JP2021167322A - アクリル酸の生成のための蒸留プロセス - Google Patents

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Abstract

【課題】アクリル酸へのベータプロピオラクトン(BPL)の変換のための統合プロセスを提供する。
【解決手段】以下のアクリル酸生成のための方法。
(a)膜を通して、溶媒ストリームおよびベータプロピオラクトンストリームを濾過することと、
(b)第1の反応ゾーンにおいて、重合触媒の存在下で、前記溶媒ストリームおよび前記ベータプロピオラクトンストリームを接触させることと、
(c)第2の反応ゾーンにおいて、前記ベータプロピオラクトンストリーム、前記溶媒ストリーム、および前記重合触媒からポリ(プロピオラクトン)を重合することと、
(d)前記反応ゾーンにおいて、熱分解により、前記ポリ(プロピオラクトン)をアクリル酸に分解することと、
(e)前記反応ゾーンから、前記溶媒ストリームを含む蒸留ストリームおよび前記アクリル酸を含む生成物ストリームを蒸留することと、を含む、方法である。
【選択図】図1

Description

関連出願の相互参照
本願は、2015年2月13日に出願された米国仮特許出願第62/116,328号の優先権を主張し、この米国仮特許出願は、その全体が本明細書において参考として援用される。
分野
本開示は一般に、アクリル酸の生成、さらに具体的には、生成のための蒸留プロセスに関する。
背景
高吸水性ポリマー(SAP)は、使い捨ての衛生製品からケーブル用防水にまで及ぶ種々の工業用途および民生用途において使用されている。SAPは、アクリル酸の重合によって最も一般に製造されている。アクリル酸生成は、ある範囲の費用効率を有し、かつ様々な純度のアクリル酸を生じさせる様々な方法を使用する大きな産業である。アクリル酸市場の規模およびアクリル酸の下流の用途の重要性に鑑みて、効率を増加させたアクリル酸を生成するための方法が必要とされている。
ベータプロピオラクトン(BPL)は、BPLを、触媒として作用する水またはアルコールの存在下で加熱して、それぞれ、ヒドロアクリル酸(3−ヒドロキシプロピオン酸)またはヒドロアクリル酸エステルに開環させることによってアクリル酸(AA)に変換される方法が記載されてきた。しかし、これらの方法は、反応を触媒するために使用される水またはアルコールが、アクリル酸ストリームを汚染し得るため、精アクリル酸(GAA)の生成には不適当である。
ベータプロピオラクトン(BPL)からアクリル酸を生成する別の経路は、最初にBPLをポリ(プロピオラクトン)(PPL)に重合し、次いでPPLを単離し、熱分解ユニット中に供給し、そこでPPLをアクリル酸へと熱により分解する。しかし、この多段階プロセスは、広範な単位作動を必要とし、資本集約的である。
このように、当技術分野でこのような問題に取り組む方法が望ましい。
簡単な概要
一態様において、アクリル酸の合成のための方法であって、
(a)ベータプロピオラクトンおよび第1の溶媒を含む供給原料ストリームを提供することと;
(b)供給原料ストリームを反応ゾーンに方向付け、そこで供給原料ストリームを重合触媒と接触させ、ベータプロピオラクトンの少なくとも一部分をポリ(プロピオラクトン)に変換することと;
(c)ポリ(プロピオラクトン)の熱による分解によってアクリル酸が生成されるように、反応ゾーンをポリ(プロピオラクトン)の熱分解温度またはそれ超の温度に維持することと;
(d)反応ゾーンから第1の溶媒の蒸留ストリームを取り出すことと;
(e)反応ゾーンからアクリル酸生成物ストリームを取り出すことと
を含み、
ステップ(b)および(c)は、同じ反応ゾーンにおいて起こる、方法を提供する。
別の態様において、アクリル酸へのベータプロピオラクトンの変換のためのシステムであって、該システムは、
(a)溶媒中のベータプロピオラクトン(BPL);
(b)重合触媒であって、ポリ(プロピオラクトン)(PPL)の熱分解温度またはそれ超で、BPLは、重合触媒の存在下でPPLに重合し始め、PPLはアクリル酸に併行的に熱により分解する、重合触媒;および
(c)溶媒の蒸留ストリーム
を含み、
in situで形成されたアクリル酸は、BPLをPPLに重合する反応を維持する、システムを提供する。
他の態様では、アクリル酸へのベータプロピオラクトンの変換のためのシステムであって、
(a)ベータプロピオラクトン(BPL)、溶媒、および重合触媒を含む反応ゾーンであって、ポリ(プロピオラクトン)(PPL)の熱分解温度またはそれ超で、BPLは、重合触媒の存在下でPPLに重合し始め、PPLはアクリル酸に併行的に熱により分解する、反応ゾーン;
(b)溶媒の蒸留ストリーム;ならびに
(c)反応ゾーンにアクリル酸を提供するための戻りループ
を含む、システムを提供する。
添付の図面に関連してなされる以下の説明を参照することにより本出願を最も理解することができ、図面では同様のパーツは、同様の数字によって言及され得る。
図1は、ベータプロピオラクトンからのアクリル酸の生成のための例示的な反応蒸留プロセスのプロセス概略図を示す。 図2は、ベータプロピオラクトンからのアクリル酸の生成のための例示的な反応蒸留プロセスのプロセス概略図を示す。
図3は、エチレンオキシドおよび一酸化炭素からのアクリル酸の生成のための例示的な反応蒸留プロセスのプロセス概略図を示す。
定義
特定の官能基および化学用語の定義を、下記により詳細に記載する。化学元素は、元素周期表、CASバージョン、Handbook of Chemistry and Physics、第75版、内表
紙によって同定し、特定の官能基は一般に、その中に記載されているように定義する。さらに、有機化学の一般原則、ならびに特定の官能性部分および反応性は、Organic Chemistry、Thomas Sorrell、University Science Books、Sausalito、1999年;Smith
およびMarch March’s Advanced Organic Chemistry、第5版、John Wiley & Sons, Inc.、New York、2001年;Larock、Comprehensive Organic Transformations、VCH Publishers, Inc.、New York、1989年;Carruthers、Some Modern Methods of Organic Synthesis、第3版、Cambridge University Press、Cambridge、1
987年に記載されている。
用語「ハロ」および「ハロゲン」は、本明細書において使用する場合、フッ素(フルオロ、−F)、塩素(クロロ、−Cl)、臭素(ブロモ、−Br)、およびヨウ素(ヨード、−I)から選択される原子を指す。
用語「脂肪族」または「脂肪族基」は、本明細書において使用する場合、直鎖(すなわち、非分枝状)、分枝状、または環状(縮合、架橋、およびスピロ縮合多環を含めた)であり得、完全に飽和であり得るか、または1個もしくは複数の不飽和の単位を含有し得るが、芳香族ではない、炭化水素部分を示す。一部の変形形態では、脂肪族基は、非分枝状または分枝状である。他の変形形態では、脂肪族基は、環状である。他に特定しない限り、一部の変形形態では、脂肪族基は、1〜30個の炭素原子を含有する。一部の実施形態では、脂肪族基は、1〜12個の炭素原子を含有する。一部の実施形態では、脂肪族基は、1〜8個の炭素原子を含有する。一部の実施形態では、脂肪族基は、1〜6個の炭素原子を含有する。一部の実施形態では、脂肪族基は、1〜5個の炭素原子を含有し、一部の実施形態では、脂肪族基は、1〜4個の炭素原子を含有し、また他の実施形態では、脂肪族基は、1〜3個の炭素原子を含有し、また他の実施形態では、脂肪族基は、1〜2個の炭素原子を含有する。適切な脂肪族基は、例えば、直鎖状もしくは分枝状のアルキル、アルケニル、およびアルキニル基、ならびにそのハイブリッド、例えば、(シクロアルキル)アルキル、(シクロアルケニル)アルキルまたは(シクロアルキル)アルケニルを含む。
用語「ヘテロ脂肪族」は、本明細書において使用する場合、1個または複数の炭素原子が、酸素、硫黄、窒素、リン、またはホウ素からなる群から選択される1個または複数の原子で独立に置き換えられている脂肪族基を指す。一部の実施形態では、1個または2個の炭素原子は、1つまたは複数の酸素、硫黄、窒素、またはリンで独立に置き換えられている。ヘテロ脂肪族基は、置換または非置換であり得、分枝状または非分枝状であり得、環式または非環式であり得、「複素環」、「ヘテロシクリル(hetercyclyl)」、「ヘテ
ロ脂環式」または「複素環式」基を含む。一部の変形形態では、ヘテロ脂肪族基は、分枝状であるか、または非分枝状である。他の変形形態では、ヘテロ脂肪族基は、環式である。また他の変形形態では、ヘテロ脂肪族基は、非環式である。
用語「アクリレート」(複数可)は、本明細書において使用する場合、アシルカルボニルに隣接したビニル基を有する任意のアシル基を指す。これらの用語は、一置換、二置換および三置換ビニル基を包含する。アクリレートは、例えば、アクリレート、メタクリレート、エタクリレート(ethacrylate)、シンナメート(3−フェニルアクリレート)、
クロトネート、チグレート、およびセネシオエートを含み得る。
用語「粗アクリル酸」および「精アクリル酸」は、本明細書において使用する場合、それぞれ、相対的に低純度および高純度のアクリル酸を説明する。粗アクリル酸(また、工業グレードアクリル酸と称される)は、94%の典型的な最小総純度レベルを有し、塗料、粘着剤、織物、紙、革、繊維、およびプラスチック添加物用途のためのアクリル酸エステルを作製するために使用することができる。精アクリル酸は、98%〜99.99%の範囲の典型的な総純度レベルを有し、使い捨ておむつ、トレーニングパンツ、成人用失禁下着および生理用ナプキンにおける高吸水性ポリマー(SAP)のためのポリアクリル酸を作製するために使用することができる。ポリアクリル酸はまた、紙処理および水処理のための組成物、ならびに洗剤コビルダー用途において使用される。一部の変形形態では、アクリル酸は、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%、少なくとも99.1%、少なくとも99.2%、少なくとも99.3%、少なくとも99.4%、少なくとも99.5%、少なくとも99.6%、少なくとも99.7%、少なくとも99.8%、もしくは少なくとも99.9%;または99%〜99.95%、99.5%〜99.95%、99.6%〜99.95%、99.7%〜99.95%、もしくは99.8%〜99.95%の純度を有する。
精アクリル酸中の不純物は、アクリル酸ポリマー(PAA)への高度の重合を促進し、かつ最終用途における副生成物からの有害効果を回避することが可能な程度まで低減される。例えば、アクリル酸中のアルデヒド不純物は、重合を妨げ、重合されたアクリル酸を変色させ得る。無水マレイン酸不純物は望ましくないコポリマーを形成し、これはポリマーの特性にとって有害であり得る。カルボン酸、例えば、重合に関与しない飽和カルボン酸は、PAAもしくはSAP含有生成物の最終的な匂いに影響を与え、かつ/またはこれらの使用を損ない得る。例えば、嫌な匂いが酢酸またはプロピオン酸を含有するSAPから生じ得、皮膚刺激がギ酸を含有するSAPからもたらされ得る。石油をベースとする粗アクリル酸を生成しようと石油をベースとする精アクリル酸を生成しようと、石油をベースとするアクリル酸からの不純物の低減または除去はコストがかかる。このようなコストがかかる多段階の蒸留および/または抽出および/または結晶化ステップが一般に用いられる(例えば、米国特許第5,705,688号および同第6,541,665号に記載されているように)。
