JP2021155199A - 媒体カセット - Google Patents

Abstract

【課題】ロール媒体の交換作業が容易であり、且つ、ロール媒体が支持部から浮き上がるのを抑制する。【解決手段】給紙カセット１は、ロール紙Ｒを回転可能に支持する支持部１２と、ロール紙Ｒから巻き解かれた用紙Ｐを通すための通路１８とを含む。支持部１２は、ロール紙Ｒの下端を挟む２つの支持位置でロール紙Ｒの下側部分の外周面と接触して支持する。通路１８は、搬送方向Ａの下流にある支持位置の下方に形成されている。【選択図】図１

Description

本発明は、ロール媒体を収容可能な媒体カセットに関する。

特許文献１には、画像形成装置本体の装着口に着脱可能であり、ロール紙（ロール媒体）を軸支した状態で収容する給紙カセット（媒体カセット）について記載されている。

特開２００３−０１２１６７号公報

上記特許文献１に記載の給紙カセットにおけるロール紙の支持構成では、ロール紙の交換作業が煩雑になり得る。例えば、新しいロール紙の軸を給紙カセットに取り付ける際に、給紙カセットの軸受けにロール紙の軸が適切に支持されるようにロール紙の位置を調整する作業等が生じ得る。

そこで、本発明者は、ロール媒体（例えば、ロール紙）の交換作業を容易にするために、ロール媒体の下側部分の外周面と接触してロール媒体を支持する支持部を有する媒体カセットの構成について検討した。かかる構成においては、ロール媒体の回転軸と交差する方向において、ロール媒体の下端を挟んで対向する複数の支持位置で当該ロール媒体を支持し、複数の支持位置よりも上方で連続媒体をロール媒体から巻き解き、連続媒体の巻き癖方向とは逆方向に湾曲させて連続媒体を引き出すような構成とすると、連続媒体の腰が比較的強い場合、ロール媒体の使用に伴ってその自重が軽くなるに連れて、ロール媒体が支持部から浮き上がって、支持部から脱落することがある。

本発明の目的は、ロール媒体の交換作業が容易であり、且つ、ロール媒体が支持部から浮き上がるのを抑制することが可能な媒体カセットを提供することである。

本発明の媒体カセットは、連続媒体がロール状に巻回されたロール媒体を収容可能で、前記ロール媒体から巻き解かれた連続媒体が前記ロール媒体から離れる搬送方向に搬送されるのに伴って、前記ロール媒体が巻き解かれる方向に回転可能な媒体カセットであって、前記ロール媒体の下端を挟む両側それぞれにおいて少なくとも１つの支持位置で前記ロール媒体の下側部分の外周面と接触して、前記ロール媒体を回転可能に支持する支持部と、前記ロール媒体から巻き解かれた連続媒体を通すための通路とを備えており、前記通路が、少なくとも前記搬送方向に最も下流にある前記支持位置の下方に形成されている。

本発明の媒体カセットによると、支持部がロール媒体の下側部分の外周面と接触してロール媒体を支持する構成となる。このため、ロール媒体の位置を調整する作業が不要となり、ロール媒体の交換作業が容易となる。また、通路が、少なくとも搬送方向に最も下流にある支持位置の下方に形成されており、支持部に支持されたロール媒体から巻き解かれた連続媒体が通路を通されることで、連続媒体にその巻き癖方向とは逆方向に湾曲した湾曲部が形成されにくくなる。このため、連続媒体の腰が比較的強い場合であっても、ロール媒体の使用に伴ってその自重が軽くなるに連れて、ロール媒体が支持部から浮き上がるのを抑制することが可能となる。

本発明の一実施形態に係る給紙カセットが採用されたプリンタの概略構成図である。 給紙カセットの部分拡大図である。 ロール紙を支持するローラに動力を伝達する伝達機構及び駆動機構の概略構成を示しており、（ａ）は給紙モータが正回転したときの動力伝達状況を示す図であり、（ｂ）は給紙モータが逆回転したときの動力伝達状況を示す図である。 制御部のブロック図である。 （ａ）はロール紙を給紙カセットに収容するときの状況を示す図であり、（ｂ）は給紙カセットに収容されたロール紙の用紙Ｐが搬送されるときの状況を示す図である。 （ａ）は切断部で切断された用紙の先端を戻す戻し処理が実行されたときの状況を示す図であり、（ｂ）は給紙カセットが筐体から取り外されるときの状況を示す図である。 本発明の変形例に係る給紙カセットの部分拡大図である。

