JP2021145555A - カフェイン及び甘味成分を含有する飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】甘味成分とカフェインとが配合された飲料におけるカフェインによる飲料の甘味の低下の抑制。【解決手段】甘味成分と3〜45mg/100mlのカフェインとを含有する飲料において、4〜40mg/100mlのγ−アミノ酪酸を配合する。飲料のpHは2.0〜5.5の範囲である。【選択図】なし

Description

本発明は、カフェインと甘味成分とを含有する飲料に関する。特に本発明は、γ-アミノ酪酸を配合し、カフェインに起因する甘味の低下が抑制された飲料に関する。
カフェインは、脂質エネルギー代謝や運動機能の向上、覚醒作用等の生理活性物質として知られている。カフェインの脳を覚醒させる作用(覚醒作用)は、神経伝達物質であるドーパミンを放出させるので、オフィス等の仕事中などに作業効率や集中力を高めたい時に摂取すると良いと考えられており、カフェインを比較的多く含む飲料が多く開発されている。
このカフェインを比較的多く含む飲料においては、カフェインに起因する苦味が顕在化し、飲料の飲み易さが損なわれることがある。そこで、カフェインの苦味を低減する方法が種々提案されている。例えば、DEが2以上6以下である馬鈴薯由来の非環状デキストリンを添加してカフェイン等の機能性素材に起因する不快味をマスキングする方法(特許文献1)、γ‐アミノ酪酸(GABA)またはその塩の添加によりカフェイン溶液の苦味などの不快味を低減する方法(特許文献2)がある。
近年、舌の味蕾にアデノシン受容体が存在し、この舌のアデノシン受容体にアデノシンが結合すると甘味の感受性を低下させること、そしてアデノシンと拮抗するカフェインを摂取した場合に用いて、特異的に甘味の感受性を低下させることが報告されている(非特許文献1)。
他方、3−ヒドロキシ安息香酸(3−HB)などを飲料の甘味増強剤として用いることができることが報告されている(特許文献3)。また、0.1〜10000ppbのγ−アミノ酪酸及び0.01〜10000ppbのナリンゲニンを添加することにより、飲食品の高甘味度甘味料の甘味を増強する方法(特許文献4)が報告されている。
特開2015−128420号公報 米国特許出願公開第2010/0331349号 特表2008−539805号公報 国際公開第2013/8875号
Choo E, Picket B, Dando R. (2017), Caffeine May Reduce Perceived Sweet Taste in Humans, Supporting Evidence That Adenosine Receptors Modulate Taste. J. Food Sci. 23 Aug 2017.
上述のとおり、カフェインの苦味を低減する方法、飲料の甘味増強剤、高甘味度甘味料の甘味を増強する方法などは開示されているが、飲料にカフェインを添加することによる飲料の甘味の低下を効果的に抑制する方法は知られていない。
本発明は、甘味成分とカフェインとが配合された飲料におけるカフェインによる甘味の低下が抑制された飲料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、甘味成分と特定量のカフェインとを配合した飲料において、カフェインとともに特定量のγ−アミノ酪酸をpH2.0〜5.5の範囲で用いると、カフェインによる甘味の低下を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、これに限定されるものではないが、以下の態様を包含する。
[1]次の成分(A)、(B)及び(C);
(A)甘味成分
(B)カフェイン、及び
(C)γ−アミノ酪酸
を含有し、
飲料中の成分(B)の含有量が3〜45mg/100mlであり、
飲料中の成分(C)の含有量が4〜40mg/100mlであり、
飲料のpHが2.0〜5.5である、
飲料。
[2]成分(B)に対する成分(C)の質量比[(C)/(B)]が0.20〜4.00である、[1]に記載の飲料。
[3]飲料の甘味度が5〜15である、[1]又は[2]に記載の飲料。
