して、比較例のように、化合物(1)を1種のみ用いた場合は、温度によるスランプフローの変動が大きく、また懸濁物質量が多く水中不分離性が劣ることが分かる。

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物を2種以上、水硬性粉体、水、骨材、及びポリカルボン酸系分散剤を含有する水硬性組成物であって、
    前記2種以上の化合物は、一般式(1)中のXが異なっており、
    前記2種以上の化合物のうち、少なくとも1つは一般式(1)中のXのR1a又はR1bがアルケニル基の化合物であり、
    水/水硬性粉体比が30%以上60%以下である、
    水硬性組成物。
    Figure 2021172530

    〔式中、Xは、R1a又はR1b−[CONH−CHCHCH−で表される基である。R1aは、炭素数14以上22以下のアルキル基又は炭素数14以上22以下のアルケニル基である。R1bは、炭素数13以上21以下のアルキル基又は炭素数13以上21以下のアルケニル基である。nは1以上3以下の整数である。R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1以上4以下のアルキル基又は−(CO)Hで表される基である。pは、平均付加モル数であり、R及びRの合計で0以上5以下の数である。〕
  2. さらに、アニオン性芳香族化合物を含有する、請求項1に記載の水硬性組成物。
  3. ポリカルボン酸系分散剤を、水硬性粉体に対して、0.1質量%以上1質量%以下含有する、請求項1又は2に記載の水硬性組成物。
  4. スランプフローが35cm以上80cm以下である、請求項1〜3の何れか1項に記載の水硬性組成物。
  5. 一般式(1)で示される化合物を、合計で、水に対して、0.01質量%以上5質量%以下含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の水硬性組成物。
  6. 高流動コンクリート用、水中不分離コンクリート用、軽量高流動コンクリート用、透水性コンクリート用、場所打ちライニング工法用、又はSENS工法用である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の水硬性組成物。
  7. 下記一般式(1)で表される化合物の2種以上、水硬性粉体、水、骨材、及びポリカルボン酸系分散剤を混合する水硬性組成物の製造方法であって、
    前記2種以上の化合物は、一般式(1)中のXが異なっており、
    前記2種以上の化合物のうち、少なくとも1つは一般式(1)中のXのR1a又はR1bがアルケニル基の化合物であり、
    水と水硬性粉体とを水/水硬性粉体比が30%以上60%以下で混合する、
    水硬性組成物の製造方法。
    Figure 2021172530

    〔式中、Xは、R1a又はR1b−[CONH−CHCHCH−で表される基である。R1aは、炭素数14以上22以下のアルキル基又は炭素数14以上22以下のアルケニル基である。R1bは、炭素数13以上21以下のアルキル基又は炭素数13以上21以下のアルケニル基である。nは1以上3以下の整数である。R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1以上4以下のアルキル基又は−(CO)Hで表される基である。pは、平均付加モル数であり、R及びRの合計で0以上5以下の数である。〕
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