JP2023061316A - 硬化体の強度制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ブリーディングの発生を抑制することなく、水硬性組成物の硬化体の強度差を低減できる、強度制御方法を提供する。【解決手段】水、及び水硬性粉体を含有する水硬性組成物から硬化体を製造する際に、前記水硬性組成物に(A)アミンオキシド型界面活性剤を共存させて硬化させることで、硬化時に水硬性組成物にかかる重力の方向において、硬化体の強度差を低減する、硬化体の強度制御方法。【選択図】なし

Description

本発明は、硬化体の強度制御方法に関する。
コンクリート、モルタルなどの水硬性組成物は、土木、建築などの様々な分野で用いられている。例えば、水硬性組成物は、地中の遮水壁、地中杭などの製造に用いられている。
また、一般に、水硬性組成物には、そのワーカビリティ、流動性、強度、凝結時間、硬化時間などを調整するために、AE剤、減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤、流動化剤、凝結遅延剤などの、様々な化学混和剤が用いられる。
特許文献1には、セメント、細骨材、粗骨材および混和剤を配合したコンクリートを地中に打設して地中連続壁コンクリートを構築するさいに,前記の混和剤として、AE減水剤または高性能AE減水剤と、増粘剤とを少なくとも使用し、該増粘剤として下記の化合物(α)であるスルホン基を有する芳香族化合物および/またはその塩と化合物(β)であるアルキルトリメチルアンモニウム塩とを使用して、スランプフロー350mm以上としたコンクリートを地中に打設する地中連続壁コンクリートの構築法が開示されている。そして、特許文献1の実施例では、コンクリートの上下の強度差の指標に、加圧ブリーディング計測でブリーディング量が計測されるか否かを用いている。
特許文献2には、構造の異なる特定のアミンオキシドを2種以上含有するレオロジー改質剤が開示されている。
特許文献3には、アルキル基が炭素数8~22のアルキルアミンオキシドと高性能減水剤とを含有するコンクリート組成物においてコンクリートのスランプフロー値(JIS-A 1101の測定による拡がり)が50cm以上である自己充填性コンクリート組成物が開示されている。
特開2006-2347号公報 特開2020-76022号公報 特開平8-133805号公報
水硬性組成物の硬化体は、用途に応じて適切な強度を有することが望まれるが、強度の大小だけでなく、硬化体の部位による強度に差が無い、つまり強度の均一性も重要である。例えば、地盤改良用の地中杭のような長手形状の硬化体を打設する場合、硬化時の重力の影響により、杭の上部(地表から近い部位)と下部(地表から遠い部位)で強度差が生じる場合がある。そのような強度差が顕著であると、硬化体全体の強度にも影響する。
また、水硬性組成物の硬化体の強度の低下を抑制するためにはブリーディングの発生の抑制が重要と一般に認識されている(例えば、特許文献1)。
本発明は、ブリーディングの発生を抑制することなく、水硬性組成物の硬化体の強度差を低減できる、強度制御方法を提供する。
本発明は、水、及び水硬性粉体を含有する水硬性組成物から硬化体を製造する際に、
前記水硬性組成物に(A)アミンオキシド型界面活性剤〔以下、(A)成分という〕を共存させて硬化させることで、硬化時に水硬性組成物にかかる重力の方向において、硬化体の強度差を低減する、
硬化体の強度制御方法に関する。
本発明によれば、ブリーディングの発生を抑制することなく、水硬性組成物の硬化体の強度差を低減できる、強度制御方法が提供される。以下、硬化体の強度差という場合は、特記しない限り、硬化時に水硬性組成物にかかる重力の方向における硬化体の強度差を意味する。
本発明では、水硬性組成物にアミンオキシド型界面活性剤を共存させることで、当該水硬性組成物から製造される硬化体における強度の均一性が格段に向上する。
一般的な増粘剤では、水硬性粉体を架橋凝集させたり、異電荷凝集させたりして、水硬性粉体同士を凝集させることで水硬性組成物を増粘させていると考えられている。この手法で系の粘性が上昇することで材料分離は抑制できるものの、水硬性粉体同士は粗大化し、ミクロな視点では沈降しやすくなっている。
一方、本発明で用いるアミンオキシド型界面活性剤は、水硬性組成物の水中で紐状ミセルを形成し三次元網目構造を形成し、これに水硬性粉体が絡まり合うことでその場に絡めて留めておくことができると考えられる。そのため、水硬性粉体がほぼ均一に分散した状態で水硬性組成物中に分布し、硬化時の重力の影響を受けにくい状態で硬化すると推察される。特にアミンオキシド型界面活性剤は、他の界面活性剤、例えばカチオン界面活性剤などと比べて臨界ミセル濃度が非常に低いため、非常に強い三次元網目構造を形成すると考えられる。これにより、本発明では、ブリーディングの発生を特に制御しなくても、硬化体の強度差を、硬化時に水硬性組成物かかる重力の方向において低減できるものと推察される。なお、本発明の効果発現の機構はこれに限定されるものではない。
まず、本発明に係る水硬性組成物について説明する。
水は、水道水、河川水、湖水などを使用することができる。