[4]成分(A)として、ショ糖、スクラロース及びアセスルファムカリウムのうちの1種又は2種以上を含む、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の飲料。
本発明によれば、甘味成分の使用量を増やすことなく、カフェインによる甘味の低下が抑制された飲料を提供することが可能となる。
本発明は、一つの態様において、(A)甘味成分と、(B)3〜45mg/100mlのカフェインと、(C)4〜40mg/100mlのγ−アミノ酪酸を含有する、pH2.0〜5.5の飲料である。
(成分(A):甘味成分)
本発明の飲料は、成分(A)として甘味成分を含有する。本発明において「甘味成分」とは、甘味を感じることのできる物質をいう。甘味成分としては、果糖やブドウ糖などの単糖類;ショ糖、乳糖、麦芽糖などの二糖類;三糖以上のマルトオリゴ糖;キシリトール、マルチトール、ソルビトールといった糖アルコール;ステビア抽出物、アセスルファムカリウム、スクラロース、アスパルテーム、サッカリンといった高甘味度甘味料などを例示することができる。
本発明の飲料は、本発明の所期の効果の顕著さから、飲料の甘味度が5〜15であることが好ましく、甘味度6〜14であることがより好ましく、甘味度7〜13であることがさらに好ましい。本明細書における甘味度とは、飲料100g中にショ糖1gを含有する飲料の甘さを「1」とした、飲料の甘味を表す指標である。当該飲料の甘味度は、各甘味成分の含有量を、ショ糖の甘味1に対する当該甘味成分の甘味の相対比に基づいて、ショ糖の相当量に換算して、次いで当該飲料に含まれる全ての甘味成分のショ糖甘味換算量(果汁やエキス等由来の甘味成分も含む)を総計することによって求められる。ショ糖の甘味1に対する各種代表的な甘味成分の甘味の相対比を表1に示す。表1に記載のない甘味成分については、当該甘味成分を製造あるいは販売しているメーカーが提示する甘味度を用いたり、「飲料用語辞典」(株式会社ビバリッジジャパン社、平成11年6月発行)のP62に記載の甘味度測定方法に沿って溶液温度を体温に近い37℃として評価することができる。
Figure 2021145555
飲料の甘味度は、甘味成分を用いて調整することができる。飲料中に上記甘味成分を直接配合してもよいし、甘味成分を含有する原料、例えば果汁やエキス等を配合してもよい。効果の顕著さから、本発明の飲料の好ましい甘味成分は、単糖類、二糖類及び高甘味度甘味料であり、より好ましい甘味成分は、ショ糖、アセスルファムカリウム及びスクラロースのうちの1種以上を含む。
(成分(B):カフェイン)
本発明に係る飲料は、成分(B)としてカフェインを含有する。本発明は、食品添加物(苦味料)としてカフェインを多く添加した清涼飲料水で顕在化する甘味低下という課題を解決するものである。したがって、本発明で用いられるカフェインは、好ましくは市販の試薬や純品(カフェイン含量98%以上の精製品)である。カフェインを含有する植物(コーヒー豆、茶葉等)の抽出物又はその濃縮物の形態でカフェインを配合した飲料、すなわち茶飲料やコーヒー飲料は、本発明の課題が顕在化していないことから、本発明の飲料やカフェインの好適な態様ではない。本発明の飲料は好ましくは、カフェインを含有するコーヒー豆の抽出物や、カフェインを含有する茶葉の抽出物を含まない。なお、カフェインは、水和物でも無水物でもよい。
本発明の飲料におけるカフェインの含有量は3mg/100ml以上、好ましくは4mg/100ml以上である。甘味成分を含有し、かつ、カフェインを3mg/100ml程度含有する飲料は、甘味低下の課題が顕在化する。本発明の課題及び効果の観点から、カフェイン含有量の上限はないが、カフェイン含有量が高過ぎると、カフェイン由来の苦味が強くなり過ぎて、本発明の甘味抑制効果が知覚されにくくなる。効果の顕著さから、カフェイン含有量は、45mg/100ml以下が好ましく、40mg/100ml以下がより好ましく、35mg/100ml以下がさらに好ましく、30mg/100ml以下が特に好ましく、25mg/100ml以下がことさらに好ましい。カフェインが水和物である場合、カフェインの含有量は無水カフェインとして換算するものとする。カフェインの含有量は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いた方法によって、測定及び定量できる。なお、測定の際には装置の検出域に適合させるため、試料を凍結乾燥したり、装置の分離能に適合させるため試料中の夾雑物を除去したりする等、必要に応じて適宜処理を施してもよい。
