JP2021136112A - 固体電池の製造方法及び固体電池 - Google Patents

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正一 小林
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明洋 三谷
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聡 樋口
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美那子 鈴木
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Abstract

【課題】短絡の発生が抑えられた固体電池を実現する。【解決手段】固体電池の製造方法は、電極層10とそれに面する電極層20とを含む電極1であって、電極層10と電極層20との間で且つそれらが接する部分3の周囲に埋め込み層11が設けられた電極1を形成する工程を含む。埋め込み層11には、例えば、電極活物質よりも電子伝導率の低い、固体電解質が用いられる。電極層10の端部10aと電極層20の端部20aとの間に埋め込み層11が設けられることで、その後の積層、熱圧着時の電極層10及び電極層20の変形が抑えられ、それに起因した固体電池内部の短絡の発生が抑えられる。【選択図】図1

Description

本発明は、固体電池の製造方法及び固体電池に関する。
正極及び負極の一対の電極間に電解質層が設けられた構造を含む固体電池が知られている。
このような固体電池に関し、例えば、特許文献1には、電極と電解質層とを、これらの一方又は双方の端部を絶縁材料で被覆して加圧し、当該端部の変形や脱落、電解質層を挟んで設けられる電極同士の当該端部での接触、短絡を抑える技術が記載されている。また、特許文献2には、電極の厚さを端部から中央に向けて連続的に増加させることで、静水圧プレス法によるラミネートセルの破断、膜切れを抑える技術が記載されている。
特開2012−38425号公報 特開2014−116136号公報
電解質層とこれを挟む電極対との積層体を含む固体電池では、その製造過程において、電解質層を挟む電極対の位置ずれ、熱圧着時の変形や圧着不良、焼成時の変形等により、電極対同士が接触し、短絡が発生することが起こり得る。
1つの側面では、本発明は、短絡の発生が抑えられた固体電池を実現することを目的とする。
1つの態様では、第1電極層と前記第1電極層に面する第2電極層とを含む第1電極であって、前記第1電極層と前記第2電極層との間で且つ前記第1電極層と前記第2電極層とが接する第1部分の周囲に第1埋め込み層が設けられた前記第1電極を形成する工程を含む固体電池の製造方法が提供される。
また、1つの態様では、第1領域と前記第1領域の周囲の第2領域とを備える第1電極と、前記第1電極の側端面の一部を除く前記第2領域に設けられた第1埋め込み層とを含む固体電池が提供される。
1つの側面では、短絡の発生が抑えられた固体電池を実現することが可能になる。
固体電池の製造方法の一工程について説明する図である。 固体電池の電極の一例について説明する図である。 固体電池の電極の別の例について説明する図である。 正極電極パーツの形成方法の一例について説明する図である。 負極電極パーツの形成方法の一例について説明する図である。 固体電池の一構成例について説明する図(その1)である。 固体電池の一構成例について説明する図(その2)である。 端子面垂直方向の断面における正極電極パーツの形成工程の一例を示す図である。 端子面垂直方向の断面における負極電極パーツの形成工程の一例を示す図である。 端子面垂直方向の断面における積層体グリーンの形成工程の一例を示す図である。 端子面垂直方向の断面における切断工程及び熱処理工程の一例を示す図である。 端子面平行方向の断面における正極電極パーツの形成工程の一例を示す図である。 端子面平行方向の断面における負極電極パーツの形成工程の一例を示す図である。 端子面平行方向の断面における積層体グリーンの形成工程の一例を示す図である。 端子面平行方向の断面における切断工程及び熱処理工程の一例を示す図である。 固体電池の電極構成について説明する図である。 固体電池の断面観察結果の一例を示す図である。
近年、パソコン、携帯電話、電気自動車等の情報関連機器や通信機器、交通関連機器の急速な発展に伴い、その電源として電池の開発が重要視されている。各種電池の中でも、安全性やエネルギー密度が高いこと、充放電が可能なことから、リチウムイオン電池や固体電池といった二次電池が注目されている。
リチウムイオン電池は、一般的に正極活物質を含む正極電極、及び負極活物質を含む負極電極と、それらの間に設けられる電解質層とを有する。正極電極と負極電極との間に設けられる電解質層として、可燃性の有機電解液を用いるリチウムイオン電池は、液漏れや、短絡、過充電等を想定した安全対策が欠かせない。高容量、高エネルギー密度のリチウムイオン電池にあっては、更なる安全性の向上が求められる。そこで、電解質として酸化物系固体電解質や硫化物系固体電解質を用いた固体電池の研究開発が行われている。
固体電池の製造方法の一工程として、ドクターブレード法やスクリーン印刷法がある。
ドクターブレード法では、焼成前の無機酸化物等のセラミックス粉体に、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリフッ化ビニリレン(PVDF)、アクリル系樹脂又はエチルメチルセルロース等のバインダー、及び溶剤等を混合したスラリーを、塗布や印刷により薄板状に成形したグリーンシートを作製する。このような方法で正極シート、負極シート、固体電解質シートを作製し、これらを積層して焼結させる。
スクリーン印刷法では、焼成前の無機酸化物等のセラミックス粉体に、PVA、PVB、PVDF、アクリル系樹脂又はエチルメチルセルロース等のバインダー、及び溶剤等を混合したペーストを準備する。印刷したい印刷対象物上に、スクリーンマスクを置き、その上にペーストを置く。スキージでスクリーンマスクの端からペーストを延ばして印刷対象物に押し付けていくと、スクリーンマスクで塞がれていない孔部分にペーストが充填され、ペーストが印刷対象物上に転写される。
固体電池は、例えば、正極電極及び負極電極、並びに固体電解質を用いた電解質層、或いは更に集電体層を、積層して熱圧着し、同時焼成することで、製造することができる。リチウムイオンの伝導を利用する固体電池の場合、充電時には、正極電極から電解質層を介して負極電極にリチウムイオンが伝導して取り込まれ、放電時には、負極電極から電解質層を介して正極電極にリチウムイオンが伝導して取り込まれる。固体電池では、このようなリチウムイオン伝導によって充放電動作が実現される。製造される固体電池の性能に寄与する正極電極及び負極電極のパラメータとしては、リチウムイオン伝導性及び電子伝導率があり、電解質層のパラメータとしては、リチウムイオン伝導性がある。