水硬性粉体は、水と混合することで硬化する粉体であり、例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメント、エコセメント(例えばJIS R5214等)が挙げられる。これらの中でも、水硬性組成物の必要な強度に達するまでの時間を短縮する観点から、早強ポルトランドセメント、普通ポルトランドセメント、耐硫酸性ポルトランドセメント及び白色ポルトランドセメントから選ばれるセメントが好ましく、早強ポルトランドセメント、及び普通ポルトランドセメントから選ばれるセメントがより好ましい。
また、水硬性粉体には、高炉スラグ、フライアッシュ、シリカヒューム、無水石膏等が含まれてよく、また、非水硬性の石灰石微粉末等が含まれていてもよい。水硬性粉体として、セメントと高炉スラグ、フライアッシュ、シリカヒューム等とが混合された高炉セメントやフライアッシュセメント、シリカヒュームセメントを用いてもよい。また、本発明の効果を損なわない範囲でベントナイト等の粘土を含んでいてもよい。
本発明では、水硬性粉体は、高炉スラグセメントを用いてもよい。高炉スラグセメントは、JIS R 5211に規定される高炉セメントA種、高炉セメントB種、高炉セメントC種を使用することができる。
(A)成分のアミンオキシド型界面活性剤は、アミンオキシド基を有する界面活性剤であってよい。アミンオキシド型界面活性剤は、例えば、炭素数8以上、更に14以上、そして、22以下の炭化水素基を1つ有するアミンオキシドが挙げられる。(A)成分としては、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2023061316000001
〔式中、
Xは、R1a又はR1b-[CONH-CHCHCH-で表される基である。
1aは、炭素数14以上22以下のアルキル基又は炭素数14以上22以下のアルケニル基である。
1bは、炭素数13以上21以下のアルキル基又は炭素数13以上21以下のアルケニル基である。
nは1以上3以下の整数である。
及びRは、それぞれ独立に、炭素数1以上4以下のアルキル基又は-(CO)Hで表される基である。pは、平均付加モル数であり、R及びRの合計で0以上5以下の数
である。〕
本発明では、(A)成分は、前記一般式(1)で表される化合物〔以下、化合物(1)ともいう〕の2種以上であり、
前記2種以上の化合物は、一般式(1)中のXが異なっており、
前記2種以上の化合物のうち、少なくとも1つは一般式(1)中のXのR1a又はR1bがアルケニル基の化合物である、
ことが好ましい。以下、この態様について説明する。
化合物(1)について、一般式(1)中のXが異なるとは、化合物(1)が2種である場合を例に考えると、例えば、以下のような態様が挙げられる。なお、以下の態様において、2種の化合物(1)のうち、少なくとも一方の化合物(1)のR1a又はR1bはアルケニル基である。
(i)一方のR1a又はR1bがアルキル基であり、他方のR1a又はR1bがアルケニル基である。
(ii)一方のR1a又はR1bの炭素数と、他方のR1a又はR1bの炭素数が異なっている。
(iii)一方のXがR1aであり、他方のXがR1b-[CONH-CHCHCH-である。
(iv)Xが共にR1b-[CONH-CHCHCH-であり、一方のnと他方のnが異なっている。
(v)前記(i)~(iv)の組み合わせ。
一般式(1)中、Xは、R1a又はR1b-[CONH-CHCHCH-で表される基である。
1aは、炭素数14以上22以下のアルキル基又は炭素数14以上22以下のアルケニル基である。
1aがアルケニル基の場合、炭素数は、好ましくは18以上、そして、好ましくは22以下である。
1aがアルキル基の場合、炭素数は、好ましくは16以上、そして、好ましくは22以下である。
1bは、炭素数13以上21以下のアルキル基又は炭素数13以上21以下のアルケニル基である。
1bがアルケニル基の場合、炭素数は、好ましくは17以上、そして、好ましくは21以下である。
1bがアルキル基の場合、炭素数は、好ましくは15以上、そして、好ましくは21以下である。
nは1以上3以下の整数である。好ましくは、nは、0又は1である。
及びRは、それぞれ独立に、好ましくは炭素数1以上2以下のアルキル基又は(CO)Hで表される基である。
pは、好ましくは0以上3以下の数である。
本発明では、一般式(1)中のXが異なる化合物(1)を2種以上、好ましくは5種以下、より好ましくは2種用いる。そして、本発明で用いる2種以上の化合物(1)は、少なくとも1つが一般式(1)中のXのR1a又はR1bが炭素数14以上22以下のアルケニル基の化合物、つまり、一般式(1)中のXにおけるR1aとして炭素数14以上22以下のアルケニル基又はR1bとして炭素数13以上21以下のアルケニル基を含む化合物である。
本発明では、化合物(1)が2種であり、上記(i)~(v)を含め、2種の化合物(1)のうち、一方が、一般式(1)中のXがR1aで且つ炭素数14以上22以下のアルケニル基の化合物であることが好ましい。すなわち、(A)成分は、前記一般式(1)で表される化合物の2種であり、前記2種の化合物は、一般式(1)中のXが異なっており、前記2種の化合物のうち、一方は、一般式(1)中のXがR1aであり且つR1aがアルケニル基の化合物であることが好ましい。