用語「ポリマー」は、本明細書において使用する場合、複数の繰り返し単位を含む分子を指す。一部の変形形態では、ポリマーは高い相対分子質量の分子であり、その構造は、実際にまたは概念的に、低い相対分子質量の分子に由来する複数の繰り返し単位を含む。一部の実施形態では、ポリマーは、1つのみのモノマー種からなる(例えば、ポリエチレンオキシド)。一部の実施形態では、ポリマーは、1個もしくは複数のエポキシドのコポリマー、ターポリマー、ヘテロポリマー、ブロックコポリマー、またはテーパードヘテロポリマーであり得る。1つの変形形態では、ポリマーは、2個もしくはそれ超のモノマーのコポリマー、ターポリマー、ヘテロポリマー、ブロックコポリマー、またはテーパードヘテロポリマーであり得る。
用語「不飽和」は、本明細書において使用する場合、部分が1個または複数の二重結合または三重結合を有することを意味する。
単独でまたはより大きな部分の一部として使用される用語「脂環式」、「炭素環」、または「炭素環式」は、3〜12員を有する、本明細書に記載のような飽和または部分不飽和の環状脂肪族の単環式、二環式、または多環式環系を指し、脂肪族環系は、上記に定義され、本明細書に記載されているように、任意選択で置換されている。脂環式基は、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、シクロオクチル、シクロオクテニル、およびシクロオクタジエニルを含む。一部の実施形態では、シクロアルキルは、3〜6個の炭素を有する。用語「脂環式」、「炭素環」または「炭素環式」はまた、1個もしくは複数の芳香族もしくは非芳香族環に縮合している脂肪族環、例えば、デカヒドロナフチルまたはテトラヒドロナフチルを含み、ここではラジカルまたは結合点は脂肪族環上にある。一部の実施形態では、炭素環式基は、二環式である。一部の実施形態では、炭素環式基は、三環式である。一部の実施形態では、炭素環式基は、多環式である。
用語「アルキル」は、本明細書において使用する場合、飽和炭化水素ラジカルを指す。一部の変形形態では、アルキル基は、1〜6個の炭素原子を含有する脂肪族部分から、単一の水素原子の除去によって誘導される、飽和の直鎖または分枝鎖の炭化水素ラジカルである。他に特定しない限り、一部の変形形態では、アルキル基は、1〜12個の炭素原子を含有する。一部の実施形態では、アルキル基は、1〜8個の炭素原子を含有する。一部の実施形態では、アルキル基は、1〜6個の炭素原子を含有する。一部の実施形態では、アルキル基は、1〜5個の炭素原子を含有し、一部の実施形態では、アルキル基は、1〜4個の炭素原子を含有し、また他の実施形態では、アルキル基は、1〜3個の炭素原子を含有し、また他の実施形態では、アルキル基は、1〜2個の炭素原子を含有する。アルキルラジカルは、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、sec−ペンチル、イソ−ペンチル、tert−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、sec−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−デシル、n−ウンデシル、およびドデシルを含み得る。
用語「アルケニル」は、本明細書において使用する場合、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する一価の基を示す。一部の変形形態では、アルケニル基は、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する直鎖または分枝鎖の脂肪族部分から、単一の水素原子の除去によって誘導される、一価の基である。他に特定しない限り、一部の変形形態では、アルケニル基は、2〜12個の炭素原子を含有する。一部の実施形態では、アルケニル基は、2〜8個の炭素原子を含有する。一部の実施形態では、アルケニル基は、2〜6個の炭素原子を含有する。一部の実施形態では、アルケニル基は、2〜5個の炭素原子を含有し、一部の実施形態では、アルケニル基は、2〜4個の炭素原子を含有し、また他の実施形態では、アルケニル基は、2〜3個の炭素原子を含有し、また他の実施形態では、アルケニル基は、2個の炭素原子を含有する。アルケニル基は、例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、および1−メチル−2−ブテン−1−イルを含む。
用語「アルキニル」は、本明細書において使用する場合、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有する一価の基を指す。一部の変形形態では、アルキニル基は、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有する直鎖または分枝鎖の脂肪族部分から、単一の水素原子の除去によって誘導される、一価の基である。他に特定しない限り、一部の変形形態では、アルキニル基は、2〜12個の炭素原子を含有する。一部の実施形態では、アルキニル基は、2〜8個の炭素原子を含有する。一部の実施形態では、アルキニル基は、2〜6個の炭素原子を含有する。一部の実施形態では、アルキニル基は、2〜5個の炭素原子を含有し、一部の実施形態では、アルキニル基は、2〜4個の炭素原子を含有し、また他の実施形態では、アルキニル基は、2〜3個の炭素原子を含有し、また他の実施形態では、アルキニル基は、2個の炭素原子を含有する。代表的なアルキニル基は、例えば、エチニル、2−プロピニル(プロパルギル)、および1−プロピニルを含む。
用語「炭素環」および「炭素環式環」は、本明細書において使用する場合、環が炭素原子のみを含有する、単環式および多環式部分を指す。他に特定しない限り、炭素環は、飽和、部分不飽和または芳香族であり得、3〜20個の炭素原子を含有する。代表的な炭素環(carbocyles)は、例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、ノルボルネン、フェニル、シクロヘキセン、ナフタレン、およびスピロ[4.5]デカンを含む。
単独で、または「アラルキル」、「アラルコキシ」、もしくは「アリールオキシアルキル」におけるようにより大きな部分の一部として使用される用語「アリール」は、全部で5〜20環員を有する単環式および多環式環系であって、系における少なくとも1個の環は、芳香族であり、系における各環は、3〜12環員を含有する、単環式および多環式環系を指す。用語「アリール」は、用語「アリール環」と互換的に使用し得る。一部の実施形態では、「アリール」は、芳香族環系を指し、これは、例えば、フェニル、ナフチル、およびアントラシルを含み、これは、1個もしくは複数の置換基を担持し得る。本明細書において使用される場合の用語「アリール」の範囲内にまた含まれるのは、芳香族環が1個もしくは複数のさらなる環に縮合している基、例えば、ベンゾフラニル、インダニル、フタルイミジル、ナフタルイミジル(naphthimidyl)、フェナントリジニル、およびテトラヒドロナフチルである。
単独でまたはより大きな部分、例えば、「ヘテロアラルキル」、もしくは「ヘテロアラルコキシ」の一部として使用される用語「ヘテロアリール」および「ヘテロアラ−」は、5〜14個の環原子、好ましくは、5個、6個、9個もしくは10個の環原子を有し、環状配置において共有される6個、10個もしくは14個のパイ(π)電子を有し、炭素原子に加えて、1〜5個のヘテロ原子を有する基を指す。用語「ヘテロ原子」は、窒素、酸素、または硫黄を指し、窒素または硫黄の任意の酸化された形態、および塩基性窒素の任意の四級化された形態を含む。ヘテロアリール基は、例えば、チエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、プリニル、ナフチリジニル、ベンゾフラニルおよびプテリジニルを含む。用語「ヘテロアリール」および「ヘテロアラ−」はまた、本明細書において使用する場合、ヘテロ芳香族環が1個もしくは複数のアリール、脂環式、またはヘテロシクリル環に縮合している基を含み、ラジカルまたは結合点は、ヘテロ芳香族環上にある。例は、インドリル、イソインドリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル(benzthiazolyl)、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、フタラジニル、
キナゾリニル、キノキサリニル、4H−キノリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、およびピリド[2,3−b]−1,4−オキサジン−3(4H)−オンを含む。ヘテロアリール基は、単環式または二環式であり得る。用語「ヘテロアリール」は、用語「ヘテロアリール環」、「ヘテロアリール基」、または「ヘテロ芳香族」と互換的に使用してもよく、これらの用語のいずれも、任意選択で置換されている環を含む。用語「ヘテロアラルキル」は、ヘテロアリールで置換されているアルキル基を指し、アルキルおよびヘテロアリール部分は、独立に任意選択で置換されている。
本明細書において使用する場合、用語「複素環」、「ヘテロシクリル」、「複素環式ラジカル」、および「複素環式環」は互換的に使用され、飽和または部分不飽和であり得、炭素原子に加えて、1個もしくは複数の、好ましくは、1〜4個の上記に定義されているようなヘテロ原子を有する。一部の変形形態では、複素環式基は、飽和または部分不飽和であり、炭素原子に加えて、1個もしくは複数の、好ましくは、1〜4個の上記に定義されているようなヘテロ原子を有する、安定な5〜7員単環式または7〜14員二環式の複素環式部分である。複素環の環原子に関して使用されるとき、用語「窒素」は、置換されている窒素を含む。一例として、酸素、硫黄または窒素から選択される0〜3個のヘテロ原子を有する飽和または部分不飽和環において、窒素は、N(3,4−ジヒドロ−2H−ピロリルにおけるような)、NH(ピロリジニルにおけるような)、またはNR(N−置換ピロリジニルにおけるような)であり得る。
複素環式環は、安定な構造をもたらす任意のヘテロ原子または炭素原子においてそのペンダント基に結合することができ、環原子のいずれかは、任意選択で置換することができる。このような飽和または部分不飽和の複素環式ラジカルの例は、例えば、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピロリジニル、ピロリドニル、ピペリジニル、ピロリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、オキサゾリジニル、ピペラジニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、ジアゼピニル、オキサゼピニル、チアゼピニル、モルホリニル、およびキヌクリジニルを含む。用語「複素環」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロシクリル環」、「複素環式基」、「複素環式部分」、および「複素環式ラジカル」は、本明細書において互換的に使用され、また、ヘテロシクリル環が1個または複数のアリール、ヘテロアリール、または脂環式環に縮合している基、例えば、インドリニル、3H−インドリル、クロマニル、フェナントリジニル、またはテトラヒドロキノリニルを含み、ラジカルまたは結合点は、ヘテロシクリル環上にある。ヘテロシクリル基は、単環式または二環式であり得る。用語「ヘテロシクリルアルキル」は、ヘテロシクリルで置換されているアルキル基を指し、アルキルおよびヘテロシクリル部分は、独立に任意選択で置換されている。
本明細書において使用する場合、用語「部分不飽和」は、少なくとも1個の二重結合または三重結合を含む環部分を指す。用語「部分不飽和」は、複数の不飽和の部位を有する環を包含することを意図するが、本明細書において定義するようなアリールまたはヘテロアリール部分を含むことを意図しない。
