JP2021155512A - 熱硬化性樹脂組成物及びその硬化膜を備えるカラーフィルター - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物及びその硬化膜を備えるカラーフィルター Download PDF

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Abstract

【課題】低粘度設計においても塗布性に優れ、且つ、得られた硬化膜が過酷条件下でも優れた密着性や透明性を維持できる熱硬化性樹脂組成物の提供。【解決手段】(A)成分:エポキシ基又はオキセタニル基含有重合体、(B)成分:エポキシ硬化剤、(C)成分:一分子内にアミノ基と、エポキシ基を2個以上有し、重量平均分子量(Mw)が3,000以下であるシランカップリング剤を含有する熱硬化性樹脂組成物であって、(A)、(B)成分の合計100質量部中に、(A)成分を45〜90質量部、(B)成分を10〜55質量部含み、(A)、(B)成分の合計100質量部に対して、(C)成分を0.2〜20質量部含むことを特徴とする、熱硬化性樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、熱硬化性樹脂組成物、及びこれを硬化させてなる保護膜を有するカラーフィルターに関する。
近年、ディスプレイの光学特性向上を目的として、カラーフィルター保護膜の薄膜化(仕上がり膜厚:1.0μm程度)が進んでおり、カラーフィルター保護膜用塗工液には低粘度化(3.0mPa・s以下)が必要とされている。しかしながら、この低粘度化により、基板端部のガラス部分での塗工液の液戻りや、塗膜のハジキといった塗工欠陥が生じ易くなるため、保護膜用塗工液には低粘度設計においても塗布性に優れることが求められている。
また、液晶パネルの車載用途への展開が進むにつれ、最近は車内環境を想定した過酷な条件(恒温恒湿試験:65℃×90%RH×1000h、ヒートサイクル試験:−40℃⇔80℃×200サイクル、耐光性試験:250W/m×200h)に曝されても密着性や透明性を維持できるカラーフィルター保護膜が求められている。
これらの2つの課題に対し、両課題を同時に解決可能な熱硬化性樹脂組成物が望まれている。
上記の課題に対し、特許文献1においては、塗布性に優れるカラーフィルター保護膜を形成可能な熱硬化性樹脂組成物として、多官能エポキシ樹脂、エポキシ硬化剤、N−アルキルモルホリン、及びフッ素系ノニオン性界面活性剤を組み合わせた組成が提案されている。一方、特許文献2においては、密着性に優れるカラーフィルター保護膜を形成可能な熱硬化性樹脂組成物として、エポキシ基含有重合体、多価カルボン酸ヘミアセタールエステル、多官能エポキシ樹脂、及びアミノ基含有シランカップリング剤を組み合せた組成が提案されている。しかしながら、本発明者らの検討によると、特許文献1及び特許文献2に記載の発明は、低粘度設計における塗布性は良好であったものの、過酷条件下では密着性や透明性が充分とは言えなかった。
また、特許文献3においては、エポキシ基含有重合体、多価カルボン酸ヘミアセタールエステル、及びエポキシ基含有オリゴマー型シランカップリング剤を組み合わせた組成、特許文献4においては、エポキシ基含有重合体、多価カルボン酸ヘミアセタールエステル、多官能エポキシ樹脂、及び酸無水物基含有シランカップリング剤を組み合わせた組成にて、カラーフィルター保護膜の密着性の向上が図られている。しかしながら、本発明者らの検討によると、特許文献3及び特許文献4に記載の発明は、過酷条件に曝されても密着性や透明性を維持できるものの、低粘度設計における塗布性が充分とは言えなかった。
以上のように、従来の発明では低粘度設計における塗布性及び過酷条件下での密着性と透明性の維持という2つの課題を同時に解決することは困難であった。そこで、本発明の目的とするところは、低粘度設計においても塗布性に優れ、且つ、得られた硬化膜が過酷条件下でも優れた密着性や透明性を維持できる熱硬化性樹脂組成物と、その硬化物からなる保護膜を用いたカラーフィルターを提供することである。
特開2011−65051号公報 特開2015−7687号公報 特開2016−12053号公報 特開2018−115266号公報
本発明は前記の従来技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、低粘度設計においても塗布性に優れ、且つ、得られた硬化膜が過酷条件下でも優れた密着性や透明性を維持できる熱硬化性樹脂組成物と、その硬化物からなる保護膜を用いたカラーフィルターを提供することである。
本発明者は、前記の課題を解決すべく種々の検討を行った結果、エポキシ基又はオキセタニル基含有重合体、エポキシ硬化剤、及び特定のシランカップリング剤を特定の比率範囲で組み合わせることにより、2つの課題を同時に解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は次の〔1〕、〔2〕及び〔3〕である。
〔1〕
(A)成分:(a1)炭素−炭素不飽和結合とエポキシ基又はオキセタニル基を有するモノマーと、(a2)(a1)以外の炭素−炭素不飽和結合を有するモノマーとからなり、前記(a1)成分及び前記(a2)成分の合計100質量部中に、(a1)成分を10〜90質量部、(a2)成分を90〜10質量部含む、エポキシ基又はオキセタニル基含有重合体
(B)成分:エポキシ硬化剤