ところで、電解質層とこれを挟む正極電極及び負極電極との積層体を含む固体電池では、その製造時に、当該積層体の各層間又は各層の内部構成要素間の位置ずれ、熱圧着時の変形や圧着不良、焼成時の変形等の現象が発生し得る。このような現象が発生すると、正極電極と負極電極とが接触し、固体電池内部で短絡が発生してしまう恐れがある。このような短絡は、固体電池の性能及び品質の低下を招く。
そこで、以下に示すような手法を用い、固体電池内部での短絡の発生を抑え、高性能及び高品質の固体電池を実現する。
[固体電池の製造]
図1は固体電池の製造方法の一工程について説明する図である。図1(A)〜図1(D)にはそれぞれ、固体電池製造における電極形成の各工程の要部断面図を模式的に示している。
まず、図1(A)に示すように、1層目の電極層10が形成される。1層目の電極層10は、例えば、断面視で、端部10aの厚さよりもその内側部位10bの厚さの方が厚くなる形状で、形成される。
1層目の電極層10は、例えば、電極層10用に準備されたペーストを、スクリーン印刷法を用いて、電解質層等の所定の印刷対象物(図示せず)上に印刷し、乾燥することで、形成される。1層目の電極層10用のペーストには、例えば、活物質、固体電解質、導電助剤、バインダー及び溶剤等が含まれる。
1層目の電極層10の形成後、図1(B)に示すように、1層目の電極層10の端部10aに、1層目の埋め込み層11が形成される。1層目の埋め込み層11は、例えば、断面視で、1層目の電極層10のその内側部位10bよりも薄い端部10aを埋め込むように、形成される。
1層目の埋め込み層11には、1層目の電極層10(及び後述の2層目の電極層20)に含まれる活物質よりも電子伝導率の低い材料、例えば、絶縁材料若しくは固体電解質が用いられる。一例として、1層目の電極層10には、電子伝導率が1×10−2S/cm〜1×10−5S/cmの材料が用いられ、1層目の埋め込み層11には、電子伝導率が1×10−9S/cm〜1×10−10S/cmの材料が用いられる。
1層目の埋め込み層11は、例えば、埋め込み層11用に準備されたペーストを、スクリーン印刷法を用いて、1層目の電極層10の内側部位10bを除く領域上(端部10a上又は端部10aとその外側の領域上)に印刷し、乾燥することで、形成される。1層目の埋め込み層11用のペーストには、例えば、固体電解質、バインダー、可塑剤、分散剤及び希釈剤等が含まれる。
1層目の埋め込み層11の形成後、図1(C)に示すように、2層目の電極層20が形成される。2層目の電極層20は、例えば、断面視で、端部20aの厚さよりもその内側部位20bの厚さの方が厚くなる形状で、形成される。
2層目の電極層20は、例えば、電極層20用に準備されたペーストを、スクリーン印刷法を用いて、1層目の電極層10の内側部位10b上、及びその端部10aに形成された1層目の埋め込み層11上に印刷し、乾燥することで、形成される。2層目の電極層20用のペーストには、例えば、活物質、固体電解質、導電助剤、バインダー及び溶剤等が含まれる。
ここで、1層目の電極層10と2層目の電極層20とは、いずれも固体電池の正極電極の一部となる電極層か、又はいずれも固体電池の負極電極の一部となる電極層である。即ち、1層目の電極層10及び2層目の電極層20には、いずれも正極活物質が含まれるか、又はいずれも負極活物質が含まれる。1層目の電極層10と2層目の電極層20とは、互いの内側部位10bと内側部位20bとで接するように設けられる。1層目の埋め込み層11は、1層目の電極層10と2層目の電極層20とが接する部分3の周囲に、設けられる。
2層目の電極層20の形成後、図1(D)に示すように、2層目の電極層20の端部20aに、2層目の埋め込み層21が形成される。2層目の埋め込み層21は、例えば、断面視で、2層目の電極層20のその内側部位20bよりも薄い端部20aを埋め込むように、形成される。
2層目の埋め込み層21には、2層目の電極層20(及び後述の3層目の電極層)に含まれる活物質よりも電子伝導率の低い材料、例えば、絶縁材料若しくは固体電解質が用いられる。一例として、2層目の電極層20には、電子伝導率が1×10−2S/cm〜1×10−5S/cmの材料が用いられ、2層目の埋め込み層21には、電子伝導率が1×10−9S/cm〜1×10−10S/cmの材料が用いられる。
2層目の埋め込み層21は、例えば、埋め込み層21用に準備されたペーストを、スクリーン印刷法を用いて、2層目の電極層20の内側部位20bを除く領域上(端部20a上又は端部20aとその外側の領域上)に印刷し、乾燥することで、形成される。2層目の埋め込み層21用のペーストには、例えば、固体電解質、バインダー、可塑剤、分散剤及び希釈剤等が含まれる。
上記のような工程が、固体電池の正極電極又は負極電極(以下では一方又は双方を単に「電極」とも言う)として要する層数分、例えば、製造する固体電池の電極として要する活物質量や膜厚となる層数分、繰り返される。例えば、2層目の電極層20上に、その内側部位20bに接するように3層目の電極層(図示せず)が形成される場合には、それらが接する部分の周囲に、2層目の埋め込み層21が設けられることになる。
図1(A)〜図1(D)に示すような工程により、固体電池の電極1(図1(D)では一例として2層の電極層10,20を図示)が形成される。
固体電池の製造では、上記の工程を用いてそれぞれ形成される正極電極及び負極電極が、電解質層(例えば1層目の電極層10の下地)が介在されるようにして積層され、熱圧着される。
上記の工程では、1層目の電極層10の端部10aに1層目の埋め込み層11が設けられ、その上に2層目の電極層20が設けられる。これにより、1層目の電極層10の端部10aと2層目の電極層20の端部20aとの間のギャップが、1層目の埋め込み層11で埋め込まれ、2層目の電極層20の端部20aが1層目の埋め込み層11で支持される。3層目の電極層が形成される場合には、2層目の電極層20の端部20aと3層目の電極層の端部との間のギャップが、2層目の電極層20の端部20aに設けられる2層目の埋め込み層21で埋め込まれ、3層目の電極層の端部が2層目の埋め込み層21で支持される。
このように正極電極及び負極電極の各電極に含まれる電極層群の積層体において、下層側電極層の端部に埋め込まれる埋め込み層によって上層側電極層の端部が支持されることで、電極形成後の積層、熱圧着時における各電極内の電極層群の変形が抑えられる。熱圧着時の各電極及びそれらの電極層群の変形が抑えられることで、電解質層を挟んで積層される電極対同士、即ち、正極電極と負極電極との接触が抑えられる。これにより、固体電池内部の短絡の発生が効果的に抑えられる。