以下、本発明の一実施形態に係る給紙カセット１が採用されたプリンタ１００について説明する。

プリンタ１００は、筐体１００ａと、給紙カセット１と、給紙部２と、搬送部３と、切断部４と、ヘッド５と、排紙トレイ６と、制御部７と、駆動機構８（図３参照）と、センサ９とを含む。給紙カセット（媒体カセット）１は、筐体１００ａの下部に着脱可能である。排紙トレイ６は、筐体１００ａの上部の一側壁を構成し、筐体１００ａに対して開閉可能である。

給紙カセット１には、本発明の「ロール媒体」に該当するロール紙Ｒを収容可能である。ロール紙Ｒは、円筒状の芯部材（紙管）Ｒｃの外周面に、本発明の「連続媒体」に該当する用紙Ｐがロール状に巻回されたものである。ロール紙Ｒは、その回転軸Ｒｘ（芯部材Ｒｃの中心軸）に沿った軸方向（図１中紙面垂直方向）が鉛直方向と直交するように配置される。回転軸Ｒｘの軸方向は、用紙Ｐの幅方向にも該当する。また、本実施形態におけるロール紙Ｒから用紙Ｐが巻き解かれて当該ロール紙Ｒから離れるように搬送される搬送方向Ａは、図１に示すように概ね右方向である。そして、用紙Ｐが搬送されるときのロール紙Ｒの回転方向が、ロール紙Ｒの巻き解かれる方向Ｂである。

給紙カセット１は、図１に示すように、トレイ１１と、ロール紙Ｒの下側部分の外周面を支持しつつ当該ロール紙Ｒを回転可能に支持する支持部１２と、２つの規制部材１６，１７と、伝達機構２０（図３参照）とを有する。トレイ１１は、上方に開口した箱形状を有し、ロール紙Ｒを収容可能に構成されている。支持部１２は、支持台１３と、２つのローラ１４，１５とを有する。

支持台１３は、図２に示すように、回転軸Ｒｘと直交する水平方向Ｃに互いに離隔して配置された２つの台部１３ａ，１３ｂを有している。これら２つの台部１３ａ，１３ｂは、トレイ１１の底部１１ａに着脱可能に設けられている。また、各台部１３ａ，１３ｂは、回転軸Ｒｘの軸方向に沿って長尺に延在している。本実施形態における台部１３ａ，１３ｂは、用紙Ｐ、すなわちロール紙Ｒの幅よりも若干長く形成されている。台部１３ａは、搬送方向Ａにおいて、支持部１２に支持されたロール紙Ｒの回転軸Ｒｘよりも上流側（図２中左側）に配置されている。台部１３ａは、搬送方向Ａに向かうに連れて下方に傾斜する傾斜面１３ａ１を有している。台部１３ｂは、搬送方向Ａにおいて、支持部１２に支持されたロール紙Ｒの回転軸Ｒｘよりも下流側（図２中右側）に配置されている。台部１３ｂは、搬送方向Ａに向かうに連れて上方に傾斜する傾斜面１３ｂ１を有している。換言すると、支持台１３の２つの傾斜面１３ａ１，１３ｂ１は、水平方向Ｃにおいて、トレイ１１の底面１１ａ１からの高さが回転軸Ｒｘから離れるに連れて高くなるように傾斜している。

２つのローラ（支持ローラ）１４，１５も、回転軸Ｒｘの軸方向に沿って長尺に延在しており、ロール紙Ｒの幅より若干長く形成されている。各ローラ１４，１５は、軸部材１４ａ，１５ａと、軸部材１４ａ，１５ａが挿通された円筒部材１４ｂ，１５ｂとを有する。円筒部材１４ｂ，１５ｂの外表面は、軸部材１４ａ，１５ａの外表面よりも摩擦係数が高くなっている。これにより、円筒部材１４ｂ，１５ｂの外表面の摩擦係数が比較的高くなり、各ローラ１４，１５とロール紙Ｒとの間でスリップが生じにくくなる。なお、各ローラ１４，１５は、軸部材１４ａ，１５ａが挿通され、回転軸Ｒｘの軸方向に沿って互いに離隔して配置された複数の円筒部材を有していてもよい。

ローラ１４は、その軸部材１４ａが回転軸Ｒｘと平行な回転軸周りに回転可能に台部１３ａに支持されている。また、ローラ１４は、傾斜面１３ａ１の下方側に配置されている。ローラ１５は、その軸部材１５ａが回転軸Ｒｘと平行な回転軸周りに回転可能に台部１３ｂに支持されている。ローラ１５は、傾斜面１３ｂ１の下方側に配置されている。そして、これら２つのローラ１４，１５が、ロール紙Ｒの下側部分の外周面であって、本実施形態においては、図２に示すように、ロール紙Ｒの外周面の下側半円領域Ｒａと接触した状態で当該ロール紙Ｒを下方から支持する。また、２つのローラ１４，１５は、水平方向Ｃにおいて、ロール紙Ｒの下端を挟む２つの支持位置Ｒａ１，Ｒａ２でロール紙Ｒの外周面（下側半円領域Ｒａ）と接触した状態で、ロール紙Ｒを支持可能に構成されている。一方の支持位置Ｒａ１は、搬送方向Ａにロール紙Ｒの下端よりも上流にあって当該下端に最も近い支持位置である。他方の支持位置Ｒａ２は、搬送方向Ａにロール紙Ｒの下端よりも下流にあって当該下端に最も近い支持位置である。

