以下、本発明に係る誤り率測定装置、及び誤り率測定方法の実施形態について図面を用いて説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る誤り率測定装置1は、操作表示部2、記憶部3、制御部4、パルスパターン発生器(PPG)6、誤り率測定器(Error Detector:ED)7を備えて構成される。誤り率測定装置1は、操作表示部2による所定の測定開始操作に基づいてPPG6から任意のパルスパターンを有する試験信号を発生させ、該試験信号を受信したDUT10が送出する信号を被測定信号としてED7に入力して該被測定信号のビット誤り率を測定することで、DUT10の性能評価を行う装置である。
DUT10は、リンク状態管理機構を搭載しており、リンク状態管理機構のステートがループバックステートをはじめとする各ステート(図11参照)に遷移した状態で、PPG6から入力された試験信号をED7の被測定信号として出力するようになっている。DUT10が対応する規格の例としては、PCIe Gen1〜4、USB3.1、CEI(Common Electrical Interface)、Ethernet(登録商標)、InfiniBandなどが挙げられる。
図1において、操作表示部2は、例えば表示器、該表示器の表示画面上のポインタやアイコンを操作するマウスやタッチスクリーンなどのポインティングデバイス、装置本体に設けられるキー、スイッチ、ボタンなどを含んでいる。操作表示部2は、ビット誤り率測定を行うための各種設定項目の設定、DUT10の測定開始や停止の指示、DUT10の誤り率測定を含む各種測定に関わる操作機能、及び表示の機能を有している。
ビット誤り率測定を行うための選択、あるいは設定項目としては、測定する信号の規格、エンコード方式、規格の信号を任意のパターンに編成するために挿入する制御用パターンの仕様などが挙げられる。信号の規格、エンコード方式について、操作表示部2は、例えば専用の設定画面を表示し、該設定画面上で複数の信号の規格の中から所望の規格とそのエンコード方式を例えばプルダウンメニューなどを使って選択(指定)できるようになっている。選択対象となる信号の規格としては、例えば、上述したPCIe Gen1〜4、USB3.1などの規格が含まれ、選択対象となるエンコード方式としては、例えば、8b10b、及び128b13xbの各エンコード方式が含まれる。
また、操作表示部2は、制御用パターンの仕様については、例えば、仕様設定用の画面を表示し、該画面上で所望の仕様に対応する設定値を入力できるようになっている。制御用パターンの仕様には、パターン長、EIEOSの挿入間隔、SKP OSの挿入間隔及び長さなどが含まれる。
なお、操作表示部2は、操作機能と表示機能とが独立した構成であってもよい。この場合、設定や指示などの入力操作を受け付ける複数のキーやスイッチ等を操作部の入力操作機能のために設け、表示機能のためには液晶表示器等の表示器を設けた構成とすることができる。
記憶部3は、制御部4を構成する後述のPPG制御部5a、設定制御部5b、及び測定制御部5cがDUT10の誤り率を測定するために必要な各種情報を記憶する。
制御部4は、ハイスピードシリアルバス規格に対応する通信装置やデバイスをDUT10としてビット誤り率(BER)を含む各種測定を行う際に操作表示部2、PPG6、ED7を統括制御する。
制御部4は、PPG制御部5a、設定制御部5b、測定制御部5cを有している(図7〜図9参照)。PPG制御部5aは、PPG6とED7内のリファレンス生成回路14(図6参照)とに、それぞれ試験信号とリファレンスパターンの生成を指示するようになっている。この際、PPG制御部5aは、ユーザによる操作表示部2の操作に応じて、データパターンを構成するシンボル数(パターン長)、EIEOSを構成するシンボル数(EIEOSの長さ)、SKP OSを構成するシンボル数(SKP OSの長さ)、SKP OSの平均間隔を示すシンボル数(SKP OSの挿入間隔)などの値をPPG6とリファレンス生成回路14に設定する。例えば、データパターンを構成するシンボル数は4〜128シンボル、EIEOSを構成するシンボル数は16シンボル、SKP OSを構成するシンボル数は2〜12シンボルの範囲で設定可能である。
設定制御部5bは、PPG制御部5aがPPG6とリファレンス生成回路14に設定するための上述したデータパターン、EIEOS、SKP OSの各シンボル数などの種々の設定項目を、ユーザによる操作表示部2の操作に応じて、例えば記憶部3に記憶する制御など、ビット誤り率測定を行うための各種の設定に関する制御を行う。
測定制御部5cは、上述した設定に基づくED7での被測定信号のビット誤り率測定に関する動作の制御を行う。測定制御部5cは、被測定信号のパターンの先頭を検出するパターン同期制御(後述する「第1の処理」参照)の機能、及び検出された被測定信号のパターンの先頭の各シンボルのパターン同期制御(後述する「第2の処理」参照)の機能を有している。
制御部4は、CPU(Central Processing Unit)4a、CPU4aを立ち上げるためのOS(Operating System)やその他のプログラム及び制御用のパラメータ等を記憶するROM(Read Only Memory)、CPU4aが動作に用いるOSやアプリケーションの実行コードやデータ等を記憶するRAM(Random Access Memory)、ハードディスク装置などの不揮発性の記憶媒体などを有する。制御部4において、PPG制御部5a、設定制御部5b、測定制御部5cは、CPU4aがRAMの作業領域でROMに格納された所定のプログラムを実行することにより実現される。