(A)成分として、一般式(1)中のXがR1a又はR1b-[CONH-CHCHCH-で表される基(ただし、R1aは炭素数14以上22以下のアルケニル基であり、R1bは炭素数13以上21以下のアルケニル基である)である化合物(1a)と、化合物(1a)とは一般式(1)中のXが異なる化合物(1b)との組み合わせが挙げられる。
(A)成分として、具体的には、下記一般式(1a)で表される化合物(1a)と、下記一般式(1b)で表される化合物(1b)との組み合わせが挙げられる。
Figure 2023061316000002
〔式中、
n1、n2は、それぞれ、独立に0以上3以下の整数である。
11aは、n1が0のときは炭素数14以上22以下のアルケニル基であり、n1が1~3のときは炭素数13以上21以下のアルケニル基である。
11bは、n2が0のときは炭素数14以上22以下のアルキル基又は炭素数14以上22以下のアルケニル基であり、n2が1~3のときは炭素数13以上21以下のアルキル基又は炭素数13以上21以下のアルケニル基である。
ただし、n1とn2が同じ数である場合、R11bのアルケニル基はR11aとは異なるアルケニル基である。
及びRは、それぞれ独立に、炭素数1以上4以下のアルキル基又は-(CO)Hで表される基である。pは、平均付加モル数であり、R及びRの合計で0以上5以下の数
である。〕
一般式(1a)中、R11aの炭素数は、好ましくは17以上、そして、好ましくは22以下である。
一般式(1a)中、n1は、好ましくは0又は1、より好ましくは0である。
一般式(1b)中、n2が0でR11bがアルキル基の場合、R11bの炭素数は、好ましくは16以上、そして、好ましくは22以下である。
一般式(1b)中、n2が0でR11bがアルケニル基の場合、R11bの炭素数は、好ましくは18以上、そして、好ましくは22以下である。
一般式(1b)中、n2が1~3でR11bがアルキル基の場合、R11bの炭素数は、好ましくは15以上、そして、好ましくは21以下である。
一般式(1b)中、n2が1~3でR11bがアルケニル基の場合、R11bの炭素数は、好ましくは17以上、そして、好ましくは21以下である。
一般式(1b)中、R11bは、アルキル基が好ましい。
一般式(1b)中、n2は、好ましくは0又は1である。
一般式(1a)又は(1b)中、R及びRは、それぞれ独立に、好ましくは炭素数1もしくは2のアルキル基又は-(CO)Hで表される基であり、より好ましくは炭素数1又は2のアルキル基である。
一般式(1a)又は(1b)中、pは、好ましくは0以上3以下の数である。
n1とn2が同じ数である場合、R11bのアルケニル基はR11aとは異なるアルケニル基である。
本発明の(A)成分として、下記一般式(11a)で表される化合物(11a)及び下記一般式(1b)で表される化合物(1b)の組み合わせが挙げられる。
Figure 2023061316000003
〔式中、
n2は、0以上3以下の整数である。
11aは、炭素数14以上22以下のアルケニル基である。
11bは、n2が0のときは炭素数14以上22以下のアルキル基又は炭素数14以上22以下のアルケニル基であり、n2が1~3のときは炭素数13以上21以下のアルキル基又は炭素数13以上21以下のアルケニル基である。
ただし、n2が0である場合、R11bのアルケニル基はR11aとは異なるアルケニル基である。
及びRは、それぞれ独立に、炭素数1以上4以下のアルキル基又は-(CO)Hで表される基である。pは、平均付加モル数であり、R及びRの合計で0以上5以下の数
である。〕
一般式(11a)で表される化合物(11a)は、前記一般式(1a)中、n1が0の化合物に相当する。一般式(11a)中のR11a、R及びRの好ましい態様は、一般式(1a)と同じである。この組み合わせにおいても、化合物(1b)の好ましい態様は前記と同じである。
本発明では、化合物(1b)/化合物(1a)の質量比は、好ましくは5/95以上、より好ましくは25/75以上、更に好ましくは30/70以上、より更に好ましくは40/60以上、そして、好ましくは95/5以下、より好ましくは75/25以下、更に好ましくは70/30、より更に好ましくは65/35、より更に好ましくは60/40以下である。
本発明では、水及び水硬性粉体を含有する水硬性組成物から所定形状の硬化体を製造する際に、前記水硬性組成物に(A)アミンオキシド型界面活性剤を共存させて硬化させることで、硬化体の強度差を、硬化時に水硬性組成物かかる重力の方向において、低減する。
本発明に係る水硬性組成物は、水/水硬性粉体比(以下、W/Pと表記する場合もある)が、例えば、50質量%以上、更に60質量%以上、更に65質量%以上、更に70質量%以上、そして、200質量%以下、更に150質量%以下、更に100質量%以下であってよい。ここで、水/水硬性粉体比は、水硬性組成物中の水と水硬性粉体の質量百分率(質量%)であり、水/水硬性粉体×100で算出される。水/水硬性粉体比は、水和反応により硬化する物性を有する粉体の量に基づいて算出される。なお、水硬性粉体が、セメント等の水和反応により硬化する物性を有する粉体の他、ポゾラン作用を有する粉体、潜在水硬性を有する粉体、及び石粉(炭酸カルシウム粉末)から選ばれる粉体を含む場合、本発明では、それらの量も水硬性粉体の量に算入する。また、水和反応により硬化する物性を有する粉体が、高強度混和材を含有する場合、高強度混和材の量も水硬性粉体の量に算入する。これは、水硬性粉体の質量が関係する他の質量%等においても同様である。