また、上記のような電極層群の積層体を含む電極は、下層側電極層の端部と上層側電極層の端部との間に凹部(上記のギャップに相当する部位)を有し、その凹部内に下層側及び上層側電極層よりも電子伝導率の低い埋め込み層が設けられた構造を有するものとも言える。このような構造を有する電極を正極電極又は負極電極として備える固体電池では、電気伝導性にばらつきが生じ易い電極の側端部(積層体の各電極層の端部)に電流が流れ難くなる。これにより、製造される固体電池群の間の性能ばらつきが抑えられるようになる。
上記の工程によれば、短絡の発生が抑えられた高性能及び高品質の固体電池を実現することが可能になる。
上記の工程を用いて形成される固体電池の電極について更に述べる。
図2は固体電池の電極の一例について説明する図である。図2(A)及び図2(B)には、固体電池の電極の一例の要部断面図を模式的に示している。
上記図1(A)〜図1(D)に示したような工程を用いて形成される固体電池の電極1(正極電極及び負極電極の各々)には、例えば、図2(A)に示すように、第1層LY1及び第2層LY2が含まれる。第1層LY1には、1層目の電極層10と、その端部10aに設けられた1層目の埋め込み層11とが含まれる。第2層LY2には、2層目の電極層20と、その端部20aに設けられた2層目の埋め込み層21とが含まれる。
また、上記図1(A)〜図1(D)に示したような工程を用いて形成される固体電池の電極1(正極電極及び負極電極の各々)には、例えば、図2(B)に示すように、第1領域AR1及び第2領域AR2が含まれる。第1領域AR1には、1層目の電極層10の内側部位10bと、2層目の電極層20の内側部位20bとが含まれる。1層目の電極層10と2層目の電極層20とが接する部分3は、第1領域AR1に存在する。第2領域AR2は、第1領域AR1の周囲の領域である。第2領域AR2には、1層目の電極層10の端部10a及びそこに設けられた1層目の埋め込み層11と、2層目の電極層20の端部20a及びそこに設けられた2層目の埋め込み層21とが含まれる。
電池1において、第2領域AR2の、1層目の電極層10の端部10aと2層目の電極層20の端部20aとの間には、第1領域AR1側に凹んだ凹部4が形成され、その凹部4に1層目の埋め込み層11が形成される。2層目以降も同様に、例えば、2層目の電極層20の端部20aと3層目の電極層の端部との間に凹部4が形成され、その凹部4に2層目の埋め込み層21が形成される。
このような固体電池の電極1では、埋め込み層11及び埋め込み層21が含まれる第2領域AR2において、積層、熱圧着時の電極層10及び電極層20の変形が抑えられ、変形に起因した固体電池の短絡の発生が抑えられる。また、電極1では、第1領域AR1に比べて電気伝導性にばらつきが生じ易い第2領域AR2に電流が流れ難くなり、電極1を備える固体電池群の間の性能ばらつきが抑えられる。
尚、図2(A)及び図2(B)では、1層目の電極層10の内側部位10bと、2層目の電極層20の内側部位20bとの境界を図示している。但し、固体電池の製造では焼成が行われ得る。1層目の電極層10の内側部位10bと、2層目の電極層20の内側部位20bとは、それらの接する部分3において、そのような焼成によって焼結され、一体化された状態となっていてもよい。
また、上記図1(A)〜図1(D)の例では、1層目の電極層10、1層目の埋め込み層11、2層目の電極層20、2層目の埋め込み層21といった順序で電極1を形成するようにしたが、形成の順序は上記の例に限定されるものではない。この点について、次の図3を参照して説明する。
図3は固体電池の電極の別の例について説明する図である。図3(A)及び図3(B)にはそれぞれ、電極の一例の要部断面図を模式的に示している。
例えば、図3(A)に示すような電極1aの形成では、まず、1層目の埋め込み層11が、例えばスクリーン印刷法を用いて形成され、次いで、1層目の電極層10が、例えばスクリーン印刷法を用いて形成されることで、第1層LY1が形成される。その後、2層目の埋め込み層21が、例えばスクリーン印刷法を用いて形成され、次いで、2層目の電極層20が、例えばスクリーン印刷法を用いて形成されることで、第2層LY2が形成される。このような順序で各層を形成し、図3(A)に示すような電極1aを得ることもできる。
また、図3(B)に示すような電極1bの形成では、まず、1層目の電極層10が形成され、次いで、1層目の埋め込み層11が形成され、第1層LY1が形成される。その後、2層目の埋め込み層21が形成され、次いで、2層目の電極層20が形成され、第2層LY2が形成される。そして更に、第1層LY1及び第2層LY2の外側に埋め込み層31が形成される。各層の形成には、例えばスクリーン印刷法が用いられる。このような順序で各層を形成し、図3(B)に示すような電極1bを得ることもできる。
[実施例]
固体電池及びその製造方法の実施例について、以下に詳細に説明する。
まず、電解質シート、正極層用ペースト、負極層用ペースト及び埋め込み層用ペーストの形成の一例について、それぞれ説明する。
(電解質シートの形成)
電解質シートの形成には、固体電解質、バインダー、可塑剤、分散剤及び希釈剤を含むペーストが用いられる。
ここで、電解質シート用ペーストの固体電解質には、例えば、NASICON(ナシコン)型の酸化物系固体電解質の1種であるLi1.5Al0.5Ge1.5(PO(以下「LAGP」と言う)が用いられる。LAGPは、アルミニウム置換リン酸ゲルマニウムリチウム等とも称される。
一例として、電解質シート用ペーストには、固体電解質として、非晶質LAGP(以下「LAGPg」と言う)を29.0wt%(重量%)、及び結晶質LAGP(以下「LAGPc」と言う)を3.2wt%含み、バインダーとしてPVBを6.5wt%、可塑剤を2.2wt%、第1分散剤を0.3wt%、第2分散剤を16.1wt%、希釈剤としてエタノールを43.4wt%含むものが用いられる。尚、電解質シート用ペーストのバインダー、可塑剤、分散剤及び希釈剤にはそれぞれ、1種の材料が用いられてもよいし、2種以上の材料が用いられてもよい。
上記のような電解質シート用ペーストの成分材料が、混合分散、例えば、ボールミルで48時間、混合分散されることで、電解質シート用ペーストが形成される。形成された電解質シート用ペーストが、塗工及び乾燥、例えば、ドクターブレード等のシート成形機を用いて塗工され、温度100℃で10分間乾燥されることで、電解質シートが形成される。
(正極層用ペーストの形成)
正極層用ペーストとして、正極活物質、固体電解質、導電助剤、バインダー、可塑剤、分散剤及び希釈剤を含むものが用いられる。