(C)成分:一分子内に下記式(1)で表される構造を1個以上と、エポキシ基を2個以上有し、重量平均分子量(Mw)が3,000以下であるシランカップリング剤
Figure 2021155512
(式中のRはメチル基又はエチル基である。)
を含有する熱硬化性樹脂組成物であって、
前記(A)〜(B)成分の合計100質量部中に、前記(A)成分を45〜90質量部、前記(B)成分を10〜55質量部含み、
前記(A)、(B)成分の合計100質量部に対して、前記(C)成分を0.2〜20質量部含むことを特徴とする、熱硬化性樹脂組成物。
〔2〕
前記のエポキシ硬化剤が、多価カルボン酸化合物のカルボキシル基がビニルエーテル化合物によりヘミアセタールエステルとしてブロック化された、多価カルボン酸ヘミアセタールエステルである〔1〕に記載の熱硬化性樹脂組成物。
〔3〕
前記の〔1〕又は〔2〕に記載の熱硬化性樹脂組成物を硬化させてなる保護膜を有するカラーフィルター。
本発明の熱硬化性樹脂組成物によれば、過酷な条件下でも優れた密着性や透明性を維持できるカラーフィルター保護膜を形成できる。また、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、低粘度設計においても塗布性に優れる。
≪熱硬化性樹脂組成物≫
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、(A)エポキシ基又はオキセタニル基含有重合体、(B)エポキシ硬化剤、(C)特定構造を有するシランカップリング剤を含む。
<(A)エポキシ基又はオキセタニル基含有重合体>
(A)エポキシ基又はオキセタニル基含有重合体は、(a1)炭素−炭素不飽和結合とエポキシ基又はオキセタニル基を有するモノマーと、(a2)(a1)以外の炭素−炭素不飽和結合を有するモノマーとからなり、(a1)及び(a2)成分の合計100質量部中に、(a1)成分を10〜90質量部、好ましくは20〜80質量部、(a2)成分を10〜90質量部、好ましくは20〜80質量部含むエポキシ基又はオキセタニル基含有重合体である。
(a1)炭素−炭素不飽和結合とエポキシ基又はオキセタニル基を有するモノマーは、炭素−炭素不飽和結合と、エポキシ基又はオキセタニル基とを有していればよく、このような用途に周知のいかなるモノマーも利用することができる。
エポキシ基を有するモノマーとしては、例えば下記式(2)〜(4)で表されるモノマーが好ましい例として挙げられる。
Figure 2021155512
(式中、Rは水素原子又はメチル基、kは1〜3の整数を示す。)
Figure 2021155512
(式中、Rは水素原子又はメチル基、Rは−CHO−基又は−CH−基、Rは水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基、mは1〜3の整数を示す。)
Figure 2021155512
(式中、Rは水素原子又はメチル基、nは1〜3の整数を示す。)
また、オキセタニル基を有するモノマーとしては、例えば下記式(5)で表されるモノマーが好ましい例として挙げられる。
Figure 2021155512
(式中、R、R及びRは水素原子、メチル基又はエチル基、jは1〜3の整数を示す。)
なお、R、R及びRは、それぞれ同じでもよいし、異なっていても良い。
前記式(2)〜(5)の中でも特に好ましくは、式(2)としてはRがメチル基、kが1のモノマーであり、式(3)としてはRが水素原子、Rが−CHO−基、Rが水素原子、mが1のモノマーであり、式(4)としてはRがメチル基、nが1のモノマーであり、式(5)としてはRがメチル基、Rがエチル基、Rが水素原子、jが1のモノマーである。
(a2)(a1)以外の炭素−炭素不飽和結合を有するモノマーは、炭素−炭素不飽和結合を有し、(a1)に該当しない化合物であれば良く、このような用途に周知のいかなるモノマーも利用することができる。例えば、下記式(6)〜(9)で表されるモノマーが好ましい例として挙げられる。
Figure 2021155512
(式中、R10は水素原子又はメチル基、R11は炭素数1〜8のアルキル基、アリール基、アリールオキシ基、ヒドロキシアルキル基、又はポリアルキレングリコール残基、もしくは主環構成炭素数3〜12の脂環式炭化水素基を示す。)
Figure 2021155512
(式中、R12は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基、R13は炭素数1〜12のアルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシル基、シロキシアルキル基、又は芳香族炭化水素基を示す。)
Figure 2021155512
(式中、R14は水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜12の脂環式炭化水素基、又は芳香族炭化水素基を示す。)
Figure 2021155512
(式中、R15は水素原子又はメチル基、R16はメチル基又はエチル基、pは1〜5の整数を示す。)
前記式(6)〜(9)の中でも特に好ましくは、式(6)としてはR10が水素原子もしくはメチル基、R11が炭素数4のアルキル基のモノマーであり、式(7)としてはR12が水素原子、R13が炭素数6の芳香族炭化水素基のモノマーであり、式(8)としてはR14が炭素数6の脂環式炭化水素基のモノマーであり、式(9)としてはR15及びR16がメチル基、pが3のモノマーである。