また、台部１３ｂの下面には、トレイ１１の底面１１ａ１との間に用紙Ｐを通すための通路１８を画定する溝１３ｂ２が形成されている。溝１３ｂ２は、底面１１ａ１に向かって開口しており、搬送方向Ａに沿って水平に延在し、回転軸Ｒｘの軸方向の幅がロール紙Ｒの幅よりも長く形成されている。また、溝１３ｂ２は、台部１３ｂの下面において、搬送方向Ａ全体に亘って形成されている。つまり、通路１８は、搬送方向Ａにおいて、台部１３ｂの下面全体に形成されており、支持位置Ｒａ２の下方を通るように水平に延在している。また、通路１８の用紙Ｐの入口１８ａは、ロール紙Ｒの２つの支持位置Ｒａ１，Ｒａ２間に位置している。このように通路１８が形成されていることで、ロール紙Ｒから巻き解かれた用紙Ｐを２つのローラ１４，１５間（すなわち、２つの支持位置Ｒａ１，Ｒａ２間）から入口１８ａを介して通路１８に通すことが可能となる。通路１８を通された用紙Ｐは、図１に示すように、トレイ１１の底面１１ａ１に沿って配され、給紙ローラ２ａによって給紙可能となる。

また、２つのローラ１４，１５の軸部材１４ａ，１５ａの一方の端部には、ギヤ１４ａ１，１５ａ１が固定されている。ギヤ１４ａ1，１５ａ１には、伝達機構２０を介して駆動機構８の動力が伝達される。

規制部材１６は、図２に示すように、台部１３ａの搬送方向Ａの上流端部の上端から上方に垂直に立設して形成されている。規制部材１７は、台部１３ｂの搬送方向Ａの下流端部の上端から上方に垂直に立設して形成されている。また、これら２つの規制部材１６，１７は、支持部１２で支持可能な最大サイズ（図２中実線で示すロール紙Ｒのサイズ）のロール紙Ｒの外周面に近接可能に配置されている。これにより、ロール紙Ｒの巻きが緩んでロール紙Ｒの外径が、図２中一点鎖線で示すように大きくなろうとしても、ロール紙Ｒの外周面が規制部材１６，１７と接触し、外径が大きくなるのを規制することが可能となる。

なお、規制部材１６，１７の変形例としては、図２中一点鎖線で示すように、ロール紙Ｒの上方に板状部材を設けて、規制部材１９としてもよい。この場合の規制部材１９は、筐体１００ａのトレイ１００を収容する空間を画定する天井部分に設ければよい。

伝達機構２０は、図３に示すように、６つのギヤ２１〜２６を有しており、駆動機構８からの動力を２つのローラ１４，１５に伝達するものである。これら６つのギヤ２１〜２６は、順に噛み合った状態で配置され、回転軸Ｒｘと平行な回転軸周りに回転可能にトレイ１１に支持されている。また、ギヤ２６がギヤ１４ａ１と噛み合い、ギヤ２２がギヤ１５ａ１に噛み合っている。

駆動機構８（駆動源）は、筐体１００ａに設けられており、伝達機構２０に動力を伝達する。駆動機構８は、図３に示すように、３つのギヤ８ａ〜８ｃを有している。これら３つのギヤ８ａ〜８ｃは、順に噛み合っている。また、ギヤ８ａは、後述の給紙モータ２Ｍが駆動されるとその回転力が伝達されて回転する。２つのギヤ８ａ，８ｂは、筐体１００ａに回転可能に支持されている。２つのギヤ８ｂ，８ｃは、連結部材８ｄによって連結されている。連結部材８ｄは、一端部がギヤ８ｂの軸部に回転可能に支持され、他端部がギヤ８ｃの軸部に回転可能に支持されている。これにより、ギヤ８ｃは、連結部材８ｄによってギヤ８ｂの回転軸を中心に揺動可能に支持されている。