ここで、正極層用ペーストの正極活物質には、例えば、ピロリン酸コバルトリチウム(LiCoP,以下「LCPO」と言う)が用いられる。正極活物質には、リン酸コバルトリチウム(LiCoPO)、リン酸バナジウムリチウム(Li(PO)(以下「LVP」と言う)等が用いられてもよい。正極活物質としては、1種の材料が用いられてもよいし、2種以上の材料が用いられてもよい。正極層用ペーストの固体電解質には、例えば、LAGPが用いられる。正極層用ペーストの導電助剤には、例えば、カーボンナノファイバー、カーボンブラック、グラファイト、グラフェン、カーボンナノチューブ等の炭素材料が用いられる。
一例として、正極層用ペーストには、正極活物質としてLCPOを11.8wt%、固体電解質としてLAGPgを17.7wt%、導電助剤としてカーボンナノファイバーを2.7wt%、バインダーとしてPVBを7.9wt%、可塑剤を0.3wt%、第1分散剤を0.6wt%、希釈剤としてターピネオールを59.1wt%含むものが用いられる。尚、正極層用ペーストのバインダー、可塑剤、分散剤及び希釈剤にはそれぞれ、1種の材料が用いられてもよいし、2種以上の材料が用いられてもよい。
上記のような正極層用ペーストの成分材料が、混合分散、例えば、ボールミルで72時間、及び三本ロールミルで混合分散され、粒ゲージを用いて凝集体が1μm以下になるまで混合分散されることで、正極層用ペーストが形成される。
(負極層用ペーストの形成)
負極層用ペーストとして、負極活物質、固体電解質、導電助剤、バインダー、可塑剤、分散剤及び希釈剤を含むものが用いられる。
ここで、負極層用ペーストの負極活物質には、例えば、アナターゼ型の酸化チタン(TiO)が用いられる。負極活物質には、NASICON型の酸化物系固体電解質の1種であるLi1.3Al0.3Ti1.7(PO(以下「LATP」と言う)、LVP等が用いられてもよい。負極活物質としては、1種の材料が用いられてもよいし、2種以上の材料が用いられてもよい。負極層用ペーストの固体電解質には、例えば、LAGPが用いられる。負極層用ペーストの導電助剤には、例えば、カーボンナノファイバー、カーボンブラック、グラファイト、グラフェン、カーボンナノチューブ等の炭素材料が用いられる。
一例として、負極層用ペーストには、負極活物質としてTiOを11.8wt%、固体電解質としてLAGPgを17.7wt%、導電助剤としてカーボンナノファイバーを2.7wt%、バインダーとしてPVBを7.9wt%、可塑剤を0.3wt%、第1分散剤を0.6wt%、希釈剤としてターピネオールを59.1wt%含むものが用いられる。尚、負極層用ペーストのバインダー、可塑剤、分散剤及び希釈剤にはそれぞれ、1種の材料が用いられてもよいし、2種以上の材料が用いられてもよい。
上記のような負極層用ペーストの成分材料が、混合分散、例えば、ボールミルで72時間、及び三本ロールミルで混合分散され、粒ゲージを用いて凝集体が1μm以下になるまで混合分散されることで、負極層用ペーストが形成される。
(埋め込み層用ペーストの形成)
埋め込み層用ペーストとして、固体電解質、バインダー、可塑剤、分散剤及び希釈剤を含むペーストが用いられる。
ここで、埋め込み層用ペーストの固体電解質には、例えば、LAGPが用いられる。一例として、埋め込み層用ペーストには、固体電解質として、LAGPgを25.4wt%、及びLAGPcを2.8wt%含み、バインダーとしてPVBを8.5wt%、可塑剤を0.2wt%、第1分散剤を1.9wt%、希釈剤としてターピネオールを61.2wt%含むものが用いられる。尚、埋め込み層用ペーストのバインダー、可塑剤、分散剤、希釈剤にはそれぞれ、1種の材料が用いられてもよいし、2種以上の材料が用いられてもよい。
上記のような埋め込み層用ペーストの成分材料が、混合分散、例えば、ボールミルで72時間、及び三本ロールミルで混合分散され、粒ゲージを用いて凝集体が1μm以下になるまで混合分散されることで、埋め込み層用ペーストが形成される。
続いて、上記のようにして準備される電解質シート、正極層用ペースト、負極層用ペースト及び埋め込み層用ペーストを用いた固体電池の製造の一例について、図4〜図15を参照して説明する。
(固体電池の製造)
図4は正極電極パーツの形成方法の一例について説明する図である。図4(A)には、正極層形成工程の一例の要部平面図を模式的に示している。図4(B)には、埋め込み層形成工程の一例の要部平面図を模式的に示している。
図4(A)に示すように、電解質シート101上に、正極層用ペーストが塗工され、塗工された正極層用ペーストが乾燥されて、1層目の正極層110が形成される。正極層用ペーストの塗工は、例えば、スクリーン印刷法を用いて行われる。塗工された正極層用ペーストの乾燥は、例えば、温度90℃で5分間の条件で行われる。
正極層110(正極層用ペースト)は、1枚の電解質シート101上の、複数個分の固体電池の形成領域に設けられる。図4(A)には一例として、大小2種類のサイズの正極層110を図示しており、小サイズの正極層110が1個分の固体電池の正極層として用いられ、大サイズの正極層110が2個分の固体電池の正極層として用いられる。図4(A)には、1個分の固体電池の正極層として用いられる各箇所(便宜上3箇所)を点線枠で図示している。
1層目の正極層110の形成後、図4(B)に示すように、電解質シート101上の正極層110の周囲に、埋め込み層用ペーストが塗工され、塗工された埋め込み層用ペーストが乾燥されて、正極電極パーツの1層目の埋め込み層111が形成される。埋め込み層111(埋め込み層用ペースト)は、正極層110の端部を被覆する(端部に被る)ように形成される。埋め込み層用ペーストの塗工は、例えば、スクリーン印刷法を用いて行われる。塗工された埋め込み層用ペーストの乾燥は、例えば、温度90℃で5分間の条件で行われる。
この図4(A)及び図4(B)に示すような工程が、所定の層数分、例えば、固体電池の正極電極として機能するのに要する活物質量や膜厚となる層数分、繰り返されて行われ、正極電極パーツが形成される。
図5は負極電極パーツの形成方法の一例について説明する図である。図5(A)には、負極層形成工程の一例の要部平面図を模式的に示している。図5(B)には、埋め込み層形成工程の一例の要部平面図を模式的に示している。
図5(A)に示すように、電解質シート101上に、負極層用ペーストが塗工され、塗工された負極層用ペーストが乾燥されて、1層目の負極層120が形成される。負極層用ペーストの塗工は、例えば、スクリーン印刷法を用いて行われる。塗工された負極層用ペーストの乾燥は、例えば、温度90℃で5分間の条件で行われる。
負極層120(負極層用ペースト)は、1枚の電解質シート101上の、複数個分の固体電池の形成領域に設けられる。図5(A)には一例として、1種類のサイズの負極層120を図示しており、これが2個分の固体電池の負極層として用いられる。図5(A)には、負極層120のうち、1個分の固体電池の負極層として用いられる各箇所(便宜上3箇所)を点線枠で図示している。