(A)エポキシ基又はオキセタニル基含有重合体は、(a1)成分と(a2)成分とを共重合することによって得ることができ、その重合態様としては直鎖状であっても分岐していても良く、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等のいずれであっても良い。なお、(a1)成分及び(a2)成分は、それぞれ1種のみを単独で重合してもよく、2種以上を併用しても良い。
(a1)成分と(a2)成分との重合方法は特に限定されず、ラジカル重合、イオン重合等の重合法を用いることができる。より具体的には、重合開始剤の存在下において、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法などの重合法を用いることができる。また、必要に応じて触媒や溶媒などの添加物を重合反応系に添加しても良い。
(A)エポキシ基又はオキセタニル基含有重合体の重量平均分子量(Mw)は3,000〜100,000であり、好ましくは4,000〜80,000であり、より好ましくは5,000〜50,000である。重量平均分子量が3,000未満、或いは100,000を超えると塗布性が悪化する恐れがある。当該(A)成分は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いても良い。
(A)エポキシ基又はオキセタニル基含有重合体の含有量は、(A)〜(B)成分の合計100質量部中に、45〜90質量部、好ましくは50〜85質量部、より好ましくは55〜80質量部、特に好ましくは60〜75質量部含有する。(A)成分が45質量部未満であると、保護膜の耐光性が低下し、90質量部を超えると保護膜の耐湿性を損なう可能性がある。
<(B)エポキシ硬化剤>
(B)エポキシ硬化剤は、エポキシ樹脂のエポキシ基間の架橋反応に寄与する物質であれば特に限定されず、公知の硬化剤を用いることができる。エポキシ硬化剤として好ましいものとしては、多価カルボン酸化合物のカルボキシル基がビニルエーテル化合物によりヘミアセタールエステルとして潜在化された多価カルボン酸ヘミアセタールエステル、酸無水物系硬化剤が挙げられる。その中でも、多価カルボン酸ヘミアセタールエステルがより好ましく、特に優れた密着性を得ることができる。エポキシ硬化剤として多価カルボン酸ヘミアセタールエステルを用いた場合、加熱時に多価カルボン酸ヘミアセタールエステルからビニルエーテル化合物が脱離した後、再生したカルボキシル基とエポキシ基又はオキセタニル基が順次硬化反応する。このように緩やかに硬化反応が進行するため、硬化膜の内部応力が小さく、密着性に優れた硬化膜が得られる。
<多価カルボン酸ヘミアセタールエステル>
多価カルボン酸ヘミアセタールエステルは、多価カルボン酸化合物のカルボキシル基がビニルエーテル化合物によりヘミアセタールエステルとして潜在化、すなわちブロック化されたビニルエーテルブロック多価カルボン酸であり、以下の一般式(10)で表される。
Figure 2021155512
(R17、R18は、独立して、炭素数4以上20以下の飽和又は不飽和の炭化水素鎖。なお、R17、R18の炭化水素鎖中に、N、O、S、P、Siを含んでもよい。)
多価カルボン酸ヘミアセタールエステルの多価カルボン酸としては、炭素数4〜20で2〜8価のカルボン酸であることが好ましい。好ましい例としては、例えばイタコン酸、マレイン酸、コハク酸、シトラコン酸等の直鎖または分岐を有する脂肪族多価カルボン酸;テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、シクロヘキサントリカルボン酸等の脂環式多価カルボン酸;フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、メリト酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸等の芳香族多価カルボン酸が挙げられる。また、多価カルボン酸としては、アルコール化合物と酸無水物との反応によって得られるハーフエステル体も利用できる。
ビニルエーテル化合物の炭素数は、特に制限されないが、例えば4〜20であり、好ましくは4〜8である。ビニルエーテル化合物の具体例としては、例えばメチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等の脂肪族ビニルエーテル化合物が挙げられる。それらの中でも、入手性及び硬化温度が保護膜のプロセスに適合する点から、n−プロピルビニルエーテル及びi−プロピルビニルエーテルが好ましい。なお、ビニルエーテル化合物は、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
多価カルボン酸ヘミアセタールエステルは、多価カルボン酸とビニルエーテル化合物とを室温ないし150℃の範囲の温度で反応させることによって得ることができる。ブロック化反応は平衡反応であるため、多価カルボン酸に対してビニルエーテル化合物を一定過剰量加えると反応が促進され、収率を向上させることができる。なお、多価カルボン酸とビニルエーテル化合物との反応には、目的に応じて触媒や溶媒を添加することもできる。ブロック化反応の進行により反応溶液の酸価が2.0mgKOH/g以下まで低下したら、充分に反応が進行したと判断し、反応を終了する。
触媒としては、3級アミン類、イミダゾール類、有機リン系化合物、4級ホスホニウム塩類、ジアザビシクロアルケン類、有機金属化合物類、4級アンモニウム塩類、ホウ素化合物、金属ハロゲン化物等が挙げられる。