(A)成分は、硬化体の強度差を低減する観点から、水硬性組成物の水に対して、例えば0.001質量%以上、更に0.005質量%以上、更に0.01質量%以上、そして、経済性の観点から、10質量%以下、更に8質量%以下、更に5質量%以下、更に3質量%以下、更に2質量%以下、更に1.5質量%以下、更に1.0質量%以下の割合で用いることができる。
(A)成分として化合物(1)を用いる場合、化合物(1)は、合計で、水硬性組成物の水に対して、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、更に好ましくは0.05質量%以上、より更に好ましくは0.1質量%以上、そして、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは10質量%以下、より更に好ましくは8質量%以下、より更に好ましくは5質量%以下用いる。
(A)成分として化合物(1a)と化合物(1b)とを用いる場合、前記化合物(1a)は、水硬性組成物の水に対して、好ましくは0.00095質量%以上、より好ましくは0.0075質量%以上、更に好ましくは0.035質量%以上、より更に好ましくは0.06質量%以上、そして、好ましくは3.75質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは2.8質量%以下、より更に好ましくは2質量%以下、より更に好ましくは1質量%以下用いる。
また、(A)成分として化合物(1a)と化合物(1b)とを用いる場合、前記化合物(1b)は、水硬性組成物の水に対して、好ましくは0.00005質量%以上、より好ましくは0.0025質量%以上、更に好ましくは0.015質量%以上、より更に好ましくは0.04質量%以上、そして、好ましくは19質量%以下、より好ましくは11.25質量%以下、更に好ましくは7質量%以下、より更に好ましくは5.2質量%以下、より更に好ましくは3質量%以下用いる。
(A)成分として化合物(1a)と化合物(1b)とを用いる場合、化合物(1b)/化合物(1a)の質量比は、好ましくは5/95以上、より好ましくは25/75以上、更に好ましくは40/60以上、そして、好ましくは95/5以下、より好ましくは75/25以下、更に好ましくは60/40以下である。
本発明に係る水硬性組成物は、水、水硬性粉体、(A)成分以外の成分を任意に含有することができる。
本発明に係る水硬性組成物は、(B)消泡剤〔以下、(B)成分という〕を含有することが好ましい。
(B)成分は、消泡性の観点から、好ましくは、ポリシロキサン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン、ポリプロピレンオキサイド及びその誘導体(ポリオキシプロピレン、ポリオキシプロピレングリセリルエーテルなど)、アセチレングリコール及びその誘導体(アセチレングリコール、アセチレングリコールのアルキレンオキサイド付加物など)、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアミド、リン酸トリアルキル、並びにアルコールから選ばれる1種又は2種以上の化合物である。より好ましくはこれらの化合物であって、水に不溶の化合物である。
ポリシロキサンとしては、ポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、ポリヒドロキシメチルシロキサンなどが挙げられる。
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンとしては、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンランダムポリマー、ポリプロピレンオキサイド-ポリエチレンオキサイド-ポリプロピレンオキサイドブロックポリマーなどが挙げられる。消泡性の観点から、これらの重量平均分子量は、2,000以上100,000以下が好ましい。
ポリプロピレンオキサイド及びその誘導体としては、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンなどが挙げられる。これらの、ポリプロピレンオキサイド部分の重量平均分子量は、消泡性の観点から、2,000以上100,000以下が好ましい。
アセチレングリコール及びその誘導体としては、アセチレノールE00、アセチレノールE13(何れも川研ファインケミカル(株))、DYNOL(登録商標)604、SURFYNOL(登録商標)440、SURFYNOL(登録商標)104、SURFYNOL(登録商標)2502、SURFYNOL(登録商標)420、SURFYNOL(登録商標)DF-75(何れもエアープロダクツアンドケミカルズ社)などの市販品が挙げられる。アセチレングリコールの誘導体としては、アセチレングリコールのアルキレンオキサイド付加物が挙げられる。消泡性の観点から、アルキレンオキサイドの平均付加モル数は、1以上100以下が好ましい。アルキレンオキサイドはプロピレンオキサイドが好ましい。