1層目の負極層120の形成後、図5(B)に示すように、電解質シート101上の負極層120の周囲に、埋め込み層用ペーストが塗工され、塗工された埋め込み層用ペーストが乾燥されて、負極電極パーツの1層目の埋め込み層121が形成される。埋め込み層121(埋め込み層用ペースト)は、負極層120の端部を被覆する(端部に被る)ように形成される。埋め込み層用ペーストの塗工は、例えば、スクリーン印刷法を用いて行われる。塗工された埋め込み層用ペーストの乾燥は、例えば、温度90℃で5分間の条件で行われる。
この図5(A)及び図5(B)に示すような工程が、所定の層数分、例えば、固体電池の負極電極として機能するのに要する活物質量や膜厚となる層数分、繰り返されて行われ、負極電極パーツが形成される。
上記図4(A)及び図4(B)に示したような工程を所定の層数分繰り返して形成される正極電極パーツと、上記図5(A)及び図5(B)に示したような工程を所定の層数分繰り返して形成される負極電極パーツとは、交互に積層され、一軸プレスによって熱圧着される。熱圧着は、例えば、圧力20MPa、温度45℃の条件で行われる。このような熱圧着により、正極電極パーツと負極電極パーツとが交互に積層された構造を有する積層体(積層体グリーン)が形成される。形成された積層体グリーンは、切断機を用いて所定の位置で切断された後、酸素を含む雰囲気下、温度500℃で10時間保持する条件の熱処理によって脱脂が行われ、更に、窒素を含む雰囲気下、600℃で2時間保持する条件の熱処理によって焼結が行われる。これにより、固体電池が得られる。
図6及び図7は固体電池の一構成例について説明する図である。図6(A)には、固体電池の外観斜視図を模式的に示し、図6(B)には、図6(A)に示すような面P1に沿った切断面の一例を模式的に示し、図6(C)には、外部端子を設けた固体電池の外観斜視図を模式的に示している。図7(A)には、固体電池の外観斜視図を模式的に示し、図7(B)には、図7(A)に示すような面P2に沿った切断面の一例を模式的に示している。
図6(A)及び図7(A)に示す固体電池100は、上記積層体グリーンを、切断機を用いて切断し、熱処理を行うことで製造される。
ここで、積層体グリーンは、図6(B)及び図7(B)に示すような、正極電極パーツ115と負極電極パーツ125とが、交互に積層され熱圧着された構造を有する。正極電極パーツ115は、電解質シート101(電解質層105)とその上に設けられた複数層分(一例として2層分)の正極層110及び埋め込み層111を含む。負極電極パーツ125は、電解質シート101(電解質層105)とその上に設けられた複数層分(一例として2層分)の負極層120及び埋め込み層121を含む。
このような積層体グリーンが、図6(B)及び図7(B)に示すように切断され、その際、図6(B)に示すように、一端面には正極層110が露出し、他端面には負極層120が露出するような位置で切断され、更に熱処理が行われることで、固体電池100が得られる。
各正極電極パーツ115の複数層分(一例として2層分)の正極層110同士、各負極電極パーツ125の複数層分(一例として2層分)の負極層120同士は、例えば、切断後に行われる熱処理によって焼結され、一体化される。各正極電極パーツ115の正極層110同士の端部110a間に埋め込み層111の一部が介在され、各負極電極パーツ125の負極層120同士の端部120a間に埋め込み層121の一部が介在される。
正極層110が露出する一端面は、正極端子面130として用いられ、負極層120が露出する他端面は、負極端子面140として用いられる。正極端子面130には、正極電極パーツ115の正極層110の側端面、電解質シート101が切断されることで得られる電解質層105の側端面、及び負極電極パーツ125の埋め込み層121の側端面が露出し、負極層120は露出しない。負極端子面140には、負極電極パーツ125の負極層120の側端面、電解質層105の側端面、及び正極電極パーツ115の埋め込み層111の側端面が露出し、正極層110は露出しない。図7(A)に示すような正極端子面130と負極端子面140との中間部位では、図7(B)(及び図6(B))に示すように、正極電極パーツ115の正極層110と、負極電極パーツ125の負極層120とが、電解質層105を介して交互に積層される。
そして、図6(A)及び図6(B)(並びに図7(A))に示すような固体電池100の正極端子面130及び負極端子面140にそれぞれ、図6(C)に示すように、外部端子として正極端子131及び負極端子141が形成される。正極端子131は、正極端子面130に露出する正極層110の側端面と接続されるように形成され、負極端子141は、負極端子面140に露出する負極層120の側端面と接続されるように形成される。これにより、正極層110と負極層120との対と、それらの間の電解質層105とを備える電池セルが、複数、電気的に並列接続された、チップ形の固体電池100が実現される。
上記構成を有する固体電池100の形成例について、上記図6(A)の面P1に沿った切断面、即ち正極端子面130及び負極端子面140に垂直な方向(以下「端子面垂直方向」と言う)の断面と、上記図7(A)の面P2に沿った切断面、即ち正極端子面130及び負極端子面140に平行な方向(以下「端子面平行方向」と言う)とにそれぞれ着目して、詳細に説明する。
図8は端子面垂直方向の断面における正極電極パーツの形成工程の一例を示す図、図9は端子面垂直方向の断面における負極電極パーツの形成工程の一例を示す図、図10は端子面垂直方向の断面における積層体グリーンの形成工程の一例を示す図、図11は端子面垂直方向の断面における切断工程及び熱処理工程の一例を示す図である。図8(A)〜図8(E)、図9(A)〜図9(E)、図10(A)〜図10(C)、並びに図11(A)及び図11(B)にはそれぞれ、各工程の要部断面図を模式的に示している。
図12は端子面平行方向の断面における正極電極パーツの形成工程の一例を示す図、図13は端子面平行方向の断面における負極電極パーツの形成工程の一例を示す図、図14は端子面平行方向の断面における積層体グリーンの形成工程の一例を示す図、図15は端子面平行方向の断面における切断工程及び熱処理工程の一例を示す図である。図12(A)〜図12(E)、図13(A)〜図13(E)、図14(A)〜図14(C)、並びに図15(A)及び図15(B)にはそれぞれ、各工程の要部断面図を模式的に示している。
(正極電極パーツの形成)
正極電極パーツ115の形成では、まず、図8(A)及び図12(A)に示すように、電解質シート101が準備される。