本明細書に記載のように、本明細書に記載されている化合物は、「任意選択で置換されている」部分を含有し得る。一般に、用語「置換されている」は、用語「任意選択で」が先行しようと、またはしなくても、指定された部分の1個もしくは複数の水素が、適切な置換基で置き換えられていることを意味する。他に示さない限り、「任意選択で置換されている」基は、その基のそれぞれの置換可能な位置において適切な置換基を有してもよく、任意の所与の構造における1つ超の位置が、特定の基から選択される1個超の置換基で置換されていてもよいとき、置換基は、全ての位置において同じまたは異なってもよい。想定される置換基の組合せは好ましくは、安定または化学的に実現可能な化合物の形成をもたらすものである。用語「安定」は、本明細書において使用する場合、本明細書において開示されている目的のうちの1つもしくは複数のための、それらの生成、検出、ならびに一部の実施形態では、それらの回収、精製、および使用を可能とする条件に供されるとき、実質的に変化しない化合物を指す。
本明細書におけるいくつかの化学構造において、置換基は、示されている分子の環における結合を横切る結合に結合していることが示される。これは、置換基の1つもしくは複数が、任意の利用できる位置において(通常、親構造の水素原子の代わりに)環に結合し得ることを意味する。そのように置換されている環の原子が、2つの置換可能な位置を有する場合、2個の基は、同じ環原子上に存在し得る。1個超の置換基が存在するとき、それぞれは他とは無関係に定義され、それぞれは異なる構造を有し得る。環の結合を横切って示される置換基が−Rである場合、これは、前述のパラグラフに記載されているように、環が「任意選択で置換されている」と言われるのと同じ意味を有する。
「任意選択で置換されている」基の置換可能な炭素原子上の適切な一価の置換基は、独立に、ハロゲン;−(CH0〜4R°;−(CH0〜4OR°;−O−(CH0〜4C(O)OR°;−(CH0〜4CH(OR°);−(CH0〜4SR°;R°で置換されていてもよい−(CH0〜4Ph;R°で置換されていてもよい−(CH0〜4O(CH0〜1Ph;R°で置換されていてもよい−CH=CHPh;−NO;−CN;−N;−(CH0〜4N(R°);−(CH0〜4N(R°)C(O)R°;−N(R°)C(S)R°;−(CH0〜4N(R°)C(O)NR°;−N(R°)C(S)NR°;−(CH0〜4N(R°)C(O)OR°;−N(R°)N(R°)C(O)R°;−N(R°)N(R°)C(O)NR°;−N(R°)N(R°)C(O)OR°;−(CH0〜4C(O)R°;−C(S)R°;−(CH0〜4C(O)OR°;−(CH0〜4C(O)N(R°);−(CH0〜4C(O)SR°;−(CH0〜4C(O)OSiR°;−(CH0〜4OC(O)R°;−OC(O)(CH0〜4SR°;−SC(S)SR°;−(CH0〜4SC(O)R°;−(CH0〜4C(O)NR°;−C(S)NR°;−C(S)SR°;−SC(S)SR°;−(CH0〜4OC(O)NR°;−C(O)N(OR°)R°;−C(O)C(O)R°;−C(O)CHC(O)R°;−C(NOR°)R°;−(CH0〜4SSR°;−(CH0〜4S(O)R°;−(CH0〜4S(O)OR°;−(CH0〜4OS(O)R°;−S(O)NR°;−(CH0〜4S(O)R°;−N(R°)S(O)NR°;−N(R°)S(O)R°;−N(OR°)R°;−C(NH)NR°;−P(O)R°;−P(O)R°;−OP(O)R°;−OP(O)(OR°);SiR°;−(C1〜4直鎖状もしくは分枝状アルキレン)O−N(R°);または−(C1〜4直鎖状もしくは分枝状アルキレン)C(O)O−N(R°)であり、式中、各R°は、下記で定義されるように置換されていてもよく、独立に、水素、C1〜8脂肪族、−CHPh、−O(CH0〜1Ph、または窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和、部分不飽和、もしくはアリール環であり、あるいは上記の定義にも関わらず、2つの独立して出現するR°は、それらの介在する原子(複数可)と一緒になって、下記で定義されているように置換されていてもよい、窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される0〜4個のヘテロ原子を有する3〜12員の飽和、部分不飽和、もしくはアリールの単環式または多環式環を形成する。
R°(または2つの独立して出現するR°がこれらの介在する原子と一緒になって形成される環)上の適切な一価の置換基は、独立に、ハロゲン、−(CH0〜2、−(ハロR)、−(CH0〜2OH、−(CH0〜2OR、−(CH0〜2CH(OR;−O(ハロR)、−CN、−N、−(CH0〜2C(O)R、−(CH0〜2C(O)OH、−(CH0〜2C(O)OR、−(CH0〜4C(O)N(R°);−(CH0〜2SR、−(CH0〜2SH、−(CH0〜2NH、−(CH0〜2NHR、−(CH0〜2NR 、−NO、−SiR 、−OSiR 、−C(O)SR、−(C1〜4直鎖状もしくは分枝状アルキレン)C(O)OR、または−SSRであり、式中、各Rは、非置換であるか、または「ハロ」が先行する場合、1個もしくは複数のハロゲンのみで置換されており、C1〜4脂肪族、−CHPh、−O(CH0〜1Ph、または窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和、部分不飽和、もしくはアリール環から独立に選択される。R°の飽和炭素原子上の適切な二価の置換基は、=Oおよび=Sを含む。
「任意選択で置換されている」基の飽和炭素原子上の適切な二価の置換基は、下記を含む。=O、=S、=NNR 、=NNHC(O)R、=NNHC(O)OR、=NNHS(O)、=NR、=NOR、−O(C(R ))2〜3O−、または−S(C(R ))2〜3S−(式中、Rは、独立して出現する毎に、水素、下記で定義するように置換されていてもよいC1〜6脂肪族、または窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される0〜4個のヘテロ原子を有する非置換5〜6員の飽和、部分不飽和、もしくはアリール環から選択される)。「任意選択で置換されている」基のビシナルの置換可能な炭素に結合している適切な二価の置換基は、−O(CR 2〜3O−を含み、式中、Rは、独立して出現する毎に、水素、下記で定義するように置換されていてもよいC1〜6脂肪族、または窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される0〜4個のヘテロ原子を有する非置換5〜6員の飽和、部分不飽和、もしくはアリール環から選択される。
の脂肪族基上の適切な置換基は、ハロゲン、−R、−(ハロR)、−OH、−OR、−O(ハロR)、−CN、−C(O)OH、−C(O)OR、−NH、−NHR、−NR 、または−NOを含み、式中、各Rは、非置換であるか、または「ハロ」が先行する場合、1個もしくは複数のハロゲンのみで置換されており、独立に、C1〜4脂肪族、−CHPh、−O(CH0〜1Ph、または窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和、部分不飽和、もしくはアリール環である。
「任意選択で置換されている」基の置換可能な窒素上の適切な置換基は、−R、−NR 、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)C(O)R、−C(O)CHC(O)R、−S(O)、−S(O)NR 、−C(S)NR 、−C(NH)NR 、または−N(R)S(O)を含み、式中、各Rは、独立に、水素、下記で定義するように置換されていてもよいC1〜6脂肪族、非置換−OPh、または窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される0〜4個のヘテロ原子を有する非置換5〜6員の飽和、部分不飽和、もしくはアリール環であり、あるいは上記の定義にも関わらず、2つの独立して出現するRは、それらの介在する原子(複数可)と一緒になって、窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される0〜4個のヘテロ原子を有する非置換3〜12員の飽和、部分不飽和、もしくはアリールの単環式または二環式環を形成する。
の脂肪族基上の適切な置換基は、独立に、ハロゲン、−R、−(ハロR)、−OH、−OR、−O(ハロR)、−CN、−C(O)OH、−C(O)OR、−NH、−NHR、−NR 、または−NOであり、式中、各Rは非置換であるか、または「ハロ」が先行する場合、1個もしくは複数のハロゲンのみで置換されており、独立に、C1〜4脂肪族、−CHPh、−O(CH0〜1Ph、または窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和、部分不飽和、もしくはアリール環である。
本明細書において使用する場合、用語「触媒」は、消費されもせず、それ自体が持続性の化学変化を受けもしない一方で、その存在が化学反応の速度を増加させる物質を指す。
本明細書において使用する場合、1つもしくは複数の数値に先行する用語「約」は、その数値±5%を意味する。本明細書において値またはパラメーターの「約」への言及は、その値またはパラメーターそれ自体を対象とする実施形態を含む(かつ記載する)ことを理解すべきである。例えば、「約x」に言及する記載は、「x」それ自体の記載を含む。
詳細な説明
本明細書に記載されている方法およびシステムは、PPLを介してBPLからアクリル酸を合成するワンポット方法を可能とし、複数のプロセスを単一の反応器に集約することによって実質的な資本節約がもたらされる。一態様において、PPLの単離を伴わずにBPLをアクリル酸(例えば、GAA)に直接変換する併行的な重合および熱分解ステップを包含する方法を提供する。ある特定の態様において、アクリル酸生成の間の溶媒(複数可)の併行的な除去を可能とし、それによって単位作動をさらに集約する反応蒸留を包含する方法もまた提供する。複数の反応および溶媒除去プロセスを集約することによって、本明細書に記載されている方法およびシステムは、費用効率および製造効率を提供する。
ある特定の実施形態では、アクリル酸生成物ストリームへのBPLの変換のための方法を提供する。
I.方法
一態様において、アクリル酸(例えば、GAA)へのBPLの変換のための統合プロセスおよび方法を提供する。ある特定の実施形態では、PPLを別々の中間生成物として単離する必要のない、アクリル酸(例えば、GAA)へのBPLの変換のための統合プロセスを提供する。一部の実施形態では、このような統合プロセスは、1種もしくは複数種の溶媒の蒸留ストリームを取り出すことを含む。
一部の実施形態では、アクリル酸の合成のための方法であって、
(a)ベータプロピオラクトンおよび第1の溶媒を含む供給原料ストリームを提供することと;
(b)供給原料ストリームを反応ゾーンに方向付け、そこで供給原料ストリームを重合触媒と接触させ、ベータプロピオラクトンの少なくとも一部分をポリ(プロピオラクトン)に変換することと;
(c)ポリ(プロピオラクトン)の熱による分解によってアクリル酸が生成されるように、反応ゾーンをポリ(プロピオラクトン)の熱分解温度またはそれ超の温度に維持することと;
(d)第1の溶媒の蒸留ストリームを取り出すことと;
(e)反応ゾーンからアクリル酸生成物ストリームを取り出すことと
を含み、
ステップ(b)および(c)は、同じ反応ゾーンにおいて起こる、方法を提供する。
下記のセクションは、方法のステップのある特定の実施形態、および各ステップをもたらすために利用される条件をより十分に記載する。
PPLへのBPL変換