(成分(C):γ−アミノ酪酸)
本発明に係る飲料は、成分(C)としてγ−アミノ酪酸を含有する。本発明に用いられるγ−アミノ酪酸は、野菜類、果物類、穀類、発酵食品等に幅広く含まれるアミノ酸の一種である。本発明に用いられるγ−アミノ酪酸としては、特に限定されるものではなく、例えば野菜類、果物類、穀類などから抽出されたγ−アミノ酪酸、醗酵食品から生産されるγ−アミノ酪酸、有機合成から生産されたγ−アミノ酪酸等を用いることができる。また、γ−アミノ酪酸として、市販品(オリザギャバエキスHC−90(商品名)、オリザ油化株式会社製)を用いてもよい。
本発明の飲料におけるγ−アミノ酪酸の含有量は4〜40mg/100ml、好ましくは5〜30mg/100mlである。γ−アミノ酪酸の含有量が4mg/100mlに満たない場合は、カフェインによる甘味成分の低下を十分に抑制できない。また、γ−アミノ酪酸の含有量が40mg/100mlを超える場合は、γ−アミノ酪酸に起因する異味が飲料の風味に影響を及ぼすことがある。γ−アミノ酪酸の含有量は、アミノ酸分析装置を用いて測定することができる。
本発明は、成分(B)カフェインの添加による甘味の低下を、成分(C)γ−アミノ酪酸により抑制するものである。本発明の所期の効果の観点から、成分(B)に対する成分(C)の質量比[(C)/(B)]は、0.20以上が好ましく、0.30以上がより好ましく、0.40以上がさらに好ましい。また、飲料の風味の観点から、成分(B)に対する成分(C)の質量比[(C)/(B)]は、4.00以下が好ましく、3.50以下がより好ましく、3.00以下がさらに好ましい。かかる質量比[(C)/(B)]の範囲としては、好ましくは0.20〜4.00、より好ましくは0.30〜3.50、さらに好ましくは0.40〜3.00である。
(成分(D):酸味成分)
本発明の飲料のpH(20℃)は2.0〜5.5である。pHがこの範囲にある飲料において、カフェインによる甘味低下という課題がより顕在化する。課題の大きさから、pHは2.1以上が好ましく、2.3以上がより好ましく、2.5以上がさらに好ましく、そして5.0以下が好ましく、4.7以下が好ましく、4.3以下がより好ましく、4.0以下が特に好ましい。かかるpHの範囲としては、好ましくは、2.1〜5.0、より好ましくは2.3〜4.7、さらに好ましくは2.5〜4.3、特に好ましくは2.5〜4.0である。なお、pHは、飲料100mLを300mLのビーカーに量り取り、炭酸飲料である場合には脱炭酸をし、20℃に温度調整をしてpHメータにより測定するものとする。
飲料のpHは、成分(D)酸味成分により調整することができる。したがって、本発明の飲料は、酸味成分を含有してもよい。ここで、本明細書でいう「酸味成分」とは、酸味を感じることのできるpHが酸性の物質をいう。酸味成分としては、酸味成分を含有する原料、例えば果汁やエキス等を用いてもよいが、pHの制御のしやすさから酸味料を用いることが好ましい。酸味料としては、有機酸でも無機酸でもそれらの塩であってもよく、飲料に使用できるものであれば特に制限されない。有機酸としては、クエン酸、グルコン酸、リンゴ酸、酒石酸、アスコルビン酸、コハク酸、乳酸、フマル酸、アジピン酸、フィチン酸、フマル酸が例示でき、無機酸としては、リン酸が例示でき、塩として、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属塩を例示できる。中でも、風味の観点から、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、リン酸及びそれらの塩から選ばれる1種又は2種以上を用いることが好ましい。