次いで、図8(B)及び図12(B)に示すように、電解質シート101上の所定の領域(複数個分の固体電池の形成領域)に、スクリーン印刷法を用いて正極層用ペーストが塗工され、それが乾燥されることで、1層目の正極層110が形成される。スクリーン印刷法を用いて各領域に形成される1層目の正極層110は、その全周の端部110aの厚さよりも内側部位110bの厚さの方が厚くなるような形状で、電解質シート101上に形成される。
次いで、図8(C)及び図12(C)に示すように、電解質シート101上の1層目の正極層110の周囲に、スクリーン印刷法を用いて埋め込み層用ペーストが塗工され、それが乾燥されることで、1層目の埋め込み層111が形成される。1層目の埋め込み層111は、1層目の正極層110の端部110aを被覆し、且つその内側部位110bが露出するように、形成される。
次いで、図8(D)及び図12(D)に示すように、1層目の正極層110上に、スクリーン印刷法を用いて正極層用ペーストが塗工され、それが乾燥されることで、1層目の正極層110上に積層されるようにして、2層目の正極層110が形成される。1層目の正極層110と同様に、2層目の正極層110も、その全周の端部110aの厚さよりも内側部位110bの厚さの方が厚くなるような形状で、形成される。1層目と2層目の正極層110の端部110a同士の間には、1層目の正極層110の端部110aを被覆するように形成された1層目の埋め込み層111の一部が介在する。
次いで、図8(E)及び図12(E)に示すように、2層目の正極層110の周囲に、スクリーン印刷法を用いて埋め込み層用ペーストが塗工され、それが乾燥されることで、2層目の埋め込み層111が形成される。2層目の埋め込み層111は、2層目の正極層110の端部110aを被覆し、且つその内側部位110bが露出するように、形成される。
例えば、図8(A)〜図8(E)及び図12(A)〜図12(E)に示すような工程により、複数層(この例では2層)の正極層110が積層され、それらの端部110aがそれぞれ埋め込み層111によって被覆された構造を有する、正極電極パーツ115が形成される。
(負極電極パーツの形成)
負極電極パーツ125の形成では、まず、図9(A)及び図13(A)に示すように、電解質シート101が準備される。
次いで、図9(B)及び図13(B)に示すように、電解質シート101上の所定の領域(複数個分の固体電池の形成領域)に、スクリーン印刷法を用いて負極層用ペーストが塗工され、それが乾燥されることで、1層目の負極層120が形成される。スクリーン印刷法を用いて各領域に形成される1層目の負極層120は、その全周の端部120aの厚さよりも内側部位120bの厚さの方が厚くなるような形状で、電解質シート101上に形成される。
次いで、図9(C)及び図13(C)に示すように、電解質シート101上の1層目の負極層120の周囲に、スクリーン印刷法を用いて埋め込み層用ペーストが塗工され、それが乾燥されることで、1層目の埋め込み層121が形成される。1層目の埋め込み層121は、1層目の負極層120の端部120aを被覆し、且つその内側部位120bが露出するように、形成される。
次いで、図9(D)及び図13(D)に示すように、1層目の負極層120上に、スクリーン印刷法を用いて負極層用ペーストが塗工され、それが乾燥されることで、1層目の負極層120上に積層されるようにして、2層目の負極層120が形成される。1層目の負極層120と同様に、2層目の負極層120も、その全周の端部120aの厚さよりも内側部位120bの厚さの方が厚くなるような形状で、形成される。1層目と2層目の負極層120の端部120a同士の間には、1層目の負極層120の端部120aを被覆するように形成された1層目の埋め込み層121の一部が介在する。
次いで、図9(E)及び図13(E)に示すように、2層目の負極層120の周囲に、スクリーン印刷法を用いて埋め込み層用ペーストが塗工され、それが乾燥されることで、2層目の埋め込み層121が形成される。2層目の埋め込み層121は、2層目の負極層120の端部120aを被覆し、且つその内側部位120bが露出するように、形成される。
例えば、図9(A)〜図9(E)及び図13(A)〜図13(E)に示すような工程により、複数層(この例では2層)の負極層120が積層され、それらの端部120aがそれぞれ埋め込み層121によって被覆された構造を有する、負極電極パーツ125が形成される。
(積層体グリーンの形成)
上記のようにして得られた正極電極パーツ115及び負極電極パーツ125が交互に積層され、熱圧着されて、積層体グリーンが形成される。例えば、図10(A)及び図14(A)に示すように、1層目の負極電極パーツ125上に1層目の正極電極パーツ115が積層され、更に、図10(B)及び図14(B)に示すように、1層目の正極電極パーツ115上に2層目の負極電極パーツ125が積層される。同様に、図10(C)及び図14(C)に示すように、2層目の負極電極パーツ125上に2層目の正極電極パーツ115が積層され、最上層には更に電解質シート101が積層される。これらが熱圧着されることで、積層体グリーン150が形成される。
このようにして積層体グリーン150が形成される際、端子面垂直方向の断面(図6(A)の面P1に沿った断面)については、図10(A)〜図10(C)に示すように、対向する各負極層120と各正極層110とが部分的に重複するように、負極電極パーツ125と正極電極パーツ115とが積層される。即ち、端子面垂直方向の断面視では、下層の隣り合う負極層120間を跨ぐように上層の正極層110が位置し、下層の隣り合う正極層110間を跨ぐように上層の負極層120が位置するように、負極電極パーツ125と正極電極パーツ115とが積層される。或いは、負極電極パーツ125及び正極電極パーツ115の形成工程において、これらが積層された時に端子面垂直方向の断面では負極層120と正極層110とがこのように部分的に重複する位置関係となるように、スクリーン印刷が実施される。
一方、端子面平行方向の断面(図7(A)の面P2に沿った断面)については、図14(A)〜図14(C)に示すように、各負極層120と各正極層110とが全体的に重複するように、負極電極パーツ125と正極電極パーツ115とが積層される。或いは、負極電極パーツ125及び正極電極パーツ115の形成工程において、これらが積層された時に端子面平行方向の断面では負極層120と正極層110とがこのように全体的に重複する位置関係となるように、スクリーン印刷が実施される。
(切断及び熱処理)
上記のようにして得られた積層体グリーン150は、切断機を用いて、上記図10(C)及び図14(C)に鎖線で示したような位置DL1で切断される。これにより、図11(A)及び図15(A)に示すような、積層体グリーン150の複数の個片150aが形成される。更に、脱脂及び焼成のための熱処理が行われることで、図11(B)及び図15(B)(並びに図6(B)及び図7(B))に示すような、個々の固体電池100が形成される。各固体電池100は、切断された電解質シート101を電解質層105として備え、電解質層105を介して正極層110と負極層120とが設けられた、複数の電池セルを含む。各固体電池100では、その形成時の熱処理の際、各負極電極パーツ125において積層された負極層120同士が焼結により一体化され、各正極電極パーツ115において積層された正極層110同士が焼結により一体化された構造となる。