ポリオキシアルキレン脂肪酸エステルとしては、炭素数が4から22までの脂肪酸のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。消泡性の観点から、アルキレンオキサイドの平均付加モル数は、1以上100以下が好ましい。また、同様の観点から、アルキレンオキサイドはプロピレンオキサイドを含むことが好ましい。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、炭素数が4から22までのアルコールのアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。消泡性の観点から、アルキレンオキサイドの平均付加モル数は、1以上100以下が好ましい。また、同様の観点から、アルキレンオキサイドはプロピレンオキサイドが好ましい。具体的には、ポリプロピレングリコールラウリルエーテル、ポリプロピレングリコールミリスチルエーテル及びこれらの混合物が挙げられる。
ポリオキシアルキレンアルキルアミドとしては、炭素数が8から22までの脂肪酸とモノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアミンとのアミドのアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。消泡性の観点から、アルキレンオキサイドの平均付加モル数は、1以上100以下が好ましい。また、同様の観点から、アルキレンオキサイドはプロピレンオキサイドが好ましい。
リン酸トリアルキルとしては、リン酸トリブチル、リン酸トリイソブチルなどが挙げられる。消泡性の観点から、アルキル基の炭素数は、1以上5以下が好ましい。
アルコールとしては、炭素数が4から22のアルコール、好ましくは炭素数が4から22の1価アルコールなどが挙げられる。消泡性の観点から、アルコールの炭素数は、6以上18以下が好ましい。
消泡剤の適当な例には、ポリシロキサンとして、SAG(商標)672、SAGTEX(商標) DSA(いずれもモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・インク)が、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、又はポリオキシアルキレンアルキルアミドとして、ポリプロピレングリコールラウリルエーテル、ポリプロピレングリコールミリスチルエーテル及びこれらの混合物、オレイン酸のプロピレンオキサイド・エチレンオキサイド付加物、SNデフォーマー260(商標)、SNデフォーマー265(商標)、SNデフォーマー466(商標)(いずれもサンノプコ株式会社)、消泡剤 NO.21(商標)、消泡剤 NO.8(商標)(いずれも花王株式会社)が、アセチレングリコールとして、DYNOL(商標)604、SURFYNOL(登録商標)440が、リン酸トリアルキルとして、リン酸トリブチル、リン酸トリイソブチルが、アルコールとして、2-エチルヘキサノールが、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンとして、ニューポールPE-61(商標)、ニューポールPE-71(商標)(いずれも三洋化成株式会社)が、及びポリオキシプロピレンとして、分子量が2,000以上100,000以下のポリプロピレングリコールが含まれる。
また、消泡剤は、経済性の観点から、好ましくは、ポリシロキサンとして、DK Q1-1183(商標)が、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、又はポリオキシアルキレンアルキルアミドとして、SNデフォーマー260(商標)、SNデフォーマー265(商標)、SNデフォーマー466(商標)、消泡剤 NO.21(商標)、消泡剤 NO.8(商標)が、リン酸トリアルキルとして、リン酸トリブチル、リン酸トリイソブチルが、アルコールとして、2-エチルヘキサノールが、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンとしてニューポールPE-61(商標)、ニューポールPE-71(商標)が、及びポリオキシプロピレンとして、分子量が2,000以上100,000以下のポリプロピレングリコールが挙げられる。
本発明に係る水硬性組成物が(B)成分を含有する場合、該組成物は、(B)成分を、(A)成分に対して、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、更により好ましくは0.1質量%以上、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更により好ましくは5質量%以下の割合で含有する。