溶媒としては、芳香族炭化水素、エーテル類、エステル及びエーテルエステル類、ケトン類、リン酸エステル類、ニトリル類、非プロトン性極性溶媒、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類等が挙げられる。
<酸無水物系硬化剤>
酸無水物系硬化剤の具体例としては、例えば、フタル酸無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物、ポリ(エチルオクタデカン二酸)無水物、ポリ(フェニルヘキサデカン二酸)無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルハイミック酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、トリアルキルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビストリメリテート二無水物、ヘット酸無水物、ナジック酸無水物、メチルナジック酸無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物、1−メチル−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物等が挙げられる。
<その他の硬化剤>
その他の硬化剤としては、フェノール系硬化剤等が挙げられる。
<フェノール系硬化剤>
フェノール系硬化剤の具体例としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、1,4−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ジヒドロキシビフェニル、10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、フェノールノボラック、ビスフェノールAノボラック、o−クレゾールノボラック、m−クレゾールノボラック、p−クレゾールノボラック、キシレノールノボラック、ポリ−p−ヒドロキシスチレン、ハイドロキノン、レゾルシン、カテコール、t−ブチルカテコール、t−ブチルハイドロキノン、フルオログリシノール、ピロガロール、t−ブチルピロガロール、アリル化ピロガロール、ポリアリル化ピロガロール、1,2,4−ベンゼントリオール、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、1,2−ジヒドロキシナフタレン、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、1,8−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,4−ジヒドロキシナフタレン、2,5−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,8−ジヒドロキシナフタレン、上記ジヒドロキシナフタレンのアリル化物又はポリアリル化物、アリル化ビスフェノールA、アリル化ビスフェノールF、アリル化フェノールノボラック、アリル化ピロガロール等が挙げられる。
(B)エポキシ硬化剤は、(A)〜(B)成分の合計100質量部中に、10〜55質量部、好ましくは15〜50質量部、より好ましくは20〜45質量部、特に好ましくは25〜40質量部含有する。(B)成分が10質量部未満であると保護膜の耐熱性が低下し、55質量部を超えると保護膜の密着性を損なう可能性がある。なお、以上で挙げた硬化剤は1種のみでも2種以上を任意の組み合わせ及び配合量で用いてもよい。
<(C)特定構造を有するシランカップリング剤>
(C)特定構造を有するシランカップリング剤は、一分子内に下記式(1)で表される構造を1個以上と、エポキシ基を2個以上有し、重量平均分子量(Mw)が3,000以下であるシランカップリング剤である。
Figure 2021155512
(式中のRはメチル基又はエチル基である。)
上記式(1)に含まれるアルコキシシリル基(Si−O−R)は、シランカップリング剤に含まれる一般的な官能基であり、基材表面に存在するヒドロキシル基と強固な化学結合を形成し、基材との密着性向上に寄与することが知られている。また、このアルコキシシリル基に柔軟なウレタン構造(―NH−CO−O−)が結合していることで、過酷条件下に曝されても基材との密着性低下を抑制することができる。さらに、このウレタン構造は、基材に対する塗布性を向上させる効果も有している。基材に対する塗布性を向上させるという観点では、アミン成分の使用も効果的であるが、上記のウレタン構造はアミンと比較して過酷条件下でも劣化し難く、透明性が低下し難いという利点がある。なお、式(1)で表される構造は、(C)成分中に1個以上含まれていればよい。
一方、(C)特定構造を有するシランカップリング剤に含まれるエポキシ基は、(B)成分を介して(A)成分と硬化反応し、強固な化学結合を形成することで、硬化膜の密着性向上に寄与する。なお、硬化膜との結合をより強固なものとするため、(C)特定構造を有するシランカップリング剤に含まれるエポキシ基は2個以上とする必要がある。また、式(1)で表される構造1個に対して、エポキシ基が3個以上であることがより好ましい。この比率とすることで、特に優れた密着性を得ることができる。