pHが2.0〜5.5で顕在化する本発明の課題は、飲料の酸度とも関係し、所定量以上の酸度を有する飲料において顕在化すると考えられる。したがって、本発明の飲料の酸度は、0.005質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、0.03質量%以上がさらに好ましく、0.05質量%以上が特に好ましい。また、酸度が高過ぎる飲料では、本発明のγ-アミノ酪酸による甘味の低下抑制作用が十分に発揮できないこともあるので、本発明の飲料の酸度は、2質量%以下が好ましく、1.5質量%以下がより好ましく、0.8質量%以下がさらに好ましく、0.3質量%以下が特に好ましい。ここで、本明細書における「酸度」とは、フェノールフタレイン指示薬を用いて水酸化ナトリウムで滴定し、飲料(炭酸飲料である場合には脱炭酸したもの)中に含まれる全ての酸の濃度をクエン酸相当量として換算したものである。
(成分(E):香料)
一般に、飲料が高甘味度甘味料を含有する可溶性固形分(Bx)が低い飲料の場合、水っぽい味わいになることが知られている。メカニズムは不明であるが、本発明のγ−アミノ酪酸及びカフェインを含有する飲料は、低Bx飲料の香気成分をエンハンスする効果がある。したがって、本発明の飲料に、成分(E)香料を含有させることは好ましい。特に、本発明の飲料が、甘味成分として高甘味度甘味料を含有し、Bxが比較的低い場合、具体的には、Bxが10以下、好ましくは8以下、より好ましくは6以下、さらに好ましくは5以下、特に好ましくは4以下である場合に、香料を含有させる態様は、本発明の好適な態様の一例ある。
香料としては、天然香料、合成香料及びこれらの混合物のいずれも使用できる。例えば、フルーツフレーバー(オレンジフレーバー、レモンフレーバー、ライムフレーバー、グレープフルーツフレーバー、リンゴフレーバー、グレープフレーバー、ラズベリーフレーバー、クランベリーフレーバー、チェリーフレーバー、パイナップルフレーバー等)、ミントフレーバー(ペパーミント、スペアミント、和種ハッカ等)、スパイシーフレーバー(アサフェティダフレーバー、アジョワンフレーバー、アニスフレーバー、アンゼリカフレーバー、フェンネルフレーバー、オールスパイスフレーバー、シナモンフレーバー、カモミールフレーバー、マスタードフレーバー、カルダモンフレーバー、キャラウェーフレーバー、クミンフレーバー、チョウジフレーバー、コショウフレーバー、コリアンダーフレーバー、サッサフラスフレーバー、セイボリーフレーバー、山椒フレーバー、シソフレーバー、ジュニパーベリーフレーバー、ショウガフレーバー、スターアニスフレーバー、セイヨウワサビフレーバー、タイムフレーバー、タラゴンフレーバー、ディルフレーバー、トウガラシフレーバー、ナツメグフレーバー、バジルフレーバー、マジョラムフレーバー、ローズマリーフレーバー、ベイリーフフレーバー、わさびフレーバー等)、ナッツフレーバー(アーモンドフレーバー、クルミフレーバー、ピーナッツフレーバー等)、アルコールフレーバー(ワインフレーバー、ウィスキーフレーバー、ブランデーフレーバー、ラムフレーバー等)、茶フレーバー(緑茶、ウーロン茶、紅茶、ジャスミン茶等)、乳フレーバー(ミルク、ヨーグルト等)、バニラフレーバー、野菜フレーバー、などを挙げることができる。香料は、1種又は2種以上含有させることができる。
本発明の飲料中の香料の含有量は、特に制限はないが、0.01〜0.5質量%が好ましく、0.03〜0.4質量%がより好ましく、0.05〜0.3質量%が特に好ましい。
(その他成分)
飲料に乳成分等のたんぱく質が含まれる場合、本発明の課題が顕在化しにくい。したがって、乳成分を含む飲料は、本発明の好ましい態様から除外される。ここで、乳成分とは、乳脂肪分、全脂乳、脱脂乳などを示し、例えば、練乳、脱脂粉乳、ホエ−蛋白、バター、チーズ、等が挙げられる。具体的には、本発明の好適な飲料の一例は、飲料100mlあたりのたんぱく質量が0.5g以下、好ましくは0.4g以下、より好ましくは0.3g以下の飲料である。
上記成分に加えて、本発明の飲料には、所期の目的を損なわない範囲であれば、炭酸、ビタミン、ミネラル、酸化防止剤、泡安定剤、エステル、色素、乳化剤、保存料、調味料、果汁、野菜汁、品質安定剤等の添加剤を1種又は2種以上を含有することができる。
(容器詰)