本発明に係る水硬性組成物は、(C)アニオン性芳香族化合物を含有することができる。(C)成分としては、芳香環を有するスルホン酸、芳香環を有するカルボン酸、芳香環を有するホスホン酸、又はこれらの塩から選ばれる1種以上の化合物が挙げられる。アニオン性芳香族化合物は、酸型化合物として、総炭素数が6以上12以下であるものが好ましい。アニオン性芳香族化合物としては、具体的には、サリチル酸、p-トルエンスルホン酸、スルホサリチル酸、安息香酸、m-スルホ安息香酸、p-スルホ安息香酸、4-スルホフタル酸、5-スルホイソフタル酸、p-フェノールスルホン酸、m-キシレン-4-スルホン酸、クメンスルホン酸、メチルサリチル酸、スチレンスルホン酸、クロロ安息香酸等が挙げられる。これらは塩を形成していていも良い。アニオン性芳香族化合物は、2種以上を使用してもよい。アニオン性芳香族化合物は、芳香環を有するスルホン酸、芳香環を有するカルボン酸、又はこれらの塩から選ばれる1種以上の化合物が好ましい。
(C)成分を用いる場合、(A)成分/(C)成分の質量比、更に化合物(1)/(C)成分の質量比は、好ましくは50/50以上、より好ましくは70/30以上、更に好ましくは80/20以上、そして、好ましくは99.9/0.1以下、より好ましくは95/5以下である。
本発明に係る水硬性組成物は、本発明の効果に影響ない範囲で、例えば、分散剤、AE剤、遅延剤、起泡剤、増粘剤、発泡剤、防水剤、流動化剤などの成分を任意に含有することができる。
なお、(B)成分、(C)成分などの任意成分は、水硬性組成物に予め配合する以外に、(A)成分を添加するときに添加したり、(A)成分を添加した後に添加したりすることができる。また、(A)成分と任意成分、例えば(C)成分とを含有する組成物として用いることもできる。
本発明に係る水硬性組成物は、骨材を含有してもよい。骨材は、細骨材や粗骨材等が挙げられ、細骨材は山砂、陸砂、川砂、砕砂が好ましく、粗骨材は山砂利、陸砂利、川砂利、砕石が好ましい。用途によっては、軽量骨材を使用してもよい。なお、骨材の用語は、「コンクリート総覧」(1998年6月10日、技術書院発行)による。
本発明では、用いる水硬性組成物のブリーディングの発生を特に抑制する必要がないため、ブリーディングが発生する水硬性組成物を用いることもできる。例えば、本発明では、ブリーディング率が好ましくは20%以下、より好ましくは15%以下、更に好ましくは12%以下の水硬性組成物を用いることができる。この範囲は、例えば、水硬性組成物を施工する観点からも好ましいものであるが、本発明ではこのような広い範囲までブリーディングが生じても硬化体の強度差を低減できる。一方、(A)成分を用いないと、後述の比較例で示したように、このようなブリーディング率まで拡張して硬化体の強度差を低減することはできない。ブリーディング率の下限値は、好ましくは0%以上、より好ましくは1.0%以上、更に好ましくは2.0%以上、より更に好ましくは3.0%以上である。すなわち、本発明では、ブリーディング率が、好ましくは0%以上、より好ましくは1.0%以上、更に好ましくは2.0%以上、より更に好ましくは3.0%以上、そして、好ましくは20%以下、より好ましくは15%以下、更に好ましくは12%以下の水硬性組成物を用いることができる。ここで、水硬性組成物のブリーディング率は、JSCE-F 522-2007 プレパックドコンクリートの注入モルタルのブリーディング率及び膨張率試験方法(ポリエチレン袋方法)を用いて測定した、(A)成分を含む水硬性組成物の調製3時間後のブリーディング率である。本発明では、JSCE-F 522-2007による調製3時間後のブリーディング率が前記範囲となる組成で調製した水硬性組成物を対象として硬化体の強度差を低減することができる。本発明の方法の一例として、水、及び水硬性粉体を含有する水硬性組成物から硬化体を製造する際に、前記水硬性組成物に(A)成分を共存させ、JSCE-F 522-2007による調製3時間後のブリーディング率が0%以上20%以下となる水硬性組成物の組成を決定し、その組成を有する水硬性組成物を硬化させることで、硬化時に水硬性組成物にかかる重力の方向において、硬化体の強度差を低減する、硬化体の強度制御方法が挙げられる。
本発明の対象となる水硬性組成物の硬化体は所定形状の硬化体である。硬化体の形状は限定されないが、長手形状を有する硬化体は強度差による不利益が大きいことが多いため、本発明で対象とする硬化体の形状として好適である。本発明は、例えば、本発明に係る水硬性組成物を重力方向において長手形状に硬化させ、得られた硬化体の長手方向における強度差を低減する方法であってよい。
また、本発明は、例えば、本発明に係る水硬性組成物を重力方向において長さ30cm以上の部分を有する形状で硬化させ、得られた硬化体の前記長さ30cm以上の部分における強度差を低減する方法であってよい。ここで、前記30cm以上の部分は、硬化体に複数存在してよい。例えば、重力方向において長手形状の硬化体では、長手方向の厚み(長さ)と短手方向の厚みがそれぞれ30cm以上であってよい。また、硬化体が重力方向において長さ30cm以上の部分と重力方向において長さ30cm未満の部分とを有する場合、本発明は、両方の部分で強度差を低減するものであってよい。