このような駆動機構８の構成において、給紙モータ２Ｍが正回転するように駆動されると、図３（ａ）に示すように、ギヤ８ａが図中反時計回りに回転し、ギヤ８ｂが図中時計回りに回転し、ギヤ８ｃが図中反時計回りに回転する。このとき、連結部材８ｄは、ギヤ８ｂの回転軸を中心に図３（ａ）中時計回りに揺動し、ギヤ８ｃが伝達機構２０のギヤ２１と離隔された状態となる。つまり、駆動機構８は、給紙モータ２Ｍが正回転するときは、その動力が伝達機構２０に伝達されない状態となる。一方、給紙モータ２Ｍが逆回転するように駆動されると、図３（ｂ）に示すように、ギヤ８ａが図中時計回りに回転し、ギヤ８ｂが図中反時計回りに回転し、ギヤ８ｃが図中時計回りに回転する。このとき、連結部材８ｄは、ギヤ８ｂの回転軸を中心に図３（ｂ）中反時計回りに揺動し、ギヤ８ｃが伝達機構２０のギヤ２１と噛み合った状態となる。つまり、駆動機構８は、給紙モータ２Ｍが逆回転するときは、その動力を伝達機構２０に伝達する状態となる。伝達機構２０は、駆動機構８から動力が伝達されると、６つのギヤ２１〜２６が図３（ｂ）中矢印方向に回転する。これにより、２つのギヤ１４ａ１，１５ａ１が回転し、２つのローラ１４，１５がともに図３（ｂ）中反時計回りに回転する。これにより、ロール紙Ｒは用紙Ｐを巻き取る方向Ｄに回転し、用紙Ｐが巻き取られる。

給紙部２は、図１に示すように、給紙ローラ２ａと、アーム２ｂと、伝達機構（不図示）と、給紙モータ２Ｍ（図４参照）とを有する。給紙ローラ２ａは、アーム２ｂの先端に軸支されている。アーム２ｂは、支軸２ｃに回動自在に支持されている。伝達機構は、制御部７の制御により給紙モータ２Ｍが駆動されたときに、その動力を給紙ローラ２ａに伝達する。つまり、給紙モータ２Ｍが正回転するように駆動されると、用紙Ｐが搬送方向Ａに給紙されるように給紙ローラ２ａが回転する。このとき、伝達機構は、給紙ローラ２ａがトレイ１１の底面１１ａ１に近づくようにアーム２ｂを付勢する。これにより、用紙Ｐが搬送方向Ａに給紙される。また、伝達機構は、給紙モータ２Ｍが逆回転するように駆動されると、給紙ローラ２ａが底面１１ａ１から離隔するようにアーム２ｂを回動させる。これにより、給紙ローラ２ａが用紙Ｐをロール紙Ｒに向けて送らない。なお、アーム２ｂは、トレイ１１を着脱する際に上方へ退避可能に構成されている。

搬送部３は、３組の搬送ローラ対３ａ〜３ｃと、第１搬送モータ３Ｍａ（図４参照）と、第２搬送モータ３Ｍｂ（図４参照）とを有している。搬送ローラ対３ａは、第１搬送モータ３Ｍａの駆動により回転する駆動ローラと、駆動ローラに連れ回る従動ローラとで構成されている。２組の搬送ローラ対３ｂ，３ｃは、第２搬送モータ３Ｍｂの駆動により回転する駆動ローラと、駆動ローラに連れ回る従動ローラとで構成されている。制御部７の制御により第１及び第２搬送モータ３Ｍａ，３Ｍｂが駆動され、各搬送ローラ対３ａ〜３ｃが用紙Ｐを挟持しつつ回転することで、用紙Ｐが搬送される。

センサ９は、筐体１００ａに設けられており、用紙Ｐの搬送方向において、搬送ローラ対３ａよりも上流で給紙ローラ２ａよりも下流に配置されている。また、センサ９は、用紙Ｐの搬送方向において、搬送ローラ対３ａと給紙ローラ２ａとの間における用紙Ｐの先端を検出し、その検出信号を制御部７に出力する。

切断部４は、搬送ローラ対３ａの上方に配置されている。切断部４は、カッター４ａと、カッター４ａを駆動させる切断モータ４Ｍ（図４参照）とを含む。ロール紙Ｒから巻き解かれて搬送された用紙Ｐは、制御部７０の制御により切断モータ４Ｍが駆動されることで、カッター４ａにより切断される。これにより、用紙Ｐの後端が形成される。

ヘッド５は、下面に形成された複数のノズル（図示略）と、ドライバＩＣ５ａ（図４参照）とを含む。制御部７の制御によりドライバＩＣ５ａが駆動されると、ノズルからインクが吐出され、搬送部３によって搬送された用紙Ｐに対して画像が記録される。なお、ヘッド５は、本発明の「記録部」に該当し、位置が固定された状態でノズルからインクを吐出するライン式、及び、回転軸Ｒｘの軸方向に移動しつつノズルからインクを吐出するシリアル式のいずれでもよい。ヘッド５により画像が記録されかつカッター４ａにより切断された用紙Ｐは、筐体１００ａに対して開いた状態の排紙トレイ６に受容される。