図11(B)に示すように、各固体電池100の端子面垂直方向における一方の端面には、正極層110の側端面が露出し、各固体電池100の端子面垂直方向における他方の端面には、負極層120の側端面が露出する。即ち、端子面垂直方向における、正極層110の側端面が露出する側が正極端子面130となり、負極層120の側端面が露出する側が負極端子面140となる。これら正極端子面130及び負極端子面140にそれぞれ、上記図6(C)に示したような正極端子131及び負極端子141が形成されることで、チップ形の固体電池100が実現される。
上記のような工程によって得られる固体電池100では、複数の正極層110を積層して正極電極パーツ115を得る際、正極層110を、その内側部位110bよりも薄くなる端部110aに埋め込み層111を被せたうえで、積層する。同様に、複数の負極層120を積層して負極電極パーツ125を得る際、負極層120を、その内側部位120bよりも薄くなる端部120aに埋め込み層121を被せたうえで、積層する。
これにより、正極電極パーツ115及び負極電極パーツ125を積層し熱圧着して積層体グリーン150を得る際、正極層110は、その端部110aに埋め込み層111が設けられない場合に比べ、熱圧着時の変形が抑えられる。同様に、負極層120は、その端部120aに埋め込み層121が設けられない場合に比べ、熱圧着時の変形が抑えられる。また、その後に行われる熱処理の際の正極層110及び負極層120の変形も抑えられ、更に、それらの間に位置する電解質層105の変形も抑えられるようになる。正極層110及び負極層120等の変形が抑えられることで、それに起因した固体電池100の短絡の発生が効果的に抑えられる。
[固体電池に関する調査]
上記のような構成を有する固体電池に関し、電極層(正極層又は負極層)の端部に被せる埋め込み層の被せ距離及び被せ率、電極層の端部の変形、固体電池の不良率、並びに電極層の端部及び内側部位の厚さについて調査した結果を以下に説明する。
図16は固体電池の電極構成について説明する図である。図16(A)には、固体電池の要部断面図を模式的に示し、図16(B)には、図16(A)のQ部(電極層1層分)の部分拡大図を模式的に示し、図16(C)には、図16(A)のQ部の斜視図を模式的に示している。
調査には、図16(A)に示すような構造を有する固体電池160を用いている。固体電池160は、電解質層105上に10層分の電極層170(上記の正極層110又は負極層120に相当)を、その端部170aに埋め込み層180(上記の埋め込み層111又は埋め込み層121に相当)を被せながら積層し、熱圧着後、脱脂及び焼成のための熱処理を施すことで得られる。尚、図16(A)には便宜上、1層の電解質層105とその一方の面側に設けられる10層分の電極層170及び埋め込み層180のみを図示している。図16(B)及び図16(C)には、このような固体電池160における1層分の電極層170を含む領域(Q部)を抜き出して図示している。
ここで、図16(B)に示すような、電極層170の端部170aに被せた埋め込み層180の、電極層170の側端からの距離を、「被せ距離d」とする。図16(C)に示すような、被せ距離dで埋め込み層180が被せられた領域の面積S1の、電極層170(又は10層が焼結により一体化されたもの)の主面の面積S0に対する比率を、「被せ率y」(y=S1/S0×100)とする。また、図16(B)に示すような、電極層170の内側部位170bの厚さを、「電極厚みt1」とし、電極層170の側端の厚さを、「端部厚みt2」とする。
被せ距離dの異なる構造A〜Eの5種類の固体電池160を形成し、それらについて調査を行った。尚、5種類の固体電池160は、構造A,B,C,D,Eの順に被せ距離dを大きくしたものである。
(電極層の端部の埋め込み層の被せ距離及び電極層の端部の変形)
構造A〜Eの各固体電池160について、電極層170の端部170aの埋め込み層180の被せ距離d[μm]、被せ率y[%]、及び電極層170の端部170aの変形(電極変形)の有無を調査した。結果を表1及び表2並びに図17に示す。
Figure 2021136112
Figure 2021136112
構造Aでは、被せ距離dが平均15.6μm、被せ率yが平均1.4%であった(表1)。構造Bでは、被せ距離dが平均24.1μm、被せ率yが平均2.2%であった(表1)。構造Cでは、被せ距離dが平均34.2μm、被せ率yが平均3.2%であった(表1)。構造Dでは、被せ距離dが平均61.9μm、被せ率yが平均5.7%であった(表2)。構造Eでは、被せ距離dが平均77.4μm、被せ率yが平均7.1%であった(表2)。
ここで、構造A〜Eの各固体電池160の断面観察結果の一例を図17に示す。図17(A)〜図17(E)は、構造A〜Eの各固体電池160について得られた断面写真をそれぞれ模擬的に図示したものである。図17(A)〜図17(C)に例示するように、電極層170の端部170aに被せる埋め込み層180の被せ率y(平均)が比較的小さい構造A,B,Cでは、電極層170の端部170aに大きな電極変形が認められた。これに対し、図17(D)及び図17(E)に例示するように、電極層170の端部170aに被せる埋め込み層180の被せ率y(平均)が比較的大きい構造D,Eでは、電極層170の端部170aに大きな電極変形は認められなかった。
表1及び表2(及び以下の表3〜6)では便宜上、大きな電極変形が認められた構造A,B,Cの各固体電池160は電極変形有りとし、大きな電極変形が認められなかった構造D,Eの各固体電池160は電極変形無しとしている。
大きな電極変形が認められない構造D及び構造Eにおける最小被せ率yは4.9%(構造Dの計測No.6)、最大被せ率yは7.8%(構造Eの計測No.6)であった。被せ率yが4.9%≦y≦7.8%の範囲となるように、電極層170の端部170aに埋め込み層180を被せることで、電極変形が抑えられた固体電池160を実現することが可能になると言える。また、製造上、その条件として被せ距離dを規定する場合には、例えば、被せ率yが構造Dの最小と最大の範囲である4.9%≦y≦6.3%の範囲となるような被せ距離dに規定することができる。
(固体電池の不良率)