PPG6は、DUT10に入力する試験信号を発生させるようになっており、図2に示すように、データ記憶部61と、SKP付加回路62と、EIEOS付加回路63と、エンコード回路64と、を有する。データ記憶部61は、例えば4〜128シンボルからなるデータパターンを記憶しており、複数の同一のデータパターンを順次SKP付加回路62に出力するようになっている。
SKP付加回路62は、PPG制御部5aによってON(オン)/OFF(オフ)制御されるようになっており、ONに制御されたときにはPPG制御部5aからの制御情報に従って、データ記憶部61から順次出力されるデータパターンの間にSKP OSを挿入したパターンを生成し、OFFに制御されたときにはSKP OSが挿入されていないデータのみからなるパターンを生成するようになっている。
EIEOS付加回路63は、PPG制御部5aによってON/OFF制御されるようになっており、ONに制御されたときにはPPG制御部5aからの制御情報に従って、SKP付加回路62により生成されたパターンのデータパターン間にEIEOSをさらに挿入し、OFFに制御されたときにはEIEOSを挿入しないようになっている。
上述したON/OFF制御により、SKP付加回路62、及びEIEOS付加回路63においては、EIEOSとSKP OSとデータとからなるパターン、EIEOSとデータとからなるパターン、SKP OSとデータとからなるパターン、データのみからなるパターンを選択的に生成することが可能となる。
エンコード回路64は、SKP付加回路62、及びEIEOS付加回路63により生成された上述の各パターンのそれぞれに対して、例えば図3に示すような規格に応じたエンコードを行うようになっている。これにより、PPG6は、8b10エンコード、128b130エンコード、または128b132bエンコードのうちのいずれかのエンコード方式でエンコードされた試験信号を発生可能である。なお、8b/10bエンコード後の1シンボルは10ビットからなり、128b/130bまたは128b/132bエンコード後の1シンボルは8ビットからなる。
ここで、PPG6により発生される試験信号の構成例について説明する。試験信号のパターンにおいては、1つのSKP OSの後にn個のデータパターンが続く先頭パターンがa回繰り返された後に、1つのSKP OSの後にm個のデータパターンが続く後尾パターンがb回繰り返される。例えば、データパターンを構成するシンボル数が16シンボル、SKP OSの平均間隔を示すシンボル数が36シンボルの設定の場合には、図4(a)に示すSKP挿入位置にSKP OSが挿入されて、図4(b)に示すような試験信号のパターンが生成される。
また、上述したSKP OSに加えてEIEOSが設定されている場合には、例えば、図5に示すように、16シンボルのEIEOS、2〜12シンボルのSKP OS、4〜128シンボルのデータが連続して配列された先頭パターンを有する所定パターン長の試験信号のパターンが生成される。
なお、PPG6から試験信号を発生させる際には、上述したようにSKP OSとデータのみを含むパターンの設定(図4参照)、EIEOSとSKP OSの双方を含むパターンの設定(図5参照)の他、EIEOSとデータのみを含むパターンの設定も可能である。この場合、PPG6では、EIEOSとデータのみからなる被測定信号のパターンが生成される。
ED7は、PPG6からの試験信号を受信したDUT10が送出する被測定信号を受信してそのビット誤り率を測定するものである。ED7の構成及び動作については図6〜図10を参照して後で詳述する。
ここでは、ED7のPPG制御部5aの機能として不可欠であるパターン先頭補足機能、及びパターン同期制御機能について説明する。
(パターン先頭補足機能)
誤り率測定装置1の制御部4において、PPG制御部5aは、PPG6から送出される、例えば、図4(b)に示すパターンを有する試験信号の受信に基づいてDUT10が送出する被測定信号をED7に入力してその誤り率測定のための処理を開始する際、当該入力された被測定信号のパターンの先頭を補足する機能を有している。
具体的に、PPG制御部5aは、予め設定制御部5bにより設定されている、所望とするパターン長、SKP OSの挿入間隔及び長さなどからどのようにSKP OSが挿入されるかが一意に求められることに着目し、入力した被測定信号のパターンから最後尾のSKP OSのデータ終端を補足し、該データ終端に続くパターンの先頭を当該被測定信号のパターンの先頭として特定する先頭補足処理機能を有している。具体的に、図4(b)に例示した試験信号の処理の場合、PPG制御部5aは、当該試験信号に基づく被測定信号において、先頭のSKP OSが検出された後に3つのSKP OSが続き、そのうちの3つ目(最後尾)のSKP OSのデータ終端に続くパターンの先頭が当該被測定信号のパターンの先頭として特定される様子が示されている。
このように、本実施形態では、同期確立ではなく確実にパターン先頭に同期させる制御機能を有している。測定制御部5cが有するパターン先頭補足機能によって、ED7の8b10b処理回路12、及び128b13xb処理回路13をそれぞれ構成するパターン同期回路12c、及び13cにおいては、自回路のエンコード方式に対応する規格外の任意の被測測定信号のパターンの先頭を容易に検出することができる。
(パターン同期制御機能)
パターン同期制御においては、上述したパターン先頭補足機能により被測定信号のパターンの先頭を検出した後、引き続き当該先頭のパターンに基づいてパターン同期の処理を行う必要がある。ここで検出された被測定信号の先頭は、例えば、図5に示すように、EIEOS、SKP OS、及びデータパターンを含むものである。