制御部７は、図４に示すように、内部バス１００ｂを介して、給紙モータ２Ｍ、第１搬送モータ３Ｍａ、第２搬送モータ３Ｍｂ、ドライバＩＣ５ａ、切断モータ４Ｍ、及び、センサ９と接続されている。

制御部７は、ＣＰＵ（Central Processing Unit）７ａ、ＲＯＭ（Read Only Memory）７ｂ及びＲＡＭ（Random Access Memory）７ｃを有する。ＲＯＭ７ｂには、ＣＰＵ７ａが各種制御を行うためのプログラムやデータが格納されている。ＲＡＭ７ｃは、ＣＰＵ７ａがプログラムを実行する際に用いるデータを一時的に記憶する。

続いて、図５及び図６を参照し、給紙カセット１にロール紙Ｒを収容し、当該ロール紙Ｒの用紙Ｐへの画像記録後に、給紙カセット１を筐体１００ａから抜き出す動作までについて説明する。

ロール紙Ｒを給紙カセット１に収容する際は、まずは、筐体１００ａから給紙カセット２を取り外す。その後、図５（ａ）に示すように、ロール紙Ｒから巻き解いた用紙Ｐの先端を入口１８ａから通路１８に通しつつ、ロール紙Ｒを支持部１２の２つのローラ１４，１５上に載置する。通路１８が搬送方向Ａに最も下流にある支持位置Ｒａ２の下方に形成されており、支持部１２に支持されたロール紙Ｒから巻き解かれた用紙Ｐが通路１８を通されることで、用紙Ｐにその巻き癖方向とは逆方向に湾曲した湾曲部が形成されにくくなる。仮に、図５（ａ）中二点鎖線で示すように、ロール紙Ｒからの用紙Ｐ´を支持位置Ｒａ２よりも上方からを巻き解いて配置している場合、用紙Ｐ´にその巻き癖方向とは逆方向に湾曲した湾曲部Ｗが形成される。しかしながら、本実施形態においては、湾曲部Ｗが形成されないため、用紙Ｐの腰が比較的強い場合であっても、ロール紙Ｒの使用に伴ってその自重が軽くなるに連れて、ロール紙Ｒが支持部１２から浮き上がるのを抑制することが可能となる。

次に、ユーザが、図５（ａ）に示すように、ロール紙Ｒを巻き解かれる方向Ｂに回して、用紙Ｐの先端をトレイ１１の先端近傍に配置させる。そして、ロール紙Ｒが収容された給紙カセット１を、筐体１００ａに装着する。この後、制御部７は、記録指令を受信すると、給紙モータ２Ｍが正回転するように駆動する。これにより、用紙Ｐが給紙ローラ２ａにより、搬送方向Ａに給紙される。このとき、ロール紙Ｒを支持する２つのローラ１４，１５は、給紙ローラ２ａの用紙Ｐの給紙に伴うロール紙Ｒの回転に伴って回転する。そして、制御部７は、センサ９から用紙Ｐの先端を検出した信号を受信すると、図５（ｂ）中破線で示すように、用紙Ｐが搬送ローラ対３ａに挟持可能な位置まで給紙モータ２Ｍを駆動させてから停止させる。この後、制御部７は、第１及び第２搬送モータ３Ｍａ，３Ｍｂが正回転するように駆動させて３組の搬送ローラ対３ａ〜３ｃで用紙Ｐを搬送する。そして、用紙Ｐがヘッド５と対向する位置を通過する際に、制御部７が、ドライバＩＣ５ａを駆動して、ヘッド５のノズルからインクを吐出させる。こうして、用紙Ｐに所望の画像を記録する。また、このとき、制御部７は、第１及び第２搬送モータ３Ｍａ，３Ｍｂの駆動を停止した後、切断モータ４Ｍを駆動して、用紙Ｐを所望位置で切断する。この後、制御部７は、第２搬送モータ３Ｍｂを駆動して、切断された用紙Ｐを搬送する。このとき、用紙Ｐに画像をさらに記録する際は、制御部７が、ドライバＩＣ５ａを駆動して、ヘッド５のノズルからインクを吐出させる。そして、画像が形成された用紙Ｐを排紙トレイ６に排出し、制御部７は、第２搬送モータ３Ｍｂの駆動を停止する。