本発明の飲料は、汎用の容器に容器詰めされて閉栓され、飲用時に開栓される形態の、容器詰め飲料であってもよい。
以下、実験例を示して本発明の詳細を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、本明細書において、特に記載しない限り、数値範囲はその端点を含むものとして記載される。
実験1:カフェインによる甘味の低下(1)
果糖ぶどう糖液糖(Bx75)15質量%、クエン酸0.12質量%、クエン酸三ナトリウム0.03質量を用いて、pH2.7、甘味度10.8、Bx11の水溶液を調製した。これにカフェイン(純度99%以上)を1〜45mg/100mlの濃度で添加した。5名の専門パネルに対し、カフェイン無添加の飲料と、カフェインを添加した飲料とを組み合わせたペアを提示した。パネルは、提示されたペアのうちどちらの飲料が甘味をより強く感じるか、2点識別試験により評価した。この2点識別試験は日付を変えて2回繰り返して実施した。5名のパネルによる延べ10回分の結果を表2に示す。カフェインを4mg/100ml以上の濃度で含有する飲料は、カフェインの添加により甘味が低下した。
Figure 2021145555
実験2:カフェインによる甘味の低下(2)
実験1の甘味成分である果糖ぶどう糖液糖を、ショ糖2質量%、アセスルファムカリウム0.028質量%、スクラロース0.004質量%に変えて、pH2.7、甘味度10、Bx2.1の水溶液を調製した。これに実験1と同様に、表3に示す量のカフェインを添加し、実験1と同様にして甘味の強さを評価した。結果を表3に示す。ショ糖、アセスルファムカリウム及びスクラロースを用いた飲料では、実験1の果糖ぶどう糖液糖を用いたBx75の飲料に比べて、カフェインによる甘味の低下がより顕著に知覚された。
Figure 2021145555
実験3:γ−アミノ酪酸による甘味低下抑制作用
実験2のカフェインを5mg/100ml、25mg/100ml及び40mg/100ml添加した甘味が低下した各飲料に、さらにレモンフレーバーを0.1質量%配合した。このレモン風味飲料について、表4に示す量のγ−アミノ酪酸を添加した。各種カフェイン及びγ−アミノ酪酸を含有するレモン風味飲料について、実験2のカフェイン無添加の飲料を対照とした場合の甘味の強さについて、専門パネル5名で評価した。評価は、対照と同程度の甘味であると評価した人数をカウントした。
表4に結果を示す。カフェインを添加することにより甘味が低下するが、γ−アミノ酪酸を4mg/100ml以上含有させることで、甘味低下を抑制できることが判明した。γ−アミノ酪酸を40mg/100mlを含有する飲料では、γ−アミノ酪酸自体の風味により甘味が知覚しにくくなったことから、γ−アミノ酪酸の上限は40mg/100ml程度であることが示唆された。また、カフェインに対して、γ−アミノ酪酸が0.20以上である場合、甘味の低下抑制作用がより顕著であった。
対照(3−1)のレモン風味飲料は、レモンフレーバーのノリが悪く水っぽい飲料であったが、本発明の特定量のカフェインとγ−アミノ酪酸が共存する飲料は、対照に比べてレモン風味が強く感じられ、嗜好性の高い飲料であるとパネル全員が評価した。
Figure 2021145555

Claims (4)

  1. 次の成分(A)、(B)及び(C);
    (A)甘味成分
    (B)カフェイン、及び
    (C)γ−アミノ酪酸
    を含有し、
    飲料中の成分(B)の含有量が3〜45mg/100mlであり、
    飲料中の成分(C)の含有量が4〜40mg/100mlであり、
    飲料のpHが2.0〜5.5である、
    飲料。
  2. 成分(B)に対する成分(C)の質量比[(C)/(B)]が0.20〜4.00である、請求項1に記載の飲料。
  3. 飲料の甘味度が5〜15である、請求項1又は2に記載の飲料。
  4. 成分(A)として、ショ糖、スクラロース及びアセスルファムカリウムのうちの1種又は2種以上を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の飲料。
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