提供された方法およびシステムにしたがって使用されるベータ−ラクトン供給原料ストリームは、BPLのいくつかの公知の源の任意の1つもしくは複数から提供し得る。BPLを作製する方法は当技術分野において公知であり、WO2013/063191およびWO2014/004858に記載されているものを含む。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載されている方法およびシステムはまた、エチレンオキシドの形成に直接統合され得、したがって、この有毒および潜在的に爆発性の中間体の単離および貯蔵を回避し得る。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されているプロセスに、エチレンガスが供給され、エチレンガスはエチレンオキシドに変換され、次いで、エチレンオキシドは第2の反応に供給され、そこでカルボニル化が起こり、BPLを含む供給原料ストリームを与える。
ある特定の実施形態では、BPLおよび第1の溶媒を含む供給原料ストリームは、反応ゾーンに方向付けられ、そこで供給原料ストリームは適切な重合触媒と接触させられ、BPLの少なくとも一部分は、PPLに変換される。一部の実施形態では、反応ゾーンは、PPLの形成に適した温度に維持される。一部の実施形態では、このような温度維持は、反応ゾーンからの熱の除去を含む。
ある特定の実施形態では、PPLへのBPLの変換は、固体カルボキシレート触媒を利用し、変換は、少なくとも部分的にガス相中で行われる。ある特定の実施形態では、ベータラクトン変換段階における固体カルボキシレート触媒は、固体アクリル酸触媒を含む。ある特定の実施形態では、BPLは液体として導入され、固体カルボキシレート触媒と接触してPPLを形成し、PPLは熱分解を受け、アクリル酸はガスストリームとして除去される。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載されているプロセスは、プロセスにおける後続の各段階が、先行する段階(例えば、BPLの生成のためのエチレンオキシド形成および/またはカルボニル化)からの流出物の本質的に全てを利用できるように、供給速度、反応速度、および反応器サイズがスケール変更されることを特徴とする。ある特定の実施形態では、方法は、アクリル酸生成の温度および/または圧力からなる群から選択される1つもしくは複数のシステムパラメーターを調節する1つもしくは複数のステップを含む。ある特定の実施形態では、システムパラメーターのこの調節は、先行する段階の流出物を後続の段階に供給するために直接使用できるように、各段階の単位時間毎の変換速度が、先行する段階の単位時間毎の変換速度と調和するように行われる。ある特定の実施形態では、方法は、1つもしくは複数の段階からの流出物を分析してその含有量を評価する1つもしくは複数のステップを含む。ある特定の実施形態では、このような分析ステップは、分光法(例えば、赤外分光法、核磁気共鳴分光法、紫外光または可視光分光法など)、クロマトグラフィー(例えば、ガスまたは液体クロマトグラフィー)を行うことを含む。ある特定の実施形態では、このような分析は、流出物の化学組成についてのリアルタイムデータを提供するフロースルーモードまたはストップフローモードで行われる。ある特定の実施形態では、このようなデータは、上記のシステムパラメーターの1つもしくは複数を調整するプロンプトを提供するために使用される。
PPL熱分解
上記のように、一態様によれば、BPLは、中間体PPLの単離を伴わずにGAAに変換され、ここで、BPLの重合によって形成されるPPLは、同じ反応ゾーンにおける熱分解によってGAAに併行的に変換される(例えば、「ワンポット」方法)。一部の実施形態では、PPLへのBPLの反応を含む反応ゾーンは、PPLの熱による分解によってアクリル酸が生成されるように、PPLの熱分解温度またはそれ超の温度に維持される。任意の特定な理論に束縛されるものではないが、そのような実施形態では、BPLがアクリル酸と反応してポリマー鎖を開始すると、熱による分解によってポリマーがアクリル酸に分解され得ると考えられる。
アクリル酸へのワンポットBPL変換は、種々の温度および圧力範囲内で作動することができる。一部の実施形態では、温度は、約150℃〜約300℃の範囲でよい。一部の実施形態では、温度は、約150℃〜約200℃の範囲である。一部の実施形態では、温度は、約150℃〜約250℃の範囲である。一部の実施形態では、温度は、約175℃〜約300℃の範囲である。一部の実施形態では、温度は、約200℃〜約250℃の範囲である。一部の実施形態では、温度は、約225℃〜約275℃の範囲である。一部の実施形態では、温度は、約250℃〜約300℃の範囲である。一部の実施形態では、温度は、約200℃〜約300℃の範囲である。
一部の実施形態では、提供された方法およびシステムにおいて使用される圧力は、約0.01気圧〜約500気圧(絶対)の範囲でよい。一部の実施形態では、圧力は、約0.01気圧〜約10気圧(絶対)の範囲でよい。一部の実施形態では、圧力は、約0.01気圧〜約50気圧(絶対)の範囲でよい。一部の実施形態では、圧力は、約1気圧〜約10気圧(絶対)の範囲でよい。一部の実施形態では、圧力は、約1気圧〜約50気圧(絶対)の範囲でよい。一部の実施形態では、圧力は、約1気圧〜約100気圧(絶対)の範囲でよい。一部の実施形態では、圧力は、約10気圧〜約50気圧(絶対)の範囲でよい。一部の実施形態では、圧力は、約10気圧〜約100気圧(絶対)の範囲でよい。一部の実施形態では、圧力は、約50気圧〜約100気圧(絶対)の範囲でよい。一部の実施形態では、圧力は、約50気圧〜約200気圧(絶対)の範囲でよい。一部の実施形態では、圧力は、約100気圧〜約200気圧(絶対)の範囲でよい。一部の実施形態では、圧力は、約100気圧〜約250気圧(絶対)の範囲でよい。一部の実施形態では、圧力は、約200気圧〜約300気圧(絶対)の範囲でよい。一部の実施形態では、圧力は、約200気圧〜約500気圧(絶対)の範囲でよい。一部の実施形態では、圧力は、約250気圧〜約500気圧(絶対)の範囲でよい。
一部の実施形態では、提供された方法およびシステムにおいて使用される圧力は、約5気圧(絶対)未満である。一部の実施形態では、提供された方法およびシステムにおいて使用される圧力は、約1気圧(絶対)未満である。一部の実施形態では、圧力は、約0.01気圧〜約1気圧(絶対)の範囲でよい。一部の実施形態では、圧力は、約0.1気圧〜約0.8気圧(絶対)の範囲でよい。一部の実施形態では、圧力は、約0.1気圧〜約0.5気圧(絶対)の範囲でよい。一部の実施形態では、圧力は、約0.01気圧〜約0.1気圧(絶対)の範囲でよい。一部の実施形態では、圧力は、約0.4気圧〜約1気圧(絶対)の範囲でよい。一部の実施形態では、圧力は、約0.05気圧〜約0.1気圧(絶対)の範囲でよい。
2つの反応ゾーンが存在する実施形態では、それらを同じ圧力で作動させる必要はない
。ある特定の実施形態では、第1の反応ゾーンは、大気圧または大気圧超(superatmospheric)で作動し、一方で、第2の反応ゾーンは、大気圧未満(subatmospheric)で作動する。ある特定の実施形態では、反応ゾーンは、圧力勾配を含む。
反応ゾーン
本明細書において使用する場合、用語「反応ゾーン」は、特定の反応が起こる反応器またはその部分を指す。所与の反応は複数の反応ゾーンにおいて起こり得、異なる反応ゾーンは、別々の反応器、または同じ反応器の部分を構成し得る。「反応器」は典型的には、他の反応器またはシステム構成要素への1つまたは複数の接続を有する1つまたは複数の容器を含む。
提供された方法およびシステムの一部の実施形態では、反応ゾーンは、PPLの熱による分解によってアクリル酸が生成されるように、PPLの熱分解温度またはそれ超の温度に維持される。一部の実施形態では、反応ゾーンは、約150℃〜約300℃の温度に維持される。
重合触媒
上記のように、BPLをPPLに重合させることは、重合触媒の存在下で進行する。金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、コバルトなど)、金属酸化物、アルカリおよびアルカリ土類金属の塩(例えば、炭酸塩、ホウ酸塩、水酸化物、アルコキシド、およびカルボン酸塩)、ならびに他の金属のホウ酸塩、ケイ酸塩、または塩を含むがこれらに限定されない種々の触媒が、重合反応において使用されてよい。ある特定の実施形態では、適切な触媒は、金属イオンのカルボン酸塩を含む。ある特定の実施形態では、適切な触媒は、有機カチオンのカルボン酸塩を含む。一部の実施形態では、カルボン酸塩は、炭酸塩以外である。一部の実施形態では、カルボン酸塩は、アクリル酸塩である。
ある特定の実施形態では、重合触媒は、約1:100の重合触媒:BPL〜約25:100の重合触媒:BPLのモル比でBPLと合わせられる。ある特定の実施形態では、重合触媒:BPLのモル比は、約1:100、5:100、10:100、15:100、20:100、25:100、またはこれらの比の任意の2つを含めた範囲である。
ある特定の実施形態では、重合触媒は、約1:100,000までの重合触媒:BPLのモル比でBPLと合わせられる。ある特定の実施形態では、比は、約1:100,000〜約25:100の重合触媒:BPLである。ある特定の実施形態では、重合触媒は、約1:50,000の重合触媒:BPL〜約1:25,000の重合触媒:BPLのモル比でBPLと合わせられる。ある特定の実施形態では、重合触媒は、約1:25,000の重合触媒:BPL〜約1:10,000の重合触媒:BPLのモル比でBPLと合わせられる。ある特定の実施形態では、重合触媒は、約1:20,000の重合触媒:BPL〜約1:10,000の重合触媒:BPLのモル比でBPLと合わせられる。ある特定の実施形態では、重合触媒は、約1:15,000の重合触媒:BPL〜約1:5,000の重合触媒:BPLのモル比でBPLと合わせられる。ある特定の実施形態では、重合触媒は、約1:5,000の重合触媒:BPL〜約1:1,000の重合触媒:BPLのモル比でBPLと合わせられる。ある特定の実施形態では、重合触媒は、約1:2,000の重合触媒:BPL〜約1:500の重合触媒:BPLのモル比でBPLと合わせられる。ある特定の実施形態では、重合触媒は、約1:1,000の重合触媒:BPL〜約1:200の重合触媒:BPLのモル比でBPLと合わせられる。ある特定の実施形態では、重合触媒は、約1:500の重合触媒:BPL〜約1:100の重合触媒:BPLのモル比でBPLと合わせられる。ある特定の実施形態では、重合触媒:BPLのモル比は、約1:50,000、1:25,000、1:15,000、1:10,000、1:5,000、1:1,000、1:500、1:250またはこれらの値の任意の2つを含めた範囲である。
重合触媒がカルボン酸塩を含むある特定の実施形態では、カルボキシレートは、BPLの重合を開始させることによって、生成されるポリマー鎖がアクリレート鎖末端を有するような構造を有する。ある特定の実施形態では、重合触媒上のカルボン酸イオンは、重合プロセスにおいて使用される連鎖移動剤のアニオン形態である。
ある特定の実施形態では、重合触媒のカルボン酸塩は、式(I)の化合物のアクリル酸塩(すなわち、アニオン形態):
Figure 2021167322
またはこれらの任意の2つもしくはそれ超の混合物であり、式中、pは、0〜9である。ある特定の実施形態では、pは、0〜5である。ある特定の実施形態では、重合触媒のカルボン酸塩は、アクリル酸塩(すなわち、p=0である式(I)の化合物の塩)である。
ある特定の実施形態では、重合触媒のカルボン酸塩は、アクリル酸二量体
Figure 2021167322
の塩である。ある特定の実施形態では、重合触媒のカルボン酸塩は、アクリル酸三量体
Figure 2021167322
の塩である。