(C)特定構造を有するシランカップリング剤は、(A)、(B)成分の合計100質量部に対して0.2〜20質量部、好ましくは0.5〜15質量部、より好ましくは1.0〜10質量部、特に好ましくは1.0〜5質量部含有する。(C)成分が0.2質量部未満であると保護膜の密着性、及び保護膜用塗工液の低粘度設計における塗布性が不充分となり、20質量部を超えると耐光性試験時の劣化によって生成する着色性物質が許容量を超え、硬化膜の透明性が不充分となる。
(C)特定構造を有するシランカップリング剤の重量平均分子量(Mw)は3,000以下であることが好ましい。重量平均分子量(Mw)3,000を超えると、他成分との相溶性が低下し、塗工外観の悪化を招く恐れがある。
(C)成分は、市販品を用いてもよく、例えばX−12−981S,X−12−984S(ともに信越化学工業株式会社製)を用いることができる。
本発明の樹脂組成物は、上述の成分に加えて、多官能エポキシ樹脂を含んでいてもよい。
<多官能エポキシ樹脂>
多官能エポキシ樹脂は、一分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂であれば良く、特に限定されない。ただし、(C)特定構造を有するシランカップリング剤は多官能エポキシ樹脂には含まない。一分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、3官能型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA含核ポリオール型エポキシ樹脂、ポリプロピレングリコール型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリオキザール型エポキシ樹脂、脂環式型エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂などが挙げられる。なお、多官能エポキシ樹脂は、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いても良い。それらの中でも、ビスフェノールA型、ビスフェノールAノボラック型、及び脂環式型エポキシ樹脂が特に好ましい。
<その他の添加剤>
本発明の樹脂組成物は、発明の効果を阻害しない範囲で、レベリング剤、酸化防止剤、安定剤、有機溶剤等の添加剤を加えることができる。
<レベリング剤>
レベリング剤は得られる塗膜の外観を向上させる目的で配合されるものであって、この種のカラーフィルター用保護膜において従来から一般的に使用されている、シリコーン系、フッ素系、アクリル系等を特に制限無く使用することができる。レベリング剤の市販品としては、例えばメガファックF−410(DIC(株))、同F−477(同)、同F−552(同)、同F−553(同)、同F−554(同)、同F−555(同)、同F−556(同)、同F−558(同)、同F−559(同)、同F−561(同)、ノベックFC−4430(住友スリーエム(株))、FC−4432(同)、サーフロンS−611(AGCセイミケミカル(株))、同S−651(同)、S−386(同)、フタージェント208G(ネオス(株))、同602A(同)、同650A(同)、同610FM(同)、同710FM(同)、FTX−218(同)、BYK―302(ビックケミー・ジャパン(株))、BYK−307(同)、BYK−337(同)、ポリフローKL−400HF(共栄社化学(株))、KL−700(同)、LE−604(同)等を使用できる。
<酸化防止剤>
酸化防止剤としては、IRGANOX1010(BASF)、IRGANOX1035(同)、IRGANOX1076(同)、IRGANOX1135(同)、IRGANOX1726(同)等のヒンダードフェノール系酸化防止剤等を使用できる。
<安定剤>
安定剤は、前記「<多価カルボン酸ヘミアセタールエステル>」に記載の過剰のビニルエーテルのことを指し、多価カルボン酸ヘミアセタールエステルの収率向上の目的で添加される。具体的には、前記「<多価カルボン酸ヘミアセタールエステル>」に記載のビニルエーテルが挙げられる。
<有機溶剤>
有機溶剤は、熱硬化性樹脂組成物の粘度等を調整する目的で添加される。具体的には、酢酸アミル、エチルエトキシプロピオネート、3−メトキシ−3−メチル−1−ブチルアセテート等のエステル及びエーテルエステル類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル等のグリコール誘導体が挙げられる。
(カラーフィルター保護膜の形成)
本発明のカラーフィルターは、上記熱硬化性樹脂組成物を硬化させてなる硬化物の層を、保護膜として備える。当該熱硬化性樹脂組成物は、基板上に配置された着色層やブラックマトリックスを覆うように塗布される。その塗布方法は特に限定されることは無く、インクジェット法、スピンコート法、ダイコート法等の従来公知の塗工方法を採用することができる。
得られた塗膜を乾燥し、さらに必要に応じて予備加熱(以下、プリベーク)を行った後、本硬化加熱(以下、ポストベーク)を経て樹脂硬化物の層を形成する。この際には、プリベーク条件として40〜140℃、0〜1時間、ポストベーク条件として150〜280℃、0.2〜2時間が好ましい条件として挙げられる。また、この際の加熱手法は特に限定されるものではなく、例えば、密閉式硬化炉や連続硬化が可能なトンネル炉等の硬化装置を採用することができる。加熱源は特に制約されることなく、熱風循環、赤外線加熱、高周波加熱等の方法で行うことができる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。