構造A〜Eの各固体電池160について、初期電池電圧から内部短絡による不良率[%]を調査した。正極活物質をLCPO、負極活物質をTiOとした固体電池160の場合、初期電位はマイナス数mV〜マイナス百mV程度であるが、ここでは、初期電位を測定してその値が0V〜±0.1mVとなった固体電池160は内部短絡による不良とした。構造A〜Eの各構造で形成した固体電池160を任意に30個抽出してテスターで電圧を測定し、初期電位が0V〜±0.1mVとなった固体電池160の個数の割合を不良率として計算した。結果を表3及び表4に示す。
Figure 2021136112
Figure 2021136112
大きな電極変形が認められた構造A,B,Cでは、構造Aの不良率が93.3%、構造Bの不良率が83.3%、構造Cの不良率が70.0%であった(表3)。これに対し、大きな電極変形が認められなかった構造D,Eでは、いずれの不良率も6.7%であった(表4)。固体電池160に構造D,Eのような被せ距離d及び被せ率yを採用することで、電極変形及び不良率が抑えられた固体電池160を実現することが可能になると言える。
(電極層の端部と内側部位の厚さ)
構造A〜Eの各固体電池160について、電極層170の電極厚みt1[μm]及び端部厚みt2[μm]、並びに電極厚みt1を基準にした時の端部厚みt2と電極厚みt1との厚み差比率x[%]を調査した。尚、電極厚みt1は、電極層170の内側部位170bの厚さであり、端部厚みt2は、電極層170の側端の厚さである(図16(B))。また、厚み差比率xは、x=|t2−t1|/t1×100より求めた。結果を表5及び表6に示す。
Figure 2021136112
Figure 2021136112
大きな電極変形が認められた構造A,B,Cの場合、構造Aでは最小厚み差比率xが7.5%で最大厚み差比率xが79.9%、構造Bでは最小厚み差比率xが1.5%で最大厚み差比率xが66.1%、構造Cでは最小厚み差比率xが1.0%で最大厚み差比率xが80.9%であった(表5)。これに対し、大きな電極変形が認められなかった構造D,Eの場合には、構造Dでは最小厚み差比率xが0.0%で最大厚み差比率xが9.4%、構造Eでは最小厚み差比率xが1.0%で最大厚み差比率xが6.2%であった(表6)。
構造D,Eの結果から、固体電池160において、電極厚みt1と端部厚みt2との厚み差比率xが0%≦x≦9.4%の範囲となるような電極層170を採用し、構造D,Eのような被せ距離d及び被せ率yを採用することで、電極変形及び不良率が抑えられた固体電池160を実現することが可能になると言える。
1,1a,1b 電極
3 接する部分
4 凹部
10,20,170 電極層
10a,20a,110a,120a,170a 端部
10b,20b,110b,120b,170b 内側部位
11,21,31,111,121,180 埋め込み層
100,160 固体電池
101 電解質シート
105 電解質層
110 正極層
115 正極電極パーツ
120 負極層
125 負極電極パーツ
130 正極端子面
131 正極端子
140 負極端子面
141 負極端子
150 積層体グリーン
150a 個片
AR1 第1領域
AR2 第2領域
LY1 第1層
LY2 第2層
P1,P2 面
DL1 位置
S0,S1 面積
t1 電極厚み
t2 端部厚み
x 厚み差比率
d 被せ距離
y 被せ率

Claims (13)

  1. 第1電極層と前記第1電極層に面する第2電極層とを含む第1電極であって、前記第1電極層と前記第2電極層との間で且つ前記第1電極層と前記第2電極層とが接する第1部分の周囲に第1埋め込み層が設けられた前記第1電極を形成する工程を含むことを特徴とする固体電池の製造方法。
  2. 前記第1電極層及び前記第2電極層はそれぞれ、前記第1部分よりも他の部分の方が薄いことを特徴とする請求項1に記載の固体電池の製造方法。
  3. 前記第1埋め込み層は、前記第1部分から外側に離れるほど厚いことを特徴とする請求項1又は2に記載の固体電池の製造方法。
  4. 前記第1電極層、前記第2電極層及び前記第1埋め込み層はそれぞれ、印刷法を用いて形成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の固体電池の製造方法。
  5. 前記第1電極層は、第1活物質を含み、
    前記第2電極層は、第2活物質を含み、
    前記第1埋め込み層は、前記第1活物質及び前記第2活物質よりも電子伝導率が低いことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の固体電池の製造方法。
  6. 前記第1電極の主面の面積に対する前記第1埋め込み層の面積の割合が、4.9%以上7.8%以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の固体電池の製造方法。
  7. 第3電極層と前記第3電極層に面する第4電極層とを含む第2電極であって、前記第3電極層と前記第4電極層との間で且つ前記第3電極層と前記第4電極層とが接する第2部分の周囲に第2埋め込み層が設けられた前記第2電極を形成する工程と、
    前記第1電極と前記第2電極との間に電解質層を設け、前記第1電極、前記電解質層及び前記第2電極の積層体を形成する工程と、
    前記積層体を焼成する工程と
    を含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の固体電池の製造方法。
  8. 第1領域と前記第1領域の周囲の第2領域とを備える第1電極と、
    前記第1電極の側端面の一部を除く前記第2領域に設けられた第1埋め込み層と
    を含むことを特徴とする固体電池。
  9. 前記第2領域は、前記第1領域側に凹んだ凹部を有し、
    前記第1埋め込み層は、前記第2領域の前記凹部に設けられることを特徴とする請求項8に記載の固体電池。
  10. 前記第1埋め込み層は、前記第1領域から外側に離れるほど厚いことを特徴とする請求項8又は9に記載の固体電池。
  11. 前記第1電極は、1種又は2種以上の活物質を含み、
    前記第1埋め込み層は、前記活物質よりも電子伝導率が低いことを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載の固体電池。
  12. 前記第1電極の主面の面積に対する前記埋め込み層の面積の割合が、4.9%以上7.8%以下であることを特徴とする請求項8乃至11のいずれかに記載の固体電池。
  13. 第3領域と前記第3領域の周囲の第4領域とを備える第2電極と、
    前記第2電極の側端面の一部を除く前記第4領域に設けられた第2埋め込み層と
    前記第1電極と前記第2電極との間に設けられた電解質層と
    を含むことを特徴とする請求項8乃至12のいずれかに記載の固体電池。
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