誤り率測定装置1の制御部4において、PPG制御部5aは、上述したパターン先頭補足機能により先頭が検出された被測定信号の先頭パターン(図5参照)におけるEIEOS、SKP OS及びデータのそれぞれの先頭ビットの配列を確認してパターンの先頭との同期を図る機能を有している。具体的に、PPG制御部5aは、被測定信号のEIEOS、SKP OS及びデータのそれぞれの先頭ビットの配列が設定にしたがったものである場合にパターンの先頭との同期が確立されたと判定し、後述するリファレンス生成回路14に対して、当該被測定信号のパターンと比較するためのリファレンスパターン(リファレンスデータ)の生成開始を指示するパターン同期制御機能を有している。
上述したパターン先頭補足機能、パターン同期制御機能について、PPG制御部5aでは、EIEOS、SKP OS、データを含むパターン(図5参照)、SKP OSとデータのみを含むパターン(図4参照)に限らず、EIEOSとデータのみを含むパターンにも対応可能な構成を有している。
また、PPG制御部5aは、上述したパターン先頭補足機能、パターン同期制御機能の適用については、例えば、8b10b、及び128b13xbのいずれのエンコード方式でのエンコードデータにも対応可能である。これに限らず、本発明は、パターン先頭補足機能、パターン同期制御機能がさらに別のエンコード方式にも対応可能な構成で実現されてもよい。
上記した説明を踏まえ、本実施形態に係る誤り率測定装置1におけるED7の詳細な構成について図6〜図9を参照して説明する。
本実施形態に係る誤り率測定装置1は、8b10b及び128b13xbのそれぞれのエンコード方式による被測定信号(入力データ)の誤り率測定に対応可能なものであって、図6に示す構成を有するED7を有している。
図6に示すように、ED7は、エンコード方式選択回路11、8b10b処理回路12、128b13xb処理回路13、リファレンス生成回路14、遅延回路15、16、エンコード方式選択回路17、及び誤り率測定回路18を備えて構成されている。
エンコード方式選択回路11は、被測定信号を入力し、当該被測定信号を符号化方式に応じて選択して出力するものであり、本実施形態では、DUT10から入力する信号が8b10bまたは128b13xbのいずれかのエンコード方式の信号かを判定して、判定されたエンコード方式の処理回路へ当該入力データを受け渡す機能を有している。
8b10b処理回路12は、8b10bエンコード方式に対応して設けられ、エンコード方式選択回路11から受け渡された入力データを、自回路に対応する8b10bエンコード方式に従って8ビットから10ビットのデータに変換する8b10b変換処理を行う回路である。
128b13xb処理回路13は、128b13xbエンコード方式に対応して設けられ、エンコード方式選択回路11から受け渡された入力データを、自回路に対応する128b13xbエンコード方式に従って128ビットから130または132ビットのいずれかのデータに変換する128b13xb変換処理を行う回路である。
リファレンス生成回路14は、エンコード方式選択回路11で選択されたエンコード方式に対応する信号処理回路での被測定信号のパターンの先頭の検出に応じて、該信号処理回路が送出する同期完了信号をトリガとして、選択されたエンコード方式に対応する被測定信号のパターンと同一のリファレンスパターンを生成するものである。本実施形態において、リファレンス生成回路14は、8b10b処理回路12から通達される同期完了信号に基づき、8b10b変換後の入力データと比較するための8b10bリファレンスデータを生成する処理、または128b13xb処理回路13から通知される同期完了信号に基づき、128b13xb変換処理後の入力データと比較するための128b13xbリファレンスデータを生成する処理を実行する。
遅延回路15は、8b10bエンコード方式に対応して設けられ、8b10b処理回路12が出力する8b10b変換後の入力データを、8b10bリファレンスデータとのタイミングが合うように遅延させる回路であり、遅延回路16は、128b13xbエンコード方式に対応して設けられ、128b13xb処理回路13が出力する128b13xb変換後の入力データを、128b13xbリファレンスデータとのタイミングが合うように遅延させる回路である。
エンコード方式選択回路17は、誤り率測定回路18に入力する信号のエンコード方式を選択するものであり、遅延回路15が出力する8b10b変換後の入力データと8b10bリファレンスデータ、または遅延回路16が出力する128b13xb変換後の入力データと128b13xbリファレンスデータのいずれかの組み合わせを選択する。
誤り率測定回路18は、リファレンス生成回路14により生成された、選択されたエンコード方式の被測定信号のリファレンスパターンと、選択されたエンコード方式に対応する遅延処理された被測定信号のパターンと、を順次比較することにより、選択されたエンコード方式に対応する被測定信号における誤りビットを検出するとともに、当該被測定信号のパターンのビット誤り率を算出する回路である。本実施形態において、誤り率測定回路18は、エンコード方式選択回路17から通知される測定開始要求に基づき、当該エンコード方式選択回路17から出力される8b10bまたは128b13xbのうちのいずれか一方のエンコード方式の入力データとリファレンスデータをビットごとに比較してビットエラーレートを測定する測定処理を行う。