次に、制御部７は、切断部４で切断された用紙Ｐの先端を戻す戻し処理を実行する。制御部７は、戻し処理において、第１搬送モータ３Ｍａ及び給紙モータ２Ｍが逆回転するように駆動する。これにより、図６（ａ）に示すように、搬送ローラ対３ａによって当該搬送ローラ対３ａに挟持された部分の用紙Ｐがロール紙Ｒに向けて送られるとともに、２つのローラ１４，１５が反時計回りに回転しロール紙Ｒが巻き解かれる方向Ｂとは逆方向（巻き取る方向Ｄ）に回転し、巻き解かれた用紙Ｐがロール紙Ｒに巻き取られる。そして、制御部７は、センサ９から用紙Ｐの先端を検出した信号を受信すると、第１搬送モータ３Ｍａの駆動を停止すると共に、図６（ａ）中破線で示すように、用紙Ｐの先端が給紙ローラ２ａと搬送ローラ対３ａとの間に位置するまで給紙モータ２Ｍを駆動させてから停止させる。また、このとき、制御部７は、用紙Ｐの先端が、給紙カセット１を筐体１００ａに装着するときの移動方向において、トレイ１１の先端の上端よりも下方に位置するように、給紙モータ２Ｍの駆動を制御して停止させる。

この後、ユーザが、図６（ｂ）に示すように、所定のタイミングで給紙カセット１を筐体１００ａから取り外すときに、アーム２ｂが上方に退避し、給紙カセット１が筐体１００ａから取り外される。このとき、用紙Ｐの先端がトレイ１１の先端の上端よりも下方に位置するため、用紙Ｐの先端が給紙ローラ２ａや筐体１００ａなどに接触しにくくなる。さらに、図６（ｂ）に示す位置まで給紙カセット１を筐体１００ａから取り外し、再度、装着するときでも、用紙Ｐの先端が給紙ローラ２ａや筐体１００ａなどに接触しにくくなるため、用紙Ｐの先端が折れ曲がりにくくなる。したがって、筐体１００ａに対する給紙カセット１の着脱動作によりロール紙Ｒの給紙不良が生じるのを抑制することが可能となる。

以上に述べたように、本実施形態の給紙カセット１によると、支持部１２がロール紙Ｒの下側部分の外周面（下側半円領域Ｒａ）と接触してロール紙Ｒを支持する構成となる。このため、ロール紙Ｒの位置を調整する作業が不要となり、ロール紙Ｒの交換作業が容易となる。また、支持部１２に支持されたロール紙Ｒから巻き解かれた用紙Ｐが通路１８を通されることで、用紙Ｐにその巻き癖方向とは逆方向に湾曲した湾曲部Ｗが形成されにくくなる。このため、上述したように、ロール紙Ｒが支持部１２から浮き上がるのを抑制することが可能となる。

また、本実施形態においては、通路１８がロール紙Ｒの下端よりも搬送方向Ａの下流にあるすべての支持位置Ｒａ２（本実施形態においては１つの支持位置Ｒａ２）の下方を通り水平方向Ｃに延在し、その入口１８ａが水平方向Ｃにおいて２つの支持位置Ｒａ１，Ｒａ２間に配置されている。例えば、ロール紙Ｒの下端よりも搬送方向Ａの下流において、ロール紙Ｒを支持する下流支持位置が複数存在していてもよい。この場合に、通路の入口が、複数の下流支持位置間にあって、通路が最も下流に位置する下流支持位置の下方に存在する場合よりも、本実施形態における方が、用紙Ｐにその巻き癖方向とは逆方向に湾曲した湾曲部が形成されにくくなって、ロール紙Ｒが支持部１２から浮き上がるのをより一層抑制することが可能となる。

また、支持台３の台部３ｂに溝１３ｂ２が形成され、溝１３ｂ２とトレイ１１の底面１１ａとで通路１８を画定している。これにより、ロール紙Ｒから巻き解かれた用紙Ｐを容易に通すことが可能となる。

また、支持部１２が２つのローラ１４，１５を有していることで、ロール紙Ｒをスムーズに回転させることが可能となる。

また、給紙カセット１は、２つのローラ１４，１５に駆動機構８からの動力を伝達する伝達機構２０を有している。これにより、ロール紙Ｒの用紙Ｐの巻きが緩んでロール紙Ｒの外径が大きくなる際に、ローラ１４，１５に伝達機構２０による回転負荷が生じているため、ロール紙Ｒの外径が大きくなるのを抑制することが可能となる。なお、ロール紙Ｒの巻きが緩んだ状態で用紙Ｐを搬送すると、用紙Ｐを搬送する際のロール紙Ｒの回転が不安定になり、用紙Ｐに生じるバックテンションが不安定になって用紙Ｐの搬送精度が低下するが、本実施形態においては、ロール紙Ｒの巻きが緩みにくいため、用紙Ｐの搬送精度の低下を抑制することが可能となる。

