JP2021151507A - 防火区画壁の防火措置構造 - Google Patents
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Abstract
Description
また、防火区画壁の防火措置構造について、前記貫通部材の外面と、前記貫通孔の内面との間に収容された全ての閉塞部材が熱膨張性能を有していてもよい。
また、防火区画壁の防火措置構造について、前記貫通部材の外面と前記貫通孔の内面との間に形成され、かつ前記閉塞部材よりも小さい隙間に、前記閉塞部材を切断して細分化された隙間用閉塞部材が収容されていてもよい。
図1又は図5に示すように、コンクリート製の防火区画壁Wには、正面から見て矩形孔状の貫通孔Waが設けられている。貫通孔Waは、防火区画壁Wを厚み方向に貫通している。貫通孔Waには、貫通部材として、複数本の配線・配管材11が挿通されている。なお、配線・配管材11とは、建築物内に配設される配線(制御用ケーブル、同軸ケーブル、光ケーブル等)及び配管材(合成樹脂製可撓電線管、鋼製電線管等)の総称のことである。配線・配管材11は、長尺状である。本実施形態では、径の異なる配線・配管材11が貫通孔Waに挿通されている。
図3(b)に示すように、第1面31a及び第2面31bには、各長側縁31cを含む全体にシート材41が貼着されている。このため、ブロック部34に鋏51の刃51aを入れたとき、シート材41によって刃51aを入れた部位の圧縮変形が抑制され、鋏51による切断が容易となっている。
まず、図5に示すように、防火区画壁Wに配線・配管材11を貫通させるための貫通孔Waを形成する。次に、貫通孔Waに配線・配管材支持ラック20を配設する。次に、配線・配管材支持ラック20の複数の支持部材20bに複数本の配線・配管材11を支持させるとともに、防火区画壁Wに配線・配管材11を貫通させる。
さて、防火区画壁Wの防火措置構造を備える建築物において、防火区画壁Wの一方の壁表側で火災等が発生し、配線・配管材11が燃焼したとする。このとき、配線・配管材11の外面に圧接するのは第1耐火部材30Aである。そして、配線・配管材11から発生する熱によって第1耐火部材30Aが即座に焼失してしまうことはなく、第1耐火部材30Aは熱を受けて膨張する。また、第1耐火部材30Aの周囲の第2耐火部材30B及び隙間用耐火部材35も熱を受けて膨張する。
(1)耐火部材30の基部31は、膨張黒鉛を含む発泡クロロプレンゴム製である。このため、耐火部材30は、圧縮されると原形状に復帰しようとする反力を備える。よって、貫通孔Waの内面と配線・配管材11の外面との間に耐火部材30を圧縮させた状態で詰め込むと、配線・配管材11の外面に接する耐火部材30(第1耐火部材30A)を、自身の反力及び積層された他の耐火部材30の反力によって、配線・配管材11の外面に圧接させることができる。詳述すると、積層方向に重なり合う全ての耐火部材30の反力を利用して配線・配管材11に耐火部材30を圧接させることができる。よって、耐火部材30を配線・配管材11に圧接させるために、複数の耐火部材30をバンドで囲んだり、2枚の板材で耐火部材30を挟んだりする必要がない。すなわち、耐火部材30を、貫通孔Waの内面と配線・配管材11の外面との間に隙間無く詰め込むだけで、配線・配管材11に耐火部材30を圧接させることができる。よって、防火区画壁Wの防火措置構造を簡素にできるとともに、施工性が容易となる。
(4)配線・配管材11の外面に接する耐火部材30(第1耐火部材30A)の厚みを、配線・配管材11に接しない耐火部材30(第2耐火部材30B)の厚みより薄くした。第1耐火部材30Aの厚みが薄くなるほど、基部31は変形しやすくなるため、第1耐火部材30Aを配線・配管材11の形状に追従させやすく、配線・配管材11と第1耐火部材30Aとの間に隙間が形成されにくくなる。
○ 実施形態では、貫通孔Waに収容する閉塞部材の全てを耐火部材30としたが、配線・配管材11の外面に接触する閉塞部材を耐火部材30(好ましくは第1耐火部材30A)とし、その他を、熱膨張性能を有しない閉塞部材としてもよい。