図6に示す構成を有するED7において、8b10b処理回路12、128b13xb処理回路13、リファレンス生成回路14は、それぞれ、図7、図8、図9に示す構成を有している。
図7に示すように、8b10b処理回路12は、アライメント回路12a、SKP削除回路12b、及びパターン同期回路12cを備えて構成される。
アライメント回路12aは、シンボルの先頭でデータを処理できるように入力データのタイミングを調整するアライメント処理を行う。
SKP削除回路12bは、PPG制御部5aから与えられるSKP削除要求に基づき、入力データに含まれるSKP OSを削除する処理を行う。また、SKP削除回路12bは、SKP OSを削除する処理に連携して、SKP OSの先頭であることを示すSKP先頭信号、及びSKPOSが削除された入力データ(SKP削除データ)をパターン同期回路12cに出力する。
パターン同期回路12cは、PPG制御部5aから与えられる同期パターン情報、及び同期パターン選択信号に基づき、パターンを同期させるパターン同期処理を実行する。パターン同期回路12cは、パターン同期が確立すると、リファレンス生成回路14に対して、同期完了信号を送出する。
図8に示すように、128b13xb処理回路13は、アライメント回路13a、SKP削除回路13b、及びパターン同期回路13cを備えて構成される。
アライメント回路13aは、シンボルの先頭でデータを処理できるように入力データのタイミングを調整するアライメント処理を行う。
SKP削除回路13bは、PPG制御部5aから与えられるSKP削除要求に基づき、入力データに含まれるSKP OSを削除する処理を行う。また、SKP削除回路13bは、SKP OSを削除する処理に連携して、SKP OSの先頭であることを示すSKP先頭信号、及びSKP OSが削除された入力データ(SKP削除データ)をパターン同期回路13cに出力する。
パターン同期回路13cは、PPG制御部5aから与えられる同期パターン情報、及び同期パターン選択信号に基づき、パターンを同期させるパターン同期処理を実行する。パターン同期回路13cは、パターン同期が確立すると、リファレンス生成回路14に対して同期完了信号を送出する。
図9に示すように、リファレンス生成回路14は、エンコード方式選択回路14a、8b10bパターン生成部14b、128b13xbパターン生成部14c、SKP削除回路14dを備えて構成される。
エンコード方式選択回路14aは、8b10b処理回路12のパターン同期回路12c、または128b13xb処理回路13のパターン同期回路13cから通知される同期完了信号の入力に応じて、リファレンス生成処理の開始を要求する開始要求を、8b10b、または128b13xbのいずれか対応するエンコード方式の処理経路に対して振り分ける処理を行う。
8b10bパターン生成部14bは、エンコード方式選択回路14aから上記開始要求を受信すると、PPG制御部5aから与えられるパターン情報に基づいて8b10bリファレンスデータ(リファレンスパターン)のベースデータを生成し、SKP削除回路14dに送出する。
8b10bパターン生成部14bは、例えばPPG6(図2参照)と同等の配列(エンコード方式選択回路14a側からエンコード方式選択回路17側へのデータ記憶部、SPK付加回路、EIEOS付加回路、エンコード回路の縦列配列)の回路構造を有している。これにより、8b10bパターン生成部14bは、PPG制御部5aの制御下でSKP付加回路、及びEIEOS付加回路をON/OFF制御させながら、データ記憶部から順次出力されるデータパターンの間に、EIEOSとSKP OSの両方を挿入したパターン、EIEOSまたはSKP OSのいずれかを挿入したパターン、若しくはEIEOS及びSKP OSのいずれも挿入しないパターンを生成し、これら生成したパターンをエンコード回路で8b10bエンコード処理することにより上記8b10bリファレンスデータ(ベースデータ)を生成する。SKP削除回路14dは、PPG制御部5aから必要に応じて与えられるSKP削除要求に基づいて上記ベースデータからSKP OSを削除し、8b10bリファレンスデータとしてエンコード方式選択回路17に送出する。
128b13xbパターン生成部14cは、エンコード方式選択回路14aから上記開始要求を受信すると、PPG制御部5aから与えられるパターン情報に基づいて128b13xbリファレンスデータ(リファレンスパターン)を生成し、エンコード方式選択回路17に送出する。
128b13xbパターン生成部14cも、8b10bパターン生成部14bと同様、例えばエンコード方式選択回路14a側からエンコード方式選択回路17側へのデータ記憶部、SPK付加回路、EIEOS付加回路、エンコード回路の縦列配列)の回路構造を有して構成される。これにより、128b13xbパターン生成部14cは、PPG制御部5aの制御下でSKP付加回路、及びEIEOS付加回路をON/OFF制御させながら、データ記憶部から順次出力されるデータパターンの間に、EIEOSとSKP OSの両方を挿入したパターン、EIEOSまたはSKP OSのいずれかを挿入したパターン、若しくはEIEOS及びSKP OSのいずれも挿入しないパターンを生成し、これら生成したパターンをエンコード回路で128b13xbエンコード処理することにより上記128b13xbリファレンスデータを生成する。
エンコード方式選択回路17は、リファレンス生成回路14から送出される8b10bリファレンスデータ、または128b13xbリファレンスデータと、遅延回路15が出力する8b10b変換後の入力データ、または遅延回路16が出力する128b13xb変換後の入力データのいずれかの組み合わせの信号を選択して誤り率測定回路18に送出する。