重合触媒がカルボン酸塩を含むある特定の実施形態では、カルボン酸イオンは、C1〜40カルボン酸のアニオン形態である。ある特定の実施形態では、カルボン酸塩は、ポリカルボン酸(例えば、2個もしくはそれ超のカルボン酸基を有する化合物)の塩でよい。ある特定の実施形態では、カルボン酸イオンは、C1〜20カルボン酸のアニオンを含む。ある特定の実施形態では、カルボン酸イオンは、C1〜12カルボン酸のアニオンを含む。ある特定の実施形態では、カルボン酸イオンは、C1〜8カルボン酸のアニオンを含む。ある特定の実施形態では、カルボン酸イオンは、C1〜4カルボン酸のアニオンを含む。ある特定の実施形態では、カルボン酸イオンは、任意選択で置換されている安息香酸のアニオンを含む。ある特定の実施形態では、カルボン酸イオンは、ギ酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン、吉草酸イオン、酪酸イオン、C5〜10脂肪族カルボン酸イオン、およびC10〜20脂肪族カルボン酸イオンからなる群から選択される。
述べたように、ある特定の実施形態では、重合触媒は、有機カチオンのカルボン酸塩を含む。ある特定の実施形態では、重合触媒は、正の電荷が、窒素、硫黄、またはリン原子上に少なくとも部分的に位置している、カチオンのカルボン酸塩を含む。ある特定の実施形態では、重合触媒は、窒素カチオンのカルボン酸塩を含む。ある特定の実施形態では、重合触媒は、アンモニウム、アミジニウム、グアニジニウム、窒素複素環のカチオン形態、およびこれらの2つもしくはそれ超の任意の組合せからなる群から選択されるカチオンのカルボン酸塩を含む。ある特定の実施形態では、重合触媒は、リンカチオンのカルボン酸塩を含む。ある特定の実施形態では、重合触媒は、ホスホニウムおよびホスファゼニウムからなる群から選択されるカチオンのカルボン酸塩を含む。ある特定の実施形態では、重合触媒は、硫黄含有カチオンのカルボン酸塩を含む。ある特定の実施形態では、重合触媒は、スルホニウム塩を含む。
ある特定の実施形態では、重合触媒は、金属のカルボン酸塩を含む。ある特定の実施形態では、重合触媒は、アルカリまたはアルカリ土類金属のカルボン酸塩を含む。ある特定の実施形態では、重合触媒は、アルカリ金属のカルボン酸塩を含む。ある特定の実施形態では、重合触媒は、ナトリウムまたはカリウムのカルボン酸塩を含む。ある特定の実施形態では、重合触媒は、ナトリウムのカルボン酸塩を含む。
ある特定の実施形態では、重合触媒は、プロトン化アミン
Figure 2021167322
のカルボン酸塩を含み、式中、
各RおよびRは、独立に、水素、あるいはC1〜20脂肪族;C1〜20ヘテロ脂肪族;3〜8員飽和もしくは部分不飽和の単環式炭素環;7〜14員飽和もしくは部分不飽和の多環式炭素環;窒素、酸素、もしくは硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環;窒素、酸素、もしくは硫黄から独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜14員多環式ヘテロアリール環;窒素、酸素、もしくは硫黄から独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する3〜8員飽和もしくは部分不飽和の単環式複素環式環;窒素、酸素、もしくは硫黄から独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する6〜14員飽和もしくは部分不飽和の多環式複素環;フェニル;または8〜14員多環式アリール環からなる群から選択される、任意選択で置換されているラジカルであり、RおよびRは、介在する原子と一緒になって、1個もしくは複数のさらなるヘテロ原子を任意選択で含有する1個もしくは複数の任意選択で置換されている環を形成することができ、
各Rは、独立に、水素、あるいはC1〜20脂肪族;C1〜20ヘテロ脂肪族;3〜8員飽和もしくは部分不飽和の単環式炭素環;7〜14員飽和もしくは部分不飽和の多環式炭素環;窒素、酸素、もしくは硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環;窒素、酸素、もしくは硫黄から独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜14員多環式ヘテロアリール環;窒素、酸素、もしくは硫黄から独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する3〜8員飽和もしくは部分不飽和の単環式複素環式環;窒素、酸素、もしくは硫黄から独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する6〜14員飽和もしくは部分不飽和の多環式複素環;フェニル;または8〜14員多環式アリール環からなる群から選択される、任意選択で置換されているラジカルであり、R基は、RまたはR基と一緒になって、1個もしくは複数の任意選択で置換されている環を形成することができる。
重合触媒がプロトン化アミンのカルボン酸塩を含むある特定の実施形態では、このプロトン化アミンは、
Figure 2021167322
からなる群から選択される。
ある特定の実施形態では、重合触媒は、第四級アンモニウム塩
Figure 2021167322
のカルボン酸塩を含み、式中、
各R、RおよびRは、上記に記載され、
各Rは、独立に、水素、あるいはC1〜20脂肪族;C1〜20ヘテロ脂肪族;3〜8員飽和もしくは部分不飽和の単環式炭素環;7〜14員飽和もしくは部分不飽和の多環式炭素環;窒素、酸素、もしくは硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環;窒素、酸素、もしくは硫黄から独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜14員多環式ヘテロアリール環;窒素、酸素、もしくは硫黄から独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する3〜8員飽和もしくは部分不飽和の単環式複素環式環;窒素、酸素、もしくは硫黄から独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する6〜14員飽和もしくは部分不飽和の多環式複素環;フェニル;または8〜14員多環式アリール環からなる群から選択される任意選択で置換されているラジカルであり、R基は、R、RまたはR基と一緒になって、1個もしくは複数の任意選択で置換されている環を形成することができる。
ある特定の実施形態では、重合触媒は、グアニジニウム基
Figure 2021167322
のカルボン酸塩を含み、式中、各RおよびRは、独立に、上記で定義され、かつ本明細書におけるクラスおよびサブクラスにおいて記載されている通りである。ある特定の実施形態では、各RおよびRは、独立に、水素またはC1〜20脂肪族である。ある特定の実施形態では、各RおよびRは、独立に、水素またはC1〜12脂肪族である。ある特定の実施形態では、各RおよびRは、独立に、水素またはC1〜20ヘテロ脂肪族である。ある特定の実施形態では、各RおよびRは、独立に、水素またはフェニルである。ある特定の実施形態では、各RおよびRは、独立に、水素または8〜10員アリールである。ある特定の実施形態では、各RおよびRは、独立に、水素または5〜10員ヘテロアリールである。ある特定の実施形態では、各RおよびRは、独立に、水素または3〜7員複素環である。ある特定の実施形態では、RおよびRの1つもしくは複数は、任意選択で置換されているC1〜12脂肪族である。
ある特定の実施形態では、任意の2個もしくはそれ超のRまたはR基は、介在する原子と一緒になって、1個もしくは複数の任意選択で置換されている炭素環式、複素環式、アリール、またはヘテロアリール環を形成する。ある特定の実施形態では、RおよびR基は、一緒になって、任意選択で置換されている5員または6員環を形成する。ある特定の実施形態では、3個もしくはそれ超のRおよび/またはR基は、一緒になって、任意選択で置換されている縮合環系を形成する。
ある特定の実施形態では、RおよびR基は、介在する原子と一緒になって、
Figure 2021167322
から選択される化合物を形成し、式中、各RおよびRは、独立に、上記で定義され、かつ本明細書におけるクラスおよびサブクラスにおいて記載されている通りであり、環Gは、任意選択で置換されている5〜7員の飽和もしくは部分不飽和の複素環式環である。
グアニジニウムカチオンが、
Figure 2021167322
として示されるとき、全てのこのような共鳴形態は、本開示によって企図および包含されることを認識されたい。例えば、このような基はまた、
Figure 2021167322
として示すことができる。
特定の実施形態では、グアニジニウムカチオンは、
Figure 2021167322
からなる群から選択される。
ある特定の実施形態では、重合触媒は、スルホニウム基またはアルソニウム基、例えば、
Figure 2021167322
のカルボン酸塩を含み、式中、R、R、およびRのそれぞれは、上記で定義され、かつ本明細書におけるクラスおよびサブクラスにおいて記載されている通りである。
特定の実施形態では、アルソニウムカチオンは、
Figure 2021167322
からなる群から選択される。
ある特定の実施形態では、重合触媒は、任意選択で置換されている窒素含有複素環のカルボン酸塩を含む。ある特定の実施形態では、窒素含有複素環は、芳香族複素環である。ある特定の実施形態では、任意選択で置換されている窒素含有複素環は、ピリジン、イミダゾール、ピロリジン、ピラゾール、キノリン、チアゾール、ジチアゾール、オキサゾール、トリアゾール、ピラゾール(pyrazolem)、イソオキサゾール、イソチアゾール、テ
トラゾール、ピラジン、チアジン、およびトリアジンからなる群から選択される。
ある特定の実施形態では、窒素含有複素環は、四級化された窒素原子を含む。ある特定の実施形態では、窒素含有複素環は、イミニウム部分、例えば、
Figure 2021167322
を含む。ある特定の実施形態では、任意選択で置換されている窒素含有複素環は、ピリジニウム、イミダゾリウム、ピロリジニウム、ピラゾリウム、キノリニウム、チアゾリウム、ジチアゾリウム、オキサゾリウム、トリアゾリウム、イソオキサゾリウム、イソチアゾリウム、テトラゾリウム、ピラジニウム、チアジニウム、およびトリアジニウムからなる群から選択される。
ある特定の実施形態では、窒素含有複素環は、環窒素原子を介して金属錯体に連結している。ある特定の実施形態では、それに対して結合がなされる環窒素は、それによって四級化されており、ある特定の実施形態では、金属錯体への連結は、N−H結合の代わりをし、それによって窒素原子は中性のままである。ある特定の実施形態では、任意選択で置換されているN−連結窒素含有複素環は、ピリジニウム誘導体である。ある特定の実施形態では、任意選択で置換されているN−連結窒素含有複素環は、イミダゾリウム誘導体である。ある特定の実施形態では、任意選択で置換されているN−連結窒素含有複素環は、チアゾリウム誘導体である。ある特定の実施形態では、任意選択で置換されているN−連結窒素含有複素環は、ピリジニウム誘導体である。
ある特定の実施形態では、重合触媒は、
Figure 2021167322
のカルボン酸塩を含む。ある特定の実施形態では、環Aは、任意選択で置換されている、5〜10員ヘテロアリール基である。ある特定の実施形態では、環Aは、任意選択で置換されている、6員ヘテロアリール基である。ある特定の実施形態では、環Aは、縮合複素環の環である。ある特定の実施形態では、環Aは、任意選択で置換されているピリジル基である。
特定の実施形態では、窒素含有複素環式カチオンは、
Figure 2021167322
からなる群から選択される。
ある特定の実施形態では、重合触媒は、
Figure 2021167322
のカルボン酸塩を含み、式中、各R、R、およびRは、独立に、上記で定義され、かつ本明細書におけるクラスおよびサブクラスにおいて記載されている通りである。
ある特定の実施形態では、重合触媒は、
Figure 2021167322
のカルボン酸塩を含み、式中、各RおよびRは、独立に、上記で定義され、かつ本明細書におけるクラスおよびサブクラスにおいて記載されている通りである。