<重合例1:(A)エポキシ基又はオキセタニル基を有する重合体(A−1)の合成>
温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下ロートを備えた容量500mLの4つ口フラスコに、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を76.0質量部仕込み、攪拌しながら加熱して88℃に昇温した。次いで、88℃の温度で、(a1)成分としてグリシジルメタクリレート(GMA)56.9質量部、(a2)成分としてブチルアクリレート(BA)43.1質量部、重合開始剤として日油(株)製の過酸化物系重合開始剤「パーヘキシルO(PHO)」8.0質量部、及びPGMEA16.0質量部を予め均一混合したもの(滴下成分)を、2時間かけて滴下ロートより等速滴下した。その後、88℃の温度を5時間維持し、重量平均分子量(Mw)12,900のエポキシ基を有する重合体(A−1)の50%PGMEA溶液を得た。
<重量平均分子量(Mw)>
重量平均分子量(Mw)は、東ソー(株)製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー装置HLC−8320GPCを用いて、カラムとして東ソー(株)製TSKgel HZM−Mを用い、THFを溶離液とし、RI検出器により測定してポリスチレン換算により求めた。
<重合例2〜8:エポキシ基又はオキセタニル基を有する重合体(A−2〜A−8)の合成>
表1に示す原料を表1に示す条件で混合し、重合例1と同様の方法でA−2〜A−8の重合体を得た。各原料の仕込み量、反応温度、重量平均分子量を表1に示す。
Figure 2021155512
表1中の略号は次の通りである。
(a1)成分
GMA:グリシジルメタクリレート
M−100:3、4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート
OXE−30:メタクリル酸3−メチル−3−オキセタン−イルメチルエステル
(a2)成分
BA:ブチルアクリレート
St:スチレン
MPS:メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
CHMI:シクロヘキシルマレイミド
CHMA:シクロヘキシルメタクリレート
BMA:ブチルメタクリレート
(重合開始剤)
PHO:t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日油(株)製の過酸化物系重合開始剤「製品名:パーヘキシルO」)
(溶剤)
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
<合成例1:(B)多価カルボン酸ヘミアセタールエステル(B−1)の合成>
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えた4つ口フラスコに、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)26.8質量部、多価カルボン酸としてトリメリット酸(TMA)26.9質量部、ビニルエーテルとしてn−プロピルビニルエーテル(NPVE)46.3質量部を仕込み、攪拌しながら加熱し80℃に昇温した。次いで、温度を保ちながら攪拌し続け、混合物の酸価が2.0mgKOH/g以下に到達したことを確認後、反応を終了し、溶液の酸価0.6mgKOH/gの多価カルボン酸ヘミアセタールエステル(B−1)の60%PGMEA溶液を得た。
<酸価>
酸価はJIS K0070−1992「化学製品の酸価,けん化価,エステル価,よう素価,水酸基価及び不けん化物の試験方法」に準拠した方法で測定した。
<合成例2〜4:多価カルボン酸ヘミアセタールエステル(B−2〜B−4)の合成>
表2に示す原料を表2に示す条件で混合し、合成例1と同様の方法でB−2〜B−4の反応物を得た。各原料の仕込み量、反応温度、酸価を表2に示す。
Figure 2021155512
表2中の略号は次の通りである。
(多価カルボン酸)
TMA:トリメリット酸
CHTA:1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸
PMA:ピロメリット酸
(ビニルエーテル)
NPVE:n−プロピルビニルエーテル
IPVE:i−プロピルビニルエーテル
(溶剤)
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
<合成例5:(C)特定構造を有するシランカップリング剤(C−1)の合成>
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えた4つ口フラスコに、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)100.0質量部、1,3−ビス(オキシラニルメトキシ)プロパン−2−オール49.9質量部(0.24mol)を仕込み、40℃で1時間撹拌した。均一溶解していることを確認後、トリメトキシシリルプロピルイソシアネート50.1質量部(0.24mol)を仕込み、40℃で24時間撹拌した。ガスクロマトグラフィーによって原料であるトリメトキシシリルプロピルイソシアネートのピークの消失と生成物のピークの出現を確認し、1分子中に式(1)で表される構造を1個、エポキシ基を2個有するシランカップリング剤(C−1)の50%PGMEA溶液を得た。
<比較合成例1:シランカップリング剤(C’−1)の合成>