誤り率測定回路18は、リファレンス生成回路14から送出される8b10bリファレンスデータのパターンと、遅延回路15から送出される8b10bエンコード方式の入力データのパターンと、が入力されたときには、両者をビットごとに順次比較することにより、8b10bエンコード方式に対応する入力データにおける誤りビットを検出するとともに、当該入力データのパターンのビット誤り率を算出する処理を実行する機能構成を有する。
さらに誤り率測定回路18は、リファレンス生成回路14から送出される128b13xbリファレンスデータのパターンと、遅延回路16から送出される128b13xbエンコード方式の入力データのパターンと、が入力されたときには、両者をビットごとに順次比較することにより、128b13xbエンコード方式に対応する入力データにおける誤りビットを検出するとともに、当該入力データのパターンのビット誤り率を算出する処理を実行する機能構成を有している。
次に、本実施形態に係る誤り率測定装置1における任意のパターン、任意のエンコードパターンの被測定信号(入力データ)の誤り率測定のための前準備について説明する。
誤り率測定装置1において、PCIe Gen1〜4、USB3.1などのハイスピードシリアルバス規格に対応したDUT10の性能試験を行うには、まず、所望の伝送規格とエンコード方式を選択し、その選択された伝送規格及びエンコード方式でのDUT10の測定に係る各種の設定を行う必要がある。この設定に係る制御は、制御部4に設けられるPPG制御部5a、及び設定制御部5bが協働して行うようになっている。
ここで、DUT10としては、例えばPCIe Gen1〜4、USB Gen1、2(3.0、3.1)などのハイスピードシリアルバス規格に対応したデバイス(当該規格に対応する信号を送受信するテストボード、USB記憶デバイスなど)が想定される。
伝送規格は、例えば、操作表示部2での専用の設定画面を用いた設定操作により選択することができる。設定画面には、伝送規格を選択するためのツールが設けられ、このツールを操作することで、例えばプルダウンメニューから選択対象の伝送規格を選択指定することができる。
ここで例えば、USB Gen1または2を選択すると、8b10bまたは128b132bのエンコード方式が選択されるようになっている。同様に、PCIe Gen1〜4を選択すると、それぞれ、例えば8b10b、8b10b、128b130b、128b130bの各エンコード方式が合わせ選択されるようになっている(図3参照)。
伝送規格及びエンコード方式の選択後、誤り率測定装置1では、当該選択した伝送規格を対象に任意のパターンを設定できるようになっている。任意のパターンの設定は、例えば、制御用パターン設定用画面上で、既に選択した伝送規格に関連付けて、当該伝送規格の標準パルスパターンを構成する測定対象データ(データパターン)間に挿入する制御用パターンの仕様を指定することで行うことができる。制御用パターンの仕様の設定は、例えば、操作表示部2において制御用パターン設定用画面を表示し、所望とする任意のパターンのパターン長、EIEOSの挿入間隔、SKP OSの挿入間隔及び長さなどの任意の設定値を入力することで行うことができる。制御用パターンを未挿入とする設定は、例えば上記設定値を未入力とすることにより行うことができる。
制御用パターンの仕様の設定において、例えば、任意のパターン長、SKP OSの挿入間隔、SKP OSの長さが設定された場合、この設定に基づく試験信号を受信したDUT10からED7に入力する被測定信号は、例えば、図4(b)に示すような連続したパターンの繰り返しからなる信号形態となる。
また、上記制御用パターンの仕様の設定において、EIEOS、SKP OSの双方を挿入する設定がなされた場合には、DUT10からED7に入力する被測定信号は、その先頭パターンが、例えば、図5に示すような信号形態となる。
このように、本実施形態に係る誤り率測定装置1は、規格に定められ、複数の符号化方式のうちの任意の符号化方式で符号化された信号のデータパターン間に、EIEOS、SKP OSなどの制御用パターンを挿入または未挿入とした試験信号を送出し、この試験信号を受信したDUT10が送出する被測定信号を受信し、該受信した被測定信号の誤り率測定を行うことができる構成となっている。
なお、本実施形態に係る誤り率測定装置1では、伝送規格の設定の後、任意のパターンとするための設定を行うことなく誤り率測定を開始することもできる。また、この誤り率測定装置1では、伝送規格として、上述したハイスピードシリアルバス規格に限らず、エンコードがかかっていない擬似ランダム(Pseudo Random Binary Sequence:PRBS)パターンを選択して誤り率測定を実施することもできる。
以下、誤り率測定装置1における誤り率測定処理について、図10に示すフローチャートを参照して説明する。
上述した手順により伝送規格、及びエンコード方式の選択、並びに制御用パターンの仕様の設定が完了し、ユーザにより測定開始操作が行われると、誤り率測定装置1では、PPG6から上記設定を反映した任意のパターンを有する試験信号が送出される。一方、DUT10は、上記試験信号を受信すると、当該試験信号に対応した信号を送出する。さらに誤り率測定装置1では、DUT10が試験信号の受信に応じて送出した信号を被測定信号として受信し、図10に示すフローチャートにしたがって当該被測定信号の誤り率測定処理を開始する。