ある特定の実施形態では、重合触媒は、
Figure 2021167322
のカルボン酸塩を含み、式中、各R、R、およびRは、独立に、上記で定義され、かつ本明細書におけるクラスおよびサブクラスにおいて記載されている通りである。
ある特定の実施形態では、重合触媒は、
Figure 2021167322
のカルボン酸塩を含み、式中、R、R、R、およびRのそれぞれは、上記で定義され、かつ本明細書におけるクラスおよびサブクラスにおいて記載されている通りである。
ある特定の実施形態では、RおよびRは、それぞれ独立に、C1〜20脂肪族;C1〜20ヘテロ脂肪族;フェニル、および8〜10員アリールからなる群から選択される任意選択で置換されている基である。ある特定の実施形態では、RおよびRは、それぞれ独立に、任意選択で置換されているC1〜20脂肪族である。ある特定の実施形態では、RおよびRは、それぞれ独立に、任意選択で置換されているC1〜20ヘテロ脂肪族である。ある特定の実施形態では、RおよびRは、それぞれ独立に、任意選択で置換されているフェニルまたは8〜10員アリールである。ある特定の実施形態では、RおよびRは、それぞれ独立に、任意選択で置換されている5〜10員ヘテロアリールである。ある特定の実施形態では、RおよびRは、介在する原子と一緒になって、任意選択で置換されているC〜C14炭素環、任意選択で置換されているC〜C14複素環、任意選択で置換されているC〜C10アリール、および任意選択で置換されている5〜10員ヘテロアリールからなる群から選択される1個もしくは複数の環を形成することができる。ある特定の実施形態では、RおよびRは、それぞれ独立に、任意選択で置換されているC1〜6脂肪族である。ある特定の実施形態では、RおよびRは、出現する毎に独立に、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、またはベンジルである。ある特定の実施形態では、RおよびRは、出現する毎に独立に、ペルフルオロである。ある特定の実施形態では、RおよびRは、出現する毎に独立に、−CFCFである。
ある特定の実施形態では、重合触媒は、
Figure 2021167322
のカルボン酸塩を含み、式中、各RおよびRは、独立に、上記で定義され、かつ本明細書におけるクラスおよびサブクラスにおいて記載されている通りである。
ある特定の実施形態では、重合触媒は、
Figure 2021167322
のカルボン酸塩を含み、式中、各R、R、およびRは、独立に、上記で定義され、かつ本明細書におけるクラスおよびサブクラスにおいて記載されている通りである。
ある特定の実施形態では、カチオンは、
Figure 2021167322
であり、式中、各RおよびRは、独立に、上記で定義され、かつ本明細書におけるクラスおよびサブクラスにおいて記載されている通りである。
ある特定の実施形態では、重合触媒は、
Figure 2021167322
のカルボン酸塩を含み、式中、各RおよびRは、独立に、上記で定義され、かつ本明細書におけるクラスおよびサブクラスにおいて記載されている通りである。
ある特定の実施形態では、重合触媒は、
Figure 2021167322
のカルボン酸塩を含み、式中、各R、R、およびRは、独立に、上記で定義され、かつ本明細書におけるクラスおよびサブクラスにおいて記載されている通りである。
ある特定の実施形態では、重合触媒は、
Figure 2021167322
のカルボン酸塩を含み、式中、各RおよびRは、独立に、上記で定義され、かつ本明細書におけるクラスおよびサブクラスにおいて記載されている通りである。ある特定の実施形態では、適切な触媒は、遷移金属化合物を含む。ある特定の実施形態では、適切な触媒は、酸触媒を含む。ある特定の実施形態では、触媒は、不均一系触媒である。
ある特定の実施形態では、上記のカチオン性官能基のいずれも、固体担持体に結合している。適切な固体担持体の例は、ポリマー固体(例えば、ポリマービーズ、フィルム、繊維、布帛、粒子など)、および無機固体(例えば、粘土、シリカ、アルミナ、珪藻土、セラミック、金属酸化物、鉱物繊維ビーズまたは粒子など)を含む。このような担持されているカチオン性官能基の具体例は、アンモニウム基で官能化されたポリスチレン樹脂ビーズ、ホスホニウム基で官能化されたポリスチレン樹脂ビーズ、およびグアニジニウム基で官能化されたポリスチレン樹脂ビーズを含む。このような担持されているカチオン性官能基の具体例は、アンモニウム基で官能化されたシリカ粒子、ホスホニウム基で官能化されたアルミナ粒子、およびグアニジニウム基で官能化されたセラミックビーズを含む。ある特定の実施形態では、重合触媒は、上記の担持されている固体カチオン性官能基(supported solid cationic functional groups)のいずれかのカルボン酸塩を含む。ある特定の実施形態では、重合触媒は、上記の担持されている固体カチオン性官能基のいずれかのアクリル酸塩を含む。
ある特定の実施形態では、重合触媒は、カチオン性固体を含み、カチオンは、金属原子を含む。ある特定の実施形態では、重合触媒は、上記の担持されている固体カチオン性金属原子(supported solid cationic metal atoms)のいずれかのカルボン酸塩を含む。ある特定の実施形態では、重合触媒は、上記の担持されている固体カチオン性金属原子のいずれかのアクリル酸塩を含む。
ある特定の実施形態では、重合触媒のカルボン酸塩は、式(II)の化合物であり、
Figure 2021167322
式中、pは、0〜9であり、Rは、不揮発性部分である。用語「不揮発性部分」は、本明細書において使用する場合、カルボキシレートが結合することができ、かつカルボキシレート(例えば、p=0である場合)を熱分解条件に対して不揮発性にする部分または材料を指す。一部の実施形態では、不揮発性部分は、ガラス表面、シリカ表面、プラスチック表面、ゼオライトを含む金属表面、金属コーティングまたは化学コーティングを含有する表面、膜(例えば、ナイロン、ポリスルホン、シリカ)、マイクロビーズ(例えば、ラテックス、ポリスチレン、または他のポリマー)、および多孔性ポリマーマトリックス(例えば、ポリアクリルアミド、多糖、ポリメタクリレート)からなる群から選択される。一部の実施形態では、不揮発性部分は、100g/mol超、200g/mol超、500g/mol超、または1000g/mol超の分子量を有する。一部の実施形態では、不揮発性部分は、固定層または充填層システムの一部である。一部の実施形態では、不揮発性部分は、ペレット(例えば、ゼオライト)を含む固定層または充填層システムの一部である。
ある特定の実施形態では、pは、0〜5である。ある特定の実施形態では、重合触媒のカルボン酸塩は、アクリル酸塩(すなわち、p=0である式(II)の化合物の塩)である。
一部の実施形態では、適切なカルボキシレート触媒は、不均一系である。一部の実施形態では、適切な触媒は、固定層である。一部の実施形態では、適切なカルボキシレート触媒は、全ての他の生成物、中間体、出発材料、副生成物、および他の反応構成要素の除去の後、塩または溶融物として反応ゾーンに残存する。一部の実施形態では、適切な触媒は、全てのアクリル酸生成物ストリームの除去の後で、塩または溶融物として反応ゾーンに残存する。一部の実施形態では、式(II)の適切なカルボキシレート触媒は、全てのアクリル酸生成物ストリームの除去の後で、塩または溶融物として反応ゾーンにおいて残存する。
ある特定の実施形態では、重合触媒は、反応ゾーンにおけるさらなる使用のためにリサイクルされる。一部の実施形態では、塩または溶融物触媒は、反応ゾーンにリサイクルされる。一部の実施形態では、提供された方法は、均一系触媒のリサイクルストリームを反応ゾーンへ取り出すことをさらに含む。一部の実施形態では、このようなリサイクルストリームは、高沸点溶媒を含み、ここで溶媒の沸点は、PPLの熱分解温度より高く、取り出された生成物ストリームが気体である一方で、触媒は熱分解の間に高沸点溶媒中に残存する。
一部の実施形態では、適切な重合触媒は、均一系である。ある特定の実施形態では、適切な重合触媒を第2の溶媒ストリームと合わせ、反応ゾーンに加える。
蒸留
上記で一般に記載するように、本明細書に記載の方法は、1種もしくは複数種の溶媒の蒸留と、本明細書に記載されている重合および熱分解反応とを統合する。一部の実施形態では、反応ゾーンは、反応蒸留カラムである。一部の実施形態では、提供された方法は、第1の溶媒の蒸留ストリームを取り出すことを含む。一部の実施形態では、第1の溶媒は、BPLを提供する上流のカルボニル化反応において使用される溶媒である。一部の実施形態では、第1の溶媒の蒸留ストリームは、ベータプロピオラクトンストリームを提供するために使用されるカルボニル化反応器に方向付けられる。一部の実施形態では、提供された方法は、第2の溶媒の蒸留ストリームを取り出すことをさらに含む。
アクリレートのリサイクル
BPLからのPPLの重合モードは、典型的なポリエステル重合に反した様式で進行することを当業者は認識する。ポリエステルは一般に、カルボン酸基のカルボニルにおけるヒドロキシル基の攻撃によって形成される一方、BPL環のひずみは特有の反応性を与え、ここでカルボン酸アニオンはベータ炭素を攻撃して末端カルボキシレートをもたらし、次いでこれはBPLの別の単位と反応して、ポリマー鎖を成長させ得る。
Figure 2021167322
提供された方法の一部の実施形態では、PPLへのBPLの重合は、アクリレートによって触媒される。次いで、このように得られたポリマー鎖は、アクリレート末端基を含む。一部の実施形態では、重合を開始させるのに必要とされるカルボキシレートは、生成物ストリームからの戻りループによって提供されるアクリル酸である。一部の実施形態では、提供された方法によって生成されるアクリル酸の一部分は、反応ゾーンに戻り、重合を開始する。一部の実施形態では、提供された方法におけるin situで形成されたアクリル酸は、PPLへのBPLの変換を開始および維持するのに十分である。
熱の捕捉
提供された方法の一部の実施形態では、プロセスの一部分から生じた熱は捕捉される。例えば、PPLへのBPLの重合は発熱のプロセスであり、反応から生じた過剰な熱は捕捉され得る。ある特定の実施形態では、捕捉された熱は、低位熱である。提供された方法の一部の実施形態では、反応ゾーンから生じた熱は捕捉され、他のプロセスに方向付けられる。ある特定の実施形態では、熱は、BPLを提供するために使用される上流のカルボニル化プロセスに方向付けられる。一部の実施形態では、熱は、生成物ストリーム(例えば、アクリル酸)を適当な温度に維持するために方向付けられる。
反応モード
本明細書における方法は、用いる反応器のタイプ、サイズまたは幾可学的形状に対して特定の制限をせず、実際に、ワンポット方法の上記の考察にもかかわらず、1つ超の反応器が用いられてもよい(例えば、上流のカルボニル化プロセスが、提供された方法中にさらに組み込まれたとき)。この状況において、用語「反応器」は事実上、1つ超の物理的反応器(例えば、反応器は、並列もしくは直列で接続されている一連の連続撹拌槽型反応器(CSTR)、または複数の栓流反応器である可能性がある)を表し得ることを理解すべきである。多くのこのような組合せは当技術分野において公知であり、当業者は、本明細書に記載の方法における効率的な反応を達成するために用いる可能性がある。
溶媒
上記のように、BPL供給原料ストリームは、第1の溶媒を含む。一部の実施形態では、第1の溶媒は、BPL供給原料ストリームを提供するためにカルボニル化反応において使用される溶媒である。一部の実施形態では、第1の溶媒を、ニートのBPLと合わせる。ある特定の実施形態では、第1の溶媒は、160℃より低い沸点を有する。本明細書において使用される沸点は、1atmの圧力での沸点である。