また、伝達機構２０は、２つのローラ１４，１５に駆動機構８からの動力を伝達するように構成されている。ローラ１４は、ロール紙Ｒの回転軸Ｒｘよりも搬送方向Ａの上流に配置されている。ローラ１５は、ロール紙Ｒの回転軸Ｒｘよりも搬送方向Ａの下流に配置されている。この構成で、伝達機構２０が、２つのローラ１４，１５を駆動したときに、図３（ｂ）に示すように、ローラ１４が、ロール紙Ｒが浮き上がりやすいように反時計回りに回転しても、ローラ１５が、ロール紙Ｒが浮き上がりにくいように反時計回りに回転するため、ロール紙Ｒを安定して回転させることが可能となる。

変形例として、伝達機構２０は、２つのローラ１４，１５のいずれか一方のローラに駆動機構８からの動力を伝達していてもよい。これにおいても、上述と同様に、ロール紙Ｒの用紙Ｐの巻きが緩んでロール紙Ｒの外径が大きくなる際に、一方のローラに伝達機構２０による回転負荷が生じているため、ロール紙Ｒの外径が大きくなるのを抑制することが可能となる。また、このとき、伝達機構は、ロール紙Ｒを支持するローラでロール紙Ｒを回転させる方向が一方の向きだけ（例えば、ロール紙Ｒが巻き解かれる方向又はその逆方向）である場合、当該ロール紙Ｒが浮き上がりにくいように回転させることが可能な一方のローラに駆動機構８からの動力が伝達されるように構成されていてもよい。これにおいても、ロール紙Ｒを安定して回転させることが可能となる。

上述の実施形態においては、支持部１２の一方の台部１３ｂにだけ通路１８を構成するための溝１３ｂ２が形成されていたが、図７に示すように、台部１３ａにも用紙Ｐを通すための通路２１８を構成するための孔２１９ａ及び溝２１９ｂが形成されていてもよい。なお、上述の実施形態と同様なものに関しては、同符号で示し、詳細の説明を省略する。

本変形例における支持部１２の台部１３ａには、鉛直方向に貫通する孔２１９ａが形成されている。孔２１９ａは、通路２１８の一部を構成し、傾斜面１３ａ１の上方部分から鉛直下方に向かって延在して形成されている。また、台部１３ａの下面には、トレイ１１の底面１１ａ１との間に用紙Ｐを通すための通路２１８の一部を画定する溝２１９ｂが形成されている。溝２１９ｂは、孔２１９ａの下端と対向する位置から搬送方向Ａに沿って延在している。溝２１９ｂは、溝１３ｂ２と搬送方向Ａに沿って直線状に配置されている。これら孔２１９ａ及び溝２１９ｂは、ロール紙Ｒの回転軸Ｒｘの軸方向において、用紙Ｐよりも長尺に形成されている。このような孔２１９ａ及び溝２１９ｂによって構成された通路２１８は、台部１３ａにＬ字状に形成される。このような変形例においては、ロール紙Ｒを支持部１２に載置する際に、ロール紙Ｒから巻き解かれた用紙Ｐが通路２１８、通路１８を順に通される。その後、ユーザが、ロール紙Ｒを巻き解かれる方向Ｂに回して、用紙Ｐの先端をトレイ１１の先端近傍に配置させる。

このような変形例においても、図７に示すように、支持部１２に支持されたロール紙Ｒから巻き解かれた用紙Ｐにその巻き癖方向とは逆方向に湾曲した湾曲部が形成されにくくなる。このため、上述の実施形態と同様に、用紙Ｐの腰が比較的強い場合であっても、ロール紙Ｒの使用に伴ってその自重が軽くなるに連れて、ロール紙Ｒが支持部１２から浮き上がるのを抑制することが可能となる。なお、上述の実施形態と同様な構成においては、同じ効果を得ることができる。

以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、上述の実施形態においては、ロール紙Ｒの下端を挟む２つの支持位置Ｒａ１，Ｒａ２でロール紙Ｒを支持しているが、ロール紙Ｒの下端を挟む３以上の支持位置でロール紙Ｒの下側部分の外周面を下方から支持してもよい。この場合においても、通路が搬送方向Ａに最も下流にある支持位置の下方に形成されておればよい。これにおいても上述の実施形態と同様の効果を得ることができる。