この誤り率測定処理が開始されると、測定制御部5cはまず、受信した被測定信号をED7のエンコード方式選択回路11に入力する(ステップS1)とともに、エンコード方式選択回路11を制御して、該入力された被測定信号(以下、入力データという)を指定された符号化方式に対応する処理回路、すなわち、8b10b処理回路12、または128b13xb処理回路13に渡すように制御する(ステップS2)。
ステップS2において、測定制御部5cは、操作表示部2でのユーザによるエンコード方式の指定操作(手動による)を受け付け、該指定操作によって指定されたエンコード方式の処理回路を出力先として切り替えるように制御する。ここで、入力データが、PRBSパターンなどのエンコードがかかっていない非エンコードデータの場合、当該入力データをいずれの処理回路も経ることなくそのまま誤り率測定回路18に入力する。
ステップS2で入力データを渡された処理回路では、次いで、その入力データに対してアライメント処理(ステップS3)、SKP削除処理(ステップS4)、パターン同期処理(ステップS5)を順次実行する。これらの処理は、PPG制御部5a、測定制御部5cが、例えば、8b10b処理回路12、または128b13xb処理回路13を制御することで実現することができる。
これにより、例えば、USB Gen1、PCIe Gen1,2等、8b10bエンコード方式の入力データが入力される8b10b処理回路12(図7参照)では、ステップS3において、アライメント回路12aによる入力データのアライメント処理を実行する。ここでアライメント回路12aは、入力データにおける測定対象データを時間的に前後にずらし、測定対象データの先頭をシンボルの先頭に合致させるように制御する。
引き続きステップS4において、8b10b処理回路12では、SKP削除回路12bが、PPG制御部5aから与えられるSKP削除信号に基づき入力データを構成するパルスパターンからSKP OSを削除する処理を実行する。この処理において、SKP削除回路12bは、入力データ中の複数のSKP OSを逐次検出し、各SKP OSの先頭を示すSKP先頭信号と、削除した各SKP OSの集まりであるSKP削除データをパターン同期回路12cに対して送出する。
その後、8b10b処理回路12では、ステップS5において、パターン同期回路12cが以下のようなパターン同期処理を実行する。このパターン同期処理は、入力データにおける一連のパターンの先頭を見つける第1の処理と、一連のパターンの先頭パターンに含まれるEIEOS、SKP OS、データのそれぞれの先頭ビットでのパターン同期を行う第2の処理とで成り立っている。第1の処理、及び第2の処理は、それぞれ、上述したパターン先頭補足機能、及びパターン同期制御機能に相当する処理であり、共にPPG制御部5aの制御下で実施される。
(第1の処理)
ステップS5において、パターン同期回路12cではまず、SKP削除回路12bからのSKP先頭信号、及びSKP削除データに基づき、SKP削除データを構成する各SKP OS(図4(b)参照)中の各SKP OSの先頭を順次抽出していきつつ、測定開始に先立って任意のパターンとすべく設定した制御用パターンの仕様(任意のパターン長、EIEOSの挿入間隔、SKP OSの挿入間隔及び長さなど)も加味してSKP OSの挿入間隔を補足することで一連のパターンの終わりを見つける。一連のパターンの終わりを見つけることで、当該終わりのシンボル(ビット)に続くビットを当該パターンの先頭ビットであると判定することができる。
(第2の処理)
図5に例示したように、測定前の設定において、EIEOS、SKP OSの両方を挿入する設定が行われた場合、測定開始後にED7に入力する任意のパターンの先頭パターンは、それぞれ複数のシンボルからなるEIEOS、SKP OS、データの各パターンが連続的に配列される形態となる。ステップS5において、かかる形態の先頭パターンでのパターン同期を行うべく、PPG制御部5aからは、どのパターン(EIEOS、SKP OS、データ)を同期パターンの判定対象として選択するかを示す同期パターン選択信号と、各同期パターン選択信号にそれぞれ対応する同期パターン情報とがパターン同期回路12cに対して送出される。パターン同期回路12cは、同期パターン選択信号によって示されるパターンと、該同期パターン選択信号に対応する同期パターン情報とを比較し、各パターンと対応する各同期パターン情報とが一致することにより、各パターンのパターン同期がとれたと判定する。
ステップS5において、第1の処理によりパターンの先頭が見つかり、かつ、第2の処理により当該パターンの先頭パターンにおいてEIEOS、SKP OS、データ全てでのパターン同期がとれたときに、PPG制御部5aは、リファレンス生成回路14に対して同期完了信号を通達する。
同様に、ステップS2で、例えば、USB Gen2、PCIe Gen3、4等、128b132bや128b130bエンコード方式の入力データを渡された128b13xb処理回路13では、当該入力データに対し、ステップS3でアライメント回路13aがアライメント処理を行い、ステップS4でSKP削除回路13bがSKP削除処理を行い、ステップS4でパターン同期処理13cがパターン同期処理を実行する。そして、ステップS5において、第1の処理により当該入力データのパターンの先頭が見つかり、かつ、第2の処理により当該パターンの先頭パターンにおいてEIEOS、SKP OS、データ全てでのパターン同期がとれたときに、PPG制御部5aは、リファレンス生成回路14に対して同期完了信号を通達する。