本発明の対象となる硬化体の一例として、杭、杭周固定液、根固め液、裏込め材、管渠の埋め戻し材、杭引抜後の埋め戻し材などの充填材や、地中連続壁などが挙げられる。杭は、地盤改良用杭が挙げられる。
本発明は、例えば、水硬性組成物を、住宅などの基礎地盤の改良を目的とする地盤改良、例えば、柱状地盤補強工法(ソイルセメントコラム工法などとも称される)などの地盤改良に用いる際に適用することができる。また、地盤の崩落防止や掘削後の地山や岩盤を安定にする工法にも使用できる。本発明を、例えば、地盤注入用水硬性組成物を柱状地盤補強工法に適用することで、強度差の小さい地盤改良体を構築できる。
本発明で、硬化体の強度差が低減されていることは、例えば、対象物のコアを抜き出し、その強度を測定し、その強度の差が5%以内であることで確認することができる。コア抜き出し及びその強度の測定は、JIS A 1107やJIS A 1216に従って測定することができる。
[用いた成分]
(1)水
水道水
(2)水硬性粉体
高炉B種セメント(住友大阪セメント株式会社)
(3)(A)成分
オレイルジメチルアミンオキシド
オレイン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド
(4)(B)成分
消泡剤1:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・インク製、SAG672
消泡剤2:花王株式会社製、アンチフォームE-20
(5)(C)成分
m-キシレンスルホン酸ナトリウム
p-トルエンスルホン酸ナトリウム
[添加剤]
配合1~4:(A)成分と(C)成分を表1のように組み合わせた添加剤(表1中の%は質量%である)
C16-4級塩:ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド
C18-4級塩:オクタデシルトリメチルアンモニウムクロリド
市販混和剤:信越化学工業株式会社製、アスカクリーン
ベントナイト:株式会社立花マテリアル製、TB-250
塩基性炭酸マグネシウム:関東化学株式会社製
Figure 2023061316000004
<実施例1及び比較例1>
[水硬性組成物の調製]
(1)実施例1-1~1-6
5リットルのプラスチック容器に、水を1200g、水硬性粉体を2000g、(B)成分を表2に示す所定量加えてクッキングハンドミキサーで15秒間攪拌し、底に付着した未混合の水硬性粉体を掻き落として更に15秒間攪拌して混合物1とした。また、表1の配合1~配合4(表1中の%は質量%である)を、表2に示す所定量(有姿)となるように、別の容器にはかり取った水400gに添加し、均一になるまでよく溶解させて混合物2とした。調製した混合物1と混合物2とを混ぜ、60秒間攪拌して試料の水硬性組成物を調製した。
(2)比較例1-1~1-2
5リットルのプラスチック容器に、水を1200g、水硬性粉体を2000g、(B)成分を表2に示す所定量、(C)成分(p-トルエンスルホン酸ナトリウム)を表2に示す所定量加えてクッキングハンドミキサーで15秒間攪拌し、底に付着した未混合の水硬性粉体を掻き落として更に15秒間攪拌して混合物1とした。また、C16-4級塩とC18-4級塩とをC16-4級塩/C18-4級塩=60/40の質量比で併用して、表2に示す所定量となるように、別の容器にはかり取った水400gに添加し、均一になるまでよく溶解させて混合物2とした。調製した混合物1と混合物2とを混ぜ、60秒間攪拌して試料の水硬性組成物を調製した。
(3)比較例1-3~1-5
水400gに表2に示す所定量の前記市販混和剤を加えて撹拌し、良く分散した状態のスラリーを作製した。5リットルのプラスチック容器に水1200g、水硬性粉体2000を加えてクッキングハンドミキサーで15秒間攪拌し、底に付着した未混合の水硬性粉体を掻き落として更に15秒間攪拌した。次いで、市販混和剤のスラリーを全量添加し、60秒間攪拌して試料の水硬性組成物を調製した。
(4)比較例1-6~1-7
水1600gに表2に示す所定量の前記ベントナイトを加えて撹拌し、良く分散した状態のベントナイトスラリーを作製し、24時間かけて十分膨潤させた。5リットルのプラスチック容器に水硬性粉体2000gと、膨潤させたベントナイトスラリーの全量を添加して、クッキングハンドミキサーで60秒以上かけて十分に攪拌して試料の水硬性組成物を調製した。
(5)比較例1-8~1-9
5リットルのプラスチック容器に水1600g、水硬性粉体2000g、表2に示す所定量の前記塩基性炭酸マグネシウムを添加して、クッキングハンドミキサーで15秒攪拌し、付着した未混合の水硬性粉体を掻き落として更に45秒間攪拌して試料の水硬性組成物を調製した。
実施例1及び比較例1の水硬性組成物は、水/水硬性粉体比が80%であった。
なお、実施例1及び比較例1で用いた各添加剤の添加量は、ブリーディングの発生を抑制できる量(添加量多い)、又は、流下時間が短くなる量(添加量少ない)に調整した。
[評価]
(1)流下時間
JSCE-F 521-1999 プレパックドコンクリートの注入モルタルの流動性試験方法(P漏斗による方法)を用いて水硬性組成物の調製直後の水硬性組成物の流下時間を測定した。