第1の溶媒は、任意の溶媒、または2種もしくはそれ超の溶媒の混合物から選択され得る。さらに、ベータラクトンは、共溶媒として利用され得る。第1の溶媒に最も適した溶媒は、エーテル、炭化水素および非プロトン性極性溶媒を含む。適切な第1の溶媒の例は、例えば、テトラヒドロフラン(「THF」)、スルホラン、N−メチルピロリドン、1,3ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジグリム、トリグリム、テトラグリム、ジエチレングリコールジブチルエーテル、イソソルビドエーテル、メチルtertブチルエーテル、ジエチルエーテル、ジフェニルエーテル、1,4−ジオキサン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、二塩基性エステル、ジエチルエーテル、アセトニトリル、酢酸エチル、ジメトキシエタン、アセトン、およびメチルエチルケトンを含む。一部の実施形態では、第1の溶媒は、THFである。
一部の実施形態では、提供された方法は、第2の溶媒を提供することと、第2の溶媒ストリームを反応器ゾーンに方向付けることとをさらに含む。一部の実施形態では、第2の溶媒を利用して、適切な触媒を反応器ゾーンに送達する。一部の実施形態では、第2の溶媒は、反応混合物中のPPLの均一性を維持することを助ける。一部の実施形態では、提供された方法は、第2の溶媒の蒸留ストリームを取り出すことをさらに含む。
一部の変形形態では、第2の溶媒は、極性の非プロトン性溶媒を含む。一部の変形形態では、極性の非プロトン性溶媒は、エステル、ニトリル、アミドまたはエーテル溶媒を含む。ある特定の実施形態では、極性の非プロトン性溶媒は、アクリル酸の沸点より高い沸点を有する。ある特定の実施形態では、極性の非プロトン性溶媒は、N−メチルピロリドン、1,3ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジグリム、トリグリム、テトラグリム、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジフェニルエーテル、1,4−ジオキサン、イソソルビドエーテル、または二塩基性エステルを含む。ある特定の実施形態では、極性の非プロトン性溶媒は、アクリル酸の沸点より低い沸点を有する。ある特定の実施形態では、極性の非プロトン性溶媒は、テトラヒドロフラン、メチルtertブチルエーテル、ジエチルエーテル、アセトニトリル、酢酸エチル、ジメトキシエタン、アセトン、およびメチルエチルケトンを含む。一部の変形形態では、第2の溶媒は、非極性溶媒を含む。ある特定の実施形態では、非極性溶媒は、脂肪族または芳香族炭化水素を含む。ある特定の実施形態では、非極性溶媒は、ハロゲン化溶媒を含む。
II.システム
別の態様において、アクリル酸の合成のためのシステムを提供する。一部の実施形態では、アクリル酸へのベータプロピオラクトンの変換のためのシステムは、
(a)溶媒中のベータプロピオラクトン(BPL);
(b)重合触媒であって、ポリ(プロピオラクトン)(PPL)の熱分解温度またはそれ超で、BPLは、重合触媒の存在下でPPLに重合し始め、PPLはアクリル酸に併行的に熱により分解する、重合触媒;および
(c)溶媒の蒸留ストリーム
を含み、
in situで形成されたアクリル酸は、BPLをPPLに重合する反応を維持する。
1つの変形形態では、ベータプロピオラクトンをアクリル酸に変換するためのシステムであって、前記システムは、
ベータプロピオラクトン(BPL)源;
重合触媒源;ならびに
BPL源からのBPL、および重合触媒源からの重合触媒を受ける少なくとも1つの入口、および
アクリル酸ストリームを出力する出口
を含む反応器
を含み、
前記反応器は、(i)重合触媒の存在下、PPLの熱分解温度またはそれ超でBPLを重合させてポリ(プロピオラクトン)(PPL)を生成し、(ii)PPLを併行的に熱により分解してアクリル酸をin situで生成するように構成され、in situで生成されたアクリル酸が、PPLへのBPLの重合を維持する、システムを提供する。
ある特定の変形形態では、少なくとも1つの入口は、BPL源から溶媒中のBPLを受けるようにさらに構成されている。他の変形形態では、反応器は、溶媒の蒸留ストリームを出力する出口をさらに含む。
上記のように、一部の実施形態では、反応器へのアクリル酸生成物の戻りループを含む方法を提供する。したがって、上記のシステムの一部の変形形態では、反応器は、アクリル酸ストリームの少なくとも一部分を受ける入口をさらに含む。別の変形形態では、少なくとも1つの入口は、アクリル酸ストリームの少なくとも一部分を受けるようにさらに構成されている。
したがって、他の実施形態では、アクリル酸へのベータプロピオラクトンの変換のためのシステムであって、
(a)ベータプロピオラクトン(BPL)、溶媒、および重合触媒を含む反応ゾーンであって、ポリ(プロピオラクトン)(PPL)の熱分解温度またはそれ超で、BPLは、重合触媒の存在下でPPLに重合し始め、PPLはアクリル酸に併行的に熱により分解する、反応ゾーン;
(b)溶媒の蒸留ストリーム;ならびに
(c)アクリル酸を反応ゾーンに提供するための戻りループ
を含む、システムを提供する。
1つの変形形態では、アクリル酸へのベータプロピオラクトンの変換のためのシステムであって、
ベータプロピオラクトン(BPL)、溶媒、および重合触媒を含む反応ゾーンであって、反応ゾーンは、(i)BPLを重合触媒の存在下で、PPLの熱分解温度またはそれ超でPPLに重合し、(ii)PPLをアクリル酸に併行的に熱により分解するように構成されている、反応ゾーン;
溶媒の蒸留ストリーム;ならびに
アクリル酸を反応ゾーンに提供するための戻りループ
を含む、システムを提供する。
図1を参照すると、システム100は、均一系重合触媒を利用して精アクリル酸(GAA)を生成するための例示的なシステムである。BPLおよびテトラヒドロフラン(THF)を含む供給原料ストリーム102は、反応器130に方向付けられる。第2の溶媒と混合した重合触媒を含む触媒ストリーム104もまた、反応器130に方向付けられる。BPLがPPLに変換され、PPLが熱による分解を受けてアクリル酸を生成するように、反応器130は適切な温度および圧力に維持される。THF溶媒は、蒸留ストリーム116として取り出され、リサイクルタンクまたは上流のカルボニル化反応器に方向付けられてよい。第2の溶媒は、蒸留ストリーム112として取り出され、リサイクルタンクまたは触媒ストリームに方向付けられてよい。精アクリル酸は、生成物ストリーム110として取り出される。触媒は、触媒リサイクルストリーム114によってリサイクルされる。
他の変形形態では、1種もしくは複数種の構成要素を、システム100に加えてもよく、また省いてもよいことを一般に理解すべきである。例えば、1つの変形形態では、システム100は、THFリサイクルタンクをさらに含む。別の変形形態では、システム100は、第2の溶媒リサイクルタンクをさらに含む。システムの他の変形形態では、反応器130は、熱交換器をさらに含む。また別の変形形態では、触媒が回収およびリサイクルされない場合、システム100における触媒リサイクルストリーム114は省かれ得る。
したがって、一部の態様では、アクリル酸を生成するためのシステムであって、前記システムは、
BPL源;
重合触媒源;ならびに
BPL源からのBPL、および重合触媒源からの重合触媒を受ける少なくとも1つの入口、および
アクリル酸ストリームを出力する出口
を含む反応器
を含み、
前記反応器は、(i)重合触媒の存在下で、PPLの熱分解温度またはそれ超でBPLを重合させてポリ(プロピオラクトン)(PPL)を生成し、(ii)PPLを併行的に熱により分解してアクリル酸をin situで生成するように構成されている、システムを提供する。
ある特定の変形形態では、重合触媒は、均一系重合触媒である。本明細書における方法について記載されている重合触媒のいずれも、本明細書に記載されているシステムにおいて使用し得ることを理解すべきである。
一部の変形形態では、少なくとも1つの入口は、BPL源からのBPLストリームを受けるように構成されており、BPLストリームは、BPLおよびテトラヒドロフランを含む。
一部の変形形態では、少なくとも1つの入口は、重合触媒源からの重合触媒ストリームを受けるように構成されており、重合触媒ストリームは、重合触媒および第2の溶媒を含む。本明細書における方法について記載されている第2の溶媒のいずれも、本明細書に記載されているシステムにおいて存在し得ることを理解すべきである。
他の変形形態では、反応器は、テトラヒドロフランの蒸留ストリーム、第2の溶媒の蒸留ストリーム、重合触媒のリサイクルストリーム、または任意のこれらの組合せを出力する少なくとも1個の出口をさらに含む。
1つの変形形態では、アクリル酸は、精アクリル酸である。ある特定の変形形態では、アクリル酸は、少なくとも99.5%、少なくとも99.6%、少なくとも99.7%、少なくとも99.8%、または少なくとも99.9%の純度を有する。
図2を参照すると、システム200は、固定層重合触媒を利用したアクリル酸を生成するための別の例示的なシステムを示す。BPLおよびTHFを含む供給原料ストリーム202は、反応器230に方向付けられる。ある溶媒(該溶媒にはPPLが溶解可能である)を含む第2の溶媒ストリーム204は、反応器230に方向付けられる。固定層232における重合触媒は、反応器230に位置している。BPLがPPLに変換され、PPLが熱による分解を受けてアクリル酸を生成するように、反応器230は適切な温度および圧力に維持される。THF溶媒は、蒸留ストリーム216として取り出され、リサイクルタンクまたは上流のカルボニル化反応器に方向付けられてよい。第2の溶媒は、蒸留ストリーム212として取り出され、リサイクルタンクに方向付けられてよい。精アクリル酸は、生成物ストリーム210として取り出される。
他の変形形態では、1種もしくは複数種の構成要素を、システム200に加えてもよく、また省いてもよいことを一般に理解すべきである。例えば、1つの変形形態では、システム200は、THFリサイクルタンクをさらに含む。別の変形形態では、システム200は、第2の溶媒リサイクルタンクをさらに含む。システムの他の変形形態では、反応器230は、熱交換器をさらに含む。また別の変形形態では、THFおよび/または第2の溶媒が回収およびリサイクルされない場合、システム200における蒸留ストリームは省かれ得る。
したがって、他の態様では、アクリル酸を生成するためのシステムであって、前記システムは、
BPL源;ならびに
重合触媒の固定層、
BPL源からのBPLを受ける少なくとも1つの入口、および
アクリル酸ストリームを出力する出口
を含む反応器
を含み、
前記反応器は、(i)重合触媒の存在下で、PPLの熱分解温度またはそれ超でBPLを重合させてポリ(プロピオラクトン)(PPL)を生成し、(ii)PPLを併行的に熱により分解してアクリル酸をin situで生成するように構成されている、システムを提供する。
固定層において使用するのに適した本明細書における方法について記載されている重合触媒のいずれも、本明細書に記載されているシステムにおいて存在し得ることを理解すべきである。
一部の変形形態では、少なくとも1つの入口は、BPL源からのBPLストリームを受けるように構成されており、BPLストリームは、BPLおよびテトラヒドロフランを含む。
他の変形形態では、反応器は、テトラヒドロフランの蒸留ストリーム、第2の溶媒の蒸留ストリーム、または任意のこれらの組合せを出力する少なくとも1個の出口をさらに含む。
1つの変形形態では、アクリル酸は、精アクリル酸である。ある特定の変形形態では、アクリル酸は、少なくとも99.5%、少なくとも99.6%、少なくとも99.7%、少なくとも99.8%、または少なくとも99.9%の純度を有する。