リファレンス生成回路14は、PPG制御部5aから同期完了信号の通達を受けると、今回の入力データと比較するための、当該入力データのエンコード方式(8b10b、または128b13xb)にそれぞれ対応するリファレンスデータを生成する処理を実行する(ステップS6)。
リファレンスデータ生成処理は、以下のように行われる。リファレンス生成回路14(図9参照)において、エンコード方式選択回路14aは、8b10b処理回路12から同期完了信号の通達を受けたときには、当該同期完了信号をトリガとして8b10bパターン生成部14bに対してリファレンスデータ生成の開始要求を送出し、128b13xb処理回路13から同期完了信号の通達を受けたときには、当該同期完了信号をトリガとして128b13xbパターン生成部14cに対してリファレンスデータ生成の開始要求を送出する。
8b10bパターン生成部14bは、エンコード方式選択回路14aからの上記開始要求を受信すると、PPG制御部5aから与えられるパターン情報を参照し、8b10bエンコード方式にしたがってリファレンスパターンを生成する。8b10bエンコード方式のパターンにおいては、RD(Running Disparity)を合わせる必要がある。このため、8b10bパターン生成部14bで当該エンコード方式に従いリファレンスパターンを生成した後、必要があれば、SKP削除回路14dにて、PPG制御部5aからのSKP削除選択信号に応じてSKP OSを削除し、これにより8b10bリファレンスデータを生成する。
他方、128b13xbパターン生成部14cは、エンコード方式選択回路14aからの上記開始要求を受信すると、PPG制御部5aから与えられるパターン情報を参照し、128b13xb方式にしたがってリファレンスパターン(128b13xbリファレンスデータ)を生成する。
引き続きリファレンス生成回路14は、ステップS6で8b10bパターン生成部14b、SKP削除回路14dで生成した8b10bリファレンスデータ、または128b13xbパターン生成部14cで生成した128b13xbリファレンスデータを、測定制御部5cから指示されたタイミングでエンコード方式選択回路17に対して送出する(ステップS7)。
上述したリファレンス生成回路14からの8b10bリファレンスデータの送出、または128b13xbリファレンスデータの送出に合わせて、測定制御部5cはさらに、8b10b処理回路12から出力される8b10bエンコード方式の入力データ、または128b13xb処理回路13から出力される128b13xbエンコード方式の入力データを、それぞれ遅延回路15、または遅延回路16で遅延させてエンコード方式選択回路17に入力させるように制御する(ステップS7)。ここで測定制御部5cは、遅延回路15については、8b10bリファレンスデータとの位相が合致するように8b10bエンコード方式の入力データを遅延させるように制御し、遅延回路16については、128b13xbリファレンスデータとの位相が合致するように128b13xbエンコード方式の入力データを遅延させるように制御する。
ステップS7におけるデータ出力制御によって、8b10bリファレンスデータと8b10bエンコード方式の入力データとの組、または128b13xbリファレンスデータと128b13xbエンコード方式の入力データとの組が、その組を構成する互いのデータ(リファレンスデータと入力データと)の位相があった状態で、それぞれ、エンコード方式選択回路17に入力されることとなる。
エンコード方式選択回路17は、リファレンスデータと入力データとが位相が合わせられて入力すると、エンコード方式に従ってこれらリファレンスデータと入力データを選択して誤り率測定回路18へ送出するとともに、当該エンコード方式に対応する測定開始要求を誤り率測定回路18へ合わせ送出する。
これに対し、誤り率測定回路18は、上記測定開始要求に基づき、エンコード方式選択回路17から合わせ入力されるリファレンスデータと入力データを比較してビット誤り率の測定処理を行う(ステップS8)。このビット誤り率の測定処理は、測定制御部5cの制御によって行われる。
具体的に、誤り率測定回路18は、8b10bエンコード方式に対応する測定開始要求を受け付けると、合わせ入力される8b10bリファレンスデータと8b10bエンコード方式の入力データとをビットごとに比較してビット誤り率を測定する処理動作を行う。また、誤り率測定回路18は、128b13xbエンコード方式に対応する測定開始要求を受け付けると、合わせ入力される128b13xbリファレンスデータと128b13xbエンコード方式の入力データとをビットごとに比較してビット誤り率を測定する処理動作を行う。
ステップS8における誤り率の測定処理実行中、測定制御部5cは、8b10b処理回路12のパターン同期回路12c、または128b13xb処理回路13のパターン同期回路13cにおける上述した第1の処理及び第2の処理を監視し、同期継続中であるか否かを判定する(ステップS9)。
ここで同期継続中であると判定された場合(ステップS9でYES)、次いで測定制御部5cは、測定対象である入力データが終了したか否かをチェックする(ステップS10)。ここで入力データが終了していない場合(ステップS10でNO)にはステップS6以降の処理を継続的に実施する。
ステップS6以降の処理の実行中、入力データが変化するなどして同期がとれなくなり、同期継続中でないと判定された場合(ステップS9でNO)、測定制御部5cは、エンコード方式選択回路17を介して8b10b処理回路12、または128b13xb処理回路13に対して再同期要求を送出する(ステップS11)。