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えた4つ口フラスコに、トリエトキシシリルプロピルイソシアネート77.0質量部(0.31mol)、グリシドール23.0質量部(0.31mol)を仕込み、40℃で24時間撹拌した。ガスクロマトグラフィーにより、原料であるトリエトキシシリルプロピルイソシアネートのピークの消失と生成物のピークの出現を確認し、1分子中に式(1)で表される構造を1個、エポキシ基を1個有するシランカップリング剤(C’−1)を得た。
<実施例1〜11、比較例1〜12>
表3〜表6に示す各成分を表3〜表6に示す配合量で溶解混合し、実施例1〜11および比較例1〜12のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物の塗工液を調製した。なお、表3〜表6において、各成分の含有量を示す数値は質量部である。また、表3〜表6中の略号は次の通りである。
<(B)エポキシ硬化剤>
TMA−an:1,2,4−ベンゼントリカルボン酸無水物
<(C)特定構造を有するシランカップリング剤>
X−12−981S:下記式(11)で表される構造及び下記式(12)で表される構造を含み、末端基が水酸基又は下記式(13)で表される基であるシランカップリング剤、式(1)で表される構造1個に対するエポキシ当量:3、エポキシ当量:290g/mol、1分子中のエポキシ基数:平均3.0、重量平均分子量:870(信越化学工業(株)製、商品名:「X−12−981S」)
Figure 2021155512
Figure 2021155512
Figure 2021155512
X−12−984S:上記式(11)で表される構造単位及び上記式(12)で表される構造単位を含み、末端基が水酸基又は上記式(13)で表される基であるシランカップリング剤、式(1)で表される構造1個に対するエポキシ当量:3、エポキシ当量:270g/mol、1分子中のエポキシ基数:平均5.7、重量平均分子量:1540(信越化学工業(株)製、商品名:「X−12−984S」)
<(C’)その他のシランカップリング剤>
OFS−6040:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング(株)製、商品名:「OFS−6040」)
KBM−903:3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、商品名:「KBM−903」)
KBM−573:N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、商品名:「KBM−573」)
KR−516:エポキシ基含有オリゴマー型シランカップリング剤(信越化学工業(株)製、商品名:「KR−516」)
X−12−967C:3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物(信越化学工業(株)製、商品名:「X−12−967C」)
<多官能エポキシ化合物>
EP157:ビスフェノールAノボラック型エポキシ化合物(三菱化学(株)製、商品名:「jER 157S70」、エポキシ当量210g/eq)
YX8000:水添ビスフェノールA型エポキシ化合物(三菱化学(株)製、商品名:「jER YX8000」、エポキシ当量205g/eq)
VG3101L:グリシジルエーテル型エポキシ化合物((株)プリンテック製、商品名:「テクモアVG3101L」、エポキシ当量210g/eq)
CEL2021P:3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート((株)ダイセル製、商品名:「セロキサイド2021P」、エポキシ当量130g/eq)
GT401:ブタンテトラカルボン酸テトラ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)修飾ε−カプロラクトン((株)ダイセル製、商品名:「エポリードGT401」、エポキシ当量220g/eq)
<レベリング剤>
F−477:フッ素系レベリング剤(DIC(株)製、商品名:「メガファック F−477」)
602A:フッ素系レベリング剤((株)ネオス製、商品名:「フタージェント 602A」)
F−554:フッ素系レベリング剤(DIC(株)製、商品名:「メガファック F−554」)
F−559:フッ素系レベリング剤(DIC(株)製、商品名:「メガファック F−559」)
BYK−307:シリコーン系レベリング剤(ビックケミー・ジャパン(株)製、商品名:「BYK−307」)
FTX−218:フッ素系レベリング剤((株)ネオス製、商品名:「FTX−218」)
<酸化防止剤>
IRGANOX−1010:ヒンダードフェノール系酸化防止剤(BASF(株)製、商品名:「IRGANOX−1010」)
<硬化助剤>
ZrOct:2−エチルヘキシル酸ジルコニウム(日本化学産業(株)製、商品名:「ニッカオクチックスジルコニウム10%(K)」
<その他の添加剤>
NMM:N−メチルモルホリン(日本乳化剤(株)製、商品名:「N−メチルモルホリン」)
<安定剤>
IPVE:i−プロピルビニルエーテル NPVE:n−プロピルビニルエーテル
<溶剤>
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
EEP:エチルエトキシプロピオネート
MMBA:3−メトキシ−3−メチル−1−ブチルアセテート