上述の実施形態及び各変形例においては、ロール紙Ｒがローラ１４，１５によって下方から支持されているが、ローラ１４，１５に代えてローラ以外のもの（例えば、傾斜面１３ａ１，１３ｂ１やトレイ１１の底部など）でロール紙Ｒを下方から支持していてもよい。トレイ１１の底部１１ａでロール紙Ｒを支持する際は、底部１１ａの支持位置（搬送方向Ａにおいてロール紙Ｒの下端よりも下流の支持位置）よりも下方に、用紙Ｐを通すための通路が構成されておればよい。このときの通路としては、支持位置が底面１１ａ１よりも上方であれば、当該底面１１ａ１上を通路としてもよいし、底面１１ａ１に搬送方向Ａに沿って延在する溝又は凹部を形成し通路としてもよい。また、ローラ１４，１５の外表面（円筒部材１４ｂ，１５ｂの外表面）の摩擦係数が、軸部材１４ａ，１５ａの外表面の摩擦係数以下であってもよい。

また、伝達機構２０が設けられていなくてもよい。また、規制部材１６，１７は、１つだけ設けられていてもよいし、設けられていなくてもよい。また、ロール紙Ｒは、芯部材Ｒｃを有さない芯なしのものであってもよい。本発明は、ロール紙Ｒを収容可能な媒体カセット全般に適用され得る。

１ 給紙カセット（媒体カセット）
８ 駆動機構（駆動源）
１１ トレイ
１１ａ１ 底面
１２ 支持部
１３ 支持台
１３ｂ２ 溝
１４，１５ ローラ（支持ローラ）
１４ａ，１５ａ 軸部材
１４ｂ，１５ｂ 円筒部材
１６，１７，１９ 規制部材
１８，２１８ 通路
１８ａ 入口
２０ 伝達機構
Ｐ 用紙（連続媒体）
Ｒ ロール紙（ロール媒体）
Ｒａ１，Ｒａ２ 支持位置
Ｒｘ 回転軸

Claims (8)

1. 連続媒体がロール状に巻回されたロール媒体を収容可能で、前記ロール媒体から巻き解かれた連続媒体が前記ロール媒体から離れる搬送方向に搬送されるのに伴って、前記ロール媒体が巻き解かれる方向に回転可能な媒体カセットであって、
   前記ロール媒体の下端を挟む両側それぞれにおいて少なくとも１つの支持位置で前記ロール媒体の下側部分の外周面と接触して、前記ロール媒体を回転可能に支持する支持部と、
   前記ロール媒体から巻き解かれた連続媒体を通すための通路とを備えており、
   前記通路が、少なくとも前記搬送方向に最も下流にある前記支持位置の下方に形成されていることを特徴とする媒体カセット。
2. 前記通路が、前記搬送方向に前記ロール媒体の前記下端よりも下流にあるすべての前記支持位置の下方を通るように、前記水平方向に延在し、
   前記通路の入口が、前記搬送方向に前記ロール媒体の前記下端よりも上流にあって前記下端に最も近い前記支持位置と、前記搬送方向に前記ロール媒体の前記下端よりも下流にあって前記下端に最も近い前記支持位置との間に形成されていることを特徴とする請求項１に記載の媒体カセット。
3. 前記ロール媒体を収容可能なトレイをさらに有しており、
   前記支持部は、前記トレイの底面上に配置され前記ロール媒体を支持する支持台を有しており、
   前記支持台の下面には、前記搬送方向に延在し、前記底面との間に前記通路を画定する溝が形成されていることを特徴とする請求項１又は２に記載の媒体カセット。
4. 前記支持部は、前記ロール媒体の下側部分の前記外周面と前記支持位置において接触しつつ前記ロール媒体の回転軸と平行な回転軸周りに回転可能な複数の支持ローラを有していることを特徴とする請求項１〜３のいずれか１項に記載の媒体カセット。
5. 前記複数の支持ローラのうち少なくとも１つの支持ローラに駆動源からの動力を伝達可能に連結された伝達機構をさらに備えていることを特徴とする請求項４に記載の媒体カセット。
6. 前記伝達機構は、前記複数の支持ローラに前記駆動源からの動力を伝達可能に連結されていることを特徴とする請求項５に記載の媒体カセット。
7. 前記支持ローラは、軸部材と、前記軸部材が挿通された円筒部材とを有しており、
   前記円筒部材の表面は、前記軸部材の表面よりも摩擦係数が高いことを特徴とする請求項４〜６のいずれか１項に記載の媒体カセット。
8. 前記支持部に支持可能な最大サイズの前記ロール媒体の外周面に近接可能に配置され、前記ロール媒体の連続媒体の巻きが緩んで当該ロール媒体の外径が大きくなるのを規制する規制部材をさらに備えていることを特徴とする請求項１〜７のいずれか１項に記載の媒体カセット。

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