これにより、今回の被測定信号を処理中の8b10b処理回路12、または128b13xb処理回路13は、上述した第1の処理及び第2の処理を経て、再度、パターン同期処理を実施する(ステップS5)。以後、ED7ではステップS6以降の処理ステップを経て被測定信号の誤り率測定動作を継続する。
そして、当該誤り率測定動作の継続中、入力データが終了したことが判定された場合(ステップS10でYES)、測定制御部5cは、上述した一連の誤り率測定処理を終了するように制御する。
本実施形態では、操作表示部2、制御部4、PPG6、ED7が1つの筐体内に納まった、誤り率測定装置1の構成について述べてきたが、本発明は、これに限らず、誤り率測定装置1が、操作表示部2、制御部4、ED7を含む1つの筐体で構成され、その外部に、PPG6が含まれる別の筐体(パルスパターン発生装置)が制御PCによって制御可能に外部の筐体として設けられた構成であってもよい。
上述したように、本実施形態に係る誤り率測定装置1は、PCIe、USB3.1などのハイスピードシリアルバス規格、かつ、8b10b、あるいは128b13xbなどの任意のエンコード方式に対応した信号のデータパターン間に、EIEOS、SKP OSなど、リンク状態管理機構によるステート遷移制御に用いられる制御用パターンを挿入または未挿入とした試験信号が送信され、該試験信号を受信したDUT10から送出される被測定信号を受信して誤り率測定を行うものである。
誤り率測定装置1は、入力された上記被測定信号を、当該被測定信号のエンコード方式に応じて選択して出力するエンコード方式選択回路11と、各エンコード方式に対応して設けられ、エンコード方式選択回路11で選択された自回路のエンコード方式に対応する被測定信号を入力して該被測定信号のパターンの先頭を検出する信号処理をそれぞれ行う8b10b信号処理回路12及び128b13xb信号処理回路13と、8b10b信号処理回路12または128b13xb信号処理回路13での被測定信号のパターンの先頭の検出に応じて、該8b10b信号処理回路12または128b13xb信号処理回路13が送出する同期完了信号をトリガとして、上記選択されたエンコード方式に対応する被測定信号のパターンと同一のリファレンスパターンを生成するリファレンス生成回路14と、各エンコード方式に対応して設けられ、同期完了信号に同期した、選択されたエンコード方式に対応する被測定信号のパターンをそれぞれ遅延させて、リファレンス生成回路14から出力された上記選択されたエンコード方式に対応する被測定信号のリファレンスパターンと同期させる遅延回路15及び16と、リファレンス生成回路14により生成された上記選択されたエンコード方式の被測定信号のリファレンスパターンと、上記選択されたエンコード方式に対応する遅延回路15または16で遅延された被測定信号のパターンと、をそれぞれ順次比較することにより、上記選択されたエンコード方式に対応する被測定信号における誤りビットを検出するとともに、当該被測定信号のパターンのビット誤り率を算出する誤り率測定回路18と、を有している。
この構成により、本実施形態に係る誤り率測定装置1は、任意のパターン及び任意のエンコード方式に対応する規格外の被測定信号をそれぞれのエンコード方式に応じて選択し、選択されたエンコード方式に対応する処理回路(12、13)で処理して該被測定信号のパターンの先頭を検出し、パターン同期がとれた状態で当該被測定信号のビット誤り率を測定することができる。これにより、被試験対象が規格外の任意のパターンを処理できるかどうかの動作マージン測定を行うことができる。
特に、本実施形態に係る誤り率測定装置1は、PCIe Gen1〜4、USB3.1 Gen1〜2のいずれの規格に対応する被測定信号についても、任意の符号化方式に対応したビット誤り率の測定が可能になる。
また、本実施形態に係る誤り率測定装置1では、8b10b、128b130b、128b132bのいずれかのパターンの規格に定められていない任意のパターンを対象にビット誤り率を測定することができる。
また、本実施形態に係る誤り率測定装置1では、EIE OS、SKP OSなどの制御用パターンが任意に挿入されるか、EIE OS、SKP OSのいずれも挿入されていないデータのみからなる任意のパターンの被測定信号についてビット誤り率の測定が可能となる。
また、本実施形態に係る誤り率測定装置1では、被測定信号のパターン長、EIE OSの挿入間隔、SKP OSの挿入間隔、及び長さなどの設定項目をユーザが任意に設定することにより、任意のパターンを有し、しかもパターン同期の検出、制御用パターンとデータパターンの欠損回避に有用な試験信号を容易に生成することができる。
また、本実施形態に係る誤り率測定装置1では、被測定信号の同期検出パターンにおけるEIE OS、SKP OS、及びデータのそれぞれの先頭ビットの全てでパターン同期がとれたことを条件としてパターン同期を正確に検出することができるとともに、リファレンスパターンの生成開始の迅速な指示が可能となる。
また、本実施形態に係る誤り率測定方法は、特定の制御に用いる制御用パターンを挿入または未挿入とした試験信号を受信した被試験対象から送出される被測定信号を受信して誤り率測定を行う誤り率測定装置に適用することで、任意のパターン及び任意のエンコード方式に対応する規格外の被測定信号をそれぞれのエンコード方式に応じて選択し、選択されたエンコード方式に対応する処理回路(12、13)で処理して該被測定信号のパターンの先頭を検出し、パターン同期がとれた状態で当該被測定信号のビット誤り率を測定することができる。これにより、被試験対象が規格外の任意のパターンを処理できるかどうかの動作マージン測定を行うことができる。