また、配線・配管材11の外面に接する閉塞部材のみを耐火部材30とせず、配線・配管材11の外面に接しない閉塞部材の一部を耐火部材30としてもよい。
○ 実施形態において、耐火部材30同士を予め積層させた状態で一体化したものを、その積層方向が、配線・配管材11の外面と、貫通孔Waの内面との対面方向に一致させて貫通孔Waに収容してもよい。
○ 実施形態では、基部31の厚みに基づく反力と変形しやすさに応じて耐火部材30を使い分けたが、基部31における発泡度や合成ゴムの密度に基づく反力と変形しやすさに応じて耐火部材30を使い分けてもよい。
○ 実施形態では、積層方向に隣り合う耐火部材30同士を両面テープTで接合したが、積層方向に隣り合う耐火部材30同士を、両面テープP以外の方法、例えば接着剤で接合してもよい。
○ シート材41は、基部31の第2面31bのみに貼着されていてもよいし、第1面31aのみに貼着されていてもよい。
○ 耐火部材30及び閉塞部材のスリット32は無くてもよい。この場合であっても、基部31は配線・配管材11の外面形状に追従して変形し、反力によって配線・配管材11の外面に圧接する。
○ 耐火部材30及び閉塞部材のスリット32は、長手方向に等間隔おきに形成されていなくてもよい。
○ スリット32の深さは、基部31の厚みの半分より小さくてもよい。
上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
Claims (8)
- 防火区画壁に設けられた貫通孔に長尺の貫通部材が挿通されている防火区画壁の防火措置構造であって、
前記貫通部材の外面と、前記貫通孔の内面との間には、発泡体からなる平板状の基部を備え、該基部を圧縮すると原形状へ復帰しようとする反力を備えた複数の閉塞部材が、前記貫通部材を取り囲むとともに、前記貫通部材の外面と、前記貫通孔の内面との対面方向に延びる複数列のそれぞれに複数段積層された状態で収容され、
前記対面方向に複数段積層された状態では、前記複数の閉塞部材の各々は厚み方向に圧縮され、
前記貫通部材の外面に接する前記閉塞部材が、自身の反力及び積層された他の閉塞部材の反力により、前記貫通部材の外面に圧接しており、
前記積層された複数の閉塞部材のうち、少なくとも一つの閉塞部材は、熱膨張性能を有することを特徴とする防火区画壁の防火措置構造。 - 前記熱膨張性能を有する少なくとも一つの閉塞部材は、前記貫通部材の外面に接する閉塞部材である請求項1に記載の防火区画壁の防火措置構造。
- 前記貫通部材の外面と、前記貫通孔の内面との間に収容された全ての閉塞部材が熱膨張性能を有する請求項1又は請求項2に記載の防火区画壁の防火措置構造。
- 前記貫通部材の外面と前記貫通孔の内面との間に収容された複数の前記閉塞部材のうち、少なくとも前記貫通部材の外面に接する前記閉塞部材は、該閉塞部材における前記貫通部材に接する面から厚み方向に延びるスリットを複数備えるとともに、前記スリットによって前記基部を分割して形成された複数のブロック部を有する請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の防火区画壁の防火措置構造。
- 前記閉塞部材は、前記基部の厚み方向の両端に位置する面のうちの少なくとも一方の面に貼着されたシート材を備え、前記シート材の表面における摩擦抵抗は、前記基部の表面の摩擦抵抗よりも小さい請求項4に記載の防火区画壁の防火措置構造。
- 前記シート材は、前記ブロック部それぞれに独立して貼着されている請求項5に記載の防火区画壁の防火措置構造。
- 前記貫通部材の外面と前記貫通孔の内面との間に形成され、かつ前記閉塞部材よりも小さい隙間に、前記閉塞部材を切断して細分化された隙間用閉塞部材が収容されている請求項1〜請求項6のうちいずれか一項に記載の防火区画壁の防火措置構造。
- 積層方向に隣り合う前記閉塞部材同士は接合されている請求項1〜請求項7のうちいずれか一項に記載の防火区画壁の防火措置構造。
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