図3を参照すると、システム300は、アクリル酸を生成するまた別の例示的なシステムである。システム300において使用し得る適切なカルボニル化プロセスは、WO2014/008232に記載されている。エチレンオキシドおよび一酸化炭素の供給原料ストリーム302、ならびにカルボニル化触媒およびTHFを含む触媒ストリーム304は、それぞれカルボニル化反応器310に方向付けられる。反応器310は、所望の圧力および温度、例えば、BPLを生成するのに適した圧力および温度に加圧する。BPLの生成物ストリーム312をカルボニル化反応器から取り出し、ナノ濾過膜320に方向付ける。ナノ濾過膜320は、触媒を捕らえるが、BPLおよびTHFが通過することを可能とする。BPLおよびTHFを含むBPL供給原料ストリーム322は、反応蒸留(RD)カラム330に方向付けられ、BPLの熱分解、精アクリル酸生成物ストリーム340の取り出し、およびTHF蒸留ストリーム342の取り出しは、図1および2ならびに本明細書において示す例示的なシステムについて記載されている通りである。
実施形態の列挙
下記の実施形態の列挙は、本発明のいくつかの態様の代表的なものである。
1.アクリル酸の合成のための方法であって、前記方法は、
(a)ベータプロピオラクトンおよび第1の溶媒を含む供給原料ストリームを提供するステップと;
(b)前記供給原料ストリームを反応ゾーンに方向付け、そこでそれを重合触媒と接触させ、前記ベータプロピオラクトンの少なくとも一部分をポリ(プロピオラクトン)に変換するステップと;
(c)ポリ(プロピオラクトン)の熱による分解によってアクリル酸が生成されるように、前記反応ゾーンをポリ(プロピオラクトン)の熱分解温度またはそれ超の温度に維持するステップと;
(d)前記反応ゾーンから前記第1の溶媒の蒸留ストリームを取り出すステップと;
(e)前記反応ゾーンからアクリル酸生成物ストリームを取り出すステップと
を含み、ステップ(b)および(c)は、同じ反応ゾーンにおいて起こる、方法。
2.前記第1の溶媒が、160℃より低い沸点を有する、実施形態1に記載の方法。
3.前記第1の溶媒が、THFである、実施形態1または2に記載の方法。
4.第2の溶媒を提供するステップと、第2の溶媒ストリームを前記反応ゾーンに方向付けるステップをさらに含む、実施形態1〜3のいずれか一つに記載の方法。
5.前記第2の溶媒ストリームが、前記第2の溶媒および前記重合触媒を含む、実施形態4に記載の方法。
6.前記反応ゾーンから前記第2の溶媒の蒸留ストリームを取り出すことをさらに含む、実施形態4に記載の方法。
7.前記第1の溶媒の前記蒸留ストリームを、前記ベータプロピオラクトンを提供するために使用されるカルボニル化反応器に方向付けることをさらに含む、実施形態1〜6のいずれか一つに記載の方法。
8.前記反応ゾーンから前記重合触媒のリサイクルストリームを取り出すステップをさらに含む、実施形態1〜7のいずれか一つに記載の方法。
9.前記重合触媒が、以下の式
Figure 2021167322
の化合物の塩であり、式中、pは0〜9である、実施形態1〜8のいずれか一つに記載の方法。
10.前記重合触媒が、以下の式
Figure 2021167322
の化合物の塩であり、式中、pは0〜9であり、Rは不揮発性部分である、実施形態1〜8のいずれか一つに記載の方法。
11.前記重合触媒が、カルボン酸塩を含む、実施形態1〜8のいずれか一つに記載の方法。
12.前記重合触媒が、アクリレートを含む、実施形態1〜8のいずれか一つに記載の方法。
13.前記重合触媒が、固体に担持されている、実施形態1〜12のいずれか一つに記載の方法。
14.前記重合触媒が、カチオン性固体を含む、実施形態1〜12のいずれか一つに記載の方法。
15.前記重合触媒が、不均一系触媒である、実施形態1〜14のいずれか一つに記載の方法。
16.前記重合触媒が、固定層を含む、実施形態15に記載の方法。
17.前記第2の溶媒の蒸留ストリームを取り出すことをさらに含む、実施形態1〜16のいずれか一つに記載の方法。
18.前記反応器から生じた熱を捕捉し、それを他のプロセスに方向付けるステップをさらに含む、実施形態1〜17のいずれか一つに記載の方法。
19.前記熱が、前記ベータプロピオラクトンを提供するために使用されるカルボニル化反応に方向付けられる、実施形態18に記載の方法。
20.低位熱を使用して、前記アクリル酸生成物ストリームを適当な温度に維持するステップをさらに含む、実施形態1〜19のいずれか一つに記載の方法。
21.低位熱を使用して、前記アクリル酸生成物ストリームの温度をその沸点より高く維持することをさらに含む、実施形態1〜20のいずれか一つに記載の方法。
22.アクリル酸へのベータプロピオラクトンの変換のためのシステムであって、前記システムは、
(a)溶媒中のベータプロピオラクトン(BPL);
(b)重合触媒であって、ポリ(プロピオラクトン)(PPL)の熱分解温度またはそれ超で、BPLは前記重合触媒の存在下でPPLに重合し始め、前記PPLはアクリル酸に併行的に熱により分解する、重合触媒;および
(c)前記溶媒の蒸留ストリーム
を含み、in situで形成されたアクリル酸は、BPLをPPLに重合する反応を維持する、
システム。
23.アクリル酸へのベータプロピオラクトンの変換のためのシステムであって、
(a)ベータプロピオラクトン(BPL)、溶媒、および重合触媒を含む反応ゾーンであって、ポリ(プロピオラクトン)(PPL)の熱分解温度またはそれ超で、BPLは前記重合触媒の存在下でPPLに重合し始め、前記PPLはアクリル酸に併行的に熱により分解する、反応ゾーン;
(b)前記溶媒の蒸留ストリーム;ならびに
(c)アクリル酸を前記反応ゾーンに提供するための戻りループ
を含む、
システム。
24.前記重合触媒が、以下の式
Figure 2021167322
の化合物の塩であり、式中、pは0〜9である、実施形態22または23に記載のシステム。
25.前記重合触媒が、以下の式
Figure 2021167322
の化合物の塩であり、式中、pは0〜9であり、Rは不揮発性部分である、実施形態22または23に記載のシステム。
26.前記重合触媒が、カルボン酸塩を含む、実施形態22または23に記載のシステム。
27.前記重合触媒が、アクリレートを含む、実施形態22または23に記載のシステム。
28.前記重合触媒が、固体に担持されている、実施形態22〜27のいずれか一つに記載のシステム。
29.前記重合触媒が、カチオン性固体を含む、実施形態22〜28のいずれか一つに記載のシステム。
30.前記重合触媒が、不均一系触媒である、実施形態22〜29のいずれか一つに記載のシステム。
31.前記重合触媒が、固定層を含む、実施形態22〜30のいずれか一つに記載のシステム。
上記は本発明の特定の非限定的な実施形態の説明である。したがって、本明細書において記載した本発明の実施形態は、本発明の原理の適用の単に例示であることを理解すべきである。本明細書において例示した実施形態の詳細への言及は、特許請求の範囲を限定することを意図せず、特許請求の範囲自体が、本発明に不可欠であると見なされるフィーチャを説明する。

Claims (18)

  1. アクリル酸を生成するための方法であって、前記方法は、
    (a)ベータプロピオラクトンおよび溶媒を含む供給原料ストリームを提供することと;(b)前記供給原料ストリームを反応ゾーンに方向付けることであって、ここで、前記供給原料ストリームが重合触媒と接触させられ、前記ベータプロピオラクトンの少なくとも一部分がポリ(プロピオラクトン)に変換される、ことと;
    (c)ポリ(プロピオラクトン)の熱による分解によってアクリル酸が生成されるように、前記反応ゾーンをポリ(プロピオラクトン)の熱分解温度またはそれ超の温度に維持することと;
    (d)前記反応ゾーンから前記溶媒の蒸留ストリームを取り出すことと;
    (e)前記反応ゾーンからアクリル酸生成物ストリームを取り出すことと
    を含み、ここで、ステップ(b)および(c)は、同じ反応ゾーンにおいて起こる、方法。
  2. 前記溶媒が、160℃より低い沸点を有する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記溶媒が、テトラヒドロフランである、請求項1または2に記載の方法。
  4. 第2の溶媒を提供することと、第2の溶媒ストリームを前記反応ゾーンに方向付けることとをさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記第2の溶媒ストリームが、前記第2の溶媒および前記重合触媒を含む、請求項4に記載の方法。
  6. 前記反応ゾーンから前記第2の溶媒の蒸留ストリームを取り出すことをさらに含む、請求項4または5に記載の方法。
  7. 前記第1の溶媒の前記蒸留ストリームを、前記ベータプロピオラクトンを提供するために使用されるカルボニル化反応器に方向付けることをさらに含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記反応ゾーンから前記重合触媒のリサイクルストリームを取り出すことをさらに含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記重合触媒が、以下の式
    Figure 2021167322
    の化合物の塩であり、式中、pは0〜9である、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記重合触媒が、以下の式
    Figure 2021167322
    の化合物の塩であり、式中、pは0〜9であり、Rは不揮発性部分である、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記重合触媒が、不均一系触媒である、請求項1から4、6、7、または10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記重合触媒が、重合触媒の固定層として提供される、請求項11に記載の方法。
  13. 前記第2の溶媒の蒸留ストリームを取り出すことをさらに含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 熱が前記反応ゾーンにおいて生じ、前記方法が、生じた前記熱の少なくとも一部分を捕捉し、前記捕捉した熱を他のプロセスに方向付けることをさらに含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記捕捉した熱が、前記ベータプロピオラクトンを提供するために使用されるカルボニル化反応に方向付けられる、請求項14に記載の方法。
  16. 低位熱を使用して、前記アクリル酸生成物ストリームの温度をその沸点より高く維持することをさらに含む、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
  17. ベータプロピオラクトンをアクリル酸に変換するためのシステムであって、
    (a)溶媒中のベータプロピオラクトン(BPL);
    (b)重合触媒であって、ここで、ポリ(プロピオラクトン)(PPL)の熱分解温度またはそれ超で、BPLは前記重合触媒の存在下でPPLに重合し始め、前記PPLはアクリル酸に併行的に熱により分解し、in situで形成されたアクリル酸は、BPLをPPLに重合する反応を維持する、重合触媒;および
    (c)前記溶媒の蒸留ストリーム
    を含む、システム。
  18. ベータプロピオラクトンをアクリル酸に変換するためのシステムであって、
    (a)ベータプロピオラクトン(BPL)、溶媒、および重合触媒を含む反応ゾーンであって、ここで、ポリ(プロピオラクトン)(PPL)の熱分解温度またはそれ超で、BPLは前記重合触媒の存在下でPPLに重合し始め、前記PPLはアクリル酸に併行的に熱により分解する、反応ゾーン;
    (b)前記溶媒の蒸留ストリーム;ならびに
    (c)アクリル酸を前記反応ゾーンに提供するための戻りループ
    を含む、システム。
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