(2)ブリーディング率
JSCE-F 522-2007 プレパックドコンクリートの注入モルタルのブリーディング率及び膨張率試験方法(ポリエチレン袋方法)を用いて水硬性組成物の調製3時間後のブリーディング率を算出した。
(3)強度
水硬性組成物の11日強度を測定した。
ブリーディング率の測定に使用するポリエチレン袋を高さが100cm以上となるように繋ぎ合わせた袋に所定の高さになるように試料を充填し、20℃で放置した。
10日後に袋から硬化体を取り出し、その硬化体の上部及び下部から5cmをコンクリートカッターまたはワイヤーソーにて切り落とし、高さ10cmとなるように更に切り落とし、直径5cm、高さ10cmの供試体を2つ作製した。
作製した翌日(24時間後)に、供試体を、毎秒0.2N/mmの速度で圧縮し、最大応力を強度とした。供試体は、硬化時に水硬性組成物にかかる重力の方向を基準として上流を上部、下流を下部として、強度を測定した(以下同様)。
Figure 2023061316000005
なお、表中の添加率の対水は水に対する質量%、対粉体は水硬性粉体に対する質量%、対添加剤は添加剤に対する質量%である(以下同様)。
実施例1-1~1-6は上部/下部強度比が1.03以下を達成できるのに対して、比較例1-1~1-9は上部/下部強度比が1.06以上である。
また、実施例1-1~1-6では、ブリーディング率が0%から10.5%の範囲で上部/下部強度比が1.00±0.04の範囲に収まっていることがわかる。一方、比較例1-1~1-9では、上部/下部強度比を1.09以下にするためには、ブリーディング率を0.8%以下にする必要があることがわかる。ブリーディング率が0.0%の実施例1-6と比較例1-2、1-7とを比べると、実施例1-6の方が強度差は小さく、また、流下時間が短く実施用を考慮した場合の流動性にも優れることがわかる。
<実施例2及び比較例2>
実施例1及び比較例1と同様に水硬性組成物を調製し同様の評価を行った。
ただし、水硬性組成物の水/水硬性粉体比(表中、W/Pと示す)は、表3に示す通りとした。
また、水/水硬性粉体比が2.0の場合は、JIS A 1216に従い一軸圧縮強さを測定し、最大応力を強度とした。
また、添加成分である(A)成分及び(C)成分を含む添加剤は、表1の配合4を用い、その添加率は表3に示す通りとした。
また、水硬性組成物の充填高さは、表3に示す通りとした。
また、(B)成分の消泡剤は添加しなかった。
結果を表3に示す。
Figure 2023061316000006
W/Pが50質量%及び充填高さ80cmの実施例2-1と比較例2-3とを対比すると、これらは水硬性組成物の流下時間及びブリーディング率がほぼ同じであるが、実施例2-1は上部/下部強度比が1.02であり、比較例2-3は上部/下部強度比が1.25であり、実施例2-1の方が上部と下部の強度差が小さいことがわかる。
また、比較例2-1~2-3では、充填高さが30cm、40cm、80cmと大きくなるにつれ、上部/下部強度比が大きくなるのに対して、充填高さが30cmと80cmである実施例2-2と2-3、実施例2-4と2-5、実施例2-6と2-7では、いずれも上部/下部強度比の値が1に近く、比較例よりも格段に変動幅が小さく、充填高さが80cmにおいても上部/下部強度比の差が小さいことがわかる。すなわち、水硬性組成物を重力の影響を受けやすい形状にして硬化させても、実施例では、強度差を低減できることがわかる。

Claims (9)

  1. 水、及び水硬性粉体を含有する水硬性組成物から硬化体を製造する際に、
    前記水硬性組成物に(A)アミンオキシド型界面活性剤〔以下、(A)成分という〕を共存させて硬化させることで、硬化時に水硬性組成物にかかる重力の方向において、硬化体の強度差を低減する、
    硬化体の強度制御方法。
  2. 前記水硬性組成物を重力方向において長手形状に硬化させ、得られた硬化体の長手方向における強度差を低減する、請求項1に記載の硬化体の強度制御方法。
  3. 前記水硬性組成物を重力方向において長さ30cm以上の部分を有する形状で硬化させ、得られた硬化体の前記長さ30cm以上の部分における強度差を低減する、請求項1又は2に記載の硬化体の強度制御方法。
  4. 水硬性組成物の調製3時間後のブリーディング率が20%以下である請求項1~3の何れか1項に記載の強度制御方法。
  5. 前記水硬性組成物は、水と水硬性粉体との質量比である水/水硬性粉体比が50質量%以上である、請求項1~4の何れか1項に記載の硬化体の強度制御方法。
  6. (A)成分を2種以上共存させる、請求項1~5の何れか1項に記載の硬化体の強度制御方法。
  7. 前記水硬性組成物が、(B)消泡剤を含有する、請求項1~6の何れか1項に記載の硬化体の強度制御方法。
  8. 前記水硬性組成物が、(C)アニオン性芳香族化合物を含有する、請求項1~7の何れか1項に記載の硬化体の強度制御方法。
  9. 前記硬化体が、地盤改良用杭である、請求項1~8の何れか1項に記載の硬化体の強度制御方法。
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