EDM:ジエチレングリコールエチルメチルエーテル
実施例1〜11および比較例1〜12のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物の塗工液は、それぞれメンブレンフィルター(材質:PE、孔径:0.2μm)で濾過した後、更に中空系フィルター(材質:PP、孔径:0.02μm)で濾過した。得られたカラーフィルター保護膜用樹脂組成物の塗工液を、スピンコーター(型式1H−DX−2、ミカサ(株)製)により無アルカリガラス基板上に回転塗布した。塗布後、基板を90℃のクリーンオーブン中で2分間乾燥処理し、その後、230℃のクリーンオーブン中で30分間加熱することにより、所定の膜厚の硬化膜を得た。カラーフィルター保護膜用樹脂組成物或いは得られた硬化膜について、塗布性、密着性及び透明性の評価を、次のように行った。評価の結果を表3〜表6に示す。
<塗布性>
保護膜用塗工液を無アルカリガラス基板(EAGELXG、コーニング社製)上に硬化後膜厚が1.0μmとなる条件でスピンコートした後、23℃×50%RH環境下で1分間静置した。静置後に基板端部の液戻りが見られない場合を〇、液戻りが見られた場合を×と評価した。本発明の目的に供するには、塗布性が〇の必要がある。
<密着性>
1.0μm厚の硬化膜を形成した無アルカリガラス基板(EAGELXG、コーニング社製)を、恒温恒湿試験(65℃×90%RH×1000h)、ヒートサイクル試験(−40℃⇔80℃×200サイクル)、耐光性試験(250W/m×200h)に投入した。試験後の基板の密着性をASTM D 3559−Bに準拠した方法で評価した。本発明の目的に供するには、各試験後の密着性が4B以上である必要がある。
<透明性>
1.0μm厚の硬化膜を形成した無アルカリガラス基板(EAGELXG、コーニング社製)を、恒温恒湿試験(65℃×90%RH×1000h)、ヒートサイクル試験(−40℃⇔80℃×200サイクル)、耐光性試験(250W/m×200h)に投入した。試験後の基板の光線透過率を紫外−可視光分光光度計(型式UV−3700、(株)島津製作所製)を用いて測定した。本発明の目的に供するには、波長400nmの透過率が98.0%以上である必要がある。
Figure 2021155512
Figure 2021155512
Figure 2021155512
Figure 2021155512
表3、4の結果から、実施例1〜11では、低粘度設計においても塗布性が良好であり、且つ過酷条件に曝されても優れた密着性及び透明性を維持していた。
なお、実施例1〜10は、エポキシ硬化剤として多価カルボン酸ヘミアセタールエステルを用いており、特に優れた密着性を得ることができる。
また、実施例1〜9、11は、式(1)で表される構造1個に対して、エポキシ基が3個以上であり、特に優れた密着性を得ることができる。
また、実施例5〜9は、(A)成分としてエポキシ基含有重合体を60〜75質量部、(B)成分として多価カルボン酸ヘミアセタールエステルを25〜40質量部、(C)成分として式(1)で表される構造1個に対してエポキシ基が3個以上であるシランカップリング剤を1.0質量部以上含有するため、塗布性、密着性、透明性のいずれも優れた効果を得ることができる。
一方、表5および表6の結果から、比較例1〜7、12ではシランカップリング剤として(C)成分を使用していないため、低粘度設計における塗布性、或いは/及び過酷条件下での密着性、透明性の何れかが不充分であった。また、表6の結果から、比較例8では、(C)成分の配合量が過少であるため、低粘度設計における塗布性、及び過酷条件下での密着性が不充分であった。一方、比較例9では、(C)成分が過剰であるため、過酷条件下での透明性が不充分であった。また、比較例10〜11では、(A)又は(B)成分の配合量が過少或いは過剰であるため、過酷条件下での密着性が不充分であった。

Claims (3)

  1. (A)成分:(a1)炭素−炭素不飽和結合とエポキシ基又はオキセタニル基を有するモノマーと、(a2)(a1)以外の炭素−炭素不飽和結合を有するモノマーとからなり、前記(a1)成分及び前記(a2)成分の合計100質量部中に、(a1)成分を10〜90質量部、(a2)成分を90〜10質量部含む、エポキシ基又はオキセタニル基含有重合体
    (B)成分:エポキシ硬化剤
    (C)成分:一分子内に下記式(1)で表される構造を1個以上と、エポキシ基を2個以上有し、重量平均分子量(Mw)が3,000以下であるシランカップリング剤
    Figure 2021155512
    (式中のRはメチル基又はエチル基である。)
    を含有する熱硬化性樹脂組成物であって、
    前記(A)、(B)成分の合計100質量部中に、前記(A)成分を45〜90質量部、前記(B)成分を10〜55質量部含み、
    前記(A)、(B)成分の合計100質量部に対して、前記(C)成分を0.2〜20質量部含むことを特徴とする、熱硬化性樹脂組成物。
  2. 前記のエポキシ硬化剤が、多価カルボン酸化合物のカルボキシル基がビニルエーテル化合物によりヘミアセタールエステルとしてブロック化された、多価カルボン酸ヘミアセタールエステルである請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の熱硬化性樹脂組成物を硬化させてなる保護膜を有するカラーフィルター。
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